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Title:
METHOD FOR PRODUCING HOLLOW CORE BODY OF COAXIAL CABLE, HOLLOW CORE BODY OF COAXIAL CABLE, AND COAXIAL CABLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119339
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a hollow core body of a coaxial cable having a high hollow rate and stabilized electrical characteristics in the longitudinal direction. A method for producing a hollow core body of a coaxial cable comprising an inner conductor, and an insulating coating consisting of an inner annulus covering the inner conductor, a plurality of ribs extending radially from the inner annulus, and an outer annulus having outside diameter of 0.5 mm or less and coupling the outer edge of the ribs, and having a plurality of hollow portions surrounded by the inner annulus, the outer annulus, and the ribs, wherein the hollow portions occupy 40% or more of the area of an insulating portion and circularity of the outer annulus is 96.0% or above. The method for producing a hollow core body of a coaxial cable comprises at least following steps (1)-(3): (1) a step for extruding molten resin from a die which can form the insulating coating, (2) a step for heating resin which forms the insulating coating, and (3) a step for gradually cooling the resin forming the insulating coating at around the room temperature.

Inventors:
TANAKA SEIJI (JP)
MATSUNO SHIGEHIRO (JP)
SUEMORI MASAYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054847
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
UBE NITTO KASEI CO (JP)
TANAKA SEIJI (JP)
MATSUNO SHIGEHIRO (JP)
SUEMORI MASAYA (JP)
International Classes:
H01B13/016; H01B11/18
Foreign References:
JP2007335393A2007-12-27
JP2001357729A2001-12-26
JP2001067944A2001-03-16
JPH06295631A1994-10-21
JP2005276785A2005-10-06
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, KAORU (JP)
Kaoru Watanabe (JP)
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Claims:
 内部導体と、
 該内部導体を被覆する内環状部と、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、該リブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の外環状部と、からなる絶縁被覆体と、
 を備え、前記内環状部と前記外環状部と前記リブ部とにより囲まれた複数の中空部を有し、絶縁部に占める前記中空部の面積割合が40%以上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上である同軸ケーブル用中空コア体の製造方法であって、
 少なくとも下記(1)~(3)の工程を行う同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
 (1)前記絶縁被覆体を形成しうるダイスを用い、溶融樹脂を前記ダイスから押出する工程、
 (2)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を加熱する工程、
 (3)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を、室温近傍で除冷する工程。
 前記(2)工程は、加熱筒によって行われることを特徴とする請求の範囲第1項記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
 得られた中空コア体の最大外径と最小外径を測定し、最大外径と最小外径の差が最小となるように、前記(2)工程における加熱温度と加熱時間の少なくともいずれか一つを制御することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
 面積引き落とし倍率を、300~4000倍とすることを特徴とする請求の範囲第1項~第3項のいずれか1項記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
 前記ダイスは、前記内部導体の挿通用中心孔と、前記挿通用中心孔の外周に隣接配置される内環状孔と、該内環状孔の外周から放射状に延びる複数の直線状孔と、該直線状孔の外端間を連結する外環状孔と、前記内環状孔と前記外環状孔と前記直線状孔とで囲まれた部分に前記中空部形成用の内圧調整用エアを導入するための貫通孔が設けられたことを特徴とする請求の範囲第1項~第4項のいずれか1項記載の同軸ケーブル用中空コア体の製造方法。
 内部導体と、
 該内部導体を被覆する内環状部と、該内環状部から放射状に延びる複数のリブ部と、前記リブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の外環状部と、からなる絶縁被覆体と、
を備え、前記内環状部と前記外環状部と前記リブ部とで囲まれた複数の中空部を有する同軸ケーブル用中空コア体であって、
 絶縁部に占める前記中空部の面積割合が40%以上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上であり、
 長手方向における水中キャパシタンスの変動率が3.1%以下であることを特徴とする同軸ケーブル用中空コア体。
 請求の範囲第6項記載の同軸ケーブル用中空コア体の単数本又は複数本の外周に、少なくとも外部導体層が設けられたことを特徴とする同軸ケーブル。
 長手方向における特性インピーダンスの変動率が3.0%以下であることを特徴とする請求の範囲第7項記載の同軸ケーブル。
Description:
同軸ケーブル中空コア体の製造 法、同軸ケーブル中空コア体、並びに同軸 ーブル

 本発明は、同軸ケーブル中空コア体の製 方法、同軸ケーブル中空コア体並びに同軸 ーブルに関する。詳しくは、高中空率であ ながら、長手方向の電気特性が安定した同 ケーブル用中空コア体に関する技術である

 ITの進展に伴い、同軸ケーブルにおいて 高性能化(低損失化、高速伝送化)、高密度化 (ケーブルサイズダウン)等が求められ、その め絶縁体の低誘電率化とその安定性向上が められている。絶縁体の低誘電率化には絶 被覆樹脂に空気を導入することが有効であ 、例えば発泡タイプの樹脂(PE,PFA,PTFE等)が用 いられている。

 そして、中空コア体の中空部の潰れや変 等を防止するために、表面にスキン層(充実 層)を形成することが行われているが、充実 あるため同軸ケーブル中空コア体全体とし の発泡度を高くすることができない。

 特に、同軸ケーブル中空コア体のコア外 が0.5mm以下といった極細径とする場合には 気泡形成による斑の影響が大きくなる。ま 、スキン層が絶縁体全体の面積に占める割 も大きくなり、高発泡(中空率)でありながら 長手方向の電気特性が安定している同軸ケー ブル中空コア体を製造することは困難であっ た。

 これに関して、出願人は外環状部の外径 5.0mm以下であって、絶縁部に占める中空部 面積割合が40%以上であり、外環状部の真円 が96.0%以上である同軸ケーブル用中空コア体 に関する技術を提供している(特許文献1参照) 。

特開2007-335393号公報。

 しかし、同軸ケーブル用中空コア体を製造 る際には以下の問題を抱えていた。
 例えば、外環状部の厚みが薄い場合である 、ダイスを押出された溶融樹脂の熱容量が さいために、急速に冷却されてしまい、引 落とし(ドラフト)の制御が難しくなる。そ ため、外形状が大きいままで冷却されてし い、内環状部と内部導体との間に空間が生 均一に被覆できなかったりしていた。ある は、真円でなければならない外周の被覆層 断面が潰れて多角形状になったりしていた この問題は、特に極細径の同軸ケーブル用 空コア体を製造する際に特に顕著であった

 そこで、本発明は、高中空率でありなが 長手方向の電気特性が安定した極細同軸ケ ブル用中空コア体の製造方法を提供するこ を主な目的とする。

 まず、本発明は、内部導体と、
 該内部導体を被覆する内環状部と、該内環 部から放射状に延びる複数のリブ部と、
 該リブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の 環状部と、からなる絶縁被覆体と、
 を備え、前記内環状部と前記外環状部と前 リブ部とにより囲まれた複数の中空部を有 、絶縁部に占める前記中空部の面積割合が4 0%以上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上 ある同軸ケーブル用中空コア体の製造方法 関するものであり、
 少なくとも、
(1)前記絶縁被覆体を形成しうるダイスを用い 、溶融樹脂を前記ダイスから押出する工程、
(2)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を加熱する 工程、
(3)前記絶縁被覆体を形成する樹脂を、室温近 傍で除冷する工程を行う同軸ケーブル用中空 コア体の製造方法を提供する。
 引き落とした樹脂を加熱し、室温近傍で除 する。これによって、真円性の高い同軸ケ ブル用中空コア体とすることができる。
 なお、本発明に係る同軸ケーブル用中空コ 体の製造方法において、(2)工程は、加熱筒 よって行うことが望ましい。
 そして、本発明は、得られた中空コア体の 大外径と最小外径を測定し、最大外径と最 外径の差が最小となるように(2)工程におけ 加熱温度と加熱時間の少なくともいずれか つを制御することが望ましい。中空コア体 外径を測定し、これに基づいて(2)工程の加 条件を制御することで、より高い精度で中 コア体の真円性を制御することができる。
 本発明に係る同軸ケーブル用中空コア体の 造方法において、面積引き落とし倍率は、3 00~4000倍とすることが望ましい。
 加えて、本発明において、前記ダイスは、 記内部導体の挿通用中心孔と、前記挿通用 心孔の外周に隣接配置される内環状孔と、 内環状孔の外周から放射状に延びる複数の 線状孔と、該直線状孔の外端間を連結する 環状孔と、前記内環状孔と前記外環状孔と 記直線状孔とで囲まれた部分に前記中空部 成用の内圧調整用エアを導入するための貫 孔を設けるのが望ましい。
 続いて、本発明は、内部導体と、
 該内部導体を被覆する内環状部と、該内環 部から放射状に延びる複数のリブ部と、該 ブ部の外端を連結する外径0.5mm以下の外環 部と、からなる絶縁被覆体と、
 を備え、前記内環状部と前記外環状部と前 リブ部とで囲まれた複数の中空部を有する 軸ケーブル用中空コア体であって、
 絶縁部に占める前記中空部の面積割合が40% 上で、前記外環状部の真円度が96.0%以上で り、
 長手方向における水中キャパシタンスの変 率が3.1%以下であることを特徴とする同軸ケ ーブル用中空コア体を提供する。
 高中空率でありながら長手方向の電気特性 安定した同軸ケーブル用中空コア体とする とができる。
 この「水中キャパシタンスの変動率」とは 同軸ケーブル用中空コア体5mにおける水中 ャパシタンスの最大値と最小値の差を平均 で割ったものをいう。
 そして、この同軸ケーブル用中空コア体の 数本又は複数本の外周に、少なくとも外部 体層を設けた同軸ケーブルを提供する。そ て、この同軸ケーブルについて、長手方向 おける特性インピーダンスの変動率が3.0%以 下とすることができる。
 この「特性インピーダンスの変動率」とは 同軸ケーブル長さ5mにおけるインピーダン の最大値と最小値の差を平均値で割ったも をいう。

 本発明によれば、高中空率でありながら 手方向の電気特性が安定した同軸ケーブル 中空コア体を製造し得ることができる。

 以下、本発明について説明する。なお、 付図面に示された各実施形態は、本発明に わる代表例を示したものであり、これによ 本発明の範囲が狭く解釈されることはない なお、以下に使用する図面では、説明の便 上、装置の構成等については簡素化して示 ている。まず、本発明の中空コア体につい 説明し、続いて製造方法について説明する

 図1は、本発明により得られうる中空コア 体の一例を示す断面図である。この図1中の 号10は、同軸ケーブル中空コア体(以下、単 「中空コア体」という場合がある。)を示し いる。この同軸ケーブル中空コア体10は、 部導体12と絶縁被覆体14とを備えている。

 内部導体12は、強度、導電性に優れる銅 は銅合金の細線、又は高導電性の金属をメ キした単線等を用いることができるが、撚 線であってもよい。

 絶縁被覆体14は、熱可塑性樹脂で形成さ 、内部導体12の外周を被覆する内環状部14aと 、この内環状部14aの外周から外方に向けて放 射状に延設された6本のリブ部14bと、各リブ 14bの外端間を連結する外環状部14cとを備え いる。

 この同軸ケーブル中空コア体10は、6本の ブ14bを周方向に沿って、略等角度間隔で配 することにより、内環状部14aとリブ部14bと 環状部14cで外周を囲まれて、かつ長手方向 連続した6の中空部16が、内部導体12を中心 して、周方向に略均等に配置され、リブ部14 bによって中空部16を小空間に区画している。

 絶縁被覆体14に用いる材料は限定されず 例えば、PFA等のフッ素樹脂、ポリオレフィ 、環状ポリオレフィン(APO)、シンジオタクチ ックポリスチレン(SPS)、ポリメチルペンテン( TPX)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を用い ることができる。そして、絶縁被覆体14はこ らの樹脂により一体成形することができる

 中空コア体10は、絶縁被覆体14を形成する 樹脂をダイス20から押出した後に加熱し、室 近傍で除冷することで、外環状部14cの外径 0.5mm以下であり、絶縁部に占める中空部16の 面積割合が40%以上で、かつ外環状部の真円度 が96.0%以上とすることができる。更に、中空 ア体10のキャパシタンスを水中にて連続的 測定した際の変動率(これを「水中キャパシ ンス変動率」という場合がある)は、3.1%以 であるのが好適である。この水中キャパシ ンス変動率は、中空コア体10の長手方向5mに ける最大値と最小値の差を平均値で割った 動率である。本発明によれば、長手方向に 定したキャパシタンスを有する中空コア体1 0とすることができる。

 本発明の中空絶縁構造は極細でありなが 40%以上の中空率が確保できるが、構造の真 性や機械的特性(側圧、曲げ特性及びケーブ ルの端末加工時)等を確保するためリブ数を5 以上とすることが望ましい。このリブ本数 ついては、中空率40%以上を確保するためと イス先端部の機械加工精度の点から10本を えないことが望ましい。

 中空部16の割合である中空率は、中空コ 体10の断面積において、絶縁部全体に占める 中空部16の割合であって、例えば、図1の中空 コア体10の場合であれば、6個の中空部16の断 積の総和が、絶縁部(絶縁被覆体14の全断面 +中空部16の全断面積)の40%以上となるように 設定している。

 また、真円度は、外環状部14cの外径の大 さで、最長径をa、最短径をb、平均外径をc( c=(a+b)/2)とした場合、下記数式(1)で示される であり、どれだけ中空コア体10が真円に近い かを現す指標となる。

 面積引き落とし倍率は、下記数式(2)で示 れる値であり、好ましい範囲としては300~400 0倍であることが望ましい。更に好ましくは 下限値は800倍以上であることが望ましく、 限値は2000倍以下であることが望ましい。か る面積引き落とし倍率とすることで、生産 定性を更に向上することができるため好適 ある。

 この中空コア体10は、絶縁被覆体14の外環 状部14cの外周に、外部導体層と、必要に応じ てその保護層とを設けることで同軸ケーブル として用いることができる。この場合、外部 導体層は金属メッキ等により形成することが できる。

 この場合、絶縁被覆体14の活性化処理と て、ウエットブラストによるエッチング、 ルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体) による親水化処理をした後、塩化第一錫の塩 酸酸性液でセンシタイジングし、更に塩化パ ラジウムの塩酸酸性液でアクチュベーション を行った後、無電解メッキを行うこと等がで きる。

 外部導体層としては、横巻き線シールド 金属層を両面又は片面に備えた金属プラス ックテープの横巻き又は縦添え、この金属 ラスチックテープを含む横巻き線シールド 横巻きシールドの中に錫を含浸させた導体 、中空コア体10の表面を処理して直接形成 せた金属メッキ層等を組み合わせることが きる。

 また、同軸ケーブルとして使用する際に 、1本の中空コア体10を用いる場合に限定さ ず、複数本の中空コア体10を用いてもよく いずれの場合にも対応することができる。

 そして、中空コア体10を用いた同軸ケー ルは、長手方向における特性インピーダン の変動率を3.0%以下とすることができる。こ 特性インピーダンス変動率は、同軸ケーブ 長さ5mにおける最大値と最小値の差を平均 で割ったものである。中空コア体10は高中空 率でありながら電気特性が安定しているため 、これから得られる同軸ケーブルは長手方向 に安定した特性インピーダンスとすることが できる。なお、同軸ケーブルの特性インピー ダンスは50ωでもよいし75ωでもよく、用途等 応じて適宜に選択することができる。

 上記構成の中空コア体10は以下の製造方 によって得ることができる。図2は、本発明 係る製造方法の説明に供する概念図である 符号Sは、本発明に係る同軸ケーブル用中空 コア体の製造装置(以下、「製造装置」とい 場合がある。)を示している。この製造装置S は、押出し機にダイス20を備えており、この イス20にはターンシーブ40を介して、内部導 体12が導入される。ダイス20の後流側には、 熱筒(ドラフトゾーン)42と、除冷用の空冷部4 4と、水冷却槽45と、が設置されている。更に 、その下方には、水受用水槽47が設けられて る。空冷部44と水冷却槽45との間には、ダイ ス20から導出され、加熱筒42を通過すること より除冷された中空コア体の温度を測定す 非接触温度計48が設けられている。

 ダイス20、加熱筒42、空冷部44、水冷却槽4 5は、この順に配列されて、架台50に固定され ているレール52上を移動(図2の矢印参照)可能 あり、任意の位置に固定することができる うに支持されている。そして、水冷却槽45 冷却された中空コア体10は、水受用水槽47内 設けられたシーブ54で方向転換されて、後 のネルソンローラー56に導かれた後に、巻き 取り機(図示せず)に送られる。ネルソンロー ー56から導出された中空コア体10は、揺動式 外径測定器58により、その外径を測定するも である。

 ダイス20は、絶縁被覆体14を形成しうるも のであれば特に限定されないが、例えば図3~5 に示すダイスを用いることができる。図3は 本発明に係る製造方法に用いるダイス20の一 例を示す概念図である。図4は、図3のA部拡大 図である。図5は、図3の先端側からみたダイ 20の平面図である。

 ダイス20は、断面が概略凸状に形成され 円盤状のフランジ22と、先端凸部24とを備え いる。これらの図に示した先端凸部24には 軸芯にパイプ26を挿入嵌着することにより、 内部導体12の挿通用中心孔24aが設けられてい (図5参照)。

 中心孔24の外周には、内環状孔24bが隣接 置されると共に、内環状孔24bの外周から略 角度間隔で外方に向けて放射状に延びる6本 直線状孔24cが設けられている。更に、6本の 直線状孔24cの外端間には、これらを連結する 外環状孔24dが設けられている。

 このダイス20を用い、中心孔24a内に内部 体12を挿通させながら、内環状孔24bと直線状 孔24cと外環状孔24dから溶融樹脂を押出した後 、溶融樹脂を冷却固化させると、図1に示す 面形状の中空コア体10を得ることができる。 内部導体12を回転、非回転、あるいはSZ回転 せつつ、クロスヘッドダイ中に挿通して、 部導体12の外周に溶融樹脂を押出被覆するこ とで絶縁被覆体14を形成できる。

 この場合、内部導体12を被覆する内環状部14 aは、内環状孔24bから押出された樹脂で形成 れ、内環状部14aから放射状に延びる6本のリ 部14bは、直線状孔24cから押出され樹脂で形 され、リブ部14bの外端を連結する外環状部1 4cは、外環状部24dから押出された樹脂で形成 れる。本発明では、内環状部14aとリブ部14b 外環状部14cとで囲まれた複数の中空部16内 内圧調整用エアを導入しながら、ダイス20か ら溶融樹脂を押出しするのが好適である。
 内圧調整用エアは、内環状孔24bと直線状孔2 4cと外環状孔24dとで囲まれた部分にそれぞれ1 個ずつ配置されている。内部導体12を中心孔2 4e内に挿通して、これを所定速度で引き取る に、これに伴って外部のエアが、貫通孔24e 後端側(図3においては左端に相当する)から 前方に向かう空気流に伴って、中空部16内 導入されて、それぞれの中空部16の内圧を均 一化することができる。

 この内圧調整用エアは、内部導体12の引 取りに伴って自然発生する空気流で中空部16 内に導入してもよいが、より好適には、所定 圧力に加圧した内圧調整用エアを中空部16内 積極的に導入することが望ましい。

 加熱筒24(ドラフトゾーン)は、ダイス20か 引き出された絶縁被覆体14を形成する樹脂 加熱する。加熱温度は、樹脂の種類や中空 ア体の外径等に応じて適宜設定することが き、例えば(その樹脂融点+10℃)未満~(常温+50 )以上で加熱することができる。かかる温度 の加熱筒24に樹脂を通過させることで、細径 あっても優れた真円性を有する中空コア体1 0とすることができる。ダイス20から押出され た溶融樹脂の熱容量が小さくても、この加熱 筒42に通過させることで、溶融樹脂の急速な 却を防止できる。なお、樹脂融点の測定は ASTM D4591によって測定することができる。 して、加熱筒42の構造や加熱方法は限定され ないが、好適には、高周波加熱や遠赤外線加 熱によることが望ましい。

 空冷部44は、絶縁被覆体14を形成する樹脂 を、室温近傍で空冷により除冷する。加熱筒 42の後に空冷部44を設けることで、絶縁被覆 14を形成する樹脂が一気に冷却固化するのを 防止できる。空冷部44の温度は、室温近傍で ればよいが、より具体的には15℃~40℃であ ことが望ましく、更に好ましくは、25℃~35℃ とすることが望ましい。なお、空冷部44の長 (空冷ゾーン)を調節することで、溶融樹脂 目的の温度とすることができる。

 本発明にかかる同軸ケーブル用中空コア の製造方法において、絶縁被覆体14を形成 る樹脂を徐冷する手段は本実施形態に限定 れず、例えば、風冷や空冷等によって徐冷 てもよい。極細径の中空コア体10は熱容量が 小さいので、空冷や風冷によって、絶縁被覆 体14を形成する樹脂の温度を室温付近にまで げることが可能である。

 例えば、風冷によって除冷を行う場合に 、風冷部として、従来公知の風冷筒等を用 ることができる。風冷筒にはブロアー付き 風発生器等を設け、所定温度の熱風を積極 に発生させてもよい。風冷部を用いる場合 、空冷部44同様に、風冷部内の雰囲気温度 室温近傍とすることが望ましい。更には、 冷部と風冷部とを併用してもよい。

 水冷却槽45は、空冷部44を通過した溶融樹 脂を水冷する。これにより、絶縁被覆体14を 成する樹脂を完全に固化させることができ 。水冷却槽45は、本発明において必ずしも 須ではないが、空冷部44(や風冷部)に加えて えることが望ましい。極細径な中空コア体1 0であれば、前述の空冷や風冷によって絶縁 覆体14を形成する樹脂の温度を室温付近にま で下げることができるが、水冷を行うことに よって製造速度が高速であっても真円性が高 い中空コア体10を得ることができる。特に、 き出し速度が30m/分以上であっても、真円性 の高い中空コア体10を好適に得ることができ 。

 また、得られた中空コア体10の最大外径 最小外径を測定し、最大外径と最小外径の が最小となるように、加熱筒42や空冷部44等 夫々の条件を制御することが望ましい。

 この最大外径と最小外径の測定は、揺動 外径測定器58によって測定できる。揺動式 径測定器58は、連続あるいは間欠的に中空コ ア体10の外径測定が可能であり、測定器自身 180°往復揺動回転させつつ測定し、オンラ ン上で中空コア体10の全周方向で外径の測定 が可能である。なお、本発明では測定器の種 類は限定されず、適宜好適な測定器、測定方 法によって測定することができる。

 加熱筒42については、その加熱温度と加 時間の少なくともいずれか一つを制御する とができる。加熱筒42内の雰囲気温度や筒の 長さ(ゾーン長)等を調節することで可能とな 。更には、加熱筒42の加熱のタイミングを 御することもできる。例えば、製造装置Sで れば、レール52上を適宜に移動させること できるので、これによってダイス20から引き 出された溶融樹脂をどのタイミングで加熱す るかを制御することができる。温度が低かっ たり加熱筒が短すぎると、中空部外環が膨ら み花びら状になりやすく、温度が高すぎたり 加熱筒が長すぎると、中空部外環が凹みリブ 部を頂点とした多角形状に潰れてしまいやす い。これらの条件は、内部導線12の引き出し 度や、非接触温度計48によって測定された 度や、中空エア体10の大きさや形状等を考慮 して決定することができる。

 空冷部44については、その雰囲気温度や 冷部の長さ(ゾーン長)等を調節することで、 空冷条件(空冷温度や空冷時間)を制御するこ ができる。更に、空冷部44の空冷のタイミ グを制御することが望ましく、例えば、製 装置Sであれば、レール52上を適宜に移動さ ることで制御することができる。

 また、加熱筒42や空冷部44等について、製 造開始時は、揺動式外径測定器58の測定結果 基づいて最適な配置位置(配置間隔)を検出 べく、架台50上を移動させ、最適な配置位置 が決まった後は夫々の最適な配置位置(配置 隔)に固定させることもできる。

 本発明によれば、中空コア体10を一体成 することができる。例えば、従来では、分 された多孔ダイスを用いて絶縁被覆を行う 法や、リブ構造で1回目の被覆を行い、環状 2段被覆する方法等が行なわれている。しか し、前者の方法では、分割された各部を接着 するために、分割孔を相互に隣接する必要が あり、このためドラフト率を大きくとれず、 分割部で割れる可能性もあり、形状安定性に 問題が生じていた。後者の方法では、環状被 覆とリブ構造部(十字部)を接着するため、環 被覆自体に引き締める力が必要となり、環 被覆の厚みが薄いと多角形状に崩れてしま 。そのため真円性を確保するためには厚み 厚くする必要があるので、中空率が低下し しまっていた。これに対して、本発明では 細径でありながら、高中空率であり真円性 優れた中空コア体10を一体で成形すること できる。

 本発明によれば、細径でありながら、高 空率で真円度に優れた中空コア体とするこ ができる。これにより、低誘電率であり、 つ長手方向の電気特性が均一な中空コア体 することができる。

 以下、実施例をあげて本発明を詳細に説 するが、本発明は、以下の実施例に限定さ るものではない。

 <実施例1>(加熱筒で好適な形状を得られ る例)
 図2に示す製造装置を用いて、中空コア体10 製造を行った。
 内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線(外 径0.025mmの錫メッキ錫合金線を7本で撚ったも 、以下同様)を、350℃のクロスヘッドダイス に導き、図5に示す口部形状のダイス20中を、 35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂(「AP201SH」ダ イキン工業社製、誘電率2.1、樹脂融点約310℃ )を被覆した。ダイス20の直下に、長さ300mm、 囲気温度250℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と 、長さ500mm、室温(平均温度30℃)の空冷部44(空 冷ゾーン)を設けた。面積引き落とし倍率は19 36倍とし、外径0.19mmの中空コア体を得た。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体10をカットして寸法を 定したところ、外環状部の厚みが0.011mm、リ 部の厚みが0.012mm、内環状部の厚みが0.014mm あった。これらの測定結果から求めた中空 16の中空率は48%で、真円度98.3%と、真円に近 コアを得ることができた。
 [キャパシタンスの評価]
 この中空コア体のキャパシタンスを水中オ ラインで連続的に測定した。ケーブルキャ シタンスモニター(検出部CP-05-10と中継器CPM- 011と表示部CPM-401)と校正キャパシターとリタ ンロス演算ソフトCPM-PC(いずれもタキカワエ ンジニアリング製:電極長100mm、アベレージン グ100回)」を用いて測定したところ、79.4±0.8pF /m(5m間)であった。この水中キャパシタンスの 変動率は、1.6í79.4×100=2.02(%)となった。
 [同軸ケーブルの評価]
 中空コア体10に0.03mm×15本の横巻きシールド 施し、更に厚さ0.05mmのジャケット被覆を行 、φ0.35mmの同軸ケーブルを得た。この同軸 ーブルをTDR(Time Domain Refrectometry)測定装置( ジレントテクノロジー製:86100C-TDRモード)を いてインピーダンス測定を行ったところ、50 .2±0.5ω(試験体長さ5m)と長手方向に安定した ンピーダンス特性であった。この特性イン ーダンスの変動率は、1í50.2×100=1.99%)となっ 。なお、以下の実施例、比較例について、 に断りがない限り実施例1と同様の条件で評 価を行った。

 <比較例1>(加熱筒なし、空冷のみで好適 な形状が得られない例)
 内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線を 350℃のクロスヘッドダイスに導き、ダイス2 0中を35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆 た。
 ダイス20の直下に、加熱筒42は設けずに、長 さ800mm、温度30℃の空冷ゾーンを設けた。
 [形状の評価]
 外径0.40mmの中空コア体を得、面積引き落と 倍率は437倍であった。
 得られた中空コア体をカットして寸法を測 したところ、内環状部と内部導体の間に大 な空隙ができていた。そして、外環状部の 円性も劣る結果となった。内部導体と内環 部が密着すると0.19mmとなる設計であったが 密着する前に絶縁被覆樹脂が固化したため 思われる。

 <実施例2>(加熱筒で好適な形状が得られ る例)
 図2に示す製造装置を用いて、中空コア体10 製造を行った。
 内部導体として、7/0.025mm錫メッキ錫合金線( 外径0.025mmの錫メッキ錫合金線を7本で撚った の、以下同様)を、350℃のクロスヘッドダイ スに導き、図5に示す口部形状のダイス20中を 、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂(「AP201SH」 ダイキン工業社製、誘電率2.1、樹脂融点約310 ℃)を被覆した。
 ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度150 ℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と、長さ500mm、 室温(平均温度30℃)の空冷部44(空冷ゾーン)を けた。
 面積引き落とし倍率は1936倍とし、外径0.18mm の中空コア体を得た。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体10をカットして寸法を 定したところ、外環状部の厚みが0.011mm、リ 部の厚みが0.012mm、内環状部の厚みが0.014mm あった。
 これらの測定結果ら求めた中空部16の中空 は48%、真円度98.3%であった。
 [キャパシタンスの評価]
 この中空コア体のキャパシタンス水中オン インで連続的に測定した。実施例1と同様の 方法で測定したところ、82.0±0.3pF/m(5m間)であ た。この水中キャパシタンスの変動率は、0 .6í82.0×100=0.7(%)であった。
 [同軸ケーブルの評価]
中空コア体10に0.03mm×15本の横巻きシールドを 施し、更に厚さ0.05mmのジャケット被覆を行い 、φ0.35mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケ ブルを、TDR測定装置を用いてインピーダン 測定を行ったところ、50.2±0.2ω(5m試験体間) 長手方向に安定したインピーダンス特性で った。このインピーダンスの変動率は、0.4 50.2×100=0.8(%)であった。

 <比較例2>(加熱筒の温度が高すぎる例)
 内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線を 350℃のクロスヘッドダイスに導き、ダイス2 0中を35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆 た。
 ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度320 ℃の加熱筒42と、長さ500mm、30℃の空冷ゾーン を設けた。
 面積引き落とし倍率は1936倍とし、外径0.19mm の中空コア体を得た。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体をカットして寸法を測 したところ、外環状部の厚みが0.012mm、リブ 部の厚みが0.012mm、内環状部の厚みが0.015mmで った。これらの値から求めた中空部16の中 率は44%で、真円度は94%であった。しかし、 空コア体の断面形状は、リブ部を頂点とし 略6角形状となってしまった。

 <比較例3>(加熱筒の温度が低く、加熱時 間が長い例)
 内部導体として7/0.025mm錫メッキ錫合金線を 350℃のクロスヘッドダイスに導きダイス20 を35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆し 。
 ダイス20の直下に、長さ800mm、温度100℃の加 熱筒を設けた。
 面積引き落とし倍率は777倍とし、外径0.30mm 中空コア体を得た。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体をカットして寸法を測 したところ、外環状部の厚みが0.015mm、リブ 部の厚みが0.015mm、内環状部の厚みが0.017mmで った。これらの値から求めた中空部16の中 率は44%で、真円度は90%で略楕円であった。 た、中空コア体の断面形状は、内環状部と 部導体の間に大きな空間ができていた。

 <実施例3>(7/0.03mmの内部導線を用いた例)
 内部導体として7/0.03mm錫メッキ錫合金線を 350℃のクロスヘッドダイに導き、ダイス20中 を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆 た。
 ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度250 ℃の加熱筒42と、長さ500mm、室温(平均温度30 )の空冷部44を設けた。
 面積引き落とし倍率は1213倍とし、外径0.24mm の中空コア体を得た。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体10をカットして寸法を 定したところ、外環状部の厚みが0.016mm、リ 部の厚みが0.016mm、内環状部の厚みが0.018mm あった。
 これらの測定結果から求めた中空部16の中 率は46%で、真円度98.3%と、真円に近い中空コ ア体10を得ることができた。
 [キャパシタンスの評価]
 この中空コア体のキャパシタンスを水中オ ラインで連続的に測定した。実施例1と同等 の方法で測定したところ、80.3±0.3pF/m(5m間)で った。この水中キャパシタンスの変動率は 0.6í80.3×100=0.7(%)となった。
 [同軸ケーブルの作製]
 この中空コア体10を用いて同軸ケーブルを 成した。得られた絶縁被覆導体に対して、 エットブラストによるエッチング処理と、 ルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体) による親水化処理と、塩化第一錫の塩酸酸性 液によるアクチュベーティングと、無電解銅 メッキと、電解銅メッキとを施し、厚さ5μm 外部導体層を形成した。更に、保護被覆層 して0.05mmの厚さでPFA被覆を施し、外径0.34mm 極細同軸ケーブルを得ることができた。こ 同軸ケーブルを実施例1と同様の方法に基づ て、インピーダンス測定を行ったところ、5 0.9±0.2ω(5m試験体間)と長手方向に安定したイ ピーダンス特性であった。この特性インピ ダンスの変動率は、0.4í50.9×100=0.8(%)となっ 。

 <比較例4>(実施例3において加熱筒(ドラ トゾーン)をなくした例)
 内部導体として7/0.03mm錫メッキ錫合金線を 350℃のクロスヘッドダイに導き、ダイス20中 を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆 た。
 ダイス20の直下に、加熱筒は設けずに、長 800mm、温度30℃の空冷ゾーンを設けた。外径0 .41mmの中空コア体を得、面積引き落とし倍率 、415倍であった。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体をカットして寸法を測 したところ、内部導体と内環状部の間に大 な空隙ができていた。

 <比較例5>(外径0.19mmであり、PTFE横巻き 縁層である例)
 内部導体である7/0.025mm錫メッキ錫合金に、 さ0.06mmのPTFE多孔質テープ(空孔率:50%)を横巻 きし、外径0.19mmの絶縁コアを得た。得られた コア体のキャパシタンスを測定したところ、 82.2±2.0pF/m(5m間)であった。このキャパシタン の変動値は、4.0/82.2×100=4.87%であった。
 [同軸ケーブルの評価]
 中空コア体に0.03mm×15本の横巻きシードを施 し、更に厚さ0.05mmのジャケット被覆を行いφ0 .36mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケーブ をTDR(Time Domain Refrectometry)測定装置にてイ ピーダンス測定を行なったところ、50.5ω±1.2 5ωであり、長手方向でインピーダンス特性が ばらついていた。この特性インピーダンス変 動率は、2.5í50.5×100=4.95%であった。

 <実施例4>(外径0.49mmの同軸ケーブルの例 )
 内部導体としてφ7/0.065mm錫メッキ銅線を、35 0℃のクロスヘッドダイスに導き、ダイス20中 を、30m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆 た。
 ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度210 ℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と、長さ500mm、 室温(平均温度30℃)の空冷部44(空冷ゾーン)を けた。面積引き落とし倍率は300倍とし、外 0.49mmの中空コア体を得た。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体10をカットして寸法を 定したところ、外環状部の厚みが0.033mm、リ 部の厚みが0.033mm、内環状部の厚みが0.029mm あった。これらの測定結果から求めた中空 16の中空率は46%で、真円度98.6%と、真円に近 コアを得ることができた。
 [キャパシタンスの評価]
 この中空コア体のキャパシタンスを水中オ ラインで測定したところ、82.0±0.7pF/m(5m間) あった。この水中キャパシタンスの変動率 、1.4í82.0×100=1.7(%)となった。
 [同軸ケーブルの評価]
 この中空コア体に0.05mm×15本の横巻きシード を施し、更に厚さ0.10mmのジャケット被覆を行 いφ0.79mmの同軸ケーブルを得た。この同軸ケ ブルをTDR測定装置を用いてインピーダンス 定を行なったところ、50.0ω±0.45ω(5m試験体 )と長手方向に安定したインピーダンス特性 あった。この特性インピーダンスの変動率 、0.9í50.0×100=1.8(%)となった。

 <比較例6>(外径0.49mmであり、発泡タイプ の同軸ケーブルの例)
 内部導体として7/0.065mm錫メッキ銅線を、350 のクロスヘッドダイスに導き、ガス発泡度5 9%のPFA樹脂の被覆を行い、0.49mmのコア体を得 。
 [キャパシタンスの評価]
 この中空コア体のキャパシタンスを水中オ ラインで測定したところ、82.0±1.4pF/m(5m間) あった。この水中キャパシタンスの変動率 、2.8í82.0×100=3.4(%)となった。
 [同軸ケーブルの評価]
 この中空コア体に0.05mm×15本の横巻きシード を施し、更に厚さ0.1mmのジャケット被覆を行 外径0.79mmの同軸ケーブルを得た。この同軸 ーブルをTDR測定装置を用いてインピーダン 測定を行なったところ、50.0ω±0.85ωとイン ーダンス特性がばらついていた。この特性 ンピーダンス変動率は、1.7í50.0×100=3.4%であ た。

 <実施例5>(外径0.49mmの同軸ケーブルの例 で冷却温度により形状を修正)
 内部導体として7/0.065mm錫メッキ銅線を、350 のクロスヘッドダイスに導き、ダイス20中 、40m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆し 。
 ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度170 ℃の加熱筒42(ドラフトゾーン)と、長さ500mm・ BR>A室温(平均温度30℃)の空冷部44(空冷ゾー )を設けた。面積引き落とし倍率は300倍とし 、最大径0.485mm、最小径0.475mmであり、真円率 97.9%と安定したコアを得た。

 <比較例7>
 冷却ゾーン温度を210℃にしたこと以外は実 例5と同一条件で中空コア体を得たところ、 最大径0.490mm、最小径0.470mmであり真円率は95.8 %となり、6角状の形状になっていた。

 <実施例6> 引き落とし倍率4000倍
 内部導体として7/0.018mm錫メッキ錫合金線を 350℃のクロスヘッドダイに導き、ダイス20 を、35m/minの速度で通過させ、PFA樹脂を被覆 た。
 ダイス20の直下に、長さ300mm、雰囲気温度250 ℃の加熱筒42と、長さ500mm、室温(平均温度30 )の空冷部44を設けた。
 面積引き落とし倍率は3723倍とし、外径0.137m mの中空コア体を得た。
 [形状の評価]
 得られた中空コア体10をカットして寸法を 定したところ、外環状部の厚みが0.01mm、リ 部の厚みが0.009mm、内環状部の厚みが0.009mmで あった。
 これらの測定結果から求めた中空部16の中 率は45%で、真円度98.3%と、真円に近い中空コ ア体10を得ることができた。
 [キャパシタンスの評価]
 この中空コア体のキャパシタンスを水中オ ラインで連続的に測定した。実施例1と同等 の方法で測定したところ、83.3±1.0pF/m(5m間)で った。
 この水中キャパシタンスの変動率は、2.0í83 .3×100=2.4(%)となった。
 [同軸ケーブルの作製]
 この中空コア体10を用いて同軸ケーブルを 成した。得られた絶縁被覆導体に対して、 エットブラストによるエッチング処理と、 ルオロエッチ(ナフタレン・ナトリウム錯体) による親水化処理と、塩化第一錫の塩酸酸性 液によるアクチュベーティングと、無電解銅 メッキと、電解銅メッキとを施し、厚さ5μm 外部導体層を形成した。更に、保護被覆層 して0.05mmの厚さでPFA被覆を施し、外径0.247mm 極細同軸ケーブルを得ることができた。こ 同軸ケーブルを実施例1と同様の方法に基づ いて、インピーダンス測定を行ったところ、 49.7±0.7ω(5m試験体間)と長手方向に安定したイ ンピーダンス特性であった。この特性インピ ーダンスの変動率は、1.4í49.7×100=2.8(%)となっ た。

 以上より、本発明に係る製造方法によれば 本発明に係る中空コア体の如き、高中空率 ありながら長手方向における電気特性が安 した中空コア体を製造できることが示され 。また、中空コア体としては、外環状部の 径が0.5mm以下であって、絶縁部に占める中 部の面積割合が40%以上、外環状部の真円度 96.0%以上とすることができた。更に、長手方 向における水中キャパシタンスの変動率が3.1 %以下という安定した電気特性も有すること 示された(実施例1~6参照)。そして、かかる中 空コア体から製造された同軸ケーブルは、長 手方向における特性インピーダンスの変動率 が3.0%以下と安定していることが示された(実 例1~6参照)。
 一方、比較例1~6では、本発明に係る中空コ 体の如き、高中空率でありながら長手方向 おける電気特性が安定した中空コア体を製 することはできなかった。

本発明に係る中空コア体の一実施形態 を示す断面図である。 本発明に係る製造方法の一例の説明に する概念図である。 本発明に係る製造方法に用いるダイス 一例を示す概念図である。 図3のA部拡大図である。 図3の先端側からみたダイスの平面図で ある。

符号の説明

10 同軸ケーブル用中空コア体
12 内部導体
14 絶縁被覆体
14a 内環状部
14b リブ部
14c 外環状部
16 中空部
20 ダイス
42 加熱部
44 風冷部
45 水冷却槽
S 製造装置