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Patent Searching and Data


Title:
METHOD OF PRODUCING ABRASIVE HEAD AND ABRASIVE APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157137
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of producing an abrasive head which comprises an annular rigid ring, a rubber film bonded to the rigid ring with a uniform tension, an intermediate plate connected to the rigid ring and forming a space together with the rubber film and the rigid ring, and a pressure regulation mechanism for varying a pressure in the space, and which laps a work by holding the back surface thereof on the underside surface of the rubber film and allowing the front surface of the work to slide on a polishing cloth affixed onto a surface plate.  The method of producing an abrasive head comprises a step for performing tensile test on the rubber film conforming to JIS K6251 at least before the rubber film is bonded to the rigid ring, and sorting out a rubber film which has a value of inclination of 10 MPa or less obtained by linear approximation of a stress-strain curve having a strain within 5%, characterized in that the abrasive head is produced by bonding a sorted out rubber film having a value of inclination of 10 MPa or less to the rigid ring.  Consequently, a method of producing an abrasive head and an abrasive apparatus which ensure a stabe and constant flatness are provided.

Inventors:
MASUMURA HISASHI (JP)
HASHIMOTO HIROMASA (JP)
MORITA KOUJI (JP)
KISHIDA HIROMI (JP)
ARAKAWA SATORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002450
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SHINETSU HANDOTAI KK (JP)
FUJIKOSHI MACHINERY CORP (JP)
MASUMURA HISASHI (JP)
HASHIMOTO HIROMASA (JP)
MORITA KOUJI (JP)
KISHIDA HIROMI (JP)
ARAKAWA SATORU (JP)
International Classes:
H01L21/304; B24B37/04; B24B37/30
Foreign References:
JP2002264005A2002-09-18
JP2005205591A2005-08-04
JP2004296591A2004-10-21
JP2001113457A2001-04-24
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIMIYA, Mikio (JP)
Good 宮幹夫 (JP)
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Claims:
 少なくとも、環状の剛性リングと、該剛性リングに均一の張力で接着されたラバー膜と、前記剛性リングに結合され、前記ラバー膜と前記剛性リングとともに空間部を形成する中板と、前記空間部の圧力を変化させる圧力調整機構とを具備し、前記ラバー膜の下面部にワークの裏面を保持し、該ワークの表面を定盤上に貼り付けた研磨布に摺接させて研磨する研磨ヘッドの製造方法であって、少なくとも、
 前記ラバー膜を剛性リングに接着する前に、該ラバー膜のJIS K6251に準拠した引張試験を行い、歪が5%以内の応力―歪曲線を線形近似して得られる傾きの値が10MPa以下となるものを選別する工程を含み、該選別された前記傾きの値が10MPa以下となるラバー膜を用いて前記剛性リングに接着して研磨ヘッドを製造することを特徴とする研磨ヘッドの製造方法。
 
 前記保持するワークは、直径が300mm以上のシリコン単結晶ウェーハであることを特徴とする請求項1に記載の研磨ヘッドの製造方法。
 
 少なくとも、定盤上に貼り付けられた研磨布と、該研磨布上に研磨剤を供給するための研磨剤供給機構と、ワークを保持するための研磨ヘッドを具備し、前記研磨ヘッドでワークの裏面を保持して前記ワークの表面を研磨する研磨装置であって、
 前記研磨ヘッドは、少なくとも、環状の剛性リングと、該剛性リングに均一の張力で接着されたラバー膜と、前記剛性リングに結合され、前記ラバー膜と前記剛性リングとともに空間部を形成する中板と、前記空間部の圧力を変化させる圧力調整機構とを具備し、前記ラバー膜は、該ラバー膜のJIS K6251に準拠した引張試験で得られる歪が5%以内の応力―歪曲線を線形近似して得られる傾きの値が10MPa以下となるゴム材料で形成され、前記研磨布のヤング率は3.5MPa以下であり、前記圧力調整機構で前記空間部の圧力を制御しつつ、前記ワークの表面を前記定盤上に貼り付けた前記研磨布に摺接させて研磨するものであることを特徴とする研磨装置。
 
 前記研磨するワークは、直径が300mm以上のシリコン単結晶ウェーハであることを特徴とする請求項3に記載の研磨装置。
 
 
 
 
 
Description:
研磨ヘッドの製造方法及び研磨 置

 本発明は、ワークの表面を研磨する際にワ クを保持するための研磨ヘッドを製造する 法、及びその方法で製造された研磨ヘッド 備えた研磨装置に関し、特には、ラバー膜 ワークを保持する研磨ヘッドの製造方法及 その製造された研磨ヘッドを備えた研磨装 に関する。
 

 シリコンウェーハ等のワークの表面を研磨 る装置として、ワークを片面ずつ研磨する 面研磨装置と、両面を同時に研磨する両面 磨装置とがある。
 一般的な片面研磨装置は、例えば図9に示し たように研磨布89が貼り付けられた定盤88と 研磨剤供給機構90と、研磨ヘッド82等から構 されている。このような研磨装置81では、 磨ヘッド82でワークWを保持し、研磨剤供給 構90から研磨布89上に研磨剤を供給するとと に、定盤88と研磨ヘッド82をそれぞれ回転さ せてワークWの表面を研磨布89に摺接させるこ とにより研磨を行う。

 ワークを研磨ヘッドに保持する方法とし は、平坦な円盤状のプレートにワックス等 接着剤を介してワークを貼り付ける方法等 ある。その他、特にワークの外周部におけ 跳ね上げやダレを抑制し、ワーク全体の平 性を向上させるための保持方法として、ワ ク保持部をラバー膜とし、該ラバー膜の背 に空気等の加圧流体を流し込み、均一の圧 でラバー膜を膨らませて研磨布にワークを 圧する、いわゆるラバーチャック方式があ (例えば特開平5-69310号公報参照)。

 従来のラバーチャック方式の研磨ヘッド 構成の一例を模式的に図8に示す。この研磨 ヘッド102の要部は、環状のSUS製などの剛性リ ング104と、剛性リング104に接着されたラバー 膜103と、剛性リング104に結合された中板105と からなる。剛性リング104と、ラバー膜103と、 中板105とによって、密閉された空間106が画成 される。また、ラバー膜103の下面部の周辺部 には、剛性リング104と同心に、環状のテンプ レート114が具備される。また、中板105の中央 には圧力調整機構107により加圧流体を供給す るなどして空間の圧力を調節する。また、中 板105を研磨布109方向に押圧する図示しない押 圧手段を有している。

 ラバー膜103の材質としては、特開2005-7521号 報にゴム硬度10~100、引っ張り強度3~20MPa、引 っ張り伸度50~1000%の範囲にあるフッ素系ゴム ウレタンゴム、シリコンゴムやエチレンプ ピレンゴム等の様々なゴム材料が提案され いる。
 このように構成された研磨ヘッド102を用い 、ラバー膜103の下面部でバッキングパッド1 13を介してワークWを保持するとともに、テン プレート114でワークWのエッジ部を保持し、 板105を押圧して定盤108の上面に貼り付けら た研磨布109にワークWを摺接させて研磨する
 

 このような、ラバー膜103にワークWを保持 する研磨ヘッド102を用いてワークWの研磨を う事により、ワークW全体の平坦性及び研磨 均一性が向上する場合もあったが、ラバー 103の材質や、同じ材質でも製造ロットが異 った場合に平坦性及び研磨代均一性が低下 、安定したワークWの平坦度が得られないと いう問題があった。

 本発明は前述のような問題に鑑みてなさ たもので、ワークWの研磨において、安定し て一定の平坦性が得られる研磨ヘッドの製造 方法及び研磨装置を提供する事を目的とする 。

 上記目的を達成するために、本発明によ ば、少なくとも、環状の剛性リングと、該 性リングに均一の張力で接着されたラバー と、前記剛性リングに結合され、前記ラバ 膜と前記剛性リングとともに空間部を形成 る中板と、前記空間部の圧力を変化させる 力調整機構とを具備し、前記ラバー膜の下 部にワークの裏面を保持し、該ワークの表 を定盤上に貼り付けた研磨布に摺接させて 磨する研磨ヘッドの製造方法であって、少 くとも、前記ラバー膜を剛性リングに接着 る前に、該ラバー膜のJIS K6251に準拠した引 張試験を行い、歪が5%以内の応力―歪曲線を 形近似して得られる傾きの値が10MPa以下と るものを選別する工程を含み、該選別され 前記傾きの値が10MPa以下となるラバー膜を用 いて前記剛性リングに接着して研磨ヘッドを 製造することを特徴とする研磨ヘッドの製造 方法を提供する。

 このように、少なくとも、前記ラバー膜 剛性リングに接着する前に、該ラバー膜のJ IS K6251に準拠した引張試験を行い、歪が5%以 の応力―歪曲線を最小二乗法による線形近 して得られる傾きの値が10MPa以下となるも を選別する工程を含み、該選別された前記 きの値が10MPa以下となるラバー膜を用いて前 記剛性リングに接着して研磨ヘッドを製造す れば、ワークを研磨する際に、ラバー膜の材 質の種類や、ラバー膜の材料のロット間で発 生する研磨代均一性のばらつきを抑制するこ とができ、安定して良好な平坦性を確保でき る研磨ヘッドを製造することができる。

 このとき、前記保持するワークは、直径が3 00mm以上のシリコン単結晶ウェーハであるこ ができる。
 このように、前記保持するワークが、直径 300mm以上のような大直径のシリコン単結晶 ェーハであっても、本発明によりワークの 面にわたってより均一の押圧力で研磨する とができ、良好な平坦性を確保することが きる。

 また、本発明は、少なくとも、定盤上に り付けられた研磨布と、該研磨布上に研磨 を供給するための研磨剤供給機構と、ワー を保持するための研磨ヘッドを具備し、前 研磨ヘッドでワークの裏面を保持して前記 ークの表面を研磨する研磨装置であって、 記研磨ヘッドは、少なくとも、環状の剛性 ングと、該剛性リングに均一の張力で接着 れたラバー膜と、前記剛性リングに結合さ 、前記ラバー膜と前記剛性リングとともに 間部を形成する中板と、前記空間部の圧力 変化させる圧力調整機構とを具備し、前記 バー膜は、該ラバー膜のJIS K6251に準拠した 引張試験で得られる歪が5%以内の応力―歪曲 を線形近似して得られる傾きの値が10MPa以 となるゴム材料で形成され、前記研磨布の ング率は3.5MPa以下であり、前記圧力調整機 で前記空間部の圧力を制御しつつ、前記ワ クの表面を前記定盤上に貼り付けた前記研 布に摺接させて研磨するものであることを 徴とする研磨装置を提供する。

 このように、前記研磨ヘッドは、少なく も、環状の剛性リングと、該剛性リングに 一の張力で接着されたラバー膜と、前記剛 リングに結合され、前記ラバー膜と前記剛 リングとともに空間部を形成する中板と、 記空間部の圧力を変化させる圧力調整機構 を具備し、前記ラバー膜は、該ラバー膜のJ IS K6251に準拠した引張試験で得られる歪が5% 内の応力―歪曲線を線形近似して得られる きの値が10MPa以下となるゴム材料で形成さ 、前記研磨布のヤング率は3.5MPa以下であり 前記圧力調整機構で前記空間部の圧力を制 しながら、前記ワークの表面を前記定盤上 貼り付けた前記研磨布に摺接させて研磨す ものであれば、ラバー膜の材質の種類や、 バー膜の材料のロット間で発生する研磨代 一性のばらつきを抑制でき、安定して良好 平坦性を確保してワークを研磨することが きる。

 このとき、前記研磨するワークは、直径が3 00mm以上のシリコン単結晶ウェーハであるこ ができる。
 このように、前記研磨するワークが、直径 300mm以上のような大直径のシリコン単結晶 ェーハであっても、本発明の前記研磨ヘッ で保持して研磨することによって、ワーク 全面にわたってより均一の押圧力で研磨す ことができ、良好な平坦性を確保すること できる。

 本発明では、少なくとも、ラバー膜を剛 リングに接着する前に、該ラバー膜のJIS K6 251に準拠した引張試験を行い、歪が5%以内の 力―歪曲線を線形近似して得られる傾きの が10MPa以下となるものを選別する工程を含 、該選別された前記傾きの値が10MPa以下とな るラバー膜を用いて剛性リングに接着して研 磨ヘッドを製造するので、ワークを研磨する 際に、ラバー膜の材質の種類や、ラバー膜の 材料のロット間で発生する研磨代均一性のば らつきを抑制することができ、安定して良好 な平坦性を確保できる研磨ヘッドを製造する ことができる。

 また、本発明に係る研磨装置は、少なくと 、定盤上に貼り付けられた研磨布と、該研 布上に研磨剤を供給するための研磨剤供給 構と、上述した本発明に係る製造方法で製 した研磨ヘッドを具備し、前記研磨布のヤ グ率は3.5MPa以下であり、ワークの表面を前 定盤上に貼り付けた前記研磨布に摺接させ 研磨するものなので、ラバー膜の材質の種 や、ラバー膜の材料のロット間で発生する 磨代均一性のばらつきを抑制でき、安定し 良好な平坦性を確保してワークを研磨する とができる。
 

本発明に係る研磨装置の一例を示した 略図である。 本発明に係る研磨ヘッドの製造方法に いて得られる応力―歪曲線の一例を示した ラフである。(A)全ての応力―歪曲線。(B)歪 5%以内の応力―歪曲線。 実施例1のラバー膜の選別工程における 、応力―歪曲線を示すグラフである。(A)全て の応力―歪曲線。(B)歪が5%以内の応力―歪曲 。 実施例1のラバー膜の選別工程における 、歪が5%以内の応力―歪曲線を線形近似し得 れた傾きの値の結果を示す図である。 実施例1、比較例における、研磨圧力分 布の結果を示す図である。 実施例1、比較例における、研磨代均一 性の結果を示す図である。 実施例2、比較例における、研磨代均一 性の結果を示す図である。 従来の研磨ヘッドの一例を示す概略図 ある。 従来の片面研磨装置の一例を示す概略 である。

 以下、本発明について実施の形態を説明す が、本発明はこれに限定されるものではな 。
 従来の研磨ヘッドを用い、ラバー膜にワー を保持してワークの研磨を行った際、該研 ヘッドのラバー膜の材料であるゴムの種類 違いや、同じ種類のゴムでもロットが異な ことで、研磨特性にばらつきが生じて良好 平坦性が得られないという問題があった。
 しかも、このような研磨特性のばらつきは ラバー膜の材料であるゴムの原料ロットの 度や引張り強度等の物性値等から予測する は困難であった。

 そこで、本発明者らは、このような問題が じる原因について鋭意実験及び検討を行っ 。
 その結果、本発明者らは、以下のことを見 した。
 すなわち、ラバー膜の材料として使用する ムの種類、硬度、及び引張り強度とは関係 く、歪が5%以下の微小な変形に対する応力 小さいゴム材料を用いることで、良好な研 代均一性が得られることが分かった。すな ち、研磨ヘッドのラバー膜として、微小変 時の応力が小さいラバー膜を用いてワーク 研磨することで、ワークの全面にわたって 一の押圧力によって研磨することができる とが分かった。さらに、テンプレートを有 る研磨ヘッドを用いてワークを研磨する際 テンプレートの下端面の高さとワークの下 面の高さの僅かな差によって生じるワーク 周部の圧力分布が緩和され、その結果とし 研磨代均一性が良好となることを見出した

 そこで、本発明者らは、更に鋭意実験及 検討を行い、ラバー膜として使用されるゴ 材料の微小変形時の応力の数値化を行い、 れらのゴム材料における研磨特性を調査し 最適化を行い、本発明を完成させた。

 図1に、本発明に係る研磨ヘッドおよび研磨 装置の一例を示す。
 図1に示すように、研磨装置1は研磨ヘッド2 定盤8を有している。定盤8は円盤形状であ 、上面にワークWを研磨する研磨布9が貼付さ れている。そして、定盤8の下部には駆動軸11 が垂直に連結され、その駆動軸11の下部に連 された定盤回転モータ(不図示)によって回 するようになっている。

 この定盤8の上方に、研磨ヘッド2が設置 れている。研磨ヘッド2は、環状の剛性リン 4と剛性リング4に均一の張力で接着され、 面が平坦であるラバー膜3と剛性リング4に、 例えばボルト等で連結された中板5とを備え 。この剛性リング4と、ラバー膜3と、中板5 によって、密閉された空間部6が形成されて る。

 また、研磨ヘッド2は、その軸周りに回転可 能となっている。
 ここで、剛性リング4の材質は、特に限定さ れることはないが、例えばSUS(ステンレス)等 剛性材料とすることができる。また、中板 材質、形状等は特に限定されず、空間部6が 形成できるものであれば良い。
 またここで、ラバー膜3の厚さは、特に限定 されることはないが、例えば1mm程度とするこ とができる。

 ここで、本発明に係る研磨装置の研磨ヘッ に用いられるラバー膜は、以下に記述する うな特性を持つものが用いられる。
 図2(A)にJIS K6251に準拠した引張試験で得ら たラバー膜の応力―歪曲線の一例を示す。 2(B)は、図2(A)の応力―歪曲線の歪が5%以内の 分を拡大したものである。ここで、図2(B)の ような、歪が5%以内の応力―歪曲線を最小二 法による線形近似して得られた直線は、応 =a×歪+bで表わされる。
 本発明では、この直線の傾きaが10MPa以下と るようなラバー膜が用いられる。

 また、図1に示すように、定盤8の上方に研 用のスラリーを供給するための研磨スラリ 供給手段10を具備する。
 またこのとき、ラバー膜3の下面部の周辺部 には、研磨中にワークWが外れないようにワ クWのエッジ部を保持するための環状のテン レート14を配設することができる。この場 、テンプレート14は、剛性リング4と同心と るようにし、ラバー膜3の下面部の外周部に って、下方に突出するように配設すること できる。

 ここで、テンプレート14の下端面の高さは 保持されたワークWの下端面の高さと同じか あるいはワークWの下端面の高さよりも、例 えば10μm程度僅かに下方に突出しているよう することができる。
 このように、テンプレート14を配設すれば ワーク外周部の圧力分布を緩和することが き、ワーク外周部の過研磨が防止され、ワ クの研磨代均一性を向上することができる

 また、テンプレート14は、その外径が少な とも剛性リング4の内径よりも大きいもので かつ、その内径が剛性リング4の内径よりも 小さいものとすることができる。
 このようにすれば、ワーク全面にかかる押 力をより均一にして研磨することができる
 またここで、テンプレート14の材質は、ワ クWを汚染せず、かつ、キズや圧痕をつけな ために、ワークWよりも柔らかく、研磨中に 研磨布9と摺接されても磨耗しにくい、耐磨 性の高い材質であることが好ましい。

 また、図1に示すように、研磨装置1は、研 ヘッド2の空間部6の圧力を変化させる圧力調 整機構7を具備している。
 そして、中板5の中央には圧力調整機構7に 通する圧力調整用の貫通孔12が設けられてお り、圧力調整機構7により加圧流体を供給す などして空間部6の圧力を調整することがで るようになっている。
 また、中板5を研磨布9に押圧する手段を有 ている(不図示)。

 またこのとき、ラバー膜3の下面にバッキ ングパッド13を貼設することができる。バッ ングパッド13は、水を含ませてワークWを貼 つけ、ラバー膜3のワーク保持面にワークW 保持するものである。ここで、バッキング ッド13は、例えば発泡ポリウレタン製とする ことができる。このようなバッキングパッド 13を設けて水を含ませる事で、バッキングパ ド13に含まれる水の表面張力によりワークW 確実に保持することができる。

 また、定盤8の上面に貼付されている研磨布 9は、ヤング率が3.5MPa以下の軟質なものが使 される。本発明に係る研磨ヘッド2とヤング が3.5MPa以下の軟質な研磨布9を組み合わせて 使用することで、ワークWと研磨布9間の接触 力分布をより確実に緩和させることができ ワークWの研磨代均一性をより確実に向上す ることができる。
 なお、図1ではテンプレート14が直接ラバー 3に接着される態様を示したが、本発明は、 テンプレート14がラバー膜3にバッキングパッ ド13等を介して接着される場合を排除するも ではない。

 このように構成された研磨装置1を用いて 、図示しない中板押圧手段により中板5を定 8上に貼り付けられた研磨布9の方向に押圧し 、研磨剤供給機構10を介して研磨剤を供給し がら、ワークWを研磨布9に摺接してワークW 表面を研磨するものとなっている。ここで 中板押圧手段は、例えば、エアシリンダー どを用いて中板5を全面にわたって均一の圧 力で押圧できるものが好ましい。

 このように、本発明に係る研磨装置1を用い てワークWを研磨すれば、ラバー膜3の材質の 類や、ラバー膜3の材料のロット間で発生す る研磨代均一性のばらつきを抑制することが でき、安定して良好な平坦性を確保してワー クWを研磨することができる。
 また、テンプレート14の下端面の高さとワ クWの下端面の高さの僅かな差によって生じ ワークWの外周部の圧力分布を緩和すること ができる。従って、ワークWの厚さやテンプ ート14の厚さがある程度ばらついている場合 であっても、ワークWに加わる押圧力を全面 わたって均一に保って研磨を行うことがで る。その結果、ワークWの研磨代均一性が良 な研磨を行うことができる。

 このとき、研磨するワークは、直径が300mm 上のシリコン単結晶ウェーハであることが きる。
 このように、研磨するワークが、直径が300m m以上のような大直径のシリコン単結晶ウェ ハであっても、本発明の研磨ヘッドで保持 て研磨することによって、ワークの全面に たってより均一の押圧力で研磨することが き、良好な平坦性を確保することができる

 次に、本発明に係る研磨ヘッドの製造方法 ついて説明する。
 本発明に係る製造方法で製造する研磨ヘッ は、例えば図1に示すように、少なくとも、 環状の剛性リング4と、該剛性リング4に均一 張力で接着されたラバー膜3と、剛性リング 4に結合され、ラバー膜3と剛性リング4ととも に空間部6を形成する中板5と、空間部6の圧力 を変化させる圧力調整機構7とを具備する構 となっている。

 本発明に係る研磨ヘッドの製造方法は、以 に示すような、少なくとも、ラバー膜3を選 別する工程を含んでいる。
 まず、ラバー膜3に対して、JIS K6251に準拠 た引張試験を行い、図2(A)に示すような応力 歪曲線を得る。そして、この応力―歪曲線 ら、図2(B)に示すような、歪が5%以内の応力 歪曲線を抽出し、抽出した曲線を最小二乗 による線形近似して直線を得る。この直線 、応力=a×歪+bで表わされる。

 そして、この直線の傾きaの値が10MPa以下と るようなラバー膜3を選別する。
 このようにして選別したラバー膜3を用いて 、剛性リング4に均一の張力で接着する。
 ここで、ラバー膜3の選別は、ラバー膜3だ を形成する前のゴム材料の段階で行うこと でき、とにかく、ラバー膜3を剛性リング4に 接着する前に行えば良い。

 このように、少なくとも、ラバー膜3を剛 性リング4に接着する前に、該ラバー膜3のJIS K6251に準拠した引張試験を行い、歪が5%以内 応力―歪曲線を線形近似して得られる傾き 値が10MPa以下となるものを選別する工程を み、該選別された前記傾きの値が10MPa以下と なるラバー膜3を用いて剛性リング4に接着し 研磨ヘッド2を製造すれば、ワークWを研磨 る際に、ラバー膜3の材質の種類や、ラバー 3の材料のロット間で発生する研磨代均一性 のばらつきを抑制することができ、安定して 良好な平坦性を確保できる研磨ヘッド2を製 することができる。

 次に、剛性リング4と中板5とを結合し、 剛性リング4と、中板5と、剛性リング4に接 されたラバー膜3とで空間部6を形成する。そ して、圧力調整機構7を中板5の上方に配設す 。これらの工程は、従来と同様の方法で行 ことができる。

 このとき、ラバー膜3の下面部の周辺部に は、研磨中にワークWが外れないようにワー Wのエッジ部を保持するための環状のテンプ ート14を配設することができる。この場合 テンプレート14は、剛性リング4と同心とな ようにし、ラバー膜3の下面部の外周部に沿 て、下方に突出するように配設することが きる。

 ここで、テンプレート14の下端面の高さは 保持された時のワークWの下端面の高さと同 か、あるいはワークWの下端面の高さよりも 、例えば10μm程度僅かに下方に突出している うにすることができる。
 このように、テンプレート14を配設すれば ワーク外周部にかかる過剰な圧力分布を緩 することができ、ワークの研磨代均一性を 上することができる研磨ヘッドとすること できる。

 またここで、テンプレート14は、その外径 少なくとも剛性リング4の内径よりも大きい ので、かつ、その内径が剛性リング4の内径 よりも小さいものとすることができる。
 このようにすれば、ワーク全面にかかる押 力をより均一にして研磨することができる 磨ヘッドとすることができる。

 またここで、テンプレート14の材質は、 ークWを汚染せず、かつ、キズや圧痕をつけ いために、ワークWよりも柔らかく、研磨中 に研磨布9と摺接されても磨耗しにくい、耐 耗性の高い材質のものを用いるのが好まし 。

 このとき、ラバー膜3の下面に、例えば発 泡ポリウレタン製のバッキングパッド13を貼 することができる。このようなバッキング ッド13を設けて水を含ませる事で、バッキ グパッド13に含まれる水の表面張力によりワ ークWを確実に保持することができる研磨ヘ ドとすることができる。

 またこのとき、保持するワークは、直径が3 00mm以上のシリコン単結晶ウェーハであるこ ができる。
 このように、保持するワークが、直径が300m m以上のような大直径のシリコン単結晶ウェ ハであっても、本発明によりワークの全面 わたってより均一の押圧力で研磨すること でき、良好な平坦性を確保することができ 。
 

 以下、本発明の実施例を示して本発明を り具体的に説明するが、本発明はこれらに 定されるものではない。

(実施例1)
 図1に示すような研磨ヘッドを本発明に係る 製造方法で製造し、その研磨ヘッドを具備し た研磨装置でシリコン単結晶ウェーハを研磨 し、研磨したワークの研磨代均一性を評価し た。

 まず、ラバー膜の選別を行うために、ラ ー膜用のゴム材料として、JIS K6253に準拠し たゴム硬度で硬度規格80°のエチレンプロピ ンジエンゴム(EPDM)の2種類のロットA及びBと( 降、EPDM80°A及びEPDM80°Bと略す)、シリコーン ゴムで硬度規格70、80、90°の3種類(以降、シ コーン70°、シリコーン80°、シリコーン90° 略す)を準備した。そして、これら5種類のゴ ム材料について、JIS K6251引張り試験を行い 応力-歪曲線の測定を実施した。

 表1にその結果を示す。また、得られた応力 -歪曲線の結果を図3(A)に示す。そして、図3(B) に示すような、図3(A)の5%歪までの応力―歪曲 線を用いて、応力=a×歪+bにて線形近似を行い 、傾きaの値を求めた。
 その結果を図4に示す。図4に示すように、 一の種類のゴム材料を用いてもロットの違 により、傾きaの値が異なっていることが分 る。そして、EPDM80°B、シリコーン70°、シリ コーン80°のゴム材料は、傾きaの値が10MPa以 であることが分かる。

 このようにして、ラバー膜のゴム材料を 別し、傾きaの値が10MPa以下である、EPDM80°B シリコーン70°、シリコーン80°を用いて3つ 研磨ヘッドを以下のようにして製造した。

 まず、上部を中板に閉塞されたSUS製の外 が360mmの環状の剛性リングの外周に、傾きa 値が10MPa以下の3種類のゴム材料(EPDM80°B、シ リコーン70°、シリコーン80°)にて厚さ1mmのラ バー膜を均一の張力で貼り付けた。

 また、それぞれの研磨ヘッドのラバー膜 ワーク保持面に、バッキングパッドを貼設 、該バッキングパッドの表面に外径355mm、 径302mmのガラスエポキシ積層板のテンプレー トを貼り付けた市販のテンプレートアセンブ リを両面テープにて貼りつけた。また、シリ コーンゴムで成型したラバー膜の表面は、両 面テープとの接着性を向上する目的で数μm程 度の薄いポリウレタン膜のコーティング処理 を施した。また、テンプレートは、テンプレ ートの下面位置が、ワークの下面位置よりも 僅かに突出するように、厚み787μmの市販のテ ンプレートアセンブリを用いた。

 このような本発明に係る研磨ヘッドの製 方法で製造した研磨ヘッドを備えた、図1に 示すような研磨装置を用いて、ワークWとし 直径300mm、厚さ775μmのシリコン単結晶ウェー ハの研磨を行った。なお、使用したシリコン 単結晶ウェーハは、その両面には予め一次研 磨を施し、エッジ部にも研磨を施したもので ある。また、定盤には直径800mmのものを使用 、研磨布には不織布にウレタンを含浸させ タイプを用い、ヤング率が3.5MPa以下である2 .2MPaのものを用いた。

 そして、研磨の際には、研磨剤としてコ イダルシリカを含有するアルカリ溶液を使 し、研磨ヘッドと定盤はそれぞれ31、29rpmで 回転させた。ワークWの研磨荷重(押圧力)は15K Paとした。研磨時間を3分とした。

 このようにして研磨を行ったワークにつ て研磨代均一性及び研磨時の研磨圧力分布 ついて評価した。なお研磨代均一性は、平 度測定器で研磨前後のワークの厚さをウェ ハの直径方向について、平坦度保証エリア して最外周部2mm幅を除外した領域について 定し、厚みの差分をとることで求められ、 磨代均一性(%)=(直径方向の最大研磨代-直径 向の最小研磨代)/直径方向の平均研磨代の で表される。

 図5に、ラバー膜のゴム材料としてEPDM80°Bを 用いた研磨ヘッドで研磨されたウェーハの半 径方向で中心から120~148mmの範囲の研磨圧力分 布を示す。圧力分布は、各位置での研磨代を 、各位置での研磨代/平均研磨代×研磨荷重(15 MPa)で換算して求めた。
 図5に示すように、傾きaの値が10MPaより大き い、後述する比較例のゴム材料のラバー膜を 用いた研磨ヘッドに比べ、ワークWの外周部 の圧力低下が抑制され、研磨圧力分布の均 性が良好であることが分かる。

 また、図6に、研磨代均一性の結果を示す。
 図6に示すように、EPDM80°B、シリコーン70° シリコーン80°を材料としたラバー膜を用い 研磨ヘッドを具備した研磨装置で研磨する とで、後述の比較例の結果に比べて研磨代 一性が改善され、10%以下と良好な結果とな ことが分かった。
 このことにより、本発明に係る製造方法で 造した研磨ヘッドを具備した、本発明の研 装置を用いれば、ワークを研磨する際に、 バー膜の材質の種類や、ラバー膜の材料の ット間で発生する研磨代均一性のばらつき 抑制することができ、安定して良好な平坦 を確保できることが確認できた。
 

(実施例2)
 研磨布として、ヤング率が3.2MPaのものを用 た以外、実施例1と同様な方法で、EPDM80°Bを ラバー膜の材料として使用したものを用いた 研磨ヘッドのみを製造し、その研磨ヘッドを 具備した研磨装置でシリコン単結晶ウェーハ を研磨し、研磨代均一性を評価した。
 その結果を図7に示す。図7に示すように、 述の比較例の結果に比べて研磨代均一性が 善され、10%以下と良好な結果となることが かった。
 そして、図7に示すように、研磨布のヤング 率が3.5MPa以下の場合において、研磨代均一性 が10%以下と良好な結果となっていることが分 かった。
 

(比較例)
 実施例1において、5%歪までの応力―歪曲線 応力=a×歪+bにて線形近似を行い求めた傾きa の値が10MPaより大きいゴム材料、すなわち、E PDM80°A及びシリコーン90°をラバー膜の材料と して使用して研磨ヘッドを製造した以外、実 施例1と同様な条件でシリコン単結晶ウェー を研磨し、研磨後のウェーハの研磨代均一 及び研磨時の研磨圧力分布を評価した。

 図5に研磨圧力分布の結果を示す。図5に示 ように、傾きaの値が10MPa以下となるラバー を選別した実施例1の結果と比較すると、ワ クの外周部分の圧力低下がより顕著になり 研磨圧力分布の均一性が低下していること 分かる。
 図6に研磨代均一性の結果を示す。図6に示 ように、実施例1の結果と比較して研磨代均 性が悪化していることが分かる。

 このことにより、従来の研磨装置を用いて ークを研磨する際、ラバー膜の材質や、同 材質でも製造ロットが異なった場合に、研 代均一性にバラツキが発生し、安定したワ クの平坦度が得られないことが確認できた
 次に、研磨布として、ヤング率が4.5MPaのも を使用した以外、実施例2と同様な条件でシ リコン単結晶ウェーハを研磨し、研磨後のウ ェーハの研磨代均一性を評価した。
 その結果を図7に示す。図7に示すように、 磨代均一性は実施例2の結果と比較して悪化 ているのが分かる。すなわち、ラバー膜と て、歪が5%以内の応力―歪曲線を線形近似 て得られる傾きの値が10MPa以下となるものを 選別した本発明の研磨ヘッドで、研磨代均一 性を改善できるが、これを研磨装置に配置し て研磨する場合、定盤に貼付される研磨布は ヤング率が3.5MPa以下である必要がある。

 

 なお、本発明は、上記実施形態に限定され ものではない。上記実施形態は例示であり 本発明の特許請求の範囲に記載された技術 思想と実質的に同一な構成を有し、同様な 用効果を奏するものは、いかなるものであ ても本発明の技術的範囲に包含される。
 例えば、本発明に係る製造方法で製造する 磨ヘッドは、図1に示した態様に限定されず 、例えば中板の形状等は適宜設計すればよい 。
 また、研磨装置の構成も図1に示したものに 限定されず、例えば、本発明に係る製造方法 で製造した研磨ヘッドを複数備えた研磨装置 とすることもできる。