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Title:
LAYERED BODY FOR SKIN ADHESION AND METHOD FOR PRODUCING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175681
Kind Code:
A1
Abstract:
One embodiment of the present invention provides: a layered body for skin adhesion, which has a first layer containing a silicone elastomer and a second layer that contacts the first layer and is adhesive, and in which the layered product of the first layer and the second layer has a tensile stress at 40% elongation of 0.8 MPa or less and a total thickness of 1 mm or less; and a method for producing the layered body for skin adhesion.

Inventors:
YONEYAMA SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/008363
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 28, 2020
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
International Classes:
B32B25/20; A61F13/02; A61K8/02; A61K8/25; A61K8/89; A61K8/891; A61K9/70; A61K47/04; A61K47/34; A61Q19/00
Foreign References:
JP2000217858A2000-08-08
JP2008525557A2008-07-17
JP2016529206A2016-09-23
JP2018201751A2018-12-27
JP2017506125A2017-03-02
JP2009149844A2009-07-09
JP2010132350A2010-06-17
JP2018197213A2018-12-13
Attorney, Agent or Firm:
TAIYO, NAKAJIMA & KATO (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175681 35 卩(:17 2020 /008363

請求の範囲

[請求項 1 ] シリコーンエラストマーを含む第 1層と、 第 1層と接触し且つ粘着 性を示す第 2層と、 を有し、

第 1層と第 2層との積層物は、 4 0 %伸長時の引張応力が 0 . 8 !\/1 8以下であり、 且つ、 総厚みが 1 111 111以下である、 皮膚貼付け用積層体。

[請求項 2] 第 1層と第 2層との積層物の引張破断伸度が 1 0 0 %以上である、 請求項 1 に記載の皮膚貼付け用積層体。

[請求項 3] 第 1層がシリカ粒子を含む、 請求項 1又は請求項 2に記載の皮膚貼 付け用積層体。

[請求項 4] シリカ粒子の含有量が第 1層の全質量に対して 7質量%〜 3 0質量

%である、 請求項 3に記載の皮膚貼付け用積層体。

[請求項 5] シリコーンエラストマーがヒドロシリル化反応による架橋構造を有 する、 請求項 1〜請求項 4のいずれか 1項に記載の皮膚貼付け用積層 体。

[請求項 6] 第 1層の第 2層と接する面とは反対の面側に接する第 1支持体と、 第 2層の第 1層と接する面とは反対の面側に接する第 2支持体と、 を 更に有する、 請求項 1〜請求項 5のいずれか 1項に記載の皮膚貼付け 用積層体。

[請求項 7] 第 1支持体の第 1層側の面及び第 2支持体の第 2層側の面の少なく とも一方がシリコーン層を有する又はシリコーンにより表面処理され ている、 請求項 6に記載の皮膚貼付け用積層体。

[請求項 8] 生体モニタリングデバイス、 表示素子、 創傷被覆材、 経皮製剤、 又 は化粧品に用いる、 請求項 1〜請求項 7のいずれか 1項に記載の皮膚 貼付け用積層体。

[請求項 9] シリコーンエラストマーを含む第 1層を形成する工程八と、

粘着性を有する第 2層を形成する工程巳と、

を有し、 \¥0 2020/175681 36 卩(:171? 2020 /008363

第 1層と第 2層との積層物の 4 0 %伸長時の引張応力が〇. 8 1\/1 3以下であり、 且つ、 総厚みが 1 以下である、 皮膚貼付け用積層 体の製造方法。

[請求項 10] 工程八が、 第 1支持体上に、 架橋性基を有するシリコーンポリマー 、 架橋剤、 及び溶剤を含む塗布液を塗布及び乾燥させて、 第 1層を形 成する工程である、 請求項 9に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方法

[請求項 1 1 ] 工程八が、 第 1支持体上に、 架橋性基を有するシリコーンポリマー 、 架橋剤、 シリカ粒子、 及びシリコーン系溶剤を含む塗布液を塗布及 び乾燥させて、 第 1層を形成する工程である、 請求項 9に記載の皮膚 貼付け用積層体の製造方法。

[請求項 12] 工程巳が、 第 1層上に第 2層を形成する工程である、 請求項 9〜請 求項 1 1のいずれか 1項に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[請求項 13] 連続搬送される第 1支持体を用い、 口ールトゥロール方式にて工程 八及び工程巳が行われる、 請求項 9〜請求項 1 2のいずれか 1項に記 載の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[請求項 14] 工程八と工程巳との間に、

工程八にて形成された第 1層の表面に保護フィルムを貼り合わせる 工程八 1、 及び、 貼り合された保護フィルムを第 1層の表面から剥離 する工程 2と、 を更に含む、 請求項 9〜請求項 1 3のいずれか 1項 に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[請求項 15] 工程八と工程巳との間に、 工程八にて形成された第 1層の表面を親 水化処理する工程 3を更に含む、 請求項 9〜請求項 1 4のいずれか 1項に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[請求項 16] 工程八 3にて親水化処理された第 1層の表面は、 1\1 -メチルー 2 - ピロリ ドンとの接触角が 6 0度以下である、 請求項 1 5に記載の皮膚 貼付け用積層体の製造方法。

[請求項 17] 工程巳後、 第 2層上に第 2支持体と貼り合わせる工程 0を更に有す \¥0 2020/175681 37 卩(:17 2020 /008363 る、 請求項 9〜請求項 1 6のいずれか 1項に記載の皮膚貼付け用積層 体の製造方法。

Description:
\¥0 2020/175681 1 卩(:17 2020 /008363 明 細 書

発明の名称 : 皮膚貼付け用積層体及びその製造方法

技術分野

[0001 ] 本開示は、 皮膚貼付け用積層体及びその製造方法に関す る。

背景技術

[0002] 皮膚貼付け用積層体としては、 例えば、 創傷被覆材、 経皮製剤等が挙げら れ、 その用途は様々である。

例えば、 特開 2 0 1 8 - 0 4 3 9 5 0号公報には、 カルボン酸エステルを 含有し、 生体に貼付するための感圧接着剤層と、 感圧接着剤層の厚み方向一 方側に配置され、 感圧接着剤層を支持する基材層と、 感圧接着剤層および前 記基材層の間に介在されるバリア層とを備え 、 カルボン酸エステルの 3 値 との差の絶対値 生体貼付用積層 体が開示されている。

[0003] 特開 2 0 1 6— 0 2 2 2 2 3号公報には、 フィルム基材と、 フィルム基材 の底面の第一粘着層と、 フィルム基材の上面の第二粘着層とからなり 、 これ ら三層を貫通する貫通孔を有する保護フィル ム部材と、 この保護フィルム部 材の第一粘着層と第二粘着層それぞれに貼付 している第一剥離ライナーと第 二剥離ライナーとからなる医療用保護フィル ム材料が開示されている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004] 皮膚貼付け用積層体には、 長時間、 皮膚へ貼付けることが望まれるものが ある。 このような皮膚貼付け用積層体には、 皮膚から放出される水蒸気の透 過性に優れることに加え、 貼付けているときの重さ及び異物感による違 和感 が少なく、 皮膚の動きに対して追従することも望まれて いる。

[0005] そこで、 本開示の一実施形態の課題は、 違和感なく貼付けられ、 皮膚の動 きに追従し、 且つ、 皮膚から放出される水蒸気の透過性に優れる 皮膚貼付け \¥0 2020/175681 2 卩(:171? 2020 /008363

用積層体及びその製造方法を提供すること にある。

課題を解決するための手段

[0006] 本開示は、 以下の実施形態を含む。

[1] シリコーンエラストマーを含む第 1層と、 第 1層と接触し且つ粘着 性を示す第 2層と、 を有し、

下であり、 且つ、 総厚みが 1 111 111以下である、

皮膚貼付け用積層体。

[0007] [2] 第 1層と第 2層との積層物の引張破断伸度が 1 0 0 %以上である、

[ 1] に記載の皮膚貼付け用積層体。

[3] 第 1層がシリカ粒子を含む、 [1] 又は [2] に記載の皮膚貼付け 用積層体。

[4] シリカ粒子の含有量が第 1層の全質量に対して 7質量%〜 3 0質量 %である、 [3] に記載の皮膚貼付け用積層体。

[5] シリコーンエラストマーがヒドロシリル化反 応による架橋構造を有 する、 [1] 〜 [4] のいずれか 1 に記載の皮膚貼付け用積層体。

[0008] [6] 第 1層の第 2層と接する面とは反対の面側に接する第 1支持体と、 第 2層の第 1層と接する面とは反対の面側に接する第 2支持体と、 を更に有 する、 [1] 〜 [5] のいずれか 1 に記載の皮膚貼付け用積層体。

[7] 第 1支持体の第 1層側の面及び第 2支持体の第 2層側の面の少なく とも _方がシリコーン層を有する又はシリコーン より表面処理されている 、 [6] に記載の皮膚貼付け用積層体。

[8] 生体モニタリングデバイス、 表示素子、 創傷被覆材、 経皮製剤、 又 は化粧品に用いる、 [1] 〜 [7] のいずれか 1 に記載の皮膚貼付け用積層 体。

[0009] [9] シリコーンエラストマーを含む第 1層を形成する工程八と、

粘着性を有する第 2層を形成する工程巳と、

を有し、 \¥0 2020/175681 3 卩(:17 2020 /008363

第 1層と第 2層との積層物の 4 0 %伸長時の引張応力が〇. 8 1\/1 8以下 であり、 且つ、 総厚みが 1 以下である、 皮膚貼付け用積層体の製造方法

[0010] [1 0] 工程八が、 第 1支持体上に、 架橋性基を有するシリコーンポリマ 一、 架橋剤、 及び溶剤を含む塗布液を塗布及び乾燥させて 、 第 1層を形成す る工程である、 [ 9] に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[1 1] 工程八が、 第 1支持体上に、 架橋性基を有するシリコーンポリマ 一、 架橋剤、 シリカ粒子、 及びシリコーン系溶剤を含む塗布液を塗布及 び乾 燥させて、 第 1層を形成する工程である、 [9] に記載の皮膚貼付け用積層 体の製造方法。

[1 2] 工程巳が、 第 1層上に第 2層を形成する工程である、 [9] 〜 [ 1 1] のいずれか 1 に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[1 3] 連続搬送される第 1支持体を用い、 口ールトゥロール方式にてエ 程八及び工程巳が行われる、 [9] 〜 [1 2] のいずれか 1 に記載の皮膚貼 付け用積層体の製造方法。

[1 4] 工程八と工程巳との間に、 工程八にて形成された第 1層の表面に 保護フィルムを貼り合わせる工程 1、 及び、 貼り合された保護フィルムを 第 1層の表面から剥離する工程八 2と、 を更に含む、 [9] 〜 [1 3] のい ずれか 1 に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[001 1] [1 5] 工程八と工程巳との間に、 工程八にて形成された第 1層の表面を 親水化処理する工程八 3を更に含む、 [9] 〜 [1 4] のいずれか 1 に記載 の皮膚貼付け用積層体の製造方法。

[1 6] 工程八 3にて親水化処理された第 1層の表面は、 1\1 -メチルー 2 —ピロリ ドンとの接触角が 6 0度以下である、 [1 5] に記載の皮膚貼付け 用積層体の製造方法。

[1 7] 工程巳後、 第 2層上に第 2支持体と貼り合わせる工程 0を更に有 する、 [9] 〜 [1 6] のいずれか 1 に記載の皮膚貼付け用積層体の製造方 法。 \¥0 2020/175681 4 卩(:171? 2020 /008363 発明の効果

[0012] 本開示の一実施形態によれば、 違和感なく貼付けられ、 皮膚の動きに追従 し、 且つ、 皮膚から放出される水蒸気の透過性に優れる 皮膚貼付け用積層体 及びその製造方法を提供することができる。

発明を実施するための形態

[0013] 以下、 本開示の具体的な実施形態の例について詳細 に説明するが、 以下の 実施形態は一例に過ぎず、 以下の記載に何ら限定されず、 本発明の目的の範 囲内において、 適宜、 変更を加えて実施することができる。

[0014] 本明細書において 「〜」 を用いて示された数値範囲は、 「〜」 の前後に記 載される数値をそれぞれ最小値及び最大値と して含む範囲を示す。

さらに、 本明細書において組成物に含まれる各成分の 量は、 組成物中に、 各成分に該当する物質が複数含まれる場合、 特に断らない限り、 当該複数の 物質の合計量を意味する。

本明細書中に段階的に記載されている数値範 囲において、 ある数値範囲で 記載された上限値又は下限値は、 他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は 下限値に置き換えてもよい。 また、 本明細書中に記載されている数値範囲に おいて、 ある数値範囲で記載された上限値又は下限値 は、 実施例に示されて いる値に置き換えてもよい。

本明細書において、 「 (メタ) アクリル」 は、 アクリル及びメタクリルの 少なくとも一方を意味する。

本明細書において、 2以上の好ましい態様の組み合わせは、 より好ましい 態様である。

[0015] <皮膚貼付け用積層体>

本開示の皮膚貼付け用積層体 (以下、 「本開示の積層体」 ともいう) は、 シリコーンエラストマーを含む第 1層と、 第 1層と接触し且つ粘着性を示す 第 2層と、 を有する。 そして、 本開示の積層体が有する第 1層と第 2層との 積層物は、 4 0 %伸長時の引張応力が〇. 以下であり、 且つ、 総厚 みが 1 01 01以下である。 \¥02020/175681 5 卩(:171? 2020 /008363

[0016] 本開示の積層体は、 第 1層と第 2層との積層物の、 40%伸長時の引張応 力が〇. 以下であり、 且つ、 総厚みが 1 以下であることで、 違 和感なく貼付けられ、 皮膚の動きに追従するといった効果を奏する ものと推 測される。

更に、 第 1層がシリコーンエラストマーを含む層であ ことで、 その素材 に由来して、 皮膚からの放出される水蒸気の透過性に優れ るといった効果を 奏するものと推測される。

[0017] なお、 特開 201 8-043950号公報及び特開 201 6— 02222

3号公報に記載の積層体は、 いずれも、 粘着層に隣接する層としてシリコー ンエラストマーを含む層を有していない。 また、 特開 201 8— 04395 〇号公報及び特開 201 6-022223号公報に記載の積層体は、 粘着層 と隣接する層との積層物における引張応力に ついても何ら検討されていない

[0018] [40%伸長時の引張応力]

本開示の積層体において、 第 1層と第 2層との積層物の 40%伸長時の引 張応力は 0. 以下である。

積層物の 40%伸長時の引張応力は、 皮膚の動きに追従し易くなる観点か ら、 〇. 以下が好ましく、 〇. 61\/1 3以下がより好ましく、 〇.

31\/1 3以下が更に好ましい。

積層物の 40%伸長時の引張応力の下限値は、 例えば、 〇. 001 IV! 3 である。

[0019] また、 本開示の積層体において、 皮膚の動きに追従し易くなる観点から、 第 1層と第 2層との積層物の 1 0%伸長時の引張応力は〇. 以下で あることが好ましく、 〇. 21\/1 3以下であることがより好ましく、 0. 1 IV! 3以下であることが更に好ましい。

積層物の 1 0%伸長時の引張応力の下限値は、 例えば、 〇. 001 IV! 3 である。

[0020] [引張破断伸度] \¥02020/175681 6 卩(:171? 2020 /008363

本開示の積層体において、 皮膚の動きに追従し易くなる観点から、 第 1層 と第 2層との積層物の引張破断伸度は、 1 00%以上であることが好ましく 、 1 50%以上であることがより好ましく、 200%以上であることが更に 好ましい。

積層物の引張破断伸度の上限値は、 例えば、 900%である。

[0021] 積層物の引張応力及び引張破断伸度を上記の 範囲にするためには、 第 1層 の引張応力及び引張破断伸度を調整する方法 、 第 2層の引張応力及び引張破 断伸度を調整する方法、 第 1層と第 2層その膜厚比を調整する方法等が挙げ られる。

皮膚への粘着性を示す第 2層を第 1層に比べ薄くする場合、 積層物の引張 応力及び引張破断伸度は、 積層物中の第 1層の引張応力及び引張破断伸度を 調整する方法にて制御することが好ましい。

[0022] (測定)

ここで、 積層物における 40%伸長時の引張応力及び引張破断伸度は、 以 下のようにして測定する。

まず、 測定対象物から幅 2〇 、 チャック間距離 4〇 の試験片を 3 つ作製する。 引張り試験機 (例えば、 島津製作所のオートグラフ八〇 3— X ) にて、 3つの試験片それぞれについて引張速度 50 /〇! 丨 にて伸長 する。 そして、 以下の式 (1) を用いて引張応力を、 また、 以下の式 (2) を用いて引張破断伸度を求める。 3つの試験片のそれぞれから求められた引 張応力及び引張破断伸度を平均したものを、 積層物における引張応力及び引 張破断伸度とする。

なお、 試験片の伸長は、 25±2 ° 〇の環境下で行う。

式 (1) 引張応力 = /八

式 (1) 中、 は、 試験片が 40%伸長した時の荷重 (1\!) を表し、 八は 、 伸長前の試験片の断面積 ( 〇! 2 、 具体的には、 20〇1111\乂111111、 Xは試 験片の厚み) を表す。

式 (2) 引張破断伸度 (%) = (02-01) /01 X 1 00 \¥0 2020/175681 7 卩(:171? 2020 /008363

式 (2) 中、 チャック間距離 ( ) を表し、 0 2は、 破断時の チャック間距離 (01 111) を表す。

なお、 1 〇%伸長時の引張応力は、 上記式 (1) の に、 試験片が 1 0 % 伸長した時の荷重 (1\〇 を導入すること以外は、 1 0 %伸長時の引張応力と 同様の方法で求められる。

[0023] [総厚み]

本開示の積層体において、 第 1層と第 2層との積層物の総厚みは 1 〇1〇1以 下である。

総厚みが 1 以下であることで、 皮膚への貼付け時に、 重さ、 異物感等 を感じにくくなり、 違和感なく貼付けられる。

積層物の総厚みは、 薄ければ薄いほど違和感なく貼り付けられる 。 具体的 には、 積層物の総厚みは、 〇. 7 が好ましく、 0 . 0 1 01 01〜〇. 5 01 01がより好ましく、 〇. が更に好ま しく、 〇. 0 2〇1 111 ~〇. 1 01 111が特に好ましい。

また、 積層体の総厚みの下限値は、 製造適性の観点から、 例えば、 〇. 〇 0 3 01 01が挙げられる。

[0024] (測定)

ここで、 第 1層と第 2層との積層物における総厚みは、 以下のようにて測 定する。

厚みの測定には、 定圧厚さ測定器 (スタンドタイプデジタル測厚器、 〇 - 2 0」、 テクロック社製) を使用する。

測定には、 第 1支持体/第 1層/第 2層/第 2支持体で構成された積層物 が適用され、 この積層物の総厚みから第 1支持体と第 2支持体との厚さを差 し引くことで、 第 1層と第 2層との総厚みを求める。 そのため、 予め、 第 1 支持体及び第 2支持体のそれぞれ単体の厚みを上記の定圧 さ測定器にて測 定しておく。

なお、 測定に用いる積層物の試験片は、 既述の引張応力及び引張破断伸度 の測定に用いる試験片と同じ形状のものであ って、 3つ用意する。 \¥0 2020/175681 8 卩(:171? 2020 /008363

試験片の中央部を上記の定圧厚さ測定器に て 3回測定し、 3回の平均値を その試験片における厚みとする。 3つの試験片に対し同様の測定を行い、 3 試験片の厚みの平均値を第 1層と第 2層との積層物における総厚みの厚みと する。

[0025] なお、 第 1層のみの厚みを測定する場合には、 測定には、 第 1支持体/第

1層/保護フィルムで構成された積層物を適用 ればよい。 この積層物の総 厚みから、 第 1支持体と保護フィルムとの厚さを差し引く とで、 第 1層の 厚みが求められる。 そのため、 予め、 第 1支持体に加え、 保護フィルム単体 の厚みを上記の定圧厚さ測定器にて測定して おく。

第 1支持体/第 1層/保護フィルムで構成された積層物は、 例えば、 後述 する皮膚貼付け用積層体の製造方法における 工程 1 を経て得られた第 1支 持体/第 1層/保護フィルムで構成された積層物が挙げ れる。

また、 上記の方法で得られた第 1層と第 2層との総厚みから、 第 1層のみ の厚みを差し引くことで、 第 2層の厚みも算出することができる。

[0026] 以下、 本開示の積層体が有する第 1層及び第 2層について説明する。

[0027] [第 1層]

本開示の積層体は、 シリコーンエラストマーを含む第 1層を有する。 第 1 層は、 シリコーンエラストマーの他、 シリカ粒子を含んでいてもよい。 第 1層は、 単層構造であってもよいし、 多層構造であってもよい。 第 1層 が多層構造の場合、 そのうちの少なくとも 1層がシリコーンエラストマーを 含んでいればよい。

なお、 第 1層が多層構造の場合、 それぞれの層にて、 シリコーンエラスト マーの架橋密度が異なっていてもよい。 また、 第 1層が多層構造の場合、 そ れそれの層にて、 シリカ粒子の添加の有無を変えてもよいし、 シリカ粒子の 含有量が異なっていてもよい。

[0028] (シリコーンエラストマー)

シリコーンエラストマーは、 シリコーンポリマーの架橋物を指し、 シリコ —ンポリマーの三次元架橋物であることが好 ましい。 \¥02020/175681 9 卩(:171? 2020 /008363

シリコーンポリマーの三次元架橋物は、 より具体的には、 架橋性基を有す るシリコーンポリマーと架橋剤とによる反応 生成物であることが好ましい。

[0029] 架橋性基を有するシリコーンポリマーとして は、 分子内に 2つ以上の架橋 性基を有する、 ポリジメチルシロキサン、 ポリメチルフエニルシロキサン、 ポリメチルジフエニルシロキサン等が好まし いものとして挙げられ、 中でも 、 使用実績の観点及び三次元架橋物が得られや すい観点から、 分子内に 2つ 以上の架橋性基を有するポリジメチルシロキ サンが好ましく、 特に、 両主鎖 末端に架橋性基を有するポリジメチルシロキ サンが好ましい。

[0030] シリコーンポリマーが有する架橋性基として は、 シリコーンポリマーの架 橋反応として公知の、 ヒドロシリル化、 有機過酸化物による反応、 脱酢酸、 脱水、 脱アルコール等の反応に用いられる官能基で あればよい。 中でも、 シ リコーンポリマーの架橋反応としては、 反応副生成物が生じないヒドロシリ ル化が好ましく、 架橋性基としては、 ビニル基が特に好ましい。

即ち、 架橋性基を有するシリコーンポリマーとして は、 特に、 両主鎖末端 にビニル基を有するポリジメチルシロキサン が好ましい。

[0031] 架橋性基を有するシリコーンポリマーの重量 平均分子量としては、 特に制 限はないが、 例えば、 800〜 50000が挙げられ、 1 0000〜 300 00が好ましい。

架橋性基を有するシリコーンポリマーは、 1種単独で用いられてもよいし 、 2種以上を併用してもよい。

架橋性基を有するシリコーンポリマーの重量 平均分子量は、 ゲルパーミエ —シヨンクロマトグラフィ (〇 〇) で測定できる。 具体的には、 1 ~ 11_〇一 81 20〇 〇、 30-8020 (東ソー株式会社) を用い、 カラムとして 、 丁3 < 96 1、 3リ 6 「 1 ~ 11\/1— 1 ~ 1 (東ソー株式会社、 6.

1 5〇〇!) を 2本用い、 溶離液としてテトラヒドロフラン (丁 1 ~ 1 ) を用い て測定できる。 また、 条件としては、 試料濃度を〇. 5質量%、 流速を〇.

6 、 サンプル注入量を 1 0 丨 (マイクロリツ トル) 、 測定温 度を 40 ° 〇とし、 示差屈折計 ([¾ 丨) 検出器を用いて行なうことができる。 \¥02020/175681 10 卩(:171?2020/008363

検量線は、 東ソー社 「 〇 I ㊀標準試料丁 3

3 4」 : 「八- 500」 、 「 - 1」 、 「 - 1 0」 、 「 -80」 、 「 -380」 、 「八- 2500」 、 「 -4」 、 「 -40」 、 「 - 1 2 8」 、 「 ー 700」 の 1 0サンプルから作製されたものを用いること で きる。

[0032] 架橋剤としては、 架橋性基を有するシリコーンポリマーの架橋 性基と反応 する官能基を有するものであれば特に制限は ないが、 架橋密度の制御し易さ の観点から、 シロキサン化合物であることが好ましい。

架橋剤として具体的には、 分子内に 2つ以上のヒドロシリル基を有するシ ロキサン化合物が好ましく、 具体的には、 ポリメチルヒドロシロキサン、 メ チルヒドロシロキサンとジメチルシロキサン との共重合体、 ポリメチルフエ ニルシロキサン又はポリメチルジフエニルシ ロキサンとポリメチルヒドロシ ロキサンとの共重合体等が挙げられる。

架橋剤としては、 特に、 メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサ ンと の共重合体が好ましい。

[0033] 架橋剤として好ましいシロキサン化合物の重 量平均分子量としては、 特に 制限はないが、 例えば、 500〜 30000が挙げられ、 1 0000〜 25 000が好ましい。

シロキサン化合物の重量平均分子量は、 架橋性基を有するシリコーンポリ マーの重量平均分子量の測定方法と同じ方法 で測定される。

架橋剤は、 1種単独で用いられてもよいし、 2種以上を併用してもよい。

[0034] 架橋性基を有するシリコーンポリマーと架橋 剤との量比は、 第 1層に求め られる引張応力及び引張破断伸度に応じて決 定されればよい。

架橋性基を有するシリコーンポリマーと架橋 剤との量比は、 例えば、 質量 比にて、 架橋性基を有するシリコーンポリマー:架橋 剤 =7 : 3〜 9 : 1が 好ましく、 3 : 1〜 1 9 : 1が好ましく、 4 : 1〜 1 9 : 1がより好ましく 、 1 7 : 3〜 9 : 1が更に好ましい。

[0035] 第 1層に含まれるシリコーンエラストマーは、 上記のように、 ヒドロシリ \¥0 2020/175681 1 1 卩(:171? 2020 /008363

ル化反応による架橋構造を有するものが好 ましい。

ヒドロシリル化反応による架橋構造の存在は 、 第 1層中の、 ビニル基の有 無、 及び、 金属触媒の有無の少なくとも一方 (好ましくは両方) を確認する ことで推定することができる。

ヒドロシリル化反応による架橋構造を有する シリコーンエラストマー中に は、 通常、 未反応のビニル基が残存する。 そのため、 第 1層中に残存するビ ニル基の有無を確認することで、 シリコーンエラストマー中のヒドロシリル 化反応による架橋構造の存在が推定される。

また、 ヒドロシリル化反応には、 後述するように金属触媒が用いられるこ とがある。 そのため、 第 1層中の金属触媒の有無を確認することで、 シリコ —ンエラストマー中のヒドロシリル化反応に よる架橋構造の存在が推定され る。

[0036] ビニル基の有無は、 第 1層中に残存するビニル基を、 核磁気共鳴分光法等 を用いることで確認できる。 核磁気共鳴分光法には、 例えば、 ブルカー社製 八 八1\1〇巳 III 6 0 0が用いられる。

また、 金属触媒の有無は、 蛍光 X線分析法等により金属元素 (プラチナ、 チタン等) を分析することで確認できる。 蛍光 X線分析法には、 例えば、 ( 株) リガク製 「 丨 01リ 3 11型乂[¾ が用いられる。

[0037] 第 1層に後述するシリカ粒子が含まれない場合 シリコーンエラストマー (即ち、 シリコーンポリマーの架橋物) の含有量は、 第 1層の全質量に対し て、 7 0質量%〜 1 0 0質量%が好ましく、 7 5質量%〜 1 0 0質量%がよ り好ましく、 8 0質量%〜 1 0 0質量%が更に好ましい。

第 1層に後述するシリカ粒子が含まれる場合、 シリコーンエラストマ _ ( 即ち、 シリコーンポリマーの架橋物) の含有量は、 第 1層の全質量に対して 、 7 0質量%〜 9 3質量%が好ましく、 7 5質量%〜 9 3質量%がより好ま しく、 8 0質量%〜 9 0質量%が更に好ましい。

[0038] (シリカ粒子)

第 1層は、 シリカ粒子を含んでいることが好ましい。 \¥0 2020/175681 12 卩(:171? 2020 /008363

シリカ粒子を含むことで、 第 1層の引張応力及び引張破断伸度の制御がし やすくなる。 ここで、 第 1層にシリカ粒子が含まれることの確認は以 の ようにして行う。

即ち、 第 1層を溶解し、 溶解液を透過型電子顕微鏡 (丁巳!\/1) にて観察す ることで、 シリカ粒子の有無を直接的に確認することが できる。 透過型電子 顕微鏡としては、 例えば、 は日本電子 (株) の」 巳1\/1 - 1 2 0 0巳乂型 巳 —丁巳1\/1を用いればよく、 測定の際の加速電圧は 1 2 0 1< とすればよい。 なお、 第 1層の溶解液は、 第 1層を、 オルトギ酸メチル、 メタノール性塩 酸、 及びトルエンの混合液に浸潰し、 撹拌することで作製することができる

[0039] シリカ粒子としては、 特に制限はなく、 ヒュームドシリカ及びコロイダル シリカのいずれであってもよく、 また、 結晶性であってもよいし、 非晶性で あってもよい。

特に、 シリコーン系溶剤への分散性、 シリコーンポリマーの架橋物への分 散性、 及び、 塗布液粘度の安定性の観点から、 ヒュームドシリカが好ましい また、 シリカ粒子の形状としては、 特に限定はなく、 球状、 板状、 針状、 数珠状、 又はこれらの 2種類以上が合体した形状が挙げられる。

[0040] シリカ粒子としては、 第 1層中への分散性の観点、 平均一次粒径が 3 n

好ましく、 7 1^ 111〜 4 0 01であることが更に好ましい。

シリカ粒子の平均一次粒径は、 第 1層を透過型電子顕微鏡 (丁巳 IV!) にて 観察することでよって測定される。 より具体的には、 シリカ粒子の平均一次 粒子径は、 シリカ粒子の形状が球状又は断面楕円状の略 球状である場合、 第 1層中に分散したシリカ粒子を透過型電子顕 鏡により観察し、 得られた観 察写真から 3 0 0個以上の粒子について粒子の投影面積を測 し、 投影面積 から円相当径を求め、 得られた円相当径をシリカ粒子の平均一次粒 子径とす る。 シリカ粒子の形状が、 球状又は略球状ではない場合には、 その他の方法 \¥0 2020/175681 13 卩(:171? 2020 /008363

、 例えば、 動的光散乱法を用いて、 シリカ粒子の平均一次粒子径を求める。

[0041 ] シリカ粒子の巳巳丁法による比表面積として は、 第 1層中への分散性の観 点、 第 1層の力学物性の面内分布を少なくする観点 製造安定性の観点から 、 5 0 2 / 9〜 6 0 0 2 / 9であることが好ましく、 2 0 0〇! 2 / 〜 4 0

0 01 2 / 9であることがより好ましい。

[0042] 第 1層がシリカ粒子を含む場合、 シリカ粒子の含有量としては、 第 1層の 弓 I張応力及び引張破断伸度を制御し易い観点 ら、 第 1層の全質量に対して 、 7質量%〜 3 0質量%が好ましく、 7質量%〜 2 5質量%がより好ましく 、 1 〇質量%〜 2 0質量%が更に好ましい。

[0043] (その他の成分)

第 1層には、 上述した、 シリコーンエラストマー (即ち、 シリコーンポリ マーの架橋物) 及びシリカ粒子以外にも、 その他の成分を含んでいてもよい その他の成分としては、 シリコーンエラストマー (即ち、 シリコーンポリ マーの架橋物) を得る際に用いられる、 反応触媒等が挙げられる。 その他の 成分としては、 更に、 顔料などの着色剤等を用いてもよい。

[0044] なお、 シリコーンエラストマーを得る際に用いられ る反応触媒としては、 シリコーンポリマーの三次元架橋物を得るた めの反応促進に寄与するもので あればよい。 特に、 反応触媒としては、 ヒドロシリル化反応を促進するため の触媒であることが好ましい。

反応触媒としては、 具体的には、 金属触媒が挙げられ、 特に、 皮膚に対す る刺激が低い観点から、 プラチナ、 チタン、 金、 銀等が挙げられる。

中でも、 触媒としては、 反応促進効率が高く、 皮膚に対する刺激が低い観 点から、 チタン及びプラチナが好ましい。

プラチナ触媒としては、 シリコーンポリマーの三次元架橋物を得るた めの 反応促進に寄与する公知のプラチナ触媒 (好ましくはプラチナ錯体) が適用 できる。

[0045] 第 1層の厚みとしては、 貼付け時の重量感などの違和感を抑える観点 、 及 \¥0 2020/175681 14 卩(:171? 2020 /008363

び、 衣服等の外乱に対する剥がれ抑止の観点から 、 〇. 7 以下が好まし く、 〇. 以下がより好ましく、 〇. 1 以下が更に好ましい。

[0046] [第 2層]

本開示の積層体は、 既述の第 1層と接触し且つ粘着性を示す第 2層を有す る。

第 2層は、 皮膚に貼付けられる層に該当することから、 皮膚に対して粘着 性を示す層であればよい。

ここで、 「粘着性」 とは、 粘りつく性質であって、 一時的な接着に用いら れ、 後に剥離することができる性質を示す。

[0047] (粘着剤)

第 2層は、 粘着剤を含む層であることが好ましい。

粘着剤としては、 特に制限はなく、 公知の粘着剤が用いられる。 粘着剤として具体的には、 シリコーン系粘着剤、 アクリル系粘着剤、 ゴム 系粘着剤、 ウレタン系粘着剤等が挙げられる。

中でも、 皮膚への刺激が低い観点、 及び、 第 1層との密着性の観点から、 シリコーン系粘着剤が好ましい。

[0048] シリコーン系粘着剤

本開示におけるシリコーン系粘着剤は、 シリコーンポリマーをべースポリ マー (ポリマー成分のうちの主成分、 すなわちポリマー成分全体の 5 0質量 %以上を占める成分) とする粘着剤を意味する。

シリコーン系粘着剤としては、 特に制限はなく、 公知のシリコーン系粘着 剤が用いられる。

シリコーン系粘着剤として具体的には、 付加反応型シリコーン系粘着剤、 過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤、 縮合型シリコーン系粘着剤等が挙げら れる。 中でも、 反応副生成物が発生しないという観点からは 、 ヒドロシリル 化による付加反応型シリコーン系粘着剤が好 ましい。

[0049] 特に、 第 1層との密着性の観点、 及び製造適性の観点から、 第 1層と同様 の、 架橋性基を有するシリコーンポリマーと架橋 剤とを含む付加反応型シリ \¥0 2020/175681 15 卩(:171? 2020 /008363

コーン系粘着剤であることが好ましい。

即ち、 シリコーン系粘着剤としては、 例えば、 両主鎖末端にビニル基を有 するポリジメチルシロキサンと、 メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキ サンとの共重合体と、 を含むことが好ましい。

また、 シリコーン系粘着剤は、 反応触媒を含んでいてもよい。

更に、 シリコーン系粘着剤は、 必要に応じて、 公知のシリコーン系粘着剤 に含まれる各種添加剤を含んでいてもよい。

[0050] アクリル系粘着剤

本開示におけるアクリル系粘着剤は、 アクリルポリマーをべースポリマー とする粘着剤を意味する。

アクリル系粘着剤としては、 特に制限はなく、 公知のアクリル系粘着剤が 用いられる。

アクリル系粘着剤に含まれるアクリルポリマ ーとしては、 具体的には、 ア クリル酸エステル化合物の単独重合体、 又はアクリル酸エステル化合物とそ の他の単量体との共重合体が挙げられる。

アクリル酸エステル化合物の例には、 メチル (メタ) アクリレート、 エチ ル (メタ) アクリレート、 プチル (メタ) アクリレート、 2—エチルへキシ ル (メタ) アクリレート、 ヒドロキシエチルメタクリレート、 ヒドロキシプ ロピルメタクリレート、 ジメチルアミノエチルメタクリレート、 グリシジル メタクリレート等が挙げられる。 その他の単量体の例には、 酢酸ビニル、 ( メタ) アクリロニトリル、 (メタ) アクリルアミ ド、 スチレン、 メタクリル 酸、 アクリル酸、 イタコン酸、 メチロールアクリルアミ ド、 無水マレイン酸 等が挙げられる。

アクリルポリマーは架橋構造を有していても よい。

[0051 ] アクリル系粘着剤は、 粘着性を高める観点から、 アクリルポリマーの他に 、 粘着性付与剤を含んでいてもよい。

粘着性付与剤としては、 ロジン系粘着性付与樹脂、 テルペン系粘着性付与 樹脂、 炭化水素系粘着性付与樹脂、 エポキシ系粘着性付与樹脂、 ポリアミ ド \¥0 2020/175681 16 卩(:171? 2020 /008363

系粘着性付与樹脂、 エラストマー系粘着性付与樹脂、 フエノール系粘着性付 与樹脂、 ケトン系粘着性付与樹脂等が挙げられる。

ァクリル系粘着剤は、 ァクリルポリマー及び粘着性付与剤の他に、 必要に 応じて、 公知のアクリル系粘着剤に含まれる各種添加 剤を含んでいてもよい

[0052] - ゴム系粘着剤

本開示におけるゴム系粘着剤は、 ゴムをベースポリマーとする粘着剤を意 味する。

ゴムは、 特に制限されず、 天然ゴム (変性天然ゴムを含む) であってもよ いし、 合成ゴムであってもよい。

合成ゴムとしては、 巳 型又は 巳型のブロック共重合体 ( は熱可塑 性ブロックを示し、 巳はラバーブロックを示す。 スチレンーイソプレンース チレン共重合体 (3 1 3) 、 スチレンーブタジエンースチレン共重合体 (3 6 3) 等が挙げられる) が挙げられる。 ゴムは、 天然ゴムと合成ゴムとを組 み合わせたものであってもよい。

[0053] ゴム系粘着剤は、 粘着性を高める観点から、 ゴムの他に、 粘着性付与剤を 含んでいてもよい。

粘着性付与剤としては、 ァクリル系粘着剤に用いられる各種の粘着性 付与 樹脂が挙げられる。

ゴム系粘着剤は、 ゴム及び粘着性付与剤の他に、 必要に応じて、 公知のゴ ム系粘着剤に含まれる各種添加剤を含んでい てもよい。

[0054] (その他の成分)

第 2層は、 粘着剤に加えて、 その他の成分を含んでいてもよい。 その他の成分としては、 皮膚貼付け用積層体の用途に応じて、 適宜、 決定 されればよい。

例えば、 皮膚貼付け用積層体が、 経皮製剤として用いられる場合、 第 2層 は、 薬剤及び薬剤を保持及び放出するための添加 剤を含有することが好まし い。 \¥0 2020/175681 17 卩(:17 2020 /008363

薬剤としては、 経皮製剤に適用しうる公知の薬剤が用いられ る。 また、 薬 剤を保持及び放出するための添加剤としては 、 使用実績の観点から、 例えば 、 乳酸、 グリコール酸、 ステアリン酸、 オレイン酸、 ミリスチン酸イソプロ ピル、 !_ _メントール、 エタノール、 プロピレングリコール等が挙げられる

[0055] 第 2層の厚みとしては、 皮膚への粘着性が発現する観点から、 5 〜 3

0 0 〇!が好ましく、 5 〇!〜 1 5 0 〇!がより好ましく、 5 〇!〜 1 0 0 以下が更に好ましい。

[0056] [第 1支持体及び第 2支持体]

本開示の積層体は、 第 1層の第 2層と接する面とは反対の面側に接する第 1支持体と、 第 2層の第 1層と接する面とは反対の面側に接する第 2支持体 と、 を有していてもよい。

第 1支持体及び第 2支持体は、 皮膚への貼付け時には剥離される仮支持体 である。

[0057] 第 1支持体及び第 2支持体として特に制限はなく、 樹脂フィルムが用いら れることが好ましい。

また、 第 1支持体と第 2支持体とは同じであってもよいし、 異なっていて もよい。

樹脂フイルムとしては、 ポリエステル (例えば、 ポリエチレンテレフタレ —卜 ( 巳丁) 、 ポリエチレンナフタレート、 ポリプチレンテレフタレート 等) 、 ポリウレタン、 シリコーン、 ポリオレフイン (例えば、 ポリエチレン 、 ポリプロピレン等) 、 ポリスチレン等の樹脂フィルムが挙げられる 。 中でも、 樹脂フイルムとしては、 口ールトウロール方式への適用時のハン ドリング性に優れる観点、 及び、 熱安定性の観点から、 ポリエチレンテレフ タレート ( 巳丁) が好ましい。

[0058] 第 1支持体及び第 2支持体の厚みは、 特に制限はないが、 口ールトウロー ル方式への適用時のハンドリング性に優れる 点、 及び、 剥離しやすさの観点 から、 1 0 〇!〜 1 0 0 が好ましく、 2 0 111 ~ 1 0 0 がより好ま \¥0 2020/175681 18 卩(:171? 2020 /008363

しく、 5 0 〇!〜 1 0 0 01が更に好ましい。

[0059] 第 1支持体及び第 2支持体は、 上記の通り、 皮膚への貼付け時には剥離さ れるため、 第 1支持体と第 1層との間、 及び第 2支持体と第 2層との間に剥 離性を有することが好ましい。

そのため、 第 1支持体の第 1層側及び第 2支持体の第 2層側の少なくとも —方は、 必要に応じて、 シリコーン層を有する、 又は、 シリコーンにより表 面処理されていることが好ましい。

シリコーン層は、 シリコーンポリマーを含む層であればよく、 分子内にフ ッ素原子又はフッ素原子を含む置換基を有す るフロロシリコーンポリマーを 含む層 (以下、 フロロシリコーン層ともいう) であることが好ましい。 フロロシリコーンポリマー中のフッ素原子量 を調整することで、 第 1層及 び第 2層との剥離性を制御することができる。

また、 シリコーンによる表面処理には、 例えば、 溶液の塗布乾燥法を用い た液相製膜等を用いた表面処理が挙げられる 。

また、 第 1支持体及び第 2支持体に剥離性を付与する方法としては、 例え ば、 フッ素含有化合物による表面処理を用いても よい。 具体的には、 フッ素 含有化合物による表面処理には、 スパッタリング、 蒸着等の気相製膜等を用 いた表面処理が適用される。

第 1支持体及び第 2支持体としては、 市販品を用いてもよい。 市販品としては、 例えば、 フジコー社製のシリコーン層を片面又は両面 に 備える剥離フィルム (例えば、 フロロシリコーン剥離フィルム等) が挙げら れる。

[0060] <皮膚貼付け用積層体の製造方法>

本開示の皮膚貼付け用積層体は、 以下の方法 (即ち、 本開示の皮膚貼付け 用積層体の製造方法) で製造されることが好ましい。

即ち、 本開示の皮膚貼付け用積層体の製造方法は、 シリコーンエラストマ 一を含む第 1層を形成する工程八と、 粘着性を有する第 2層を形成する工程 巳と、 を有し、 第 1層と第 2層との積層物の 4 0 %伸長時の引張応力が〇. \¥02020/175681 19 卩(:171?2020/008363 以下である、 皮膚貼付け用積層 体の製造方法 (以下、 積層体の製造方法ともいう) である。

[0061 ] [工程八]

工程八では、 シリコーンエラストマーを含む第 1層を形成する。 第 1層を 形成する方法に制限はないが、 以下の工程であることが好ましい。

即ち、 工程八は、 第 1支持体上に、 架橋性基を有するシリコーンポリマー 、 架橋剤、 及び溶剤を含む塗布液 (以下、 塗布液!- 1 ともいう) を塗布及び 乾燥させて、 第 1層を形成する工程八であることが好ましい

また、 工程八は、 第 1支持体上に、 架橋性基を有するシリコーンポリマー 、 架橋剤、 シリカ粒子、 及びシリコーン系溶剤を含む塗布液 (以下、 塗布液 1- 2ともいう) を塗布及び乾燥させて、 第 1層を形成する工程であることが 好ましい。

つまり、 工程 は、 第 1支持体上に塗布液 !_ 1又は !_ 2を塗布及び乾燥さ せて形成されることが好ましい。

なお、 本開示の積層体の製造方法は、 連続搬送される第 1支持体を用い、 口ールトゥロール方式にて工程 及び後述する工程巳が行われることが好ま しい。

[0062] (塗布液 !_ 1及び !_ 2)

塗布液!- 1及び 1_ 2に含まれる、 架橋性基を有するシリコーンポリマー、 架橋剤、 及びシリカ粒子としては、 いずれも、 第 1層の欄で説明したこれら の成分が挙げられ、 好ましい態様も同様である。

塗布液!- 1及び !_ 2に含まれる溶剤としては、 架橋性基を有するシリコー ンポリマーの良溶媒であることが好ましい。 架橋性基を有するシリコーンポ リマーの良溶媒としては、 シリコーン系溶剤の他、 酢酸エチル、 ヘプタン、 テトラヒドロフラン、 メチルエチルケトン等が挙げられる。 塗布液 1_ 1及び 1- 2に含まれる溶剤は、 1種単独で使用してもよいし、 2種以上を混合して 用いてもよい。 中でも、 塗布液 !_ 1及び !_ 2に含まれる溶剤としては、 シリ コーン系溶剤が好ましい。 \¥0 2020/175681 20 卩(:171? 2020 /008363

塗布液!- 1及び塗布液 1_ 2に含まれるシリコーン系溶剤としては、 へキサ メチルシクロトリシロキサン、 オクタメチルシクロテトラシロキサン、 デカ メチルシクロテトラシロキサン (シクロペンタシロキサンともいう) 等の環 状シロキサンが好ましい。

塗布液 !_ 1及び塗布液 !_ 2は、 それぞれ、 第 1層の欄で説明したその他の 成分を含んでいてもよい。

更に、 塗布液 1- 1及び塗布液 !_ 2は、 シリコーンエラストマーを得る反応 に用いられる、 反応遅延剤、 反応禁止剤等を含んでいてもよい。

反応遅延剤又は反応禁止剤としては、 第 1層中に残存しにくい成分である ことが好ましく、 揮発性 (例えば、 沸点が 1 0 0 ° 〇以下) の化合物であるこ とが好ましく、 塗布液 !_ 1及び塗布液 !_ 2に含まれる溶剤 (例えば、 環状シ ロキサン等のシリコーン系溶剤) の沸点よりも低い沸点を有する化合物であ ることがより好ましい。 反応遅延剤又は反応禁止剤としては具体的に は、 例 えば、 アセチレンアルコール類 (例えば、 2 -メチルー 3 -ブチンー 2 -才 —ル、 環状シロキサン類 (例えば、 テトラビニルテトラメチルシクロテトラ シロキサン) 等が挙げられる。

[0063] 塗布液 !_ 1及び塗布液 !_ 2中の固形分量 (溶剤を除く成分の総計) として は、 塗布液の塗布しやすさ、 塗布液の送液及び濾過のしやすさ等に応じて 決 定されればよく、 1 0質量%〜 7 0質量%が好ましく、 1 5質量%〜 6 5質 量%がより好ましく、 2 0質量%〜 5 0質量%が更に好ましい。

[0064] (第 1支持体)

工程八に用いられる第 1支持体は、 既述の第 1支持体が挙げられ、 好まし い態様も同様である。

即ち、 工程八に用いられる第 1支持体は、 第 1層との剥離性を高める観点 から、 第 1層側の面にシリコーン層を有することが好 しい。

[0065] (塗布及び乾燥)

塗布液 !_ 1又は塗布液!- 2の塗布方法としては、 公知の塗布方法を適用す ることができる。 \¥0 2020/175681 21 卩(:171? 2020 /008363

塗布方法として具体的には、 力ーテンコーティング法、 ディップコーティ ング法、 スピンコーティング法、 印刷コーティング法、 スプレーコーティン グ法、 スロッ トコーティング法、 口ールコーティング法、 スライ ドコーティ ング法、 ブレードコーティング法、 グラビアコーティング法、 ワイヤーバー 法等が挙げられる。

中でも、 特に、 連続搬送される第 1支持体を用い、 口ールトゥロール方式 にて工程八を行う場合、 塗布方法としては、 スロッ トコーティング法が好ま しい。

[0066] 工程八に用いられる乾燥方法としては、 公知の乾燥方法を適用することが できる。

乾燥方法としては、 具体的には、 オーブン、 温風機、 赤外線 (丨 [¾) ヒー 夕一等を用いる方法が挙げられる。 温風機による乾燥においては、 第 1支持 体の塗布液が塗布された面とは反対側の面か ら温風を当ててもよい。

乾燥条件としては、 例えば、 7 0 ° 〇 ~ 1 1 0 ° 〇の範囲で、 1 0分〜 3 0分 間が好ましい。

また、 必要に応じて、 乾燥後の第 1層には、 塗布液 !_ 1及び塗布液 !_ 2中 に含まれる反応遅延剤、 反応禁止剤等を除去するための加熱を行って もよい 。 この加熱の際の加熱条件は、 例えば、 7 0 ° 〇~ 1 5 0 ° 〇の範囲で、 3 0分 〜 9 0分間が好ましい。

[0067] [工程巳]

工程巳では、 粘着性を有する第 2層を形成する。

工程巳は、 例えば、 後述する第 2支持体上に第 2層を形成する工程であっ てもよいし、 工程八にて形成された第 1層上に第 2層を形成する工程であっ てもよい。

工程巳が、 第 2支持体上に第 2層を形成する工程である場合、 形成された 第 2層上に工程八にて第 1層を形成し、 本開示の積層体を製造してもよい。 また、 工程巳が、 第 2支持体上に第 2層を形成する工程である場合、 形成さ れた第 2層と工程八にて第 1支持体上に形成された第 1層とを貼り合わせる \¥0 2020/175681 22 卩(:171? 2020 /008363

ことで、 本開示の積層体を製造してもよい。

なお、 本開示の積層体の製造方法では、 製造適性の観点から、 工程巳は、 工程八にて形成された第 1層上に第 2層を形成する工程であることが好まし い。

更に言えば、 工程巳は、 第 1層上に、 粘着剤を含む塗布液 (以下、 塗布液 1- 3ともいう) を塗布及び乾燥させて、 第 2層を形成する工程であることが 好ましい。

[0068] (塗布液 1_ 3)

塗布液 1_ 3に含まれる粘着剤としては、 第 2層の欄で説明した粘着剤が挙 げられ、 好ましい態様も同様である。

塗布液 1_ 3は、 粘着剤と共に溶剤を含むことが好ましい。

塗布液 1_ 3に含まれる溶剤としては、 粘着剤中のベースポリマーの良溶媒 であることが好ましい。 例えば、 1_ 3に含まれる粘着剤がシリコーン系粘着 剤の場合、 溶剤としてはシリコーン系溶剤を用いること が好ましい。 シリコ —ン系溶剤としては、 塗布液 !- 1及び塗布液 !_ 2に含まれるシリコーン系溶 剤が挙げられる。

[0069] 塗布液 1- 3中の固形分量 (溶剤を除く成分の総計) としては、 塗布液の塗 布しやすさ、 塗布液の送液及び濾過のしやすさ等に応じて 決定されればよく 、 1 〇質量%〜 6 5質量%が好ましく、 1 5質量%〜 6 0質量%がより好ま しく、 2 5質量%〜 5 5質量%が更に好ましい。

[0070] (塗布及び乾燥)

工程巳に用いられる塗布方法及び乾燥方法と しては、 工程 における塗布 方法及び乾燥方法が挙げられ、 好ましい態様も同様である。

[0071 ] [工程 1及び工程八 2 ]

本開示の積層体の製造方法は、 製造効率等の観点から、 搬送される第 1支 持体を用い、 口ールトゥロール方式にて工程 及び工程巳が行われることが 好ましい。

そこで、 第 1層の保護のため、 工程八と工程巳との間に、 以下に示す工程 \¥0 2020/175681 23 卩(:171? 2020 /008363

八 1及び工程八 2を行うことが好ましい。

例えば、 連続搬送される第 1支持体を用い、 口ールトゥロール方式にてエ 程八を行う場合、 工程八後であって工程巳前に、 第 1層を有する第 1支持体 を巻き取る場合がある。 この巻き取りにて第 1層が第 1支持体の裏面 (即ち 、 第 1層が形成される面とは反対の面) に接することで、 第 1層に傷ができ てしまうことがある。 そのため、 工程八と工程巳との間では、 以下に示すエ 程八 1及び工程八 2を行い、 第 1層の表面を保護することが好ましい。

[0072] (工程八 1)

工程八 1では、 工程八にて形成された第 1層の表面に保護フィルムを貼り 合わせる。

保護フィルムとしては、 少なくとも、 第 1層と接する面に第 1層に対する 剥離性を有することが好ましい。

保護フィルムとして具体的には、 巳 八 (エチレンー酢酸ビニル共重合樹 脂) フィルム (市販品であれば、 例えば、 (株) サンエー化研社の 八〇 3 等の 八〇シリーズ) 、 ポリオレフィンフィルム (市販品であれば、 例えば 、 東レ (株) の表面保護フィルム、 トレテック (登録商標) シリーズ) 等が 挙げられる。

保護フィルムの貼り合わせ方法としては、 口ールラミネート法等の公知の フィルムの貼り合わせ方法を適用することが できる。

[0073] (工程八 2)

工程八 2では、 工程八 1で貼り合わされた保護フィルムを第 1層の表面か ら剥離する。

保護フィルムの剥離方法としては、 公知のフィルムの剥離方法又は除去方 法を適用することができる。

[0074] [工程八 3 ]

第 1層と第 2層との密着性を高めるため、 工程八と工程巳との間に、 工程 八にて形成された第 1層の表面を親水化処理する工程 3を行うことが好ま しい。 \¥0 2020/175681 24 卩(:171? 2020 /008363

工程八 3で行われる第 1層の表面に対する親水化処理は、 コロナ処理又は プラズマ処理が挙げられ、 特に、 生産性の観点、 及び、 装置メンテナンスの 観点から、 コロナ処理であることが好ましい。

コロナ処理に用いられるコロナ処理装置とし ては、 特に制限はなく、 例え ば、 vetaphone社製、 社製等の口ールトゥロール方式で処理可能な コロ ナ処理装置の他、 春日電機 (株) の丁巳(3 _ 4 乂が挙げられる。

また、 親水化処理の条件としては、 例えば、 以下に示す接触角となるよう に適宜決定すればよい。

[0075] 工程八 3にて親水化処理された第 1層の表面は、 1\1 -メチルー 2 -ピロリ ドン (以下、 ともいう) との接触角が 6 0度以下であることが好まし く、 5 0度以下であることがより好ましい。

第 1層の表面と 1\/1 ?との接触角の測定には、 接触角計 (例えば、 協和界 面科学 (株) の口1\/1〇_ 7 0 1) が用いられる。 また、 接触角の測定は、 2 5 °◦で行う。

[0076] [工程〇]

第 2層の保護のため、 工程巳にて第 2層が形成された後、 第 2層上に第 2 支持体を貼り合わせる工程<3を有すること 好ましい。

第 2支持体の貼り合わせ方法としては、 公知のフィルムの貼り合わせ方法 を適用することができる。

[0077] (第 2支持体)

工程〇に用いられる第 2支持体は、 既述の第 2支持体が挙げられ、 好まし い態様も同様である。

即ち、 工程〇に用いられる第 2支持体は、 第 2層との剥離性を高める観点 から、 第 2層側の面にシリコーン層を有することが好 しい。

[0078] 以上のようにして、 本開示の積層体を製造することができる。

[0079] <積層体の用途>

本開示の積層体の用途は、 適用対象者の皮膚に貼付ける用途であれば、 特 に制限はない。 \¥0 2020/175681 25 卩(:171? 2020 /008363

特に、 本開示の積層体は、 違和感なく貼付けられ、 皮膚の動きに追従し、 且つ、 皮膚からの放出される水蒸気の透過性に優れ るため、 長時間貼付ける 用途であることが、 本開示の積層体の効果が発揮されやすい。

具体的には、 本開示の積層体は、 生体モニタリングデバイス、 表示素子、 創傷被覆材、 経皮製剤、 又は化粧品に用いることが好ましい。

生体モニタリングデバイスとしては、 適用対象者の皮膚に貼付けることで 、 適用対象者の生体情報 (例えば、 皮膚の温度、 血圧、 血中酸素濃度、 心拍 数、 脈拍数、 紫外線量、 活動量、 心電モニター、 汗の〇 !·!等) を測定するウ ェアラブルデバイスが挙げられる。 本開示の積層体は、 生体モニタリングデ バイスの一部である皮膚への貼付け箇所に適 用できる。

表示素子としては、 例えば、 表示機能 (例えば、 有機巳 1_ディスプレイ等 ) を有しており、 適用対象者の皮膚に貼付けて、 適用対象者の皮膚に貼付け ることで、 適用対象者の生体情報 (上記と同様のもの) 、 その他の情報 (例 えば、 モバイル端末の情報等) を表示するウェアラブルデバイスが挙げられ る。 本開示の積層体は、 表示素子の一部である皮膚への貼付け箇所に 適用で きる。

創傷被覆材としては、 ドレッシング材とも呼ばれており、 適用対象者の皮 膚に貼付けることで、 皮膚の創傷、 熱傷等を覆うために用いられる積層体で ある。 本開示の積層体は、 創傷被覆材そのものとして用いてもよいし、 創傷 被覆材の _ 部である皮膚への貼付け箇所に適用して もよい。

経皮製剤は、 適用対象者の皮膚に貼付けることで、 経皮製剤中に含まれる 薬剤を経皮吸収させるために用いられる積層 体である。 本開示の積層体は、 第 2層中に薬剤を含ませて、 経皮製剤そのものとして用いることが好まし い 本開示に積層体は、 適用対象者の皮膚に貼付け、 例えば、 皮膚を美化する 化粧品として用いてもよい。 具体的には、 本開示の積層体は、 皮膚にある傷 、 シミ、 入れ墨等を隠す目的の化粧品として用いられ てもよいし、 皮膚のし わを埋める又は伸ばす目的の化粧品として用 いられてもよい。 [0080] <積層体の使用方法>

本開示の積層体は、 適用対象者の皮膚に貼付けて使用されるが、 その貼付 け箇所は、 特に制限はない。 また、 本開示の積層体は、 粘着性が発現できる 箇所であれば、 例えば、 爪など貼付けてもよいし、 皮膚と爪との両方に跨っ て貼付けてもよい。

特に、 本開示の積層体は、 違和感なく貼付けられ、 皮膚の動きに追従する ことから、 膝、 肘、 指等の関節部位へと貼付けることができる。

本開示の積層体は、 皮膚からの放出される水蒸気の透過性にも優 れるため 、 貼付け時間が、 例えば、 48時間以上であってもよい。

実施例

[0081] 以下、 皮膚貼付け用積層体について、 実施例を挙げて詳細に説明する。 し かしながら、 本発明は以下の実施例に何ら限定されない。

[0082] [実施例 1〜 1 3及び比較例 3〜 4 ]

(第 1層の形成)

_塗布液の調製 _

バイアルに、 シリカ粒子 (Alfa社製、 Si I icon(IV) oxide, amorphous fume d, surface treated, B ET法による比表面積: 205 m 2 / g〜 245 m 2 /g, CAS 7631-86-9) 、 シクロペンタシロキサン (信越化学工業 (株) 製、 K F-995) 、 及び、 両主鎖末端にビニル基を有するポリジメチル シロキ サン (V— P DMSと略記、 Aldrich社製、 Poly(dimethylsi loxane), vinyl terminated, 重量平均分子量〜 25, 000、 粘度 850— 1 , 1 50 c S t) を入れて、 シリカ粒子の粉末が溶解するまで攪拌を行う 。

シリカ粒子の粉末の溶解性を目視で確認した 後、 金属触媒 (P t触媒と略 記、 白金 (〇) — 1 , 3—ジビニルー 1 , 1 , 3, 3—テトラメチルジシロ キサン錯体溶液 (Aldrich社製) ) を塗布液の総質量に対して 500 p p mと なる量で添加して、 30分間攪拌を行う。

次いで、 メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサ ンとの共重合体 (H — P D M Sと略記、 Aldrich社製、 Polv(dimethylsi loxane-co-methy [hydros i loxane), tr imethy Isi ly l terminated, 数平均分子量〜 1 3 , 000、 methy Ihydrosi loxane 3〜 4mol%) を添加し、 攪拌することで、 第 1層形成用の塗布 液とした。

なお、 第 1層形成用の塗布液中のシリカ粒子、 V—P DMS、 及び H— P D MSの含有量は、 下記表 1及び表 2にまとめた。

また、 第 1層形成用の塗布液は、 シリカ粒子、 V—P DMS、 及び H— P D MSからなる固形分が 65質量%となるよう、 シクロペンタシロキサンに て希釈されている。

[0083] 一塗布液の塗布及び乾燥一

第 1支持体として、 P ETフィルム表面にフロロシリコーン層を有す 剥 離フィルム (フジコー社製、 型番 K 1、 厚み 5〇Mm) を準備した。

第 1支持体のフロロシリコーン層上に、 所望の膜厚を得るために適切な塗 布量となるように厚みを調整して、 第 1層形成用の塗布液の塗布を行った。 なお、 塗布液の塗布は、 メチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサ ンと の共重合体を添加してから 2分後に行った。

塗布後、 90°Cの送風乾燥機の中で 1時間乾燥処理することで、 シクロべ ンタシロキサンを除去して、 第 1層を形成した。

[0084] (第 1層の親水化処理)

続いて、 第 1層の表面をコロナ処理し、 表面を親水化した。 コロナ処理装 置としては、 春日電機 (株) 製の T EC— 4 AXを使用した。 コロナ処理条 件は 0. 74 J/c m 2 で処理を行った。

コロナ処理後の第 1層の表面と N M Pとの接触角は、 各例のすべてにおい て 60度以下であった。 なお、 コロナ処理後の第 1層の表面と NMPとの接 触角は、 既述の方法で測定した。

[0085] (第 2層の形成:シリコーン系粘着剤による第 2層の形成)

シリコーン系粘着剤 (ダウコーニング社製、 B i o PSA 7 -4202 ) を酢酸エチルで希釈して、 第 2層形成用の塗布液とした。

なお、 第 2層形成用の塗布液中の各成分の含有量は、 下記表 1及び表 2に \¥0 2020/175681 28 卩(:171? 2020 /008363

まとめた。

第 1層上に、 第 2層形成用の塗布液を、 所望の膜厚を得るために適切な塗 布量となるように厚みを調整して塗布し、 その後、 9 0 °〇の送風乾燥機の中 で 1 時間乾燥処理することで、 酢酸エチルを除去して、 第 2層を形成した。

[0086] (第 2支持体の貼り合わせ)

第 2層上に、 巳丁フィルム表面にフロロシリコーン層を有 する剥離フィ ルム (フジコー社製、 型番 [< 1、 厚み 5 0 ) を貼り合わせ、 積層体を得 た。

[0087] [実施例 1 4 ]

第 2層の形成を、 以下のように変えた以外は、 実施例 1 〜 1 3と同様にし て、 実施例 1 4の積層体を得た。

[0088] (第 2層の形成: ゴム系粘着剤による第 2層の形成)

熱可塑性エラストマーであるスチレンーイソ プレンースチレンブロック共 重合体 (株) の 3 I 3 5 0 0 2 (商品名) ) 5 0質量部、 及び、 粘 着性付与剤として脂環族飽和炭化水素樹脂で あるアルコン (登録商標)

1 0 0 (荒川化学工業 (株) 製) 5 0質量部を容器に入れ、 シクロヘキサン (富士フイルム和光純薬 (株) 製) 及び酢酸エチル (富士フイルム和光純薬 (株) 製) の混合溶媒 (5 0質量%/ 5 0質量%) に溶解して、 ゴム系粘着 剤を用いた第 2層形成用の塗布液を調製した。

なお、 ゴム系粘着剤の調製に際しては、 熱可塑性エラストマーと粘着性付 与剤との総量がゴム系粘着剤の全質量に対し て 1 5質量%となる量で、 上記 の混合溶媒に溶解し、 充分に撹拌を行った。

第 1層上に、 第 2層形成用の塗布液を所望の膜厚を得るため 適切な塗布 量となるように厚みを調整して塗布し、 その後、 9 0 °〇の送風乾燥機の中で 1 時間乾燥処理することで、 上記の混合溶剤を除去して、 第 2層を形成した

[0089] [実施例 1 5 ]

第 2層の形成を、 以下のように変えた以外は、 実施例 1 〜 1 3と同様にし \¥02020/175681 29 卩(:171? 2020 /008363

て、 実施例 1 5の積層体を得た。

[0090] (第 2層の形成: アクリル系粘着剤による第 2層の形成)

アクリル系粘着剤として、 ヘンケル社の口 II 〇一丁八 87 -428 7 : アクリル酸 2 -エチルヘキシル ·酢酸ビニル · アクリル酸 2 -ヒドロキ シエチルコポリマー (架橋剤を含まず、 水酸基を有し、 且つカルボキシル基 を有さないアクリル系粘着剤) を、 粘着剤固形分の濃度が 20質量%になる ように酢酸エチル (富士フィルム和光純薬 (株) 製) に溶解し、 充分に撹拌 を行い、 第 2層形成用の塗布液を調製した。

第 1層上に、 第 2層形成用の塗布液を所望の膜厚を得るため 適切な塗布 量となるように厚みを調整して塗布し、 その後、 90 ° 〇の送風乾燥機の中で 1時間乾燥処理することで、 酢酸エチルを除去して、 第 2層を形成した。

[0091] [比較例·!〜 2]

比較例 1 として、 テガダーム (登録商標、 スリーエムジャパン (株) 、 1 62 1、 1 0001X 1 20111) を用いた。

比較例 2として、 〇 丨 〇八一〇八[¾巳 (登録商標、 スミス · アンド ·ネフ ュー社、 製品番号 66250704) を用いた。

表 2中、 「第 1層と第 2層との総厚み」 の欄に記載の数値は、 比較例 1は 、 テガダームから剥離フィルムをはがした後の 厚みであり、 比較例 2は、 〇 I 〇八一〇八 巳そのものの厚みである。

[0092]

[¾1]

[0093] \¥02020/175681 31 卩(:171? 2020 /008363

[表 2]

[0094] [1 0%伸長時の引張応力、 40%伸長時の引張応力、 及び引張破断伸度の 測定]

各例における、 第 1層及び第 2層からなる積層物の、 1 0%伸長時の引張 \¥0 2020/175681 32 卩(:171? 2020 /008363

応力、 4 0 %伸長時の引張応力、 及び引張破断伸度を、 既述の方法で測定し た。

なお、 比較例 1はテガダームについては粘着層に貼付けて る剥離フィル ムを外して幅 2 チャック間距離 4 になるように試験片を切り出 して、 また、 比較例

間距離 4〇 になるように試験片を切り出して、 4 0 %伸長時の引張応力 及び引張破断伸度を、 既述の方法で測定した

測定結果を表 1及び表 2に示す。

[0095] [追従性の評価]

3人のテスターの右手の手の甲に、 各例における積層体を 2 0 01 01 X 4 0 〇!に切り出してから、 第 1支持体及び第 2支持体を剥離し、 第 1層及び第 2層からなる積層物を貼付けた。 なお、 比較例 1はテガダームについては粘 着層に貼付けてある剥離フィルムを外して 2 0 ^1 01 X 4 に切り出して 、 3人のテスターの右手の手の甲に貼付けた。 また、 比較例 2は〇 丨 〇八_ り出して、 3人のテスターの右手 の手の甲に貼付けた。

3人のテスターに、 積層物の貼付けた箇所を動かしてもらい、 皮膚に感じ るつっぱり感を以下の 3段階で評価してもらった。 3人のテスターの評価点 を平均し、 これを追従性の評価結果とした。

—つっぱり感の評価指標と評価点一

つっぱり感を強く感じる : 1点

つっぱり感を僅かに感じる : 3点

つっぱり感を全く感じない : 5点

[0096] [違和感の評価]

3人のテスターの右手の手の甲に、 各例における積層体を 2 0 01 01 X 4 0 〇!に切り出してから、 第 1支持体及び第 2支持体を剥離し、 第 1層及び第 2層からなる積層物を貼付けた。 なお、 比較例 1はテガダームについては粘 着層に貼付けてある剥離フィルムを外して 2 0 ^1 01 X 4 に切り出して \¥0 2020/175681 33 卩(:171? 2020 /008363

、 3人のテスターの右手の手の甲に貼付けた。 また、 比較例 2は〇 丨 〇八_ り出して、 3人のテスターの右手 の手の甲に貼付けた。

3人のテスターに、 積層物の貼付けた箇所について、 重さ及び異物感 (即 ち、 皮膚に異物が載っている感じ) を以下の 3段階で評価してもらった。 3 人のテスターの評価点を平均し、 これを異物感の評価結果とした。

一重さ及び異物感の評価指標と評価点一

重さ及び異物感の少なくとも一方を強く感じ る : 1点

重さ及び異物感の少なくとも一方を僅かに感 じる : 3点

重さ及び異物感の少なくとも一方を全く感じ ない : 5点

[0097] [水蒸気透過性の評価]

3人のテスターの上腕の内側部に、 各例における積層体を 2 0 01 01 X 4 0 〇!に切り出してから、 第 1支持体及び第 2支持体を剥離し、 第 1層及び第 2層からなる積層物を貼付けた。 なお、 比較例 1はテガダームについては粘 着層に貼付けてある剥離フィルムを外して 2 0 ^1 01 X 4 に切り出して 、 3人のテスターの上腕の内側部に貼付けた。 また、 比較例 2は〇 丨 〇八一 り出して、 3人のテスターの上腕 の内側部に貼付けた。

3人のテスターに、 積層物の貼付けた箇所について、 2 4時間貼付した場 合の蒸れを以下の 3段階で評価してもらった。 3人のテスターの評価点を平 均し、 これを水蒸気透過性の評価結果とした。

-蒸れの評価指標と評価点一

蒸れを強く感じる : 1点

蒸れを僅かに感じる : 3点

蒸れを全く感じない : 5点

[0098] 表 1〜表 2の結果より、 実施例の積層体は、 皮膚に貼付けた際に、 いずれ も、 追従性に優れ、 違和感もなく、 更に、 水蒸気透過性にも優れることが分 かった。 \¥02020/175681 34 卩(:171? 2020 /008363

[0099] 201 9年 2月 28日に出願された日本出願特願 201 9-036430 の開示はその全体が参照により本明細書に取 り込まれる。

本明細書に記載された全ての文献、 特許出願、 及び技術規格は、 個々の文 献、 特許出願、 及び技術規格が参照により取り込まれること が具体的かつ個 々に記された場合と同程度に、 本明細書中に参照により取り込まれる。