WO/2004/079757 | SWITCHING POWER SUPPLY |
JPS61180412 | MANUFACTURE OF STATIONARY INDUCTION ELECTRIC APPARATUS |
JPS60192425 | [Title of the device] The stabilizer for electric discharge lamps |
HAGIYA AKIO (JP)
JPH06251946A | 1994-09-09 | |||
JP2007207928A | 2007-08-16 | |||
JPH07272919A | 1995-10-20 | |||
JP2002141216A | 2002-05-17 |
巻芯部およびその両端に設けられた鍔部を有する、フェライト焼結体からなる磁芯と、 前記巻芯部上に巻回されたコイルと、 前記コイルを覆いかつ前記鍔部間の空隙を埋めるように形成された、軟磁性体樹脂からなる外装と を備える、インダクタンス素子であって、 前記フェライト焼結体の透磁率の温度係数が正であるとともに、前記軟磁性体樹脂の透磁率の温度係数が-30ppm/℃以下である、インダクタンス素子。 |
前記軟磁性体樹脂の透磁率の温度係数が-1000ppm/℃以下である、請求項1に記載のインダクタンス素子。 |
前記フェライト焼結体がNiZnCu系フェライト材料の焼結体であり、かつ、前記軟磁性体樹脂がNiZnCu系フェライト材料の粉末と熱硬化性樹脂との混合物である、請求項1または2に記載のインダクタンス素子。 |
巻芯部およびその両端に設けられた鍔部を有する、透磁率の温度係数が正のフェライト焼結体からなる磁芯を用意する工程と、 前記巻芯部上に導電性を有するワイヤを巻回し、それによってコイルを形成する工程と、 フェライト材料の粉末と熱硬化性樹脂とを混合し、それによって透磁率の温度係数が-30ppm/℃以下の軟磁性体樹脂を用意する工程と、 前記コイルを覆いかつ前記鍔部間の空隙を埋めるように、前記軟磁性体樹脂を付与し、それによって外装を形成する工程と を備える、インダクタンス素子の製造方法。 |
前記軟磁性体樹脂を用意する工程は、透磁率の温度係数が-1000ppm/℃以下の軟磁性体樹脂を用意する工程を備える、請求項4に記載のインダクタンス素子の製造方法。 |
この発明は、インダクタンス素子および の製造方法に関するもので、特に、閉磁路 造を有するインダクタンス素子およびその 造方法に関するものである。
この発明にとって興味ある従来技術とし 、たとえば特開2007-67081号公報(特許文献)に 、フェライトからなる鍔付きの磁芯と、磁 に巻回されたコイルと、コイルを覆うよう 形成された磁性粉末入りの軟磁性体樹脂層 を備える、インダクタンス素子が記載され いる。
しかしながら、特許文献1に記載されたイ ンダクタンス素子では、閉磁路を形成するの で、直流電流が重畳した場合、磁界Hつまり イルの電流を増大させても磁束密度Bがほと ど増大しない、磁気飽和を生じてしまう。 の結果、BH曲線の傾き、つまり透磁率μが小 さくなるため、インダクタンス値が著しく低 下してしまうという問題がある。
他方、たとえば特開平6-251946号公報(特許 献2)には、円柱部および両端の拡大フラン 部を有する軟磁性ドラムと、円柱部に巻装 れたコイル巻線部と、軟磁性ドラムを取り みかつ拡大フランジ部に嵌合する軟磁性ス ー部とからなる、インダクタンス部品にお て、軟磁性ドラムの温度係数を軟磁性スリ ブの温度係数と逆符号にすることが記載さ ている。
上記特許文献2に記載のものにおいて、軟磁
性ドラムおよび軟磁性スリーブの各々の温度
係数を互いに逆符号とすることは、両者の温
度係数が互いに打ち消しあって、インダクタ
ンス部品全体の温度係数を略「0」に近づけ
ことを目的としたものである。しかしなが
、特許文献2には、直流重畳特性について全
開示がなく、それゆえ、直流重畳特性を改
するために必要な温度係数の組み合わせや
要な温度特性の範囲等についても、当然の
とながら、全く開示されていない。
そこで、この発明の目的は、閉磁路を形 することにより、配線基板上に実装したと に周辺回路の干渉を受けず、かつ、直流電 が重畳した場合でも、インダクタンス値の 下が小さい、すなわち、直流重畳特性が良 である、インダクタンス素子およびその製 方法を提供しようとすることである。
この発明は、巻芯部およびその両端に設 られた鍔部を有する、フェライト焼結体か なる磁芯と、巻芯部上に巻回されたコイル 、コイルを覆いかつ鍔部間の空隙を埋める うに形成された、軟磁性体樹脂からなる外 とを備える、インダクタンス素子にまず向 られるものであって、上述した技術的課題 解決するため、フェライト焼結体の透磁率 温度係数が正であるとともに、軟磁性体樹 の透磁率の温度係数が-30ppm/℃以下であるこ とを特徴としている。
軟磁性体樹脂の透磁率の温度係数は-1000pp m/℃以下であることが好ましい。
好ましくは、フェライト焼結体がNiZnCu系 ェライト材料の焼結体であり、かつ、軟磁 体樹脂はNiZnCuフェライト材料の粉末と熱硬 性樹脂との混合物である。
この発明は、上述したインダクタンス素 を製造する方法にも向けられる。
この発明に係るインダクタンス素子の製 方法は、巻芯部およびその両端に設けられ 鍔部を有する、透磁率の温度係数が正のフ ライト焼結体からなる磁芯を用意する工程 、巻芯部上に導電性を有するワイヤを巻回 、それによってコイルを形成する工程と、 ェライト材料の粉末と熱硬化性樹脂とを混 し、それによって透磁率の温度係数が-30ppm/ ℃以下の軟磁性体樹脂を用意する工程と、コ イルを覆いかつ鍔部間の空隙を埋めるように 、軟磁性体樹脂を付与し、それによって外装 を形成する工程とを備えることを特徴として いる。
上述の軟磁性体樹脂を用意する工程では 透磁率の温度係数が-1000ppm/℃以下の軟磁性 樹脂を用意することが好ましい。
この発明に係るインダクタンス素子によ ば、当該インダクタンス素子に直流が重畳 た場合、コイルが発熱し、この発熱が磁芯 よび外装へと熱伝導により伝わり、その結 、磁芯および外装も加熱される。このとき 磁芯を構成するフェライト焼結体の透磁率 、正の温度係数に従って上昇する一方、外 を構成する軟磁性体樹脂の透磁率は、-30ppm/ ℃以下といった負の温度係数に従って低下す る。したがって、磁路構造が開磁路に近づき 、磁芯への磁束の集中が緩和され、磁芯への 磁気飽和が抑制される。その結果、インダク タンス素子のインダクタンス値の低下が軽減 される。
軟磁性体樹脂の透磁率の温度係数が-1000pp m/℃以下とされると、上述した外装の加熱に る軟磁性体の透磁率の低下がより大きく生 るため、特に大電流領域での直流重畳によ インダクタンス値の低下をより効果的に抑 することができる。
フェライト焼結体がNiZnCu系フェライト材 の焼結体であり、かつ、軟磁性体樹脂がNiZn Cu系フェライト材料の粉末と熱硬化性樹脂と 混合物であるとき、高周波領域での使用が 能なインダクタンス素子を得ることができ 。
この発明に係るインダクタンス素子の製 方法によれば、磁気シールド構造を有し、 つ直流重畳特性が良好であるインダクタン 素子を製造することができる。
この発明に係るインダクタンス素子の製 方法において、軟磁性体樹脂として、透磁 の温度係数が-1000ppm/℃以下のものを用いる 、特に大電流領域での直流重畳によるイン クタンス値の低下がより効果的に抑制され 、インダクタンス素子を製造することがで る。
1 インダクタンス素子
2 巻芯部
3,4 鍔部
5 磁芯
6 ワイヤ
7 コイル
8 外装
図1は、この発明の一実施形態によるイン ダクタンス素子1を示す断面図である。
インダクタンス素子1は、巻芯部2ならび その両端に設けられた鍔部3および4を有する 、フェライト焼結体からなる磁芯5を備えて る。巻芯部2上には、導電性を有するワイヤ6 を巻回することによって形成されたコイル7 配置される。また、軟磁性体樹脂からなる 装8が、コイル7を覆いかつ鍔部3および4間の 隙を埋めるように形成される。
このインダクタンス素子1は、表面実装可 能なチップ部品として取り扱われるものであ り、そのため、磁芯5の少なくとも下方主面9 平坦とされ、この下方主面9上に面実装用電 極10および11が形成される。面実装用電極10お よび11には、図示しないが、上述したコイル7 の各端部が電気的に接続される。
このようなインダクタンス素子1において 、磁芯5を構成するフェライト焼結体として 、その透磁率の温度係数が正であるものが いられる。なお、通常のフェライト材料の 磁率の温度係数は正である。他方、外装8を 成する軟磁性体樹脂としては、その透磁率 温度係数が-30ppm/℃以下、好ましくは-1000ppm/ ℃以下のものが用いられる。
また、磁芯5を構成するフェライト焼結体 は、NiZnCu系フェライト材料の焼結体であるこ とが好ましい。他方、外装8を構成する軟磁 体樹脂は、NiZnCu系フェライト材料の粉末と 硬化性エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂 の混合物であることが好ましい。
インダクタンス素子1を製造するにあたり 、上述した磁芯5が用意され、磁芯5の巻芯部2 上にワイヤ7が巻回され、それによってコイ 7が形成される。他方、フェライト材料の粉 と熱硬化性樹脂とを混合することによって 軟磁性体樹脂が作製され、この軟磁性体樹 が、コイル7を覆いかつ磁芯5の鍔部3および4 間の空隙を埋めるように付与され、それによ って外装8が形成される。
上述のように作製される軟磁性体樹脂の 磁率の温度係数を-30ppm/℃以下、好ましくは -1000ppm/℃以下とするため、軟磁性体樹脂に混 入されるフェライト材料の透磁率の温度係数 が調整される。
次に、この発明による効果を確認するた に実施した実験例について説明する。
脱イオン水に、所定の組成に調整したNiZnCu フェライト材料の仮焼粉と、バインダとし のポリビニルアルコールとを加え、これら ボールミルにて湿式で混合粉砕し、フェラ ト材料を含有するスラリーを得た。このス リーをボールミルから取り出し、スプレー ライヤを用いて造粒乾燥し、累積頻度50%で 粒子径(D 50 )が100μmのフェライト造粒粉を得た。
次に、上記フェライト造粒粉をプレス成 し、巻芯部とその両端に鍔部とを有する形 の磁芯となるべき成形体を得た。そして、 の成形体を、ジルコニア質の匣に並べ、バ チ炉で脱バインダ処理した後、900~1000℃の 度で2時間焼成し、フェライト焼結体からな 磁芯を得た。この磁芯を構成するフェライ 焼結体の透磁率の温度係数は+3000ppm/℃(20℃ 準、150℃での温度係数)であり、外形寸法は 3.0mm×3.0mm×1.0mmであった。
次に、この磁芯の巻芯部上に、線径80μm 絶縁皮膜付きの銅線を巻回し、コイルを形 した。そして、このコイルを構成する銅線 各端部を、磁芯の下方主面上に形成され1対 面実装用電極にそれぞれはんだ付けした。
他方、NiZnCu系フェライト材料の粉末(焼成 粉砕したもの)を用意し、これを熱硬化性エ キシ樹脂に50体積%の割合で添加し、混合す ことによって、軟磁性体樹脂を作製した。 こで、軟磁性体樹脂として、添加されるNiZnC u系フェライト材料の粉末の組成および焼成 度を変えることにより、200~300℃の温度で硬 されたときの透磁率の温度係数が-1800ppm/℃ もの(実施例1)、-1000ppm/℃のもの(実施例2)、- 30ppm/℃のもの(実施例3)、および+120ppm/℃のも (比較例)をそれぞれ作製した。なお、軟磁 体樹脂の20℃における透磁率は、実施例1~3お よび比較例のいずれについても、5であった
次に、上記実施例1~3および比較例の各々 係る軟磁性体樹脂を、前述したコイルを覆 かつ磁芯の鍔部間の空隙を埋めるように付 し、200~300℃の温度で硬化させて、各試料に 係るインダクタンス素子を得た。
このようにして得られた各試料に係るイ ダクタンス素子のコイルに0~1.2Aの範囲で直 電流を通電し、インダクタンス素子のイン クタンス値を測定し、これからインダクタ ス値の変化率を求めた。その結果が図2に示 されている。図2において、縦軸はインダク ンス値の変化率(インダクタンス変化率)を示 し、横軸は直流重畳電流を示している。
外装を構成する軟磁性体樹脂の透磁率の 度係数が-30ppm/℃以下である実施例1~3では、 これが-30ppm/℃より大きい比較例と比較して インダクタンス変化率が-30~-60%となる電流値 が5%以上向上しており、直流重畳特性が優れ いることがわかる。特に、軟磁性体樹脂の 磁率の温度係数が-1000ppm/℃以下である実施 1および2では、インダクタンス変化率が-30~- 60%となる電流値が10%以上向上しており、直流 重畳特性の向上がより顕著である。