GOAN KAZUYOSHI (JP)
WO2005049491A1 | 2005-06-02 | |||
WO2006009881A2 | 2006-01-26 |
JP2004204094A | 2004-07-22 | |||
JPH06279015A | 1994-10-04 | |||
JP2008038163A | 2008-02-21 |
半導体ナノ粒子をアルゴンプラズマ処理する工程を有することを特徴とする半導体ナノ粒子の製造方法。 |
半導体ナノ粒子を形成する工程および該半導体ナノ粒子をアルゴンプラズマ処理する工程を有することを特徴とする半導体ナノ粒子の製造方法。 |
前記半導体ナノ粒子を形成する工程の後であり、前記アルゴンプラズマ処理する工程の前に、半導体ナノ粒子を大気雰囲気下500℃以上1000℃以下でアニール処理する工程を有することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の半導体ナノ粒子の製造方法。 |
前記半導体ナノ粒子を形成する工程が、液相法による工程であり、該液相法に用いられる溶媒を除去する工程を有することを特徴とする請求の範囲第2項または第3項に記載の半導体ナノ粒子の製造方法。 |
前記半導体ナノ粒子の平均粒径が2nm~50nmであることを特徴とする請求の範囲第1項~第4項のいずれか1項に記載の半導体ナノ粒子の製造方法。 |
前記半導体ナノ粒子が、SiまたはGeを含有することを特徴とする請求の範囲第1項~第5項のいずれか1項に記載の半導体ナノ粒子の製造方法。 |
前記半導体ナノ粒子に含有される炭素のモル比率が0.1以下であることを特徴とする請求の範囲第1項~第6項のいずれか1項に記載の半導体ナノ粒子の製造方法。 |
請求の範囲第1項~第7項のいずれか1項に記載の半導体ナノ粒子の製造方法により製造されたことを特徴とする半導体ナノ粒子。 |
本発明は、主に発光材料に用いられる半 体ナノ粒子およびその製造方法に関する。
近年、SiやGe等に代表される半導体超微粒 子、ポーラスシリコン等のII-VI族半導体にお てそのナノ構造結晶が特異的な光学的特性 示すことが注目されている。ここで、ナノ 造結晶とは、1~100nm程度のナノメートルオー ダーの粒径の結晶粒のことをいい、一般的に 、「ナノ粒子」、「ナノクリスタル」等の略 称で呼ばれている。
II-VI族半導体において、上述したような ノ構造結晶を有する場合と、バルク状の結 を有する場合とを比較すると、ナノ構造結 を有する場合には、良好な光吸収特性およ 発光特性を示すことになる。これは、ナノ 造結晶を有するII-VI族半導体では、量子サイ ズ効果が発現するため、バルク状の結晶構造 の場合よりも大きなバンドギャップを有する ためと考えられる。すなわち、ナノ構造結晶 を有するII-VI族半導体においては、量子サイ 効果の発現により、粒径の減少に伴って半 体ナノ粒子のエネルギーギャップが増大す のではないかと考えられている。
ところで、半導体ナノ粒子の製造方法は 固相法、液相法、気相法に大別され、粒径 布が狭い無機ナノ粒子の製造方法としては ビルドアッププロセスである液相法および 相法が有力である。中でも液相法は、構成 素が2種類以上の場合に化学的に組成を均一 にできることから優れた製造方法である。液 相法は、共沈法、逆ミセル法、ホットソープ 法に細分化される(例えば、特許文献1参照。) 。
上記の方法で製造した半導体ナノ粒子は 製造時に使用する有機物の吸着や欠陥が生 てしまうため、発光効率が低く、従来の素 の発光特性が得られない。また表面が汚染 れることにより、分散不良や、半導体ナノ 子を機能化するための表面修飾剤の吸着効 の低下が生じる。
このような表面汚染を除去するために、 ニール処理や酸素プラズマ処理が知られて る(例えば特許文献2~4参照)。
しかしながら、これらの方法では、表面汚
の除去はできるものの、ナノ材料表面に酸
膜層が形成されてしまい、発光材料として
いた場合、粒子の分散性が充分でなく、発
効率が不充分な場合があった。また、過度
処理を行うと、発光特性が全く失われてし
う場合があった。
本発明の目的は、主に発光材料として用 た場合に、分散性に優れ、発光効率が高い 導体ナノ粒子を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により 成される。
1.半導体ナノ粒子をアルゴンプラズマ処 する工程を有することを特徴とする半導体 ノ粒子の製造方法。
2.半導体ナノ粒子を形成する工程および 半導体ナノ粒子をアルゴンプラズマ処理す 工程を有することを特徴とする半導体ナノ 子の製造方法。
3.前記半導体ナノ粒子を形成する工程の であり、前記アルゴンプラズマ処理する工 の前に、半導体ナノ粒子を大気雰囲気下500 以上1000℃以下でアニール処理する工程を有 ることを特徴とする2に記載の半導体ナノ粒 子の製造方法。
4.前記半導体ナノ粒子を形成する工程が 液相法による工程であり、該液相法に用い れる溶媒を除去する工程を有することを特 とする2または3に記載の半導体ナノ粒子の製 造方法。
5.前記半導体ナノ粒子の平均粒径が2nm~50nm であることを特徴とする1~4のいずれか1項に 載の半導体ナノ粒子の製造方法。
6.前記半導体ナノ粒子が、SiまたはGeを含 することを特徴とする1~5のいずれか1項に記 載の半導体ナノ粒子の製造方法。
7.前記半導体ナノ粒子に含有される炭素 モル比率が0.1以下であることを特徴とする1~ 6のいずれか1項に記載の半導体ナノ粒子の製 方法。
8.1~7のいずれか1項に記載の半導体ナノ粒 の製造方法により製造されたことを特徴と る半導体ナノ粒子。
本発明の上記構成により、主に発光材料 して用いた場合に、分散性に優れ、発光効 が高い半導体ナノ粒子が提供できる。
本発明は、半導体ナノ粒子の製造方法で って、半導体ナノ粒子をアルゴンプラズマ 理する工程を有することを特徴とする。半 体ナノ粒子をアルゴンプラズマ処理するこ により、分散性に優れ、発光効率が高い半 体ナノ粒子が提供できる。
(半導体ナノ粒子の形成材料)
本発明において、半導体ナノ粒子とは、半
体を含む粒子であって、その粒径が100nm以
の粒子をいう。
本発明においては、その平均粒径が2nm~50n mである半導体ナノ粒子に対して特に有効で る。
本発明に係る半導体ナノ粒子は、半導体 性質を有する粒子であり、種々の半導体材 を用いて形成することができる。
本発明に係る半導体体ナノ粒子を形成す 工程に用いられる、半導体材料としては以 のようなものが挙げられる。
例えば、元素の周期表のIV族、II-VI族、お よびIII-V族の半導体化合物を用いることがで る。
II-VI族の半導体の中では、特に、MgS、MgSe MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS BaSe、BaTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、HgS、HgSe よびHgTeを挙げることができる。
III-V族の半導体の中では、GaAs、GaN、GaPGaSb 、InGaAs、InP、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSbお びAlSが好ましい。
VI族の半導体の中では、Ge、PbおよびSiは に適している。
本発明の半導体ナノ粒子を用いて発光体 して用いる際の形態としては、コア/シェル 構造を有する粒子であることが好ましい。こ の場合、半導体ナノ粒子は半導体粒子からな るコア粒子と該コア粒子を被覆するシェル層 とで構成されるコア/シエル構造を有する半 体ナノ粒子であって、該コア粒子とシェル の化学組成が相異するものであることが好 しい。
以下、コア粒子とシェル層について説明 る。
〈コア粒子〉
コア粒子に用いられる半導体材料としては
種々の半導体材料を用いることができる。
体例としては、例えば、MgS、MgSe、MgTe、CaS
CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaTe、ZnS、ZnSe
ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、GaAs、GaP、GaSb、InGaAs、InP
、InN、InSb、InAs、AlAs、AlP、AlSb、AlS、PbS、PbSe
Ge、Si、又はこれらの混合物等が挙げられる
。本発明において、特に好ましい半導体材料
は、Siである。
なお、必要があればGaなどのドープ材料 極微量含んでもよい。
上記コア粒子の平均粒径に関しては、1~10 nmであることが好ましい。
なお、「平均粒径」とは、レーザー散乱 により測定される累積50%体積粒径をいう。
〈シェル層〉
シェルに用いられる半導体材料としては、
々の半導体材料を用いることができる。具
例としては、例えば、SiO 2
、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、MgS
MgSe、GaS、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InAs、InN、InP、I
nSb、AlAs、AlN、AlP、AlSb、又はこれらの混合物
が挙げられる。
特に好ましい半導体材料は、SiO 2 、ZnSである。
なお、シェル層は、コア粒子が部分的に 出して弊害を生じない限り、コア粒子の全 面を完全に被覆するものでなくてもよい。
〈半導体ナノ粒子の形成方法〉
本発明に係る半導体ナノ粒子の形成につい
は、従来公知の種々の方法を用いることが
き、液相法、気相法などが挙げられる。
液相法の形成方法としては、沈殿法であ 、共沈法、ゾル-ゲル法、均一沈殿法、還元 法などがある。その他に、逆ミセル法、超臨 界水熱合成法、などもナノ粒子を作製する上 で優れた方法である(例えば、特開2002-322468号 、特開2005-239775号、特開平10-310770号、特開2000 -104058号公報等を参照。)。
気相法の形成方法としては、(1)対向する 料半導体を電極間で発生させた第一の高温 ラズマによって蒸発させ、減圧雰囲気中に いて無電極放電で発生させた第二の高温プ ズマ中に通過させる方法(例えば特開平6-2790 15号公報参照。)、(2)電気化学的エッチングに よって、原料半導体からなる陽極からナノ粒 子を分離・除去する方法(例えば特表2003-515459 号公報参照。)、レーザーアブレーション法( えば特開2004-356163号参照。)などが用いられ 。また、原料ガスを低圧状態で気相反応さ て、粒子を含む粉末を合成する方法も、好 しく用いられる。
本発明の半導体ナノ粒子の形成方法とし は、特に液相法による形成方法が好ましく この際、液相法に用いられる溶媒を除去す 工程を有することが好ましい。
(アルゴンプラズマ処理)
本発明の製造方法では、得られた半導体ナ
粒子をさらにアルゴンプラズマ処理するこ
を特徴とする。
本発明に係るアルゴンプラズマ処理とは 半導体ナノ粒子にアルゴンプラズマを照射 ることであり、半導体ナノ粒子をプラズマ 生装置などに導入し、直接、アルゴンプラ マを照射することで行うことができる。
アルゴンプラズマ処理時間およびプラズ を発生させる出力は、表面残有機物の種類 プラズマ処理する半導体ナノ粒子の種類・ きさなどに応じて適宜決定することができ 。
アルゴンプラズマ処理の条件としては、 ルゴンガスを用い、プラズマ出力が1W~400W、 処理時間が1分~2時間である条件が特に好まし い条件である。
アルゴンプラズマ処理に用いるプラズマ 置は、特に限定されず、例えばサンユー電 株式会社製のSC-701や、サウスベイテクノロ ー社製(South Bay Technology,Inc)のPE-2000などを いることができる。
(アニール処理)
本発明においては、半導体ナノ粒子を製造
る工程と、半導体ナノ粒子をアルゴンプラ
マ処理する工程の間に、加熱する工程であ
アニール処理を行うことが好ましい。
特に、半導体ナノ粒子を製造する工程の であり、半導体ナノ粒子をアルゴンプラズ 処理する工程の前に、500℃~1000℃で加熱す アニール処理を行うことが好ましい。
本発明の半導体ナノ粒子の製造方法によ 作製された粒子は、その表面に存在する炭 のモル比率が0.1以下であることが好ましい 表面に存在する元素の測定は、オージェ電 分光法により測定した値であり、半導体の 素を1としたとき(モル比率で)の炭素のモル 率である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説
するが、本発明はこれに限定されるもので
ない。
実施例1
(Siナノ粒子の調製)
ジオクチルエーテル50mlにオレイン酸1mlとオ
レイルアミン1mlを添加し、よく攪拌した後、
脱気しながら100℃まで加熱する。3時間攪拌
、反応容器をアルゴンで満たしながら200℃
で加熱する。1時間攪拌後、SiCl 4
を1ml滴下して30分攪拌する。100℃まで冷却し
5時間攪拌後、さらに室温まで冷却する。こ
の溶液中に平均粒径3nmのシリコンナノ粒子が
含まれる。
得られた溶液を真空乾燥すると、ゲル状 有機物とナノ粒子の混合物が得られる。こ をメタノールで数回洗浄すると、茶褐色の 体が得られた。これを以下の方法で表面処 を行った。
ここで、アニール処理は電気炉による加 により行い、プラズマ処理は、下記試料に 応するガス(アルゴンまたは酸素)を満たし 真空チャンバー内で、RF電源を用いて誘導コ イルに電流を流して発生したプラズマを試料 に照射した。
試料1:処理なし
試料2:大気雰囲気、500℃で2時間アニール処
試料3:大気雰囲気、700℃で2時間アニール処
試料4:大気雰囲気、900℃で2時間アニール処
試料5:アルゴン雰囲気、500℃で2時間アニー
処理
試料6:アルゴン雰囲気、700℃で2時間アニー
処理
試料7:アルゴン雰囲気、900℃で2時間アニー
処理
試料8:酸素プラズマ処理10分
試料9:酸素プラズマ処理30分
試料10:酸素プラズマ処理60分
試料11:アルゴンプラズマ処理10分
試料12:アルゴンプラズマ処理30分
試料13:アルゴンプラズマ処理60分
試料14:大気雰囲気、700℃で2時間アニール処
理後、アルゴンプラズマ処理30分
試料15:大気雰囲気、700℃で2時間アニール処
理後、アルゴンプラズマ処理60分
試料16:大気雰囲気、500℃で2時間アニール処
理後、アルゴンプラズマ処理30分
試料17:大気雰囲気、900℃で2時間アニール処
理後、アルゴンプラズマ処理60分
(表面モル比率)
得られた粉体について、オージェ電子分光
により表面モル比率を求めた。Siを1とした
きの他の元素のモル比率を表1に示す。
(分散性(表面修飾剤の吸着効率))
得られたSi粉体をジオクチルエーテル中に
加して、超音波分散後、100℃に加熱する。Si
粉体に対して、ドデセンを20倍モル添加して3
0分攪拌後、室温に戻す。この溶液を0.22μmの
ンブランフィルターで濾過して、回収した
形分を乾燥させた後、この質量を測定して
ドデセンが吸着して溶液中に分散したSiナ
粒子の比率を算出した。
(吸着効率(%))=(添加した粉体量-濾過後の固
分量)×100/(添加した粉体量)
結果を表1に示す。この吸着効率を分散性の
指標とした。この値が大きいほど、表面修飾
剤の吸着効率が高く、分散性が良好である。
(蛍光量子収率)
上記で得られたSiナノ粒子の分散液につい
、波長350nmの励起光を照射して発生する蛍光
スペクトルを測定した。量子収率は、試料の
吸収スペクトルから得られるモル吸光係数、
蛍光スペクトルの波数積分値、溶媒の屈折率
を、量子収率既知の標準物質(ローダミンB、
ントラセン等)と比較することにより求めた
。
試料の量子収率をφ x
、標準物質の量子収率をφ r
とすると、φ x
は以下の式で求めることができる。
φ x
=F x
n x 2
/F r
n r 2
・ε r
c r
d r
/ε x
c x
d x
・φ r
・・・(A)
ここで、F x
は試料の波数積分値、n x
は標準物質の溶媒の屈折率、ε x
c x
d x
は試料の吸光度、F r
は標準物質の波数積分値、n r
は標準物質の溶媒の屈折率、ε r
c r
d r
は標準物質の吸光度である。上記の評価結果
を表1に示す。
表1から本発明の製造方法により得られた 半導体ナノ粒子は、分散性に優れ、蛍光量子 収率が高く発光効率が高いことが分かる。
実施例2
前記実施例のSiナノ粒子の調製において、Si
Cl 4
の添加を250℃で行う以外は同様にして、平均
粒径2nmのシリコンナノ粒子を得た。この粒子
について、上記試料15と同様の処理を行い、
様の評価を行った。
モル比率は、Cが0.01、Oが0.02であり、分散性
、97%であり、蛍光量子収率は、81%であった
実施例3
前記実施例のSiナノ粒子の調製において、Si
Cl 4
の代わりにGeCl 4
を添加する以外は同様にして、平均粒径4nmの
ゲルマニウムナノ粒子を得た。この粒子につ
いて、上記試料15と同様の処理を行い、同様
評価を行った。
モル比率は、Cが0.01、Oが0.02であり、分散性
、97%であり、蛍光量子収率は、81%であった
実施例2および3の結果から、本発明の製 方法により得られた半導体ナノ粒子は、分 性に優れ、蛍光量子収率が高く発光効率が いことが分かる。