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Patent Searching and Data


Title:
INFORMATION RECORDING MEDIUM, PROCESS FOR PRODUCING THE INFORMATION RECORDING MEDIUM, SPUTTERING TARGET, AND FILM FORMING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096680
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides an information recording medium comprising an information layer including a recording layer capable of causing a phase change. The recording layer comprises a material containing Sb and S and represented by formula (1): SbxS100-x (atomic%) wherein subscript x represents a composition ratio expressed in atomic% and satisfies 50 ≤ x ≤ 98.

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Inventors:
TAKAOKA TOMOYASU
NISHIHARA TAKASHI
KOJIMA RIE
Application Number:
PCT/JP2008/051677
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
February 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MATSUSHITA ELECTRIC IND CO LTD (JP)
TAKAOKA TOMOYASU
NISHIHARA TAKASHI
KOJIMA RIE
International Classes:
B41M5/26; G11B7/24; G11B7/24038; G11B7/243; G11B7/2433; G11B7/2437; G11B7/26
Foreign References:
JPH08267925A1996-10-15
JPH04193586A1992-07-13
JPH03240589A1991-10-25
Other References:
See also references of EP 2116386A4
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (IMP Building3-7, Shiromi 1-chome, Chuo-ku,Osaka-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
 相変化を生じ得る記録層を含む情報層を含む情報記録媒体であって、前記記録層がSbとSとを含み、かつ下記の式(1):
Sb x S 100-x   (原子%)  (1)
(添え字xは、原子%で示される組成比を表し、50≦x≦98を満たす)
で表される材料を含む情報記録媒体。
 前記式において、xが、50≦x≦80を満たす、請求項1に記載の情報記録媒体。
 前記記録層において、Sb原子とS原子とが合わせて、記録層を構成する全部の原子の90原子%以上占める、請求項1または2に記載の情報記録媒体。
 前記記録層において、Sb原子とS原子とが合わせて、記録層を構成する全部の原子の99原子%以上占める、請求項1または2に記載の情報記録媒体。
 前記記録層が、さらにM1を含み(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、下記の式(2):
(Sb z S 1-z ) 100-y M1 y   (原子%)  (2)
(添え字zは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦z≦0.98を満たし、添え字yは、原子%で示される組成比を表し、0<y≦30を満たす)
で表される、請求項1に記載の情報記録媒体。
 前記記録層において、Sb原子、S原子、およびM1原子が、記録層を構成する全部の原子の99原子%以上を占める、請求項5に記載の情報記録媒体。
 前記記録層が、さらにM2を含み(M2はBiおよびMnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、下記の式(3):
(Sb a S 1-a ) 100-b M2 b   (原子%)  (3)
(添え字aは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦a≦0.98を満たし、添え字bは、原子%で示される組成比を表し、0<b≦20を満たす)
で表される材料を含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
 前記記録層において、Sb原子、S原子、およびM2原子が、記録層を構成する全部の原子の99原子%以上を占める、請求項7に記載の情報記録媒体。
 前記記録層が、さらにM1およびM2を含み(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素であり、M2はBiおよびMnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、下記の式(4):
(Sb c S 1-c ) 100-d-e M1 d M2 e   (原子%)  (4)
(添え字cは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦c≦0.98を満たし、添え字dおよびeは、原子%で示される組成比を表し、0<d<30、0<e≦20、0<d+e≦30を満たす)
で表される材料を含む、請求項1に記載の情報記録媒体。
 前記記録層において、Sb原子、S原子、M1原子およびM2原子が、記録層を構成する全部の原子の99原子%以上を占める、請求項9に記載の情報記録媒体。
 N個の情報層を含み(Nは2以上の整数)、前記N個の情報層のうち少なくとも1つの情報層が、前記SbとSとを含む記録層を含む請求項1~10のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
 前記Nが2である請求項11に記載の情報記録媒体。
 前記Nが4である請求項11に記載の情報記録媒体。
 前記N個の情報層を、レーザ入射側から、第N情報層、第N-1情報層、第N-2情報層・・・第2情報層、第1情報層としたときに、第2情報層から第N情報層のうち、少なくとも一つの情報層が、前記SbとSとを含む記録層を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
 第N情報層が、前記SbとSとを含む記録層を含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の情報記録媒体。
 前記SbとSとを含む記録層の厚さが、2nm~15nmの範囲内である請求項1~15のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
 前記SbとSとを含む記録層がレーザビームの照射によって相変化を生じる層であり、前記SbとSとを含む記録層を含む前記情報層が少なくとも、第2の誘電体層、前記SbとSとを含む記録層、第1の誘電体層、および反射層を、前記レーザビーム入射側からこの順序で含む請求項1~16のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
 前記SbとSとを含む記録層がレーザビームの照射によって相変化を生じる層であり、前記SbとSとを含む記録層を含む前記情報層が少なくとも、第2の誘電体層、前記SbとSとを含む記録層、第1の誘電体層、反射層、および透過率調整層を、前記レーザビーム入射側からこの順序で含む請求項1~16のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
 相変化を生じ得る、SbとSとを含む記録層をスパッタリング法により形成する工程を含む情報層の形成工程を含む情報記録媒体の製造方法であって、前記記録層の形成工程において、SbとSとを含むスパッタリングターゲットを用い、前記スパッタリングターゲットを用いて形成される膜が、下記の式(1):
Sb x S 100-x   (原子%)  (1)
(添え字xは、原子%で示される組成比を表し、50≦x≦98を満たす)
で表される材料を含む、情報記録媒体の製造方法。
 前記スパッタリングターゲットがさらにM1を含み(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、前記スパッタリングターゲットを用いて形成される膜が、下記の式(2): 
(Sb z S 1-z ) 100-y M1 y   (原子%)  (2)
(添え字zは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦z≦0.98を満たし、添え字yは、原子%で示される組成比を表し、0<y≦30を満たす)
で表される材料を含む、請求項19に記載の情報記録媒体の製造方法。
 前記スパッタリングターゲットがさらにM2を含み(M2はBiおよびMnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、前記スパッタリングターゲットを用いて形成される膜が、下記の式(3): 
(Sb a S 1-a ) 100-b M2 b   (原子%)  (3)
(添え字aは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦a≦0.98を満たし、添え字bは、原子%で示される組成比を表し、0<b≦20を満たす)
で表される材料を含む、請求項19に記載の情報記録媒体の製造方法。
 前記スパッタリングターゲットがさらにM1およびM2を含み(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素であり、M2はBiおよびMnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、前記スパッタリングターゲットを用いて形成される膜が、下記の式(4): 
(Sb c S 1-c ) 100-d-e M1 d M2 e   (原子%)  (4)
(添え字cは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦c≦0.98を満たし、添え字dおよびeは、原子%で示される組成比を表し、0<d<30、0<e≦20、0<d+e≦30を満たす)
で表される材料を含む、請求項19に記載の情報記録媒体の製造方法。
 N個の情報層の形成工程を含み(Nは2以上の整数)、前記N個の情報層の形成工程のうち少なくとも1つの情報層の製造工程が、前記SbとSとを含む記録層の形成工程を含む請求項19~22のいずれか一項に記載の情報記録媒体の製造方法。
 前記Nが2である請求項23に記載の情報記録媒体の製造方法。
 前記Nが4である請求項23に記載の情報記録媒体の製造方法。
 前記記録層の形成工程を、前記SbとSとを含む記録層の厚さが、2nm~15nmの範囲内にあるように、実施する、請求項19~25のいずれか一項に記載の情報記録媒体の製造方法。
 前記SbとSとを含む記録層の形成工程を含む前記情報層の形成工程が少なくとも、反射層の形成工程、第1の誘電体層の形成工程、前記SbとSとを含む記録層の形成工程、および第2の誘電体層の形成工程を、この順に実施することを含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の情報記録媒体の製造方法。
 基板を含む情報記録媒体の製造方法であって、前記SbとSとを含む記録層の形成工程を含む前記情報層の製造工程が少なくとも、第2の誘電体層の形成工程、前記記録層の形成工程、第1の誘電体層の形成工程、および反射層の形成工程を、この順に実施することを含む、請求項19~26のいずれか一項に記載の情報記録媒体の製造方法。
 前記反射層の形成工程の前または後に、透過率調整層の形成工程を実施することをさらに含む、請求項27または28に記載の情報記録媒体の製造方法。
 SbとSとを含み、下記の式(11):
Sb X S 100-X   (原子%)  (11)
(添え字Xは、原子%で示される組成比を表し、50≦X≦98を満たす)
で表される材料を含む、スパッタリングターゲット。
 さらにM1を含み(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、下記の式(12):
(Sb Z S 1-Z ) 100-Y M1 Y   (原子%)  (12)
(添え字Zは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦Z≦0.98を満たし、添え字Yは、原子%で示される組成比を表し、0<Y≦30を満たす)
で表される材料を含む、請求項30に記載のスパッタリングターゲット。
 さらにM2を含み(M2はBiおよびMnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、下記の式(13):
(Sb A S 1-A ) 100-B M2 B   (原子%)  (13)
(添え字Aは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦A≦0.98を満たし、添え字Bは、原子%で示される組成比を表し、0<B≦20を満たす)
で表される材料を含む、請求項30に記載のスパッタリングターゲット。
 さらにM1およびM2を含み(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一つの元素であり、M2はBiおよびMnから選ばれる少なくとも一つの元素である)、下記の式(14):
(Sb C S 1-C ) 100-D-E M1 D M2 E   (原子%)  (14)
(添え字Cは、Sb原子の数とS原子の数を合わせて1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦C≦0.98を満たし、添え字DおよびEは、原子%で示される組成比を表し、0<D<30、0<E≦20、0<D+E≦30を満たす)
で表される材料を含む、請求項30に記載のスパッタリングターゲット。
 電源、排気口およびガス供給口を有する真空容器、前記排気口を介して前記真空容器に接続された真空ポンプ、前記真空容器内に配置された陽極および陰極、および前記陽極に接続されたスパッタリングターゲットを含む成膜装置であって、前記スパッタリングターゲットが、請求項30~33のいずれか一項に記載のスパッタリングターゲットである、成膜装置。
Description:
情報記録媒体およびその製造方 、スパッタリングターゲットならびに成膜 置

 本発明は、レーザビームの照射または電 エネルギーの印加によって情報の記録およ 再生を行う情報記録媒体、ならびにその製 に使用するスパッタリングターゲットおよ 成膜装置に関するものである。

 従来から情報記録媒体として、記録層を 変化材料で形成する、相変化情報記録媒体 ある。相変化情報記録媒体の中でも、レー ビームを用いて光学的に情報を記録、消去 書換、および再生するものは、光学的相変 情報記録媒体(以下では光記録媒体と記す) 呼ばれる。光記録媒体への情報の記録は、 ーザビームの照射によって発生する熱によ 、相変化材料を、例えば、結晶相と非晶質 との間で状態変化させることによって行わ る。また、情報の再生は、結晶相と非晶質 との間の反射率の違いを検出することによ 行う。

 光記録媒体のうち、情報の消去および書 換えが可能な書き換え型光記録媒体におい は、一般に記録層の初期状態は結晶相であ 。情報を記録する場合には、高パワーのレ ザビームを照射して記録層を溶融し、その 、急激に冷却することによってレーザ照射 を非晶質相にする。一方、情報を消去する 合には、記録時のパワーに比べて、より低 ワーのレーザビームを照射して記録層を昇 し、その後、ゆっくりと冷却することによ てレーザ照射部を結晶相にする。また、高 ワーと低パワーとでパワー変調させたレー ビームを記録層に照射することで、記録さ ている情報を消去しながら新しい情報を記 すること、すなわち書き換えが可能である

 消去または書き換えを高速で行うために 、短時間で、非晶質相を結晶相へと変化さ る必要がある。つまり、書き換え型光記録 体において、高い消去性能を実現するため は、記録層を、結晶化速度の高い相変化記 材料によって形成することが必要となる。

 このような書き換え型光記録媒体は、基 上に、記録層に加えて、誘電体層、反射層 および界面層等を適宜設けた構成を有する 誘電体層は繰り返し記録する際の記録層の 発および基板の熱変形を防止し、また、光 干渉効果により記録層の光吸収および光学 変化を効率よく生じさせる等の目的で設け れうる。誘電体層は、記録層の両側に配置 れる。反射層は照射されるレーザビームを 率良く使うこと、および、冷却速度を向上 せて記録層を非晶質相にし易くする目的で けられる。反射層は、通常、レーザビーム 射側から見て、記録層の奥に、反射層と記 層が誘電体層を挟むように、配置される。 面層は必要に応じて、記録層と誘電体層と 間に配置され、記録層と誘電体層の間の原 および分子の相互拡散を防止する目的で設 られる。

 公知の相変化材料の例として、GeTe-Sb 2 Te 3 、GeTe-Bi 2 Te 3 、およびGeTe-SnTeなどが挙げられる。特に、GeT e-Bi 2 Te 3 は結晶化速度が高いので、これを用いて書き 換え型光記録媒体の記録層を形成すると、優 れた消去性能が得られる(特許文献1参照)。

 また、書き換え型光記録媒体を大容量化 るために、2つの情報層を1つの光記録媒体 設ける手法が報告されている(特許文献2参照 )。情報は、2つの情報層のそれぞれに、媒体 片側から入射するレーザビームによって記 することができる。再生も同様である。よ て、2つの情報層を有する光記録媒体の記録 容量は、1つのみ情報層を有する光記録媒体 記録容量のほぼ2倍にすることができる。

 この2つの情報層を有する書き換え型光記 録媒体において、入射側から遠い情報層(以 、第1情報層とも呼ぶ)の記録および再生は、 入射側の情報層(以下、第2情報層とも呼ぶ)を 透過したレーザビームによって行われる。従 って、第2情報層はできるだけ高い透過率を することが好ましい。相変化材料は一般に 衰係数が大きいため、記録層の透過率を高 するには、第2情報層の記録層の厚さは薄い うが良い。

 また、大容量化のために情報層の数を増や 、例えば3つまたは4つの情報層を有する光 録媒体を実現するためには、入射側の情報 (第3情報層、または第4情報層)の透過率をさ に上げなければならず、記録層の厚さはさ に薄くする必要がある。

特開昭63-225935号公報

特開2000-36130号公報

 しかしながら、従来のGeTe-Bi 2 Te 3 記録層においては、透過率を高めるために厚 さを薄くすると、結晶化速度が低下し、消去 性能が大きく低下するという問題があった。 一方で、GeTe-Bi 2 Te 3 記録層においてBi 2 Te 3 の割合を多くすると、結晶化速度が上がり、 消去性能は高められるが、非晶質相が不安定 になり、信号の信頼性が低下するという問題 もあった。

 本発明は、上記問題点を解決するもので り、結晶化速度が速く、かつ非晶質相も安 な、優れた記録層を有する情報記録媒体、 よびその製造方法、ならびにそのような記 層を形成するのに用いられるスパッタリン ターゲットおよび成膜装置を提供すること 目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明は、相 化を生じ得る記録層を含む情報層を含む情 記録媒体であって、前記記録層がSbとSとを み、かつ下記の式(1):
Sb x S 100-x   (原子%)  (1)
(添え字xは、原子%で示される組成比を表し、 50≦x≦98を満たす)
で表される材料を含む情報記録媒体を提供す る。

 また、本発明は、上記本発明の情報記録媒 の製造方法として、相変化を生じ得る、Sb Sとを含む記録層をスパッタリング法により 成する工程を含む情報層の形成工程を含む 報記録媒体の製造方法であって、前記記録 の形成工程において、SbとSとを含むスパッ リングターゲットを用い、前記スパッタリ グターゲットを用いて形成される膜が、下 の式(1):
Sb x S 100-x   (原子%)  (1)
(添え字xは、原子%で示される組成比を表し、 50≦x≦98を満たす)
で表される材料を含む、製造方法を提供する 。

 本発明はまた、上記本発明の情報記録媒体 記録層の成膜に用いるのに適したスパッタ ングターゲットとして、SbとSとを含み、下 の式(11):
Sb X S 100-X   (原子%)  (11)
(添え字Xは、原子%で示される組成比を表し、 50≦X≦98を満たす)
で表される材料を含む、スパッタリングター ゲットを提供する。

 本発明はさらにまた、電源、排気口およ ガス供給口を有する真空容器、前記排気口 介して前記真空容器に接続された真空ポン 、前記真空容器内に配置された陽極および 極、および前記陽極に接続されたスパッタ ングターゲットを含む成膜装置であって、 記スパッタリングターゲットが、前記本発 のスパッタリングターゲットである、成膜 置を提供する。

 本発明の情報記録媒体は、高い消去率を し、記録再生特性に優れ、かつ高い信号信 性を示す媒体である。また、本発明の情報 録媒体の製造方法は、本発明の情報記録媒 を容易に製造することを可能にする。さら 、本発明のスパッタリングターゲットおよ 成膜装置によれば、本発明の情報記録媒体 容易に製造することができる。

本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の一構成例の断 図 本発明の情報記録媒体の記録再生装置 の一例の概略図 本発明の情報記録媒体の記録再生に用 いる記録パルス波形の一例の概略図 本発明の情報記録媒体、及び電気的情 報記録再生装置の構成の一部を模式的に示す 図 本発明の大容量の電気的情報記録媒体 の構成の一部を模式的に示す図 本発明の電気的情報記録媒体とその記 録再生システムの構成の一部を模式的に示す 図 本発明の電気的情報記録媒体に適用さ れる記録・消去パルス波形の一例を示す図 本発明の情報記録媒体を製造する成膜 装置の一部を模式的に示す図

符号の説明

 11...情報記録媒体、12...情報記録媒体、13. ..情報記録媒体、14...情報記録媒体、15...情報 記録媒体、16...情報記録媒体、17...情報記録 体、18...情報記録媒体、21...基板、22...分離 、23...透明層、24...基板、25...基板、26...ダミ ー基板、27...接着層、28...分離層、29...分離層 、31...レーザビーム、32...対物レンズ、40...情 報層、41...第1情報層、42...第2情報層、43...第3 情報層、44...第4情報層、48...第N-1情報層、49.. .第N情報層、402...反射層、403...反射層側界面 、404...第1の誘電体層、405...第1の界面層、40 6...記録層、407...第2の界面層、408...第2の誘電 体層、412...反射層、414...第1の誘電体層、416.. .記録層、418...第2の誘電体層、421...透過率調 層、422...反射層、424...第1の誘電体層、426... 記録層、428...第2の誘電体層、431...透過率調 層、432...反射層、434...第1の誘電体層、436... 録層、438...第2の誘電体層、441...透過率調整 層、442...反射層、444...第1の誘電体層、446... 録層、448...第2の誘電体層、491...透過率調整 、492...反射層、494...第1の誘電体層、496...記 録層、498...第2の誘電体層、501...レーザダイ ード、502...レーザビーム、503...ハーフミラ 、504...対物レンズ、505...モーター、506...情 記録媒体、507...フォトディテクター、61,81... 電気的情報記録媒体、62...基板、63...下部電 、64...第1誘電体層、65...第1記録層、66...第2 録層、67...第2誘電体層、68...上部電極、69... 加部、70...抵抗測定器、71,72...スイッチ、73. ..パルス電源、74...電気的情報記録再生装置 75...ワード線、76...ビット線、77...メモリセ 、78...アドレス指定回路、79...記憶装置、80.. .外部回路、901,902,903,904,905,908,909...記録波形 906,907...消去波形、667...真空容器、668...排気 、669...ガス供給口、670...陽極、671...基板、6 72...スパッタリングターゲット、673...陰極、6 74...電源。

 以下、本発明の実施の形態を、図面を参 しながら説明する。なお、以下の実施の形 は一例であり、本発明は以下の実施の形態 限定されない。また、以下の実施の形態に いて、同一の要素に同一の符号を付して、 複する説明を省略する場合がある。

 (実施の形態1)
 実施の形態1として、本発明の情報記録媒体 (以下、「記録媒体」または「媒体」と呼ぶ とがある)の一例を説明する。実施の形態1の 情報記録媒体11の部分断面図を図1に示す。情 報記録媒体11は、光記録媒体であり、情報は ーザビーム31を対物レンズ32で集光し照射す ることによって、記録再生される。

 情報記録媒体11は、基板21上に、情報層40 よび透明層23がこの順に設けられた構成を する。透明層23は、基板21よりも薄い厚さを する。図示した形態において、レーザビー は、透明層23の側から入射する。

 レーザビーム31の波長λが短いほど、対物 レンズ32によって小さなスポット径に集光で る。しかし、波長λが短すぎると、透明層23 などによるレーザビーム31の光吸収が大きく る。そのため、レーザビームの波長λは350nm ~450nmの範囲内であることが好ましい。

 図1に示すように、情報層40においては、 板21に近い側から、反射層402、第1の誘電体 404、記録層406及び第2の誘電体層408がこの順 に設けられている。また必要に応じて、図2 示すように、反射層402と第1の誘電体層404と 間に反射層側界面層403を、第1の誘電体層404 と記録層406の間に第1の界面層405を、第2の誘 体層408と記録層406の間に第2の界面層407を設 けてもよい。

 この情報記録媒体11への情報の記録は、 明層23側からレーザビーム31を対物レンズ32 集光し、情報層40の記録層406に照射して行う 。この情報記録媒体11に記録された情報も、 様にレーザビームを照射して行う

 基板21は円盤形状を有し、情報層40と透明 層23を保持するために用いられ、それらの層 形成するときの支持体として機能する。基 21の情報層40と接する表面には、レーザビー ム31を導くための案内溝が形成されていても い。基板21の情報層40と接しない表面は、平 滑であることが好ましい。基板21は、ポリカ ボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート 脂、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系 脂、ガラス、あるいはこれらを適宜組み合 せたもの等を材料として用いて、形成する とができる。特に、ポリカーボネート樹脂 、転写性および量産性に優れ、低コストで ることから、基板21の材料として好ましい

 次に、情報層40を構成する各層について説 する。
 記録層406の材料は、レーザビーム31の照射 よって結晶相と非晶質相との間で相変化を じる材料である。本発明においては、記録 406の材料として、SbとSとを含む材料を用い 。記録層406がSbのみで構成されると、非晶質 相が不安定になり信号の信頼性が低下してし まう。SbにSを加えることにより非晶質相を安 定化できる。また、SbにSを加えることにより 、記録層406の透過率を高くすることができる 。

 具体的には、記録層406の厚さが7nmの場合の 晶化温度をTx(室温において非晶質相の相変 材料406を50℃/minで緩やかに昇温させたとき 、相変化材料が結晶相に相変化する温度)と すると、記録層406がSbのみから成るときにはT x=100℃であるのに対し、記録層406がSb 80 S 20 (添え字は、原子%で表される組成比)から成る ときにはTx=200℃となり、Sbのみから成る記録 に比べ非晶質相が安定する。

 また、SbとSとの組み合わせにおいて、Sbが50 原子%未満になると、結晶化速度が低すぎて 書き換え型光記録媒体として実用可能な消 性能が得られない。そのため、記録層406に いて、SbとSは、下記の式(1):
Sb x S 100-x   (原子%)  (1)
(添え字xは、原子%で示される組成比を表し、 50≦x≦98を満たす)
で表される材料として含まれることが好まし い。xが98を超えると、SbにSを添加することに よる効果が得られない。xは、より好ましく 、60≦x≦80を満たす。この式は、Sb原子の数 S原子の数を合わせて100原子%としたときの 成比を示すものである。よって、記録層406 、SbおよびS以外の元素を含んでよい。

 記録層は、好ましくは、Sb原子とS原子と ら実質的に成る。ここで、「実質的に」と う用語は、不可避的に少量の他の元素(例え ば、スパッタリング中の雰囲気ガスに含まれ る元素等)が含まれることを考慮して使用し いる。より具体的には、記録層を構成する 原子のうち、SbおよびS以外の原子の割合が10 原子%未満であるときには、その記録層は、Sb とSとから実質的に成るといえる。SbおよびS 外の原子の割合は、より好ましくは、1原子% 未満である。

 記録層406の材料として、SbとSと、Ge、Sn、 Bi、InおよびMnから選ばれる少なくとも一つの 元素(M)とを含むものを用いることができる。 これは、先に示したSbとSとを含む材料に、前 記のMで表される元素を加えることにより、 晶化速度の調節および非晶質相の安定性の 節が可能となることによる。例えば、Snまた はBiを、SbとSとから成る材料に添加すると、 料の結晶化速度が高くなる。また、In、Geお よびMnはそれぞれ、SbとSとから成る材料に添 すると、材料の非晶質相を安定化できる。

 Mの種類に応じて、その好ましい添加量は異 なる。ここでは、上記五つの元素を、Ge、In よびSnがM1という群に属し、BiおよびMnがM2と う群に属するように、分けることが好まし 。記録層406は、M1を含む場合には、記録層40 6は、下記の式(2):
(Sb z S 1-z ) 100-y M1 y   (原子%)  (2)
(添え字zは、Sb原子の数とS原子の数を合わせ 1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦z 0.98を満たし、添え字yは、原子%で示される 成比を表し、0<y≦30を満たす)
で表される材料を含むことが好ましい。

 上記式(2)において、M1はGe、InおよびSnか 選ばれる少なくとも一つの元素である。M1と して、二つの元素(例えば、GeおよびSn、また InおよびSn)が含まれてよく、三つの元素が まれてよい。zおよびyは、0.5≦z≦0.98かつ2≦ y≦20を満たすことがより好ましく、0.6≦z≦0. 8かつ5≦y≦20を満たすことがさらにより好ま い。

 記録層406が上記式(2)の材料を含む場合、 録層は、より好ましくは、Sb原子とS原子とM 1原子とから実質的に成る。ここで、「実質 に」という用語は、不可避的に少量の他の 素(例えば、スパッタリング中の雰囲気ガス 含まれる元素等)が含まれることを考慮して 使用している。より具体的には、記録層を構 成する全原子のうち、Sb、SおよびM1以外の原 の割合が10原子%未満であるときには、その 録層は、SbとSとM1とから実質的に成るとい る。Sb、SおよびM1以外の原子の割合は、より 好ましくは、1原子%未満である。

 記録層406がM2を含む場合、記録層406は、下 の式(3):
(Sb a S 1-a ) 100-b M2 b   (原子%)  (3)
(添え字aは、Sb原子の数とS原子の数を合わせ 1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦a 0.98を満たし、添え字bは、原子%で示される 成比を表し、0<b≦20を満たす)
で表される材料を含むことが好ましい。上記 式において、M2はBiおよびMnから選ばれる少な くとも一つの元素である。M2として、Biおよ Mnの両方が含まれてよい。bは、より好まし は、2≦b≦10を満たす。

 記録層406が上記式(3)の材料を含む場合、 録層は、好ましくは、Sb原子とS原子とM2原 とから実質的に成る。ここで、「実質的に という用語は、不可避的に少量の他の元素( えば、スパッタリング中の雰囲気ガスに含 れる元素等)が含まれることを考慮して使用 している。より具体的には、記録層を構成す る全原子のうち、Sb、SおよびM2以外の原子の 合が10原子%未満であるときには、その記録 は、SbとSとM2とから実質的に成るといえる Sb、SおよびM2以外の原子の割合は、より好ま しくは、1原子%未満である。

 あるいは、記録層406は、M1およびM2の両方を 含み、下記の式(4):
(Sb c S 1-c ) 100-d-e M1 d M2 e   (原子%)  (4)
(添え字cは、Sb原子の数とS原子の数を合わせ 1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦c 0.98を満たし、添え字dおよびeは、原子%で示 れる組成比を表し、0<d<30、0<e≦20、0& lt;d+e≦30を満たす)
で表される材料を含んでよい。

 記録層406が上記式(4)の材料を含む場合、 録層は、好ましくは、Sb原子とS原子とM1原 とM2原子とから実質的に成る。ここで、「実 質的に」という用語は、不可避的に少量の他 の元素(例えば、スパッタリング中の雰囲気 スに含まれる元素等)が含まれることを考慮 て使用している。より具体的には、記録層 構成する全原子のうち、Sb、S、M1およびM2以 外の原子の割合が10原子%未満であるときには 、その記録層は、SbとSとM1とM2とから実質的 成るといえる。Sb、S、M1およびM2以外の原子 割合は、より好ましくは、1原子%未満であ 。

 記録層406は、非晶質相がレーザビーム照 時に容易に結晶相に変化できることが好ま く、かつレーザビーム非照射時には結晶相 変化しないことが好ましい。記録層406の厚 が小さすぎると、十分な反射率及び反射率 化が得られなくなる。また、記録層406の厚 が大きすぎると、熱容量が大きくなるため 録感度が低下する。そのため、記録層406の さは5nm~15nmの範囲内であることが好ましく 8nm~12nmの範囲内であることがより好ましい。

 反射層402は、記録層406に吸収される光量 増やすという光学的な機能と、記録層406で じた熱を拡散させるという熱的な機能とを する。反射層402の材料として、Ag、Au、Cu、 よびAlから選ばれる少なくとも1つの元素を むものを用いることができる。例えば、Ag-C u、Ag-Ga-Cu、Ag-Pd-Cu、Ag-Nd-Au、AlNi、AlCr、Au-Crま はAg-In等の合金を、反射層402の材料として いることができる。特にAg合金は熱伝導率が 大きいため、反射層402の材料として好ましい 。反射層402の厚さが大きいほど、熱拡散機能 はより強化される。しかし、反射層402の厚さ が大きすぎると、熱が過度に拡散されて、記 録層406の記録感度が低下する。そのため、反 射層402の厚さは、30nm~200nmの範囲内であるこ が好ましく、70nm~140nmの範囲内であることが り好ましい。

 第1の誘電体層404は、記録層406と反射層402と の間にあり、記録層406から反射層402への熱拡 散を調節する熱的な機能、ならびに反射率お よび吸収率などを調節する光学的な機能を有 する。第1の誘電体層404の材料としては、例 ば、ZrO 2 、HfO 2 、ZnO、SiO 2 、SnO 2 、Cr 2 O 3 、TiO 2 、In 2 O 3 、Ga 2 O 3 、Y 2 O 3 、CeO 2 、およびDyO 2 等の酸化物、ZnS、およびCdS等の硫化物、なら びにSiCなどの炭化物から選択される1種類の 合物、またはこれらの化合物から選択され 2種類以上の化合物の混合物、例えばZrO 2 -SiO 2 、ZrO 2 -SiO 2 -Cr 2 O 3 、ZrO 2 -SiO 2 -Ga 2 O 3 、HfO 2 -SiO 2 -Cr 2 O 3 、ZrO 2 -SiO 2 -In 2 O 3 、ZnS-SiO 2 、およびSnO 2 -SiCを用いることができる。特にZnS-SiO 2 は第1の誘電体層の材料として優れている。Zn S-SiO 2 は、成膜速度が速く、透明であり、機械特性 および耐湿性が良好であることによる。

 第1の誘電体層404の厚さが大きすぎると、 反射層402の冷却効果が弱くなり、記録層406か らの熱拡散が小さくなるため、記録層が非晶 質化しにくくなる。また、第1の誘電体層404 厚さが小さすぎると、反射層402の冷却効果 強くなり、記録層406からの熱拡散が大きく って、感度が低下する。そのため、第1の誘 体層404の厚さは、2nm~40nmの範囲内であるこ が好ましく、8nm~30nmの範囲内であることがよ り好ましい。

 反射層側界面層403は、反射層402が、第1の誘 電体層404の材料によって腐食または破壊され るのを防ぐように作用する。具体的には反射 層402がAgを含み、かつ、第1の誘電体層404がS 含む(例えばZnS-SiO 2 を含む)とき、反射層側界面層403は、AgとSの 応に起因する反射層402の腐食を防ぐ。

 反射層側界面層403の材料としては、Ag以外 金属、例えばAl、またはAl合金を用いること できる。また、反射層側界面層403の材料と ては、Sを含まない誘電体材料を用いること ができる。そのような材料は、例えば、ZrO 2 、HfO 2 、ZnO、SiO 2 、SnO 2 、Cr 2 O 3 、TiO 2 、In 2 O 3 、Ga 2 O 3 、Y 2 O 3 、CeO 2 、およびDyO 2 等の酸化物、ならびにSiCなどの炭化物から選 択される1種類の化合物、またはこれらの化 物から選ばれる2種類以上の化合物の混合物 例えばZrO 2 -SiO 2 、ZrO 2 -SiO 2 -Cr 2 O 2 、ZrO 2 -SiO 2 -Ga 2 O 2 、HfO 2 -SiO 2 -Cr 2 O 3 、ZrO 2 -SiO 2 -In 2 O 3 、およびSnO 2 -SiCである。または、Cなどを用いて反射層側 面層403を形成してよい。

 反射層側界面層403の厚さは大きすぎると 第1の誘電体層404の熱的及び光学的な働きが 妨げられ、また、小さすぎると、反射層402の 腐食および破壊が十分に防止されないことが ある。そのため、反射層側界面層403の厚さは 1nm~100nmの範囲内であることが好ましく、5nm~40 nmの範囲内であることがより好ましい。

 第1の界面層405は、繰り返しの記録によって 、第1の誘電体層404と記録層406との間で生じ 物質移動を防止する機能を有する。第1の界 層405は、記録の際に溶融しない程度の高い 点を有し、記録層406との密着性が良い材料 形成することが好ましい。第1の界面層405の 材料は、例えば、ZrO 2 、HfO 2 、ZnO、SiO 2 、SnO 2 、Cr 2 O 3 、TiO 2 、In 2 O 3 、Ga 2 O 3 、Y 2 O 3 、CeO 2 、およびDyO 2 等の酸化物、ZnSおよびCdS等の硫化物、ならび にSiCなどの炭化物から選ばれる1種類の化合 またはこれらの化合物から選ばれる2種類以 の化合物の混合物、例えば、ZrO 2 -SiO 2 、ZrO 2 -SiO 2 -Cr 2 O 3 、ZrO 2 -SiO 2 -Ga 2 O 3 、HfO 2 -SiO 3 -Cr 2 O 3 、ZrO 2 -SiO 2 -In 2 O 3 、ZnS-SiO 2 、SnO 2 -SiCを用いることができる。またはCなどであ 。特にGa 2 O 3 、ZnOおよびIn 2 O 3 などが第1の界面層405の材料として好ましい これらは、記録層406との密着性が良いこと よる。

 第1の界面層405の厚さが小さすぎると、界 面層としての効果が発揮されなくなり、大き すぎると、第1の誘電体層404の熱的および光 的な働きが妨げられる。そのため、第1の界 層405の厚さは、0.3nm~15nmの範囲内であること が好ましく、1nm~8nmの範囲内であることがよ 好ましい。

 第2の誘電体層408は、記録層406よりもレーザ ビーム入射側により近い位置に存在する。第 2の誘電体層408は、記録層406の腐食および変 などを防止する機能と、反射率および吸収 などを調整する光学的な機能とを有する。 た、第2の誘電体層408の材料の例は、第1の誘 電体層404の材料として挙げた例と同様である 。特に、ZnS-SiO 2 は第2の誘電体層の材料として優れている。Zn S-SiO 2 は、成膜速度が速く、透明であり、機械特性 および耐湿性が良好であることによる。

 第2の誘電体層408の厚さが大きすぎると、 記録層406の腐食および変形などを防止する機 能が低下する。また、第2の誘電体層408の厚 は、マトリクス法に基づく計算により、記 層406が結晶相である場合と非晶質相である 合の反射光量の変化が大きくなる条件を満 するように、厳密に決定することができる 第2の誘電体層408の厚さは、20nm~80nmの範囲内 あることが好ましい。

 第2の界面層407は、第1の界面層405と同様 、繰り返し記録によって第2の誘電体層408と 録層406との間で生じる物質移動を防止する 能を有する。従って、第2の界面層407は、第 1の界面層405と同様の性能を有するように、 1の界面層405の材料として例示した材料で形 されることが好ましい。

 第2の界面層407の厚さは、第1の界面層405 同様に、0.3nm~15nmの範囲内であることが好ま く、1nm~8nmの範囲内であることがより好まし い。

 上記、反射層402、第1の誘電体層404、記録 層406及び第2の誘電体層408を設け、さらに必 に応じて反射層側界面層403、第1の界面層405 び第2の界面層407を設けることによって情報 層40は構成される。

 透明層23は、情報層40のレーザビーム31入 側にあり、情報層40を保護する。透明層23は 、レーザビーム31に対して小さい光吸収を有 ることが好ましい。透明層23は、ポリカー ネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹 、ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹 、紫外線硬化性樹脂(例えば、アクリル系樹 およびエポキシ系樹脂)、遅効性熱硬化性樹 脂、ガラス、あるいはこれらを適宜組み合わ せたもの等を用いて、形成することができる 。また、これらの材料よりなるシートを、透 明層23として用いてもよい。

 透明層23の厚さが小さすぎると、情報層40 を保護する機能が発揮されない。また、透明 層23の厚さが大きすぎると、情報記録媒体11 おいて、レーザビーム31入射側から情報層40 での距離が対物レンズ32の焦点距離よりも くなって、レーザビーム31の焦点を記録層406 に合わせることができなくなる。NAが0.85であ る場合には、透明層の厚さは5μm~150μmの範囲 であることが好ましく、40μm~110μmの範囲内 あることがより好ましい。

 情報記録媒体11は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板21(厚さは例えば1.1mm)上に情報層4 0を形成する。情報層40は多層膜から成り、各 層(膜)は、順次スパッタリングすることによ て形成できる。なお、基板21を構成する材 によっては、基板21は高い吸湿性を示すこと があるので、必要に応じて、スパッタリング をする前に水分を除去する基板アニール工程 を実施してもよい。

 各層は、各層を構成する材料のスパッタ ングターゲットを、Arガス、KrガスまたはXe スなどの希ガス雰囲気中、または希ガスと 応ガス(酸素ガス及び窒素ガスから選ばれる 少なくとも一つのガス)との混合ガス雰囲気 でスパッタリングすることによって形成で る。スパッタリング方法としてはDC(直流)ス ッタリング法とRF(高周波)スパッタリング法 とを必要に応じて使い分ける。通常、DCスパ タリングは、高い成膜レートで実施できる め、好ましく用いられる。しかし、誘電体 料など導電性の低い材料は、DCスパッタリ グ法によってスパッタリングできないこと あり、その場合は、RFスパッタリング法が用 いられる。導電性の高い誘電体材料、および スパッタリングターゲット作製時に工夫して 導電性を高めた誘電体材料等は、DCスパッタ ング法またはパルスDCスパッタリング法に ってスパッタリングできる。

 スパッタリングによって形成される各層 組成は、もとのスパッタリングターゲット 組成と完全には一致しないことがある。例 ば、酸化物の場合、スパッタリングによっ 酸素欠損がおこりやすい。その場合、反応 スとして酸素ガスを用いることで酸素欠損 補うことができる。スパッタリングターゲ トの組成は、スパッタリングによって形成 れた膜が所望の組成となるように決定され 。スパッタリングターゲットの組成と、ス ッタリングによって形成された膜の組成は 一致してもよい。

 ここで、本発明の情報記録媒体の製造に いられるスパッタリング装置(成膜装置)の 例を説明する。図16は、スパッタリング装置 を用いて成膜する様子を模式的に示している 。図16に示すように、このスパッタリング装 では、真空容器667に、排気口668を介して真 ポンプ(図示せず)が接続され、真空容器667 で、高真空が保たれる。ガス供給口669から 、一定流量のガスが供給される。基板671(こ での基板とは、その表面に膜を堆積させる 材である)は陽極670に載置されている。真空 容器667を接地することにより、真空容器667及 び基板671が陽極に保たれている。

 スパッタリングターゲット672は、陰極673 接続されており、スイッチ(図示せず)を介 て電源674に接続されている。図示した形態 おいて、陰極673は水冷される。陽極670と陰 673との間に所定の電圧を加えることにより スパッタリングターゲット672から粒子が放 され、基板671上に薄膜を形成する。この装 は、情報層を形成する各層を形成するため 用いることができ、また、後述する他の形 の媒体を製造するためにも用いることがで る。

 図示した形態において、情報層40の形成 、具体的には、基板21上に反射層402を形成す ることから開始する。反射層402は、反射層402 を構成する金属又は合金からなるスパッタリ ングターゲットを、希ガス雰囲気中又は希ガ スと反応ガスとの混合ガス雰囲気中で、DCス ッタリングすることにより、形成できる。

 続いて、必要に応じて反射層402上に、反 層側界面層403を形成する。反射層側界面層4 03は、反射層側界面層403を構成する材料から るスパッタリングターゲットを、希ガス雰 気中又は希ガスと反応ガスとの混合ガス雰 気中でスパッタリングすることにより、形 する。反射層側界面層403の材料が、金属な 導電性の高い材料である場合は、DCスパッ リング法を用い、酸化物など導電性の低い 料である場合は、RFスパッタリング法を用い るとよい。

 続いて、反射層側界面層403上、または、 射層402上に、第1の誘電体層404を形成する。 第1の誘電体層404は、第1の誘電体層404を構成 る材料からなるスパッタリングターゲット 、希ガス雰囲気中又は希ガスと反応ガスと 混合ガス雰囲気中で、RFスパッタリング法 よりスパッタリングすることによって形成 る。場合により、第1の誘電体層404は、DCス ッタリング法により形成してよい。

 続いて、必要に応じて、第1の誘電体層404 上に、第1の界面層405を形成する。第1の界面 405は、第1の界面層405を構成する材料からな るスパッタリングターゲットを、希ガス雰囲 気中又は希ガスと反応ガスとの混合ガス雰囲 気中で、RFスパッタリングすることによって 成する。場合により、第1の界面層405は、DC パッタリング法により形成してよい。

 続いて、第1の界面層405上、または、第1の 電体層404の上に記録層406を形成する。記録 406は、例えば、SbとSとを含むスパッタリン ターゲットを希ガス雰囲気中でスパッタリ グすることによって形成してよい。具体的 は、記録層406が上記式(1)で表される材料を む組成となるように、組成を調整したスパ タリングターゲットをDCスパッタリングする ことによって、記録層406は形成できる。その ようなスパッタリングターゲットは、例えば 、SbとSとを含み、下記の式(11):
Sb X S 100-X   (原子%)  (11)
(添え字Xは、原子%で示される組成比を表し、 50≦X≦98を満たす)
で表される材料を含む、スパッタリングター ゲットである。

 また、記録層406を形成するのに用いるス ッタリングターゲットとしては、上記のス ッタリングターゲットに、さらにSn、Bi、In Ge及びMnから選ばれる少なくとも1つの元素 添加したスパッタリングターゲットを用い もよい。具体的には、記録層406が上記式(2) (3)または(4)で表される材料を含む組成とな ように、組成を調整したスパッタリングタ ゲットを、DCスパッタリングすることによっ て、記録層406は形成できる。そのようなスパ ッタリングターゲットは、例えば、下記式(12 )~(14)で表される材料を含む。

 (Sb Z S 1-Z ) 100-Y M1 Y   (原子%)  (12)
(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一 つの元素であり、添え字Zは、Sb原子の数とS 子の数を合わせて1としたときの各原子の割 を表し、0.5≦Z≦0.98を満たし、添え字Yは、 子%で示される組成比を表し、0<Y≦30を満 す)

 (Sb A S 1-A ) 100-B M2 B   (原子%)  (13)
(M2はBiおよびMnから選ばれる少なくとも一つ 元素であり、添え字Aは、Sb原子の数とS原子 数を合わせて1としたときの各原子の割合を 表し、0.5≦A≦0.98を満たし、添え字Bは、原子 %で示される組成比を表し、0<B≦20を満たす )

 (Sb C S 1-C ) 100-D-E M1 D M2 E   (原子%)  (14)
(M1はGe、InおよびSnから選ばれる少なくとも一 つの元素であり、M2はBiおよびMnから選ばれる 少なくとも一つの元素であり、添え字Cは、Sb 原子の数とS原子の数を合わせて1としたとき 各原子の割合を表し、0.5≦C≦0.98を満たし 添え字DおよびEは、原子%で示される組成比 表し、0<D<30、0<E≦20、0<D+E≦30を満 す)

 あるいは、記録層406は、Sb、S、M(但し、M Sn、Bi、In、Ge及びMnのうち少なくとも1つの 素)、Sb-S、Sb-M、S-M及びSb-S-Mで表されるスパ タリングターゲットから選ばれる少なくと 2個以上のスパッタリングターゲットを同時 スパッタリングすることによって形成する ともできる。その場合には、使用するスパ タリングターゲットの数、ならびに電源の 力に応じて、得られる記録層の組成が決定 れることになるので、それらを適宜選択し 、形成された膜が所望の組成となるように パッタリングする。このように2種以上のス パッタリングターゲットを使用することは、 混合物のスパッタリングターゲットを形成す るのが困難な場合に有用である。

 続いて、必要に応じて、記録層406上に、 2の界面層407を形成する。第2の界面層407は 第2の界面層407を構成する材料から成るスパ タリングターゲットを、希ガス雰囲気中又 希ガスと反応ガスとの混合ガス雰囲気中で RFスパッタリングすることによって形成す 。場合により、第2の界面層407は、DCスパッ リングにより形成してよい。

 続いて、第2の界面層407上、または、記録 層406上に第2の誘電体408を形成する。第2の誘 体層408は、第2の誘電体層408を構成する材料 から成るスパッタリングターゲットを、希ガ ス雰囲気中又は希ガスと反応ガスとの混合ガ ス雰囲気中で、RFスパッタリングすることに って形成する。場合により、第2の誘電体層 407は、DCスパッタリングにより形成してよい

 このようにして、基板21上に情報層40を形 成し、その後、情報層40上に透明層23を形成 る。透明層23は、第2情報層41上に紫外線硬化 性樹脂(例えば、アクリル系樹脂およびエポ シ系樹脂)または遅効性熱硬化性樹脂を、ス ンコート法により塗布した後、この樹脂を 化させることによって形成できる。また、 明層23は、ポリカーボネート樹脂、ポリメ ルメタクリレート樹脂、ポリオレフィン樹 、ノルボルネン系樹脂、またはガラス等か 成る、円盤状の板またはシートを用いて形 してよい。この場合、透明層23は、情報層40 に、紫外線硬化性樹脂または遅効性熱硬化 樹脂を塗布し、塗布した樹脂に板またはシ トを密着させた後、硬化性樹脂を硬化させ ことによって形成できる。別法として、板 たはシートに粘着性の樹脂を予め均一に塗 し、それから板またはシートを第2の誘電体 層408に密着させることもできる。

 情報記録媒体11の記録層406は、通常、成 したままの状態(アズデポ(as-depo)の状態)では 非晶質状態である。よって、必要に応じてレ ーザビームを照射する等して、記録層406を結 晶化する初期化工程を行ってもよい。

 以上のようにして、情報記録媒体11は製 される。なお、本実施の形態においては、 報層を構成する各層の形成方法としてスパ タリング法を用いた。形成方法は、これに 定されず、真空蒸着法、イオンプレーティ グ法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いる ことも可能である。

 (実施の形態2)
 実施の形態2として、本発明の情報記録媒体 の別の例を説明する。実施の形態2の情報記 媒体12の部分断面図を図3に示す。情報記録 体12は、多層光記録媒体であり、情報は、レ ーザビーム31を対物レンズ32で集光し照射す ことによって、記録再生される。

 情報記録媒体12においては、基板21上に、 第1情報層41、第2情報層42・・・第N-1情報層48 第N情報層49までのN個の情報層(NはN≧2の整 )、及び透明層23がこの順に設けられている( 下、レーザ入射側とは反対側から数えてK番 目(1≦K≦N)の情報層を第K情報層と呼ぶ)。情 層と情報層との間には、分離層22、・・・、 28、29が設けられている。

 情報記録媒体12では、第N情報層49よりも 板21側にある情報層に到達するレーザビーム およびその反射光は、その情報層よりレーザ ビーム31入射側に近い情報層を透過すること より、減衰する。そのため、第1情報層41、 2情報層42、・・・及び第N―1情報層48は、高 い記録感度と高い反射率を有する必要があり 、第2情報層42・・・第N-1情報層48及び第N情報 層49は、高い透過率を有する必要がある。

 基板21及び透明層23の材料、形状および機 能は、実施の形態1で説明したとおりである ら、ここではその詳細な説明を省略する。

 分離層22、・・・、28、29は、情報記録媒 12の第1情報層41、第2情報層42・・・第N情報 49のそれぞれのフォーカス位置を区別する めに設ける層である。分離層22、・・・、28 29の厚さは、対物レンズ32の開口数NAとレー ビーム31の波長λにより決定される焦点深度 以上であることが望ましい。一方、分離層22 ・・・、28、29により分離されたすべての情 報層は、対物レンズ32により集光可能な範囲 収まる必要がある。この要求を満たすには 分離層22、・・・、28、29等はある程度薄く る必要がある。仮に、λが405nm、NAが0.85であ る場合には、分離層22、・・・、28、29の厚さ は、5μm~50μmの範囲内であることが好ましい

 分離層22、・・・、28、29は、レーザビー 31に対して小さい光吸収を有することが好 しい。分離層22、・・・、28、29のレーザビ ム31照射側には、レーザビーム31を導くため 案内溝が形成されていてもよい。分離層22 ・・・、28、29の材料は、ポリカーボネート 脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリ レフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、紫外 硬化性樹脂、遅効性熱硬化性樹脂、ガラス あるいはこれらを適宜組み合わせたもの等 あってよい。

 なお、本発明を、図3に示す媒体のように 、多層構造の媒体として提供する場合、N個 情報層のうち少なくとも1つの第K情報層(Kは1 ≦K≦Nの整数)が相変化を生じ得る記録層を含 むものであればよい。例えば、第N情報層49の みが、先に実施の形態1の記録層406に関連し 説明した、SbとSとを含み、上記式(1)~(4)のい れかで表される材料を含む記録層(以下の説 明を含む本明細書において、そのような記録 層を「SbとSとを含む記録層」と呼ぶことがあ る)を含む書き換え型の情報層であってよい その場合、第1情報層41から第N-1情報層48まで のN-1個の情報層が、再生専用の情報層、ある いは1回のみ書込み可能な追記型の情報層と てもよい。

 あるいは、第N情報層から第2情報層まで N-1個の情報層のうち、少なくとも一つの情 層が、SbとSを含む記録層を含む、書き換え の情報層であってよい。SbとSを含み、上記 (1)~(4)で示される材料は、高い透過性を有す ので、第1情報層以外の情報層(即ち、その 報層を通過した光が別の情報層の記録再生 用いられる情報層)の記録層を構成するのに している。あるいはまた、すべての情報層 、SbとSとを含む記録層を有してよい。SbとS を含む記録層を媒体において1つだけ設ける 場合、SbとSとを含む記録層は、第N情報層に まれることが好ましい。第N情報層は、最も い透過率を要するからである。

 以下、第N情報層49の構成を説明する。
 図3に示すように、第N情報層49においては、 基板21に近い側から透過率調整層491、反射層4 92、第1の誘電体層494、記録層496及び第2の誘 体層498がこの順に設けられている。また、 要に応じて、反射層492と第1の誘電体層494と 間に反射層側界面層を、第1の誘電体層494と 記録層496との間に第1の界面層を、第2の誘電 層498と記録層496との間に第2の界面層を設け てもよい。図3において、反射層側界面層は 層491と492との間に、493で表される層として すことができ、第1の界面層は、層492と494と 間に、495で表される層として示すことがで 、第2の界面層は、層496と498との間に、497で 表される層として示すことができる。

 記録層496の材料として、実施の形態1の記録 層406の材料と同様の材料を用いることができ る。SbとSを含む材料は透明性が高いため、記 録層496の材料として特に適している。また、 他の情報層がSbとSとを含む記録層を有する場 合には、記録層496の材料として、(Ge-Sn)Te、GeT e-Sb 2 Te 3 、(Ge-Sn)Te-Sb 2 Te 3 、GeTe-Bi 2 Te 3 、(Ge-Sn)Te-Bi 2 Te 3 、GeTe-(Sb-Bi) 2 Te 3 、(Ge-Sn)Te-(Sb―Bi) 2 Te 3 、GeTe-(Bi―In) 2 Te 3 、(Ge―Sn)Te-(Bi―In) 2 Te 3 、Sb-Te、Sb-Ge、(Gb-Te)-Ge、Sb-In、(Sb-Te)-In、Sb-Ga び(Sb-Te)-Gaのいずれかを含む材料を用いるこ もできる。記録層496の厚さは、第N情報層49 透過率を高くするために、10nm以下であるこ とが好ましく、2nm~8nmの範囲内であることが り好ましい。

 反射層492は、実施の形態1の反射層402と同 様な機能を有する。すなわち、記録層496に吸 収される光量を増やすという光学的な機能と 、記録層496で生じた熱を拡散させるという熱 的な機能とを有する。そのため、反射層492の 材料の例は、実施の形態1で説明した反射層40 2の材料の例と同様である。特にAg合金は熱伝 導率が大きいため、反射層492の材料として好 ましい。

 反射層492の厚さは、第N情報層49の透過率 高くするために、20nm以下であることが好ま しく、3nm~14nmの範囲内であることがより好ま い。反射層492の厚さがこの範囲内にあると 反射層492の光学的及び熱的な機能が十分に 揮される。

 第1の誘電体層494は、実施の形態1の第1の 電体層404と同様な機能を有する。すなわち 記録層496から反射層492への熱拡散を調節す 熱的な機能と、反射率および吸収率等を調 する光学的な機能とを有する。したがって 第1の誘電体層494の材料の例は、実施の形態 1の第1の誘電体層404の材料の例と同様である

 第1の誘電体層494の厚さは、光学的及び熱 的な機能が十分に発揮されるように、1nm~40nm 範囲内であることが好ましく、4nm~30nmの範 内であることがより好ましい。

 第2の誘電体層498は、実施の形態1の第2の 電体層408と同様な機能を有する。すなわち 記録層496の腐食および変形等を防止する機 と、反射率および吸収率等を調整する光学 な機能とを有する。そのため、第2の誘電体 層498の材料の例は、実施の形態1で説明した 2の誘電体層408の材料の例と同様である。第2 の誘電体層498の厚さは、マトリクス法に基づ く計算により、記録層496が結晶相である場合 と非晶質相である場合の反射光量の変化が大 きくなる条件を満足するように厳密に決定す ることができる。

 透過率調整層491は誘電体からなり、第N情 報層49の透過率を調節する機能を有する。こ 透過率調整層491によって、記録層496が結晶 である場合の第N情報層49の透過率Tc(%)と、 録層496が非晶質相である場合の第N情報層49 透過率Ta(%)とを共に高くすることができる。

 透過率調整層491は、TiO 2 、ZrO 2 、HfO 2 、ZnO、Nb 2 O 5 、Ta 2 O 5 、Al 2 O 3 、SiO 2 、Cr 2 O 3 、CeO 2 、Ga 2 O 3 、およびBi 2 O 3 等の酸化物、Ti-N、Zr-N、Nb-N、Ge-N、Cr-N、およ Al-N等の窒化物、ならびにZnSなどの硫化物か ら選択される1種類の化合物、またはこれら 化合物から選択される2種類以上の化合物の 合物で形成されてよい。透過率調整層491の 折率n t と消衰係数k t は、透過率TcおよびTaを高めるために、n t ≧2.4、かつ、kt≦0.1であることが好ましい。 の条件を満たす材料として、TiO 2 またはTiO 2 を含む材料を用いることが好ましい。これら の材料は屈折率が大きく(n t =2.6~2.8)、消衰係数が小さい(k t =0.0~0.1)ため、これらの材料を用いて形成した 透過率調整層491は、第N情報層49の透過率を効 果的に高めることによる。

 透過率調整層491の厚さが、略λ/8n t (ただし、λはレーザビーム31の波長λ、n t は透過率調整層491の材料の屈折率)であると に、透過率TcおよびTaがより効果的に高めら る。仮に、λ=405nm、n t =2.6とした場合には、透過率調整層491の厚さ 、反射率など他の特性も考慮して、5nm~36nmの 範囲内であることが好ましい。

 反射層側界面層、第1の界面層及び第2の 面層は、それぞれ実施の形態1の反射層側界 層403、第1の界面層405及び第2の界面層407と 様の機能を有する。よって、これらの層の 料の例は、それぞれ実施の形態1で説明した 反射層側界面層403、第1の界面層405及び第2 界面層407の材料の例と同様である。

 情報記録媒体12は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板21上に第1情報層41から第N-1情報 48までのN-1個の情報層を、分離層22、・・・ 28等を介して順次積層する。各情報層は、 層膜から成り、情報層を構成する各層(膜)は 、順次スパッタリングすることによって形成 できる。また、分離層22、・・・、28等は、 外線硬化性樹脂(例えば、アクリル系樹脂お びエポキシ系樹脂)または遅効性熱硬化性樹 脂を情報層上に塗布し、次に全体を回転させ て樹脂を均一に延ばし(スピンコート)、その 、この樹脂を硬化させることによって形成 きる。分離層22、・・・、28等がレーザビー ム31の案内溝を備える場合、案内溝は、溝が 成された基板(型)を硬化前の樹脂に密着さ 、その状態で樹脂を硬化させた後、基板(型) を剥がすことによって案内溝を形成できる。

 このようにして、基板21上にN-1個の情報 を、分離層22、・・・、28等を介して積層し のち、第N-1情報層上に、分離層29を形成す 。

 続いて、分離層29上に第N情報層49を形成す 。
 具体的には、まず分離層29上に透過率調整 491を形成する。透過率調整層491は、透過率 整層491を構成する材料から成るスパッタリ グターゲットを、希ガス雰囲気中又は希ガ と反応ガスとの混合ガス雰囲気中で、RFスパ ッタリング法またはDCスパッタリング法によ スパッタリングすることによって形成でき 。

 続いて、透過率調整層491上に、反射層492 形成する。反射層492は、実施の形態1の反射 層402を形成する方法と同様の方法で形成でき る。

 続いて、必要に応じて反射層492上に、反 層側界面層を形成する。反射層側界面層は 実施の形態1の反射層側界面層403を形成する 方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、反射層側界面層上、または、反 層492上に、第1の誘電体層494を形成する。第 1の誘電体層494は、実施の形態1の第1の誘電体 層404を形成する方法と同様の方法で形成でき る。

 続いて、必要に応じて、第1の誘電体層494 上に、第1の界面層を形成する。第1の界面層 、実施の形態1の第1の界面層405の形成方法 同様の方法で形成できる。

 続いて、第1の界面層上、または、第1の 電体層494の上に記録層496を形成する。記録 496は、SbおよびSを含む場合には、実施の形 1の記録層406の形成方法と同様の方法で形成 きる。記録層406が他の材料で形成される場 には、その材料に応じてスパッタリングタ ゲットを選択して、スパッタリング法によ 形成してよい。

 続いて、必要に応じて、記録層496上に、 2の界面層を形成する。第2の界面層は、実 の形態1の第2の界面層407の形成方法と同様の 方法で形成できる。

 続いて、第2の界面層上、または、記録層 496上に第2の誘電体498を形成する。第2の誘電 層498は、実施の形態1の第2の誘電体層408の 成方法と同様の方法で形成できる。

 このようにして、分離層29上に第N情報層4 9を形成し、その後、第N情報層49上に透明層23 を形成する。透明層23は、実施の形態1で説明 した方法で形成できる。

 情報記録媒体12の各記録層は、通常、成 したままの状態では非晶質状態であるため 必要に応じてレーザビームを照射する等し 、記録層を結晶化する初期化工程を行って よい。

 以上のようにして、情報記録媒体12を製 できる。なお、本実施の形態においては、 報層を構成する各層の形成方法としてスパ タリング法を用いた。形成方法は、これに 定されず、真空蒸着法、イオンプレーティ グ法、MBE法などを用いることも可能である

(実施の形態3)
 実施の形態3として、実施の形態2の本発明 多層記録媒体において、Nが2である、すなわ ち2個の情報層によって構成された記録媒体 一例を説明する。実施の形態3の情報記録媒 13の部分断面図を図4に示す。情報記録媒体1 3は、二層光記録媒体であって、情報は、レ ザビーム31を対物レンズ32で集光し照射する とによって、記録再生される。

 情報記録媒体13においては、基板21上に、 第1情報層41、分離層22、第2情報層42及び透明 23がこの順に設けられている。

 基板21、分離層22及び透明層23それぞれの 料、形状および機能は、実施の形態1及び2 説明したとおりである。

 第2情報層42は、実施の形態2で説明した第 N情報層49と同様の役割を果たす(実施の形態3 はN=2であるため)。そのため、第2情報層42を 構成する各層は、実施の形態2で説明した第N 報層49を構成する各層の材料で形成するこ ができる。また、第2情報層42を構成する各 の形状及び機能は、実施の形態2で説明した N情報層49を構成する各層の形状及び機能と 様である。

 以下、第1情報層41の構成について説明する
 図4に示すように、第1情報層41においては、 基板21に近い側から反射層412、第1の誘電体層 414、記録層416及び第2の誘電体層418がこの順 設けられている。また、必要に応じて、反 層412と第1の誘電体層414との間に反射層側界 層を、第1の誘電体層414と記録層416との間に 第1の界面層を、第2の誘電体層418と記録層416 の間に第2の界面層を設けてもよい。図4に いて、反射層側界面層は、層412と414との間 、413で表される層として示すことができ、 1の界面層は、層414と416との間に、415で表さ る層として示すことができ、第2の界面層は 、層416と418との間に、417で表される層として 示すことができる。

 記録層416の材料として、実施の形態1の記録 層406の材料と同様の材料を用いることができ る。また、第2の情報層42がSbとSとを含む記録 層を有する場合には、記録層416の材料は、(Ge -Sn)Te、GeTe-Sb 2 Te 3 、(Ge-Sn)Te-Sb 2 Te 3 、GeTe-Bi 2 Te 3 、(Ge-Sn)Te-Bi 2 Te 3 、GeTe-(Sb-Bi) 2 Te 3 、(Ge-Sn)Te-(Sb―Bi) 2 Te 3 、GeTe-(Bi―In) 2 Te 3 、(Ge―Sn)Te-(Bi―In) 2 Te 3 、Sb-Te、Sb-Ge、(Gb-Te)-Ge、Sb-In、(Sb-Te)-In、Sb-Ga たは(Sb-Te)-Gaであってよい。

 反射層412、第1の誘電体層414及び第2の誘 体層418は、それぞれ実施の形態1の反射層402 第1の誘電体層404及び第2の誘電体層408と同 の機能を有し、同様の材料で形成すること できる。

 また、反射層側界面層、第1の界面層及び 第2の界面層は、それぞれ実施の形態1の反射 側界面層403、第1の界面層405及び第2の界面 407と同様の機能を有し、同様の材料で形成 ることができる。

 情報記録媒体13は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板21(厚さは例えば1.1mm)上に第1情報 層41を形成する。
 具体的には、まず、基板21上に、反射層412 形成する。反射層412は、実施の形態1の反射 402の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて反射層412上に、反 層側界面層を形成する。反射層側界面層は 実施の形態1の反射層側界面層403の形成方法 と同様の方法で形成できる。

 続いて、反射層側界面層上、または、反 層412上に、第1の誘電体層414を形成する。第 1の誘電体層414は、実施の形態1の第1の誘電体 層404の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて、第1の誘電体層414 上に、第1の界面層を形成する。第1の界面層 、実施の形態1の第1の界面層405と同様の方 で形成できる。

 続いて、第1の界面層上、または、第1の 電体層414の上に、記録層416を形成する。記 層416は、SbおよびSを含む場合には、実施の 態1の記録層406の形成方法と同様の方法で形 できる。記録層416が他の材料で形成される 合には、その材料に応じてスパッタリング ーゲットを選択して、スパッタリング法に り形成してよい。

 続いて、必要に応じて、記録層416上に、 2の界面層を形成する。第2の界面層は、実 の形態1の第2の界面層407の形成方法と同様の 方法で形成できる。

 続いて、第2の界面層上、または、記録層 416上に第2の誘電体418を、形成する。第2の誘 体層418は、実施の形態1の第2の誘電体層408 形成方法と同様の方法で形成できる。

 このようにして、基板21上に第1情報層41 形成し、その後、第1情報層41上に分離層22を 形成する。分離層22は、実施の形態2で説明し た方法で形成できる。

 なお、第2の誘電体層418を形成した後、ま たは分離層22を形成した後、必要に応じてレ ザビームを照射する等して、記録層416を結 化する初期化工程を行ってもよい。

 続いて、分離層22上に第2情報層42を形成す 。
 具体的には、まず分離層22上に透過率調整 421を形成する。透過率調整層421は、実施の 態2の透過率調整層491の形成方法と同様の方 で形成できる。

 続いて、透過率調整層421上に、反射層422 形成する。反射層422は、実施の形態2の反射 層492の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて反射層422上に、反 層側界面層を形成する。反射層側界面層は 実施の形態2の反射層側界面層の形成方法と 同様の方法で形成できる。

 続いて、反射層側界面層上、または、反 層422上に、第1の誘電体層424を形成する。第 1の誘電体層424は、実施の形態2の第1の誘電体 層494の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて、第1の誘電体層424 上に、第1の界面層を形成する。第1の界面層 、実施の形態2の第1の界面層の形成方法と 様の方法で形成できる。

 続いて、第1の界面層上、または、第1の 電体層424の上に記録層426を形成する。記録 426は、実施の形態2の記録層496の形成方法と 様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて、記録層426上に、 2の界面層を形成する。第2の界面層は、実 の形態2の第2の界面層の形成方法と同様の方 法で形成できる。

 続いて、第2の界面層上、または、記録層 426上に第2の誘電体428を形成する。第2の誘電 層428は、実施の形態2の第2の誘電体層498の 成方法と同様の方法で形成できる。

 このようにして、分離層22上に第2情報層4 2を形成し、その後、第2情報層42上に透明層23 を形成する。透明層23は、実施の形態1で説明 した方法で形成できる。

 情報記録媒体13の各記録層は、通常、成 したままの状態では非晶質状態であるため 必要に応じてレーザビームを照射する等し 、記録層を結晶化する初期化工程を行って よい。あるいは、既に、記録層416が初期化 れている場合には、第2情報層42を形成した に、記録層426のみを初期化してよい。

 以上のようにして、情報記録媒体13を製 できる。なお、本実施の形態においては、 報層を構成する各層の形成方法としてスパ タリング法を用いた。形成方法は、これに 定されず、真空蒸着法、イオンプレーティ グ法、MBE法などを用いることも可能である

 Nが2であり、波長405nm付近の青紫色域のレ ーザ光が記録再生に使用され、1情報層あた の容量が約25GBであれば、約50GBの容量を有す る情報記録媒体を得ることができる。あるい は、記録密度を高めて1情報層あたりの容量 約33GBにすれば、約66GBの容量を有する情報記 録媒体を得ることができる。

(実施の形態4)
 実施の形態4として、実施の形態2の本発明 多層情報記録媒体において、N=4、すなわち4 の情報層によって構成された情報記録媒体 一例を説明する。実施の形態4の情報記録媒 体14の部分断面図を図5に示す。情報記録媒体 14は、4層光記録媒体であり、情報は、レーザ ビーム31を対物レンズ32で集光し照射するこ によって、記録再生される。

 情報記録媒体14においては、基板21上に、 第1情報層41、分離層22、第2情報層42、分離層2 8、第3情報層43、分離層29、第4情報層44及び透 明層23がこの順に設けられている。

 情報記録媒体12では、第4情報層44よりも 板21側にある情報層に到達するレーザビーム およびその反射光は、その情報層よりレーザ ビーム31入射側にある情報層を透過すること より減衰してしまう。そのため、第1情報層 41、第2情報層42及び第3情報層43は、高い記録 度と高い反射率を有し、かつ、第2情報層42 第3情報層43及び第4情報層44は高い透過率を する必要がある。

 基板21、分離層22、28、29及び透明層23は実 施の形態1及び2で説明した材料と同様の材料 形成することができる。また、それらの形 及び機能は、実施の形態1および2で説明し とおりである。

 第1情報層41を構成する各層の材料、形状 よび機能は、実施の形態3で説明したとおり であるから、その詳細な説明は省略する。

 第4情報層44は実施の形態2で説明した第N 報層49と同様の役割を果たす(実施の形態4で N=4であるため)。そのため、第4情報層44を構 成する各層は、実施の形態2で説明した第N情 層49を構成する各層の材料で形成すること できる。また、第4情報層44を構成する各層 形状及び機能は、実施の形態2で説明した第N 情報層49を構成する各層の形状及び機能と同 である。

 以下、第2情報層42及び第3情報層43の構成に いて説明する。
 第2情報層42においては、基板21に近い側か 透過率調整層421、反射層422、第1の誘電体層4 24、記録層426及び第2の誘電体層428がこの順に 設けられている。また、必要に応じて、反射 層422と第1の誘電体層424との間に反射層側界 層を、第1の誘電体層424と記録層426との間に 1の界面層を、第2の誘電体層428と記録層426 の間に第2の界面層を設けてもよい。図5にお いて、反射層側界面層は、層422と424との間に 、423で表される層として示すことができ、第 1の界面層は、層424と426との間に、425で表さ る層として示すことができ、第2の界面層は 層426と428との間に、427で表される層として すことができる。

 記録層426、反射層422、第1の誘電体層424、 第2の誘電体層428及び透過率調整層421は、そ ぞれ実施の形態2の記録層496、反射層492、第1 の誘電体層494、第2の誘電体層498及び透過率 整層491と同様の機能を有し、同様の材料で 成することができる。

 また、反射層側界面層、第1の界面層及び 第2の界面層は、それぞれ実施の形態2の反射 側界面層、第1の界面層及び第2の界面層と 様の機能を有し、同様の材料で形成するこ ができる。

 第3情報層43においては、基板21に近い側 ら、透過率調整層431、反射層432、第1の誘電 層434、記録層436及び第2の誘電体層438がこの 順に設けられている。また、必要に応じて、 反射層432と第1の誘電体層434との間に反射層 界面層を、第1の誘電体層434と記録層436との に第1の界面層を、第2の誘電体層438と記録 436との間に第2の界面層を設けてもよい。図5 において、反射層側界面層は、層432と424との 間に、433で表される層として示すことができ 、第1の界面層は、層434と436との間に、435で される層として示すことができ、第2の界面 は、層436と438との間に、437で表される層と て示すことができる。

 記録層436、反射層432、第1の誘電体層434、 第2の誘電体層438及び透過率調整層431は、そ ぞれ実施の形態2の記録層496、反射層492、第1 の誘電体層494、第2の誘電体層498及び透過率 整層491と同様の機能を有し、同様の材料で 成することができる。

 また、反射層側界面層433、第1の界面層及 び第2の界面層は、それぞれ実施の形態2の反 層側界面層、第1の界面層及び第2の界面層 同様の機能を有し、同様の材料で形成する とができる。

 この形態の媒体においては、第2情報層42 ら第4情報層44までの3つの情報層のうち、い ずれか1つの情報層に含まれる記録層が、Sbお よびSを含み、上記式(1)~(4)のいずれかで示さ る材料を含むことが好ましい。その理由は 施の形態2に関連して説明したとおりである 。

 情報記録媒体14は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板21(厚さは例えば1.1mm)上に第1情報 層41を形成する。
 具体的には、基板21上に、反射層412、第1の 電体層414、記録層416及び第2の誘電体層418を この順序で形成する。このとき、必要に応じ て反射層412と第1の誘電体層414との間に反射 側界面層を、第1の誘電体層414と記録層416と 間に第1の界面層を、第2の誘電体層418と記 層416との間に第2の界面層を形成してもよい これらの各層は、実施の形態3で説明した方 法で形成できる。

 このようにして、基板21上に第1情報層41 形成し、その後、第1情報層41上に分離層22を 形成する。分離層22は、実施の形態2で説明し た方法で形成できる。

 第2の誘電体層418を形成した後、または分 離層22を形成した後、必要に応じてレーザビ ムを照射する等して、記録層416を結晶化す 初期化工程を行ってもよい。

 続いて、分離層22上に第2情報層42を形成す 。
 具体的には、まず、分離層22上に透過率調 層421を形成する。透過率調整層421は、実施 形態2の透過率調整層491の形成方法と同様の 法で形成できる。

 続いて、透過率調整層421上に、反射層422 形成する。反射層422は、実施の形態2の反射 層492の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて反射層422上に、反 層側界面層を形成する。反射層側界面層は 実施の形態2の反射層側界面層と同様の方法 で形成できる。

 続いて、反射層側界面層上、または、反 層422上に、第1の誘電体層424を形成する。第 1の誘電体層424は、実施の形態2の第1の誘電体 層494の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて、第1の誘電体層424 上に、第1の界面層を形成する。第1の界面層 、実施の形態2の第1の界面層の形成方法と 様の方法で形成できる。

 続いて、第1の界面層上、または、第1の 電体層424の上に、記録層426を形成する。記 層426は、実施の形態2の記録層496の形成方法 同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて、記録層426上に、 2の界面層を形成する。第2の界面層は、実 の形態2の第2の界面層の形成方法と同様の方 法で形成できる。

 続いて、第2の界面層上、または、記録層 426上に、第2の誘電体428を形成する。第2の誘 体層428は、実施の形態2の第2の誘電体層498 形成方法と同様の方法で形成できる。

 このようにして、分離層22上に第2情報層4 2を形成し、その後、第2情報層42上に分離層28 を形成する。分離層28は、実施の形態2で説明 した方法で形成できる。

 なお、第2の誘電体層428を形成した後、ま たは分離層28を形成した後、必要に応じてレ ザビームを照射する等して、記録層426を結 化する初期化工程を行ってもよい。

 続いて、分離層28上に第3情報層43を形成す 。
 具体的には、まず分離層28上に透過率調整 431を形成する。透過率調整層431は、実施の 態2の透過率調整層491の形成方法と同様の方 で形成できる。

 続いて、透過率調整層431上に、反射層432 形成する。反射層432は、実施の形態2の反射 層492の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて反射層432上に、反 層側界面層を形成する。反射層側界面層は 実施の形態2の反射層側界面層の形成方法と 同様の方法で形成できる。

 続いて、反射層側界面層上、または、反 層432上に、第1の誘電体層434を形成する。第 1の誘電体層434は、実施の形態2の第1の誘電体 層494の形成方法と同様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて、第1の誘電体層434 上に、第1の界面層を形成する。第1の界面層 、実施の形態2の第1の界面層の形成方法と 様の方法で形成できる。

 続いて、第1の界面層上、または、第1の 電体層434の上に記録層436を形成する。記録 436は、実施の形態2の記録層496の形成方法と 様の方法で形成できる。

 続いて、必要に応じて、記録層436上に、 2の界面層を形成する。第2の界面層は、実 の形態2の第2の界面層の形成方法と同様の方 法で形成できる。

 続いて、第2の界面層上、または、記録層 436上に第2の誘電体438を形成する。第2の誘電 層438は、実施の形態2の第2の誘電体層498と 様の方法で形成できる。

 このようにして、分離層28上に第3情報層4 3を形成し、その後、第3情報層43上に分離層29 を形成する。分離層29は、実施の形態2で説明 した方法で形成できる。

 なお、第2の誘電体層438を形成した後、ま たは分離層29を形成した後、必要に応じてレ ザビームを照射する等して、記録層436を結 化する初期化工程をおこなっても良い。

 続いて、分離層29上に第4情報層44を形成す 。
 具体的には、分離層29上に、透過率調整層44 1、反射層442、第1の誘電体層444、記録層446及 第2の誘電体層448をこの順序で形成する。こ のとき、必要に応じて反射層442と第1の誘電 層444との間に反射層側界面層を、第1の誘電 層444と記録層446との間に第1の界面層を、第 2の誘電体層448と記録層446との間に第2の界面 を形成してもよい。これらの各層は、実施 形態2で説明した方法で形成できる。

 このようにして、分離層29上に第4情報層4 4を形成し、その後、第4情報層44上に透明層23 を形成する。透明層23は、実施の形態1で説明 した方法で形成できる。

 なお、情報記録媒体14の各記録層は、通 、形成したままの状態では非晶質状態であ ため、必要に応じてレーザビームを照射す 等して、記録層を結晶化する初期化工程を こなっても良い。あるいは、既に、記録層41 6、426、および436が初期化されている場合に 、第4情報層44を形成した後に、記録層446の を初期化してよい。

 以上のようにして、情報記録媒体14を製 できる。なお、本実施の形態においては、 報層を構成する各層の形成方法としてスパ タリング法を用いた。形成方法は、これに 定されず、真空蒸着法、イオンプレーティ グ法、MBE法などを用いることも可能である

 Nが4であり、波長405nm付近の青紫色域のレ ーザ光が記録再生に使用され、1情報層あた の容量が約25GBであれば、約100GBの容量を有 る情報記録媒体を得ることができる。ある は、記録密度を高めて1情報層あたりの容量 約33GBにすれば、約133GBの容量を有する情報 録媒体を得ることができる。

 実施の形態3および4として、N=2および4の 体を説明した。Nは3であってもよい。N=3の 体は、図4に示される層のうち、基板21、第1 報層42、分離層22、第2情報層42、分離層28、 3情報層43および透明層23から構成される。N= 3の媒体においては、第2情報層および第3情報 層のうち、いずれか一方または両方に含まれ る記録層が、前記SbおよびSを含み、式(1)~(4) いずれかで示される材料を含むことが好ま い。また、レーザビーム入射側に最も近い 3情報層に含まれる記録層のみが、前記Sbお びSを含み、式(1)~(4)のいずれかで示される材 料を含む記録層である場合にも、本発明の効 果を十分に得ることができる。

 Nが3であり、波長405nm付近の青紫色域のレ ーザ光が記録再生に使用され、1情報層あた の容量が約25GBであれば、約75GBの容量を有す る情報記録媒体を得ることができる。あるい は、記録密度を高めて1情報層あたりの容量 約33GBにすれば、約100GBの容量を有する情報 録媒体を得ることができる。

 (実施の形態5)
 実施の形態5として、本発明の情報記録媒体 の別の例を説明する。実施の形態5の情報記 媒体15の部分断面図を図6に示す。情報記録 体15は、光記録媒体であり、情報は、レーザ ビーム31を対物レンズ32で集光し照射するこ によって、記録再生できる。

 情報記録媒体15は、基板24上に積層した情 報層40とダミー基板26が、接着層27を介して密 着している構成である。

 基板24及びダミー基板26は透明で円盤形状 を有している。基板24の情報層40と接する表 には、レーザビーム31を導くための案内溝が 形成されていてもよい。基板24の情報層40と しない表面、及びダミー基板の接着層27と接 しない表面は、平滑であることが好ましい。 基板24及びダミー基板26は、ポリカーボネー 樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポ オレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ガ ス、あるいはこれらを適宜組み合わせたも 等を材料として用いて、形成することがで る。特に、ポリカーボネート樹脂は、転写 および量産性に優れ、低コストであること ら、基板24及びダミー基板26の材料として好 しい。

 接着層27は、レーザビーム31に対して小さ い光吸収を有することが好ましい。接着層27 、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタ リレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノル ルネン系樹脂、紫外線硬化性樹脂(例えば、 アクリル系樹脂およびエポキシ系樹脂)、遅 性熱硬化性樹脂、ガラス、あるいはこれら 適宜組み合わせたもの等を材料として、形 することができる。

 情報層40を構成する各層の材料、形状お び機能は、実施の形態1で説明したとおりで るから、その詳細な説明は省略する。その 、実施の形態1で用いた符号と同じ符号を付 した要素については、その説明を省略する。

 情報記録媒体15は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板24(厚さが例えば0.6mm)上に、情報 40を形成する。具体的には、基板24上に、第 2の誘電体層408、記録層406、第1の誘電体層404 び反射層402をこの順序で形成する。このと 、必要に応じて、第2の誘電体層408と記録層 406との間に第2の界面層を、第1の誘電体層404 記録層406との間に第1の界面層を、第1の誘 体層404と反射層402との間に反射層側界面層 形成してもよい。図5において、第2の界面層 は、層408と406との間に、407で表される層とし て示すことができ、第1の界面層は、層406と40 4との間に、405で表される層として示すこと でき、反射層側界面層は、層402と404との間 、403で表される層として示すことができる これらの各層は、実施の形態1で説明した方 で形成できる。

 次に、情報層40が積層された基板24とダミ ー基板26(厚さが例えば0.6mm)とを、接着層27を いて貼り合わせる。具体的には、貼り合わ は、紫外線硬化性樹脂または遅効性熱硬化 樹脂を、ダミー基板26上にスピンコート法 より塗布し、情報層40が積層された基板24を ミー基板26上に密着させ、その後樹脂を硬 させる方法で、実施してよい。別法として ダミー基板26上に粘着性の樹脂を予め均一に 塗布し、ダミー基板26を情報層40が積層され 基板24に密着させることもできる。

 情報記録媒体15の記録層406は、通常、成 したままの状態では非晶質状態である。よ て、必要に応じてレーザビームを照射する して、記録層406を結晶化する初期化工程を ってもよい。

 以上のようにして、情報記録媒体15を製 できる。なお、本実施の形態においては、 報層を構成する各層の形成方法としてスパ タリング法を用いた。形成方法は、これに 定されず、真空蒸着法、イオンプレーティ グ法、MBE法などを用いることも可能である

 (実施の形態6)
 実施の形態6として、本発明の情報記録媒体 の別の例を説明する。実施の形態6の情報記 媒体16の部分断面図を図7に示す。情報記録 体16は、多層光記録媒体であり、情報は、レ ーザビーム31を対物レンズ32で集光し照射す ことによって、記録再生される。

 情報記録媒体16は、基板24上に、順次積層 された、第N情報層49、第N-1情報層48・・・第2 情報層42までのN-1個の情報層(NはN≧2の整数) 、基板25上に積層された第1情報層41とが、接 着層27を介して密着している構成である。情 層と情報層との間には、分離層29、28・・・ 等が介在している。

 基板25は、透明で、円盤形状を有してい 。基板25の第1情報層41と接する表面には、レ ーザビーム31を導くための案内溝が形成され いてもよい。基板25の第1情報層41と接しな 表面は、平滑であることが好ましい。基板25 は、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタ クリレート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ノル ボルネン系樹脂、ガラス、あるいはこれらを 適宜組み合わせたもの等を材料として用いて 、形成することができる。特に、ポリカーボ ネート樹脂は、転写性および量産性に優れ、 低コストであることから、基板25の材料とし 好ましい。

 その他、実施の形態2及び5で用いた符号 同じ符号を付した要素については、その説 を省略する。

 情報記録媒体16は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板24(厚さが例えば0.6mm)上に、第N情 報層49を形成する。具体的には、基板24上に 第2の誘電体層498、記録層496、第1の誘電体層 494、反射層492及び透過率調整層491をこの順序 で形成する。このとき、必要に応じて、第2 誘電体層498と記録層496との間に第2の界面層 、第1の誘電体層494と記録層496との間に第1 界面層を、第1の誘電体層494と反射層492の間 反射層側界面層を形成してもよい。これら 各層は、実施の形態2で説明した方法で形成 できる。その後、第N-1情報層48から第2情報層 42を、分離層29、28・・・等を介して順次積層 する。

 別に、基板25(厚さが例えば0.6mm)上に、第1 情報層41を形成する。情報層は、一般に多層 からなり、情報層41を構成する各層(膜)は、 実施の形態2と同様、成膜装置内で、各層を 成するのに適したスパッタリングターゲッ を、順次スパッタリングすることによって 成できる。

 最後に、情報層が積層された基板24及び 板25を、接着層27を用いて貼り合わせる。具 的には、貼り合わせは、紫外線硬化性樹脂 たは遅効性熱硬化性樹脂を、基板25上に積 された第1情報層41にスピンコート法により 布して、第2情報層42が積層された基板24を第 1情報層41上に密着させ、その後樹脂を硬化さ せる方法で実施してよい。別法として、第1 報層41上に粘着性の樹脂を予め均一に塗布し 、第1情報層41を第2情報層42が積層された基板 24に密着させることもできる。

 情報記録媒体16の各記録層は、通常、成 したままの状態では非晶質状態であるから 必要に応じてレーザビームを照射する等し 、記録層を結晶化する初期化工程を行って よい。

 以上のようにして、情報記録媒体16を製 できる。なお、本実施の形態においては、 報層を構成する各層の形成方法としてスパ タリング法を用いた。形成方法は、これに 定されず、真空蒸着法、イオンプレーティ グ法、MBE法などを用いることも可能である

 (実施の形態7)
 実施の形態7として、実施の形態6の本発明 多層情報記録媒体において、Nが2である、す なわち2個の情報層によって構成された情報 録媒体の一例を説明する。実施の形態7の情 記録媒体17の部分断面図を図8に示す。情報 録媒体17は、2層光記録媒体であって、情報 、レーザビーム31を対物レンズ32で集光し照 射することによって、記録再生される。

 情報記録媒体17は、基板24上に積層した第 2情報層42と、基板25上に積層した第1情報層41 が、接着層27を介して密着している構成で る。

 第1情報層41及び第2情報層42を構成する各 の材料、形状および機能は、実施の形態3で 説明したとおりであるから、ここではその詳 細な説明を省略する。その他、実施の形態3 5及び6で用いた符号と同じ符号を付した要素 については、その説明を省略する。

 情報記録媒体17は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板24(厚さが例えば0.6mm)上に、第2情 報層42を形成する。具体的には、基板24上に 第2の誘電体層428、記録層426、第1の誘電体層 424、反射層422及び透過率調整層421をこの順序 で形成する。このとき、必要に応じて、第2 誘電体層428と記録層426との間に第2の界面層 、第1の誘電体層424と記録層426との間に第1 界面層を、第1の誘電体層424と反射層422との に反射層側界面層を形成してもよい。これ の各層は、実施の形態3で説明した方法で形 成できる。

 透過率調整層421を形成した後、必要に応 てレーザビームを照射する等して、記録層4 26を結晶化する初期化工程を行ってもよい。

 別に、基板25(厚さが例えば0.6mm)上に、第1 情報層41を形成する。具体的には、基板25上 、反射層412、第1の誘電体層414、記録層416及 第2の誘電体層418をこの順序で形成する。こ のとき、必要に応じて反射層412と第1の誘電 層414との間に反射層側界面層を、第1の誘電 層414と記録層416との間に第1の界面層を、第 2の誘電体層418と記録層416との間に第2の界面 を形成してもよい。これらの各層は、実施 形態3で説明した方法で形成できる。

 第2の誘電体層418を形成した後、必要に応 じてレーザビームを照射する等して、記録層 416を結晶化する初期化工程を行ってもよい。

 最後に、情報層が積層された基板24及び 板25を、接着層27を用いて貼り合わせる。具 的には、貼り合わせは、紫外線硬化性樹脂( 例えば、アクリル系樹脂およびエポキシ系樹 脂)または遅効性熱硬化性樹脂を、基板25上に 積層された第1情報層41にスピンコート法によ り塗布して、第2情報層42が積層された基板24 第1情報層41上に密着させ、その後樹脂を硬 させる方法で実施してよい。別法として、 1情報層41上に粘着性の樹脂を予め均一に塗 し、第1情報層41を第2情報層42が積層された 板24に密着させることもできる。

 情報記録媒体17の各記録層は、通常、成 したままの状態では非晶質状態であるので 必要に応じてレーザビームを照射する等し 、記録層を結晶化する初期化工程を行って よい。予め、記録層416および426が初期化さ ている場合には、貼り合わせの後に初期化 程を実施する必要はない。

 以上のようにして、情報記録媒体17を製 できる。なお、本実施の形態においては、 報層を構成する各層の形成方法としてスパ タリング法を用いた。形成方法は、これに 定されず、真空蒸着法、イオンプレーティ グ法、MBE法などを用いることも可能である

 Nが2である媒体は、先に実施の形態7に関 して説明したとおり、例えば、約50GBの容量 を有することができ、あるいは約66GBの容量 有することができる。

 (実施の形態8)
 実施の形態8として、実施の形態6の本発明 多層情報記録媒体において、Nが4である、す なわち4個の情報層によって構成された情報 録媒体の一例を説明する。実施の形態8の情 記録媒体18の部分断面図を図9に示す。情報 録媒体18は、レーザビーム31を対物レンズ32 集光し照射することによって、情報の記録 生が可能な4層光記録媒体である。

 情報記録媒体18は、基板24上に積層した第 4情報層44、第3情報層43及び第2情報層42と、基 板25上に積層した第1情報層41とが、接着層27 介して密着している構成である。第4情報層4 4と第3情報層43との間には、分離層29が設けら れ、第3情報層43と第2情報層との間には、分 層28が設けられている。

 第1情報層41、第2情報層42、第3情報層43及 第4情報層44を構成する各層の材料、形状お び機能は、実施の形態4で説明したとおりで あるから、ここではその詳細な説明を省略す る。その他、実施の形態4、5、6及び7で用い 符号と同じ符号を付した要素については、 の説明を省略する。

 情報記録媒体18は、以下に説明する方法に って製造できる。
 まず、基板24(厚さが例えば0.6mm)上に、第4情 報層44を形成する。具体的には、基板24上に 第2の誘電体層448、記録層446、第1の誘電体層 444、反射層442及び透過率調整層441をこの順序 で形成する。このとき、必要に応じて、第2 誘電体層448と記録層446との間に第2の界面層 、第1の誘電体層444と記録層446との間に第1 界面層を、第1の誘電体層444と反射層442の間 反射層側界面層を形成してもよい。これら 各層は、実施の形態4に関連してで説明した 方法により形成できる。

 続いて、透過率調整層441上に、実施の形 4に関連して説明した方法により分離層29を 成する。

 透過率調整層441を形成した後、または分 層29を形成した後、必要に応じてレーザビ ムを照射する等して、記録層446を結晶化す 初期化工程を行ってもよい。

 続いて、分離層29上に第3情報層43を形成 る。具体的には、分離層29上に、第2の誘電 層438、記録層436、第1の誘電体層434、反射層4 32及び透過率調整層431をこの順序で形成する このとき、必要に応じて、第2の誘電体層438 と記録層436との間に第2の界面層を、第1の誘 体層434と記録層436との間に第1の界面層を、 第1の誘電体層434と反射層432の間に反射層側 面層を形成してもよい。これらの各層は、 施の形態4に関連して説明した方法により形 できる。

 続いて、透過率調整層431上に、実施の形 4に関連して説明した方法により、分離層28 形成する。

 透過率調整層431を形成した後、または分 層28を形成した後、必要に応じてレーザビ ムを照射する等して、記録層436を結晶化す 初期化工程を行ってもよい。

 続いて、分離層28上に第2情報層42を形成 る。具体的には、基板24上に、第2の誘電体 428、記録層426、第1の誘電体層424、反射層422 び透過率調整層421をこの順序で形成する。 のとき、必要に応じて、第2の誘電体層428と 記録層426との間に第2の界面層を、第1の誘電 層424と記録層426との間に第1の界面層を、第 1の誘電体層424と反射層422の間に反射層側界 層を形成してもよい。これらの各層は、実 の形態4に関連して説明した方法により形成 きる。

 透過率調整層421を形成した後、必要に応 てレーザビームを照射する等して、記録層4 26を結晶化する初期化工程を行ってもよい。

 別に、基板25(厚さが例えば0.6mm)上に、第1 情報層41を形成する。具体的には、基板25上 、反射層412、第1の誘電体層414、記録層416及 第2の誘電体層418をこの順序で形成する。こ のとき、必要に応じて反射層412と第1の誘電 層414との間に反射層側界面層を、第1の誘電 層414と記録層416との間に第1の界面層を、第 2の誘電体層418と記録層416との間に第2の界面 を形成してもよい。これらの各層は、実施 形態4に関連して説明した方法により形成で きる。

 第2の誘電体層418を形成した後、必要に応 じてレーザビームを照射する等して、記録層 416を結晶化する初期化工程を行ってもよい。

 最後に、情報層が積層された基板24及び 板25を、接着層27を用いて貼り合わせる。具 的には、貼り合わせは、紫外線硬化性樹脂( 例えば、アクリル系樹脂およびエポキシ系樹 脂)または遅効性熱硬化性樹脂を、基板25上に 積層された第1情報層41にスピンコート法によ り塗布して、第2情報層42が積層された基板24 第1情報層41上に密着させ、その後樹脂を硬 させる方法で実施してよい。別法として、 1情報層41上に粘着性の樹脂を予め均一に塗 し、第1情報層41を第2情報層42が積層された 板24に密着させることもできる。

 情報記録媒体18の各記録層は、通常、成 したままの状態では非晶質状態であるため 必要に応じてレーザビームを照射する等し 結晶化する初期化工程を行ってもよい。予 、記録層416、426、436および446が初期化され いる場合には、貼り合わせの後に初期化工 を実施する必要はない。

 以上のようにして、情報記録媒体18を製 できる。本実施の形態においては、情報層 構成する各層の形成方法としてスパッタリ グ法を用いた。形成方法は、これに限定さ ず、真空蒸着法、イオンプレーティング法 MBE法などを用いることも可能である。

 また、本実施の形態においては第2情報層 42と第1情報層41の間に接着層27を用いて、基 24及び基板25を貼り合わせた。接着層の位置 すなわち貼り合わせる位置はこれに限定さ ない。

 例えば、基板24上に、分離層29を介して第 4情報層44及び第3情報層43を積層し、基板25上 分離層(その位置は図9の接着層27の位置であ る)を介して第1情報層41及び第2情報層42を積 し、その後、第3情報層43と第2情報層42との に接着層(その位置は図9の分離層28の位置で る)を用いて、基板24及び基板25を貼り合わ てもよい。

 Nが4である媒体は、先に実施の形態8に関 して説明したとおり、例えば、約100GBの容 を有することができ、あるいは約133GBの容量 を有することができる。

 2つの基板を有し、情報層を複数有する実 施の形態7および8として、N=2および4の媒体を 説明した。Nは3であってもよい。N=3の媒体に いては、第2情報層および第3情報層のうち いずれか一方または両方に含まれる記録層 、前記SbおよびSnを含み、式(1)~(4)のいずれか で示される材料を含むことが好ましい。また 、レーザビーム入射側に最も近い第3情報層 含まれる記録層のみを、前記SbおよびSnを含 、式(1)~(4)のいずれかで示される材料を含む 記録層としても、本発明の効果を十分に得る ことができる。

 Nが3である媒体は、先に説明したとおり 例えば、約75GBの容量を有することができ、 るいは約100GBの容量を有することができる

 (実施の形態9)
 実施の形態9では、実施の形態1から8で説明 た情報記録媒体に情報を記録し、および/ま たは媒体に記録した情報を再生する方法の一 例について説明する。
 図10に、本発明の情報記録媒体の記録再生 用いられる記録再生装置の構成の一例の概 図を示す。レーザダイオード501から出射さ るレーザビーム502は、ハーフミラー503及び 物レンズ504を通過して、その焦点が情報記 媒体506上に合わせられる。情報記録媒体506 、モーター505によって回転させられている 情報の再生は、情報記録媒体506からの反射 をフォトディテクター507に入射させ、信号 検出することにより行われる。

 情報信号の記録を行う際には、レーザビ ム502の強度を複数のパワーレベル間で変調 る。レーザ強度を変調する手段としては、 導体レーザの駆動電流を変調しておこなう 流変調手段を用いることができる。記録マ クを形成する部分には、ピークパワーPpの 一矩形パルスのレーザビームを照射しても い。あるいは、特に長いマークを形成する 合は、記録層が過剰に加熱されることを防 し、マーク幅を均一にする目的で、図11に示 すようにピークパワーPp及びボトムパワーPb( し、Pp>Pb)との間で変調された、複数のパ ス列からなる記録パルス列を用いてもよい また、最後尾のパルスの後に、レーザのパ ーを冷却パワーPc(Pc<Pb)にする冷却区間を けてもよい。マークを形成しない部分に対 ては、バイアスパワーPe(但し、Pp>Pe)のレ ザビームを照射する。

 対物レンズ504の開口数NAは、レーザビー 502のスポット径を0.4μm~0.7μmの範囲内に調整 るため、0.5~1.1の範囲内であることが好まし く、0.6~0.9の範囲内であることがより好まし 。レーザビーム502の波長は、350nm~450nmの範囲 内であることが好ましい。情報を記録する際 の情報記録媒体506の線速度は、再結晶化が起 こりにくく、且つ十分な消去性能が得られる ように、4m/s~50m/sの範囲内であることが好ま く、9m/s~40m/sの範囲内であることがより好ま い。情報記録媒体502の種類等に応じて、こ で例示していない波長、対物レンズの開口 、および線速度を使用してよいことはいう でもない。例えば、レーザビーム502の波長 、650~670nmであってもよい。

 このような記録再生装置を用いて、情報 録媒体506の性能を次のようにして評価でき 。

 記録性能は、レーザビーム502を0~Pp(mW)の でパワー変調し、(1-7)変調方式でマーク長0.1 49μm(2T)から0.596μm(8T)までのランダム信号を記 録し、記録マークの前端間、及び後端間のジ ッター(マーク位置の誤差)をタイムインター ルアナライザーで測定することによって評 できる。なお、ジッター値が小さいほど、 録性能がよい。Pp、Pb、Pc及びPeは、前端間 及び後端間のジッターの平均値が最小とな よう決定される。決定されたPpは、記録感度 である。

 また、信号強度は、レーザビーム502を0~Pp (mW)の間でパワー変調し、マーク長0.149μm(2T) 0.671μm(9T)の信号を同じトラックに連続10回交 互記録し、最後に2T信号を上書きした場合の2 T信号の周波数での信号振幅(carrier level)と雑 振幅(noise level)の比(CNR(Carrier to Noise Ratio)) をスペクトラムアナライザーで測定すること によって評価できる。CNRが大きいほど信号強 度が高い。

 また、消去性能は、レーザビーム502を0~Pp (mW)の間でパワー変調し、2T信号と9T信号を同 トラックに連続10回交互記録し、11回目に2T 号を上書きした場合の2T信号の信号振幅と さらにその後9T信号を上書きした場合の2T信 の信号振幅の差を、2T信号の消去率として ペクトラムアナライザーで測定することに り評価できる。消去率が大きいほど、消去 能が良い。

 (実施の形態10)
 実施の形態10として、本発明の情報記録媒 の別の例を説明する。実施の形態10の情報記 録媒体61の一構成例を図12に示す。情報記録 体61は、電気的エネルギー(特に電流)の印加 よって、情報が記録再生される電気的情報 録媒体である。

 基板62として、ポリカーボネート等の樹脂 板、ガラス基板、Al 2 O 3 等のセラミック基板、Si等の半導体基板、お びCu等の金属基板を用いることができる。 こでは、基板としてSi基板を用いた形態を説 明する。電気的情報記録媒体61は、基板62上 下部電極63、第1誘電体層64、第1記録層65、第 2記録層66、第2誘電体層67、及び上部電極68を に積層した構造である。下部電極63及び上 電極68は、第1記録層65及び第2記録層66に、電 流を印加するために形成する。第1誘電体層64 は第1記録層65に印加する電気エネルギー量を 調整し、第2誘電体層67は第2記録層66に印加す る電気エネルギー量を調整するために設けら れる。第1誘電体層64および第2誘電体層67の材 料の例は、実施の形態1の第1の誘電体層404の 料の例と同様である。

 第1記録層65及び第2記録層66は、電流の印 により発生するジュール熱によって、結晶 と非晶質相との間で可逆的な相変化を起こ 材料から成る。よって、この媒体において 、結晶相と非晶質相との間で抵抗率が変化 る現象を情報の記録に利用する。第1記録層 65及び第2記録層66の少なくとも一方は、SbとS を含み、上記式(1)~(4)のいずれかで示される 材料を含む。そのような材料は、実施の形態 1に関連して説明したとおりである。いずれ 一方の記録層が、SbとSを含む記録層でない 合、実施の形態2に関連して例示した材料を いてよい。第1記録層65及び第2記録層66はそ ぞれ、実施の形態1の記録層406または実施の 形態2の記録層496の形成方法と同様の方法で 成される。

 下部電極63及び上部電極68は、Ti、W、Al、Au Ag、Cu、Pt等の単体金属材料で形成してよい あるいは下部電極63及び上部電極68は、前記 素から選ばれる1つまたは複数の元素を主成 分とし、耐湿性の向上あるいは熱伝導率の調 整等のために適宜1つまたは複数の他の元素 添加した合金材料を用いて形成することが きる。下部電極63及び上部電極68は、Arガス 囲気中、またはArガスと反応ガス(O 2 ガスまたはN 2 ガスから選ばれる少なくとも1種のガス)との 合ガス雰囲気中で、材料となる金属母材ま は合金母材をスパッタリングすることによ て形成できる。各層の形成方法は、真空蒸 法、イオンプレーティング法、CVD法、また MBE法等であってよい。

 電気的情報記録媒体61に、印加部69を介し て電気的情報記録再生装置74を電気的に接続 る。この電気的情報記録再生装置74におい 、下部電極63と上部電極68の間には、第1記録 層65及び第2記録層66に電流パルスを印加する めに、パルス電源73が、スイッチ71を介して 接続される。また、第1記録層65、及び第2記 層66の相変化による抵抗値の変化を検出する ために、下部電極63と上部電極67の間にスイ チ72を介して抵抗測定器70が接続される。

 非晶質相(高抵抗状態)にある第1記録層65 たは第2記録層66を、結晶相(低抵抗状態)に変 化させるためには、スイッチ71を閉じて(スイ ッチ72は開く)電極間に電流パルスを印加する 。印加は、電流パルスが印加される部分の温 度が、材料の結晶化温度より高く、且つ融点 より低い温度にて、結晶化時間の間、保持さ れるように行う。結晶相から再度非晶質相に 戻す場合には、結晶化時よりも相対的に高い 電流パルスをより短い時間で印加し、記録層 を融点より高い温度にして溶融した後、急激 に冷却する。なお、電気的情報記録再生装置 74のパルス電源73は、図15の記録/消去パルス 形を出力できるような電源である。

 ここで、第1記録層65が非晶質相の場合の抵 値をr a1 、第1記録層65が結晶相の場合の抵抗値をr c1 、第2記録層66が非晶質相の場合の抵抗値をr a2 、第2記録層66が結晶相の場合の抵抗値をr c2 とする。r c1 ≦r c2 <r a1 <r a2 、もしくはr c1 ≦r c2 <r a2 <r a1 、もしくはr c2 ≦r c1 <r a1 <r a2 、もしくはr c2 ≦r c1 <r a2 <r a1 であることによって、第1記録層65と第2記録 66の抵抗値の和を、r a1 +r a2 、r a1 +r a2 、r a2 +r c1 、及びr c1 +r c2 の4つの異なる値に設定できる。従って、電 間の抵抗値を抵抗測定器70で測定することに より、4つの異なる状態、すなわち2値の情報 一度に検出することができる。

 この電気的情報記録媒体61をマトリクス に多数配置することによって、図14に示すよ うな大容量の電気的情報記録媒体81を構成す ことができる。各メモリセル77には、微小 域に電気的情報記録媒体61と同様の構成が形 成されている。各々のメモリセル77への情報 記録再生は、ワード線75、及びビット線76を それぞれ一つ指定することによって行う。

 図13は電気的情報記録媒体81を用いた、情 報記録システムの一構成例を示したものであ る。記憶装置79は、電気的情報記録媒体81と アドレス指定回路78によって構成される。ア ドレス指定回路78により、電気的情報記録媒 81のワード線75、及びビット線76がそれぞれ 定され、各々のメモリセル77への情報の記 再生を行うことができる。また、記憶装置79 を、少なくともパルス電源73と抵抗測定器70 ら構成される外部回路80に電気的に接続する ことにより、電気的情報記録媒体81への情報 記録再生を行うことができる。

  以下、実施例により本発明をさらに具体 に説明する。
 (実施例1)
 実施例1では、図1の情報記録媒体11を作製し 、記録層406の材料と、情報層40の消去性能及 信号信頼性との関係を調べた。具体的には SbとSとを含み、SbとSとの組成比が異なる記 層406を有する8種類の情報記録媒体のサンプ ル(1-1から1-8)を作製し、情報層40の消去性能 び信号信頼性を測定した。

 信号信頼性は再生光劣化により評価する ここで、再生光劣化は、信号を記録したト ックに再生光(再生パワーPr)を所定の回数、 照射したときの信号強度の低下量(dB)と定義 る。

 サンプルは以下のようにして製造した。ま 、基板21として、レーザビーム31を導くため の案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0.32μm)が 成されたポリカーボネート基板(直径120mm、 さ1.1mm)を用意した。そのポリカーボネート 板上に、反射層402としてAg-Pd-Cu層(厚さ:80nm) 第1の誘電体層404として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:25nm)、SbとSを含む記録層406(厚さ:10nm)( SbとSの組成比は表1に示すとおり)、第2の界面 層(図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層408として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:60nm)を順次スパッタリング法によっ 形成した。

 上記の各層をスパッタリングする成膜装置 、それぞれ反射層402を形成するためのAg-Pd-C u合金スパッタリングターゲット、第1の誘電 層404を形成するための(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、記録層406を形成 するためのSbとSとを含むスパッタリングター ゲット、第2の界面層を形成するための(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、第2の誘電体層40 8を形成するための(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 スパッタリングターゲットを備えていた。ス パッタリングターゲットの形状は、いずれも 直径100mm、厚さ6mmであった。

 反射層402の形成は、Arガス雰囲気におい 、圧力を0.3Paにして、DC電源を用いて、投入 ワーを100Wにして行った。第1の誘電体層404 形成は、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Pa して、RF電源を用いて、投入パワーを200Wに て行った。記録層406の形成は、Arガス雰囲 において、圧力を0.2Paにして、DC電源を用い 、投入パワーを50Wにして行った。第2の界面 層の形成は、Arガス雰囲気において、圧力を0 .1Paにして、RF電源を用いて、投入パワーを200 Wにして行った。第2の誘電体層408の形成は、A rガス雰囲気において、圧力を0.1Paにして、RF 源を用いて、投入パワーを400Wにして行った 。

 最後に、紫外線硬化性樹脂(アクリル系樹 脂)を第2の誘電体層408上に塗布し回転させて 均一な樹脂層を形成したのち、紫外線を照 して樹脂を硬化させることにより、厚さ100 mの透明層23を形成した。その後、記録層406 レーザビームで結晶化させる初期化工程を った。以上のようにして、記録層406の材料 異なる複数のサンプルを製造した。

 このようにして得られたサンプルについ 、図10の記録再生装置を用いて、情報記録 体11の情報層40の消去性能及び信号信頼性を 定した。測定において、レーザビーム31の 長は405nm、対物レンズ32の開口数NAは0.85、測 時のサンプルの線速度は19.7m/s(Blu-rayディス 規格の4倍速に相当する)、最短マーク長(2T) 0.149μmであった。

 各サンプルについて、記録層406の組成と、 報層40の消去性能、及び信号信頼性の評価 果を(表1)に示す。消去性能は、消去率の値 よって評価した。評価基準は下記のとおり ある。
 25dB以上 「○」、
 20dB以上25dB未満 「△」、
 20dB未満 「×」。

 信号信頼性は、Pr=0.35mWの再生光を100万回照 した後の再生光劣化量で評価した。評価基 は下記のとおりである。
 0.3dB未満 「○」、
 0.3dB以上2dB未満 「△」、
 2dB以上 「×」。

 上記評価において、「○」及び「△」と 価された媒体は、その評価項目に関して実 に耐えうることを意味し、「×」と評価さ た媒体は、その項目に関して実用に耐えな ことを意味する。

 さらに、媒体の総合評価を実施した。上 の評価項目において、一つでも「×」と評 された媒体は、「×」と評価し、上記の評価 項目において、一つでも「△」と評価された 媒体は、「○」と評価し、上記の評価項目に おいて、すべて「○」と評価された媒体は、 「◎」と評価した。

 この結果、記録層406がSbのみから成るサン ル1-1では、記録層の結晶化速度が高すぎて 信号信頼性が悪いことがわかった。また、 録層406の組成がSb 45 S 55 であるサンプル1-8では、添加したSの量が多 ぎて、結晶化速度が低下し、消去性能が悪 していることがわかった。

 また、記録層406がSbとSとを含み、さらに記 層406の組成が、式(1):Sb x S 100-x (原子%)(ただし、xは、50≦x≦98)で表されるサ プル1-2から1-7は、良好な消去性能と信号信 性を示すことがわかった。以上の結果から 記録層406の組成が、式(1)で表されると、当 記録層を含む媒体は良好な特性を示すこと わかった。さらに、xが60以上80以下である 合に、磁気記録媒体は、さらにより良好な 性を示すことがわかった。

 (実施例2)
 実施例2では、実施例1と同様に図1の情報記 媒体11を作製し、記録層406の材料と、情報 40の消去性能及び信号信頼性との関係を調べ た。具体的には、記録層406がSbとSとMとを含 (MはSn、Bi、In、Ge及びMnのうち少なくとも1つ 元素)、Sb/S/Mとの組成比が異なる記録層406を 有する25種類の情報記録媒体11のサンプル(2-1 ら2-25)を作製し、情報層40の消去性能及び信 号信頼性を測定した。

 サンプルの製造方法は実施例1で用いた製 造方法と同様である。ただし、記録層406はSb SとMを含む(MはSn、Bi、In、Ge及びMnのうち少 くとも1つの元素)合金スパッタリングターゲ ットを、Arガス雰囲気において、圧力を0.2Pa して、DC電源を用いて、投入パワーを50Wにし てスパッタリングすることによって形成した 。

 このようにして得られたサンプルについて 実施例1と同様の方法で消去性能および信号 信頼性を測定した。各サンプルについて、記 録層406の組成と、情報層40の消去性能、及び 号信頼性の評価結果を(表2)に示す。消去性 は、消去率の値によって評価した。評価基 は下記のとおりである。
 25dB以上 「○」、
 20dB以上25dB未満 「△」、
 20dB未満 「×」。

 信号信頼性は、Pr=0.35mWの再生光を100万回照 した後の再生光劣化量で評価した。評価基 は、下記のとおりである。
 0.3dB未満 「○」、
 0.3dB以上2dB未満 「△」、
 2dB以上 「×」。

 上記評価において、「○」及び「△」と 価された媒体は、その評価項目に関して実 に耐えうることを意味し、「×」と評価さ た媒体は、その項目に関して実用に耐えな ことを意味する。

 さらに、媒体の総合評価を実施した。上 の評価項目において、一つでも「×」と評 された媒体は、「×」と評価し、上記の評価 項目において、一つでも「△」と評価された 媒体は、「○」と評価し、上記の評価項目に おいて、すべて「○」と評価された媒体は、 「◎」と評価した。

 この結果、記録層406の組成が、(Sb 0.98 S 0.02 ) 65 Ge 35 であるサンプル2-6では、添加したGeの量が多 ために結晶化速度が低下し、消去性能が悪 していることがわかった。また、記録層406 組成が、(Sb 0.98 S 0.02 ) 65 Sn 35 であるサンプル2-12では、添加したSnの量が多 いために、結晶化速度が高すぎて信号信頼性 が悪いことがわかった。さらに、記録層406の 組成が、(Sb 0.7 S 0.3 ) 65 In 35 であるサンプル2-17では、添加したInの量が多 いために、結晶化速度が低下し、実用可能な 消去性能を得られないことがわかった。

 また、記録層406がSbとSとM1を含み(MはGe、Sn およびIn)から選ばれる少なくとも一つの元 )、記録層406の組成が、式(2):
(Sb z S 1-z ) 100-y M1 y (原子%)  (2)
(添え字zは、Sb原子の数とS原子の数を合わせ 1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦z 0.98を満たし、添え字yは、原子%で示される 成比を表し、0<y≦30を満たす)
で表されるサンプル2-1から2-5、2-7から2-11、 び2-13から2-16は、消去性能と信号信頼性がと もに良好であることがわかった。以上の結果 から、SbとSとM1を含む記録層406の組成は、式( 2)で表されることが好ましいことがわかった 特に、サンプル2-1から2-4、サンプル2-7から2 -10、サンプル2-13から2-15より、上記式(2)にお て、yは2≦y≦20を満たすと、より良好な特 が得られることがわかった。

 記録層406の組成が、(Sb 0.7 S 0.3 ) 70 Mn 30 であるサンプル2-21では、添加したMnの量が多 いために、結晶化速度が低下し、実用可能な 消去性能を得られないことがわかった。また 、記録層の組成が、(速すぎて信号信頼性が いことがわかった。さらに、記録層406の組 が、(Sb 0.7 S 0.3 ) 70 Bi 30 であるサンプル2-25では、添加したBiの量が多 いために、結晶化速度が高すぎて信号信頼性 が悪いことがわかった。

 記録層406がSbとSとM2を含み(M2はBiおよびMnか 選ばれる少なくとも一つの元素)、記録層406 の組成が、式(3):
(Sb a S 1-a ) 100-b M2 b   (原子%)  (3)
(添え字aは、Sb原子の数とS原子の数を合わせ 1としたときの各原子の割合を表し、0.5≦a 0.98を満たし、添え字bは、原子%で示される 成比を表し、0<b≦20を満たす)
で表されるサンプル2-18から2-20、及び2-22から 2-24は、良好な消去性能と信号信頼性を示し 。以上の結果から、SbとSとM2を含む記録層406 の組成は、式(2)で表されることが好ましいこ とがわかった。さらに、サンプル2-18および2- 19から、上記式(3)において、bが2≦b≦10を満 すと、より良好な特性が得られることがわ った。

 さらに、M1として2種類の元素を含む記録 体(サンプル2-26、2-29)、M1およびM2の両方を む記録媒体(サンプル2-27、2-28、2-30、2-31)も 良好な消去性能および信号信頼性を示した

 (実施例3)
 実施例3では、図1の情報記録媒体11を製造し 、記録層406の厚さと、情報層40の消去性能及 信号信頼性との関係を調べた。具体的には 記録層406の厚さが異なる情報層40を含む、6 類の情報記録媒体11のサンプル(3-1から3-6)を 作製し、情報層40の消去性能及び信号信頼性 測定した。

 サンプルの製造方法は、記録層406の厚さを いて、実施例1において用いた製造方法と同 様である。記録層406はSbとSを含むスパッタリ ングターゲットを、Arガス雰囲気において、 力を0.2Paにして、DC電源を用いて、投入パワ ーを50Wにしてスパッタリングすることによっ て形成した。記録層の組成は、Sb 60 S 40 であった。

 このようにして得られた各サンプルについ 、記録層406の厚さと、情報層40の消去性能 及び信号信頼性の評価結果を(表3)に示す。 価方法は、実施例1において用いた方法と同 の方法であった。消去性能は、消去率の値 よって評価した。評価基準は下記のとおり ある。
 25dB以上 「○」、
 20dB以上25dB未満 「△」、
 20dB未満 「×」。

 信号信頼性は、Pr=0.35mWの再生光を100万回照 した後の再生光劣化量で評価した。評価基 は下記のとおりである。
 0.3dB未満 「○」、
 0.3dB以上2dB未満 「△」、
 2dB以上 「×」。

 上記評価において、「○」及び「△」と 価された媒体は、その評価項目に関して実 に耐えうることを意味し、「×」と評価さ た媒体は、その項目に関して実用に耐えな ことを意味する。

 さらに、媒体の総合評価を実施した。上 の評価項目において、一つでも「×」と評 された媒体は、「×」と評価し、上記の評価 項目において、一つでも「△」と評価された 媒体は、「○」と評価し、上記の評価項目に おいて、すべて「○」と評価された媒体は、 「◎」と評価した。

 この結果、記録層406の厚さが、16nmである サンプル3-6は、記録層406が厚すぎて、低い信 号信頼性を示した。、記録層406の厚さが、7~1 5nmの範囲であれば、媒体は良好な消去性能と 信号信頼性を示すことがわかった。以上の結 果から、SbとSとを含む記録層406の厚さは15nm 下であることが好ましいことがわかった。 た、記録層406の厚さが9nm~13nmの範囲内であれ ば、非常に良好な特性が得られた。

 (実施例4)
 実施例4では、図4の情報記録媒体13を製造し 、第2情報層42に含まれる記録層426の厚さと、 第2情報層42の消去率、信号信頼性、及び第1 報層41の信号強度との関係を調べた。具体的 には、記録層426の厚さが互いに異なる情報層 42を含む情報記録媒体13のサンプル4-1から4-6 作製し、第2情報層42の消去率、信号信頼性 及び第1情報層41の信号強度を測定した。こ で、信号強度はCNRの大きさによって評価し 。なお、情報記録媒体13は、情報層の数をN (NはN≧2の整数)としたときの、N=2のものに相 当し、2個の情報層を有している。

 サンプルは以下のようにして製造した。ま 、基板21として、レーザビーム31を導くため の案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0.32μm)が 成されたポリカーボネート基板(直径120mm、 さ1.1mm)を用意した。そして、そのポリカー ネート基板上に、反射層412としてAg-Pd-Cu層( さ:80nm)、第1の誘電体層414として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:25nm)、記録層416としてSb 60 S 40 (厚さ:10nm)、第2の界面層(図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層418として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:60nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。

 上記の各層をスパッタリングする成膜装置 、それぞれ反射層412を形成するためのAg-Pd-C u合金スパッタリングターゲット、第1の誘電 層414を形成するための(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、記録層416を形成 するためのSbとSを含むスパッタリングターゲ ット(Sb 60 S 40 の組成の膜が形成されるように組成を調整し たもの)、第2の界面層を形成するための(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、第2の誘電体層41 8を形成するための(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 スパッタリングターゲットを備えていた。ス パッタリングターゲットの形状は、いずれも 直径100mm、厚さ6mmであった。

 反射層412の形成は、Arガス雰囲気におい 、圧力を0.3Paにして、DC電源を用いて、投入 ワーを100Wにして行った。第1の誘電体層414 形成は、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Pa して、RF電源を用いて、投入パワーを200Wに て行った。記録層416の形成は、Arガス雰囲 において、圧力を0.2Paにして、DC電源を用い 、投入パワーを50Wにして行った。第2の界面 層の形成は、Arガス雰囲気において、圧力を0 .1Paにして、RF電源を用いて、投入パワーを200 Wにして行った。第2の誘電体層418の形成は、A rガス雰囲気において、圧力を0.1Paにして、RF 源を用いて、投入パワーを400Wにして行った 。

 次に、第2の誘電体層418上に紫外線硬化性 樹脂(アクリル系樹脂)をスピンコート法によ 塗布して、均一な樹脂層を形成した。その に、案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0.32μm) を形成した基板をかぶせて、密着させ、その 後樹脂を硬化させ、樹脂の硬化後、基板を剥 がした。その結果、レーザビーム31を導く案 溝が第2情報層42側に形成された、厚さ25μm 分離層22を得た。

 次いで、分離層22の上に、透過率調整層421 してTiO 2 層(厚さ:20nm)、反射層422としてAg-Pd-Cu層(厚さ:1 0nm)、第1の誘電体層424として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:15nm)、記録層426としてSb 70 S 30 層、第2の界面層(図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層428として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:40nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。

 上記の各層をスパッタリングする成膜装置 、それぞれ透過率調整層421を形成するため TiO 2 スパッタリングターゲット、反射層422を形成 するためのAg-Pd-Cu合金スパッタリングターゲ ト、第1の誘電体層424を形成するための(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、記録層426を形成 するためのSbとSを含むスパッタリングターゲ ット(Sb 70 S 30 の組成の膜が形成されるように組成を調整し たもの)、第2の界面層を形成するための(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、第2の誘電体層42 8を形成するための(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 スパッタリングターゲットを備えていた。ス パッタリングターゲットの形状は、いずれも 直径100mm、厚さ6mmであった。

 透過率調整層421の形成は、Arと酸素の混 ガス雰囲気(全体に対して3体積%の割合の酸 ガス)において、圧力を0.3Paにして、RF電源を 用いて、投入パワーを400Wにして行った。反 層422の形成は、Arガス雰囲気において、圧力 を0.3Paにして、DC電源を用いて、投入パワー 100Wにして行った。第1の誘電体層424の形成は 、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにして RF電源を用いて、投入パワーを200Wにして行 た。記録層426の形成は、Arガス雰囲気におい て、圧力を0.2Paにして、DC電源を用いて、投 パワーを50Wにして行った。第2の界面層の形 は、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにし て、RF電源を用いて、投入パワーを200Wにして 行った。第2の誘電体層428の形成は、Arガス雰 囲気において、圧力を0.1Paにして、RF電源を いて、投入パワーを400Wにして行った。

 最後に、紫外線硬化性樹脂(アクリル系樹 脂)を第2の誘電体層428上に、スピンコート法 より塗布して、均一な樹脂層を形成した後 紫外線を照射して樹脂を硬化させることに り、厚さ75μmの透明層23を形成した。その後 、記録層416及び記録層426にレーザビームを照 射して、記録層416および426を結晶化させる初 期化工程を行った。以上のようにして、記録 層426の厚さが異なる複数のサンプルを製造し た。

 このようにして得られたサンプルについ 、図10の記録再生装置を用いて、情報記録 体13の情報層42の消去性能、信号信頼性、及 第1情報層41の信号強度を測定した。測定に いて、レーザビーム31の波長は405nm、対物レ ンズ32の開口数NAは0.85、測定時のサンプルの 速度は19.7m/s、最短マーク長(2T)は0.149μmであ った。

 各サンプルについて、記録層426の厚さと、 2情報層42の消去性能、信号信頼性、及び第1 情報層41の信号強度の評価結果を(表4)に示す 消去性能は、消去率の値によって評価した 評価基準は下記のとおりである。
 25dB以上 「○」、
 20dB以上25dB未満 「△」、
 20dB未満 「×」。

 信号信頼性は、Pr=0.7mWの再生光を100万回照 した後の再生光劣化量によって評価した。 価基準は、下記のとおりである。
 0.3dB未満 「○」、
 0.3dB以上2dB未満 「△」、
 2dB以上 「×」。

 また、第1情報層41の信号強度は、CNRによっ 評価した。評価基準は下記の通りである。
 40dB以上 「○」、
 34dB以上40dB未満 「△」、
 34dB以下 「×」。

 上記評価において、「○」及び「△」と 価された媒体は、その評価項目に関して実 に耐えうることを意味し、「×」と評価さ た媒体は、その項目に関して実用に耐えな ことを意味する。

 さらに、媒体の総合評価を実施した。上 の評価項目において、一つでも「×」と評 された媒体は、「×」と評価し、上記の評価 項目において、一つでも「△」と評価された 媒体は、「○」と評価し、上記の評価項目に おいて、すべて「○」と評価された媒体は、 「◎」と評価した。

 この結果、記録層426の厚さが、4nm~9nmの範 囲であれば、第2情報層42の消去性能、信号信 頼性、及び第1情報層41の信号強度がすべて良 好な媒体が得られた。また、記録層426の厚さ が5nm~8nmの範囲内であれば、より良好な特性 得られた。

 (実施例5)
 実施例5では、図5の情報記録媒体14を製造し 、第4情報層44に含まれる記録層446の厚さと、 第4情報層44の消去率、信号信頼性、第3情報 43の信号強度、第2情報層42の信号強度、及び 第1情報層41の信号強度との関係を調べた。具 体的には、記録層446の厚さが互いに異なる情 報層44を含む6種類の情報記録媒体14のサンプ (5-1から5-6)を作製し、第4情報層44の消去率 信号信頼性、第3情報層43の信号強度、第2情 層42の信号強度、及び第1情報層41の信号強 を測定した。ここで、信号強度はCNRによっ 評価した。なお、情報記録媒体14は情報層の 数をN個(NはN≧2の整数)としたときの、N=4の場 合であり、4個の情報層を有している。

 サンプルは以下のようにして製造した。ま 、基板21として、レーザビーム31を導くため の案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0.32μm)が 成されたポリカーボネート基板(直径120mm、 さ1.1mm)を用意した。そして、そのポリカー ネート基板上に、反射層412としてAg-Pd-Cu層( さ:80nm)、第1の誘電体層414として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:25nm)、記録層416としてSb 60 S 40 (厚さ:10nm)、第2の界面層(図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層418として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:60nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。

 上記の各層をスパッタリングする成膜装置 、それぞれ反射層412を形成するためのAg-Pd-C u合金スパッタリングターゲット、第1の誘電 層414を形成するための(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、記録層416を形成 するためのSbとSを含むスパッタリングターゲ ット(Sb 60 S 40 の組成の膜が形成されるように組成を調整し たもの)、第2の界面層を形成するための(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、第2の誘電体層41 8を形成するための(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 スパッタリングターゲットを備える。スパッ タリングターゲットの形状は、いずれも直径 100mm、厚さ6mmであった。

 反射層412の形成は、Arガス雰囲気におい 、圧力を0.3Paとし、DC電源を用いて、投入パ ーを100Wにして行った。第1の誘電体層414の 成は、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paに て、RF電源を用いて、投入パワーを200Wにし 行った。記録層416の形成は、Arガス雰囲気 おいて、圧力を0.2Paにして、DC電源を用いて 投入パワーを50Wにして行った。第2の界面層 の形成は、Arガス雰囲気において、圧力を0.1P aにして、RF電源を用いて、投入パワーを200W して行った。第2の誘電体層418の形成は、Ar ス雰囲気において、圧力を0.1Paにして、RF電 を用いて、投入パワーを400Wにして行った。

 次に、第2の誘電体層418上に、紫外線硬化 性樹脂(アクリル系樹脂)をスピンコート法に り塗布して、均一な樹脂層を形成した。こ 樹脂層の上に案内溝(深さ20nm、トラックピ チ0.32μm)を形成した基板をかぶせて、密着さ せ、その後樹脂を硬化させた。樹脂の硬化後 、基板を剥がした。その結果、レーザビーム 31を導く案内溝が第2情報層42側に形成された 厚さ10μmの分離層22を得た。

 その後、分離層22の上に、透過率調整層421 してTiO 2 層(厚さ:30nm)、反射層422としてAg-Pd-Cu層(厚さ:8 nm)、第2の誘電体層424として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:10nm)、記録層426としてSb 80 S 20 層(厚さ:4nm)、第2の界面層(図示せず)として(Zr O 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層428として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:40nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。

 上記の各層をスパッタリングする成膜装置 、それぞれ透過率調整層421を形成するため TiO 2 スパッタリングターゲット、反射層422を形成 するためのAg-Pd-Cu合金スパッタリングターゲ ト、第1の誘電体層424を形成するための(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、記録層426を形成 するためのSbとSを含むスパッタリングターゲ ット(Sb 80 S 20 の組成の膜が形成されるように、組成を調整 したもの)、第2の界面層を形成するための(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、第2の誘電体層42 8を形成するための(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 スパッタリングターゲットを備える。スパッ タリングターゲットの形状は、いずれも直径 100mm、厚さ6mmであった。

 透過率調整層421の形成は、Arと酸素の混 ガス雰囲気(全体に対して3体積%の割合の酸 ガス)において、圧力を0.3Paにして、RF電源を 用いて、投入パワーを400Wにして行った。反 層422の形成は、Arガス雰囲気において、圧力 を0.3Paにして、DC電源を用いて、投入パワー 100Wにして行った。第1の誘電体層424の形成は 、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにし、RF 電源を用いて、投入パワーを200Wにして行っ 。記録層426の形成は、Arガス雰囲気において 、圧力を0.2Paにし、DC電源を用いて、投入パ ーを50Wにして行った。第2の界面層の形成は Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにして、 RF電源を用いて、投入パワーを200Wにして行っ た。第2の誘電体層428の形成は、Arガス雰囲気 において、圧力を0.1Paにし、RF電源を用いて 投入パワーを400Wにして行った。

 次に、第2の誘電体層428上に紫外線硬化性 樹脂(アクリル系樹脂)をスピンコート法によ 塗布して、均一な樹脂層を形成した。この 脂層の上に、案内溝(深さ20nm、トラックピ チ0.32μm)を形成した基板をかぶせて、密着さ せ、その後樹脂を硬化させた。樹脂の硬化後 、基板を剥がした。その結果、レーザビーム 31を導く案内溝が第3情報層43側に形成された 厚さ15μmの分離層28を得た。

 次いで、分離層28の上に、透過率調整層431 してTiO 2 層(厚さ:30nm)、反射層432としてAg-Pd-Cu層(厚さ:8 nm)、第2の誘電体層434として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:10nm)、記録層436としてSb 80 S 20 層(厚さ:4nm)、第2の界面層(図示せず)として(Zr O 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層438として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:38nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。

 上記の各層をスパッタリングする成膜装置 、それぞれ透過率調整層431を形成するため TiO 2 スパッタリングターゲット、反射層432を形成 するためのAg-Pd-Cu合金スパッタリングターゲ ト、第1の誘電体層434を形成するための(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、記録層436を形成 するためのSbとSを含むスパッタリングターゲ ット(Sb 80 S 20 の組成の膜が形成されるように、組成を調整 したもの)、第2の界面層を形成するための(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、第2の誘電体層43 8を形成するための(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 スパッタリングターゲットを備えていた。ス パッタリングターゲットの形状は、いずれも 直径100mm、厚さ6mmであった。

 透過率調整層431の形成は、Arと酸素の混 ガス雰囲気(全体に対して3体積%の割合の酸 ガス)において、圧力を0.3Paにして、RF電源を 用いて、投入パワーを400Wにして行った。反 層432の形成は、Arガス雰囲気において、圧力 を0.3Paにして、DC電源を用いて、投入パワー 100Wにして行った。第1の誘電体層434の形成は 、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにして RF電源を用いて、投入パワーを200Wにして行 た。記録層436の形成は、Arガス雰囲気におい て、圧力を0.2Paにして、DC電源を用いて、投 パワーを50Wにして行った。第2の界面層の形 は、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにし て、RF電源を用いて、投入パワーを200Wにして 行った。第2の誘電体層438の形成は、Arガス雰 囲気において、圧力を0.1Paにして、RF電源を いて、投入パワーを400Wにして行った。

 次に、第2の誘電体層438上に紫外線硬化性 樹脂(アクリル系樹脂)をスピンコート法によ 塗布して、均一な樹脂層を形成した。この 脂層の上に、案内溝(深さ20nm、トラックピ チ0.32μm)を形成した基板をかぶせて、密着さ せ、その後樹脂を硬化させた。樹脂の硬化後 、基板を剥がした。その結果、レーザビーム 31を導く案内溝が第4情報層44側に形成された 厚さ10μmの分離層29を得た。

 その後、分離層29の上に、透過率調整層441 してTiO 2 層(厚さ:25nm)、反射層442としてAg-Pd-Cu層(厚さ:7 nm)、第2の誘電体層444として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:10nm)、記録層446として(Sb 0.85 S 0.15 ) 95 Ge 5 層、第2の界面層(図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層448として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:35nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。

 上記の各層をスパッタリングする成膜装置 、それぞれ透過率調整層441を形成するため TiO 2 スパッタリングターゲット、反射層442を形成 するためのAg-Pd-Cu合金スパッタリングターゲ ト、第1の誘電体層444を形成するための(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、記録層446を形成 するためのSbとSとGeを含むスパッタリングタ ゲット((Sb 0.85 S 0.15 ) 95 Ge 5 の組成の膜が形成されるように、組成を調整 したもの)、第2の界面層を形成するための(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 スパッタリングターゲット、第2の誘電体層44 8を形成するための(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 スパッタリングターゲットを備えていた。ス パッタリングターゲットの形状は、いずれも 直径100mm、厚さ6mmであった。

 透過率調整層441の形成は、Arと酸素の混 ガス雰囲気(全体に対して3体積%の割合の酸 ガス)において、圧力を0.3Paにして、RF電源を 用いて、投入パワーを400Wにして行った。反 層442の形成は、Arガス雰囲気において、圧力 を0.3Paにして、DC電源を用いて、投入パワー 100Wにして行った。第1の誘電体層444の形成は 、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにして RF電源を用いて、投入パワーを200Wにして行 た。記録層446の形成は、Arガス雰囲気におい て、圧力を0.2Paにして、DC電源を用いて、投 パワーを50Wにして行った。第2の界面層の形 は、Arガス雰囲気において、圧力を0.1Paにし て、RF電源を用いて、投入パワーを200Wにして 行った。第2の誘電体層448の形成は、Arガス雰 囲気において、圧力を0.1Paにして、RF電源を いて、投入パワーを400Wにして行った。

 最後に、紫外線硬化性樹脂(アクリル系樹 脂)を第2の誘電体層448上に、スピンコート法 より塗布して、均一な樹脂層を形成した後 紫外線を照射して樹脂を硬化させることに り、厚さ65μmの透明層23を形成した。その後 、記録層416、記録層426、記録層436及び記録層 446をレーザビームを用いて結晶化させる初期 化工程を行った。以上のようにして、記録層 446の厚さが異なる複数のサンプルを製造した 。

 このようにして得られたサンプルについ 、図10の記録再生装置を用いて、情報記録 体13の情報層42の消去性能、信号信頼性、第3 情報層43の信号強度、第2情報層42の信号強度 及び第1情報層41の信号強度を測定した。測 において、レーザビーム31の波長は405nm、対 物レンズ32の開口数NAは0.85、測定時のサンプ の線速度は19.7m/s、最短マーク長(2T)は0.149μm であった。

 各サンプルについて、記録層446の厚さと、 2情報層42の消去性能および信号信頼性、第3 情報層43の信号強度、第2情報層42の信号強度 及び第1情報層41の信号強度の評価結果を(表 5)に示す。消去性能は、消去率の値によって 価した。評価基準は下記のとおりである。
 25dB以上 「○」、
 20dB以上25dB未満 「△」、
 20dB未満 「×」。

 信号信頼性は、Pr=1.4mWの再生光を100万回照 した後の再生光劣化量によって評価した。 価基準は下記のとおりである。
 0.3dB未満 「○」、
 0.3dB以上2dB未満 「△」、
 2dB以上 「×」。

 また、各情報層の信号強度は、CNRによって 価した。評価基準は下記の通りである。
 40dB以上 「○」、
 34dB以上40dB未満 「△」、
 34dB以下 「×」。

 上記評価において、「○」及び「△」と 価された媒体は、その評価項目に関して実 に耐えうることを意味し、「×」と評価さ た媒体は、その項目に関して実用に耐えな ことを意味する。

 この結果、記録層446の厚さが、1nmである ンプル5-1は、記録層446が薄すぎて結晶化速 が低下し、消去性能において劣っているこ がわかった。また、記録層446の厚さが、2~6n mの範囲であれば、第4情報層44の消去性能お び信号信頼性、第3情報層43の信号強度、第2 報層42の信号強度、ならびに第1情報層41の 号強度が良好であることがわかった。

 (実施例6)
 実施例6では、図6の情報記録媒体15を作製し 、実施例1および2と同様に性能を評価した。 ンプルは以下のようにして製造した。まず 基板24として、レーザビーム31を導くための 案内溝(深さ40nm、トラックピッチ0.68μm)が形 されたポリカーボネート基板(直径120mm、厚 0.6mm)を用意した。そのポリカーボネート基 上に、第2の誘電体層408として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:60nm)、第2の界面層(図示せず)として(Z rO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、SbとS、もしくはSbとSとMを含み それらの組成比が異なる記録層406(厚さ:10nm) 第1の誘電体層404として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:25nm)、反射層402としてAg-Pd-Cu層(厚さ:8 0nm)を順次スパッタリング法によって積層し 。使用した成膜装置、スパッタリングター ット、成膜条件(ガス種、圧力、投入パワー) 等は実施例1で使用したものと同様である。

 情報層を形成した後、紫外線硬化性樹脂( アクリル系樹脂)をダミー基板26上にスピンコ ート法により塗布し、均一な樹脂層(厚さ20μm )を形成した。次いで、基板24上の反射層402を ダミー基板26に密着させ、その後紫外線をダ ー基板26側から照射して樹脂を硬化させた それにより、接着層27を介して基板24とダミ 基板26を接着させた。最後に、記録層406の 面をレーザビームで結晶化させる初期化工 を行った。

 このようにして得られたサンプルについ 、実施例1および2と同様の方法によって、 報記録媒体15の情報層40の消去性能、及び信 信頼性を測定した。測定において、レーザ ーム11の波長は405nm、対物レンズ41の開口数N Aは0.65、測定時のサンプルの線速度は22.4m/s、 最短マーク長は0.173μmであった。

 この結果、実施例1と同様に、記録層406がSb Sとを含み、さらに記録層406の組成が、式(1) :Sb x S 100-x (原子%)(ただし、xは、50≦x≦98)で表されるサ プルは、良好な消去性能と信号信頼性を示 た。

 また、実施例2と同様に、記録層406がSbとSと M1を含み(M1は、GeSn、およびInから選択される 少なくとも1つの元素)、さらに記録層406の 成が、式(2):(Sb z S 1-z ) 100-y M1 y (原子%)(添え字zは、Sb原子の数とS原子の数を わせて1としたときの各原子の割合を表し、 0.5≦z≦0.98を満たし、添え字yは、原子%で示 れる組成比を表し、0<y≦30を満たす)で表 れるサンプルは、良好な消去性能と信号信 性を示した。

 さらに、実施例2と同様に、記録層406がSbとS とM2を含み(M1は、BiおよびMnから選択される、 少なくとも1つの元素)、さらに記録層406の組 が、式(3)):(Sb a S 1-a ) 100-b M2 b   (原子%)(添え字aは、Sb原子の数とS原子の数 を合わせて1としたときの各原子の割合を表 、0.5≦a≦0.98を満たし、添え字bは、原子%で される組成比を表し、0<b≦20を満たす)で されるサンプルは、良好な消去性能と信号 頼性を示した。

 (実施例7)
 実施例7では、図6の情報記録媒体15を作製し 、実施例3と同様に、性能を評価した。

 サンプルの製造方法は、記録層406の厚さを いて、実施例6で用いた製造方法と同様であ る。記録層406はSbとSを含むスパッタリングタ ーゲットをArガス雰囲気において、圧力を0.2P aにし、DC電源を用いて、投入パワーを50Wにし て、スパッタリングすることによって形成し た。記録層406の組成は、Sb 60 S 40 であった。

 このようにして得られたサンプルについ 、実施例1と同様の方法で、消去性能および 信号信頼性を評価した。この結果、実施例3 同様に、記録層406の厚さが、7~15nmの範囲で れば、消去性能と信号信頼性がともに良好 あることがわかった。

 (実施例8)
 実施例8では、図8の情報記録媒体17を作製し 、実施例4と同様に、性能を評価した。

 サンプルは以下のようにして製造した。ま 、基板24として、レーザビーム31を導くため の案内溝(深さ40nm、トラックピッチ0.68μm)が 成されたポリカーボネート基板(直径120mm、 さ0.6mm)を用意した。そして、そのポリカー ネート基板上に、第2の誘電体層428として(ZnS ) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:40nm)、第2の界面層(図示せず)として(Z rO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、記録層426としてSb 70 S 30 層、第1の誘電体層424として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:15nm)、反射層422としてAg-Pd-Cu層(厚さ:1 0nm)、透過率調整層421としてTiO 2 層(厚さ:20nm)を、順次スパッタリング法によ て積層した。使用した成膜装置、スパッタ ングターゲット、成膜条件(ガス種、圧力、 入パワー)等は実施例4の第2情報層42の形成 使用したものと同様である。

 また、基板25として、レーザビーム31を導く ための案内溝(深さ40nm、トラックピッチ0.68μm )が形成されたポリカーボネート基板(直径120m m、厚さ0.58mm)を用意した。そして、そのポリ ーボネート基板上に、反射層412としてAg-Pd-C u層(厚さ:80nm)、第1の誘電体層414として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:25nm)、記録層416としてSb 60 S 40 (厚さ:10nm)、第2の界面層(図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層418として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:60nm)を、順次スパッタリング法によ て積層した。使用した成膜装置、スパッタ ングターゲット、および成膜条件(ガス種、 力、投入パワー)等は実施例4の第1情報層41 形成で使用したものと同様である。

 その後、紫外線硬化性樹脂(アクリル系樹 脂)を基板25上の第2の誘電体層418上に、スピ コート法により塗布し、均一な樹脂層(厚さ2 0μm)を形成した。次いで、基板24上の透過率 整層421を基板25に密着させ、その後、紫外線 を基板24側から照射して樹脂を硬化させた。 の結果、接着層27を介して基板24と基板25と 、接着された。最後に、記録層416、及び記 層426の全面をレーザビームで結晶化させる 期化工程を行った。

 このようにして得られたサンプルについ 、実施例4で用いた方法と同様の方法によっ て、情報記録媒体17の第2情報層42の消去性能 信号信頼性、及び第1情報層の信号強度を測 定した。測定において、レーザビーム31の波 は405nm、対物レンズ41の開口数NAは0.65、測定 時のサンプルの線速度は22.4m/s、最短マーク は0.173μmであった。

 この結果、実施例4と同様に、記録層426の 厚さが、4~9nmの範囲であれば、第2情報層42の 去性能および信号信頼性、ならびに第1情報 層41の信号強度が良好であることがわかった

 (実施例9)
 実施例9では、図9の情報記録媒体18を作製し 、実施例5と同様に、性能を評価した。

 サンプルは以下のようにして製造した。ま 、基板24として、レーザビーム31を導くため の案内溝(深さ40nm、トラックピッチ0.68μm)が 成されたポリカーボネート基板(直径120mm、 さ0.6mm)を用意した。そのポリカーボネート 板上に、第2の誘電体層448として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:35nm)、第2の界面層(図示せず)として(Z rO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、記録層446として(Sb 0.85 S 0.15 ) 95 Ge 5 層、第2の誘電体層444として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:10nm)、反射層442としてAg-Pd-Cu層(厚さ:7 nm)、透過率調整層441としてTiO 2 層(厚さ:25nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。使用した成膜装置、スパッタリ グターゲット、および成膜条件(ガス種、圧 、投入パワー)等は、実施例5の第4情報層44 形成で使用したものと同様である。

 次に、透過率調整層441上に、紫外線硬化 樹脂(アクリル系樹脂)をスピンコート法に り塗布し、均一な樹脂層を形成した。この 脂層の上に、案内溝(深さ40nm、トラックピッ チ0.68μm)を形成した基板をかぶせて密着させ その後樹脂を硬化させた。樹脂の硬化後、 板を剥がした。その結果、レーザビーム31 導く案内溝が第3情報層43側に形成された、 さ15μmの分離層29を得た。

 その後、分離層29の上に、第2の誘電体層438 して(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:38nm)、第2の界面層(図示せず)として(Z rO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、記録層436としてSb 80 S 20 層(厚さ:4nm)、第2の誘電体層434として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:10nm)、反射層432としてAg-Pd-Cu層(厚さ:8 nm)、透過率調整層431としてTiO 2 層(厚さ:30nm)を、順次スパッタリング法によ て積層した。使用した成膜装置、スパッタ ングターゲット、および成膜条件(ガス種、 力、投入パワー)等は実施例5の第3情報層43 形成で使用したものと同様である。

 次に、透過率調整層431上に、紫外線硬化 樹脂(アクリル系樹脂)をスピンコート法に り塗布して、均一な樹脂層を形成した。こ 樹脂層の上に、案内溝(深さ40nm、トラックピ ッチ0.68μm)を形成した基板をかぶせて、密着 せ、その後樹脂を硬化させた。樹脂の硬化 、基板を剥がした。その結果、レーザビー 31を導く案内溝が第2情報層42側に形成され 、厚さ10μmの分離層28を得た。

 その後、分離層28の上に、第2の誘電体層428 して(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:40nm)、第2の界面層(図示せず)として(Z rO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、記録層426としてSb 80 S 20 層(厚さ:4nm)、第2の誘電体層424として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:10nm)、反射層422としてAg-Pd-Cu層(厚さ:8 nm)、透過率調整層421としてTiO 2 層(厚さ:30nm)を、順次スパッタリング法によ て積層した。使用した成膜装置、スパッタ ングターゲット、および成膜条件(ガス種、 力、投入パワー)等は実施例5の第2情報層42 形成で使用したものと同様である。

 また、基板25として、レーザビーム31を導く ための案内溝(深さ40nm、トラックピッチ0.68μm )が形成されたポリカーボネート基板(直径120m m、厚さ0.56mm)を用意した。そして、そのポリ ーボネート基板上に、反射層412としてAg-Pd-C u層(厚さ:80nm)、第1の誘電体層414として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:25nm)、記録層416としてSb 60 S 40 (厚さ:10nm)、第2の界面層(図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層418として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:60nm)を、順次スパッタリング法によ て積層した。使用した成膜装置、スパッタ ングターゲット、および成膜条件(ガス種、 力、投入パワー)等は実施例5の第1情報層41 形成で使用したものと同様である。

 その後、紫外線硬化性樹脂を基板25の第2 誘電体層428上に、スピンコート法により塗 し、均一な樹脂層(厚さ15μm)を形成した。こ の樹脂層の上に、基板24の透過率調整層431を 着させ、その後紫外線を基板24側から照射 て樹脂を硬化させた。それにより、接着層27 を介して基板24と基板25を接着させた。最後 、記録層416、426、436、及び446の全面をレー ビームで結晶化させる初期化工程を行った

 このようにして得られたサンプルについ 、実施例5で用いた方法と同様の方法によっ て、情報記録媒体18の第4情報層44の消去性能 よび信号信頼性、第3情報層43の信号強度、 2情報層42の信号強度、ならびに第1情報層41 信号強度を測定した。測定において、レー ビーム11の波長は405nm、対物レンズ41の開口 NAは0.65、測定時のサンプルの線速度は22.4m/s 、最短マーク長は0.173μmであった。

 この結果、実施例5と同様に、記録層446の 厚さが、2~6nmの範囲であれば、第4情報層44の 去性能および信号信頼性、第3情報層43の信 強度、第2情報層42の信号強度、ならびに第1 情報層41の信号強度が良好であることがわか た。

 実施例3、4、5、7、8及び9の結果から、情 記録媒体11から18において、記録層の厚さは 2nm~15nmの範囲内であることが好ましいことが った。即ち、SbとSとを含む記録層が、2nm~15n mの範囲内にある厚さを有すると、媒体にお て良好な性能が確保された。

 (実施例10)
 実施例4で作製した情報記録媒体と、同じ構 成の媒体を、第2情報層42に含まれる記録層426 の組成を変えて作製した。記録層426の組成は 、サンプル10-1においては、Sb 70 Sn 30 とし、サンプル10-2においては、Sb 70 Ge 30 とした。サンプル10-1および10-2において、記 層は、SbSn合金ターゲット(サンプル11-1)およ びSbGe合金ターゲット(サンプル11-2)をそれぞ 用いて、Arガス雰囲気において、圧力を0.2Pa して、DC電源を用いて、投入パワーを50Wに て行った。その他の層の材料および形成条 は、実施例4で作製したサンプルのそれらと じであった。

 サンプル10-1および10-2と比較するために 実施例4で作製したサンプル4-5を用意した。 れらのサンプルの第2情報層の透過率を測定 するために、図4に示す情報記録媒体13の第1 報層41と分離層22を有さず、基板21上に第2情 層42と透明層23のみを形成した透過率測定用 サンプルを作製し、記録層426の記録層組成と 、第2情報層42の透過率との関係を調べた。

 透過率測定用サンプルは以下のように製造 た。まず、基板21として、レーザビーム31を 導くための案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0 .32μm)が形成されたポリカーボネート基板(直 120mm、厚さ1.1mm)を用意した。基板21の上に、 透過率調整層421としてTiO 2 層(厚さ:20nm)、反射層422としてAg-Pd-Cu層(厚さ:1 0nm)、第1の誘電体層424として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:15nm)、記録層426(厚さ:8nm)、第2の界面 (図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層428として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:40nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。各層の形成条件は、実施例4で作 したサンプルのそれと同じであった。

 最後に、紫外線硬化性樹脂を第2の誘電体 層428上にスピンコート法により塗布して、均 一な樹脂層を形成した後、紫外線を照射して 樹脂を硬化させることにより、厚さ75μmの透 層23を形成した。その後、記録層426をレー ビームで結晶化させる初期化工程を行った 以上のようにして、記録層426の記録層組成 異なる透過率測定用のサンプルを製造した

 これらの透過率測定用サンプルの波長405n mにおける透過率を分光器により測定して、 定値を第2の情報層の透過率とした。透過率 、49%以上であるものは「○」と評価し、49% 満である媒体は、「×」と評価した。評価 果を表6に示す。

 本発明に相当するサンプル4-5は、第2情報 層の透過率が高く、したがって、第1情報層 信号強度も十分な大きさとなった。記録層 Sを含まないサンプル10-1および10-2は、透過 が小さく、したがって、第1情報層の信号強 は、サンプル4-5と比較して低かった。

 (実施例11)
 実施例5で作製した情報記録媒体と、同じ構 成の媒体を、第4情報層44に含まれる記録層446 の組成を変えて作製した。記録層446の組成は 、サンプル11-1においては、Sb 80 Sn 20 とし、サンプル11-2においては、Sb 80 Ge 20 とした。サンプル11-1および11-2において、記 層は、SbSn合金ターゲット(サンプル11-1)およ びSbGe合金ターゲット(サンプル11-2)をそれぞ 用いて、Arガス雰囲気において、圧力を0.2Pa して、DC電源を用いて、投入パワーを50Wに て行った。その他の層の材料および形成条 は、実施例5で作製したサンプルのそれらと じであった。

 これらのサンプルと比較するために、実 例5で作製したサンプル5-5を用意した。これ らのサンプルの第4情報層の透過率を測定す ために、図5に示す情報記録媒体14の第1、第2 、第3情報層41、42、43と分離層22、28、29を有 ず、基板21上に第4情報層44と透明層23のみを 成した透過率測定用サンプルを作製し、記 層446の記録層組成と、第4情報層44の透過率 の関係を調べた。

 透過率測定用サンプルは以下のように製造 た。まず、基板21として、レーザビーム31を 導くための案内溝(深さ20nm、トラックピッチ0 .32μm)が形成されたポリカーボネート基板(直 120mm、厚さ1.1mm)を用意した。透過率調整層44 1としてTiO 2 層(厚さ:25nm)、反射層442としてAg-Pd-Cu層(厚さ:7 nm)、第2の誘電体層444として(ZrO 2 ) 50 (In 2 O 3 ) 50 層(厚さ:10nm)、記録層446(厚さ:5nm)、第2の界面 (図示せず)として(ZrO 2 ) 50 (Cr 2 O 3 ) 50 層(厚さ:5nm)、第2の誘電体層448として(ZnS) 80 (SiO 2 ) 20 層(厚さ:35nm)を順次スパッタリング法によっ 積層した。各層の形成条件は、実施例5で作 したサンプルのそれと同じであった。

 最後に、紫外線硬化性樹脂を第2の誘電体 層448上にスピンコート法により塗布して、均 一な樹脂層を形成した後、紫外線を照射して 樹脂を硬化させることにより、厚さ65μmの透 層23を形成した。その後、記録層446をレー ビームで結晶化させる初期化工程を行った 以上のようにして、記録層446の記録層組成 異なる透過率測定用のサンプルを製造した

 これらの透過率測定用サンプルの波長405n mにおける透過率を分光器により測定して、 定値を第4の情報層の透過率とした。透過率 、68%以上であるものは「○」と評価し、68% 満である媒体は、「×」と評価した。評価 果を表7に示す。

 本発明に相当するサンプル5-5は、第4情報 層の透過率が高く、したがって、第1~第3情報 層の信号強度も十分な大きさとなった。記録 層にSを含まないサンプル11-1および11-2は、透 過率が小さく、したがって、第1~第3情報層の 信号強度は、サンプル5-5のそれらと比較して 低かった。

 (実施例12)
 実施例12では、図12に示す電気的情報記録媒 体61において、第2記録層66がない電気的情報 録媒体61を製造し、その電流の印加による 変化を確認した。

 基板62として、表面を窒化処理したSi基板を 準備し、その上に下部電極63として、Ptから り、表面積が6μm×6μmであり、厚さが0.1μmで る層を形成した。その上に、第1誘電体層64 して、(SiO 2 ) 50 (ZrO 2 ) 50 から成り、表面積が4.5μm×5μmであり、厚さが 0.01μmである層を形成した。さらに、第1記録 65として、Sb 80 S 20 から成り、表面積が5μm×5μmであり、厚さが0. 05μmである層を形成した。第2誘電体層67とし 、(SiO 2 ) 50 (ZrO 2 ) 50 から成り、表面積が4.5μm×5μmであり、厚さが 0.01μmである層を形成した。上部電極68として 、Ptから成り、表面積が5μm×5μmであり、厚さ が0.1μmである層を形成した。いずれの層もス パッタリング法により形成した。

 第1誘電体層64、及び第2誘電体層67は絶縁 であった。従って、第1記録層65に電流を流 ため、第1誘電体層64及び第2誘電体層67は、 1記録層65より小さい表面積を有するように 成し、下部電極63および上部電極68それぞれ が、第1記録層65と部分的に接するようにした 。

 その後、下部電極63、及び上部電極68に、 Auリード線をボンディングし、印加部69を介 て電気的情報記録再生装置74を電気的情報記 録媒体61に接続した。この電気的情報記録再 装置74により、下部電極63と上部電極68の間 は、パルス電源73がスイッチ71を介して接続 された。さらに、第1記録層65の相変化による 抵抗値の変化は、下部電極63と上部電極68の にスイッチ72を介して接続された抵抗測定器 70によって検出した。

 第1記録層65が非晶質相のとき、下部電極63 上部電極68の間に、図15の記録波形901を有し I c1 =5mA、t c1 =50nsの電流パルスを印加したところ、第1記録 層65が非晶質相から結晶相に転移した。また 第1記録層65が結晶相のとき、下部電極63と 部電極68の間に、図15の消去波形906を有し、I a1 =10mA、t a1 =10nsの電流パルスを印加したところ、第1記録 層65が結晶相から非晶質相に転移した。

 また、電気的相変化情報記録媒体61の繰 返し書き換え回数を測定したところ、第1誘 体層64及び第2誘電体層67を有する媒体の繰 返し書き換え回数は、第1誘電体層64及び第2 電体層67が無い媒体のそれの10倍以上であっ た。これは、第1誘電体層64、及び第2誘電体 67が、第1記録層65への下部電極63及び上部電 68からの物質移動を抑制しているためであ 。

 なお、第1記録層48を、Sb 80 S 20 以外のSb-S系材料、Sb-S-M系材料(MはSn、Bi、In、 Ge及びMnから選ばれる少なくとも一つの元素) 用いて形成しても、同様の結果が得られた

 本発明の情報記録媒体は、記録した情報 長時間保持できる性質(不揮発性)を有し、 密度の書き換え型の光ディスク等(例えば、B lu-ray Disc Rewritable(BD-RE)、DVD-RAM、DVD-RW、DVD+RW )または電気的メモリとして有用である。




 
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