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Title:
A LOW-CORROSION ION LIQUID AND A LUBRICATING OIL COMPOSITION INCLUDING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/113677
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a low-corrosion ionic liquid containing (A) an ionic liquid and (B) a nitrogen-containing compound other than the ionic liquid, and having outstanding anti-corrosion properties with respect to metal, and a lubricating oil composition containing the low-corrosion ionic liquid as a base oil, and having low risk of ignition, high heat resistance, favorable low-temperature fluidity, and outstanding anti-corrosion properties.

Inventors:
NISHIDA TETSUO (JP)
TOMISAKI MEGUMI (JP)
NAKASHIMA HIDEKI (JP)
KAMIMURA HIDETO (JP)
SHIMODA SHUKICHI (JP)
SHIRAGA YOSHITAKA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054912
Publication Date:
September 17, 2009
Filing Date:
March 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
STELLA CHEMIFA CORP (JP)
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
NISHIDA TETSUO (JP)
TOMISAKI MEGUMI (JP)
NAKASHIMA HIDEKI (JP)
KAMIMURA HIDETO (JP)
SHIMODA SHUKICHI (JP)
SHIRAGA YOSHITAKA (JP)
International Classes:
C07C211/63; C07D213/74; C07D233/06; C07D241/04; C07D295/12; C10M105/60; C10M105/70; C10M105/72; C10M105/74; C10N20/00; C10N30/00; C10N30/02; C10N30/06; C10N30/08; C10N30/12; C10N40/00; C10N40/02; C10N40/04; C10N40/08; C10N40/22; C10N40/24; C10N40/25; C10N40/30
Domestic Patent References:
WO2005035702A12005-04-21
Foreign References:
JP2007231987A2007-09-13
JPH0610168A1994-01-18
JPH10511140A1998-10-27
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu (JP)
Tamotsu Otani (JP)
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Claims:
 (A)イオン液体と、(B)イオン液体以外の含窒素化合物を含むことを特徴とする低腐食性イオン液体。
 (B)含窒素化合物が、窒素原子2個以上を有する脂肪族化合物及び窒素原子1個以上をヘテロ原子として含む複素環式化合物の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の低腐食性イオン液体。
 (A)イオン液体が、下記一般式(1)
  (Z p+  ) k (A q-  ) m   ・・・(1)
(式中、Z p+  はカチオン、A q-  はアニオンである。p、q、k、m、p×k及びq×mは、それぞれ1~3の整数であり、p×k=q×mを満たす。k又はmが2以上のとき、Z又はAは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表される請求項1に記載の低腐食性イオン液体。
 (A)イオン液体が、流動点-10℃以下のものである請求項1に記載の低腐食性イオン液体。
 (A)イオン液体が、二種以上のイオン液体の混合物である請求項1に記載の低腐食性イオン液体。
 一般式(1)で表されるイオン液体において、Z p+ がZ + であって、下記一般式(2)~(11)
(式中、R 1 ~R 12 は、それぞれ独立に水素原子、エーテル結合及び/又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のアルケニル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~18のアラルキル基又はトリアルキルシリルメチル基を示す。)
で表される構造を有するカチオンの中から選ばれるいずれかである請求項3に記載の低腐食性イオン液体。
 一般式(1)で表されるイオン液体において、A q- がA - であって、BF 4 - 、PF 6 - 、C n H (2n+1) OSO 3 - 、(C n F (2n+1-x) H x )SO 3 - 、[C n F (2n+1-x) H x )SO 2 ] 2 N - 、(C n F (2n+1-x) H x )COO - 、NO 3 - 、CH 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、HSO 3 - 、C 6 H 5 SO 3 - 、CH 3 (C 6 H 4 )SO 3 - 、(FSO 2 ) 2 N - 、PF 6-Y (C n F 2n-1 ) Y - 、BF 4-Z (C n F 2n-1 ) Z - 、FeCl 4 - 、(CN) 4-Z BF Z - (前記式中、nは1~8の整数、xは0~17の整数、yは1~6の整数、zは0~4の整数である。)、及び下記一般式(12)~(14)
(式中、R 13 ~R 20 は、それぞれ独立に水素原子、あるいはエーテル結合及び/又はヒドロキシ基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基を示す。)
で表される構造を有するアニオンの中から選ばれるいずれかである請求項3に記載の低腐食性イオン液体。
 (B)含窒素化合物が、下記一般式(15)~(21)
(式中、炭素原子又は窒素原子に結合するR 21 ~R 25 は、それぞれ独立に水素原子、アミノ基、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のアルケニル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~18のアラルキル基、炭素数1~18のアミノアルキル基、炭素数1~18のアルキルアミノ基又は炭素数1~18のヒドロキシアルキル基を示すが、炭素原子に結合するR 21 ~R 25 は、さらにハロゲン原子であってもよい。nは1~18の整数である。)
で表される化合物の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の低腐食性イオン液体。
 (B)含窒素化合物が、アミノアルキルイミダゾール、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、N-アミノアルキルピペラジン及びアミノアルキルアミンの中から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の低腐食性イオン液体。
 (B)含窒素化合物の含有量が、0.001~10質量%である請求項1に記載の低腐食性イオン液体。
 請求項1~10のいずれかに記載の低腐食性イオン液体を基油として含むことを特徴とする潤滑油組成物。
Description:
低腐食性イオン液体及びそれを む潤滑油組成物

 本発明は、低腐食性イオン液体及びそれ 含む潤滑油組成物に関する。さらに詳しく 、本発明は、金属に対する防食性に優れる 腐食性イオン液体、及び該低腐食性イオン 体を基油として含み、引火の危険性が低く 高い耐熱性と良好な低温流動性を有し、か 防食性に優れる潤滑油組成物に関するもの ある。

 近年、カチオンとアニオンとから構成さ たイオン液体は、アニオンの異なる一連の チルメチルイミダゾリウム塩が、優れた熱 定性と高いイオン伝導性を有し、空気中で 安定な液体となることが報告されて以来(例 えば、非特許文献1参照)、注目され、その熱 定性(難揮発性、難燃性)、高イオン密度(高 オン伝導性)、大熱容量、低粘性などの特徴 を活かして様々な用途、例えば太陽電池など の電解液(例えば、特許文献1参照)、抽出分離 溶媒、反応溶媒、潤滑油などとして、応用研 究が積極的になされている。

 イオン液体はカチオンとアニオンから構成 れており、それぞれの引き合う力が固体の と比べて弱いために常温でも液状を示す。 に言えば、引き合う力が若干弱くなるよう カチオンおよびアニオンの構造を設計すれ イオン液体を得ることができる。さらに、 チオンとアニオンの組合せを変えたり、そ ぞれのイオンに置換基を導入することによ 、イオン液体の物性や化学的特性を意図的 コントロールすることが可能と言われてい 。
 しかしながら、イオン液体はイオンのみか 構成されているため、水分が混入した場合 構成イオンが解離し,この解離したイオンが 金属表面に作用することで,材質によっては 食を引き起こしてしまうという問題があっ 。

 身の回りには自動車や産業用機械など摺動 をもつものが数多く存在し、技術の発展と に摺動部に生じる負荷は過酷なものとなっ きている。摺動部に生じる摩擦或いは摩耗 低減させることはエネルギーロスおよび材 の長寿命化を図る点で重要であり、そのた の潤滑油の高性能化が望まれている。現在 潤滑油は主として石油を精製することで得 れる鉱油が使用されている。鉱油は、燃料 造における副産物であるため安価であるこ や、技術の蓄積があるため広い分野で多用 れている。しかしながら鉱油の主成分は炭 水素であり、高温環境下では揮発したり引 したりする問題がある。
 こうした問題を解決するためにさまざまな 成油がこれまで開発されてきている。鉱油 同じく炭化水素系の合成油は、粘性を意図 にコントロールする点では有利であるが、 性を下げようとすると揮発の問題や引火の 題を払拭できない。揮発性が低く、高温特 に優れる合成油として、エステル系オイル シリコーンオイル、フッ素系オイルが提案 れてきた。エステル系オイルは加水分解性 あるため寿命の面で問題がある。
 また、シリコーンオイルや、含フッ素ポリ ーテルに代表されるようなフッ素系オイル 、耐熱性や揮発性の点では優れているが、 滑性能が炭化水素系の鉱油や合成油に比べ 劣るといった問題がある。

 こうした中、潤滑油を使用するハード側の 用温度環境はますます厳しくなり、また摺 部の高速作動化がますます進んでおり、こ まで提案されてきた上記の潤滑油では厳し 要求事項を満たすことができないようにな てきている。
 これに対し、前記イオン液体は、揮発しに く、また300℃以上の高温まで安定に存在し, 尚且つ潤滑性に優れるといった特徴があるこ とから,エステル系オイルやシリコーンオイ ,フッ素系オイルに代わる耐熱型合成油とし 期待される。
 非特許文献2、非特許文献3、及び非特許文 4にはイオン液体を潤滑油として使用するこ が提案されており、従来の潤滑油に比べ遜 のない潤滑性能を有し、優れた耐熱性を有 ていることが報告されている。
 また、特許文献2には潤滑性基油とイオン液 体とからなる潤滑油組成物が開示されている 。該潤滑油組成物は制電性、熱安定性に優れ 、金属を腐食せず安定性に優れているとされ ている。しかし,制電性は得られるが、潤滑 基油の熱安定性が低い場合には揮発や引火 恐れも生じてしまう。さらにイオン液体は 前述したように水分が混入した場合、構成 オンが解離し,この解離したイオンが金属表 に作用することで,材質によっては腐食を引 き起こしてしまうという問題がある。
 このように、イオン液体を潤滑油に用いた 合、摩擦環境あるいは摺動部の材質によっ は、腐食が生じるおそれがあるため、低腐 性イオン液体の開発が望まれていた。

特開2003-31270号公報

特開2005-89667号公報 「J.Chem.Soc.,Chem.Commun.」,965(1992年) Chem. Commun., 2001, 2244-2245 Tribology International 35 (2002) 503-509 Journal of The Society of Tribologists and Lubr ication Engineers, 2003, July, 16-21

 本発明は、このような状況下になされた ので、金属に対する防食性に優れる低腐食 イオン液体、及び該低腐食性イオン液体を 油として含み、引火の危険性が低く、高い 熱性と良好な低温流動性を有し、かつ防食 に優れる潤滑油組成物を提供することを目 とするものである。

 本発明者らは、前記目的を達成するために 意研究を重ねた結果、イオン液体に、イオ 液体以外の含窒素化合物、好ましくは窒素 子2個以上を有する脂肪族化合物及び窒素原 子1個以上をヘテロ原子として含む複素環式 合物の中から選ばれる少なくとも一種を配 することにより、低腐食性イオン液体が得 れ、その目的を達成し得ることを見出した 本発明は、かかる知見に基づいて完成した のである。
 すなわち、本発明は、
(1)(A)イオン液体と、(B)イオン液体以外の含窒 素化合物を含むことを特徴とする低腐食性イ オン液体、
(2)(B)含窒素化合物が、窒素原子2個以上を有 る脂肪族化合物及び窒素原子1個以上をヘテ 原子として含む複素環式化合物の中から選 れる少なくとも一種である上記(1)に記載の 腐食性イオン液体、
(3)(A)イオン液体が、下記一般式(1)
  (Z p+  ) k (A q-  ) m   ・・・(1)
(式中、Z p+  はカチオン、A q-  はアニオンである。p、q、k、m、p×k及びq×mは 、それぞれ1~3の整数であり、p×k=q×mを満たす 。k又はmが2以上のとき、Z又はAは、それぞれ 一でも異なっていてもよい。)
で表される上記(1)に記載の低腐食性イオン液 体、
(4)(A)イオン液体が、流動点-10℃以下のもので ある上記(1)に記載の低腐食性イオン液体、
(5)(A)イオン液体が、二種以上のイオン液体の 混合物である上記(1)に記載の低腐食性イオン 液体、
(6)一般式(1)で表されるイオン液体において、 Z p+ がZ + であって、下記一般式(2)~(11)

(式中、R 1 ~R 12 は、それぞれ独立に水素原子、エーテル結合 及び/又はヒドロキシ基を有していてもよい 素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のアルケニ ル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~18の ラルキル基又はトリアルキルシリルメチル を示す。)
で表される構造を有するカチオンの中から選 ばれるいずれかである上記(3)に記載の低腐食 性イオン液体、
(7)一般式(1)で表されるイオン液体において、 A q- がA - であって、BF 4 - 、PF 6 - 、C n H (2n+1) OSO 3 - 、(C n F (2n+1-x) H x )SO 3 - 、[C n F (2n+1-x) H x )SO 2 ] 2 N - 、(C n F (2n+1-x) H x )COO - 、NO 3 - 、CH 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、HSO 3 - 、C 6 H 5 SO 3 - 、CH 3 (C 6 H 4 )SO 3 - 、(FSO 2 ) 2 N - 、PF 6-Y (C n F 2n-1 ) Y - 、BF 4-Z (C n F 2n-1 ) Z - 、FeCl 4 - 、(CN) 4-Z BF Z - (前記式中、nは1~8の整数、xは0~17の整数、yは1 ~6の整数、zは0~4の整数である。)、及び下記 般式(12)~(14)

(式中、R 13 ~R 20 は、それぞれ独立に水素原子、あるいはエー テル結合及び/又はヒドロキシ基を有してい もよい炭素数1~18のアルキル基を示す。)
で表される構造を有するフェニルスルホン酸 系アニオン、テトラゾール系アニオン、トリ アゾール系アニオンの中から選ばれるいずれ かである上記(3)に記載の低腐食性イオン液体 、
(8)(B)含窒素化合物が、下記一般式(15)~(21)

(式中、炭素原子又は窒素原子に結合するR 21 ~R 25 は、それぞれ独立に水素原子、アミノ基、炭 素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のアルケニ 基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~18の ラルキル基、炭素数1~18のアミノアルキル基 炭素数1~18のアルキルアミノ基又は炭素数1~1 8のヒドロキシアルキル基を示すが、炭素原 に結合するR 21 ~R 25 は、さらにハロゲン原子であってもよい。n 1~18の整数である。)
で表される化合物の中から選ばれる少なくと も一種である上記(1)に記載の低腐食性イオン 液体、
(9)(B)含窒素化合物が、アミノアルキルイミダ ゾール、アミノピリジン、アミノアルキルピ リジン、N-アミノアルキルピペラジン及びア ノアルキルアミンの中から選ばれる少なく も一種である上記(1)に記載の低腐食性イオ 液体、
(10)(B)含窒素化合物の含有量が、0.001~10質量% ある上記(1)に記載の低腐食性イオン液体、 び
(11)上記(1)~(10)のいずれかに記載の低腐食性イ オン液体を基油として含むことを特徴とする 潤滑油組成物、
を提供するものである。

 本発明によれば、金属に対する防食性に れる低腐食性イオン液体、及び該低腐食性 オン液体を基油として含み、引火の危険性 低く、高い耐熱性と良好な低温流動性を有 、かつ防食性に優れる潤滑油組成物を提供 ることができる。

 まず、本発明の低腐食性イオン液体につい 説明する。
[低腐食性イオン液体]
 本発明の低腐食性イオン液体は、(A)イオン 体と、(B)イオン液体以外の含窒素化合物を むことを特徴とする。
((A)イオン液体)
 本発明の低腐食性イオン液体において、(A) 分として用いられる(A)イオン液体としては 例えば下記一般式(1)
  (Z p+  ) k (A q-  ) m   ・・・(1)
(式中、Z p+  はカチオン、A q-  はアニオンである。p、q、k、m、p×k及びq×mは 、それぞれ1~3の整数であり、p×k=q×mを満たす 。k又はmが2以上のとき、Z又はAは、それぞれ 一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物を挙げることができる。
 本発明においては、上記一般式(1)において p、q、k及びmが2以下であることが好ましく p、q、k及びmが1である、一般式(1-a)
  Z + A -  ・・・(1-a)
(式中、Z + はカチオン、A - はアニオンである。)
で表される化合物が好適である。

<Z + カチオン>
 本発明においては、前記一般式(1-a)におけ Z + カチオンとして、下記一般式(2)~(11)

で表される構造を有するカチオンの中から選 ばれるいずれかを挙げることができる。
 前記一般式(2)~(11)において、R 1 ~R 12 は、それぞれ独立に水素原子、エーテル結合 及び/又はヒドロキシ基を有していてもよい 素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のアルケニ ル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~18の ラルキル基又はトリアルキルシリルメチル を示す。
 前記エーテル結合及び/又はヒドロキシ基を 有していてもよい炭素数1~18のアルキル基は 直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても く、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル 基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチ 基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、各種ペン ル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、 種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシ 基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシ 基、各種オクタデシル基、シクロペンチル 、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、2 -メトキシエチル基、3-メトキシプロピル基、 2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキシプロピ 基などが挙げられる。

 前記炭素数3~18のアルケニル基は直鎖状、分 岐状、環状のいずれであってもよく、例えば アリル基、プロペニル基、各種ブテニル基、 各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、各種 デセニル基、各種ドデセニル基、各種テトラ デセニル基、各種ヘキサデセニル基、各種オ クタデセニル基、シクロペンテニル基、シク ロヘキセニル基、シクロオクテニル基などが 挙げられる。
 前記炭素数6~18のアリール基は、環上にアル キル基などの適当な置換基を有していてもよ く、例えばフェニル基、トリル基、キシリル 基、ナフチル基、メチルナフチル基などが挙 げられ、炭素数7~18のアラルキル基は、環上 アルキル基などの適当な置換基を有してい もよく、例えばベンジル基、メチルベンジ 基、フェネチル基、メチルフェネチル基、 ェニルプロピル基、メチルフェニルプロピ 基、ナフチルメチル基、メチルナフチルメ ル基などが挙げられる。
 一方、前記トリアルキルシリルメチル基は ケイ素原子に結合する3個のアルキル基は、 炭素数1~8のものが好ましく、それらは同一で も異なっていてもよく、例えばトリメチルシ リルメチル基、トリエチルシリルメチル基、 トリプロピルシリルメチル基、トリブチルシ リルメチル基などが挙げられる。

 当該Z + カチオンにおいて、一般式(2)で示されるイミ ダゾリウムカチオンとしては、例えば1-メチ イミダゾリウム、1,3-ジメチルイミダゾリウ ム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウム、1-プ ピル-3-メチルイミダゾリウム、1-ブチル-3-メ チルイミダゾリウム、1-ヘキシル-3-メチルイ ダゾリウム、1-オクチル-3-メチルイミダゾ ウム、1-トリメチルシリルメチル-3-メチルイ ミダゾリウム、1-メチル-3-イソプロピルイミ ゾリウム、1-sec-ブチル-3-メチルイミダゾリ ム、1-メトキシエチル-3-メチルイミダゾリ ム、1-メトキシメチル-3-メチルイミダゾリウ ムなどが挙げられる。
 一般式(3)で示されるピロリニウムカチオン しては、例えばN,N-プロピルメチルピロリニ ウム、N,N-ブチルメチルピロリニウム、N,N-メ キシエチル(メチル)ピロリニウム、N,N-メト シメチル(メチル)ピロリニウム、N,N-イソプ ピルメチルピロリニウムなどが挙げられる
 一般式(4)で示される2H-ピロリニウムカチオ としては、例えば1,2-ジメチル-2H-ピロリニ ム、1-エチル-2-メチル-2H-ピロリニウム、1-プ ロピル-2-メチル-2H-ピロリニウム、1-ブチル-2- メチル-2Hピロリニウム、1-ヘキシル-2-メチル- 2H-ピロリニウム、1-オクチル-2-メチル-2H-ピロ リニウム、1-トリメチルシリルメチル-2-メチ -2H-ピロリニウム、1-イソプロピル-2-メチル- 2H-ピロリニウム、1-sec-ブチル-2-メチル-2H-ピ リニウム、1-メトキシエチル-2-メチル-2H-ピ リニウム、1-メトキシメチル-2-メチル-2H-ピ リニウムなどが挙げられる。

 一般式(5)で示されるピロリジニウムカチオ としては、例えばN,N-プロピルメチルピロリ ジニウム、N,N-ブチルメチルピロリジニウム N,N-メトキシエチル(メチル)ピロリジニウム N,N-メトキシメチル(メチル)ピロリジニウム N,N-イソプロピルメチルピロリジニウムなど 挙げられ、一般式(6)で示されるピリジニウ カチオンとしては、例えば1-エチルピリジ ウム、1-プロピルピリジニウム、1-ブチルピ ジニウム、1-メトキシエチルピリジニウム 1-メトキシメチルピリジニウム、1-イソプロ ルピリジニウム、1-sec-ブチルピリジニウム トリメチルシリルメチルピリジニウムなど 挙げられる。
 一般式(7)で示されるピペリジニウムカチオ としては、例えばN,N-プロピルメチルピペリ ジニウム、N,N-ブチルメチルピペリジニウム N,N-メトキシエチル(メチル)ピペリジニウム N,N-メトキシメチル(メチル)ピペリジニウム N,N-イソプロピルメチルピペリジニウムなど 挙げられる。

 一般式(8)で示されるアンモニウムカチオン しては、例えばN,N-ジエチル-N,N-メチル(2-メ キシエチル)アンモニウム、テトラエチルア ンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム 、トリメチルプロピルアンモニウム、トリメ チルヘキシルアンモニウム、トリエトキシ(2- メトキシエチル)アンモニウムなどが挙げら 、一般式(9)で示されるホスホニウムカチオ としては、例えばN,N-ジエチル-N,N-メチル(2- トキシエチル)ホスホニウム、テトラエチル スホニウム、トリエチルメチルホスホニウ 、トリメチルプロピルホスホニウム、トリ チルヘキシルホスホニウム、トリエチル(2- トキシエチル)ホスホニウムなどが挙げられ 、一般式(10)で示されるスルホニウムカチオ としては、例えばトリエチルスルホニウム ジエチル(2-メトキシエチル)スルホニウム、 リプロピルスルホニウム、ジメチルヘキシ スルホニウムなどが挙げられる。
 一般式(11)で示されるイソオキサゾリウムカ チオンとしては、例えば2-エチル-5-メチルイ オキサゾリウム、2-プロピル-5-メチルイソ キサゾリウム、2-ヘキシル-5-メチルイソオキ サゾリウム、2-メトキシメチル-5-メチルイソ キサゾリウムなどが挙げられる。

<A - アニオン>
 本発明においては、前記一般式(1-a)におけ A - アニオンとして、BF 4 - 、PF 6 - 、C n H (2n+1) OSO 3 、(C n F (2n+1-x) H x )SO 3 - 、[C 3 F (2n+1-x) H x )SO 2 ] 2 N - 、(C n F (2n+1-x) H x )COO - 、NO 3 - 、CH 3 SO 3 - 、(CN) 2 N - 、HSO 3 - 、C 6 H 5 SO 3 - 、CH 3 (C 6 H 4 )SO 3 - 、(FSO 2 ) 2 N - 、PF 8-y (C n F 2n-1 ) y - 、BF 4-z (C n F 2n-1 ) z - 、FeCl 4 - 、(CN) 4-z BF z - (前記式中、nは1~8の整数、xは0~17の整数、yは1 ~6の整数、zは0~4の整数である。)、及び下記 般式(12)~(14)

で表される構造を有するアニオンの中から選 ばれるいずれかを挙げることができる。
 前記一般式(12)~(14)において、R 13 ~R 20 は、それぞれ独立に水素原子、あるいはエー テル結合及び/又はヒドロキシ基を有してい もよい炭素数1~18のアルキル基を示す。
 上記のエーテル結合及び/又はヒドロキシ基 を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基 ついては、前述のR 1 ~R 12 の説明において示したとおりである。

 当該A - で示されるアニオンの具体例としては、(ト フルオロメタン)トリフルオロボレート、(ペ ンタフルオロエタン)トリフルオロボレート ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(ト フルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(ペ ンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ジ アンアミド、(フルオロスルホニル)(トリフ オロメタンスルホニル)イミド、(トリフルオ ロメタンスルホニル)(トリフルオロメタンカ ボニル)イミド、トリフルオロメタンスルホ ン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、パ ーフルオロプロパンスルホン酸、パーフルオ ロブタンスルホン酸などを挙げることができ る。

<Z + A - 化合物>
 本発明の低腐食性イオン液体において、(A) 分のイオン液体として好適な、一般式(1-a) 示されるZ + A - 化合物としては、例えばテトラエチルアンモ ニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、ト エチルメチルアンモニウムビス(フルオロス ルホニル)イミド、ジエチルジメチルアンモ ウムビス(フルオロスルホニル)イミド、トリ メチルプロピルアンモニウムビス(フルオロ ルホニル)イミド、トリメチルヘキシルアン ニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、 リエチルメトキシメチルアンモニウムビス( ルオロスルホニル)イミド、トリエチルメト キシエチルアンモニウムビス(フルオロスル ニル)イミド、ジエチルジメトキシエチルア モニウムビス(フルオロスルホニル)イミド トリエチルイソプロピルアンモニウムビス( ルオロスルホニル)イミド、1,3-ジメチルイ ダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド 、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(フル オロスルホニル)イミド、1-プロピル-3-メチル イミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イ ド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス( ルオロスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メ ルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル )イミド、1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)イミド、1-メチル-3 -トリメチルシリルメチルイミダゾリウムビ (フルオロスルホニル)イミド、1-エチルピリ ニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1- プロピルピリジニウムビス(フルオロスルホ ル)イミド、1-ブチルピリジニウムビス(フル ロスルホニル)イミド、1-メトキシエチルピ ジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド 1-イソプロピルピリジニウムビス(フルオロ ルホニル)イミド、1-(3-メチルプロピル)ピリ ニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、N, N-プロピルメチルピロリジニウムビス(フルオ ロスルホニル)イミド、N,N-メトキシエチル(メ チル)ピロリジニウムビス(フルオロスルホニ )イミド、N,N-メトキシメチル(メチル)ピロリ ジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、N ,N-イソプロピルメチルピロリジニウムビス( ルオロスルホニル)イミド、

 テトラエチルアンモニウムビス(トリフル オロメタンスルホニル)イミド、トリエチル チルアンモニウムビス(トリフルオロメタン ルホニル)イミド、ジエチルジメチルアンモ ニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル) ミド、トリメチルプロピルアンモニウムビ (トリフルオロメタンスルホニル)イミド、 リメチルヘキシルアンモニウムビス(トリフ オロメタンスルホニル)イミド、トリエチル (メトキシメチル)アンモニウムビス(トリフル オロメタンスルホニル)イミド、トリエチル( トキシエチル)アンモニウムビス(トリフル ロメタンスルホニル)イミド、ジエチル(ジメ トキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオ メタンスルホニル)イミド、トリエチルイソ プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメ ンスルホニル)イミド、N,N-メトキシエチル( チル)ピロリジニウムビス(トリフルオロメタ ンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミ ダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホ ル)イミド、1-プロピル-3-メチルイミダゾリ ムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミ ド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ト リフルオロメタンスルホニル)イミド、1-ヘキ シル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフル ロメタンスルホニル)イミド、1-オクチル-3- チルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタ スルホニル)イミド、1-メチル-3-トリメチル リルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオ ロメタンスルホニル)イミド、1-エチルピリジ ニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル) ミド、1-プロピルピリジニウムビス(トリフ オロメタンスルホニル)イミド、1-ブチルピ ジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニ ル)イミド、1-メトキシエチルピリジニウムビ ス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1 -イソプロピルピリジニウムビス(トリフルオ メタンスルホニル)イミド、1-(3-メチルプロ ル)ピリジニウムビス(トリフルオロメタン ルホニル)イミド、N,N-プロピルメチルピロリ ジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニ )イミド、N,N-メトキシエチル(メチル)ピロリ ニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル )イミド、N,N-メトキシメチル(メチル)ピロリ ニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル) イミド、N,N-イソプロピルメチルピロリジニ ムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミ ド、

 テトラエチルアンモニウムビス(ペンタフ ルオロエタンスルホニル)イミド、トリエチ メチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエ ンスルホニル)イミド、ジエチルジメチルア ンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスル ニル)イミド、トリメチルプロピルアンモニ ムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル) ミド、トリメチルヘキシルアンモニウムビ (ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、 トリエチル(メトキシメチル)アンモニウムビ (ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド トリエチル(メトキシエチル)アンモニウムビ ス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド ジエチルジ(メトキシエチル)アンモニウム ス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド 、トリエチルイソプロピルアンモニウムビス (ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1 -エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ペンタ ルオロエタンスルホニル)イミド、1-プロピ -3-メチルイミダゾリウムビス(ペンタフルオ ロエタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メチ ルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタ スルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチルイ ダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンスル ニル)イミド、1-オクチル-3-メチルイミダゾ ウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル )イミド、1-メチル-3-トリメチルシリルメチル イミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタン ルホニル)イミド、1-エチルピリジニウムビ (ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、 1-プロピルピリジニウムビス(ペンタフルオロ エタンスルホニル)イミド、1-ブチルピリジニ ウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル) ミド、1-メトキシエチルピリジニウムビス( ンタフルオロエタンスルホニル)イミド、1- ソプロピルピリジニウムビス(ペンタフルオ ロエタンスルホニル)イミド、1-(3-メチルプロ ピル)ピリジニウムビス(ペンタフルオロエタ スルホニル)イミド、N,N-プロピルメチルピ リジニウムビス(ペンタフルオロエタンスル ニル)イミド、N,N-メトキシエチル(メチル)ピ ロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンス ホニル)イミド、N,N-メトキシメチル(メチル) ロリジニウムビス(ペンタフルオロエタンス ルホニル)イミド、N,N-イソプロピルメチルピ リジニウムビス(ペンタフルオロエタンスル ホニル)イミド、

 テトラエチルアンモニウムトリフルオロ タンスルホネート、トリエチルメチルアン ニウムトリフルオロメタンスルホネート、 エチルジメチルアンモニウムトリフルオロ タンスルホネート、トリメチルプロピルア モニウムトリフルオロメタンスルホネート トリメチルヘキシルアンモニウムトリフル ロメタンスルホネート、トリエチル(メトキ シメチル)アンモニウムトリフルオロメタン ルホネート、トリエチル(メトキシエチル)ア ンモニウムトリフルオロメタンスルホネート 、ジエチルジ(メトキシエチル)アンモニウム リフルオロメタンスルホネート、トリエチ イソプロピルアンモニウムトリフルオロメ ンスルホネート、1-エチル-3-メチルイミダ リウムトリフルオロメタンスルホネート、1- プロピル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオ ロメタンスルホネート、1-ブチル-3-メチルイ ダゾリウムトリフルオロメタンスルホネー 、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムトリ ルオロメタンスルホネート、1-オクチル-3-メ チルイミダゾリウムトリフルオロメタンスル ホネート、1-メチル-3-トリメチルシリルメチ イミダゾリウムトリフルオロメタンスルホ ート、1-エチルピリジニウムトリフルオロ タンスルホネート、1-プロピルピリジニウム トリフルオロメタンスルホネート、1-ブチル リジニウムトリフルオロメタンスルホネー 、1-メトキシエチルピリジニウムトリフル ロメタンスルホネート、1-イソプロピルピリ ジニウムトリフルオロメタンスルホネート、 1-(3-メチルプロピル)ピリジニウムトリフルオ ロメタンスルホネート、N,N-プロピルメチル ロリジニウムトリフルオロメタンスルホネ ト、N,N-メトキシエチル(メチル)ピロリジニ ムトリフルオロメタンスルホネート、N,N-メ キシメチル(メチル)ピロリジニウムトリフ オロメタンスルホネート、N,N-イソプロピル チルピロリジニウムトリフルオロメタンス ホネート、

 テトラエチルアンモニウムパーフルオロ タンスルホネート、トリエチルメチルアン ニウムパーフルオロブタンスルホネート、 エチルジメチルアンモニウムパーフルオロ タンスルホネート、トリメチルプロピルア モニウムパーフルオロブタンスルホネート トリメチルヘキシルアンモニウムパーフル ロブタンスルホネート、トリエチル(メトキ シメチル)アンモニウムパーフルオロブタン ルホネート、トリエチル(メトキシエチル)ア ンモニウムパーフルオロブタンスルホネート 、ジエチルジ(メトキシエチル)アンモニウム ーフルオロブタンスルホネート、トリエチ イソプロピルアンモニウムパーフルオロブ ンスルホネート、1-エチル-3-メチルイミダ リウムパーフルオロブタンスルホネート、1- プロピル-3-メチルイミダゾリウムパーフルオ ロブタンスルホネート、1-ブチル-3-メチルイ ダゾリウムパーフルオロブタンスルホネー 、1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムパー ルオロブタンスルホネート、1-オクチル-3-メ チルイミダゾリウムパーフルオロブタンスル ホネート、1-メチル-3-トリメチルシリルメチ イミダゾリウムパーフルオロブタンスルホ ート、1-エチルピリジニウムパーフルオロ タンスルホネート、1-プロピルピリジニウム パーフルオロブタンスルホネート、1-ブチル リジニウムパーフルオロブタンスルホネー 、1-メトキシエチルピリジニウムパーフル ロブタンスルホネート、1-イソプロピルピリ ジニウムパーフルオロブタンスルホネート、 1-(3-メチルプロピル)ピリジニウムパーフルオ ロブタンスルホネート、N,N-プロピルメチル ロリジニウムパーフルオロブタンスルホネ ト、N,N-メトキシエチル(メチル)ピロリジニ ムパーフルオロブタンスルホネート、N,N-メ キシメチル(メチル)ピロリジニウムパーフ オロブタンスルホネート、N,N-イソプロピル チルピロリジニウムパーフルオロブタンス ホネートなどが挙げられる。

 本発明の低腐食性イオン液体において、(A) 分のイオン液体として用いられる、一般式( 1-a)で示されるZ + A - 化合物の中で好ましいイオン液体として、Z + カチオンがイミダゾリウム、ピリジウム、ピ ロリジニウム、アンモニウム、ホスホニウム であり、かつA - アニオンがPF 6 - 、[C n F (2n+1-x) H x )SO 2 ] 2 N - 、(FSO 2 ) 2 N - 、PF 6-y (C n F 2n-1 ) y - 、BF 4-z (C n F 2n-1 ) z - 、(CN) 2 N - 、(CN) 4-z B z - であるイオン液体が挙げられる。なお、nは1~ 8の整数、xは0~17の整数、yは1~6の整数、zは0~4 整数である。
 具体的には,1-エチル-3-メチルイミダゾリウ ビス(フルオロスルホニル)イミド、テトラ チルアンモニウムビス(トリフルオロメタン ルホニル)イミド、トリメチルプロピルアン モニウムビス(トリフルオロメタンスルホニ )イミド、
 トリメチルヘキシルアンモニウムビス(トリ フルオロメタンスルホニル)イミド、1,3-ジメ ルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタン スルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミダ ゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニ )イミド、1-プロピル-3-メチルイミダゾリウ ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド 、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリ フルオロメタンスルホニル)イミド、1-ヘキシ ル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオ メタンスルホニル)イミド、1-オクチル-3-メ ルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタン ルホニル)イミド、1-メチル-3-トリメチルシ ルメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロ メタンスルホニル)イミド、1-エチルピリジニ ウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イ ド、1-ブチルピリジニウムビス(トリフルオ メタンスルホニル)イミド、1-メトキシエチ ピリジニウムビス(トリフルオロメタンスル ホニル)イミド、1-イソプロピルピリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド 1-(3-メチルプロピル)ピリジニウムビス(トリ フルオロメタンスルホニル)イミド、N,N-プロ ルメチルピロリジニウムビス(トリフルオロ メタンスルホニル)イミド、N,N-メトキシエチ (メチル)ピロリジニウムビス(トリフルオロ タンスルホニル)イミド、N,N-メトキシメチ (メチル)ピロリジニウムビス(トリフルオロ タンスルホニル)イミド、N,N-イソプロピルメ チルピロリジニウムビス(トリフルオロメタ スルホニル)イミド、
 1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ペン フルオロエタンスルホニル)イミド、1-プロ ル-3-メチルイミダゾリウムビス(ペンタフル オロエタンスルホニル)イミド、1-ブチル-3-メ チルイミダゾリウムビス(ペンタフルオロエ ンスルホニル)イミド、1-ヘキシル-3-メチル ミダゾリウムビス(ペンタフルオロエタンス ホニル)イミド、1-オクチル-3-メチルイミダ リウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニ ル)イミドなどが挙げられる。

 特に好ましいイオン液体としては、テト エチルアンモニウムビス(トリフルオロメタ ンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メチルイミ ダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド 1,3-ジメチルイミダゾリウムビス(トリフル ロメタンスルホニル)イミド、1-エチル-3-メ ルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタン ルホニル)イミド、1-プロピル-3-メチルイミ ゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニ ル)イミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド 1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(ト フルオロメタンスルホニル)イミド、1-オク ル-3-メチルイミダゾリウム(トリフルオロメ タンスルホニル)イミド、1-エチルピリジニウ ムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミ 、1-ブチルピリジニウムビス(トリフルオロ タンスルホニル)イミド、1-メトキシエチル リジニウムビス(トリフルオロメタンスルホ ニル)イミド、1-イソプロピルピリジニウムビ ス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N ,N-プロピルメチルピロリジニウムビス(トリ ルオロメタンスルホニル)イミド、N,N-メトキ シエチルピロリジニウムビス(トリフルオロ タンスルホニル)イミド、N,N-メトキシメチル メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメ ンスルホニル)イミド、N,N-イソプロピルメチ ルピロリジニウムビス(トリフルオロメタン ルホニル)イミドなどが挙げられる。

 当該(A)成分のイオン液体は、流動点が-10℃ 下のものが好ましく、より好ましくは-20℃ 下、さらに好ましくは-30℃以下である。な 、この流動点は、JIS K 2269に準拠して測定 た値である。
 このような流動点を有するイオン液体を用 てなる本発明の低腐食性イオン液体は、潤 油の基油などとして、好適に用いられる。
 また、本発明の低腐食性イオン液体におい は、当該(A)成分のイオン液体として、二種 上のイオン液体の混合物を用いることがで る。(A)成分のイオン液体を二種以上の混合 とすることにより、当該(A)成分であるイオ 液体の流動性を高めることができる。
 (A)成分のイオン液体として、このような流 性の高い、二種以上のイオン液体の混合物 用いてなる本発明の低腐食性イオン液体は 特に潤滑油の基油として好適である。二種 上のイオン液体を混合する場合、主成分と る第1のイオン液体のイオン液体混合物全体 に対する配合割合は、50質量%を超えることが 好ましく、副成分の第2のイオン液体は50質量 %以下であることが好ましい。三種類以上の オン液体を混合する場合には、副成分の第2 イオン液体の配合よりも少ない配合量で、3 成分目以降のイオン液体を混合することが好 ましい。

((B)含窒素化合物)
 本発明の低腐食性イオン液体においては、 食性を向上させるために、(B)成分として含 素化合物を含有させる。
 イオン液体は、水分が混入した場合、構成 オンが解離し、この解離したイオンが金属 面に作用することで、金属の材質によって 腐食が生じる。このような腐食を抑えるた に、(B)成分として含窒素化合物が配合され 。
 本発明において、防食性向上剤として用い (B)成分の含窒素化合物としては、窒素原子2 個以上を有する脂肪族化合物及び窒素原子1 以上をヘテロ原子として含む複素環式化合 の中から選ばれる少なくとも一種、具体的 は、下記一般式(15)~(21)

で表される化合物の中から選ばれる少なくと も一種を挙げることができる。
 前記一般式(15)~(21)において、炭素原子又は 素原子に結合するR 21 ~R 25 は、それぞれ独立に水素原子、アミノ基、炭 素数1~18のアルキル基、炭素数3~18のアルケニ 基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~18の ラルキル基、炭素数1~18のアミノアルキル基 炭素数1~18のアルキルアミノ基又は炭素数1~1 8のヒドロキシアルキル基を示すが、炭素原 に結合するR 21 ~R 25 は、さらにハロゲン原子であってもよい。n 1~18の整数である。
 ここで、前記炭素数1~18のアルキル基は、直 鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく 、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基 イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル 、sec-ブチル基、tert-ブチル基、各種ペンチ 基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各 オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル 、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル 、各種オクタデシル基、シクロペンチル基 シクロヘキシル基、シクロオクチル基など 挙げられる。
 炭素数3~18のアルケニル基、炭素数6~18のア ール基及び炭素数7~18のアラルキル基につい は、前述のR 1 ~R 12 の説明において示したとおりである。

 ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素 子、臭素原子などが挙げられ、アミノアル ル基としては、例えば-(CH 2 ) n -NH 2 (nは1~18の整数)が挙げられる。アルキルアミ 基としては、例えば-NR 2 が挙げられる。上記2つのRは水素原子又は炭 数1~18の直鎖状、分岐状、若しくは環状のア ルキル基を示し、たがいに同一でも異なって いてもよいが、2つのRが同時に水素原子であ 得ない。ヒドロキシアルキル基としては、 えば-(CH 2 ) n -OH(nは1~18の整数)が挙げられる。
 前記一般式(15)~(21)において、R 21 ~R 25 としては、特にアミノ基、アルキルアミノ基 又はアミノアルキル基であることが好ましい 。
 特に好ましい含窒素化合物としては、アミ アルキルイミダゾール、アミノピリジン、 ミノアルキルピリジン、N-アミノアルキル ペラジン及びアミノアルキルアミンを挙げ ことができる。

 本発明において、(B)成分として用いる含窒 化合物は、沸点200℃以上のものが好ましい 当該含窒素化合物の沸点の上限については に制限はないが、一般には500℃程度である
 当該含窒素化合物の具体例としては、ビス( アミノプロピルメチル)アミン、3-ジブチルア ミノプロピルアミン、2-ヒドロキシエチルア ノプロピルアミン、N,N,N’,N’-テトラアリ -1,4-ジアミノブタン、N,N,N’,N’-テトラメチ -1,6-ヘキサンジアミン、1-アミノプロピルイ ミダゾール、1-アミノエチルイミダゾール、2 -アミノピリジン、3-アミノピリジン、4-アミ ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、4-ブ チルピリジン、2-メチル-5-ブチルピリジン、2 -アミノ-4-メチルピリジン、2-アミノ-4,6-ジメ ルピリジン、2-フェニルピリジン、2-ベンジ ルピリジン、4-ベンジルピリジン、N-アミノ チルピペラジン、N-アミノプロピルピペラジ ン、2-アミノエチルピペラジン、2-アミノプ ピルピペラジン、3-アミノエチルピリダジン 、3-アミノプロピルピリダジン、2-アミノエ ルピリミジン、2-アミノプロピルピリミジン 、2-アミノエチルピラジン、2-アミノプロピ ピラジンなどを挙げることができる。

 本発明の低腐食性イオン液体においては 前記の含窒素化合物を一種単独で用いても く、二種以上を組み合わせて用いてもよい また、その配合量は、前述した(A)成分のイ ン液体との合計量に基づき、0.001~10質量%の 囲が好ましい。この配合量が上記範囲にあ ば、イオン液体の防食性向上効果が発揮さ ると共に、他の性能、例えば潤滑性能や耐 性などが損なわれるのを抑制することがで る。より好ましい配合量は0.005~5質量%であ 、さらに好ましい配合量は0.01~1.0質量%であ 。

 前述した(A)イオン液体と、(B)含窒素化合物 を含む本発明の低腐食性イオン液体は、金 に対する防食性に優れる特徴を有すると共 、熱安定性(難揮発性、難燃性)、高イオン 度(高イオン伝導性)、大熱容量、低粘性など を有しており、従来イオン液体が用いられて いる各種用途、例えば太陽電池などの電解液 、抽出分離溶媒、反応溶媒、帯電防止材料、 潤滑油などに好適に用いられる。これらの中 で、特に潤滑油用途に好適である。
 次に、本発明の潤滑油組成物について説明 る。

[潤滑油組成物]
 本発明の潤滑油組成物は、グリース組成物 含む概念であり、前述した本発明の低腐食 イオン液体を基油として含むことを特徴と る。
(基油)
 本発明の潤滑油組成物において、基油に用 られる低腐食性イオン液体は、粘性が低く 高温耐熱性及び低温流動性に優れている。 粘度としては、40℃において、1000mm 2 /sよりも小さいことが好ましく、さらに好ま くは、1~360mm 2 /sで,特に好ましくは1~100mm 2 /sである。動粘度が1000mm 2 /sを超えると、高速作動する用途において抵 が大きくなり、エネルギーロス等の問題を じる場合がある。また、高温耐熱性として 、潤滑油組成物の熱分解温度が200℃より高 ことが好ましく、さらに好ましくは250℃よ 高いことである。熱分解温度が200℃より低 と、従来用いられているパーフルオロポリ ーテル等のフッ素系オイルに比較し、メリ トを得ることができない。また、低温流動 としては、上述のように流動点が-10℃以下 あることが好ましく、-20℃以下であること 好ましく、-30℃以下であることがより好ま い。
 当該基油における低腐食性イオン液体の含 量は、30~100質量%であることが好ましく、50~ 100質量%であることがより好ましく、70~100質 %であることがさらに好ましく、90~100質量%で あることがさらに一層好ましく、他の基油成 分を含まないことが特に好ましい。

 低腐食性イオン液体と、基油全量に基づき 好ましくは70質量%以下、より好ましくは50 量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、さ に一層好ましくは10質量%以下の割合で併用 得る他の基油成分としては、例えば鉱油や 成油の中から適宜選ぶことができる。
 鉱油としては、例えば、パラフィン基原油 中間基原油又はナフテン基原油を常圧蒸留 るか、あるいは常圧蒸留残渣油を減圧蒸留 て得られる留出油、これらの留出油を常法 従って精製することによって得られる精製 、具体的には溶剤精製油、水添精製油、脱 ウ処理油、白土処理油などが挙げられる。
 また、合成油としては、例えば、低分子量 リブテン、低分子量ポリプロピレン、炭素 8~14のα-オレフィンオリゴマー及びこれらの 水素化物、ポリオールエステル(例えば、ト メチロールプロパンの脂肪酸エステル、ペ タエリスリトールの脂肪酸エステルなど)、 塩基酸エステル、芳香族ポリカルボン酸エ テル(例えば、トリメリット酸エステル、ピ ロメリット酸エステルなど)、リン酸エステ などのエステル化合物、アルキルベンゼン アルキルナフタレン、アルキルフェニルエ テル、ターフェニルなどのアルキルアロマ 化合物、シリコーン油、フッ素系オイル(例 ば、フルオロカーボン、パーフルオロポリ ーテルなど)などが挙げられる。
 これらのその他の基油は一種を単独で又は 種以上を組み合わせて用いることができる

(潤滑油添加剤)
 本発明の潤滑油組成物においては、その用 に応じて、例えば酸化防止剤、油性剤、極 剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤 金属不活性化剤および消泡剤などの中から 適宜一種又は二種以上選び配合することが きる。また、潤滑油組成物がグリース組成 である場合は、通常増ちょう剤を配合する なお、用途によっては、添加剤を配合せず 潤滑油基油をそのまま潤滑油として使用し もよい。
<酸化防止剤>
 酸化防止剤としては、従来の炭化水素系潤 油に使用されているアミン系酸化防止剤、 ェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防 剤,硫黄系酸化防止剤などを使用することが できる。これらの酸化防止剤は、一種を単独 でまたは二種以上を組み合わせて用いること ができる。アミン系酸化防止剤としては、例 えば、モノオクチルジフェニルアミン、モノ ノニルジフェニルアミンなどのモノアルキル ジフェニルアミン系化合物、4,4’-ジブチル フェニルアミン、4,4’-ジペンチルジフェニ アミン、4,4’-ジヘキシルジフェニルアミン 、4,4’-ジヘプチルジフェニルアミン、4,4’- オクチルジフェニルアミン、4,4’-ジノニル ジフェニルアミンなどのジアルキルジフェニ ルアミン系化合物、テトラブチルジフェニル アミン、テトラヘキシルジフェニルアミン、 テトラオクチルジフェニルアミン、テトラノ ニルジフェニルアミンなどのポリアルキルジ フェニルアミン系化合物、α-ナフチルアミン 、フェニル-α-ナフチルアミン、ブチルフェ ル-α-ナフチルアミン、ペンチルフェニル-α- ナフチルアミン、ヘキシルフェニル-α-ナフ ルアミン、ヘプチルフェニル-α-ナフチルア ン、オクチルフェニル-α-ナフチルアミン、 ノニルフェニル-α-ナフチルアミンなどのナ チルアミン系化合物等が挙げられる。

 フェノール系酸化防止剤としては、例えば 2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6- -tert-ブチル-4-エチルフェノールなどのモノ ェノール系化合物、4,4’-メチレンビス(2,6- -tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス (4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)などのジフ ェノール系化合物が挙げられる。
 硫黄系酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ -tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-ト アジン-2-イルアミノ)フェノール、五硫化リ ンとピネンとの反応物などのチオテルペン系 化合物、ジラウリルチオジプロピオネート、 ジステアリルチオジプロピオネートなどのジ アルキルチオジプロピオネートなどが挙げら れる。
 リン系酸化防止剤としては,トリフェニルフ ォスファイト,ジエチル[3,5-ビス(1,1-ジメチル チル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフ ネートなどが挙げられる.
 これらの酸化防止剤の配合量は、潤滑油全 基準で、通常0.01~10質量%程度であり、好ま くは0.03~5質量%である。

<油性剤、極圧剤>
 油性剤としては、脂肪族アルコール、脂肪 や脂肪酸金属塩などの脂肪酸化合物、ポリ ールエステル、ソルビタンエステル、グリ ライドなどのエステル化合物、脂肪族アミ などのアミン化合物などを挙げることがで る。これらの油性剤の配合量は、配合効果 点から、潤滑油組成物全量基準で、通常0.1~ 30質量%程度であり、好ましくは0.5~10質量%で る。
 極圧剤としては、硫黄系極圧剤、リン系極 剤、硫黄および金属を含む極圧剤、リンお び金属を含む極圧剤などが挙げられる。こ らの極圧剤は一種を単独でまたは二種以上 み合わせて用いることができる。極圧剤と ては、分子中に硫黄原子および/またはリン 原子を含み、耐荷重性や耐摩耗性を発揮しう るものであればよい。分子中に硫黄を含む極 圧剤としては、例えば、硫化油脂、硫化脂肪 酸、硫化エステル、硫化オレフィン、ジヒド ロカルビルポリサルファイド、チアジアゾー ル化合物、アルキルチオカルバモイル化合物 、トリアジン化合物、チオテルペン化合物、 ジアルキルチオジプロピオネート化合物など を挙げることができる。
 硫黄、リンおよび金属を含む極圧剤として 、ジアルキルチオカルバミン酸亜鉛(Zn-DTC) ジアルキルチオカルバミン酸モリブデン(Mo-D TC)、ジアルキルチオカルバミン酸鉛、ジアル キルチオカルバミン酸錫、ジアルキルジチオ リン酸亜鉛(Zn-DTP)、ジアルキルジチオリン酸 リブデン(Mo-DTP)、ナトリウムスルホネート カルシウムスルホネートなどが挙げられる 分子中にリンを含む極圧剤として代表的な のは、トリクレジルフォスフェート、ジメ ルアシッドフォスフェート、ジエチルアシ ドフォスフェート、ジプロピルアシッドフ スフェート、ジブチルアシッドフォスフェ ト、ジ2-エチルヘキシルアシッドフォスフェ ート、ジオレイルアシッドフォスフェート、 ジブチルハイドロジェンフォスファイト、ジ オレイルハイドロジェンフォスファイトなど のリン酸エステル類およびそのアミン塩であ る。これら極圧剤の配合量は、配合効果およ び経済性の点から、潤滑油組成物全量基準で 、通常0.01~30質量%程度であり、より好ましく 0.01~10質量%である。

<清浄分散剤、粘度指数向上剤>
 清浄分散剤としては、金属スルホネート、 属サリチレート、金属フィネート、コハク イミドなどが挙げられる。これら清浄分散 の配合量は、配合効果の点から、潤滑油組 物全量基準で、通常0.1~30質量%程度であり、 好ましくは0.5~10質量%である。
 粘度指数向上剤としては、例えば、ポリメ クリレート、分散型ポリメタクリレート、 レフィン系共重合体(例えば、エチレン-プ ピレン共重合体など)、分散型オレフィン系 重合体、スチレン系共重合体(例えば、スチ レン-ジエン水素化共重合体など)などが挙げ れる。これら粘度指数向上剤の配合量は、 合効果の点から、潤滑油組成物全量基準で 通常0.5~35質量%程度であり、好ましくは1~15 量%である。

<防錆剤、金属不活性化剤、消泡剤>
 防錆剤としては、金属系スルホネート、コ ク酸エステルなどを挙げることができる。 れら防錆剤の配合量は、配合効果の点から 潤滑油組成物全量基準で、通常0.01~10質量% 度であり、好ましくは0.05~5質量%である。
 金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾ ル、チアジアゾールなどを挙げることがで る。これら金属不活性化剤の好ましい配合 は、配合効果の点から、潤滑油組成物全量 準で、通常0.01~10質量%程度であり、好まし は0.01~1質量%である。
 消泡剤としては、メチルシリコーン油、フ オロシリコーン油、ポリアクリレートなど 挙げることができる。これらの消泡剤の配 量は、配合効果の点から、潤滑油組成物全 基準で、通常0.0005~0.01質量%程度である。
<増ちょう剤>
 増ちょう剤としては、リチウム、カルシウ 、ナトリウムなどの金属石鹸系、ベントナ ト、シリカ、テフロン(登録商標)などの粒 や、尿素樹脂なとの非石鹸系の増ちょう剤 挙げることができる。これら増ちょう剤の 合量は、所望するちょう度によって異なる 、グリース組成物全量基準で、通常5~40質量% 程度であり、より好ましくは10~30質量%である 。

(潤滑油組成物の用途)
 本発明の潤滑油組成物は、防食性に優れる 共に、低粘度であっても蒸気圧が低く、引 の危険性もなく、さらに耐熱性に優れ、従 の炭化水素系潤滑油と比べて何ら遜色のな 摩擦特性を有し、高温下、真空下などの極 て厳しい条件の下でも長期間使用すること できるなどの特性を有している。
 したがって、例えば内燃機関、トルク伝達 置、すべり軸受、ころがり軸受、ボールネ 、ころがり案内面などの転動装置、クラッ 内蔵回転伝達装置、パワーステアリング装 、含油軸受、流体軸受、圧縮装置、レシプ 型圧縮機、ターボチャージャー、チェーン 歯車、油圧、真空ポンプ、スパッタなどの 着装置、気化、昇華による真空蒸着装置、 リコンウェハーなどへの注入を目的とした オン打ち込み装置、液晶、有機EL、プラズ などの薄型ディスプレー製造に用いられる ィスプレー素子製造装置、時計部品、ハー ディスク、冷凍機、切削、圧延、絞り抽伸 転造、鍛造、熱処理、熱媒体、洗浄などの 置、ショックアブソーバ、ブレーキ、密封 置、航空機や人工衛星等の航空宇宙機器な に好適に使用することができる。もちろん 各種機械装置の防錆油や洗浄油としても好 である。
 また、本発明の潤滑油組成物は、摺動部分 、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛など機械材 として一般に用いられる金属材料や非金属 料であるものに対して使用でき、特に、耐 材料であるステンレス材料の機械装置や機 部品、セラミック材料〔例えば、窒化ケイ (Si 3 N 4 )、炭化ケイ素(SiC)〕、アルミナ(Al 2 O 3 )、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ホウ素(B 4 C)、ホウ化チタン(TiB 2 )、窒化ホウ素(BN)、炭化チタン(TiC)、窒化チ ン(TiN)、ジルコニア(ZrO 2 )、さらには、DLC(ダイヤモンドライクカーボ )など、及びそれらで表面コーティングされ た材料であるものに好適に用いることができ る。

 以下、本発明を具体的な実施例により説明 るが、本発明は以下の実施例に限定される のではない。
<イオン液体のカチオン成分の合成>
合成例1 1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブ マイドの合成
 1-メチルイミダゾール(試薬:東京化成製)30g 110gのトルエンに溶解し、窒素置換した。25 でエチルブロマイド(試薬:東京化成製)48gを1 間かけて滴下した。攪拌しながら除々に昇 させ還流を37時間行ない、反応を終了した 室温まで冷却し、生じた固体を濾別した。70 gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥して 色固体の1-エチル-3-メチルイミダゾリウムブ ロマイド67gを得た。

合成例2 1-プロピル-3-メチルイミダゾリウム ロマイドの合成
 1-メチルイミダゾール(試薬:東京化成製)30g 110gのトルエンに溶解し、窒素置換した。25 でプロピルブロマイド(試薬:東京化成製)54g 1時間かけて滴下した。攪拌しながら除々に 温させ還流を37時間行ない、反応を終了し 。室温まで冷却し、生じた固体を濾別した 70gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥し 白色固体の1-プロピル-3-メチルイミダゾリウ ムブロマイド70gを得た。

合成例3 1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムブ マイドの合成
 1-メチルイミダゾール(試薬:東京化成製)30g 110gのトルエンに溶解し、窒素置換した。25 でブチルブロマイド(試薬:東京化成製)60gを1 間かけて滴下した。攪拌しながら除々に昇 させ還流を37時間行ない、反応を終了した 室温まで冷却し、生じた固体を濾別した。70 gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥して 色固体の1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムブ ロマイド74gを得た。

合成例4 1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム ロマイドの合成
 1-メチルイミダゾール(試薬:東京化成製)30g 110gのトルエンに溶解し、窒素置換した。25 でヘキシルブロマイド(試薬:東京化成製)72g 1時間かけて滴下した。攪拌しながら除々に 温させ還流を37時間行ない、反応を終了し 。室温まで冷却し、生じた固体を濾別した 70gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥し 白色固体の1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウ ムブロマイド82gを得た。

合成例5 1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム ロマイドの合成
 1-メチルイミダゾ―ル(試薬:東京化成製)30g 110gのトルエンに溶解し、窒素置換した。25 でオクチルブロマイド(試薬:東京化成製)85g 1時間かけて滴下した。攪拌しながら除々に 温させ還流を37時間行ない、反応を終了し 。室温まで冷却し、生じた固体を濾別した 70gのトルエンにて洗浄した後、減圧乾燥し 白色固体の1-オクチル-3-メチルイミダゾリウ ムブロマイド91gを得た。

<イオン液体の合成>
合成例6
 1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリ ルオロメタンスルホニル)イミドの合成
 合成例1で得た1-エチル-3-メチルイミダゾリ ムブロマイド50gを水50gに溶解し、室温下、 チウムビストリフルオロメタンスルホニル ミド(試薬:Aldrich製)75gを添加した。30分攪拌 た後、クロロホルム50gを添加し、抽出した 有機層は10gの水にて15回洗浄した後、減圧 縮し、乾燥した。無色液体の目的物86gを得 。

合成例7
 1-プロピル-3-メチルイミダゾリウムビス(ト フルオロメタンスルホニル)イミドの合成
 合成例2で得た1-プロピル-3-メチルイミダゾ ウムブロマイド50gを水50gに溶解し、室温下 リチウムビストリフルオロメタンスルホニ イミド(試薬:Aldrich製)70gを添加した。30分攪 した後、クロロホルム50gを添加し、抽出し 。有機層は10gの水にて15回洗浄した後、減 濃縮し、乾燥した。無色液体の目的物84gを た。

合成例8
 1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリ ルオロメタンスルホニル)イミドの合成
 合成例3で得た1-ブチル-3-メチルイミダゾリ ムブロマイド50gを水50gに溶解し、室温下、 チウムビストリフルオロメタンスルホニル ミド(試薬:Aldrich製)66gを添加した。30分攪拌 た後、クロロホルムを添加し、抽出した。 機層は10gの水にて15回洗浄した後、減圧濃 し、乾燥した。無色液体の目的物80gを得た

合成例9
 1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムビス(ト フルオロメタンスルホニル)イミドの合成
 合成例4で得た1-ヘキシル-3-メチルイミダゾ ウムブロマイド50gを水50gに溶解し、室温下 リチウムビストリフルオロメタンスルホニ イミド(試薬:Aldrich製)58gを添加した。30分攪 した後、クロロホルムを添加し、抽出した 有機層は10gの水にて15回洗浄した後、減圧 縮し、乾燥した。無色液体の目的物77gを得 。

合成例10
 1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムビス(ト フルオロメタンスルホニル)イミドの合成
 合成例5で得た1-オクチル-3-メチルイミダゾ ウムブロマイド50gを水50gに溶解し、室温下 リチウムビストリフルオロメタンスルホニ イミド(試薬:Aldrich製)52gを添加した。30分攪 した後、クロロホルムを添加し、抽出した 有機層は10gの水にて15回洗浄した後、減圧 縮し、乾燥した。無色液体の目的物74gを得 。

合成例11
 テトラエチルアンモニウムビス(トリフルオ ロメタンスルホニル)イミドの合成
 テトラエチルアンモニウムクロライド(試薬 :関東化学製)50gを水50gに溶解し、室温下、リ ウムビストリフルオロメタンスルホニルイ ド(試薬:Aldrich製)87gを添加した。30分攪拌し 後、クロロホルムを添加し、抽出した。有 層は10gの水にて15回洗浄した後、減圧濃縮 、乾燥した。白色固体の目的物105gを得た。

<低腐食性イオン液体、潤滑油組成物の調 >
 各例で用いたイオン液体1~6及び添加剤A~Fは 以下のとおりである。
 イオン液体1:1-エチル-3-メチルイミダゾリウ ムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミ
 イオン液体2:1-プロピル-3-メチルイミダゾリ ウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イ ド
 イオン液体3:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウ ムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミ
 イオン液体4:1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリ ウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イ ド
 イオン液体5:1-オクチル-3-メチルイミダゾリ ウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イ ド
 イオン液体6:テトラエチルアンモニウムビ (トリフルオロメタンスルホニル)イミド
 添加剤A:N-アミノエチルピペラジン
 添加剤B:2-アミノエチルピペラジン
 添加剤C:4-ジメチルアミノピリジン
 添加剤D:3-アミノプロピルイミダゾール
 添加剤E:ビス(アミノプロピル)メチルアミン

 各例で得られた潤滑油組成物の性能評価方 を以下に示す。
 (1)耐熱性試験(5%質量減温度)
 熱重量分析装置((株)リガク製、型式TG8110)を 用いて耐熱性を測定した
。10℃/minの速度で昇温し、質量減が初期質量 の5%となる温度を測定した。5%質量減温度が いほど,耐蒸発性,耐熱性に優れると言える。
 (2)腐食性試験
 蒸留水5mlと,試料5mlとを混合した溶液に,短 状にカットした純度99.9%の鉄板を浸漬した。 溶液の温度を60℃に設定し,鉄板を168時間浸漬 した後,鉄板の外観を観察した。茶褐色また 黒色状の変色が認められた場合を錆あり(腐 あり)と判断した。 ○:腐食なし、×:表面に 腐食あり
(3)摩擦特性(耐荷重性試験)
 ASTM D2783に準拠して、回転数1800rpm、室温の 件で実施した。最大非焼付荷重(LNL)と融着 重(WL)から荷重摩耗指数(WLI)を求めた。この が大きいほど耐荷重性が良好である。
(4)イオン液体又はイオン液体混合物
 (a)流動点
  JIS K 2269に準拠して測定した。
 (b)40℃動粘度
  JIS K 2283に準拠して測定した。

実施例1
合成例6で得られた1-エチル-3-メチルイミダゾ リウムビス(トリフルオロメタンスルホニル) ミド80質量部に、合成例8で得られた1-ブチ -3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロ タンスルホニル)イミド19質量部と、添加剤 してのN-アミノエチルピペラジン1質量部と 混合することにより、低腐食性イオン液体 調製して潤滑油組成物とし、その性能を評 した。結果を表1に示す。

実施例2~7
 表1に示すイオン液体及び添加剤を、表1に す配合割合となるように混合した以外は、 記実施例1と同様にして、低腐食性イオン液 を調製し、潤滑油組成物とした。その性能 価結果を表1に示す。

比較例1
 表1に示すように、イオン液体1のみを用い 潤滑油組成物とした。その性能評価結果を 1に示す。

 表1から分かるように、本発明の潤滑油組 成物(実施例1~7)は、含窒素化合物を含まない 較例1に比べて、耐熱性や摩擦特性を損なう ことなく、優れた耐食性を有している。また 、潤滑油組成物の基油を構成するイオン液体 の流動点及び40℃動粘度から、低温流動性に れ、かつ粘性抵抗による動力損失を抑える とができ、潤滑油として好適であることが かる。

 本発明の低腐食性イオン液体は、金属に する防食性に優れる特徴を有すると共に、 安定性(難揮発性、難燃性)、高イオン密度( イオン伝導性)、大熱容量、低粘性などを有 しており、各種用途、例えば太陽電池などの 電解液、抽出分離溶媒、反応溶媒、帯電防止 材料、潤滑油などに好適に用いられ、特に潤 滑油用として好適である。