MITSUDA MASARU (JP)
OKURO KAZUMI (JP)
MITSUDA MASARU (JP)
WO1997041123A1 | 1997-11-06 | |||
WO2002085855A1 | 2002-10-31 |
JPH02300187A | 1990-12-12 | |||
JPH02218664A | 1990-08-31 | |||
JP2005343835A | 2005-12-15 | |||
CN1651400A | 2005-08-10 | |||
JPS632976A | 1988-01-07 | |||
US3318908A | 1967-05-09 |
一般式(2); |
有機溶媒が極性溶媒である請求項1記載の製造方法。 |
前記式(4)で表される化合物が、前記式(2)で表される3-シアノピロリジン誘導体と、一般式(3); R 2 H (3) (式中、R 2 は前記に同じ。)で表される酸とを反応させて得られたものである請求項1または2記載の製造方法。 |
一般式(1); |
無機塩基がアルカリ水酸化物である請求項4に記載の製造方法。 |
一般式(2); R 2 H (3) (式中、R 2 はプロトンの対アニオンを表す。)で表される酸とを反応させることを特徴とする、下記一般式(4); |
一般式(4); |
結晶形態を有する請求項7に記載の3-シアノピロリジン誘導体塩。 |
本発明は、医薬分野をはじめ多方面にお て有用な化合物である3-シアノピロリジン 導体およびその塩の新規製造法に関する。
一般式(2);
(式中、R 1 は水素、炭素数1から18の置換もしくは無置換 のアルキル基、炭素数6から20の置換もしくは 無置換のアリール基、または、炭素数7から20 の置換もしくは無置換のアラルキル基を表す 。)で表される3-シアノピロリジン誘導体は、 抗菌剤や抗感染症薬中間体として有望な化合 物である(非特許文献1、2、特許文献1)。
前記式(2)で表される化合物は、例えば、 般式(1);
(式中、Xは脱離基を表す。R 1
は前記に同じ)で表されるピロリジン誘導体
ら製造することができる。このような方法
しては、従来、
1)メタンスルホニルオキシ基やトルエンスル
ニルオキシ基などの脱離基を3位に有するピ
ロリジン誘導体とシアノ化合物を反応させる
方法。具体的にはシアノ化合物としてシアン
化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化
リチウム、シアン化テトラブチルアンモニウ
ムを用いる方法(特許文献2,3、4、5、6、非特
文献3)、
2)上記シアノ化合物以外のシアノ源として、
セトンシアンヒドリンを用いて、DBU(1,8-ジ
ザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ-7-エン)塩基共
下で行う方法(特許文献7)、
などが知られている。
しかし、1)の方法で用いられるシアノ化 物は、いずれも毒物指定化合物であり、工 的規模で大量に使用するには、安全性の面 問題がある。
2)の方法は、用いられるDBU塩基が非常に 価であり、工業的規模で実施するにはコス 面で問題がある。しかも、DBUは脱離反応を 進する強塩基であり、3-位でのシアノ化と脱 離によるオレフィンの副生が競争して起こる 場合がある。例示されている反応は、N-Boc-3- ルエンスルホニルオキシピロリジンのシア 化であるが、本反応系を、例えば、実際に 光学活性なN-ベンジル-3-メタンスルホニル キシピロリジンのシアノ化に適用した場合 メタンスルホニルオキシ基の脱離生成物が 量に副生するため、目的とするシアノ化生 物の収率は低い上に、光学純度も大きく低 し(参考例1)、必ずしも有効な方法とはいえ い。
また、3-シアノピロリジン誘導体を光学 性体として得る場合、原料の3-位に脱離基を 有するピロリジン誘導体を光学活性体とし、 従来法にて製造することができるが、シアノ 化の際に光学純度の低下が少なからず起こる ため、医薬品等の原料として必要なレベルの 高光学純度品を得るための手段が必要とされ る。
また、上記製造法などにおいて得られる 記式(2)で表される化合物は、一般に液状で る場合が多い。しかしながら、液状の化合 (2)は、精製方法が限定され、純度を向上さ るのが困難であったり、取扱いが困難であ た。
上記現状を鑑み、3-シアノピロリジン誘 体の製造方法に関して鋭意検討した結果、 下による製造方法を見出すに至った。
即ち、本発明は、一般式(2);
(式中、R 1 は水素、炭素数1から18の置換もしくは無置換 のアルキル基、炭素数6から20の置換もしくは 無置換のアリール基、または、炭素数7から20 の置換もしくは無置換のアラルキル基を表す 。)で表される3-シアノピロリジン誘導体を、 一般式(4);
(R 2 はプロトンの対アニオンを表す。)で表され 塩とする工程、および、この塩を有機溶媒 用いて晶析し、結晶として取得する工程を むことを特徴とする3-シアノピロリジン誘導 体の製造方法に関する。
また、本発明は、一般式(1);
で表されるピロリジン誘導体を、無機塩基 存在下、アセトンシアンヒドリンと反応させ ることを特徴とする前記式(2)で表される3-シ ノピロリジン誘導体の製造方法に関する。
また、本発明は、前記式(2)で表される3-シ
ノピロリジン誘導体と、一般式(3);
R 2
H (3)
(式中、R 2
はプロトンの対アニオンを表す。)で表され
酸とを反応させることを特徴とする、前記
(4)で表される3-シアノピロリジン誘導体塩の
製造方法に関する。
また、本発明は、前記式(4)で表される3- アノピロリジン誘導体塩に関する。
本発明により、高い安全性で、容易に、 薬品中間体として有用な3-シアノピロリジ 誘導体及びその塩を高い光学純度で製造す ことが可能となった。また、3-シアノピロリ ジン誘導体を塩の形とりわけ結晶形態で取得 することでより工業的に取り扱い容易になっ た。
まず、一般式(1);
で表されるピロリジン誘導体を、無機塩基 存在下、アセトンシアンヒドリンと反応させ 、一般式(2);
で表される3-シアノピロリジン誘導体を製 する工程について述べる。
原料となるピロリジン誘導体(1)は、既知 方法により合成できる(例えば、Bioorganic &am p; Medicinal Chemistry Letters, 10, 2417-2419, 2000、 Tetrahedron Letters, 36(3), 381-382, 1995)。
前記式(1)及び(2)中、R 1 は、水素、炭素数1から18の置換もしくは無置 換のアルキル基、炭素数7から20の置換もしく は無置換のアラルキル基、または、炭素数6 ら20の置換もしくは無置換のアリール基を表 す。
炭素数1から18の置換もしくは無置換のア キル基としては、例えばメチル基、エチル 、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル 基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル 基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキ ル基などを挙げることができる。置換基と ては、水酸基;メトキシ基、エトキシ基など アルコキシ基;ニトロ基;塩素、臭素、ヨウ などのハロゲン原子;シアノ基;エステル基等 があげられる。
炭素数7から20の置換もしくは無置換のア ルキル基としては、例えば、ベンジル基、4 -メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、2- チルベンジル基、4-メトキシベンジル基、3- メトキシベンジル基、2-メトキシベンジル基 1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、 1-(4-メチルフェニル)エチル基、1-(4-メトキシ ェニル)エチル基、3-フェニルプロピル基、2 -フェニルプロピル基等を挙げることができ 。置換基としては、アルキル基の場合と同 の基があげられる。
炭素数6から20の置換もしくは無置換のア ール基としては、例えば、フェニル基、1- フチル基、2-ナフチル基、4-メチルフェニル 、3-メチルフェニル基、2-メチルフェニル基 、4-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基 4-メトキシフェニル基、3-メトキシフェニル 、2-メトキシフェニル基、4-ニトロフェニル 基、4-フェニルフェニル基、4-クロロフェニ 基、4-ブロモフェニル基などを挙げることが できる。置換基としては、アルキル基の場合 と同様の基があげられる。
R 1 として好ましくはメチル基、エチル基、ベン ジル基であり、さらに好ましくはベンジル基 である。
Xは脱離基を表す。脱離基の定義としては 、例えばアドバンスドオーガニックケミスト リー パートA サードエディション 290-293ペ ジ(Plenum社)を参照できる。具体的には、ヨ 素、臭素、塩素などのハロゲン原子;メタン ルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオ シ基、トルエンスルホニルオキシ基、ニト ベンゼンスルホニルオキシ基、クロロベン ンスルホニルオキシ基、フルオロスルホニ オキシ基などのスルホニルオキシ基を表す 好ましくは、スルホニルオキシ基であり、 らに好ましくはメタンスルホニルオキシ基 ある。
用いられるアセトンシアンヒドリンの量 、通常、ピロリジン誘導体(1)に対して1モル 当量以上使用すればよく、好ましくは1~10モ 当量であり、さらに好ましくは1~5モル当量 ある。
使用される無機塩基としては、水酸化ナ リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム 水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水 化カルシウムなどのアルカリ水酸化物;炭酸 水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムな どのアルカリ炭酸塩等が挙げられる。好まし くはアルカリ水酸化物であり、なかでも好ま しくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、 水酸化リチウムである。
用いられる塩基の量は、3-シアノピロリ ン誘導体(1)を基準にすれば1モル当量以上使 すればよく、好ましくは1~10モル当量であり 、さらに好ましくは1~5モル当量であるが、通 常、アセトンシアンヒドリンに対して等モル 量使用すると良い。
反応温度は、通常0~150℃の範囲内であり 好ましくは30~100℃である。
本工程において、用いられる溶媒は特に 定されず、例えば、N,N-ジメチルホルムアミ ド(DMF),ジメチルスルホキシド(DMSO),N-メチルピ ロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等 の非プロトン性極性溶媒;ヘキサメチルベン ン、トルエン、n-ヘキサン、シクロヘキサン 等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テ ラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエーテ ル、メチルtert-ブチルエーテル、ジメトキシ タン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、ク ロロホルム、1,1,1-トリクロロエタン等のハロ ゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエ テル系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリ 等のニトリル系溶媒;メタノール、エタノー ル、イソプロパノール、ブタノール、オクタ ノール等のアルコール系溶媒;水などが挙げ れ、これらは単独で用いてもよく、2種以上 併用しても良い。なかでも非プロトン性極 溶媒が好ましく、ジメチルスルホキシド、N ,N-ジメチルホルムアミドがさらに好ましい。
本反応における基質、アセトンシアンヒ リン、塩基及び溶媒の添加順序に特に制限 ない。
反応終了後、反応液から生成物を取得す ためには、一般的な後処理を行えばよい。 えば、反応終了後の反応液に水を加え、一 的な抽出溶媒、例えば、酢酸エチル、ジエ ルエーテル、塩化メチレン、トルエン、ヘ サン等を用いて抽出操作を行う。得られた 出液から、減圧加熱等の操作により反応溶 および抽出溶媒を留去すると、目的化合物 得られる。また、反応終了後、減圧加熱等 操作により反応溶媒を留去してから同様の 作を行っても良い。このようにして得られ 目的物は、かなり純度の高いものであるが 晶析精製、分別蒸留、カラムクロマトグラ ィー等、一般的な手法により精製を加え、 らに純度を高めても良い。
前記式(1)で表される化合物(以下、化合物 (1)と称する場合もある)は、ラセミ体であっ もよいし、ピロリジン環の3位に不斉中心を する光学活性体であってもよい。光学活性 を用いた場合は、通常、生成物である前記 (2)(以下、化合物(2)と称する場合もある)も ロリジン環の3位に不斉中心を有する光学活 体として得られる。この場合、反応は立体 転で進行するため、(R)体の化合物(1)からは( S)体の化合物(2)が、(S)体の化合物(1)からは(R) の化合物(2)が得られる。
次に、前記式(2)で表される3-シアノピロ ジン誘導体を、一般式(4);
(R 2 はプロトンの対アニオンを表す。)で表され 3-シアノピロリジン誘導体の塩とする方法に ついて述べる。
前記式(4)で表される3-シアノピロリジン誘
体の塩は、例えば、前記式(2)で表される3-シ
アノピロリジン誘導体と一般式(3);
R 2
H (3)
で表される酸を反応させることにより得られ
る。
本工程で用いられる前記式(2)で表される3 -シアノピロリジン誘導体は、上記方法によ て得られたものであってもよいし、その他 方法で得られたものであってもよい。
前記式(4)において、R 1 は前記に同じである。
前記式(3)及び(4)中、R 2 はプロトンの対アニオンを表す。R 2 Hとして、具体的には、例えば、塩酸、硫酸 硝酸などの鉱酸;酢酸、マンデル酸、リンゴ 、酒石酸などのカルボン酸;メタンスルホン 酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン 酸などのスルホン酸などである。マンデル酸 、リンゴ酸、酒石酸など、光学活性体が存在 する酸の場合は、ラセミ体であっても、光学 活性体であってもよい。また、R 2 Hは、前述するような一価の酸に限定されず ニ価でも三価でもよい。言うまでもなく、R 2 Hが一価の酸である場合、R 2 は一価のアニオンであり、R 2 Hが二価の酸、三価の酸である場合、R 2 はそれぞれ二価のアニオン、三価のアニオン である。
前記式(3)で表される化合物の使用量とし は、化合物(2)に対し、0.5モル当量~3.0モル当 量、好ましくは、0.8~3.0モル当量、さらに好 しくは0.9~2.0モル当量である。
反応温度は、通常-50~80℃の範囲内であり 好ましくは-30~50℃である。
本工程において、用いられる溶媒は特に 定されず、例えば、N,N-ジメチルホルムアミ ド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N-メチ ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミ 等の非プロトン性極性溶媒;ヘキサメチルベ ゼン、トルエン、n-ヘキサン、シクロヘキ ン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、 トラヒドロフラン(THF)、ジイソプロピルエ テル、メチルtert-ブチルエーテル、ジメトキ シエタン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン クロロホルム、1,1,1-トリクロロエタン等の ロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等の ステル系溶媒;アセトニトリル、ブチロニト リル等のニトリル系溶媒;メタノール、エタ ール、イソプロパノール、ブタノール、オ タノール等のアルコール系溶媒;水などが挙 られ、これらは単独で用いてもよく、2種以 上を併用しても良い。2種以上併用する場合 その混合比は特に制限されない。
化合物(2)、前記式(3)で表される化合物、 媒の添加順序に特に制限はない。
前記式(4)で表される3-シアノピロリジン 導体の塩の製造方法は、上記方法に限定す ものでなく、その他の方法によって得られ ものであってもよい。その他の方法として 、例えば、前記式(1)で表される化合物とHCN 反応させる方法を挙げることができる。
こうして製造された前記式(4)で表される 合物(以下、化合物(4)と称する場合もある) 、有機溶媒を用いる晶析工程に付すことに り結晶として取得することができる。
晶析に用いる有機溶媒としては、非プロ ン性極性溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン 溶媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒ま はアルコール系溶媒などの極性溶媒;炭化水 素系溶媒などの非極性溶媒があげられる。溶 媒の具体例としては前述のものがあげられる 。好ましくは極性溶媒である。
晶析方法としては、特に制限されないが 反応晶析法、冷却晶析法、濃縮晶析法、溶 置換を用いる晶析法、貧溶媒を混合するこ による晶析法、及び/又は、種晶を添加する ことによる晶析法などの一般に用いられる晶 析法を組み合わせて実施することができる。
反応晶析法としては、特に制限されない 、前述の方法で化合物(2)から化合物(4)を製 し、反応溶媒中に析出させる方法があげら る。この場合、析出した結晶をろ過するこ により化合物(4)の結晶を取得することがで る。
冷却晶析法としては、化合物(4)を含有す 溶液を冷却させることにより結晶を析出さ る方法があげられる。化合物(4)を含有する 液は前述の有機溶媒をから選択させる少な とも1つの溶媒に化合物(4)を溶解させて製造 することができる。冷却させる温度としては 特に制限されず10℃以下、好ましくは0℃以下 である。下限としては、特に制限されないが 、-70℃以上が好ましく、より好ましくは-40℃ 以上である。とりわけ好ましくは-20℃以上で ある。
濃縮晶析法としては、化合物(4)を含有す 溶液を濃縮することにより晶析する方法が げられる。
貧溶媒を混合することによる晶析法として 、化合物(4)を含有する溶液中の有機溶媒よ も化合物(4)の溶解度が低い溶媒(貧溶媒と称 する)を添加することにより溶解度差を利用 て晶析させる方法があげられる。化合物(4) R 1 の種類により貧溶媒を適宜設定し、晶析して やればよい。貧溶媒の添加量、添加方法につ いては特に制限されない。例えば、R 1 がベンジル基であり、R 2 Hがメタンスルホン酸である場合、化合物(4) ニトリル系溶媒、アルコール系溶媒などに 解し、貧溶媒として上述の有機溶媒のうち 炭化水素系溶媒、エステル系溶媒などを用 てやればよい。
種晶を添加することによる晶析法は、具 的には予め取得した種晶を晶析溶液に添加 る方法である。
もちろん、一度単離した化合物(4)を再度 媒に溶解して上記晶析を実施して結晶とし 取得し、純度を向上させてもよい。
このようにして取得される化合物(4)の結 は、遠心分離、加圧分離、減圧濾過などの 般的な固液分離方法を用いて結晶を採取す ことができる。得られた結晶は、必要に応 て、例えば、減圧乾燥(真空乾燥)すること より乾燥結晶として取得することができる
化合物(4)は、ラセミ体であっても、ピロリ ン環の3位に不斉炭素原子を有する光学活性 体であってもよい。光学活性な化合物(2)を用 いれば光学活性な化合物(4)が得られる。化合 物(2)が光学活性体である場合、化合物(4)にお いて光学純度の向上が見られる場合がある。 また、化合物(2)がラセミ体であっても、使用 する酸R 2 Hが、例えば、L-またはD-マンデル酸、L-また D-酒石酸などの光学活性な酸である場合、化 合物(4)のジアステレオマー分割が起こり、光 学活性体が得られる場合もある。
このようにして得られる化合物(4)は、発 者らによって見出された新規化合物であり 種々の医薬品の原料となる有用な化合物で る。また、結晶形態の化合物(4)は、精製操 が簡便、かつ、工業的に取り扱い容易であ 、非常に有用な化合物である。言うまでも く、結晶形態の化合物(4)も本発明者らによ はじめて単離された新規な結晶である。
以下に例を挙げて本発明を更に詳しく説 するが、本発明はこれら実施例に限定され ものではない。
(実施例1) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
(S)-N-ベンジル-3-メタンスルホニルオキシピ
リジン(20.0g、78.4mmol)、アセトンシアンヒド
ン(20.0g、235.2mmol)、水酸化リチウム1水和物(1
0.6g、235.2mmol)のDMSO133ml溶液を60℃で27時間反応
させた。反応溶液を室温まで冷却し、水140ml
トルエン140mlを加えて、生成物をトルエン
出した。水相にヘキサン140mlを加えて再度抽
出した。有機相をあわせて無水硫酸ナトリウ
ムを用いて乾燥した。減圧下で溶媒を留去す
ることにより無色液体を20.97g得た。HPLCにて
量分析を行い、表題化合物の収量は11.8g(化
純度56.3wt%)(収率81%;96.6%ee)と求まった。
光学純度分析HPLC条件
カラム:CHIRALPAK AD-H
移動相:ヘキサン/2-プロパノール=95/5
流速:0.5mL/min
カラム温度:25℃
検出器:UV210nm
保持時間:15分(S)、16分(R)。
1 H-NMR(400MHz,CDCl 3 )δ2.10-2.25(m,2H),2.59-2.71(m,3H),2.90-2.92(m,1H),2.95-3.06 (m,1H),3.64(d,J=1.5Hz,1H)、7.25-7.34(m,5H)。
(実施例2) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
(S)-N-ベンジル-3-メタンスルホニルオキシピ
リジン(0.765g、3.0mmol)、アセトンシアンヒド
ン(0.766g、9.0mmol)、水酸化ナトリウム(0.36g、9
.0mmol)のDMSO10ml溶液を60℃で20時間反応させた
反応溶液を室温まで冷却し、水10ml、ヘキサ
10mlを加えて、生成物をヘキサン抽出した。
水相にヘキサン10mlを加えて再度抽出した。
機相をあわせて無水硫酸ナトリウムを用い
乾燥した。減圧下で溶媒を留去することに
り無色液体を0.620g得た。HPLCにて定量分析を
い、表題化合物の収率が61%(97.7%ee)と求まっ
。
(実施例3) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
(S)-N-ベンジル-3-メタンスルホニルオキシピ
リジン(0.765g、3.0mmol)、アセトンシアンヒド
ン(0.766g、9.0mmol)、炭酸カリウム(1.24g、9.0mmol
)のDMSO10ml溶液を60℃で22時間反応させた。反
溶液を室温まで冷却し、水10ml、酢酸エチル1
0mlを加えて、生成物を酢酸エチル抽出した。
水相に酢酸エチル10mlを加えて再度抽出した
有機相をあわせて、さらに水10mlで2度洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した
。減圧下で溶媒を留去することにより無色液
体を0.8581g得た。HPLCにて定量分析を行い、表
化合物の収率が41%(96.6%ee)と求まった。
(実施例4) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
(S)-N-ベンジル-3-メタンスルホニルオキシピ
リジン(0.765g、3.0mmol)、アセトンシアンヒド
ン(0.766g、9.0mmol)、水酸化リチウム1水和物(0.
396g、9.0mmol)のDMF10ml溶液を60℃で25時間反応さ
た。反応溶液を室温まで冷却し、水10ml、ト
ルエン10mlを加えて、生成物をトルエン抽出
た。水相にトルエン10mlを加えて再度抽出し
。有機相をあわせて無水硫酸ナトリウムを
いて乾燥した。減圧下で溶媒を留去するこ
により無色液体を0.6565g得た。HPLCにて定量
析を行い、表題化合物の収率が70%(96.8%ee)と
まった。
(実施例5) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
・メタンスルホン酸塩
実施例1で得られた、粗(R)-N-ベンジル-3-シア
ノピロリジン(化学純度56.3wt%)1.78g((R)-N-ベンジ
ル-3-シアノピロリジンとして1.0g(5.40mmol)に相
)をエタノール5mlに溶解後、0℃に冷却し、
ルエン10ml、メタンスルホン酸(0.52g、5.40mmol)
加えた。さらに0℃で20時間攪拌を続けた。
出した白色結晶を減圧ろ過し、表題化合物
0.749g得た(収率49%、99.8%ee)。融点125-127℃。
(実施例6) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
・メタンスルホン酸塩
実施例1で得られた、粗(R)-N-ベンジル-3-シア
ノピロリジン(化学純度56.3wt%)1.78g((R)-N-ベンジ
ル-3-シアノピロリジンとして1.0g(5.40mmol)に相
)をエタノール5mlに溶解後、酢酸エチル10ml
メタンスルホン酸(0.52g、5.40mmol)を加えた。-5
℃で18時間攪拌を続けた。析出した白色結晶
減圧ろ過し、表題化合物を1.005g得た(収率66%
、99.9%ee)。
(実施例7) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
・メタンスルホン酸塩
実施例1で得られた、粗(R)-N-ベンジル-3-シア
ノピロリジン(化学純度56.3wt%)1.78g((R)-N-ベンジ
ル-3-シアノピロリジンとして1.0g(5.40mmol)に相
)をアセトニトリル5mlに溶解後、酢酸エチル
10ml、メタンスルホン酸(0.52g、5.40mmol)を加え
。-5℃で18時間攪拌を続けた。析出した白色
晶を減圧ろ過し、表題化合物を1.179g得た(収
率78%、99.5%ee)。
(実施例8) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
・(R)-マンデル酸塩
(R)-マンデル酸(0.822g、5.4mmol)の酢酸エチル10m
l溶液を-10℃に冷却し、ここに実施例1で得ら
た、粗(R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン(化
学純度56.3wt%)1.78g((R)-N-ベンジル-3-シアノピロ
ジンとして1.0g(5.40mmol)に相当)/酢酸エチル10m
l溶液を加えた。次に、25℃まで自然昇温し、
この温度で15時間攪拌を続け、析出した白色
晶を減圧ろ過し、表題化合物を0.411g得た(収
率22%、99.1%ee)。
(実施例9) (R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン
・塩酸塩
実施例1で得られた、粗(R)-N-ベンジル-3-シア
ノピロリジン(化学純度56.3wt%)1.78g((R)-N-ベンジ
ル-3-シアノピロリジンとして1.0g(5.40mmol)に相
)に、ヘキサン10ml、イソプロパノール塩酸
液(20wt%)10mlを加えた。-10℃で20時間攪拌を続
、析出した白色結晶を減圧ろ過し、表題化
物を0.678g得た(収率56%、94.4%ee)。
(参考例1)
(R)-N-ベンジル-3-シアノピロリジン(S)-N-ベン
ル-3-メタンスルホニルオキシピロリジン(0.2
72g、1.0mmol)、アセトンシアンヒドリン(0.189g、
2.0mmol)、DBU(1,8-ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデ
セ-7-エン)(0.229g、1.5mmol)のアセトニトリル5ml
液を16時間、加熱還流した。反応溶液をHPLC
て定量分析し、表題化合物の収率は46%と求
った(92.7%ee)。表題化合物の他に、脱離生成
(N-ベンジル-2-デヒドロピロリジンおよびN-ベ
ンジル-3-デヒドロピロリジン)が23%生成した