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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR POLISHING SUBSTRATE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054297
Kind Code:
A1
Abstract:
A metal layer (30) is polished by using a first polishing liquid so as not to expose a barrier layer (20). The first polishing liquid is provided by mixing, at a prescribed ratio, a first liquid, which contains a metal oxide dissolving agent, a metal anticorrosive, a metal oxide dissolution control agent and water, and a second liquid containing a metal oxidant. Then, the metal layer (30) is polished by using a second polishing liquid, which is provided by mixing the first liquid and the second liquid by having the ratio of the second liquid larger than that of the first polishing liquid, and a portion at an upper section of a protruding section (12) of an interlayer insulating film (10) of the barrier layer (30) is exposed. Thus, at the time of polishing the metal layer (30) of the substrate whereupon the metal layer (30) is arranged on the interlayer insulating film (10) through the barrier layer (20), both high polishing speed and planarity of a polished surface can be attained at the same time.

Inventors:
HAGA KOUJI (JP)
AMANOKURA JIN (JP)
NAKAGAWA HIROSHI (JP)
MISHIMA KOUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068661
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI CHEMICAL CO LTD (JP)
HAGA KOUJI (JP)
AMANOKURA JIN (JP)
NAKAGAWA HIROSHI (JP)
MISHIMA KOUJI (JP)
International Classes:
H01L21/304; B24B37/00
Foreign References:
JP2006269600A2006-10-05
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 相互に隣接する隆起部と溝部とにより定められる段差部を一方面側に有する層間絶縁膜と、該層間絶縁膜の前記段差部を有する面に追従して設けられたバリア層と、該バリア層を被覆するように設けられた金属層と、を備える基板の研磨方法であって、
 酸化金属溶解剤、金属防食剤、酸化金属溶解調整剤及び水を含有する第1の液と、金属酸化剤を含有する第2の液と、を所定の割合で混合して第1の研磨液を得、該第1の研磨液を用いて前記バリア層が露出しないように前記金属層を研磨する第1の工程と、
 前記第1の液と前記第2の液とを、前記第1の研磨液よりも前記第2の液の割合が大きくなるように混合して第2の研磨液を得、該第2の研磨液を用いて前記第1の工程後の前記金属層を研磨し、前記バリア層のうち前記層間絶縁膜の前記隆起部の上方に位置する部分を露出させる第2の工程と、
を備えることを特徴とする研磨方法。
 前記第1の研磨液中の前記金属酸化剤の含有割合が、前記第1の研磨液の全重量を基準として、0.5~15重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の研磨方法。
 前記第2の研磨液中の前記金属酸化剤の含有割合が、前記第2の研磨液の全重量を基準として、10~20重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の研磨方法。
 前記第1の研磨液中の前記酸化金属溶解剤の含有割合が、前記第1の研磨液の全重量を基準として、0.001~10重量%であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨方法。
 前記第2の研磨液中の前記酸化金属溶解剤の含有割合が、前記第2の研磨液の全重量を基準として、0.001~10重量%であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の研磨方法。
 前記金属酸化剤が過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸およびオゾン水から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の研磨方法。
 前記金属層が銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の研磨方法。
 前記第1の工程前の前記金属層は前記層間絶縁膜の前記段差部に対応する段差部を有しており、前記第1の工程において、前記金属層の前記段差部における研磨前後の段差が下記式(1)で表される条件を満たすように、前記金属層を研磨することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の研磨方法。
0≦S 2 /S 1 ≦0.2  (1)
[式(1)中、S 1 は前記金属層の前記段差部における研磨前の段差(単位:nm)を示し、S 2 は前記金属層の前記段差部における研磨後の段差(単位:nm)を示す。]
 前記第1の工程及び前記第2の工程のそれぞれにおいて、研磨定盤の研磨布に前記第1の研磨液又は前記第2の研磨液を供給しながら、前記金属層の被研磨面に前記研磨布を押圧した状態で、前記研磨定盤と前記基板とを相対的に動かすことによって前記金属層を研磨することを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の研磨方法。
Description:
基板の研磨方法

 本発明は、特に半導体デバイスの配線工 において好適な基板の研磨方法に関する。

 近年、半導体集積回路(LSI)の高集積化、 性能化に伴って新たな微細加工技術が開発 れている。化学機械研磨(CMP)法もその一つで あり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程に おける層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成 、埋め込み配線形成において頻繁に利用され る技術である(例えば、下記特許文献1を参照 )。

 近年、LSIを高性能化するために、配線材 として銅合金の利用が試みられている。し し、銅合金は従来のアルミニウム合金配線 形成で頻繁に用いられたドライエッチング による微細加工が困難である。そこで、あ かじめ溝部及び隆起部を形成してある絶縁 上に銅合金薄膜を堆積して溝部に銅合金を め込み、次いで、隆起部上に堆積した銅合 薄膜(溝部以外の銅合金薄膜)をCMPにより除 して埋め込み配線を形成する、いわゆるダ シン法が主に採用されている(例えば、下記 許文献2を参照。)。

 金属のCMPの一般的な方法は、円形の研磨 盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、 磨パッド表面を金属用研磨液で浸し、基体 金属膜を形成した面を押し付けて、その裏 から所定の圧力(研磨圧力或いは研磨荷重)を 加えた状態で研磨定盤を回し、研磨液と金属 膜の隆起部との機械的摩擦によって金属膜の 隆起部を除去するものである。

 CMPに用いられる金属用研磨液(以下、単に「 研磨液」という。)は、一般には金属酸化剤 び固体砥粒を含有し、必要に応じてさらに 化金属溶解剤、金属防食剤等が添加される まず酸化によって金属膜表面を酸化し、そ 酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基 的なメカニズムと考えられている。ここで 絶縁膜の溝部の金属表面の酸化層は研磨パ ドにあまり触れず、固体砥粒による削り取 の効果が及ばないので、CMPの進行とともに として隆起部上の金属層が除去されて基体 面が平坦化される(例えば、下記非特許文献1 を参照。)。

米国特許第4944836号公報

特開平2-278822号公報 ジャ-ナル・オブ・エレクトロケミカル サエティ、第138巻11号(1991年発行)、3460~3464頁

 CMPによる埋め込み配線形成を行う場合に 、CMPによる研磨速度を高める方法として酸 金属溶解剤を添加することが有効とされて る。砥粒によって削り取られた金属 酸化 の粒の研磨液への溶解(以下、「エッチング という。)が起こると砥粒による削り取りの 効果が増すためであると解釈される。

 しかし、酸化金属溶解剤の添加によりCMP よる研磨速度を向上させる場合、溝部に埋 込まれた金属層の表面の酸化層もエッチン されて金属層表面が露出すると、金属酸化 によって金属層表面がさらに酸化され、こ が繰り返されると溝部に埋め込まれた金属 に対してもエッチングが進行してしまう。 のため研磨後に埋め込まれた金属配線の表 中央部分が皿のように窪む現象(以下、「デ ィッシング」という。)が発生し、被研磨面 平坦化効果が損なわれる。一方、ディッシ グが生じないように酸化金属溶解剤を減量 ると、実用上十分な研磨速度が得られなく る。

 また、研磨定盤、ウエハを装着した研磨 ッドのいずれかもしくは両方の回転数を上 るか、あるいはウエハに対する研磨荷重を 昇させることによっても研磨速度が向上す が、その反面十分な平坦化効果は得られな 。

 本発明は、このような実情に鑑みてなさ たものであり、層間絶縁膜上にバリア層を して金属層が設けられた基板の該金属層を 磨するに際し、高い研磨速度と被研磨面の 坦性とを両立することが可能な基板の研磨 法を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明は、相 に隣接する隆起部と溝部とにより定められ 段差部を一方面側に有する層間絶縁膜と、 層間絶縁膜の段差部を有する面に追従して けられたバリア層と、該バリア層を被覆す ように設けられた金属層と、を備える基板 研磨方法であって、
 酸化金属溶解剤、金属防食剤、酸化金属溶 調整剤及び水を含有する第1の液と、金属酸 化剤を含有する第2の液と、を所定の割合で 合して第1の研磨液を得、該第1の研磨液を用 いてバリア層が露出しないように金属層を研 磨する第1の工程と、
 第1の液と第2の液とを、第1の研磨液よりも 2の液の割合が大きくなるように混合して第 2の研磨液を得、該第2の研磨液を用いて第1の 工程後の金属層を研磨し、バリア層のうち層 間絶縁膜の隆起部の上方に位置する部分を露 出させる第2の工程と、
を備えることを特徴とする研磨方法を提供す る。

 この研磨方法によれば、2つの化学機械研 磨(CMP)工程における研磨液として、酸化金属 解剤、金属防食剤、酸化金属溶解調整剤及 水を含有する第1の液と、金属酸化剤を含有 する第2の液との混合割合を変えて調製した のを用いることで、各研磨工程における研 速度の向上効果とディッシングの抑制効果 制御することができ、その結果、全体とし の高い研磨速度と最終的に得られる基板の 研磨面の平坦性とを両立することが可能と る。

 また、本発明の研磨方法に使用される第1 及び第2の研磨液は、上記の通り、第1の液及 第2の液という共通の原料液を混合して得ら れるものである。したがって本発明の研磨方 法は、研磨液の調製工程の簡便化や原料コス トの削減の観点からも有用である。

 本発明の研磨方法においては、第1の研磨 液中の金属酸化剤の含有割合が、第1の研磨 の全重量を基準として、0.5~15重量%であるこ が好ましい。他方、第2の研磨液中の金属酸 化剤の含有割合は、第2の研磨液の全重量を 準として、10~20重量%であることが好ましい

 また、第1の研磨液中の酸化金属溶解剤の 含有割合は、第1の研磨液の全重量を基準と て、0.001~10重量%であることが好ましい。他 、第2の研磨液中の酸化金属溶解剤の含有割 は、第2の研磨液の全重量を基準として、0.0 01~10重量%であることが好ましい。

 また、本発明において用いられる金属酸 剤は、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリ ム、次亜塩素酸およびオゾン水から選ばれ 少なくとも1種であることが好ましい。

 また、金属層は、銅、銅合金、銅の酸化 、銅合金の酸化物から選ばれる少なくとも1 種を含有することが好ましい。

 また、本発明の研磨方法に供される基板を 備するに際し、金属層はスパッタ法、めっ 法などにより金属をバリア層上に堆積させ ことによって形成することができるが、こ ようにして形成された金属層は、層間絶縁 の段差部に対応する段差部を有し得る。よ 詳しくは、層間絶縁膜の溝部の上方に金属 堆積することにより当該溝部に金属が埋め まれるが、その一方で、金属は層間絶縁膜 隆起部の上方にも堆積する。そのため、金 層の被研磨面は実質的に層間絶縁膜の隆起 の上方に堆積した金属により構成され、金 層の層間絶縁層の溝部の上方の部分は被研 面から窪んだ形状となる。このような基板 研磨する場合には、第1の工程において、金 属層の段差部における研磨前後の段差が下記 式(1)で表される条件を満たすように、金属層 を研磨することが好ましい。なお、ここでい う「段差」とは、段差部における被研磨面か らの深さを意味する。また、金属層が複数の 段差部を有する場合にはS 1 及びS 2 はそれぞれ複数の段差部についての段差の平 均値を意味する。また、金属層の段差部にお ける研磨前の段差S 1 を「初期段差」、研磨後の段差S 2 を「残段差」と呼ぶこともある。
0≦S 2 /S 1 ≦0.2  (1)
[式(1)中、S 1 は金属層の段差部における研磨前の段差(単 :nm)を示し、S 2 は金属層の段差部における研磨後の段差(単 :nm)を示す。]

 また、第1の工程及び前記第2の工程のそ ぞれにおいては、研磨定盤の研磨布に第1の 磨液又は第2の研磨液を供給しながら、金属 層の被研磨面に研磨布を押圧した状態で、研 磨定盤と基板とを相対的に動かすことによっ て金属層を研磨することが好ましい。

 本発明の研磨方法によれば、層間絶縁膜 にバリア層を介して金属層が設けられた基 の該金属層を研磨するに際し、高い研磨速 と被研磨面の平坦性とを両立することが可 となる。

本発明の研磨方法の好適な一実施形態 模式的に示す工程断面図である。

符号の説明

 10…層間絶縁膜、11…溝部、12…隆起部、1 3…段差部、14…面、20…バリア層、30…金属 、31…段差部、32…溝部、33…隆起部、100、20 0、300…基板。

 以下、必要に応じて図面を参照しつつ、 発明の好適な実施形態について詳細に説明 る。なお、図面中、同一要素には同一符号 付すこととし、重複する説明は省略する。 た、上下左右等の位置関係は、特に断らな 限り、図面に示す位置関係に基づくものと る。更に、図面の寸法比率は図示の比率に られるものではない。

 図1は本発明の研磨方法の好適な一実施形 態を模式的に示す工程断面図である。まず、 工程(a)では、研磨に供される基板100が準備さ れる。基板100は、相互に隣接する隆起部11と 部12とにより定められる段差部13を面14側に する層間絶縁膜10と、層間絶縁膜10の段差部 13を有する面14に追従して設けられたバリア 20と、バリア層20を被覆するように設けられ 金属層30と、を備える。なお、半導体デバ スの配線形成工程においては、通常、層間 縁膜10、バリア層20及び金属層30はシリコン 板等の基体上に形成されるが、図1では層間 縁膜10の下層の構造が省略されている。

 層間絶縁膜10としては、シリコン系皮膜 有機ポリマ膜などが挙げられる。シリコン 被膜としては、二酸化ケイ素、フルオロシ ケートガラス、トリメチルシラン又はジメ キシジメチルシラン等を出発原料として得 れるオルガノシリケートグラス、シリコン キシナイトライド、水素化シルセスキオキ ン等のシリカ系被膜、更にはシリコンカー イド、シリコンナイトライドなどが挙げら る。また、有機ポリマ膜としては、例えば 芳香族系定誘電率層間絶縁膜が挙げられる 層間絶縁膜10の形成には、CVD法、スピンコー ト法、ディップコート法、スプレー法などを 適用することができる。また、層間絶縁膜10 おける段差部13の形成には、フォトリソ法 どを適用することができる。

 バリア層20は、金属層30から層間絶縁膜10 への金属の拡散を防止すると共に、層間絶 膜10と金属層30との密着性を向上させる機能 を有する。バリア層20の構成材料としては、 ンタル、窒化タンタル、タンタル合金及び の他のタンタル化合物、チタン、窒化チタ 、チタン合金及びその他のチタン化合物、 びにタングステン、窒化タングステン、タ グステン合金及びその他のタングステン化 物から選ばれる少なくとも1種であるのが好 ましい。なお、図1にはバリア層20が単層構造 である場合の例を示したが、バリア層20は2層 以上の積層構造であってもよい。

 金属層30は、銅、銅合金、銅の酸化物、 合金の酸化物、タングステン、タングステ 合金、銀、金等の金属を主成分として構成 れる。これらの中でも、金属層30の構成材料 が銅、銅合金、銅の酸化物及び銅合金の酸化 物から選ばれる少なくとも1種である場合に 発明の研磨方法は好適である。

 金属層30は、上記の金属をスパッタ法、め き法によりバリア層20上に堆積させることに よって形成することができるが、このように して形成された金属層30は、層間絶縁膜10の 差部13に対応する段差部31を有し得る。つま 、層間絶縁膜10の溝部11の上方に金属が堆積 することにより溝部11に金属が埋め込まれる 、その一方で、金属は層間絶縁膜10の隆起 12の上方にも堆積する。そのため、金属層30 層間絶縁膜10の隆起部12の上方の部分33が実 的に被研磨面を構成することになり、金属 30の層間絶縁層10の溝部11の上方の部分32は 研磨面から窪んだ形状となる。図1中の矢印S 1 は、段差部31における段差(初期段差)を示し いる。

 上記のような構成を有する基板100は、後 するように2段階の研磨工程(b)、(c)(第1の工 及び第2の工程)に供される。そして、第1の 程及び第2の工程においては、酸化金属溶解 剤、金属防食剤、酸化金属溶解調整剤及び水 を含有する第1の液、及び、金属酸化剤を含 する第2の液という共通の原料液を用いて2種 類の研磨液が調製され、金属層30の研磨に使 される。

 第1の液に含まれる酸化金属溶解剤として は、1種類以上の酸及びアンモニウム塩が好 である。酸化金属溶解剤は水溶性のもので れば特に制限されないが、マロン酸、クエ 酸、リンゴ酸、グリコール酸、グルタミン 、グリコン酸、シュウ酸、酒石酸、ピコリ 酸、ニコチン酸、マンデル酸、ピコリン酸 酢酸、硫酸、硝酸、燐酸、酢酸、塩酸、ギ 、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、安 香酸、キナルジン酸、酪酸、吉草酸、乳酸 フタル酸、フマル酸、マレイン酸、アミノ 酸、サリチル酸、グリセリン酸、ピメリン 等が挙げられる。また、これら酸のアンモ ウム塩及びこれらの有機酸エステル等が挙 られる。実用的なCMP速度を維持しつつ、エ チング速度を効果的に抑制できるという点 、2種以上の酸あるいはアンモニウム塩を併 することも有効である。

 また、金属防食剤としては、トリアゾー 骨格、ピリミジン骨格、イミダゾール骨格 グアニジン骨格、チアゾール骨格又はピラ ール骨格を有する化合物が好適である。研 液における金属防食剤の含有割合を低くし 実用的なCMP速度とエッチング速度のバラン を維持しつつ、研磨摩擦を効果的に抑制で るという点で、2種以上の金属防食剤を併用 することも有効である。

 金属防食剤のうち、トリアゾール骨格を する化合物としては、2-メルカプトベンゾ アゾ-ル、1,2,3-トリアゾ-ル、1,2,4-トリアゾ- 、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾ-ル、ベンゾトリ ゾ-ル、1-ヒドロキシベンゾトリアゾ-ル、1- ヒドロキシプロピルベンゾトリアゾ-ル、2,3 -ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾ-ル、4 -ヒドロキシベンゾトリアゾ-ル、4-カルボキ ル(-1H-)ベンゾトリアゾ-ル、4-カルボキシル(- 1H-)ベンゾトリアゾ-ルメチルエステル、4-カ ボキシル(-1H-)ベンゾトリアゾ-ルブチルエス ル、4-カルボキシル(-1H-)ベンゾトリアゾ-ル クチルエステル、5-ヘキシルベンゾトリア -ル、[1,2,3-ベンゾトリアゾリル-1-メチル][1,2, 4-トリアゾリル-1-メチル][2-エチルヘキシル] ミン、トリルトリアゾ-ル、ナフトトリアゾ- ル、ビス[(1-ベンゾトリアゾリル)メチル]ホス ホン酸、3-アミノトリアゾール、5-メチルベ ゾトリアゾール等を例示することができる その中でも、CMP速度とエッチング速度のバ ンスの点で、1,2,3-トリアゾ-ル、1,2,4-トリア -ル、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾ-ル、4-アミノ -4H-1,2,4-トリアゾ-ル、ベンゾトリアゾ-ル、1- ドロキシベンゾトリアゾ-ル、5-メチルベン トリアゾールがより好ましい。これら金属 食剤は1種類単独で、もしくは2種類以上混 して用いることができる。

 また、イミダゾール骨格を有する化合物 しては、2-メチルイミダゾール、2-エチルイ ミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、2 -プロピルイミダゾール、2-ブチルイミダゾー ル、4-メチルイミダゾール、2、4-ジメチルイ ダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール 2-ウンデシルイミダゾール、2-アミノイミダ ール等を例示することができる。これら金 防食剤は1種類単独で、もしくは2種類以上 合して用いることができる。

 また、ピリミジン骨格を有する化合物と ては、ピリミジン、1,2,4-トリアゾロ[1,5-a]  リミジン、1,3,4,6,7,8-ヘキサハイドロ-2H-ピリ ミド[1,2-a] ピリミジン、1,3-ジフェニル-ピリ ジン-2,4,6-トリオン、1,4,5,6-テトラハイドロ リミジン、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン ルフェイト、2,4,5-トリハイドロキシピリミ ン、2,4,6-トリアミノピリミジン、2,4,6-トリ ロロピリミジン、2,4,6-トリメトキシピリミ ン、2,4,6-トリフェニルピリミジン、2,4-ジア ノ-6-ヒドロキシルピリミジン、2,4-ジアミノ ピリミジン、2-アセトアミドピリミジン、2- ミノピリミジン、2-メチル-5,7-ジフェニル-(1, 2,4)トリアゾロ(1,5-a)ピリミジン、2-メチルサ ファニル-5,7-ジフェニル-(1,2,4)トリアゾロ(1,5 -a)ピリミジン、2-メチルサルファニル-5,7-ジ ェニル-4,7-ジヒドロ-(1,2,4)トリアゾロ(1,5-A)ピ リミジン、4-アミノピラゾロ[3,4,-d]ピリミジ 等が挙げられ、特に、CMP速度とエッチング 度のバランスの点から4-アミノピラゾロ[3,4,- d]ピリミジン、1,2,4-トリアゾロ[1,5-a]ピリミジ ン、2-メチル-5,7-ジフェニル-(1,2,4)トリアゾロ (1,5-a)ピリミジン、2-メチルサルファニル-5,7- フェニル-(1,2,4)トリアゾロ(1,5-a)ピリミジン 好ましい。これらは1種類単独で、もしくは 2種類以上混合して用いることができる。

 また、グアニジン骨格を有する化合物と ては、1,3-ジフェニルグアニジン、1-メチル- 3-ニトログアニジン等を例示することができ 。これら金属防食剤は1種類単独で、もしく は2種類以上混合して用いることができる。

 酸化金属溶解調整剤としては、例えばア ギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセ ロ-ス、寒天、カ-ドラン及びプルラン等の 糖類;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン 、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタク ル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、 リメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド 、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリ マル酸、ポリ(p-スチレンカルボン酸)、ポリ アクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポ リアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニ ウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリ アミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポ リアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシ ル酸等のポリカルボン酸及びその塩が挙げら れる。さらに、ポリカルボン酸の塩としては 、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ハ ロゲン化物などが挙げられる。基板100が半導 体集積回路用シリコン基板などの場合はアル カリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物 等による汚染は望ましくないため、ポリカル ボン酸及びそのアンモニウム塩を用いること が望ましい。一方、基板100がガラス基板等で ある場合はその限りではない。上記の酸化金 属溶解調製剤の中でも、研磨速度、エッチン グ速度の点から、ペクチン酸、寒天、ポリリ ンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸 アンモニウム塩、ポリアクリルアミド、それ らのエステル及びそれらのアンモニウム塩が 好ましい。

 また、第1の液に含まれる水としては、蒸 留水、イオン交換水又は純水が好適である。

 一方、第2の液に含まれる金属酸化剤とし ては、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、硝 酸第二鉄、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜 塩素酸及びオゾン水等が挙げられ、中でも過 酸化水素が好ましい。金属酸化剤は、1種を 独で又は2種以上を組み合わせて用いること できる。なお、基板100が集積回路用素子を むシリコン基板である場合には、アルカリ 属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物など よる汚染は望ましくないので、不揮発成分 含まない金属酸化剤を用いることが好まし 。但し、オゾン水は組成の経時変化が大き ので、過酸化水素が最も適している。なお 基板100が半導体素子を含まないガラス基板 どである場合には不揮発成分を含む金属酸 剤を用いても差し支えない。

 また、第2の液は、水を更に含有してもよ い。

 前段の研磨工程である工程(b)では、上記 第1の液と第2の液を所定の割合で混合した 1の研磨液を用いて、金属層30の研磨が行わ る。研磨方法としては、例えば、研磨定盤 研磨布上に第1の研磨液を供給しながら、金 層30の被研磨面を研磨布に押圧した状態で 磨定盤と基板を相対的に動かすことによっ 被研磨膜を研磨する方法が好適である。研 装置としては、半導体基板を保持するホル (ヘッド)と研磨布(パッド)を貼り付けた(回転 数が変更可能なモータ等を取り付けてある) 盤を有する一般的な研磨装置が使用できる 研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポ ウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用で 、特に制限がない。研磨条件には制限はな が、定盤の回転速度は基板が飛び出さない うに200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨 を有する半導体基板の研磨布への押し付け 力が1~100kPaであることが好ましく、研磨速度 のウエハ面内均一性及び被研磨面の平坦性の 観点から、5~50kPaであることがより好ましい 研磨している間、研磨布には第1の研磨液を ンプ等で連続的に供給する。この供給量に 限はないが、研磨布の表面が常に第1の研磨 液で覆われていることが好ましい。研磨終了 後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンド ライ等を用いて半導体基板上に付着した水滴 を払い落としてから乾燥させることが好まし い。

 なお、第1の液と第2の液の混合方法は、 れらの液が研磨前に混合されて第1の研磨液 して用いられる限り特に制限されない。例 ば、第1の液と第2の液とを予め混合し、混 液を研磨定盤に供給してもよく、あるいは 第1の液、第2の液をそれぞれ別々に供給し配 管内で2液を混合してもよい。

 第1の研磨液中の酸化金属溶解剤の含有割 合は、第1の研磨液の全重量を基準として、0. 001~10重量%とすることが好ましく、0.01~1重量% することがより好ましく、0.01~0.5重量%とす ことが特に好ましい。この含有割合が0.001 量%未満になると研磨速度が低下する傾向に る。また、この含有割合が10重量%を超える 、エッチング速度が大きくなり、金属配線 腐食が起こりやすくなる傾向にある。なお 金属防食剤の含有割合を高くすることでエ チング速度を抑えることができるが、その 合は研磨摩擦が増加する傾向がある。

 また、第1の研磨液中の金属防食剤の含有 割合は、第1の研磨液の全重量を基準として 0.001~2.0重量%とすることが好ましく、0.01~0.5 量%とすることがより好ましく、0.02~0.2重量% することが特に好ましい。この含有割合が0 .001重量%未満では、エッチングの抑制が困難 なる傾向があり、2重量%を超えると実用上 分な研磨速度が得られない傾向にある。

 また、第1の研磨液中の酸化金属溶解調整 剤の含有割合は、第1の研磨液の全重量を基 として、0.001~10重量%とすることが好ましく 0.01~5重量%とすることがより好ましく、0.1~2 量%とすることが特に好ましい。この含有割 が0.001重量%未満になると金属配線のディッ ングが悪化し、研磨布上への被研磨物の蓄 が増加する傾向にある。また、この含有割 が10重量%を超えると、エッチング速度が大 くなり、また研磨速度と被研磨面の平坦性 両立が難しくなる傾向にある。

 また、第1の研磨液中の金属酸化剤の含有 割合は、第1の研磨液の全重量を基準として 0.5~15重量%であることが好ましく、1.0~15重量% であることがより好ましく、3.0~13重量%であ ことが特に好ましい。金属酸化剤の含有割 が0.5重量%未満の場合又は15重量%を超える場 には、研磨速度が低下する傾向にある。

 また、第1の研磨液のpHは2~5であることが ましく、2.5~4.5であることがより好ましく、 3.0~4.3であることが特に好ましい。pHが2より さいと、金属の腐食や表面あれ等の問題が 生し易く、それを低減するために防食剤の 有割合が高くなることにより研磨摩擦も大 くなり、配線不良が発生し易い。またpHが5 りも大きいと、金属の腐食作用が少ないの 防食剤含有割合を低減することができるが 十分な研磨速度が得られにくい。本発明に いて、研磨液のpHは、pHメータ(例えば、横河 電機(株)製の Model pH81)を用いて測定した。 り具体的には、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩 液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25 ))を用いて、2点校正した後、電極を研磨液 入れて、2分以上経過して安定した後の値を 測定した。

 第1の研磨液は、上述した材料のほかにア ルミナ、シリカ、セリア等の固体砥粒、界面 活性剤、ビクトリアピュアブルー等の染料、 フタロシアニングリーン等の顔料等の着色剤 などを更に含有してもよい。

 砥粒としては、シリカ、アルミナ、ジル ニア、セリア、チタニア、炭化珪素等の無 物砥粒、ポリスチレン、ポリアクリル、ポ 塩化ビニル等の有機物砥粒のいずれでもよ が、研磨液中での分散安定性が良く、CMPに り発生する研磨傷(スクラッチ)の発生数の ない、平均粒径が100nm以下のコロイダルシリ カ、コロイダルアルミナが好ましく、平均粒 径が80nm以下のコロイダルシリカ、コロイダ アルミナがより好ましく、平均粒径が60nm以 のコロイダルシリカが最も好ましい。コロ ダルシリカはシリコンアルコキシドの加水 解または珪酸ナトリウムのイオン交換によ 製造方法が知られており、コロイダルアル ナは硝酸アルミニウムの加水分解による製 方法が知られている。また、本発明におい 、砥粒の粒径は、光回折散乱式粒度分布計( 例えば、COULTER Electronics社製の COULTER N4SD)で 測定した。また、粒子の凝集度は、透過型電 子顕微鏡(例えば(株)日立製作所製のH-7100FA)で 測定した。Coulterの測定条件は、測定温度20℃ 、溶媒屈折率1.333(水)、粒子屈折率Unknown(設定 )、溶媒粘度1.005cp(水)、Run Time200sec、レーザ 射角90°、Intensity(散乱強度、濁度に相当)が5E +04~4E+05の範囲に入るように、4E+05よりも高い 合には水で希釈して測定した。

 第1の研磨液中の砥粒の含有割合は、第1 研磨液の全重量を基準として、0.01~10.0重量% 好ましく、0.05~2.0重量%がより好ましく、0.1~ 1.0重量%が最も好ましい。砥粒の含有割合が0. 01重量%では、砥粒の添加による効果が得られ ない傾向にあり、また、10.0重量%以上では、 有割合に見合う更なる効果の向上がみられ い傾向にある。

 工程(b)は、第1の研磨液を用いてバリア層20 露出しないように金属層30を研磨する工程 あり、工程(b)で研磨を行った後の基板200に いては、段差部31における段差(残段差)S 2 は初期段差S 1 よりも小さくなるものの、層間絶縁膜10の隆 部12の上方には依然として金属層30が存在す る。工程(b)における研磨は、金属層30の段差 31における初期段差S 1 及び残段差S 2 が下記式(1)で表される条件を満たすように、 金属層を研磨することが好ましい。
0≦S 2 /S 1 ≦0.2  (1)
[式(1)中、S 1 は金属層の段差部における研磨前の段差(単 :nm)を示し、S 2 は金属層の段差部における研磨後の段差(単 :nm)を示す。]

 続いて、工程(c)では、第1の液と第2の液 を、第1の研磨液よりも第2の液の割合が大き くなるように混合した第2の研磨液を用いて 磨を行う。なお、工程(c)における研磨方法 研磨装置、研磨布、研磨条件、並びに、第1 液と第2の液との混合方法は上記工程(b)の場 合と同様であるため、ここでは重複する説明 を省略する。

 第2の研磨液は第1の研磨液よりも第2の液 割合が大きくなるように混合して得られる のである。そのため、第2の研磨液において は、第1の研磨液と比較して、第1の液に由来 る酸化金属溶解剤等の含有割合が小さくな 、第2の液に由来する金属酸化剤の割合が大 きくなる。さらに、第2の研磨液における各 分の含有割合は、後述する条件を満たすこ が好ましい。

 第2の研磨液中の酸化金属溶解剤の含有割 合は、第2の研磨液の全重量を基準として、0. 001~10重量%とすることが好ましく、0.01~1重量% することがより好ましく、0.01~0.5重量%とす ことが特に好ましい。この含有割合が0.001 量%未満になると研磨速度が低下する傾向に る。また、この含有割合が10重量%を超える 、エッチング速度が大きくなり、金属配線 腐食が起こりやすくなる傾向にある。なお 金属防食剤の含有割合を高くすることでエ チング速度を抑えることができるが、その 合は研磨摩擦が増加する傾向がある。

 また、第2の研磨液中の金属防食剤の含有 割合は、第2の研磨液の全重量を基準として 0.001~2.0重量%とすることが好ましく、0.01~0.5 量%とすることがより好ましく、0.02~0.15重量% とすることが特に好ましい。この含有割合が 0.001重量%未満では、エッチングの抑制が困難 となる傾向があり、2重量%を超えると実用上 分な研磨速度が得られない傾向にある。

 また、第2の研磨液中の酸化金属溶解調整 剤の含有割合は、第2の研磨液の全重量を基 として、0.001~10重量%とすることが好ましく 0.01~5重量%とすることがより好ましく、0.1~2 量%とすることが特に好ましい。この含有割 が0.001重量%未満になると金属配線のディッ ングが悪化して被研磨面の平坦性が低下し 更には研磨布上への被研磨物の蓄積が増加 る傾向にある。また、この含有割合が10重 %を超えると、エッチング速度が大きくなり また研磨速度と被研磨面の平坦性の両立が しくなる傾向にある。

 また、第2の研磨液中の金属酸化剤の含有 割合は、第2の研磨液の全重量を基準として 0.5~15重量%であることが好ましく、1.0~15重量% であることがより好ましく、3.0~13重量%であ ことが特に好ましい。金属酸化剤の含有割 が0.5重量%未満の場合又は15重量%を超える場 には、研磨速度が低下する傾向にある。

 また、第2の研磨液のpHは2~5であることが ましく、2.5~4.5であることがより好ましく、 3.0~4.3であることが特に好ましい。pHが2より さいと、金属の腐食や表面あれ等の問題が 生し易く、それを低減するために防食剤の 有割合が高くなることにより研磨摩擦も大 くなり、配線不良が発生し易い。またpHが5 りも大きいと、金属の腐食作用が少ないの 防食剤の含有割合を低減することができる 、十分な研磨速度が得られにくい。

 また、第2の研磨液は、第1の研磨液と同 に、固体砥粒、界面活性剤、着色剤などを に含有してもよい。

 工程(c)は、工程(b)に続いて、第2の研磨液 を用いて金属層30を研磨し、バリア層20のう 層間絶縁膜10の隆起部12の上方に位置する部 を露出させるものであり、工程(c)で研磨を った後の基体300においては、層間絶縁膜10 溝部11に金属層30が埋め込まれ、隆起部12の 方は層間絶縁膜10を被覆するバリア層20が露 した状態となる。

 本実施形態に係る研磨方法によれば、2つ のCMP工程(b)、(c)における研磨液として、酸化 金属溶解剤、金属防食剤、酸化金属溶解調整 剤及び水を含有する第1の液と、金属酸化剤 含有する第2の液との混合割合を変えて調製 たものを用いることで、工程(b)、(c)のそれ れにおける研磨速度の向上効果及びディッ ングの抑制効果を制御することができ、そ 結果、全体の研磨速度を十分に高水準に維 しつつ、工程(c)の後に得られる基板300の被 磨面を十分に平坦化することができる。

 また、工程(b)に用いられる第1の研磨液及 び工程(c)に用いられる第2の研磨液は、上記 通り、第1の液及び第2の液という共通の原料 液を混合して得られるものであり、当該研磨 方法は研磨液の調製工程の簡便化や原料コス トの削減の観点からも有用である。

 なお、本発明は上記実施形態に限定され ものではない。上記実施形態では工程(b)、( c)を連続的に行う場合の例を示したが、必要 応じて、工程(b)と工程(c)との間に被研磨面 洗浄工程や乾燥工程等を設けてもよい。さ に、工程(b)と工程(c)との間で、研磨定盤や 磨布の交換、加工荷重の変更、更にはそれ の作業のための装置の停止を行ってもよい

 以下、実施例及び比較例に基づき本発明 更に具体的に説明するが、本発明は以下の 施例に何ら限定されるものではない。

[実施例1~4、比較例1、2]
(研磨液の調製)
 まず、ポリアクリル酸が1.2重量%、平均粒径 35nmのコロイダルシリカ砥粒が0.40重量%、酸化 金属溶解剤としてリンゴ酸が0.20重量%、コハ 酸が0.20重量%、金属防食剤としてベンゾト アゾールが0.20重量%、および純水が残部(す わち合計が100重量%)となるように、上記の成 分を混合し、混合液のpHをアンモニアを用い 3.6に調整して、A液(本発明に係る第1の液に 当する。)を得た。また、本発明に係る第2 液として、過酸化水素水(試薬特級、30%水溶 )を用意した。次に、実施例1~3及び比較例1~2 のそれぞれにおいて、A液とB液とを表1に示す 割合で混合し、2種類の研磨液を調製した。

(基板)
 研磨に供する基板として、下記の基板1、2 用意した。
基板1(パターン無し8インチブランケットシリ コン基板):シリコン基板/層間絶縁膜(二酸化 リコン、平均膜厚300nm)/バリア層(窒化タンタ ル、平均膜厚25nm)/金属層(銅、平均膜厚1.5μm)
基板2(パターン付8インチシリコン基板):深さ0 .5μmの溝が形成されたシリコン基板/層間絶縁 膜(二酸化シリコン、平均膜厚300nm)/バリア層( 窒化タンタル、平均膜厚25nm)/金属層(銅、平 膜厚850nm)。

 上記の基板2(パターン付8インチシリコン基 )は以下のようにして作製した。まず、シリ コン基板上に層間絶縁膜として二酸化珪素( 均膜厚:500nm)をCVD法により成膜した。この層 絶縁膜に、フォトリソ法により、幅100μm、 さ500nmの溝部(配線金属部に対応)と幅100μmの 隆起部(層間絶縁部に対応)が交互に並んだ段 部を形成した。次に、スパッタ法により、 間絶縁膜表面の段差部の形状に沿って、バ ア層としての窒化タンタル膜(平均膜厚:25nm) を形成した。さらに、めっき法により、窒化 タンタル膜上の溝を全て埋めるように、金属 層として銅膜(平均膜厚: 850 nm)を形成した。

(研磨速度及び被研磨面の評価)
 上記の基板1、2のそれぞれについて、第1の 磨液を用いた研磨工程I及び第2の研磨液を いた研磨工程IIを実施した。研磨工程I、IIに おいては、研磨定盤の研磨布に研磨液I又は 磨液IIを供給しながら、金属層の被研磨面に 研磨布を押圧した状態で、研磨定盤と基板と を相対的に動かすことによって金属層を研磨 した。研磨工程I、IIにおける研磨条件を以下 に示す。また、研磨工程I、IIにおいては、電 気抵抗値から換算される研磨前後の金属層の 膜厚と研磨時間とから研磨速度を求め、触針 式段差計を用いて基板2の残段差を求めた。
 また、研磨工程Iでは、隆起部12のCu平均残 厚が180~200nmなるまで研磨を行い、研磨工程II では、ウエハ全面で層間絶縁膜の隆起部12上 窒化タンタルが露出するまで研磨を行った 実施例4においては、研磨工程I後に膜厚測 、および段差測定を行わずに、研磨工程I、I Iを連続して研磨した。
(研磨条件)
研磨パッド:IC1010(ロデ-ル社製)
研磨圧力:
 研磨工程I:14.0kPa
 研磨工程II:7.0kPa
研磨定盤回転数:93rpm
ウエハを装着したヘッド回転数:87rpm
研磨液供給量:200ml/分

 研磨液Iに比べて研磨液IIの方がB液/A液の 合比が大きい実施例1~3の場合、研磨工程Iで は良好な研磨速度を示し、一方、研磨工程II 後の基板の被研磨面は良好な平坦性を示し 。研磨工程I、IIを連続で研磨した実施例4に おいても、同様に良好な平坦性を示した。一 方、研磨液I、IIが同一組成を有する比較例1 は、研磨工程Iにおいて研磨速度が低くなり パターン基板の研磨時間が長くなった。ま 、研磨液Iに比べて研磨液IIの方がB液/A液の 合比が小さい比較例2の場合、研磨工程Iに ける研磨速度が低くなってパターン基板の 磨時間が長くなり、一方、研磨工程IIでは平 坦性が悪化した。