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Patent Searching and Data


Title:
HOLLOW FIBER CARBON MEMBRANE AND METHOD FOR PRODUCTION THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/017185
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a hollow fiber carbon membrane which has excellent gas separation ability, has such a level of flexibility that the membrane is hardly broken, and is highly advantageous for practical use. Specifically disclosed is a hollow fiber carbon membrane which substantially comprises a carbide produced by shaping a polyphenyleneoxide derivative into a hollow fiber and burning the hollow fiber, wherein the polyphenyleneoxide derivative has a repeating unit represented by the formula (a) and a repeating unit represented by the formula (b) [wherein R11 to R12 independently represent a hydrogen atom or a sulfone group, provided that both of R11 to R12 are not hydrogen atoms simultaneously] and the ratio (A (%)) of the amount of the repeating unit (b) to the total amount of the repeating units (a) and (b) is more than 15% and less than 60% (15% < A < 60%). The hollow fiber carbon membrane has an outer diameter of 0.08 to 0.25 mm. (a) (b)

Inventors:
YOSHIMUNE MIKI (JP)
HARAYA KENJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063731
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
YOSHIMUNE MIKI (JP)
HARAYA KENJI (JP)
International Classes:
B01D71/02; B01D69/08
Foreign References:
JP2006231095A2006-09-07
JP2673846B21997-11-05
JP2626837B21997-07-02
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Claims:
実質的に下記の
及び
(式中、R 11 ~R 12 は、各々独立して、水素原子、-SO 3 H、又は-SO 3 NH 4 を示す。ただし、R 11 ~R 12 が共に水素原子であることはない。)で表される繰り返し単位からなり、その繰り返し単位(b)の(a)+(b)に対する割合A(%)が15%<A<60%であるポリフェニレンオキシド誘導体を中空糸状に形成した後に焼成して得られる炭化物からなり、その外径が0.08~0.25mmの範囲にあることを特徴とする中空糸炭素膜。
 実質的に下記の
及び
(式中、R 11 ~R 12 は各々独立して、水素原子、-SO 3 H、又は-SO 3 NH 4 基を示す。ただし、R 11 ~R 12 が共に水素原子であることはない。)で表される繰り返し単位からなり、その繰り返し単位(b)の(a)+(b)に対する割合A(%)は15%<A<60%であるポリフェニレンオキシド誘導体を有機溶剤に溶解し、該溶液を、二重管環状構造であって、その外管の外径が0.5mm以下であり、内径が0.15mm以上である中空糸ノズルの外管から押し出すと同時に、非溶解性の芯液を該紡糸ノズルの内管から凝固浴へ押し出すことにより中空糸を形成した後、得られた中空糸を焼成することを特徴とする中空糸炭素膜の製造方法。
 前記芯液及び凝固浴が、水又はアンモニウム塩水溶液のいずれかからなることを特徴とする請求項2に記載の中空糸炭素膜の製造方法。
 前記焼成を、10 -4 気圧以下の減圧下又は不活性ガス雰囲気中、450~850℃の範囲で行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の中空糸炭素膜の製造方法。
 前記焼成に先だって、150~300℃の範囲で、30分~4時間の予備加熱をおこなう請求項2~4のいずれか1項に記載の中空糸炭素膜の製造方法。
 前記焼成後に、後処理として150~300℃の範囲で、30分~4時間の加熱をおこなう請求項2~5のいずれか1項に記載の中空糸炭素膜の製造方法。
Description:
中空糸炭素膜及びその製造方法

 本発明は、ポリフェニレンオキシド誘導 からなる中空糸炭素膜及びその製造方法に し、特に、気体分離性能に優れた特質を有 るとともに、膜の脆さが改良され、破損し くい優れた柔軟性を有するポリフェニレン キシド誘導体からなる中空糸炭素膜及びそ 製造方法に関する。

 炭素膜は、種々の無機膜の中でも優れた 体分離性能を示すとともに、有機膜が適用 きない耐熱性・耐薬品性が要求される環境 も使用できることから、その実用化が期待 れている。また、中空糸膜は耐圧性に優れ かつ単位容積あたりに占める膜面積が大き ため、平膜やスパイラル膜に比べてコンパ トな分離膜モジュールの製作が可能である しかし、分離膜モジュールの製作において 炭素膜から構成される中空糸膜は、その膜 脆さやシールの困難性、膜コストが高いこ などの問題があった。

 これまでに、柔軟性があり、且つ曲げ強 に優れた炭素膜として、セルロース系炭素 が知られているが、製造工程が多くて煩雑 あるなどの問題がある(特許文献1参照)。ま 、芳香族ポリイミドからなる非対称性中空 膜を部分炭化して得られる炭素膜が柔軟で げ強度に優れることが報告されているが、 コストの点で満足できるとはいえず、しか 高分子材料の調製法が複雑であるなどの問 がある(特許文献2参照)。

 本発明者は既に安価なポリフェニレンオキ ド誘導体からなる中空糸炭素膜について、 許出願をし、成形性に優れ、なおかつ気体 離性だけでなく気体透過性も優れた気体分 用炭化膜を得ている(特許文献3参照)。

特許第2914972号公報

特許第2673846号公報

特開2006-231095号公報

 しかしながら、本発明者らが更に検討した 果、特許文献3に記載された発明で得られる 中空糸炭素膜は、比較的脆く種々の取扱いに おいて破損しやすいという問題があることが 判明した。
 そこで、安価な材料及び簡便な工程で、気 分離性能に優れるとともに、破損しにくい い柔軟性を持つ中空糸炭素膜の出現が望ま る。
 本発明は、以上のような事情に鑑みてなさ たものであって、気体分離性能に優れると もに、破損しにくい高い柔軟性を持つ、実 性の高い中空糸炭素膜及びその製造方法を 供することを目的とするものである。

 本発明者らは、上記課題を解決するべく、 価なポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキシ ド)の誘導体ポリマー(以下、「PPO誘導体」と 載することがある。)について更に鋭意研究 を重ねたところ、PPO誘導体を構成する繰り返 し単位及び中空糸炭素膜の膜外径が中空糸炭 素膜の柔軟性及び気体分離性能に大きく影響 するという知見を得た。
 本発明は、該知見に基づき検討した結果、 定の置換基を有する繰り返し単位を所定量 するPPO誘導体を用いるとともに、中空糸炭 膜の膜外径を特定の大きさにすることによ 、優れた気体分離選択性と気体透過性を有 、なおかつ、破損しにくいような柔軟性に れた中空糸炭素膜を製造することが可能で ることを見出したものである。また、さら 本発明者は炭化温度などの作成条件につい もさらに研究を重ね、本発明を完成させた

 すなわち、本発明は、実質的に下記の
及び
(式中、R 11 ~R 12 は、各々独立して、水素原子、-SO 3 H、又は-SO 3 NH 4 を示す。ただし、R 11 ~R 12 が共に水素原子であることはない。)で表さ る繰り返し単位からなり、その繰り返し単 (b)の(a)+(b)に対する割合A(%)が15%<A<60%であ るポリフェニレンオキシド誘導体を中空糸状 に形成した後に焼成して得られる炭化物から なり、その外径が0.08~0.25mmの範囲にあること 特徴とする中空糸炭素膜を提供するもので る。

 また、本発明は、実質的に下記の
及び
(式中、R 11 ~R 12 は各々独立して、水素原子、-SO 3 H、又は-SO 3 NH 4 基を示す。ただし、R 11 ~R 12 が共に水素原子であることはない。)で表さ る繰り返し単位からなり、その繰り返し単 (b)の(a)+(b)に対する割合A(%)は15%<A<60%であ るポリフェニレンオキシド誘導体を有機溶剤 に溶解し、該溶液を二重管環状構造であって 、その外管の外径が0.5mm以下であり、内径が0 .15mm以上である中空糸ノズルの外管から押し すと同時に、非溶解性の芯液を該紡糸ノズ の内管から凝固浴へ押し出すことにより中 糸を形成した後、得られた中空糸を焼成す ことを特徴とする中空糸炭素膜の製造方法 提供するものである。
 また、本発明の方法は、前記芯液および凝 浴が、水又はアンモニウム塩水溶液のいず かからなることを特徴とするものである。
 さらに、本発明の方法では、前記焼成を、1 0 -4 気圧以下の減圧下又は不活性ガス雰囲気中、 450~850℃で行うことが好ましく、前記不活性 スを、アルゴンガス、ヘリウムガス、窒素 スから選ばれるひとつとすることができる
 さらにまた、本発明の方法では、焼成に先 って、150~300℃程度で30分~4時間の予備加熱 おこなうことが好ましく、また、焼成後に 後処理として、150~300℃の範囲で、30分~4時間 の加熱をおこなうと、柔軟性が改善される。

 本発明の中空糸炭素膜は、気体透過性お び気体分離性に優れ、かつ曲げ強度も優れ おり、本発明のポリフェニレンオキシド誘 体からなる中空糸炭素膜の製造方法によれ 、安価な材料及び簡便な工程でより破損し くい高い柔軟性を持つ、実用的な中空糸炭 膜を作製することができる。

実施例1において得られた中空糸炭素膜 の断面のSEM像である。 本発明の中空糸炭素膜の製造において いられる、二重管環状構造の中空糸紡糸ノ ルの概略図である。

符号の説明

 a:二重管ノズル外管
 b:二重管ノズル内管

 本発明の中空糸炭素膜は、実質的に上記の( a)及び(b)で表される繰り返し単位からなり、 の繰り返し単位(b)の(a)+(b)に対する割合A(%) 15%<A<60%であるポリフェニレンオキシド 導体を有機溶剤に溶解し、該溶液を芯液と 時に押し出して中空糸を形成し、乾燥後に 成した炭化物からなり、その外径が0.08~0.25mm の範囲にあるものである。なお、本発明のポ リフェニレンオキシド誘導体を、「スルホン 化PPO」ということがある。
 原料である上記ポリフェニレンオキシド誘 体の分子量は、気体分離用炭化膜を作製で る大きさであれば制限されないが、好まし 重量平均分子量として5,000~1,000,000程度であ 。

 ポリマーを原料とする中空糸炭素膜の製造 法は、すでに知られている方法であるが、 発明の製造方法は、用いるノズルと芯液及 凝固浴に特徴を有するものである。
 すなわち、まず、上記ポリフェニレンオキ ド誘導体ポリマーを任意の溶媒に溶かし、 膜原液を調製する(前駆体高分子溶液という )。この際、溶液の安定性を保持させる物質 どを、初期の目的の範囲内の量だけ添加し おいてもよい。ここで使用される溶媒とし は、メタノール、エタノール、テトラヒド フラン、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチ -2-ピロリドンなどがあり、又これらの混合 として使用することができる。
 ついで、上記製膜原液を、図2に示すような 構造を有する二重管環状構造の中空糸紡糸ノ ズルの外管(a)から凝固浴中に押し出し、紡糸 ノズルの内管(b)からは、製膜原液の溶媒と混 合するがポリフェニレンオキシド誘導体ポリ マーに対しては非溶解性の芯液を同時に押し 出すことにより、中空糸状物を成形する。こ の際に、二重管構造の中空糸紡糸ノズルの外 管の径と巻き取り速度の比等を適宜調節する ことにより、本発明の所定膜外径を有する中 空糸炭素膜を得ることができるが、外管の外 径が0.5mm以下であり、内径が0.15mm以上である 空糸ノズルの外管から押し出すと同時に、 溶解性の芯液を該紡糸ノズルの内管から凝 浴へ押し出すことにより中空糸を形成した 、得られた中空糸を焼成することにより、 の外径が0.08~0.25mmの範囲にある中空糸炭素 が得られる。

 本発明において用いられる芯液および凝固 は、製膜原液の溶媒と混合するが、上記ポ フェニレンオキシド誘導体に対しては非溶 性の溶媒であって、そのような溶媒として 、水又はアンモニウム塩水溶液が好ましく いられ、アンモニウム塩としては、硝酸ア モニウム、塩酸アンモニウム、硫酸アンモ ウムが挙げられる。芯液および凝固浴の温 は、-20℃~60℃であり、好ましくは0℃~30℃で ある。
 なお、特許文献3において芯液および凝固浴 として用いられている飽和食塩水は、脱食塩 をしなければならないうえ、芯液および凝固 浴として食塩水を用いたものは、前駆体高分 子中空糸状物を炭化した場合、物理的特性に 問題があり、細くすると脆いことが判明し、 本発明のような細くて柔軟な中空糸炭素膜を 得ることが出来ない。

 得られた中空糸状物を乾燥して、各種形 を有する前駆体高分子膜を得ることができ 。この前駆体高分子膜をそのまま炭化させ もよいが、たとえば150~300℃程度で30分~4時 と、炭化する温度よりも低い温度で加熱処 を施して、前駆体高分子膜を不融化処理す ことが有利である。この不融化処理を施す とにより、中空糸炭素膜としての性能がと に改善される。

 かくして得られた前駆体高分子膜あるいは 駆体不融化処理膜を公知の方法で炭化処理 、中空糸炭素膜を製造することができる。 とえば、該前駆体を容器内に収容し、10 -4 気圧以下の減圧下若しくはヘリウム、アルゴ ンガス、窒素ガスなどで置換した不活性ガス 性雰囲気下、減圧処理することなく加熱処理 し、中空糸炭素膜を製造する。
 加熱条件は前駆体を構成する材料の種類、 の量などにより変動するのであるが、10 -4 気圧以下の減圧下若しくは不活性ガス雰囲気 中では、450~850℃で30分から4時間である。
 さらに本発明においては、焼成後に、後処 として、150~300℃の範囲で、30分~4時間の加 をおこなうと、中空糸炭素膜の性能を保持 たままで柔軟性が改善されることが判明し 。

 本発明の方法により、柔軟性があり、気 分離性能に優れた中空糸炭素膜が、安価な リフェニレンオキシド誘導体ポリマーから られる。さらに、本発明の中空糸炭素膜は ジュール加工性に優れているので、中空糸 素膜を容器内にコンパクトに充填した膜モ ュールを作製することができ、小型でしか 効率よい気体分離装置を製造することが可 となる。

 本発明の中空糸炭素膜の使用法は、公知 炭化膜と同じ方法を挙げることができるが とくに気体分離用炭化膜として有用である 水素製造、二酸化炭素分離回収、排気ガス 離回収、天然ガス分離、ガスの除湿、アル ールの脱水装置、空気からの酸素の製造等 分野において特に有用である。

 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説 する。ただし、本発明は以下の実施例によ て何ら限定されるものではない。

 実施例及び比較例で得られた中空糸炭素膜 評価方法は、以下のとおりである。
 (膜外径の計測)
 前述の実施例1~9、及び比較例1~7の中空糸炭 膜について、膜の断面を走査型電子顕微鏡( SEM)にて観測し、膜の外径を算出した。図1は 得られた中空糸炭素膜の断面のSEM像である
 結果を、製造条件とともに、表1に示す。
 (膜の柔軟性の評価)
 前述の実施例1~9、及び比較例1~7の中空糸炭 膜について、種々の直径の円柱に180°以上 きつけて、中空糸膜が破断するかどうかを 測した。曲げ半径は、中空糸膜が破断しな 円柱において最小の半径を有する円柱を求 、その円柱の半径の値で示すことにより、 の柔軟性を評価した。結果を表1に示す。
 (中空糸炭素膜の気体分離性能の評価)
 試験ガス(H 2 ,CO 2 ,O 2 ,N 2 ,CH 4 )を用いて、中空糸炭素膜の気体分離性能を べた。その方法は次のとおりである。
 中空糸用気体透過率測定装置に装着した中 糸モジュールの内面に一定圧力で試験ガス 供給し、透過してくる気体流量を流量計で 定した。この際に、下記式で求められる気 透過速度Qにより気体分離性能を評価した。 また、Qの比からガスの理想分離係数αを求め た。
Q={ガス透過流量(cm 3 ・STP)}í{膜面積(cm 2 )×時間(秒)×圧力差(cmHg)}
 結果を表2に示す。

 〈実施例1〉
 (前駆体高分子膜の作製)
 PPO15.0gをクロロホルム325mlに溶解させ、これ にクロロ硫酸8.5mlをクロロホルム85mlに溶かし た溶液を滴下し、30分室温で反応させて、A=45 %のスルホン化PPOを得た。
 (中空糸前駆体高分子膜の調製)
 このスルホン化PPO4.0gをメタノール10.5gに溶 させて、ポリフェニレンオキシド誘導体ポ マー27.5重量%の製膜原液を作成した。
 外管の外径が0.4mmで、内径が0.26mmである二 管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管から られた製膜原液を、同ノズルの内管から芯 として15重量%硝酸アンモニウム水溶液を、 れぞれ同時に水凝固浴中に押し出し、これ 室温で風乾して前駆体高分子膜を得た。
 (中空糸炭素膜の予備加熱)
 次に、得られた中空糸膜をマッフル炉内に 、空気雰囲気中、8℃/分の速度で260℃まで 温させ、この温度で1時間加熱した後放冷し 前駆体高分子膜の不融化処理を行った。
 (中空糸炭素膜の製造)
 続いて、真空電気炉を用い、上で得られた 空糸炭素膜中間体の炭化を行った。この際 操作は、まず真空電気炉内を10 -5  torr以下に減圧し、10℃/分の速度で600℃まで 昇温させ、この温度で2時間加熱した後放冷 、中空糸炭素膜を得た。
 (得られた中空糸炭素膜の評価)
 実施例1で得られた中空糸炭素膜の膜断面図 を図1に、膜の外径を表1に示す。また、得ら た中空糸膜の評価結果を表2に示す。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、気体透過性および気体分離 に優れ、かつ曲げ強度も優れていた。

 〈実施例2〉
 焼成条件を550℃で2時間に変更した以外は、 実施例1と同様にして中空糸炭素膜を得た。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、実施例1の場合と同様に、気 透過性および気体分離性に優れ、かつ曲げ 度も優れていた。

 〈実施例3〉
 焼成条件を500℃で2時間に変更した以外は、 実施例1と同様にして中空糸炭素膜を得た。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、実施例1の場合と同様に、気 透過性および気体分離性に優れ、かつ曲げ 度も優れていた。

 〈実施例4〉
 焼成条件を600℃で1時間に変更した以外は、 実施例1と同様にして中空糸炭素膜を得た。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、実施例1の場合と同様に、気 透過性および気体分離性に優れ、かつ曲げ 度も優れていた。

 〈実施例5〉
 二重管環状構造の中空糸紡糸ノズルを、外 の外径が0.5mmで、内径が0.35mmであるものに 更した以外は、実施例1と同様にして中空糸 素膜を得た。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、実施例1の場合と同様に、気 透過性および気体分離性に優れ、かつ曲げ 度も優れていた。

 〈実施例6〉
 実施例5で得られた中空糸炭素膜を、後処理 として、空気雰囲気中、10℃/分の速度で250℃ 、1時間加熱を行い、中空糸炭素膜を得た。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜の気体透過性および気体分離性 実施例5と大差はなかったが、曲げ強度は、 施例5で得られたものに比べてより優れてい た。この結果から、本発明における後処理が 、中空糸炭素膜の柔軟性を向上させるために 有効であることがわかる。

 〈実施例7〉
 (前駆体高分子膜の作製)
 PPO15.0gをクロロホルム325mlに溶解させ、これ にクロロ硫酸7mlをクロロホルム78mlに溶かし 溶液を滴下し、30分室温で反応させて、A=25% スルホン化PPOを得た。
 (中空糸前駆体高分子膜の調製)
 このスルホン化PPO4.0gをメタノール10.5gに溶 させて、ポリフェニレンオキシド誘導体ポ マー27.5重量%の製膜原液を作成した。
 外管の外径が0.4mmで、内径が0.26mmである二 管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管から られた製膜原液を、同ノズルの内管から芯 としてイオン交換水を、それぞれ同時に水 固浴中に押し出し、これを室温で風乾して 駆体高分子膜を得た。
 (中空糸炭素膜の予備加熱)
 次に、得られた中空糸膜をマッフル炉内に 、空気雰囲気中、8℃/分の速度で260℃まで 温させ、この温度で1時間加熱した後放冷し 前駆体高分子膜の不融化処理を行った。
(中空糸炭素膜の製造)
 続いて、真空電気炉を用い、上で得られた 空糸炭素膜中間体の炭化を行った。この際 操作は、まず真空電気炉内を10 -5  torr以下に減圧し、10℃/分の速度で600℃まで 昇温させ、この温度で2時間加熱した後放冷 、中空糸炭素膜を得た。
 (得られた中空糸炭素膜の評価)
 実施例7で得られた中空糸炭素膜の外径を表 1に示す。また、得られた中空糸膜の評価結 を表2に示す。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、気体透過性および気体分離 に優れ、かつ曲げ強度も優れていた。

 〈実施例8〉
 焼成条件を550℃で2時間に変更した以外は、 実施例7と同様にして中空糸炭素膜を得た。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、実施例7の場合と同様に、気 透過性および気体分離性に優れ、かつ曲げ 度も優れていた。

 〈実施例9〉
 焼成条件を500℃で2時間に変更した以外は、 実施例7と同様にして中空糸炭素膜を得た。
 表1及び表2から明らかなように、得られた 空糸炭素膜は、実施例7の場合と同様に、気 透過性および気体分離性に優れ、かつ曲げ 度も優れていた。

 〈比較例1〉
 (中空糸前駆体高分子膜の調製)
 A=0%であるPPO3.0gをクロロホルム9.0gに溶解さ て、ポリフェニレンオキシドポリマー25重 %の製膜原液を作成した。
 外管の外径が0.4mmで、内径が0.26mmである二 管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管から られた製膜原液を、同ノズルの内管から芯 としてエタノールを、それぞれ同時にエタ ール凝固浴中に押し出し、これを室温で風 して前駆体高分子膜を得た。
 (中空糸炭素膜の予備加熱)
 次に、得られた中空糸膜をマッフル炉内に 、空気雰囲気中、8℃/分の速度で280℃まで 温させ、この温度で1時間加熱した後放冷し 前駆体高分子膜の不融化処理を行った。
 (中空糸炭素膜の製造)
 続いて、真空電気炉を用い、上で得られた 空糸炭素膜中間体の炭化を行った。この際 操作は、まず真空電気炉内を10 -5  torr以下に減圧し、10℃/分の速度で600℃まで 昇温させ、この温度で2時間加熱した後放冷 、中空糸炭素膜を得た。
 (得られた中空糸炭素膜の評価)
 比較例1で得られた中空糸炭素膜の膜外径を 表1に示す。また、得られた中空糸膜の評価 果を表2に示す。
 表1から明らかなように、A=0%であるPPOを原 として製造された中空糸炭素膜は、その柔 性が不十分であった。

 〈比較例2〉
 (前駆体高分子膜の作製)
 PPO15.0gをクロロホルム325mlに溶解させ、これ にクロロ硫酸12mlのクロロホルム78ml溶液を滴 し、30分室温で反応させて、A=60%のスルホン 化PPOを得た。
 (中空糸前駆体高分子膜の調製)
 このスルホン化PPO3.0gをN,N-ジメチルアセト ミド10.3に溶解させて、ポリフェニレンオキ ド誘導体ポリマー22.5重量%の製膜原液を作 した。
 外管の外径が0.4mmで、内径が0.26mmである二 管環状構造の中空糸紡糸ノズルの外管から られた製膜原液を、同ノズルの内管から芯 として15重量%硝酸アンモニウム水溶液を、 れぞれ同時に水凝固槽中に押し出したが、A= 60%のスルホン化PPOを原料とした本比較例の場 合、ポリマー溶液が水中で凝固できなかった ため、中空糸膜は得られなかった。

 〈比較例3〉
 二重管構造の中空糸紡糸ノズルを、外管の 径が1.0mmで、内径が0.7mmであるものに変更し た以外は、実施例1と同様にして中空糸炭素 を得た。比較例3で得られた中空糸炭素膜の 外径を表1に示す。また、得られた中空糸膜 の評価結果を表2に示す。
 表1から明らかなように、ノズル径が範囲外 である場合、得られた中空糸炭素膜は、曲げ 強度が不十分であった。

 〈比較例4〉
 焼成条件を850℃で2時間に変更した以外は、 実施例1と同様にして中空糸炭素膜を得た。 較例4で得られた中空糸炭素膜の膜外径を表1 に示す。また、得られた中空糸膜の評価結果 を表2に示す。
 表1から明らかなように、焼成温度が高すぎ ると、得られた中空糸炭素膜は、曲げ強度が 不十分であった。

 〈比較例5〉
 焼成条件を450℃で2時間に変更した以外は、 実施例1と同様にして中空糸炭素膜を得た。 較例5で得られた中空糸炭素膜の膜外径を表1 に示す。また、得られた中空糸膜の評価結果 を表2に示す。
 表2から明らかなように、焼成温度が低くす ぎると、得られた中空糸炭素膜の気体分離性 能が充分でなかった。

 〈比較例6〉
 芯液および凝固浴として20重量%塩化ナトリ ム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様 にして中空糸炭素膜を得た。
 表2から明らかなように、芯液および凝固浴 として塩化ナトリウム水溶液を用いると、得 られた中空糸炭素膜の気体分離性能が充分で なかった。

 〈比較例7〉
 (前駆体高分子膜の作製)
 PPO5.0gをテトラヒドロフラン250mlに溶解させ これに1.6mol/lのn-ブチルリチウムヘキサン溶 液27.6mlを加えて室温で1時間攪拌した後、ク ロトリメチルシラン4.6gを滴下し、10分室温 反応させて、A=99%のトリメチルシリル化PPOを 得た。
 (中空糸前駆体高分子膜の調製)
 このトリメチルシリル化PPO3.0gをクロロホル ム12.0gに溶解させて、ポリフェニレンオキシ 誘導体ポリマー27.5重量%の製膜原液を作成 た。
 得られた製膜原液を外管の外径が0.4mmで、 径が0.26mmである二重管環状構造の中空糸紡 ノズルの外管から製膜原液を、円状口から 液としてエタノールをそれぞれ同時にエタ ール凝固槽中に押し出し、これを室温で風 して前駆体高分子膜を得た。
 (中空糸炭素膜の予備加熱)
 次に、得られた中空糸膜をマッフル炉内に 、空気雰囲気中、8℃/分の速度で280℃まで 温させ、この温度で1時間加熱した後放冷し 前駆体高分子膜の不融化処理を行った。
 (中空糸炭素膜の製造)
 続いて、真空電気炉を用い、上で得られた 空糸炭素膜中間体の炭化を行った。この際 操作は、まず真空電気炉内を10 -5  torr以下に減圧し、10℃/分の速度で600℃まで 昇温させ、この温度で2時間加熱した後放冷 、中空糸炭素膜を得た。
 (得られた中空糸炭素膜の評価)
 比較例7で得られた中空糸炭素膜の膜外径を 表1に示す。また、得られた中空糸膜の評価 果を表2に示す。
 表1から明らかなように、得られた中空糸炭 素膜は、曲げ強度が不十分であった。

 表中、単位は10 -6 cm 3 (STP)・cm 2 ・sec・cmHgである。測定温度は30℃である。(-) は測定不可能であったことを示す。

 本発明の製造方法により得られた中空糸 素膜は、水蒸気を含む多種類の気体の分離 可能とするが、とくに水素、水蒸気、二酸 炭素、酸素、窒素、メタン等の分離に有効 あり、産業上の利用価値が高いものである