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Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF DISTRIBUTED REFRACTIVE INDEX-TYPE OPTICAL ELEMENT HAVING ULTRAVIOLET RAY-ABSORBING ABILITY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123378
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a distributed refractive index-type optical element which can be optically designed readily, enables to provide a desired optical element in a simple manner, and has an ultraviolet ray-absorbing ability. Specifically disclosed is method for producing a distributed refractive index-type optical element having an ultraviolet ray-absorbing ability, which comprises the steps of: applying a paste comprising at least one compound selected from the group consisting of a lithium compound, a potassium compound, a rubidium compound, a cesium compound, a silver compound, a copper compound and a thallium compound, an organic resin and an organic solvent onto a glass substrate comprising an alkali metal component and an ultraviolet ray-absorbing component as glass constituent components; and heat-treating the resulting substrate at a temperature lower than the softening point of the glass substrate.

Inventors:
SUETSUGU TATSUYA (JP)
KIMURA KAZUHISA (JP)
YAMASHITA NAOTO (JP)
TANI KUNIHIKO (JP)
KAGA NAOKO (JP)
EINISHI TOSHIHIKO (JP)
KADONO KOHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055953
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ISUZU GLASS CO LTD (JP)
SUETSUGU TATSUYA (JP)
KIMURA KAZUHISA (JP)
YAMASHITA NAOTO (JP)
TANI KUNIHIKO (JP)
KAGA NAOKO (JP)
EINISHI TOSHIHIKO (JP)
KADONO KOHEI (JP)
International Classes:
C03C21/00; C03C3/064; C03C3/066; C03C3/068; C03C3/072; C03C3/074; C03C3/11; G02B1/00; G02B3/00
Domestic Patent References:
WO2005080284A12005-09-01
WO2005080283A12005-09-01
WO2007018208A12007-02-15
Foreign References:
JPH05132335A1993-05-28
JPH08337433A1996-12-24
JP2005206434A2005-08-04
JPH0418501A1992-01-22
JPH04275942A1992-10-01
JPH05105865A1993-04-27
JPH05201746A1993-08-10
JPH0624794A1994-02-01
JPH0748140A1995-02-21
JPH08337433A1996-12-24
US5242869A1993-09-07
Other References:
See also references of EP 2128104A4
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA, Eiji et al. (1-7-1 Doshomachi, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 45, JP)
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Claims:
 アルカリ金属成分と紫外線吸収成分とをガラス構成成分として含むガラス基材に、リチウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム化合物、銀化合物、銅化合物及びタリウム化合物からなる群から選択される少なくとも1種、有機樹脂並びに有機溶剤を含有するペーストを塗布し、前記ガラス基材の軟化温度より低い温度で熱処理することを特徴とする紫外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の製造方法。
 前記ガラス基材は、前記紫外線吸収成分として、セリウムイオン、チタンイオン、カルコゲン化カドミウム、カルコゲン化亜鉛、ハロゲン化銅及び銀からなる群から選択される少なくとも1種を0.01重量%以上含有する、請求項1に記載の製造方法。
 前記ガラス基材は、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス又は弗リン酸塩ガラスであって、前記アルカリ金属成分を酸化物換算で2重量%以上含有し、且つ、前記紫外線吸収成分として、セリウムイオン、チタンイオン、カルコゲン化カドミウム、カルコゲン化亜鉛、ハロゲン化銅及び銀からなる群から選択される少なくとも1種を0.05重量%以上含有する、請求項1に記載の製造方法。
 前記ガラス基材は、SiO 2 :20~85重量%、B 2 O 3 :2~75重量%、Al 2 O 3 :10重量%以下、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、Rb 2 O及びCs 2 Oからなる群から選択される少なくとも一種:2~30重量%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからなる群から選択される少なくとも一種:1~15重量%、PbO、Nb 2 O 5、 ZrO 2 、La 2 O 3 、Y 2 O 3 、Ta 2 O 3 及びGd 2 O 3 からなる群から選択される少なくとも一種:10重量%以下、Sb 2 O 3 及びAs 2 O 3 の少なくとも一種:5重量%以下、SnO 2 :5重量%以下、ハロゲン化銅(I):0.01~10重量%、並びに、銀:金属量として1重量%以下を含有する、請求項1に記載の製造方法。
 前記ガラス基材は、SiO 2 :20~85重量%、B 2 O 3 :2~75重量%、Al 2 O 3 :10重量%以下、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、Rb 2 O及びCs 2 Oからなる群から選択される少なくとも一種:2~30重量%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからなる群から選択される少なくとも一種:1~15重量%、PbO、Nb 2 O 5、 ZrO 2 、La 2 O 3 、Y 2 O 3 、Ta 2 O 3 及びGd 2 O 3 からなる群から選択される少なくとも一種:10重量%以下、Sb 2 O 3 及びAs 2 O 3 の少なくとも一種:5重量%以下、SnO 2 :5重量%以下、CuBr:0.005~7重量%及びCuI:0.005~7重量%であって合計量が0.01~10重量%、並びに、銀:金属量として1重量%以下を含有する、請求項1に記載の製造方法。
 請求項1~5のいずれかに記載の製造方法により得られる、紫外線吸収能を有する屈折率分布型光学素子。
 液晶保護用又は集光用である、請求項6に記載の屈折率分布型光学素子。
Description:
紫外線吸収能を有する屈折率分 型光学素子の製造方法

 本発明は、紫外線吸収能を有する屈折率 布型光学素子の製造方法に関する。

 携帯電話、パーソナルコンピューター、 レビ等の映像情報機器に組み込まれている 学部品には、液晶などに損傷を与え得る紫 線等を効率よく遮断する性能が求められる そのため、光学部品には、紫外線遮断ガラ や紫外線反射膜を付与した遮断素子からな 紫外線フィルターが組み込まれている。

 近年、これらの映像情報機器の市場が業 用から家庭用まで拡大してきており、更な 映像情報機器のコンパクト化・低コスト化 望まれている。コンパクト化を進めるため 方策としては、例えば、光学部品の多機能 がある。例えば、上記紫外線フィルターに ンズ等の光学特性を付与すれば、レンズと ても紫外線フィルターとしても機能する。

 レンズ等の光学部品に紫外線遮断機能を 与するためには、例えば、1)紫外線遮断材 レンズ等の光学部品を作製する方法、2)レン ズ等の光学部品に更に遮断機能(紫外線遮断 など)を付与する方法がある。

 1)については、例えば、特許文献1~7に紫 線遮断材が記載されており、これらの紫外 遮断材をレンズなどに加工することが考え れる。しかしながら、これらの紫外線遮断 を用いる場合には、色収差による光路差が じるため光学設計が困難である。また、紫 線遮断材を研磨・研削によって加工するた 、製造工程が複雑である。

 2)については、レンズなどの光学部品に蒸 法などにより紫外線遮断膜を与える方法、 は銅塩の溶融槽に光学部品を浸漬する方法 ど(例えば、特許文献8)により紫外線遮断層 与える方法がある。しかしながら、前者の 法では、ピンホール等により効率よく紫外 遮断できない場合がある。また、後者の方 では、微小レンズなどを作製する際に設備 コスト等の面で不利となり易い。

特開2005-206434号公報

特開平4-018501号公報

特開平4-275942号公報

特開平5-105865号公報

特開平5-201746号公報

特開平6-024794号公報

特開平7-048140号公報

特開平8-337433号公報

 本発明は、光学設計が容易であり、簡便 方法により目的の光学素子が得られる、紫 線吸収能を有する屈折率分布型光学素子の 造方法を提供することを目的とする。

 本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、リチ ム化合物、カリウム化合物、ルビジウム化 物、セシウム化合物、銀化合物、銅化合物 びタリウム化合物からなる群から選択され 少なくとも1種を含む特定のペーストを用い て、紫外線吸収成分を含むガラス基材中にLi + イオン、K + イオン、Rb + イオン、Cs + イオン、Ag + イオン、Cu + イオン、Tl + イオン等を拡散させることにより、ガラス基 材中に屈折率の異なる領域を形成する製造方 法によれば、上記目的を達成できることを見 出し、本発明を完成するに至った。

 即ち、本発明は、下記の屈折率分布型光学 子の製造方法に関する。
1. アルカリ金属成分と紫外線吸収成分とを ラス構成成分として含むガラス基材に、リ ウム化合物、カリウム化合物、ルビジウム 合物、セシウム化合物、銀化合物、銅化合 及びタリウム化合物からなる群から選択さ る少なくとも1種、有機樹脂並びに有機溶剤 含有するペーストを塗布し、前記ガラス基 の軟化温度より低い温度で熱処理すること 特徴とする紫外線吸収能を有する屈折率分 型光学素子の製造方法。
2. 前記ガラス基材は、前記紫外線吸収成分 して、セリウムイオン、チタンイオン、カ コゲン化カドミウム、カルコゲン化亜鉛、 ロゲン化銅及び銀からなる群から選択され 少なくとも1種を0.01重量%以上含有する、上 項1に記載の製造方法。
3. 前記ガラス基材は、ケイ酸塩ガラス、ホ ケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス又は弗リ 酸塩ガラスであって、前記アルカリ金属成 を酸化物換算で2重量%以上含有し、且つ、前 記紫外線吸収成分として、セリウムイオン、 チタンイオン、カルコゲン化カドミウム、カ ルコゲン化亜鉛、ハロゲン化銅及び銀からな る群から選択される少なくとも1種を0.05重量% 以上含有する、上記項1に記載の製造方法。
4. 前記ガラス基材は、SiO 2 :20~85重量%、B 2 O 3 :2~75重量%、Al 2 O 3 :10重量%以下、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、Rb 2 O及びCs 2 Oからなる群から選択される少なくとも一種:2 ~30重量%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからなる群 ら選択される少なくとも一種:1~15重量%、PbO Nb 2 O 5、 ZrO 2 、La 2 O 3 、Y 2 O 3 、Ta 2 O 3 及びGd 2 O 3 からなる群から選択される少なくとも一種:10 重量%以下、Sb 2 O 3 及びAs 2 O 3 の少なくとも一種:5重量%以下、SnO 2 :5重量%以下、ハロゲン化銅(I):0.01~10重量%、並 びに、銀:金属量として1重量%以下を含有する 、上記項1に記載の製造方法。
5. 前記ガラス基材は、SiO 2 :20~85重量%、B 2 O 3 :2~75重量%、Al 2 O 3 :10重量%以下、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、Rb 2 O及びCs 2 Oからなる群から選択される少なくとも一種:2 ~30重量%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからなる群 ら選択される少なくとも一種:1~15重量%、PbO Nb 2 O 5、 ZrO 2 、La 2 O 3 、Y 2 O 3 、Ta 2 O 3 及びGd 2 O 3 からなる群から選択される少なくとも一種:10 重量%以下、Sb 2 O 3 及びAs 2 O 3 の少なくとも一種:5重量%以下、SnO 2 :5重量%以下、CuBr:0.005~7重量%及びCuI:0.005~7重量 %であって合計量が0.01~10重量%、並びに、銀: 属量として1重量%以下を含有する、上記項1 記載の製造方法。
6. 上記項1~5のいずれかに記載の製造方法に り得られる、紫外線吸収能を有する屈折率 布型光学素子。
7. 液晶保護用又は集光用である、上記項6に 載の屈折率分布型光学素子。

 以下、本発明について詳細に説明する。な 、本発明における屈折率分布型光学素子は 少なくとも一部に屈折率が異なる(連続的に 屈折率が変化する場合も含む)領域を有し、 の屈折率の相違に基づいて所定の光学特性 発揮する素子を意味する。例えば、屈折率 布型レンズ、屈折率分布型レンズアレイ、 導波路、回折格子等が挙げられる。

 本発明の製造方法では、ガラス基材とし 、アルカリ金属成分及び紫外線吸収成分を ラス構成成分として含むガラス基材を用い 。

 該ガラス基材におけるアルカリ金属成分 しては、Li、Na、K、Rb、Cs等を例示でき、こ らの内で、Li、Na、K等が好ましく、特にNaが 好ましい。これらのアルカリ金属成分は、イ オンの状態で存在してもよく、酸化物として 存在してもよい。また、アルカリ金属成分は 、一種のみ存在しても良く、二種以上が同時 に存在しても良い。

 該ガラス基材におけるアルカリ金属成分 含有量は、酸化物換算で2重量%程度以上と ることが適当であり、5重量%程度以上とする ことが好ましく、10重量%程度以上とすること がより好ましい。アルカリ金属成分の上限に ついては特に限定的ではないが、酸化物換算 で40重量%程度とすることが適当であり、30重 %程度とすることが好ましく、20重量%程度と することがより好ましい。

 該ガラス基材における紫外線吸収成分と ては、セリウムイオン、チタンイオン、カ コゲン化カドミウム、カルコゲン化亜鉛、 ロゲン化銅、銀等を例示できる。これらの 分は、イオン又は微粒子の状態で存在する これらの成分のうち、カルコゲン化カドミ ム、カルコゲン化亜鉛、ハロゲン化銅、銀 好ましく、特にハロゲン化銅、銀が好まし 。これらは、ガラス基材中に一種のみ存在 てもよく、二種以上が同時に存在しても良 。

 該ガラス基材における紫外線吸収成分の 有量は、0.01重量%程度以上とすることが適 であり、0.05重量%程度以上とすることが好ま しい。なお、含有量については、イオンで存 在するものはイオン重量(イオン存在量)を基 とし、化合物で存在するもの(カルコゲン化 カドミウム等)はそれ自体の重量を基準とし 銀は金属量を基準とする。紫外線吸収成分 上限については特に限定的ではないが、10重 量%程度とすることが適当であり、5重量%程度 とすることが好ましい。

 本発明では、アルカリ金属成分及び紫外 吸収成分を含有するガラス基材であれば特 限定なく使用できる。例えば、ケイ酸塩ガ ス、ホウケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス 弗リン酸塩ガラス等の基材を用いることが きる。

 これらのガラスの具体的な組成について 、特に限定はなく、ケイ酸塩ガラス、ホウ イ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、弗リン酸 ガラス等として公知の組成のガラスであっ 、上記したアルカリ金属成分及び紫外線吸 成分を含有するものであればよい。

 このようなガラス組成の具体例としては、 えば、
1)SiO 2 :20~85重量%、B 2 O 3 :2~75重量%、Al 2 O 3 :10重量%以下、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、Rb 2 O及びCs 2 Oからなる群から選択される少なくとも一種:2 ~30重量%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからなる群 ら選択される少なくとも一種:1~15重量%、PbO Nb 2 O 5、 ZrO 2 、La 2 O 3 、Y 2 O 3 、Ta 2 O 3 及びGd 2 O 3 からなる群から選択される少なくとも一種:10 重量%以下、Sb 2 O 3 及びAs 2 O 3 の少なくとも一種:5重量%以下、SnO 2 :5重量%以下、ハロゲン化銅(I):0.01~10重量%、並 びに、銀:金属量として1重量%以下を含有する ホウケイ酸塩ガラス、
2)SiO 2 :20~85重量%、B 2 O 3 :2~75重量%、Al 2 O 3 :10重量%以下、Li 2 O、Na 2 O、K 2 O、Rb 2 O及びCs 2 Oからなる群から選択される少なくとも一種:2 ~30重量%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOからなる群 ら選択される少なくとも一種:1~15重量%、PbO Nb 2 O 5、 ZrO 2 、La 2 O 3 、Y 2 O 3 、Ta 2 O 3 及びGd 2 O 3 からなる群から選択される少なくとも一種:10 重量%以下、Sb 2 O 3 及びAs 2 O 3 の少なくとも一種:5重量%以下、SnO 2 :5重量%以下、CuBr:0.005~7重量%及びCuI:0.005~7重量 %であって合計量が0.01~10重量%、並びに、銀: 属量として1重量%以下を含有するホウケイ酸 塩ガラス、等が挙げられる。

 このようなガラス基材の形状は特に限定 れず、最終製品の用途に応じて適宜設定で る。例えば、レンズ、レンズアレイ、光導 路、回折格子等に適した形状が広く採用で 、具体的には、板状、円柱状、角柱状等が げられる。例えば、前記した組成のガラス を研磨することにより所望形状の基材とし ものを使用してもよいし、前記した組成の ラス溶融体を所望形状の基材となるように 型後、必要に応じて研磨したものを使用し もよい。

 本発明の製造方法では、このようなアル リ金属成分及び紫外線吸収成分をガラス構 成分として含むガラス基材を用いて、これ リチウム化合物、カリウム化合物、ルビジ ム化合物、セシウム化合物、銀化合物、銅 合物及びタリウム化合物から選ばれる少な とも1種を含有するペーストを塗布し、ガラ ス基材の軟化点より低い温度で熱処理を行う 。以下、これらの化合物をまとめて金属化合 物と称する場合がある。

 ペーストとしては、リチウム化合物、カ ウム化合物、ルビジウム化合物、セシウム 合物、銀化合物、銅化合物及びタリウム化 物から選ばれる少なくとも1種と有機樹脂を 有機溶媒に分散させてペースト状としたもの を用いる。このようなペーストとしては、ガ ラス基材に塗布し得る適度な粘度を有し、熱 処理によりリチウムイオン、カリウムイオン 、ルビジウムイオン、セシウムイオン、銀イ オン、銅イオン及びタリウムイオンから選ば れる少なくとも1種を拡散させることのでき 上記金属化合物を含有するペースト状物で れば特に限定されない。ペースト粘度は、 布方法、ペースト組成、基材への拡散条件 を考慮して適宜決定すればよい。

 このようなペーストをガラス基材に塗布し 熱処理を行うことによって、該ペーストに まれる金属化合物中の金属イオンが、ガラ 基材中のアルカリ成分と交換してLi + イオン、K + イオン、Rb + イオン、Cs + イオン、Ag + イオン、Cu + イオン、Tl + イオン等としてガラス基材中に拡散する。そ して、拡散部分にはガラス基材とは異なる屈 折率を有する部分が形成され、その屈折率は 拡散濃度の変化に応じて連続的に分布する。 特に、Ag + イオン、Tl + イオン等を拡散させる場合には、屈折率の調 整範囲が広いため所望の屈折率分布が得られ 易く好ましい。該ペーストに含まれる金属化 合物としては、熱処理によって各金属イオン をガラス基材に拡散可能なイオン結合性金属 化合物であれば特に限定されないが、特に無 機塩類を用いることが好ましい。各金属化合 物の具体例を次に示す。

 リチウム化合物としては、例えば、LiNO 3 、LiCl、LiBr、LiI、LiF、Li 2 SO 4 等が挙げられる。この中でも、特にLiNO 3 、Li 2 SO 4 等が好ましい。

 カリウム化合物としては、例えば、KNO 3 、KCl、KBr、KI、KF、K 2 SO 4 等が挙げられる。この中でも、特にKNO 3 、K 2 SO 4 等が好ましい。

 ルビジウム化合物としては、例えば、RbNO 3 、RbCl、RbBr、RbI、RbF、Rb 2 SO 4 等が挙げられる。この中でも、特にRbNO 3 、Rb 2 SO 4 等が好ましい。

 セシウム化合物としては、例えば、CsNO 3 、CsCl、CsBr、CsI、CsF、Cs 2 SO 4 等が挙げられる。この中でも、特にCsNO 3 、Cs 2 SO 4 等が好ましい。

 銀化合物としては、例えば、AgNO 3 、AgCl、AgBr、AgI、AgF、Ag 2 S、Ag 2 SO 4 、Ag 2 O等が挙げられる。この中でも、特にAgNO 3 が好ましい。

 銅化合物としては、例えば、CuSO 4 、CuCl、CuCl 2 、CuBr、CuBr 2 、Cu 2 O、CuO、Cu(NO 3 ) 2 、CuS、CuI、CuI 2 、Cu(NO 3 )・3H 2 O等が挙げられる。この中でも、CuSO 4 、Cu(NO 3 ) 2 等が好ましい。

 タリウム化合物としては、例えば、TlNO 3 、TlCl、TlBr、TlI、TlF、Tl 2 S、Tl 2 SO 4 、Tl 2 O等が挙げられる。この中でも、特にTlNO 3 が好ましい。

 これらの金属化合物は、1種単独で使用し てもよく、2種以上を混合してもよい。

 該ペーストに含まれる有機樹脂としては 熱処理温度において分解する樹脂を用いれ よく、水洗により容易に除去できるものが ましい。例えば、このような特性を有する セルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、 ルロースアセテート樹脂、セルロースニト ート樹脂、セルロースアセテートブチレー 樹脂、アクリル樹脂、石油樹脂等が挙げら る。これらの有機樹脂は、1種単独で使用し てもよく、2種以上を混合してもよい。

 該ペーストにおいて用いる有機溶剤は、 属化合物及び有機樹脂を容易に分散でき、 燥時に容易に揮発するものであることが好 しく、具体的には、室温(20℃)では液体であ って、50~200℃程度で揮発する溶剤であること が好ましい。このような溶剤の具体例として は、メタノール、エタノール等のアルコール 類;ジメチルエーテル;アセトン等のケトン類 どを挙げることができる。

 該ペーストにおける各成分の含有量につ ては、特に限定的ではないが、金属化合物1 00重量部に対して、有機溶剤10~35重量部、好 しくは12~30重量部、樹脂成分25~55重量部、好 しくは30~45重量部程度である。

 該ペーストには、必要に応じて、添加剤を えても良い。例えば、ペーストの融点を低 させる添加剤としては、Na 2 SO 4 、NaNO 3 、NaCl、NaBr、NaI等が挙げられる。この中でも 特にNa 2 SO 4 、NaNO 3 の少なくとも1種が好ましい。これらの添加 の配合量については、特に限定的ではない 、金属化合物100重量部に対して、200重量部 下、好ましくは180重量以下部程度である。

 添加剤も含めた具体的な配合態様について 、最終製品の特性に応じて適宜設定できる 、例えば、カリウム化合物、ルビジウム化 物又はセシウム化合物100重量部に対して、 機溶剤2~25重量部、好ましくは5~20重量部、 脂成分15~45重量部、好ましくは20~40重量部、 加剤3重量部以下である。特に、カリウム化 合物としてKNO 3 、ルビジウム化合物としてRbNO 3 、セシウム化合物としてCsNO 3 を用いる場合には、この配合態様が好ましい 。また、銀化合物又はタリウム化合物100重量 部に対して、有機溶剤15~45重量部、好ましく 20~40重量部、樹脂成分50~170重量部、好まし は70~150重量部、添加剤180重量部以下、好ま くは160重量部以下である。特に、銀化合物 してAgNO 3 、タリウム化合物としてTlNO 3 を用いる場合には、この配合態様が好ましい 。

 本発明の製造方法では、該ペーストをガ ス基材に塗布する。ペーストの塗布形状は に限定されず、各光学素子の特性に合わせ 適宜設定できる。例えば、屈折率分布型レ ズを作製する場合には、基材の所望部位に ンズとして使用可能な形状にペーストを塗 すればよい。具体的には、円形に塗布する 合には、通常は半径が5μm~1mm、好ましくは10 μm~0.5mm程度である。他方、レンズアレイを作 製する場合には、所望のレンズパターンに合 わせてパターニング間隔、円又はドットの大 きさ等を調整すればよい。パターニング間隔 は特に限定的ではないが、通常1cm以下、好ま しくは500μm以下、より好ましくは250μm以下で ある。

 塗布方法については特に限定はなく、公 の塗布方法を適宜採用すれば良く、例えば スピーンコート、スプレーコート、ディッ コート等の方法を適用できる。また、屈折 分布型微小レンズ(マイクロレンズ)を作製 る場合には、注射器等によりペーストを基 上に滴下してもよいし、精密な円形微小ド トを形成する印刷技法(例えば、インクジェ ト法を使用した印刷)等を利用してもよい。

 また、光導波路又は回折格子を作製する 合には、線形にパターニングすればよい。 形のパターニングには、染色等に用いられ スクリーニング(スクリーン印刷)を利用し もよい。線状にパターニングする場合には 線形幅は光学素子(光導波路、回折格子等)の 所望の特性に応じて適宜設定できるが、光導 波路であれば、通常100μm以下、好ましくは50 m以下、より好ましくは30μm以下であり、回 格子であれば、通常500μm以下、好ましくは20 0μm以下、より好ましくは100μm以下である。 らに、より精密なパターンを形成する場合 は、フォトリソグラフィー法によって、ガ ス基材表面に無機膜によるパターニングを い、ガラス基材の露出部分に金属化合物を むペーストを塗布すればよい。

 以下、光導波路の形成手順の一例であっ 、フォトリソグラフィー法によってガラス 材表面に無機膜によりパターニングを行い ガラス基材の露出部分に金属化合物を含む ーストを塗布後、熱処理することにより、 ャネル型の光導波路を形成する手順につい 簡単に説明する。

 まず、ガラス基材上にAl、Ti、Ag等の金属、S iO 2 等の酸化物等を蒸着して、無機膜を形成する 。蒸着された無機膜の厚さは特に限定的では ないが、0.25~1μm程度とすることが好ましく、 0.25~0.5μm程度とすることがより好ましい。無 膜を蒸着後、その上にフォトレジスト剤を 布する。フォトレジスト剤としては、市販 有機系のフォトレジスト剤を使用すればよ 。塗布方法も特に制限はないが、例えば、 ピーンコート、スプレーコート、ディップ ート等の方法を採用できる。次に、このフ トレジスト剤の上にパターニングを施した 属板を置き、紫外線により露光後、現像し フォトレジスト剤によるパターンを形成す 。次いで、このパターンに従って露出部分 無機膜をエッチング等で剥離し、フォトレ スト剤を除去することによってガラス基板 面に無機膜によるパターン皮膜を形成する 次いで、ガラス基板の露出部分に該無機膜 から金属化合物を含むペーストを塗布後、 処理(条件については後記する)を行うこと よって、チャネル型の光導波路を形成する とができる。

 また、光導波路の他の態様として、ガラ 基板の全面にペーストを塗布し、熱処理を うことによって、スラブ型の光導波路を形 することもできる。

 上記した何れのペースト塗布方法におい も、塗布厚は特に限定されず、ペースト中 含まれる金属化合物の種類、含有量等によ て適宜設定できるが、通常2mm以下、特に1.5m m以下、特に好ましくは1mm以下である。

 ペーストを塗布した後、通常、熱処理に だって塗膜を乾燥する。乾燥条件について 特に限定はなく、溶剤成分が十分に除去さ てペーストが乾固させるように乾燥すれば く、通常100~250℃で30分~1.5時間、好ましくは 150~200℃で45分~1時間程度加熱することにより 率よく乾燥することができる。

 次いで、乾燥した塗膜を熱処理する。熱 理温度は、通常250~600℃程度、好ましくは300 ~550℃程度の温度範囲であって、ガラス基材 軟化点を下回る温度とすればよい。熱処理 間は、温度に応じて適宜設定できるが、通 10分から100時間、好ましくは30分~50時間程度 特に好ましくは1~25時間程度である。熱処理 雰囲気は特に限定されず、通常は空気中等の 酸素含有雰囲気中でよい。

 上記した方法によって熱処理を行うこと よって、所定の金属イオンがガラス基材に 散する。拡散した金属イオンは、処理条件 よって異なるが、金属イオンの状態、金属 化物の状態、金属微粒子の状態等で存在し 拡散部分については、ガラス基材部分とは 折率が異なるものとなる。屈折率の分布は 続的なものであり、通常はペーストを塗布 た基材表面の屈折率が最大であり、拡散深 が大きくなるほど屈折率は小さくなる。ま 、例えば、円形に塗布した場合には、円の 心部から半径方向に亘って連続的に屈折率 小さくなる。このように、基材と異なる屈 率分布又は屈折率分布領域が形成されるこ により、所定の光学特性を発揮し得る素子 造が得られる。

 熱処理後は、通常、室温まで放冷し、基 上に残っているペースト残留物を水洗すれ よい。

 上記過程を経て、紫外線吸収能を有する 折率分布型光学素子は得られる。光学素子 レンズ又はレンズアレイである場合には、 に集光用として好適である。また、本発明 光学素子は紫外線吸収能を有するため、映 情報機器に組み込まれる光学部品であって 液晶保護用の紫外線フィルターとしても好 である。勿論、本発明の製造方法は、上記 体的に示した光学素子の製造のみならず、 材に付与した屈折率変化又は屈折率分布を 学的に利用する素子の製造に有用である。

 本発明によれば、アルカリ金属成分と紫 線吸収成分とを含むガラス基材に特定の金 化合物を含むペーストを塗布し、空気中等 加熱するという簡単な操作によって、ガラ 基材の所望部分に基材とは屈折率の異なる 域又は屈折率分布を形成し、かかる屈折率 差異又は屈折率分布を利用した光学素子を 造できる。かかる製造方法によれば、煩雑 製造工程を要さず、また光学設計が容易で り、低コストで紫外線吸収能を有する屈折 分布型光学素子を製造できる。

実施例1で作製した屈折率分布型マイク ロレンズの深さ方向(円の中心部)における屈 率分布を示す図である。 実施例2の屈折率分布型マイクロレンズ アレイの製造における、ペーストのパターニ ング模式図である。60μmは塗布円の直径を示 、150μmは塗布円のパターニング間隔を示す 実施例2で作製した屈折率分布型マイク ロレンズアレイの透過率曲線(波長と透過率 の関係)を示す図である。 実施例3で作製した屈折率分布型マイク ロレンズアレイの透過率曲線(波長と透過率 の関係)を示す図である。

 以下に実施例を示して本発明を具体的に 明する。但し本発明は実施例に限定されな 。

  実施例1(屈折率分布型マイクロレ ズの作製)
 SiO 2 :68重量%、CaO:12重量%、Na 2 O:14重量%、K 2 O:1重量%、Al 2 O 3 :1.5重量%、MgO:2.5重量%及びセリウムイオン:1重 量%を含有するガラスを、縦10×横10×厚さ1mmの ガラス基材に加工後、その表面を洗浄した。

 ガラス基材の片面にAgNO 3 :25重量%、NaNO 3 :40重量%、アクリル樹脂:15重量%、セルロース 脂:15重量%及びターピネオール:5重量%からな るペースト(銀化合物100重量部に対して、有 溶剤20重量部、樹脂成分120重量部及び添加剤 160重量部を配合したもの)を注射器滴下によ 円形(直径500μm)に塗布した。ペースト厚さは 1mmとなるように塗布した。

 次いで、ペーストを塗布したガラス基材 200℃で1時間乾燥後、空気中300℃で12時間熱 理を行った。

 熱処理後の試料について、EDX(エネルギー 分散型X線分析装置)により銀の分布を測定す ことにより、銀が円形に分布していること 確認した。

 また、マイクロレンズの中心部分(銀拡散 部分)の紫外線透過率を測定したところ、ガ ス基材部分(銀拡散していない部分)の紫外線 透過率と同等の紫外線透過率を有することが 分かった。

 また、ガラス基材の深さ方向における屈折 の分布を調べたところ、ガラス基材との屈 率差が最大で約2×10 -2 増大し、塗布した円の中心部において、表面 から約8μmまで屈折率の分布が生じているこ がわかった。深さ方向(円の中心部)の屈折率 分布を図1に示す。

  実施例2(屈折率分布型マイクロレ ズアレイの作製)
 SiO 2 :57.6重量%、B 2 O 3 :20重量%、Al 2 O 3 :3重量%、Na 2 O:10重量%、K 2 O:3重量%、ZnO:5重量%、ZrO 2 :0.5重量%、CuBr:0.67重量%、CuI:0.23重量%を含有す るガラスを、縦5×横5×厚さ1mmのガラス基材に 加工後、その表面を洗浄した。

 ガラス基材の片面にAgNO 3 :25重量%、NaNO 3 :40重量%、アクリル樹脂:15重量%、セルロース 脂:15重量%及びターピネオール:5重量%からな るペースト(銀化合物100重量部に対して、有 溶剤20重量部、樹脂成分120重量部及び添加剤 160重量部を配合したもの;常温粘度10cP)をイン クジェット法により円形(直径60μm)に塗布し 。塗布は、パターニング間隔(円の中心から 接の円の中心までの間隔)を150μmとし、10点 10点(計100点)行った。ペースト厚さは1mmとし 。パターニングの模式図を図2に示す。

 次いで、ペーストを塗布したガラス基材 200℃で1時間乾燥後、空気中300℃で6時間熱 理を行った。

 熱処理後の試料について、EDX(エネルギー 分散型X線分析装置)により銀の分布を測定す ことにより、銀が円形に分布していること 確認した。また、マイクロレンズ1つの中心 部分(銀拡散部分)の紫外線透過率を測定した ころ、ガラス基材部分(銀拡散していない部 分)の紫外線線透過率と同等の紫外線透過率 有することが分かった。マイクロレンズ1つ 中心部分の透過率曲線を図3に示す。

 また、ガラス基材の深さ方向における屈折 の分布を調べたところ、ガラス基材との屈 率差が最大で約5×10 -2 増大し、塗布した円の中心部において、表面 から約15μmまで屈折率の分布が生じているこ が分かった。

 作製したマイクロレンズアレイに、ガラ 基材に対して垂直方向からHe-Neレーザー(レ ザー径:2mm)を照射したところ、レーザーが ンズアレイの各レンズによって集光されて ることが分かった。

  実施例3(屈折率分布型マイクロレ ズアレイの作製)
 SiO 2 :57.6重量%、B 2 O 3 :20重量%、Al 2 O 3 :3重量%、Na 2 O:10重量%、K 2 O:3重量%、ZnO:5重量%、ZrO 2 :0.5重量%、CuBr:0.67重量%、CuI:0.23重量%及びAg:金 属量として0.01重量%含有するガラスを、縦10× 横10×厚さ1mmのガラス基材に加工後、その表 を洗浄した。

 ガラス基材の片面にAgNO 3 :25重量%、NaNO 3 :40重量%、アクリル樹脂:15重量%、セルロース 脂:15重量%及びターピネオール:5重量%からな るペースト(銀化合物100重量部に対して、有 溶剤20重量部、樹脂成分120重量部及び添加剤 160重量部を配合したもの;常温粘度10cP)をイン クジェット法により円形(直径100μm)に塗布し 。塗布は、パターニング間隔(円の中心から 隣接の円の中心までの間隔)を150μmとし、20点 ×20点(計400点)行った。

 次いで、ペーストを塗布したガラス基材 200℃で1時間乾燥後、空気中300℃で6時間熱 理を行った。

 熱処理後の試料について、EDX(エネルギー 分散型X線分析装置)により銀の分布を測定す ことにより、銀が円形に分布していること 確認した。また、マイクロレンズ1つの中心 部分(銀拡散部分)の紫外線透過率を測定した ころ、ガラス基材部分(銀拡散していない部 分)の紫外線線透過率と同等の紫外線透過率 有することが分かった マイクロレンズ1つ 中心部分の透過率曲線を図4に示す。

 また、ガラス基材の深さ方向における屈折 の分布を調べたところ、ガラス基材との屈 率差が最大で約5×10 -2 増大し、塗布した円の中心部において、表面 から約13μmまで屈折率の分布が生じているこ が分かった。

 作製したマイクロレンズアレイに、ガラ 基材に対して垂直方向からHe-Neレーザー(レ ザー径:2mm)を照射したところ、レーザーが ンズアレイの各々レンズによって集光され いることが分かった。