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Title:
IMPRINTING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142958
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an imprinting method, which can easily peel a molded piece of a thin plate shape sticking at a peeling time to a mold surface, thereby to improve the throughput. In the imprinting method, a mold (1) having a pattern formed on its surface is pushed onto the surface of a molded piece (2) of a resin having a thin plate shape, by moving the mold (1) and the molded piece (2) relative to each other, thereby to transfer the pattern of the surface of the mold (1) to the surface of the molded piece (2). After this, an out-transfer region (21) of the molded piece (2) is held by a holding member (4), when the molded piece (2) sticking to the surface of the mold (1) is to be parted. The mold (1) and the holding member (4) are moved relative to each other in a direction for the holding member (4) to leave the surface of the mold (1), thereby to peel the molded piece (2) from the surface of the mold (1).

Inventors:
MIYAKOSHI HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058180
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
April 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
MIYAKOSHI HIROSHI (JP)
International Classes:
B29C59/02; B29C33/44; B81C99/00; H01L21/027
Foreign References:
JP2007083626A2007-04-05
JPH0379314A1991-04-04
JPH07227858A1995-08-29
JPH04320823A1992-11-11
JP2002172626A2002-06-18
JP2003181855A2003-07-02
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Claims:
 表面にパターンが形成された型と樹脂製の薄板状の被成形体とを相対的に移動させることにより前記被成形体の表面に前記型を押し付け、前記型表面のパターンを前記被成形体の表面に転写した後、前記型表面に付着したままの状態の前記被成形体を離型させるインプリント方法であって、
 前記被成形体の転写領域外を保持部材によって保持し、
 前記保持部材が前記型表面から離間する方向へ前記型と前記保持部材とを相対的に移動させることにより、前記被成形体を前記型表面から剥離させることを特徴とするインプリント方法。
 前記パターンは、一方向に沿う方向性を有する溝状であり、
 前記保持部材は、前記被成形体に転写される前記パターンの転写領域外であって、前記一方向に沿う端部領域を保持することを特徴とする請求の範囲第1項記載のインプリント方法。
 前記保持部材は、前記被成形体に転写される前記パターンの転写領域外であって、前記一方向において前記パターンを挟んで両側に位置する端部領域の少なくとも一部を保持することを特徴とする請求の範囲第2項記載のインプリント方法。
 前記パターンの断面形状のアスペクト比が3以上であることを特徴とする請求の範囲第2項または第3項記載のインプリント方法。
 前記保持部材の前記型に対する相対的な移動の軌跡は、前記型表面に付着している前記被成形体を保持した位置から、前記被成形体を前記型から剥離させる方向であり、且つ、前記被成形体に転写されたパターンを経由して前記被成形体を保持した位置の対向側に向かうことを特徴とする請求の範囲第1項~第4項のいずれかに記載のインプリント方法。
 前記保持部材は、前記被成形体との接触部に粘着材を備え、該粘着材の粘着力によって前記被成形体における前記型との当接面の反対面を保持することを特徴とする請求の範囲第1項~第5項のいずれかに記載のインプリント方法。
 前記粘着材は長尺テープの表面に備えられ、前記保持部材は、前記長尺テープの裏面を支持する支持部材を有することを特徴とする請求の範囲第6項記載のインプリント方法。
 前記被成形体の前記型表面との当接面における前記転写領域外に摘み片を設け、転写時に該摘み片を前記被成形体と前記型との間に挟持させ、離型時に前記摘み片を前記保持部材によって摘み、該保持部材が前記型表面から離間する方向へ前記型と前記保持部材とを相対的に移動させることを特徴とする請求の範囲第1項~第5項のいずれかに記載のインプリント方法。
 前記保持部材を前記型表面から離間する方向へ相対的に移動させる移動速度が一定であることを特徴とする請求の範囲第1項~第8項のいずれかに記載のインプリント方法。
 前記保持部材によって前記被成形体を前記型から剥離させる際の抵抗力を力センサにより測定し、
 前記力センサの測定結果に基づいて前記保持部材を前記型表面から離間する方向へ相対的に移動させる移動速度を決定することを特徴とする請求の範囲第1項~第8項のいずれかに記載のインプリント方法。
 前記被成形体の最大外径が、5mm以上であることを特徴とする請求の範囲第1項~第10項のいずれかに記載のインプリント方法。
Description:
インプリント方法

 本発明は、型表面に形成された微細形状 パターンを被成形体に転写するインプリン 方法に関し、詳しくは、パターンが転写さ た被成形体を容易に離型させることができ インプリント方法に関する。

 近年、光ディスク等の量産技術に利用さ ているプレス加工技術を発展させ、その解 度をより高めたナノインプリント技術が注 を浴びている。ナノインプリント技術は、 子線描画装置等を用いてSi等の基板の表面 所望の微細形状をパターニングし、それを ッチングすることによって型を作成し、そ 型表面の微細形状を被成形体に転写するも であり、10nmレベルのナノ構造体でも安価に 産でき、且つ高アスペクトパターンの転写 可能であることから、半導体素子や光素子 るいはナノ構造材料形成への応用展開が試 られている。

 かかるナノインプリント技術には、被成 体として熱可塑性樹脂を用い、転写時に昇 することによって型表面のパターンを転写 る熱式ナノインプリント、被成形体として 硬化樹脂を用い、型表面を光硬化樹脂に押 付けて変形させた後、紫外線を照射して樹 を硬化させることによりパターンを転写さ る光ナノインプリント等が提案されている

 ところで、ナノインプリント技術におけ 課題の一つにスループットの向上がある。 表面の微細形状が転写された被成形体を速 大量に製造することが問われているためで る。

 しかし、転写完了後の離型工程において 微細形状が転写された被成形体を型表面か 素早く離型させる動作を行うと、型と被成 体との間に働く摩擦力によって微細形状の 壊を招くおそれがある。この摩擦力は、転 される微細形状が深い溝状のパターンであ 場合に特に顕著となる。

 このため、転写完了後の離型工程におい 、転写された微細形状を破損させることな 、被成形体を型表面から素早く離型させる とが望まれている。

 従来、特許文献1には、離型時に型に高周 波や超音波等によって微振動を加えることに より、被成形体を離型させる際の容易化を図 る技術が提案されている。

 また、特許文献2には、ウエハ上の紫外線硬 化樹脂をナノインプリントによってパターニ ングする半導体集積回路の製造において、型 内部にアクチュエータを設け、離型時にアク チュエータを作動させることにより、離型開 始点を意図的に形成することで離型動作を高 速化させる技術が提案されている。

特開2007-19451号公報

特開2007-81048号公報

 被成形体として例えば光学素子である構 性複屈性を利用した波長板のような薄板状 樹脂成形品を製造する場合、特許文献2に開 示のようなウエハ上に被成形体樹脂をパター ニングする半導体集積回路を製造する場合と 異なり、被成形体を固定する手段を持たない 場合がある。

 この場合、離型時に型を被成形体から移 させても、被成形体は型表面に付着したま となり、自然に離型できず、離型時の高速 が困難であるという問題がある。

 特に、転写される微細形状が多数の深い 状のパターンである場合、型と被成形体と 間に働く大きな摩擦力及び凝着力によって 成形体の剥離が一層困難となり、特許文献1 に開示のように、型に微振動を加える程度で は被成形体を型表面から速やかに剥離するこ とができない問題がある。

 また、特許文献2に開示の技術では、離型 時に離型開始点を形成することはできるが、 型を被成形体から離すように上昇させても、 被成形体が何ら固定されていない場合では、 被成形体は依然として型表面に付着したまま の状態であることに変わりはなく、型表面か ら被成形体を速やかに剥離できず、やはりス ループットの向上を図ることができない問題 がある。

 そこで、本発明は、離型時に型表面に付 したままの状態にある薄板状の被成形体を 易且つ速やかに剥離することができ、スル プットの向上を図ることのできるインプリ ト方法を提供することを課題とする。

 本発明の他の課題は、以下の記載により らかとなる。

 上記課題は、以下の各発明によって解決 れる。

 請求の範囲第1項記載の発明は、表面にパ ターンが形成された型と樹脂製の薄板状の被 成形体とを相対的に移動させることにより前 記被成形体の表面に前記型を押し付け、前記 型表面のパターンを前記被成形体の表面に転 写した後、前記型表面に付着したままの状態 の前記被成形体を離型させるインプリント方 法であって、前記被成形体の転写領域外を保 持部材によって保持し、前記保持部材が前記 型表面から離間する方向へ前記型と前記保持 部材とを相対的に移動させることにより、前 記被成形体を前記型表面から剥離させること を特徴とするインプリント方法である。

 請求の範囲第2項記載の発明は、前記パタ ーンは、一方向に沿う方向性を有する溝状で あり、前記保持部材は、前記被成形体に転写 される前記パターンの転写領域外であって、 前記一方向に沿う端部領域を保持することを 特徴とする請求の範囲第1項記載のインプリ ト方法である。

 請求の範囲第3項記載の発明は、前記保持 部材は、前記被成形体に転写される前記パタ ーンの転写領域外であって、前記一方向にお いて前記パターンを挟んで両側に位置する端 部領域の少なくとも一部を保持することを特 徴とする請求の範囲第2項記載のインプリン 方法である。

 請求の範囲第4項記載の発明は、前記パタ ーンの断面形状のアスペクト比が3以上であ ことを特徴とする請求の範囲第2項または第3 項記載のインプリント方法である。

 請求の範囲第5項記載の発明は、前記保持 部材の前記型に対する相対的な移動の軌跡は 、前記型表面に付着している前記被成形体を 保持した位置から、前記被成形体を前記型か ら剥離させる方向であり、且つ、前記被成形 体に転写されたパターンを経由して前記被成 形体を保持した位置の対向側に向かうことを 特徴とする請求の範囲第1項~第4項のいずれか に記載のインプリント方法である。

 請求の範囲第6項記載の発明は、前記保持 部材は、前記被成形体との接触部に粘着材を 備え、該粘着材の粘着力によって前記被成形 体における前記型との当接面の反対面を保持 することを特徴とする請求の範囲第1項~第5項 のいずれかに記載のインプリント方法である 。

 請求の範囲第7項記載の発明は、前記粘着 材は長尺テープの表面に備えられ、前記保持 部材は、前記長尺テープの裏面を支持する支 持部材を有することを特徴とする請求の範囲 第6項記載のインプリント方法である。

 請求の範囲第8項記載の発明は、前記被成 形体の前記型表面との当接面における前記転 写領域外に摘み片を設け、転写時に該摘み片 を前記被成形体と前記型との間に挟持させ、 離型時に前記摘み片を前記保持部材によって 摘み、該保持部材が前記型表面から離間する 方向へ前記型と前記保持部材とを相対的に移 動させることを特徴とする請求の範囲第1項~ 5項のいずれかに記載のインプリント方法で ある。

 請求の範囲第9項記載の発明は、前記保持 部材を前記型表面から離間する方向へ相対的 に移動させる移動速度が一定であることを特 徴とする請求の範囲第1項~第8項のいずれかに 記載のインプリント方法である。

 請求の範囲第10項記載の発明は、前記保 部材によって前記被成形体を前記型から剥 させる際の抵抗力を力センサにより測定し 前記力センサの測定結果に基づいて前記保 部材を前記型表面から離間する方向へ相対 に移動させる移動速度を決定することを特 とする請求の範囲第1項~第8項のいずれかに 載のインプリント方法である。

 請求の範囲第11項記載の発明は、前記被 形体の最大外径が、5mm以上であることを特 とする請求の範囲第1項~第10項のいずれかに 載のインプリント方法である。

 本発明によれば、離型時に型表面に付着 たままの状態にある薄板状の被成形体を容 且つ速やかに剥離することができ、スルー ットの向上を図ることのできるインプリン 方法を提供することができる。

(a)(b)は本発明に係るインプリント方法 示す工程図であり、(b)は(a)におけるA-A断面 本発明に係るインプリント方法を示す 程図 本発明に係るインプリント方法を示す 程図 本発明に係るインプリント方法を示す 程図 本発明に係るインプリント方法を示す 程図 被成形体が付着した金型を表面側から た平面図 抵抗力と移動速度との関係を示すグラ (a)(b)は被成形体を剥離する方法の別の 様を示す図 保持部材の別の態様を示す図 被成形体のパターンを示す部分断面図

符号の説明

 1:金型
 11:パターン
 2:被成形体
 21:転写領域外
 211:端部領域
 22:端部
 23:溝部
 24:壁部
 3:基台
 4:保持部材
 5:力センサ
 6:摘み片
 7:保持部材
 8:保持部材
 81:長尺テープ
 811:テープロール
 82:繰り出しローラ
 83:支持部材
 831:上端

 以下、本発明の実施の形態について図面 用いて説明する。

 図1~図5は、本発明に係るインプリント方 を示す工程図であり、1は金型、2は被成形 、3は被成形体2を載置している基台である。

 なお、図1(b)は図1(a)におけるA-A断面図で る。

 金型1の表面(図示下面)には、被成形体2に転 写すべきnmオーダーの微細形状のパターン11 形成されている。金型1に用いられる材質と ては、例えばSi、SiO 2 、SiC、Ni、NiP、Al合金、ステンレス鋼等を用 ることができる。中でも、半導体製造加工 や電鋳等の微細加工法の適用容易性の点で Si、SiO 2 、Ni、NiPが好ましい。

 ここでは、被成形体2として熱可塑性樹脂 を用い、転写時に昇温することによって金型 1表面のパターン11を転写する熱式ナノインプ リント方法を例示している。

 被成形体2は、金型1表面のパターン11が形 成されている領域よりも大きな面積を有する 薄板状の熱可塑性樹脂からなり、基台3上に 置された状態で、金型1の下方まで移動して 止している(図1(a)、(b))。

 本発明において、被成形体2の厚み(転写 の厚み)は特に問わず、目的とする製品の厚 に応じて適宜決定される。

 金型1は、内部に埋設されたヒーター(図 せず)によって、被成形体2を構成する熱可塑 性樹脂のガラス転移温度以上となる温度まで 昇温した後、被成形体2の表面に向けて降下 、その表面のパターン11を被成形体2に所定 荷重で押し付ける。この状態を所定時間維 することにより被成形体2を軟化溶融させ、 型1に形成されたパターン11に合わせて変形 せる。この後、押圧状態を維持したまま、 ーターへの通電を停止することで被成形体2 を冷却させて硬化させ、金型1のパターン11を 被成形体1に転写する(図2)。

 この金型1と被成形体2の移動は相対的で ればよく、被成形体2側が金型1に向けて移動 するようにしてもよい。

 転写後、金型1を上昇させると、被成形体 2は基台3上に載置されているだけで何ら固定 れていないため、金型1と被成形体2との間 働く摩擦力及び凝着力によって、金型1の表 に被成形体2が付着したままの状態となる( 3)。

 金型1を上昇させた後、基台3を金型1の下 から退避させ、次いで、被成形体2の転写領 域外21の裏面(金型1との当接面の反対面)に保 部材4を当接させる(図4)。

 被成形体2の転写領域外21とは、金型1の表 面に形成されたパターン11が転写されない領 であり、転写時に、被成形体2における金型 1のパターン11の外側の、パターン11が設けら ていない領域に当接する領域である。この 写領域外21は、被成形体2の外縁側に設けら る。

 本実施形態では、図6に示すように、パタ ーン11が形成されている平面視円形状の領域 対し、該パターン11の領域よりも大きな面 を有する円形状の被成形体2を用いており、 写領域外21は被成形体2の外縁側に、パター 11を囲むようにドーナツ状に有している。 持部材4は、この被成形体2の転写領域外21の 面における一部に当接する。

 保持部材4は、合成樹脂、金属、ゴム等に よって形成することができる。特に、被成形 体2との当接時の衝撃を和らげるため、少な とも先端側が軟質ゴム等の弾性体によって 成されていることが好ましい。

 保持部材4は、被成形体2への接触部とさ る先端面が、被成形体2の転写領域外21の裏 に対してある程度の面積を持って接触する とができる形状を有している。この先端面 形状は、後述する粘着層41と被成形体2表面 が当接した際の角度誤差に起因する接触不 一を避けるために、曲面状であることが好 しい。例えば円筒面、R形状、かまぼこ形状 が挙げられる。

 保持部材4の被成形体2への接触部とされ 先端面には、粘着剤からなる粘着層41を備え ている。従って、保持部材4の先端面を被成 体2の転写領域外21の裏面に当接させると、 保持部材4は、粘着層41の粘着力によって被 形体2の裏面を保持することができる。

 粘着層41に用いられる粘着剤としては、 クリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙 られる。中でも、粘着力に優れる点でアク ル系粘着剤が好ましい。

 また、粘着層41の粘着力は、被成形体2を の粘着力によって保持した後に被成形体2を 金型1から剥離させる際、金型1と被成形体2と の間に働く摩擦力及び凝着力よりも大きく、 被成形体2を保持部材4に粘着させたまま金型1 から剥離させることができ、金型1から剥離 た後は被成形体2を保持部材4から容易に剥離 できる程度の粘着力を有している必要がある 。

 また、保持部材4の先端は被成形体2の一 に当接すればよく、その当接面積は、保持 材4が有する粘着層41の粘着力に応じて適宜 定される。

 次いで、被成形体2の裏面を保持した保持 部材4を、金型1の表面から離間する方向Aへ移 動させ、金型1に付着している被成形体2を金 1の表面から剥離させる(図5)。この剥離のた めの移動は相対的であればよく、金型1を固 させ、保持部材4を移動させることによって ってもよいし、保持部材4を固定させ、金型 1を移動させることによって行ってもよい。 こでは前者の態様を例示している。

 この剥離のための移動は、図4及び図5に す移動方向Aであり、この移動の軌跡は、金 1の表面に付着している被成形体2を保持し 位置(図4の位置)から、被成形体2を金型1から 剥離させる方向(図示下方向)であり、且つ、 成形体2に転写されたパターン11を跨ぐよう 経由して、被成形体2を保持した位置の対向 側の端部に向かう方向である。

 このため、図4に示す状態から、保持部材 4を移動方向Aに沿って徐々に移動させると、 5に示すように、保持部材4の移動に伴って 被成形体2の保持部材4によって保持されてい る側の端部22から徐々に剥離し始め、やがて 成形体2は保持部材4によって保持されたま 金型1から完全に剥離される。

 従って、この被成形体2の離型動作は、保 持部材4の被成形体2への当接、保持の後、移 方向Aに沿う移動のみで済むため、極めて容 易であり、しかも速やかに行うことができる 。よって、離型工程にかかる時間を短縮する ことができてスループットの向上を図ること ができる。

 なお、被成形体2を金型1から剥離させる の保持部材4の姿勢は、図4及び図5に示した うに、剥離動作に伴って保持部材4を徐々に 斜させるようにしてもよいし、剥離動作に わらず、例えば図4のように被成形体2を保 したときの直立姿勢を維持したまま移動さ るようにしてもよく、被成形体2の大きさ、 み、パターン11の形状等に応じて適宜選択 れる。

 保持部材4を金型1の表面から移動方向Aに って離間する方向へ相対的に移動させる時 移動速度は、一定であることが好ましい。 板状の被成形体2では、剥離時に移動速度が 乱れると、被成形体2にしわや歪みが生じる それがある。移動速度を一定にすることに ってこのような問題を回避することができ 。

 また、図4及び図5に示すように、保持部 4に力センサ5を設けておき、保持部材4によ て被成形体2を金型1から剥離させる際の抵抗 力を測定することにより、この力センサ5の 定結果に基づいて、保持部材4を金型1の表面 から移動方向Aに沿って離間する方向へ相対 に移動させる時の移動速度を決定するよう 保持部材4の移動を自動制御することは更に ましい。

 すなわち、金型1と被成形体2との間の摩 力及び凝着力が大きい場合、被成形体2を無 に引き剥がそうとすると、被成形体2に転写 された微細形状のパターンが破損するおそれ がある。一方、被成形体2を剥離し始めて後 段階になると、金型1と被成形体2との間の摩 擦力及び凝着力は小さくなるため、離型工程 の短縮化のためには素早く剥離することが望 まれる。保持部材4の移動速度を、力センサ5 測定結果に基づいて、例えば図7に示すよう に、抵抗力が大きい場合は移動速度を遅くし 、抵抗力が小さくなるにつれて移動速度を徐 々に早く制御することにより、被成形体2の 写パターンの保護と離型工程の高速化との 立を図ることができる。

 図8は、被成形体2を剥離する方法の別の 様を示している。

 この態様では、被成形体2の金型1との当 面における転写領域外21に、予め摘み片6を けておき、転写時に、この摘み片6を被成形 2と金型1との間に挟持させ(図8(a))、離型時 、この摘み片6を保持部材7によって摘み、該 保持部材7を金型1表面から離間する移動方向A へ相対的に移動させるようにしている(図8(b)) 。

 摘み片6としては、例えば舌片状の樹脂シ ートや金属箔等を用いることができる。この 摘み片6は、転写前に被成形体2の表面(金型1 の当接面)における転写領域外21に、一部が 成形体2の外側にはみ出るように載置してお 、転写時に被成形体2が溶融することによっ て該被成形体2の表面に貼着される。

 この場合の保持部材7としては、被成形体 2の外側からはみ出た摘み片6を摘んで保持す クランプ等の挟持部材を用いることができ 。

 この保持部材7の移動速度も一定であるこ とが好ましく、また、保持部材7に、図4及び 5と同様に力センサ5を設けておくことで、 の力センサの測定結果に基づいて、保持部 7の移動速度を決定することも更に好ましい

 図9は、保持部材の更に別の態様を示して いる。

 この保持部材8は、長尺テープ81を有して る。長尺テープ81は表面(図示上面)に粘着材 を備えた粘着テープからなり、ロール状に巻 回されたテープロール811から一対の繰り出し ローラ82、82によって図示右方向に繰り出し 能に設けられている。

 テープロール811と繰り出しローラ82、82と の間には、長尺テープ81の裏面を支持する支 部材83を有しており、長尺テープ81を裏側か ら押し上げるようにして該長尺テープ81に一 のテンションを付与している。

 支持部材83の上端831は、長尺テープ81の繰 り出し方向に沿う曲面状に形成されており、 長尺テープ81の被成形体2への当接面積を、被 成形体2の転写領域外21の裏面にのみ当接し得 る程度の面積となるようにしている。

 この保持部材8によれば、長尺テープ81に って被成形体2の裏面を保持して剥離した後 、長尺テープ81を所定長さ繰り出すことによ て、被成形体2を長尺テープ81に保持させた ま、次の被成形体2を長尺テープ81の新しい で保持して剥離することができ、離型工程 連続作業が容易となる。また、離型作業中 、転写終了後の被成形体2を長尺テープ81に 持させたままとしておくことができ、被成 体2の保管、管理も容易化できる。

 なお、長尺テープ81の表面の粘着材は、 ープ全面でなくてもよく、少なくとも一部 設けられていればよい。

 また、この保持部材8の移動速度も一定で あることが好ましく、また、保持部材8に、 4、図5及び図8と同様に力センサ5を設けてお ことで、この力センサの測定結果に基づい 、保持部材7の移動速度を決定することも更 に好ましい。

 本発明において、被成形体2に転写される 金型1のパターン11は、一方向に沿う方向性を 有する溝状のパターンであることが好ましい 。図6では図示左右方向に沿う方向性を有す 溝状パターン11を示している。この場合、保 持部材4、7、8は、被成形体2に転写されるパ ーン11の転写領域外21であって、図6に示すよ うに、方向性を有するパターン11の一方向に う端部領域211(本実施形態においては、前記 一方向においてパターン11を挟んで両側に位 する端部領域(図6における斜線部分の領域) 相当する。)の少なくとも一部を保持するこ とが好ましい。 被成形体2の離型方向とパタ ーン11の方向とが一致するため、被成形体2に 転写されたパターンを破損することなく、被 成形体2を金型1から速やかに剥離することが きる。

 このような一方向に沿う溝状パターンは 図10に示すように、断面形状が、多数の溝 23と多数の壁部24とが平行に並設されるパタ ンとなる。本発明においては、この断面形 のアスペクト比(a/b)が3以上であるものを転 する場合に特に好ましい。溝が深くなるほ 金型1と被成形体2との間の摩擦力及び凝着 が大きくなって被成形体2の剥離が困難とな ため、本発明の効果が顕著に得られるよう なるからである。