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Title:
RESIN BLEEDING INHIBITOR AND METHOD OF PREVENTING RESIN BLEEDING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142960
Kind Code:
A1
Abstract:
A resin bleeding inhibitor which is reduced in burden to be imposed on a wastewater treatment, exerts no adverse influence on die bonding strength and assembly properties even when applied to a die bonding resin of a low-stress type, and does not impair the effect of a discoloration-preventive treatment or pore-filling treatment. The resin bleeding inhibitor is characterized by containing a phosphoric ester represented by the following general formula. O=P(O-(R2-O)n-R1)m(OH)3-m (In the formula, R1 represents C4-30 (un)saturated hydrocarbon group; R2 represents lower alkylene; n is an integer of 0-10; and m is an integer of 1-3.)

Inventors:
AIBA AKIHIRO (JP)
MIMURA TOMOHARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058186
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
April 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON MINING CO (JP)
AIBA AKIHIRO (JP)
MIMURA TOMOHARU (JP)
International Classes:
H01L23/12; C09J5/02; C23C26/00; H01L21/52
Domestic Patent References:
WO2007083538A12007-07-26
Foreign References:
JP2004137574A2004-05-13
JPH07188942A1995-07-25
JPH11195662A1999-07-21
JPH1060381A1998-03-03
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Masami et al. (13-5 Akasaka 4-chome,Minato-k, Tokyo 52, JP)
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Claims:
 下記一般式で表されるリン酸エステルを含有することを特徴とするレジンブリードアウト防止剤。
(式中、R 1 は炭素数4~30の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表し、R 2 は低級アルキレン基を表し、nは0~10の整数、mは1~3の整数を表す。)
 上記リン酸エステルのR 1 が炭素数8~20のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基のいずれかであり、R 2 がエチレン基であり、nは1~6の整数、mは1~3の整数であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載のレジンブリードアウト防止剤。
 更に、テトラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、チアゾール誘導体のいずれかを含む含窒素複素環状化合物系の変色防止剤を含有することを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載のレジンブリードアウト防止剤。
 請求の範囲第1項~第3項のいずれか一項に記載のレジンブリードアウト防止剤を用いてレジンブリードアウト防止処理を施すことを特徴とするレジンブリードアウト防止方法。
 請求の範囲第1項~第3項のいずれか一項に記載のレジンブリードアウト防止剤を用いてレジンブリードアウト防止処理され、該レジンブリードアウト防止剤の被膜を有することを特徴とする基材。
Description:
レジンブリードアウト防止剤及 レジンブリードアウト防止方法

 本発明は、リードフレームやプリント配 板等の半導体配線基材とICチップとを樹脂 よって接着固定するダイボンディング工程 おけるレジンブリードアウト防止剤及び防 方法に関する。

 半導体チップとリードフレームやプリン 配線板等の基材は、通常ダイボンディング 脂によって接着固定されている。基材の接 面は、金、銀、パラジウム、銅、ニッケル のめっきが施されているのが一般的である 、表面粗さが大き過ぎたり、表面がめっき 加剤、変色防止剤、封孔処理剤等の有機物 汚染されていると、ダイボンディング工程 おけるダイボンディング樹脂塗布時に、樹 または添加剤の滲み出し(レジンブリードア ウト(RBO))が発生する。このRBOは、ダイボンデ ィング強度を低下させたり、その後の工程で あるワイヤーボンディングやモールディング に悪影響を与える。

 従来、RBOを防止するために、接着面のめ き面の表面粗さを小さくし、毛細管現象を 制したり、表面を洗浄し汚染物を取り除い りしていた。しかし、接着面の表面粗さは ダイボンディング強度や、アセンブリマシ の画像認識能力に影響を与えるため、一概 小さくすることはできない。また、表面を 浄する場合、変色防止被膜や封孔処理被膜 で脱離してしまい問題であった。

 これらの問題を解決するために、カルボ 酸、チオール等を主成分とする溶液に基材 浸漬し、1~数分子程度の有機被膜を吸着さ ることで、基材面の表面粗さを変えたり、 色防止被膜や封孔処理被膜を洗浄剥離する となく、また、吸着する有機被膜が非常に いため、ワイヤーボンディング性、モール ィング性等のアセンブリ特性に悪影響を与 ず、RBOを防止できることが特許文献1に示さ ている。

 また、更に本発明者らは検討を進めた結果 極性基を有するフルオロアルキル化合物が 許文献1のカルボン酸、チオール化合物等よ りRBO防止効果が高いことを示した(特許文献2) 。
 しかし、フルオロアルキル化合物はフッ素 含むため、排水が問題となる場合がある。

特開平11-195662号公報

特願2007-52890号

 本発明は、排水処理の負荷が小さく、低 力タイプのダイボンディング樹脂を用いた 合においても、ダイボンディング強度や、 センブリ特性に悪影響を与えず、変色防止 理や封孔処理効果を損なうことのないレジ ブリードアウト防止剤を提供することを目 とする。

 本発明者らは、鋭意研究を行った結果、レ ンブリードアウト防止剤を含有する溶液に 材を浸漬し、めっき面の表面に有機被膜を 着させることによってレジンブリードアウ を防止する工程で、フッ素を含む化合物よ も排水処理の負荷が小さく、低応力タイプ ダイボンディング樹脂を用いた場合におい も、ダイボンディング強度や、アセンブリ 性に悪影響を与えず、変色防止処理や封孔 理効果を損なうことのないレジンブリード ウト防止効果をもつ一群の有機化合物を見 し、本発明に至った。
 即ち、本発明は以下のとおりである。

(1)下記一般式で表されるリン酸エステルを含 有することを特徴とするレジンブリードアウ ト防止剤。
(式中、R 1 は炭素数4~30の飽和もしくは不飽和の炭化水 基を表し、R 2 は低級アルキレン基を表し、nは0~10の整数、m は1~3の整数を表す。)

(2)上記リン酸エステルのR 1 が炭素数8~20のアルキル基、アルケニル基、 ルキニル基のいずれかであり、R 2 がエチレン基であり、nは1~6の整数、mは1~3の 数であることを特徴とする前記(1)に記載の ジンブリードアウト防止剤。
(3)更に、テトラゾール誘導体、トリアゾール 誘導体、イミダゾール誘導体、チアゾール誘 導体のいずれかを含む含窒素複素環状化合物 系の変色防止剤を含有することを特徴とする 前記(1)または(2)に記載のレジンブリードアウ ト防止剤。

(4)前記(1)~(3)のいずれか一項に記載のレジン リードアウト防止剤を用いてレジンブリー アウト防止処理を施すことを特徴とするレ ンブリードアウト防止方法。
(5)前記(1)~(3)いずれか一項に記載のレジンブ ードアウト防止剤を用いてレジンブリード ウト防止処理され、該レジンブリードアウ 防止剤の被膜を有することを特徴とする基 。

 本発明のレジンブリードアウト防止剤を いてリードフレーム、プリント配線板等の 導体配線基材表面にレジンブリードアウト 止機能を有する有機化合物を吸着させるレ ンブリードアウト防止処理を行うことによ て、変色防止効果や封孔処理効果を損なう となくダイボンディング工程におけるレジ ブリードアウトを防止することが可能であ 。また、ワイヤーボンディング性やモール ィング性等のアセンブリ特性にも悪影響を えることがない。更に非フッ素系のレジン リードアウト防止剤であるため、排水処理 負荷が小さい。

図1は、実施例の耐レジンブリードアウ ト性評価におけるレジンブリードアウト量の 測定方法を示す図である。

 本発明のレジンブリードアウト防止剤は、 記式で表されるリン酸エステルを含有する
(式中、R 1 は炭素数4~30の飽和もしくは不飽和の炭化水 基を表し、R 2 は低級アルキレン基を表し、nは0~10の整数、m は1~3の整数を表す。)

 R 1 は炭素数4~30の飽和もしくは不飽和の炭化水 基を表す。中でも炭素数8~20の飽和もしくは 飽和の炭化水素基が好ましい。炭素数が少 すぎるとレジンブリードアウト防止効果が く、多すぎるとモールディング性(モールデ ィング樹脂の密着性)を低下させる。

 飽和もしくは不飽和の炭化水素基としては 二重結合、三重結合を2つ以上有していても 良く、また、直鎖状であっても、側鎖を有し ていても良い。更に、環状炭化水素基や芳香 族炭化水素基が主鎖に連結していてもよいが 、直鎖状のアルキル基、アルケニル基、アル キニル基が好ましく、直鎖状のアルキル基が 特に好ましい。アルケニル基、アルキニル基 においては、二重結合、三重結合の位置は特 に制限はない。
 R 2 は炭素数1~4の低級アルキレン基を示し、メチ レン基、エチレン基、プロピレン基が好まし く、エチレン基が特に好ましい。

 nは0~10の整数を表し、1~6の整数が好ましい
 mは1~3の整数を表す。上記リン酸エステルは 、モノエステル、ジエステル、トリエステル のいずれも有用であり、混合物として得られ る場合は単離するする必要はなく、混合物と して用いることができる。また、mが複数の 合、R 1 、R 2 、およびnは異なっていても良い。

 本発明のレジンブリードアウト防止剤は 水等の溶媒に溶解させ、レジンブリードア ト防止剤溶液として用いる。前記レジンブ ードアウト防止剤溶液中の上記リン酸エス ルの濃度は1mg/L~100g/Lが好ましく、10mg/L~10g/L より好ましい。上記濃度が1mg/L未満ではRBO 止効果が弱く、100g/Lを超えても効果が飽和 、それ以上の効果を期待できないため好ま くない。

 さらに本発明のレジンブリードアウト防止 は、金属の酸化変色防止剤を含有すること できる。該変色防止剤としては、具体的に 公知の変色防止剤が使用できるが、特にテ ラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イ ダゾール誘導体、チアゾール誘導体のいず かを含む含窒素複素環状化合物系の変色防 剤が好ましい。
 これらの変色防止剤としては、例えば、テ ラゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズイ ダゾール、ベンゾチアゾール、メルカプト ンゾチアゾール等が挙げられる。

 前記変色防止剤は、レジンブリードアウト 止剤溶液中1mg/L~100g/L含有するのが好ましく 10mg/L~10g/Lがより好ましい。1mg/L未満では変 防止効果が弱く、100g/Lを超えても効果が飽 し、それ以上の効果を期待できないため好 しくない。
 変色防止剤を含有させることにより、レジ ブリードアウト防止効果とともに変色防止 果を同時に付与することができる。

 溶媒として水を用いる場合、上記リン酸 ステルが水に溶けにくい場合には、必要に じてアルコール、ケトンなどの有機溶剤を 加することができる。添加する量は、上記 ン酸エステルが水に溶けるのに必要な濃度 よいが、通常0.1g/L~200g/Lが好ましく、1g/L~50g/ Lがより好ましい。添加する量が少なすぎる 溶解性が低く、また多すぎても上記リン酸 ステルを溶解する効果は変わらないので好 しくない。

 さらに、上記リン酸エステルが水に溶け くい場合には、必要に応じて、アニオン系 カチオン系、ノニオン系の界面活性剤のい れか、またはこれらの混合物を1μg/L~10g/L、 ましくは10μg/L~1g/L添加してもよい。添加す 量が少なすぎると溶解性が低く、また多す ても上記リン酸エステルを溶解する効果は わらないので好ましくない。

 また、レジンブリードアウト防止剤溶液 には、液のpH緩衝性を向上させたい場合は 必要に応じて、リン酸系、ホウ酸系、有機 系のpH緩衝剤を0.1g/L~200g/L、好ましくは1~50g/L 加してもよい。0.1g/L未満ではpH緩衝効果が く、200g/Lを超えても効果が飽和し、それ以 の効果を期待できないため好ましくない。

 また、レジンブリードアウト防止剤溶液 に金属の溶出がある場合は必要に応じて、 属隠蔽剤を使用することができる。この金 隠蔽剤としては、基本的には公知のものが 用できるが、特にアミン系、アミノカルボ 酸系、カルボン酸系の錯化剤が好ましく、0 .1g/L~200g/L、好ましくは1g/L~50g/L添加してもよ 。0.1g/L未満であると金属の錯化力が低く、20 0g/Lを超えても効果が飽和し、それ以上の効 を期待できないため好ましくない。

 レジンブリードアウト防止剤溶液のpHは特 限定する必要はないが、通常はpH1~14の間で り、pH2~12で処理することが好ましい。この 囲を逸脱すると、素材のダメージが大きく レジンブリードアウト防止効果が低い。
 また、レジンブリードアウト防止剤溶液の 度は、水溶液で行いうる温度範囲で可能で るが、通常5~90℃、好ましくは10~60℃とする 温度が低すぎるとレジンブリードアウト効 が低く、90℃を超えても作業性が悪くなる けで、温度を高くするメリットがない。

 さらに、レジンブリードアウト防止剤溶 での処理時間は、0.1秒~300秒で効果を見て適 宜調整すればよく、作業の再現性と効率を考 慮すると1秒~60秒が好ましい。0.1秒未満であ と、レジンブリードアウト防止の効果が低 、また作業の再現性が難しくなるし、300秒 超えても効果が飽和し、かつ作業効率が低 なる。

 また、本発明のレジンブリードアウト防止 法は、レジンブリードアウト防止剤溶液に 線基材を浸漬するか、またはレジンブリー アウト防止剤溶液を基材にシャワー、スプ ーなどにより散布するか、スピンコーター どにより塗布するなどして接触させた後、 洗、乾燥すればよい。
 配線基材としては、リードフレームやプリ ト配線板等の半導体配線基材が挙げられ、 ジンブリードアウト防止処理を行う基材の 面は、金、銀、パラジウム、銅、ニッケル のめっきが施されているものが好ましい。

 上記のようなレジンブリードアウト防止 理を行うことによって、配線基材表面のめ き面には上記リン酸エステルが吸着し、1~ 分子程度の厚さのリン酸エステルからなる 膜が形成される。そのため、めっき面とダ ボンディング樹脂との接触角を増加させ、 イボンディング樹脂の滲み出しを抑制する とが可能となる。なお、吸着するリン酸エ テルの被膜は非常に薄いため、ワイヤーボ ディング性、モールディング性等のアセン リ特性には悪影響を与えない。また、変色 止効果や封孔処理効果を損なうこともない 上記の方法によってレジンブリードアウト 止処理を施し、該防止剤の被膜を形成した 線基材、およびそれを用いた半導体パッケ ジも本発明に包含される。

 本発明のレジンブリードアウト防止処理 行った後に用いるダイボンディング樹脂と て有効なダイボンディング樹脂としては、 応力タイプのダイボンディング樹脂であっ もよく、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂等 挙げられ、エポキシ樹脂が好ましい。

 以下、実施例に基づいて本発明を説明す が、本発明はこれらの実施例に限定される のではない。

実施例1~6、比較例1~2
 銅合金(Cu:97.7%-Sn:2.0%-Ni:0.2%-P:0.03%)製リードフ レーム基材に密着性向上のために下地として 銅ストライクめっきを行った後、リードフレ ーム全面に銀めっき、金めっき、銅めっきの いずれかを施した。その後表1に記載したレ ンブリードアウト防止剤処理を浸漬により った。
 これらの基材について、ダイボンディング 行い、耐レジンブリードアウト性(耐RBO性) ワイヤーボンディング性(W/B性)、モールディ ング性、耐変色性の評価を行った。結果を表 1に示す。表1中、浴組成における「-」は添加 しないことを示し、評価における「-」は評 対象外であることを示す。

 尚、表1中、R 1 、R 2 、nは、上記一般式で表されるリン酸エステ におけるR 1 、R 2 、nを示し、リン酸エステルは、モノエステ とジエステルの1:1混合物を用いた。用いた ン酸エステルのR 1 のアルキル基、アルケニル基はすべて直鎖状 であり、実施例5、6におけるアルケニル基は 中央に二重結合を有する10-エイコセニル基 11-ドコセニル基である。

 耐レジンブリードアウト性の評価は以下の 法で行った。
 市販の低応力ダイボンディング用エポキシ 脂(エイブルボンド8340、エイブルスティッ 社製)をレジンブリードアウト防止処理を行 ためっき面に塗布後、大気中、室温で2時間 放置した。次に、大気中ホットプレートで、 175℃、1時間熱硬化した後、エポキシ樹脂塗 部を金属顕微鏡(100倍)で観察し、図1に示す うに最もレジンブリードアウトが激しい部 の滲み量(RBO量)を測定し、以下のように評価 した。
  ○: 10μm未満
  △: 10μm以上50μm未満
  ×: 50μm以上

 ワイヤーボンディング性の評価は以下の方 で行った。
 25μmの金ワイヤーを用いて、超音波併用熱 着方式(温度:200℃、荷重:50g、時間:10ms)でワ ヤーボンディングを行い、プルテスターで ル強度を測定し、以下のように評価した。
  ○: 10gf以上
  ×: 10gf未満

 モールディング特性の評価は以下の方法で った。
 市販のモールディング用エポキシ樹脂(住友 ベークライト製 EME-6300)をレジンブリードア ト防止処理を行っためっき面に塗布した後 175℃、5時間加熱硬化し、その後、密着性( ん断強度)を測定し、以下のように評価した
  ○: 20kgf/cm 2 以上
  △: 10kgf/cm 2 以上20kgf/cm 2 未満
  ×: 10kgf/cm 2 未満

 耐変色性の評価は、以下の方法で行った。
 40℃、湿度90%で96時間加湿後、外観観察を行 い、以下のように評価した。
  ○: 変色がない
  ×: 変色がある