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Patent Searching and Data


Title:
MIXER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129629
Kind Code:
A1
Abstract:
There are included a mixer circuit and a linear range compensating circuit that compensates for the linear range of the output characteristic of the mixer circuit. The mixer circuit has a load resistor connected between an output terminal and a power supply line. When a midpoint voltage of the output voltage of the mixer circuit is higher than the midpoint voltage in a case where a wide linear range can be obtained, the linear range compensating circuit increases the amount of the current flowing through the load resistor of the mixer circuit, thereby increasing the amount of voltage drop at the load resistor thereof. When the midpoint voltage of the output voltage of the mixer circuit is lower than the midpoint voltage in a case where a wide linear range can be obtained, the linear range compensating circuit reduces the amount of the current flowing through the load resistor of the mixer circuit, thereby reducing the amount of voltage drop at the load resistor thereof. In this way, the midpoint voltage of the output voltage of the mixer circuit is controlled such that the linear range becomes wide.

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Inventors:
YAMAZAKI DAISUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/057970
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 11, 2007
Export Citation:
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Assignee:
FUJITSU LTD (JP)
YAMAZAKI DAISUKE (JP)
International Classes:
H03D7/14
Foreign References:
JPS56162176A1981-12-12
JP2003234619A2003-08-22
JPS63185208A1988-07-30
JPH09321555A1997-12-12
JP2004242078A2004-08-26
JP2000031763A2000-01-28
JP2003078367A2003-03-14
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Akinori (20F Kasumigaseki Building,2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 出力端子と電源ラインの間に負荷抵抗が接続されたミキサ回路と、
 前記ミキサ回路の出力電圧の中点電圧に応じて、前記負荷抵抗を流れる電流量を制御する線形範囲補償回路と、
 を備えることを特徴とするミキサ。
 前記線形範囲補償回路は、前記ミキサ回路の出力電圧の中点電圧が所望の電圧よりも高いときに前記負荷抵抗を流れる電流量を増やし、前記ミキサ回路の出力電圧の中点電圧が所望の電圧よりも低いときに前記負荷抵抗を流れる電流量を減らすように制御することを特徴とする請求項1に記載のミキサ。
 前記線形範囲補償回路の出力信号は、局発信号の入力端に対して、前記出力端子の反対側にフィードバックされることを特徴とする請求項1に記載のミキサ。
 前記ミキサ回路は、電流源と、該電流源に接続され、かつ外部から入力信号が入力する第1の差動対と、該第1の差動対の第1の出力端に入力端が接続された第1のカレントミラー回路と、前記第1の差動対の第2の出力端に入力端が接続された第2のカレントミラー回路と、前記第1のカレントミラー回路の出力端に接続され、かつ外部から局発信号が入力する第2の差動対と、前記第2のカレントミラー回路の出力端に接続され、かつ外部から局発信号が入力する第3の差動対と、を有し、
 該ミキサ回路の第1の出力端に、第1の負荷抵抗の一端と前記第2の差動対の第1の出力端と前記第3の差動対の第2の出力端と前記線形範囲補償回路の第1の入力端が接続され、
 該ミキサ回路の第2の出力端に、第2の負荷抵抗の一端と前記第2の差動対の第2の出力端と前記第3の差動対の第1の出力端と前記線形範囲補償回路の第2の入力端が接続され、
 前記第1のカレントミラー回路の出力端に前記線形範囲補償回路の第1の出力端が接続され、
 前記第2のカレントミラー回路の出力端に前記線形範囲補償回路の第2の出力端が接続され、
 前記線形範囲補償回路は、該ミキサ回路の第1の出力端および第2の出力端の電圧の中点電圧が所望の電圧になるように、前記第1のカレントミラー回路の出力端および前記第2のカレントミラー回路の出力端に流す電流量を制御することを特徴とする請求項1に記載のミキサ。
 前記ミキサ回路は、第1の電流源と、該第1の電流源に接続され、かつ外部から入力信号が入力する第1の差動対と、該第1の差動対の第1の出力端に入力端が接続された第2の電流源と、前記第1の差動対の第2の出力端に入力端が接続された第3の電流源と、前記第2の電流源の入力端に接続され、かつ外部から局発信号が入力する第2の差動対と、前記第3の電流源の入力端に接続され、かつ外部から局発信号が入力する第3の差動対と、を有し、
 該ミキサ回路の第1の出力端に、前記第1の負荷抵抗の一端と前記第2の差動対の第1の出力端と前記第3の差動対の第2の出力端と前記線形範囲補償回路の第1の入力端が接続され、
 該ミキサ回路の第2の出力端に、前記第2の負荷抵抗の一端と前記第2の差動対の第2の出力端と前記第3の差動対の第1の出力端と前記線形範囲補償回路の第2の入力端が接続され、
 前記第2の電流源の入力端に前記線形範囲補償回路の第1の出力端が接続され、
 前記第3の電流源の入力端に前記線形範囲補償回路の第2の出力端が接続され、
 前記線形範囲補償回路は、該ミキサ回路の第1の出力端および第2の出力端の電圧の中点電圧が所望の電圧になるように、前記第2の電流源の入力端および前記第3の電流源の入力端に流す電流量を制御することを特徴とする請求項1に記載のミキサ。
 前記ミキサ回路は、電流源と、該電流源に接続され、かつ外部から入力信号が入力する第1の差動対と、該第1の差動対の第1の出力端に入力端が接続された第1のカレントミラー回路と、前記第1の差動対の第2の出力端に入力端が接続された第2のカレントミラー回路と、前記第1のカレントミラー回路の出力端に接続され、かつ外部から局発信号が入力する第2の差動対と、前記第2のカレントミラー回路の出力端に接続され、かつ外部から局発信号が入力する第3の差動対と、を有し、
 該ミキサ回路の第1の出力端に、前記第1の負荷抵抗の一端と前記第2の差動対の第1の出力端と前記第3の差動対の第2の出力端と前記線形範囲補償回路の第1の入力端が接続され、
 該ミキサ回路の第2の出力端に、前記第2の負荷抵抗の一端と前記第2の差動対の第2の出力端と前記第3の差動対の第1の出力端と前記線形範囲補償回路の第2の入力端が接続され、
 前記第1のカレントミラー回路の入力端に前記線形範囲補償回路の出力端が接続され、
 前記第2のカレントミラー回路の入力端に前記線形範囲補償回路の出力端が接続され、
 前記線形範囲補償回路は、該ミキサ回路の第1の出力端および第2の出力端の電圧の中点電圧が所望の電圧になるように、前記第1のカレントミラー回路の入力端および前記第2のカレントミラー回路の入力端に流れる電流量を制御することを特徴とする請求項1に記載のミキサ。
 前記ミキサ回路は、CMOS回路で構成されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載のミキサ。
Description:
ミキサ

 本発明は、無線通信分野において高周波 受信信号を中間周波信号に引き下げたり、 間周波信号を高周波の送信信号に引き上げ ミキサに関するものである。

 図10は、従来のミキサの構成を示す図で る。図10に示すように、従来、バイポーラト ランジスタにより構成されるミキサが公知で ある(例えば、特許文献1参照。)。バイポーラ トランジスタは、高周波でもトランスコンダ クタンスgmが高い。それゆえ、抵抗1の抵抗値 R1が小さくても、1/gmを無視することができる 。ミキサの利得は、抵抗1の抵抗値R1に対する 抵抗2の抵抗値R2の値、すなわち[R2/R1]で決ま 。

 しかしながら、バイポーラトランジスタ 用いると、CMOS(Complementary Metal Oxide Semicondu ctor)構造でミキサを構成するよりも、高くな という欠点がある。また、図10に示すミキ には、Ioの電流源が1個と2Ioの電流源が2個あ ため、Ioの電流源が発するノイズをInとする と、合計で5Inのノイズが発生することになり 、ノイズが大きいという欠点もある。

 一方、CMOS構造では、トランスコンダクタ ンスgmが低いため、高周波回路に、バイポー トランジスタの場合のような抵抗比で利得 決める構成を適用することができない。そ で、CMOS構造では、トランスコンダクタンス gmと抵抗2の抵抗値R2で利得を決める構成とな 。この場合、利得を一定にするには、トラ スコンダクタンスgmを一定に保つ必要があ 。しかし、CMOSプロセスのトランスコンダク ンスgmのばらつきが、無視できないほど大 いため、図10における電流源3,4として、差動 対を構成するトランジスタ5,6のトランスコン ダクタンスgmのばらつきを補償し得る電流源 用いる提案がある(例えば、特許文献2参照 )。

米国特許第5920810号明細書(Fig.2)

特開平10-49244号公報(段落番号[0019]~[0021])

 しかしながら、トランスコンダクタンスg mのばらつきを補償する電流源を用いる構成 は、トランスコンダクタンスgmのばらつきが 1.5倍程度であり、これを補償するには電流値 を2.3倍程度、変える必要がある。そうすると 、最適な電流値からずれる分、ミキサの線形 範囲が狭くなってしまう。これは、ミキサに 求められる特性の一つに広い線形性があるこ とに鑑みると、好ましくない。

 本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、広い線形性を有するCMOS構造のミキサ を提供することを目的とする。

 上述した課題を解決し、目的を達成する めに、本発明は、ミキサ回路と、このミキ 回路の出力特性の線形範囲を補償する線形 囲補償回路を備えることを特徴とする。ミ サ回路は、出力端子と電源ラインの間に接 された負荷抵抗を有する。線形範囲補償回 は、ミキサ回路の出力電圧の中点電圧に応 て、その負荷抵抗を流れる電流量を制御す 。具体的には、線形範囲補償回路は、ミキ 回路の出力電圧の中点電圧が所望の電圧よ も高いときに、ミキサ回路の負荷抵抗を流 る電流量を増やし、その負荷抵抗での電圧 下量が大きくなるように制御する。また、 形範囲補償回路は、ミキサ回路の出力電圧 中点電圧が所望の電圧よりも低いときに、 キサ回路の負荷抵抗を流れる電流量を減ら 、その負荷抵抗での電圧降下量が小さくな ように制御する。線形範囲補償回路の出力 号は、局発信号の入力端子に対して、出力 子の反対側にフィードバックされる。また ミキサ回路は、CMOS回路で構成される。

 この発明によれば、ミキサ回路の出力電 の中点電圧が、広い線形範囲が得られる場 の中点電圧よりも高いときに、ミキサ回路 負荷抵抗での電圧降下量が大きくなり、線 範囲が広くなるように、ミキサ回路の出力 圧の中点電圧が制御される。また、ミキサ 路の出力電圧の中点電圧が、広い線形範囲 得られる場合の中点電圧よりも低いときに ミキサ回路の負荷抵抗での電圧降下量が小 くなり、線形範囲が広くなるように、ミキ 回路の出力電圧の中点電圧が制御される。

 本発明にかかるミキサは、CMOS構造を有し 、安価で、広い線形性を有するという効果を 奏する。

図1は、本発明の実施例1にかかるミキ の構成を示す図である。 図2は、実施例1のミキサの出力特性の ミュレーション結果を示す図である。 図3は、実施例1のミキサの出力特性の ミュレーション結果を示す図である。 図4は、実施例1のミキサの出力特性の ミュレーション結果を示す図である。 図5は、比較例のミキサの出力特性のシ ミュレーション結果を示す図である。 図6は、比較例のミキサの出力特性のシ ミュレーション結果を示す図である。 図7は、本発明の実施例2にかかるミキ の構成を示す図である。 図8は、本発明の実施例3にかかるミキ の構成を示す図である。 図9は、本発明をバッファに適用した実 施例4の構成を示す図である。 図10は、従来のミキサの構成を示す図 ある。

符号の説明

 10,50,60 ミキサ
 11,13,14 ミキサ回路
 12,15 線形範囲補償回路
 21 電流源、第1の電流源
 22,23 第1の差動対
 24,25 第1のカレントミラー回路
 26,27 第2のカレントミラー回路
 28,29 第2の差動対
 30,31 第3の差動対
 32,33 負荷抵抗
 34 第2の電流源
 35 第3の電流源

 以下に、本発明にかかるミキサの実施例 図面に基づいて詳細に説明する。以下の説 においては、pチャネルMOS(Metal Oxide Semicondu ctor)トランジスおよびnチャネルMOSトランジス タを、それぞれ、PMOSトランジスタおよびNMOS ランジスタとする。なお、この実施例によ この発明が限定されるものではない。

 図1は、本発明の実施例1にかかるミキサ 構成を示す図である。図1に示すように、ミ サ10は、CMOS構造のミキサ回路11と、このミ サ回路11の出力特性の線形範囲を補償する線 形範囲補償回路12を備えている。

 ミキサ回路11は、等価的にIoの電流源とな る第1のPMOSトランジスタ21と、第1の差動対を 成する第2のPMOSトランジスタ22および第3のPM OSトランジスタ23と、第1のカレントミラー回 を構成する第1のNMOSトランジスタ24および第 2のNMOSトランジスタ25と、第2のカレントミラ 回路を構成する第3のNMOSトランジスタ26およ び第4のNMOSトランジスタ27を備えている。ま 、ミキサ回路11は、第2の差動対を構成する 5のNMOSトランジスタ28および第6のNMOSトラン スタ29と、第3の差動対を構成する第7のNMOSト ランジスタ30および第8のNMOSトランジスタ31と 、第1の負荷抵抗32と、第2の負荷抵抗33を備え ている。

 第1のPMOSトランジスタ21のソース端子は、 電源電位VDDが印加される電源ラインに接続さ れている。第1のPMOSトランジスタ21のゲート 子には、バイアス(bias1)が印加される。この イアス(bias1)の値は、第1のPMOSトランジスタ2 1が所望の電流を流すように、適宜、選択さ る。第1のPMOSトランジスタ21のドレイン端子 、第2のPMOSトランジスタ22および第3のPMOSト ンジスタ23の各ソース端子に接続されてい 。

 第2のPMOSトランジスタ22のゲート端子には 、入力信号INが入力する。第2のPMOSトランジ タ22のドレイン端子は、第1のNMOSトランジス 24のドレイン端子に接続されている。第1のN MOSトランジスタ24のゲート端子は、自身のド イン端子に接続されている。第1のNMOSトラ ジスタ24のソース端子は、接地電位VSSが印加 される接地ラインに接続されている。

 第3のPMOSトランジスタ23のゲート端子には 、入力信号INの反転信号(以下、入力反転信号 とする)INXが入力する。第3のPMOSトランジスタ 23のドレイン端子は、第3のNMOSトランジスタ26 のドレイン端子に接続されている。第3のNMOS ランジスタ26のゲート端子は、自身のドレ ン端子に接続されている。第3のNMOSトランジ スタ26のソース端子は、接地ラインに接続さ ている。

 第1の負荷抵抗32および第2の負荷抵抗33の 一端は、電源ラインに接続されている。第1 の負荷抵抗32の他端は、第5のNMOSトランジス 28および第7のNMOSトランジスタ30の各ドレイ 端子に接続されている。第2の負荷抵抗33の 端は、第8のNMOSトランジスタ31および第6のNMO Sトランジスタ29の各ドレイン端子に接続され ている。

 第5のNMOSトランジスタ28および第8のNMOSト ンジスタ31の各ゲート端子には、局発信号Lo が入力する。第6のNMOSトランジスタ29および 7のNMOSトランジスタ30の各ゲート端子には、 発信号Loの反転信号(以下、局発反転信号と る)LoXが入力する。第5のNMOSトランジスタ28 ドレイン端子からは、出力信号OUTが出力さ る。第8のNMOSトランジスタ31のドレイン端子 らは、出力信号OUTの反転信号(以下、出力反 転信号とする)OUTXが出力される。

 第5のNMOSトランジスタ28および第6のNMOSト ンジスタ29の各ソース端子は、第2のNMOSトラ ンジスタ25のドレイン端子に接続されている 第2のNMOSトランジスタ25のゲート端子は、第 1のNMOSトランジスタ24のゲート端子に接続さ ている。第2のNMOSトランジスタ25のソース端 は、接地ラインに接続されている。

 第8のNMOSトランジスタ31および第7のNMOSト ンジスタ30の各ソース端子は、第4のNMOSトラ ンジスタ27のドレイン端子に接続されている 第4のNMOSトランジスタ27のゲート端子は、第 3のNMOSトランジスタ26のゲート端子に接続さ ている。第4のNMOSトランジスタ27のソース端 は、接地ラインに接続されている。

 線形範囲補償回路12は、電流源となる第4 PMOSトランジスタ41および第5のPMOSトランジ タ42と、第3の負荷抵抗43と、第4の負荷抵抗44 と、オペアンプ45を備えている。第3の負荷抵 抗43の一端は、出力信号OUTの信号ラインに接 されている。第4の負荷抵抗44の一端は、出 反転信号OUTXの信号ラインに接続されている 。第3の負荷抵抗43および第4の負荷抵抗44の各 他端は、オペアンプ45の非反転入力端子に共 接続されている。オペアンプ45の反転入力 子には、基準電圧Vrefが印加される。

 オペアンプ45は、その出力端子から、出 信号OUTおよび出力反転信号OUTXの中点電圧と 基準電圧Vrefの差に応じた電圧を出力する。 基準電圧Vrefは、出力信号OUTおよび出力反転 号OUTXの中点電圧が所望の値になるように、 宜、選択される。オペアンプ45の出力端子 、第4のPMOSトランジスタ41および第5のPMOSト ンジスタ42の各ゲート端子に接続されている 。第4のPMOSトランジスタ41および第5のPMOSトラ ンジスタ42の各ソース端子は、電源ラインに 続されている。第4のPMOSトランジスタ41のド レイン端子は、第2のNMOSトランジスタ25のド イン端子に接続されている。

 第5のPMOSトランジスタ42のドレイン端子は 、第4のNMOSトランジスタ27のドレイン端子に 続されている。従って、第4のPMOSトランジス タ41および第5のPMOSトランジスタ42は、それぞ れ、オペアンプ45の出力電圧をバイアスとし その電圧に応じた電流を、第2のNMOSトラン スタ25および第4のNMOSトランジスタ27を流れ 電流の一部として流す。

 次に、図1に示す回路の動作について説明 する。第1のPMOSトランジスタ21が流す電流量 2Ioとし、その半分のIoが第1のNMOSトランジス 24と第3のNMOSトランジスタ26にそれぞれ流れ とする。第1のNMOSトランジスタ24と第2のNMOS ランジスタ25、および第3のNMOSトランジスタ 26と第4のNMOSトランジスタ27は、それぞれカレ ントミラー回路を構成しているので、第2のNM OSトランジスタ25および第4のNMOSトランジスタ 27にもIoの電流が流れる。

 オペアンプ45の出力電圧によって第4のPMOSト ランジスタ41と第5のPMOSトランジスタ42が流す 電流量をIbとすると、第1の負荷抵抗32を流れ 電流量および第2の負荷抵抗33を流れる電流 は、[Io-Ib]となる。第1の負荷抵抗32および第 2の負荷抵抗33の各抵抗値をRとすると、このR よる電圧降下量Vbは、次の(1)式で表される Vbは、電源電位VDDと、出力信号OUTおよび出力 反転信号OUTXの中点電圧との差になる。
 Vb=R・(Io-Ib) ・・・(1)

 差動対を構成する第2のPMOSトランジスタ22お よび第3のPMOSトランジスタ23のトランスコン クタンスgmが高い場合、Ibがゼロであり、Io 最小値Iminとなるときに、出力信号OUTおよび 力反転信号OUTXの中点電圧が最適になるよう に設計する。[Io=Imin]および[Ib=0]であるので、 前記(1)式より、Vbは、次の(2)式で表される。 た、Iminは、次の(3)式で表される。例えば、 Vbが1Vであり、Rが1kωであれば、Iminは1mAとな 。
 Vb=R・(Imin-0)=R・Imin ・・・(2)
 Imin=Vb/R ・・・(3)

 上述したように設計されたミキサにおいて トランスコンダクタンスgmが典型的であり Ioが[1.4×Imin]である場合には、出力信号OUTお び出力反転信号OUTXの中点電圧が最適になる ようにIbが調整される。[Io=1.4×Imin]であるの 、前記(1)式より、Vbは、次の(4)式で表される 。(3)式および(4)式より、Ibは、次の(5)式で表 れる。従って、Vbは、次の(6)式で表される
 Vb=R・(1.4×Imin-Ib) ・・・(4)
 Ib=1.4×Imin-Vb/R=1.4×Imin-Imin=0.4×Imin
 ・・・(5)
 Vb=R・(1.4×Imin-0.4×Imin)=R・Imin ・・・(6)

 また、トランスコンダクタンスgmが低く、Io が[2×Imin]である場合には、出力信号OUTおよび 出力反転信号OUTXの中点電圧が最適になるよ にIbが調整される。[Io=2×Imin]であるので、前 記(1)式より、Vbは、次の(7)式で表される。(3) および(7)式より、Ibは、次の(8)式で表され 。従って、Vbは、次の(9)式で表される。
 Vb=R・(2×Imin-Ib) ・・・(7)
 Ib=2×Imin-Vb/R=2×Imin-Imin=Imin ・・・(8)
 Vb=R・(2×Imin-Imin)=R・Imin ・・・(9)

 このように、トランスコンダクタンスgm ばらついても、第1の負荷抵抗32および第2の 荷抵抗33に[Io-Ib=Imin]の電流が流れるように 線形範囲補償回路12により流れる電流の値Ib 調整される。それによって、Vbは、常に[R・ Imin]の一定値に保たれる。つまり、出力信号O UTおよび出力反転信号OUTXの中点電圧が常に一 定値に保たれる。

 図2~図4に、電源電圧を3Vとし、Vbを1Vとし 基準電圧Vrefを2Vとした場合について、Ioが 適である場合(図2)、トランスコンダクタン gmの補償のためにIoが小さい場合(図3)、およ トランスコンダクタンスgmの補償のためにIo が大きい場合(図3)の出力特性のシミュレーシ ョン結果を示す。これらの図に示すように、 いずれの場合においても、線形範囲補償回路 12により、出力信号OUTおよび出力反転信号OUTX の中点電圧が2Vに調整され、それによって、1 .8Vの広い線形範囲が得られていることがわか る。

 比較のため、図1に示す回路から線形範囲 補償回路12を除いた構成のミキサについて、 様のシミュレーションを行った結果を図5お よび図6に示す。トランジスタのサイズや負 抵抗の抵抗値など、ミキサの電気的特性を めるパラメータは、図1に示すミキサのシミ レーション時と同じである。Ioが最適であ 場合のシミュレーション結果は、図2と同様 あり、1.8Vの線形範囲が得られる。

 それに対して、図5に示すように、トラン スコンダクタンスgmの補償のためにIoが小さ 場合には、出力信号OUTおよび出力反転信号OU TXの中点電圧が2.3Vになり、線形範囲が1.1Vと くなってしまう。また、図6に示すように、 ランスコンダクタンスgmの補償のためにIoが 大きい場合には、出力信号OUTおよび出力反転 信号OUTXの中点電圧が1.5Vになり、線形範囲が1 .0Vとさらに狭くなってしまう。

 図7は、本発明の実施例2にかかるミキサ 構成を示す図である。図7に示すように、実 例2は、ミキサ50のミキサ回路13の構成が実 例1と異なる。以下、実施例1と異なる構成に ついてのみ説明し、実施例1と同様の構成に いては実施例1と同一の符号を付して重複す 説明を省略する。

 ミキサ回路13には、第1のカレントミラー 路(第1のNMOSトランジスタと第2のNMOSトラン スタ)および第2のカレントミラー回路(第3のN MOSトランジスタと第4のNMOSトランジスタ)が設 けられていない。その代わりに、ミキサ回路 13は、第9のNMOSトランジスタ34および第10のNMOS トランジスタ35を電流源として有する。

 第9のNMOSトランジスタ34において、そのド レイン端子およびソース端子は、それぞれ、 第2のPMOSトランジスタ22のドレイン端子およ 接地ラインに接続されている。第9のNMOSトラ ンジスタ34のゲート端子には、バイアス(bias2) が印加される。第10のNMOSトランジスタ35にお て、そのドレイン端子およびソース端子は それぞれ、第3のPMOSトランジスタ23のドレイ ン端子および接地ラインに接続されている。 第9のNMOSトランジスタ34のゲート端子には、 イアス(bias2)が印加される。このバイアス(bia s2)の値は、第9のNMOSトランジスタ34および第10 のNMOSトランジスタ35が所望の電流を流すよう に、適宜、選択される。

 また、第2の差動対を構成する第5のNMOSト ンジスタ28および第6のNMOSトランジスタ29の ソース端子は、第9のNMOSトランジスタ34のド レイン端子に接続されている。第3の差動対 構成する第7のNMOSトランジスタ30および第8の NMOSトランジスタ31の各ソース端子は、第10のN MOSトランジスタ35のドレイン端子に接続され いる。さらに、線形範囲補償回路12の第4のP MOSトランジスタ41のドレイン端子は、第9のNMO Sトランジスタ34のドレイン端子に接続されて いる。線形範囲補償回路12の第5のPMOSトラン スタ42のドレイン端子は、第10のNMOSトランジ スタ35のドレイン端子に接続されている。

 次に、図7に示す回路の動作について説明 する。第1のPMOSトランジスタ21が流す電流量 2Ioとし、その半分のIoが第9のNMOSトランジス 34と第10のNMOSトランジスタ35へそれぞれ流れ るとする。また、第9のNMOSトランジスタ34お び第10のNMOSトランジスタ35が2Ioの電流を流す とする。この場合、第2の差動対(第5のNMOSト ンジスタ28と第6のNMOSトランジスタ29)および 4のPMOSトランジスタ41から第9のNMOSトランジ タ34のドレイン端子へIoの電流が流れる。同 様に、第3の差動対(第7のNMOSトランジスタ30と 第8のNMOSトランジスタ31)および第5のPMOSトラ ジスタ42から第10のNMOSトランジスタ35のドレ ン端子へIoの電流が流れる。

 第4のPMOSトランジスタ41および第5のPMOSト ンジスタ42が流す電流量をIbとすると、第1 負荷抵抗32を流れる電流および第2の負荷抵 33を流れる電流の各値は、実施例1と同様に [Io-Ib]となる。これより、第1の負荷抵抗32お び第2の負荷抵抗33の各抵抗値をRとすると、 前記(1)式が得られる。従って、実施例1と同 に、実施例2においても、トランスコンダク ンスgmが高い場合、典型的である場合およ 低い場合について、前記(2)式~(9)式が成り立 ので、トランスコンダクタンスgmがばらつ ても、出力信号OUTおよび出力反転信号OUTXの 点電圧が常に一定値に保たれる。

 図8は、本発明の実施例3にかかるミキサ 構成を示す図である。図8に示すように、実 例3は、ミキサ60のミキサ回路14および線形 囲補償回路15の構成が実施例1と異なる。以 、実施例1と異なる構成についてのみ説明し 実施例1と同様の構成については実施例1と 一の符号を付して重複する説明を省略する

 ミキサ回路14において、第11のNMOSトラン スタ36と第12のNMOSトランジスタ37が追加され いる。第11のNMOSトランジスタ36のドレイン 子は、第1のカレントミラー回路を構成する 1のNMOSトランジスタ24のドレイン端子に接続 されている。第12のNMOSトランジスタ37のドレ ン端子は、第2のカレントミラー回路を構成 する第3のNMOSトランジスタ26のドレイン端子 接続されている。第11のNMOSトランジスタ36お よび第12のNMOSトランジスタ37の各ゲート端子 、線形範囲補償回路15のオペアンプ45の出力 端子に接続されている。

 従って、第11のNMOSトランジスタ36および 12のNMOSトランジスタ37は、それぞれ、オペア ンプ45の出力電圧をバイアスとし、その電圧 応じた電流を流す。第11のNMOSトランジスタ3 6および第12のNMOSトランジスタ37の各ソース端 子は、接地ラインに接続されている。線形範 囲補償回路15においては、オペアンプ45の非 転入力端子に基準電圧Vrefが印加され、反転 力端子に第3の負荷抵抗43の他端と第4の負荷 抵抗44の他端が共通接続されている。線形範 補償回路15は、第4のPMOSトランジスタおよび 第5のPMOSトランジスタのない構成となってい 。

 次に、図8に示す回路の動作について説明 する。第1のPMOSトランジスタ21が流す電流量 2Ioとし、その半分のIoが第1のNMOSトランジス 24と第3のNMOSトランジスタ26へ向かってそれ れ流れるとする。また、オペアンプ45の出 電圧によって第11のNMOSトランジスタ36と第12 NMOSトランジスタ37が流す電流量をIbとする

 この場合、第2のPMOSトランジスタ22および 第3のPMOSトランジスタ23の各ドレイン端子か 流れるIoの電流のうち、Ibが第11のNMOSトラン スタ36および第12のNMOSトランジスタ37へ流れ ることになる。つまり、第1のNMOSトランジス 24および第3のNMOSトランジスタ26には、[Io-Ib] の電流が流れることになり、それらとカレン トミラー回路を構成する第2のNMOSトランジス 25および第4のNMOSトランジスタ27に流れる電 も[Io-Ib]となる。

 従って、第1の負荷抵抗32を流れる電流お び第2の負荷抵抗33を流れる電流の各値は、 施例1と同様に、[Io-Ib]となる。これより、 1の負荷抵抗32および第2の負荷抵抗33の各抵 値をRとすると、前記(1)式が得られる。従っ 、実施例1と同様に、実施例3においても、 ランスコンダクタンスgmが高い場合、典型的 である場合および低い場合について、前記(2) 式~(9)式が成り立つので、トランスコンダク ンスgmがばらついても、出力信号OUTおよび出 力反転信号OUTXの中点電圧が常に一定値に保 れる。

 図9は、本発明にかかる線形範囲補償回路 をバッファに適用した実施例4の構成を示す である。図9に示すように、バッファ70は、 ッファ回路16と線形範囲補償回路12を備えて る。バッファ回路16の構成は、一部を除い 、実施例1のミキサ回路11の構成と同じであ 。線形範囲補償回路12は、実施例1と同じ構 のものである。以下、実施例1と異なる構成 ついてのみ説明し、実施例1と同様の構成に ついては実施例1と同一の符号を付して重複 る説明を省略する。

 バッファ回路16には、第2の差動対(第5のNM OSトランジスタおよび第6のNMOSトランジスタ) よび第3の差動対(第7のNMOSトランジスタおよ び第8のNMOSトランジスタ)が設けられていない 。その代わりに、バッファ回路16は、第13のNM OSトランジスタ38および第14のNMOSトランジス 39を有する。

 第13のNMOSトランジスタ38において、その レイン端子およびソース端子は、それぞれ 第1の負荷抵抗32の他端および第2のNMOSトラン ジスタ25のドレイン端子に接続されている。 13のNMOSトランジスタ38のドレイン端子から 、出力信号OUTが出力される。第13のNMOSトラ ジスタ38のゲート端子には、バイアス(bias2) 印加される。

 第14のNMOSトランジスタ39において、その レイン端子およびソース端子は、それぞれ 第2の負荷抵抗33の他端および第4のNMOSトラン ジスタ27のドレイン端子に接続されている。 14のNMOSトランジスタ39のドレイン端子から 、出力反転信号OUTXが出力される。第14のNMOS ランジスタ39のゲート端子には、バイアス(b ias2)が印加される。このバイアス(bias2)の値は 、第13のNMOSトランジスタ38および第14のNMOSト ンジスタ39が所望の電流を流すように、適 、選択される。図9に示す回路の動作につい は、実施例1と同じであるので、説明を省略 する。

 実施例1~3によれば、ミキサ回路11,13,14の 力電圧の中点電圧が、広い線形範囲が得ら る場合の中点電圧よりも高いときに、負荷 抗32,33での電圧降下量が大きくなり、線形範 囲が広くなるように、ミキサ回路11,13,14の出 電圧の中点電圧が制御される。また、ミキ 回路11,13,14の出力電圧の中点電圧が、広い 形範囲が得られる場合の中点電圧よりも低 ときに、負荷抵抗32,33での電圧降下量が小さ くなり、線形範囲が広くなるように、ミキサ 回路11,13,14の出力電圧の中点電圧が制御され 。従って、CMOS構造を有し、安価で、広い線 形性を有するミキサ10,50,60が得られるという 果を奏する。実施例4のバッファ70において 同様の効果が得られる。

 例えば、1.8Vの線形範囲を確保できるよう な従来のミキサにおいて、トランスコンダク タンスgmが±30%ばらつくと、トランスコンダ タンスgmを補償するための電流のばらつきに より、線形範囲が1V程度まで劣化してしまう それに対して、実施例によれば、その劣化 ないので、従来に比べて1.8倍程度の線形範 を確保することができる。温度変動を考慮 ると、トランスコンダクタンスgmのばらつ は、±50%倍程度に達するので、さらに効果が 増す。

 また、実施例1によれば、Ioの電流源が等 的に2個あり、Ioの電流源に相当するダイオ ド接続トランジスタが1個あるので、ノイズ 発生量を合計で3Inに抑えることができるとい う効果が得られる。また、実施例2によれば 実施例1よりもトランジスタが2個少なくて済 むという効果が得られる。さらに、実施例3 よれば、実施例1よりも消費電流が少ないと う効果が得られる。

 以上のように、本発明にかかるミキサは OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方 式等の無線通信において用いられる送信装置 または受信装置に有用であり、特に、携帯電 話機に適している。