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Patent Searching and Data


Title:
ISOLATED NANOSHEET AND METHOD FOR PRODUCING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175679
Kind Code:
A1
Abstract:
This isolated nanosheet is constituted of multiple pseudo-polyrotaxanes and/or polyrotaxanes resulting from first cyclic molecules being skewered together by a linear molecule piercing through openings in the molecules. The linear molecule includes a first linear molecule having, at both ends or near both ends thereof, a non-dissociating group that does not dissociate under nanosheet production conditions.

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Inventors:
ITO KOHZO (JP)
MAEDA RINA (JP)
UENUMA SHUNTARO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/008352
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 28, 2020
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO (JP)
International Classes:
C08G65/32; C08J5/18
Domestic Patent References:
WO2020013215A12020-01-16
Foreign References:
JP2017222809A2017-12-21
JP2009292727A2009-12-17
Other References:
MAEDA, RINA ET AL.: "Preprints of the 40th conference of Japanese Society for Biomaterials", JAPANESE SOCIETY FOR BIOMATERIALS, 2018, pages 253
UENUMA, SHUNTARO AND MAEDA RINA, YOKOYAMA HIDEAKI, ITO KOHZO: "Formation of Isolated Pseudo-Polyrotaxane Nanosheet Consisting of a-Cyclodextrin and Poly(ethylene glycol)", MACROMOLECULES, vol. 52, no. 10, 14 May 2019 (2019-05-14), pages 3881 - 3887, XP055736740, DOI: 10.1021/acs.macromol.9b00491
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA & PARTNERS (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175679 49 卩(:17 2020 /008352

請求の範囲

[請求項 1 ] 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接され てなる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサンを複数有して成る 単離ナノシートであって、

前記直鎖状分子は、 その両端又は該両端の近傍にナノシート作成条 件下で電離しない非電離基を有する第 1の直鎖状分子を有する、 単離 ナノシート。

[請求項 2] 前記第 1の直鎖状分子が、 前記第 1の直鎖状分子の両端から内側に

、 前記第 1の環状分子が存在しない第 1及び第 2の領域を有し、 該第 1及び第 2の領域の長さが〇. る請求項 1記載の 単離ナノシート。

[請求項 3] 前記単離ナノシートが、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によ って串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタ キサンを複数有して成るナノシートの単層から成るか、 又は前記ナノ シートを複数層有して成る請求項 1又は 2記載の単離ナノシート。

[請求項 4] 前記直鎖状分子は、 前記第 1の直鎖状分子のみから本質的になる請 求項 1〜 3のいずれか一項記載の単離ナノシート。

[請求項 5] 前記非電離基が、 イソプロピル基、 360 -ブチル基、 6「1;-ブチル基

、 ネオペンチル基、 イソペンチル基、 360 -ぺンチル基、 3 -ペンチル基 、 士6「トペンチル基、 シクロペンチル基、 ペンテン基、 ヘキシル基、 ヘキセン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン基、 ノ ニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウンデシル基、 ウンデセン 基、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラ デシル基、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン基、 ヘキ サデシル基、 へキサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 才 クタデシル基、 オクタデセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エイ コシル基、 エイコセン基、 ヘンイコシル基、 ヘンイコセン基、 テトラ コシル基、 テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基と 〇 2020/175679 50 卩(:171? 2020 /008352

それらの異性体、 4 -イソプロピルベンゼンスルホニル基、 1 -オクタン スルホニル基、 4 -ビフエニルスルホニル基、 4464 -ブチルベンゼン スルホニル基、 2 -メシチレンスルホニル基、 メタンスルホニル基、 2- ニトロベンゼンスルホニル基、 4 -ニトロベンゼンスルホニル基、 ペン タフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6-トリイソプロピルベンゼン スルホニル基、 トルエンスルホニル基、 電離していない水酸基、 へ プタフルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフルオロベンゾイル 基、 電離していないアミノ基、 電離していないカルボン酸基及びイソ バレリル基からなる群から選ばれる少なくとも 1種である請求項 1〜 4のいずれか一項記載の単離ナノシート。

[請求項 6] 単離ナノシートは、 直鎖状分子による包接を受けない第 2の環状分 子をさらに有する請求項 1〜 5のいずれか一項記載の単離ナノシート

[請求項 7] 第 2の環状分子は、 その開口部に第 1の物質を包接してなる請求項

6記載の単離ナノシート。

[請求項 8] 単離ナノシートは、 第 2の環状分子により包接されない第 2の物質 をさらに有する請求項 1〜 7のいずれか一項記載の単離ナノシート。

[請求項 9] 単離ナノシートが、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサ ンを複数有して成るナノシートを複数層有して成り、 該複数層のナノ シート間に、 前記第 2の物質をさらに有する請求項 8記載の単離ナノ シート。

[請求項 10] 第 1及び第 2の環状分子が、 シクロデキストリン、 —シクロ デキストリン、 アーシクロデキストリン、 クラウンエーテル、 ピラー アレン、 カリックスアレン、 シクロファン、 ククルビッ トウリル、 お よびこれらの誘導体からなる群から選ばれる請求項 1〜 9のいずれか _項記載の単離ナノシート。

[請求項 1 1 ] 単離ナノシートの単離ナノシートの単層の厚さが 1 0 0门 01以下で 〇 2020/175679 51 卩(:171? 2020 /008352

ある請求項 1〜 1 〇のいずれか一項記載の単離ナノシート。

[請求項 12] 請求項 1〜 1 1のいずれか一項記載の単離ナノシートであって、 接 着性を示す単離ナノシート。

[請求項 13] 請求項 1〜 1 2のいずれか一項記載の単離ナノシートを有する材料

[請求項 14] 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接され てなる擬ポリロタキサンを複数有して成る単離ナノシートの製造方法 であって、

a) 両端又は該両端の近傍にナノシート作成条件下では電離しない 非電離基を有する第 1の直鎖状分子を有する直鎖状分子を準備するエ 程;

匕) 第 1の環状分子を準備する工程;及び

〇) 前記直鎖状分子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混 合させる工程;

を有することにより、 前記単離ナノシートを得る、 上記方法。

[請求項 15] 前記〇) 工程後に、 9) 得られた単離ナノシートの _部の擬ポリロ タキサンを修飾する工程; をさらに有する請求項 1 4記載の方法。

[請求項 16] 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接され てなる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサンを複数有して成る 単離ナノシートの製造方法であって、

3’ ) 直鎖状分子を準備する工程;

匕) 第 1の環状分子を準備する工程;

, ) 前記直鎖状分子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で 混合させて、 擬ポリロタキサンを得る工程;

¢1) 前記直鎖状分子の少なくとも _部の両末端に、 ナノシート作成 条件下では、 好ましくは水又は水溶液中では電離しない非電離基を導 入し、 第 1の直鎖状分子とする工程;

ø) 前記擬ポリロタキサンの直鎖状分子及び/又は前記第 1の直鎖 〇 2020/175679 52 卩(:171? 2020 /008352

状分子の少なくとも一部の両末端に、 封鎖基を導入する工程;

干) 得られた擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサンを水又は 水溶液中で混合させる工程;

を有することにより、 前記単離ナノシートを得る、 上記方法。

[請求項 17] 前記〇 工程後に、 9) 得られた単離ナノシートの一部の擬ポリロ タキサン及び/又はポリロタキサンを修飾する工程; をさらに有する 請求項 1 6記載の方法。

[請求項 18] 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサンは、 第 1の直鎖状分子 の両端から内側に、 第 1の環状分子が存在しない第 1及び第 2の領域 を有し、 該第 1及び第 2の領域の長さが〇. 5〜 1 0 0 n mである請 求項 1 4〜 1 7のいずれか一項記載の方法。

[請求項 19] 単離ナノシートが、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサンを複数有して成るナノシ -卜の単層から成るか、 又は前記ナノシートを複数層有して成る請求 項 1 4〜 1 8のいずれか一項記載の方法。

[請求項 20] 直鎖状分子は、 第 1の直鎖状分子のみから本質的になる請求項 1 4 〜 1 9のいずれか一項記載の方法。

[請求項 21 ] 非電離基が、 イソプロピル基、 360 -ブチル基、 ブチル基、 ネ オペンチル基、 イソペンチル基、 360 -ぺンチル基、 3 -ペンチル基、 士6 「トペンチル基、 シクロペンチル基、 ペンテン基、 ヘキシル基、 ヘキ セン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン基、 ノニル 基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウンデシル基、 ウンデセン基、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラデシ ル基、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン基、 へキサデ シル基、 へキサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 オクタ デシル基、 オクタデセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エイコシ ル基、 エイコセン基、 ヘンイコシル基、 ヘンイコセン基、 テトラコシ ル基、 テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基とそれ 〇 2020/175679 53 卩(:171? 2020 /008352

らの異性体、 4 -イソプロピルベンゼンスルホニル基、 1 -オクタンスル ホニル基、 4 -ビフエニルスルホニル基、 4464 -ブチルベンゼンスル ホニル基、 2 -メシチレンスルホニル基、 メタンスルホニル基、 2 -二卜 ロベンゼンスルホニル基、 4 -ニトロベンゼンスルホニル基、 ペンタフ ルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6-トリイソプロピルベンゼンスル ホニル基、 -トルエンスルホニル基、 電離していない水酸基、 ヘプタ フルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフルオロベンゾイル基、 電離していないアミノ基、 電離していないカルボン酸基及びイソバレ リル基からなる群から選ばれる少なくとも 1種である請求項 1 4〜 2 0のいずれか一項記載の方法。

[請求項 22] 前記〇) 工程又は前記チ) 工程において、 物質をさらに混合し、 第

1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接されてな る擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサンを複数有して成るナノ シートの単層中に該物質が含まれるか、 又は前記ナノシートを複数層 有して成る複数層間に該物質が含まれる請求項 1 4〜 2 1のいずれか _項記載の方法。

[請求項 23] 前記単離ナノシートが、 直鎖状分子による包接を受けない第 2の環 状分子をさらに有する請求項 1 4〜 2 1のいずれか一項記載の方法。

[請求項 24] 第 2の環状分子は、 その開口部に前記物質を包接してなる請求項 2

3記載の方法。

[請求項 25] 修飾する工程が、 第 1の直鎖状分子の末端に第 1の置換基を導入す る工程である請求項 1 5及び 1 7〜 2 4のいずれか一項記載の方法。

[請求項 26] 修飾する工程が、 第 1の環状分子に第 2の置換基を導入する工程で ある請求項 1 5及び 1 7〜 2 5のいずれか一項記載の方法。

Description:
\¥0 2020/175679 1 卩(:17 2020 /008352 明 細 書

発明の名称 : 単離ナノシート及びその製造方法

技術分野

[0001 ] 本発明は、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 複数有する単離 ナノシート及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002] 厚みが 1 0 0 n 以下であるナノシートは、 近年、 薬剤、 触媒、 光学材料 、 電極、 生体材料などへの応用開発が進んでいる。 材料としては酸化チタン 、 窒化ボロン、 窒化炭素、 グラフエンなどが従来用いられてきた (例えば、 非特許文献 1〜 5を参照のこと) が、 これら無機材料は不純物が混入しやす く精製が困難である。 また、 生体安全性や適合性に問題があり、 薬剤や生体 材料への応用は困難であった。

[0003] 生体適合性を有する有機分子を用いてナノシ ートを合成する方法もいくつ か提案されている。 例えば、 ポリ乳酸 ( !-八) やポリジメチルシロキサン ( などを用いて形成される高分子ナノシートを 挙げることができ る。 これらの高分子ナノシートは、 高分子溶液を準備し、 該溶液を基板上に スピンコートし、 得られたシートを基板から剥離させ、 さらに得られた剥離 シートを粉砕することにより得られている (例えば非特許文献 6を参照のこ と) 。 上記の有機分子を用いるナノシートは、 薬剤や生体材料への応用が期 待できるが、 合成プロセスやフィルム成形プロセスが煩雑 である。 また、 製 造に莫大なコストがかかることが問題となっ ている。

[0004] ナノシートは、 ナノ状態として安定に存在することが困難で あり、 シート が対象物に不規則に付着するか又はシート同 士が凝集するという問題や、 そ れらを防ぐための表面の改質 ·修飾が困難という問題がある。 これらの問題 の解決も望まれている。

先行技術文献

非特許文献 [0005] 非特許文献 1 : å113门9, Sunami 6† 81. 2017, 7 (9 , 2017, 117 (9), 6225-6331. 非特許文献 3 :じ X· 6† 31., 2017, 13 (5).

非特許文献 4 : 1<〇叩, X. 81. , Chem Soc Rev 2017,46 (8), 2127-2157. 非特許文献 5 :丫8叩, 1 6† 81., Nanoscale 2015, 7 (34), 14217 -14231. 非特許文献 6 : 丫· 6† 81., Adv Mater 2013, 25 (4), 545-551. 発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] そこで、 本発明の目的は、 生体安全性や適合性に優れ、 薬剤や生体材料へ の応用も可能であり、 合成プロセスやフィルム成形プロセスが比較 的簡便な 単離ナノシートを提供することにある。

また、 本発明の追加の目的は、 上記目的に加えて、 シートが対象物に不規 則に付着せず、 かつシート同士が凝集しない単離ナノシート を提供すること にある。

[0007] さらに、 本発明の別の目的は、 上記単離ナノシートを有する材料を提供す ることにある。

また、 本発明の別の目的は、 上記単離ナノシートの製造方法を提供するこ とにある。

課題を解決するための手段

[0008] 本発明の一態様によれば、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサン 及び/又はポリロタキサンを複 数有して成る単離ナノシートであって、 前記直鎖状分子は、 その両端又は該 両端の近傍にナノシート作成条件下で電離し ない非電離基を有する第 1の直 鎖状分子を有する、 単離ナノシートが提供される。

本発明の別の態様によれば、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によっ て串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサ ンを複数有して成る単離ナノシ —卜の製造方法であって、 3) 両端又は該両端の近傍にナノシート作成条件 〇 2020/175679 3 卩(:171? 2020 /008352

下では電離しない非電離基を有する第 1の直鎖状分子を有する直鎖状分子を 準備する工程; 匕) 第 1の環状分子を準備する工程;及び〇) 前記直鎖状分 子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混合させ 工程; を有するこ とにより、 前記単離ナノシートを得る、 上記方法が提供される。

[0009] 本発明のまた別の態様によれば、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子に よって串刺し状に包接されてなる擬ポリロタ キサン及び/又はポリロタキサ ンを複数有して成る単離ナノシートの製造方 法であって、 3’ ) 直鎖状分子 を準備する工程; 匕) 第 1の環状分子を準備する工程; 〇’ ) 前記直鎖状分 子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混合させ 、 擬ポリロタキサ ンを得る工程; ¢1) 前記直鎖状分子の少なくとも _ 部の両末端に、 ナノシー 卜作成条件下では、 好ましくは水又は水溶液中では電離しない非 電離基を導 入し、 第 1の直鎖状分子とする工程; ㊀) 前記擬ポリロタキサンの直鎖状分 子及び/又は前記第 1の直鎖状分子の少なくとも一部の両末端に 封鎖基を 導入する工程; チ) 得られた擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンを 水又は水溶液中で混合させる工程; を有することにより、 前記単離ナノシー 卜を得る、 上記方法が提供される。

発明の効果

[0010] 本発明により、 生体安全性や適合性に優れ、 薬剤や生体材料への応用も可 能であり、 合成プロセスやフィルム成形プロセスが比較 的簡便であり、 コス 卜が低減されたナノシートを提供することが できる。

また、 本発明により、 上記効果に加えて、 シートが対象物に不規則に付着 せず、 かつシート同士が凝集しない単離ナノシート を提供することができる

[001 1 ] さらに、 本発明により、 上記単離ナノシートを有する材料を提供する こと ができる。

また、 本発明により、 上記単離ナノシートの製造方法を提供するこ とがで きる。

図面の簡単な説明 〇 2020/175679 4 卩(:171? 2020 /008352

[0012] [図 1]ポリマー 1 1 と環状分子 2 1 とから、 擬ポリロタキサン 3 1が形成され 、 該擬ポリロタキサン 3 1が複数凝集することにより本発明の単離ナ シー 卜 4 1が形成されることを模式的に示す図である

[図 2]単離ナノシートを構成する擬ポリロタキ ン又はポリロタキサンの第 1 の直鎖状分子が II字状に折りたたんだ状態で単離ナノシート 形成されてい ることを模式的に示す図である。

[図 3]単離ナノシートを構成する擬ポリロタキ ン又はポリロタキサンの第 1 の直鎖状分子が 4分岐鎖を有し、 該 4分岐鎖の各鎖に環状分子が包接され且 つ該 4分岐鎖の各鎖に 「環状分子フリーの領域」 が存在することを模式的に 示す図である。

[図 4]第 1の環状分子を模式的に示す図であり、 0で示す距離が、 「第 1の環 状分子の中心軸方向の厚さ」 であることを示す図である。

[図 5]実施例 1の単離ナノシート X 1の小角 X線散乱測定の結果を示す図であ る。

[図 6]実施例 2の単離ナノシート X 2の小角 X線散乱測定の結果を示す図であ る。

[図 7]実施例 3の単離ナノシート X 3の小角 X線散乱測定の結果を示す図であ る。

[図 8]比較例 1で調製した溶液の小角 X線散乱測定による構造解析結果を示す 図である。

[図 9]実施例 4の単離ナノシート X 4の小角 X線散乱測定の結果を示す図であ る。

[図 10]実施例 4の単離ナノシート X 4の走査型電子顕微鏡像を示す図である

[図 1 1]単離ナノシート X 1がシリコン基板に吸着している様子が観察 れる 実施例 5の走査型電子顕微鏡像を示す図である。

[図 12]実施例 9の複数層ナノシート X 9の走査型電子顕微鏡像を示す図であ る。 〇 2020/175679 5 卩(:171? 2020 /008352

[図 13]実施例 9の複数層ナノシート X 9の小角 X線散乱測定の結果を示す図 である。

[図 14]比較例 6で調製された溶液の小角 X線散乱測定の結果を示す図である

[図 15]比較例 6で調製された溶液中に観測されるブロック の粒子の走査型 電子顕微鏡像を す図である。

[図 16]比較例 7で調製された溶液の小角 X線散乱測定の結果を示す図である

[図 17]比較例 7で調製された溶液中に観測されるブロック の粒子の走査型 電子顕微鏡像を す図である。

[図 18]比較例 8で調製された溶液の小角 X線散乱測定の結果を示す図である

[図 19]比較例 8で調製された溶液中に観測されるブロック の粒子の走査型 電子顕微鏡像を す図である。

[図 20]実施例 1 0のナノシート X I 0の走査型電子顕微鏡像を示す図である

[図 21]実施例 1 1のナノシート X 1 1の走査型電子顕微鏡像を示す図である

[図 22]実施例 1 2のナノシート X I 2の走査型電子顕微鏡像を示す図である

[図 23] (八) 多孔膜、 (巳) 〇 「 6 - /3 -〇〇/巳〇 75 ?〇 30 巳〇 75 (5 1_ ) 及び (〇) の 3巳1\/1像

[図 24]実施例 1 4のナノシートの吸光度。

発明を実施するための形態

[0013] 以下、 本願に記載する発明を詳細に説明する。

本願は、 単離ナノシートを提供する。

本発明の単離ナノシートは、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によつ 〇 2020/175679 6 卩(:171? 2020 /008352

て串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキ サン及び/又はポリロタキサンを 複数有して成る。

本願において、 「単離ナノシート」 の 「単離」 とは、 溶液中で集合せずに 単独に存在することが可能であることを意味 する。 なお、 「単離ナノシート 」 は、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 刺し状に包接されて なる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ ンを複数有して成るナノシー 卜が単独、 即ち単層から成ってもいても、 該ナノシートが複数層から成って いてもよい。 なお、 単離ナノシート形成の確認は、 小角 X線散乱測定、 位相 差光学顕微鏡観察、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行う ことができる。 特に、 小角 X線散乱測定により、 形状因子によりシート状で あること、 具体的には形状因子がシート構造に特徴的な フリンジを示し、 底 角側に凝集による散乱強度の増大が見られな かったときに単離ナノシートで ある、 と確認することができる (例えば、 X線 光 ·中性子散乱の原理と応 用 (< 3化学専門書) を参照のこと) 。

[0014] また、 本願において、 「単離ナノシート」 の 「ナノ」 とは、 単離ナノシー 以下、 具体的には〇. 好まし しくは 5〜 2 0 〇!であることをいう。 なお、 単離ナノシートが複層からなる場合には構成 する単層のナノシートの厚さが 1 0 0 〇!以下、 具体的には〇. 5〜 1 0 0 1^ 111、 好ましくは 3〜 5 0门〇1 、 より好ましくは 5〜 2 0 n であることをいう。

本願の単離ナノシートにおいて、 単層からなるナノシートの厚さ方向は、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 長手方向、 換言すると、 直鎖 状分子の長手方向であるのがよい。 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ サンの長手方向、 直鎖状分子の長手方向が、 本願の単層からなる単離ナノシ —卜の厚さ方向であるのがよい。 なお、 後述する図 2及び図 3などに示す特 殊な場合もあるが、 この場合も、 基本的には直鎖状分子の長手方向が、 本願 の単層からなる単離ナノシートの厚さ方向と することができる。

なお、 本願において、 単離ナノシートの 「単層」 とは、 小角 X線散乱測定 〇 2020/175679 7 卩(:171? 2020 /008352

、 走査型電子顕微鏡像などにより、 一つの層からなることが観測されること を意味する。

[0015] また、 本願において、 「擬ポリロタキサン」 とは、 「ポリロタキサン」 と 比較して規定すると、 「ポリロタキサン」 が直鎖状分子の両末端に、 包接さ れる環状分子が包接状態から脱離しない作用 (封鎖作用) を有する基 (封鎖 基) を有する一方、 「擬ポリロタキサン」 はそのような 「封鎖作用を有する 基 (封鎖基) 」 を有していない点で異なる、 と規定される。 要するに、 本明 細書において、 「擬ポリロタキサン」 とは、 直鎖状分子の一方の末端だけに 上記封鎖作用を有する基 (封鎖基) を有するか、 又は直鎖状分子の両末端に 上記封鎖作用を有する基 (封鎖基) を有さないものを意味する。

[0016] 本願の単離ナノシートを形成する擬ポリロタ キサン及び/又はポリロタキ サンの直鎖状分子は、 その両端又は該両端の近傍にナノシート作成 条件下で は、 好ましくは水又は水溶液中では電離しない非 電離基を有する第 1の直鎖 状分子を有する。 なお、 鎖状ポリマーの近傍とは、 通常、 鎖状ポリマーの末 端を除き、 鎖状ポリマーの末端から 1〜 1 0個のモノマー単位、 より好まし くは 1〜 5個のモノマー単位の範囲を指す。

[0017] 単離ナノシートを構成する擬ポリロタキサン 及び/又はポリロタキサンの 直鎖状分子は、 第 1の直鎖状分子を有するか、 例えば、 第 1の直鎖状分子の みから本質的になるか、 又は第 1の直鎖状分子のみからになるのがよい。 な お、 「直鎖状分子が、 第 1の直鎖状分子のみからなる」 とは、 単離ナノシー 卜を構成する擬ポリロタキサン及び/又はポ ロタキサンの直鎖状分子とし て、 第 1の直鎖状分子以外が存在しないことを意味 る。 また、 「直鎖状分 子が、 第 1の直鎖状分子のみから本質的になる」 とは、 単離ナノシートを構 成する擬ポリロタキサン及び/又はポリロタ サンの直鎖状分子として、 第 1の直鎖状分子以外も存在するが、 その存在によって単離ナノシートの形成 には悪影響を及ぼさない程度に存在すること を意味する。

[0018] 本願において、 「非電離基」 とは、 ナノシート作成条件下では、 好ましく は水又は水溶液中では水又は水溶液中では電 離しない基をいう。 〇 2020/175679 8 卩(:171? 2020 /008352

非電離基は、 上記定義を満たしていれば特に限定されない が、 例えば、 非 電離基が、 イソプロピル基、 360 -ブチル基、 -ブチル基、 ネオペンチル基 、 イソペンチル基、 360 -ぺンチル基、 3 -ペンチル基、 6「トペンチル基、 シク ロペンチル基、 ペンテン基、 ヘキシル基、 ヘキセン基、 ヘプチル基、 ヘプテ ン基、 オクチル基、 オクテン基、 ノニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基 、 ウンデシル基、 ウンデセン基、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラデシル基、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタ デセン基、 へキサデシル基、 へキサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセ ン基、 オクタデシル基、 オクタデセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エ イコシル基、 エイコセン基、 ヘンイコシル基、 ヘンイコセン基、 テトラコシ ル基、 テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基とそれらの異 性体、 4 -イソプロピルベンゼンスルホニル基、 1 -オクタンスルホニル基、 4- ビフエニルスルホニル基、 4464 -ブチルベンゼンスルホニル基、 2 -メシチレ ンスルホニル基、 メタンスルホニル基、 2 -ニトロベンゼンスルホニル基、 4- ニトロベンゼンスルホニル基、 ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6 -トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、 -トルエンスルホニル基、 電離し ていない水酸基、 ヘプタフルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフルオ ロベンゾイル基、 電離していないアミノ基 、 電離していないカル ボン酸基 (一〇〇〇1 ~ 1)、 及びイソバレリル基からなる群から選ばれる 少なく とも 1種であるのがよい。

[0019] また、 非電離基は、 電離していない水酸基、 ヘプタフルオロブチロイル基 、 パーフルオロべンゾイル基及びイソバレリル 基からなる群から選ばれる少 なくとも 1種であるのが好ましく、 より好ましくはパーフルオロベンゾイル 基及びイソバレリル基からなる群から選ばれ る少なくとも 1種であるのがよ い。

なお、 「電離していない水酸基」 、 「電離していないアミノ基」 、 「電離 していないカルボン酸基」 の 「電離していない」 とは、 上述したとおり、 ナ ノシート作成条件下では、 好ましくは水又は水溶液中では水又は水溶液 中で 〇 2020/175679 9 卩(:171? 2020 /008352

は電離していないことを意味する。

[0020] 本願の単離ナノシートを形成する擬ポリロタ キサン及び/又はポリロタキ サンを構成する第 1の直鎖状分子は、 その両端から内側に、 第 1の環状分子 が存在しない第 1及び第 2の領域 (以下、 単に 「環状分子フリーの領域」 と 記載する場合がある) を有するのがよい。 即ち、 第 1の領域は、 第 1の直鎖 状分子の一端から内側に存在し、 第 2の領域は、 第 1の直鎖状分子の他端か ら内側に存在する。

また、 第 1及び第 2の領域の長さは、 各々独立に、 〇. 5〜 1 0 0 n m、 好ましくは より好ましくは であるのがよい。

完全な理論に基づくものではないが、 上記長さの 「環状分子フリーの領域 」 を有することが、 単離ナノシートの形成に有利に働くものと考 えられる。

[0021 ] ここで、 第 1及び第 2の領域の長さは、 次のように求めることができる。

単離ナノシートの 「単層」 の厚さは、 小角 X線散乱または原子間力顕微鏡 により求めることができる (厚さ 1:) 。 また、 第 1の直鎖状分子の伸びきり 鎖長 (!-) はゲル浸透クロマトグラフィーや核磁気共鳴 などから分子量を測 定することで求めることができる。 形成される単離ナノシートは図 1のよう な形状を有する。 ここで、 図 1は、 ポリマー 1 1 と環状分子 2 1 とから、 擬 ポリロタキサン 3 1が形成され、 擬ポリロタキサン 3 1 に包接される環状分 子 2 1が隣接する擬ポリロタキサン 3 1 に包接される環状分子 2 1 と隣接し 擬ポリロタキサン 3 1が複数凝集することにより本発明の単離ナ シート 4 1が形成されることを模式的に示す図である なお、 単離ナノシート 4 1は 、 環状分子 2 1が存在しない第 1の領域 5 1及び第 2の領域 5 2を有する。

[0022] したがって、 図 1で示す形状と得られた単離ナノシートの 「単層」 の厚さ (1) 及び伸びきり鎖長 (1_ ,) とから、 第 1の領域の長さ ( I ,) と第 2の領 域の長さ (丨 2 ) との和 (丨 , + 丨 2 ) は!- - と求められ、 第 1の領域の長さ ( I ,) と第 2の領域の長さ (丨 2 ) とが同じ長さであるとして、 第 1の領域の長 さ (丨 ,) と第 2の領域の長さ ( I 2 ) の平均値は、

I 1 = I 2 = (I -厂 1:) / 2 (なお、 以降、 「式八」 という) 〇 2020/175679 10 卩(:171? 2020 /008352

として求めることができる。

[0023] なお、 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (!_ ,) と環状分子の包接率とから単離ナ ノシートのおおよその厚さ (I’ ) を求めることができるが、 単離ナノシー 卜の厚さ 1;がおおよその厚さ 1:’ の 1 / 2程度である場合、 図 1で示す状態 ではなく、 図 2のような状態で単離ナノシートが形成され いるものと考え られる。 ここで、 図 2は、 第 1の直鎖状分子 1 2に環状分子 2 2が包接され て擬ポリロタキサン又はポリロタキサン 3 2を形成しているが、 単離ナノシ —卜を構成する擬ポリロタキサン又はポリロ タキサン 3 2は第 1の直鎖状分 子 1 2が II字状に折りたたんだ状態で単離ナノシート 4 2が形成されている ことを示す模式図である (ただし、 図 2は、 説明のため、 単離ナノシート 4 2の一部を抜粋して表している) 。 なお、 図 2においても、 単離ナノシート 4 2は、 環状分子 2 1が存在しない第 1の領域 5 3及び第 2の領域 5 4を有 する。

[0024] したがって、 単離ナノシートの厚さ Iがおおよその厚さ I’ の 1 / 2程度 である場合には、 第 1の領域の長さ (丨 ,) 及び第 2の領域の長さ ( I 2 ) は下 記式巳のように求めることができる。 即ち、 環状分子が包接されている箇所 は、 厚さ 1;の 2倍であるため、 第 1の領域の長さ (丨 ,) と第 2の領域の長さ ( I 2 ) の平均値は、

I , = I 2 = (1_「2〇 / 4 (式巳)

として求めることができる。

[0025] さらに、 単離ナノシートを構成する直鎖状分子が 4分岐鎖を有する場合、

4分岐鎖を有する第 1の直鎖状分子の各々の鎖に環状分子が包接 れて擬ポ リロタキサン又はポリロタキサンが形成され る状態、 即ち図 3で示す状態、 の、 擬ポリロタキサン又はポリロタキサンが互い に隣接することにより単離 ナノシートが形成されているものと考えられ る。 図 3は、 4分岐鎖を有する 第 1の直鎖状分子 1 3の 4分岐鎖各々に、 環状分子 2 3が包接されて擬ポリ ロタキサン又はポリロタキサン (以下、 「擬ポリロタキサン等」 と略記する 場合がる) 3 3が形成されていることを示す。 また、 図 3は、 擬ポリロタキ 〇 2020/175679 1 1 卩(:171? 2020 /008352

サン等 3 3 3に包接される環状分子 2 3 3が隣接する擬ポリロタキサン等 3 3匕に包接される環状分子 2 3匕と隣接し擬ポリロタキサン等 3 3 3 及び 3 3匕が凝集することにより本発明の単離ナノ ート 4 3が形成されること ( ただし、 図 3は、 説明のため、 単離ナノシートの一部を抜粋して表している ) 、 及び、 単離ナノシート 4 3においても環状分子 2 3が存在しない第 1の 領域 5 5及び第 2の領域 5 6を有すること、 を模式的に示す。

[0026] したがって、 n分岐鎖 (nは 3以上の整数である) を有する第 1の直鎖状 分子を用いて単離ナノシートが形成されてい る場合、 第 1の領域の長さ (丨 , ) 及び第 2の領域の長さ (丨 2 ) は下記式〇のように求めることができる。 即 ち、 〇分岐鎖を有する直鎖状分子の各鎖の伸びき り鎖長 (1_ 2 ) をゲル浸透ク ロマトグラフィーや核磁気共鳴、 静的光散乱などから分子量を測定すること で求めることができる。 门個の鎖それぞれに環状分子が包接されてい るとし 、 L 2 X nの領域が環状分子に包接される可能性があ 、 そのうち、 厚さ 1の 门倍だけが包接されている。 よって、 第 1の領域の長さ (丨 ,) と第 2の領域 の長さ (丨 2 ) の平均値は、

I 1 = I 2 = / 2 |^ = (1_ 2 - 1:) / 2 (式〇)

として求めることができる。 なお、 式〇は式八と同じであり、 n分岐鎖を有 する場合であっても式八を用いることができ ることがわかる。

[0027] ここで、 第 1の直鎖状分子の伸びきり鎖長 (!_) は、 用いる直鎖状分子の 重量平均または数平均分子量から求めること ができる。 また、 得られた単離 ナノシートからも求めることができる。 得られた単離ナノシートから第 1の 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (!-) を求めるためには、 得られた単離ナノシー 卜の擬ポリロタキサン又はポリロタキサン状 態から環状分子を外し、 第 1の 直鎖状分子を得、 その後、 得られた第 1の直鎖状分子の重量平均または数平 均分子量を求めることにより得ることができ る。

[0028] 非電離基は、 上述したように、 第 1の直鎖状分子の 「両端又は該両端の近 傍に」 「有する」 のがよく、 例えば、 後述の 「少なくとも 2つの部位」 と直 接結合されていてもスぺーサを介して間接的 に結合されていてもよい。 〇 2020/175679 12 卩(:171? 2020 /008352

本発明の単離ナノシートが、 「擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサ ン」 を 「複数有して成る」 とは、 「擬ポリロタキサン」 のみを 「複数有して 成る」 場合、 「ポリロタキサン」 のみを 「複数有して成る」 場合、 少なくと も 1種の 「擬ポリロタキサン」 と少なくとも 1種の 「ポリロタキサン」 を有 してなり、 「擬ポリロタキサン」 と 「ポリロタキサン」 との合計が 「複数」 「有して成る」 場合を意味する。

[0029] 第 1の直鎖状分子は、 少なくとも 2つの部位を備えてもよい。

本願において、 直鎖状分子及び第 1の環状分子は、 第 1の環状分子の開口 部が直鎖状分子によって串刺し状に包接する 形態を採ることができる分子で あれば、 特に限定されない。

少なくとも 2つの部位を備える第 1の直鎖状分子は、 少なくとも 3つの部 位を有してもよい。 以下、 少なくとも 3つの部位を備える第 1の直鎖状分子 を特に第 2の直鎖状分子と称する。 直鎖状分子は、 例えば少なくとも 3つの 部位を有する第 2の直鎖状分子から本質的になってもよく、 また例えば直鎖 状分子は、 少なくとも 3つの部位を有する第 2の直鎖状分子のみからなって もよい。

[0030] 少なくとも 2つの部位を有する第 1の直鎖状分子は、 少なくとも 2つのブ ロックを備えるブロックコポリマーであるの がよい。

また、 少なくとも 3つの部位を有する第 2の直鎖状分子は、 少なくとも 3 つのブロックを備えるブロックコポリマーで あるのがよい。

[0031 ] なお、 「ブロックコポリマー」 の各ブロックは、 1つの繰り返し単位のみ からなるのが好ましいが、 ある繰り返し単位と次の繰り返し単位との間 に第 1のスぺーサ基を有してもよい。

また、 「ブロックコポリマー」 の隣接するブロック間に、 第 1のスぺーサ 基と同じであっても異なってもよい第 2のスぺーサ基を有してもよい。

[0032] 第 1及び/又は第 2のスぺーサ基として、 例えば、 炭素数 1〜 2 0の直鎖 又は分岐鎖のアルキル基、 例えばメチレン基、 エチレン基、 プロピレン基、 プチレン基、 ペンチレン基 (一部、 フエニル基などの芳香族環で置換されて 〇 2020/175679 13 卩(:171? 2020 /008352

もよい) ; 炭素数 1〜 2 0の直鎖又は分岐鎖のエーテル類; 炭素数 1〜 2 0 の直鎖又は分岐鎖のエステル類;炭素数 6〜 2 4の芳香族基、 例えばフエニ ル基などを挙げることができるが、 これらに限定されない。

[0033] 第 1の環状分子は、 少なくとも 2つの部位を備える第 1の直鎖状分子の、 該少なくとも 2つの部位のうちの 1つの部位に包接されてもよい。 なお、 少 なくとも 2つの部位を備える第 1の直鎖状分子が、 少なくとも 3つの部位を 有する第 2の直鎖状分子を有するか、 該第 2の直鎖状分子から本質的になる か、 又は該第 2の直鎖状分子のみからなる場合、 第 1の環状分子は、 第 2の 直鎖状分子の、 該少なくとも 3つの部位のうちの 1つの部位に包接されてな ってもよい。 なお、 直鎖状分子、 及び/又は、 第 1及び/又は第 2の直鎖状 分子がブロックコポリマーである場合、 第 1の環状分子は、 ある 「ブロック 」 に包接されてなってもよい。

[0034] 第 1の環状分子が直鎖状分子に包接される部位 例えば第 1の直鎖状分子 の少なくとも 2つの部位のうちの 1つの部位、 第 2の直鎖状分子の少なくと も 3つの部位のうちの 1つの部位、 ブロックコポリマーのある 「ブロック」 は、 その鎖長が、 第 1の環状分子の厚さよりも長いのがよい。 ここで、 第 1 の環状分子の厚さとは、 より正確には、 第 1の環状分子の中心軸方向の厚さ である。 ここで、 「第 1の環状分子の中心軸方向の厚さ」 について、 図を用 いて説明する。 図 4は、 第 1の環状分子を模式的に示す図である。 図 4にお いて、 口で示す距離が、 「第 1の環状分子の中心軸方向の厚さ」 である。 第 1の環状分子が直鎖状分子に包接される部位 例えば第 1の直鎖状分子 の少なくとも 2つの部位のうちの 1つの部位、 第 2の直鎖状分子の少なくと も 3つの部位のうちの 1つの部位、 及び/又は、 ブロックコポリマーのある 「ブロック」 は、 その鎖長が、 第 1の環状分子の中心軸方向の厚さの 2倍以 上、 好ましくは 5倍、 より好ましくは 1 4倍であるのがよい。

[0035] 本願において、 直鎖状分子は、 上述したとおり、 第 1の環状分子の開口部 が直鎖状分子によって串刺し状に包接する形 態を採ることができる直鎖状の 分子であれば、 特に限定されない。 〇 2020/175679 14 卩(:171? 2020 /008352

[0036] 直鎖状分子の骨格として、 例えば少なくとも 2つ又は少なくとも 3つの部 位を形成する骨格として、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリ ドン、 ポリ (メタ) アクリル酸、 セルロース系樹脂 (カルボキシメチルセルロース 、 ヒドロキシェチルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース等) 、 ポリ アクリルアミ ド、 ポリェチレンオキサイ ド、 ポリェチレングリコール、 ポリ プロピレングリコール、 ポリビニルアセタール系樹脂、 ポリビニルメチルェ —テル、 ポリアミン、 ポリェチレンイミン、 カゼイン、 ゼラチン、 でんぷん 等及び/またはこれらの共重合体、 ポリェチレン、 ポリプロピレン、 および その他オレフィン系単量体との共重合樹脂な どのポリオレフィン系樹脂、 ポ リェステル樹脂、 ポリ塩化ビニル樹脂、 ポリスチレンやアクリロニトリルー スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂 、 ポリメチルメタクリレートや (メタ) アクリル酸ェステル共重合体、 アクリロニトリルーメチルアクリレ —卜共重合樹脂などのアクリル系樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 ポリウレタ ン樹脂、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合樹脂、 ポリビニルプチラール樹脂等 ;及びこれらの誘導体又は変性体、 ポリイソプチレン、 ポリテトラヒドロフ ラン、 ポリアニリン、 アクリロニトリルーブタジェンースチレン共 重合体 ( 八巳 3樹脂) 、 ナイロンなどのポリアミ ド類、 ポリイミ ド類、 ポリイソプレ ン、 ポリブタジェンなどのポリジェン類、 ポリジメチルシロキサンなどのポ リシロキサン類、 ポリスルホン類、 ポリイミン類、 ポリ無水酢酸類、 ポリ尿 素類、 ポリスルフィ ド類、 ポリフォスファゼン類、 ポリケトン類、 ポリフェ ニレン類、 ポリハロオレフィン類、 並びにこれらの誘導体からなる群から選 ばれるのがよい。 例えばポリェチレングリコール、 ポリイソプレン、 ポリイ ソプチレン、 ポリブタジェン、 ポリプロピレングリコール、 ポリテトラヒド ロフラン、 ポリジメチルシロキサン、 ポリェチレン、 ポリプロピレン、 ポリ ビニルアルコール及びポリビニルメチルェー テルからなる群から選ばれるの がよい。 特にポリェチレングリコール、 ポリプロピレングリコールであるの がよい。 単離ナノシート中の直鎖状分子は、 1種類であってもよいし、 2種 類以上であってもよい。 [0037] 直鎖状分子は、 例えば少なくとも 2つ又は少なくとも 3つの部位を有する 場合、 直鎖状分子自体の重量平均分子量が 500〜 500000、 好ましく は 1 000〜 20000、 より好ましくは 6000〜 1 6000であるのが よい。 なお、 直鎖状分子の重量平均分子量は、 ゲル浸透クロマトグラフィー (Gel Permeation Chromatography、 G PC) で測定することができる。 G P Cの測定条件は、 直鎖状分子の種類にも依るが、 溶離液やカラムの種類、 温 度、 標準物質、 流速を適切に選択するのがよい。

[0038] また、 直鎖状分子は、 水溶性直鎖状分子であるのが好ましい。 水溶性直鎖 状分子は、 水溶性、 例えば水 1 Lに 1 g溶解することが可能という特性を有 するのであれば、 特に限定されない。

[0039] 水溶性直鎖状分子の骨格として、 例えば少なくとも 2つ又は少なくとも 3 つの部位を形成する骨格として、 ポリエチレングリコール、 ポリプロピレン グリコール、 ポリビニルアルコール、 ポリエチレンイミン、 ポリアクリル酸 、 ポリメタクリル酸、 ポリアクリルアミ ド、 プルラン、 ヒドロキシプロピル セルロース等の水溶性セルロース誘導体、 ポリビニルピロリ ドン、 ポリぺプ チド、 及びポリエチレングリコールを含む共重合体 を挙げることができるが 、 これに限定されない。

[0040] 即ち、 水溶性直鎖状分子は、 上記に挙げたポリマー種からなる群から選ば れる少なくとも 1種、 好ましくはポリエチレングリコール、 ポリプロピレン グリコール、 ポリビニルアルコール、 ポリエチレンイミン、 及びポリエチレ ングリコールを含む共重合体からなる群から 選ばれる少なくとも 1種、 より 好ましくはポリエチレングリコール及びポリ プロピレングリコールからなる 群から選ばれる少なくとも 1種であるのがよい。

水溶性直鎖状分子の分子量 (数平均分子量又は重量平均分子量) は、 特に 限定されないが、 500〜 500000、 好ましくは 1 000〜 50000 、 より好ましくは 2000〜 20000であるのがよい。

[0041] 本願において、 第 1の環状分子は、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子 によって串刺し状に包接する形態を採ること ができる分子であり、 上述した 〇 2020/175679 16 卩(:171? 2020 /008352

ように、 例えば第 1の直鎖状分子の少なくとも 2つの部位のうちの 1つの部 位、 第 2の直鎖状分子の少なくとも 3つの部位のうちの 1つの部位、 ブロッ クコポリマーのある 「ブロック」 に包接する形態を採ることができる分子で あれば、 特に限定されない。

[0042] 第 1の環状分子として、 例えば、 シクロデキストリン (以降、 本明細 書において、 「シクロデキストリン」 を単に 「〇〇」 と表す場合がある) 、

/3 -シクロデキストリン、 アーシクロデキストリン、 クラウンエーテル、 ピ ラーアレン、 カリックスアレン、 シクロファン、 ククルビッ トウリル、 およ びこれらの誘導体などを挙げることができる がこれらに限定されない。 なお 、 誘導体として、 メチル化 シクロデキストリン、 メチル化/ 3—シクロデ キストリン、 メチル化· シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化 シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化/ 3 -シクロデキストリン、 ヒド ロキシプロピル化· ^ -シクロデキストリンなどを挙げることがで るがこれ らに限定されない。 単離ナノシート中の第 1の環状分子は、 1種類であって もよいし、 2種類以上であってもよい。

[0043] «包接率》

本願において、 包接率とは、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン に含まれる環状分子の割合をいう。

また、 規定包接率とは、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 用 いた直鎖状分子及び第 1の環状分子から算術的に規定される包接率 いい、 具体的には上述の直鎖状分子の長さと上述の 第 1の環状分子の厚みから規定 される。

[0044] 具体的に規定包接率を説明する。

直鎖状分子として、 ポリエチレングリコールを用い、 環状分子として 〇口を用いる場合を考慮する。

ポリエチレングリコールの繰り返し単位 2つ分が《 -〇 0の厚さと同じで あることが分子モデル計算から知られている 。 したがって、 のモル と繰り返し単位の数との比が 1 : 2のときを規定包接率 1 0 0 %とする。 〇 2020/175679 17 卩(:171? 2020 /008352

[0045] 得られる擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンに含まれる環状分子 の割合、 即ち包接率は、 得られたナノシート分散液の小角 X線散乱 (3八乂 3) 測定により求めることができる。

具体的には、 得られる擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンの分散 液の 3八 X 3の一次元プロファイルを、 シート状構造を仮定した式を用いた フィッティングにより求めたシートの厚さ、 および鎖状分子のトランス伸び 切り鎖長の比により求めることができる。

[0046] このようにすることにより、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン の包接率を求めることができる。

本願において、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 包接率は、 規定包接率を 1 0 0 %とするとき、 1〜 1 0 0 %、 好ましくは 5〜 1 0 0 % 、 より好ましくは 1 0〜 1 0 0 %、 最も好ましくは 2 0〜 1 0 0 %であるの がよい。

[0047] 本願において、 直鎖状分子が、 巳◦からなる部位一 ◦からなる部位 — 巳◦からなる部位:で表される構成を有する コポリマーであり、 第 1の 環状分子が —シクロデキストリン又は· ^ _シクロデキストリン、 好ましく は/ 3 -シクロデキストリンである場合であっても い。

さらに、 本願において、 直鎖状分子が、 巳◦からなる部位:で表される 構成のみからなるポリマーであり、 非電離基がカルボン酸基又はアミノ基、 第 1の環状分子が シクロデキストリンであるのがよい。

[0048] 本願の単離ナノシートは、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 複数有して成るが、 単離ナノシートとしての構成を維持できる限 り、 上述の 「擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサ 」 以外の成分を有してもよい

[0049] そのような成分として、 第 1の環状分子と同じであっても異なってもよ 第 2の環状分子、 第 2の環状分子の開口部に包接することができ 第 1の物 質、 第 1の物質とは異なる、 第 2の環状分子とは包接状態とはなることがで きない第 2の物質、 本発明の 「特定」 の擬ポリロタキサン及び/又はポリロ 〇 2020/175679 18 卩(:171? 2020 /008352

タキサン以外の擬ポリロタキサン及び/又 ポリロタキサンを挙げることが できるがこれらに限定されない。

[0050] これらの 「擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサ 」 以外の成分は、 単層としての単離ナノシート中に、 及び/又は複数層としての単離ナノシー 卜中に、 有してもよい。 なお、 複数層としての単離ナノシート中に有する場 合、 複数層を形成する各単層の単離ナノシート中 に有しても、 複数層の層間 に有してもよい。

[0051 ] 第 2の環状分子として、 例えば第 1の環状分子として挙げたものを挙げる ことができるがこれらに限定されない。

[0052] 第 1の物質は、 本発明の単離ナノシートの適用分野、 応用分野に依存し、 例えば、 ヒドロコルチゾン、 フェニトイン、 ナプロキセン、 アデニンアラビ ノシド、 アデノシン、 イブプロフェン、 ヒドロクロロチアジド、 アセチルサ リチル酸、 サリチル酸メチル、 アダマンタン、 アゾベンゼン、 アントラセン 、 ピレン、 ポリフェニレンビニレン、 ポリアニリン、 口ーダミン、 ナイルレ ッ ドなどを挙げることができるがこれらに限定 されない。

[0053] 第 2の物質は、 本発明の単離ナノシートの適用分野、 応用分野に依存して 選択することができ、 例えば、 ポリスチレン、 ポリビニルピリジン、 ポリピ リジン、 ポリフェニレン、 ポリアクリルアミ ド、 ポリアクリル酸、 ポリメタ クリル酸、 ポリビニルアルコール、 ポリアミ ド、 ポリエステル、 ポリイミ ド 、 ポリべンゾオキサゾール、 ポリ塩化ビニル、 ポリプロピレン、 ポリシラン 、 ポリシロキサン類など環状分子と包接錯体を 形成しない高分子材料; 口 八、 タンパク質、 ポリベプチドなどの生体高分子および生体分 子;シリカナ ノ粒子、 酸化チタンナノ粒子、 シリコンナノ粒子などの無機ナノ材料; フラ —レン、 力ーボンナノチューブ、 グラフェン、 グラファイ ト、 力ーボン量子 ドッ トなどの力ーボン材料;金ナノ粒子、 ベロブスカイ ト量子ドッ ト、 〇 3 6 3 / n 3量子ドッ ト、 酸化鉄ナノ粒子などの金属ナノ材料;などを 挙 げることができるがこれらに限定されない。

[0054] また、 本発明の単離ナノシートは、 シクロデキストリンやポリエチレング 〇 2020/175679 19 卩(:171? 2020 /008352

リコールなど生体安全性や生体適合性の高 い分子から構成できるため、 生体 内で利用するのに適している。

本発明の単離ナノシートは、 例えば、 ドラッグデリバリ用材料 (例えば、 ドラッグデリバリのビヒクル) 、 生体イメージング、 表面改質剤、 接着剤、 創傷部位癒着防止剤、 ヘアケア材、 コーティング材料、 マウスウォッシユな どの口腔ケア材料、 サプリメント用基剤、 細胞や藻類などの凝集制御材料、 酸素バリア性材料、 保湿剤、 紫外線防御性材料、 臭気防止材料等として用い ることができるが、 これらに限定されない。

[0055] また、 本発明は、 上述の単離ナノシートを有する材料も提供す る。 そのよ うな材料は、 本発明の単離ナノシートの適用分野、 応用分野に依存し、 例え ば、 構造材料、 人工生体代替材料、 パッケージ材料、 ゴム材料、 ヘアケア材 料、 コーティング材料、 塗料、 マウスウォッシユなどの口腔ケア材料、 接着 剤、 サプリメント用基剤、 高機能飲料、 凝集制御材料、 酸素バリア性材料、 保湿剤、 紫外線防御性材料、 臭気防止材料などを挙げることができるが、 こ れらに限定されない。

[0056] 本発明は、 上述の単離ナノシートの製造方法丨及び丨 丨 を提供する。

<製造方法丨>

本願において、 該製造方法丨 は、

a) 両端又はその近傍にナノシート作成条件下で は、 好ましくは水又は水 溶液中では電離しない非電離基を有する第 1の直鎖状分子を有する直鎖状分 子を準備する工程;

匕) 第 1の環状分子を準備する工程;及び

〇) 前記直鎖状分子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混合させ る工程;

を有することにより、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 刺し 状に包接されてなる擬ポリロタキサンを複数 有して成る単離ナノシートを得 ることができる。

なお、 「第 1の直鎖状分子」 、 「非電離基」 、 「第 1の環状分子」 は上述 〇 2020/175679 20 卩(:171? 2020 /008352

したとおりである。 例えば、 「第 1の直鎖状分子」 は 「少なくとも 2つの部 位を備える」 こととしてもよく、 「少なくとも 3つの部位を備える第 2の直 鎖状分子」 などを用いてもよいことは、 上述したとおりである。

[0057] <工程 3) >

工程 3) は、 両端又はその近傍にナノシート作成条件下で は、 好ましくは 水又は水溶液中では電離しない非電離基を有 する第 1の直鎖状分子を有する 直鎖状分子を準備する工程である。

ここで、 直鎖状分子は、 市販のものを購入しても、 調製してもよい。 なお 、 上述したとおり、 「少なくとも 2つの部位を備える」 「直鎖状分子」 を用 いてもよい。 「少なくとも 2つの部位を備える」 「直鎖状分子」 を調製する 場合、 以下の文献 1〜 4などに記載されている方法により得ること できる 文献 1 : H丨 11|11 6「, 1 八· 81. 1996,29 (22), 6994-7

002.

6† 3し, 1991,27 (9), 901-905.

丄 6† 81. 2007,40 (3), 518-525. 1. 2009,45 (3), 899-910.

[0058] また、 「両端又はその近傍にナノシート作成条件下 では、 好ましくは水又 は水溶液中では電離しない非電離基を有する 第 1の直鎖状分子」 は、 上述の 「直鎖状分子」 と同様に、 市販のものを購入しても、 調製してもよい。

調製する場合、 上述の 「直鎖状分子」 の両端又はその近傍に、 非電離基を 導入する工程を設けるのがよい。

[0059] 非電離基を導入する工程として、 従来公知の手法を用いることができ、 例 えば 01\/1丁/1\/11\/1 (4-(4, 6 -ジメ トキシ -1,3, 5 -トリアジン- 2 -イル)- 4 -メチル モルホリニウムクロリ ド) 、 000 -ジシクロヘキシルカルボジイミ ド

) 、 º 00 (1-(3 -ジメチルアミノプロピル)- 3 -エチルカルボジイミ ド) 、 巳 09 (ベンゾトリアゾール- 1 -イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニ ム塩) 、 9 y BO P ((ベンゾトリアゾール- 1 -イルオキシ)トリピロリジノホ 〇 2020/175679 21 卩(:171? 2020 /008352

スホニウムヘキサフルオロホスファート) 、 (0-(7 -アザベンゾトリ アゾール- 1 -イル)- , 1\1' -テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホ ファート) などの縮合剤を用いたエステル化、 アミ ド化などの縮合反応、 求 核置換反応、 付加反応を挙げることができるがこれに限定 されない。

[0060] <工程匕) >

工程匕) は、 第 1の環状分子を準備する工程である。

この工程は、 市販の環状分子を購入しても、 調製してもよい。 誘導体を調 製する場合、 例えば、 文献 5 : 1^3门, 八. (¾. 6† 31. , 1998, 98 (5) , 1977-1996などに記載されている方法により得る ことができる。

なお、 工程匕) は、 工程〇) よりも前に設ければよい。 即ち、 工程匕) は 、 工程 3) の後に設ける必要はなく、 工程 3) と匕) とは別途に行うことが できる。

[0061 ] <工程〇) >

工程〇) は、 直鎖状分子と第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混合させ る工程である。

水又は水溶液として、 第 1の環状分子、 直鎖状分子の少なくともどちらか 一方が溶解する溶媒であれば、 特に限定されない。

工程〇) で用いる水又は水溶液として、 具体的には、 純水、 アルコール水 溶液、 酸水溶液、 アルカリ水溶液、 緩衝液、 培養液、 血漿などを挙げること ができるが、 これらに限定されない。

上記工程 8) 〜〇) を有することにより、 上述の単離ナノシートを得るこ とができる。

[0062] なお、 上述の製造方法において、 上記工程 3) 〜〇) 以外の工程を有して もよい。

例えば、 上記工程 3) 〜〇) 以外の工程として、 工程 3) 前に設ける、 上述 した 「少なくとも 2つの部位を備える」 「直鎖状分子」 の調製工程、 工程 ) 後の設ける単離ナノシートの精製工程、 工程 3) 前に設けてもよい環状分 子と第 1の物質との包接や擬ポリロタキサンまたは リロタキサンの合成を 〇 2020/175679 22 卩(:171? 2020 /008352

挙げることができるが、 これらに限定されない。

また、 単離ナノシートが、 上述の、 第 2の環状分子、 第 1の物質、 第 2の 物質を有する場合、 本発明の製造方法は、 該第 2の環状分子、 第 1の物質、 第 2の物質を単離ナノシートへ導入するための 程を有してもよい。

[0063] さらに、 〇) 工程後に、 9) 得られた単離ナノシートの一部の擬ポリロタ キサンを修飾する工程; をさらに有するのがよい。

該修飾工程は、 第 1の直鎖状分子に、 例えば第 1の直鎖状分子の末端に、 第 1の置換基を導入する工程であってもよい。 なお、 第 1の置換基は、 単離 ナノシートが得られる限り、 第 1の環状分子が脱離しないように封鎖する作 用を有する封鎖基であっても、 非電離基及び/又は電離基の作用を有する基 であっても、 その他の作用を有する基であってもよい。 第 1の置換基は、 そ れらの作用のいかなる組合せを有していても よく、 全ての作用を奏するもの であつてもよい。

[0064] 例えば、 封鎖する作用を有し、 且つ非電離基の作用を有する基として、 ァ ダマンタン基、 ネオペンチル基、 イソペンチル基、 360 -ぺンチル基、 3 -ペン チル基、 6「トペンチル基、 シクロペンチル基、 ペンテン基、 ヘキシル基、 へ キセン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン基、 ノニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウンデシル基、 ウンデセン基、 ドデシル基 、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラデシル基、 テトラデセ ン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン基、 へキサデシル基、 へキサデセン基 、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 オクタデシル基、 オクタデセン基、 ノ ナデシル基、 ノナデセン基、 エイコシル基、 エイコセン基、 ヘンイコシル基 、 ヘンイコセン基、 テトラコシル基、 テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基とそれらの異性体を挙げる ことができるがこれらに限定さ れない。

[0065] 電離基の作用を有する基として、 葉酸、 ピオチン、 フルオレセイン、

0 , 0 3などのオリゴペプチド、 リツキシマブ、 べバシズマブ、 トシ リズマブ、 インフリキシマブなどのモノクローナル抗体 由来の基を導入して 〇 2020/175679 23 卩(:171? 2020 /008352

もよい。 例えば葉酸由来の基を導入する場合、 得られた単離シート及び葉酸 を、 縮合剤、 例えば口1\/1丁/1\/1 1\/1 (4-(4, 6 -ジメ トキシ -1 , 3, 5 -トリアジン- 2- イル)- 4 -メチルモルホリニウムクロリ ド) 、 0 0 0 -ジシクロヘキシル カルボジイミ ド) 、 º 0 0 (1 -(3 -ジメチルアミノプロピル)- 3 -エチルカルボ ジイミ ド) 、 3 0 9 (ベンゾトリアゾール- 1 -イルオキシ-トリスジメチルア ミノホスホニウム塩) 、 9 y B O P ((ベンゾトリアゾール- 1 -イルオキシ)卜 リピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホ スファート) 、 (0-(7 - アザベンゾトリアゾール- 1 -イル)- , 1\1' -テトラメチルウロニウムヘキ サフルオロホスファート) の存在下で反応させることにより、 行うことがで きる。

[0066] 該修飾工程は、 単離ナノシートが得られる限り、 第 1 の環状分子に第 2の 置換基を導入する工程であつてもよい。

なお、 第 2の置換基は、 一〇 基、 X基、

_ 5基からなる群から選ばれる非イオン性基で 換され、

前記 は炭素数 1〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、 少なくとも 1個のエーテル基を含む炭素数 2〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基 、 炭素数 3〜 1 2の環状アルキル基、 炭素数 2〜 1 2の環状アルキルエーテ ル基、 炭素数 2〜 1 2の環状アルキルチオエーテル基であり、

前記 1は炭素数 1〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基から水 が 1つ除かれた基、 少なくとも 1個のエーテル基を含む炭素数 2〜 1 2の直鎖 状又は分岐鎖状のアルキル基から水素が 1つ除かれた基、 炭素数 3〜 1 2の 環状アルキル基から水素が 1つ除かれた基、 炭素数 2〜 1 2の環状アルキル エーテル基から水素が 1つ除かれた基、 又は炭素数 2〜 1 2の環状アルキル チオエーテル基から水素が 1つ除かれた基であり、 Xは〇1 ~ 1、 又は 3 1 ~ 1であり、

前記 2は炭素数 1〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、 少なくと も 1個のエーテル基を含む炭素数 2〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル 〇 2020/175679 24 卩(:171? 2020 /008352

基、 炭素数 3〜 1 2の環状アルキル基、 炭素数 2〜 1 2の環状アルキルエー テル基、 又は炭素数 2〜 1 2の環状アルキルチオエーテル基であり、 前記 3は炭素数 1〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、 少なくと も 1個のエーテル基を含む炭素数 2〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル 基、 炭素数 3〜 1 2の環状アルキル基、 炭素数 2〜 1 2の環状アルキルエー テル基、 又は炭素数 2〜 1 2の環状アルキルチオエーテル基であり、 前記 4は炭素数 1〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、 少なくと も 1個のエーテル基を含む炭素数 2〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル 基、 炭素数 3〜 1 2の環状アルキル基、 炭素数 2〜 1 2の環状アルキルエー テル基、 又は炭素数 2〜 1 2の環状アルキルチオエーテル基であり、 前記 5は炭素数 1〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、 少なくと も 1個のエーテル基を含む炭素数 2〜 1 2の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル 基、 炭素数 3〜 1 2の環状アルキル基、 炭素数 2〜 1 2の環状アルキルエー テル基、 又は炭素数 2〜 1 2の環状アルキルチオエーテル基を挙げるこ が できるがこれらに限定されない。

[0067] <製造方法 I I >

本願の、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 複数有して成る単 離ナノシートは、 次の製造方法により得ることができる。

即ち、

3’ ) 直鎖状分子を準備する工程;

匕) 第 1の環状分子を準備する工程;

, ) 前記直鎖状分子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混合さ せて、 擬ポリロタキサンを得る工程;

¢0 前記直鎖状分子の少なくとも一部の両末端に 、 ナノシート作成条件下 では、 好ましくは水又は水溶液中では電離しない非 電離基を導入し、 第 1の 直鎖状分子とする工程;

6) 前記擬ポリロタキサンの直鎖状分子及び/又 前記第 1の直鎖状分子 の少なくとも一部の両末端に、 封鎖基を導入する工程; 〇 2020/175679 25 卩(:171? 2020 /008352

干) 得られた擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンを水又は水溶液 中で混合させる工程;

有することにより、 上記単離ナノシートを得ることができる。

[0068] ここで、 工程 3’ ) は、 上記工程 3) で述べた 「直鎖状分子」 を用いるこ とができる。

工程匕) 工程は、 上述の 「工程匕) 」 と同じである。

工程〇’ ) は、 上記工程〇) と同様に、 直鎖状分子と第 1の環状分子とを 水又は水溶液中で混合させる工程であり、 且つそれにより擬ポリロタキサン を得る工程である。

水又は水溶液として、 工程〇) で述べたとおり、 第 1の環状分子、 直鎖状 分子の少なくともどちらか—方が溶解する溶 媒であれば、 特に限定されない

工程〇) で用いる水又は水溶液として、 具体的には、 純水、 アルコール水 溶液、 酸水溶液、 アルカリ水溶液、 緩衝液、 培養液、 血漿などを挙げること ができるが、 これらに限定されない。

[0069] 工程 ¢0 は、 直鎖状分子の少なくとも一部の両末端に、 ナノシート作成条 件下では、 好ましくは水又は水溶液中では電離しない非 電離基を導入し、 第 1の直鎖状分子とする工程である。

非電離基を導入する方法として、 上記工程 3) で述べた方法を挙げること ができるが、 それに限定されない。

[0070] 工程 6) は、 いわゆる封鎖基を導入する工程であり、 封鎖基を導入するこ とにより、 擬ポリロタキサンの少なくとも一部をポリロ タキサンとする工程 である。

該工程は、 従来公知の手法を用いることができ、 例えば 「3(^ 61 3し N3 1 992, 356, 325-327に記載される工程を挙げることができ 。

また、 封鎖基についても、 従来公知のポリロタキサンに用いることがで き る封鎖基を挙げることができる。 例えば I 01^(^ 61 3し 」 ?〇 [ ^. 八:

?〇 ^. 6111, 2000, 38, 4839-4849に記載される封鎖基を挙げることがで き \¥0 2020/175679 26 卩(:17 2020 /008352

る。

[0071 ] また、 本発明は以下の構成を採用することもできる 。

< 1> 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 刺し状に包接さ れてなる擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンを複数有して成る単離 ナノシートであって、

前記直鎖状分子は、 その両端又は該両端の近傍にナノシート作成 条件下で は、 好ましくは水又は水溶液中では電離しない非 電離基を有する第 1の直鎖 状分子を有する、 単離ナノシート。

<2> 上記< 1>において、 第 1の直鎖状分子が、 第 1の直鎖状分子の 両端から内側に、 前記第 1の環状分子が存在しない第 1及び第 2の領域を有 し、 該第 1及び第 2の領域の長さが〇. 好ましくは 1〜 7 より好ましくは 1〜 5 0 〇!であるのがよい。

[0072] <3> 上記< 1>又は<2>において、 単離ナノシートが、 第 1の環状 分子の開口部が直鎖状分子によって串刺し状 に包接されてなる擬ポリロタキ サン及び/又はポリロタキサンを複数有して るナノシートの単層から成る か、 又は前記ナノシートを複数層有して成る。

<4> 上記< 1>〜<3>のいずれにおいて、 直鎖状分子は、 第 1の直 鎖状分子のみから本質的になる。

[0073] <5> 上記< 1>〜<4>のいずれかにおいて、 非電離基が、 イソプロ ピル基、 360 -ブチル基、 -ブチル基、 ヘキシル基、 ネオペンチル基、 イソ ペンチル基、 360 -ぺンチル基、 3 -ペンチル基、 te r t-ペンチル基、 シクロペン チル基、 ペンテン基、 ヘキシル基、 ヘキセン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン基、 ノニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウン デシル基、 ウンデセン基、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデ セン基、 テトラデシル基、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン 基、 へキサデシル基、 へキサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 オクタデシル基、 オクタデセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エイコシ ル基、 エイコセン基、 ヘンイコシル基、 ヘンイコセン基、 テトラコシル基、 〇 2020/175679 27 卩(:171? 2020 /008352

テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基とそれらの異性体、 4 -イソプロピルベンゼンスルホニル基、 1 -オクタンスルホニル基、 4 -ビフエニ ルスルホニル基、 4464 -ブチルベンゼンスルホニル基、 2 -メシチレンスルホ ニル基、 メタンスルホニル基、 2 -ニトロベンゼンスルホニル基、 4 -ニトロべ ンゼンスルホニル基、 ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6 -トリイ ソプロピルベンゼンスルホニル基、 -トルエンスルホニル基、 電離していな い水酸基、 ヘプタフルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフルオロベン ゾイル基、 電離していないアミノ基、 電離していないカルボン酸基及びイソ バレリル基からなる群から選ばれる少なくと も 1種であるのがよい。 また、 非電離基は、 電離していない水酸基、 ヘプタフルオロブチロイル基、 パーフ ルオロベンゾイル基及びイソバレリル基から なる群から選ばれる少なくとも 1種であるのが好ましく、 より好ましくはパーフルオロベンゾイル基及 びイ ソバレリル基からなる群から選ばれる少なく とも 1種である。

[0074] <6> 上記< 1>〜< 5>のいずれかにおいて、 第 1の直鎖状分子は、 少なくとも 2つの部位である 2つのブロックを備えるブロックコポリマー ある。

<7> 上記< 1>〜<5>のいずれかにおいて、 第 1の直鎖状分子は、 少なくとも 3つの部位である 3つのブロックを備えるブロックコポリマー ある。

[0075] <8> 上記<6>又は<7>において、 第 1の環状分子が、 少なくとも

2つの部位のうちの 1つの部位、 又は前記少なくとも 3つの部位のうちの 1 つの部位に包接されてなるの。

<9> 上記<6>〜<8>のいずれかにおいて、 少なくとも 2つの部位 、 又は少なくとも 3つの部位が、 それぞれ少なくとも 2つのブロックを備え るか、 又は少なくとも 3つのブロックを備えるブロックコポリマー 来であ る。

[0076] < 1 0> 上記<9>において、 少なくとも 3つのブロックが、 ポリエチ レングリコール ( 巳〇) からなる部位、 及びポリプロピレングリコール ( 〇 2020/175679 28 卩(:171? 2020 /008352

〇) からなる部位から形成される。

< 1 1 > 上記 <1 >~<1 0>のいずれかにおいて、 単離ナノシートは 、 直鎖状分子による包接を受けない第 2の環状分子をさらに有する。

<1 2> 上記 <1 1 >において、 第 2の環状分子は、 その開口部に第 1 の物質を包接してなる。

[0077] < 1 3> 上記 < 1 >~< 1 2>のいずれかにおいて、 単離ナノシートは

、 第 2の環状分子により包接されない第 2の物質をさらに有する。

<1 4> 上記 <1 3>において、 単離ナノシートが、 第 1の環状分子の 開口部が直鎖状分子によって串刺し状に包接 されてなる擬ポリロタキサン及 び/又はポリロタキサンを複数有して成るナ シートを複数層有して成り、 該複数層のナノシート間に、 前記第 2の物質をさらに有する。

[0078] < 1 5> 上記 < 1 >〜< 1 4>のいずれかにおいて、 第 1及び第 2の環 状分子が、 シクロデキストリン、 -シクロデキストリン、 アーシクロ デキストリン、 クラウンエーテル、 ピラーアレン、 カリックスアレン、 シク ロファン、 ククルビッ トウリル、 およびこれらの誘導体からなる群から選ば れる。

なお、 誘導体として、 メチル化 シクロデキストリン、 メチル化/ 3—シ クロデキストリン、 メチル化· シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル 化《 -シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化 /3 -シクロデキストリン 、 ヒドロキシプロピル化· ^ _シクロデキストリンからなる群から選ばれ 。

< 1 6> 上記 < 1 >〜< 1 5>のいずれかにおいて、 直鎖状分子が、 巳◦からなる部位一 ◦からなる部位一 巳◦からなる部位:で表される 構成を有するコボリマーであるのがよい。 また、 第 1の環状分子が/ 3 -シク ロデキストリンである。

[0079] <1 7> 上記 < 1 >〜< 1 5>のいずれかにおいて、 直鎖状分子が、 巳◦からなる部位一 ◦からなる部位一 巳◦からなる部位:で表される 構成のみからなるトリブロックコポリマーで あるのがよい。 また、 第 1の環 状分子が/ 3—シクロデキストリンである。 〇 2020/175679 29 卩(:171? 2020 /008352

<1 8> 上記 <1 >~<1 7 >のいずれかにおいて、 単離ナノシートの 単層の厚さが 1 00 n 以下、 具体的には〇. 5〜 1 00 n 好ましくは 3〜 50 n 、 より好ましくは 5〜 20 n であるのがよい。 なお、 単離ナ ノシートが複層からなる場合には構成する単 層のナノシートの厚さが 1 00 n 以下、 具体的には〇. 5〜 1 00 n 、 好ましくは 3〜 50 n 、 より 好ましくは 5〜 2〇 1^〇1である。

[0080] < 1 9> 上記 < 1 >〜< 1 8 >のいずれかの単離ナノシートが接着性を 示す。

<20> 上記 <1 >~<1 9>のいずれかの単離ナノシートからなるド ラッグデリバリ用材料、 生体イメージング、 表面改質剤、 接着剤、 創傷部位 癒着防止剤、 ヘアケア材、 コーティング材料、 マウスウォッシユなどの口腔 ケア材料、 サプリメント用基剤、 細胞や藻類などの凝集制御材料、 酸素バリ ア性材料、 保湿剤、 紫外線防御性材料、 又は臭気防止材料。

<2 1 > ドラッグデリバリ用材料、 生体イメージング、 表面改質剤、 接 着剤、 創傷部位癒着防止剤、 ヘアケア材、 コーティング材料、 マウスウォッ シユなどの口腔ケア材料、 サプリメント用基剤、 細胞や藻類などの凝集制御 材料、 酸素バリア性材料、 保湿剤、 紫外線防御性材料、 又は臭気防止材料に おける上記 <1 >~<1 9 >のいずれかの単離ナノシートの使用。

<22> 上記 <1 >〜<1 9 >のいずれかの単離ナノシートを有する材 料。

<23> 前記材料が、 構造材料、 人工生体代替材料、 パッケージ材料、 ゴム材料、 ヘアケア材料、 コーティング材料、 塗料、 マウスウォッシユなど の口腔ケア材料、 接着剤、 サプリメント用基剤、 高機能飲料、 凝集制御材料 、 酸素バリア性材料、 保湿剤、 紫外線防御性材料、 又は臭気防止材料である <22>に記載の材料。

<24> 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 刺し状に包接 されてなる擬ポリロタキサンを複数有して成 る単離ナノシートの製造方法で あって、 〇 2020/175679 30 卩(:171? 2020 /008352

а) 両端又は該両端の近傍にナノシート作成条件 下では、 好ましくは水又 は水溶液中では電離しない非電離基を有する 第 1の直鎖状分子を有する直鎖 状分子を準備する工程;

匕) 第 1の環状分子を準備する工程;及び

〇) 前記直鎖状分子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混合させ る工程;

を有することにより、 前記単離ナノシートを得る、 上記方法。

< 2 5 > 上記 < 2 4 >において、 〇) 工程後に、 9) 得られた単離ナノ シートの一部の擬ポリロタキサンを修飾する 工程; をさらに有する。

[0081 ] < 2 6 > 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 刺し状に包接 されてなる擬ポリロタキサン及び/又はポリ タキサンを複数有して成る単 離ナノシートの製造方法であって、

3’ ) 直鎖状分子を準備する工程;

匕) 第 1の環状分子を準備する工程;

, ) 前記直鎖状分子と前記第 1の環状分子とを水又は水溶液中で混合さ せて、 擬ポリロタキサンを得る工程;

¢0 前記直鎖状分子の少なくとも一部の両末端に 、 ナノシート作成条件下 では、 好ましくは水又は水溶液中では電離しない非 電離基を導入し、 第 1の 直鎖状分子とする工程;

б) 前記擬ポリロタキサンの直鎖状分子及び/又 前記第 1の直鎖状分子 の少なくとも一部の両末端に、 封鎖基を導入する工程;

干) 得られた擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンを水又は水溶液 中で混合させる工程;

を有することにより、 前記単離ナノシートを得る、 上記方法。

[0082] < 2 7 > 上記 < 2 6 >において、 チ) 工程後に、 9) 得られた単離ナノ シートの一部の擬ポリロタキサン及び/又は リロタキサンを修飾する工程 ; をさらに有する。

< 2 8 > 上記 < 2 4 >~< 2 7 >のいずれかにおいて、 擬ポリロタキサ 〇 2020/175679 31 卩(:171? 2020 /008352

ン及び/又はポリロタキサンは、 第 1の直鎖状分子の両端から内側に、 第 1 の環状分子が存在しない第 1及び第 2の領域を有し、 該第 1及び第 2の領域 より好ましくは 1

< 2 9 > 上記 < 2 4 >~< 2 8 >のいずれかにおいて、 単離ナノシート が、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によって 刺し状に包接されてな る擬ポリロタキサンを複数有して成るナノシ ートの単層から成るか、 又は前 記ナノシートを複数層有して成る。

[0083] < 3 0 > 上記 < 2 4 >~< 2 9 >のいずれかにおいて、 直鎖状分子は、 第 1の直鎖状分子のみから本質的になる。

< 3 1 > 上記 < 2 4 >〜< 3 0 >のいずれかにおいて、 非電離基が、 イ ソプロピル基、 360 -ブチル基、 61^ -ブチル基、 ネオペンチル基、 イソペンチ ル基、 360 -ぺンチル基、 3 -ペンチル基、 te r t-ペンチル基、 シクロペンチル基 、 ペンテン基、 ヘキシル基、 ヘキセン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチ ル基、 オクテン基、 ノニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウンデシル 基、 ウンデセン基、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基 、 テトラデシル基、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン基、 へ キサデシル基、 へキサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 オクタ デシル基、 オクタデセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エイコシル基、 エイコセン基、 ヘンイコシル基、 ヘンイコセン基、 テトラコシル基、 テトラ コセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基とそれらの異性体、 4 -イソ プロピルベンゼンスルホニル基、 1 -オクタンスルホニル基、 4 -ビフエニルス ルホニル基、 4464 -ブチルベンゼンスルホニル基、 2 -メシチレンスルホニル 基、 メタンスルホニル基、 2 -ニトロベンゼンスルホニル基、 4 -ニトロべンゼ ンスルホニル基、 ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6 -トリイソプ ロピルベンゼンスルホニル基、 トルエンスルホニル基、 電離していない水 酸基、 ヘプタフルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフルオロべンゾイ ル基、 電離していないアミノ基、 電離していないカルボン酸基及びイソバレ 〇 2020/175679 32 卩(:171? 2020 /008352

リル基からなる群から選ばれる少なくとも 1種であるのがよい。 また、 非電 離基は、 電離していない水酸基、 ヘプタフルオロブチロイル基、 パーフルオ ロベンゾイル基及びイソバレリル基からなる 群から選ばれる少なくとも 1種 であるのが好ましく、 より好ましくはパーフルオロベンゾイル基及 びイソバ レリル基からなる群から選ばれる少なくとも 1種である。

[0084] <3 2> 上記<2 4>〜<3 1>のいずれかの〇) 工程又はチ) 工程に おいて、 物質をさらに混合し、 第 1の環状分子の開口部が直鎖状分子によっ て串刺し状に包接されてなる擬ポリロタキサ ン及び/又はポリロタキサンを 複数有して成るナノシートの単層中に該物質 が含まれるか、 又は前記ナノシ —卜を複数層有して成る複数層間に該物質が 含まれる。

<3 3> 上記<2 4>~< 3 2>のいずれかにおいて、 単離ナノシート が、 直鎖状分子による包接を受けない第 2の環状分子をさらに有する。

<3 4> 上記<3 2>又は<3 3>において、 第 2の環状分子は、 その 開口部に前記物質を包接してなる。

[0085] <3 5> 上記<2 5>及び<2 7>〜<3 4>のいずれかにおいて、 修 飾する工程が、 第 1の直鎖状分子の末端に第 1の置換基を導入する工程であ る。

<3 6> 上記<2 5>及び<2 7>〜< 3 5>において、 修飾する工程 が、 第 1の環状分子に第 2の置換基を導入する工程である。

実施例

[0086] 以下、 実施例に基づいて、 本発明をさらに詳細に説明するが、 本発明は本 実施例に限定されるものではない。

[実施例 1 :重量平均分 ドロキシポリエチ レングリコールと シクロデキストリンを用いた単離ナノシート X 1の調 製]

まず、 シクロデキストリン 4 . 0 4 9を水 1 6 . 6 1_に溶解させた

次に、 重量平均分子量 £0—ビスーヒドロキシポリエチレン グリコール 1. O gを水 1 6. 6mLに溶解させた。 なお、 該 a, co_ビス -ヒドロキシポリエチレングリコールは、 非電離基である水酸基を末端に有 した。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌することにより目的の 単離ナノシート X 1 を得た。

単離ナノシート形成の確認は、 小角 X線散乱測定、 位相差光学顕微鏡観察 、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行った。 測定条件は次 のとおりである。

[0087] 小角 X線散乱測定は、 R i g a k u NANO P I Xを用いた。 ディテク 夕一には H y p i x— 3000を用いた。 測定に用いた X線の波長は 0. 1 54 n mであった。 カメラ長のキヤリブレーシヨンには、 ベヘン酸銀の回折 ピークを利用してキヤリブレーシヨンを行っ た。 測定はすべて室温で行った

[0088] 位相差顕微鏡には、 N i k o n ECL I PS E T s 2 Rを用いた。 力 メラには N i k〇 n顕微鏡デジタルカメラ DS-F i 3を用いた。 測定は室 温で行った。

原子間力顕微鏡観察には B r u k e r N a n o Mu l t i mo d e 8を用いた。 測定用の針として A n t i mo n y d o p e d s i l i e o n c a n t i l e v e r t i p s (B r u k e r R ヒ S PA— d 00) を用いた。 共振周波数は 300 k H z、 ばね定数は 40 Nm であ った。 測定モードはタツピングモードで、 すべて室温で測定を行った。 走査型電子顕微鏡観察には、 J EOL J SM- 7800 Fを用いた。 加 速電圧は 1. O k e Vで、 室温、 真空下で測定を行った。 以下の実施例、 比 較例では、 すべて同様な条件で実験を行った。

[0089] 図 5に、 単離ナノシート X 1 0の小角 X線散乱測定の結果を示す。 図 5に おいて、 シート構造の形状因子が確認され、 単離ナノシートであることが確 認できた。

単離ナノシート X 1の包接率は 9 1 %であった。 単離ナノシートは、 単層 からなりその厚さは 1 4. 6 n mであることが小角 X線散乱測定からわかっ 〇 2020/175679 34 卩(:171? 2020 /008352

た (厚さ 1) 。 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (1-) がゲル浸透クロマトグラフ ィーから 1 6 〇!であることが求められた。 上記式八 : I ,= I 2 = ( I - _ 1:) /2から、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値は〇. 7 n であった。

[0090] [実施例 2 :重量平均分子量 £〇—ビスーヒドロキシポリエチ レングリコールと シクロデキストリンを用いた単離ナノシート 乂2の調 製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 次に、 重量平均分子量 〇)—ビスーヒドロキシポリエチレン グリコール 1. 〇 を水 1 6. 6〇11_に溶解させた。 なお、 該《, £〇 -ビス -ヒドロキシポリエチレングリコールは、 非電離基である水酸基を末端に有 した。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌することにより目的の 単離ナノシート X 2を得た。

[0091] 単離ナノシート形成の確認は、 実施例 1 と同様に、 小角 X線散乱測定、 位 相差光学顕微鏡観察、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行 った。

図 6に、 単離ナノシート X 2の小角 X線散乱測定の結果を示す。 図 6にお いて、 シート構造の形状因子が確認され、 単離ナノシートであることが確認 できた。

単離ナノシート乂2の包接率は 9 1 %であった。 単離ナノシートは、 単層 からなりその厚さは 29. 0 n であることが小角 X線散乱測定からわかっ た (厚さ I) 。 軸分子の伸びきり鎖長 (1_) がゲル浸透クロマトグラフィー から 32 〇!であることが求められた。 上記式八 : I ,= I 2 = /2 から、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値は 1. 5 n mであった。

[0092] [実施例 3 :重量平均分子量 〇)—ビスーヒドロキシポリエチ レングリコールと シクロデキストリンを用いた単離ナノシート 乂3の調 製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 〇 2020/175679 35 卩(:171? 2020 /008352

次に、 重量平均分子量 £0—ビスーヒドロキシポリエチレン グリコール 1 . 〇 9を水 1 6 . 6〇1 1_に溶解させた。 なお、 該《, £0 -ビス -ヒドロキシポリエチレングリコールは、 非電離基である水酸基を末端に有 した。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌することにより目的の 単離ナノシート X 3を得た。

単離ナノシート形成の確認は、 実施例 1 と同様に、 小角 X線散乱測定、 位 相差光学顕微鏡観察、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行 った。

[0093] 図 7に、 単離ナノシート X 3の小角 X線散乱測定の結果を示す。 図 7にお いて、 シート構造の形状因子が確認され、 単離ナノシートであることが確認 できた。

単離ナノシート X 3の包接率は 8 7 %であった。 単離ナノシートは、 単層 からなりその厚さは 2 1 n であることが小角 X線散乱測定からわかった ( 厚さ 1) 。 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (1_) がゲル浸透クロマトグラフィー から 4 8门 であることが求められた。 包接率が 8 7 %であるのに対し、 単 離ナノシートの厚さ (1:) が 2 1 と短すぎることから、 図 2に示すよう に、 直鎖状分子が一回折れたたまれて II字状となり単離ナノシートが形成さ れていると考えられる。 この場合、 上述したとおり、 式巳を適用することに より、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値はそれぞれ 1 . と計算され た。

[0094] [比較例 1 :重量平均分子量 ドロキシポリエ チレングリコールと シクロデキストリンを用いた包接錯体の作製 ] まず、 シクロデキストリン 4 . 0 4 9を水 1 6 . 6 1_に溶解させた 次に、 重量平均分子量 〇)—ビスーヒドロキシポリエチレ ングリコール 1 . 0 9を水 1 6 . これらの水溶液を混 合し、 室温にて一週間撹拌したが単離ナノシートは 得られなかった。 〇 2020/175679 36 卩(:171? 2020 /008352

小角 X線散乱測定により調製した溶液の構造解析 行ったところ、 図 8に 示すとおり、 単離シート構造に基づくフリンジが観察され なかった。

[0095] [実施例 4 :重量平均分子量 1 0 0 3 の 4分岐水酸基末端ポリエチレング リコールと シクロデキストリンを用いた単離ナノシート X 4の調製] まず、 シクロデキストリン 4 . 0 4 9を水 1 6 . 6 1_に溶解させた 次に、 重量平均分子量 1 0 0 3 の 4分岐水酸基末端ポリエチレングリコ

—ル 1 . 0 9を水 1 6 . 6 m Lに溶解させた。 なお、 4分岐水酸基末端ポリ エチレングリコールは、 非電離基である水酸基を末端に有した。 これらの水 溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌したところ目的の単離ナ ノシート X 4が 得られた。 単離ナノシート形成の確認は、 実施例 1 と同様に、 小角 X線散乱 測定、 位相差光学顕微鏡観察、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察 により行った。

[0096] 図 9において、 シート構造の形状因子が確認され、 単離ナノシートである ことが確認できた。 また、 図 1 0に、 走査型電子顕微鏡観察による画像を示 す。 図 1 0から、 単離ナノシートが確認できた。

単離ナノシート乂4の包接率は 4 5 %であった。 単離ナノシートは、 単層 からなりその厚さは 9 であることが小角 X線散乱測定からわかった (厚 さ 1) 。 また、 4分岐した鎖それぞれの伸びきり鎖長 (1_) がゲル浸透クロ マトグラフィーから 2 0 であることが求められた。 本実施例では 分岐 鎖を有する直鎖状分子を用いていることから 、 上述の式〇 (式八と同じであ る) を適用することにより、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値は、 (2 0 1^ 111— 9门 111) / 2 = 5 . 5门〇!と計算された

[0097] [実施例 5 :水酸基を有する直鎖状分子を用いて作製し 単離ナノシート X

5の固体表面吸着実験]

実施例 1 により調製した重量平均分子量 〇)—ビスーヒドロ キシポリエチレングリコールと シクロデキストリンを用いた単離ナノシ —卜 X 1の水分散液に表面に水酸基を有するシリコ 基板を 3秒浸潰し、 引 〇 2020/175679 37 卩(:171? 2020 /008352

き上げた後の基板表面の走査型電子顕微鏡 観察を行ったところ、 図 1 1 に示 すとおり、 シリコン基板にナノシートが吸着している様 子が観察された。 この観察から、 単離ナノシート X Iは、 非電離基である水酸基を有するが 該水酸基がシリコン基板表面に対して接着性 基として作用することが確認で きた。

[0098] [合成例 1 :ポリエチレングリコールー -ビスーヘプタフルオロブチ レート (重量平均分子量 2000) の合成]

—ビスーヒドロキシポリエチレングリコール (分子量 2000) 1 9を塩化メチレン 1 9 1_に溶解させ、 トリエチルアミン〇. 95 9 (1 2 ヘプタフルオロブチルクロリ ド (1. 5〇11_, 1 01111110 1) を投入した。 その後、 室温にて 7時間撹拌した。 イオン交換水 50 1_を投 入し反応を停止させ、 塩化メチレンを用いて抽出を行った。 塩化メチレンを 減圧下留去した後、 エタノール 250 1_から再結晶を行うことで、 99% 以上の収率で、 非電離基であるヘプタフルオロブチロイル基 を末端に有した 目的物、 ポリエチレングリコールー —ビスーヘプタフルオロブチレー 卜 (重量平均分子量 2000) を得た。

[0099] [実施例 6 :ポリエチレングリコールー -ビスーヘプタフルオロブチ レート (重量平均分子量 2000) シクロデキストリンを用いた単離 ナノシート X 6の調製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 次に、 合成例 1で得られたポリエチレングリコールー £0—ビスーヘプ タフルオロブチレート (非電離 ·接着性官能基末端、 重量平均分子量 200 0) 1. 09を水 1 6. これらの水溶液を混合し、 室 温にて一週間撹拌することにより目的の単離 ナノシート X 6を得た。

[0100] 単離ナノシート形成の確認は、 実施例 1 と同様に、 小角 X線散乱測定、 位 相差光学顕微鏡観察、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行 つた。 〇 2020/175679 38 卩(:171? 2020 /008352

単離ナノシート X 6の包接率は 93%であった。 単離ナノシートは、 単層 からなりその厚さは 1 6 n であることが小角 X線散乱測定からわかった ( 厚さ 1) 。 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (1_) がゲル浸透クロマトグラフィー から 1 7. 2 01であることが求められた。 上記式八 : I ,= I 2 = ( I -— 1:)

/2から、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値は〇. 6 n であった。

[0101] [合成例 2 :ポリエチレングリコールー -ビスーヘプタフルオロブチ レ—卜 (重量平均分子量 6000) の合成]

—ビスーヒドロキシポリエチレングリコール (分子量 6000) 0 . 49を塩化メチ トリエチルアミン〇. 389 ( 4. ヘプタフルオロブチルクロリ ド (〇. 4〇11_, 2. 〇 I) を投入した。 その後、 室温にて 7時間撹拌した。 イオン交換水 50 1_を投入し反応を停止させ、 塩化メチレンを用いて抽出を行った。 塩化メ チレンを減圧下留去した後、 エタノール 250 1_から再結晶を行うことで 、 99%以上の収率で、 非電離基であるヘプタフルオロブチロイル基 を末端 に有した目的物、 ポリエチレングリコールー —ビスーヘプタフルオロ プチレート (重量平均分子量 6000) を得た。

[0102] [実施例 7 :ポリエチレングリコールー -ビスーヘプタフルオロブチ レート (重量平均分子量 6000) シクロデキストリンを用いた単離 ナノシート X 7の調製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 次に、 合成例 2で得られたポリエチレングリコールー —ビスーヘプ タフルオロブチレート (非電離 ·接着性官能基末端、 重量平均分子量 600 0) 1. 09を水 1 6. これらの水溶液を混合し、 室 温にて一週間撹拌することにより目的の単離 ナノシート X 7を得た。

単離ナノシート形成の確認は、 実施例 1 と同様に、 小角 X線散乱測定、 位 相差光学顕微鏡観察、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行 つた。 〇 2020/175679 39 卩(:171? 2020 /008352

[0103] 単離ナノシート X 7の包接率は 85%であった。 単離ナノシートは、 単層 からなりその厚さは 2 1 n であることが小角 X線散乱測定からわかった ( 厚さ 1) 。 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (1_) がゲル浸透クロマトグラフィー から 49. 2 n であることが求められた。 包接率が 85%であるのに対し 、 単離ナノシートの厚さ ( ) が 2 1 n と短すぎることから、 図 2に示す ように、 直鎖状分子が一回折れたたまれて II字状となり単離ナノシートが形 成されていると考えられる。 この場合、 上述したとおり、 式巳を適用するこ とにより、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値はそれぞれ 1. と計算 された。

[0104] [合成例 3 :ポリエチレングリコールー £〇 -ビスービバレート (重量平 均分子量 2000) の合成]

—ビスーヒドロキシポリエチレングリコール (分子量 2000) 1 9を塩化メチレン 1 9 1_に溶解させ、 トリエチルアミン〇. 95 9 (1 2

〇1111〇 1) 、 ピバロイルクロリ ド (1. 2〇11_, 1 0011110 1) を投入した

。 その後、 室温にて 7時間撹拌した。 イオン交換水 50 1_を投入し反応を 停止させ、 塩化メチレンを用いて抽出を行った。 塩化メチレンを減圧下留去 した後、 エタノール 250 1_から再結晶を行うことで、 99%以上の収率 で、 非電離基であるビバロイル基を末端に有した 目的物、 ポリエチレングリ コールー £〇—ビスーピバレート (重量平均分子量 2000) を得た。

[0105] [実施例 8 :ポリエチレングリコールー £〇 -ビスービバレート (重量平 均分子量 2000) と シクロデキストリンを用いた単離ナノシート X 8 の調製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 次に、 合成例 3で得られたポリエチレングリコールー 〇) -ビスービバ レート (非電離 ·接着性官能基末端、 重量平均分子量 2000) 1. 0 9 を 水 1 6. 6 1_に溶解させた。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹 拌することにより目的の単離ナノシート X 8を得た。 〇 2020/175679 40 卩(:171? 2020 /008352

[0106] 単離ナノシート形成の確認は、 実施例 1 と同様に、 小角 X線散乱測定、 位 相差光学顕微鏡観察、 原子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行 った。

単離ナノシート X 8の包接率は 54%であった。 単離ナノシートは、 単層 からなりその厚さは 9 であることが小角 X線散乱測定からわかった (厚 さ 1) 。 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (1_) がゲル浸透クロマトグラフィーか ら 1 6. 6 n であることが求められた。 上述したとおり、 式八を適用する ことにより、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値はそれぞれ 3. 算された。

[0107] [比較合成例 1 :ポリエチレングリコールー<¾, £〇—ビスープロピオネート (重量平均分子量 2000) の合成]

—ビスーヒドロキシポリエチレングリコール (分子量 2000) 1 9を塩化メチレン 1 9 1_に溶解させ、 トリエチルアミン〇. 95 9 (1 2

〇 I) 、 プロピオニルクロリ ド (〇. 93〇11_, 1 0011110 1) を投入 した。 その後、 室温にて 7時間撹拌した。 イオン交換水 50 1_を投入し反 応を停止させ、 塩化メチレンを用いて抽出を行った。 塩化メチレンを減圧下 留去した後、 エタノール 250 1_から再結晶を行うことで、 99%以上の 収率で目的物を得た。

[0108] [比較例 2 :ポリエチレングリコールー -ビスープロビオネート (重 量平均分子量 2000) と シクロデキストリンを用いた包接錯体の作製 ]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 次に、 比較合成例 1で得られたポリエチレングリコール (X, £0 -ビスー プロビオネート (重量平均分子量 2000) 1. 09を水 1 6. 6〇11_に溶 解させた。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌したが単離ナノシ _卜は得られなかった。

小角 X線散乱測定により調製した溶液の構造解析 行ったところ、 単離シ 〇 2020/175679 41 卩(:171? 2020 /008352

-卜構造に基づくフリンジが観察されなか た。

[0109] [比較合成例 2 :ポリエチレングリコールー « , £〇 -ビスー n -ブチレート (重量平均分子量 2000) の合成]

£〇—ビスーヒドロキシポリエチレングリコ ル (分子量 2000) 1 9を塩化メチレン 1 9 1_に溶解させ、 トリエチルアミン〇. 95 9 (1 2 —ブチルクロリ ド (1. 1 〇11_, 1 01111110 1) を投入した 。 その後、 室温にて 7時間撹拌した。 イオン交換水 50 1_を投入し反応を 停止させ、 塩化メチレンを用いて抽出を行った。 塩化メチレンを減圧下留去 した後、 エタノール 250 1_から再結晶を行うことで、 99%以上の収率 で目的物を得た。

[0110] [比較例 3 :ポリエチレングリコールー £0 -ビスー n -ブチレート (重 量平均分子量 2000) と シクロデキストリンを用いた包接錯体の作製 ]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた

次に、 比較合成例 2で得られたポリエチレングリコールー £〇 -ビスー 门 _ブチレート (重量平均分子量 2000) 1. 09を水 1 6. 6 !_に溶 解させた。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌したが単離ナノシ _卜は得られなかった。

小角 X線散乱測定により調製した溶液の構造解析 行ったところ、 単離シ -卜構造に基づくフリンジが観察されなかっ 。

[0111] [比較合成例 3 :ポリエチレングリコールー £0—ビスー n—バレリレー 卜 (非電離 ·接着性官能基末端、 重量平均分子量 2000) の合成]

〇)—ビスーヒドロキシポリエチレングリコ ール (分子量 2000) 1 9を塩化メチレン 1 9 1_に溶解させ、 トリエチルアミン〇. 95 9 (1 2

1111110 1) 、 门ーバレリルクロリ ド (1. 2 mL 1 0011110 1) を投入し た。 その後、 室温にて 7時間撹拌した。 イオン交換水 50 1_を投入し反応 を停止させ、 塩化メチレンを用いて抽出を行った。 塩化メチレンを減圧下留 \¥02020/175679 42 卩(:17 2020 /008352

去した後、 エタノール 250 1_から再結晶を行うことで、 99%以上の収 率で目的物を得た。

[0112] [比較例 4 :ポリエチレングリコールー £〇 -ビスー n -バレリレート ( 重量平均分子量 2000) シクロデキストリンを用いた包接錯体の作 製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 次に、 比較合成例 3で得られたポリエチレングリコールー 〇) -ビスー 门ーバレリレート (重量平均分子量 2000) 1. 09を水 1 6. 6 1_に 溶解させた。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌したが単離ナノ シートは得られなかった。

小角 X線散乱測定により調製した溶液の構造解析 行ったところ、 単離シ -卜構造に基づくフリンジが観察されなかっ 。

[0113] [比較合成例 4 :ポリエチレングリコールー 〇)—ビスーメタクリレート (重量平均分子量 2000) の合成]

〇)—ビスーヒドロキシポリエチレングリコ ール (分子量 2000) 1 9を塩化メチレン 1 9 1_に溶解させ、 トリエチルアミン〇. 95 9 (1 2

1111110 1) 、 メタクリロイルクロリ ド (1. 1 01111110 1) を投入 した。 その後、 室温にて 7時間撹拌した。 イオン交換水 50 1_を投入し反 応を停止させ、 塩化メチレンを用いて抽出を行った。 塩化メチレンを減圧下 留去した後、 エタノール 250 1_から再結晶を行うことで、 99%以上の 収率で目的物を得た。

[0114] [比較例 5 :ポリエチレングリコールー 〇) -ビスーメタクリレート (重 シクロデキストリンを用いた包接錯体の作製 リン 4. 049を水 1 6. 6 1_に溶解させた 次に、 比較合成例 4で得られたポリエチレングリコールー 〇) -ビスー 〇 2020/175679 43 卩(:171? 2020 /008352

メタクリレート (重量平均分子量 2000) 1. 09を水 1 6. 6 !_に溶 解させた。 これらの水溶液を混合し、 室温にて一週間撹拌したが単離ナノシ _卜は得られなかった。

小角 X線散乱測定により調製した溶液の構造解析 行ったところ、 単離シ -卜構造に基づくフリンジが観察されなかっ 。

[0115] [実施例 9 : -ビスーヒドロキシポリエチレングリコール 匕 丨 〇〇 _ポリエチレングリコール ( I リ 「〇门 I 〇 (登録商標) 68 ; 巳〇 76 29 ?巳〇 76 , 1\/1„=8 4009/〇1〇 丨) と/ 3—シクロデキストリンを用いた複数層ナノ ート X 9の調製]

まず、 /3 -シクロデキストリン〇. 459を水 25 1_に溶解させた。

[0116] 次に、 トリブロックコボリマーである?巳〇 76 ? ?〇 29 巳〇 76 〇. 1 9を 先に調製した /3—シクロデキストリン水溶液に投入し、 室温にて一週間撹拌 することにより目的の複数層ナノシート X 9を得た。

単離ナノシート形成の確認は、 走査型電子顕微鏡観察 (図 1 2) 及び小角 X線散乱測定 (図 1 3) により行った。

走査型電子顕微鏡観察 (図 1 2) により、 ナノシートが複数層からなるこ とを実像から確認した。 さらに、 小角 X線散乱測定 (図 1 3) においても、 ナノシートの積層構造に基づく構造因子が確 認され、 ナノシートが複数層か らなることを確認できた。 また、 ピーク位置の解析により、 複数層ナノシー 卜間の間隔は であることを確認した。

[0117] [比較例 6 : £〇 -ビスーヒドロキシポリエチレングリコール 匕 丨 〇〇

1< _ポリプロピレングリコールー匕 丨 〇〇 1< _ポリエチレングリコール ( I リ 「〇门 I 〇 (登録商標) 1_ 6 1 ; 9 º0 2 990 29 9 º 0 2 ,

009/〇1〇 丨) と/ 3—シクロデキストリンを用いたナノシート 製の試み

]

実施例 9とは、 用いたトリブロックコボリマーの 巳〇の繰り返し単位が 、 実施例 6では 「76」 であるのに対して、 本比較例 6では 「 2」 である点 〇 2020/175679 44 卩(:171? 2020 /008352

が異なるだけで、 実施例 9と同様に、 ナノシートの作製を試みた。

即ち、 /3—シクロデキストリン水溶液 (〇. 4 5 9 を水 2 5 1_に溶解) を用意し、 それにトリブロックコボリマー〇. 1 9を投入し、 室温にて一週 間撹拌した。

しかしながら、 目的のナノシートは得られなかった。

小角 X線散乱測定により、 トリブロックコボリマー〇. 1 9を投入した溶 液の構造解析を行ったところ、 シート構造に基づくフリンジや複数層シート 構造に基づく構造因子は観察されなかった (図 1 4) 。 走査型電子顕微鏡観 察を行ったところ、 厚く、 大きなブロック状の粒子が観測され、 ナノシート 構造が形成されていないことを確認した (図 1 5) 。

[01 18] [比較例 7 : -ビスーヒドロキシポリエチレングリコール 匕 丨 〇〇 _ポリエチレングリコール (

]

実施例 9とは、 用いたトリブロックコボリマーの 巳〇の繰り返し単位が 、 実施例 6では 「7 6」 であるのに対して、 本比較例 7では 「 5」 である点 が異なるだけで、 実施例 9と同様に、 ナノシートの作製を試みた。

即ち、 /3—シクロデキストリン水溶液 (〇. 4 5 9 を水 2 5 1_に溶解) を用意し、 それにトリブロックコボリマー〇. 1 9を投入し、 室温にて一週 間撹拌した。

しかしながら、 目的のナノシートはほとんど得られなかった 。 小角 X線散乱測定により、 トリブロックコボリマー〇. 1 9を投入した溶 液の構造解析を行ったところ、 シート構造に基づくフリンジがわずかに観察 されただけであった (図 1 6) 。 走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、 ブ ロック状の粒子が数多く観測され、 ナノシート構造がほとんど形成されてい ないことを確認した (図 1 7) 。

[01 19] [比較例 8 : -ビスーヒドロキシポリエチレングリコール 匕 丨 〇〇 〇 2020/175679 45 卩(:171? 2020 /008352

1< _ポリプロピレングリコールー匕 丨 〇〇 1< _ポリエチレングリコール ( I リ 「〇门 1 〇 (登録商標) 1_ 64 ; 巳〇 14 29 巳〇 14 ,

9009/〇1〇 丨) と/ 3—シクロデキストリンを用いたナノシート 製の試 み]

実施例 9とは、 用いたトリブロックコボリマーの 巳〇の繰り返し単位が 、 実施例 6では 「76」 であるのに対して、 本比較例 8では 「1 4」 である 点が異なるだけで、 実施例 9と同様に、 ナノシートの作製を試みた。

即ち、 /3—シクロデキストリン水溶液 (〇. 45 9 を水 25 !_に溶解) を用意し、 それにトリブロックコボリマー〇. 1 9を投入し、 室温にて一週 間撹拌した。

しかしながら、 目的のナノシートはほとんど得られなかった 。

小角 X線散乱測定により、 トリブロックコボリマー〇. 1 9を投入した溶 液の構造解析を行ったところ、 シート構造に基づくフリンジがわずかに観察 されただけであった (図 1 8) 。 走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、 ブ ロック状の粒子が数多く観測され、 ナノシート構造がほとんど形成されてい ないことを確認した (図 1 9) 。

[0120] [実施例 1 0 : «, £〇 -ビスーヒドロキシポリエチレングリコール 匕 I 〇 〇 1<—ポリプロピレングリコールー匕 丨 〇〇 1<—ポリエチレングリコール ( I リ 「〇门 I 〇 (登録商標) 68 ; 巳〇 76 29 巳〇 76 ,

84009/〇1〇 丨) と· シクロデキストリンを用いたナノシート X I 0 の調製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 33. 2 1_に溶解させた 次に、 巳〇 76 29 ?巳〇 76 1. 09を先に調製した· シクロデキス トリン水溶液に投入し、 室温にて一週間撹拌したところ、 目的のナノシート X 1 0が得られた。

走査型電子顕微鏡観察により、 ナノシートが形成されたことを実像から確 認した (図 20) 。 〇 2020/175679 46 卩(:171? 2020 /008352

[0121] [実施例 1 1 ドロキシポリエチレングリコール-

リプロピレングリコール- 1)1〇〇 ポリエチレングリコール ( 丨 リ r o n 丨 〇 (登録商標) 1 08 ; 巳〇 〇 巳〇,物 9 / 〇 丨 と· —シクロデキストリンを用いたナノシート X I 1の調製] まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 33. 2 1_に溶解させた 次に、 巳〇 140 56 ?巳〇 140 1. 09を先に調製した· シクロデキ ストリン水溶液に投入し、 室温にて一週間撹拌したところ、 目的のナノシー 卜 X 1 1が得られた。

走査型電子顕微鏡観察により、 ナノシートが形成されたことを実像から確 認した (図 2 1) 。

単離ナノシート X I 1の包接率は 26%であった。 単離ナノシートは、 単 層からなりその厚さは 3 1 n であることが小角 X線散乱測定からわかった (厚さ 1) 。 直鎖状分子の伸びきり鎖長 (1_) がゲル浸透クロマトグラフィ —から 1 1 7. 3 |-|〇1であることが求められた。 上述したとおり、 式八を適 用することにより、 第 1及び第 2の領域の長さの平均値はそれぞれ 43. 2 门 01と計算された。

[0122] [実施例 1 2 :重量平均分子量 201< 03の《 , 〇)—ビスーヒドロキシポリ エチレングリコールと· ^ -シクロデキストリンを用いたナノシート X 1 2の 調製]

まず、 シクロデキストリン 4. 049を水 33. 2 1_に溶解させた

。 該《, £〇 -ビスーヒドロキシポリエチレングリコール 、 非電離基である 水酸基を末端に有した。

次に、 巳〇 140 56 ?巳〇 140 1. 09を先に調製した· シクロデキ ストリン水溶液に投入し、 室温にて一週間撹拌したところ、 目的のナノシー 卜 X 1 2を得た。

走査型電子顕微鏡観察により、 ナノシートが形成されたことを実像から確 認した (図 22) 。 〇 2020/175679 47 卩(:171? 2020 /008352

[0123] 「実施例 1 3 :ナノシートによるコーティングのガスバリ 機能 1

/3-00は富士フイルム和光純薬株式会社から購 した。 巳〇 75 30 巳〇 75 (下付き文字はユニッ ト数) り購入した。

シート状ナノ構造体の調製は次の通りである 。

± 1 °〇で脱イオン水 ( !!は約 7) 1 1_に溶解させた。 º 0 75 90 3@ º0 75 混合溶液をボルテックス で 1分間撹拌した。 次に溶液をシエーカーの上に置き、 熟成させた。 一週間 で沈殿物と液層が分離し、 複合体形成がほぼ完了した。 試料を/ 3_〇0/巳 〇 75 〇 30巳〇 75と名付ける。

-111 0 /巳〇 75 ?〇 30 巳〇 75 を張り付けた。 その後室温で自然乾燥させた。 これらの試 料を 〇 「 6— /3—〇〇/巳〇 75 ?〇 30 巳〇 75 (5 |111_) および 〇 「 &—(3— 〇〇/º〇 15 9〇 30 º〇 15 (20 1_) と名付ける。

多孔膜、 〇 「㊀一 /3—〇〇/巳〇 75 ?〇 30 巳〇 75 (5〇11_)

-13-〇〇/º〇 75 9〇 30 º〇 15 (20 1_) の 3巳 IV!像をそれぞれ図 23 (八 ) 、 23 (巳) 、 23 (〇) に示す。 多孔膜に多数の空孔があいていること を、 〇 「㊀一 /3—〇〇/巳〇 75 ?〇 30 巳〇 75 (5〇11_) では/ 3—〇口/巳〇 75 ?〇 30 巳〇 75 が空孔を通過せず膜にとどまっている様 子を確認できた。 〇 「 &-^-00/º0 75 90 3 ,º0 75 (20mL) では、 空孔が完全に覆われてい る様子を確認することができた。

〇 「 & -13-00/º0 75 90 3@ º0 75 (20 1_) において空孔が完全に 覆われている様子を確認できたため、 次に、 これを用いて酸素透過性を評価 するための試料を作成した。 作成法は次の通りである。 二トリルゴムの 2 1 %の濃度で有機溶媒に溶解し、 これに 〇

75 ( 20 1_) を浸した。 その後、 試料を取り出して室温で自然乾燥するこ とで、 〇 「 6-/3 -〇〇/巳〇 75 30 巳〇 75 ( 20 1_) を担持したニトリ ルゴムフイルムを作成した。 〇 2020/175679 48 卩(:171? 2020 /008352

〇 「 6 _/3 -〇〇/巳〇 75 30 巳〇 75 ( 20011_) を担持した二トリルゴ ムフィルムの酸素透過性を測定したところ、 酸素透過係数は 18.6 1^/0112 であった。 酸素透過係数が、 通常の二トリルゴムフィルムの値 (

酸素係数の測定装置と測定条件は以下の通り である :

測定装置: (登録商標) クーロメ トリック酸素透過率測定装置 (0X4(^ N (登録商標) 2/22!_)

検出器: 自己加湿型クーロメ トリックスセンサー

対応規格: «7126-2 (プラスチックーフィルム及びシートーガス 透過度試 験方法 第 2部:等圧法)

(150 15105-2) 、 03985 1927 1307

測定温度: 23〇0

相対湿度: 0%

有効膜面積

[0124] 「実施例 1 4 ナノシートの 11 カッ ト機能 1

/3-00は富士フイルム和光純薬株式会社から購 した。 巳〇 75 30 巳〇 75 (下付き文字はユニッ ト数) り購入した。

シート状ナノ構造体は実施例 1 3と同じ手法で調製した。 試料を/

/巳〇 75 30 巳〇 75 と名付ける。

/3_〇〇/巳〇 75 ?〇 30 巳〇 75 の分散水の11 カッ ト機能を、 紫外可視分光光 度計 (1) 3 1 50、 株式会社島津製作所) を用いて評価した。 入射光の波 長は 2501^ 01から 8001^ 01とし、 吸光度を測定した。

測定結果を図 24に示す。 II 八 (3 1 5から400 n m) および II V巳 (290から320 n m) の波長領域において透過率が低く、 可視波長領域 (400 n から 700 n〇〇 において光が透過していることが分かった。