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Patent Searching and Data


Title:
MAGNETIC SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057455
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a magnetic sheet which is capable of reducing unwanted electromagnetic waves released from electronic devices and suppressing electromagnetic disturbance caused by interference of unwanted electromagnetic waves in electronic devices and imposes a small environmental load, and has high flame retardancy and magnetic permeability, and from which magnetic powder is prevented from falling. The magnetic sheet of the invention comprises at least a binder, magnetic powder, and a flame retardant. The flame retardant contains at least either a melamine cyanurate having a silicon atom or a melamine cyanurate having carboxylic acid amide. An embodiment in which the flame retardant further contains red phosphorus, etc. are preferred.

Inventors:
ARAMAKI KEISUKE (JP)
TAMATE YUKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068748
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CHEM & INF DEVICE CORP (JP)
ARAMAKI KEISUKE (JP)
TAMATE YUKIO (JP)
International Classes:
H05K9/00; C08K3/22; C08K3/32; C08K5/3492; C08L63/00; C08L101/00; H01Q17/00
Domestic Patent References:
WO2007007834A12007-01-18
Foreign References:
JP2003243879A2003-08-29
JP2007186622A2007-07-26
JP2006073949A2006-03-16
JP2003324299A2003-11-14
JP2003243879A2003-08-29
JP2004071993A2004-03-04
Attorney, Agent or Firm:
HIROTA, Koichi et al. (NAGARE & ASSOCIATES4th Floor, Shinjuku TR Bldg.,2-2-13, Yoyog, Shibuya-ku Tokyo 53, JP)
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Claims:
 バインダーと、磁性粉と、難燃剤とを少なくとも含有してなり、
 前記難燃剤が、ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート及びカルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレートの少なくともいずれかを少なくとも含むことを特徴とする磁性シート。
 ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート及びカルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレートの個数平均粒径が、1μm以下である請求の範囲第1項に記載の磁性シート。
 バインダー100質量部に対して、磁性粉を400~1,550質量部含み、ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート及びカルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレートの少なくともいずれかを70~150質量部含む磁性シートであって、前記磁性シート中の磁性粉の重量が60~90wt%である請求の範囲第1項から第2項のいずれかに記載の磁性シート。
 難燃剤が、赤リンを更に含む請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の磁性シート。
 バインダー100質量部に対して、赤リンを6~19質量部含む請求の範囲第4項に記載の磁性シート。
 硬化剤をさらに含む請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載の磁性シート。
 バインダーに、エポキシ樹脂を含む請求の範囲第6項に記載の磁性シート。
 バインダーに、エチレン酢酸ビニル共重合体を含む請求の範囲第1項から第5項のいずれかに記載の磁性シート。
 RFID機能付電子機器に用いられる請求の範囲第1項から第8項のいずれかに記載の磁性シート。
 ノイズ抑制体として用いられる請求の範囲第1項から第8項のいずれかに記載の磁性シート。
Description:
磁性シート

 本発明は、電子機器から放出される不要 磁波の低減、及び電子機器に生じる電磁障 の抑制が可能な磁性シートに関する。

 磁性シートの使用される用途としては、 イズ抑制用途、あるいはRFID用途が挙げられ る。ノイズ抑制用途としては、パソコンや携 帯電話に代表される電子機器の小型化、高周 波数化の急速な進展に伴い、これらの電子機 器において、外部からの電磁波によるノイズ 干渉及び電子機器内部で発生するノイズ同士 の干渉を抑制するために、種々のノイズ対策 が行われており、例えば、ノイズ発信源又は 受信源近傍に、磁性シート(ノイズ抑制シー )を設置することが行われている。

 前記磁性シートは、Fe-Si-Al等の合金(磁性 )を、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等に配合 させ、熱プレスにより硬化させてシート状に 成形したものであり、前記磁性粉が、ノイズ を抑制する、所謂ノイズ抑制体としての機能 を有する。前記磁性シートのノイズ抑制効果 は透磁率の虚数部であるμ’’が大きい方が い。

 一方、RFID用途としては、近年、RFID(Radio  Frequency Identification)と称されるICタグ機能を する携帯情報端末機に代表されるように、 磁誘導方式によるコイルアンテナを用いる 線通信が普及している。例えば、携帯情報 末機では、その小型化により、送受信用の ンテナ素子の近傍には、例えば、金属筐体 金属部品などの種々の導電体(金属)が配置さ れている。この場合、前記アンテナ素子近傍 の金属の存在により、通信に用いることがで きる磁界が大きく減衰し、電磁誘導方式にお けるRFID通信距離が短くなったり、共振周波 がシフトすることにより無線周波数を送受 することが困難になることがある。そこで このような電磁障害を抑制するため、前記 ンテナ素子と前記導電体との間に、磁性シ トを配置することが行われている。RFIDとし の機能としては、透磁率の実数部であるμ が大きく、虚数部であるμ’’の小さい方が 好ましい。

 前記磁性シートは、電子機器等に組み込ま るため、耐熱性及び難燃性を有することが 求され、一般的に難燃剤を添加することが われている。
 しかし、従来の難燃剤としては、臭素系難 剤に代表されるようなハロゲン系化合物が に用いられており、該ハロゲン系化合物は 燃焼すると、環境ホルモンに代表される有 物質を生成することから、環境への負荷が きく、その使用は削減傾向にある。一方、 ン系難燃剤も使用されているが、特性的に 、ハロゲン系難燃剤に及ばないのが現状で る。
 また、前記磁性シートに柔軟性を要求する 客や、作業性向上を図るために一定以上の さを要求する顧客が存在するのが現状であ 。

 難燃剤を含有するハロゲンフリーの磁性シ トとしては、例えば、難燃剤として、水酸 アルミニウム、水酸化マグネシウム、メラ ン等を、難燃助剤として、赤リン、ポリリ 酸アンモニウム等をそれぞれ用いたもの(特 許文献1参照)、難燃剤乃至難燃助剤として、 ラミン、メラミン誘導体、赤リン、ポリリ 酸アンモニウム、ペンタエリスリトール、 キストリン、ポリ酢酸ビニル等を用いたも (特許文献2参照)、難燃剤として、水酸化ア ミニウム又は水酸化マグネシウム及び赤リ を用いたもの(特許文献3参照)が知られてい 。
 しかし、これらの難燃剤乃至難燃助剤では 難燃性が不充分であり、高い難燃性を得る めに大量に添加すると、磁性シートの透磁 が低下するという問題がある。また、特に ハロゲンフリーの難燃剤を用いた場合は、 常、難燃剤を大量に添加しなければ、十分 難燃性を発揮することはできないが、磁性 ートに難燃性を付与するために難燃剤を大 に添加すると、磁性シートが硬くなってし うことがあるという問題がある。よって、 らかい磁性シートを得るためには、難燃剤 添加量をできる限り低減した上で、十分な 燃性を得なければならない。
 また、耐湿性に劣り、難燃剤が磁性シート 表面にブリードしたり、吸水することによ 、磁性シートの厚みや磁気的特性が変化す という問題があり、携帯電話、パソコン等 電子機器に用いるためには、より高い信頼 が要求される。
 また、軟らかい磁性シートを作製しようと る場合に、高い透磁率を得るために磁性粉 大量に添加すると、磁性シートが硬くなっ しまうという問題がある。

特開2003-324299号公報

特開2003-243879号公報

特開2004-71993号公報

 本発明は、従来における前記問題を解決 、以下の目的を達成することを課題とする 即ち、本発明は、電子機器から放出される 要電磁波の低減、及び電子機器内の不要電 波の干渉によって生じる電磁障害の抑制が 能で、環境への負荷が小さく、高い難燃性 透磁率とを両立し、磁性粉の粉落ちを抑制 た磁性シートを提供することを目的とする

 本発明者は、前記課題に鑑み、鋭意検討 行った結果、以下の知見を得た。即ち、バ ンダー、磁性粉、及び難燃剤を含有する磁 シートにおける、該難燃剤として、ケイ素 子を含むメラミンシアヌレート及びカルボ 酸アミドを含むメラミンシアヌレートの少 くともいずれかを用いると、ハロゲンフリ で環境への負荷が小さく、高い難燃性を有 、磁性粉の粉落ちを抑制した磁性シートが られることを知見した。また、前記難燃剤 して赤リンを更に使用し、該赤リンと、前 ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート及 カルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレ トとの配合比を調整することにより、高い 燃性と磁性粉の粉落ちの抑制とを両立する とができることを見出し、本発明を完成す に至った。

 本発明は、本発明者の前記知見に基づくも であり、前記課題を解決するための手段と ては、以下の通りである。即ち、
 <1> バインダーと、磁性粉と、難燃剤 を少なくとも含有してなり、前記難燃剤が ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート及 カルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレ トの少なくともいずれかを少なくとも含む とを特徴とする磁性シートである。
 該<1>に記載の磁性シートにおいては、 ロゲンフリーであるので、環境への負荷が さい。また、前記難燃剤が、前記ケイ素原 を含むメラミンシアヌレート及び前記カル ン酸アミドを含むメラミンシアヌレートの なくともいずれかを含むので、高い難燃性 透磁率とを両立する。しかも、磁性粉の粉 ちを抑制可能である。
 <2> ケイ素原子を含むメラミンシアヌ ート及びカルボン酸アミドを含むメラミン アヌレートの個数平均粒径が、1μm以下であ 前記<1>に記載の磁性シートである。
 該<2>に記載の磁性シートにおいては、 記メラミンシアヌレートの個数平均粒径が 1μm以下と小さいので、前記磁性粉が密に配 向するのを阻害せず、大きな粒径の難燃剤を 用いる場合に比して、高い透磁率を得ること ができる。
 <3> バインダー100質量部に対して、磁 粉を400~1,550質量部含み、ケイ素原子を含む ラミンシアヌレート及びカルボン酸アミド 含むメラミンシアヌレートの少なくともい れかを70~150質量部含む前記<1>から<2> ;のいずれかに記載の磁性シートである。
 <4> 難燃剤が、赤リンを更に含む前記&l t;1>から<3>のいずれかに記載の磁性シ トである。
 <5> バインダー100質量部に対して、赤 ンを6~19質量部含む前記<4>に記載の磁性 ートである。
 <6> 硬化剤をさらに含む前記<1>か <5>のいずれかに記載の磁性シートであ 。
 該<6>に記載の磁性シートにおいては、 記硬化剤をさらに含むので、高温高湿環境 での前記磁性シートの厚み変化を低減する とができる。
 <7> バインダーに、エポキシ樹脂を含 前記<6>に記載の磁性シートである。
 該<7>に記載の磁性シートにおいては、 記バインダーにエポキシ樹脂を含むので、 温高湿環境下での前記磁性シートの厚み変 を低減することができる。
 <8> バインダーに、エチレン酢酸ビニ 共重合体を含む前記<1>から<5>のい れかに記載の磁性シートである。
 該<8>に記載の磁性シートにおいては、 記バインダーにエチレン酢酸ビニル共重合 を含むので、柔軟にすることができる。
 <9> RFID機能付電子機器に用いられる前 <1>から<8>のいずれかに記載の磁性 ートである。
 <10> ノイズ抑制体として用いられる前 <1>から<8>のいずれかに記載の磁性 ートである。

 本発明によると、従来における前記諸問 を解決でき、電子機器から放出される不要 磁波の低減、及び電子機器内の不要電磁波 干渉によって生じる電磁障害の抑制が可能 、環境への負荷が小さく、高い難燃性と透 率とを両立し、磁性粉の粉落ちを抑制した 性シートを提供することができる。なお、 磁性シートはKHz~GHz帯で使用することができ る。

図1Aは、実施例1で用いた難燃剤(MC-5S) XRF測定データを示すグラフである。 図1Bは、図1Aとの比較を目的とした、 面処理無しメラミンシアヌレート(MC-20N)のXRF 測定データを示すグラフである。 図1Cは、図1Aとの比較を目的とした、 面処理無しメラミンシアヌレート(MC-40N)のXRF 測定データを示すグラフである。 図2Aは、実施例8で用いた難燃剤(MC-5F) Py-GC-MS測定データを示すグラフである。 図2Bは、図2Aとの比較を目的とした、 面処理無しメラミンシアヌレート(MC-20N)のPy- GC-MS測定データを示すグラフである。 図2Cは、図2Aとの比較を目的とした、 面処理無しメラミンシアヌレート(MC-40N)のPy- GC-MS測定データを示すグラフである。 図3Aは、磁性粉のトルエン洗浄液の濃 物のIR測定データを示すグラフである。 図3Bは、磁性粉のトルエン洗浄液の濃 物と、グリセリドとのライブラリー検索に ける一致結果を示すグラフである。 図4Aは、実施例22の条件で作製した500μ mの厚さの磁性シートの周波数特性の測定結 (μ’)を示すグラフである。 図4Bは、実施例22の条件で作製した500μ mの厚さの磁性シートの周波数特性の測定結 (μ’’)を示すグラフである。 図5は、伝送損失の測定方法を説明する ための図である。

(磁性シート)
 本発明の磁性シートは、バインダーと、磁 粉と、難燃剤とを少なくとも含有してなり 更に必要に応じて適宜選択した、その他の 分を含有してなる。

-難燃剤-
 前記難燃剤を添加することにより、前記磁 シートの難燃性を向上させることができる
 本発明の前記磁性シートにおいては、前記 燃剤として、ケイ素原子を含むメラミンシ ヌレート及びカルボン酸アミドを含むメラ ンシアヌレートの少なくともいずれかを少 くとも含む。
 従来の難燃剤としては、ハロゲン系化合物 主に用いられているが、燃焼すると有害物 を生成し、環境への負荷が大きいという問 がある。また、ハロゲンフリーの難燃剤と ては、例えば、何ら表面処理がされていな メラミンシアヌレートが知られているが、 メラミンシアヌレートは、バインダーとの 和性が悪く、バインダー中に分散し難いた 、硬い磁性シートを得ることを意図する場 において、成形(プレス)直後の磁性シート 機械的強度を低下させる(軟化する)という問 題がある。また、機械的強度が大幅に低下し てしまうため、前記メラミンシアヌレートの 添加量を増大させることは困難であり、充分 な難燃性を得ることができない。更に、磁性 シートの表面から、磁性粉が脱落する所謂「 粉落ち」が生じ易い。

 ここで、前記メラミンシアヌレートは、 ラミン・イソシアヌレート酸付加物であり メラミンと、イソシアヌレートとが、下記 応式に示すように、付加反応を繰り返すこ により、オリゴマー付加物として形成され ものである。

 前記メラミンシアヌレートは、メラミン骨 による剛直性を有し、また、前記付加反応 より、水酸基(OH)が発生するため、該水酸基 による極性を有することにより、難燃性を発 現すると考えられる。しかし、前記水酸基は 、分子間で水素結合を形成することが多く、 この水酸基による水素結合が、イソシアヌレ ートの凝集の発生の原因となると推認される 。従って、この水素結合を、遮断すること、 即ち、一部の水酸基が保護されたメラミンシ アヌレートを用いることにより、凝集の発生 を抑制し、バインダー中への分散性が改善さ れると考えられる。
 そこで、前記難燃剤として、ケイ素原子を むメラミンシアヌレート(ケイ素化合物を用 いて表面処理されたメラミンシアヌレート) びカルボン酸アミドを含むメラミンシアヌ ート(脂肪酸を用いて表面処理されたメラミ シアヌレート)の少なくともいずれかを用い たところ、メラミンシアヌレート(表面処理 れていないもの)に比して、より高い難燃性 発現され、また、磁性シート表面からの粉 ちが生じ難く、しかも、バインダーとして 例えば、後述するアクリルゴムを用いた場 に、プレス時のバインダーの硬化を促進さ 、高温高湿環境下での厚み変化が抑制され 表面平滑性が良好な磁性シートが得られる とが判った。

--ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート--
 前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌレー における、該ケイ素原子の存在は、例えば 蛍光X線分析(XRF)により確認することができ 。

 前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌレー の個数平均粒径としては、特に制限はなく 目的に応じて適宜選択することができるが 1μm以下が好ましい。
 前記個数平均粒径が、1μmを超えると、前記 磁性粉が密に配向するのを阻害し、磁性シー トの磁気特性を低下させることがあり、高温 あるいは高温高湿環境下での厚み変化が大き くなることがある。
 前記個数平均粒径は、例えば、レーザー回 を用いて測定した粒度分布より測定するこ ができる。

 前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌレー は、市販品であってもよいし、適宜作製し ものであってもよい。
 前記市販品としては、例えば、MC-5S(堺化学 業製)などが挙げられる。
 前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌレー の作製方法としては、特に制限はなく、目 に応じて適宜選択することができるが、例 ば、ケイ素化合物を用いてメラミンシアヌ ートを表面処理する方法が好適に挙げられ 。
 前記表面処理の方法としては、特に制限は く、公知の方法の中から適宜選択すること でき、例えば、前記メラミンシアヌレート 前記ケイ素化合物とを混合攪拌する方法が げられる。

 前記ケイ素化合物としては、特に制限は く、目的に応じて適宜選択することができ 例えば、メチルハイドロジェンポリシロキ ン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェ ルポリシロキサン等のオルガノポリシロキ ン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリ メトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラ ン、オクチルトリメトキシシラン、デシルト リメトキシシラン、オクタデシルトリメトキ シシラン、ジメチルジメトキシシラン、オク チルトリエトキシシラン、トリフルオロメチ ルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフ ルオロデシルトリメトキシシラン、ビニルト リメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメ トキシシラン等のシランカップリング剤を含 むシラン化合物;などが挙げられる。これら 、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併 用してもよい。これらの中でも、反応性が良 好な点で、メチルトリメトキシシラン、エチ ルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン が好ましい。

--カルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレ ト--
 前記カルボン酸アミドを含むメラミンシア レートにおける、該カルボン酸アミドの存 は、例えば、熱分解ガスクロマトグラフィ (Py-GC-MS)を用いて確認することができる。

 前記カルボン酸アミドを含むメラミンシア レートの個数平均粒径としては、特に制限 なく、目的に応じて適宜選択することがで るが、1μm以下が好ましい。
 前記個数平均粒径が、1μmを超えると、前記 磁性粉が密に配向するのを阻害し、磁性シー トの磁気特性を低下させることがあり、高温 あるいは高温高湿環境下での厚み変化が大き くなることがある。
 前記個数平均粒径は、例えば、レーザー回 を用いて測定した粒度分布より測定するこ ができる。

 前記カルボン酸アミドを含むメラミンシア レートは、市販品であってもよいし、適宜 製したものであってもよい。
 前記市販品としては、例えば、MC-5F(堺化学 業製)などが挙げられる。
 前記カルボン酸アミドを含むメラミンシア レートの作製方法としては、特に制限はな 、目的に応じて適宜選択することができる 、例えば、脂肪酸を用いてメラミンシアヌ ートを表面処理する方法が好適に挙げられ 。

 前記表面処理の方法としては、特に制限は く、公知の方法の中から適宜選択すること でき、例えば、前記メラミンシアヌレート 前記脂肪酸とを混合攪拌する方法が挙げら る。
 なお、前記脂肪酸を用いて前記メラミンシ ヌレートを表面処理すると、下記式(1)に示 ように、前記メラミンシアヌレート中のア ノ基と、前記脂肪酸とが反応して、アミド 合物に変換されると考えられる。このため 前記熱分解ガスクロマトグラフィー(Py-GC-MS) を用いて分析すると、前記カルボン酸アミド の存在を確認することができる。
 -NH 2 +R-COOH→R-CONH-・・・式(1)

 前記脂肪酸としては、特に制限はなく、 的に応じて適宜選択することができ、例え 、ラウリン酸、イソステアリン酸、ステア ン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノレ 酸などが挙げられる。これらは、1種単独で 使用してもよいし、2種以上を併用してもよ 。これらの中でも、疎水性が高く、分散性 良好な点で、ラウリン酸が好ましい。

--赤リン--
 前記難燃剤は、前記ケイ素原子を含むメラ ンシアヌレート及び前記カルボン酸アミド 含むメラミンシアヌレートに加えて、更に リンを含んでいるのが好ましい。この場合 前記磁性シートの難燃性を、更に向上させ ことができる点で、有利である。
 前記赤リンとしては、特に制限はなく、市 品であってもよいし、適宜合成したもので ってもよいが、耐湿性に優れ、混合時に自 発火せず、安全性が良好である点で、その 面が、コーティングされているのが好まし 。
 前記表面がコーティングされた赤リンとし は、例えば、赤リンの表面を、水酸化アル ニウムを用いて表面処理したものが挙げら る。

 前記赤リンの含有量としては、特に制限は く、目的に応じて適宜選択することができ が、前記バインダー100質量部に対して、6~19 質量部であるのが好ましい。
 前記含有量が、6質量部未満であると、難燃 性向上効果が得られないことがあり、19質量 を超えると、前記バインダーに対する前記 性粉と前記難燃剤との合計量が大きくなり 前記バインダーにより前記磁性粉及び前記 燃剤を繋ぎとめておくのが困難となるほか 前記磁性シート中の前記磁性粉の含有比率 低下し、透磁率が低下することがある。

-バインダー-
 前記バインダーとしては、特に制限はなく 目的に応じて適宜選択することができ、例 ば、アクリルゴム、エチレン酢酸ビニル共 合体、ポリエステル、ポリエステルウレタ 、ポリカーボネートポリウレタン、リン内 ポリエステル、リン内添ポリエステルウレ ン等が挙げられる。ここで、バインダーの には、硬いものから軟らかいものが種々存 するが、目的に応じて適宜選択することが き、例えば、前記アクリルゴムは硬いバイ ダーとして使用され、前記エチレン酢酸ビ ル共重合体は軟らかいバインダーとして使 される。

<アクリルゴム>
 前記アクリルゴムは、エポキシ基を有して るのが好ましい。この場合、該エポキシ基 硬化剤とが反応することにより、信頼性が 上する。また、前記アクリルゴムは、更に 酸基を有しているのが好ましい。該水酸基 有することにより、接着性を向上させるこ ができる。
 前記アクリルゴムの原料(モノマー)として 、エチルアクリレート(EA)、ブチルアクリレ ト(BA)、アクリロニトリル(AN)が例示される アクリルゴムはこれらモノマーの単独重合 あるいは共重合体である。共重合体として 、エチルアクリレート-アクリロニトリル共 合体(EA/AN)、ブチルアクリレート-アクリロ トリル共重合体(BA/AN)が好ましい。
 前記アクリルゴムの重量平均分子量として 、塗布性に優れる点で、10,000~850,000が好ま い。
 前記重量平均分子量が、10,000未満であると 磁性組成物(前記バインダーに、前記磁性粉 、前記難燃剤等を添加して調製したもの)の 度が小さくなり、重量の大きな磁性粉を塗 するのが困難となることがあり、850,000を超 ると、前記磁性組成物の粘度が大きくなり 塗布し難くなることがある。
 また、前記アクリルゴムのガラス転移温度 しては、信頼性の点で、-50℃~+15℃が好まし い。
 前記ガラス転移温度が、-50℃未満であると 高温あるいは高温高湿環境下での信頼性が くなることがあり、+15℃を超えると、前記 性シートが硬くなる傾向がある。
 前記アクリルゴムは、重量平均分子量やガ ス転移温度が異なるものを組み合わせても い。また、官能基がエポキシ基であるアク ルゴムと官能基が水酸基のアクリルゴムを み合わせてもよい。更に、官能基がエポキ 基、水酸基であるアクリルゴムと官能基が ポキシ基のアクリルゴムを組み合わせても い。これらのアクリルゴムを用いると、流 性が高く圧縮性が向上するため、磁気特性 良く、気泡を巻き込みにくいため、信頼性 向上する。

 また、前記バインダーは、有機硬化成分と て、エポキシ樹脂を含んでいてもよい。分 量の小さいエポキシ樹脂を添加すると、磁 シートの圧縮時(成形時)に、前記バインダ の溶融粘度が、より一層下がるので、磁気 性を向上させることができ、また、例えば 多官能エポキシ樹脂を用いると、硬化後の 性シートの信頼性をより向上させることが きる。
 前記エポキシ樹脂としては、例えば、マイ ロカプセル化アミン系硬化剤を用いたアニ ン硬化系エポキシ樹脂、オニウム塩、スル ニウム塩等を硬化剤に用いたカチオン硬化 エポキシ樹脂、有機過酸化物を硬化剤に用 たラジカル硬化系エポキシ樹脂などが好適 挙げられる。これらは、1種単独で使用して もよいし、2種以上を併用してもよい。

 更に、前記エポキシ樹脂を含有するバイン ーは、前記エポキシ樹脂用硬化剤として、 在性硬化剤を含んでいるのが好ましい。
 前記潜在性硬化剤は、特定の温度にて、硬 剤の機能を発揮するものを意味し、該硬化 としては、例えば、アミン類、フェノール 、酸無水物類、イミダゾール類、ジシアン アミド、イソシアネート類などが挙げられ 。

<エチレン酢酸ビニル共重合体>

 また、前記エチレン酢酸ビニル共重合体の ラス転移温度としては、磁性シートの柔軟 の点で、-100℃~0℃が好ましい。
 前記ガラス転移温度が、-100℃未満であると 、耐熱性が悪化することがあり、0℃を超え と、前記磁性シートが硬くなる傾向がある

 融点が、200℃未満であると、熱圧縮時に 状を維持できなくなることがある。

 また、前記エチレン酢酸ビニル共重合体に ける酢酸ビニル量としては、難燃性及び耐 性の点で、45モル%~90モル%が好ましく、60モ %~80モル%がより好ましい。
 前記エチレン酢酸ビニル共重合体における 酸ビニル量が、45モル%~90モル%の範囲外であ ると、45モル%~90モル%の範囲内のものと比べ 、難燃性及び耐油性が劣ることがある。

 前記エチレン酢酸ビニル共重合体は、市販 であってもよいし、適宜作製したものであ てもよい。
 前記市販品としては、例えば、レバプレン( バイエル社製)、エバフレックス(三井デュポ ポリケミカル製)などが挙げられる。
 また、前記エチレン酢酸ビニル共重合体は 樹脂自体がある程度の難燃性を有するため バインダーとしてエチレン酢酸ビニル共重 体を用いると、バインダーとしてアクリル ム(アクリル樹脂)を用いた場合と比べて、 加する難燃剤の量を少なくすることができ 。

-磁性粉-
 前記磁性粉としては、特に制限はなく、目 に応じて適宜選択することができ、その形 としては、例えば、扁平形状、塊状、繊維 、球状、不定形状などが挙げられる。これ の中でも、前記磁性粉を所定の方向に容易 配向させることができ、高透磁率化を図る とができる点で、扁平形状が好ましい。
 前記磁性粉としては、例えば、軟磁性金属 フェライト、純鉄粒子などが挙げられる。
 前記軟磁性金属としては、例えば、磁性ス ンレス(Fe-Cr-Al-Si合金)、センダスト(Fe-Si-Al合 金)、パーマロイ(Fe-Ni合金)、ケイ素銅(Fe-Cu-Si 金)、Fe-Si合金、Fe-Si-B(-Cu-Nb)合金、Fe-Ni-Cr-Si 金、Fe-Si-Cr合金、Fe-Si-Al-Ni-Cr合金、アモルフ ス金属などが挙げられる。
 前記センダスト(Fe-Si-Al合金)としては、キュ リー温度が480℃~510℃の範囲のものを使用す ことが好ましい。
 前記フェライトとしては、例えば、Mn-Znフ ライト、Ni-Znフェライト、Mn-Mgフェライト、M nフェライト、Cu-Znフェライト、Cu-Mg-Znフェラ ト等のソフトフェライト、永久磁石材料で るハードフェライトなどが挙げられる。
 前記磁性粉は、1種単独で使用してもよいし 、2種以上を併用してもよい。

 前記バインダー、前記磁性粉、並びに前 ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート及 カルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレ トの少なくともいずれかの含有量としては 特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す ことができるが、前記バインダー100質量部 対して、前記磁性粉が、400~1,550質量部であ 、前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌレ ト及びカルボン酸アミドを含むメラミンシ ヌレートの少なくともいずれか(ケイ素原子 を含むものとカルボン酸アミドを含むものと を併用する場合には、その合計量)が、70~150 量部であるのが好ましい。

 前記磁性粉の含有量が、400質量部未満で ると、優れた磁気特性が得られないことが り、1,550質量部を超えると、前記磁性粉を 記バインダーで繋ぎとめておくのが困難と り、高温高湿環境下にて、前記磁性シート 厚み変化が大きくなったり、前記磁性シー の表面に、前記難燃剤がブリードしたりす ことがあるほか、脆くなり、前記磁性シー の端面だけでなく表面からも前記磁性粉が ちる(粉落ちする)ことや、軟らかい磁性シー トを得ることを意図する場合において、前記 磁性シートが硬くなってしまうことや、磁性 粉が金属粉であることから難燃性が低下して しまうことがある。また、前記磁性粉を大量 に添加すれば、透磁率が向上するというもの ではなく、添加量が多すぎると、磁性シート において多くの空隙が形成されて透磁率が低 下してしまうことがある。即ち、磁性粉の添 加量には最適範囲がある。磁性シート中の磁 性粉の重量が60~90wt%であることが好ましい。

 前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌレ ト及び前記カルボン酸アミドを含むメラミ シアヌレートの少なくともいずれかの含有 が、70質量部未満であると、難燃性が充分 得られないことがあり、150質量部を超える 、前記バインダーに対する前記磁性粉と前 難燃剤との合計量が大きくなり、前記バイ ダーにより前記磁性粉及び前記難燃剤を繋 とめておくのが困難となるほか、前記磁性 ート中の前記磁性粉の含有比率が低下し、 磁率が低下することがある。

-その他の成分-
 前記その他の成分としては、本発明の効果 害しない限り特に制限はなく、公知の各種 加剤の中から目的に応じて適宜選択するこ ができ、磁性組成物(前記バインダーに、前 記磁性粉、前記難燃剤等を添加して調製した もの)の塗布性の向上(粘度の調整)を目的とし た場合には、溶剤を添加することができ、該 溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエ チルケトン、メチルイソブチルケトン、シク ロヘキサノン等のケトン類;メタノール、エ ノール、プロパノール、ブタノール、イソ ロピルアルコール等のアルコール類;酢酸メ ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ 、乳酸エチル、エチルグリコールアセテー 等のエステル類;ジエチレングリコールジメ チルエーテル、2-エトキシエタノール、テト ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類; ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭 化水素化合物;メチレンクロライド、エチレ クロライド、四塩化炭素、クロロフォルム クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素化 物;などが挙げられる。これらは、1種単独で 使用してもよいし、2種以上を併用してもよ 。

 また、前記その他の成分として、前記磁 シートの空隙を無くすことを目的とした場 には、分散剤を添加することができる。こ 分散剤の添加により、磁性シートの寸法変 を低減することができる。なお、該分散剤 して、分散性の良い難燃剤(分散粒子)(例え 、MC-5F(堺化学工業製)、MC-5S(堺化学工業製)) 用いることもできる。前記分散剤を添加す と、磁性シートの表面平滑性を向上するこ ができ、また、前記磁性シート内への空気 巻き込みを少なくして比重を大きくして、 磁率及び難燃性を向上することができる。 の他、必要に応じて、分散剤、安定剤、潤 剤、シラン系やチタネート系カップリング 、充填剤、可塑剤、老化防止剤等、各種添 剤を添加してもよい。

 ここで、前記バインダーとして、エチレン 酸ビニル共重合体を用いた場合は、シラン ップリング剤で処理されたメラミンシアヌ ート(ケイ素原子を含むメラミンシアヌレー ト)よりも、脂肪酸で処理されたメラミンシ ヌレート(カルボン酸アミドを含むメラミン アヌレート)の方が分散性が良いため、特に 脂肪酸で処理されたメラミンシアヌレートを 用いたときに、前記磁性シート内への空気の 巻き込みを少なくして比重を大きくして、透 磁率及び難燃性を向上することができる。
 前記その他の成分の含有量としては、特に 限はなく、前記バインダー、前記磁性粉及 前記難燃剤の含有量に応じて適宜決定する とができる。

-使用-
 本発明の前記磁性シートの使用方法として 、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択 ることができ、例えば、前記磁性シートを 所望の大きさに裁断し、これを電子機器の イズ源に、近接するように配設することが きる。

-用途-
 本発明の前記磁性シートは、前記難燃剤と て、前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌ ート及び前記カルボン酸アミドを含むメラ ンシアヌレートの少なくともいずれかを含 でいるので、高い難燃性と透磁率とを両立 、アクリルゴムとエポキシ樹脂を用いた場 は、耐湿性、特に高温高湿環境下での磁気 特性の低下を抑制し、エチレン酢酸ビニル 重合体を用いた場合は柔軟性を付与でき、 かもハロゲンフリーで環境への負荷が小さ 。このため、本発明の前記磁性シートは、 磁ノイズ抑制体、電波吸収体、磁気シール 材、RFID(Radio Frequency Identification)等のICタグ 機能を有する電子機器、非接触ICカードなど 好適に使用することができ、特に、RFID機能 付携帯電話に好適に使用することができる。

 本発明の前記磁性シートの製造方法とし は、特に制限はなく、公知の方法の中から 宜選択することができるが、例えば、以下 方法により好適に製造することができる。

<製造方法>
 前記磁性シートの製造方法は、磁性組成物 、基材上に塗布し、成形することを少なく も含み、更に必要に応じて適宜選択した、 の他の工程を含む。

-磁性組成物-
 前記磁性組成物は、バインダー、磁性粉及 難燃剤を少なくとも含有し、更に必要に応 て適宜選択した、その他の成分を含有して り、前記難燃剤が、ケイ素原子を含むメラ ンシアヌレート及びカルボン酸アミドを含 メラミンシアヌレートの少なくともいずれ を少なくとも含み、好ましくは、赤リンを に含む。
 なお、前記バインダー、前記磁性粉、前記 燃剤(前記ケイ素原子を含むメラミンシアヌ レート、前記カルボン酸アミドを含むメラミ ンシアヌレート、前記赤リン)及び前記その の成分の詳細については、上述した通りで る。

-基材-
 前記基材としては、特に制限はなく、目的 応じて適宜選択することができるが、形成 た前記磁性シートを容易に剥離可能な点で 剥離処理が施されたポリエステルフィルム( 剥離PET)などが好適に挙げられる。

-塗布-
 前記塗布の方法としては、特に制限はなく 目的に応じて適宜選択することができ、例 ば、スピンコート法、ディップコート法、 ーダーコート法、カーテンコート法、ブレ ドコート法、ドクターブレード法などが挙 られる。これらの中でも、塗布効率が良好 点で、ブレードコート法、ドクターブレー 法などが好ましい。

-成形-
 前記成形の方法としては、特に制限はなく 目的に応じて適宜選択することができ、例 ば、加熱プレスにより行うことができる。
 前記加熱プレスの方法としては、特に制限 なく、目的に応じて適宜選択することがで 、例えば、前記基材上に塗布した前記磁性 成物からなる層の両側から、それぞれ緩衝 を介してプレス板で挟みこんで、加熱及び 圧することにより行うことができる。
 前記加熱プレスの条件としては、特に制限 なく、目的に応じて適宜選択することがで 、プレス温度としては、例えば、80~190℃が ましく、プレス圧力としては、例えば、5~20 MPaが好ましく、プレス時間としては、例えば 、1~20分間が好ましい。

 前記緩衝材としては、その構造、厚み、材 (材料)については、特に制限はなく、目的 応じて適宜選択することができる。
 前記緩衝材は、市販品であってもよいし、 宜作製したものであってもよいが、前記市 品としては、例えば、上質紙(「OKプリンス 質70」;王子製紙(株)製、ベック平滑度6.2秒/m L)、クッション紙(「TF190」;東洋ファイバー( )製、ベック平滑度1.7秒/mL)、ナイロンメッシ ュ(「N-NO.110S」;東京スクリーン(株)製、ベッ 平滑度0.1秒/mL未満)、綿布(「かなきん3号」; 本規格協会製、ベック平滑度0.1秒/mL未満)、 粘着材用原紙(「SO原紙18G」;大福製紙(株)製、 ベック平滑度0.1秒/mL未満)、両面剥離紙(「100G VW(高平滑面)」;王子製紙(株)製、ベック平滑 146秒/mL)、両面剥離紙(「100GVW(低平滑面)」;王 子製紙(株)製、ベック平滑度66秒/mL)、などが げられる。

 なお、前記ベック平滑度は、紙や布などの ート状部材の凹凸を有する表面を、ある特 量の空気が通過するのに要する時間で表さ る。前記シート状部材表面の凹凸度合いが きいほど、前記ベック平滑度は小さくなり いわゆる「滑り性」に優れることを意味す 。
 前記ベック平滑度の測定は、例えば、ベッ 式平滑度試験機(テスター産業株式会社製) 用いて行うことができる。

 また、前記緩衝材は、その表面に凹凸形 が形成されていること、即ち、気体を通過 せることができる通気部を有することが好 しい。該通気部を有することにより、加熱 レス時に、アウトガスや磁性シートに含ま ていた空気が発生した場合であっても、通 部を通じてアウトガスや空気を外部に逃が ことができ、もって加熱プレス後の磁性シ ト表面にまだら模様(光沢がある部分と光沢 がない部分で形成された模様)が形成されて 観が悪化するのを防止することができる。

 以上により、前記磁性組成物が、前記基 上に塗布され、成形されて、磁性シートが 造される。ここで、前記磁性シートは、前 基材(剥離PET)上に積層された状態で得られ が、前記基材を前記磁性シートから剥離し 使用することができる。

 以下、本発明の実施例について説明する 、本発明は下記実施例に何ら限定されるも ではない。

(実施例1)
-磁性シートの作製-
 まず、トルエン270質量部及び酢酸エチル120 量部に、前記バインダーとしての、エポキ 基を有するアクリルゴム(「SG80H-3」;ナガセ ムテックス(株)製、数平均分子量150,000、重 平均分子量350,000、分子量300,000~500,000、Tg11 、エポキシ基及び水酸基含有、主モノマー; チルアクリレート(EA)/アクリロニトリル(AN)) 73.5質量部、エポキシ樹脂(「エピコート1031S ;ジャパンエポキシレジン(株)製)20.4質量部、 及び潜在性硬化剤(「HX3748」;旭化成ケミカル (株)製)6.1質量部を溶解させて樹脂組成物を 製した。これに、前記磁性粉としての扁平 性粉末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)500質 量部、並びに、前記難燃剤としての、ケイ素 原子を含むメラミンシアヌレート(ケイ素化 物を用いて表面処理されたメラミンシアヌ ート、「MC-5S」;堺化学工業製、個数平均粒 0.5μm)109.1質量部、及び赤リン(「ST-100」;燐化 学工業製)6.8質量部を添加し、これらを混合 て磁性組成物を調製した。

 次に、得られた磁性組成物を、前記基材と ての、剥離処理が表面に施されたポリエス ルフィルム(剥離PET)(「38GS」;リンテック製 厚み38μm)上に、バーコーターにより、厚み 185μmとなるように塗布し、バーコーターで 布した磁性組成物からなる層を4枚積層させ 。
 次いで、剥離PET及びこれに塗布された磁性 成物からなる層の両面に、それぞれ前記緩 材として、上質紙(「OKプリンス上質70」;王 製紙(株)製、厚み100μm、ベック平滑度6.2秒/m L)を積層した。そして、真空プレス(北川精機 (株)製)を用いて、プレス温度170℃、プレス時 間10分間、プレス圧力9MPaの条件で、前記緩衝 材を介してプレス板により加熱プレスした。
 その後、サンプルサイズ250mm×250mmとなるよ に裁断し、剥離PETを剥離し、磁性シートを た。

<メラミンシアヌレートにおけるケイ素原 の存在確認>
 得られた磁性シートを、トルエンに浸漬さ た後、乳鉢で粉砕させ、得られた粉砕物を ルエンに分散させた。次いで、遠心分離に り、前記磁性粉と前記バインダーとを分離 、更に前記バインダー中の各成分を分離し 抽出し、前記難燃剤としてのMC-5S(堺化学工 製)について、蛍光X線分析(XRF)を行った。こ のXRF測定データを、図1Aに示す。また、比較 ため、メラミンシアヌレート(表面処理無し )として、MC-20N(堺化学工業製)のXRF測定データ を図1Bに、MC-40N(堺化学工業製)のXRF測定デー を図1Cに、それぞれ示す。図1A~図1Cより、前 MC-5SのXRF測定データにのみ、ケイ素原子が 出されており、前記MC-5Sが、ケイ素原子を含 んでいることが確認された。

(実施例2~7)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、前記磁性粉及び前記難燃 剤の少なくともいずれかの配合量を、表1~2に 示すように変えた以外は、実施例1と同様に て、磁性シートを作製した。

(実施例8)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、前記難燃剤としての、ケ イ素原子を含むメラミンシアヌレート(ケイ 化合物を用いて表面処理されたメラミンシ ヌレート、「MC-5S」;堺化学工業製)を、カル ン酸アミドを含むメラミンシアヌレート(前 記脂肪酸としてのラウリン酸を用いて表面処 理されたメラミンシアヌレート、「MC-5F」;堺 化学工業製、個数平均粒径0.5μm)に代えた以 は、実施例1と同様にして、磁性シートを作 した。

<メラミンシアヌレートにおけるカルボン アミドの存在確認>
 得られた磁性シートを、トルエンに浸漬さ た後、乳鉢で粉砕させ、得られた粉砕物を ルエンに分散させた。次いで、遠心分離に り、前記磁性粉と前記バインダーとを分離 、更に前記バインダー中の各成分を分離し 抽出し、前記難燃剤としてのMC-5F(堺化学工 製)について、熱分解ガスクロマトグラフィ ー(Py-GC-MS)による分析を行った。このPy-GC-MS測 定データを、図2Aに示す。また、比較のため メラミンシアヌレート(表面処理無し)とし 、MC-20N(堺化学工業製)のPy-GC-MS測定データを 2Bに、MC-40N(堺化学工業製)のPy-GC-MS測定デー を図2Cに示す。図2A~図2Cより、前記MC-5FのPy-G C-MS測定データにのみ、ラウロイルアミドが 出されており、前記MC-5Fが、カルボン酸アミ ドを含んでいることが確認された。

 また、前記遠心分離により抽出した前記 性粉を、トルエンで洗浄し、得られた洗浄 の上澄みを回収し、トルエンをエバポレー により減圧留去した。次いで、残渣(トルエ ン洗浄液の濃縮物)について、赤外分光法(IR) よる分析を行った。このIR測定データを、 3Aに示す。図3Aより、水酸基に由来するOH伸 振動が観られなかった。そこで、ライブラ ー検索を行ったところ、図3Bに示すように、 前記トルエン洗浄液の濃縮物は、脂肪酸エス テルの一種であるグリセリド(グリセリンと 肪酸とのエステル化合物)であることが判り 前記磁性粉中には、カルボン酸アミドが含 れていないことが確認された。なお、図3B 、実線は、トルエン洗浄液の濃縮物を表し 破線は、ライブラリー(グリセリド)を表す。

(実施例9)
-磁性シートの作製-
 実施例8において、前記磁性粉としての扁平 磁性粉末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)を 扁平磁性粉末(「EMS-10」;三菱マテリアル(株) )に代え、赤リンの配合量を、表2に示すよ に変えた以外は、実施例8と同様にして、磁 シートを作製した。

(実施例10~11)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレート及び赤リンの配合量を、表2~3 に示すように変えた以外は、実施例1と同様 して、磁性シートを作製した。

(実施例12)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、前記磁性粉としての扁平 磁性粉末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)を 扁平磁性粉末(「JEM-G2」;三菱マテリアル(株) )に代え、前記難燃剤として、カルボン酸ア ミドを含むメラミンシアヌレート(「MC-5F」; 化学工業製)を更に添加すると共に、ケイ素 子を含むメラミンシアヌレート及び赤リン 配合量を表3に示すように変えた以外は、実 施例1と同様にして、磁性シートを作製した

(実施例13~14)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、前記難燃剤として、カル ボン酸アミドを含むメラミンシアヌレート( MC-5F」;堺化学工業製)を更に添加すると共に ケイ素原子を含むメラミンシアヌレート及 赤リンの配合量を表3に示すように変えた以 外は、実施例1と同様にして、磁性シートを 製した。

(実施例15~20)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレート及び赤リンの配合量を、表3~4 に示すように変えた以外は、実施例1と同様 して、磁性シートを作製した。

(比較例1)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、メラミンシアヌレート( 面処理無しメラミンシアヌレート、「MC4000 ;日産化学工業製)に代えた以外は、実施例4 同様にして、磁性シートを作製した。

(比較例2)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、メラミンシアヌレート( 面処理無しメラミンシアヌレート、「MC6000 ;日産化学工業製)に代えた以外は、実施例4 同様にして、磁性シートを作製した。

(比較例3)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、ポリリン酸メラミン(「PM P100」;日産化学工業製)に代えた以外は、実施 例4と同様にして、磁性シートを作製した。

(比較例4)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、ポリリン酸メラミン(「PM P200」;日産化学工業製)に代えた以外は、実施 例4と同様にして、磁性シートを作製した。

(比較例5)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、水酸化マグネシウム(「MG Z-3」;堺化学工業製)に代えた以外は、実施例4 と同様にして、磁性シートを作製した。

(比較例6)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、ポリリン酸アンモニウム (「AP462」;クラリアントジャパン製)に代えた 外は、実施例4と同様にして、磁性シートを 作製した。

(比較例7)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、ポリリン酸アンモニウム (「FCP-770」;鈴裕化学製)に代えた以外は、実 例4と同様にして、磁性シートを作製した。

(比較例8)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、被覆ポリリン酸アンモニ ウム(「TERRAJUC80」;ブーデンハイム・イベリカ 社製)に代えた以外は、実施例4と同様にして 磁性シートを作製した。

(比較例9)
-磁性シートの作製-
 実施例4において、ケイ素原子を含むメラミ ンシアヌレートを、ポリリン酸アンモニウム (FRCROSS486);ブーデンハイム・イベリカ社製)に えた以外は、実施例4と同様にして、磁性シ ートを作製した。

(比較例10)
-磁性シートの作製-
 比較例1において、前記磁性粉としての扁平 磁性粉末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)を 扁平磁性粉末(「EMS-10」;三菱マテリアル(株) )に代えた以外は、比較例1と同様にして、 性シートを作製した。

(比較例11)
-磁性シートの作製-
 比較例3において、前記磁性粉としての扁平 磁性粉末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)を 扁平磁性粉末(「EMS-10」;三菱マテリアル(株) )に代えた以外は、比較例3と同様にして、 性シートを作製した。

(比較例12)
-磁性シートの作製-
 比較例4において、前記磁性粉としての扁平 磁性粉末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)を 扁平磁性粉末(「EMS-10」;三菱マテリアル(株) )に代えた以外は、比較例4と同様にして、 性シートを作製した。

(実施例21)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、(i)前記バインダーとして の、エポキシ基を有するアクリルゴム73.5質 部、エポキシ樹脂20.4質量部、及び潜在性硬 剤6.1質量部を、エチレン酢酸ビニル共重合 (「レバプレン800HV」;バイエル社製、前記エ チレン酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニ ル量80モル%、比重0.98g/cm 3 )に代え、(ii)前記磁性粉としての、扁平磁性 末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)500質量部 を、扁平磁性粉末(Fe-Si-Al、「EMS-10」;三菱マ リアル(株)製)600質量部に代え、(iii)前記難燃 剤としての、ケイ素原子を含むメラミンシア ヌレート109.1質量部を、カルボン酸アミドを むメラミンシアヌレート(前記脂肪酸として のラウリン酸を用いて表面処理されたメラミ ンシアヌレート、「MC-5F」;堺化学工業製、個 数平均粒径0.5μm)80質量部に代え、(iv)前記難 剤としての、赤リン6.8質量部を、赤リン10質 量部に代えた以外は、実施例1と同様にして 磁性シートを作製した。

(実施例22)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としてのカ ボン酸アミドを含むメラミンシアヌレート 配合量を、表7に示すように変えた以外は、 施例21と同様にして、磁性シートを作製し 。
 また、作製した磁性シート(厚さ500μm)の周 数特性をネットワークアナライザー(「N5230A 、アジレントテクノロジー製)で測定した。 その結果を図4A及びBに示す。
 図4A及び図4Bにおいて、磁性シートの透磁率 が大きく、良好な特性であることがわかる。 本磁性シートは、KHz~GHz帯で使用可能である

(実施例23)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としてのカ ボン酸アミドを含むメラミンシアヌレート 配合量を、表7に示すように変え、前記難燃 として水酸化アルミニウム(「AOH60」;ナバル テック社製)5質量部をさらに添加した以外は 実施例21と同様にして、磁性シートを作製 た。

(実施例24)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としてのカ ボン酸アミドを含むメラミンシアヌレート び赤リンの配合量を、表7に示すように変え 以外は、実施例21と同様にして、磁性シー を作製した。

(実施例25)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記バインダーとして 、エチレン酢酸ビニル共重合体(「レバプレ 800HV」;バイエル社製、前記エチレン酢酸ビ ル共重合体における酢酸ビニル量80モル%、 重0.98g/cm 3 )を、エチレン酢酸ビニル共重合体(「EV45LX」; 三井デュポンポリケミカル製、前記エチレン 酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル量46 ル%、比重0.98g/cm 3 )に代え、前記難燃剤としてのカルボン酸ア ドを含むメラミンシアヌレートの配合量を 表7に示すように変えた以外は、実施例21と 様にして、磁性シートを作製した。

(実施例26)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記バインダーとして 、エチレン酢酸ビニル共重合体(「レバプレ 800HV」;バイエル社製、前記エチレン酢酸ビ ル共重合体における酢酸ビニル量80モル%、 重0.98g/cm 3 )を、エチレン酢酸ビニル共重合体(「レバプ ン600HV」;バイエル社製、前記エチレン酢酸 ニル共重合体における酢酸ビニル量60モル% 比重1.04g/cm 3 )に代え、前記難燃剤としてのカルボン酸ア ドを含むメラミンシアヌレートの配合量を 表7に示すように変えた以外は、実施例21と 様にして、磁性シートを作製した。

(実施例27)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記バインダーとして 、エチレン酢酸ビニル共重合体(「レバプレ 800HV」;バイエル社製、前記エチレン酢酸ビ ル共重合体における酢酸ビニル量80モル%、 重0.98g/cm 3 )を、エチレン酢酸ビニル共重合体(「レバプ ン900HV」;バイエル社製、前記エチレン酢酸 ニル共重合体における酢酸ビニル量90モル% 比重1.15g/cm 3 )に代えた以外は、実施例21と同様にして、磁 性シートを作製した。

(実施例28)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記磁性粉としての扁 磁性粉末(Fe-Si-Al;EMS-10)の配合量及び前記難燃 剤としてのカルボン酸アミドを含むメラミン シアヌレートの配合量を、表7に示すように えた以外は、実施例21と同様にして、磁性シ ートを作製した。

(比較例13)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、ポリリン酸アンモニウム(「FCP-770」;鈴 化学製)に代え、前記磁性粉としての扁平磁 粉末の配合量を、表8に示すように変えた以 外は、実施例21と同様にして、磁性シートを 製した。

(比較例14)
-磁性シートの作製-
 比較例13において、前記難燃剤としての、 リリン酸アンモニウムを、水酸化アルミニ ム(「AOH60」;ナバルテック社製)に代えた以外 は、比較例13と同様にして、磁性シートを作 した。

(比較例15)
-磁性シートの作製-
 比較例13において、前記難燃剤としての、 リリン酸アンモニウムを、水酸化マグネシ ム(「MGZ-3」;堺化学工業製)に代えた以外は、 比較例13と同様にして、磁性シートを作製し 。

(比較例16)
-磁性シートの作製-
 比較例15において、前記難燃剤として水酸 アルミニウム(「AOH60」;ナバルテック社製)10 量部をさらに添加し、前記磁性粉として扁 磁性粉末の配合量を、表8に示すように変え た以外は、比較例15と同様にして、磁性シー を作製した。

(比較例17)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、メラミンシアヌレート(表面処理無しメ ミンシアヌレート、「MC4000」;日産化学工業 製)に代えた以外は、実施例21と同様にして、 磁性シートを作製した。

(比較例18)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、ポリリン酸メラミン(「PMP100」;日産化学 工業製)に代えた以外は、実施例21と同様にし て、磁性シートを作製した。

(比較例19)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、ポリリン酸メラミン(「PMP200」;日産化学 工業製)に代えた以外は、実施例21と同様にし て、磁性シートを作製した。

(比較例20)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、ポリリン酸アンモニウム(「FCP-770」;鈴 化学製)に代えた以外は、実施例21と同様に て、磁性シートを作製した。

(比較例21)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、被覆ポリリン酸アンモニウム(「TERRAJUC80 」;ブーデンハイム・イベリカ社製)に代えた 外は、実施例21と同様にして、磁性シート 作製した。

(比較例22)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、ポリリン酸アンモニウム(FRCROSS486);ブー ンハイム・イベリカ社製)に代えた以外は、 実施例21と同様にして、磁性シートを作製し 。

(比較例23)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、水酸化アルミニウム(「AOH60」;ナバルテ ク社製)に代えた以外は、実施例21と同様に て、磁性シートを作製した。

(比較例24)
-磁性シートの作製-
 実施例21において、前記難燃剤としての、 ルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー を、水酸化マグネシウム(「MGZ-3」;堺化学工 製)に代えた以外は、実施例21と同様にして 磁性シートを作製した。

(実施例29)
-磁性シートの作製-
 実施例1において、(i)前記バインダーとして の、エポキシ基を有するアクリルゴム(「SG80H -3」;ナガセケムテックス(株)製、数平均分子 150,000、重量平均分子量350,000、分子量300,000~ 500,000、Tg11℃、エポキシ基及び水酸基含有、 モノマー;エチルアクリレート(EA)/アクリロ トリル(AN))73.5質量部、エポキシ樹脂(「エピ コート1031S」;ジャパンエポキシレジン(株)製) 20.4質量部、及び潜在性硬化剤(「HX3748」;旭化 成ケミカルズ(株)製)6.1質量部を、アクリルゴ ムA(「SGシリーズ」;ナガセケムテックス(株) 、分子量400,000~600,000、Tg-25℃、エポキシ基含 有、主モノマー;エチルアクリレート(EA)/アク リロニトリル(AN))92質量部、及び潜在性硬化 (「HX3748」;旭化成ケミカルズ(株)製)8質量部 代え、(ii)前記磁性粉としての、扁平磁性粉 (「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)500質量部を 、扁平磁性粉末(Fe-Si-Al、「EMS-10」;三菱マテ アル(株)製)800質量部に代え、(iii)前記難燃剤 としての、ケイ素原子を含むメラミンシアヌ レート109.1質量部を、カルボン酸アミドを含 メラミンシアヌレート(前記脂肪酸としての ラウリン酸を用いて表面処理されたメラミン シアヌレート、「MC-5F」;堺化学工業製、個数 平均粒径0.5μm)115質量部に代え、(iv)前記難燃 としての赤リンの含有量6.8質量部を11.5質量 部に変えた以外は、実施例1と同様にして、 性シートを作製した。

(実施例30)
 実施例29において、前記バインダーとして 、アクリルゴムA92質量部を、アクリルゴムA7 2質量部、及びアクリルゴムB(SG790、ナガセケ テックス(株)製、分子量400,000~600,000、Tg-32℃ 、水酸基含有、主モノマー;ブチルアクリレ ト(BA)/アクリロニトリル(AN))20質量部に代え 以外は、実施例29と同様にして、磁性シート を作製した。

(実施例31)
 実施例30において、前記バインダーとして アクリルゴムAの含有量72質量部を69質量部に 変え、前記バインダーとしてのアクリルゴム Bの含有量20質量部を23質量部に変え、前記磁 粉としての扁平磁性粉末(Fe-Si-Al、「EMS-10」; 三菱マテリアル(株)製)800質量部を、扁平磁性 粉末(「JEM-S」;三菱マテリアル(株)製)1,300質量 部に代えた以外は、実施例30と同様にして、 性シートを作製した。

(実施例32)
 実施例31において、前記磁性粉としての扁 磁性粉末の含有量1,300質量部を1,550質量部に えた以外は、実施例31と同様にして、磁性 ートを作製した。

(実施例33)
 実施例8において、前記磁性粉としての扁平 磁性粉末の含有量500質量部を1,020質量部に変 、前記難燃剤としてのカルボン酸アミドを むメラミンシアヌレートの含有量109.1質量 を79.6質量部に変え、前記難燃剤としての赤 ンの含有量9.1質量部を8.8質量部に変えた以 は、実施例8と同様にして、磁性シートを作 製した。

 実施例1~33及び比較例1~24で得られた磁性 ートについて、下記方法に基づいて、燃焼 験による難燃性の評価、透磁率の測定、高 高湿環境下における信頼性試験(厚み変化率 びインダクタンス変化率の測定)、信頼性試 験前後における磁性シート表面からの粉落ち の有無、並びに引張試験による引張強度の測 定を評価した。さらに、実施例29~32について 、LOSS特性についても評価し、実施例29~33に いては、表面光沢度についても評価した。 果を、表1~表10に示す。

〔燃焼試験〕
 前記燃焼試験として、UL94V試験(機器の部品 プラスチック材料の燃焼性試験)を行った。 該UL94V試験は、鉛直に保持した所定の大きさ 試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後 残炎時間から難燃性を評価する方法であり 評価結果は以下に示すクラスに分けられる

-評価クラス-
 V-0:各試料の残炎時間が10秒以下で、5試料の 全残炎時間が、50秒以下。
 V-1:各試料の残炎時間が30秒以下で、5試料の 全残炎時間が、250秒以下。
 V-2:燃焼時間は、V-1と同じであるが、有炎滴 下物が存在する。
 NG :難燃性が低く、UL94Vの規格に適合しない 。
 ここで、前記「残炎時間」とは、着火源を ざけた後における、試験片が有炎燃焼を続 る時間の長さを意味する。

〔透磁率〕
 まず、外径7.05mm、内径2.945mmに抜き加工した リング状サンプルを作製し、これに導線を5 ーン巻き、端子に半田付けした。ここで、 記端子の根元から前記リング状サンプルの までの長さを20mmとした。そして、インピー ンスアナライザー(「4294A」;アジレントテク ノロジー社製)を用いて、キャリア周波数(13.5 6MHz)におけるインダクタンスと抵抗値とを測 し、透磁率に換算した。なお、実施例21~33 び比較例13~24については、1MHzにおけるイン クタンスと抵抗値とを測定し、透磁率に換 した。
 なお、μ’は、複素透磁率の実数部を表し μ’’は、複素透磁率の虚数部を表す。
 μ’及びμ’’の特性は、磁性シートの使用 目的によって異なり、例えば、RFIDデバイス 通信改善の場合には、20MHz以下の周波数で、 高μ’かつ低μ’’であるのが好ましい。
 なお、本磁性シートはKHz~GHz帯で使用するこ とができる。

〔信頼性試験〕
-厚み変化-
 まず、磁性シートの厚みを測定した。次い 、磁性シートをオーブンに入れ、85℃/60%の 件で96時間加熱し、オーブンから取り出し 後の磁性シートの厚みを測定し、加熱前後 磁性シートの厚み変化率を測定した。

-インダクタンス変化-
 まず、前記透磁率の測定と同様にして、リ グ状サンプルに、導線を巻いて端子に半田 けして作製したサンプルのインダクタンス( L)を測定した。次いで、このサンプルをオー ンに入れ、85℃/60%の条件で96時間加熱し、 ーブンから取り出した後のインダクタンス 測定し、加熱前後のインダクタンス変化率 測定した。

〔粉落ち〕
 前記粉落ちは、上述した信頼性試験の前後 おいて、磁性シート表面を触ったときに、 磁性シート表面から磁性粉が落ちて、該磁 粉が、手に付着するかどうかを観察するこ により評価した。

〔引張試験〕
 JIS K6251に準拠した方法で試料10本の引張強 を測定した。なお、表における引張試験の の値は、試料10本の平均値である。

〔表面光沢度〕
 前記表面光沢度は、JIS Z8741またはJIS P8142 従って求めた。

〔LOSS特性(伝送損失)の測定方法〕
 伝送損失の測定にはインピーダンスZ=50ωの イクロストリップラインを使用した。マイ ロストリップライン線路は、面実装部品の 装に適した構造と作製のしやすさによって 広く使われている近傍ノイズの伝送損失測 方法である。使用したマイクロストリップ インの形状を図5に示す。伝送損失は、絶縁 体基板の表面に直線状の導体路を設け、この 導体路上に磁性シート置いて測定したもので ある。導体路の両端はネットワークアナライ ザーに接続される。そして、矢印で示す入射 波に対して、電磁波吸収材料の載置部位から の反射量(dB)および透過量(dB)を測定し、それ の差をロス量とし、伝送損失(吸収率)を求 た(入射量=反射S11+loss+透過S21)。具体的には 既知の入射量を入射し、測定で、反射量S11 び透過量S21を測定し、算出してロス量を求 た。
 マイクロストリップラインの伝送損失は磁 シートの厚みが厚くなるほど高くなる。一 的には、厚みが薄く且つ高伝送損失の磁性 ートが望まれている。

 表1~表10の結果より、前記難燃剤として、ケ イ素原子を含むメラミンシアヌレート、及び カルボン酸アミドを含むメラミンシアヌレー トの少なくともいずれかを少なくとも含む、 実施例1~33の磁性シートは、難燃性が高く、 温高湿環境下での信頼性試験の前後いずれ おいても、磁性シート表面からの粉落ちが じなかった。また、13.56MHzにおける初期透磁 率が高く、RFID機能付携帯電話に好適に使用 ることができることが判った。また、潜在 硬化剤をさらに含む実施例1~20の磁性シート 、高温高湿環境下での寸法安定性が良好で ることが判った。さらに、潜在性硬化剤を まず、バインダーとしてエチレン酢酸ビニ を含み、難燃剤としてカルボン酸アミドを むメラミンシアヌレートを含む実施例21~28 磁性シートは、柔軟にすることができるこ が判った。また、実施例29~32の磁性シートは 、LOSS特性評価の結果より、高い電波吸収性 示すことが判った。
 一方、比較例1~24の磁性シートにおいては、 いずれも信頼性試験の前後において、磁性シ ート表面からの粉落ちが生じた。また、比較 例5~9及び13~24の磁性シートは、難燃性が極め 低く、前記難燃剤として、何ら表面処理が れていないメラミンシアヌレートを含む比 例1、2及び10、並びに、ポリリン酸メラミン を含む比較例3、4、11及び12の磁性シートは、 いずれも難燃性は良好であったが、高温高湿 環境下での厚み変化率が大きく、寸法安定性 に劣り、磁気的特性の低下も大きいことが判 った。

 本発明の磁性シートは、例えば、電磁ノ ズ抑制体、電波吸収体、磁気シールド材、R FID等のICタグ機能を有する電子機器、非接触I Cカードなどに好適に使用することができ、 に、RFID機能付携帯電話に好適に使用するこ ができる。