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Title:
HYDROGEN PRODUCTION METHOD, AND REFORMING REACTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149900
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a hydrogen production method. The method is achieved by employing an autothermal reforming reaction that can cause a partial oxidation reforming reaction and a steam reforming reaction in parallel in the interior of a reforming reactor (1) that is used for producing a hydrogen-containing reforming gas from a mixed raw material comprising a vaporized hydrocarbon raw material, oxygen and water. The reforming reactor (1) comprises: a first zone (41) which has a given gas flow path and contains a first catalyst for mainly causing a partial oxidation reforming reaction (an exothermic reaction); and a second zone (42) which has a given gas flow path and contains a second catalyst for mainly causing a steam reforming reaction (an endothermic reaction). The first zone (41) and the second zone (42) are arranged adjacently on opposite sides of a thermally conductive inner tube (3). The first catalyst is charged in a space below the intermediate position of the first zone (41).

Inventors:
SUMIDA TOSHIHIKO (JP)
HATA HIROYUKI (JP)
TAKATA YOSHINORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060294
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
June 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO SEIKA CHEMICALS (JP)
SUMIDA TOSHIHIKO (JP)
HATA HIROYUKI (JP)
TAKATA YOSHINORI (JP)
International Classes:
C01B3/38
Foreign References:
JP2002211903A2002-07-31
JP2003135968A2003-05-13
JP2007039322A2007-02-15
JP2007054721A2007-03-08
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIDA, Minoru et al. (Tamatsukuri-motomachiTennoji-ku, Osaka-shi, Osaka, JP)
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Claims:
 気化状態の炭化水素系原料と酸素と水とを含む混合原料から、水素を含有する改質ガスを生じさせるための改質反応器の内部において、部分酸化改質反応および水蒸気改質反応を併発させるオートサーマル改質反応により水素を製造する方法であって、
 上記改質反応器は、所定のガス流路を有し、主として発熱反応である部分酸化改質反応を起こすための第1触媒を含む第1領域と、所定のガス流路を有し、主として吸熱反応である水蒸気改質反応を起こすための第2触媒を含む第2領域とを備え、
 上記第1領域における部分酸化改質反応を当該第1領域の中間位から開始させ、
 上記第1領域と上記第2領域との間で熱伝導を行わせる、水素の製造方法。
 上記第1触媒は、銅-亜鉛系の触媒を300℃以上に加熱して得られたものである、請求項1に記載の水素の製造方法。
 上記第1触媒は、金属銅または酸化銅のうち少なくとも1種を含むものである、請求項1に記載の水素の製造方法。
 上記炭化水素系原料は、メタノール、エタノールおよびジメチルエーテルからなる群より選択される、請求項1~3のいずれかに記載の水素の製造方法。
 気化状態の炭化水素系原料と酸素と水とを含む混合原料から、部分酸化改質反応および水蒸気改質反応を併発させるオートサーマル改質反応により、水素を含有する改質ガスを生じさせるための改質反応器であって、
 所定のガス流路を有し、主として発熱反応である部分酸化改質反応を起こすための第1触媒を含む第1領域と、所定のガス流路を有し、主として吸熱反応である水蒸気改質反応を起こすための第2触媒を含む第2領域とを備え、
 上記第1領域と上記第2領域とは、熱伝導性の隔壁を挟んで隣接して配置されており、
 上記第1触媒は、上記第1領域における中間位から下流側に充填されている、改質反応器。
 上記第1触媒は、銅-亜鉛系の触媒を300℃以上に加熱して得られたものである、請求項5に記載の改質反応器。
 上記第1触媒は、金属銅または酸化銅のうち少なくとも1種を含むものである、請求項5に記載の改質反応器。
 上記第1領域は上記第2領域よりも上流側に位置し、上記第1領域におけるガス流路の下流端と上記第2領域におけるガス流路の上流端とが連通している、請求項5に記載の改質反応器。
 上記第1触媒は、部分酸化改質反応を伴わない充填材によって希釈された状態である、請求項5に記載の改質反応器。
 上記第1領域におけるガス流路の上流部には、部分酸化改質反応を伴わない充填材が充填されている、請求項5に記載の改質反応器。
 上記炭化水素系原料は、メタノール、エタノールおよびジメチルエーテルからなる群より選択される、請求項5~10のいずれかに記載の改質反応器。
Description:
水素の製造方法および改質反応

 本発明は、炭化水素系原料を含む混合原 から、オートサーマル改質法により水素を む改質ガスを得る方法、およびこの方法を 切に行うための改質反応器に関する。

 水素を工業的に製造する方法として、部 酸化法と水蒸気改質法とを組み合わせたオ トサーマル改質法が知られている。このオ トサーマル改質法においては、水素の発生 として炭化水素系原料を用い、部分酸化法 おいては、発熱反応である部分酸化改質反 により炭化水素系原料と酸素から水素と二 化炭素が発生し、水蒸気改質法においては 吸熱反応である水蒸気改質反応により炭化 素系原料と水から水素と二酸化炭素が発生 る。オートサーマル改質法は、部分酸化改 反応による発熱量と水蒸気改質反応による 熱量とをバランスさせて、理想的には外部 熱が不要な熱自立型の改質反応を行わせる 法である。例えば炭化水素系原料としてメ ノールを用いる場合の部分酸化改質反応お び水蒸気改質反応の反応式は、下記の式(1) よび(2)で表される。これらの反応は、いず も触媒が関与することにより進行する。オ トサーマル改質法では、一般に、銅-亜鉛系 触媒が用いられる。

 オートサーマル改質法においては、上記 (1)で表す発熱反応が起こったすぐ近傍で上 式(2)の吸熱反応が起これば、熱の授受が効 よく行われると考えられる。しかしながら 実際には、部分酸化改質反応は、水蒸気改 反応に比べて反応速度が速い。このため、 えば炭化水素系原料と酸素と水とを含む混 原料が改質反応器に供給されると、改質反 器内のガス流路の上流側では、部分酸化改 反応が水蒸気改質反応よりも優位に起こり 過度な温度上昇を招いて触媒活性が損なわ る虞がある。その一方、改質反応器のガス 路の下流側では、水蒸気改質反応が部分酸 改質反応よりも優位に起こるため、次第に 度が低下して水蒸気改質反応が十分に行わ なくなる。また、改質触媒(銅-亜鉛系触媒) おいては、酸素の影響を受けて触媒活性が 下する。

 上記の触媒活性の低下の問題に対し、改 触媒に貴金属種を添加して触媒活性の低下 抑制したり、定期的に改質触媒を還元して 媒活性を賦活させる方法が提案されている( 例えば、特許文献1を参照)。

 しかしながら、定期的に改質触媒を還元 る従来方法では、改質反応器を含めた水素 造システムにおいて、長時間連続運転が出 ず、水素製造の効率が悪くなってしまう。 えて、上述したように、部分酸化改質反応 よび水蒸気改質反応における反応速度の相 に起因して改質反応器内の熱バランスが崩 ると、オートサーマル改質法の系全体とし オートサーマル改質反応を長時間持続する とが出来ないといった問題もある。

特開2001-226103号公報

 本発明は、このような事情の下で考え出 れたものであって、オートサーマル改質法 よる水素の製造において、触媒活性の低下 防止し、長時間連続運転を可能とすること 目的としている。

 本発明の第1の側面によって提供される水 素の製造方法は、気化状態の炭化水素系原料 と酸素と水とを含む混合原料から、水素を含 有する改質ガスを生じさせるための改質反応 器の内部において、部分酸化改質反応および 水蒸気改質反応を併発させるオートサーマル 改質反応により水素を製造する方法であって 、上記改質反応器は、所定のガス流路を有し 、主として発熱反応である部分酸化改質反応 を起こすための第1触媒を含む第1領域と、所 のガス流路を有し、主として吸熱反応であ 水蒸気改質反応を起こすための第2触媒を含 む第2領域とを備え、上記第1領域における部 酸化改質反応を当該第1領域の中間位から開 始させ、上記第1領域と上記第2領域との間で 伝導を行わせることを特徴としている。

 本発明の第2の側面によって提供される改 質反応器は、気化状態の炭化水素系原料と酸 素と水とを含む混合原料から、部分酸化改質 反応および水蒸気改質反応を併発させるオー トサーマル改質反応により、水素を含有する 改質ガスを生じさせるための改質反応器であ って、所定のガス流路を有し、主として発熱 反応である部分酸化改質反応を起こすための 第1触媒を含む第1領域と、所定のガス流路を し、主として吸熱反応である水蒸気改質反 を起こすための第2触媒を含む第2領域とを え、上記第1領域と上記第2領域とは、熱伝導 性の隔壁を挟んで隣接して配置されており、 上記第1触媒は、上記第1領域における中間位 ら下流側に充填されていることを特徴とし いる。

 好ましくは、上記第1触媒は、銅-亜鉛系 触媒を300℃以上に加熱して得られたもので る。

 好ましくは、上記第1触媒は、金属銅また は酸化銅のうち少なくとも1種を含むもので る。

 好ましくは、上記炭化水素系原料は、メ ノール、エタノールおよびジメチルエーテ からなる群より選択される。

 好ましくは、上記第1領域および上記第2 域は、上記第1領域が上流側に位置するとと に上記第2領域が下流側に位置し、上記第1 域におけるガス流路の下流端と上記第2領域 おけるガス流路の上流端とが連通するよう 構成されている。

 好ましくは、上記第1触媒は、部分酸化改 質反応を伴わない充填材によって希釈された 状態で配されている。

 好ましくは、上記第1領域におけるガス流 路の上流部には、部分酸化改質反応を伴わな い充填材が充填されている。

 本発明のその他の特徴および利点は、添 図面を参照して以下に行う詳細な説明によ て、より明らかとなろう。

本発明に係る改質反応器の概略構造を す断面図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 本発明の実施例における改質反応部の 度分布を表すグラフである。

 図1は、本発明に係る改質反応器1の概略 造を示す断面図である。この改質反応器1は 気化状態とされた炭化水素系原料を含む混 原料から、部分酸化改質反応および水蒸気 質反応を組み合わせたオートサーマル改質 応により、水素を含有する改質ガスを生じ せる。改質反応器1は、外側容器2と内管3と 含む二重管構造を有し、当該外側容器2と内 管3とで規定される空間内に改質反応部4を備 ている。

 外側容器2は、閉端管状構造を有し、その 下端には原料導入口21が設けられ、下端近傍 は改質ガス導出口22が設けられている。外 容器2は、例えばステンレス鋼で形成されて る。

 図1および図2に示すように、内管3は、一 の厚みの壁を有する円筒状であり、外側容 2の内部に設けられている。内管3は、その 端が外側容器2の内底面に対して例えば溶接 どの手法により取り付けられている。内管3 の下端は原料導入口21と連通するとともに、 管3の下端と外側容器2の内底面との間には 間が存在しない。内管3の上端は、外側容器2 内で開放されている。これにより、外側容器 2の内部においては、原料導入口21から内管3 内部空間、外側容器2の上部空間、および外 容器2と内管3の間の空間により、改質ガス 出口22に至るまでガスが流れる流路が形成さ れている。内管3は、ステンレス鋼など熱伝 性を有する素材で構成されている。

 改質反応部4は、改質触媒が充填されてい る部位であり、内管3の内側に位置する円柱 の第1領域41と、この第1領域41に対して内管3 挟んで隣接して位置(外側容器2と内管3の間) する円筒状の第2領域42と、これらの第1およ 第2領域41,42を連通させる連通領域43とから構 成されている。第1領域41は、内管3と、内管3 軸方向に離間した一対の仕切部材5とによっ て規定されている。第2領域42は、外側容器2 、内管3と、外側容器2と内管3の間において 管3の軸方向に離間した一対の仕切部材6とに よって規定されている。この結果、内管3は 隣接する第1領域41および第2領域42を区画す 隔壁としての役割を担う。仕切部材5,6は、 えばパンチングプレートで形成されており 気化状態とされた混合原料や改質ガスを通 させつつ改質触媒を封じ込めることができ 。

 第1領域41におけるガス流路の上流部411に 、部分酸化改質反応を伴わない充填材が充 されている。この充填材としては、例えば 熱機能を有するアルミナボールが挙げられ 。第1領域41におけるガス流路の下流部412に 、第1触媒が充填されている。この第1触媒 、主として部分酸化改質反応に関与するも であり、例えば銅-亜鉛系触媒を300℃以上に 熱して酸化触媒に変換したものが用いられ 。特に350℃以上に加熱すると、上記式(2)で した改質反応に対する活性が失われる一方 上記式(1)で示した部分酸化改質反応に対す 活性が顕著に現れる。したがって、この熱 理した銅-亜鉛系触媒は、酸化物(酸化銅+酸 亜鉛)の形態で用いるのが好適である。また 、本実施形態では、上記第1触媒は、アルミ ボールなどの部分酸化改質反応に関与しな 充填材によって希釈された状態で充填され いる。上記第1触媒の配合比率は、例えば10~7 0体積%とされる。

 第2領域42、および連通領域43には、第2触 が充填されている。この第2触媒は、主とし て水蒸気改質反応に関与するものであり、例 えば加熱処理を施さない銅-亜鉛系触媒が挙 られる。

 上記構成の改質反応器1を含む水素製造シ ステム(全体は図示せず)を稼動させると、原 ガス導入口21から外側容器2内に混合原料が 入される。混合原料は、炭化水素系原料と 素と水とを含み、例えば、図示しない気化 において予め加熱されて気化状態とされて る。この気化器では、後の改質反応器1での 改質反応において必要とされる所定の反応温 度(例えば200~250℃)まで加熱される。上記炭化 水素系原料としては、例えばメタノール、エ タノール、ジメチルエーテルが挙げられる。 以下の実施形態の説明においては、炭化水素 系原料としてメタノールを用いるものする。 混合原料に含まれる酸素の供給源は、例えば 空気や酸素濃度が高められた酸素富化ガスで ある。

 原料ガス導入口21を介して改質反応器1に 給された気化状態の混合原料は、内管3の内 側に位置する上流側の第1領域41を通過して内 管3の上端から連通領域43に進入し、外側容器 2と内管3の間に位置する下流側の第2領域42を 過して改質ガス導出口22に導かれる。図1に された矢印は、外側容器2内におけるガスの 流れを示す。改質反応部4においては、改質 媒の作用により、発熱反応であるメタノー の部分酸化改質反応および吸熱反応である タノールの水蒸気改質反応が併発し、混合 料から水素を含む改質ガスが発生する。

 具体的には、第1領域41の上流部411におい は、混合原料が反応することなく通過する 次いで、第1領域41の下流部412においては、 としてメタノールの部分酸化改質反応が進 する。即ち、第1触媒の酸化作用により、上 記式(1)の反応式で表される発熱反応が起こる 。また、副反応として、下記の式(3)の反応式 で表される発熱反応も起こりうる。

 ここで、混合原料が下流部412に進入する 、比較的に反応速度の速い部分酸化改質反 が進行し、下流部412内の温度が急激に上昇 る。その結果、第1領域41におけるガス流路 中間位において、温度分布のピークである 温部が位置することになる。

 連通領域43および第2領域42においては、 としてメタノールの水蒸気改質反応が進行 る。即ち、第2触媒の作用により、上記(2)の 応式で表される吸熱反応が起こる。また、 反応として、上記式(3)で生じたホルムアル ヒドから、下記の式(4)の反応式で表される 質反応(発熱反応)も起こりうる。

 本実施形態では、改質反応部4内の温度が 所定の範囲内に維持されるように、各反応で 消費されるメタノールの割合(即ち各反応の 率)が設定されている。即ち、改質反応部4に おいては、オートサーマル改質反応が進行す る。

 このようにして改質反応器1において生じ た水素を含む改質ガスは、適当な手法により 精製される。化学的な手法を用いる場合には 、水素、二酸化炭素、一酸化炭素を主として 含む改質ガスをアルカリ溶液で処理して二酸 化炭素と一酸化炭素を除去する。また、混合 原料の酸素源として空気を用いる場合には、 窒素を効率よく除去する観点から、吸着剤が 充填された複数の吸着塔を用いて行うPSAガス 分離法によって水素を分離するのが好ましい 。

 本実施形態のように、改質反応部4の上流 側の第1領域41と下流側の第2領域42とが熱伝導 性の内管3(隔壁)を挟んで隣接して配置された 構成では、発熱反応である部分酸化改質反応 と吸熱反応である水蒸気改質反応の反応速度 の相違に起因する改質反応部4での熱バラン の不安定さを解消することができる。連通 域43を経て折返して第2領域42を通流するガス は、吸熱反応である水蒸気改質反応が優位に 進行して徐々に温度が低下するが、上述のよ うに第1領域41の中間位が温度ピークの高温部 であることから、この高温部から内管3を介 た伝熱により温度が再び上昇し、吸熱反応 ある水蒸気改質反応が十分に進行し、全体 タノール反応率も改善される。

 以上のように、上記改質反応器1を用いた 水素の製造によると、部分酸化改質反応およ び水蒸気改質反応を組み合わせたオートサー マル改質反応を長時間に亘って適切に進行さ せることができ、水素の生成効率を高めるこ とができる。

 また、本実施形態においては、第1領域41 充填された第1触媒は、蓄熱機能を有するア ルミナボールによって希釈されている。これ により、第1領域41での発熱反応(部分酸化改 反応)による過度の温度上昇が抑制される。 えて、第1領域41における温度ピーク後の温 低下を緩やかにして高温領域を保持するこ ができ、第2領域42への伝熱効果を高めるこ ができる。このように第1領域41の第1触媒を 希釈する構成は、改質反応部4内の温度分布 調整することが可能であり、折返し構造に る伝熱効果を有効に発揮するうえで好適で る。

 以上、本発明の実施形態を説明したが、 発明の範囲は上記した実施形態に限定され ものではない。本発明に係る改質反応器お びこの改質反応器を用いた水素の製造方法 具体的な構成は、発明の思想から逸脱しな 範囲で種々に変更が可能である。

 例えば、第1領域41に配される第1触媒とし ては、金属銅や酸化銅を用いることも可能で ある。銅触媒の場合、酸化触媒としての機能 が付与できればよいので、多くの方法で作製 することが可能である。表面積を増やす観点 から、金属銅そのものをフィラメント状にす る、あるいはハニカム構造とすることにより 第1触媒を構成してもよい。

 改質反応器1の構成としては、例えば、外 側容器2の外周を取り巻くようにジャケット を設け、当該ジャケット部に加熱媒体を通 させてもよい。このような構成によれば、 側容器などから放熱されることによる熱エ ルギの損失分を補うことができる。

 次に、本発明の有用性を実施例により説 する。

 本実施例では、下記の具体的構成を有す 改質反応器1を用いて、メタノール、空気、 および水によって構成された混合原料から水 素を含む改質ガスを発生させた。

 〔改質反応器〕
 改質反応器1の外側容器2は、ステンレス管( 径:156mm,内径:150mm,全長:1050mm)により構成した 。内管3は、ステンレス管(外径:84mm,内径:80mm, 長:900mm)により構成した。第1領域41の上流部 411には、アルミナボール(粒径:3mm)を充填高さ 300mmで充填した。第1領域41の下流部412には、 1触媒としての熱処理済みの銅-亜鉛系触媒( 径:3mm)とアルミナボール(粒径:3mm)の混合物 充填高さ450mmで充填した。触媒とアルミナボ ールの混合比率は3:7とした。熱処理済みの銅 -亜鉛系触媒は、400℃以上の高温で処理され ものを用いた。第2領域42および連通領域43に は、第2触媒としての熱処理を施していない -亜鉛系触媒(粒径:3mm)を充填高さ750mmで充填 た。

 〔水素の製造〕
 改質反応器1に供給される混合原料の供給量 は、メタノールが0.46kmol/h、水が0.69kmol/h、空 が80Ndm 3 /min(N:標準状態)(純酸素換算で0.0446kmol/h)の流 であった。当該混合原料は、気化器におい 加熱されて気化状態とされたうえで改質反 器1に供給された。改質反応器1への導入時の 混合原料の温度は、230℃であった。

 改質反応器1から導出された改質ガスは、PSA ガス分離装置によって水素が濃縮分離され、 純度約99.8%の製品水素ガスを得た。当該製品 素ガスの取得量は、21Nm 3 /hであった。また、投入したメタノール量に する全反応率(全体メタノール反応率)は、 93%であり、改質ガスのドライ換算での概略 成は、水素が67%、二酸化炭素が25%、窒素が7. 4%、一酸化炭素が0.5%、アルゴンが0.1%であっ 。

 〔改質反応部の温度分布〕
 本実施例においては、定常稼動時における 質反応部4の温度分布を調査した。温度分布 の調査は、第1領域41の下流部412、および第2 域42に設定された複数の測定ポイントの温度 を測定することにより行った。当該測定ポイ ントは、第1領域41および第2領域42におけるガ スの流れ方向に沿った所定の軸上に変位して 設定された。第1領域41および第2領域42には、 上記軸に沿って移動可能に温度計を配置した 。そして、当該温度計の測定部の位置を上記 軸上において変位する測定ポイントへ順次ず らし、当該測定ポイントごとの温度を測定し た。

 図3は、第1領域41および第2領域42の温度分 布を表すグラフである。同図の横軸は、第1 域41および第2領域42のガスの流れ方向の経路 長さ1500mm(第1領域41における充填高さである75 0mmと第2領域42における充填高さである750mmと 合計)において、第1領域41の上流側端部を基 点とするガスの流れ方向への測定ポイントま での変位量を表す。同図の縦軸は、当該測定 ポイントの測定温度を表す。図3によく表れ いるように、第1領域41(同図横軸の750mmまで 範囲)では、温度ピークである高温部(約450℃ 以上)が中間位に位置していることが確認で た。第2領域42(同図横軸の750mmを超えた範囲) 入ると、吸熱反応である水蒸気改質反応が 位に進行して一旦温度が低下するが、230℃ 下回ることはなかった。これは、第1領域41 おいて主として進行する部分酸化改質反応 より生じた熱エネルギが内管3を介して第2 域42に伝達されたことによるものと考えられ る。そして、第2領域42の中間位では、第1領 41における温度ピーク領域からの伝熱により 再び温度が上昇した。そして、第2領域42の後 半部分においても230℃を下回ることはなかっ た。これは、第1領域41の上流部411に充填され たアルミナボールからの伝熱が寄与している と考えられる。このように、第2領域42におい ては、その全体を通じて230℃以上となってお り、水蒸気改質反応が十分に進行していると 考えられる。




 
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