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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF PHOTOSENSITIVE RESIN PLATE HAVING CONCAVE-CONVEX SHAPE OR LETTERPRESS PRINTING PLATE, AND PRINTING SURFACE TREATMENT SOLUTION FOR USE IN THE METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/133055
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a printing surface treatment solution which is intended to be adhered onto a printing surface of a photosensitive resin plate having a concave-convex shape or a letterpress printing plate. The printing surface treatment solution comprises a fluorinated polymer having a perfluoroalkyl group having 7 or less carbon atoms on average. Also disclosed is a method for producing a photosensitive resin plate having a concave-convex shape or a letterpress printing plate, which comprises the step of adhering the printing surface treatment solution.

Inventors:
MATSUSHITA NORIMITSU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057195
Publication Date:
November 06, 2008
Filing Date:
April 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ASAHI KASEI CHEMICALS CORP (JP)
MATSUSHITA NORIMITSU (JP)
International Classes:
B41N1/12; B41N3/03; G03F7/00; G03F7/40
Domestic Patent References:
WO2003022594A12003-03-20
WO2005064413A12005-07-14
Foreign References:
JP2005084418A2005-03-31
JPS59138454A1984-08-08
JPH10171111A1998-06-26
JPS6388555A1988-04-19
JPH05134410A1993-05-28
JPS5140206A1976-04-03
JP2002292985A2002-10-09
JP2005084418A2005-03-31
JP2007110895A2007-04-26
Other References:
See also references of EP 2141025A4
Attorney, Agent or Firm:
INABA, Yoshiyuki et al. (Roppongi Hills Mori Tower 6-10-1, Roppongi, Minato-k, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面に、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を付着させる工程を含む、凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法。
 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基又はアミド基をさらに有する請求項1記載の凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法。
 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版。
 製版露光工程、現像工程および後露光工程を含む感光性樹脂版の製造方法であって、
 製版露光工程の以降に、前記感光性樹脂版の版面に、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を付着させる工程を含む、感光性樹脂版の製造方法。
 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基又はアミド基をさらに有する請求項4記載の感光性樹脂版の製造方法。
 前記含フッ素重合体を、現像工程後、後露光工程前に付着する工程を含む、請求項4又は5に記載の感光性樹脂版の製造方法。
 請求項4~6のいずれか1項に記載の製造方法により得られる感光性樹脂版。
 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面を処理するための、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を含有する版面用処理液。
 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基またはアミド基をさらに有する請求項8記載の版面用処理液。
 更に、水とアルコールを含有する請求項8又は9記載の版面用処理液。
前記アルコールが1-プロパノール、2-プロパノール、tert-ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項10記載の版面用処理液。
 水の含有量が5~60wt%であり、アルコールの含有量が40~95wt%である請求項10又は11記載の版面用処理液。
 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面のインキ汚れを低減させるための、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を含有する版面処理液の使用。
Description:
凹凸形状を有する感光性樹脂版 び凸版印刷版の製造方法、並びに当該製造 法に用いる版面用処理液

 本発明は、凹凸形状を持つ感光性樹脂版( 以下、単に、「感光性樹脂版」という。)及 凸版印刷版、並びに当該製造方法に用いる 面用処理液に関する。より詳細には、本発 は、フレキソ印刷版用・レタープレス印刷 用・スタンプ版用レリーフ画像の作成、エ ボス加工等の表面加工パターンの形成、型 り用パターンの形成、電子部品の導体・半 体・絶縁体パターン形成、光学部品の反射 止膜、カラーフィルター、(近)赤外線カット フィルター等の機能性材料パターンの形成、 更には液晶ディスプレイ又は有機エレクトロ ルミッセンスディスプレイ等の表示素子の製 造における配向膜、下地層、発光層、電子輸 送層、封止材層の塗膜・パターン形成、ある いは、パターンを形成しないインキ転写用ブ ランケット又はアニロックスロールに接して 使用されるインキ量調整用ロール等に適した 、感光性樹脂版及び凸版印刷版の製造方法、 並びに当該製造方法に用いる版面用処理液に 関する。

 印刷方式には、一般的に、凸版印刷(フレ キソ印刷やレタープレス等)・グラビア印刷( 版)・オフセット印刷(平版)など様々な方式 挙げられるが、中でも凸版印刷は、印刷方 が簡便であり低コストで様々な被印刷体に 刷可能であり、また高速印刷も容易である とから、近年印刷方式の中での比重が高ま ている。また特にダンボール、紙器、紙袋 軟包装用フィルムなどの包装材、壁紙、化 版などの建装材、ラベル印刷などに用いら るフレキソ印刷は各種の凸版印刷方式の中 も高精細で汎用性が高く、近年注目されて る。一般的なフレキソ印刷用感光性樹脂版 、例えば、特許文献1~3に記載されるように 製版露光、現像および後露光工程を経て、 造され、感光性樹脂が用いられることが多 。また、現像工程が不要である、レーザー 使って直接印刷原版上にレリーフ画像を形 する方法も挙げられる。それに用いられる 料としては、EPDM等の合成ゴムやシリコーン を加熱・加硫したものや、特許文献4に記載 れるように、感光性樹脂を露光により光硬 させて得られたものが挙げられる。

 また、感光性樹脂版としては、凸版印刷 用だけでなく、エンボス加工等の表面加工 ザインロールを用いたパターンの形成用、 取り用パターンの形成、電子部品の導体・ 導体・絶縁体パターン形成用、光学部品の 射防止膜、カラーフィルター、(近)赤外線 ットフィルター等の機能性材料パターンの 成、更には液晶ディスプレイ又は有機エレ トロルミッセンスディスプレイ等の表示素 の製造における配向膜、下地層、発光層、 子輸送層、封止材層の塗膜・パターン形成 あるいは、パターンを形成しないインキ転 用ブランケット又はアニロックスロールに して使用されるインキ量調整用ロールなど 種の用途に応用することが可能である。

 例えば、フレキソ印刷用感光性樹脂版を いた印刷方式は、凹凸のある印刷版の凸部 表面に、インキ供給ロール等で、インキを 給し、次に、印刷版を被印刷体に接触させ 、凸部表面のインキを被印刷体に転移させ 方式である。このようなフレキソ印刷にお ては、しばしば、長時間印刷中に、インキ 印刷版の凸部のショルダー部分に付着して たり、凹部にインキが入り込んだりして(以 下、「インキカラミ」という。)、その結果 本来の絵柄でない部分まで、印刷されるこ がある。また、紙粉や埃などの異物が凸部 面に付着し(以下、「版面汚れ」という。)、 本来印刷される部分が印刷されないことがあ る。

 このような場合には、印刷を一旦中止し 印刷版面をアルコール等の洗浄液を用いて 布等で拭き取る必要があり、経済的に不利 なる。印刷版の版面汚れに関しては、種々 方法が提案されている。

 例えば、特許文献5には、版表面に有機フ ッ素化合物、特許文献6にはシリコン系化合 やフッ素系化合物の水系エマルジョンと水 樹脂の混合物を、はけ塗りやスプレー方式 付着させる技術が記載されている。

 特許文献7には、シリコン系化合物やフッ 素系化合物を後露光前に付着させる技術が記 載されている。

 特許文献8には、凸版印刷用水現像感光性樹 脂版の製版時の露光工程以降に、変性シリコ ーン化合物あるいはフッ素化合物を含有する 液を接触させる方法が提案されている。

特開平10-171111号公報

特開昭63-088555号公報

特開平05-134410号公報

国際公開第03/022594号パンフレット

特開昭51-40206号公報

特開2002-292985号公報

特開2005-84418号公報

国際公開第05/064413号パンフレット

 しかしながら、従来提案されているよう 技術によっても、印刷中のインキカラミや 面汚れを長期間防止し、かつ、紙粉離脱性 良好であり、印刷に悪影響がない感光性樹 を製造することは困難であった。

 例えば、特許文献5及び6に記載の版面用 理液は後露光後に塗布するために、持続効 が低い。また、凸部に付着したシリコン系 合物又はフッ素化合物を印刷前に拭き取る 業があり、経済的に不利である。

 また、特許文献7に記載された版面用処理 液では、版の表面に付着し、表面近傍に浸透 させるために、版の表面に浸透する溶媒を選 択する必要があった。また、水を溶媒に用い る場合には、同様に版の表面に浸透作用を発 現させるために、水に可溶なパラフィンやグ リコールエーテル、または浸透力の高いノニ オン系界面活性剤を添加する必要があった。

 さらに、特許文献8に記載された版面用処 理液は、凸版印刷用水現像感光性樹脂版には 適用可能であるが、印刷中のインキカラミや 版面汚れを長期間防止する観点から、さらな る改良が求められている。

 本発明における技術的課題は、印刷中の ンキカラミや版面汚れを長期間防止し、か 、紙粉離脱性が良好であり、印刷に悪影響 ない感光性樹脂版の製造方法及びそれに適 た版面用処理液を提供することである。

 本発明者らは、上記課題を解決するため 鋭意検討した結果、凹凸形状を持つ感光性 脂版又は凸版印刷版の版面に、平均炭素数7 以下であるパーフルオロアルキル基を有する 含フッ素重合体を付着させることで、課題を 解決できることを見出し、本発明を完成する に至った。

 すなわち、本発明は、
1. 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版 刷版の版面に、平均炭素数7以下であるパー ルオロアルキル基を有する含フッ素重合体 付着させる工程を含む、凹凸形状を有する 光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法、
2. 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ 又はアミド基をさらに有する前項1記載の凹 形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版 製造方法、
3. 前項1又は2に記載の製造方法により得られ る凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印 刷版、
4. 製版露光工程、現像工程および後露光工 を含む感光性樹脂版の製造方法であって、
 製版露光工程の以降に、前記感光性樹脂版 版面に、平均炭素数7以下であるパーフルオ ロアルキル基を有する含フッ素重合体を付着 させる工程を含む、感光性樹脂版の製造方法 、
5. 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ 又はアミド基をさらに有する前項4記載の感 性樹脂版の製造方法、
6. 前記含フッ素重合体を、現像工程後、後 光工程前に付着する工程を含む、前項4又は5 に記載の感光性樹脂版の製造方法、
7. 前項4~6のいずれか1項に記載の製造方法に り得られる感光性樹脂版、
8. 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版 刷版の版面を処理するための、平均炭素数7 下であるパーフルオロアルキル基を有する フッ素重合体を含有する版面用処理液、
9. 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ またはアミド基をさらに有する前項8記載の 面用処理液、
10. 更に、水とアルコールを含有する前項8又 は9記載の版面用処理液、
11. 前記アルコールが1-プロパノール、2-プロ パノール、tert-ブタノールからなる群より選 れる少なくとも一種である前項10記載の版 用処理液、
12. 水の含有量が5~60wt%であり、アルコールの 含有量が40~95wt%である前項10又は11記載の版面 用処理液、
13. 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版 刷版の版面のインキ汚れを低減させるため 、平均炭素数7以下であるパーフルオロアル キル基を有する含フッ素重合体を含有する版 面処理液の使用、
を提供する。

 本発明の製造方法によれば、凹凸形状を つ感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面のイ キカラミを長期間防止し、かつ、紙粉離脱 が良好であり、印刷に悪影響がない感光性 脂版の製造方法を提供することができる。 た、本発明によれば、凹凸形状を持つ感光 樹脂版又は凸版印刷版の版面のインキカラ を長期間防止し、かつ、紙粉離脱性が良好 あり、印刷に悪影響がない感光性樹脂版又 凸版印刷版用の版面用処理液を提供するこ ができる。

 以下、本発明を実施するための最良の形 (以下、「本実施形態」という。)について 細に説明する。なお、本発明は、以下の実 の形態に限定されるものではなく、その要 の範囲内で種々変形して実施することがで る。なお、本実施形態で用いる用語「感光 樹脂版」とは、感光性樹脂を原料として用 た版、すなわち、感光性樹脂からなる版を 光させた版を意味する。

 本実施形態の製造方法は、凸版印刷版と てのフレキソ印刷用感光性樹脂版を例に説 するが、何らこれに限定されるものではな 、印刷やパターニングに使用される感光性 脂版又は凸版印刷版に適用可能である。中 も、インキの粘度が比較的低く、版面汚れ 生じ易いフレキソ印刷版に用いられること 好ましい。本実施形態における凸版印刷版 は、感光性樹脂を露光、現像することによ レリーフ画像を形成する印刷版(例えば、フ レキソ印刷用感光性樹脂版を含む。)や、現 工程を経ることなく、レーザーを使って印 原版にレリーフ画像を直接形成するレーザ 彫刻印刷版(例えば、感光性樹脂を光硬化さ たものや合成ゴムを加熱・加硫したものを む)等を包含する。特に通常、表面のべとつ き除去として後露光工程を行う感光性樹脂凸 版印刷版の製造時に好ましい。

 本実施形態のフレキソ印刷用感光性樹脂 とは、製版露光、現像および後露光工程を て製造されるもので、製版露光前の樹脂が 室温で流動性があっても、固体であっても わない。感光性樹脂版として公知の樹脂の のを使用することができる。

 一般に、フレキソ印刷用感光性樹脂版に いられる樹脂組成物は、オリゴマーもしく ポリマー成分と重合性モノマー成分と光開 剤および安定剤から構成される。版の物性 最も影響の大きいオリゴマーもしくはポリ ー成分に用いられる材料も多岐にわたり、 リウレタン系、ポリビニルアルコール系、 リエステル樹脂系あるいはナイロン樹脂系 ら、極性基含有ポリマーと疎水性のポリマ を混合・分散した樹脂計系(バインダーポリ マー)や、疎水性のポリマー、たとえば熱可 性エラストマーを用いる場合まで様々であ 。これらのオリゴマーもしくはポリマー成 は単独で用いてもよいし2つ以上を併用して よい。

 本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性 脂版に用いられるオリゴマーもしくはポリ ー成分として、好ましい形態は熱可塑性エ ストマーである。成型加工性、製版時間の 縮化や印刷版の画像再現性の点から、より ましくは、少なくとも1つの共役ジエンユニ ット(以下、単に「共役ジエン」という。)を 体とする第1の重合体ブロックと、少なくと も1つのビニル芳香族炭化水素ユニット(以下 単に「ビニル芳香族炭化水素」という。)を 主体とする第2の重合体ブロックを含む熱可 性エラストマーブロック共重合体を含有す ものである。ここで、熱可塑性エラストマ とは、高温で可塑化されて成型可能となり 常温ではゴム弾性体としての性質を示す高 子である。なお、上記の「主体とする」と 、重合体ブロック中に50重量%以上含まれて ることを指す。
 共役ジエンの具体例としては、以下のもの 限定されないが、ブタジエン、イソプレン クロロプレン等が挙げられ、特に耐磨耗性 点からブタジエンが好ましい。これらの単 体は、単独でも2種以上の併用でもよい。耐 溶剤性をさらに向上するために、必要に応じ て、共役ジエン中の二重結合を水素添加して もよい。
 ビニル芳香族炭化水素の具体例としては、 下のものに限定されないが、スチレン、P- チルスチレン、第三級ブチルスチレン、α- チルスチレン、1,1-ジフェニルエチレン、ビ ルトルエン等の単量体が挙げられ、特にス レンが好ましい。これらの単量体は、単独 も2種以上の併用でもよい。
 共役ジエンを主体とする第1の重合体ブロッ クが、例えば、ビニル芳香族炭化水素-ブタ エンの共重合体である場合、共重合体ブロ ク中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布 てもまた不均一(例えばテーパー状)に分布し てもよい。均一に分布した部分および/また 不均一に分布した部分は各ブロックに複数 共存してもよい。これらの重合体は、単独 も2種以上の併用でもよい。
 熱可塑性エラストマーには、必要に応じて 本発明の目的を損なわない範囲で、共役ジ ンブロックの完全水素添加物のスチレン-エ チレン-ブチレンブロック共重合体やスチレ -エチレン-プロピレンブロック共重合体等を 併用してもよい。

 熱可塑性エラストマーの分子量は、特に 限はないが、成型加工性と得られる感光性 脂組成物の固体維持性のバランスに優れる のがよい。好ましい数平均分子量の範囲は 8万~50万である。ここで、数平均分子量とは 、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて 定し、分子量既知のポリスチレン標品から 算されたものである。

 本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光 樹脂版に用いられる重合性モノマー成分と て、公知の各種のものを用いることが出来 好ましい形態はアクリル酸、メタクリル酸 フマル酸、マレイン酸などのエステル類、 クリルアミドやメタクリルアミドの誘導体 アリルエステル、スチレン及びその誘導体 N置換マレイミド化合物などである。これら の重合性モノマー成分は、単独でも2種以上 併用でもよい。

 本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性 脂版に用いられる光開始剤として、公知の 種のものを用いることが出来、好ましい形 は各種の有機カルボニル化合物や、特に芳 族カルボニル化合物である。これらの光開 剤は、単独でも2種以上の併用でもよい。ま た崩壊型光重合開始剤および水素引抜き型光 開始剤を併用しても構わない。
 また、本実施形態で用いるフレキソ印刷用 光性樹脂版には、種々の補助添加成分、例 ば可塑剤、極性基含有ポリマー、熱重合防 剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、 安定剤、シリコンオイルなどの表面処理剤 光ルミネセンスタグ(外部エネルギー源によ って励起され、得られたエネルギーを光およ び/または放射線の形で放出する物質)などを 加することができる。

 本実施形態でいう、製版露光工程、現像工 は、通常の感光性樹脂版の製造方法で使用 れる公知の条件で実施することができる。 実施形態の感光性樹脂版の製造の際の製版 光工程及び後露光工程における露光の光源 しては、高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カー ンアーク灯、キセノンランプ、ジルコニウ ランプ、太陽光等が挙げられる。また、本 施形態の感光性樹脂版の製造の際の現像方 の具体例としては、
(i)版を現像液に浸漬させた状態でブラシを用 いて未露光部を溶解、又は掻き落とす現像方 式;
(ii)スプレーなどで版面に現像液を振りかけ がらブラシで未露光部を溶解、又は掻き落 す現像方式;
(iii)40~200℃で樹脂を加熱することにより不織 などの基材で吸収させる方式;
(iv)ガスや流体により剪断力によって掻き落 す方式;
などが挙げられる。本実施形態の感光性樹脂 版の製造の際の現像方式は、前述の各方式を 単独で行ってもよいし、2つ以上組み合わせ 行ってもよい。

 また、レーザーを使って印刷原版にレリ フ画像を直接形成するレーザー彫刻印刷版 材料としては公知のものを使用することが き、例えば、EPDMなどの合成ゴム等を加熱・ 加硫したものや、共役ジエンを主体とする重 合体ブロックとビニル芳香族炭化水素を主体 とする重合体ブロックのような熱可塑性エラ ストマーを加熱架橋したもの、共役ジエンを 主体とする重合体ブロックとビニル芳香族炭 化水素を主体とする重合体ブロックのような 熱可塑性エラストマーを紫外線架橋した感光 性樹脂を光硬化するものや前述の特許文献4 提案されているようなポリウレタンなどの20 ℃でプラストマーである樹脂を含む感光性樹 脂を光硬化するものが挙げられる。

 特に、凸版印刷版生産性や成形性の点か 、感光性樹脂を光硬化するものが好ましい 感光性樹脂の成形方法としては、既存の方 を用いることができる。例えば、注型法、 ンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズル ダイスから押し出し、ブレードで厚みを合 せる、ロールによりカレンダー加工して厚 を合わせる方法等が提示できる。

 成形された感光性樹脂層は、光照射によっ 架橋せしめ、印刷原版を形成する。また成 しながら光照射によって架橋させることも きる。硬化に用いられる光源としては、高 水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺 灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、 タルハライドランプ等を挙げることができ 。感光性樹脂組成物層に照射される光は、2 00nmから300nmの波長を有することが好ましい。 硬化に用いる光源は、1種類でも構わないが 波長の異なる2種類以上の光源を用いて光硬 させることにより、樹脂の硬化性が向上す ことがあるので、2種類以上の光源を用いる ことも差し支えない。露光の際の強度は特に 制限はないが、例えば3~70mW/cm 2 である。このときの露光強度はオーク製作所 製のUV照度計MO-2型機でUV-35フィルターを用い 数値である。

 レーザー彫刻に用いる凸版印刷版の厚み 、その使用目的に応じて任意に設定して構 ないが、凸版印刷版として用いる場合には 0.1~7mmが好ましい。場合によっては、組成の 異なる材料を複数積層していても構わない。 レーザーの種類としては、例えば、YAGレーザ ー、ファイバーレーザー、半導体レーザーな どの近赤外線領域に発振波長を有するものや 、炭酸ガスレーザー等の赤外線レーザー、又 は可視・紫外線レーザーが挙げられる。また レーザーは連続照射でも、パルス照射でもよ い。

 本実施形態の製造方法では、平均炭素数7 以下であるパーフルオロアルキル基を有する 含フッ素重合体を含有する版面用処理液を、 製版露光工程以降に、感光性樹脂版及び凸版 印刷版の版面に付着させる。

 本実施形態で用いる前記含フッ素重合体 して、たとえば、側鎖にパーフルオロアル ル基を有するアクリル系共重合体;側鎖にパ ーフルオロアルキル基を有するメタクリル系 共重合体;パーフルオロアルキル基を有する レタン系重合体;パーフルオロアルキル基を するエステル系重合体;ポリフッ化エチレン 化合物;あるいはポリ(エチレン-フッ化エチレ ン)化合物等が挙げられるが、これらに限定 れない。前記含フッ素重合体を構成する単 体としては、重合性の不飽和結合以外に、 ーフルオロアルキル基を有する単量体(a1)と 水酸基、アミノ基、アミド基を構造の一部 有する単量体(a2)とから構成される。単量体 の(a1)と(a2)は、少なくとも各1種以上の組み合 わせから選ぶことができる。

 ここで、(a1)のパーフルオロアルキル基の平 均炭素数は、インクカラミ抑制の効果から7 下が好ましい。単一の炭素数を持つ単量体 ら構成されても、2つ以上の炭素数をもつ単 体が混在して構成されていてもよいが、単 の炭素数を持つ単量体から構成されること 好ましい。さらに、その平均炭素数は3以上 6以下であることがより好ましい。平均炭素 は 19 F-NMRの方法により測定できる。
 また、(a1)のパーフルオロアルキル基の構造 は直鎖状であっても分岐状であってもよく、 直鎖状が好ましい。分岐状である場合には、 分岐部分がパーフルオロアルキル基の末端部 分に存在し、かつ分岐部分の炭素数は短鎖で あることが好ましい。(a1)のパーフルオロア キル基は、フッ素原子以外のほかのハロゲ 原子を有してもよく、他のハロゲン原子と ては、塩素原子が好ましい。さらに、パー ルオロアルキル基の炭素-炭素結合間には、 ーテル性の酸素原子又はチオエーテル性の 黄原子が存在してもよい。

 単量体(a2)としては、例えば、ヒドロキシ エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ (メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロ プロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ 基を有する単量体、(メタ)アクリルアミド N-置換(メタ)アクリルアミド等のアミド基を する単量体、置換アミノアルキル(メタ)ア リレート等のアミノ基を有する単量体が挙 られるが、これらに限定されない。

 前記含フッ素重合体の数平均分子量は、 面汚れ持続性の点から、5000以上が好ましい 。塗布性の点から50000以下が好ましい。より ましくは5000以上30000以下である。ここで、 平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフ ー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリ チレン標品から換算されたものである。

 本実施形態の含フッ素重合体は公知の方 により製造できる。たとえば、溶液重合、 化重合又は塊状重合等の重合反応を行なう とにより製造できる。

 本実施形態の含フッ素重合体の重合単位( a1)又は重合単位(a2)は、前述どおりそれぞれ1 であっても2種以上であってもよい。また、 含フッ素重合体はブロック重合体、ランダム 重合体又はグラフト重合体のいずれであって もよく、合成のしやすさの点からランダム重 合体であるのが好ましい。

 本実施形態の版面用処理液に用いる含フ 素重合体は、2種類以上を組み合わせて用い てもよい。この含フッ素重合体は、溶媒に溶 解又は分散して使用される。本実施形態の版 面用処理液に用いる溶媒は、水及び/又は水 可溶な溶媒が好ましい。水に可溶な溶媒の 体例として、水、エーテル、エステル、ア コール、ケトン、酸等の溶剤を用いること できるが、これらに限定されない。本実施 態の版面用処理液の溶媒としては、アルコ ルを用いることが好ましく、1-プロパノール 、2-プロパノール、tert-ブタノールがより好 しい。特に、現像液に塩素系溶剤や炭化水 系溶剤が使用される溶剤現像型感光性樹脂 には、沸点が高い化合物が好ましい。これ は単独で使用してもよいし、2種以上を組み わせて用いてもよい。塗布した際、印刷版 面の濡れ性調整のため、上記溶媒に界面活 剤を添加して用いることもできる。必要に じて、消泡剤、酸化防止剤あるいは防腐剤 の添加剤を加えてもよい。

 本実施形態の版面用処理液に用いる溶媒 好適な態様としては、版面用処理液の濡れ の観点から、水の含有量が5wt%以上60wt%以下 あり、アルコールの含有量が40wt%以上95wt%以 下が挙げられ、好ましくは水の含有量が10wt% 上50wt%以下であり、アルコールの含有量が50 wt%以上90wt%以下であり、より好ましくは水の 有量が20wt%以上50wt%以下であり、アルコール の含有量が50wt%以上80wt%以下である。

 含フッ素重合体を含む版面用処理液を、 刷版の版面に付着や塗布する工程に代えて 含フッ素重合体を、現像液に添加して使用 てもよい。現像液中に、含フッ素重合体を 加する場合の濃度は、好ましくは、0.01wt%~5w t%である。現像液中に添加せず、版面に付着 せる場合の濃度は、付着時間が現像液の場 より短いので、濃度を高くした方がよく、0 .05wt%~50wt%が好ましい。

 現像液中に含フッ素重合体を添加しない 合の印刷版の版面への付着方法としては、 プレーによる溶液塗布;はけ塗り;浸漬;布や ポンジで溶液を塗る方法;現像後リンス液に 添加し版面に滴下する方法;等が挙げられる これらは、現像後であれば、いずれの段階 実施してもよい。特に、後露光前に実施し ほうが高い効果が得られる。

 本実施形態の後露光とは、高圧水銀灯、紫 線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンラ プ、ジルコニウムランプ、太陽光などの活 光線源により処理することをいい、少なく も波長300nm以下の活性光線を、現像後の印 版の版面に露光処理することをいうことが ましい。必要に応じて、300nm以上の活性光線 を併用しても構わない。これらの波長の異な る活性光線を併用する場合は、同時に露光処 理しても、別々に露光処理しても構わない。 後露光方法としては、例えば感光性樹脂版や 凸版印刷版の凹凸形状を持つ表面側を大気中 で露光したり、水などの液体中で露光する方 法が挙げられ、版面汚れ持続性の点から、大 気中で露光する方法が好ましい。露光の際の 強度は特に制限はないが、例えば1~50mW/cm 2 である。このときの露光強度はオーク製作所 製のUV照度計MO-2型機でUV-25フィルターを用い 数値である。
 なお、本実施形態で用いるレーザー彫刻印 版製造の際の後処理工程における後露光の 光方式は、前述と同様の光源を用いて行な ことができる。

 このようにして得られた感光性樹脂版又 凸版印刷版(レーザー彫刻印刷版を除く)の 触角(プローブ液体はジヨウドメタンを使用) は、好ましくは55度~90度の範囲である。さら 、ベタ部のインキ濃度を上げるためには60 ~75度の範囲がより好ましい。レーザー彫刻 刷版の場合には、接触角(プローブ液体はジ ウドメタンを使用)は90度~120度であることが 好ましく、95~110度であることがより好ましい 。

 以下、実施例及び比較例により本発明に いてより具体的に説明するが、本発明はこ らに限定されるものではない。

参考例1
 1Lのガラス製オートクレーブにC 6 F 13 CH 2 CHOCOCH=CH 2 を177.7g、HOC 2 H 4 OCOCH=CH 2 を39.4g、(C 2 H 5 ) 2 NCH 2 CH 2 OCOCH=CH 2 を62.1g、CH 3 OCOCH 3 =CH 2 を3.2g、n-ドデシルメルカプタンを0.7g、プロ ン204を2.7g、ポリオキシエチレンオレインエ テエルを10.8g、ジプロピレングリコールを10 7.8g、酢酸0.7g、イオン交換水389.3g、ステアリ ジメチルアンモニウムクロリド(純分63%)4.3g 加え、50℃30分間撹拌した。次に、この溶液 を、APVゴーリン社製高圧乳化機LAB-60-10TBSを用 いて20MPaで乳化した。この乳化液を699.2gとり 再び1Lのガラス製オートクレーブに移し、 れに2,2'-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2イル)プ ロパン]0.8gを添加し、窒素加圧下にてオート レーブ内を窒素で置換して撹拌しながら温 を50℃に上げて10時間重合し、乳白色のエマ ルションを含む溶液を得た。この溶液をアド バンテック社製C-63ろ紙を用いて加圧ろ過し 。エマルションを固形分濃度が0.8wt%となる うに溶液A(イソプロパノール/精製水=70.4/29.6w t%)で希釈した。
 得られた反応液約10gを凍結乾固させた。乾 物約50mgを約1.0mlのCDCl 3 に溶解して 1 H-NMR、 13 C-NMR測定を行い、測定後の溶液に1.0wt/vol%のC 6 F 6 を含有するCDCl 3 を封入した内管を挿入して 19 F-NMR測定を行ったところ、平均炭素数が6であ るパーフルオロアルキル基を側鎖に有するア クリル系フッ素重合体であることが確認され た。ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC と記す)で測定したところ、フッ素重合体の 平均分子量(標準ポリスチレン換算)は19000で あった。なお、GPCの測定装置は、LC-10(島津製 作所製、商品名)を用い、カラムにTSKgelGMHXL(4. 6mmID×30cm)2本を使用し、オーブン温度40℃、溶 媒にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)で測定を った。

参考例2
 100mLガラス製重合アンプルに、C 6 F 13 CH 2 CHOCOCH=CH 2 を8.2g、C 9 H 19 OCOCCH 3 =CH 2 を27.1g、ポリオキシエチレンオクチルフェニ エーテルの20%水溶液13.78g、ステアリルトリ チルアンモニウムクロリドの10%水溶液6.89g 精製水25.83g、アセトン17.23g、ステアリルメ カプタンの0.18gおよび2,2’-アゾビス(2-メチ プロピオンアミジン)2塩酸塩0.07gを入れた後 窒素置換を行い、60℃で12時間重合反応を行 い、エマルジョンを含む溶液を得た。この溶 液をアドバンテック社製C-63ろ紙を用いて加 ろ過した。ろ過後のエマルジョンを、固形 濃度を0.8wt%になるように、溶液B(ブタノール /精製水/ジプロピレングリコール=70.4/29.4/0.2wt %)で希釈した。
 得られた反応液約10gを凍結乾固させた。乾 物約50mgを約1.0mlのCDCl 3 に溶解して 1 H-NMR、 13 C-NMR測定を行い、測定後の溶液に1.0wt/vol%のC 6 F 6 を含有するCDCl 3 を封入した内管を挿入して 19 F-NMR測定を行ったところ、平均炭素数が6であ るパーフルオロアルキル基を側鎖に有するア クリル系フッ素重合体であることが確認され た。ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC と記す)で測定したところ、フッ素重合体の 平均分子量(標準ポリスチレン換算)は15000で あった。なお、GPCの測定装置は、LC-10(島津製 作所製、商品名)を用い、カラムにTSKgelGMHXL(4. 6mmID×30cm)2本を使用し、オーブン温度40℃、溶 媒にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)で測定を った。

参考例3
 C n F 2n+1 CH 2 CH 2 OCOCH=CH 2 (ここで、nは6~12の整数の混合物であり、nの 均は9である。)を7.5g, シクロヘキシルメタ リレート12.5gをガラスアンプルに入れ、溶媒 としてアサヒクリンAK-225(CF 3 CF 2 CHCl 2 /CClF 2 CF 2 CHClF)40g、重合開始剤として0.04gのアゾビスイ ブチロニトリルを添加した。この混合物を 素でバージしながら、ガラスアンプルをシ ルし、65℃で15時間振とうして共重合反応を 行った。生成した共重合体をソルビット(マ ダーミッド社製、商品名)で希釈し、固形分 度0.8wt%に調整した。

(実施例1)
 溶剤現像型の未露光の感光性樹脂版AFP-SF(旭 化成ケミカルズ社製、商品名、厚み1.70mm、ス チレンを主体とする重合体ブロックとブタジ エンを主体とする重合体ブロックを含む数平 均分子量10万の熱可塑性エラストマーを含有 る))のカバーシートをはぎとり、感光性樹 層の上にある保護膜層の上にネガフィルム 密着させ、AFP-1216E露光機(旭化成ケミカルズ 製、商品名)上で370nmに中心波長を有する紫 線蛍光灯を用いて、まず支持体側から320mJ/c m 2 の全面露光を行った後、引き続きネガフィル ムを通して5000mJ/cm 2 の画像露光を行った。このときの露光強度を オーク製作所製のUV照度計MO-2型機でUV-35フィ ターを用いて、バック露光を行なう側であ 下側ランプからの紫外線をガラス板上で測 した強度は9.4mW/cm 2 、レリーフ露光側である上側ランプからの紫 外線を測定した強度は11.9mW/cm 2 であった。
 ネガフィルムの画像は、100・133・150lpi各線 で1・2・3・5・10・30・50・60・70・80・90・95% ベタ部の網点を含むものを使用した。
 次に、ソルビット(マクダーミッド社製、商 品名、炭化水素類の有機溶剤)を現像液とし 、クイックライン912現像機(旭化成ケミカル 社製、商品名)を用いて、液温30℃で現像を った。
 現像直後に、参考例1で得られた溶液を染み 込ませたベンコット(旭化成せんい社製、商 名)で、版表面を拭くように塗布した。60℃ 2時間乾燥させた後に、紫外線蛍光灯を用い 1000mJ/cm 2 を版表面全体に行い、続いて254nmに中心波長 もつ殺菌灯を用いて2000mJ/cm 2 の後露光を行なってフレキソ樹脂版を得た。
 なお、ここで殺菌灯による後露光量は、MO-2 型機のUV-25フィルターを用いて測定された照 から算出したものである。

(実施例2)
 参考例1で得られた溶液を塗布する作業を後 露光作業後に行ったこと以外は、実施例1と 様の方法でフレキソ樹脂版を得た。

(実施例3)
 参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例 2で得られた溶液を使用したこと以外は、実 例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。

(実施例4)
 参考例1で得られた溶液の代わりに参考例2 得られた溶液を使用したこと、その溶液を 布する作業を後露光作業後に行ったこと以 は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版 得た。

(比較例1)
 参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例 3で得られた溶液を使用したこと以外は、実 例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。

(比較例2)
 参考例1で得られた溶液の代わりに参考例3 得られた溶液を使用したこと、その溶液を 布する作業を後露光作業後に行ったこと以 は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版 得た。

(比較例3)
 参考例1で得られた溶液を塗布する工程を除 いたこと以外は、実施例1と同様の方法でフ キソ樹脂版を得た。

(2)評価
(a-1)インキカラ防止効果評価1
 インキカラミ防止効果を評価するために、 下の測定条件で版面の接触角を評価した。 られたフレキソ樹脂版を、温度23℃、相対 度50%恒温恒湿室内に一日放置し、安定化さ た。測定条件は、固液界面解析装置Drop Maste r500、解析ソフトFAMAS(協和界面科学社製、商 名)、プローブ液体にジヨウドメタン(関東化 学社製)、針はシリコン表面処理したステン ス製22G(協和界面科学社製、商品名)を用いて 、吐出時間100ms、吐出電圧4000mV、精製水が版 接触後15秒後の接触角を自動測定した値を 録した。評価基準は、接触角が70°以上を◎ 70-60°を○、60-50°を△、50°以下を×とした 接触角が高いほうが、インクをはじきやす ので、◎、○、△、×の順で好ましい。

(a-2)インキカラミの防止効果評価2
 印刷中のインクカラミを評価するために、 下の印刷条件において印刷を行い、インキ ラミの評価を実施した。溶剤インキには、 ロセスXシアン(東洋インキ製、商品名)、被 刷体には、XH536 60um(モービル製、商品名)、 アニロックスロールは、600lpi(セル容積3.8cm 3 /m 2 )、クッションテープには、3M1020(3M社製、商 名)を使用し、印刷速度は、100m/分とした。
 得られたフレキソ樹脂版を用い、500m印刷後 に、樹脂版の網点部の3%ハイライトと30%ミッ トーンの凹部のインキの溜まりの程度を、 ーペで観察した。凹部の谷までインクが流 たものを×、凸部のショルダー部の上層に みインキが付着している場合を○、その中 を△とした。インキが凹部の谷に到達する 間が長い方が良いので、×より△、△より○ の方が好ましい。

(a-3)ベタ印刷品質評価
 (a-2)の評価に使用した印刷物のインキの乗 具合を評価した。Dot  Analyzer  DA  6000(王 計測機器株式会社製、商品名)を用い、所定 反射光源観察によりベタ画像部(網点面積率 100%画像部)における単位面積あたりのインキ 蔽率を計測した。インキ隠蔽率が97%以上をO K、97%未満をNGと評価した。NG評価の場合、目 でインキの抜けが確認できるレベルである

(b)インキカラミ防止の持続効果
 インキカラミ防止の持続効果を模擬的に評 するため、(a-2)と同じ方法で作成した樹脂 表面を、印刷用インク及びインククリーナ に用いられる代表的な溶剤、エチルアルコ ルを含ませた不織布で、版表面を40回強く擦 り、その後、(a-1)と同様の方法で評価した。 触角が60°以上を○、50°以下を×とし、その 中間を△とした。○もしくは△であれば持続 効果があると判断した。接触角が高いほうが 、フッ素系処理剤の残留が高いので、△より ○のほうが好ましい。

(c)紙粉離脱性評価
 印刷中の紙紛離脱性を評価するために、得 れたフレキソ樹脂版を用いて、以下の印刷 件において印刷し、紙粉離脱性の評価を実 した。なお、後述するように、表1では、紙 粉評価として示す。
 AI-3型フレキソ印刷機(伊予機械製)を用いて 水性インキには、HW571AQP(東洋インキ製、商 名)を使用し、被印刷体には、コート紙パー ルコート(王子製紙製、商品名)を使用した。 ニロックスロールは、600lpi(セル容積3.8cm 3 /m 2 )、クッションテープは、3M1020(3M製、商品名) 使用し、印刷速度は、100m/分で印刷を実施 た。
 印刷速度が100m/分に達した段階で、幅0.1~2.0m m、長さ0.1~2.0mmに裁断したコート紙パールコ ト0.5gを被印刷体上に散布し、強制的に版面 接触させ、3分後に印刷された印刷物上で紙 紛の数を目視で計測した。
 評価するフレキソ樹脂版を製造した際のネ フィルムの画像はベタ部サイズが100×150mmの ものを使用した。このベタ部範囲内に紙紛の 数が50個以上計測されたものを×、20~50個計測 されたものを△、5~20個計測されたものを○ 5個以下計測されたものを◎とした。計測し 紙紛は印刷不良であるので、×より△、△ り○、○よりも◎の方が好ましい。

(d)総合評価
 評価(a-1)、評価(a-2)、評価(b)および評価(c)に おいて、◎を3点、○を2点、△を1点、×を0点 とし、その合計を総合評価とした。点数が高 いほど、効果が高いと判断する。ただし、(a- 3)において、◎以外の場合、インキのはじき 見られるので総合評価を0点とする。

 実施例1~4、比較例1~3で得られた評価試験 果の一覧を表1に記載する。

 表1に示す通り、パーフルオロアルキル基 の炭素数6である含フッ素重合体を版面に付 させることで、十分なベタ印刷品質を有し がら、長期的にインキカラミを抑制する版 得られた。また、後露光前に含フッ素重合 を付着させるほうが、インキカラミ抑制効 が長期的に持つ版が得られた。

(実施例5)
 20℃において液状の感光性樹脂ADS-60(旭化成 ミカルズ製、商品名、ポリウレタン系ポリ ーを含有する)をPETフィルム上に厚さ2.8mmの ート状に形成し、高圧水銀灯の紫外線を、 気中で感光性樹脂層が露出している面から 射した。照射したエネルギーは、4000mJ/cm 2 であった。このときの露光強度をオーク製作 所製のUV照度計MO-2型機でUV-35フィルターを用 た。光硬化した感光性樹脂層をZED社製のレ ザー彫刻機(ZED-Mini、商品名)を用いて、パタ ーンの彫刻を行い、フレキソ印刷版を得た。 得られたフレキソ印刷版について、上記(a-1) ンキカラミ防止効果評価1、(b)インキカラミ 防止の持続効果の評価方法を用いて接触角を 測定した。
 次いで、得られたフレキソ印刷版に、参考 1で得られた溶液を染み込ませたベンコット (旭化成せんい社製 商品名)で版表面を拭く うに塗布した。その後、ALF-200UP後露光機を いて、254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて 版表面全体に、2000mJ/cm 2 、続いて紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cm 2 の後露光を行ってフレキソ印刷版を得た。得 られたフレキソ印刷版について、上記(a-1)イ キカラミ防止効果評価1、(b)インキカラミ防 止の持続効果の評価方法を用いて接触角を測 定したところ、参考例1で得られた溶液を付 する前のフレキソ版に比べて接触角が各々37 °、38°上昇しており、レーザー彫刻印刷版に おいても、パーフルオロアルキル基の炭素数 が6である含フッ素重合体塗布によりインキ ラミを長期的に抑制できることがわかった

(実施例6)
 参考例1で得られた溶液を塗布する作業を後 露光作業後に行ったこと以外は、実施例5と 様の方法でフレキソ樹脂版を得、評価した その結果、参考例1で得られた溶液を付着す 前のフレキソ版に比べて、同溶液付着後の レキソ版は、接触角が各々40°、32°上昇し おり、レーザー彫刻印刷版においても、パ フルオロアルキル基の炭素数が6である含フ 素重合体塗布によりインキカラミを長期的 抑制できることがわかった。
 更に、実施例5と本実施例より、レーザー彫 刻印刷版においても、後露光前に含フッ素重 合体を付着させる方が、後露光後に付着させ るよりもインキカラミ抑制の持続効果が高い ことがわかった。

(実施例7)
 参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例 2で得られた溶液を使用したこと以外は、実 例5と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評 した。その結果、参考例2で得られた溶液を 付着する前のフレキソ版に比べて、同溶液付 着後のフレキソ版は、接触角が各々42°、51° 昇しており、レーザー彫刻印刷版において 、パーフルオロアルキル基の炭素数が6であ る含フッ素重合体塗布によりインキカラミを 長期的に抑制できることがわかった。

(実施例8)
 参考例1で得られた溶液の代わりに参考例2 得られた溶液を使用したこと、その溶液を 布する作業を後露光作業後に行ったこと以 は、実施例5と同様の方法でフレキソ樹脂版 得、評価した。その結果、参考例2で得られ た溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、 同溶液付着後のフレキソ版は、接触角が各々 35°、16°上昇しており、レーザー彫刻印刷版 おいても、パーフルオロアルキル基の炭素 が6である含フッ素重合体塗布によりインキ カラミを長期的に抑制できることがわかった 。
 更に、実施例5~7と本実施例より、レーザー 刻印刷版においても、後露光前に含フッ素 合体を付着させる方が、後露光後に付着さ るよりもインキカラミ抑制の持続効果が高 ことがわかった。

(比較例4)
 参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例 3で得られた溶液を使用したこと以外は、実 例5と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評 した(比較例4)。その結果、参考例3で得られ た溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、 同溶液付着後のフレキソ版は、接触角は上昇 していたものの、その差は各々27°、21°であ 、実施例5に比べて低いことがわかった。

(比較例5)
 参考例1で得られた溶液の代わりに参考例3 得られた溶液を使用したこと以外は、実施 6と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評価 た(比較例5)。その結果、参考例3で得られた 溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、同 溶液付着後のフレキソ版は、接触角は上昇し ていたものの、その差は各々16°、15°であり 実施例6に比べて低いことがわかった。

 本出願は、2007年4月19日に日本国特許庁へ 出願された、日本特許出願(特願2007-110895)に づくものであり、その内容はここに参照と て取り込まれる。

 本発明は、印刷中の版面のインキカラミ 長期間防止し、かつ、紙粉離脱性が良好で り、印刷に悪影響がないように版面を処理 るための好適な版面用処理液及び当該処理 を付着される工程を含む感光性樹脂版の製 方法として利用可能性を有する。