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Title:
SEALING AGENT FOR DISPLAY ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/044763
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a sealing agent for a display element, which exhibits good elasticity, adhesion and durability that are characteristic properties of a polyorganosiloxane after being cured, and also exhibits low moisture permeability. Specifically disclosed is a sealing agent for a display element, which comprises: (A) 100 parts by weight of a linear polyorganosiloxane represented by the formula (I); (B) a polyorganohydrogensiloxane having more than two silicon-bound hydrogen atoms per molecule, in such an amount that the number of the silicon-bound hydrogen atoms per alkenyl group in the component (A) becomes 0.5 to 10.0; (C) a compound of a metal belonging to the platinum group in such an amount that a metal atom belonging to the platinum group is contained at a ratio of 0.1 to 1,000 ppm by weight relative to the amount of the component (A); and (D) 20 to 200 parts by weight of a mica powder.

Inventors:
TAKANASHI MASANORI
Application Number:
PCT/JP2008/067800
Publication Date:
April 09, 2009
Filing Date:
October 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MOMENTIVE PERFORMANCE MAT INC (JP)
TAKANASHI MASANORI
International Classes:
C08K3/34; C09K3/10; C08L83/05; C08L83/07; G02F1/1339
Foreign References:
JP2005008657A2005-01-13
JPS57178221A1982-11-02
JP2005158764A2005-06-16
JP2002187971A2002-07-05
JP2000169706A2000-06-20
JPH11158384A1999-06-15
JPH07126533A1995-05-16
JPH04202340A1992-07-23
JPH0297560A1990-04-10
JPS581748A1983-01-07
JP2006124698A2006-05-18
JP2006323039A2006-11-30
JP2006330301A2006-12-07
Other References:
See also references of EP 2196515A4
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, Hajime (22-12 Toranomon,1-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 (A)式(I):
(式中、
 Rは、独立して、R 1 又はR 2 であり、Rのうち、少なくとも2個はR 1 であり、
 R 1 は、独立して、C 2 -C 6 アルケニル基であり、
 R 2 は、独立して、C 1 -C 6 アルキル基又はフェニル基であり、
 nは、(A)の23℃における粘度を0.1~1,000Pa・sとする数である)で示される直鎖状ポリオルガノシロキサン 100重量部;
 (B)ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に2個を越える数で有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン (A)に存在するアルケニル基1個に対するケイ素原子に結合した水素原子の数が、0.5~10.0になる量;
 (C)白金族金属化合物 白金族金属原子を、(A)の量に対して0.1~1,000重量ppm含有する量;並びに
 (D)マイカ粉 20~200重量部
を含む、表示素子用シール剤。
 (A)におけるR 1 が、ビニル基である、請求項1記載の表示素子用シール剤。
 (A)におけるR 2 のうち、15モル%以上がフェニルである、請求項1又は2記載の表示素子用シール剤。
 (A)におけるR 2 が、メチル基又はフェニル基であり、R 2 のうち、15モル%以上がフェニル基である、請求項1~3のいずれか1項記載の表示素子用シール剤。
 (D)の平均粒径が2.0~100μmである、請求項1~4のいずれか1項記載の表示素子用シール剤。
 液晶表示素子用である、請求項1~5のいずれか1項記載の表示素子用シール剤。
 請求項1~5のいずれか1項記載の表示素子用シール剤でシールされた平面表示素子。
Description:
表示素子用シール剤

 本発明は、ポリオルガノシロキサンの付 反応によって硬化する表示素子用シール剤 及び当該表示素子用シール剤でシールされ 表示素子に関する。

 液晶表示素子に代表される平面表示素子 製造プロセスで使用されるシール剤は、最 製品の特性にも影響しうる要素である。例 ば、液晶表示素子は、複数の薄膜トランジ タ(TFT)がマトリックス状に形成されたアレ 基板(TFT基板)と、カラー・フィルムや遮光膜 が形成されたカラー・フィルタ基板(CF基板) を、極めて狭い間隔で対向して設け、両基 間に液晶を封入することにより製造される この際に、TFT基板とCF基板とは、シール剤を 使用し、これを硬化させることにより貼り合 わされているため、シール剤の接着性、耐久 性が、液晶素子の特性に影響しうる。

 上記のシール剤としては、従来、エポキ 樹脂が汎用されてきた(特許文献1~3参照)。 かしながら、一般にエポキシ樹脂の硬化物 硬く、この硬さがシール剤用途では問題に ることもあった。また、近年の表示機能の 様化と高信頼性への要求を背景に、一段と 好な接着性、耐久性を有する材料の開発が 待されている。

 ところで、ポリオルガノシロキサンは、 化してゴム状弾性体となり、良好な接着性 耐久性を発現する樹脂として知られている しかしながら、分子鎖の間隙が大きいため 透湿性が大きく耐湿性に劣るため、液晶表 素子等の表示素子用シール剤として使用す のには難があるとされていた。

特開2006-124698号公報

特開2006-323039号公報

特開2006-330301号公報

 本発明の課題は、硬化して、ポリオルガ シロキサンの特徴である、良好な弾性、接 性、耐久性のみならず、低透湿性をも示す 示素子用シール剤を提供することである。 発明のさらなる課題は、このような良好な 性、接着性、耐久性、低透湿性を示す表示 子用シール剤を用いた平面表示素子を提供 ることである。

 本発明者は、上記の課題を解決するため 研究を重ねた結果、特定の直鎖状ポリオル ノシロキサンをベースポリマーとし、マイ 粉を併用した、表示素子用シール剤によっ 、その課題が解決されうることを見出し、 発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は、(A)式(I):
(式中、
 Rは、独立して、R 1 又はR 2 であり、Rのうち、少なくとも2個はR 1 であり、
 R 1 は、独立して、C 2 -C 6 アルケニル基であり、
 R 2 は、独立して、C 1 -C 6 アルキル基又はフェニル基であり、
 nは、(A)の23℃における粘度を0.1~1,000Pa・sと る数である)で示される直鎖状ポリオルガノ シロキサン 100重量部;
 (B)ケイ素原子に結合した水素原子を分子中 2個を越える数で有するポリオルガノハイド ロジェンシロキサン (A)に存在するアルケニ 基1個に対するケイ素原子に結合した水素原 子の数が、0.5~10.0になる量;
 (C)白金族金属化合物 白金族金属原子を、(A )の量に対して0.1~1,000重量ppm含有する量;並び
 (D)マイカ粉 20~200重量部
を含む、表示素子用シール剤に関し、当該表 示素子用シール剤でシールされた平面表示素 子に関する。

 本発明によって、短時間の加熱で硬化し 、ポリオルガノシロキサンの特徴である、 好な弾性、接着性、耐久性のみならず、低 湿性をも示す表示素子用シール剤を提供す ことができる。したがって、本発明の表示 子用シール剤でシールされた平面表示素子 、シール部分が良好な弾性、接着性、耐久 のみならず、低透湿性を示すため、表示機 の多様化、高信頼性への要求に応えうるも である。

 本発明で用いられる(A)成分は、式(I):

(式中、
 Rは、独立して、R 1 又はR 2 であり、Rのうち、少なくとも2個はR 1 であり、
 R 1 は、独立して、C 2 -C 6 アルケニル基であり、
 R 2 は、独立して、C 1 -C 6 アルキル基又はフェニル基であり、
 nは、(A)の23℃における粘度を0.1~1,000Pa・sと る数である)で示される直鎖状ポリオルガノ シロキサンである。

 この(A)成分は、本発明の表示素子用シール においてベースポリマーとなる成分であり 式(I)中のR 1 と(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応に より、網状構造を形成して硬化物を形成する ことができる。

 式(I)において、R 1 はC 2 -C 6 アルケニル基であり、これらは、分岐状であ っても、直鎖状であってもよく、ビニル、ア リル、3-ブテニル、5-ヘキセニルなどが例示 れる。合成が容易で、また表示素子用シー 剤の流動性や、硬化物の耐熱性を損ねない いう点から、ビニル基が最も好ましい。R 1 は、式(I)中に、少なくとも2個存在する。こ とき、R 1 は分子中のどのシロキサン単位に存在しても よいが、良好な反応性を得るために、R 1 の少なくとも一部は、分子末端に存在するこ とが好ましく、それぞれの末端に1個ずつ、 計2個のR 1 が存在することがより好ましい。

 式(I)において、R 2 はC 1 -C 6 アルキル基又はフェニル基である。C 1 -C 6 アルキル基は、分岐状であっても、直鎖状で あってもよく、メチル、エチル、プロピルな どが例示され、合成及び取扱いが容易で、熱 的性質及び機械的性質の優れた硬化物を与え ることから、メチル基が特に好ましい。

 透湿性を下げるためには、R 2 のうち、15モル%以上がフェニル基であること が好ましい。さらに取り扱い性をも考慮する と、R 2 のうち、20~80モル%がフェニル基であることが 好ましく、より好ましくは、30~60モル%である 。このようなフェニル基を導入するには、フ ェニル基を2個有するシロキサン単位を用い ことが好ましい。

 式(I)において、nは、(A)成分の23℃におけ 粘度を0.1~1,000Pa・sとする数である。粘度が の範囲にあると、表示素子用シール剤の流 性が良好で、優れた作業性を示す一方、優 た機械的強度、及び適度の弾性と硬さを示 硬化物を与えることができる。nは好ましく は、(A)成分の23℃における粘度を0.2~500Pa・sと する数である。

 本発明で用いられる(B)成分のポリオルガノ イドロジェンシロキサンは、分子中に含ま るヒドロシリル基が、(A)成分中のR 1 との間で付加反応することにより、(A)成分の 架橋剤として機能するものである。そのよう な、架橋剤として機能する(B)成分は、硬化物 を網状化するために、該付加反応に関与する ケイ素原子に結合した水素原子を、分子中に 2個を越える数、好ましくは3個以上有してい 。

 (B)成分は、代表的には、一般式(II):
   (R 3 ) c H d SiO (4-c-d)/2      (II)
(式中、
 R 3 は、脂肪族不飽和炭素-炭素結合を含まない 非置換又は置換の1価の炭化水素基を表し;
 cは、0~2の整数であり;
 dは、1又は2であり、ただし、c+dは1~3の整数 ある)
で示される単位を、分子中に2個を越える数 好ましくは3個以上有する。

 R 3 及び(B)成分の他のシロキサン単位のケイ素原 子に結合した有機基としては、前述の(A)成分 におけるR 2 と同様のものが例示され、それらの中でも、 合成が容易な点から、メチル基が最も好まし い。また、合成が容易なことから、dは1が好 しい。

 (B)成分におけるシロキサン骨格は、直鎖状 分岐状又は環状のいずれであってもよい。 た、これらの混合物を用いてもよい。分岐 のものとしては、SiO 4/2 単位とR 3 (CH 3 ) 2 SiO 1/2 単位(式中、R 3 は、水素又はC 1 -C 6 アルキル基)からなり、ケイ素原子に結合し 水素原子を分子中に2個を越える数で有する 岐状ポリメチルハイドロジェンシロキサン 、(A)成分への相溶性や透湿度低減の点から ましい。取扱いやすい適切な粘度を有する とから、R 3 (CH 3 ) 2 SiO 1/2 単位とSiO 4/2 単位の比率が、SiO 2 単位1モルに対してR 3 (CH 3 ) 2 SiO 1/2 単位1.5~2.2モルが好ましく、1.8~2.1モルがさら 好ましい。典型的には、[R 3 (CH 3 ) 2 SiO 1/2 ] 8 [SiO 4/2 ] 4 または[R 3 (CH 3 ) 2 SiO 1/2 ] 10 [SiO 4/2 ] 5 のように、4~5個のQ単位が環状シロキサン骨 を形成し、各Q単位に2個のM’単位が結合し いるものが挙げられる。

 (B)成分の重合度は特に限定されないが、 一のケイ素原子に2個以上の水素原子が結合 したポリオルガノハイドロジェンシロキサン は合成が困難なので、3個以上のシロキサン 位からなることが好ましく、硬化温度に加 しても揮発せず、かつ流動性に優れて(A)成 と混合しやすいことから、シロキサン単位 数は、6~200個がさらに好ましく、10~150個が特 に好ましい。

 (B)成分の配合量は、充分な接着力が得られ また優れた機械的性質を有する硬化物が得 れることから、(A)成分中のR 1 基に対する(B)成分中のケイ素原子に結合した 水素原子の比(H/Vi)が、0.5~10.0、好ましくは1.0~ 5.0となるような量である。H/Viが0.5未満では 優れた機械的強度を有するゴム状弾性体が られず、10.0を越えると、硬化の際に発泡す 傾向があり、硬化物の耐熱性が著しく悪化 る。

 本発明で用いられる(C)成分の白金族金属化 物は、(A)成分中のR 1 と(B)成分中のヒドロシリル基との間の付加反 応を促進させるための触媒である。白金族金 属化合物としては、白金、ロジウム、パラジ ウムのような白金族金属原子の化合物が用い られ、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール の反応生成物、白金-オレフィン錯体、白金- ニルシロキサン錯体、白金-ケトン錯体、白 金-ホスフィン錯体のような白金化合物;ロジ ム-ホスフィン錯体、ロジウム-スルフィド 体のようなロジウム化合物;パラジウム-ホス フィン錯体のようなパラジウム化合物などが 例示される。

 これらのうち、触媒活性が良好な点から 塩化白金酸とアルコールの反応生成物及び 金-ビニルシロキサン錯体が好ましく、短時 間に硬化して接着性を発現する必要がある場 合には、白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチ ジシロキサン錯体及び白金-1,3,5,7-テトラビ ル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキ ンが好ましい。しかし、必要な硬化速度は 硬化物を設ける部位の形状や、それに伴っ 必要な作業時間によっても異なるので、(C) 分と硬化遅延剤との組合せで、任意に選択 ることができる。

 (C)成分の配合量は、優れた硬化速度が得 れることから、(A)成分と(B)成分の合計量に して、白金族金属原子換算で通常0.1~1,000重 ppmであり、好ましくは0.5~200重量ppmである。 0.1重量ppm未満では硬化速度が遅く、1,000重量p pmをこえても、それに見合う硬化速度の上昇 得られない。

 本発明で用いられる(D)成分は、(A)成分と 俟って、本発明の表示素子用シール剤の硬 物の透湿性を低下させる成分である。(D)成 は、透湿性を低下させる効果と、成形性、 に押出しによって表面が平滑なビードが得 れることから、平均粒径が2.0~100μmが好まし く、5.0~60μmがさらに好ましい。(D)成分として は、白雲母、金雲母、黒雲母のような天然マ イカのほか、合成マイカを挙げることができ る。不純物が少なく、硬化物たるゴム状弾性 体に優れた機械的性質を与えることから、白 雲母が好ましい。これらのマイカは、一般に 扁平な粉末であり、ここで粒径とは、扁平面 の最大径をいう。

 (D)成分の配合量は、効率的に透湿性を低 させ、かつ硬化後に適切な硬度を得る点か 、(A)成分100重量部に対して20~200重量部であ 、40~100重量部が好ましい。

 本発明の表示素子用シール剤には、(C)成 の触媒能を阻害しない範囲で、接着性付与 を配合することができる。接着性付与剤と ては、3-グリシドキシプロピルトリメトキ シラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキ シシラン、3-グリシドキシプロピル(メチル) メトキシシランのような3-グリシドキシプロ ピル基含有アルコキシシラン類;2-(3,4-エポキ シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリ トキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシ ル)エチル(メチル)ジメトキシシランのような 2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基含有 ルコキシシラン類;ビニルトリメトキシシラ ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ ス(2-メトキシエトキシ)シラン、メチルビニ ジメトキシシラン、アリルトリメトキシシ ン、アリルトリエトキシシラン、メチルア ルジメトキシシランのようなアルケニルア コキシシラン類;3-アクリロキシプロピルト メトキシシラン、3-アクリロキシプロピルト リエトキシシラン、3-アクリロキシプロピル( メチル)ジメトキシシラン、3-メタクリロキシ プロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロ シプロピルトリエトキシシラン、3-メタク ロキシプロピル(メチル)ジメトキシシランの ような(メタ)アクリロキシプロピルアルコキ シラン類;ケイ素原子に結合した水素原子と 、ケイ素原子に結合した下記一般式(III):

(式中、Q 1 は、ケイ素原子とエステル結合の間に2個以 の炭素原子を有する炭素鎖を形成する、直 状又は分岐状のアルキレン基を表し;Q 2 は、酸素原子と側鎖のケイ素原子の間に3個 上の炭素原子を有する炭素鎖を形成する、 鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し;R 4 は、炭素数1~6の非置換又は置換のアルキル基 を表す)で示される側鎖とを有する有機ケイ 化合物;アルミニウムトリエトキシド、アル ニウムトリプロポキシド、アルミニウムト ブトキシドのようなアルミニウムアルコキ ド;チタンテトラエトキシド、チタンテトラ プロポキシド、チタンテトライソプロポキシ ド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラ イソブトキシド、チタンテトライソプロペニ ルオキシドのようなチタンアルコキシド;ジ コニウムテトライソプロポキシド、ジルコ ウムテトラブトキシドのようなジルコニウ アルコキシド;マレイン酸ジアリル、トリア ルイソシアナートのような極性基含有有機 合物などが例示される。

 上記一般式(III)で示される側鎖において、Q 1 としては、エチレン、トリメチレン、2-メチ エチレン、テトラメチレンなどのアルキレ 基が例示され、合成及び取扱いが容易なこ から、エチレン基及び2-メチルエチレン基 好ましい。Q 2 としては、トリメチレン、2-メチルトリメチ ン、テトラメチレンなどのアルキレン基が 示され、合成及び取扱いが容易なことから トリメチレン基が好ましい。R 4 としては、メチル、エチル、プロピル、イソ プロピル、ブチルなどのアルキル基;及び2-メ トキシエチル等のアルコキシで置換されたア ルキル基が例示され、良好な接着性を与え、 かつ加水分解によって生じるアルコールが揮 発しやすいことから、メチル基及びエチル基 が好ましく、メチル基が特に好ましい。この ような側鎖を有する有機ケイ素化合物として 、式(IV):

で示される環状シロキサン化合物が例示さ れる。接着性付与剤の配合量は、接着性付与 剤の種類及び基材によっても異なるが、(A)成 分100重量部に対して通常0.5~20重量部の範囲で あり、特に接着性の観点から1~20重量部が好 しく、2~15重量部がさらに好ましい。

 本発明の表示素子用シール剤の保存性や 業性を改善するために、硬化抑制剤を配合 ることができる。上記マレイン酸ジアリル 、接着性付与剤としてだけでなく、硬化抑 剤としても有効である。そのほか、硬化抑 剤としては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3- メチル-1-ペンチン-3-オール、3,5-ジメチル-1- キシン-3-オール、1-エチニル-1-シクロヘキサ ン-1-オールのようなアセチレンアルコール類 が例示される。

 本発明の表示素子用シール剤は、硬化して 低い透湿性を有する硬化物を形成するが、 化前の段階で適度の流動性を与え、硬化し 得られるゴム状弾性体に、その用途に応じ 要求される高い機械的強度を付与するため 、(D)成分以外にも無機質充填剤を添加する とができる。無機質充填剤としては、平均 径0.1μm未満、比表面積30mm 2 /g以上の補強性充填剤;及び平均粒径0.1~50μmの 非補強性充填剤が挙げられる。補強性充填剤 としては、煙霧質シリカ、アークシリカのよ うな乾式法シリカ;及び沈殿シリカのような 式法シリカなどが例示され、これらはその ま用いてもよく、ヘキサメチルジシラザン ような疎水化剤で表面処理を行って用いて よい。非補強性充填剤としては、けいそう 、粉砕石英、溶融石英、酸化チタン、酸化 ルミニウム、酸化亜鉛、アルミノケイ酸、 酸カルシウム、有機酸表面処理炭酸カルシ ム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ケイ酸 ルシウム、タルク、酸化第二鉄などが例示 れ、押出し作業性と、硬化して得られるゴ 状弾性体に必要な物性に応じて選択される また、目的に応じてカーボンブラックのよ な導電性充填剤を配合してもよい。

 さらに、本発明の表示素子用シール剤に、 的に応じて、顔料、チクソトロピー性付与 、押出し作業性を改良するための粘度調整 、紫外線防止剤、防かび剤、耐熱性向上剤 難燃化剤、鎖長延長剤など、各種の添加剤 加えてもよい。鎖長延長剤としては、各末 にケイ素原子に結合した水素原子を1個ずつ 有する直鎖状のハイドロジェンポリオルガノ シロキサン(例えば、両末端がM H 単位:(CH 3 ) 2 HSiO 1/2 -で封鎖され、中間単位がD単位:-(CH 3 ) 2 SiO-で構成される直鎖状ポリメチルシロキサ )が挙げられる。また、場合によっては、ト エン、キシレンのような有機溶媒に溶解な し分散させた形態とした表示素子用シール としてもよい。

 本発明の表示素子用シール剤は、(A)~(D)成 分、及びさらに必要に応じて配合される他の 成分を、万能混練機、ニーダーなどの混合手 段によって均一に混練して調製することがで きる。また、安定に長期間貯蔵するために、 (B)成分と(C)成分が別個の予備配合物に含まれ るように、適宜、2個の予備配合物を調製し 保存しておき、使用直前に定量混合器のミ シングヘッドのような混合手段によって均 に混合して表示素子用シール剤を調製し、 圧で脱泡して使用に供してもよい。

 本発明の表示素子用シール剤の使用方法 、特に限定されず、平面表示素子の製造に 用することができる。例えば、液晶表示素 を滴下工法で製造する場合には、本発明の 示素子用シール剤を、スクリーン印刷、デ スペンサ等でTFT基板の周囲に枠状に塗布し 後に、規定量の液晶を枠内に滴下し、つい CF基板を重ね合わせ、加熱硬化を行い、液 表示素子とすることができる。あるいは、TF T基板又はCF基板のいずれか一方に、本発明の 表示素子用シール剤を、液晶注入口部を除き 、スクリーン印刷、ディスペンサ等で塗布し 、スペーサを挟んで、他方の基板を対向させ て重ね合わせた後、加熱硬化を行い、ついで 液晶注入口から液晶を注入し、最後に封口剤 を用いて液晶注入口を封止して、液晶表示素 子とすることもできる。この場合、本発明の 表示素子用シール剤を封口剤として用いても よい。

 また、本発明の表示素子用シール剤は、 機EL素子等のEL素子の製造にも用いることが できる。例えば、金属蓋で有機ELダイオード 形成された基板が覆われた形態の有機EL素 を製造する場合、本発明の表示素子用シー 剤を、金属蓋の縁に、ディスペンサ等で塗 し、ついで、有機ELダイオードが形成された 基板のダイオード部分を覆うように、金属蓋 を重ね合わせた後、加熱硬化を行い、有機EL 子とすることができる。

 なお、本発明の表示素子用シール剤の加 硬化条件は、(C)成分と反応抑制剤の種類及 添加量によって、室温から250℃の間の温度 任意に設定できるが、平面表示素子の製造 おいては、熱によるダメージを避けるため 、100℃以下とすることが好ましく、より好 しくは90℃以下、さらに好ましくは80℃以下 である。加熱時間は、120分以下とすることが 好ましく、より好ましくは60分以下、さらに ましくは30分以下である。しかしながら、 材の大きさや加熱炉の能力によって、硬化 件は適宜調整することができる。

 以下、実施例及び比較例によって、本発 をさらに詳細に説明する。これらの例にお て、部は重量部を示し、粘度は23℃におけ 粘度を示す。本発明は、これらの実施例に って限定されるものではない。

 実施例及び比較例に、(A)及び(B)成分として 下記のポリシロキサンを用いた。以下、シ キサン単位を、次のような記号で示す。単 式において、中間シロキサン単位は単に単 数を示すものであり、複数の種類の中間シ キサン単位を含む場合、中間シロキサン単 はランダムに配列されている。
 M H 単位: (CH 3 ) 2 HSiO 1/2 -
 M V 単位: (CH 3 ) 2 (CH 2 =CH)SiO 1/2 -
 D単位: -(CH 3 ) 2 SiO-
 D ff 単位: -(C 6 H 5 ) 2 SiO-
 Q単位: SiO 4/2 (4官能性)
 A-1:両末端がM V 単位で封鎖され、中間単位がD単位からなり 23℃における粘度が3Pa・sである直鎖状ポリ チルビニルシロキサン;
 A-2:両末端がM V 単位で封鎖され、中間単位がD単位95モル%とD ff 単位5モル%からなり、粘度が3Pa・sである直鎖 状ポリメチルビニルフェニルシロキサン;
 A-3:両末端がM V 単位で封鎖され、中間単位がD単位70モル%とD ff 単位30モル%からなり、粘度が3Pa・sである直 状ポリメチルビニルフェニルシロキサン;
 A-4:両末端がM V 単位で封鎖され、中間単位がD単位60モル%とD ff 単位40モル%からなり、粘度が3Pa・sである直 状ポリメチルビニルフェニルシロキサン;
 B-1:粘度が0.02Pa・sである単位式M H 8 Q 4 で示される分岐状ポリメチルハイドロジェン シロキサン;

 実施例及び比較例に、(C)成分として、下記 白金錯体を用いた。
 C-1:塩化白金酸-ビニルテトラマー錯体(白金 子換算2重量%)。

 実施例及び比較例に、下記の充填剤を用い 。
 D-1:平均粒径5μmの白雲母粉
 D-2:平均粒径22μmの白雲母粉
 D-3:平均粒径55μmの白雲母粉
 D-4:平均粒径2μmの石英粉

 硬化抑制剤として、以下を用いた。
 E-1:1-エチニル-1-シクロヘキサノール

 接着性付与剤として、以下を用いた
 F-1:式(IV):
の化合物
 F-2:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシ ン

実施例1~9及び比較例1~2
(予備配合物Iの調製)
 撹拌装置を付した容器に、A-1~A-4の表1に示 量の半分と、D-1~D-4の表1に示す量の半分とを 配合し、ついでC-1及びE-1の表1に示す全量を 加し、均一になるまで混合して、予備配合 Iを調製した。

(予備配合物IIの調製)
 同様の装置に、A-1~A-4の残りの量と、B-1の表 1に示す全量と、D-1~D-4の残りの量と、F-1~F-2の 表1に示す全量とを配合し、均一になるまで 合して、予備配合物IIを調製した。

(組成物の調製及びシリコーンゴムシートの 製)
 定量混合機の2個の容器に、予備配合物I及 予備配合物IIをそれぞれ仕込み、ミキシング へッドに等量の両予備配合物を供給して、均 質に混合し、減圧下で脱泡して剤を調製した 。ついで剤を、表面にポリテトラフルオロエ チレン処理を施したステンレス鋼製金型に注 型し、80℃で30分加熱して硬化させることに り、厚さ1.0mm及び2.0mmのシリコーンゴムシー を作製した。

 実施例1~9、比較例1~2のシリコーンゴムシ ト(厚さ1.0mm)より、JIS Z0208に準拠して、温 40℃、湿度90%RHで24時間の透湿性を評価した 実施例6~8については、150℃で1000時間放置し 後、同様にして、測定を行った。測定結果 表1に示す。

 また、実施例6~8のシリコーンゴムシート( 厚さ2.0mm)より、JIS K6249により、硬さ(タイプA デュロメータ)、引張強さおよび切断時伸び 測定を行った。150℃で1000時間放置した後、 様にして、測定を行った。測定結果を表1に 示す。

 さらに、実施例6~8の組成物を使用し、JIS K6249により、せん断接着強さの測定を行った 。被着体はガラス(80mmx25mmx5mm)、接着厚みは1mm 、引張り速度10mm/minで試験し、破断時の引張 強度を測定した。測定結果を表1に示す。

 *Ph/R 2 は、A-1~A-4中のR 2 におけるフェニル基の割合
 *H/Viは、A-1~A-4中のビニル基1個に対する、B-1 中のケイ素に結合した水素原子の数

 表1に示されるように、実施例1~9は優れた低 透湿性を示し、特にR 2 のフェニル基の割合が15%以上の実施例3~9では 透湿度が20以下と優れていた。実施例6~8から 硬化物は、適度な弾性を備え、接着力も良 であり、かつ150℃の環境に1000時間放置され た後も、それらの特性を保持することから、 耐久性も有することがわかる。

 本発明の表示素子用シール剤は、短時間 加熱で硬化して、ポリオルガノシロキサン 特徴たる、良好な弾性、接着性、耐久性の ならず、低透湿性をも示すため、表示機能 多様化、高信頼性への要求に応えうるもの あり、特に液晶表示素子の製造において有 である。