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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF BACKED FOOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/093611
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: a method for producing a backed food having a high protein content, which can be achieved in a conventional production facility; and a backed food produced by the method. Specifically disclosed are: a method for producing a backed food, which is characterized by using a dough comprising a crosslinked wheat starch and a protein powder; and a backed food produced by the method.

Inventors:
MINATO AKIYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051079
Publication Date:
August 07, 2008
Filing Date:
January 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI BREWERIES LTD (JP)
MINATO AKIYOSHI (JP)
International Classes:
A21D2/26; A21D2/18; A21D13/08
Foreign References:
JP2006325536A2006-12-07
JP2005102684A2005-04-21
JP2004290101A2004-10-21
JPH09271313A1997-10-21
JP2004057018A2004-02-26
JP2006109725A2006-04-27
Attorney, Agent or Firm:
TANAI, Sumio et al. (Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 架橋処理をした小麦澱粉とタンパク質粉末を配合した焼成食品生地を用いることを特徴とする焼成食品の製造方法。
 焼成後の架橋処理をした小麦澱粉含有量が固形分換算で2質量%以上となることを特徴とする、請求項1記載の焼成食品の製造方法。
 焼成後のタンパク質含有量が固形分換算で17~60質量%となるようにタンパク質粉末を配合した焼成食品生地を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の焼成食品の製造方法。
 請求項1~3の何れか一項に記載の焼成食品の製造方法により製造された焼成食品。
 前記焼成食品が、クッキー、ビスケット、又はクラッカーである、請求項4に記載の焼成食品。
Description:
焼成食品の製造方法

 本発明は、タンパク質粉末と小麦由来の 橋澱粉を配合した焼成食品生地を用いた焼 食品の製造方法、及び該製造方法により製 した焼成食品に関する。

 近年、消費者の健康志向の高まりに伴い、 タミンやミネラル等を1日の栄養所要量を基 準にバランスよく配合した食品や、食物繊維 等の特定の栄養素を強化している食品等の、 栄養的付加価値を高めた栄養強化食品が多く 開発されている。
 手軽に摂食することができるクッキーやビ ケット等の焼成食品においても、栄養強化 品への需要が高まっており、特に、三大栄 素の一つであるタンパク質を強化した、高 ンパク質含有栄養強化食品の開発が強く望 れている。

 しかしながら、タンパク質は吸水性が高 ため、焼成食品生地中のタンパク質含有量 増加させると、焼成食品生地の粘りが低下 て伸展性が低下し、成形性が悪くなる。ま 、タンパク質に吸収された水分は蒸発し難 ため、焼成時に火通りが悪く、製品表面の が焦げ、中心部が生焼け状態になり易い。

 タンパク質の吸水性に基づくこれらの問題 解決して、タンパク質含有量の高い焼成食 を製造すべく、種々の方法が開示されてい 。例えば、(1)小麦粉と油脂とタンパク質と 物繊維を含有する焼成食品であって、該油 で被覆されたタンパク質が、小麦粉生地中 分散してなる焼成食品及びその製造方法が 示されている(例えば、特許文献1参照。)。 方法により、タンパク質や食物繊維等の保 性の高い原料を多量に含有していても、焼 食品生地の成形性が良好で、焼成時の火通 がよく、良好な焼成食品が製造できる。

特開平8-289714号公報

 上記(1)の方法では、タンパク質の含有量 焼成食品全体の7質量%以上とすることがで 、従来よりもタンパク質含有量の多い焼成 品を製造することができる。しかしながら 小麦粉をベースとした焼成食品であり、タ パク質含有量としては不十分である。また タンパク質と油脂を予備混練する必要があ ため、既存の全ての製造方法に適用できる 法ではなく、また、予備混練の条件は、タ パク質と油脂の比率等により、適宜検討さ る必要があるという問題もある。

 一方、タンパク質高含有食品原料を用い ことにより、タンパク質含有量が十分であ 焼成食品を製造することができるが、タン ク質高含有食品原料を用いた焼成食品生地 、成形性と火通りに劣る上に、べたつきや 分の滲み出し等が生じる。このため、既存 製造設備において、該焼成食品生地を用い 、工業的に焼成食品を製造することは困難 ある。

 本発明は、既存の製造設備において製造 能な、タンパク質含有量の高い焼成食品の 造方法、及び該製造方法により製造された 成食品を提供することを目的とする。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 研究した結果、タンパク質高含有食品原料 用いた焼成食品生地に、小麦由来の架橋澱 を配合させることにより、焼成食品生地の 性及び乳化状態を向上させることができ、 存の製造設備において、製造上の問題を引 起こすことなく、タンパク質含有量が高く かつ良好な焼成食品を製造できることを見 し、本発明を完成させた。

 すなわち、本発明は、架橋処理をした小麦 粉とタンパク質粉末を配合した焼成食品生 を用いることを特徴とする焼成食品の製造 法を提供するものである。
 また、本発明は、焼成後の架橋処理をした 麦澱粉含有量が固形分換算で2質量%以上と ることを特徴とする前記焼成食品の製造方 を提供するものである。
 また、本発明は、焼成後のタンパク質含有 が固形分換算で17~60質量%となるようにタン ク質粉末を配合した焼成食品生地を用いる とを特徴とする前記いずれか記載の焼成食 の製造方法を提供するものである。
 また、本発明は、前記焼成食品がクッキー ビスケット、又はクラッカーであることを 徴とする、前記いずれか記載の焼成食品の 造方法を提供するものである。
 また、本発明は、前記いずれか記載の焼成 品の製造方法によって製造された焼成食品 提供するものである。
 また、本発明は、前記焼成食品がクッキー ビスケット、又はクラッカーであることを 徴とする焼成食品を提供するものである。

 本発明により、既存の製造設備を用いて 製造上の問題を引き起こすことなく、タン ク質含有量が高く、かつ良好な焼成食品を 造できる。焼成食品生地に、タンパク質と 橋処理をした小麦澱粉を含有させるだけで タンパク質含有量の高い焼成食品生地の物 及び乳化状態を向上させることができるた 、予備混練を必要とする上記(1)の方法等と なり、既存の全ての製造方法に適用するこ ができる。加えて、焼成食品生地の改善に 剰な油脂を要しないため、油脂や糖分等の 有量を適宜調整することにより、高タンパ 質かつ低カロリーの焼成食品を製造するこ も可能である。

 本発明における焼成食品とは、原料を焼 処理することによって得られる食品を意味 る。該焼成食品として、例えば、クッキー ビスケット、クラッカー、ラスク、ウェハ ス等がある。特に、クッキー、ビスケット 又はクラッカーが好ましい。

 本発明の焼成食品の製造方法は、架橋処 をした小麦澱粉とタンパク質粉末を配合し 焼成食品生地を用いることを特徴とする焼 食品の製造方法である。この方法により焼 後の焼成食品のタンパク質含有量を、栄養 助食品として好ましい固形分換算で17質量% 上としたような場合であっても、架橋処理 した小麦澱粉の含有量を適宜調整すること より、焼成食品生地の物性及び乳化状態を 既存の製造設備において製造可能な状態に 善することができる。尚、油脂や糖質類等 、タンパク質粉末と小麦澱粉以外の原料の 有量を確保し、風味や食感の優れた焼成食 を製造することができるため、タンパク質 有量は60質量%以下であることが好ましい。

 本発明において用いられるタンパク質と 、通常食品に用いられるタンパク質であれ 、特に限定されるものではなく、動物性タ パク質であってもよく、植物性タンパク質 あってもよい。動物性タンパク質として、 えば、カゼインやアルブミン等の乳タンパ 質や、卵白、コラーゲン、ゼラチン等があ 。植物性タンパク質として、例えば、小麦 ンパク質や大豆タンパク質等がある。1種類 のタンパク質を単独で用いてもよいし、複数 種類のタンパク質を混合して用いてもよい。 また、本発明において用いられるタンパク質 の形状は、特に限定されるものではないが、 タンパク質粉末であることが、取り扱いが簡 便であるため、工業製造上、好ましい。

 タンパク質含有量の高い焼成食品を製造 るために、タンパク質高含有食品原料を配 した焼成食品生地を用いることが好ましい 、該焼成食品生地中に可溶性タンパク質が く含有されていると、タンパク質の吸水性 過度に高くなり、好ましくない。したがっ 、本発明において用いられるタンパク質粉 は、吸水性遅延処理済みタンパク質粉末で ることが好ましい。該吸水性遅延処理とし 、例えば、酵素処理やカルシウム等ミネラ の添加による処理等がある。該吸水性遅延 理のなされた焼成食品用のタンパク質粉末 一般的に販売されており、大豆由来のプロ ーナ250、フジプロCLE(不二製油)、乳由来のBa rFlex、BARPRO(GlambiaNutritionals社)等がある。なお タンパク質粉末中のタンパク質含有量は特 限定されない。 

 本発明において用いられる小麦澱粉は、架 処理をした小麦澱粉であることが好ましい 通常食品に配合されている食物繊維として 架橋処理をした小麦澱粉以外には、例えば ポリデキストロース、セルロース、難消化 デキストリン、イヌリン、トウモロコシ種 等があるが、架橋処理をした小麦澱粉以外 該食物繊維のみを用いた場合には、タンパ 質含有量の高い焼成食品生地の物性及び乳 状態を改善させる効果は得られないためで る。ただし、これらのものについては、架 処理をした小麦澱粉と併用すること自体は 能である。
 該架橋処理の架橋剤として、例えば、オキ 塩化リン、メタリン酸塩、無水リン酸塩等 ある。架橋処理と共に、エステル化やエー ル化処理をした小麦澱粉を用いてもよい。

 本発明の焼成食品の製造方法は、焼成後 タンパク質含有量が固形分換算で17~60質量% あり、かつ、架橋処理をした小麦澱粉含有 が固形分換算で2質量%以上となるようにタ パク質粉末と架橋処理をした小麦澱粉を配 した焼成食品生地を用いることが好ましい 焼成後の架橋処理をした小麦澱粉含有量が 固形分換算で2~20質量%であることがより好ま しい。焼成後の焼成食品の架橋処理をした小 麦澱粉含有量が、固形分換算で2質量%未満で る場合には、焼成食品生地の物性や乳化状 を、既存の製造設備に用いることが可能な 度に十分に改善することができないため、 ましくない。一方、架橋処理をした小麦澱 含有量は、多くても特に問題はないが、製 コストの点から、20質量%以下であることが ましい。なお、焼成前後において、タンパ 質含有量と架橋処理をした小麦澱粉含有量 ほとんど変わらないと考えられる。

 本発明の焼成食品の製造方法においては 焼成食品の原料として、油脂、糖質類、小 粉、卵、食塩、膨張剤、香料、着色料等の 通常焼成食品に用いられるものを利用する とができる。該油脂として、例えば、ショ トニング、マーガリン、粉末油脂等がある 該糖質類として、例えば、蔗糖、ブドウ糖 砂糖等の糖類や、ソルビトールやキシリト ル等の糖アルコール類等がある。糖質類に えて、若しくは、糖質類と併用して、アス ルテームやステビア等の甘味料を用いても い。それぞれの原料の添加量は、焼成食品 品質に合わせて、適宜設定することができ 。

 また、焼成食品の嗜好性を高めるために、 原料として、食品への添加物として慣用さ ている各種の調味成分を添加することがで る。該調味成分として、例えば、クエン酸 リンゴ酸等の酸味剤、グルタミン酸ソーダ チキンパウダー等の調味料、乾燥野菜粉末 果汁、乾燥果実類、アーモンドやカシュー ッツ等のナッツ類、ミントやシナモン等の ーブ類、ココアパウダー、チョコレート、 カオマス、チーズ、胡麻等がある。
 その他、焼成食品の栄養強化のために、副 料として、ミネラル類や、ビタミン類、食 繊維等を添加することができる。該ミネラ 類として、例えば、乳酸カルシウム等のカ シウム成分やピロリン酸第2鉄等の鉄分等が ある。該ビタミン類として、例えば、ビタミ ンB1、ビタミンB2,ビタミンB12、ビタミンC、ニ コチン酸アミド等があり、β-カロチン等のプ ロビタミン類であってもよい。該食物繊維と して、例えば、ポリデキストロース、難消化 性デキストリン、セルロース、イヌリン、ト ウモロコシ種皮、おから粉末等がある。
 該副原料は、単独で用いてもよく、複数種 を組み合わせて用いてもよい。また、該副 料の添加量は、焼成食品の品質や、該副原 の1日の栄養所要量等に合わせて、適宜設定 することができる。

 本発明の焼成食品の製造方法は、架橋処 をした小麦澱粉とタンパク質粉末を配合し 焼成食品生地を用いる限り、特に限定され ものではない。例えば、タンパク質粉末、 麦澱粉、油脂等の全ての原料を一括混合し 後、必要に応じて水分を添加して混練する とにより焼成食品生地を調製し、該焼成食 生地を成形して焼成する方法や、油脂のみ 予め攪拌した後、タンパク質粉末等の他の 料や水分を順次添加して混合攪拌して混練 ることにより焼成食品生地を調製し、該焼 食品生地を成形して焼成する方法等がある 何れの方法を用いる場合であっても、作業 よく、タンパク質含有量の高い焼成食品を 造することができる。

 焼成食品生地の混練方法や、成形方法、 成方法等は、通常焼成食品の製造方法にお て用いられる方法であれば、特に限定され ものではない。例えば、成形方法には、デ ジット法、ロータリーモールド法、ルート レス法等があり、通常、デポジッター、ロ タリーモールド、ワイヤーカット等の成形 が用いられる。従来のタンパク質含有量の い焼成食品生地では、焼成生地が硬く流動 が低いため、焼成生地を押し出す際の成形 への負担が大きく、また、成形時に焼成食 生地が切断したりするという問題が生じて る。焼成食品生地の粘度を上げるため、油 を多く含有させると、焼成食品生地からの 分の滲み出しや、焼成生地の粘着性が高く り、成形機やコンベア等の製造設備に焼成 品生地が巻きついて付着するという問題が じている。本発明の焼成食品の製造方法に ける焼成食品生地は、粘りやべたつき等の 性や乳化状態が顕著に改善されているため 製造工程上の問題を生じることはなく、既 の製造設備を用いて、タンパク質含有量の い焼成食品の製造を行うことができる。ま 、焼成時の火抜けも良好であるため、焦げ ひび割れ等の問題も改善され、硬さの良好 食感のよい焼成食品を製造することができ 。

 また、本発明の焼成食品の製造方法によ 製造された焼成食品は、そのままの状態で してもよく、必要に応じて、焼成後に加工 施してもよい。例えば、焼成食品を、チョ レートやメープルシロップ等を用いてコー ィングしてもよく、2枚の焼成食品でクリー ム等を挟み込んだ形態にしてもよい。

 本発明の焼成食品の製造方法により、タン ク質を油脂で被覆等することなく、タンパ 質含有量の高い焼成食品生地の物性等を改 することが可能である。このため、油脂の 有量を抑え、タンパク質含有量を多くする とにより、ダイエット等に最適な、高タン ク質かつ低カロリーの焼成食品を製造する とも可能である。本発明に用いられる小麦 粉は、難消化性澱粉であるため、他の食物 維と同様に、整腸効果や食欲抑制効果等も 待できる。糖分をアスパルテーム等の低カ リーの糖類等を用いることにより、さらに カロリーコントロールに有用な優れた焼成 品を製造することができる。
 その他、油脂や糖質類の含有量を適宜選択 ることにより、三大栄養素である脂質、糖 、及びタンパク質を、それぞれバランスよ 高濃度に含有し、かつ、風味や食感も良好 、優れた栄養強化焼成食品を製造すること 可能である。

 本発明の焼成食品の製造方法により製造 れた焼成食品は、従来になく高濃度のタン ク質を含有する焼成食品とすることができ 。このため、該焼成食品を摂食することに り、良質のタンパク質を簡便に摂取するこ ができる。例えば、成人の場合、1日あたり 40~120gの本発明の焼成食品を摂食することに り、タンパク質の1日の栄養所要量の約1/3を 取することが可能となる。

 次に実施例を示して本発明をさらに詳細 説明するが、本発明は以下の実施例に限定 れるものではない。

(実施例1~4)
 表1に示す配合で、ショートニング、砂糖、 香料、乳化剤、他油溶性原料を一括してケー キミキサーに加えて5分間混練した後、卵、 量の水を混合して5分間混練した。さらに蛋 質粉末、小麦粉、食物繊維他粉類を加えて5 分間混練することにより、焼成食品生地を調 製した。表中の値は、水を除く焼成食品生地 の原料のそれぞれの配合量を、質量%で表示 たものである。なお、油脂はショートニン を、小麦粉はフラワー(日清製粉社製)を、タ ンパク質粉末はタンパク質含有量が89質量%で あるプロリーナ250(不二製油社製)を、架橋処 をした小麦澱粉はファイバージム70(MGP INGRE DIENTS社製)を、ポリデキストロースはライテ (ダニスコ社製)を、それぞれ用いた。また、 食塩、膨張剤、香料、ミネラル類、及び、ビ タミン類は、その他の原料として、これらの 合計が6質量%となるようにして用いた。

 該焼成食品生地を、デポジッターを用い 成形した後、オーブンで160℃20分間焼成す ことにより、焼成食品を得た。該焼成食品 地の物性等を、生地の硬さや、べたつき、 分の滲み出し、粘り、及び機械特性に注目 て評価した。ここで、該焼成食品生地の機 特性とは、成形から焼成までの工程を、製 上の問題を生ずることなく、機械を用いて うことができるという性質を意味する。さ に、得られた焼成食品の硬さも評価した。 評価の結果を表1に示した。

(比較例1~6)
 表2に示す配合にした以外は、全て実施例1~4 と同様にして、焼成食品生地を調製し、該焼 成食品生地を成形、焼成することにより、焼 成食品を得た。該焼成食品生地の物性等の評 価結果を表2に示した。なお、難消化性デキ トリンはトウモロコシ由来のファイバーゾ II(松谷化学工業社製)を、セルロースはセオ スFD101(旭化成社製)を、イヌリンはイヌリン (フジ日本精糖社製)を、トウモロコシ種皮由 は日食セルファー(日本食品化工社製)を、 れぞれ用いた。

 実施例1~4の配合に基づく焼成生地を用い 場合、すなわち、本発明の焼成食品の製造 法に係る焼成生地を用いた場合には、タン ク質粉末の配合量が、例えば水を除く焼成 品生地の原料全体の27若しくは36質量%とい 、従来に無くタンパク質含有量の高い焼成 地であっても、2質量%以上の小麦澱粉を含有 させることにより、焼成生地の物性が顕著に 改善され、既存の製造設備を用いて、作業効 率よく焼成食品の製造を行うことができるこ とが、評価の結果から明らかである。また、 焼成食品が焼成工程で焦げる等により硬くな りすぎると、食品としての嗜好性に劣ること になる一方、柔らかすぎると、ひび割れや破 損等が生じやすくなるため、好ましくないが 、本発明の焼成食品の製造方法を用いて製造 された焼成食品は、焼成後の硬さも良好であ った。なお、タンパク質粉末を、水を除く焼 成食品生地の原料全体の27質量%配合した場合 には、焼成後の焼成食品中のタンパク質含有 量は約24質量%であり、36質量%配合した場合に は、焼成後の焼成食品中のタンパク質含有量 は約32質量%であった。

 一方、比較例1又は2のように、小麦澱粉の 合量が、水を除く焼成食品生地の原料全体 2質量%未満である焼成生地の場合には、生地 のべたつき等が悪く、成形及び焼成の工程に おいて、焼成生地の切断や、機械への固着が 観察され、既存の製造設備を用いて焼成食品 を製造することは困難であった。得られた焼 成食品の硬さも悪く、焦げやひび割れ等が観 察された。
 また、本発明の小麦澱粉は難消化性の食物 維であるが、比較例2~6のように、小麦澱粉 代わりに、ポリデキストロース等の他の食 等に汎用されている食物繊維を用いた場合 は、タンパク質含有量の高い焼成生地の物 を改善する効果は観察されなかった。
特に、比較例3において、トウモロコシ由来 難消化性デキストリンを用いた場合にも、 成生地の物性改善効果は観察されなかった とから、該物性改善効果は、小麦由来の難 化性澱粉に特有の効果ではないかと推察さ る。

 本発明に係る焼成食品の製造方法は、既 の製造設備を用いて、タンパク質含有量が 分に高く、かつ良好な焼成食品を提供する とができるため、焼成食品の製造分野で利 が可能である。




 
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