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Title:
METHOD AND DEVICE FOR CONTROLLING BRAKE OF TWO-WHEELED MOTOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/102844
Kind Code:
A1
Abstract:
A device and a method for controlling the brake of a two-wheeled motor vehicle, the method and device using a wheel cylinder pressure as a parameter for predicting the possibility of a lift of the rear wheel, wherein the prediction accuracy of a lift of the rear wheel is further enhanced. The brake control method has a step (Step 100) of inputting a signal from a pressure sensor, a step (Step 102) of detecting a front wheel cylinder pressure, a step (Step 104) of detecting the amount of variation in front wheel cylinder pressure, a step (Step 106) of determining whether the detected front wheel cylinder pressure and the detected amount of variation in the front wheel cylinder pressure correspond to braking conditions in which a rear wheel lift can occur, and a step (Step 108) of reducing the gradient of pressure increase of the front wheel cylinder pressure when it is determined that the detected front wheel cylinder pressure and the detected amount of variation in the front wheel cylinder pressure correspond to the braking conditions.

Inventors:
WESTERFELD HELGE (JP)
OGAWA TAKAHIRO (JP)
HAMM MARKUS (DE)
Application Number:
PCT/JP2008/052946
Publication Date:
August 28, 2008
Filing Date:
February 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH CORP (JP)
BAYERISCHE MOTOREN WERKE AG (DE)
WESTERFELD HELGE (JP)
OGAWA TAKAHIRO (JP)
HAMM MARKUS (DE)
International Classes:
B60T8/26; B60T8/171; B62L3/02
Domestic Patent References:
WO2007088590A12007-08-09
Foreign References:
JPH05201317A1993-08-10
JP2002029397A2002-01-29
JP2005212677A2005-08-11
JP2003191832A2003-07-09
JP2007269290A2007-10-18
Other References:
See also references of EP 2123529A4
Attorney, Agent or Firm:
SHAMOTO, Ichio et al. (Section 206New Ohtemachi Bldg., 2-1,Ohtemachi 2-chome, Chiyoda-ku, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 自動二輪車のブレーキ制御方法であって、
 フロントホイールシリンダ圧を検出し、
 フロントホイールシリンダ圧の変化量を検出し、
 検出された前記フロントホイールシリンダ圧及び前記フロントホイールシリンダ圧の変化量が、後輪の浮き上がりが発生し得るブレーキ条件に該当するか否かを判定し、
 前記ブレーキ条件に該当していると判定した場合、前記フロントホイールシリンダ圧の増加を制限する、各工程を備える、ブレーキ制御方法。
 前記ブレーキ条件の判定のためフロントホイールシリンダ圧に関するフロントホイールシリンダ圧の変化量の関数を予め決定しておく工程を更に備える、請求項1に記載のブレーキ制御方法。
 前記判定工程では、検出されたフロントホイールシリンダ圧及びフロントホイールシリンダ圧の変化量により定められた状態が、前記関数によって画定される境界を超えた領域にあるとき、前記ブレーキ条件に該当していると判定する、請求項2に記載のブレーキ制御方法。
 前記関数は、前記フロントホイールシリンダ圧の増加に対して前記ホイールシリンダ圧の変化量が減少する、少なくとも1つの負勾配区分を有する、請求項3に記載のブレーキ制御方法。
 前記関数は、各々異なる2つ以上の前記負勾配区分を有する、請求項4に記載のブレーキ制御方法。
 前記2つ以上の負勾配区分のうち、より高いフロントホイールシリンダ圧の領域で画定された区分が、より低い領域で画定された区分よりも減少勾配が急峻である、請求項5に記載のブレーキ制御方法。
 前記フロントホイールシリンダ圧が第1の閾値以下であるとき、前記フロントホイールシリンダ圧の変化量に依らずに、前記フロントホイールシリンダ圧の増加を制限する工程を実行しない、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のブレーキ制御方法。
 前記関数は、前記フロントホイールシリンダ圧が第2の閾値以上であるとき、前記フロントホイールシリンダ圧の増加に対して前記フロントホイールシリンダ圧の変化量が一定となる、一定勾配区分を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のブレーキ制御方法。
 前記フロントホイールシリンダ圧の増加を制限する工程では、該フロントホイールシリンダ圧の増圧勾配を低減する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のブレーキ制御方法。
 ブレーキ制御装置であって、
 フロントホイールシリンダ圧を検出する、圧力検出手段と、
 フロントホイールシリンダ圧の変化量を検出する、圧力変化量検出手段と、
 検出された前記フロントホイールシリンダ圧及び前記フロントホイールシリンダ圧の変化量が、後輪の浮き上がりが発生し得るブレーキ条件に該当するか否かを判定する判定手段と、
 前記ブレーキ条件に該当していると判定した場合、前記フロントホイールシリンダ圧の増加を制限する、ブレーキ制御手段と、
 を備える、ブレーキ制御装置。
 前記ブレーキ条件の判定のためフロントホイールシリンダ圧に関するフロントホイールシリンダ圧の変化量の関数を記憶する記憶手段を更に備える、請求項10に記載のブレーキ制御装置。
 前記判定装置は、検出されたフロントホイールシリンダ圧及びフロントホイールシリンダ圧の変化量により定められた状態が、前記関数によって画定される境界を超えた領域にあるとき、前記ブレーキ条件に該当していると判定する、請求項11に記載のブレーキ制御装置。
 前記関数は、前記フロントホイールシリンダ圧の増加に対して前記ホイールシリンダ圧の変化量が減少する、少なくとも1つの負勾配区分を有する、請求項12に記載のブレーキ制御装置。
 前記関数は、各々異なる2つ以上の前記負勾配区分を有する、請求項13に記載のブレーキ制御装置。
 前記2つ以上の負勾配区分のうち、より高いフロントホイールシリンダ圧の領域で画定された区分が、より低い領域で画定された区分よりも減少勾配が急峻である、請求項14に記載のブレーキ制御装置。
 前記ブレーキ制御装置は、前記フロントホイールシリンダ圧が第1の閾値以下であるとき、前記フロントホイールシリンダ圧の変化量に依らずに、前記フロントホイールシリンダ圧の増圧勾配の低減工程を実行しない、請求項10乃至15のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
 前記関数は、前記フロントホイールシリンダ圧が第2の閾値以上であるとき、前記フロントホイールシリンダ圧の増加に対して前記フロントホイールシリンダ圧の変化量が一定となる、一定勾配区分を有する、請求項10乃至16のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
 前記ブレーキ制御手段は、前記フロントホイールシリンダ圧の増加の制限として、前記フロントホイールシリンダ圧の増圧勾配を低減する、請求項10乃至17のいずれか1項に記載のブレーキ制御装置。
Description:
自動二輪車のブレーキ制御方法 びブレーキ制御装置

 本発明は、自動二輪車のブレーキ制御方 及びブレーキ制御装置に関する。

 自動二輪車において、前輪に対する急峻 ブレーキ操作に起因する後輪浮き上がりを 止するため、例えば以下の特許文献1に記載 された技術が知られている。

 特許文献1の技術では、車輪角加速度αが0の とき、ホイールシリンダ圧(キャリパ圧)の所 の関数として表されたブレーキ力と、路面 と接地荷重Wとの積で表される路面摩擦力と 一致することを利用して、検出されたフロ トホイールシリンダ圧及びリアホイールシ ンダ圧に基づいて前後輪にかかる接地荷重W FR 及びW RR を推定演算している。この推定演算では、接 地荷重W FR 及びW RR の総和が一定であることを利用して、未知数 である路面μを消去している。そして、前輪 ブレーキ作動中において、推定された後輪 接地荷重W RR が、一致値以下に低下していると判断された 場合には、フロントホイールシリンダ圧(キ リパ圧)を減圧することにより、後輪の接地 重W RR の低下を適切に緩和するようにしている。

 しかし、上記技術では、ホイールシリンダ が急激に変化したときや、車輪が実際にス ップしたときなど、車輪角加速度αが0とい 仮定が成立しない条件下において、後輪の 地荷重W RR の推定値が不正確になる可能性があり、よっ て、かかる条件下では、後輪浮き上がりの防 止が確実でなくなるおそれがある。

特開平5-77700号

 本発明は、上記事実に鑑みなされたもの 、後輪の浮き上がりの可能性を予測するた のパラメータとしてホイールシリンダ圧を 用する自動二輪車のブレーキ制御方法及び の装置において、後輪の浮き上がりの予測 度を更に向上させることをその目的とする

 上記課題を解決するため、本発明の一態 に係る自動二輪車のブレーキ制御方法は、 ロントホイールシリンダ圧を検出し、フロ トホイールシリンダ圧の変化量を検出し、 出された前記フロントホイールシリンダ圧 び前記フロントホイールシリンダ圧の変化 が、後輪の浮き上がりが発生し得るブレー 条件に該当するか否かを判定し、前記ブレ キ条件に該当していると判定した場合、前 フロントホイールシリンダ圧の増加を制限 る、各工程を備えて構成したものである。 お、フロントホイールシリンダ圧の増加を 限する工程では、該フロントホイールシリ ダ圧の増圧勾配を低減することができる。

 本発明の上記一態様によれば、フロント イールシリンダ圧のみならず、フロントホ ールシリンダ圧の変化量を、後輪の浮き上 りの判定に用いたので、従来技術に比べて 広範囲な条件下で、後輪の浮き上がりの予 精度を更に向上させることが可能となる。

 好ましくは、本ブレーキ制御方法は、ブ ーキ条件の判定のためフロントホイールシ ンダ圧に関するフロントホイールシリンダ の変化量の関数を予め決定しておく工程を に備える。また、前記判定工程では、検出 れたフロントホイールシリンダ圧及びフロ トホイールシリンダ圧の変化量により定め れた状態が、前記関数によって画定される 界を超えた領域にあるとき、前記ブレーキ 件に該当していると判定する。この関数を 自動二輪車の後輪浮き上がりの要因となる 子に応じてきめ細かく設定することにより 様々な車体条件に対応した後輪浮き上がり 防止用のブレーキ制御方法を提供すること できる。

 例えば、前記関数は、前記フロントホイ ルシリンダ圧の増加に対して前記ホイール リンダ圧の変化量が減少する、少なくとも1 つの負勾配区分を有するのが好ましい。また 、前記関数は、各々異なる2つ以上の前記負 配区分を有していてもよく、この場合、該2 以上の負勾配区分のうち、より高いフロン ホイールシリンダ圧の領域で画定された区 が、より低い領域で画定された区分よりも 少勾配が急峻であるのが好ましい。

 好ましくは、前記フロントホイールシリ ダ圧が第1の閾値以下であるとき、前記フロ ントホイールシリンダ圧の変化量に依らずに 、前記フロントホイールシリンダ圧の増圧勾 配の低減工程を実行しないようにする。

 前記関数は、前記フロントホイールシリ ダ圧が第2の閾値以上であるとき、前記フロ ントホイールシリンダ圧の増加に対して前記 フロントホイールシリンダ圧の変化量が一定 となる、一定勾配区分を有していてもよい。

 また、本発明の別の態様に係るブレーキ 御装置は、フロントホイールシリンダ圧を 出する、圧力検出手段と、フロントホイー シリンダ圧の変化量を検出する、圧力変化 検出手段と、検出された前記フロントホイ ルシリンダ圧及び前記フロントホイールシ ンダ圧の変化量が、後輪の浮き上がりが発 し得るブレーキ条件に該当するか否かを判 する判定手段と、前記ブレーキ条件に該当 ていると判定した場合、前記フロントホイ ルシリンダ圧の増加を制限する、ブレーキ 御手段と、を備えて構成したものである。

 好ましくは、本ブレーキ制御装置は、前 ブレーキ条件の判定のためフロントホイー シリンダ圧に関するフロントホイールシリ ダ圧の変化量の関数を記憶する記憶手段を に備える。

図1は、本発明の一実施例に係るブレー キ制御装置の概略構成図である。 図2は、図1に示されたブレーキ制御装 の電子制御ユニットによって実行される後 浮き上がり防止のためのブレーキ制御の処 手順を示すフローチャートである。 図3は、図2の後輪浮き上がり判定工程 詳細な処理手順を示すサブルーチンフロー ャートである。 図4は、後輪浮き上がりを判定するため の関数の一例を示す、ホイールシリンダ圧に 対するホイールシリンダ圧の変化量の関数図 である。 図5は、図2の後輪浮き上がり防止のた のブレーキ制御におけるフロントホイール リンダ圧の増圧勾配低減工程が実行された きのホイールシリンダ圧の変化例を概略的 示した特性線図である。

符号の説明

   1  フロントブレーキマスタシリンダ
   2  リアブレーキマスタシリンダ
   3  フロントホイールシリンダ
   4  リアホイールシリンダ
  16  フロントリザーバ
  24  リアリザーバ
  35  ブレーキハンドル
  36  ブレーキペダル
  47  圧力センサ
  51  電子制御ユニット(ECU)
 101  油圧ユニット

 以下、本発明の実施例を図面を参照して 明する。

 図1には、本発明の一実施例に係るブレー キ制御装置Sの構成例が示されている。ブレ キ制御装置Sは、第1のブレーキ操作子として のブレーキハンドル35の操作力を油圧に変換 能に設けられたフロントブレーキマスタシ ンダ1と、第2のブレーキ操作子としてのブ ーキペダル36の操作力を油圧に変換可能に設 けられたリアブレーキマスタシリンダ2と、 ロントブレーキマスタシリンダ1からの油圧 応じて前輪37へブレーキ力を与えるフロン ホイールシリンダ3と、リアブレーキマスタ リンダ2からの油圧に応じて後輪38へブレー 力を与えるリアホイールシリンダ4と、フロ ント及びリアブレーキマスタシリンダ1、2と フロント及びリアホイールシリンダ3、4と 間に設けられた油圧ユニット101と、電子制 ユニット51と、車輪速度センサ45、46と、圧 センサ47と、を備えている。アンチロックブ レーキ制御装置は、車輪速度センサ45、46、 力センサ47、電子制御ユニット51及び油圧ユ ット101から構成される。

 フロントブレーキマスタシリンダ1とフロ ントホイールシリンダ3とは、第1の主油圧管5 によって接続され、この第1の主油圧管5の途 には、フロントブレーキマスタシリンダ1側 から順にフロント主油圧管用絞り6と第1の電 弁7とが配設されている。この第1の電磁弁7 通常、開成状態とされている。さらに、こ フロント主油圧管用絞り6及び第1の電磁弁7 バイパスするようにして、かつ、フロント イールシリンダ3からフロントブレーキマス タシリンダ1へのブレーキ油(ブレーキ液)の流 れを順方向とするフロント主油圧管用逆止弁 8が設けられている。

 同様に、リアブレーキマスタシリンダ2と リアホイールシリンダ4とは、第2の主油圧管9 によって接続され、この第2の主油圧管9の途 には、リアブレーキマスタシリンダ2側から 順にリア主油圧管用絞り10と第2の電磁弁11と 配設されている。この第2の電磁弁11は、通 、開成状態とされている。さらに、このリ 主油圧管用絞り10及び第2の電磁弁11をバイ スするようにして、かつ、リアホイールシ ンダ4からリアブレーキマスタシリンダ2への ブレーキ油の流れを順方向とするリア主油圧 管用逆止弁12が設けられている。

 また、第1の電磁弁7とフロントホイール リンダ3の間の第1の主油圧管5の適宜な位置 おいては、フロントリザーバ接続用油圧管13 が接続され、その途中には、フロントホイー ルシリンダ3側から順にフロントリザーバ用 り14とフロントリザーバ流入制御用電磁弁15 配設されており、これらを介してフロント ザーバ16が接続されている。このフロント ザーバ流入制御用電磁弁15は、通常、閉鎖状 態とされている。

 さらに、フロントリザーバ接続用油圧管1 3には、フロントリザーバ流入制御用電磁弁15 とフロントリザーバ16との間の位置に、フロ トブレーキマスタシリンダ1と連通するフロ ント戻し用油圧管17が接続され、その途中に 、フロントブレーキマスタシリンダ1側から 順にフロント戻し路用絞り18と、第1のフロン ト戻し路用逆止弁19と、第2のフロント戻し路 用逆止弁20と、が配設されている。

 また、第2の電磁弁11とリアホイールシリ ダ4の間の第2の主油圧管9の適宜な位置にお ても、上述した第1の主油圧管5における構 と基本的に同様に、リアリザーバ接続用油 管21が接続され、その途中には、リアホイー ルシリンダ4側から順にリアリザーバ用絞り22 とリアリザーバ流入制御用電磁弁23とが配設 れ、これらを介してリアリザーバ24が接続 れている。このリアリザーバ流入制御用電 弁23は、通常、閉鎖状態とされる。

 さらに、第2のリザーバ接続用油圧管21に 、リアリザーバ流入制御用電磁弁23とリア ザーバ24との間の適宜な位置に、リアブレー キマスタシリンダ2に連通するフロント戻し 油圧管25が接続され、その途中には、リアブ レーキマスタシリンダ2側から順にリア戻し 用絞り26と、第1のリア戻し路用逆止弁27と、 第2のリア戻し路用逆止弁28とが配設されてい る。

 またさらに、油圧ユニット101には、フロ トブレーキとリアブレーキとに共有される 圧ポンプ装置31が設けられている。すなわ 、油圧ポンプ装置31は、モータ32と、このモ タ32の出力軸(図示せず)に固着された固定カ ム(図示せず)によって往復動される2つのプラ ンジャ33a、33bとから概略構成されている。

 一方のプランジャ33aは、第1のフロント戻 し路用逆止弁19と第2のフロント戻し路用逆止 弁20との間に、また、他方のプランジャ33bは 第1のリア戻し路用逆止弁27と第2のリア戻し 路用逆止弁28との間に、夫々接続され、プラ ジャ33a、33bの往復動によって、フロントリ ーバ16のブレーキ油が吸い上げられてフロ トブレーキマスタシリンダ1へ、また、リア ザーバ24のブレーキ油が吸い上げられてリ ブレーキマスタシリンダ2へ、夫々還流され 。

 上述の第1及び第2の電磁弁7、11、フロン リザーバ流入制御用電磁弁15、リアリザーバ 流入制御用電磁弁23及びモータ32は、電子制 ユニット(図1では「ECU」と表記)51によって、 各々の動作制御が実行される。

 電子制御ユニット51は、公知・周知の構 を有してなるマイクロコンピュータ(図示せ )に、RAMやROM等の記憶素子(図示せず)を備え 構成される。

 かかる電子制御ユニット51は、車輪速度 算、ロック防止制御のための電磁弁やモー の制御処理、車輪速度センサ等の異常の有 を判定するためのモニタ処理、本発明の実 例に係る後輪浮き上がりの検出処理、後輪 き上がりの検出に伴うブレーキ制御処理等 実行される。

 電子制御ユニット51には、上述のような 御処理を実行するため、前輪37の車輪速度を 検出するための車輪速度センサ45、後輪38の 輪速度を検出するための車輪速度センサ46、 及び、フロントホイールシリンダ3の発生圧 を検出する圧力センサ47の各検出信号が入力 される。圧力センサ47は、第1の主油圧管5の 、該第1の主油圧管5に圧力連通した箇所であ れば任意の箇所に取り付けることができ、油 圧ユニット101内又はフロントホイールシリン ダ3のいずれに取り付けてもよい。

 さらに、電子制御ユニット51には、ブレ キハンドル35の作動を検出するブレーキレバ ー作動スイッチ(図示せず)及びブレーキペダ 36の作動を検出するブレーキペダル作動ス ッチ(図示せず)の各々の検出信号も入力され る。

 また、電子制御ユニット51内には、先の ータ32に対する駆動信号を生成、出力するモ ータ駆動回路(図示せず)が設けられている。

 またさらに、電子制御ユニット51内には 第1及び第2の電磁弁7、11やフロントリザーバ 流入制御用電磁弁15及びリアリザーバ流入制 用電磁弁23の駆動を制御する電磁弁駆動回 (図示せず)が設けられている。

 上述した構成を有するブレーキ制御装置S では、ブレーキハンドル35が操作されると、 レーキハンドル35の操作を検出するブレー レバー作動スイッチ(図示せず)により、その 操作を検出したことに対応する検出信号が電 子制御ユニット51に入力される。同時に、ブ ーキマスタシリンダ1からは、ブレーキハン ドル35の操作に応じた油圧のブレーキ液がフ ントホイールシリンダ3に供給されてブレー キ力が発生せしめられ、車輪37にブレーキ力 作用する。

 電子制御ユニット51において、アンチロ クブレーキ制御が必要であると判断される 、第1の電磁弁7が励磁されて、第1の主油圧 5は非連通状態とされ、フロントホイールシ ンダ3の油圧が一定に保持される。そして、 さらに電子制御ユニット51において、ブレー を弛めるべきであると判断されると、フロ トリザーバ流入制御用電磁弁15が励磁され 。その結果、フロントホイールシリンダ3の レーキ液がフロントリザーバ流入制御用電 弁15を介してフロントリザーバ16へ排出され てブレーキが弛められる。

 上記と同時に、モータ32が電子制御ユニ ト51内の図示しないモータ駆動回路により駆 動され、フロントリザーバ16に貯留されたブ ーキ液がプランジャ33aの動きによって吸い げられて、フロントブレーキマスタシリン 1に還流される。

 なお、ブレーキペダル36が操作された場 にも、上述したブレーキハンドル35の場合と 基本的に同様に、車輪38に対するブレーキ力 得、またブレーキ力の緩和がなされる。そ 他の電子制御ユニット51の基本的な動作は 以下で述べる本発明に特徴的な動作を除い 、公知・周知のブレーキ制御装置と同様で るので、詳細な説明は省略する。

 次に、本発明の実施例に係るブレーキ制 装置Sの作用を、図2乃至図5を用いて説明す 。

 図2には、図1に示された電子制御ユニット51 によって実行される後輪浮き上がり防止のた めのブレーキ制御の処理手順のフローチャー トが示されている。同図に示されるように、 先ず、圧力センサ47から出力されたセンサ信 がECU51に入力される(ステップ100)。ECU51は、 力されたセンサ信号に基づいて、フロント イールシリンダ圧P FW を検出する(ステップ102、図ではホイールシ ンダを「W/C」と表記)。さらに、ECU51は、フ ントホイールシリンダ圧P FW に基づいてフロントホイールシリンダ圧の変 化量dP FW を検出する(ステップ104)。このフロントホイ ルシリンダ圧の変化量dP FW は、例えば、次式によって算出することがで きる。

    dP FW  = (P FW2 -P FW1 )/δt
 ここで、P FW1 は、ある時刻S 1 で検出されたフロントホイールシリンダ圧、 P FW2 は、時刻S 1 からδt経過後の時刻S 2 (S 2 =S 1 +δt)で検出されたフロントホイールシリンダ である。

 次に、検出されたフロントホイールシリン 圧P FW 及びフロントホイールシリンダ圧の変化量dP FW が、後輪浮き上がりのブレーキ条件に該当す るか否かを判定する(ステップ106)。ホイール リンダ圧の状態(P FW ,dP FW )が後輪浮き上がりのブレーキ条件に該当す と判定した場合(ステップ106肯定判定)、次の ステップ108の処理へと移行し、フロントホイ ールシリンダ3の圧力(ホイールシリンダ圧)の 増圧勾配が強制的に低減される。その後、ス テップ106に戻って同様の処理を繰り返す。

 ステップ108では、より詳しくは、電子制御 ニット51の図示しない電磁弁駆動回路から 信号によって、第1の電磁弁7が開閉制御され 、フロントシリンダ3へのブレーキ油の供給 制限されることにより、ホイールシリンダ の増圧勾配が低減される。ここで上記増圧 配を低減させる工程(ステップ108)におけるホ イールシリンダ圧の概略変化の例を図5に示 。同図において、横軸は時間軸であり、縦 はフロントホイールシリンダ圧(図5では「W/C 圧」と表記)、換言すればブレーキ圧を示し いる。図5に示されるように、時刻t 0 からt 1 までの間は、急峻なブレーキ操作によりホイ ールシリンダ圧が急峻に増加していく状態が 実線の特性線で表されている。時刻t 1 において、後輪浮き上がりの可能性有りと判 定され、上述したようなホイールシリンダ圧 の増圧勾配の強制的な低減が開始される。時 刻t 1 以降、ホイールシリンダ圧がそれ以前の圧力 と比べて緩慢に変化される。

 再び図2のステップ106を参照する。ホイール シリンダ圧の状態(P FW ,dP FW )が後輪浮き上がりのブレーキ条件に該当し いないと判定した場合(ステップ106否定判定) 、次のステップ110の処理へと移行する。ステ ップ110では、ステップ108の増圧勾配低減工程 が動作中であるか否かを判定する。増圧勾配 低減中の場合(ステップ110肯定判定)、増圧勾 低減処理を解除し(ステップ112)、再びステ プ100に戻って同様の処理を繰り返す。増圧 配低減中ではない場合(ステップ110否定判定) 、ステップ112を経ること無く、再びステップ 100に戻って同様の処理を繰り返す。

 図2のステップ106の後輪浮き上がり判定工 程は、例えば図3に示すサブルーチンを実行 ることにより達成することができる。

 図3に示すように、先ず、図2のステップ102 104でECU51により求められた、フロントホイー ルシリンダ圧P FW 及びフロントホイールシリンダ圧の変化量dP FW を図3のサブルーチンに引数として受け渡し 力する(ステップ120、122)。

 次に、後輪浮き上がりの判定関数FLを呼び す(ステップ124)。この判定関数FLは、次式の うに、任意のフロントホイールシリンダ圧P FW に対するフロントシリンダ圧変化量dP FW の関数として定義されている。

    dP FW  = FL(P FW )
 この判定関数FLの具体例が図4に示されてい 。

 図4を参照しつつ再び図3を参照する。図3の テップ126では、ステップ120、122で入力され 実際のホイールシリンダ圧の状態(P FW ,dP FW )が、判定関数FLを境界として、dP FW  > FL(P FW )となる図4の領域200か、又は、dP FW  ≦ FL(P FW )となる図4の領域202のいずれに属するかが分 される。

 急激なフロントブレーキ動作、即ちホイー シリンダ圧の変化量が大きいほど、後輪浮 上がりが発生しやすくなることから、ホイ ルシリンダ圧の状態(P FW ,dP FW )が領域200に属する場合に(ステップ126肯定判 )、後輪浮き上がりの可能性が大きいと判定 し、処理フラグを1に設定し(ステップ128)、本 サブルーチンをリターンする。これに対して 、ホイールシリンダ圧の状態(P FW ,dP FW )が領域202に属する場合には後輪浮き上がり 可能性が低いと判定し、処理フラグを0に設 し(ステップ130)、本サブルーチンをリター する。

 処理フラグが1のとき図2のステップ108で 圧勾配の低減工程が実行され、処理フラグ 0のときには、増圧勾配低減工程が実行され いか、又は、図2のステップ112で増圧勾配低 減工程が解除される。

 次に、図4を参照して、判定関数FLについ 詳しく説明する。フロントホイールシリン 圧が高くなるほど、より少ないホイールシ ンダ圧の変化量でも、後輪浮き上がりが発 しやすくなることから、判定関数FLは、フ ントホイールシリンダ圧の増加に対してホ ールシリンダ圧の変化量が減少する、少な とも1つの負勾配区分を持つべきである。図4 の実施例では、判定関数FLは、2つの負勾配区 分206、208を有している。勿論、判定関数FLは 負勾配区分が3つ以上あってもよい。

 負勾配区分206は、ホイールシリンダ圧P 1 (例えば4bar)からホイールシリンダ圧P 2 (例えば9bar)の間でホイールシリンダ圧変化量 がdP 3 (例えば300bar/sec)からdP 2 (例えば160bar/sec)まで減少する直線勾配を有し ている。一方、負勾配区分208は、ホイールシ リンダ圧P 2 (例えば9bar)からホイールシリンダ圧P 3 (例えば13bar)の間でホイールシリンダ圧変化 がdP 2 (例えば160bar/sec)からdP 1 (例えば35bar/sec)まで減少する直線勾配を有し 負勾配区分208は、負勾配区分206に比べて勾 がより急峻となっている。なお、本発明に る判定関数は、この例に限定されるもので なく、各区分における勾配は後輪の浮き上 りを予測する上で適した値に適宜設定され 。また、負勾配区分は、必ずしも直線でな ともよく、曲線の区分、複数の異なる曲線 区分、或いは、曲線を近似する複数の直線 分から形成されてもよい。

 また、図4において、フロントホイールシリ ンダ圧がP 1 以下の領域は、全て領域202に属している。即 ち、この領域は、フロントホイールシリンダ 圧の変化量に依らずに、前述したフロントホ イールシリンダ圧の増圧勾配低減工程を実行 しない領域となっている。本来は、ホイール シリンダ圧が低くても、その変化量が大きい 場合には、後輪浮き上がりの可能性があるが 、急ブレーキをかけた場合、換言すればフロ ントホイールシリンダ圧の変化量が大きい場 合、車輪のロック傾向が強まり、アンチロッ クブレーキ作動が開始され得る。このアンチ ロックブレーキ作動によってホイールシリン ダ圧が減少されるため、例えば図4の領域204( 域202の斜線領域)において、図2のステップ10 8の増圧勾配低減工程をあえて実行する必要 無くなる。なお、ECU51は、各車輪の回転状態 等に応じて車輪のロック傾向を監視している ため、アンチロックブレーキ作動は、フロン トホイールシリンダ圧が図4のいずれの領域 属するかに係わり無く、車輪ロック検出時 実行され得る。

 さらに、図4では、判定関数FLは、フロント イールシリンダ圧がP 3 以上であるとき、フロントホイールシリンダ 圧の増加に対してフロントホイールシリンダ 圧の変化量が一定となる、一定勾配区分210を 有している。フロントホイールシリンダ圧が 既に十分に大きく、かつさらにホイールシリ ンダ圧をたとえ僅かでも昇圧させようとして いる場合には、後輪の浮き上がりの可能性が 大きいことに対処したものである。

 判定関数FLは、ECU51内のROM(図示せず)など 記憶されているが、関数の種類や上述した 数の数値等は、二輪車の種類等に依存する 輪の浮き上がり特性に応じて定めることが きる。特に関数を決定するための重要な因 としては、例えば、自動二輪車のフロント ォークの堅さ、沈みやすさ(ダンパーやショ ックアブソーバーの特性)、車体の重心の高 、ブレーキキャリパのピストンの面積、ブ ーキパッドの摩擦係数等が挙げられる。

 以上が本発明の実施例であるが、本発明 、上記例に限定されるものではなく、請求 範囲によって画定される本発明の範囲から 脱しない範囲内で任意好適に変更すること できる。例えば、図2のステップ108の増圧勾 配低減工程は、図5に示すようなブレーキ力 御に限定されるものではなく、増圧勾配を 間的に漸近的に減少させる制御、ホイール リンダ圧を単に一定に保持する制御、或い 、単に一定圧減圧させる等の制御なども可 である。また、フロントホイールシリンダ が第1の閾値以下又は第2の閾値以上の少なく ともいずれか一方で、フロントホイールシリ ンダ圧の増加に対するホイールシリンダ圧の 変化量が減少する負勾配区分を設けてもよい 。