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Title:
PRODUCTION METHOD FOR SOLID SUPPORT BODY, METHOD FOR FORMING COATING ON SURFACE OF SOLID SUPPORT BODY, AND SOLID SUPPORT BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175678
Kind Code:
A1
Abstract:
A production method for a solid support body, the surface of which is modified by a plurality of chain polymers, comprising: a step in which a solid support body having first binding sites is provided; a step in which a sheet is provided, the sheet comprising a plurality of pseudopolyrotaxanes provided with chain polymers, around which the openings of cyclic molecules wrap in a skewer shape, having second binding sites capable of binding to the first binding sites; and a step in which the first binding sites of the solid support body and the second binding sites of the plurality of chain polymers are bound to each other.

Inventors:
ITO KOHZO (JP)
MAEDA RINA (JP)
UENUMA SHUNTARO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/008349
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 28, 2020
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOKYO (JP)
International Classes:
C08J7/04; A61L27/18; A61L27/34; A61L27/40; C08G65/30; C08G81/00; C08L71/02; C12M1/00
Domestic Patent References:
WO2018127656A12018-07-12
Foreign References:
JP2018127561A2018-08-16
JP2010132559A2010-06-17
JP2009286968A2009-12-10
JP2009204725A2009-09-10
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA & PARTNERS (JP)
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Claims:
〇 2020/175678 48 卩(:171? 2020 /008349

請求の範囲

[請求項 1 ] 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固体支持体の製造方法で あって、

第 1結合部位を有する固体支持体を提供する工程、

環状分子の開口部を串刺し状に包接し、 かつ前記第 1結合部位に結 合可能な第 2結合部位を有する鎖状ポリマーを備えた擬ポリロタキサ ン及び/又はポリロタキサンを複数有してなるシートを提供する工程 、 及び

前記固体支持体の第 1結合部位と前記複数の鎖状ポリマーの第 2結 合部位とを結合させる工程

を含む固体支持体の製造方法。

[請求項 2] 前記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固体支持体の表面に 対する鎖状ポリマーの密度が 0 . 0 1本/ 1·! 2以上である請求項 1 に記載の固体支持体の製造方法。

[請求項 3] 前記隣接する鎖状ポリマー間の平均距離が〇. 5〜3 . 5 n mであ る請求項 1 に記載の固体支持体の製造方法。

[請求項 4] 前記結合させる工程の後に、 前記鎖状ポリマーが包接する前記環状 分子の一部又は全部を除去する工程をさらに含む請求項 1〜 3のいず れか一項に記載の固体支持体の製造方法。

[請求項 5] 前記除去する工程の後の擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサ ンに含まれる環状分子の包接率が〇〜 1 0 0 %である請求項 4に記載 の固体支持体の製造方法。

[請求項 6] 固体支持体の表面上に複数の鎖状ポリマーを用いてコーティングを 形成する方法であって、

第 1結合部位を有する固体支持体を提供する工程、

環状分子の開口部を串刺し状に包接し、 かつ前記第 1結合可能な第 2結合部位を有する鎖状ポリマーを備えた擬ポリロタキサン及び/又 はポリロタキサンを複数有してなるシートを固体支持体に適用し、 前 〇 2020/175678 49 卩(:171? 2020 /008349

記固体支持体と前記鎖状ポリマーとを結合させる工程 を含むコーティングを形成する方法。

[請求項 7] 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固体支持体であって、 固体支持体と、

前記固体支持体の表面に結合された複数の鎖状ポリマーとを備え、 固体支持体の表面に対する鎖状ポリマーの密度が〇. 0 5本/ n 2以上である固体支持体。

[請求項 8] 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固体支持体であって、 固体支持体と、

前記固体支持体の表面に結合された複数の鎖状ポリマーとを備え、 前記シート中の隣接する鎖状ポリマー間の平均距離が〇. 5〜 3 . る固体支持体。

[請求項 9] 前記複数の鎖状ポリマーの一部又は全部により串刺し状に包接され る環状分子をさらに備える請求項 7又は 8に記載の固体支持体。

Description:
\¥0 2020/175678 1 ?01/^2020/008349

明 細 書

発明の名称 :

固体支持体の製造方法、 固体支持体の表面にコーティングを形成する 方法 、 及び固体支持体

技術分野

[0001 ] 本発明は、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固 体支持体の製造方 法、 複数の鎖状ポリマーを用いて固体支持体の表 面にコーティングを形成す る方法、 及び複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体に関する 背景技術

[0002] 固体支持体の表面修飾は、 様々な材料の撥水性、 防汚性、 生体適合性など を劇的に向上させる重要な技術である。 通常、 表面修飾は、 材料の表面に薄 いポリマー層を積層する場合が多いが、 従来より、 材料の表面に高分子鎖を 固定することでコーティングするポリマーブ ラシの技術分野の研究が盛んに なされている。

[0003] ポリマーブラシとは高分子鎖の末端が物理的 もしくは化学的に界面に高密 度に固定され、 隣接する高分子鎖同士の反発により、 溶液中の高分子鎖の形 態から十分引き伸ばされた系を指す (非特許文献 1) 。 ポリマーブラシの形 成により、 たんぱく質等の非吸着特性 (非特許文献 2— 4) 、 低摩擦性 (非 特許文献 5 , 6) 、 粒子の分散性向上 (非特許文献 7 , 8) 等の性質を物質 界面に付与できるため、 表面修飾の手法としての応用が期待されてい る。

[0004] 材料表面にポリマーブラシを形成するための 表面グラフト法には、 物理吸 着もしくは固体表面の官能基と高分子鎖末端 との反応による化学結合を用い て表面に高分子鎖を固定する方法で 9「 _1叩_† 0法と、 固体表面の反応開始点 から高分子を重合し、 ポリマーブラシを作製する方法で 9「 1;丨叩-·! 1 「 0111法とが ある(非特許文献 9)。

[0005] 模式的には、 9「3 _1叩一1〇法では、 材料 (1 0 0) の表面の官能基 (1 0 1 ) と相互作用する官能基 (1 03) を末端に有する高分子 (1 02) を、 材 料 (1 00) の表面に結合する (図 1 (A) ) 。 grafting-to法は簡便ではあ るが、 高分子の立体障害のために高密度のブラシを 生やすことは困難であり 、 表面コーティングの効果も不十分である。

[0006] graft ing-from法では、 材料表面に重合開始剤 (1 04) を導入しておき、 これを起点としてモノマー (1 05) を重合させることで高分子 (1 06) を成長させる (図 1 (B) ) 。 graft ing-from法に関しては、 以前に福田らは 固体表面に触媒を表面に付着させてリビング ラジカル重合法で高密度のブラ シを合成することを報告している (非特許文献 1 〇, 1 1、 特許文献 1 , 2 ) 〇

先行技術文献

特許文献

[0007] 特許文献 1 : WO2008/139980

特許文献 2 : WO2009/136510 非特許文献

[0008] 非特許文献 1 : Science, 1991, 251, 905-914

非特許文献 2 :丄 Colloid Inter†. Sc i . , 1991, 142, 149-158

非特許文献 3 : Langmu i r, 2005, 21, 1036-1041

非特許文献 4 : Macromolecules, 1998, 31, 5059-5070

非特許文献 5 : Soft Matter, 2007, 3, 740-746

非特許文献 6 : Polymer, 2017, 116, 549-555

非特許文献 7 : Langmuir, 2001, 17, 4479-4481

非特許文献 8 : Adv. Colloid Interface Sc i . , 1974, 4, 193-277

非特許文献 9 : Prog. Polym. Sc i . , 2000, 25, 677-710

非特許文献 10 : Macromolecules, 2000, 33, 15, 5602-5607

非特許文献 11 : Macromolecules, 2000, 33, 15, 5608-5612 発明の概要 〇 2020/175678 3 卩(:171? 2020 /008349 発明が解決しようとする課題

[0009] 9「81 : 1; _1叩-1 : 「〇111法は高密度ブラシを作成できると いう点で画期的な発明では あるが、 触媒を表面に付着する必要があること、 触媒の活性を保ちながらポ リマーブラシを合成する必要があること、 リビング重合においてポリマーの 合成時の原料に極めて高い純度が必要とされ ること、 リビング重合可能な高 分子しかブラシとして利用できないことなど から、 製造時の制約が多く、 実 用化はあまり進んでいない。

[0010] 本発明が解決すべき課題は、 9「3 _ 1 叩-1〇法に基づく高密度の鎖状ポリマー により表面修飾された固体支持体の製造方法 、 固体支持体の表面にコーティ ングを形成する方法、 及び高密度の鎖状ポリマーにより表面修飾さ れた固体 支持体を提供することにある。

課題を解決するための手段

[001 1 ] 本発明者らは、 上記の目的を達成すべく、 鎖状ポリマーが高密度に配置さ れている擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンからなるシートを固体 支持体に吸着させると、 鎖状ポリマーが高密度に配置された状態で固 体支持 体に結合することを見出して、 本発明を完成するに至った。

[0012] 本発明の一態様によれば、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固 体 支持体の製造方法であって、 第 1結合部位を有する固体支持体を提供するエ 程、 環状分子の開口部を串刺し状に包接し、 かつ前記第 1結合部位に結合可 能な第 2結合部位を有する鎖状ポリマーを備えた擬 リロタキサン及び/又 はポリロタキサンを複数有してなるシートを 提供する工程、 及び記固体支持 体の第 1結合部位と前記複数の鎖状ポリマーの第 2結合部位とを結合させる 工程を含む固体支持体の製造方法が提供され る。

[0013] 本発明の別の態様によれば、 固体支持体の表面上に複数の鎖状ポリマーを 用いてコーティングを形成する方法であって 、 第 1結合部位を有する固体支 持体を提供する工程、 環状分子の開口部を串刺し状に包接し、 かつ前記第 1 結合可能な第 2結合部位を有する鎖状ポリマーを備えた擬 リロタキサン及 び/又はポリロタキサンを複数有してなるシ トを固体支持体に適用し、 前 〇 2020/175678 4 卩(:171? 2020 /008349

記固体支持体と前記鎖状ポリマーとを結合 させる工程を含むコーティングを 形成する方法が提供される。

[0014] 本発明のまた別の態様によれば、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体であって、 固体支持体と、 前記固体支持体の表面に結合された 複数の鎖状ポリマ _ とを備え、 固体支持体の表面に対する鎖状ポリマーの密 度が〇. 0 5本/ n 2 以上である固体支持体が提供される。

[001 5] 本発明のさらに別の態様によれば、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾さ れた固体支持体であって、 固体支持体と、 前記固体支持体の表面に結合され た複数の鎖状ポリマーとを備え、 前記シート中の隣接する鎖状ポリマー間の 平均距離が〇. 5〜 3 . 5 n mである固体支持体が提供される。 発明の効果

[0016] 本発明によれば、 高密度の鎖状ポリマーにより表面修飾された 固体支持体 の製造方法を提供することができる。

[0017] また、 高密度の鎖状ポリマーにより固体支持体の表 面にコーティングを形 成する方法が提供される。

[0018] さらに、 高密度の鎖状ポリマーにより表面修飾された 固体支持体を提供す ることができる。

図面の簡単な説明

[001 9] [図 1] (八) 9「81 : 1;丨叩-1;〇法及び (巳) 9「81 : 1;丨叩-1 : 「〇111法を説明する模式図。

[図 2] ( ) 一 (〇 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固 体支持体の 製造方法を示す模式図。

[図 3]環状分子の厚さを示す模式図。

[図 4] (八) 2つの固体支持体、 (巳) 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシ —卜を適用した 2つの固体支持体の接着を示す模式図。

[図 5]合成例 1 の固体支持体を水洗処理した時のナノシート の状態を示す走査 型電子顕微鏡 (3巳1\/〇 像。 ( ) 水中への静置前、 (巳) 水中への静置の 2分経過後、 (〇 1 0分後、 (口) 3 0分後、 (巳) 4 5分後、 ( ) 1 2時間後さらに流水で洗浄。 〇 2020/175678 5 卩(:171? 2020 /008349

[図 6]合成例 1、 比較例 1、 及び比較例 2の 3 丨 0 2 基板の接触角を示すグラフ 基板への吸着を示す走査型電子顕微鏡 (3巳 IV!) 像。 ( ) 2秒間浸漬後の基板、 (巳) 10秒間浸漬後の基板、 (〇 1分 間浸漬後の基板、 (口) 1分間浸漬後の 1^/0 3 処理しない基板。

基板の 3巳 IV! 像。

[図 9] (八) シリコンオイルを載せた、 〇〇〇1 ~ 1— N 3を吸着させた 基板の 写真、 (巳) 振とう後の図 9八の 基板の写真、 (〇 シリコンオイルを載 せた、 コントロール 基板の写真、 (口) 振とう後の図 9(3の 基板の写真

[図 10] (八) 1\1 1 ~ 1 2 - 3をコーティングしたブルーレイディスク、 (巳) 図 1 0八の〇一 ·に沿った断面におけるディスクの表面高さ 示すグラフ、 ( 〇 ポリスチレン球に付着した 1\] 1 ~ 1 2 - 3。

[図 1 1]実施例 5の豚皮に対して付着させた 1\1 1 ~ 1 2 - 3の顕微鏡写真。 (八) 付着前、 (巳) 付着後。

の顕微鏡写真。 (八

) 付着前、 (巳) 付着後。

[図 13]実施例 5のコンタクトレンズに対して付着させた 1\1 1 ~ 1 2 - 3の顕微鏡 写真。 ( ) 付着前、 (巳) 付着後。

[図 14]実施例 5の豚眼に対して付着させた 1\1 1 ~ 1 2 _ 3の顕微鏡写真。

発明を実施するための形態

[0020] 以下、 本発明の実施の形態を説明する。

[0021] 本発明の第 1実施形態によれば、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体の製造方法であって、 第 1結合部位を有する固体支持体を提供 する工程、 環状分子の開口部を串刺し状に包接し、 かつ前記第 1結合部位に 結合可能な第 2結合部位を有する鎖状ポリマーを備えた擬 リロタキサン及 び/又はポリロタキサンを複数有してなるシ トを提供する工程、 及び固体 〇 2020/175678 6 卩(:171? 2020 /008349

支持体の第 1結合部位と鎖状ポリマーの第 2結合部位とを結合させる工程を 含む固体支持体の製造方法が提供される。

[0022] 本明細書において、 ポリマーとは、 単量体であるモノマーに由来する繰り 返し構造を有する分子からなる化合物を指す 。 鎖状ポリマーは一本鎖ポリマ —であることが好ましいが、 環状分子が鎖状ポリマーの上を移動又は回転 可 能である場合、 鎖状ポリマーは主鎖から分岐を有するポリマ ーであってもよ い。

[0023] 固体支持体は非生物の固体支持体であっても よいし、 生物体であってもよ い。 非生物の固体支持体の例としては、 無機材料からなる固体支持体と有機 材料からなる固体支持体が挙げられる。 無機材料からなる固体支持体として はガラス、 金属、 金属酸化物、 シリコン、 石英、 ジルコニア等が挙げられる がこれらに限定されない。 有機材料からなる固体支持体の例としては合 成樹 月旨 (例えばポリオレフィン、 ポリスチレン、 ポリアミ ド、 ポリエステル等)

、 生体高分子 (例えば多糖類、 タンパク質、 核酸等) 等が挙げられるがこれ に限定されない。 また、 生物体である固体支持体の例としては細胞が 挙げら れる。

[0024] 細胞の例としては、 細胞、 1 ~ 1巳[< 293細胞、 01 ~ 1〇細胞、 〇〇

3- 1 /7細胞、 細胞、 < 562細胞、 1 ~ 16 ◦ 2細胞、 細胞、 9細胞、 〇 201 2細胞、 〇 1 2細胞、 N 1 1 ~ 1/3丁3細胞、 II 203細胞、 V 6 「〇細胞、 細胞、 1\/1巳 細胞、 11937細胞、 06細胞、 6 ^1 「〇 2 細胞、

、 細胞、 丁1 ~ 1 ?— 1細胞、 巳\^/5 1 47細 胞、 細胞、 丫_ 1細胞、 N 295 細胞、 IV! I 6細胞、 1\1 I 丁 - 1細胞及び IV! 0 _1\/1巳4353細胞、 幹細胞、 上皮細胞、 外分泌上皮細 胞、 ホルモン分泌細胞、 神経細胞、 代謝/貯蔵細胞、 細胞外マトリックス細 胞、 バリア機能細胞、 収縮性細胞、 血液細胞、 免疫細胞、 肺細胞、 ナース細 胞、 間質細胞等が挙げられるがこれらに限定され ない。

[0025] 固体支持体の形状としては、 平板状、 フィルム状、 チューブ、 粒子状、 球 〇 2020/175678 7 卩(:171? 2020 /008349

状等の任意の形状を取ることができる。 無機材料からなる固体支持体又は有 機材料からなる固体支持体は、 基板又は粒子の形を取ることが好ましい。

[0026] 固体支持体が有する第 1結合部位は、 分子 (例えばタンパク質、 ペプチド 等) 、 分子の一部 (例えば、 核酸配列、 アミノ酸配列、 糖鎖等) 、 官能基、 イオン等であることができるが、 それらに限定されない。 鎖状ポリマーが有 する第 2結合部位は、 第 1結合部位に結合可能な分子 (例えばタンパク質、 ペプチド等) 、 分子の一部 (例えば、 核酸配列、 アミノ酸配列、 糖鎖等) 、 官能基、 イオン等等であることができるが、 それらに限定されない。

[0027] 図 2に模式的な例を示すと、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾された固 体支持体の製造方法の第 1工程は、 第 1結合部位としての第 1反応性官能基 1 1 を有する固体支持体 1 0を提供する工程であり (図 2八)、 第 2工程は、 環状分子 2 2の開口部を串刺し状に包接し、 かつ第 1反応性官能基 1 1 に反 応性の、 第 2結合部位としての第 2反応性官能基 2 5を有する鎖状ポリマー 2 4を備えた擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサン 2 1 を複数有して なるシート 2 0を提供する工程であり (図 2八)、 第 3工程は、 固体支持体 1 〇の第 1結合部位 1 1 と鎖状ポリマー 2 4の第 2反応性官能基 2 5とを結合 させる工程である (図 2巳) 。

[0028] 第 1反応性官能基を有する固体支持体には、 市販の固体支持体を含む公知 の固体支持体を使用することができ、 そのような例としては、 シリカ (3 1 〇 2 ) 又はシリコン(3 丨) (反応性官能基:シラノール基 (一 3 丨 〇1 ~ 1) ) 、 二酸化チタン (反応性官能基:チタノール基 (一丁 丨 〇 ! !) ) 、 クロロメチ ル化ポリスチレン (反応性官能基: 一 II 6 _〇 1 ~ 1 2 _〇 丨) 、 ポリエチレン イミン (反応性官能基: 、 多糖類 (反応性官能基: メチロール基 (反応性官能基: _ C H 2 〇H) 、 カルボキシメチルセルロース (反応性官能基: 一〇一C H 2 - C〇〇H) が挙げられるがこれらに限定され ない。 代わりに、 固体支持体の表面に公知の表面修飾剤を施し て、 第 1反応 性官能基を設けてもよい。 第 1反応性官能基としては、 ヒドロキシ基 (一〇 ! !) 、 カルボキシ基 (一〇〇〇 ! !) 、 アミノ基 (すなわちアンモニア、 第一 級アミン又は第二級アミンから水素を除去し た 1価の官能基) 、 クロロ基 ( - c 丨) 、 ブロモ基 (一B r) 等が挙げられるがこれらに限定されない。

[0029] 上記第 2工程で提供されるシートは、 環状分子の開口部を串刺し状に包接 し、 かつ第 1反応性官能基に反応性の第 2反応性官能基を有する鎖状ポリマ 一を備えた擬ポリロタキサン及び/又はポリ タキサン 2 1 を複数有するシ —卜 (以下、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートと する場合がある ) である。

[0030] シートが擬ポリロタキサン及び/又はポリロ キサンを複数有するとは、 擬ポリロタキサンを複数有するか、 ポリロタキサンを複数有するか、 擬ポリ ロタキサン及び/又はポリロタキサンを少な とも一つずつ有することを指 す。

[0031 ] 以下、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートの 成について説明する

[0032] 本明細書において、 「ポリロタキサン」 とは、 環状分子と、 環状分子の開 口部を串刺し状に包接する鎖状ポリマーとか らなる分子集合体であって、 鎖 状ポリマーの両末端に環状分子が鎖状ポリマ ーから脱離するのを防止する封 鎖基を有する分子集合体を指す。 「擬ポリロタキサン」 とは、 環状分子と、 環状分子の開口部を串刺し状に包接する鎖状 ポリマーとからなる分子集合体 であって、 鎖状ポリマーの一方の末端だけに上記封鎖基 を有するか、 又は鎖 状ポリマーのいずれの末端にも上記封鎖基を 有しない分子集合体を指す。

[0033] 封鎖基としてジニトロフエニル基、 シクロデキストリン、 アダマンタン基 、 トリチル基、 フルオレセイン、 ピレン等が挙げられるがこれらに限定され ない。 封鎖基を鎖状ポリマーに導入する方法は公知 であり、 例えば Harada et a l. , Nature, 1992, 356, 325-327の記載の方法を参照することができる

[0034] 上記擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシー は、 好ましくは単離シート である。 本明細書において、 「単離シート」 の 「単離」 とは、 溶液中で集合 せずに単独に存在することが可能であること を意味する。 なお、 単離シート は、 第 1の環状分子の開口部が鎖状ポリマーによっ 串刺し状に包接されて 〇 2020/175678 9 卩(:171? 2020 /008349

なる擬ポリロタキサン及び/又はポリロタ サンを複数有して成るシートが 単独、 即ち単層から成ってもいても、 該シートが複数層から成っていてもよ い。

[0035] 単離シート形成の確認は、 小角 X線散乱測定、 位相差光学顕微鏡観察、 原 子間力顕微鏡観察、 走査型電子顕微鏡観察により行うことができ る。 特に、 小角 X線散乱測定により、 形状因子によりシート状であること、 具体的には 形状因子がシート構造に特徴的なフリンジを 示し、 低角側に凝集による散乱 強度の増大が見られなかったときに単離シー トである、 と確認することがで きる (例えば、 X線 光 ·中性子散乱の原理と応用 化学専門書) を参 照のこと) 。

[0036] また、 単離シートは好ましくは単離ナノシートであ る。 本明細書において 、 「単離ナノシート」 の 「ナノ」 とは、 シートの厚みが 1 0 0 〇!以下、 具 体的には〇. 5〜 1 0 0 n 、 好ましくは 3〜 5 0 n 、 より好ましくは 5 〜 2 0 であることをいう。 なお、 単離ナノシートが複層からなる場合に は構成する単層のナノシートの厚さが 1 〇〇门 以下、 具体的には〇. 5〜 好ましくは 3〜 5〇 1^〇1、 より好ましくは 5〜 2〇 1^〇1である ことをいう。

[0037] 本願の単離ナノシートにおいて、 単層からなるナノシートの厚さ方向は、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 長手方向、 換言すると、 鎖状 ポリマーの長手方向であるのがよい。 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタ キサンの長手方向、 鎖状ポリマーの長手方向が、 本願の単層からなる単離ナ ノシートの厚さ方向であるのがよい。

[0038] なお、 本願において、 単離ナノシートの 「単層」 とは、 小角 X線散乱測定 などによる見かけ上、 一つの層からなることを意味する。

[0039] 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートの さ方向は、 擬ポリロタキサ ン及び/又はポリロタキサンの長手方向、 言い換えると鎖状ポリマーの長手 方向に等しいことが好ましい。

[0040] 鎖状ポリマー及び環状分子は、 環状分子の開口部を鎖状ポリマーが串刺し 〇 2020/175678 10 卩(:171? 2020 /008349

状に包接する形態をとり得る限り、 特に限定されない。

[0041 ] 理論に束縛されることを望まないが、 図 2八に示される擬ポリロタキサン 及び/又はポリロタキサン 2 1 において、 その中央部分に存在する複数の環 状分子 2 2は棒状に凝集し、 カラム化して疎水性になる。 このため、 複数の 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 2 1が、 疎水性のカラム化した 環状分子 2 2を介して互いに自己組織的に集合し、 平面構造であるシート 2 〇を形成すると考えられる。 このとき、 一つの鎖状ポリマー 2 4に対して複 数の環状分子 2 2が凝集しているため、 鎖状ポリマー 2 4は略直線状に引き 伸ばされており、 鎖状ポリマー 2 4上に環状分子 2 2が存在しない場合に比 ベて鎖状ポリマー 2 4間の立体障害が少ない。 このため、 シート 2 0内で鎖 状ポリマー 2 4はより高密度に並ぶことができる。

[0042] 鎖状ポリマーは、 モノマーに由来する繰り返し構造を有し、 かかる繰り返 し構造を形成する骨格として、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリ ド ン、 ポリ (メタ) アクリル酸;セルロース;カルボキシメチル セルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース等の改変セル ロース;ポリアクリルアミ ド、 ポリェチレンオキサイ ド、 ポリェチレングリ コール、 ポリプロピレングリコール、 ポリテトラヒドロフラン、 ポリビニル アセタール、 ポリビニルメチルェーテル、 ポリアミン、 ポリェチレンイミン 、 カゼイン、 ゼラチン、 でんぷん;ポリェチレン及びポリプロピレン 等のポ リオレフイン、 ェチレン又はプロピレン等のオレフインとそ の他のオレフイ ンとの共重合体、 ポリェステル、 ポリ塩化ビニル、 ポリスチレン、 アクリロ 二トリルースチレン共重合体、 アクリロニトリルーブタジェンースチレン共 重合体、 ポリメチルメタクリレート、 (メタ) アクリル酸ェステル共重合体 、 アクリルニトリルーメチルアクリレート共重 合体、 ポリカーボネート、 ポ リウレタン、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、 ポリビニルプチラール、 ポ リイソプチレン、 ポリアニリン、 ナイロン等のポリアミ ド、 ポリイミ ド;ポ リイソプレン、 ポリブタジェン等のポリジェン;ポリシロキ サン、 ポリスル ホン、 ポリイミン、 ポリ無水酢酸、 ポリ尿素、 ポリスルフイ ド、 ポリフォス 〇 2020/175678 11 卩(:171? 2020 /008349

ファゼン、 ポリケトン、 ポリフエニレン、 並びにこれらの誘導体からなる群 から選ばれる少なくとも 1種であることができる。 ポリマーブラシ中の鎖状 ポリマーは、 1種類であつてもよいし、 2種類以上であつてもよい。

[0043] 環状分子との相互作用の点で、 鎖状ポリマーの繰り返し構造は、 例えばポ リエチレングリコール、 ポリイソプレン、 ポリイソプチレン、 ポリブタジエ ン、 ポリプロピレングリコール、 ポリテトラヒドロフラン、 ポリジメチルシ ロキサン、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリビニルアルコール、 及びポ リビニルメチルエーテルからなる群から選ば れる少なくとも 1種であること が好ましく、 ポリエチレングリコール及びポリプロピレン グリコールからな る群から選ばれる少なくとも 1種であることがより好ましい。

[0044] 鎖状ポリマーの重量平均分子量は 500〜 500000であることが好ま しく、 1 000〜 50000であることが好ましく、 2000〜 1 6000 であることがさらに好ましい。 鎖状ポリマーの重量平均分子量は、 ゲル浸透 クロマトグラフィ (〇 〇) で測定することができる。

[0045] 鎖状ポリマーは水溶性であることが好ましい 。 水溶性の点で、 鎖状ポリマ 一はポリエチレングリコール、 ポリプロピレングリコール、 ポリビニルアル コール、 ポリエチレンイミン、 ポリアクリル酸、 ポリメタクリル酸、 ポリア クリルアミ ド、 ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロー ス誘導体、 及び ポリビニルピロリ ドンからなる群から選ばれる少なくとも 1種であることが 好ましく、 ポリエチレングリコール及びポリプロピレン グリコールからなる 群から選ばれる少なくとも 1種であることがより好ましい。

[0046] 水溶性の鎖状ポリマーの重量平均分子量は 500〜 500000であるこ とが好ましく、 1 000〜 50000であることが好ましく、 2000〜 1 6000であることがさらに好ましい。

[0047] 鎖状ポリマーは 1種類のモノマーの重合により形成された部 を有するか 、 かかる部位のみからなるポリマーでもよいし 、 2種類のモノマーの重合に より形成されたコポリマーを有するか、 かかるコポリマーの部位のみからな るポリマーでもよいし、 3種類のモノマーの重合により形成された夕 ポリ 〇 2020/175678 12 卩(:171? 2020 /008349

マ _を有するか、 かかる夕 _ポリマ _の部位のみからなるポリマーでもよい 。 これらの部位の例としては繰り返し構造を形 成する骨格として上述した例 が挙げられる。 特に、 これらの部位の例として、 ポリェチレングリコール、 ポリイソプレン、 ポリイソプチレン、 ポリブタジェン、 ポリプロピレングリ コール、 ポリテトラヒドロフラン、 ポリジメチルシロキサン、 ポリェチレン 、 ポリプロピレン、 ポリビニルアルコール、 及びポリビニルメチルェーテル からなる群から選ばれる少なくとも 1種が挙げられるが、 これらに限定され ない。

[0048] 鎖状ポリマーは、 2つのブロックを備えるブロックコポリマー すること ができる。 また、 鎖状ポリマーは、 3つのブロックを備えるブロックコポリ マーとすることができる。

[0049] 鎖状ポリマーの好ましい例としては、 ポリプロピレングリコール ( 〇 ) からなる単 _ ブロックのポリマ _ 、 ポリェチレングリコ _ ル ( 巳〇) か らなるブロックと、 ポリプロピレングリコール ( 〇) からなるブロック と、 ポリェチレングリコール ( 巳〇) からなるブロックとをこの順に有す るトリブロックコボリマー等が挙げられるが これらに限定されない。

[0050] ブロックポリマーの各ブロックは、 1つのモノマー由来の繰り返し単位の みからなることが好ましいが、 ある繰り返しと単位と次の繰り返し単位との 間に第 1のスぺーサ基を有してもよい。 また、 隣接するブロック間に、 第 1 のスぺーサ基と同じであっても異なっていて もよい第 2のスぺーサ基を有し ていてもよい。

[0051 ] 第 1及び/又は第 2のスぺーサ基としては、 例えば炭素数 1〜 2 0の直鎖 又は分岐鎖のアルキル基、 炭素数 1〜 2 0の直鎖又は分岐鎖のェーテル基、 炭素数 1〜 2 0の直鎖又は分岐鎖のェーテル、 炭素数 1〜 2 0の直鎖又は分 岐鎖のェステル、 炭素数 6〜 2 4の芳香族基、 例えばフェニル基等が挙げら れるが、 これらに限定されない。

[0052] 環状分子は、 環状分子の開口部が鎖状ポリマーに貫通され た状態で保持さ れていれば、 鎖状ポリマーのどの部位に包接されていても よく、 1種類のモ 〇 2020/175678 13 卩(:171? 2020 /008349

ノマーの重合により形成された鎖状ポリマ ーに包接されてもよいし、 ブロッ クコポリマーの 2つの部位のうちの 1つの部位に包接されてもよいし、 ブロ ックコポリマーの 3つの部位のうちの 1つの部位、 特に 3つの部位のうちの 中間の部位に包接されてもよい。

[0053] 鎖状ポリマーがブロックコポリマーである場 合、 環状分子が鎖状ポリマー を包接する部位は、 その鎖長が環状分子の厚さよりも長いことが 好ましい。 ここで、 環状分子の厚さとは、 図 3に模式的に示すと、 環状分子 2 2の厚さ とは、 環状分子 2 2の中心軸 に沿った厚さ丁を指す。 符号 2 3は環状分 子 2 2の開口部を示す。 環状分子が鎖状ポリマーを包接する部位は、 1種類 のモノマーの重合体からなる部位、 ブロックコポリマーの 2部位のうちの 1 つの部位、 ブロックコポリマーの 3つの部位のうちの 1つの部位である。

[0054] 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートを 成する鎖状ポリマーのうち の _部又は全部は、 固体支持体の第 1反応性官能基に反応性の第 2反応性官 能基を有する。

[0055] 第 2反応性官能基は、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートの 製条 件下で水又は水溶液中で電離する電離基であ ってもよいし、 擬ポリロタキサ ン/ポリロタキサンシートの作製条件下で水 は水溶液中で電離しない非電 離基であってもよい。

[0056] 鎖状ポリマーは、 好ましくは少なくとも一方の末端又はその近 傍に第 2反 応性官能基を有し、 より好ましくは少なくとも一方の末端に第 2反応性官能 基を有し、 さらに好ましくはその両端又はその近傍に第 2反応性官能基を有 し、 最も好ましくはその両端に第 2反応性官能基を有する。

[0057] 一つの鎖状ポリマーが 2つの第 2反応性官能基を有する場合、 第 2反応性 官能基は同じであっても異なっていてもよい 。 第 2反応性官能基は上記の封 鎖基であってもよい。

[0058] 第 2反応性官能基は、 鎖状ポリマーのモノマー由来の繰り返し単位 の部位 に直接結合されてもよいし、 スぺーサを介して間接的に結合されてもよい 。

[0059] 第 2反応性官能基の例としては、 カルボキシル基、 アミノ基、 スルホ基、 20/175678 14 卩(:171? 2020 /008349

リン酸基、 塩化トリメチルアミノ基、 塩化トリエチルアミノ基、 ジメチルア ミノ基、 ジエチルアミノ基、 メチルアミノ基、 エチルアミノ基、 ピロリジン 基、 ピロール基、 エチレンイミン基、 ピペリジン基、 ピリジン基、 ピリリウ ムイオン基、 チオピリリウムイオン基、 ヘキサメチレンイミン基、 アザトロ ピリレン基、 イミダゾール基、 ピラゾール基、 オキサゾール基、 チアゾール 基、 イミダゾリン基、 モルホリン基、 チアジン基、 トリアゾール基、 テトラ ゾール基、 ピリダジン基、 ピリミジン基、 ピラジン基、 インドール基、 ベン ゾイミダゾール基、 プリン基、 ベンゾトリアゾール基、 キノリン基、 キナゾ リン基、 キノキサリン基、 プテリジン基、 カルバゾール基、 ボルフィリン基 、 クロリン基、 コリン基、 アデニン基、 グアニン基、 シトシン基、 チミン基 、 ウラシル基、 チオール基、 ヒドロキシ基、 アジ基、 ピリジン基、 カルバミ ン酸、 グアニジン、 スルフエン、 尿素、 チオ尿素、 過酸、 イソプロピル基、 3 ㊀〇 -ブチル基、 6「トブチル基、 ネオペンチル基、 イソペンチル基、 360 -ぺン チル基、 3 -ペンチル基、 6「トペンチル基、 シクロペンチル基、 ペンテン基、 ヘキシル基、 ヘキセン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン 基、 ノニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウンデシル基、 ウンデセン 基、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラデシル 基、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン基、 へキサデシル基、 へキサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 オクタデシル基、 オク タデセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エイコシル基、 エイコセン基、 テトラコシル基、 テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基、 及びそれらの異性体; 4464 -ブチルベンゼンスルホニル基、 2 -メシチレンス ルホニル基、 メタンスルホニル基、 2 -ニトロベンゼンスルホニル基、 4 -二卜 ロベンゼンスルホニル基、 ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6 -卜 リイソプロピルベンゼンスルホニル基、 -トルエンスルホニル基、 ヘプタフ ルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフルオロベンゾイル基、 イソバレ リル基、 これらの誘導体、 及びこれらの類似体から成る群から選ばれる 少な くとも 1種が挙げられるがこれらに限定されない。 〇 2020/175678 15 卩(:171? 2020 /008349

[0060] 電離基の例としては、 カルボキシル基(電離すると一〇〇〇-にな )、 アミ ノ基(電離すると一 |\1 になる)、 スルホ基、 リン酸基、 塩化トリメチルアミ ノ基、 塩化トリエチルアミノ基、 ジメチルアミノ基、 ジエチルアミノ基、 メ チルアミノ基、 エチルアミノ基、 ピロリジン基、 ピロール基、 エチレンイミ ン基、 ピベリジン基、 ピリジン基、 ピリリウムイオン基、 チオピリリウムイ オン基、 ヘキサメチレンイミン基、 アザトロピリレン基、 イミダゾール基、 ピラゾール基、 オキサゾール基、 チアゾール基、 イミダゾリン基、 モルホリ ン基、 チアジン基、 トリアゾール基、 テトラゾール基、 ピリダジン基、 ピリ ミジン基、 ピラジン基、 インドール基、 ベンゾイミダゾール基、 プリン基、 ベンゾトリアゾール基、 キノリン基、 キナゾリン基、 キノキサリン基、 プテ リジン基、 カルバゾール基、 ポルフィリン基、 クロリン基、 コリン基、 アデ ニン基、 グアニン基、 シトシン基、 チミン基、 ウラシル基、 解離したチオー ル基、 解離したヒドロキシ基、 アジ基、 ピリジン基、 カルバミン酸、 グアニ ジン、 スルフエン、 尿素、 チオ尿素、 過酸、 これらの誘導体、 及びこれらの 類似体から成る群から選ばれる少なくとも 1種が挙げられるがこれらに限定 されない。

[0061 ] 電離基は好ましくはカルボキシル基、 アミノ基、 スルホ基、 リン酸基、 塩 化トリメチルアミノ基、 及びジメチルアミノ基から成る群から選ばれ る少な くとも 1種であり、 より好ましくはカルボキシル基、 アミノ基、 塩化トリメ チルアミノ基、 及びジメチルアミノ基から成る群から選ばれ る少なくとも 1 種である。

[0062] 第 2反応性官能基が電離基の場合、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシ —卜同士が付着又は凝集しにくくなるため、 単離擬ポリロタキサン/ポリロ タキサンシートを作製し易くなり有利である 。

[0063] 非電離基の例としては、 イソプロピル基、 360 -ブチル基、 61^ -ブチル基、 ネオペンチル基、 イソペンチル基、 360 -ぺンチル基、 3 -ペンチル基、 te r t -ぺ ンチル基、 シクロペンチル基、 ペンテン基、 ヘキシル基、 ヘキセン基、 ヘプ チル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン基、 ノニル基、 ノネン基、 デシ 〇 2020/175678 16 卩(:171? 2020 /008349

ル基、 デセン基、 ウンデシル基、 ウンデセン基、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラデシル基、 テトラデセン基、 ペンタデ シル基、 ペンタデセン基、 へキサデシル基、 へキサデセン基、 ヘプタデシル 基、 ヘプタデセン基、 オクタデシル基、 オクタデセン基、 ノナデシル基、 ノ ナデセン基、 エイコシル基、 エイコセン基、 テトラコシル基、 テトラコセン 基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基、 及びそれらの異性体; 4464 -ブ チルベンゼンスルホニル基、 2 -メシチレンスルホニル基、 メタンスルホニル 基、 2 -ニトロベンゼンスルホニル基、 4 -ニトロベンゼンスルホニル基、 ペン タフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6-トリイソプロピルベンゼンスルホ ニル基、 -トルエンスルホニル基、 電離していないヒドロキシ基、 ヘプタフ ルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフルオロベンゾイル基、 電離して いないアミノ基 、 電離していないカルボキシル基(一〇〇〇 1 ~ 1)、 及びイソバレリル基から成る群から選ばれる 少なくとも 1種が挙げられるが これらに限定されない。

[0064] 非電離基は好ましくは電離していないヒドロ キシ基、 ヘプタフルオロブチ ロイル基、 パーフルオロベンゾイル基、 及びイソバレリル基から成る群から 選ばれる少なくとも 1種であり、 より好ましくはパーフルオロベンゾイル基 及びイソバレリル基から成る群から選ばれる 少なくとも 1種である。

[0065] 第 2反応性官能基が非電離基の場合、 鎖状ポリマーの末端が外へ露出して 運動するため擬ポリロタキサン/ポリロタキ ンシート同士の凝集が防止さ れると考えられる。

[0066] 環状分子としては、 シクロデキストリン、 -シクロデキストリン、 アーシクロデキストリン、 クラウンエーテル、 ピラーアレン、 カリックスア レン、 シクロファン、 ククルビッ トウリル、 及びこれらの誘導体等が挙げら れるが、 これらに限定されない。 ポリマーブラシ中の環状分子は、 1種類で あってもよいし、 2種類以上であってもよい。 誘導体としてはメチル化《— シクロデキストリン、 メチル化/ 3 -シクロデキストリン、 メチル化· シク ロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化 シクロデキストリン、 ヒドロキ 〇 2020/175678 17 卩(:171? 2020 /008349

シプロピル化 /3 -シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化アーシクロデ キストリン等が挙げられるが、 これらに限定されない。

[0067] 本明細書において、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 含まれ る環状分子の割合を包接率という。

[0068] 規定包接率とは、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 含まれる 鎖状ポリマー及び環状分子から算術的に規定 される包接率を指し、 具体的に は鎖状ポリマーと環状分子の厚みから規定さ れる。

[0069] 規定包接率の計算方法を、 鎖状ポリマーとしてポリエチレングリコール を 用い、 環状分子として シクロデキストリンを使用した場合で説明す る。

[0070] ポリエチレングリコールの繰り返し単位 2つ分が シクロデキストリン の厚さと同じであることが分子モデル計算か ら知られている。 従って、 (X シクロデキストリンのモルと、 ポリエチレングリコールの繰り返し単位との 比を 1 : 2にしたときの規定包接率を 1 0 0 %とする。

[0071 ] 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 含まれる環状分子の割合で ある包接率は、 得られたシートの分散液の小角 X線散乱 (3 乂3) 測定に より求めることができる。

[0072] 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 包接率は、 規定包接率を 1

0 0 %とするとき、 1〜 1 0 0 %であることが好ましく、 5〜 1 0 0 %であ ることがより好ましく、 1 0〜 1 0 0 %であることがさらに好ましく、 2 0 〜 1 0 0 %であることが最も好ましい。

[0073] 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートは 本願発明に使用するための シートを形成できる限り、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 外 の成分、 すなわち上記環状分子及び該環状分子の開口 部を串刺し状に包接す る上記鎖状ポリマー以外の成分を有してもよ い。 そのような成分としては、 蛍光物質、 発色物質、 薬剤、 環状分子と包接しない高分子等が挙げられる 。 かかる成分は、 鎖状シートに結合されるか、 環状分子に結合されるか、 又は 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 間の空間に保持される。

[0074] 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートは シクロデキストリンのカラ 〇 2020/175678 18 卩(:171? 2020 /008349

ムの疎水相互作用により、 シート構造を形成していると考えられる。 この際 、 シート内では図 2八に示すように鎖状ポリマー 24が高密度に凝集してい る。 また、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートを 板等の固体支持体 表面に吸着させると、 シートが固体支持体表面に一層だけびっしり と吸着す るという性質がある。 この性質を利用して、 固体支持体上に高密度ポリマー ブラシを形成する。

[0075] 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシート中 隣接する鎖状ポリマー間の 平均距離が短いほど、 固体支持体上に高密度なポリマーブラシを形 成するこ とができる。 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシート中 隣接する鎖状ポ リマー間の平均距離は、 特に限定されないが、 例えば〇. 5~3. 5 n mで ある。 この距離は環状分子の種類によって変わり得 、 環状分子として《_シ クロデキストリンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は 1〜 2 -シクロデキストリンを用いた場合、 隣接 する鎖状ポリマー間の平均距離は 1. 5〜 2. 5 n mであることが好ましく 、 シクロデキストリンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距 離は 2. 5~3. 5门 であることが好ましく、 クラウンエーテルを用いた 場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5~3. 5 n mであること が好ましく、 ピラーアレンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距 離は〇. 5~3. 5门 であることが好ましく、 カリックスアレンを用いた 場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5~3. 5 n mであること が好ましく、 シクロファンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距 離は〇. 5〜 3. 5 n であることが好ましく、 ククルビッ トウリルを用い た場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5~3. 5 n であるこ とが好ましい。

[0076] 鎖状ポリマー間の平均距離は、 十分な数、 通常 1 0以上の鎖状ポリマー間 の距離の平均を求めることにより測定可能で あり、 鎖状ポリマー間の距離は 斜入射広角 X線回折 (011^X0) 法により測定可能である。

[0077] 本発明に使用される擬ポリロタキサン/ポリ タキサンシートは、 シクロ 〇 2020/175678 19 卩(:171? 2020 /008349

デキストリンやポリエチレングリコールな ど生体安全性や生体適合性の高い 分子から構成できるため、 生体内で利用するのに適している。

[0078] 本発明に使用される擬ポリロタキサン/ポリ タキサンシート及びかかる 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートと 体支持体とを結合させて得ら れる本発明の固体支持体は、 例えば、 ドラッグデリバリ用材料 (例えば、 ド ラッグデリバリのビヒクル) 、 生体イメージング、 表面改質剤、 接着剤、 創 傷部位癒着防止剤、 ヘアケア材、 コーティング材料 (例えば防汚性コーティ ング) 、 マウスウォッシュなどの口腔ケア材料、 サプリメント用基剤、 細胞 や藻類などの凝集制御材料、 酸素バリア性材料、 保湿剤、 紫外線防御性材料 、 臭気防止材料等として用いることができるが 、 これらに限定されない。

[0079] 次に擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシー の製造方法について説明す る。

[0080] 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートの 1の製造方法は、 (I) 第 2 反応性官能基を有する鎖状ポリマーを準備す る工程、 (II) 環状分子を準備 する工程、 及び (III) 鎖状ポリマーと環状分子とを水又は水溶液中 で混合さ せる工程を含み、 これにより環状分子の開口部を串刺し状に包 接し、 かつ第 2反応性官能基を有する鎖状ポリマーを備え 擬ポリロタキサン及び/又は ポリロタキサンを複数有してなるシートを得 ることができる。

[0081 ] 「鎖状ポリマー」 、 「環状分子」 、 「第 2反応性官能基」 は上述した通り である。

[0082] 工程 (I) に関し、 鎖状ポリマーは市販品を用いてもよいし、 合成してもよ い。 鎖状ポリマーは例えば 1 1|11 6「, 11/1八. 6† 8 1. 1996, 2

9(22) , 6994-7002; 0 _1叩, 丄 6† 3 [ 卩〇 111 」 1991 , 27 (9) , 901 -90 5; 八1 198 .1 6「, 丄 6士 81. , 2007, 40 (3) , 518-525; 1¾レ| 1<, 11/1

. 1. 2009, 45(3) , 899-910 ;等に記載の方法により製 造することができる。

[0083] 第 2反応性官能基である電離基又は非電離基は 知の方法により鎖状ポリ マーに導入することができる。 電離基の導入の非限定的な例としては、 次亜 〇 2020/175678 20 卩(:171? 2020 /008349

塩素酸と、 2, 2, 6, 6 -テトラメチルピぺリジン 1 -オキシルを用いた酸化反応に よりカルボン酸を導入することができる。 1’ -カルボニルジイミダゾールとエ チレンジアミンを用いたカップリング反応に よりアミノ基を導入することが できる。 1 , 3 -プロパンスルトンを鎖状ポリマーに反応さ ることによりスル ホ基を導入することができる。 非電離基の導入の非限定的な例としては、 口 IV!丁 /IV! IV!(4-(4, 6 -ジメ トキシ -1 , 3, 5 -トリアジン- 2 -イル)- 4 -メチルモルホ リニウムクロリ ド) 、 0 0 0 -ジシクロヘキシルカルボジイミ ド) 、 巳

0 0 (1 -(3 -ジメチルアミノプロピル) -3 -エチルカルボジイミ ド) 、 3 0 9 (ベンゾトリアゾール- 1 -イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニ ム塩 ) 、 ソ巳〇 ( (ベンゾトリアゾール- 1 -イルオキシ) トリピロリジノホス ホニウムヘキサフルオロホスファート) 、 (0 - (7 -ジベンゾトリア ゾール- 1 -イル) - 1\1, 1\1, 1\1’, 1\1’ -テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホ フ ァート) 等の縮合剤を用いたエステル化、 アミ ド化等の縮合反応、 求核置換 反応、 付加反応等が挙げられる。

[0084] 工程 (II) に関し、 環状分子は市販品を用いてもよいし、 合成してもよい 。 誘導体を調製する場合、 例えば 3 八. (¾. 6† 31. 1998, 98(5) , 1977-1996等に記載の方法により調製することが できる。

[0085] 工程 (III) に関し、 水又は水溶液は、 鎖状ポリマー及び環状分子の少なく ともいずれか一方が溶解する溶媒であれば特 に限定されない。 水の例として は純水が挙げられる。 水溶液の例としてはアルコール水溶液、 酸水溶液、 ア ルカリ水溶液、 緩衝液、 培養液、 血漿等を挙げることができるが、 これらに 限定されない。

[0086] 工程 (I) 及び工程 (II) はそれぞれ工程 (III) の前とし、 工程 (I) とエ 程 (II) は別々に行い、 いずれを先に行ってもよい。

[0087] 混合時の水又は水溶液の温度は限定されない が、 例えば〇〜 1 0 0 °〇であ り、 好ましくは 5〜 4 5 °〇であり、 より好ましくは 1 5〜 3 0 °〇である。 鎖 状ポリマーと環状分子との混合時間は限定さ れないが、 例えば 1分以上であ り、 好ましくは 2 4時間以上である。 〇 2020/175678 21 卩(:171? 2020 /008349

[0088] 以上の工程 (I) 〜 (III) により擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシ 卜を得ることができる。

[0089] なお、 上記製造方法は、 工程 (I) 又は工程 (II)において、 もしくは工程 (III) の後で、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 外の成分 (蛍 光物質、 発色物質、 薬剤、 環状分子と包接しない高分子等) を擬ポリロタキ サン/ポリロタキサンシートに導入するため 工程をさらに含んでいてもよ い。 かかる成分は、 鎖状シートに結合されるか、 環状分子に結合されるか、 又は擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ ンの間の空間に保持される。

[0090] 代わりに、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートの 2の製造方法は 、 (I) 鎖状ポリマーを準備する工程、 (II) 環状分子を準備する工程、 及び (III) 鎖状ポリマーと環状分子とを水又は水溶液中 で混合させて、 擬ポリロ タキサン/ポリロタキサンを得る工程、 (IV) 鎖状ポリマーの少なくとも一 方の末端又はその近傍に第 2反応性官能基を導入する工程、 (V) (IV) で得 られた擬ポリロタキサン/ポリロタキサンを 合する工程を含み、 これによ り環状分子の開口部を串刺し状に包接し、 かつ第 2反応性官能基を有する鎖 状ポリマーを備えた擬ポリロタキサン及び/ はポリロタキサンを複数有し てなるシートを得ることができる。

[0091 ] 工程 (I) 及び工程 (II) は上記第 1の製造方法の工程 (I) 及び工程 (II ) でそれぞれ説明した通りである。

[0092] 工程(III)において、 混合時の水又は水溶液の温度は限定されない が、 例え ば〇〜 1 0 0 °〇であり、 好ましくは 5〜 4 5 °〇であり、 より好ましくは 1 5 〜 3 0 ° 〇である。 鎖状ポリマーと環状分子との混合時間は限定 されないが、 例えば 1分以上であり、 好ましくは 2 4時間以上である。

[0093] 工程 (IV) の鎖状ポリマーへの第 2反応性官能基の導入は、 第 1の製造方 法の工程 (I) に関して説明した通りである。

[0094] 工程 (V) は上記第 1の製造方法の工程 (III) と同様である。 混合時の水 又は水溶液の温度は限定されないが、 例えば〇〜 1 0 0 ° 〇であり、 好ましく は 5〜 4 5 °〇であり、 より好ましくは 1 5〜 3 0 °〇である。 鎖状ポリマーと 〇 2020/175678 22 卩(:171? 2020 /008349

環状分子との混合時間は限定されないが、 例えば 1分以上であり、 好ましく は 2 4時間以上である。

[0095] 以上の工程 (I) 〜 (V) により擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシ ト を得ることができる。

[0096] なお、 上記製造方法は、 工程 (I) 又は工程 (II)において、 もしくは工程 (V) の後で、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサン 外の成分 (蛍光 物質、 発色物質、 薬剤、 環状分子と包接しない高分子等) を擬ポリロタキサ ン/ポリロタキサンシートに導入するための 程をさらに含んでいてもよい 。 かかる成分は、 鎖状シートに結合されるか、 環状分子に結合されるか、 又 は擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキサ の間の空間に保持される。

[0097] 上記第 1の製造方法の工程 (III) の混合工程又は第 2の製造方法の工程 ( V) の混合工程により、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートは 己組織 的に形成することができる。

[0098] なお、 図 2八一巳の例では、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシート 2

0を形成した後、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシート 2 0上の第 2反 応性官能基 2 5と固体支持体 1 0上の第 1反応性官能基 1 1 を介して、 その まま未修飾で固体支持体 1 0と結合させているが、 擬ポリロタキサン/ポリ ロタキサンシート 2 0の固体支持体 1 1 との結合力を制御するために、 擬ポ リロタキサン/ポリロタキサンシート 2 0の形成後に、 鎖状ポリマー 2 4の 末端又はその近傍をさらに修飾することもで きる。 この場合、 鎖状ポリマー の末端又はその近傍を、 固体支持体 1 0の第 1結合部位に結合可能な第 2結 合部位を備えるように、 第 2反応性官能基とは異なる第 2結合部位を有する ように修飾し、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシート 2 0上の第 2結合 部位と固体支持体 1 0上の第 1結合部位である第 1反応性官能基とを介して 結合させることができる。 なお、 鎖状ポリマーの近傍とは、 通常、 鎖状ポリ マーの末端を除き、 鎖状ポリマーの末端から 1〜 1 0個のモノマー単位、 よ り好ましくは 1〜 5個のモノマー単位の範囲を指す。

[0099] このような第 1結合部位と第 2結合部位の組み合わせには、 分子認識する 〇 2020/175678 23 卩(:171? 2020 /008349

公知の分子 (例えばタンパク質、 ペプチド等) 、 分子の一部 (例えば、 核酸 配列、 アミノ酸配列、 糖鎖等) 、 官能基、 イオン等を挙げることができる。

[0100] 第 2結合部位が官能基の場合、 第 2反応性官能基として上記に列挙した反 応性官能基のいずれかであって、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシート を形成したときに鎖状ポリマーが有していた 第 2反応性官能基とは異なる反 応性官能基であってもよい。

[0101 ] 第 1結合部位と第 2結合部位の組み合わせとしては、 例えばマルトースと マルトース結合タンパク質、 グアニンヌクレオチドと◦タンパク質、 ニッケ ルあるいはコバルト等の金属イオンとポリヒ スチジン、 グルタチオンとグル タチオンー トランスフェラーゼ、 0 八と 0 八結合タンパク質、 抗原 分子 (エピトープ) と抗体、 カルモジュリン結合ペプチドとカルモジュリ ン 、 八丁 と八丁 結合タンパク質、 各種リガンドとその受容体タンパク質等 が挙げられるがこれらに限定されない。

[0102] 固体支持体及び擬ポリロタキサン及び/又は リロタキサンシートを提供 した後、 結合反応は、 固体支持体に、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシ —卜を含む水又は水溶液を適用し、 固体支持体の第 1結合部位と鎖状ポリマ 一の第 2結合部位とを結合させる。 当該適用としては、 浸潰、 吹き付け、 塗 布等が挙げられるがこれらに限定されない。

[0103] 第 1結合部位及び第 2結合部位について上述した通りであり、 第 1結合部 位 (又は第 1反応性官能基) 及び第 2結合部位 (又は第 2反応性官能基) の 結合様式は特に限定されないが、 固体支持体に擬ポリロタキサン及び/又は ポリロタキサンシートを取り付けることがで きれば特に限定されず、 そのよ うな第 1結合部位及び第 2結合部位の結合の例としては、 共有結合、 イオン 結合、 配位結合、 水素結合等が挙げられる。 共有結合の例としては、 アミ ド 結合、 エステル結合、 チオ尿素結合、 チオエーテル結合、 エーテル結合、 イ ミン結合、 ジスルフィ ド結合、 疎水性相互作用、 ファンデルワールスカ等が 挙げられるが、 これらに限定されない。 結合の強度の点からは共有結合が好 ましく、 この場合、 加熱による脱水縮合等により結合を促進する ことができ 〇 2020/175678 24 卩(:171? 2020 /008349

るが、 固体支持体が細胞や生体高分子である場合は 、 細胞が生存したり、 生 体高分子の活性を損なわない穏やかな条件で 、 共有結合以外に、 イオン結合 、 配位結合、 水素結合、 疎水性相互作用、 ファンデルワールスカ等で結合さ せることが好ましい。

[0104] 第 1結合部位 (又は第 1反応性官能基) 及び第 2結合部位 (又は第 2反応 性官能基) の結合により、 複数の鎖状ポリマーにより高密度に表面修飾 され た固体支持体を得ることができる。 鎖状ポリマーの構造については擬ポリロ タキサン/ポリロタキサンシートの構成の箇 で説明した通りである。

[0105] 上記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体の表面に対する 鎖状ポリマーの密度は特に限定されないが、 〇. 0 1本/门 以上であるこ とが好ましく、 〇. 0 5本/ n m 2 以上であることがより好ましく、 〇. 1本 / 〇1 2 以上であることがより好ましく、 〇. 2本/ 〇1 2 以上であることがよ り好ましい。

[0106] 本発明において、 「密度」 とは、 固体支持体表面の単位面積 (n m 2 ) 当た りに存在する鎖状ポリマーの本数を意味する 。 この場合、 計数される鎖状ポ リマーには、 固体支持体表面に結合している鎖状ポリマー と、 存在する場合 には、 固体支持体表面に結合してはいないが環状分 子の分子間相互作用によ り固体支持体表面に結合している鎖状ポリマ ーと共に自己凝集している鎖状 ポリマーとが含まれる。 鎖状ポリマーの密度は、 斜入射広角 X線回折 (〇11«八乂 〇) を用いた構造解析、 原子間力顕微鏡を用いた測定、 又は中性子反射率や水 晶振動子マイクロバランス法、 表面プラズモン法などを用いた平均的な表面 吸着量の測定等から算出される。

[0107] また、 上記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体上の隣接 する鎖状ポリマー間の平均距離は特に限定さ れないが、 例えば〇. 5〜 3 . 5 n mである。 この距離は環状分子によって変わり得、 環状分子として シクロデキストリンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は 1 〜 2 n であることが好ましく、 -シクロデキストリンを用いた場合、 隣 接する鎖状ポリマー間の平均距離は 1 . 5〜 2 . 5 n mであることが好まし 〇 2020/175678 25 卩(:171? 2020 /008349

く、 シクロデキストリンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均 距離は 2 . 5 ~ 3 . 5 n であることが好ましく、 クラウンエーテルを用い た場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5 ~ 3 . 5 n であるこ とが好ましく、 ピラーアレンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均 距離は〇. 5 ~ 3 . 5 〇!であることが好ましく、 カリックスアレンを用い た場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5 ~ 3 . 5 n であるこ とが好ましく、 シクロファンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均 距離は〇. 5〜 3 . 5 n であることが好ましく、 ククルビッ トウリルを用 いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5 ~ 3 . 5 n である ことが好ましい。

[0108] 固体支持体上の隣接する鎖状ポリマー間の平 均距離は、 擬ポリロタキサン /ポリロタキサンシート中の隣接する鎖状ポ マー間の平均距離と同様に斜 入射広角 X線回折 (011^X0) 法により測定可能である。

[0109] 上記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体上の鎖状ポリマ —の全長は特に限定されないが、 5〜 2 0 0 n であることが好ましく、 1 5〜 1 3 0 n であることがより好ましい。 鎖状ポリマーの鎖長はゲル浸透 クロマトグラフィ (◦〇) により測定することができる。

[01 10] 本発明の第 1実施形態の製造方法は、 固体支持体の第 1結合部位と鎖状ポ リマーの第 2結合部位とを結合させる工程の後に、 鎖状ポリマーが包接する 環状分子の一部又は全部を除去する工程をさ らに含む。

[01 1 1 ] 図 2〇に、 固体支持体 1 0の第 1反応性官能基 1 1 と鎖状ポリマー 2 4の 第 2反応性官能基 2 5とを結合させた後で、 鎖状ポリマー 2 4が包接する環 状分子 2 2の一部が除去された様子を模式的に示す。

[01 12] 環状分子の鎖状ポリマーからの除去は、 鎖状ポリマーが取り付けられた固 体支持体表面を水、 水溶液、 エマルシヨン、 又は有機溶剤等の洗浄剤で洗浄 することにより行うことができる。

[01 13] 洗浄時の洗浄剤 (特には水又は水溶液) の温度は限定されないが、 例えば 〇〜 1 0 0 °〇であり、 好ましくは 5〜 4 5 °〇であり、 より好ましくは 1 5〜 〇 2020/175678 26 卩(:171? 2020 /008349

3 0 ° 〇である。 洗浄時間は限定されないが、 例えば 1分以上であり、 好まし くは 1時間以上である。 洗浄時間を長くするほど、 環状分子が鎖状ポリマー から脱離する。

[01 14] 上記除去する工程の後の擬ポリロタキサン及 び/又はポリロタキサンに含 まれる環状分子の包接率は例えば〇〜 1 0 0 %であり、 0 %は環状分子が鎖 状ポリマーから完全に脱離した状態を指す。 鎖状ポリマー上の環状分子を完 全に除去してもよいが、 代わりに環状分子を少なくとも一部残しても よい ( 包接率>0〇/〇) 。 鎖状ポリマー上の環状分子を少なくとも一部 残すことによ り、 ポリマーブラシのブラシ部分である鎖状ポリ マーの鎖長が長くても立体 障害が起こり難く、 ポリマーブラシがより良好に伸長され得る。

[01 15] 鎖状ポリマーの固定支持体に結合した末端と は反対側の末端に封鎖基を導 入すれば、 環状分子をより確実に鎖状ポリマーに保持す ることができる。 封 鎖基の導入については擬ポリロタキサン/ポ ロタキサンシートの構成で説 明した通りである。

[01 16] 環状分子が鎖状ポリマーから脱離した後、 鎖状ポリマーの少なくとも一部 が固体支持体に結合しているため、 固体支持体上に残った鎖状ポリマーが高 密度のポリマーブラシを形成する。

[01 17] このように、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートを 成し、 これを 固体支持体に付着させ、 洗浄させるという簡便なプロセスで、 高密度ポリマ -ブラシを形成することができる。 このような高密度ポリマーブラシは表面 コーティング効果に優れている。

[01 18] 本発明の第 1実施形態によれば、 高密度の鎖状ポリマーにより表面修飾さ れた固体支持体が得られるため、 所望の表面修飾を施した固体支持体を各種 用途に使用することができる。

[01 19] 本発明の第 2実施形態によれば、 固体支持体の表面上に複数の鎖状ポリマ —を用いてコーティングを形成する方法であ って、 第 1結合部位を有する固 体支持体を提供する工程、 各鎖状ポリマーが環状分子の開口部を串刺し 状に 包接し、 かつ上記第 1結合部位に結合可能な第 2結合部位を有する鎖状ポリ 〇 2020/175678 27 卩(:171? 2020 /008349

マーを備えた擬ポリロタキサン及び/又は リロタキサンを複数有してなる シートを固体支持体に適用し、 固体支持体と鎖状ポリマーとを結合させるエ 程を含むコーティングを形成する方法が提供 される。

[0120] 第 1結合部位を有する固体支持体を提供する工 については第 1実施形態 の固体支持体の製造方法で説明した通りであ る。 固体支持体と鎖状ポリマー とを結合させる工程としては、 固体支持体に、 擬ポリロタキサン/ポリロタ キサンシートを含む水又は水溶液を適用して 、 固体支持体の第 1結合部位と 鎖状ポリマーの第 2結合部位とを結合させることが挙げられる 当該適用と しては、 浸潰、 吹き付け、 塗布等が挙げられるがこれらに限定されない 。 固 体支持体の第 1結合部位と鎖状ポリマーの第 2結合部位との結合については 、 第 1実施形態の固体支持体の製造方法における 体支持体の第 1結合部位 と鎖状ポリマーの第 2結合部位とを結合させる工程に関して説明 た通りで ある。

[0121 ] 本発明の第 2実施形態によれば、 固体支持体上に高密度の鎖状ポリマーに よるコーティングが形成されるため、 このような技術及び得られたコーティ ングを各種用途に使用することができる。

[0122] 本発明の第 3実施形態によれば、 2つの固体支持体を接着する方法であっ て、 第 1結合部位を有する第 1固体支持体を提供する工程、 第 3結合部位を 有する第 2固体支持体を提供する工程、 各鎖状ポリマーが環状分子の開口部 を串刺し状に包接し、 かつ上記第 1結合部位に結合可能な第 2結合部位と、 鎖状ポリマーにおける第 2結合部位とは反対側の端部に上記第 3結合部位と 結合可能な第 2結合部位と有する鎖状ポリマーを備えた擬 リロタキサン及 び/又はポリロタキサンを複数有してなるシ トを提供する工程、 第 1固体 支持体と鎖状ポリマーとを結合させる工程、 第 2固体支持体と鎖状ポリマー とを結合させる工程、 及び、 任意選択で、 第 1固体支持体と鎖状ポリマーと を結合させる工程及び/又は第固体支持体と 状ポリマーとを結合させるエ 程の後に、 鎖状ポリマーが包接する環状分子の一部又は 全部を除去する工程 、 とを含む方法が提供される。 〇 2020/175678 28 卩(:171? 2020 /008349

[0123] 6つのいずれの工程も第 1実施形態の固体支持体の製造方法で説明し 通 りである。 第 1固体支持体と第 2固体支持体は、 同じ材料から形成されても よいし、 異なる材料から形成されてもよい。 第 3結合部位は第 1結合部位と 同じであってもよいし異なっていてもよい。 第 4結合部位は第 2結合部位と 同じであってもよいし異なっていてもよい。

[0124] 第 1固体支持体と鎖状ポリマーとを結合させる 程は、 第 1固体支持体に 、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートを む水又は水溶液を適用して 、 第 1固体支持体の第 1結合部位と鎖状ポリマーの第 2結合部位とを結合さ せることが挙げられる。 第 2固体支持体と鎖状ポリマーと結合させる工 は 、 第 2固体支持体に、 擬ポリロタキサン/ポリロタキサンシートを む水又 は水溶液を適用して、 第 2固体支持体の第 3結合部位と鎖状ポリマーの第 4 結合部位とを結合させることが挙げられる。 当該適用としては、 浸潰、 吹き 付け、 塗布等が挙げられるがこれらに限定されない 。 第 1固体支持体と鎖状 ポリマーとを結合させる工程及び第 2固体支持体と鎖状ポリマーと結合させ る工程は同時に行ってもよいし、 異なるタイミングで行ってもよいが、 同時 に行うことが好ましい。

[0125] 図 4八及び巳に、 2つの固体支持体 1 0 (図 4八)の表面に擬ポリロタキサ ン/ポリロタキサンシート 2 0を適用して、 2つの固体支持体 1 0を接着す る模式図 (図 4巳)を示す。

[0126] 本発明の第 3実施形態によれば、 固体支持体に鎖状ポリマーが高密度に結 合されるため、 2つ以上の固体支持体を強固に接着すること できる。

[0127] 本発明の第 4実施形態によれば、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体であって、 固体支持体と、 上記固体支持体の表面に結合された 複数の鎖状ポリマ _ とを備え、 固体支持体の表面に対する鎖状ポリマーの密 度が 0 . 0 1本/〇 2 以上である固体支持体が提供される。

[0128] 固体支持体、 複数の鎖状ポリマー、 及び上記の固体支持体の製造方法につ いては第 1実施形態の固体支持体の製造方法で説明し 通りである。

[0129] 第 4実施形態の固体支持体は、 上記複数の鎖状ポリマーの一部又は全部に 〇 2020/175678 29 卩(:171? 2020 /008349

より串刺し状に包接される環状分子を備え てぃなくてもよぃし、 備えてもよ ぃ。

[0130] 上記擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ ンに含まれる環状分子の包 接率は例えば〇〜 1 0 0 %である。

[0131 ] また、 第 4実施形態の固体支持体は、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロ タキサン以外の成分、 すなわち上記環状分子及び該環状分子の開口 部を串刺 し状に包接する上記鎖状ポリマー以外の成分 を有してもよぃ。 そのような成 分としては、 蛍光物質、 発色物質、 薬剤、 環状分子と包接しなぃ高分子等が 挙げられる。 かかる成分は、 鎖状シートに結合されるか、 環状分子に結合さ れるか、 又は擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ ンの間の空間に保持 される。

[0132] 上記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体の表面に対する 鎖状ポリマーの密度は特に限定されなぃが、 〇. 0 1本/门 以上であるこ とが好ましく、 〇. 0 5本/ n m 2 以上であることがより好ましく、 〇. 1本 / 〇1 2 以上であることがより好ましく、 〇. 2本/ 〇1 2 以上であることがよ り好ましぃ。

[0133] 本発明の第 4実施形態によれば、 高密度の鎖状ポリマーにより表面修飾さ れた固体支持体が得られるため、 所望の表面修飾を施した固体支持体を各種 用途に使用することができる。

[0134] 本発明の第 5実施形態によれば、 複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体であって、 固体支持体と、 上記固体支持体の表面に結合された 複数の鎖状ポリマーとを備え、 上記シート中の隣接する鎖状ポリマー間の平 均距離が〇. 5〜 3 . 5 n mである固体支持体が提供される。

[0135] 固体支持体、 複数の鎖状ポリマー及び、 上記の固体支持体の製造方法につ ぃては第 1実施形態の固体支持体の製造方法で説明し 通りである。

[0136] 第 5実施形態の固体支持体は、 上記複数の鎖状ポリマーの一部又は全部に より串刺し状に包接される環状分子を備えて ぃなくてもよぃし、 備えてもよ い。 〇 2020/175678 30 卩(:171? 2020 /008349

[0137] 上記擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ ンに含まれる環状分子の包 接率は例えば〇〜 1 00%である。

[0138] また、 第 5実施形態の固体支持体は、 擬ポリロタキサン及び/又はポリロ タキサン以外の成分、 すなわち上記環状分子及び該環状分子の開口 部を串刺 し状に包接する上記鎖状ポリマー以外の成分 を有してもよい。 そのような成 分としては、 蛍光物質、 発色物質、 薬剤、 環状分子と包接しない高分子等が 挙げられる。 かかる成分は、 鎖状シートに結合されるか、 環状分子に結合さ れるか、 又は擬ポリロタキサン及び/又はポリロタキ ンの間の空間に保持 される。

[0139] 上記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され た固体支持体上の隣接する鎖 状ポリマー間の平均距離は特に限定されない が、 例えば例えば〇. 5〜 3. 5 n mである。 この距離は環状分子によって変わり得、 環状分子として シクロデキストリンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は 1 〜 2 n であることが好ましく、 -シクロデキストリンを用いた場合、 隣 接する鎖状ポリマー間の平均距離は 1. 5〜 2. 5 n mであることが好まし く、 シクロデキストリンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均 距離は 2. 5~3. 5 n であることが好ましく、 クラウンエーテルを用い た場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5~3. 5 n であるこ とが好ましく、 ピラーアレンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均 距離は〇. 5~3. 5 〇!であることが好ましく、 カリックスアレンを用い た場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5~3. 5 n であるこ とが好ましく、 シクロファンを用いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均 距離は〇. 5〜 3. 5 n であることが好ましく、 ククルビッ トウリルを用 いた場合、 隣接する鎖状ポリマー間の平均距離は〇. 5~3. 5 n である ことが好ましい。

[0140] 本発明の第 5実施形態によれば、 高密度の鎖状ポリマーにより表面修飾さ れた固体支持体が得られるため、 所望の表面修飾を施した固体支持体を各種 用途に使用することができる。 〇 2020/175678 31 卩(:171? 2020 /008349

[0141 ] 本発明の第 1実施形態〜第 5実施形態は、 各種用途に使用可能である。 例 えば、 構造材料、 人工生体代替材料、 パッケージ材料、 ゴム、 ヘアケア材料 、 コーティング、 塗料、 マウスウォッシユなどの口腔ケア材料、 接着剤、 表 面改質剤、 潤滑剤、 分散剤、 安定剤、 薬剤、 化粧料、 分析試薬、 サプリメン 卜用基剤、 高機能飲料、 細胞や藻類などの凝集制御材料、 酸素バリア性材料 、 保湿剤、 紫外線防御性材料、 臭気防止材料等の製造に使用可能である。

[0142] 固体支持体が非生物の固体支持体に、 上記に挙げた用途に使用できるのに 加えて、 固体支持体が例えば生体高分子又は細胞であ る場合、 細胞表面を鎖 状ポリマーで修飾し、 他の分子又は細胞による特異性、 親和性又は結合能を 高めたりすることもできる。

[0143] また、 本発明は以下の構成を採用することもできる 。

[0144] < 1 >複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され 固体支持体の製造方法であ って、

第 1結合部位を有する固体支持体を提供する工 、 環状分子の開口部を串 刺し状に包接し、 かつ前記第 1結合部位に結合可能な第 2結合部位を有する 鎖状ポリマーを備えた擬ポリロタキサン及び /又はポリロタキサンを複数有 してなるシートを提供する工程、 及び 記固体支持体の第 1結合部位と前記 複数の鎖状ポリマーの第 2結合部位とを結合させる工程を含む固体支 体の 製造方法。

[0145] < 2 >前記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾 れた固体支持体の表面に対 する鎖状ポリマーの密度が〇. 0 1本/门 2 以上である < 1 >に記載の固体 支持体の製造方法。

[0146] < 3 >前記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾 れた固体支持体の表面に対 する鎖状ポリマーの密度が〇. 0 5本/ n 2 以上である < 1 >に記載の固体 支持体の製造方法。

[0147] < 4 >前記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾 れた固体支持体の表面に対 する鎖状ポリマーの密度が 0 . 1本/门 2 以上である < 1 >に記載の固体支 持体の製造方法。 〇 2020/175678 32 卩(:171? 2020 /008349

[0148] <5>前記隣接する鎖状ポリマー間の平均距 が〇. 5 ~ 3 . 5 n mである <1>に記載の固体支持体の製造方法。

[0149] < 6>前記結合させる工程の後に、 前記鎖状ポリマーが包接する前記環状分 子の一部又は全部を除去する工程をさらに含 む< 1>〜<5>のいずれか一 項に記載の固体支持体の製造方法。

[0150] < 7>前記除去する工程の後の擬ポリロタキサ 及び/又はポリロタキサン に含まれる環状分子の包接率が〇〜 1 0 0 %である<6>に記載の固体支持 体の製造方法。

[0151 ] < 8>前記除去する工程の後に擬ポリロタキサ 及び/又はポリロタキサン に含まれる環状分子が一部残る< 6>に記載の固体支持体の製造方法。

[0152] <9>前記環状分子が、 クロデキストリン、

、 アーシクロデキストリン、 クラウンエーテル、 ピラーアレン、 カリックス アレン、 シクロファン、 ククルビッ トウリル、 又はこれらの誘導体である< 1>〜< 8>のいずれか一項に記載の固体支持体の製 方法。

[0153] <1 0>前記誘導体がメチル化 シクロデキストリン、 メチル化/ 3—シク ロデキストリン、 メチル化· シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化 シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化/ 3 -シクロデキストリン、 又はヒドロキシプロピル化· シクロデキストリンである<9>に記載の固 体支持体の製造方法。

[0154] <1 1>前記鎖状ポリマーが、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリ ド ン、 ポリ (メタ) アクリル酸;セルロース;カルボキシメチル セルロース、 ヒドロキシエチルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース等の改変セル ロース;ポリアクリルアミ ド、 ポリエチレンオキサイ ド、 ポリエチレングリ コール、 ポリプロピレングリコール、 ポリテトラヒドロフラン、 ポリビニル アセタール、 ポリビニルメチルエーテル、 ポリアミン、 ポリエチレンイミン 、 カゼイン、 ゼラチン、 でんぷん;ポリエチレン及びポリプロピレン 等のポ リオレフイン、 エチレン又はプロピレン等のオレフインとそ の他のオレフイ ンとの共重合体、 ポリエステル、 ポリ塩化ビニル、 ポリスチレン、 アクリロ 〇 2020/175678 33 卩(:171? 2020 /008349

二トリルースチレン共重合体、 アクリロニトリルーブタジェンースチレン共 重合体、 ポリメチルメタクリレート、 (メタ) アクリル酸ェステル共重合体 、 アクリルニトリルーメチルアクリレート共重 合体、 ポリカーボネート、 ポ リウレタン、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、 ポリビニルプチラール、 ポ リイソプチレン、 ポリアニリン、 ナイロン等のポリアミ ド、 ポリイミ ド;ポ リイソプレン、 ポリブタジェン等のポリジェン;ポリシロキ サン、 ポリスル ホン、 ポリイミン、 ポリ無水酢酸、 ポリ尿素、 ポリスルフィ ド、 ポリフォス ファゼン、 ポリケトン、 ポリフェニレン、 並びにこれらの誘導体からなる群 から選ばれる 1つ又は複数である< 1>〜< 1 0>のいずれか一項に記載の 固体支持体の製造方法。

[0155] <1 2>前記鎖状ポリマーが、 ポリェチレングリコール、 ポリイソプレン、 ポリイソプチレン、 ポリブタジェン、 ポリプロピレングリコール、 ポリテト ラヒドロフラン、 ポリジメチルシロキサン、 ポリェチレン、 ポリプロピレン 、 ポリビニルアルコール、 及びポリビニルメチルェーテルからなる群か ら選 ばれる少なくとも 1種である< 1>〜< 1 0>のいずれか一項に記載の固体 支持体の製造方法。

[0156] <1 3>前記固体支持体が無機材料からなる<1> <1 2>のいずれか一 項に記載の固体支持体の製造方法。

[0157] <1 4>前記無機材料が金属、 金属酸化物、 シリコン、 石英、 又はジルコニ アである<1 3>に記載の固体支持体の製造方法。

[0158] <1 5>前記固体支持体が有機材料からなる<1> <1 2>のいずれか一 項に記載の固体支持体の製造方法。

[0159] <1 6>前記有機材料が合成樹脂、 生体高分子、 又は生物体である<1 5> に記載の固体支持体の製造方法。

[0160] <1 7>前記第 1結合部位は、 分子、 分子の一部、 官能基、 又はイオンであ る<1>〜<1 6>のいずれか一項に記載の固体支持体の製 方法。

[0161 ] <1 8>前記第 1結合部位は官能基であり、 該官能基はヒドロキシ基、 カル ボキシ基、 アミノ基、 クロロ基、 又はブロモ基である<1 7>に記載の固体 〇 2020/175678 34 卩(:171? 2020 /008349

支持体の製造方法。

[0162] <1 9>前記第 2結合部位は、 前記第 1結合部位に結合可能な分子、 分子の —部、 官能基、 又はイオンである< 1>〜< 1 8>のいずれか一項に記載の 固体支持体の製造方法。

[0163] <2 0>前記第 2結合部位は官能基であり、 該官能基はカルボキシル基(電離 すると一〇〇〇-になる)、 アミノ基(電離すると一 1\1 1 ~ 1 3+ になる)、 スルホ基、 リン酸基、 塩化トリメチルアミノ基、 塩化トリエチルアミノ基、 ジメチルア ミノ基、 ジエチルアミノ基、 メチルアミノ基、 エチルアミノ基、 ピロリジン 基、 ピロール基、 エチレンイミン基、 ピペリジン基、 ピリジン基、 ピリリウ ムイオン基、 チオピリリウムイオン基、 ヘキサメチレンイミン基、 アザトロ ピリレン基、 イミダゾール基、 ピラゾール基、 オキサゾール基、 チアゾール 基、 イミダゾリン基、 モルホリン基、 チアジン基、 トリアゾール基、 テトラ ゾール基、 ピリダジン基、 ピリミジン基、 ピラジン基、 インドール基、 ベン ゾイミダゾール基、 プリン基、 ベンゾトリアゾール基、 キノリン基、 キナゾ リン基、 キノキサリン基、 プテリジン基、 カルバゾール基、 ボルフィリン基 、 クロリン基、 コリン基、 アデニン基、 グアニン基、 シトシン基、 チミン基 、 ウラシル基、 解離したチオール基、 解離したヒドロキシ基、 アジ基、 ピリ ジン基、 カルバミン酸、 グアニジン、 スルフエン、 尿素、 チオ尿素、 過酸、 これらの誘導体、 及びこれらの類似体から成る群から選ばれる 少なくとも 1 種の電離基である< 1 9>に記載の固体支持体の製造方法。

[0164] <2 1>前記第 2結合部位は官能基であり、 該官能基はイソプロピル基、

-ブチル基、 ブチル基、 ネオペンチル基、 イソペンチル基、 360 -ペンチ ル基、 3 -ペンチル基、 tert-ペンチル基、 シクロペンチル基、 ペンテン基、 へ キシル基、 ヘキセン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン基 、 ノニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウンデシル基、 ウンデセン基 、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラデシル基 、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン基、 へキサデシル基、 へ キサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 オクタデシル基、 オクタ 〇 2020/175678 35 卩(:171? 2020 /008349

デセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エイコシル基、 エイコセン基、 テ トラコシル基、 テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基、 及 びそれらの異性体; 4464 -ブチルベンゼンスルホニル基、 2 -メシチレンスル ホニル基、 メタンスルホニル基、 2 -ニトロベンゼンスルホニル基、 4 -ニトロ ベンゼンスルホニル基、 ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6 -トリ イソプロピルベンゼンスルホニル基、 -トルエンスルホニル基、 電離してい ないヒドロキシ基、 ヘプタフルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフル オロベンゾイル基、 電離していないアミノ基 (一 、 電離していない力 ルボキシル基(一〇〇〇 1 ~ 1)、 及びイソバレリル基から成る群から選ばれる 少 なくとも 1種の非電離基である < 1 9 >に記載の固体支持体の製造方法。

[0165] < 2 2 >固体支持体の表面上に複数の鎖状ポリマ を用いてコーティングを 形成する方法であって、 第 1結合部位を有する固体支持体を提供する工 、 環状分子の開口部を串刺し状に包接し、 かつ前記第 1結合可能な第 2結合部 位を有する鎖状ポリマーを備えた擬ポリロタ キサン及び/又はポリロタキサ ンを複数有してなるシートを固体支持体に適 用し、 前記固体支持体と前記鎖 状ポリマーとを結合させる工程を含むコーテ ィングを形成する方法。

[0166] < 2 3 >前記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾 れた固体支持体の表面に 対する鎖状ポリマーの密度が〇. 0 1本/门 2 以上である < 2 2 >に記載の 方法。

[0167] < 2 4 >前記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾 れた固体支持体の表面に 対する鎖状ポリマーの密度が〇. 0 5本/ n 2 以上である < 2 2 >に記載の 方法。

[0168] < 2 5 >前記複数の鎖状ポリマーにより表面修飾 れた固体支持体の表面に 対する鎖状ポリマーの密度が 0 . 1本/门 2 以上である < 2 2 >に記載の方 法。

[0169] < 2 6 >前記隣接する鎖状ポリマー間の平均距離 〇. 5 ~ 3 . 5 n であ る < 2 2 >に記載の方法。

[0170] < 2 7 >前記結合させる工程の後に、 前記鎖状ポリマーが包接する前記環状 〇 2020/175678 36 卩(:171? 2020 /008349

分子の一部又は全部を除去する工程をさら に含む<2 2>〜< 2 6>のいず れか一項に記載の方法。

[0171 ] <2 8>前記除去する工程の後の擬ポリロタキサ 及び/又はポリロタキサ ンに含まれる環状分子の包接率が〇〜 1 0 0 %である<2 7>に記載の方法

[0172] <2 9>前記除去する工程の後に擬ポリロタキサ 及び/又はポリロタキサ ンに含まれる環状分子が一部残る<2 7>に記載の方法。

[0173] <3 0>前記環状分子が、 クロデキストリン、

ン、 アーシクロデキストリン、 クラウンエーテル、 ピラーアレン、 カリック スアレン、 シクロファン、 ククルビッ トウリル、 又はこれらの誘導体である <2 2>〜<2 9>のいずれか一項に記載の方法。

[0174] <3 1>前記誘導体がメチル化 シクロデキストリン、 メチル化/ 3—シク ロデキストリン、 メチル化· シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化 シクロデキストリン、 ヒドロキシプロピル化/ 3 -シクロデキストリン、 又はヒドロキシプロピル化· シクロデキストリンである<3 0>に記載の 方法。

[0175] <3 2>前記鎖状ポリマーが、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリ ド ン、 ポリ (メタ) アクリル酸;セルロース;カルボキシメチル セルロース、 ヒドロキシエチルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース等の改変セル ロース;ポリアクリルアミ ド、 ポリエチレンオキサイ ド、 ポリエチレングリ コール、 ポリプロピレングリコール、 ポリテトラヒドロフラン、 ポリビニル アセタール、 ポリビニルメチルエーテル、 ポリアミン、 ポリエチレンイミン 、 カゼイン、 ゼラチン、 でんぷん;ポリエチレン及びポリプロピレン 等のポ リオレフイン、 エチレン又はプロピレン等のオレフインとそ の他のオレフイ ンとの共重合体、 ポリエステル、 ポリ塩化ビニル、 ポリスチレン、 アクリロ 二トリルースチレン共重合体、 アクリロニトリルーブタジエンースチレン共 重合体、 ポリメチルメタクリレート、 (メタ) アクリル酸エステル共重合体 、 アクリルニトリルーメチルアクリレート共重 合体、 ポリカーボネート、 ポ 〇 2020/175678 37 卩(:171? 2020 /008349

リウレタン、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、 ポリビニルプチラール、 ポ リイソプチレン、 ポリアニリン、 ナイロン等のポリアミ ド、 ポリイミ ド;ポ リイソプレン、 ポリブタジェン等のポリジェン;ポリシロキ サン、 ポリスル ホン、 ポリイミン、 ポリ無水酢酸、 ポリ尿素、 ポリスルフィ ド、 ポリフォス ファゼン、 ポリケトン、 ポリフェニレン、 並びにこれらの誘導体からなる群 から選ばれる 1つ又は複数である<2 2>〜< 3 1>のいずれか一項に記載 の方法。

[0176] <3 3>前記鎖状ポリマーが、 ポリェチレングリコール、 ポリイソプレン、 ポリイソプチレン、 ポリブタジェン、 ポリプロピレングリコール、 ポリテト ラヒドロフラン、 ポリジメチルシロキサン、 ポリェチレン、 ポリプロピレン 、 ポリビニルアルコール、 及びポリビニルメチルェーテルからなる群か ら選 ばれる少なくとも 1種である<2 2>〜<3 1>のいずれか一項に記載の方 法。

[0177] <3 4>前記固体支持体が無機材料からなる< 2 2>〜< 3 3>のいずれか _項に記載の方法。

[0178] <3 5>前記無機材料が金属、 金属酸化物、 シリコン、 石英、 又はジルコニ アである<3 4>に記載の方法。

[0179] <3 6>前記固体支持体が有機材料からなる<2 2>〜<3 3>のいずれか _項に記載の方法。

[0180] <3 7>前記有機材料が合成樹脂、 生体高分子、 又は生物体である<3 6> に記載の方法。

[0181 ] <3 8>前記第 1結合部位は、 分子、 分子の一部、 官能基、 又はイオンであ る<2 2>〜<3 7>のいずれか一項に記載の方法。

[0182] <3 9>前記第 1結合部位は官能基であり、 該官能基はヒドロキシ基、 カル ボキシ基、 アミノ基、 クロロ基、 又はブロモ基である<3 8>に記載の方法

[0183] <4 0>前記第 2結合部位は、 前記第 1結合部位に結合可能な分子、 分子の —部、 官能基、 又はイオンである<2 2>~<3 8>のいずれか一項に記載 〇 2020/175678 38 卩(:171? 2020 /008349

の方法。

[0184] <4 1>前記第 2結合部位は官能基であり、 該官能基はカルボキシル基(電離 すると一〇〇〇-になる)、 アミノ基(電離すると一 1\! 1 ~ 1 3+ になる)、 スルホ基、 リン酸基、 塩化トリメチルアミノ基、 塩化トリエチルアミノ基、 ジメチルア ミノ基、 ジエチルアミノ基、 メチルアミノ基、 エチルアミノ基、 ピロリジン 基、 ピロール基、 エチレンイミン基、 ピペリジン基、 ピリジン基、 ピリリウ ムイオン基、 チオピリリウムイオン基、 ヘキサメチレンイミン基、 アザトロ ピリレン基、 イミダゾール基、 ピラゾール基、 オキサゾール基、 チアゾール 基、 イミダゾリン基、 モルホリン基、 チアジン基、 トリアゾール基、 テトラ ゾール基、 ピリダジン基、 ピリミジン基、 ピラジン基、 インドール基、 ベン ゾイミダゾール基、 プリン基、 ベンゾトリアゾール基、 キノリン基、 キナゾ リン基、 キノキサリン基、 プテリジン基、 カルバゾール基、 ボルフィリン基 、 クロリン基、 コリン基、 アデニン基、 グアニン基、 シトシン基、 チミン基 、 ウラシル基、 解離したチオール基、 解離したヒドロキシ基、 アジ基、 ピリ ジン基、 カルバミン酸、 グアニジン、 スルフエン、 尿素、 チオ尿素、 過酸、 これらの誘導体、 及びこれらの類似体から成る群から選ばれる 少なくとも 1 種の電離基である<4 0>に記載の方法。

[0185] <4 2>前記第 2結合部位は官能基であり、 該官能基はイソプロピル基、

-ブチル基、 ブチル基、 ネオペンチル基、 イソペンチル基、 360 -ペンチ ル基、 3 -ペンチル基、 te r t-ペンチル基、 シクロペンチル基、 ペンテン基、 へ キシル基、 ヘキセン基、 ヘプチル基、 ヘプテン基、 オクチル基、 オクテン基 、 ノニル基、 ノネン基、 デシル基、 デセン基、 ウンデシル基、 ウンデセン基 、 ドデシル基、 ドデセン基、 トリデシル基、 トリデセン基、 テトラデシル基 、 テトラデセン基、 ペンタデシル基、 ペンタデセン基、 へキサデシル基、 へ キサデセン基、 ヘプタデシル基、 ヘプタデセン基、 オクタデシル基、 オクタ デセン基、 ノナデシル基、 ノナデセン基、 エイコシル基、 エイコセン基、 テ トラコシル基、 テトラコセン基、 トリアコンチル基、 トリアコンテン基、 及 びそれらの異性体; 4464 -ブチルベンゼンスルホニル基、 2 -メシチレンスル 〇 2020/175678 39 卩(:171? 2020 /008349

ホニル基、 メタンスルホニル基、 2 -ニトロベンゼンスルホニル基、 4 -ニトロ ベンゼンスルホニル基、 ペンタフルオロベンゼンスルホニル基、 2, 4, 6 -トリ イソプロピルベンゼンスルホニル基、 -トルエンスルホニル基、 電離してい ないヒドロキシ基、 ヘプタフルオロブチロイル基、 ビバロイル基、 パーフル オロベンゾイル基、 電離していないアミノ基 (一 、 電離していない力 ルボキシル基(一〇〇〇 1 ~ 1)、 及びイソバレリル基から成る群から選ばれる 少 なくとも 1種の非電離基である < 4 0 >に記載の方法。

[0186] < 4 3 >複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され 固体支持体であって、 固 体支持体と、 前記固体支持体の表面に結合された複数の鎖 状ポリマーとを備 え、 固体支持体の表面に対する鎖状ポリマーの密 度が〇. 0 5本/ n m 2 以上 である固体支持体。

[0187] < 4 4 >複数の鎖状ポリマーにより表面修飾され 固体支持体であって、 固 体支持体と、 前記固体支持体の表面に結合された複数の鎖 状ポリマーとを備 え、 前記シート中の隣接する鎖状ポリマー間の平 均距離が〇. 5〜 3 . 5 n である固体支持体。

[0188] < 4 5 >前記鎖状ポリマーが、 ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリ ド ン、 ポリ (メタ) アクリル酸;セルロース;カルボキシメチル セルロース、 ヒドロキシエチルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース等の改変セル ロース;ポリアクリルアミ ド、 ポリエチレンオキサイ ド、 ポリエチレングリ コール、 ポリプロピレングリコール、 ポリテトラヒドロフラン、 ポリビニル アセタール、 ポリビニルメチルエーテル、 ポリアミン、 ポリエチレンイミン 、 カゼイン、 ゼラチン、 でんぷん;ポリエチレン及びポリプロピレン 等のポ リオレフィン、 エチレン又はプロピレン等のオレフィンとそ の他のオレフィ ンとの共重合体、 ポリエステル、 ポリ塩化ビニル、 ポリスチレン、 アクリロ 二トリルースチレン共重合体、 アクリロニトリルーブタジエンースチレン共 重合体、 ポリメチルメタクリレート、 (メタ) アクリル酸エステル共重合体 、 アクリルニトリルーメチルアクリレート共重 合体、 ポリカーボネート、 ポ リウレタン、 塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、 ポリビニルプチラール、 ポ 〇 2020/175678 40 卩(:171? 2020 /008349

リイソプチレン、 ポリアニリン、 ナイロン等のポリアミ ド、 ポリイミ ド;ポ リイソプレン、 ポリブタジェン等のポリジェン;ポリシロキ サン、 ポリスル ホン、 ポリイミン、 ポリ無水酢酸、 ポリ尿素、 ポリスルフィ ド、 ポリフォス ファゼン、 ポリケトン、 ポリフェニレン、 並びにこれらの誘導体からなる群 から選ばれる 1つ又は複数である<4 3>又は<4 4>に記載の固体支持体

[0189] <4 6>前記鎖状ポリマーが、 ポリェチレングリコール、 ポリイソプレン、 ポリイソプチレン、 ポリブタジェン、 ポリプロピレングリコール、 ポリテト ラヒドロフラン、 ポリジメチルシロキサン、 ポリェチレン、 ポリプロピレン 、 ポリビニルアルコール、 及びポリビニルメチルェーテルからなる群か ら選 ばれる少なくとも 1種である<4 3>又は<4 4>に記載の固体支持体。

[0190] <4 7>前記固体支持体が無機材料からなる<4 3>〜<4 6>のいずれか _項に記載の固体支持体。

[0191 ] <4 8>前記無機材料が金属、 金属酸化物、 シリコン、 石英、 又はジルコニ アである<4 7>に記載の固体支持体。

[0192] <4 9>前記固体支持体が有機材料からなる<4 3>〜<4 6>のいずれか _項に記載の固体支持体。

[0193] <5 0>前記有機材料が合成樹脂、 生体高分子、 又は生物体である<4 9> に記載の固体支持体。

[0194] <5 1>前記複数の鎖状ポリマーの一部又は全部 より串刺し状に包接され る環状分子をさらに備える<4 3>〜< 5 0>のいずれか一項に記載の固体 支持体。

[0195] <5 2>前記複数の鎖状ポリマーの一部又は全部 より串刺し状に包接され る環状分子を備えない<4 3>〜<5 0>のいずれか一項に記載の固体支持 体。

[0196] <5 3>前記環状分子が、 クロデキストリン、

ン、 アーシクロデキストリン、 クラウンェーテル、 ピラーアレン、 カリック スアレン、 シクロフアン、 ククルビツ トウリル、 又はこれらの誘導体である 〇 2020/175678 41 卩(:171? 2020 /008349

<5 1>又は<5 3>に記載の固体支持体。

[0197] <5 4> <4 3>〜< 5 3>のいずれか一項に記載の固体支持体を備 たドラッグデリバリ用材料 (例えば、 ドラッグデリバリのビヒクル) 、 生体 イメージング、 表面改質剤、 接着剤、 創傷部位癒着防止剤、 ヘアケア材、 コ —ティング材料、 マウスウォッシユなどの口腔ケア材料、 サプリメント用基 剤、 細胞や藻類などの凝集制御材料、 酸素バリア性材料、 保湿剤、 紫外線防 御性材料、 臭気防止材料。

[0198] <5 5> <4 3>〜< 5 3>のいずれか一項に記載の固体支持体を備 た構造材料、 人工生体代替材料、 パッケージ材料、 ゴム材料、 ヘアケア材料 、 コーティング材料、 塗料、 マウスウォッシユなどの口腔ケア材料、 接着剤 、 サプリメント用基剤、 高機能飲料、 凝集制御材料、 酸素バリア性材料、 保 湿剤、 紫外線防御性材料、 又は臭気防止材料。

[0199] <5 6> 人工生体代替材料、 パッケージ材料、 ゴム材料、 ヘアケア材料

、 コーティング材料、 塗料、 マウスウォッシユなどの口腔ケア材料、 接着剤 、 サプリメント用基剤、 高機能飲料、 凝集制御材料、 酸素バリア性材料、 保 湿剤、 紫外線防御性材料、 又は臭気防止材料における上記<4 3>〜< 5 3 >のいずれか一項に記載の固体支持体の使用 。

[0200] 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に 説明するが、 本発明はこれら に限定されない。

実施例

[0201 ] 実施例 1 高密度のポリマーブラシの製造

1 . 固体支持体の製造

合成例 1 電離擬ポリロタキサンナノシート水分散液を 用いた固体支持体 の製造

-ポリプロピレングリコール リエチレングリコール ( I リ r o n 1 〇(登録商標) 6 8 ; 巳〇 75 30 巳〇 75 ) 2 . 5〇 9、 〇. 3 0〇1〇1〇 1、 2, 2, 6, 6 -テトラメチ ルビペリジン 1 -オキシル (丁巳!\/1 ?〇) 2 0 3〇1 9 、 1 . 3 0〇1〇1〇 1、 臭 〇 2020/175678 42 卩(:171? 2020 /008349

化ナトリウム 2021119、 1. 96〇1111〇 1 を水 28mLに溶解させた。 その後、 撹拌しながら トリウム水溶液を 1 ~ 1の値が変 化しなくなるまで徐々に滴下した。 得られた水溶液を室温にてさらに 1 0分 間撹拌した。 その後、 反応を止めるためにエタノール 2. 5 !_を投入した 。 さらに 6 IV!塩酸水溶液を 1 ~ 1が 2になるまで投入し、 塩化メチレン 1_にて目的物を抽出した。 さらに得られた塩化メチレン溶液を〇. 01 1\/1塩 酸水溶液を用いて 2回洗浄した後、 塩化メチレンを留去することにより目的 物である £〇 -ビスーカルボン酸ポリエチレングリコール- 1)1〇〇 ポリプロ ピレングリコール- 1)1〇〇 ポリエチレングリコールを得た (2. 4 1 9、 96 . 4%、 1\/| |^ = 840〇 9/|11〇 I (卩〇 1 61;11 [ 9 ^〇〇 I 3士8门〇13「〇1 .1门 (^0

1 3 ) , 口 丨 (卩〇 〇1.1 卩 士 ) = 1. 07) 。

[0202] /3 -シクロデキストリン〇. 459を水 25 1_に溶解させた。

[0203] 次に、 上記で得られた £〇 -ビスーカルボン酸ポリエチレングリコール- -ポリエチレングリコール〇. 1 9を 、 /3—シクロデキストリン水溶液に投入し、 室温にて一週間撹拌することに より単離ナノシートを得た。

[0204] この単離ナノシートを含有する分散液を、 未処理 3 丨 0 2 基板上にスピンキ ヤストにより塗布して室温 ·大気圧下で乾燥させ、 単離ナノシートを基板に 付着させた。

[0205] その後、 真空下 80°〇で 72時間アニールし、 3 丨 〇 2 基板表面上のシラノ —ル基とナノシート中の鎖状ポリマーの末端 のカルボキシル基とを脱水縮合 させ、 合成例 1の固体支持体を得た。

[0206] 合成例 2 非電離擬ポリロタキサンナノシート水分散液 を用いた固体支持 体の製造

合成例 1で用いた《 , £0—ビスーポリエチレングリコール- 1〇〇 ポリプロ ピレングリコール- 1)1〇〇 ポリエチレングリコールは末端にヒドロキシ 基を有 するため、 合成例 2ではこれをそのまま使用した。

[0207] クロデキストリン 4. 009を水 33. 5 1_に溶解させた。 〇 2020/175678 43 卩(:171? 2020 /008349

[0208] 次に、 £〇 -ビスーポリエチレングリコール- 1) 1〇〇 ポリプロピレングリ コール- 1) 1〇〇 ポリエチレングリコール 1 . 0 0 9を、 アーシクロデキストリ ン水溶液に投入し、 室温にて一週間撹拌することにより単離ナノ シートを得 た。

[0209] この単離ナノシートを含有する分散液を、 3 丨 〇 2 基板上に滴下して室温 · 大気圧下で乾燥させ、 単離ナノシートを基板に付着させた。

[0210] その後、 真空下 8 0 °〇で 7 2時間アニールし、 3 丨 〇 2 基板表面上のシラノ —ル基とナノシート中の鎖状ポリマーの末端 のヒドロキシ基とを脱水縮合さ せ、 合成例 2の固体支持体を得た。

[021 1 ] 比較合成例 1

合成例 1 に従って -ビスーカルボン酸ポリエチレングリコール- 1^00 ポリプロピレングリコール- ポリエチレングリコールを得た後、 / 3 - シクロデキストリンは用いず、 £〇 -ビスーカルボン酸ポリエチレングリ コール- 1) 1〇〇 ポリプロピレングリコール- 1) 1〇〇 ポリエチレングリコールを 6 . 2 丨 となるようジクロロメタンに溶解させた溶液 を作製した

[0212] この鎖状ポリマーを含有する溶液を、 未処理 3 丨 〇 2 基板上にスピンキャス 卜により塗布して室温 ·大気圧下で乾燥させ、 真空下 8 0 ° 〇で 7 2時間乾燥 させ、 比較合成例 1の固体支持体を得た。

[0213] 比較合成例 2

イオン交換水を未処理 3 丨 0 2 基板上にスピンキャストにより塗布して 室温 大気圧下で乾燥させ、 真空下 8 0 °〇で 7 2時間乾燥させ、 比較合成例 2の 固体支持体を得た。

[0214] 2 . ポリマーブラシの形成及び接触角の測定

合成例 1で得た固体支持体をイオン交換水中に静置 ると、 時間が経過す るにつれて構成成分であるシクロデキストリ ンが徐々に崩壊していく様子が 3巳 IV!にて観察された (図 5八ー ) 。 水中での 1 2時間の静置後、 固体支 持体の表面を流水で洗うと、 擬ポリロタキサンナノシートが完全に分解し た 〇 2020/175678 44 卩(:171? 2020 /008349

ことを確認することができた (図 5 ) 。

[0215] 合成例 1、 比較合成例 1、 及び比較合成例 2の固体支持体を水中で 1 2時 間静置した後、 流水で洗浄した試料を実施例 1、 比較例 1、 及び比較例 2と した。 実施例 1、 比較例 1、 及び比較例 2の基板表面の静止接触角を接触角 計により測定した。 接触角は 3回測定した値の平均値とした。

[0216] 図 6に示すように、 実施例 1、 比較例 1、 及び比較例 2の 3 丨 0 2 基板の接 触角はそれぞれ 3 8 . 9 ° 、 5 2 . 1 ° 、 9 3 . 7 ° であった。

[0217] 実施例 1の接触角が最も高く、 親水性の鎖状ポリマーが基板に結合してい ることを示唆している。 X線光電子分光測定を行うと、 3 丨 〇 2 基板には無い 〇一〇結合が見られ、 鎖状ポリマーが 3 丨 〇 2 基板に結合していることが分か った。 鎖状ポリマーの密度[本/ 1·! 2 ]を計算すると 0 . 4 7

あった。 シクロデキストリンの直径から求まる面積は 1 . 8 3门〇1 2 であり、 この面積内に 1本の鎖状ポリマーが存在するときの密度は . 5 4[本/ n 2 ]である。 この値に極めて近い値が得られたことから、 シクロデキストリンの 柱状格子をテンプレートとした 9「34丨叩 法により、 高密度のポリマーブラ シが作成できた。

[0218] これに対し、 実施例 1 と同様の方法で比較例 1の鎖ポリマーの密度[本/ n

2]を計算したところ、 0 . 0 2 [本/ 2 ]であり、 極めて低密度であった

[0219] 実施例 2 ナノシートの急速、 高密度吸着

トリン〇. 4 5 9を水 2 5 !_に溶解させた。 次に、 上記 合成例 1で得られた《 , 〇) -ビスーカルボン酸ポリエチレングリコール- 1) ポリプロピレングリコール- 1)1〇〇 ポリエチレングリコール〇. 1 9を、 / 3 —シクロデキストリン水溶液に投入し、 室温にて一週間撹拌することにより 、 末端に負電荷を有する単離ナノシート (〇〇〇1 ~ 1 _ 3) を得た。

[0220] 正電荷を有する基板の準備は次の通りである 。 _161;11(« 3 _1 I

3 (八?丁£3) は東京化成工業株式会社のものを用いた。 トルエン、 メタノー ルは富士フイルム和光純薬株式会社より購入 した。 〇 2020/175678 45 卩(:171? 2020 /008349

[0221 ] メタノールで I基板及びガラス基板表面を洗浄したのち、 30分間 1^/0 3 処 理した。 この基板を - !基板と呼ぶ。 化処理をしたあと、 トルエンで洗浄 してから、 八?丁£3 2 〇 トルエン溶液に浸した。 撹拌しながら 15 111 反応さ せたあと、 トルエンで洗浄した。 さらにメタノールで洗浄したのち、 水で洗 浄し、 水中で保管した。 この基板を八?丁£3-3 _ 1 基板と呼ぶ。 基板を反応後 2時間 以内に使用した。

[0222] (3〇〇 1 ~ 1 _ 3を用いて、 基板への吸着量の時間依存性を評価し た。 実験手順は次のとおりである。

に 2秒間、 10秒間、 1分間、 8分間浸潰したあと、 基板を引き上げ液滴を取り除 き、 その後 3巳1\/1観察を行った。 浸潰時間が 2秒間でも大量のナノシートが付 着していた (図 7八) 。 10秒間浸潰するとさらに付着量は増加し (図 7巳)

、 1分間浸潰すると、 〇〇〇1 ~ 1 _ 3が基板のほぼ全体を覆い尽くすことがわ かった (図 7〇) 。 比較的暗く観察されている部分は二層に重な っている。 基板が正電荷を帯びていない場合は、 1分間浸潰させてもあまり付着しないこ とを確認した (図 7 0) 。 すなわち、 静電相互作用を導入することで、 極め て迅速に表面修飾を行うことができることが 見出された。

[0223] 実施例 3 自発性裁断化 (フラグメンテーション)

実施例

成したが、 その浸潰回数は一回であった。 複数回浸潰して構造を解析すると 、 異なる挙動が観察された。

に 1分間浸潰させて乾燥させたのち、 さらに 10秒の浸潰と乾燥を三回繰り返し た試料の 像を示す。 すると、 二層目がほとんど無くなっていた。 拡大して みると (図 8の _1 6〇 、 〇〇〇1 ~ 1 - 3が互いに重なった領域で分解が生じ ていることがわかった。 フラグメンテーションが生じることによって 、 積極 的に単層被覆が生じることが分かった。

[0224] 実施例 4 防汚性

実施例 2で製造した〇〇〇 1 ~ 1 - 3が高密度に吸着した I基板にシリコン オイル(信越シリコーン 1^-54)を載せ、 その後〇〇〇! ~ 1 _ 3の液体に浸した 〇 2020/175678 46 卩(:171? 2020 /008349

。 接触角を 0015+を用いて測定した。 非常に大きな接触角で あることがわかり(図 9八)、 基板を振とうさせるとシリコンオイルがはじ か れ脱着した(図 9巳)。 一方、 〇〇〇1 ~ 1— N 3を吸着させないコントロール _1 基板ではシリコンオイルの接触角は比較的小 さく(図 9〇、 振とうしても基 板に吸着したまま剥がれなかった(図 9口)。

[0225] 以上の結果から、 〇〇〇1 ~ 1 _ 3が水中で油性成分をはじく、 すなわち防 汚性を有することが明らかになった。 これは/ 3—シクロデキストリン層表面 に高密度に集積した 鎖の水和膨潤によって疎水性成分が排斥され たためと 考えられる。 鎖状ポリマーが高密度に配置されている擬ポ リロタキサンシー 卜の一種である〇〇〇1 ~ 1 _ 3は、 固体支持体に高密度で付着した。 そして 表面物性を劇的に改質することができた。 表面物性は、 濡れ性や摩擦特性、 接着性、 汚染物質 ·微生物吸着などに影響するが、 本実施例では特に、 防汚 性について実証することに成功した。

[0226] 実施例 5 材料への高付着性

/3 -シクロデキストリン〇. 4 5 9を水 2 5 に溶解させた。 次に、

£〇 -ビスーアミノポリエチレングリコール- -ポリプロピレングリコール -1)1〇〇 ポリエチレングリコール〇. 1 を、 /3—シクロデキストリン水溶液 に投入し、 室温にて四週間撹拌することにより、 末端に正電荷を有する単離

ィスクに対して 1\1 1 ~ 1 2 — 3分散液をドロップして液滴を除去し、 1\1 1^— 3 をコーティングしたところ、 1\1 1 ~ 1 2 - 3の層は凹凸に完全に追従した (図 1 0八、 巳) 。 この結果は、 1\! 1 ~ 1 2 _ 3が一次元曲率を生じる曲げに対して柔 軟に振る舞うことができることを示している 。 さらに、 ポリスチレン球 (半 径 1 . 4 3 ) に対しても同様に、 1\! 1 ~ 1 2 - 3は屈曲して付着した (図 1 〇〇) 。 すなわち、 二次元曲率を生じる曲げに対しても 1\1 1 ~ 1 2 _ 3が柔軟に 振る舞うことが分かった。 鎖状ポリマーが高密度に配置されている擬ポ リロ タキサンシートの一種である !\! 1 ~ 1 2 _ 3は、 一次元曲率及び二次元曲率を有 〇 2020/175678 47 卩(:171? 2020 /008349

する固体支持体にも密接し高付着性を示す ことがわかった。

[0228] 次に、 1\1 1 ~ 1 2 _ 3を豚皮、 髪の毛、 コンタクトレンズに滴下し、 水分をろ 紙で拭きとってから 3巳 IV!観察を行った。 それぞれ図 1 1 八、 1 1 巳、 1 1 〇に示す。 また、 1\! 1 ~ 1 2 _ 3を豚眼に付着させた後、 光学顕微鏡観察を行っ た。 図 1 1 口に示す。 いずれの場合もシート状ナノ構造体が付着し ている様 子を確認することができた。 鎖状ポリマーが高密度に配置されている擬ポ リ ロタキサンシートの一種である 1\1 1 ~ 1 2 - 3は、 複雑な表面組成と凹凸形状を 有する生体材料系の固体支持体にも密接し高 付着性を示すことがわかった。