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Title:
METHOD FOR CHEMICALLY MODIFYING BIOPOLYMER OR POLYPEPTIDE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069727
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for chemically modifying a biopolymer or polypeptide with a hydrophobic compound or a compound which is decomposable or reactive under basic conditions. Specifically disclosed is a method for producing a chemically modified biopolymer or polypeptide, which is characterized in that a biopolymer or polypeptide is chemically modified in a reaction solution containing an organic fluorine compound.

Inventors:
OOYA SHOUJI (JP)
HIRATOU TETSUO (JP)
NAKAMURA KENTARO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071611
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
OOYA SHOUJI (JP)
HIRATOU TETSUO (JP)
NAKAMURA KENTARO (JP)
International Classes:
C07K1/113; C08H1/00
Domestic Patent References:
WO2008072379A12008-06-19
WO2004085473A22004-10-07
Foreign References:
JPH04189833A1992-07-08
JP2006063283A2006-03-09
JPH05214092A1993-08-24
JP2001224677A2001-08-21
JP2002531182A2002-09-24
JP2004532802A2004-10-28
JP2004321484A2004-11-18
EP0926543B12004-05-12
EP1398324A12004-03-17
EP1014176A22000-06-28
US6645712B12003-11-11
Other References:
See also references of EP 2221334A4
Attorney, Agent or Firm:
SIKs & Co. (Kyobashi-Nisshoku Bldg.8-7, Kyobashi 1-chom, Chuo-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
有機フッ素化合物を含む反応溶液中において生体高分子又はポリペプチドを化学修飾することを特徴とする、化学修飾された生体高分子又はポリペプチドの製造方法。
生体高分子が、タンパク質、多糖、及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の方法。
生体高分子がタンパク質である、請求項1又は2に記載の方法。
タンパク質がコラーゲン、ゼラチン、アルブミン、ラミニン、カゼイン、フィブロイン、フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ウロキナーゼ、トロンボモジュリン、及びアンチトロンビンIIIからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1から3の何れかに記載の方法。
タンパク質が、ヒト、牛、豚、魚、又は植物に由来するタンパク質、あるいは遺伝子組み換えタンパク質である、請求項3又は4に記載の方法。
化学修飾が、アミド結合、エステル結合、エーテル結合、又はウレタン結合を介してなる化学修飾である、請求項1から5の何れかに記載の方法。
化学修飾が、分子間の架橋反応、又は分子内の架橋反応である、請求項1から5の何れかに記載の方法。
化学修飾が、生体高分子又はポリペプチドへの官能基の導入である、請求項1から5の何れかに記載の方法。
生体高分子の化学修飾のために使用される化合物が、炭酸エステル基、エポキシド基、エステル基、アミド基、又はジチオカルバミル基を有している化合物である、請求項1から8の何れかに記載の方法。
縮合剤を用いて化学修飾を行う、請求項1から9の何れかに記載の方法。
酸無水物、酸塩化物、又はエポキシドとの反応により化学修飾を行う、請求項1から9の何れかに記載の方法。
有機フッ素化合物の炭素数が1から8である、請求項1から11の何れかに記載の方法。
有機フッ素化合物が、アルコール、ケトンである、請求項1から12の何れかに記載の方法。
有機フッ素化合物が、2,2,2-トリフルオロエタノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、又はヘキサフルオロアセトンである、請求項1から13の何れかに記載の方法。
有機フッ素化合物が2,2,2-トリフルオロエタノールである、請求項1から14の何れかに記載の方法。
 
Description:
生体高分子およびポリペプチド 化学修飾方法

 本発明は、生体高分子およびポリペプチ の効率的な化学修飾方法に関する。

 生体由来の高分子である生体高分子はそ ぞれ特異な物理的および生物的な性質を有 ることから、医学および生物学用途で頻繁 利用されている。しかし、生体高分子は一 に合成高分子に比べて加工性や性能の制御 劣っており、生体高分子と合成高分子のハ ブリッド化や低分子化合物による化学修飾 よる生体高分子の高機能化が計られている

 一方、遺伝子工学の発展により、様々な 体のタンパク質と同等、類似なタンパク質 あるいは新規なタンパク質を人工的に合成 ることができている。特に、人工的に合成 たタンパク質は化学修飾可能な官能基の導 も可能であり、該新規タンパク質の化学修 により、より高機能のタンパク質類似体を 成することが可能となっている。しかしな ら、該手法では、側鎖への官能基の導入は られており、導入不可能な官能基が多いの 現状である。

 生体高分子やポリペプチドの側鎖を化学 飾する際には、一般に水中でアミノ基ある はカルボキシル基を用い、縮合反応による 法を用いる。すなわち、水溶性の生体高分 やポリペプチドを水に溶解し、縮合剤によ 所望の官能基を有する化合物との反応によ 、官能基を生体高分子やポリペプチドに導 している(特許文献1)。該手法では、難水溶 の化合物の導入には適用が困難である。難 溶性の化合物の導入には、水酸化ナトリウ 水溶液にてあらかじめ修飾する化合物を溶 した後、pHを中性付近に戻し、水中にて反 する方法が用いられる(非特許文献1)。しか 、該手法では、疎水性の高い化合物では溶 度が稼げないこと、アルカリにて分解や反 を起こす官能基を有する化合物には適用で ないことが示唆された。

 一方、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパ ール(HFIP)はコラーゲンやゼラチンといった ンパク質を溶解することから、組織構築用 トリックス(特許文献2)やエレクトロスピニ グ法による繊維状マトリックスの作成(特許 文献3、及び特許文献4)が行われている。しか し、これらは単にマトリックスを作成するに とどまっており、タンパク質自身の化学修飾 についての教示も示唆もない。

Journal of Biomaterial Science, Polymer Edition  16(7)809-827,  2005

特開2001-224677号公報

特表2002-531182号公報

特表2004-532802号公報

特開2004-321484号公報

 本発明は、上記した従来技術の問題点を 消することを解決すべき課題とした。即ち 本発明は、生体高分子あるいはポリペプチ を、疎水性の化合物又は塩基性条件下で分 や反応を起こす化合物で化学修飾する方法 提供することを解決すべき課題とした。

 本発明者らは上記課題を解決するために 意検討した結果、有機フッ素化合物を含む 応溶液中において生体高分子又はポリペプ ドを化学修飾することによって、疎水性の い化合物あるいはアルカリにて分解や反応 起こす化合物でも効率よく導入できること 見出し、本発明を完成するに至った。

 即ち、本発明によれば、有機フッ素化合物 含む反応溶液中において生体高分子又はポ ペプチドを化学修飾することを特徴とする 化学修飾された生体高分子又はポリペプチ の製造方法が提供される。
 好ましくは、生体高分子は、タンパク質、 糖、及びそれらの誘導体からなる群から選 れる少なくとも一種を含む。
 好ましくは、生体高分子はタンパク質であ 。

 好ましくは、タンパク質はコラーゲン、ゼ チン、アルブミン、ラミニン、カゼイン、 ィブロイン、フィブリン、フィブロネクチ 、ビトロネクチン、ウロキナーゼ、トロン モジュリン、及びアンチトロンビンIIIから る群から選ばれる少なくとも一種を含む。
 好ましくは、タンパク質は、ヒト、牛、豚 魚、又は植物に由来するタンパク質、ある は遺伝子組み換えタンパク質である。

 好ましくは、化学修飾は、アミド結合、エ テル結合、エーテル結合、又はウレタン結 を介してなる化学修飾である。
 好ましくは、化学修飾は、分子間の架橋反 、又は分子内の架橋反応である。
 好ましくは、化学修飾は、生体高分子又は リペプチドへの官能基の導入である。
 好ましくは、生体高分子の化学修飾のため 使用される化合物は、炭酸エステル基、エ キシド基、エステル基、アミド基、又はジ オカルバミル基を有している化合物である
 好ましくは、縮合剤を用いて化学修飾を行 。
 好ましくは、酸無水物、酸塩化物、又はエ キシドとの反応により化学修飾を行う。

 好ましくは、有機フッ素化合物の炭素数は1 から8である。
 好ましくは、有機フッ素化合物は、アルコ ル、ケトンである。
 好ましくは、有機フッ素化合物は、2,2,2-ト フルオロエタノール、1,1,1,3,3,3-ヘキサフル ロ-2-プロパノール、又はヘキサフルオロア トンである。
 好ましくは、有機フッ素化合物は2,2,2-トリ ルオロエタノールである。

 本発明を実施することにより、(1)水系に べて効率の高い反応を行うことができ、(2) 溶液中では低温でゲル形成するゼラチンの うな基質でかつ反応性の高い試薬を用いる 合にハンドリングが容易になり、(3)疎水性 高い化合物による修飾が可能となる。それ の結果、本発明の方法によれば、生体高分 やポリペプチドへ、種々の官能基を導入す ことが可能となり、生体高分子やポリペプ ドの高機能化が可能となる。

 以下、本発明についてさらに詳細に説明す 。
 本発明で用いる生体高分子(生体由来の高分 子)は、本発明を実現可能である限りは特に 定はないが、好ましくはタンパク質、多糖 又はそれらの誘導体又は塩類である。タン ク質の場合は、球状、繊維状等のタンパク のいずれでもよい。本発明でいう生体高分 には合成ポリペプチドも含まれる。生体高 子は、より好ましくは、コラーゲン、ゼラ ン、アルブミン、ラミニン、カゼイン、フ ブロイン、フィブリン、キトサン、フィブ ネクチン、ビトロネクチン、ウロキナーゼ トロンボモジュリン、アンチトロンビンIII よびヒアルロン酸エステルである。さらに ましくは、コラーゲン、ゼラチン、アルブ ン、カゼイン、フィブロインである。最も ましくはコラーゲンまたはゼラチンである タンパク質の由来は特に限定せず、ヒト、 、豚、魚、および遺伝子組み換え体のいず を用いても良い。遺伝子組み換え体として 、例えばEP0926543B,WO2004-085473号明細書、EP139832 4A、EP1014176A、US6645712に記載のものを用いるこ とができるがこれらに限定されるものではな い。また、該生体高分子は部分的に加水分解 されていてもよい。

 本発明で用いるポリペプチドの製法に特 規定はないが、例えば、大腸菌又は酵母で 成した任意のポリペプチド、又は化学合成 た任意のポリペプチドを用いることができ 。

 本発明で用いる有機フッ素化合物につい は生体高分子又はポリペプチドを溶解する りは特に限定はないが、好ましくは炭素数1 から8の有機フッ素化合物である。より好ま くは炭素数1から6の有機フッ素化合物である 。より好ましくは炭素数1から3の有機フッ素 合物である。さらに好ましくは、有機フッ 化合物はアルコール、ケトン、またはカル ン酸である。特に好ましくは、1,1,1,3,3,3-ヘ サフルオロ-2-プロパノール(HFIP)、2,2,2-トリ ルオロエタノール(TFE)、ヘキサフルオロア トン。最も好ましくは2,2,2-トリフルオロエ ノールである。該有機フッ素化合物は単独 たは該有機フッ素化合物と相溶性の溶媒と 混合で用いても構わない。

 本発明で用いる有機フッ素化合物は特に 定するものではないが、常温で液体のもの 好ましい。このうち、好ましくは炭素数2~8 ある非芳香族有機フッ素化合物又は炭素数6 ~12の芳香族含フッ素エステル類、カルボン酸 類、ニトリル類である。炭素数2~8である非芳 香族有機フッ素化合物としては、炭素数2~8の フッ素含有アルコール類、フッ素含有アミド 類、フッ素含有エステル類、フッ素含有カル ボン酸、フッ素含有エーテル類が好ましい。 該有機フッ素化合物はフッ素以外の元素が含 まれていても構わない。例えば、ハロゲン原 子で一部が置換されていても構わない。この うちより好ましくは炭素数が2から3であるフ 素含有アルコールである。最も好ましくは1 ,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール、2,2, 2-トリフルオロエタノール、トリフルオロ酢 、およびペンタフルオロプロピオン酸であ 。また、該溶媒は種々の溶媒と相溶性があ ため、相溶性のある溶媒との混合溶媒とし 利用しても構わない。

 1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノール( HFIP)や2,2,2-トリフルオロエタノール(TFE)に代 される有機フッ素化合物はコラーゲンやゼ チンといったタンパク質を溶解する。さら 、例えば、ゼラチンを含むHFIP溶液を4℃とし てもゲル形成しない。従って、反応性の高い 反応にもハンドリングが容易である。

 本発明でいう化学修飾の例としては、生 高分子又はポリペプチドの架橋、及び生体 分子又はポリペプチドへの官能基の導入を げることができる。

 生体高分子又はポリペプチドの架橋は、 橋剤を用いて行うことができる。本発明で いる架橋剤は本発明を実施可能である限り 特に限定はなく、化学架橋剤でも酵素でも いが、特に化学縮合剤が好ましい。架橋剤 しては、例えば、ホルムアルデヒド、グル ルアルデヒド、カルボジイミド、シアナミ 、ビニルスルホン、ジエポキシドなどが挙 られる。好ましくは、ホルムアルデヒド、 ルタルアルデヒドである。タンパク質の縮 に水よりも求核性の低い溶媒を用いること 望ましい。HFIPやTFEはアルコールであるが、 水酸基の酸性度が高く、求核性が低い。従っ て、該溶媒による求核攻撃を伴う反応の阻害 が少ないことが考えられる。

 本発明を生体高分子への官能基の導入に適 する場合、縮合剤とともに、所望の官能基 有する化合物を反応させる、または所望の 能基を有する酸無水物、酸塩化物、あるい エポキシドと反応させる。縮合剤としては 述の架橋剤と同様のものが好ましい。用い 化合物としては、特に限定はないが、疎水 の高い官能基、アルカリにて分解、反応を こす官能基を含む化合物が本発明の目的を 成するために好ましい。好ましくは、エス ル基、アミド基、ジチオカルバミル基、炭 エステル基、エポキシド基、α-オルソエス ル基を有する化合物、α、β不飽和結合を有 する化合物である。例えば、2-N,N-ジエチルジ チオカルバミルメチルー安息香酸、3-N,N-ジエ チルジチオカルバミルメチルー安息香酸、4-N ,N-ジエチルジチオカルバミルメチルー安息香 酸、2-ビニル安息香酸、3-ビニル安息香酸、4- ビニル安息香酸、カルボキシル化カンファキ ノンが挙げられる。
 また、化学修飾に用いる化合物として、酸 水物(例えば:2-N,N-ジエチルジチオカルバミ メチルー安息香酸無水物、3-N,N-ジエチルジ オカルバミルメチルー安息香酸無水物、4-N,N -ジエチルジチオカルバミルメチルー安息香 無水物、2-ビニル安息香酸無水物、3-ビニル 息香酸無水物、4-ビニル安息香酸無水物)、 塩化物(例えば:2-N,N-ジエチルジチオカルバ ルメチルー安息香酸塩化物、3-N,N-ジエチル チオカルバミルメチルー安息香酸塩化物、4- N,N-ジエチルジチオカルバミルメチルー安息 酸塩化物、2-ビニル塩化ベンゾイル、3-ビニ 塩化ベンゾイル、4-ビニル塩化ベンゾイル) エポキシドを用いることができる。

 本発明では、生体高分子あるいはポリペ チドを化学修飾する際、反応混合物中の縮 剤の濃度は一般的には1.0~10重量%であり、好 ましくは1.0~5.0重量%である。

 生体高分子の化学修飾には、生体高分子の 液と反応基質を混合する過程とそれらの均 溶液の反応する過程の2つの過程を有する。
 本発明において生体高分子と反応基質との 合温度は、溶液を均一に攪拌できる限り特 限定されないが、好ましくは0℃~40℃であり 、より好ましくは0℃~30℃であり、より好ま くは3℃~25℃であり、より好ましくは3℃~15℃ であり、さらに好ましくは3℃~10℃であり、 に好ましくは3℃~7℃である。

 生体高分子と反応基質とを攪拌した後は 度を上昇させることができる。反応温度と ては反応が進行する限りは特に限定はない 、生体高分子の変性や分解を考慮すると実 的には0℃~60℃であり、より好ましくは0℃~4 0℃であり、より好ましくは3℃~25℃であり、 り好ましくは3℃から15℃であり、さらに好 しくは3℃~10℃であり、特に好ましくは3℃~7 ℃である。

 本発明により得られる化学修飾(架橋又は 官能基導入)された生体高分子又はポリペプ ドからなる構造物の形態は特に規定はない 、例えばスポンジ、フィルム、不織布、フ イバー(チューブ)、粒子などが挙げられる。 形状はいずれの形状でも適用可能であるが、 例えば角錐、円錐、角柱、円柱、球、紡錘状 の構造物および任意の型により作成した構造 物が挙げられる。好ましくは、角柱、円柱、 紡錘状の構造物および任意の型により作成し た構造物である。より好ましくは、角錐、円 錐、角柱、円柱である。最も好ましくは角柱 、円柱である。

 該構造物の大きさは特に限定されないが スポンジ、不織布であれば好ましくは500 cm 四方以下である。好ましくは100 cm以下であ 。特に好ましくは50 cm以下である。最も好 しくは10 cm以下である。ファイバー(チュー )であれば、ファイバーまたはチューブの直 径(または一辺)は1 nm以上10 cm以下である。 ましくは1 nm以上1 cm以下である。より好ま くは1 nm以上100 μmである。特に好ましくは 1 nm以上1μm以下である。最も好ましくは1 nm 上10 nm以下である。また、長さは特に限定 れるものではないが、好ましくは10 μm以上 100 m以下である。より好ましくは100 μm以上1 0 m以下である。さらに好ましくは1 mm以上1  m以下である。最も好ましくは1 cm以上30 cm以 下である。粒子であれば、好ましくは1 nmか 1 mm、より好ましくは10 nmから200 μm、さら に好ましくは50 nmから100 μm、特に好ましく 100 nmから10μmである。

 構造物の厚さについては特に限定されな が、好ましくは1 nm以上である。より好ま くは、10 nm以上である。より好ましくは100  nm以上である。より好ましくは1 μm以上であ 。さらに好ましくは10 μm以上である。最も 好ましくは100 μm以上である。

 本発明の方法により製造される化学修飾 れた生体高分子又はポリペプチドには、必 に応じて添加剤を加えても良い。添加剤の としては、薬剤、色素剤、柔軟剤、経皮吸 促進剤、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、防 剤、香料、pH調整剤が挙げられる。

 本発明により製造した化学修飾された生 高分子又はポリペプチドは、その中に薬剤 封入して用いることができる。該薬剤の具 例としては、例えば抗癌剤(例えば、パクリ タキセル、トポテシン、タキソテール、5-フ オロウラシル、シスプラチン)、免疫抑制剤 (例えば、ラパマイシン、タクロリムス、シ ロスポリン)、抗炎症剤、抗血栓剤、抗精神 (例えば、塩酸アミトリプチリン)、抗うつ 、抗酸化剤、抗アレルギー剤、増殖因子(例 ば、繊維芽細胞増殖因子、上皮細胞増殖因 、インシュリン様増殖因子、トランスフォ ミング増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、 細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、神経 殖因子)、ホルモン、サプリメント成分、化 粧品成分が挙げられる。

 本発明の方法により製造される化学修飾 れた生体高分子又はポリペプチドの用途は に限定することはないが、経皮吸収剤、局 治療剤、経口治療剤、注射治療剤、化粧品 サプリメント、食品、および色素材である 好ましくは経皮吸収剤、局所治療剤、経口 療剤、化粧品である。さらに好ましくは経 吸収剤、局所治療剤、経口治療剤である。 も好ましくは経皮吸収剤、局所治療剤であ 。

 本発明により製造される化学修飾された 体高分子又はポリペプチドの用途として、 えば、抗癌剤を含有する皮膚外用剤が挙げ れる。皮膚外用剤の適用疾患としては、例 ば、皮膚癌、角化症、悪性黒色腫、菌状息 症、乳癌、前立腺癌、子宮癌、膣癌、陰茎 、大腸癌である。好ましくは、皮膚癌、角 症である。

 本発明により製造される化学修飾された 体高分子又はポリペプチドは、生体組織中 の埋め込み材として利用できる。例えば、 胞を包埋した架橋した生体高分子を損傷部 に埋め込み、組織を修復することができる また、別の形態によると、増殖因子や各種 剤を封入した架橋した生体高分子を生体組 中に埋め込み、組織を修復することができ 。

 化学修飾された生体高分子又はポリペプチ に封入する細胞の種類は特に限定されない 、例えば、骨髄細胞、胚性幹細胞、成体幹 胞、軟骨細胞、骨芽細胞、繊維芽細胞、血 内皮細胞、血管平滑筋細胞、心筋細胞、上 細胞が挙げられる。
 生体組織中への埋め込み部位として特に強 が求められる部位としては、例えば、骨、 骨、心臓、血管などが挙げられる。

 生体組織中への埋め込み材としての利用 別の形態として、生体内での治療器具への ーティングが挙げられる。例えば、人工血 、人工心臓等の人工臓器、血管内治療用の テントが挙げられる。ステントに用いる場 、抗癌剤や免疫抑制剤を架橋した生体高分 に封入し、ステント表面にコーティングす ことが挙げられる。

 本発明で用いる手法は、未修飾では該有 フッ素化合物に溶解しない化合物であって 使用可能である。すなわち、水系での化学 飾では効率が悪く、化合物の高導入率化は 成できないが、疎水性化合物の導入により 有機フッ素化合物に溶解する場合は、1段階 目に水系での化合物の導入反応を、2段階目 有機フッ素化合物での化学反応を行うこと 生体高分子あるいはポリペプチドへの疎水 の化合物の高導入率化が可能となる。

 以下の実施例により本発明をさらに具体 に説明するが、本発明は実施例によって限 されるものではない。

実施例1:疎水性化合物によるゼラチンの化学 飾(ジチオカルバミル化)
 縮合剤として水溶性カルボジイミド(Water So luble Carbodiimide:WSC)(223 mg)および4-ジチオカル ミルメチル安息香酸(165 mg)を含む2,2,2-トリ ルオロエタノール溶液(6 mL)を0℃で1時間攪 した後、ゼラチン(PSKゼラチン、ニッピ社製 、300 mg)、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)57 mgおよびジメチルアミノピリジン(DMAP)60  mg 含むTFE溶液(6 mL)に室温で加えた。該溶液を 1日攪拌した。該溶液をろ過し、水にて希釈 た。該ろ液を3日間透析し(ダイアリシスメン ブラン36、和光純薬製)、凍結乾燥した。ジチ オカルバミル基の導入量を得られた凍結乾燥 体をUV-可視スペクトルにより280 nmの吸光度 測定することにより算出したところ、85%の ミノ基がジチオカルバミル化されたゼラチ を得た。

 一方、Journal of Biomaterial Science, Polymer E dition 16(7)809-827,  2005(非特許文献1)に記載の 法により、4-ジチオカルバミルメチル安息 酸(165 mg)を1N水酸化ナトリウム水溶液に溶解 した後、1N塩酸にて中和してpH8とし、WSCを含 PBS溶液6 mLに加え、0℃で1時間攪拌した。該 溶液をゼラチン(3g)を含むPBS溶液(6 mL)に加え 室温にて1日攪拌した。反応液のpHを8と10の2 種類検討した。得られた懸濁液をろ過、透析 した後、凍結乾燥した。ジチオカルバミル基 を上記と同様に計測したところ、pH8の反応液 では12%、pH10の反応液では75%であった。pH10で 応して得られたジチオカルバミル化ゼラチ は一部導入されたジチオカルバミル基が加 分解されたことを示唆する、チオール基を 出した。

 ゼラチン側鎖への官能基の導入にTFEを用い ことで、水系では困難であった疎水性の高 化合物の導入が容易となり、またアルカリ よる分解を受ける官能基の導入が可能とな たと言える。
 ここで、4-ジチオカルバミルメチル安息香 のcLogPは3.6であり、疎水性である。また、ジ チオカルバミル基はアルカリにより分解を受 け、チオールを産生する官能基である。

実施例2:疎水性のテレフタル酸を用いたゼラ ンの架橋
 WSC(同人化学社製)38.4mg(テレフタル酸の2倍モ ル量)とテレフタル酸16.6 mgを含むHFIP溶液(1 m L)を4℃で1時間攪拌し、カルボキシル基を活 かした後、酸処理ゼラチン(PSKゼラチン、ニ ピ社製)を600 mg、N-ヒドロキシスクシンイミ ド(NHS)115 mgおよびジメチルアミノピリジン(DM AP)122 mg含むTFE溶液(2 mL)に加えた。該溶液を 温にて3時間静置すると、溶液全体がゲル状 に硬化した。

実施例3:疎水性化合物によるゼラチンの化学 飾
 WSC(223 mg)および4-ジチオカルバミルメチル 息香酸(165 mg)を含む2,2,2-トリフルオロエタ ール溶液(6 mL)を0℃で1時間攪拌した後、ゼ チン(PSKゼラチン、ニッピ社製、300 mg)、N-ヒ ドロキシスクシンイミド(NHS)57 mgおよびジメ ルアミノピリジン(DMAP)60  mgを含むTFE-HFIP混 合溶液(6 mL、TFE/HFIP=5)に室温で加えた。該溶 を1日攪拌した。該溶液をろ過し、水にて希 釈した。該ろ液を3日間透析し(ダイアリシス ンブラン36、和光純薬製)、凍結乾燥した。 チオカルバミル基の導入量を得られた凍結 燥体をUV-可視スペクトルにより280 nmの吸光 度を測定することにより算出したところ、75% のアミノ基がジチオカルバミル化されたゼラ チンを得た。