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Title:
METHOD OF PRODUCING BICYCLO[3.1.0]HEXANE DERIVATIVE USING ENZYME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/142184
Kind Code:
A1
Abstract:
A production method which comprises a step of reacting a compound represented by formula (II) with an acyl donor in the presence of an enzyme originating in a microorganism to thereby convert into a compound represented by formula (III).  According to this method, a bicyclo[3.1.0]hexane derivative, which is useful as a metabotropic glutamate receptor modulator, can be produced without using an expensive optically active trans hydroxy ester as the starting material nor routing through a fluorination step which should be conducted at an ultra-low temperature.  Moreover, the asymmetric synthesis can be carried out at a stage closer to the final product.  Accordingly, the above-described production method is useful as a method whereby a bicyclo[3.1.0]hexane derivative can be produced in a large amount.

Inventors:
HIROTSUKA MITSUAKI (JP)
SASAKI JOJI (JP)
KAMIYAMA HIROAKI (JP)
OSHIDA MOTOKO (JP)
ISHII TAKAAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059156
Publication Date:
November 26, 2009
Filing Date:
May 19, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TAISHO PHARMACEUTICAL CO LTD (JP)
HIROTSUKA MITSUAKI (JP)
SASAKI JOJI (JP)
KAMIYAMA HIROAKI (JP)
OSHIDA MOTOKO (JP)
ISHII TAKAAKI (JP)
International Classes:
C07D317/72; C07C67/31; C07C67/343; C07C69/675; C07C69/738; C07C69/757; C12P7/62; A61P43/00
Domestic Patent References:
WO2005047215A22005-05-26
WO2005047215A22005-05-26
Foreign References:
JP2007513070A2007-05-24
JP2006519001A2006-08-24
JPS635056A1988-01-11
JP2000300285A2000-10-31
US6333428B12001-12-25
US6825375B22004-11-30
JPH0952887A1997-02-25
Other References:
FEI ZHANG ET AL.: "Enantioselective Preparation of Ring-Fused 1-Fluorocyclopropane-1-carboxylate Derivatives: En Route to mGluR 2 Receptor Agonist MGS0028", ORGANIC LETTERS, vol. 6, no. 21, 2004, pages 3775 - 3777, XP008139321
LUSHI TAN ET AL.: "Stereoselective Syntheses of Highly Functionalized Bicyclo[3.1.0]hexanes: A General Methodology for the Synthesis of Potent and Selective mGluR2/3 Agonists", JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY, vol. 70, no. 20, 2005, pages 8027 - 8034, XP008139323
SCHOEPP; BOCKAERT; SLADECZEK; TRENDS, PHARMACOL. SCI., vol. 11, 1990, pages 508
MCDONALD; JOHNSTON, BRAIN RESEARCH REVIEWS, vol. 15, 1990, pages 41
NAKAZATO ET AL., J. MED. CHEM., vol. 43, 2000, pages 4893
YASUDA ET AL., J. ORG. CHEM., vol. 70, 2005, pages 8027
NAKAZATO ET AL., J. MED. CHEM., vol. 43, 2000, pages 4893 - 4909
J. AM. CHEM. SOC., vol. 82, 1960, pages 4328
ORG. SYNTH., vol. 42, 1962, pages 50
ORG. LETT., vol. 7, 2005, pages 4573
SYNLETT, 1995, pages 827
TETRAHEDRON LETTERS, vol. 37, 1996, pages 7131
ORG. LETT., vol. 2, 2000, pages 4189
See also references of EP 2298755A4
Attorney, Agent or Firm:
SATORI, Soichi et al. (JP)
Soichi Satori (JP)
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Claims:
式(I)に示されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン誘導体及びその塩の製造方法であって、
(式(I)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成し(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
R 2 及びR 3 は、同一又は異なって、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) m -フェニル基であり、
mは0、1又は2である。)
(A)式(II)に示される化合物を式(III)に示される化合物に変換する工程と、
(式(II)中のR 1 は、式(I)中で定義したとおりである。)
(式(III)中、R 1 は、式(I)中で定義したとおりであり、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)
(B)前記式(III)に示される化合物を、式(IV)に示される化合物に変換する工程と、
(式(IV)中のR 1 及びR 4 は、式(I)及び式(III)中で定義したとおりである。)
(C)前記式(IV)に示される化合物を式(V)に示される化合物と反応させて、式(VI)に示される化合物を得る工程と、
(式(V)中、R 2 及びR 3 は式(I)中で定義したとおりであり、
R 5 は、水素又はSi-(R 6 )(R 7 )(R 8 )であり、
R 6 、R 7 及びR 8 は、同一又は異なって、C 1-6 アルキル基又はフェニル基である。)
(式(VI)中のR 1 、R 2 、及びR 3 は式(I)中で定義したとおりであり、R 4 は、式(III)中で定義したとおりである。)
(D)前記式(VI)に示される化合物を、式(I)に示される化合物に変換する工程、
からなる製造方法。
式(III)に示される化合物及びその塩の製造方法であって、
(式(III)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成し(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)
式(II)に示される化合物を前記式(III)に示される化合物に変換する工程からなる製造方法。
(式(II)中のR 1 は、式(III)中で定義したとおりである。)
式(VII)に示される化合物及びその塩の製造方法であって、
(式(VII)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成する(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)。)
(A)式(II)に示される化合物を式(III)に示される化合物に変換する工程と、

(式(II)中のR 1 は、式(VII)中で定義したとおりである。)


(式(III)中、R 1 は、式(VII)中で定義したとおりであり、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)
(B)前記式(III)に示される化合物を、式(IV)に示される化合物に変換する工程と、
(式(IV)中のR 1 及びR 4 は、式(VII)及び式(III)中で定義したとおりである。)
(C)前記式(IV)に示される化合物を、式(VII)に示される化合物に変換する工程、
からなる製造方法。
R 2 及びR 3 が、同一又は異なって、フェニル基又はメチル基である、請求項1記載の製造方法。
R 5 が水素又はトリメチルシリル基である、請求項1又は4記載の製造方法。
R 1 がメトキシ基又はエトキシ基である、請求項1~5のいずれか1項記載の製造方法。
R 4 がメチル基である、請求項1~6のいずれか1項記載の製造方法。
式(II)に示される化合物に、微生物由来の酵素存在下でアシル基供与体を反応させることにより、式(III)に示される化合物を製造する、請求項1~7いずれか1項記載の方法。
微生物が、カンジダ属、アスペルギルス属、サーモミセス属、ペニシリウム属、フミコラ属、ジエトリカム属、ガラクトミセス属及びブルクホルデリア属からなる群より選ばれる1種以上からなる、請求項8記載の製造方法。
微生物由来の酵素が、リパーゼ又はアシラーゼである、請求項8又は9記載の製造方法。
微生物由来の酵素が、カンジダ・アンタークチカ由来のリパーゼAである、請求項10記載の製造方法。
酵素が担体に固定化されていることを特徴とする、請求項8~11のいずれか1項記載の製造方法。
アシル基供与体が酢酸ビニルである、請求項8~12のいずれか1項記載の製造方法。
式(II)に示される化合物及びその塩の製造方法であって、
(式(II)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成する(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)。)
(A)式(VIII)に示される化合物を式(IX)に示される化合物と反応させて、式(Xa)に示される化合物と式(Xb)に示される化合物からなる混合物を得る工程と、

(式(IX)中、R 9 及びR 10 は、同一又は異なって、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成する(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)。)

(式(Xa)及び(Xb)中のR 9 及びR 10 は、式(IX)中で定義したとおりである。)
(B)前記式(Xa)に示される化合物と前記式(Xb)に示される化合物からなる混合物を、式(XIa)に示される化合物と式(XIb)に示される化合物からなる混合物に変換する工程と、

(式(XIa)及び(XIb)中のR 1 は、式(II)中で定義したとおりである。)
(C)前記式(XIa)に示される化合物と前記式(XIb)に示される化合物からなる混合物を、式(XIIa)に示される化合物と式(XIIb)に示される化合物からなる混合物に変換する工程と、

(式(XIIa)及び(XIIb)中のR 1 は、式(II)中で定義したとおりである。)
(D)前記式(XIIa)に示される化合物と前記式(XIIb)に示される化合物からなる混合物を式(II)に示される化合物に変換する工程、
からなる製造方法。
式(Xa)に示される化合物と式(Xb)に示される化合物からなる混合物及びその塩の製造方法であって、
(式(Xa),(Xb)中、R 9 及びR 10 は、同一又は異なって、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成する(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)。)
式(VIII)に示される化合物を式(IX)に示される化合物と反応させて、前記式(Xa)に示される化合物と前記式(Xb)に示される化合物からなる混合物に変換する工程からなる製造方法。

(式(IX)中のR 9 及びR 10 は、式(Xa)及び式(Xb)中で定義したとおりである。)
R 9 及びR 10 がメトキシ基又はエトキシ基である、請求項14又は15に記載の製造方法。
R 1 、R 9 及びR 10 がメトキシ基又はエトキシ基である、請求項14に記載の製造方法。
式(II)に示される化合物及びその塩。
(式(II)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成する(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)。)
式(III)に示される化合物及びその塩。
(式(III)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成し(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)
式(IV)に示される化合物及びその塩。
(式(IV)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成し(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)
式(VI)に示される化合物及びその塩。
(式(VI)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成し(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
R 2 及びR 3 は、同一又は異なって、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) m -フェニル基であり、
mは0、1又は2であり、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基である(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)。
式(III)に示される化合物及びその塩の製造方法であって、

(式(III)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロアリール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4~7員の飽和複素環を形成し(該飽和複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)
式(XIII)に示される化合物を前記式(III)に示される化合物に変換する工程からなる製造方法。

(式(XIII)中、R 4 及びR 4a は、同一又は異なって、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲン、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)
R 1 がメトキシ基又はエトキシ基であり、R 4 及びR 4a がそれぞれメチル基である、請求項22記載の製造方法。
式(XIII)に示される化合物に、微生物由来の酵素存在下でアシル基受容体を反応させることにより、式(III)に示される化合物を製造する、請求項22又は23記載の方法。
微生物が、カンジダ属、アスペルギルス属、アルカリゲネス属、シュードモナス属、ディポダスカス属、ペニシリウム及びブルクホルデリア属からなる群より選ばれる1種以上からなる、請求項24記載の製造方法。
微生物由来の酵素が、リパーゼ又はエステラーゼである、請求項24又は25記載の製造方法。
微生物由来の酵素が、アルカリゲネス・エスピー、ブルクホルデリア・セパシア、シュードモナス・フルオレスセンス及びカンジダ・ルゴサからなる群より選ばれる1種以上に由来するリパーゼであるである、請求項24記載の製造方法。
酵素が担体に固定化されていることを特徴とする、請求項24~27のいずれか1項記載の製造方法。
アシル基受容体がシクロペンタノールである、請求項24~28のいずれか1項記載の製造方法。
Description:
酵素を用いたビシクロ[3.1.0]ヘキ サン誘導体の製造方法

 本発明は、医薬として有用な代謝型グル ミン酸受容体の調節物質であるビシクロ[3.1 .0]ヘキサン誘導体の製造方法に関する。また 、本発明は、この製造工程で製造される新規 な中間体化合物に関する。

 グルタミン酸等の興奮性アミノ酸は、哺 類の中枢神経系(CNS)において、長期増強(学 及び記憶)、シナプス可塑性の発生、運動制 御、呼吸、心血管調節及び知覚といった種々 の生理的プロセスを調節する。

 グルタミン酸は、少なくとも二つの異な クラスの受容体を介して作用する。そのク スの一つは、イオンチャネル型グルタミン (iGlu)受容体であって、リガンド依存性イオ チャネルとして機能する。第二のクラスは Gタンパク質又は第二メッセンジャー結合性 「代謝型」グルタミン酸(mGluR)受容体である いずれのクラスの受容体も、興奮性経路に って正常なシナプス伝達に介在しているよ である。これらは、また、発生段階から生 を通じてシナプス結合の修飾に関与してい ようである(非特許文献1及び2参照)。

 種々のビシクロ[3.1.0]ヘキサン誘導体化合物 が、mGluRの調節物質として認められている。m GluRの調節物質は、統合失調症、不安症、う 病、躁うつ病、てんかん、薬物依存症、認 力障害、アルツハイマー病、ハンチントン 踏病、パーキンソン病、筋硬直に付随する 動障害、脳虚血、脳障害又は頭部外傷とい た神経系の疾病への予防又は治療に有用で る。
たとえば、mGluRアゴニストとして、下記式(IA) に示される2-アミノ-6-フルオロビシクロ[3.1.0] ヘキサン誘導体及びその薬学上許容される塩 が開示されている(特許文献1参照)。

式中、R 11 及びR 12 は、それぞれ、
(1)水素;
(2)C 1-10 アルキル基;
(3)C 3-8 シクロアルキル基;及び
(4)C 3-8 シクロアルキル-C 1-5 アルキル基
からなる群から選択される。上記特許文献1 は、当該発明の化合物が、ラセミ体であっ もよく、また、エナンチオマーであっても いことが記載されている。

 上記mGluRの調節物質及びその中間体の実 室規模での調製法は、上記特許文献1以外に 複数の報告がなされている(特許文献2及び 特許文献3参照)。

 また、上記mGluRの調節物質及びその中間 のより大きな規模での製造に対応可能な製 法についても報告がある(特許文献3及び非特 許文献4参照)。

米国特許第6,333,428号明細書

米国特許第6,825,375号明細書

WO05/47215号明細書

Schoepp, Bockaert, and Sladeczek, Trends in Phar macol. Sci., 11, 508, (1990). McDonald and Johnston, Brain Research Reviews, 1 5,41, (1990). Nakazatoら、J. Med. Chem., 43, 4893, (2000). Yasudaら、J. Org. Chem., 70, 8027, (2005).

 特許文献3及び非特許文献4に開示された 造方法では、最初の工程であるフッ素化反 において、大量生産には適さない超低温条 (-65℃以下)とN-フルオロベンゼンスルホンイ ドのような高価なフッ素化剤を必要として る点に問題があった。また、この製造方法 は、光学活性なトランスヒドロキシエステ を原料としているが、その合成には高価な 薬が必要とされ、また大きな反応熱の制御 容易でない点が、大量生産する上で不利で った。

 特許文献1に開示されたmGluR調節物質は、 療薬として有用であるから、これらの化合 の製造方法において、容易にスケールアッ でき、費用効果があって安全な試薬を用い ことができ、これにより、実用化して大量 産できる方法の開発が必要とされている。

 本出願の発明者らは、鋭意努力した結果 あらかじめフッ素原子を含む原料を用いる とによりフッ素化反応を回避し、また、酵 を用いた不斉アシル化反応を行うことによ 、光学活性なトランスヒドロキシエステル 使用を回避し、より実用的な鏡像異性的に 粋なビシクロ[3.1.0]ヘキサン誘導体の新規な 製造方法及び新規な中間体化合物を見出した 。

 すなわち本発明は、
式(I)に示されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン誘導 及びその塩の製造方法であって、

(式(I)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール 基若しくはヘテロアリール基で置換されてい る。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水 酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロア リール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに 結合した4~7員の飽和複素環を形成し(該飽和 素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
R 2 及びR 3 は、同一又は異なって、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) m -フェニル基であり、
mは0、1又は2である。)
(A)式(II)に示される化合物を式(III)に示される 化合物に変換する工程と、

(式(II)中のR 1 は、式(I)中で定義したとおりである。)


(式(III)中、R 1 は、式(I)中で定義したとおりであり、
R 4 は、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲ 、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)、
nは0、1又は2である。)
(B)前記式(III)に示される化合物を、式(IV)に示 される化合物に変換する工程と、

(式(IV)中のR 1 及びR 4 は、式(I)及び式(III)中で定義したとおりであ 。)
(C)前記式(IV)に示される化合物を式(V)に示さ る化合物と反応させて、式(VI)に示される化 物を得る工程と、

(式(V)中、、R 2 及びR 3 は式(I)中で定義したとおりであり、
R 5 は、水素又はSi-(R 6 )(R 7 )(R 8 )であり、
R 6 、R 7 及びR 8 は、同一又は異なって、C 1-6 アルキル基又はフェニル基である。)

(式(VI)中のR 1 、R 2 、及びR 3 は式(I)中で定義したとおりであり、R 4 は、式(III)中で定義したとおりである。)
(D)前記式(VI)に示される化合物を、式(I)に示 れる化合物に変換する工程、
からなる製造方法である。

 また、本発明は、
式(II)に示される化合物を前記式(III)に示され る化合物に変換する工程からなる製造方法で ある。

 また、本発明は、
式(VII)に示される化合物及びその塩の製造方 であって、

(式(VII)中、R 1 は、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール 基若しくはヘテロアリール基で置換されてい る。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水 酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロア リール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに 結合した4~7員の飽和複素環を形成する(該飽 複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)。)
(A)式(II)に示される化合物を式(III)に示される 化合物に変換する工程と、
(B)前記式(III)に示される化合物を、式(IV)に示 される化合物に変換する工程と、
(C)前記式(IV)に示される化合物を、式(VII)に示 される化合物に変換する工程、
からなる製造方法である。

 また、本発明は、
式(II)に示される化合物及びその塩の製造方 であって、
(A)式(VIII)に示される化合物を式(IX)に示され 化合物と反応させて、式(Xa)に示される化合 と式(Xb)に示される化合物からなる混合物を 得る工程と、

(式(IX)中、R 9 及びR 10 は、同一又は異なって、
(1)-OH、
(2)-O-R a 、又は
(3)-NR b R c
であり、
R a は、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上のC 1-6 アルコキシ基、水酸基、ハロゲン、アリール 基若しくはヘテロアリール基で置換されてい る。)、
R b 及びR c は、同一又は異なって、水素、ハロゲン、C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基であり(該C 1-6 アルキル基又はC 3-8 シクロアルキル基は、無置換又は一以上の水 酸基、C 1-6 アルコキシ基、アリール基若しくはヘテロア リール基で置換されている。)、
又はR b 及びR c は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに 結合した4~7員の飽和複素環を形成する(該飽 複素環は、無置換又は水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)。)

(式(Xa)及び(Xb)中のR 9 及びR 10 は、式(IX)中で定義したとおりである。)
(B)前記式(Xa)に示される化合物と前記式(Xb)に される化合物からなる混合物を、式(XIa)に される化合物と式(XIb)に示される化合物から なる混合物に変換する工程と、

(式(XIa)及び(XIb)中のR 1 は、式(II)中で定義したとおりである。)
(C)前記式(XIa)に示される化合物と前記式(XIb) 示される化合物からなる混合物を、式(XIIa) 示される化合物と式(XIIb)に示される化合物 らなる混合物に変換する工程と、

(式(XIIa)及び(XIIb)中のR 1 は、式(II)中で定義したとおりである。)

(D)前記式(XIIa)に示される化合物と前記式(XIIb) に示される化合物からなる混合物を式(II)に される化合物に変換する工程、
からなる製造方法である。

 また、本発明は、
式(VIII)に示される化合物を式(IX)に示される 合物と反応させて、前記式(Xa)に示される化 物と前記式(Xb)に示される化合物からなる混 合物に変換する工程からなる製造方法である 。

 また、本発明は式(II)、(III)、(IV)及び(VI) 示される化合物及びその塩である。

 また、本発明は、式(III)に示される化合 及びその塩の製造方法であって、


式(XIII)に示される化合物を前記式(III)に示さ る化合物に変換する工程からなる製造方法 ある。


(式(XIII)中、R 4 及びR 4a は、同一又は異なって、水素、C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基であり(該C 1-6 アルキル基、C 3-8 シクロアルキル基又は-(CH 2 ) n -フェニル基は、無置換又は一以上のハロゲ 、水酸基、C 1-6 アルキル基若しくはC 1-6 アルコキシ基で置換されている。)

 式(I)、(II)、(III)、(IV)、(VI)、(VII)、(Xa)、(X b)、(XIa)、(XIb)、 (XIIa) 及び(XIIb)に示される 合物及びその塩は、式(IA)に示されるビシク [3.1.0]ヘキサン誘導体mGluR調節物質類及びそ 塩の合成において調製される中間体である 式(IA)に示される化合物及びその塩は、式(I) に示される化合物又は式(VII)に示される化合 及びそれらの塩より、文献に記載された方 により製造することができる(特許文献3、 特許文献2及び3参照)。

 本発明の製造方法を用いることにより、高 である光学活性なトランスヒドロキシエス ルを原料とすることなく、ビシクロ[3.1.0]ヘ キサン誘導体mGluR調節物質の製造が可能とな た。すなわち、出発物質である式(VIII)の化 物は光学活性体でもラセミ体でもよく、こ 出発物質から光学活性の無い中間体メソジ ール体(式(II)の化合物)を製造することがで た。そして、特定の微生物由来の酵素を利 した酵素的メソトリック法による不斉アシ 化法により、上記式(II)の化合物から式(III) 化合物を製造できることを見出し、最終物 より近い段階での不斉合成が可能となった
さらに、本願製造方法ではフッ素原子を含む 原料(式IXの化合物)を用いることが可能であ ため、超低温反応を必要とするフッ素化反 を経由することなくビシクロ[3.1.0]ヘキサン 導体mGluR調節物質の製造が可能となった。

 「C 1-6 アルキル基」とは、炭素数1~6個の直鎖状又は 分枝状のアルキル基を示し、例えば、メチル 、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブ ル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n- ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル又は n-ヘキシル等の基を示す。

 「C 3-8 シクロアルキル基」とは、炭素数3~8個の環状 のアルキル基を示し、例えば、シクロプロピ ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ ヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチ ル等の基を示す。

 「C 1-6 アルコキシ基」とは、炭素数1~6個の直鎖状又 は分枝状のアルコキシ基を示し、例えば、メ トキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロ キシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブト シ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、イソ ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ又はn- キシルオキシ等の基を示す。

 「ハロゲン」とは、フッ素、塩素及び臭 である。

 「アリール基」とは、芳香族炭化水素置 基を指し、単環又は多環(好ましくは単環か ら3環)とすることができ、多環中の環は融合 ていても融合していなくてもよい。例えば フェニル、ナフチル又はビフェニル等の基 示す。

 「ヘテロアリール基」とは、環骨格中に なくとも一つのヘテロ原子(窒素、酸素又は 硫黄)を有する芳香環のことをいう。ヘテロ リール基は、単環又は多環(好ましくは単環 ら3環)とすることができ、多環中の環は融 していても融合していなくてもよい。例え 、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、 リジン、ピラジン、ピリミジン、フラン、 ラン、オキサゾール、イソオキサゾール、 リン、ベンズイミダゾール、キノリン、イ キノリン、インドール等の基を示す。ここ 定義されるヘテロアリール基が置換されて る場合、置換基は、ヘテロアリール基の環 構成する炭素原子に結合していてもよいし また、環を構成する窒素原子に結合してい もよく、置換可能な原子価を有する。置換 は、好ましくは環を構成する炭素原子に結 する。

 「隣接する窒素原子と一緒になって互い 結合した4~7員の飽和複素環」とは、アゼチ ニル、ピロリジニル、ピペリジニル又はア パニル等の基を示す。

 「微生物由来の酵素」とは、例えば真菌 は細菌等の微生物由来の酵素を示し、これ 微生物をすりつぶした抽出液又はこれら微 物の培養上清より得ることができる。酵素 してはリパーゼやアシラーゼ等があるが、1 種類に限定されるものではなく、複数の酵素 が共存しても良い。真菌としては、カンジダ 属、アスペルギルス属、サーモミセス属、ペ ニシリウム属、ジエトリカム属、ガラクトミ セス属及びフミコラ属等が挙げられる。細菌 としてはブルクホルデリア属等が挙げられる 。

 「担体」とは、酵素を固定化することが 能な担体であれば特に制限はないが、例え 、炭酸ナトリウムとともに焼成した珪藻土 あるセライト(商品名)や、カオリン鉱物を 酸酸性のもとで水熱処理した後、それを造 、焼成して得られる多孔質セラミックス系 担体であるトヨナイト(商品名)等が挙げられ る。トヨナイトは、その粒子の表面を色々な 有機官能基で容易に修飾することが可能であ る。トヨナイトの表面の修飾に用いているカ ップリング剤の有機官能基の種類を変えるこ とで(メタクリロイロキシ基、フェニルアミ 基、アミノ基等)、各種酵素をより選択的に 定化できる。酵素をセライトやトヨナイト の単体に固定化することにより、酵素の安 性や反応活性等が増大する。

 「塩」とは、例えば、硫酸、塩酸、臭化 素酸、リン酸、硝酸などの無機酸との塩、 酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、 レイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸 メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸 安息香酸、カンファースルホン酸、エタン ルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸 グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、 ロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフ レン-2-スルホン酸などの有機酸との塩、リ ウムイオン、ナトリウムイオン、カリウム オン、カルシウムイオン、マグネシウムイ ン、亜鉛イオン、アルミニウムイオンなど 1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニ 、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリ 、ジエチルアミン、4-フェニルシクロヘキ ルアミン、2-アミノエタノール、ベンザチン などのアミンとの塩が含まれる。

 「鏡像異性的に純粋な」とは、目的とす エナンチオマーが、目的としないエナンチ マーに対して、少なくとも50%e.e.(鏡像体過 率)以上、好ましくは80%e.e.以上、さらに好ま しくは90%e.e.以上存在することを意味する。

 式(IA)に示されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン 導体mGluR調節物質類及びその塩は、式(I)で示 した化合物から、従来技術において知られた 方法により製造することができる。例えばWO0 5/47215号明細書には、式(I)に示した化合物を いて式(IA)に示した化合物を合成する方法が 載されている。

 本発明における式(I)に示した化合物の製造 法の好ましい実施形態は、式(II)の化合物を 出発原料とするものである。好ましくは、R 1 がメトキシ基、エトキシ基又はベンジルオキ シ基である。さらに好ましくは、R 1 がメトキシ基又はエトキシ基であり、特に好 ましくは、R 1 がメトキシ基である。

 本発明における式(I)に示した化合物の製造 法の好ましい実施形態において、R 2 及びR 3 は、メチル基及びフェニル基からなる群から 選択される。また、R 2 及びR 3 は同一の置換基であることが好ましく、さら に好ましくは、R 2 及びR 3 がフェニル基である。

 本発明における式(I)に示した化合物の製造 法の好ましい実施形態においては、R 4 は、メチル基である。

 本発明における式(I)に示した化合物の製造 法の好ましい実施形態においては、R 5 は、水素及びトリメチルシリル基である。

 式(IA)に示されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン 導体mGluR調節物質類及びその塩は、上記式(VI I)の化合物より、従来技術において知られた 法により製造することができる。たとえばN akazatoら、J. Med. Chem., 43, 4893-4909, (2000).に 、式(VII)に示した化合物を用いて式(IA)に示 た化合物を合成する方法が記載されている

 本発明における式(VII)に示した化合物の製 方法の好ましい実施形態は、式(II)に示され 化合物を出発原料とするものである。好ま くは、R 1 がメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ 基であり、さらに好ましくはR 1 がメトキシ基又はエトキシ基であり、特に好 ましくは、R 1 がメトキシ基である。

 本発明における式(VII)に示した化合物の製 方法の好ましい実施形態においては、R 4 基はメチル基である。

 式(I)及び式(VII)に示されるビシクロ[3.1.0] キサン誘導体は、式(III)に示される[3.1.0]ヘ サン誘導体及びその塩より、上述の方法を いて製造することができる。

 本発明における式(III)に示した化合物の製 方法の好ましい実施形態は、式(II)に示され 化合物を出発原料とするものである。好ま くは、R 1 がメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ 基であり、さらに好ましくはR 1 がメトキシ基又はエトキシ基であり、特に好 ましくは、R 1 がメトキシ基である。

 本発明における式(III)に示した化合物の製 方法の好ましい実施形態においては、R 4 は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ ル基、ヘプチル基、モノクロロメチル基、フ ェニル基である。さらに好ましくは、R 4 は、メチル基である。

 本発明における式(II)に示した化合物の製造 方法の好ましい実施形態は、式(VIII)及び式(IX )に示される化合物を出発原料とするもので る。好ましくは、R 1 がメトキシ基、エトキシ基及びベンジルオキ シ基であり、さらに好ましくはR 1 がメトキシ基又はエトキシ基であり、特に好 ましくは、R 1 がメトキシ基である。好ましくは、R 9 及びR 10 がメトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ 基である。R 9 及びR 10 は、同一の置換基であることが好ましく、特 に好ましくは、R 9 及びR 10 がメトキシ基である。

 本発明の製造方法の一実施形態は、下記 キーム1及びスキーム2に示される。

(スキーム1)

式中、R 1 、R 9 及びR 10 は、前述の定義通りである。

 式(VIII)に示される化合物は、光学活性体 あっても非光学活性体であってもよい。式( VIII)に示される化合物は、シクロペンタジエ を例えば過酢酸のような過酸により酸化す ことで合成することができる(J. Am. Chem. So c., 82, 4328, (1960). 、Org. Synth., 42, 50, (1962) . 、Org. Lett., 7, 4573, (2005).)。また、式(VIII) に示される化合物の光学活性体は、例えば金 属触媒存在下シクロペンタジエンを不斉酸化 することで合成できる(Synlett, 827, (1995).、Tet rahedron Letters, 37, 7131, (1996).、特開平09-052887 )。

 塩基存在下、式(VIII)に示される化合物と式( IX)に示される化合物とを反応させることによ り、式(Xa)に示される化合物と式(Xb)に示され 化合物の混合物が得られる。
 反応に使用する塩基を例示すれば、ナトリ ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ ウムtert-ブトキシド等アルカリ金属アルコ シド類、水素化ナトリウム、水素化カリウ 等水素化アルカリ金属類、水酸化ナトリウ 、水酸化カリウム等アルカリ金属水酸化物 、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等有 機アミン類、リチウムジイソプロピルアミド 、リチウムヘキサメチルジシラジド等アミン 金属塩類等があげられるが、好ましくはアル カリ金属アルコキシド類を、より好ましくは アルカリ金属メトキシド又はアルカリ金属エ トキシドを、さらに好ましくはナトリウムメ トキシドを用いる。
 塩基の使用量としては、反応を阻害せず、 つ副反応を引き起こさない量であれば特に 定されないが、通常、式(VIII)に示される化 物に対して0.5~5モル当量の範囲で使用する とができ、好ましくは1~3モル当量の範囲で り、より好ましくは1~2モル当量の範囲であ 。

 式(IX)に示される化合物の使用量としては 、反応を阻害せず、且つ副反応を引き起こさ ない量であれば特に限定されないが、通常、 式(VIII)に示される化合物に対して0.5~5モル当 の範囲で使用することができ、好ましくは1 ~3モル当量の範囲であり、より好ましくは1~2. 5モル当量の範囲である。

 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下に いて安定であり、かつ、目的とする反応を げないものであれば特に制限はないが、生 物である式(Xa)に示される化合物と式(Xb)に される化合物の混合物の収率が溶媒の種類 依存するため、好ましくはアルコール類を さらに好ましくはメタノールを溶媒として 用する。
 反応溶媒の使用量としては、通常式(VIII)に される化合物に対して1~100質量倍使用する とができ、好ましくは、5~30質量倍の範囲で る。
 反応温度は、通常、-80℃から使用する溶媒 沸点まで可能であるが、好ましくは-20~60℃ 範囲であり,より好ましくは20~40℃の範囲で る。

 続いて、式(Xa)に示される化合物と式(Xb) 示される化合物の混合物を添加物存在下で 熱することにより式(XIa)に示される化合物と 式(XIb)に示される化合物の混合物が得られる

 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下に いて安定であり、且つ目的とする反応を妨 ないものであれば特に制限はない。溶媒の 類に生成物である式(XIa)に示される化合物 式(XIb)に示される化合物の混合物の収率が依 存するため、好ましくは水及び極性有機溶媒 類を、より好ましくは水及びジメチルスルホ キシドを、更に好ましくは水とジメチルスル ホキシドを0:5から1:5の範囲で混合したものを 用いる。
 反応溶媒の使用量としては、通常式(Xa)に示 される化合物と式(Xb)に示される化合物の混 物に対して1~100質量倍使用することができ、 好ましくは1~20質量倍の範囲であり,より好ま くは1~10質量倍の範囲である。
 反応温度は、通常、80℃~200℃まで可能であ が、好ましくは90~160℃の範囲で行うのがよ 、さらに好ましくは100~130℃の範囲がよい。
 反応温度が、使用する溶媒の沸点を超える 合はオートクレーブ等の耐圧力容器中で反 させることができる。

 また、本反応は添加物を加えることにより 進されるが、使用できる添加物を例示すれ 塩類が挙げられ、好ましくは塩化リチウム 塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化リチ ム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリ ム等のアルカリ金属ハロゲン化物塩類、シ ン化ナトリウム等のアルカリ金属シアン化 塩類、塩化テトラn-ブチルアンモニウム、 化テトラn-ブチルアンモニウム、ヨウ化テト ラn-ブチルアンモニウム等の四級アンモニウ 塩類およびトリエチルアミン塩酸塩等の有 アミン塩類あるいはそれらの混合物である また、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属 ロゲン化物塩類等と酢酸等の酸を組み合わ て使用することもできる。
 添加物の使用量としては、反応を阻害せず 且つ副反応を引き起こさない量であれば特 限定されないが、通常、式(Xa)に示される化 合物と式(Xb)に示される化合物の混合物に対 て0.5~5モル当量の範囲で使用することができ 、好ましくは1~4モル当量の範囲であり、より 好ましくは1~3モル当量の範囲である。

 続いて、式(XIa)に示される化合物と式(XIb) に示される化合物の混合物を添加物存在下で 酸化することにより式(XIIa)に示される化合物 と式(XIIb)に示される化合物の混合物が得られ る。

 本反応はバナジルアセチルアセトネート(VO( acac) 2 )などの触媒の存在下でtert-ブチルヒドロペル オキシドなどの酸化剤を添加することにより 進行する。
 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下に いて安定であり、且つ目的とする反応を妨 ないものであれば特に制限はない。溶媒の 類に生成物である式(XIIa)に示される化合物 式(XIIb)に示される化合物の混合物の収率が 存するため、好ましくは芳香族炭化水素類 ハロゲン系炭化水素類などを、より好まし はクロロベンゼンやトルエンを、更に好ま くはクロロベンゼンを使用する。
 反応溶媒の使用量としては、式(XIa)に示さ る化合物と式(XIb)に示される化合物の混合物 に対して3~100質量倍使用することができ、好 しくは、3~20質量倍の範囲であり,より好ま くは5~10質量倍の範囲である。
 反応温度は、通常、0℃~100℃まで可能であ が、好ましくは30~80℃の範囲で行うのがよく 、さらに好ましくは50~60℃の範囲がよい。

 酸化剤の使用量としては、反応を阻害せず 且つ副反応を引き起こさない量であれば特 限定されないが、通常、式(XIa)に示される 合物と式(XIb)に示される化合物の混合物に対 して1~3モル当量使用することができ、好まし くは、1~2モル当量の範囲である。
 触媒の使用量としては、反応を阻害せず、 つ副反応を引き起こさない量であれば特に 定されないが、通常、式(XIa)に示される化 物と式(XIb)に示される化合物の混合物に対し て0.01~1モル当量使用することができ、好まし くは、0.2~0.5モル当量の範囲である。

 また、式(XIa)に示される化合物と式(XIb)に 示される化合物の混合物のエポキシ化は、適 当な溶媒(たとえばジメチルスルホキシドと の混合物)中でN-ブロモスクシンイミドやN-ヨ ードスクシンイミド等のハロゲン化剤を作用 させハロヒドリン誘導体とした後、1,8-ジア ビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセンなどの塩基で処 することにより行うこともできる。

 続いて、式(XIIa)に示される化合物と式(XIIb) 示される化合物の混合物を、エポキシドの 環を伴う分子内シクロプロパン化反応に供 ることにより式(II)に示される化合物が得ら れる。
 この反応はルイス酸の存在下で塩基を添加 ることにより進行する。
 好ましい実施形態においては、まず、式(XII a)に示される化合物と式(XIIb)に示される化合 の混合物をルイス酸で処理した後、塩基を 加する。式(II)に示される化合物は所望の立 体異性体として得られる。

 ルイス酸を例示すれば、R 3 Al、R 2 AlX、RAlX 2 、Al(OR) 3 、Ti(OR) 4 、RTi(OR) 3 、R 2 Ti(OR) 2 、BF 3 エーテル錯体、Et 2 Zn及びSc(OTf) 3 などが挙げられるが、好ましくはEt 3 Al、Al(OiPr) 3 、Ti(OiPr) 4 、BF 3 エーテル錯体、Et 2 Zn及びSc(OTf) 3 などであり、より好ましくはEt 3 Al、Et 2 AlCl及びEt 2 Znであり、更に好ましくはEt 3 Alである。ここで、Xはハロゲン又は無機ラジ カルであって、Rはそれぞれ炭化水素基であ 。
 ルイス酸の使用量としては、反応を阻害せ 、且つ副反応を引き起こさない量であれば に限定されないが、通常、式(XIIa)に示され 化合物と式(XIIb)に示される化合物の混合物 対して1~5モル当量の範囲で使用することが き、好ましくは1.5~3モル当量の範囲であり より好ましくは2~2.5モル当量の範囲である。

 塩基を例示すれば、リチウムヘキサメチル シラジド及びリチウムジイソプロピルアミ などであり、好ましくはリチウムヘキサメ ルジシラジドである。
 塩基の使用量としては、反応を阻害せず、 つ副反応を引き起こさない量であれば特に 定されないが、通常、式(XIIa)に示される化 物と式(XIIb)に示される化合物の混合物に対 て1~5モル当量の範囲で使用することができ 好ましくは1.5~3モル当量の範囲であり、よ 好ましくは2~2.5モル当量の範囲である。

 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下に いて安定であり、且つ目的とする反応を妨 ないものであれば特に制限はない。溶媒の 類に生成物である式(II)に示される化合物の 収率が依存するため、好ましくはTHFなどのエ ーテル系溶媒を使用する。
 反応溶媒の使用量としては、式(XIIa)に示さ る化合物と式(XIIb)に示される化合物の混合 に対して1~100質量倍使用することができ、 ましくは、3~20質量倍の範囲であり、好まし は、5~10質量倍の範囲である。
 反応温度は、通常、-80℃~0℃まで可能であ が、好ましくは-60℃~-40℃で行う。
 反応時間は、通常、0.5時間~6時間であり、 ましくは1~3時間である。

また、式(XIIa)に示される化合物と式(XIIb)に示 される化合物の混合物の水酸基をtert-ブチル メチルシリル基などで保護した後、シクロ ロパン化反応に供してもよい。シクロプロ ン環を構築した後、保護基を外すことによ 、式(II)に示される化合物が得られる。
(スキーム2)


 式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、R 5 、R 11 及びR 12 は、前述の定義通りである。

 式(II)に示される化合物の2つの水酸基の ち一方のみを保護することにより、式(III)に 示される化合物が得られる。

 本反応は適切な酵素存在下で所望の立体異 体を与える。
 本反応の好ましい実施形態においては、式( II)に示される化合物を酵素存在下でアシル基 供与体と反応させることにより、式(III)に示 れる化合物が得られる。

 酵素としては、微生物が生産する立体選 的アシル化能を有する酵素を用いる。この 素存在下で、式(II)に示される化合物とアシ ル基供与体を有機溶媒等の中で反応させるこ とにより立体選択的アシル化を行うことがで きる。また、上記酵素を担体に固定すること により固定化酵素として反応に使用すること も可能である。その場合、式(II)に示される 合物を有機溶媒等の中でアシル基供与体と 合した後、上記混合液中に酵素が固定化さ た担体を加えて撹拌するか、又は酵素が固 化された担体をカラムに充填し上記混合液 当該カラムに通すことで立体選択的アシル 反応を行う。反応温度は、通常-20℃~60℃で 応できる。使用する有機溶媒等は、当該反 条件下において安定であり、且つ目的とす 反応を妨げないものであれば特に制限はな 。生成物である式(III)に示される化合物の収 率や光学純度が溶媒の種類に依存するため、 好ましくはトルエン、イソプロピルエーテル 、テトラヒドロフラン、n-ヘキサン、n-ヘプ ン、アセトン、クロロホルムなどの有機溶 や、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサ フルオロフォスフェートや1-ブチル-3-メチル ミダゾリウムテトラフルオロボレートなど イオン性流体(Org. Lett., 2, 4189, (2000).)であ る。

 アシル基供与体を例示すれば、酢酸ビニ 、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸ビニ 、プロピオン酸イソプロペニル、酪酸ビニ (ブチリル酸ビニル)、酪酸イソプロペニル( チリル酸イソプロペニル)、カプロン酸ビニ ル、カプロン酸イソプロペニル、カプリン酸 ビニル、カプリン酸イソプロペニル、カプリ ル酸ビニル、カプリル酸イソプロペニル、ク ロロ酢酸ビニル、クロロ酢酸イソプロペニル 、ピバリン酸ビニル、ピバリン酸イソプロペ ニルなどが挙げられるが、好ましくは酢酸ビ ニルである。

 酵素源としての微生物は、好ましくは真 又は細菌である。より好ましくは、カンジ (Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、サ ーモミセス(Thermomyces)属、ペニシリウム(Penicil lium)属、フミコラ(Humicola)属、ジエトリカム(Ge otrichum)属、ガラクトミセス(Galactomyces)属及び ルクホルデリア(Burkholderia)属からなる群よ 選ばれる1種以上の真菌又は細菌であり、更 好ましくは、カンジダ・アンタークチカ(Can dida antarctica)、アスペルギルス・ニガー(Asperg illus niger)、アスペルギルス・メレウス(Aspergi llus melleus)、サーモミセス・ランジノサス(The rmomyces langinosus)、ペニシリウム・カメンベル ティ(Penicillium camemberti)、フミコラ エスピー (Humicola sp.)、ジエトリカム・キャンディダム (Geotrichum candidum)、ジエトリカム・エリエン (Geotrichum eriense)、ジエトリカム・ファーメ タンス(Geotrichum fermentans)、ガラクトミセス ジエトリカム(Galactomyces geotrichum)及びブルク ホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)から る群より選ばれる1種以上の真菌又は細菌で ある。

 微生物由来の酵素としては、好ましくはリ ーゼ又はアシラーゼ、特に好ましくは、カ ジダ アンタークチカ(Candida antarctica)由来 リパーゼA(Lipase A)である。微生物由来の酵 は、微生物をすりつぶした抽出液又は培養 清から常法に従って精製することが可能で る。微生物由来の酵素は、必ずしも単品と て精製される必要はなく、粗酵素としても 用可能である。酵素は単独若しくは複数種 を混ぜて使用できる。また、市販品の入手 可能である。
 カンジダ アンタークチカ(Candida antarctica) 来のリパーゼAの商品としては
NOVOZYM CALAL(商品名、ノボザイムズジャパンよ り入手)、NOVOZYM 735(商品名、ノボザイムズジ パンより入手)、CHIRAZYME L-5 lyo(商品名、ロ ュ・ダイアグノスティクスより入手)又はLip ase A CLEA(商品名、シグマアルドリッチジャ ンより入手)等が挙げられる。
カンジダ アンタークチカ(Candida antarctica)由 のリパーゼBの商品としてはNOVOZYM 435(商品 、ノボザイムズジャパンより入手)等が挙げ れる。

 その他のリパーゼとしては、Lipase AS"Amano"( 品名、天野エンザイムより入手[アスペルギ ルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のリパーゼ] )、Lipozym TL 100L IM(商品名、ノボザイムズジ パンより入手[サーモミセス・ランジノサ(Th ermomyces langinosus)由来の固定化リパーゼ])、Lip ozym TL 100(商品名、ノボザイムズジャパンよ 入手[サーモミセス・ランジノサ(Thermomyces l anginosus)由来のリパーゼ])、CHIRAZYME L8 Lyo(商 名、ロシュ・ダイアグノスティクスより入 [フミコラ エスピー(Humicola sp.)由来のリパ ゼ])、Lipase G"Amano"(商品名、天野エンザイム り入手[ペニシリウム・カメンベルティ(Penic illium camemberti)由来のリパーゼ])及びLipase PS"A mano"SD(商品名、天野エンザイムより入手[ブル クホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由 のリパーゼ])等が挙げられる。
 アシラーゼとしてはAcylase 15000"Amano"(商品名 、天野エンザイムより入手[アスペルギルス メレウス(Aspergillus melleus)由来のアシラーゼ] )等を挙げることができる。

 微生物由来の酵素は、担体に固定化して 定化酵素として使用することも可能である 酵素の固定化に用いる担体としてはセライ 又はトヨナイト類(Toyonite 200、 Toyonite 200P Toyonite 200M、 Toyonite 200A(東洋電化工業株式 会社より入手))等が挙げられる。上記市販の パーゼを固定化して得られた固定化酵素の に、特定の微生物を培養して得られた培養 菌体上清液に上記担体を作用させて酵素を 定化したものをリパーゼ活性を有する酵素 して用いることができる。特定の微生物と ジエトリカム・キャンディダム(Geotrichum can didum)、ジエトリカム・エリエンス(Geotrichum er iense)、ジエトリカム・ファーメンタンス(Geotr ichum fermentans)、ガラクトミセス・ジエトリカ ム(Galactomyces geotrichum)などが好ましい。

続いて、式(III)に示される化合物の水酸基 酸化することにより、式(IV)に示される化合 物が得られる。

 本反応の好ましい実施形態においては、式( III)に示される化合物を触媒存在下で酸化剤 反応させることにより、式(IV)に示される化 物が得られる。
 触媒を例示すれば、RuCl 3 及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシ ル(TEMPO)などである。
 触媒の使用量としては、反応を阻害せず、 つ副反応を引き起こさない量であれば特に 定されないが、通常、式(III)に示される化 物に対して0.001~1モル当量の範囲で使用する とができ、好ましくは0.01~0.1モル当量の範 である。

 酸化剤を例示すれば、次亜塩素酸ナトリウ などである。
 酸化剤の使用量としては、反応を阻害せず 且つ副反応を引き起こさない量であれば特 限定されないが、通常、式(III)に示される 合物に対して1~3モル当量の範囲で使用する とができ、好ましくは1~1.5モル当量の範囲で ある。
 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下に いて安定であり、且つ目的とする反応を妨 ないものであれば特に制限はない。生成物 ある式(IV)に示される化合物の収率が溶媒の 種類に依存するため、好ましくはジクロロメ タン、クロロホルム、クロロベンゼン又はア セトニトリルなどであり、更に好ましくはジ クロロメタンである。

 上記溶媒は一種単独で又は二種以上混合し 用いることができる。
 反応溶媒の使用量としては、式(III)に示さ る化合物に対して1~100質量倍使用することが でき、好ましくは、3~10質量倍の範囲である
 反応温度は、通常、-20℃~50℃まで可能であ が、好ましくは-20℃~20℃で行うのがよく、 らに好ましくは-10℃~0℃で行うのがよい。
 反応時間は、通常、0.5時間~6時間であり、 ましくは1~3時間である。
また、式(III)に示される化合物の水酸基の酸 反応は、当業者によりよく知られた方法(た とえばSwern酸化など)により行うことができ、 式(IV)に示される化合物が得られる。

 続いて、式(IV)に示される化合物を酸触媒 存在下で式(V)に示される化合物と反応させる ことにより、式(VI)に示される化合物が得ら る。

 酸触媒を例示すれば、たとえばトリフルオ メタンスルホン酸及びトリメチルシリルト フルオロメタンスルホネートなどである。
 酸触媒の使用量としては、反応を阻害せず 且つ副反応を引き起こさない量であれば特 限定されないが、通常、式(IV)に示される化 合物に対して0.01~1モル当量の範囲で使用する ことができ、好ましくは0.05~0.5モル当量の範 であり、より好ましくは0.1~0.3モル当量の範 囲である。

 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下に いて安定であり、且つ目的とする反応を妨 ないものであれば特に制限はない。溶媒の 類に生成物である式(VI)に示される化合物の 収率が依存するため、好ましくはジクロロメ タン及びトルエンなどを使用する。
 上記溶媒は一種単独で又は二種以上混合し 用いることができる。
 また場合によっては、適当な脱水剤や乾燥 を用いて非水溶媒として用いることもでき 。
 反応溶媒の使用量としては、式(IV)に示され る化合物に対して1~100質量倍使用することが き、好ましくは、5~20質量倍の範囲である。
 反応温度は、通常、-20℃~50℃まで可能であ が、好ましくは-10℃~30℃で行うのがよく、 らに好ましくは-10℃~0℃で行うのがよい。

 式(V)に示される化合物としては、例えば、( 1S,2S)-1,2-ジフェニルエタン-1,2-ジオール、(4S,5 S)-2,2,7,7-テトラメチル-4,5-ジフェニル-3,6-ジオ キサ-2,7-ジシラオクタン、(2S,3S)-ブタン-2,3-ジ オール及び(4S,5S)-2,2,4,5,7,7-ヘキサメチル-3,6- オキサ-2,7-ジシラオクタンが挙げられる。
 式(V)に示される化合物の使用量としては、 応を阻害せず、且つ副反応を引き起こさな 量であれば特に限定されないが、通常、式( IV)に示される化合物に対して1~3モル当量の範 囲で使用することができ、好ましくは1~2モル 当量の範囲である。

 続いて、塩基存在下で式(VI)に示される化 合物の水酸基の保護基を外すことにより、式 (I)に示される化合物が得られる。

 塩基を例示すれば、たとえば炭酸水素ナト ウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム 炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類 ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキ ド、カリウムtert-ブトキシド等のアルカリ 属アルコキシド類、水素化ナトリウム、水 化カリウム等の水素化アルカリ金属類、水 化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ 金属水酸化物類、トリエチルアミン、1,8-ジ ザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン等の有機アミ ン類などが挙げられるが、好ましくは、炭酸 水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素 カリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属 炭酸塩類を、更に好ましくは炭酸水素ナトリ ウムを用いる。
 塩基の使用量としては、反応を阻害せず、 つ副反応を引き起こさない量であれば特に 定されないが、通常、式(VI)に示される化合 物に対して0.1~3モル当量の範囲で使用するこ ができ、好ましくは0.5~1.5モル当量の範囲で ある。

 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下に いて安定であり、且つ目的とする反応を妨 ないものであれば特に制限はない。溶媒の 類に生成物である式(VI)に示される化合物の 収率が依存するため、好ましくはメタノール 、エタノール、2-プロパノール等のアルコー 類を、より好ましくはメタノールを使用す 。
 上記溶媒は一種単独で又は二種以上混合し 用いることができる。
 反応溶媒の使用量としては、式(IV)に示され る化合物に対して1~100質量倍使用することが き、好ましくは、5~20質量倍の範囲である。

 反応温度は、通常、0~100℃まで可能である 、好ましくは30℃~60℃で行うのがよく、さら に好ましくは40℃~50℃で行うのがよい。
 反応時間は、通常、0.5時間~10時間であり、 ましくは1時間~3時間である。

 式(IA)に示されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン 導体mGluR調節物質類及びその塩は、式(I)の化 合物から、従来技術において知られた方法に より製造することができる。例えばWO05/47215 明細書及びYasudaら、J. Org. Chem., 70, 8027, (2 005).には、式(I)に示した化合物を用いて式(IA) に示した化合物を合成する方法が記載されて いる。

 本発明の製造方法の他の実施形態は、下 スキーム3に示される。

 式中、R 1 、R 4 、R 11 及びR 12 は前述の定義通りである。また、式(II)に示 れる化合物から式(IV)に示される化合物を製 する方法は上記の通りである。

 式(IV)に示される化合物に塩基又は酸を作 用させると式(VII)に示される化合物が得られ 。

 塩基を例示すれば、たとえばトリエチルア ン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン の有機アミン類などが挙げられる。
 塩基の使用量としては、反応を阻害せず、 つ副反応を引き起こさない量であれば特に 定されないが、通常、式(IV)に示される化合 物に対して0.5~3モル当量の範囲で使用するこ ができ、好ましくは0.8~1.2モル当量の範囲で ある。

 酸を例示すれば、たとえばトリフルオロメ ンスルホン酸及びシリカゲルなどである。
 酸の使用量としては、反応を阻害せず、且 副反応を引き起こさない量であれば特に限 されないが、通常、式(IV)に示される化合物 に対して0.1~3モル当量の範囲で使用すること できる。

 反応に使用する溶媒は、当該反応条件下 おいて安定であり、且つ目的とする反応を げないものであれば特に制限はない。好ま くはジクロロメタン、メタノールを使用す 。

 式(IA)に示されるビシクロ[3.1.0]ヘキサン 導体mGluR調節物質類及びその塩は、上記式(VI I)の化合物から、従来技術において知られた 法により製造することができる。たとえばN akazatoら、J. Med. Chem., 43, 4893-4909, (2000).に 、式(VII)に示した化合物を用いて式(IA)に示 た化合物を合成する方法が記載されている

 本発明の製造方法の他の実施形態は、下 スキーム4に示される。

式中、R 1 、R 4 及びR 4a は前述の定義どおりである。

 本反応は適切な酵素存在下で所望の立体異 体を与える。
 本反応の好ましい実施形態においては、式( XIII)に示される化合物をアシル基供与体とし 酵素存在下でアシル基受容体と反応させる とにより、式(XIII)に示される化合物の2つの アシル基のうち一方のみが選択的に脱離され 、式(III)に示される化合物が得られる。

 酵素としては、微生物が生産する立体選 的エステル交換反応能を有する酵素を用い 。また、上記酵素を担体に固定することに り固定化酵素として反応に使用することも 能である。その場合、式(XIII)に示される化 物を有機溶媒等の中でアシル基受容体と混 した後、上記混合液中に酵素が固定化され 担体を加えて撹拌するか、又は酵素が固定 された担体をカラムに充填し上記混合液を 該カラムに通すことで立体選択的エステル 換反応を行う。反応温度は、通常-20℃~60℃ ある。反応に使用する有機溶媒等は、当該 応条件下において安定であり、且つ目的と る反応を妨げないものであれば特に制限は い。式(III)に示される化合物の収率や光学 度の点から、好ましくはトルエン、イソプ ピルエーテル、テトラヒドロフラン、n-ヘキ サン、n-ヘプタン、アセトン、クロロホルム どの有機溶媒や、1-ブチル-3-メチルイミダ リウムヘキサフルオロフォスフェートや1-ブ チル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロ ボレートなどのイオン性流体(Org. Lett., 2, 41 89, (2000).)である。特に好ましくは、イソプ ピルエーテルである。

 アシル基受容体を例示すれば、メタノー やエタノール、n-プロパノール、ベンジル ルコール、シクロペンタノール、2-プロパノ ール(イソプロパノール)、2-ブタノールなど 挙げられるが、好ましくはシクロペンタノ ル、2-プロパノール(イソプロパノール)、2- タノールである。最も酵素反応に望ましい 合物はシクロペンタノールである。

酵素源としての微生物は、好ましくは真菌 又は細菌である。より好ましくは、カンジダ (Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ア カリゲネス(Alkaligenes)属、シュードモナス(Pse udomonas)属、ディポダスカス(Dipodascus)属、ペニ シリウム(Penicillium)属又はブルクホルデリア(B urkholderia)属からなる群より選ばれる1種以上 真菌又は細菌であり、更に好ましくは、カ ジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、アスペルギルス ・ニガー(Aspergillus niger)、シュードモナス・ ツツェリ(Pseudomonas stutzeri)、シュードモナ ・フルオレスセンス(Pseudomonas fluorescens)、シ ュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)、ペニ シリウム・ロクエフォルティ(Penicillium roquefo rti)、ディポダスカス・アウストラリエンシ (Dipodascus australiensis)、アルカリゲネス・エ ピー(Alkaligenes p.)又はブルクホルデリア・セ パシア(Burkholderia cepacia)からなる群より選ば る1種以上の真菌又は細菌である。

 微生物由来の酵素としては、好ましくはリ ーゼ又はエステラーゼ、特に好ましくはア カリゲネス・エスピー(Alkaligenes p.)、ブル ホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、シ ュードモナス・フルオレスセンス(Pseudomonas f luorescens)およびカンジダ・ルゴサ(Candida rugosa )由来のリパーゼである。微生物由来の酵素 、微生物をすりつぶした抽出液又は培養上 から常法に従って精製することが可能であ 。微生物由来の酵素は、必ずしも単品とし 精製される必要はなく、粗酵素としても使 可能である。酵素は単独若しくは複数種類 混ぜて使用できる。また、市販品の入手も 能である。
アルカリゲネス・エスピー(Alkaligenes p.)由来 リパーゼ商品としてはLipase QLM(商品名、名 産業より入手)等が挙げられる。ブルクホル デリア・セパシア(Burkholderia cepacia)由来のリ ーゼ商品としてはLipase PS"Amano" SD(商品名、 天野エンザイムより入手)等が挙げられる。 ュードモナス・フルオレスセンス(Pseudomonas  fluorescens)由来のリパーゼ商品としてはLipase A K"Amano"20(商品名、天野エンザイムより入手)等 が挙げられる。カンジダ・ルゴサ(Candida rugos a)由来のリパーゼ商品としてはLipase AY"Amano"30 G(商品名、天野エンザイムより入手)等が挙げ られる。

 その他のリパーゼとしては、Lipase R"Amano" (商品名、天野エンザイムより入手[ペニシリ ム・ロクエフォルティ(Penicillium roqueforti)由 来のリパーゼ])、Lipase TL(商品名、名糖産業 り入手[シュードモナス・スツツェリ(Pseudomon as stutzeri)由来のリパーゼ])、Lipase AS"Amano"(商 品名、天野エンザイムより入手[アスペルギ ス・ニガー(Aspergillus niger)由来のリパーゼ]) が挙げられる。

 エステラーゼとしてはCHE "Amano"2(試供品 、天野エンザイムより入手[シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.)由来のエステラーゼ] )等を挙げることができる。

 微生物由来の酵素は、担体に固定化して 定化酵素として使用することも可能である 酵素の固定化に用いる担体としてはセライ 又はトヨナイト類(Toyonite 200、 Toyonite 200P Toyonite 200M、 Toyonite 200A(東洋電化工業株式 会社より入手))等が挙げられる。上記市販の パーゼを固定化して得られた固定化酵素の に、微生物ディポダスカス・アウストラリ ンシス(Dipodascus australiensis)エヌビーアール ー(NBRC)10805株を培養して得られた培養液菌 上清液に上記担体を作用させて酵素を固定 したものもエステル交換能を有する酵素と て挙げることができる。

 ここで、出発材料及び試薬は市販品、文 で公知のもの、類似化合物に関する文献記 の方法により調製されたもののいずれであ てもよい。反応及び反応の結果得られた生 物の精製は、当業者に知られた方法による 精製方法としては、結晶化、蒸留、順相又 逆相クロマトグラフィーが挙げられる。

 以下、さらに具体的な実施例を示すが、 発明の開示はこれに限定されない。実施例1 ~4、18及び19に、スキーム1の方法を示す。実 例5~9及び12~17に、スキーム2の方法を示す。 施例10及び11に、スキーム3の方法を示す。

 (実施例1)
 フルオロ[(1R,5R)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2 -エン-1-イル]プロパン二酸ジメチル (10a)及び フルオロ[(1S,5S)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2- ン-1-イル]プロパン二酸ジメチル (10b)の混 物

 フルオロプロパン二酸ジメチル(9)18.19g(121 .2mmol)のメタノール(90.4mL)溶液に、ナトリウム メトキシドの25w/w%メタノール溶液23.81g(110.2mmo l)を3分間にわたって添加した。その間、内部 の温度を25℃から38℃の間に保った。得られ 溶液を15分間攪拌した後、6-オキサビシクロ[ 3.1.0]ヘキサ-2-エン(8)4.52g(55.1mmol)を2分間にわ って添加した。その間、内部の温度を25℃か ら38℃の間に保った。室温下で1時間攪拌した 後、飽和塩化アンモニウム水溶液45mLを10分間 にわたって添加した。その間、内部の温度を 26℃から35℃の間に保った。反応混合物を減 下濃縮し、メタノールを概ね留去し、固形 を含む褐色溶液108gを得た。酢酸エチル136mL 2回抽出した後、水45mLで洗浄した。有機層を 減圧下濃縮した後、トルエン100mLを加え再び 圧下濃縮した。濃縮残渣をフラッシュシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ト エン/酢酸エチル)により精製することにより 、黄色の油状物として式10aの化合物及び式10b の化合物の混合物7.21gを得た。

1 H NMR (500 MHz, DMSO-d 6 ): δ2.13-2.17 (m, 1H), 2.56 (dddd, J= 2.2, 4.3, 7. 1, 17.2 Hz, 1H), 3.32-3.40 (m, 1H), 3.77 (s, 3H),  3.79 (s, 3H), 4.20 (m, 1H), 5.04 (d, J= 6.1 Hz, 1 H), 5.47 (ddd, J= 2.1, 4.3, 6.1 Hz, 1H), 5.85 (ddd , J= 2.2, 4.4, 6.1 Hz, 1H).  13 C NMR (125 MHz, DMSO-d 6 ): δ41.93, 53.39 (d, J= 19.5 Hz), 58.70 (d, J= 20 .8 Hz), 70.43 (d, J= 2.6 Hz), 93.55, 95.14, 125.59,  133.32, 165.42 (d, J= 15.6 Hz), 165.62 (d, J= 14. 3 Hz). 19 F NMR (470 MHz, DMSO-d 6 ): δ-172.43, -172.36. HRMS(ES)m/z: [M+Na] + calcd for C 10 H 13 O 5 FNa; 255.0645, found 255.0635. IR (neat) 3528, 3408, 2960, 1755, 1438, 1284, 1253, 1173, 1111, 1068, 103 1, 936, 838, 787, 722, 668, 415 cm -1 .

 (実施例2-1)
 フルオロ[(1R,5R)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2 -エン-1-イル]酢酸メチル (11a)及びフルオロ[(1 S,5S)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2-エン-1-イル] 酢酸メチル (11b)の混合物

 式10aの化合物及び式10bの化合物の混合物1 7.27g(74.50mmol)にジメチルスルホキシド172.51gと 25.92gを加えた。この溶液に塩化リチウム9.65 g(227.65mmol)を加えて130℃で2時間加熱攪拌した 放冷後、酢酸エチル500mLで3回反応液を抽出 た後、有機層を減圧濃縮し、濃縮残渣を得 。この濃縮残渣をフラッシュカラムシリカ ルクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘキサン/ 酸エチル=1:1)により精製することにより、黄 色の油状物として式11aの化合物及び式11bの化 合物の混合物3.674gを得た。

1 H NMR (500 MHz, DMSO-d 6 ): δ2.11-2.17 (m, 1.6H), 2.53-2.60 (m, 1.6H), 2.87-2 .96 (m, 1.6H), 3.71 (s, 1.8H), 3.73 (s, 3H), 4.23-4 .28 (m, 1.6H), 4.93 (d, J= 5.0 Hz, 0.6H), 5.07 (d,  J= 5.4 Hz, 1H), 5.11 (dd, J= 4.2, 48.3 Hz, 0.6H) , 5.17 (dd, J= 3.8, 48.5 Hz, 1H), 5.42-5.45 (m, 1H ), 5.55-5.58 (m, 0.6H), 5.78-5.80 (m, 1.6H).  13 C NMR (125 MHz, DMSO-d 6 ): δ41.29, 41.83, 51.95, 52.13, 56.80 (d, J= 20.8  Hz), 57.06 (d, J= 19.5 Hz), 70.49 (d, J= 5.2 Hz), 71.90 (d, J= 2.6 Hz), 88.36 (d, J= 184.3 Hz), 88. 48 (d, J= 184.3 Hz), 125.93 (d, J= 5.2 Hz), 127.28  (d, J= 3.9 Hz), 131.76, 132.13, 169.05 (d, J= 24. 7 Hz), 169.21 (d, J= 24.7 Hz).  19 F NMR (470 MHz, DMSO-d 6 ): δ-197.87 (dd, J= 29.2, 47.5 Hz), -194.53 (dd, J = 25.7, 47.8 Hz). HRMS(ES)m/z: [M+Na] + calcd for C 8 H 11 O 3 FNa; 197.0590, found 197.0578. IR (neat) 3410, 3060, 2956, 2851, 1747, 1440, 1357, 1288, 1228, 1127, 109 7, 1067, 1048, 1025, 952, 856, 724, 584, 450 cm -1 .

(実施例2-2)
 フルオロ[(1R,5R)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2 -エン-1-イル]酢酸メチル (11a)及びフルオロ[(1 S,5S)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2-エン-1-イル] 酢酸メチル (11b)の混合物
 式10aの化合物及び式10bの化合物の混合物70.0 2g(0.3015mmol)にジメチルスルホキシド70.06gとト エチルアミン塩酸塩45.64g(33.16mol)を加えて110 ~120℃で5時間加熱攪拌した。放冷後、水350.9g 加え、メチルイソブチルケトン350gで2回反 液を抽出した。有機層を減圧濃縮すること より、式11aの化合物及び式11bの化合物の混 物46.78g(ガスクロマトグラフによる定量値)を 含む褐黄色の油状物65.40gを得た。

(実施例2-3)
 フルオロ[(1R,5R)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2 -エン-1-イル]酢酸メチル (11a)及びフルオロ[(1 S,5S)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2-エン-1-イル] 酢酸メチル (11b)の混合物
 式10aの化合物及び式10bの化合物の混合物0.23 2g(1.00mmol)にジメチルスルホキシド1mLと塩化ナ トリウム0.073g(1.25mmol)及び酢酸0.061g(1.00mmol)を えて110~120℃で5時間加熱攪拌した。放冷後 高速液体クロマトグラフで分析したところ 式11aの化合物及び式11bの化合物の混合物0.146 g(高速液体クロマトグラフによる定量値)を得 た。

(実施例3)
フルオロ[(1R,2S,3R,5S)-3-ヒドロキシ-6-オキサビ クロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル]酢酸メチル (12a)及 フルオロ[(1S,2R,3S,5R)-3-ヒドロキシ-6-オキサ シクロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル]酢酸メチル (12b) 混合物

 式11aの化合物及び式11bの化合物の混合物3.64 4g(20.92mmol)のクロロベンゼン(18.37g)溶液に、バ ナジルアセチルアセトナート(VO(acac) 2 )0.1176g(0.444mmol)を室温下加えた。60℃に加熱し 、tertert-ブチルヒドロペルオキシド(tBuOOH)の70 %トルエン溶液5.445g(42.29mmol)を10分間にわたっ 添加した。その間、内部の温度を55℃から60 ℃の間に保った。55℃で4時間攪拌した後、室 温まで放冷した。20%チオ硫酸ナトリウム水溶 液22gを加えて30分間攪拌した後、酢酸エチル5 0mLで4回抽出した。有機層を合わせ、減圧濃 することにより濃縮残渣を得た。この濃縮 渣をフラッシュカラムシリカゲルクロマト ラフィー(溶離液:n-ヘキサン/酢酸エチル=2:1~1 :1)により精製することにより、黄色の油状物 として式12aの化合物及び式12bの化合物の混合 物2.402gを得た。

1 H NMR (500 MHz, DMSO-d 6 ): δ.1.76 (s, 0.6H), 1.79 (s, 1H), 1.99 (dt, J= 7 .6, 1.5 Hz, 1H), 2.02 (dt, J= 7.6, 1.5 Hz, 0.6H), 2.42-2.44 (m, 0.6H), 2.48-2.51 (m, 1H), 3.38 (d, J=  2.5 Hz, 1H), 3.55-3.56 (m, 1.6H), 3.59 (m, 0.6H), 3.75 (s, 1.8H), 3.77 (s, 3H), 4.08 (t, J= 6.9 Hz,  0.6H), 4.18 (t, J= 6.9 Hz, 1H), 4.41 (d, J= 6.5 Hz, 0.6H), 4.49 (d, J= 6.1 Hz, 1H), 5.32 (dd, J= 4.0, 47.0 Hz, 1H), 5.35 (dd, J= 3.0, 48.0 Hz, 0.6 H).  13 C NMR (125 MHz, DMSO-d 6 ): δ37.37, 37.88, 51.87 (d, J= 19.5 Hz), 51.93 (d,  J= 18.2 Hz), 52.34, 52.42, 56.83 (d, J= 7.8 Hz), 57.73, 57.84, 58.20 (d, J= 2.6 Hz), 70.85 (d, J=  5.2 Hz), 72.65 (d, J= 2.6 Hz), 125.93 (d, J= 181.7  Hz), 127.28 (d, J= 183.0 Hz), 168.63 (d, J= 23.4 Hz), 168.71 (d, J= 24.7 Hz).  19 F NMR (470 MHz, DMSO‐d 6 ): δ-198.56 (dd, J= 32.9, 47.5 Hz), -198.20 (dd, J = 32.9, 48.0 Hz).  HRMS (ES)m/z: [M+Na] +  calcd for C 8 H 11 O 4 FNa; 213.0539, found 213.0530. IR (neat) 3506, 3032, 2959, 1758, 1639, 1440, 1408, 1364, 1288, 1226, 109 8, 1077, 1012, 965, 917, 838, 802, 732, 668, 564,  444 cm -1 .

(実施例4)
(1R,2R,4S,5S,6R)-6-フルオロ-2,4-ジヒドロキシビシ クロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸メチル(2)

 式12aの化合物及び式12bの化合物の混合物2 .334g(12.27mmol)のTHF(脱水、20mL)溶液を、-50℃に 却し、0.94mol/Lトリエチルアルミニウムヘキ ン溶液29.0mL(27.26mmol)を30分間にわたって添加 た。その間、内部の温度を-60℃から-50℃の に保った。-50℃で30分間攪拌した後、1mol/L チウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)ヘキサ ン溶液23.6mL(23.60mmol)を45分間にわたって添加 た。その間、内部の温度を-50℃から-40℃の に保った。-50℃で2時間攪拌した後、5℃に冷 却した25%クエン酸水溶液44.3gの中へ反応液を3 0分間にわたって添加した。この反応液を酢 エチル50mLで4回抽出し、減圧濃縮した。濃縮 残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマト グラフィー(溶離液:酢酸エチル)により精製す ることにより、黄色の油状物を得た。この油 状物を酢酸エチル3.0gと水0.5gの混合液から晶 させることにより、無色結晶として式2の化 合物を1.027g得た。

mp 73.9-76.5℃、 1 H NMR (500 MHz, DMSO-d 6 ): δ1.64 (dd, J= 4.4, 15.3 Hz, 1H), 1.96 (m, 1H),  2.17 (s, 2H), 3.72 (br s, 3H), 4.18 (d, J= 5.0  Hz, 2H), 4.93 (br s, 2H).  13 C NMR (125 MHz, DMSO-d 6 ): δ38.03 (d, J= 11.7 Hz), 45.76 (d, J= 7.8 Hz), 52.64, 71.53, 77.52, 79.42, 168.78 (d, J= 26.0 Hz).   19 F NMR (470 MHz, DMSO-d 6 ): δ-216.827. HRMS (ES)m/z: [M+Na] +  calcd for C 8 H 11 O 4 FNa; 213.0539, found 213.0537. IR (KBr) 3549, 3413,  3295, 3246, 2964, 2922, 1732, 1616, 1467, 1442, 1381 , 1336, 1285, 1265, 1235, 1198, 1181, 1130, 1078, 1 041, 994, 947, 890, 805, 777, 733, 646, 566, 537,  480 cm -1 .

(実施例5)
(1R,2R,4S,5S,6R)-2-(アセチルオキシ)-6-フルオロ-4- ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボ 酸メチル(3)

50mLスミロンチューブ(住友ベークライト製)に NOVOZYM 735を12.0mL、Toyonite 200Mを6.0g、100mMリン カリウム緩衝液(pH7)を30mL入れ室温(25℃)、で 18時間振盪(100rpm)した。振盪終了後桐山濾紙No .5Bで濾過後、4日間室温で減圧乾燥して固定 酵素を得た。得られた固定化酵素の2.0gを6mL カラム(ボンドエルートリザーバーフリット 付き:発売元ジーエルサイエンス(株))に充填 た。
式2の化合物の結晶3.1gを酢酸ビニル/アセトン (10:1)136.5mLに溶解した溶液を、上記の固定化 素を充填したカラムにシリコンチューブを してペリスタポンプ(アトー(株)製)で送液し 。送液速度は20mL/時間であった。
送液終了後、溶出液をTLC法とHPLC法で分析し 結果、式3の化合物を2.95g(収率79.05%)光学純度 99.99%e.e.で得た。溶出液を減圧濃縮後、濃縮 渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマト ラフィー(溶離液:n-ヘキサン/酢酸エチル)に り精製することにより、無色油状物として 3の化合物を得た。

1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ1.96 (dd, J= 4.6, 16.1 Hz, 1H), 2.11 (s, 3H),  2.28 (ddd, J= 6.1, 13.4, 16.4 Hz, 1H), 2.37 (br  s, 1H), 2.41 (d, J= 6.9 Hz, 1H), 2.44 (d, J= 6.5 Hz, 1H), 3.82 (s, 3H), 4.45 (d, J= 5.7 Hz, 1H),  5.29 (d, J= 6.1 Hz, 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ21.17, 34.96 (d, J= 10.4 Hz), 37.93 (d, J= 11 .7 Hz), 42.44 (d, J= 9.1 Hz), 52.91, 72.90, 75.49, 79.33, 168.55 (d, J= 25.9 Hz), 170.28.  19 F NMR (470MHz, CDCl 3 ): δ-217.73. HRMS (ES) m/z: [M+Na] + calcd for C 10 H 13 O 5 FNa; 255.0645, found 255.0628. IR (neat): 3451, 2960,  1738, 1442, 1373, 1318, 1232, 1115, 1074, 1045, 10 16, 993, 950, 867, 800, 788, 736, 654, 629, 608, 5 73, 473 cm -1 .

(実施例6)
(1R,2R,5S,6S)-2-(アセチルオキシ)-6-フルオロ-4-オ キソビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸メ ル(4)

 式3の化合物 1.10g(4.74mmol)のジクロロメタ (脱水、5mL)溶液を、-10℃に冷却し、2,2,6,6-テ トラメチルピペリジン 1-オキシル(TEMPO)15.1mg( 0.097mmol)、炭酸水素ナトリウム109.2mg(1.30mmol)、 水2.2mLを順次添加した後、10%次亜塩素酸ナト ウム水溶液4.230g(5.68mmol)を添加した。この間 、内部の温度を-10から0℃の間に保った。-10 ら0℃で1時間攪拌した後、分液した。水層を トルエン10mLで再抽出し、ジクロロメタン層 トルエン層をそれぞれ水1mLで洗浄した。有 層を合わせて減圧濃縮後、トルエン10mLを加 て、再度減圧濃縮し、淡黄色の油状物972mg 得た。トルエンから晶析させることにより 無色結晶として式4の化合物を512.5mg得た。

mp: 88.4-88.9℃,  1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ2.12 (s, 3H), 2.37 (dd, J= 3.8, 19.5 Hz, 1H),  2.66 (dt, J= 19.5, 5.9 Hz, 1H), 2.73 (d, J= 6.1 Hz, 1H), 2.93 (dd, J= 1.5, 6.1 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 5.50 (d, J= 6.1 Hz, 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ20.86, 38.18 (d, J= 10.4 Hz), 38.99 (d, J= 14 .3 Hz), 43.48 (d, J= 3.9 Hz), 53.41, 69.09 (d, J= 2.5 Hz), 79.26, 166.42 (d, J= 25.9 Hz), 170.02, 20 4.35.  19 F NMR (470MHz, CDCl 3 ): δ-210.68. MS m/z 230.0 [M] + . IR (KBr): 3102, 2995, 1756, 1738, 1441, 1397, 137 3, 1348, 1326, 1305, 1260, 1219, 1173, 1108, 1084,  1037, 1024, 1012, 983, 954, 907, 870, 829, 782, 738 , 651, 640, 626, 474, 461 cm -1 .

(実施例7)
(1S,4R,4'S,5R,5'S,6S)-4-(アセチルオキシ)-6-フルオ -4',5'-ジフェニルスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキ ン-2,2-[1,3]ジオキソラン]-6-カルボン酸メチ (6)

(1S,2S)-1,2-ジフェニルエタン-1,2-ジオール5.00g(2 3.34mmol)のジクロロメタン(脱水、19mL)溶液を30 に加熱し、ヨウ素1.5mg(0.006mmol)、1,1,1-トリメ チル-N-(トリメチルシリル)シランアミン(HMDS)4 .54g(28.13mmol)を順次添加した後、35℃で1時間攪 拌した。室温まで放冷した後、減圧濃縮した 。濃縮残渣にトルエン25mLを加えて再度減圧 縮した。これを2回繰り返した後、トルエン5 mLを加えて、(4S,5S)-2,2,7,7-テトラメチル-4,5-ジ ェニル-3,6-ジオキサ-2,7-ジシラオクタン(5)の トルエン溶液13.66gを得た(溶液1)。
式4の化合物の結晶401mg(1.74mmol)のジクロロメ ン(脱水、3mL)溶液に溶液1を1.283g(1.97mmol)添加 、この溶液を-10℃に冷却した後、トリフル ロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf )35.7mg(0.161mmol)のジクロロメタン(脱水、1mL)溶 を添加した。-10℃で3.5時間攪拌した後、上 溶液1を1.238g(1.89mmol)追加した。-10℃でさら 3時間攪拌した後、トリフルオロメタンスル ン酸トリメチルシリル(TMSOTf)39.6mg(0.178mmol)の ジクロロメタン(脱水、1mL)溶液を追加した。- 10℃で一晩攪拌した後、ピリジン0.03mL(0.371mmol )を添加し、0℃で20分間攪拌した。5%炭酸水素 ナトリウム水溶液1mLを添加し、0℃で20分間攪 拌した後、分液した。水層をジクロロメタン 2mLで2回再抽出し、有機層を合わせて水1mLで 浄した。減圧濃縮後、濃縮残渣をフラッシ シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離 :n-ヘキサン/酢酸エチル)により精製したの 、メタノールから晶析させることにより、 色結晶として式6の化合物を326.4mg得た。

mp: 123.5-123.7℃,  1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ2.11 (s,3H), 2.46 (dd, J= 4.3, 15.2 Hz, 1H),  2.47 (d, J= 6.9 Hz, 1H), 2.56 (d, J= 6.9 Hz, 1H),  2.60 (dt, J= 15.9, 6.3 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 4. 79 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 4.88 (d, J= 8.2 Hz, 1H),  5.38 (d, J= 6.3 Hz, 1H), 7.19-7.21 (m, 2H), 7.26-7. 31 (m, 5H), 7.33-7.35 (m, 3H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ21.20, 34.85 (d, J= 11.3 Hz), 37.26 (d, J= 12 .6 Hz), 43.95 (d, J= 7.4 Hz), 53.05, 72.91, 78.80, 85.67, 86.19, 117.52, 126.22, 126.83, 128.32, 128.47,  128.54, 128.60, 136.08, 136.82, 168.51 (d, J= 24.9 Hz), 170.56.  19 F NMR (470MHz, CDCl 3 ): δ-216.72. MS m/z: 449.1 [M+Na] + . IR (KBr): 3456, 3068, 2964, 2916, 1737, 1606, 149 7, 1456, 1442, 1359, 1330, 1258, 1238, 1197, 1133,  1102, 1053, 1024, 986, 936, 916, 870, 822, 791, 765 , 755, 700, 683, 648, 608, 531, 466 cm -1 .

(実施例8)
(1S,4R,4'S,5R,5'S,6S)-4-(アセチルオキシ)-6-フルオ -4',5'-ジフェニルスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキ ン-2,2-[1,3]ジオキソラン]-6-カルボン酸メチ (6)

 式3の化合物 1.003g(4.32mmol)のジクロロメタ ン(脱水、5mL)溶液を、-10℃に冷却し、2,2,6,6- トラメチルピペリジン 1-オキシル(TEMPO)14.5mg (0.093mmol)、炭酸水素ナトリウム99.2mg(1.18mmol)、 水2mLを順次添加した後、10%次亜塩素酸ナトリ ウム水溶液3.854g(5.18mmol)を添加した。この間 内部の温度を-10~0℃の間に保った。-10~0℃で1 時間攪拌した後、分液した。有機層を水1mLで 洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減 圧濃縮し、黄色油状物として式4の化合物を1. 05g得た。得られた式4の化合物のジクロロメ ン(18mL)溶液に、(1S,2S)-1,2-ジフェニルエタン-1 ,2-ジオール1.111g(5.19mmol)を添加し、この溶液 -5℃に冷却した後、トリフルオロメタンスル ホン酸131.8mg(0.88mmol)のジクロロメタン(脱水、 2mL)溶液を添加した。-5℃で2時間、室温で20時 間攪拌した後、ピリジン0.1mL(1.24mmol)を添加し 、0℃で20分間攪拌した。5%炭酸水素ナトリウ 水溶液1.6mLを添加し、0℃で20分間攪拌した 、分液した。水層をジクロロメタン5mLで2回 抽出し、有機層を合わせて水2mLで洗浄した 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、 圧濃縮し、濃縮残渣をフラッシュシリカゲ カラムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘキサ ン/酢酸エチル)により精製することにより、 モルファス状の式6の化合物を1.388g得た。メ タノールから晶析させることにより、無色結 晶947mgを得た。

1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ): δ2.12 (s, 3H), 2.43-2.49 (m, 2H), 2.56-2.65 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 4.80 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 4.89 (d, J= 8.2 Hz, 1H), 5.39 (d, J= 6.1 Hz, 1H), 7.1 8-7.39 (m, 10H). MS m/z: 449.2 [M+Na] +

(実施例9)
(1S,4R,4'S,5R,5'S,6S)-6-フルオロ-4-ヒドロキシ-4',5' -ジフェニルスピロ[ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2, 2-[1,3]ジオキソラン]-6-カルボン酸メチル(1)

 式6の化合物の結晶201.3mg(0.472mmol)にメタノ ール(脱水、2mL)を加えて、50℃に加熱し、結 を溶解させた。この溶液に炭酸水素ナトリ ム40.4mg(0.481mmol)を添加し、45から50℃で1.5時 攪拌した後、炭酸水素ナトリウム19.9mg(0.237mm ol)を追加し、更に2時間攪拌した。反応混合 を減圧下濃縮し、メタノールを概ね留去し 得られた固形物に、トルエン4mLを加えて50℃ に加熱し、水1mLを加えて攪拌分液した。水層 をトルエン4mLで再抽出し、有機層を合わせて 減圧濃縮し、白色固体194.7mgを得た。ヘプタ /酢酸エチル(3/2)混合溶媒から晶析させるこ により、無色結晶として式1の化合物を101.3mg 得た。

mp: 120.3-120.7℃,  1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ2.35 (dd, J= 4.0, 15.5 Hz, 1H), 2.38 (d, J=  6.9 Hz, 1H), 2.48 (d, J= 6.9 Hz, 1H), 2.51 (dt, J = 15.3, 5.7 Hz, 1H), 2.61 (d, J= 9.6 Hz, 1H), 3.8 6 (s, 3H), 4.48 (dd, J= 5.4, 9.6 Hz, 1H), 4.80 (d , J= 8.4 Hz, 1H), 4.82 (d, J= 8.4 Hz, 1H), 7.18  (dd, J= 3.1, 6.5 Hz, 2H), 7.26 (dd, J= 2.9, 6.7 H z, 2H), 7.29-7.31 (m, 3H), 7.34-7.36 (m, 3H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ36.76 (d, J= 13.0 Hz), 37.56 (d, J= 11.7 Hz),  45.89 (d, J= 7.8 Hz), 52.99, 70.90, 79.67, 85.96, 86.09, 117.71, 126.29, 126.85, 128.35, 128.44, 128.59 , 128.68, 135.79, 136.45, 168.82 (d, J= 25.9 Hz).  19 F NMR (470 MHz, CDCl3): δ-216.52. MS m/z: 407.2 [M +Na] + . IR (KBr): 3568, 3065, 3030, 2957, 2888, 1737, 160 7, 1497, 1446, 1379, 1324, 1306, 1230, 1145, 1111,  1055, 1026, 1012, 987, 913, 868, 824, 760, 699, 678 , 647, 600, 540, 478 cm -1 .

(実施例10)
(1S,5S,6S)-6-フルオロ-4-オキソビシクロ[3.1.0]ヘ サ-2-エン-6-カルボン酸メチル(7)

 式3の化合物106.2mg(0.457mmol)のアセトニトリ ル(0.5mL)溶液を、-5℃に冷却し、2,2,6,6-テトラ チルピペリジン 1-オキシル(TEMPO)1.9mg(0.012mmo l)、炭酸水素ナトリウム11.5mg(0.137mmol)、水0.2mL を順次添加した後、10%次亜塩素酸ナトリウム 水溶液0.4mL(0.537mmol)を添加した。この間、内 の温度を-10から0℃の間に保った。-10から0℃ で4時間攪拌した後、10%チオ硫酸ナトリウム 溶液0.1mLを添加し、攪拌分液した。水層をト ルエン5mLで3回再抽出し、有機層を合わせて 圧下濃縮した。濃縮残渣をフラッシュシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘ サン/酢酸エチル)により精製することによ 、式7の化合物を無色油状物として38.6mg得た

1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 ): δ2.79 (m, 1H), 3.23 (dd, J=3.0, 5.7 Hz, 1H), 3 .86 (s, 3H), 6.07 (dd, J=0.6, 5.6 Hz, 1H), 7.42 (m , 1H). MS m/z 170.0 [M] +

(実施例11)
(1S,5S,6S)-6-フルオロ-4-オキソビシクロ[3.1.0]ヘ サ-2-エン-6-カルボン酸メチル(7)

 式3の化合物の結晶983mg(4.23mmol)のジクロロ メタン(脱水、5mL)溶液を、-10℃に冷却し、2,2, 6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシル(TEMPO) 13.7mg(0.089mmol)、炭酸水素ナトリウム101.6mg(1.21m mol)、水2mLを順次添加した後、10%次亜塩素酸 トリウム水溶液3.844g(5.16mmol)を添加した。こ 間、内部の温度を-10~0℃の間に保った。-10~0 ℃で1時間攪拌した後、分液した。有機層を 1mLで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥さ 、減圧濃縮し、黄色油状物として式4の化合 を1.0824g得た。得られた式4の化合物のジク ロメタン(18mL)溶液に、1,8-ジアザビシクロ[5.4 .0]-7-ウンデセン0.63mL(4.07mmol)を添加し、室温 1時間攪拌した後、1N塩酸4.2mLを添加し、攪拌 分液した。水層をジクロロメタン5mLで再抽出 した後、有機層を飽和食塩水5mLで洗浄した。 有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減 圧濃縮し、濃縮残渣をフラッシュシリカゲル カラムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘキサ /酢酸エチル)により精製することにより、式 7の化合物を無色油状物として567mg得た。

1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ2.78-2.79 (m, 1H), 3.24 (dd, J= 3.0, 6.0 Hz,  1H), 3.85 (s, 3H), 6.06 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.43  (dd, J= 2.8, 5.8 Hz, 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ34.00 (d, J= 14.3 Hz), 34.42 (d, J= 13.0 Hz),  53.15, 89.77 (d, J= 259.2 Hz), 133.26, 152.34 (d, J= 2.6 Hz), 166.03 (d, J= 26.0 Hz), 198.54.  19 F NMR (470MHz, CDCl 3 ): δ-214.93. MS m/z: 169.0 [M-H] -

 以下、実施例12~19においては、種々の微 物由来の酵素を用いて、式2の化合物を不斉 セチル化し、式3の化合物を得るためのそれ ぞれの反応条件検討の結果を示す。

 原料である式2の化合物、目的物である式3 化合物及びそのエナンチオマーである式3’ 化合物の生成状況は、以下に示すTLC法、及 HPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社 、Art 1.5715))
展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色  ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式2の化合物=0.20、 式3及び式3’の化合 物=0.40
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ-RH 
 4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;メタノール/0.1%リン酸水溶液=38/62
流速  ;0.8mL/min
温度  ;35℃
検出  ;UV 195nm
保持時間;
式2の化合物:  3.8分
式3の化合物: 10.3分
式3’の化合物:9.0分

(実施例12)
<酵素の探索>
 試験に供する酵素50mgをそれぞれ共栓付き10m L容試験管に入れ、酢酸ビニル2.7mL、アセトン 0.3mL、式2の化合物20mgを添加し、18~48時間、25 、スターラーで撹拌した(600rpm)。反応終了 、エキクロディスク25CR(日本ポール(株)製  25mm)を用いた濾過で酵素残渣を除き、溶液を 減圧乾固してメタノール1mLに溶解後、その一 部をとり、TLC分析及びHPLC分析を行った。表1 表2及び表3に記される41種類の酵素をスクリ ーニングした。

 TLC分析の結果、表1及び表2に挙げた酵素を 用した反応では、TLC上のRf値がラセミ標準品 (式3の化合物及び式3’の化合物)のRf値(0.40)と 一致し、かつ同じ呈色(褐色)を示したスポッ を検出した。TLC分析でアセチル化体の検出 顕著であった酵素のうち、HPLC分析によって 目的生成物である式3の化合物が確認された のについて、目的生成物の生成量と光学純 を表1に示す。また、TLC分析でアセチル化体 検出が顕著であった酵素のうち、HPLC分析に よって目的生成物とは異なる光学異性体の式 3’の化合物が確認されたものについて、そ 生成量と光学純度を以下の表2に挙げる。
 なお、本実施において式3の化合物及び式3 の化合物のいずれの生成も検出出来なかっ 酵素を表3に挙げる。


(実施例13)
<酵素固定化検討その1>
 トヨナイト(Toyonite)によるNOVOZYM 735(製品名: ボザイムズジャパン製;Candida antarctica Lipase  A由来) の固定化検討
 Toyonite 200、 Toyonite 200P、Toyonite 200M、 Toyo nite 200Aの各1gを50mL容のスミロンチューブ(住 ベークライト(株)製)に入れ、これに100mMリ 酸カリウム緩衝液(pH7)18mLとNOVOZYME735 2mLを加 10℃、15時間、120rpmで振盪した。振盪終了後 、桐山漏斗(No.6濾紙使用)で濾過し10mLの100mMリ ン酸カリウム緩衝液(pH7)で洗浄濾過後、10分 風乾しさらに減圧デシケーター中で4時間室 乾燥してそれぞれの固定化酵素4種類すなわ ちNOVOZYM 735/Toyonite 200、 NOVOZYM 735/Toyonite 200 P、NOVOZYM 735/Toyonite 200M、 NOVOZYM 735/Toyonite 2 00Aを得た。

 上記4種類の固定化酵素それぞれ10mgをそ ぞれ共栓付き10mL容試験管に入れ、酢酸ビニ 1mL、アセトン0.2mL、2の結晶50mgを添加して、 20時間、37℃、スターラーで撹拌(570rpm)して反 応を行った。反応終了後、エキクロディスク 25CR(日本ポール(株)製 径25mm)を用いた濾過で 定化酵素を除き、溶液を減圧乾固してメタ ール1mLに溶解後HPLC分析した。目的生成物で ある式3の化合物の生成量と光学純度を表4に す。

(実施例14)
<酵素固定化検討その2>
 10種類の酵素(Lipase AS "Amano"、Acylase 1500"Aman o"、Lipase PS Amano SD、Lipase G"Amano"50、Lipase AY S "Amano"、Lipase R"Amano"、Lipase AY"Amano"30G、Lipas e AK "Amano"20(天野エンザイム(株)より入手)、 膵臓由来リパーゼII型(シグマアルドリッチ ャパン(株)より入手)、Chirazyme L8 lyo(ロシュ ダイアグノスティクスより入手))それぞれ1~10 gを30mLの100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)に懸濁 し桐山濾紙No.5Bで濾過後、その濾液を50mL容の スミロンチューブ中それぞれToyonite 200M 1gと 混ぜて、室温(25℃)、17時間40分間、120rpmで振 した。振盪後、それぞれ桐山濾紙No.5Bで濾 後さらに室温下で5日間減圧乾燥して各固定 酵素を得た。

 上記10種類の固定化酵素各20mgをそれぞれ共 付き10mL容試験管に入れ、酢酸ビニル1.0mL、 セトン0.1mL、式2の化合物の結晶を20mg添加、 21時間、23℃、スターラーで撹拌(600rpm)して反 応を行った。反応終了後、エキクロディスク 25CR(日本ポール(株)製 径25mm)を用いた濾過で 定化酵素を除き、溶液を減圧乾固してメタ ール1mLに溶解後HPLC分析した。目的生成物で ある式3の化合物が確認されたものについて 目的生成物の生成量と光学純度を表5に示す また、目的生成物とは異なるエナンチオマ の式3’の化合物が確認されたものについて 、その生成量と光学純度を表6に挙げる。Lipas e PS Amano SDは、実施例12では化合物式3’の 合物を生成する酵素であったが、酵素を固 化した本酵素反応では式3の化合物の生成が 出されるようになった。また、豚膵臓由来 パーゼII型については、酵素を固定化して アセチル化反応は確認されなかった。
 実施例12ではアセチル化反応が検出できな った酵素や異なるエナンチオマーの式3’の 合物を生成していた酵素の中でも、酵素を 定化することにより目的生成物である式3の 化合物を顕著に生成するものがあることが表 5に見出された。

(実施例15)
<固定化酵素検討その3>
液状酵素(LIPOZYME TL100、NOVOZYM CALBL、NOVOZYM 735 (ノボザイムズジャパン(株)より入手))それぞ 2mL又は粉末酵素(Lipase AS "Amano"(天野エンザ ム(株)より入手))1gをそれぞれスミロンチュ ブ中10mLの100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)に 合又は溶解した後、1gのToyonite 200M又はToyonit e 200Pと混ぜ、10℃120rpmで22時間振盪した。振 後、それぞれ桐山濾紙No.5Bで濾過後さらに 温下で5日間減圧乾燥して各固定化酵素(8種 )を得た。
上記8種類の固定化酵素各20mgをそれぞれ共栓 き10mL容試験管に入れ、酢酸ビニル1.0mL、ア トン0.1mL、式2の化合物の結晶20mgを添加し、 21時間、23℃、スターラーで撹拌(600rpm)して反 応を行った。反応終了後、エキクロディスク 25CR(日本ポール(株)製 径25mm)を用いた濾過で 定化酵素を除き、溶液を減圧乾固してメタ ール1mLに溶解後HPLC分析した。目的生成物で ある式3の化合物が確認されたものについて 目的生成物の生成量と光学純度を表7に示す 表7に示した組み合わせ以外の固定化酵素に よる酵素反応では、式3の化合物及び式3’の 合物は未検出であった。
 NOVOZYM 735の固定化酵素による酵素反応では ずれも式3の化合物が検出された。

(実施例16)
 Candida antarctica Lipase Aの凍結乾燥酵素であ Chirazyme L-5 lyo(ロシュ・ダイアグノスティ スより入手)12.5mg、酢酸ビニル/アセトン(9:1) 液1.2mL、式2の化合物の結晶54.55mgを10mLの蓋 きサンプルチューブに入れスターラーにて57 0rpm、22時間、37℃で撹拌して反応を行った。 応終了後、エキクロディスク25CR(日本ポー (株)製 径25mm)を用いた濾過で固形分を除き 溶液を減圧乾固してメタノール1mLに溶解後HP LC分析した。その結果、光学純度99.99%e.e.の式 3の化合物が47.78mg得られたことが明らかとな た。

(実施例17)
<カラムに充填した固定化酵素での検討>
 50mLスミロンチューブ(住友ベークライト製) NOVOZYM 735を12.0mL、Toyonite 200Mを6.0g、100mMリ 酸カリウム緩衝液(pH7)を30mL入れ室温(25℃)、 18時間振盪(100rpm)した。振盪終了後桐山濾紙 No.5Bで濾過後、4日間室温で減圧乾燥して固定 化酵素を得た。得られた固定化酵素の4.0gを6m L容カラム(ボンドエルートリザーバーフリッ 付き:発売元ジーエルサイエンス(株))に充填 した。

 式2の化合物の結晶10.09gを酢酸ビニル/ア トン(10:1)443mLに溶解した溶液を、上記の固定 化酵素を充填したカラムにシリコンチューブ を付してペリスタポンプ(アトー(株)製)で送 した。送液速度は119mL/時間であった。送液 了後、溶出液をTLC法とHPLC法で分析した結果 式3の化合物を10.71g(収率88.34%)光学純度97.58%e .e.で得た。

 上記の送液終了した固定化酵素充填カラム 減圧乾燥して再生した後、室温保管した。 合物2の結晶8.89gを酢酸ビニル/アセトン(10:1) 356.5mLに溶解した溶液を、上記保管していた 定化酵素を充填したカラムにシリコンチュ ブを付してペリスタポンプ(アトー(株)製)で 液した。送液速度は101mL/時間であった。
 送液終了後、溶出液をTLC法とHPLC法で分析し た結果、式3の化合物を9.61g(収率89.90%)光学純 98.54%e.e.で得た。以上の結果はCandida antarctic a 由来Lipase AをToyonite 200Mに固定化した固定 酵素が再生後繰り返し使用できることを示 した。

(実施例18)
<固定化酵素の調製と探索:変換能の分析>
糸状菌または酵母の111菌株(Mucor、Rhizopus、Cand ida、Dipodascus、Galactomyces、Geotrichum、Kluyveromyces 、Endomyces、Zygosaccharomyces、Pichia、Sporobolomyces 計11属に由来する菌株)をそれぞれ脱脂米糠3% 、コーンステープリカー(Corn steap liquor)3%、 豆油1%、硫酸アンモニウム0.2%(pH6)からなる 地40mlを含む200ml三角フラスコで3日間、18℃~2 8℃で通気撹拌培養した。培養終了後、各微 物培養液を個別に遠心管に移し、遠心器に り培養液を菌体と菌体上清液に遠心分離(8000 rpm、12~15分間)した。得られたそれぞれの微生 物菌体上清液(スミロンチューブなど遠心管 )に各0.1容の1Mリン酸カリウム緩衝液pH7およ 担体Toyonite 200Mを0.5g加えて25℃で一晩(最大20 時間)振盪した。振盪終了後、5分間静置の後 担体Toyonite 200Mが遠心管の底に沈んだ後、 層の溶液をデカンテーションで除いてから れに0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH7~pH7.5を15ml加 えて撹拌再懸濁した。これを合計2回繰り返 た後、桐山濾紙No.5B(商品名)を付した桐山漏 (商品名)を用いて減圧濾過して濾紙上に各 生物培養液上清由来の固定化酵素を得た。 固定化酵素は濾紙上で数分間減圧濾過乾燥 後、減圧乾燥デシケータ(乾燥シリカゲル入 )に入れ、一晩(最大20時間)乾燥した。乾燥 終了した各固定化酵素を以下の酵素反応に いた。

 上記の操作により得られた111種類の固定化 素各20mgを、それぞれネジ蓋付き3.5mL容のサ プルチューブに入れ、酢酸ビニル1.0mL、ア トン0.1mL、式2の化合物の結晶を20mg添加、21 間、25℃、スターラーで撹拌(600rpm)して反応 行った。反応終了後、エキクロディスク25CR を用いた濾過で固定化酵素を除き、溶液を減 圧乾固してメタノール1mLに溶解後、前述のHPL C法で分析した。
 上記11属に分類される菌株(111株)のうちジエ トリカム(Geotrichum)属及びガラクトミセス(Galac tomyces)属の菌株由来の酵素を使用した場合に 的の反応が顕著に進んだ。目的生成物であ 式3の化合物が著量確認されたものについて 、菌株、目的生成物の生成量及び光学純度を 表8に示す。

(実施例19)
<固定化酵素の連続反応実験>
500mL容の蓋付きプラスチックビンにNOVOZYM CALA L(商品名:ノボザイムズ・ジャパンより入手) 100mL、Toyonite 200Mを100g、100mMリン酸カリウム 衝液(pH7)を200mL入れ室温(25℃)、で18時間振盪 (160rpm)した。振盪終了後桐山濾紙No.5Bで濾過 、4日間室温で減圧乾燥して固定化酵素を得 。得られた固定化酵素の4.0gを6mL容カラム( ンドエルートリザーバーフリット付き:発売 ジーエルサイエンス(株))に充填した。
 次に式2の化合物の結晶81.00gを酢酸ビニルに アセトン20%を含む溶液2,700mLに溶解した溶液 調製した。得られた式2を81.0g含む溶液をシ コンチューブとペリスタポンプ(アトー(株) )を用いて、上記の固定化酵素を充填したカ ムに送液した。送液速度は最大102mL/時間で った。
送液終了後、溶出液をTLC法とHPLC法で分析し 結果、式3の化合物を86.73g(収率89.1%)光学純度 97.14%e.e.~98.06%e.e.で得た。
 すなわち固定化酵素4.0gを用いて81.00gの式2 化合物から少なくとも86.73gの式3の化合物を 学純度97.14%e.e.~98.06%e.e.で得られることを確 する事が出来た。

(実施例20)
<ヘキサン酸ビニルの反応>


式2の化合物201.7mgを7.2mlのヘキサン酸ビニル よび0.8mlのアセトン混合溶液に溶解し、これ に実施例21で調製したものと同じ固定化酵素1 50mgを加え、25℃で21時間、スターラーで撹拌( 600rpm)して酵素反応を行った。
 反応終了後、反応液をエキクロディスク25CR を用いた濾過で固定化酵素を除いた後、フラ ッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (溶離液:n-ヘキサン/酢酸エチル)により精製す ることにより、無色固形物として式3-1の化合 物15.5mg(光学純度76.65%e.e.)を得た。
1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ0.90 (t, J= 6.5 Hz, 3H), 1.33 (m, 2H), 1.64  (m, J= 7.0, 8.0 Hz, 2H), 1.94 (ddd, J=4.5, 16.0Hz  1H), 2.28 (ddd, J= 5.5, 6.0, 13.0 Hz, 1H), 2.34 (d t, J= 7.5 Hz, 2H), 2.42 (s, 1H), 3.82 (s, 3H), 4. 43 (dt,J=6.5Hz, 1H), 5.31 (dt,J=6.0Hz, 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ13.86, 22.26, 24.56, 31.22, 34.38, 35.04 (d,J=11 .7Hz), 37.97(d, J=10.3Hz), 42.53(d, J=9.1Hz), 52.97, 7 3.17, 75.33, 168.49, 168.69, 173.0. MS (Shimadzu LCMS -210EV ESI/APCI Dual positive) m/z: [M+Na] + 311.1

なお、原料である式2の化合物、目的物であ 式3-1の化合物及びそのエナンチオマーであ 式3-1’の化合物の生成状況は、以下に示すTL C法、及びHPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社 、Art 1.5715))
展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色  ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式2の化合物=0.20、 式3-1及び3-1’の化 物=0.67
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ-RH 
 4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;(メタノール:アセトニトリル=1:1)/0.1% リン酸水溶液=52/48
流速  ;0.8mL/min
温度  ;35℃
検出  ;UV 195nm
保持時間;
式3-1の化合物: 7.3分
式3-1’の化合物:8.3分

(実施例21)
<安息香酸ビニルの反応>

式2の化合物199.0mgを7.2mlの安息香酸ビニルお び0.8mlのアセトン混合溶液に溶解し、これに 実施例21で調製したものと同じ固定化酵素150m gを加え、25℃で21時間、スターラーで撹拌(600 rpm)して酵素反応を行った。
 反応終了後、反応液をエキクロディスク25CR による濾過で固定化酵素を除いた後、フラッ シュシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 離液:n-ヘキサン/酢酸エチル)により精製する ことにより、無色固形物として式3-2の化合物 18.0mg(光学純度99.99%e.e.)を得た。
1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ2.13 (ddd, J= 4.5, 16.5Hz, 1H), 2.40 (ddd, J=3 .0, 7.0, 10.0Hz, 1H), 2.47 (dd, J= 6.5Hz, 1H), 2.59  (dd, J=6.5Hz 1H), 3.82(s, 3H), 4.51 (dt, J= 6.0 H z, 1H), 5.53 (dt, J=5.5Hz 1H), 7.46 (t, J=8.0Hz, 2H ), 7.59 (t, J=8.0Hz, 1H), 8.04 (d, J=8.5Hz, 1H), 8. 05 (d, J=8.0Hz, 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ35.11(d, J=10.3Hz), 38.08(d, J=11.7Hz), 42.73(d,  J=9.1Hz), 52.99, 73.19, 76.25, 128.49, 129.65, 133.35,  165.80, 168.46, 168.67. MS (Shimadzu LCMS-210EV ESI/ APCI Dual positive) m/z: [M+Na] + 317.0, [α]  D   24 =-11.0deg

なお、原料である式2の化合物、目的物であ 式3-2の化合物の生成状況は、以下に示すTLC 、及びHPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社 、Art 1.5715))
展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色  ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式2の化合物=0.20、 式3-2の化合物=0.58
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ-RH 
 4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;(メタノール:アセトニトリル=1:1)/0.1% リン酸水溶液=52/48
流速  ;0.8mL/min
温度  ;35℃
検出  ;UV 195nm
保持時間;式3-2の化合物: 8.1分

(実施例22)
<ピバリン酸ビニルの反応>


式2の化合物200.3mgを7.2mlのベンゾイル酸ビニ および0.8mlのアセトン混合溶液に溶解し、こ れに実施例21で調製したものと同じ固定化酵 150mgを加え、25℃で21時間、スターラーで撹 (600rpm)して酵素反応を行った。
 反応終了後、反応液をエキクロディスク25CR による濾過で固定化酵素を除いた後、フラッ シュシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 離液:n-ヘキサン/酢酸エチル)により精製する ことにより、無色固形物として式3-3の化合物 8.6mg(光学純度99.99%e.e.)を得た。
1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ1.22 (s, 9H), 1.91 (ddd, J=4.5, 16.0Hz, 1H), 2 .29 (ddd, J= 5.5, 13.0Hz, 1H), 2.41 (dd, J=6.5Hz 1H ), 2.41(dd, J=6.0Hz, 1H), 3.82(s, 3H), 4.45 (dt, J= 5.0, 17.5Hz, 1H), 5.28(dt, J=6.0Hz 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ27.06, 34.90(d, J=11.3Hz), 37.94(d, J=11.2Hz), 38 .65, 42.53(d, J=8.8Hz), 53.00, 73.22, 75.48, 168.54,  177.55. MS (Shimadzu LCMS-210EV ESI/APCI Dual positive ) m/z: [M+Na] + 297.1, [α]  D   25 =+6.0deg

 なお、原料である式2の化合物、目的物であ る式3-3の化合物の生成状況は、以下に示すTLC 法、及びHPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社 、Art 1.5715))
展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色  ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式2の化合物=0.20、 式3-3の化合物=0.69
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ-RH 
 4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;(メタノール:アセトニトリル=1:1)/0.1% リン酸水溶液=52/48
流速  ;0.8mL/min
温度  ;35℃
検出  ;UV 195nm
保持時間;式3-3の化合物: 5.0分

(実施例23)
<モノクロロ酢酸ビニルの反応>


式2の化合物201.4mgを7.2mlのモノクロロ酢酸ビ ルおよび0.8mlのアセトン混合溶液に溶解し、 これに実施例21で調製したものと同じ固定化 素150mgを加え、25℃で21時間、スターラーで 拌(600rpm)して酵素反応を行った。
 反応終了後、反応液をエキクロディスク25CR による濾過で固定化酵素を除いた後、フラッ シュシリカゲルカラムクロマトグラフィー( 離液:n-ヘキサン/酢酸エチル)により精製する ことにより、無色固形物として式3-4の化合物 201.2mg(光学純度99.99%e.e.)を得た。
1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ2.00 (ddd, J=4.5, 16.5Hz, 1H), 2.31 (ddd, J=6.0 , 13.0, 16.5Hz, 1H), 2.43 (dd, J= 7.0Hz, 1H), 2.47 (dd, J=7.0Hz 1H), 3.82 (s, 3H), 4.14 (s, 2H), 4.47 (dt, J=5.5Hz, 1H), 5.36(dt, J=6.5Hz 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ34.56(d, J=11.2Hz), 37.87(d, J=11.2Hz), 40.82, 42 .27(d, J=8.7Hz), 52.92, 72.43, 79.07, 166.65, 168.24, 168.45. MS (Shimadzu LCMS-210EV ESI/APCI Dual positiv e) m/z: [M+Na] + 289.0, [α]  D   25 =+10.2deg

 なお、原料である式2の化合物、目的物であ る式3-4の化合物の生成状況は、以下に示すTLC 法、及びHPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社 、Art 1.5715))
展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色  ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式2の化合物=0.20、 式3-4の化合物=0.53
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ-RH 
 4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;(メタノール:アセトニトリル=1:1)/0.1% リン酸水溶液=52/48
流速  ;0.8mL/min
温度  ;35℃
検出  ;UV 195nm
保持時間;式3-4の化合物: 4.4分

(実施例24)
<ブタン酸ビニルの反応>


式2の化合物209.0mgを7.2mlのモノクロロ酢酸ビ ルおよび0.8mlのアセトン混合溶液に溶解し、 これに実施例21で調製したものと同じ固定化 素50mgを加え、25℃で15時間、スターラーで 拌(600rpm)して酵素反応を行った。
反応終了後、反応液をエキクロディスク25CR よる濾過で固定化酵素を除いた後、フラッ ュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶 液:n-ヘキサン/酢酸エチル)により精製する とにより、無色固形物として式3-5の化合物( 学純度89.86%e.e.)を得た。

 なお、原料である式2の化合物、目的物であ る式3-5の化合物及びそのエナンチオマーであ る式3-5’の化合物の生成状況は、以下に示す TLC法、及びHPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社 、Art 1.5715))
展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色  ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式2の化合物=0.20、 式3-5の化合物=0.55
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ-RH 
 4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;(メタノール:アセトニトリル=1:1)/0.1% リン酸水溶液=52/48
流速  ;0.8mL/min
温度  ;35℃
検出  ;UV 195nm
保持時間;
式3-5の化合物: 4.2分
式3-5’の化合物: 4.5分

(実施例25)
<プロピオン酸ビニルの反応>

式2の化合物202.4mgを7.2mlのモノクロロ酢酸ビ ルおよび0.8mlのアセトン混合溶液に溶解し、 これに実施例21で調製したものと同じ固定化 素50mgを加え、25℃で15時間、スターラーで 拌(600rpm)して酵素反応を行った。
反応終了後、反応液をエキクロディスク25CR よる濾過で固定化酵素を除いた後、フラッ ュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶 液:n-ヘキサン/酢酸エチル)により精製する とにより、無色固形物として式3-6の化合物( 学純度99.99%e.e.)を得た。

 なお、原料である式2の化合物、目的物であ る式3-6の化合物及びそのエナンチオマーであ る式3-6’の化合物の生成状況は、以下に示す TLC法、及びHPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社 、Art 1.5715))
展開溶媒;n-ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色  ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式2の化合物=0.20、 式3-6の化合物=0.50
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ-RH 
 4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;メタノール/0.1%リン酸水溶液=44/56
流速  ;0.8mL/min
温度  ;35℃
検出  ;UV 195nm
保持時間;
式3-6の化合物: 18.1分
式3-6’の化合物: 15.0分

(実施例26)
<ジアセチル化合物からの合成1> 


アシル基受容体のシクロペンタノール0.05mlを イソプロピルエーテルに加えて2.0mlとしたも に、式13の化合物を50mgおよび表9に示した各 酵素50mgを加え、室温(24℃)にてスターラー(600 rpm)で94時間撹拌した。なお、式13の化合物は 下記の参考例2に示した方法で製造した。
 表9に示した酵素のうち、Lipase AK"Amano" 20、 Lipase PS"Amano"SD、CHE"Amano"2、Lipase AS"Amano"は市 のものを用いた。また、Lipase QLM、Lipase PS" Amano"SD、Lipase AK"Amano" 20、Lipase R"Amano"、Lipase  AY"Amano"30GおよびLipase TLは、市販のものを実 施例14と同様の方法でToyonite 200MまたはToyonite  200Pに固定化して使用した。また、微生物Dip odascus australiensis NBRC10805の培養液上清由来の 酵素は、実施例18に記載の方法によりをToyonit e 200Mに固定化して使用した。
 反応終了後、エキクロディスク25CRを用いた 濾過で酵素を除き、溶液を減圧乾固してメタ ノール1mLに溶解後、前述の式3の化合物のHPLC で分析した。
表9に各酵素で反応させた後の式3の化合物の 成量と光学純度を示した。

(実施例27)
<ジアセチル化合物から標品の合成2>
 使用酵素としてLipase QLM、Lipase OF、Lipase PL 及びNovozym CALALの各固定化酵素を用いて以下 酵素反応を行った。
 アシル基受容体のシクロペンタノール0.05ml トルエンに加えて2.0mlとしたもの、アシル 受容体のシクロペンタノール0.05mlをイソプ ピルエーテルに加えて2.0mlとしたもの、アシ ル基受容体の2-ブタノール0.05mlをトルエンに えて2.0mlとしたもの、アシル基受容体の2-ブ タノール0.05mlをイソプロピルエーテルに加え て2.0mlとしたもの、アシル基受容体の2-プロ ノール0.05mlをトルエンに加えて2.0mlとしたも の、およびアシル基受容体の2-プロパノール0 .05mlをイソプロピルエーテルに加えて2.0mlと たものをそれぞれ用意し、それぞれに表10に 示した各酵素50mgと式13の化合物50mgを加え室 (21℃~24℃)にてスターラー(600rpm)で19時間撹拌 した。反応終了後、エキクロディスク25CRを いた濾過で固定化酵素を除き、溶液を減圧 固してメタノール1mLに溶解後、前述の式3の 合物のHPLC法で分析した。
 表10に各酵素で反応させた後の式3の化合物 生成量と光学純度を示した。

(実施例28)
フルオロ[(1R,5R)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2- ン-1-イル]プロパン二酸ジメチル (10a)及び ルオロ[(1S,5S)-5-ヒドロキシシクロペンタ-2-エ ン-1-イル]プロパン二酸ジメチル (10b)の混合

 ジシクロペンタジエンをナス形フラスコに れ、185から190℃に設定した油浴に浸した。3 9から41℃で留出する成分を集める(ドライア ス-アセトン浴でトラップ)ことにより無色油 状物としてシクロペンタジエンを得た。得ら れたシクロペンタジエン19.041g(0.288mol)のジク ロメタン(170mL)溶液に、炭酸ナトリウム55.75g (0.526mol)を入れ、-15℃に冷却した。過酢酸(含 38.9%)28.10g(0.144mol)を添加した。その間、内部 の温度を-15℃から-10℃の間に保った。-15℃で 3.5時間攪拌した後、過酢酸16.80g(0.086mol)を追 し、-15℃で15時間、室温で4.5時間攪拌した後 、固形物を濾去した。濾液を硫酸マグネシウ ム10gで乾燥することにより、6-オキサビシク [3.1.0]ヘキサ‐2-エン(8)のジクロロメタン溶 250.63gを得た。
フルオロプロパン二酸ジメチル(9)39.99g(0.266mol )のメタノール(120mL)溶液に、ナトリウムメト シドの25w/w%メタノール溶液52.170g(0.241mol)を5 間にわたって添加した。その間、内部の温 を20℃から30℃の間に保った。得られた溶液 を20分間攪拌した後、式8の化合物のジクロロ メタン溶液200.432g(0.117mol)を8分間にわたって 加した。その間、内部の温度を25℃から35℃ 間に保った。室温下で17時間攪拌した後、 和塩化アンモニウム水溶液153mLを添加した。 10%チオ硫酸ナトリウム水溶液29gを添加し、攪 拌した後、分液した。ジクロロメタン30mLで 出し、有機層を合わせて飽和食塩水50mLで洗 した。硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃 した。濃縮残渣をフラッシュシリカゲルカ ムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘキサン/ 酸エチル)により精製することにより、黄色 油状物として式10aの化合物及び式10bの化合 の混合物17.582gを得た。

1 H NMR (300 MHz, CDCl 3 : δ2.32-2.39 (m, 1H), 2.45 (d, J= 3.9 Hz, 1H), 2. 75-2.84 (m, 1H), 3.47-3.58 (m, 1H), 3.87 (s, 6H), 4 .54-4.60 (m, 1H), 5.46-5.49 (m, 1H), 5.87-5.89 (m, 1 H).

(実施例29)
(1R,2R,4S,5S,6R)-6-フルオロ-2,4-ジヒドロキシビシ クロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボン酸メチル(2)


式11aの化合物30.00g(172.25mmol)のクロロベンゼン (143.78g)溶液に、バナジルアセチルアセトナー ト(VO(acac) 2 )0.914g(3.447mmol)を室温下加えた。60℃に加熱し tert-ブチルヒドロペルオキシド(tBuOOH)の70%ト ルエン溶液44.91g(348.83mmol)を25分間にわたって 加した。その間、内部の温度を55℃から60℃ の間に保った。55℃で5時間攪拌した後、室温 まで放冷した。20%チオ硫酸ナトリウム水溶液 73.65gを加えて30分間攪拌した後、酢酸エチル1 33mLで2回抽出した。有機層を合わせ飽和食塩 で洗浄後、減圧濃縮することにより黄色の 状物として式12aの化合物を47.71g得た。
 得られた式12aの化合物のDMF(63mL)溶液に、イ ダゾール23.193g(340.67mmol)、tert-ブチルジメチ シリルクロライド(TBSCl)32.682g(216.82mmol)を添 し、室温下で2.5時間攪拌した。トルエン170mL 、水150mLを加えて10分間攪拌した後、分液し 。トルエン136mLで抽出し、有機層を合わせ水 30mLで洗浄した後、減圧濃縮することにより 色の油状物としてメチル[(1R,2R,3R,5S)-3-{[tert- チル(ジメチル)シリル]オキシ}-6-オキサビシ ロ[3.1.0]ヘキサ-2-イル](フルオロ)酢酸(13a)を5 5.91g得た。

 得られた式13aの化合物のTHF(270mL)溶液を、-50 ℃に冷却し、0.94mol/Lトリエチルアルミニウム ヘキサン溶液210mL(197.40mmol)を30分間にわたっ 添加した。その間、内部の温度を-55℃から-5 0℃の間に保った。-50℃で30分間攪拌した後、 1.6mol/Lリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS )ヘキサン溶液143mL(228.80mmol)を10分間にわたっ 添加した。その間、内部の温度を-50℃から- 40℃の間に保った。-50℃で2時間攪拌した後、 5℃に冷却した25%クエン酸水溶液265.08gの中へ 応液を20分間にわたって添加した。この反 液に酢酸エチル270mLを加えて攪拌した後、分 液した。酢酸エチル100mLで抽出し、有機層を わせ水50mLで洗浄した後、減圧濃縮すること により、褐色の油状物としてメチル(1R,2R,4S,5S ,6R)-2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}-6- フルオロ-4-ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサ -6-カルボン酸(14a)を56.65g得た。
 得られた式14aの化合物のアセトニトリル(185 mL)溶液を0℃に冷却し、1N塩酸30mLを添加した 室温下で4.5時間攪拌した後、4%炭酸水素ナト リウム水溶液(95.845g)、酢酸エチル450mLを加え 。10分間攪拌した後、分液した。酢酸エチ 400mLで3回抽出した後、有機層を合わせて硫 ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。濃縮 渣を酢酸エチル108.58gと水2.722gの混合液から 析させることにより、無色結晶として式2の 化合物を21.34g得た。

1 H NMR (500 MHz, DMSO-d 6 ): δ1.66 (dd, J= 4.6, 14.8 Hz, 1H), 1.97 (m, 1H),  2.17 (s, 2H), 3.72 (s, 3H), 4.18 (t, J= 5.4 Hz, 2H), 4.93 (d, J= 5.0 Hz, 2H). MS m/z: 213.1 [M+Na ] + . IR (KBr): 3548, 3413, 3295, 3239, 2922, 2751, 173 2, 1616, 1467, 1442, 1381, 1336, 1285, 1265, 1235,  1198, 1181, 1130, 1078, 1041, 994, 947, 890, 805, 7 77, 733, 646, 566, 540, 480, 446 cm -1 . Anal. Calcd for C 8 H 11 FO 4 ・H 2 O: C, 46.15; H, 6.29; F, 9.13. Found: C, 46.11; H,  6.18; F, 9.09.

(参考例1)

6-オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサ-2-エン(8)
 ジシクロペンタジエン 84.37g(638.2mmol)をナス 形フラスコに入れ、185から190℃に設定した油 浴に浸した。39から41℃で留出する成分を集 る(ドライアイス-アセトン浴でトラップ)こ により無色油状物としてシクロペンタジエ 73.2gを得た。得られたシクロペンタジエン73. 2g(1.107mol)のジクロロメタン(732mL)溶液に、炭 ナトリウム176.0g(1.66mol)を入れ、氷浴に浸し 。メタクロロ過安息香酸(含量77%)198.5g(886mmol) を30分間にわたって分割して添加した。その 、内部の温度を3℃から35℃の間に保った。 温下で15時間攪拌した後、固形物を濾去し (ジクロロメタン532mLで洗浄)。濾洗液中のジ ロロメタンを概ね減圧留去した後、減圧蒸 することにより淡黄色油状物としてエポキ ド8を14.08g得た。エポキシド8の 1 H NMR (300 MHz, DMSO-d 6 )測定結果は文献(Org. Lett., 7, 4573, (2005))記 のものと一致した。

1 H NMR (300 MHz, DMSO-d 6 ): δ2.30-2.39 (m, 1H), 2.45-2.53 (m, 1H), 3.80-3.83 (m, 1H), 3.88-3.90 (m, 1H), 5.94-5.98 (m, 1H), 6.12 -6.16 (m, 1H).

(参考例2)
<ジアセチル化合物の調製>

 実施例12~19で示した酵素反応によって式2の 合物から式3の化合物を調製する際に式13の アセチル化合物が副生成物として生じる場 がある。この副生成物の産生量はカラムに 填した固定化酵素に式2の化合物溶液を送液 する速度を制御することにより調節すること ができる。例えば実施例19ではこのジアセチ 化合物の生成収率は3.8%(4.35g)であった。本 施例は副生成物を単離する目的で検討した
先ず実施例17と同様の方法でNOVOZYM 735とToyonit e 200Mから固定化酵素を調製して得られた固 化酵素の4.0gを6mL容カラム(ボンドエルートリ ザーバーフリット付き:発売元ジーエルサイ ンス(株))に充填した。
 次に式2の化合物の結晶18.28gを酢酸ビニル/ セトン(10:1)804mLに溶解し、その溶液を上記の 固定化酵素を充填したカラムにシリコンチュ ーブを付してペリスタポンプ(アトー(株)製) 送液した。送液速度は129mL/時間であった。 液終了後、溶出液をTLC法とHPLC法で分析した 果、式3の化合物を19.02g(収率86.56%)光学純度9 6.01%e.e.で得ると共に式13のジアセチル化合物2 .81g(収率10.9%)で得ることが出来た。式3の化合 物と式13のジアセチル化合物は酵素反応溶出 を減圧濃縮後、濃縮残渣をフラッシュシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n-ヘ キサン/酢酸エチル)により精製することによ 、分離することができた。式13のジアセチ 化合物を酢酸エチルに溶解した後再結晶し 無色固形物として得ることが出来た。

1 H NMR (500 MHz, CDCl 3 ): δ2.02 (dd, J=5.0, 16.5Hz, 1H), 2.11 (s, 6H), 2. 35 (ddd, J=7.0, 16.5Hz, 1H), 2.45 (s, 2H), 3.81 (s,  3H), 5.27(d, J=6.5Hz 1H).  13 C NMR (125 MHz, CDCl 3 ): δ21.14, 35.27(d, J=9.9Hz), 39.99(d, J=8.7Hz), 52.9 9, 74.72, 76.74, 168.12, 168.31, 170.34. MS (Shimadzu  LCMS-210EV ESI/APCI Dual positive) m/z: [M+Na] + 297.0


 以下の略語が本文全体で用いられる。
Me:メチル
Et:エチル
Ac:アセチル
Ph:フェニル
THF:テトラヒドロフラン
TEMPO:2,2,6,6-テトラメチルピペリジン 1-オキシ ル
TMS:トリメチルシリル
DMSO:ジメチルスルホキシド
TfOH:トリフルオロメタンスルホン酸
TMSOTf:トリフルオロメタンスルホン酸トリメ ルシリル
LiHMDS:リチウムヘキサメチルジシラジド
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
NMR:核磁気共鳴
TLC:薄層クロマトグラフィー

 本発明の製造方法は、代謝型グルタミン 受容体の調節物質として有用なビシクロ[3.1 .0]ヘキサン誘導体を大量生産するために使用 することができる。