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Patent Searching and Data


Title:
LIQUID CRYSTAL DISPLAY DEVICE AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157207
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a liquid crystal display device (100) which comprises an active matrix substrate (120), an opposing substrate (140), and a homeotropicaily aligned liquid crystal layer (160) disposed between the active matrix substrate (120) and the opposing substrate (140). A photoalignment film (128, 148) is provided on the active matrix substrate (120) and/or the opposing substrate (140). The liquid crystal display device (100) further comprises orientation maintaining layers (130, 150) provided between the photoalignment films (128, 148) and the liquid crystal layer (160). The orientation maintaining layers (130, 150) include polymers (132, 152) wherein photopolymerizable compounds are polymerized.

Inventors:
MIZUSAKI MASANOBU
NAKAMURA KIMIAKI
NAKANISHI YOHEI
YAMADA YUICHIRO
Application Number:
PCT/JP2009/002934
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KK (JP)
MIZUSAKI MASANOBU
NAKAMURA KIMIAKI
NAKANISHI YOHEI
YAMADA YUICHIRO
International Classes:
G02F1/1337; C08F20/00
Foreign References:
JP2008076950A2008-04-03
JP2000122066A2000-04-28
JP2006215184A2006-08-17
JP2003520878A2003-07-08
JPH11352486A1999-12-24
JP3520376B22004-04-19
JP2002357830A2002-12-13
JP2003149647A2003-05-21
JP2007322274A2007-12-13
Other References:
See also references of EP 2306238A4
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, SEIJI (JP)
Seiji Okuda (JP)
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Claims:
 アクティブマトリクス基板と、対向基板と、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に設けられた垂直配向型の液晶層とを備える液晶表示装置であって、
 前記アクティブマトリクス基板および前記対向基板の少なくとも一方は光配向膜を有しており、
 前記光配向膜と前記液晶層との間に設けられた配向維持層であって、光重合性化合物の重合した重合体を含む配向維持層をさらに備える、液晶表示装置。
 前記光配向膜は、主鎖と、シンナメート基を含む側鎖とを有する高分子を含む、請求項1に記載の液晶表示装置。
 前記液晶表示装置は複数の画素を有しており、
 前記液晶層は、前記複数の画素のそれぞれに、基準配向方位の互いに異なる複数の液晶ドメインを有している、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
 前記アクティブマトリクス基板および前記対向基板のそれぞれが前記光配向膜を有しており、前記複数の液晶ドメインは4つの液晶ドメインである、請求項3に記載の液晶表示装置。
 前記液晶層の液晶分子のプレチルト角は85°から89.7°の範囲内にある、請求項1から4のいずれかに記載の液晶表示装置。
 前記光重合性化合物は、1つ以上の環構造または縮環構造と、前記環構造または縮環構造と化学結合された1つ以上の重合性官能基とを有している、請求項1から5のいずれかに記載の液晶表示装置。
 前記光重合性化合物は重合性モノマーであり、
 前記重合性モノマーは、一般式P1-A1-(Z1-A2)n-P2(P1およびP2は、それぞれ独立に、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、ビニロキシまたはエポキシ基であり、A1およびA2は、それぞれ独立に、1,4-フェニレンまたはナフタレン-2,6-ジイル基を表し、Z1は-COO-もしくは-OCO-基または単結合であり、nは0、1または2である)で表される、請求項1から6のいずれかに記載の液晶表示装置。
 P1およびP2がアクリレート基であり、Z1が単結合であり、nが0または1である、請求項7に記載の液晶表示装置。
 P1およびP2がメタクリレート基であり、Z1が単結合であり、nが0または1である、請求項7に記載の液晶表示装置。
 P1およびP2がアクリルアミド基であり、Z1が単結合であり、nが0または1である、請求項7に記載の液晶表示装置。
 P1およびP2がメタクリルアミド基であり、Z1が単結合であり、nが0または1である、請求項7に記載の液晶表示装置。
 アクティブマトリクス基板および対向基板を用意する工程であって、光を照射して、前記アクティブマトリクス基板および前記対向基板の少なくとも一方に光配向膜を形成する工程と、
 前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に、光重合性化合物を混合した液晶材料を付与することにより、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板との間に液晶層を形成する工程であって、電圧無印加時に、前記光配向膜により、前記液晶層の液晶分子が前記光配向膜の主面の法線方向から傾いて配向するように前記液晶分子を規定する工程と、
 光を照射して前記光重合性化合物を重合させることにより、前記光配向膜と前記液晶層との間に配向維持層を形成する工程と
を包含する、液晶表示装置の製造方法。
 前記光配向膜を形成する工程において、前記光配向膜は、主鎖と、シンナメート基を含む側鎖とを有する高分子を含む、請求項12に記載の液晶表示装置の製造方法。
 前記配向維持層を形成する工程において、前記液晶層に電圧を印加することなく前記光の照射を行う、請求項12または13に記載の液晶表示装置の製造方法。
 前記光配向膜を形成する工程において、前記光の波長は250nmから400nmの範囲内である、請求項12から14のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法。
 前記光配向膜を形成する工程において、前記アクティブマトリクス基板および前記対向基板の少なくとも一方の主面の法線方向に対して5°以上85°以下の傾斜した方向から光を照射する、請求項12から15のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法。
 前記光配向膜を形成する工程において、前記光は非偏光である、請求項12から16のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法。
 前記光配向膜を形成する工程において、前記光は直線偏光、楕円偏光または円偏光である、請求項12から16のいずれかに記載の液晶表示装置の製造方法。
Description:
液晶表示装置およびその製造方

 本発明は液晶表示装置およびその製造方 に関する。

 液晶表示装置は、携帯電話の表示部等の 型の表示装置だけでなく大型テレビジョン しても利用されている。従来しばしば用い れたTN(Twisted Nematic)モードの液晶表示装置 比較的狭い視野角を有していたが、近年、IP S(In-Plane―Switching)モードおよびVA(Vertical Alignm ent)モードといった広視野角の液晶表示装置 作製されている。そのような広視野角のモ ドの中でも、VAモードは高コントラスト比を 実現できるため、多くの液晶表示装置に採用 されている。

 VAモードの一種として、1つの画素領域に 数の液晶ドメインを形成するMVA(Mutli-domain V ertical Alignment)モードが知られている。MVAモ ドの液晶表示装置には、垂直配向型液晶層 挟んで対向する一対の基板のうちの少なく も一方の液晶層側に配向規制構造が設けら ている。配向規制構造は、例えば、電極に けられた線状のスリット(開口部)またはリブ (突起構造)である。配向規制構造により、液 層の一方または両側から配向規制力が付与 れ、配向方向の異なる複数の液晶ドメイン( 典型的には4つの液晶ドメイン)が形成され、 野角特性の改善が図られている。

 また、VAモードの一種として、CPA(Continuous  Pinwheel Alignment)モードも知られている。一 的なCPAモードの液晶表示装置では対称性の い形状を有する画素電極が設けられるとと に液晶ドメインの中心に対応して対向電極 突起物が設けられている。この突起物はリ ットとも呼ばれる。電圧を印加すると、対 電極と対称性の高い画素電極とによって形 される斜め電界にしたがって液晶分子は放 形状に傾斜配向する。また、リベットの傾 側面の配向規制力によって液晶分子の傾斜 向が安定化される。このように、1画素内の 晶分子が放射形状に配向することにより、 野角特性の改善が行われている。

 配向膜によって液晶分子のプレチルト方 を規定しているTNモードの液晶表示装置と 異なり、MVAモードの液晶表示装置では、線 のスリットやリブによって配向規制力が液 分子に付与されているため、画素領域内の 晶分子に対する配向規制力はスリットやリ からの距離に応じて異なり、画素内の液晶 子の応答速度に差が生じる。同様に、CPAモ ドでも画素内の液晶分子の応答速度に差が じ、また、画素電極のサイズが大きくなる ど、応答速度の差が顕著になる。さらに、VA モードの液晶表示装置においてスリット、リ ブまたはリベットが設けられている領域の光 の透過率が低いので、高輝度の実現が困難で ある。

 上述の問題を回避するために、VAモード 液晶表示装置についても、電圧無印加時に 向膜の主面の法線方向から傾くように液晶 子に配向規制力を付与する配向膜を用いる とが知られている(例えば、特許文献1参照) 配向膜は、電圧無印加時においてもその主 の法線方向から液晶分子が傾くように液晶 子を規定しており、これにより、応答速度 向上が実現されている。さらに、1画素内の 晶分子が対称的に配向するように配向膜が 晶分子のプレチルト方位を規定することに り、視野角特性の改善が行われている。特 文献1に開示されている液晶表示装置では、 液晶層に、第1配向膜の2つの配向領域と第2配 向膜の2つの配向領域との組み合わせに応じ 4つの液晶ドメインが形成されており、これ より、広視野角化が図られている。

 しかしながら、このように液晶分子のプ チルト方向の規定された液晶表示装置は、 期的信頼性の点で充分でないことがある。 許文献2には、ラビング処理の行われた垂直 配向膜(第1配向層)だけでなく、液晶材料に混 合された重合性化合物(例えば光重合性モノ ー)に紫外光を照射することによって形成さ た別の配向層(第2配向層)を設けることによ 、長期的信頼性を改善することが開示され いる。

 しかしながら、特許文献2に開示されてい るようにラビング処理を行うと、配向膜が損 傷して不純物が発生したり、静電気が発生し たりして歩留まりが低下する。このため、ラ ビング処理を行うことなく応答速度の向上を 実現するために、電圧無印加状態において液 晶分子が配向膜の主面の法線方向から傾くよ うにプレチルトを付与することが行われてい る(特許文献3、4参照)。このような技術は、Po lymer Sustained Alignment Technology(以下、「PSA技 」という)と呼ばれており、PSA技術では、少 の重合性化合物(例えば光重合性モノマー) 混合された液晶層に電圧を印加した状態で 合性化合物に活性エネルギー線(例えば紫外 )を照射して生成される重合体によって液晶 分子のプレチルト方向が制御される。

 特許文献3および4の液晶表示装置は、配 規制構造としてスリットまたはリブが設け れたMVAモードである。特許文献3の液晶表示 置では、線状のスリットおよび/またはリブ が設けられており、電圧の印加により、液晶 分子の方位角成分がスリットまたはリブに対 して直交するように液晶分子は配向する。こ の状態において紫外光を照射すると、重合体 が形成されて液晶分子の配向状態が維持(記 )される。その後、電圧の印加を終了しても 晶分子は配向膜の主面の法線方向からプレ ルト方位に傾いている。

 また、特許文献4の液晶表示装置は、微細 なストライプ状のパターンの電極を有してお り、液晶層に電圧を印加すると、液晶分子は ストライプ状のパターンの長手方向に平行に 配向する。これは、特許文献3の液晶表示装 において、液晶分子の方位角成分がスリッ またはリブに対して直交するのと対照的で る。また、複数のスリットが設けられてい ことにより、配向の乱れが抑制される。こ 状態において、紫外光を照射して液晶分子 配向状態を維持(記憶)する。その後、電圧の 印加を終了しても液晶分子は配向膜の主面の 法線方向からプレチルト方位に傾いている。 このようにしてラビング処理を行うことなく 液晶分子が配向膜の主面の法線方向から傾く ように配向させることができる。

特開平11-352486号公報

特許第3520376号

特開2002-357830号公報

特開2003-149647号公報

 特許文献3および4の液晶表示装置では、 晶分子の配向方向を規制するスリットまた リブが設けられており、光の照射は、電圧 印加して液晶分子を配向膜の主面の法線方 から傾けた状態で行われる。このため、液 パネルに電圧を印加するデバイスと光を照 するデバイスとを備えた複雑な製造装置が 要となる。

 また、液晶材料を滴下して液晶層を形成 る場合、一般に、大型のマザーガラス基板 用いて複数個の液晶パネルが同時に作製さ る。この場合、大型のマザーガラス基板を 断して各液晶パネルを取り出すが、このよ に複数個の液晶パネルを同時に作製する場 、複数個の液晶パネルに同時に電圧を印加 るためにマザーガラス基板上に特殊な配線 形成するように設計する必要がある。特に イズの大きい液晶パネルを作製する場合、 画素の液晶層に電圧を均一に印加すること 困難であり、不均一な電圧を印加した状態 光の照射を行うと、プレチルト角がばらつ てしまう。

 本発明は、上記課題を鑑みてなされたも であり、その目的は、ラビング処理を行う となく簡便に製造可能な液晶表示装置およ その製造方法を提供することである。

 本発明による液晶表示装置は、アクティ マトリクス基板と、対向基板と、前記アク ィブマトリクス基板と前記対向基板との間 設けられた垂直配向型の液晶層とを備える 晶表示装置であって、前記アクティブマト クス基板および前記対向基板の少なくとも 方は光配向膜を有しており、前記光配向膜 前記液晶層との間に設けられた配向維持層 あって、光重合性化合物の重合した重合体 含む配向維持層をさらに備える。

 ある実施形態において、前記光配向膜は 主鎖と、シンナメート基を含む側鎖とを有 る高分子を含む。

 ある実施形態において、前記液晶表示装 は複数の画素を有しており、前記液晶層は 前記複数の画素のそれぞれに、基準配向方 の互いに異なる複数の液晶ドメインを有し いる。

 ある実施形態において、前記アクティブ トリクス基板および前記対向基板のそれぞ が前記光配向膜を有しており、前記複数の 晶ドメインは4つの液晶ドメインである。

 ある実施形態において、前記液晶層の液 分子のプレチルト角は85°から89.7°の範囲内 にある。

 ある実施形態において、前記光重合性化 物は、1つ以上の環構造または縮環構造と、 前記環構造または縮環構造と化学結合された 1つ以上の重合性官能基とを有している。

 ある実施形態において、前記光重合性化 物は重合性モノマーであり、前記重合性モ マーは、一般式P1-A1-(Z1-A2)n-P2(P1およびP2は、 それぞれ独立に、アクリレート、メタクリレ ート、アクリルアミド、メタクリルアミド、 ビニル、ビニロキシまたはエポキシ基であり 、A1およびA2は、それぞれ独立に、1,4-フェニ ンまたはナフタレン-2,6-ジイル基を表し、Z1 は-COO-もしくは-OCO-基または単結合であり、n 0、1または2である)で表される。

 ある実施形態において、P1およびP2がアク リレート基であり、Z1が単結合であり、nが0 たは1である。

 ある実施形態において、P1およびP2がメタ クリレート基であり、Z1が単結合であり、nが 0または1である。

 ある実施形態において、P1およびP2がアク リルアミド基であり、Z1が単結合であり、nが 0または1である。

 ある実施形態において、P1およびP2がメタ クリルアミド基であり、Z1が単結合であり、n が0または1である。

 本発明による液晶表示装置の製造方法は アクティブマトリクス基板および対向基板 用意する工程であって、光を照射して、前 アクティブマトリクス基板および前記対向 板の少なくとも一方に光配向膜を形成する 程と、前記アクティブマトリクス基板と前 対向基板との間に、光重合性化合物を混合 た液晶材料を付与することにより、前記ア ティブマトリクス基板と前記対向基板との に液晶層を形成する工程であって、電圧無 加時に、前記光配向膜により、前記液晶層 液晶分子が前記光配向膜の主面の法線方向 ら傾いて配向するように前記液晶分子を規 する工程と、光を照射して前記光重合性化 物を重合させることにより、前記光配向膜 前記液晶層との間に配向維持層を形成する 程とを包含する。

 ある実施形態では、前記光配向膜を形成 る工程において、前記光配向膜は、主鎖と シンナメート基を含む側鎖とを有する高分 を含む。

 ある実施形態では、前記配向維持層を形 する工程において、前記液晶層に電圧を印 することなく前記光の照射を行う。

 ある実施形態では、前記光配向膜を形成 る工程において、前記光の波長は250nmから40 0nmの範囲内である。

 ある実施形態では、前記光配向膜を形成 る工程において、前記アクティブマトリク 基板および前記対向基板の少なくとも一方 主面の法線方向に対して5°以上85°以下の傾 斜した方向から光を照射する。

 ある実施形態では、前記光配向膜を形成 る工程において、前記光は非偏光である。

 ある実施形態では、前記光配向膜を形成 る工程において、前記光は直線偏光、楕円 光または円偏光である。

 本発明によれば、ラビング処理を行うこ なく簡便に製造可能な液晶表示装置および の製造方法が提供される。

(a)は本発明による液晶表示装置の実施 態の模式図であり、(b)は本実施形態の液晶 示装置における液晶パネルの模式図である 比較例の液晶表示装置における配向膜 よびその近傍の液晶分子を示す模式図であ 、(a)は電圧印加前の模式図、(b)は電圧印加 の模式図、(c)は電圧印加後の模式図である 本実施形態の液晶表示装置における配 膜およびその近傍の液晶分子を示す模式図 あり、(a)は電圧印加前の模式図、(b)は電圧 加時の模式図、(c)は電圧印加後の模式図で る。 (a)~(d)は、それぞれ、本実施形態の液晶 表示装置の製造方法を説明するための模式図 である。 (a)および(b)は本実施形態の液晶表示装 における配向膜の模式図であり、(c)は液晶 メインの中央の液晶分子の配向方向を示す 式図である。 実施例1の液晶パネルの模式図である。 (a)および(b)は、それぞれ、実施例1の液 晶表示装置における配向膜の表面上に形成さ れた重合体を示す顕微鏡写真である。 比較例1の液晶パネルの模式図である。 (a)および(b)は、それぞれ、比較例1の液 晶表示装置における配向膜の表面を示す顕微 鏡写真である。 比較例2の液晶パネルの模式図である

 以下、図面を参照して、本発明による液 表示装置の実施形態を説明する。

 図1(a)に、本実施形態の液晶表示装置100の 模式図を示す。液晶表示装置100は、液晶パネ ル110と、液晶パネル110を駆動する駆動回路112 と、駆動回路112を制御する制御回路114とを備 えている。また、図示していないが、液晶表 示装置100は必要に応じてバックライトを備え ていてもよい。

 図1(b)に示すように、液晶パネル110は、ア クティブマトリクス基板120と、対向基板140と 、垂直配向型の液晶層160とを備えている。ア クティブマトリクス基板120は、第1透明基板12 2と、画素電極126と、第1配向膜128とを有して る。対向基板140は、第2透明基板142と、対向 電極146と、第2配向膜148とを有している。液 層160は、アクティブマトリクス基板120と対 基板140との間に挟まれている。

 液晶表示装置100には、複数の行および複 の列に沿ったマトリクス状の画素が設けら ており、アクティブマトリクス基板120には 各画素に対して少なくとも1つのスイッチン グ素子(例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film T ransistor:TFT))(ここでは図示せず)が設けられて る。本明細書において「画素」とは、表示 おいて特定の階調を表現する最小の単位を し、カラー表示においては、例えば、R、G よびBのそれぞれの階調を表現する単位に対 し、ドットとも呼ばれる。R画素、G画素お びB画素の組み合わせが、1つのカラー表示画 素を構成する。「画素領域」は、表示の「画 素」に対応する液晶パネル110の領域を指す。

 なお、図示していないが、アクティブマ リクス基板120および対向基板140のそれぞれ は、偏光板が設けられている。したがって 2つの偏光板は液晶層160を挟んで互いに対向 するように配置されている。2つの偏光板の 過軸(偏光軸)は、互いに直交するように配置 されており、一方が水平方向(行方向)、他方 垂直方向(列方向)に沿うように配置されて る。

 液晶層160は負の誘電率異方性を有するネ ティック液晶材料(液晶分子162)を含有して る。第1配向膜128および第2配向膜148は、それ ぞれ、垂直配向膜の表面に対して、液晶分子 162のプレチルト角が90°未満となるように処 されたものである。液晶分子162のプレチル 角は、第1配向膜128および第2配向膜148の主面 と、プレチルト方向に規定された液晶分子の 長軸とのなす角度である。第1、第2配向膜128 148に対してその主面の法線方向の斜め方向 ら光を照射することにより、第1、第2配向 128、148には、電圧無印加時において液晶分 162が配向膜の主面の法線方向から傾いて配 するように配向規制力が付与される。この うな処理は光配向処理とも呼ばれる。また 本明細書において、光配向処理の行われた 向膜を「光配向膜」とも呼ぶ。光配向処理 非接触で行われるので、ラビング処理のよ に摩擦による静電気の発生が無く、歩留ま を向上させることができる。なお、分子レ ルにおいて、光配向処理の行われた配向膜 は、二量化、分子の結合乖離といった化学 化が生じている一方、ラビング処理の行わ た配向膜には結合状態に変化が無い。

 また、第1、第2配向膜128、148は、例えば ポリイミドタイプ(Polyimide:PI)の主鎖と、光反 応性官能基としてシンナメート基を含む側鎖 とを有する高分子を含んでおり、側鎖には、 光照射によって形成された二量化サイトが設 けられている。また、側鎖はフッ素原子を含 んでいてもよい。フッ素原子を含むことによ り、充分とはいえないが、後述の「焼き付き 」がある程度抑制される。

 例えば、第1、第2配向膜128、148における高 子の主鎖は、以下の構造式で示される。

 あるいは、第1、第2配向膜128、148における 分子の主鎖は、以下の構造式で示されるも であってもよい。

 なお、上述の異なる構造式で示された高 子は一方が少なくともわずかな割合で混合 ていてもよい。

 また、第1、第2配向膜128、148における高分 の側鎖は、一般的に以下の構造式で示され 。

 Aは、場合によりフッ素、塩素、シアノから 選択される基によるか、またはC 1 18 環式、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル残 基(これは、場合により1個のシアノ基または1 個以上のハロゲン原子で置換されており、場 合により、アルキルの隣接しない1個以上の-C H 2 -基は、基Qで置き換えられている)で置換され ている、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリジン-2,5 -ジイル、2,5-チオフェニレン、2,5-フラニレン 、1,4-若しくは2,6-ナフチレンまたはフェニレ を表す。

 Bは、非置換か、シアノ若しくはハロゲンで 単置換されているか、またはハロゲンで多置 換されている、炭素原子3~18個を有する直鎖 または分岐鎖状のアルキル残基(ここで、隣 しない1個以上のCH 2 基は、独立して基Qで置き換えられていても い)である。

 C 1 およびC 2 は、互いに独立して、芳香族または脂環式基 (これは、非置換か、あるいはフッ素、塩素 シアノまたは環式、直鎖状若しくは分岐鎖 のアルキル残基(これは、非置換か、シアノ しくはハロゲンで単置換されているか、ま はハロゲンで多置換されており、炭素原子1 ~18個を有し、隣接しない1個以上のCH 2 基は、独立して基Qで置き換えられていても い)で置換されている)を表す。また、Dは、 素原子または-NR 1 -(ここで、R 1 は、水素原子または低級アルキルを表す)を す。

 S 1 およびS 2 は、互いに独立して、共有単結合またはスペ ーサ単位を表す。また、S 3 は、スペーサ単位を表す。

 また、Qは、-O-、-CO-、-CO-O-、-O-CO-、-Si(CH 3 ) 2 -O-Si(CH 3 ) 2 -、-NR 1 -、-NR 1 -CO-、-CO-NR 1 -、-NR 1 -CO-O-、-O-CO-NR 1 -、-NR 1 -CO-NR 1 -、-CH=CH-、-C≡C-および-O-CO-O-(ここで、R 1 は、水素原子または低級アルキルを表す)か 選択される基を表す。X、Yは、互いに独立し て、水素、フッ素、塩素、シアノ、場合によ りフッ素で置換され、炭素原子1~12個を有す アルキル(ここで、場合により隣接しない1個 以上のCH 2 基は、-O-、-CO-O-、-O-CO-および/または-CH=CH-で き換えられている)を表す。

 ここで、Aに芳香族化合物があること、B 炭化フッ素があること、Dに少なくとも1個以 上の炭化水素基があること、X、Yに水素原子 あることが好ましい。

 さらに具体的な第1、第2配向膜128、148にお る高分子の側鎖は、例えば、以下の構造式 示される。

 また、第1、第2配向膜128、148のそれぞれ 画素ごとに複数の配向領域を有してもよい 例えば、第1配向膜128の一部をマスキングし 第1配向膜128の所定の領域にある方向から光 を照射した後、光の照射されなかった別の領 域に異なる方向から光を照射する。第2配向 148も同様に形成される。このようにして、 1、第2配向膜128、148のそれぞれに、異なる配 向規制力を付与する領域を形成することがで きる。

 液晶層160は垂直配向型であるが、アクテ ブマトリクス基板120および対向基板140との 面近傍の液晶分子162は第1、第2配向膜128、14 8の主面の法線方向からわずかに傾いている プレチルト角は、例えば85°から89.7°の範囲 である。

 また、第1配向膜128による液晶分子162のプ レチルト方位は第2配向膜148による液晶分子16 2のプレチルト方位とは異なる。例えば、第1 向膜128による液晶分子162のプレチルト方位 第2配向膜148による液晶分子162のプレチルト 方位と90°交差している。なお、ここでは、 晶層160はカイラル剤を有しておらず、液晶 160に電圧を印加すると、液晶層160内の液晶 子は第1、第2配向膜128、148の配向規制力に従 ってツイスト配向をとる。ただし、必要に応 じて液晶層160にカイラル剤が添加されていて もよい。液晶層160はクロスニコル配置された 偏光板と組み合わされてノーマリーブラック モードの表示を行う。

 本実施形態の液晶表示装置100では、第1配 向膜128と液晶層160との間に第1配向維持層130 設けられている。第1配向維持層130は光重合 化合物の重合した重合体132を含んでいる。 た、第2配向膜148と液晶層160との間に第2配 維持層150が設けられている。第2配向維持層1 50は光重合性化合物の重合した重合体152を含 でいる。第1、第2配向維持層130、150は、液 分子162の配向を維持し、液晶分子162の配向 向は少なくとも第1、第2配向維持層130、150に よって規定される。なお、図1(b)では第1、第2 配向維持層130、150は第1、第2配向膜128、148の 面を覆う膜状に示されているが、第1、第2 向維持層130、150は、第1、第2配向膜128、148の 全面を覆うように設けられていなくてもよく 、島状に設けられてもよい。第1、第2配向維 層130、150の重合体132、152は、光重合性化合 を混合した液晶材料をアクティブマトリク 基板120の第1配向膜128と対向基板140の第2配 膜148との間に付与した後に、光重合性化合 に光を照射することによって形成される。 下の説明において、このように光を照射し 配向維持層130、150を形成する工程を光重合 程とも呼ぶ。

 光重合工程を行う前に第1、第2配向膜128 148に光配向処理が行われており、液晶分子16 2は第1、第2配向膜128、148の主面の法線方向か ら傾いており、光重合工程において電圧を印 加する必要がない。このため、比較的安価な 光照射装置を用いて第1、第2配向維持層130、1 50の重合体132、152を形成することができる。 た、液晶材料を滴下する場合でも、複雑な 加配線を設計することなく、一般的な製造 置を利用することができる。また、第1、第 2配向膜128、148に光配向処理が行われており 画素電極126および対向電極146にスリット、 ブまたはリベットを設けなくてもよいため 実質開口率を高くすることができる。また 画素電極126および対向電極146にリブまたは ベットを設ける工程を省略できるため、コ トダウンを図ることができる。

 なお、配向維持層130、150を設けない場合 光配向膜を形成するための光照射時の損傷 よって発生した不純物などによって不純物 オンが発生して電圧保持率が低下すること ある。また、配向維持層130、150を設けない 合、焼き付きが発生することがある。

 ここで、焼き付きを説明する。液晶表示 置は同一のパターンを長時間表示し続ける 、そのパターンの焼き付きという現象が生 ることが知られている。焼き付きは、エイ ング試験を行ったときに顕著に見える。エ ジング試験では、例えば、表示画面の中央 分(ウィンドウ)を領域1とし、その周囲部分 領域2として、領域1に白色、領域2に黒色を 時間表示させた後、パネル全体に均一な中 調(灰色)を表示させてその表示が確認され 。例えばノーマリブラックモード(電圧無印 時に黒表示)の液晶表示装置において、焼き 付きが発生すると、領域1は領域2よりも明る 見える。従来、この原因は、主に、液晶層 に存在する不純物イオンが、電圧が印加さ ている領域1に引き寄せられて配向膜表面に 蓄積され、領域1においてDC成分が発生するこ とにあると考えられていた。このようにDC成 が発生すると、領域1と領域2とで最適対向 圧が異なることになる。このことは、焼き きが見えている状態で対向電極の電位を変 ていくと、一旦、焼き付きが見えにくくな た後、再び顕著に見えてくるという現象か 確認できる。この焼き付きは、「DC焼き付き 」と呼ばれる。従来から、DC焼き付きを防止 るために、液晶層中の不純物イオン量を減 すことや、不純物イオンが吸着しにくい配 膜材料を用いること、そのような液晶材料 配向膜材料の組合せを見つけること、およ 、対向電圧を焼き付きが見えにくくなるよ に調整すること等の対策がなされている。

 しかしながら、上述したような光配向膜 有する液晶表示装置において、同一のパタ ンを長時間表示し続けると、そのパターン 焼き付くという現象が生じることがある。 の焼き付きは、DC成分に起因しないことか 、「AC焼き付き」と呼ばれることがある。

 AC焼き付きは、液晶層に電圧を印加し続 ると、時間の経過と共に、配向膜によって 制されている(アンカリングされている)液晶 分子のプレチルト角が小さくなり、結果とし て、V-Tカーブの閾値電圧が低電圧側にシフト することによって発生すると推察される。例 えば、表示画面の中央部分(ウィンドウ)を領 1とし、その周囲部分を領域2として、領域1 白色、領域2に黒色を表示させた状態でエイ ジング試験を行うと、電圧が長時間印加され た領域1の液晶分子のプレチルト角は小さく る一方、電圧が印加されていない領域2の液 分子のプレチルト角は変化しない。この場 、パネル全体に均一な中間調を表示させる 、領域1は領域2よりも明るく見えてしまう 対向電極の電位を変えていっても焼き付き 見え方に変化はなく、この焼き付きはDC焼き 付きではないことが分かる。この現象は、VA ードの液晶表示装置を利用し、ノーマリー ラックモードで表示する場合に顕著である 、他のモードでも生じると考えられる。

 本実施形態の液晶表示装置100では、第1、 第2配向維持層130、150が設けられており、こ により、光の照射による損傷によって発生 た不純物などを固定し不純物イオンの発生 抑制するとともに、液晶分子162のプレチル 方向を固定化して焼き付きの発生を抑制す ことができる。

 ここで、重合体の形成により、AC焼き付 が抑制される理由を説明する。まず、図2を 照して比較例の液晶表示装置における液晶 子の配向状態を説明する。比較例の液晶表 装置は光配向膜を有しており、電圧印加前 おいて液晶分子は配向膜の主面の法線方向 らわずかに傾くように配向しているが、重 体を含む配向維持層を有していない。

 図2(a)に、電圧印加前の配向膜428近傍の液 晶分子462の配向状態を示し、図2(b)に、電圧 加時の配向膜428近傍の液晶分子462の配向状 を示し、図2(c)に、電圧印加後の配向膜428近 の液晶分子462の配向状態を示す。配向膜428 、主鎖428aと、光反応性官能基428cを含む側 428bとを有する高分子428pを含んでいる。

 図2(a)に示すように、液晶層460に電圧を印 加する前、液晶分子462は配向膜428の主面の法 線方向からわずかに傾いているもののほぼ垂 直に配向しており、これに伴い、側鎖428bの とんどは液晶分子462の配向方向と平行に主 428aからほぼ垂直方向に延びている。側鎖428b の一部には光反応性官能基428cの二量化によ て形成された二量化サイト428dが設けられて り、この二量化サイト428dにより、プレチル ト方位およびプレチルト角度で表されるプレ チルト方向が規定されている。

 図2(b)に示すように、AC電圧を液晶層460に 加すると、液晶分子462は電界にしたがって くように力を受ける。液晶分子462の傾く力 側鎖428bに伝播し、液晶分子462の傾きに応じ て側鎖428bも傾く。なお、ここでは、印加電 はAC電圧であり、DC焼き付きの発生が抑制さ ている。

 図2(c)に示すように、AC電圧をオフにする 、液晶分子462は元の位置に戻ろうとし、こ に伴い、傾いた側鎖428bも元の位置に戻ろう とする。このように、側鎖428bには元に戻ろ とする力(復元力)が付与される。しかしなが ら、図2(b)に示したように電圧印加時に側鎖42 8bは液晶分子462とともに傾いていたため、電 がオフになっても、側鎖428bの一部は完全に は元に戻らない。液晶分子462の配向方向は、 電界だけでなく側鎖428bの影響も受けるため 図2(a)と図2(c)との比較から理解されるように 、液晶分子462のプレチルト角は小さくなる。 このように、電圧印加時間とともにプレチル ト角が小さくなり、結果として、AC焼き付き 発生する。

 次に、図3を参照して、本実施形態の液晶 表示装置100における液晶分子162の配向状態を 説明する。図3(a)に、電圧印加前の配向膜128 傍の液晶分子162の配向状態を示し、図3(b)に 電圧印加時の配向膜128近傍の液晶分子162の 向状態を示し、図3(c)に、電圧印加後の配向 膜128近傍の液晶分子162の配向状態を示す。図 3は、図2と対比するように示している。なお ここでは、第1配向膜128およびその近傍を説 明するが、第2配向膜148およびその近傍も同 である。第1配向膜128は、主鎖128aと、光反応 性官能基128cを含む側鎖128bとを有する高分子1 28pを含んでいる。

 図3(a)に示すように、電圧印加前には、側 鎖128bのほとんどは主鎖128aから垂直方向に延 ている。また、側鎖128bの一部には、光反応 性官能基128cの二量化によって形成された二 化サイト128dが設けられている。ただし、図2 (a)との比較から理解されるように、配向維持 層130の重合体132は側鎖128bと絡まるように形 されている。

 図3(b)に示すように、AC電圧を印加すると 液晶分子162は電界にしたがって傾く。この き、側鎖128bは、液晶分子162とともに傾くよ うに力を受けるが、重合体132により、側鎖128 bの少なくとも一部は傾かないように保持さ る。

 図3(c)に示すように、AC電圧をオフにする 、液晶分子162は元の位置に戻ろうとし、液 分子162の動きとともに側鎖128bは元の位置に 戻ろうとする。このとき、図3(b)に示したよ に、電圧印加時に側鎖128bは重合体132によっ 傾かないよう保持されていたため、図2(c)と の比較から理解されるように、側鎖128bのほ んどは元の位置に戻る。このように、側鎖12 8bと絡まるように重合体132が存在しているこ により、液晶分子162の配向状態を乱すこと く、液晶分子162から側鎖128bに伝播する力は 弱まり、また、側鎖128bは電圧印加後に容易 元に戻るので、電圧印加の前後に関わらず 晶分子162のプレチルト角はほとんど変化す ことない。したがって、AC焼き付きを抑制す ることができる。

 本実施形態の液晶表示装置100では、液晶 160と第1配向膜128との間に、重合体132を含む 第1配向維持層130が設けられていることによ 、液晶分子162の配向状態を変化させること く、電界によって液晶分子162が傾いた力を 鎖128bに伝播させにくくすることができる。 た、このような重合体132により、液晶分子1 62の傾いた力が側鎖128bに伝播したとしても、 側鎖128bに伝播された力がわずかであるため 電圧印加後に液晶分子162は容易に元の位置 戻ることになり、結果として、第1配向維持 130によって液晶分子162のプレチルト角の変 が抑制される。同様に、液晶層160と第2配向 膜148との間に重合体152を含む第2配向維持層15 0が設けられていることにより、液晶分子162 プレチルト角の変動が抑制される。以上の うにしてAC焼き付きの改善が行われる。

 また、光重合性化合物を重合させるため 光を照射すると、第1、第2配向膜128、148か 不純物が発生することがある。本実施形態 液晶表示装置100では、第1、第2配向維持層130 、150が設けられていることにより、不純物が 固定化され、結果として、電圧保持率の低下 を抑制することができる。

 以下、図4を参照して、液晶表示装置100の 製造方法を説明する。

 まず、図4(a)に示すように、透明基板122上 に、画素電極126および第1配向膜128を設けた クティブマトリクス基板120を用意する。な 、図4(a)には図示していないが、透明基板122 画素電極126との間には、薄膜トランジスタ( Thin Film Transistor:TFT)およびTFTに接続された配 線等が設けられている。

 第1配向膜128は、ポリアミド酸(PAA)タイプの 鎖と、上に示したシンナメート基を含む側 とを有する配向膜材料を塗布し、加熱処理 行うことによって形成される。配向膜材料 おける高分子の主鎖の構造式は以下のよう 示される。

 あるいは、配向膜材料における高分子の主 の構造式は以下のように示されるものであ てもよい。

 なお、上述の異なる構造式で示された高 子は一方が少なくともわずかな割合で混合 ていてもよい。

 加熱処理により、ポリアミド酸タイプの 鎖は、上述したポリイミドタイプの主鎖に 化する。

 次に、第1配向膜128に対して光配向処理を行 う。例えば、波長250nm以上400nm以下の範囲内 光が照射強度20mJ/cm 2 以上200mJ/cm 2 以下で、第1配向膜128の主面の法線方向から いた方向から第1配向膜128に照射される。な 、照射強度が200mJ/cm 2 よりも大きいと、配向膜に劣化が起こり、信 頼性低下の問題が顕著になる。また、第1配 膜128の主面の法線方向に対する照射角度が さいほど、第1配向膜128の主面の法線方向か の液晶分子162の傾きは小さく、照射角度が きいほど、照射時間に対する照射量(照射量 効率)は低くなる。照射角度は、5°以上85°以 の範囲であることが好ましく、40°以上60° 下の範囲であることがさらに好ましい。ま 、光は非偏光であってもよく、直線偏光、 円偏光または円偏光であってもよい。なお 配向膜の高分子がシンナメート基を含む場 、光は直線偏光であることが好ましい。ま 、光分解型の配向膜の場合、光は非偏光、 偏光であってもよい。

 また、図4(b)に示すように、透明基板142上 に、対向電極146および第2配向膜148を設けた 向基板140を用意する。次に、第2配向膜148に 第1配向膜128と同様に光配向処理を行う。

 次に、図4(c)に示すように、第1配向膜128 よび第2配向膜148が向かい合うようにアクテ ブマトリクス基板120および対向基板140を配 する。本明細書において、液晶層を形成す 前に、アクティブマトリクス基板および対 基板を配置したものを「空パネル」とも呼 。

 次に、光重合性化合物164の混合された液 材料を用意する。光重合性化合物164は、例 ば、光重合性モノマー、光重合性オリゴマ またはこれらの混合物である。光重合性モ マーとしては、重合しやすい2置換以上のビ ニルモノマーが用いられる。具体的には、光 重合性モノマーとしてジアクリレート、ジメ タクリレート、ジアクリルアミド、ジメタク リルアミドを用いることが好ましい。特に、 側鎖に液晶性を示す分子を含むジアクリレー トまたはジメタクリレートのモノマーを用い ると、液晶分子162の配向をより安定に維持す ることができる。また、2つの重合性サイト 間の構造は、液晶になじみ易い分子構造が く、例えば、ビフェニル基であることが好 しい。例えば、液晶材料に対する光重合性 ノマー164の濃度は約0.3wt%濃度である。

 次に、空パネルの第1配向膜128と第2配向 148との間に、光重合性化合物164の混合され 液晶材料を付与し、液晶層160を形成する。 述したように、第1、第2配向膜128、148には光 配向処理が行われており、液晶分子162は、電 圧無印加時にも第1、第2配向膜128、148の主面 法線方向から傾くように配向する。

 その後、光を照射する。光の照射時には 画素電極126と対向電極146との間に電圧を印 しない。光の照射により、図4(d)に示すよう に、液晶層160内の光重合性化合物164が重合し て重合体132、152が形成され、液晶層160とは相 分離して、液晶層160と第1、第2配向膜128、148 の間に、重合体132、152を有する第1、第2配 維持層130、150が形成される。

 例えば、この光重合では、波長365nmの紫外 (i線)を主に出射する光源が好適に用いられ 。照射時間は、例えば約500秒であり、光源 紫外光の照射強度は約20mW/cm 2 である。光を照射して重合を行う場合、光の 照射強度が10mW/cm 2 以下であっても光重合性化合物は充分に重合 する。光の波長は250nm以上400nm以下の範囲内 あることが好ましく、300nm以上400nm以下の範 内にあることがさらに好ましい。しかしな ら、400nmよりも大きい波長の光でも重合は 分に行われる。また、波長300nm以下の光でも 重合を行うことができるが、波長200nm近傍の 紫外線を照射すると有機物の分解が起こる で、照射量をできるだけ少なくすることが ましい。

 また、重合のための光を液晶パネル110の クティブマトリクス基板120側および対向基 140側の両面から照射すると、重合体132、152 配向膜128、148の表面に多く付着し、液晶層1 60内に残存する光重合性化合物164が減少する このため、液晶層160に電圧を印加した際の イズが少なくなり、コントラスト比が向上 る。もちろん片面からの照射でも光重合性 合物は充分重合する。

 第1、第2配向維持層130、150により、液晶 子162の配向方向が維持され、結果として、AC 焼き付きが抑制される。なお、光重合工程を 行った後でも液晶層160に光重合性化合物164が 残存することがある。この場合、光重合工程 後にさらに光を照射して液晶層160内の光重合 性化合物164の濃度を低下させてもよい。この ように、液晶層160内の光重合性化合物164の濃 度を低下させるための光の照射は2次照射と 呼ばれる。2次照射を行っても液晶分子のプ チルト角はほとんど変化しない。以上のよ にして液晶パネル110が形成される。その後 液晶パネル110に、図1(a)に示した駆動回路112 、制御回路114を実装し、液晶表示装置100が作 製される。

 上述した特許文献3および4に開示されて るPSA技術を行うためには、電圧を印加しな ら、光を照射する場合、液晶パネルに電圧 印加するデバイスと光を照射するデバイス を備えた複雑な製造装置が必要となる。ま 、所定の配向を得るために、液晶パネルに 圧を長時間印加した後で光を照射するため この製造装置を長時間使用する必要がある また、液晶材料を滴下することによって液 パネルの液晶層を形成する場合、一般に、 型のマザーガラス基板を用いて複数個の液 パネルを同時に作製した後、大型のマザー ラス基板を分断して各液晶パネルを取り出 が、このように複数個の液晶パネルを同時 作製する場合、複数個の液晶パネルに同時 電圧を印加するためにマザーガラス基板上 特殊な配線を形成するように設計する必要 ある。

 また、特にサイズの大きい液晶パネルを 製する場合、各画素の液晶層に電圧を均一 印加することは困難であり、不均一な電圧 印加した状態で光の照射を行うと、液晶分 のプレチルト角がばらついてしまう。

 また、PSA技術において電圧を印加する場 、視野角特性の改善を行うために、画素電 および対向電極にリブ、スリットまたはリ ットを設けることが必要となるが、その結 、工程数が増大するとともに実質的な開口 が低下する。

 しかしながら、本実施形態の製造方法で 光重合工程において電圧を印加しない。し がって、複雑な製造装置でなくても液晶表 装置100を容易に製造することができる。ま 、液晶材料を滴下して液晶層を形成する場 でも液晶パネルを容易に作製することがで る。また、光重合工程時に、すべての画素 液晶層に電圧を印加しなくてもよいため、 晶分子のプレチルト角の変動を抑制するこ ができる。さらに、画素電極126および対向 極146にリブ、スリットまたはリベットを設 ることなく視野角の改善を行うことができ 設計の自由度を向上させることができる。

 なお、画素電極126および対向電極146にス ット、リブおよび/またはリベットを設けて もよい。あるいは、画素電極126および対向電 極146にスリット、リブおよび/またはリベッ が設けられていなくてもよく、対称性の高 形状の画素電極126と対向電極146とによって 成された斜め電界に従って液晶分子を配向 せてもよい。これにより、電圧印加時にお る液晶分子の配向規制力をさらに増大させ ことができる。

 なお、当業者は、液晶分子162が第1、第2 向膜128、148の主面の法線方向から傾いて配 するように光配向処理を行った後、重合体 成のために光の照射を行うことを考えない 光配向処理では、液晶分子162が主面の法線 向から傾くように配向するために、特定の 向から光を照射しており、そのように形成 れた第1、第2配向膜128、148に対して、高強度 の光を照射すると、第1、第2光配向膜128、148 対して行われた光配向処理が無意味になる 考えるのが自然だからである。しかしなが 、本実施形態では、上述したように、第1、 第2配向膜128、148は光配向処理によって形成 れた後、重合体形成のために光の照射を行 ている。このように、光配向処理後に光重 工程を行っても、第1、第2光配向膜128、148に よる液晶分子の配向規制力を付与する機能は 失われず、また、その配向規制力もほとんど 変化しない。光重合性化合物を重合するため の光を照射しても、第1、第2光配向膜128、148 機能が維持される理由の一つは、この光の ーク波長が光反応性官能基のピーク波長と なるからである。例えば、重合時の光のピ ク波長は360nmであり、シンナメート基の吸 ピーク波長は280nmである。なお、厳密には、 シンナメート基の吸収スペクトルの裾部分は 光の波長とわずかに重なるため、光重合性化 合物を液晶材料に混合することなく非常に長 時間紫外光の照射を行えば、第1、第2光配向 128、148による液晶分子の配向規制力が失わ る可能性がある。しかしながら、光照射は 晶パネル100を作製した後に行われる。例え 、アクティブマトリクス基板120側から入射 れた光が配向膜128(148)に到達するためには 第1透明基板122、画素電極126(さらに、第1配 膜128および液晶層160)を通過することが必要 あるが、シンナメート基の光吸収効率は低 、結果として、第1、第2光配向膜128、148に る液晶分子162の配向は維持されると考えら ている。

 光重合性化合物は、1つ以上の環構造また は縮環構造と、この環構造または縮環構造と 化学結合された1つ以上の重合性官能基とを していてもよい。化学結合は、例えば、エ テル結合またはアミド結合である。重合性 ノマーは、例えば、一般式P1-A1-(Z1-A2)n-P2(P1お よびP2は、それぞれ独立に、アクリレート、 タクリレート、アクリルアミド、メタクリ アミド、ビニル、ビニロキシまたはエポキ 基であり、A1およびA2は、それぞれ独立に、 1,4-フェニレンまたはナフタレン-2,6-ジイル基 を表し、Z1は-COO-もしくは-OCO-基または単結合 であり、nは0、1または2である)で表される。 の場合、P1およびP2がアクリレート基であり 、Z1が単結合であり、nが0または1であること 好ましい。または、P1およびP2がメタクリレ ート基であり、Z1が単結合であり、nが0また 1であることが好ましい。または、P1およびP2 がアクリルアミド基であり、Z1が単結合であ 、nが0または1であることが好ましい。また 、P1およびP2がメタクリルアミド基であり、 Z1が単結合であり、nが0または1であることが ましい。

 また、液晶表示装置100は、4D―RTN(4 Domain Reverse Twisted Nematic)モードであってもよい 以下、図5を参照して4D―RTNモードの液晶表 装置を説明する。

 図5(a)には、アクティブマトリクス基板120 の配向膜128に規定された液晶分子のプレチル ト方向PA1およびPA2を示しており、図5(b)には 対向基板140の配向膜148に規定された液晶分 のプレチルト方向PB1およびPB2を示している 図5(c)には、電圧印加状態において液晶ドメ ンA~Dの中央の液晶分子の配向方向、および 配向乱れによって暗く見える領域(ドメイン ライン)DL1~DL4を示している。なお、ドメイン インDL1~DL4は、いわゆるディスクリネーショ ンラインではない。

 図5(a)~図5(c)は、観察者側から見たときの 晶分子の配向方向を模式的に示しており、 柱状の液晶分子の端部(ほぼ円形部分)が観 者に向かうようにチルトしていることを示 ている。

 図5(a)に示すように、第1配向膜128は、第1 向領域OR1と第2配向領域OR2とを有している。 第1配向領域OR1に規定された液晶分子は、第1 向膜128の主面の法線方向から-y方向に傾い おり、第1配向膜128の第2配向領域OR2に規定さ れた液晶分子は、第1配向膜128の主面の法線 向から+y方向に傾いている。また、第1配向 域OR1と第2配向領域OR2の境界線は、列方向(y 向)に延びており、画素の行方向(x方向)の略 心に位置している。このように、第1配向膜 128には、プレチルト方位の異なる第1、第2配 領域OR1、OR2が設けられている。

 また、図5(b)に示すように、第2配向膜148 、第3配向領域OR3と第4配向領域OR4とを有して いる。第3配向領域OR3に規定された液晶分子 第2配向膜148の主面の法線方向から+x方向に いており、この液晶分子の-x方向の端部が前 面側に向いている。また、第2配向膜148の第4 向領域OR4に規定された液晶分子は第2配向膜 148の主面の法線方向から-x方向に傾いており この液晶分子の+x方向の端部が前面側に向 ている。このように、第2配向膜148には、プ チルト方位の異なる第3、第4配向領域OR3、OR 4が設けられている。

 配向処理方向は、液晶分子の長軸に沿っ 配向領域に向かう方向をその配向領域に投 した方位角成分と対応している。第1、第2 第3および第4配向領域の配向処理方向をそれ ぞれ第1、第2、第3および第4配向処理方向と 呼ぶ。

 第1配向膜128の第1配向領域OR1には、第1配 処理方向PD1に配向処理が行われおり、第2配 向領域OR2には、第1配向処理方向PD1とは異な 第2配向処理方向PD2に配向処理が行われてい 。第1配向処理方向PD1は第2配向処理方向PD2 ほぼ反平行である。また、第2配向膜148の第3 配向領域OR3には、第3配向処理方向PD3に配向 理が行われおり、第4配向領域OR4には、第3配 向処理方向PD3とは異なる第4配向処理方向PD4 配向処理が行われている。第3配向処理方向P D3は第4配向処理方向PD4とほぼ反平行である。

 図5(c)に示すように、画素の液晶層には4 の液晶ドメインA、B、CおよびDが形成される 液晶層160のうち、第1配向膜128の第1配向領 OR1と第2配向膜148の第3配向領域OR3とに挟まれ る部分が液晶ドメインAとなり、第1配向膜128 第2配向領域OR2と第2配向膜148の第4配向領域O R4とに挟まれる部分が液晶ドメインBとなり、 第1配向膜128の第2配向領域OR2と第2配向膜148の 第4配向領域OR4とに挟まれる部分が液晶ドメ ンCとなり、第1配向膜128の第1配向領域OR1と 2配向膜148の第3配向領域OR3とに挟まれる部分 が液晶ドメインDとなる。なお、第1、第2配向 処理方向PD1、PD2と第3、第4配向処理方向PD3、P D4とのなす角度はほぼ90°であり、各液晶ドメ インにおけるねじれ角はほぼ90°である。

 液晶ドメインA~Dの中央の液晶分子の配向 向は、第1配向膜128による液晶分子のプレチ ルト方向と第2配向膜148による液晶分子のプ チルト方向との中間の方向となる。本明細 において、液晶ドメインの中央における液 分子の配向方向を基準配向方向と呼び、基 配向方向のうち液晶分子の長軸に沿って背 から前面に向かう方向の方位角成分(すなわ 、基準配向方向を第1配向膜128または第2配 膜148の主面に投影した方位角成分)を基準配 方位と呼ぶ。基準配向方位は、対応する液 ドメインを特徴付けており、各液晶ドメイ の視野角特性に支配的な影響を与える。こ で、表示画面(紙面)の水平方向(左右方向)を 方位角方向の基準とし、左回りに正をとる( 示面を時計の文字盤に例えると3時方向を方 角0°として、反時計回りを正とする)と、4 の液晶ドメインA~Dの基準配向方向は任意の2 の方向の差が90°の整数倍に略等しい4つの 向となるように設定されている。具体的に 、液晶ドメインA、B、C、Dの基準配向方位は それぞれ、225°、315°、45°、135°である。

 図5(c)に示すように、液晶ドメインA、B、C 、DにはドメインラインDL1~DL4がそれぞれ形成 れる。画素電極126のエッジ部EG1の一部と平 にドメインラインDL1が形成され、エッジ部E G2の一部と平行にドメインラインDL2が形成さ る。また、画素電極126のエッジ部EG3の一部 平行にドメインラインDL3が形成され、エッ 部EG4の一部と平行にドメインラインDL4が形 される。また、液晶ドメインA~Dのそれぞれ 他の液晶ドメインと隣接する境界領域に、 線で示したディスクリネーションラインCL 観察される。ディスクリネーションラインCL は、上述した中央部の暗線である。ディスク リネーションラインCLとドメインラインDL1~DL4 とは連続的であり、逆卍状の暗線が発生して いる。なお、ここでは、暗線は逆卍状であっ たが、暗線は8の字状であってもよい。

 また、上述した液晶表示装置は4D-RTNモー であったが、本発明はこれに限定されない 液晶表示装置はCPAモードであってもよい。

 また、上述した説明では、アクティブマ リクス基板および対向基板の両方に配向膜 設けられていたが、本発明はこれに限定さ ない。配向膜はアクティブマトリクス基板 よび対向基板の一方のみに設けられていて よい。

 図6に、実施例1の液晶表示装置100におけ 液晶パネル110の断面の一部の模式図を示す 実施例1の液晶表示装置100はRTNモードである

 まず、液晶材料を注入するための空パネ を作製した。第1透明基板122の上に画素電極 126を形成し、画素電極126の上に第1配向膜128 形成した。また、第2透明基板142の上に対向 極146を形成し、対向電極146の上に第2配向膜 148を形成した。第1配向膜128および第2配向膜1 48は、ポリイミドタイプの主鎖と、シンナメ ト基を含む側鎖とを有する高分子を含んで た。

 次に、第1配向膜128および第2配向膜148のそ ぞれの主面の法線方向に対して斜め40°方向 ら、ピーク波長330nmのP偏光を50mJ/cm 2 照射し、光配向処理を行った。次に、第1配 膜128および第2配向膜148が対向するとともに 1配向膜128の配向処理方向と第2配向膜148の 向処理方向とのなす角が90°となるように、 クティブマトリクス基板120および対向基板1 40を配置して、アクティブマトリクス基板120 対向基板140との間隔が4μm程度になるように 固定した。

 次に、液晶材料を用意した。液晶材料は の誘電率異方性を有するネマティック液晶 料であり、複屈折率δnが0.085、誘電率異方 δεが-1.3であった。この液晶材料に、重合体 を形成するための光重合性化合物としてビフ ェニルジアクリレートを混合し、液晶材料に 対するビフェニルジアクリレートの濃度を0.3 wt%とした。なお、アクティブマトリクス基板 120および対向基板140を上述したように配置し ていることにより、液晶分子162のねじれ角は 90°であった。

 次に、この混合物を空パネルに封入して 晶層160を形成し、液晶層160に紫外光を照射 た。第1、第2配向膜128、148の表面の一部を 察したところ、重合体132、152が確認された

 図7(a)は、第1配向膜128表面の50000倍の拡大 平面図であり、図7(b)は、第1配向膜128表面の1 00000倍の拡大平面図である。図7(a)、(b)に示さ れた白い粒子状の塊が重合体132である。隣接 する2つの重合体132の間隔は約1μm以下である 同様に、第2配向膜148表面の一部に重合体152 が確認された。

 次に、アクティブマトリクス基板120およ 対向基板140のそれぞれに偏光板(図示せず) 貼り付けた。このようにして作製された液 パネル110の初期プレチルト角は89.1°であり 周囲温度70℃において電圧保持率は99.5%以上 あった。

 次に、作製された液晶パネル110に対して 温で電圧8Vを50時間印加し続ける通電試験を 行ったが、通電試験前後において液晶分子の プレチルト角は変化しなかった。また、通電 試験終了後の電圧保持率は99.5%以上であり、 圧印加が適切に行われていたことが確認さ た。

 モノマーとして、ジアクリレートタイプ モノマーを用いたことから、重合度の比較 小さい(10以下程度)重合体が容易に形成され 、重合体は液晶層から相分離して、側鎖間に 入り込み、側鎖の傾きの変化を抑制したと考 えられる。また、主鎖がポリイミドタイプで 、重合体の主鎖がポリビニルタイプであった ことから、ポリイミドタイプとポリビニルタ イプの相溶性が低いため、重合体は配向膜内 部まで入り込まなかったと考えられる。

 なお、光重合性化合物は、ここに示した うなジアクリレート系に限定されず、ジメ クリレート系でも同様のプレチルト角の変 を抑制する効果を得ることができた。

 実施例2では、光重合性化合物としてジア クリルアミド系モノマーを用いた。

 まず、空パネルを作製した。空パネルの 造方法は実施例1と同様である。第1透明基 122の上に画素電極126を形成し、画素電極126 上に第1配向膜128を形成した。また、第2透明 基板142の上に対向電極146を形成し、対向電極 146の上に第2配向膜148を形成した。第1配向膜1 28および第2配向膜148は、ポリイミドタイプの 主鎖と、シンナメート基を含む側鎖とを有す る高分子を含んでいた。

 次に、第1配向膜128および第2配向膜148のそ ぞれの主面の法線方向に対して斜め40°方向 ら、ピーク波長330nmのP偏光を50mJ/cm 2 照射し、光配向処理を行った。次に、第1配 膜128および第2配向膜148が対向するとともに 1配向膜128の配向処理方向と第2配向膜148の 向処理方向とのなす角が90°となるようにア ティブマトリクス基板120および対向基板140 配置して、アクティブマトリクス基板120と 向基板140との間隔が4μm程度になるように固 定した。

 次に、液晶材料を用意した。液晶材料は の誘電率異方性を有するネマティック液晶 料であり、複屈折率δnが0.085、誘電率異方 δεが-1.3であった。さらに、この液晶材料に 、重合体を形成するための光重合性化合物164 としてビフェニルジアクリルアミドを混合し 、液晶材料に対するビフェニルジアクリルア ミドの濃度を0.3wt%とした。

 次に、この混合物を空パネルに封入して 液晶層に紫外光を照射した。これにより、 7を参照して上述したように、第1、第2配向 128、148の表面の一部に重合体132、152が形成 れた。

 次に、アクティブマトリクス基板120およ 対向基板140のそれぞれに偏光板(図示せず) 貼り付けた。こうして作製された液晶パネ 110の初期プレチルト角は89.3°であり、周囲 度70℃中での電圧保持率は99.5%以上であった

 次に、作製された液晶パネル110に対して 温で電圧8Vを50時間印加し続ける通電試験を 行ったが、プレチルト角に変化は無かった。 通電試験終了後の電圧保持率は99.5%以上であ 、電圧印加が適切に行われていたことが確 された。

 光重合性化合物としてジアクリルアミド のモノマーを用いたことから、重合度の比 的小さい(10以下程度)重合体が容易に形成さ れ、重合体は液晶層から相分離して、配向膜 における高分子の側鎖間に入り込み、側鎖の 傾きの変化が抑制されたと考えられる。また 、配向膜における高分子の主鎖がポリイミド タイプで、重合体の主鎖がポリビニルタイプ であったため、ポリイミドタイプとポリビニ ルタイプの相溶性が低いことから、重合体は 配向膜内部まで入り込まなかったと考えられ る。

 なお、光重合性化合物は、ジアクリルア ド系に限定されず、ジメタクリルアミド系 も同様のプレチルト角の変化を抑制する効 を得ることができた。

 (比較例1)
 図8に、比較例1の液晶表示装置500における 晶パネル510の断面の一部の模式図を示す。

 まず、液晶材料を注入するための空パネ を作製した。第1透明基板522の上に画素電極 526を形成し、画素電極526の上に第1配向膜528 形成して、アクティブマトリクス基板520を 意した。

 また、第2透明基板542の上に対向電極546を 形成し、対向電極546の上に第2配向膜548を形 して対向基板540を用意した。なお、第1、第2 配向膜528、548は、ポリイミドタイプの主鎖と 、シンナメート基を含む側鎖とを有する高分 子を含んでいた。

 次に、第1、第2配向膜528、548のそれぞれの 面の法線方向に対して斜め40°方向から、ピ ク波長330nmのP偏光を50mJ/cm 2 照射することによって光配向処理を行った。

 次に、第1配向膜528および第2配向膜548が 向するとともに第1配向膜528の配向処理方向 第2配向膜548の配向処理方向とのなす角が90 となるようにアクティブマトリクス基板520 よび対向基板540を配置して、アクティブマ リクス基板520と対向基板540との間隔が4μm程 になるように固定した。

 また、液晶材料を用意した。液晶材料は の誘電率異方性を有するネマティック液晶 料であり、複屈折率δnが0.085、誘電率異方 δεが-1.3であった。ここでは、液晶材料にモ ノマーを混合しなかった。この液晶材料を空 パネルに封入して、注入口を封止した。ここ では、紫外光を照射しなかった。第1、第2配 膜528、548の表面の一部を観察したところ、 合体が確認されなかった。

 図9(a)は、第1配向膜528表面の50000倍の拡大 平面図であり、図9(b)は、第1配向膜528表面の1 00000倍の拡大平面図である。図9(a)、図9(b)と 7(a)、図7(b)との比較から理解されるように、 第1配向膜528表面には重合体は確認されなか た。同様に、第2配向膜548表面にも重合体は 認されなかった。

 次に、アクティブマトリクス基板520およ 対向基板540のそれぞれに偏光板(図示せず) 貼り付けた。こうして作製された液晶パネ 510の初期プレチルト角は89.2°であり、周囲 度70℃中での電圧保持率は99.5%以上であった

 次に、作製された液晶パネル510に対して 温で電圧8Vを50時間印加し続ける通電試験を 行ったところ、プレチルト角は0.15°程度低下 した。通電試験終了後の電圧保持率は99.5%以 であり、電圧印加が適切に行われていたこ が確認された。

 この結果から、液晶分子が電界にしたが て傾くことにより配向膜における高分子の 鎖に作用し、配向膜における高分子の側鎖 傾きが変化したと考えられる。これは、側 の柔軟性が高く、液晶分子の作用を受け易 ことに起因していると考えられる。

 また、モノマーを混合していない液晶材 を注入した後に、上述とは異なり、液晶層 紫外光を照射すると、初期電圧保持率が95% 下と低かった。これは、光配向膜が紫外光 よって劣化し、不純物が発生したためと考 られる。また、初期のプレチルト角は89.7° 度まで上がり、液晶分子の配向は維持され 。なお、ここでは、初期電圧保持率が低か たため、チルト角の通電試験を行わなかっ 。ここで、上述した実施例1との比較を行う と、実施例1でも、液晶材料を注入した後に 外光を照射しているため、光配向膜128、148 ら不純物が発生するが、この不純物は配向 持層130、150に固定され、結果として、高い 期電圧保持率が実現されたと考えられる。

 (比較例2)
 図10に、比較例2の液晶表示装置600における 晶パネル610の断面の一部の模式図を示す。

 まず、液晶材料を注入するための空パネ を作製した。第1透明基板622の上に画素電極 626を形成し、画素電極626の上に第1配向膜628 形成した。第2透明基板642の上に対向電極646 形成し、対向電極646の上に第2配向膜648を形 成した。第1、第2配向膜628、648は、ポリイミ タイプの主鎖と、シンナメート基を含む側 とを有する高分子を含んでいた。

 次に、第1配向膜628、第2配向膜648のそれぞ の主面の法線方向に対して斜め40°方向から ーク波長330nmのP偏光を50mJ/cm 2 照射し、光配向処理を行った。

 次に、第1配向膜628および第2配向膜648が 向するとともに第1配向膜628の配向処理方向 第2配向膜648の配向処理方向とのなす角が90 となるようにアクティブマトリクス基板620 よび対向基板640を配置して、アクティブマ リクス基板620と対向基板640との間隔が4μm程 になるように固定した。

 次に、液晶材料を用意した。液晶材料は の誘電率異方性を有するネマティック液晶 料であり、複屈折率δnが0.085、誘電率異方 δεが-1.3であった。液晶材料に、重合体を形 成するための光重合性化合物としてビフェニ ルアクリレートを混合し、液晶材料に対する ビフェニルアクリレートの濃度を0.3wt%とした 。

 次に、この混合物を空パネルに封入して 液晶層660に紫外光を照射した。この場合、 9に示したように第1、第2配向膜628、648の表 には重合体は見られなかった。これは、ア リレートタイプのモノマーを用いたため、 ノマーの重合が促進されなかったと考えら る。

 次に、アクティブマトリクス基板620およ 対向基板640のそれぞれに偏光板(図示せず) 貼り付けた。こうして作製された液晶パネ 610の初期プレチルト角は89.1°であり、周囲 度70℃において電圧保持率は99.5%以上であっ 。

 次に、作製された液晶パネル610に対して 温で電圧8Vを50時間印加し続ける通電試験を 行ったところ、プレチルト角は0.10°程度低下 した。このことから、モノマー664またはその 派生物は液晶層660から相分離しておらず、配 向膜628、648における高分子の側鎖と相互作用 していないため、配向膜628、648における高分 子の側鎖は、重合体の影響を実質的に受けず 、比較例1と同様に、電界にしたがって液晶 子662の傾きが影響を受け、配向膜628、648の 鎖の傾きが変化したと考えられる。

 なお、光重合性化合物が、上述したよう アクリレート系だけでなく、メタクリレー 系、アクリルアミド系、メタクリルアミド のような単置換型である場合も、プレチル 角の低下を抑制する効果は得られなかった

 また、通電試験終了後の電圧保持率は99.0 %程度にまで低下していた。このことから、 ノマー664またはその派生物が液晶層660から 分離しておらず、液晶層660中にモノマー664 たは低分子量の重合体が残存しており、わ かに存在するラジカルと反応して不純物が 生して電圧保持率が低下したと考えられる

 同様に、モノマーを混合した液晶材料を 入し、重合のための光の照射をしないか、 たは、光の照射を短時間しか行わず、未重 のモノマーを残存させた場合、初期電圧保 率は高い値を示したが、時間経過とともに 圧保持率は低下した。例えば、5日間放置す ると、電圧保持率が1%以上低下することもあ た。このように未重合のモノマーがあると ごくわずかに存在するラジカルと反応して 純物が発生し、結果として、電圧保持率が 下したと考えられる。

 なお、参考のために、本願の基礎出願で る特願2008-169036号の開示内容を本明細書に 用する。

 本発明による液晶表示装置は、液晶分子 電圧無印加時に配向膜の主面の法線方向か 傾くように配向させるのに、ラビング処理 行わなくてもよいため、歩留まりよく製造 ることができる。また、複雑な製造装置を いることなく簡便に製造可能である。また AC焼き付きを抑制することができる。さら 、配向規制構造を設けなくてもよいため、 輝度を実現できる。

 100 液晶表示装置
 110 液晶パネル
 120 アクティブマトリクス基板
 122 第1透明基板
 126 画素電極
 128 第1配向膜
 130 第1配向維持層
 132 重合体
 140 対向基板
 146 対向電極
 148 第2配向膜
 150 第2配向維持層
 152 重合体
 160 液晶層
 162 液晶分子