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Title:
MOLD CLAMPING DEVICE FOR INJECTION MOLDING MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011300
Kind Code:
A1
Abstract:
A mold clamping device is provided for performing mold opening/closing by rotating a ball screw (60) fixed movably to a back platen (20) through a servo motor (40) and performing mold clamping by applying a mold clamping force to a flange-like member (62) integrated with the ball screw by a mold claming ram (50). A movable platen (30) has an operating shaft (31), with a ball nut (61) and a sliding bearing (32) at the distal end of the operation shaft. The flange-like member is arranged at a position against which the mold claming ram abuts only when it advances at the time of mold clamping. The mold claming ram is pressed in the mold opening direction by a push-in means (53). The mold clamping device slides the distal end of the operating shaft of the movable platen in its back platen under a state where the mold claming ram is spaced apart by a predetermined clearance L from the flange-like member when the mold is opened/closed, and presses the flange-like member by the mold claming ram.

Inventors:
FUJIKAWA MISAO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062558
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SODICK PLUSTECH CO LTD (JP)
FUJIKAWA MISAO (JP)
International Classes:
B29C33/22; B22D17/26; B29C45/68
Foreign References:
JPH0771807B21995-08-02
JPH11115009A1999-04-27
JPH04332616A1992-11-19
JPS61237617A1986-10-22
JPS63242618A1988-10-07
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Claims:
 固定プラテン(10)とバックプラテン(20)とそれらの間で移動する可動プラテン(30)とを備え、サーボモータ(40)によって回転駆動される送りねじ機構で型開閉を行い、型締ラム(50)を含む油圧装置で型締めを行う射出成形機の型締装置(1)において;
前記サーボモータと前記型締ラムとが前記バックプラテン側に備えられ、前記送りねじ機構が、前記バックプラテン側で軸支されたボールねじ(60)と前記可動プラテン側で固定されたボールナット(61)とからなって、そのボールねじが、その軸支された位置より型開方向側の位置で回転伝達手段(70)を介して前記サーボモータと結合され、前記可動プラテンが、前記バックプラテン側に向かって突き出した作動軸(31)を備えて、その作動軸の先端に前記ボールナットと滑り軸受(32)とを装着するとともにその中心に前記ボールねじの進入を許容する中空穴(31a)を備え、前記バックプラテンが、前記滑り軸受を摺動支持するガイド穴(20a)を形成した有孔膨出部分(20b)と、前記型締ラムを進退させる型締シリンダ(51)を形成するシリンダ本体部とを備え、その型締シリンダで、回転止め部材(52)が前記型締ラムを回転止めする一方、押し込み手段(53)が型開閉力以上の押し込み力でその型締ラムを押圧して後退させることに加えて、さらに、前記ボールねじが、型締めの際に前進した前記型締ラムと当接する位置に鍔状部材(62)を備え、前記ボールねじを軸支するサポート用軸受(55)を内蔵する軸受保持部材(58)が、前記シリンダ本体部の後端に固定された規制部材(54)の中で移動可能に収容されて;
型開閉のときには、前記押し込み手段の前記型締ラムに対する前記押し込み力によって前記軸受保持部材がその型締ラムに押されてその移動限度位置まで後退して、前記鍔状部材がその型締ラムから所定隙間離隔した位置に保持される一方、型締めのときには、前記型締ラムが前記押し込み力に抗して前進して前記鍔状部材を押圧するとともに前記軸受保持部材から離隔して、その軸受保持部材が前記規制部材の中で負荷を解放されるとともにそのバックプラテンが型締代分だけ後退することを特徴とする射出成形機の型締装置。
 前記鍔状部材と前記型締ラムの当接面の有効直径Dは、前記ボールねじのリードPに対して、その当接面の摩擦係数をμ、そのボールねじの逆効率をηとするときに、略(η/μπ)倍を超える外径に形成されたことを特徴とする請求の範囲第1項記載の射出成形機の型締装置。
 前記型締シリンダが型締側油室(51a)のみを有する単動シリンダによって構成され、前記押し込み手段が前記型締ラムを型開方向に前記押し込み力で押圧して後退させる圧縮ばね(53)によって構成されたことを特徴とする請求の範囲第2項記載の射出成形機の型締装置。
 前記型締シリンダが型締側油室(51a)と反型締側油室(51b)の2油室を有する複動シリンダによって構成され、前記押し込み手段がその反型締側油室に圧油を供給することによって前記型締ラムを型開方向に前記押し込み力で押圧して後退させる油圧装置によって構成されたことを特徴とする請求の範囲第2項記載の射出成形機の型締装置。
 前記型締め装置が、異常時に前記ボールねじの後退を許容する安全装置をさらに含み、該安全装置が、前記軸受保持部材と前記規制部材の間に、それら部材のいずれに対しても摺動する緩衝ピストン(59)を含んで;
該緩衝ピストンの外周と該規制部材の内周に、お互いが組み合わされたときに隙間が生じる段付き部分が形成されるとともに、その段付き部分同士の隙間が油圧作動油を供給される押出油室(59a)を構成して、該押出油室に油圧作動油が供給されることによって該緩衝ピストンが通常前方に押し出され異常時に後退することが許容される一方;
該緩衝ピストンの内周と該軸受保持部材の外周に、お互いが組み合わされたときに該軸受保持部材の後退限度位置を規制する段付き当接部分(59b)が形成されたことを特徴とする請求の範囲第3項又は第4項記載の射出成形機の型締装置。
 前記送りねじ機構が台形ねじあるいは角ねじを含むねじ機構で構成されたことを特徴とする請求の範囲第3項又は第4記載の射出成形機の型締装置。
Description:
射出成形機の型締装置

 本発明は、サーボモータによって電動で 開閉を行い型締ラムによって油圧で型締め 行う、射出成形機の型締装置に関する。

 電動で型開閉し油圧で型締めするハイブ ッド型締装置は、型開閉動作を精密に制御 るとともに型締め動作を強力な型締力によ て行う。このようなハイブリッド型締装置 は、型締力をボールねじに直接負荷させる のと負荷させないものとがある。

 本発明は、前者の型締力をボールねじに 接負荷させる型締装置に関する。そのよう 型締装置には、例えば、特公平7-71807号公報 (特許文献1とする。)によって提唱されたもの がある。その型締装置は、ボールスクリュ( ールねじに相当する。)が可動盤側に固定さ 、それに螺合するボールナットがエンドプ ート(バックプラテンに相当する。)に軸支 れる。

 より詳細には、その型締装置は、そのボ ルナットを固定するとともにエンドプレー に対して移動可能に回転するベアリングリ ーナと、型締め時に型締力を油圧によって 生させる型締ラムと、その型締ラムに形成 れた摩擦クラッチ部とを備えて、型開閉時 前記型締ラムを前記ベアリングリテーナか 離隔させる一方、型締め時にそれらを当接 せるものである。それで、その型締装置は 型締め時に型締力をその摩擦クラッチから アリングリテーナを介して前記ボールスク ュに負荷して、前記ボールスクリュとボー ナットの間で生じる回転を阻止しながら型 めする一方、型開時に、圧油室Aと圧油室C 2油室に適宜に圧油を加えて、その型締ラム ベアリングリテーナとを離隔させた状態で 開閉を行う。

 そのような型締装置によれば、型締め時に ールスクリュとボールナットとの間に発生 る回転トルクが、摩擦クラッチによるブレ キトルクよって阻止されるので、そのボー スクリュとボールナットとの間に負荷され 型締力は、静的な負荷に限定される。それ 、ボールスクリュとボールナットは、動的 荷が負荷される場合に比べて小型化、小径 でき、その寿命も長くなる。

特公平7-71807号公報

 ところで、近時、金型が高精度化するに れて、金型のコアとキャビティの嵌合、あ いはガイドピンやアンギュラピンとそのガ ド孔の嵌合が益々高精度化している。また 成形品の転写面も微細化している。そこで 型締装置の型開閉動作の真直性の高精度化 益々強く要求されるようになってきている

 ところが、上記の型締装置は、その型開 動作の真直性を特に向上させることを意図 たものではない。それは、第一に、細長い ールスクリュが、両端支持とはいえ、それ の支持点の間でタイミングベルトを介して 転駆動されて、軸方向に直交する力を受け からである。第二に、ボールナットが、ベ リングリテーナに軸支されるとともに連結 材を介してプーリに結合された複雑な構成 あるからである。そして、第三に、ボール ットを回転する構成であるからである。

 第一の構成では、曲げ方向に充分な剛性 有しないボールスクリュが、両端支持され 区間の中間位置で上記直交する力(垂直荷重 )を加えられるので、ボールスクリュに曲げ 生じやすい。それで、ボールスクリュには その垂直荷重によるたわみ、すなわち回転 れが発生して、それが可動盤側に直接影響 てその型開閉動作の真直性を損ないやすい もちろん、圧縮状態にあるボールスクリュ 上記垂直荷重が負荷される構成そのものが 本来できるだけ回避されるべき構成である

 また、第二の構成では、タイミングベル によって駆動される回転力がプーリ、連結 材、ボールナット、そしてベアリングリテ ナと複数の部材を経由して伝達されるので それらの部材の剛性や加工精度(例えば同芯 度)が累積して、結果的に予想外の回転振れ 生じやすい。

 また、第三の構成では、ボールナット側 潤滑が不十分になるおそれが大きい。一般 に、ボールナット側を回転させること自体 潤滑油の漏出を招いて好ましくないからで る。

 そこで、本発明は、ボールねじに型締力 作用させるハイブリッド型締装置であって 、上記の問題点を解決した型締装置を提案 ることを目的とする。

 本発明の射出成形機の型締装置は、上記 課題を解決するために、つぎのように構成 れる。

 第1の本発明の射出成形機の型締装置は、固 定プラテンとバックプラテンとそれらの間で 移動する可動プラテンとを備え、サーボモー タによって回転駆動される送りねじ機構で型 開閉を行い、型締ラムを含む油圧装置で型締 めを行う射出成形機の型締装置において;
前記サーボモータと前記型締ラムとが前記バ ックプラテン側に備えられ、前記送りねじ機 構が、前記バックプラテン側で軸支されたボ ールねじと前記可動プラテン側で固定された ボールナットとからなって、そのボールねじ が、その軸支された位置より型開方向側の位 置で回転伝達手段を介して前記サーボモータ と結合され、前記可動プラテンが、前記バッ クプラテン側に向かって突き出した作動軸を 備えて、その作動軸の先端に前記ボールナッ トと滑り軸受とを装着するとともにその中心 に前記ボールねじの進入を許容する中空穴を 備え、前記バックプラテンが、前記滑り軸受 を摺動支持するガイド穴を形成した有孔膨出 部分と、前記型締ラムを進退させる型締シリ ンダを形成するシリンダ本体部とを備え、そ の型締シリンダで、回転止め部材が前記型締 ラムを回転止めする一方、押し込み手段が型 開閉力以上の押し込み力でその型締ラムを押 圧して後退させることに加えて、さらに、前 記ボールねじが、型締めの際に前進した前記 型締ラムと当接する位置に鍔状部材を備え、 前記ボールねじを軸支するサポート用軸受を 内蔵する軸受保持部材が、前記シリンダ本体 部の後端に固定された規制部材の中で移動可 能に収容されて;
型開閉のときには、前記押し込み手段の前記 型締ラムに対する前記押し込み力によって前 記軸受保持部材がその型締ラムに押されてそ の移動限度位置まで後退して、前記鍔状部材 がその型締ラムから所定隙間離隔した位置に 保持される一方、型締めのときには、前記型 締ラムが前記押し込み力に抗して前進して前 記鍔状部材を押圧するとともに前記軸受保持 部材から離隔して、その軸受保持部材が前記 規制部材の中で負荷を解放されるとともにそ のバックプラテンの型締代分だけの後退を許 容するように構成される。

 第2の本発明の射出成形機の型締装置は、 上記第1の型締装置において、前記鍔状部材 前記型締ラムの当接面の当接面の摩擦係数 μ、前記ボールねじの逆効率をηとするとき 、該鍔状部材と該型締ラムの当接面の有効 径Dを、該ボールねじのリードPに対して略( /μπ)倍を超える外径に形成されたものであ ても良い。

 第3の本発明の射出成形機の型締装置は、 上記第2の型締装置において、前記型締シリ ダが型締側油室のみを有する単動シリンダ よって構成され、前記押し込み手段が前記 締ラムを型開方向に前記押し込み力で押圧 て後退させる圧縮ばねによって構成された のであっても良い。

 第4の本発明の射出成形機の型締装置は、 上記第2の型締装置において、前記型締シリ ダが型締側油室と反型締側油室の2油室を有 る複動シリンダによって構成され、前記押 込み手段がその反型締側油室に圧油を供給 ることによって前記型締ラムを型開方向に 記押し込み力で押圧して後退させる油圧装 によって構成されたものであっても良い。

 第5の本発明の射出成形機の型締装置は、上 記第3又は第4の型締装置において、異常時に 記ボールねじの後退を許容する安全装置を らに含み、該安全装置が、前記軸受保持部 と前記規制部材の間に、それら部材のいず に対しても摺動する緩衝ピストンを含んで;
該緩衝ピストンの外周と該規制部材の内周に 、お互いが組み合わされたときに隙間が生じ る段付き部分が形成されるとともに、その段 付き部分同士の隙間が油圧作動油を供給され る押出油室を構成して、該油室に油圧作動油 が供給されることによって該緩衝ピストンが 通常前方に押し出され異常時に後退すること が許容される一方;
該緩衝ピストンの内周と該軸受保持部材の外 周に、お互いが組み合わされたときに該軸受 保持部材の後退限度位置を規制する段付き当 接部分が形成されたものであっても良い。

 第6の本発明の射出成形機の型締装置は、 上記第3又は第4の型締装置において、前記送 ねじ機構が台形ねじあるいは角ねじを含む じ機構で構成されても良い。

 本発明の第1の型締装置によれば、可動プ ラテンの作動軸がバックプラテンのガイド穴 の中で滑り軸受によって常に支持案内される ので、型開閉動作の真直性は高精度になる。 そして、その可動プラテンがタイバーと滑り 軸受の離れた2位置で支持されるので、その 直性は、型閉じ位置、型開位置のいずれで 変わらない。しかも、ガイド穴を有する有 膨出部分、作動軸のいずれも高剛性の部材 あるから、剛性の高い真直性が保証される また、回転伝達手段が軸支箇所より型開方 側に外れた位置に在るので、圧縮荷重を受 ているボールねじ部分に対して直交する力 働くことは全くない。また、その回転伝達 段が、プーリを介するだけの単純構成であ から、部材の剛性欠如や同心度不良等がボ ルねじに想定外に大きな回転振れを与える うなおそれは全くない。また、ボールナッ が回転しない作動軸に固定される構成であ から、潤滑に支障を来すこともない。また 型開閉のときに型締ラムと鍔状部材とが所 隙間離隔する動作が、ばねである押し込み 段の押圧だけによって行われるので、それ の離隔動作のための構成と制御がシンプル なって信頼性が増す。また、型締めのとき 、軸受保持部材が型締ラムから離隔して負 を解放されるから、ボールねじのサポート 軸受に型締力が負担されることは全くない また、型開閉の際に軸受保持部材には型開 力のみが負担されるので、サポート用軸受55 は、型締力に比べて格段に小さい型開閉力に 耐えうるものであれば良い。

 本発明の第2の型締装置によれば、鍔状部 材の有効直径DがボールねじのリードPに対し 所定の比率より大きく構成されるので、型 め時に、型締ラムと鍔状部材の間で発生す ブレーキトルクは、ボールねじで発生する 転トルクを確実に上回る。したがって、ボ ルねじとボールナットとの間に掛かる負荷 、安定した静的負荷になる。

 本発明の第3の型締装置によれば、型締装 置が単動シリンダに、前記押し込み手段が圧 縮ばねに構成されるので、その押し込み手段 の構造が簡単になるとともに油圧制御が単純 になる。

 本発明の第4の型締装置によれば、型締装 置が複動シリンダに構成されて前記押し込み 手段がその反型締側油室として構成されるの で、型締ラムと鍔状部材の離隔動作がばね力 による受動的な動作でなく油圧圧力による能 動的な動作になり、制御が確実になる。また 、ストロークに関係なく一定の押し込み力を 得られる。

 本発明の第5の型締装置によれば、通常の 型開閉時には、前進限度位置に位置する緩衝 ピストンに対して軸受保持部材が後退限度位 置に位置して、サポート用軸受が規制部材に 対してその後退限度位置に保持される一方、 異常時には、軸受保持部材が緩衝ピストンと ともに規制部材に対して後退して、サポート 用軸受が規制部材に対して後退することが許 容される。したがって、異常時にボールねじ のねじ部で衝撃が生じる瞬間にねじ全体の後 退を許容して、その衝撃を緩衝する機能を追 加することができる。

 本発明の第6の型締装置によれば、送りね じ機構のねじ面が台形平面となるので負荷を 受ける面積が増えて耐荷重性が向上する。ま た、動的な型開閉時にねじとナットの間の潤 滑効果が維持される一方、静的な型締め時に それらの間の摩擦が増加する作用効果も奏さ れる。それで、本送りねじ機構で回転トルク がほとんど生じないので、鍔状部材の有効直 径を小さくすることが可能になる。

図1は本発明の型締装置の全体を示す断 面図である。 図2は本発明の型締装置の要部を示す断 面図である。 図3は本発明の型締装置の型開閉状態と 型締め状態を示す断面図であり、中心線より 上側の断面図が型開閉状態を、下側の断面図 が型締め状態を示す。 図4は本発明の別の実施形態に係る型締 装置の要部を示す断面図である。 図5は本発明のさらに別の実施形態に係 る型締装置の要部を示す断面図である。

符号の説明

 1    型締装置
 10   固定プラテン
 20   バックプラテン
 20a  ガイド穴
 20b  有孔膨出部分
 30   可動プラテン
 31   作動軸
 31a  中空穴
 32   滑り軸受
 40   サーボモータ
 50   型締ラム
 51   型締シリンダ(シリンダ本体部)
 51a  型締側油室
 51b  反型締側油室
 52   回転止め部材
 53   押し込み手段(圧縮ばね)
 54   規制部材
 55   サポート用軸受
 58   軸受保持部材
 59   緩衝ピストン
 59a  油室
 59b  段付き当接部分
 60   ボールねじ
 61   ボールナット
 62   鍔状部材
 70   回転伝達手段

 最初に、型締装置の概略が説明される。 1に示されるように、型締装置1は、固定側 型2aを装着する固定プラテン10と、バックプ テン20と、それらの間で可動金型2bを装着し たまま移動する可動プラテン30とを備え、そ 固定プラテンとバックプラテンとがタイバ 3によって締結されている。そして、その可 動プラテンは、サーボモータ40などの電動装 によって型開閉され、型締ラム50を含む油 装置によって型締めされる。型締力による イバー3の伸びは、型締代として後述される うに、バックプラテン20の型開方向(以下後 とする)への移動距離として現れる。

 本発明は、このようなハイブリッド型締 置に採用される構成であり、その要部が図2 とともに説明される。

 本発明の型締装置1では、サーボモータ40 バックプラテン20に固定される。また、型 ラム50を進退させる型締シリンダが、シリン ダ本体部51としてバックプラテン20の後方側 端部分を構成する。そして、型締ラム50が、 そのシリンダ本体部の中で回転止め部材52に って回転止めされるとともに押し込み手段5 3によって型開閉力以上の押し込み力で後方 押圧される。

 送りねじ機構は、バックプラテン側で軸 されたボールねじ60と、前記可動プラテン に固定されたボールナット61とからなる。そ して、そのボールねじは、その軸支された位 置より後方の位置で後述する回転伝達手段70 介してそのサーボモータと結合される一方 型締めの際に前進した型締ラム50が当接す 位置に鍔状部材62を備える。

 可動プラテン30は、バックプラテン側に かって突き出した作動軸31を備え、その作動 軸が、その先端部分にボールナット61と環状 滑り軸受32とを備え、その中心にそのボー ねじの進入を許容する中空穴31aを有する。 の滑り軸受は、いわゆる無給油ブッシュあ いはオイレスベアリングと称される公知の のである。

 バックプラテン20は、その後方側に有孔 出部分20bを含み、その有孔膨出部分20bに作 軸31先端の滑り軸受32を摺動支持するガイド 20aを備える。そして、バックプラテン20は その有孔膨出部分20bの後端に上記の型締シ ンダを形成するシリンダ本体部51を備え、そ のシリンダ本体部の後端にボールねじ60の延 部分60aを移動可能に軸支するための規制部 54を備える。

 本発明の型締装置1の、より具体的な実施 例はつぎのように構成される。

 ボールねじ60の回転伝達手段70は、サーボ モータ側のプーリ71とボールねじ側のプーリ7 2、そしてそれらの間に張り渡されたタイミ グベルト73からなる従来公知のものである。

 ボールねじ60は、ねじ部分より後方に伸 る延長部分60aと、そのねじ部分との境目で る段差部とを備える。そして、その延長部 60aのねじ部分側に、その段差部に当接した 態で鍔状部材62が固定される。それで、型締 ラム50によってその鍔状部材に負荷された型 力は、その段差部からボールねじ本体部に 達される。一方、ボールねじ60は、その延 部分60aの後方側でスラスト負荷に強い従来 知のサポート用軸受55によって軸支されると ともに、その軸支位置よりさらに後方でプー リ72を装着している。プーリ72、サポート用 受55そして鍔状部材62は、適宜長さのスペー スリーブによってそれらの取り付け位置を 定される。そして、それらのプーリや鍔状 材はキー止めされて回転止めされる。

 特に、鍔状部材62は、型締ラム側の端面62 aをその型締ラムの端面に合わせた平面に、 してその背面62bを円錐面に形成されて、そ 中心側の肉厚をより厚肉に構成している。 して、その型締ラム側の端面62aが、半径方 にある程度の幅を有する有孔円盤状に形成 れる。また、鍔状部材62のボールねじ60に嵌 する内孔に形成されるキー溝は、型締ラム 近傍が避けられて、段差部側に配置される いずれも強大な型締力に耐え得るようにす ためである。なお、型締ラム50と当接する 締ラム側端面62aは、平面に形成される代わ に、等間隔に溝加工された凹凸面に加工さ て、より滑りにくい面に形成されても良い

 型締ラム50は、油圧圧力を受けるピスト 部分50aと後方に伸びるロッド部50bとからな 。型締シリンダ51は、例えば図のように、型 締側油室51aのみを有する単動シリンダに構成 され、その型締側油室に、図示省略された作 動油の供給口を連通している。型締ラム50を 転止めする回転止め部材52は、より具体的 はシリンダ本体部51に植設されたピン52であ 、ピストン部分50aに対して摺動する。

 型締ラム50の可動プラテン側端面の外周 は、押し込み手段53に押圧されやすいように 、必要に応じて可動プラテンの外径を拡大す る補助部材56が一体に取り付けられる。そし 、その押し込み手段53が、その補助部材56を 押圧する圧縮ばね53として組み込まれる。圧 ばね53は、有孔膨出部分20bに等間隔で複数 埋設され、その圧縮ばねの発生する押し込 力の合計が、ボールねじ60に掛かる型開力又 は型閉力を上回る程度に、そして、型締力を 下回るように設定される。

 ボールねじ60を移動可能に軸支する構成 、より具体的にはつぎのように構成される すなわち、ボールねじ60を軸支する、公知の サポート用軸受55が軸受保持部材58の中で固 され、その軸受保持部材が規制部材54の中で 移動可能に収容される構成である。軸受保持 部材58は、サポート用軸受55の外輪を2個の部 によって挟持して固定する。規制部材54は 段付き穴が形成された筒部材であり、シリ ダ本体部51に固定されたときにその穴がその シリンダ本体部との間に軸受保持部材58が移 できる空間を形成するように構成される。 お、軸受保持部材58の外周には複数個の浅 溝が潤滑のための油溝として形成されて、 受保持部材58のシリンダ本体部51に対する摺 抵抗の低減が図られる。

 有孔円盤に形成された鍔状部材62の型締ラ 側端面62aの有効直径Dは、その有孔円盤の外 と内径の相加平均として略表せる。この有 直径Dについては、望ましくは、つぎのよう な関係が満たされると良い。すなわち、その 有効直径Dが、ボールねじのリード(ピッチ)P 対して略(η/μπ)倍を超える外径に形成され と良い。
すなわち、
D/P>η/μπ
である。
ここで、摩擦係数μは鍔状部材62と型締ラム50 の当接面での摩擦係数である。逆効率ηは、 線運動を回転運動に変換するときの効率で って、ボールねじのリード角によって決ま 係数である。

 上記の倍率(比)は、概略つぎのように導か る。まず、リードPのボールねじに型締力Fが 負荷されたときにボールナットに発生する回 転トルクT1は、ηを逆効率として、
T1=ηFDP/2πD=ηFP/2π
である。
一方、型締力Fによって鍔状部材62と型締ラム 50の当接面で発生する摩擦トルクT2(ブレーキ ルク)は、摩擦係数μ、有効直径Dとすると、
T2=μFD/2
である。
したがって、摩擦トルクと回転トルクとが一 致するときは、T2=T1のときであるから、
ηFP/2π=μFD/2
となり、結局、
D/P=η/μπ
が導かれる。

 より具体的な値は例えばつぎのような値に る。一般に、焼き入れ鋼材同士の平滑面に ける摩擦係数は、たとえ油膜が付着してい も0.05より小さくならない。また、リード角 3度程度での逆効率は、90%程度である。した って、
D/P=5.73
となる。ねじ外径50mm、リード16mmであれば、 擦面の有効直径Dが92mm程度を超えるものと り充分に現実的な値である。

 このような構成である場合には、型締め に型締ラム50と鍔状部材62の間で発生するブ レーキトルク(上記の摩擦トルクである。)は ボールねじ60とボールナット61の間で発生す る回転トルクを確実に上回る。したがって、 ボールねじ60とボールナット61との間に掛か 負荷は、動的負荷を含まない、安定した静 負荷になり、ボールねじの選定を低い定格 重の小径のボールねじにすることができ、 じ寿命も併せて改善される。

 以上のような構成の型締装置は、図3のよ うに型開閉し、型締めする。なお、図3の中 線より上側の図面が型開閉中の状態を、そ 下側の図面が型締め中の状態をそれぞれ示 ている。

 さきに、図3の上半分の図について補足説 明する。型開閉のとき、押し込み手段53に押 された型締ラム50は、軸受保持部材58を規制 部材54の中で後方に押圧してその後退限度位 に保持する。したがって、そのときの軸受 持部材58と型締シリンダ51の後端壁との間の 隙間Mは、軸受保持部材58の前進可能な移動代 、すなわち規制部材54の軸受保持部材58に対 る後退可能な移動代を示す。また、型締ラ 50と鍔状部材62との間の所定隙間Lは、型締ラ ム50が軸受保持部材58とともに軸受保持部材58 の後退限度位置まで後退したときに現れる隙 間になる。その所定隙間Lは、0.3mmから0.5mm程 あれば充分である。本発明では、この所定 間Lを小さく形成できるので、型締めに切り 換わる時に型締ラム50が鍔状部材62に当接す までの時間を短縮できる。このことは、型 じから型締めへの切り換え動作の高速化に 与する。もちろん、本発明の基本構成であ 、型締圧力の伝達のために機械的な係脱を り換える圧力伝達装置を不要とする構成が その高速化に最も効果的であるが、上記特 も、近時の成形サイクルが極限まで短縮さ る状況下にあっては、重要である。

 つぎに、下半分の図について補足説明す 。バックプラテン20は、型締めのとき、主 してタイバー3の伸びによって型締代の距離 け後方に後退する。その後退は、軸受保持 材58に対する規制部材54の後退代である、距 離Nとして現れる。ここで、距離M>距離Nに 成されるので、バックプラテン20の軸受保持 部材58に対する後退は無理なく許容される。 お、このとき、ボールねじ60や作動軸31もも ちろん僅かに収縮するが、その距離は無視で きる。それで、この型締代Nが通常タイバー 伸び代として代表される。

 しかして、型開閉は、サーボモータ40が ールねじ60を回転制御し、それに螺合するボ ールナット61を移動させて、作動軸31ととも 可動プラテン30を移動させることによって行 われる。このとき、押し込み手段53が型開閉 を上回る押し込み力で型締ラム50を押圧し その型締ラムに押された軸受保持部材58が、 規制部材54の中でその後退限度位置に保持さ る。その結果、その型締ラム50が鍔状部材62 に対して所定隙間L離隔した状態が維持され ので、ボールねじ60は鍔状部材62と干渉する となく回転制御される。

 一方、型締めは、型締力を負荷された型 ラム50が押し込み手段53の押し込み力に抗し て前進し、鍔状部材62を押圧してボールナッ 61と作動軸31とを押圧することによって行わ れる。このとき、型締ラム50と鍔状部材62と 間で発生する摩擦力によるブレーキ力が、 ールねじ60の回転を阻止する。また、型締ラ ム50の前進に伴って軸受保持部材58が型締ラ 50から離隔して、サポート用軸受55に型締負 が負担されることはない。そして、バック ラテン20が、型締力によるタイバー3の伸び 伴って、軸受保持部材58に対して型締代Nに 等しい距離を後退する。

 以上の構成の本発明の型締装置によれば 可動プラテン30の作動軸31がバックプラテン 20の有孔膨出部分20bのガイド穴20aの中で滑り 受32によって支持案内されるので、型開閉 作の真直性は高精度になる。そして、その 動プラテンが、タイバー3と滑り軸受32の離 た2位置の摺動部で支持されるので、その型 閉動作の真直性は型閉じ位置、型開位置の ずれにあっても変わらない。しかも、バッ プラテン20の有孔膨出部分20b、作動軸31のい ずれも高剛性であるから、剛性の高い真直性 が保証される。この高剛性の真直性によって 、例えばガイドピン等での嵌合不良が金型中 心に関して非対称に発生した場合においても 、金型がこじて真直性がさらに悪化するよう なことはない。また、回転伝達手段70による 直荷重が、ボールねじ60の、鍔状部材62やボ ールナット61側の圧縮荷重を受ける部位にか られることはない。また、その回転伝達手 70が、プーリ72を介するだけの単純構成であ るから、部材の剛性欠如や同心度不良等がボ ールねじ60に累積的に回転振れを与えるよう おそれは全くない。また、ボールナット61 、回転しない作動軸31に固定された構成であ るから、潤滑に支障を来すこともない。また 、型開閉のときに型締ラム50と鍔状部材62と 所定隙間L離隔する動作が、ばねである押し み手段53による押圧だけによって行われる で、それらの離隔動作のための構成と制御 シンプルになる。

 もちろん、ボールねじ60を静的負荷に対 る低い定格荷重の小径のボールねじにする ともできる。型締の際に回転止めされた型 ラム50が鍔状部材62を押圧するときに、両者 間に摩擦力によって発生したブレーキトル がそのボールねじに発生する回転トルクを えるからである。

 また、型締の際に、軸受保持部材58が型 ラム50との当接から解放されて規制部材54の で移動可能になることから、型締力がサポ ト用軸受55に負担されることはない。また 型開閉の際に型締ラム50と鍔状部材62が離隔 ているので、サポート用軸受55に掛かる力 型開力あるいは型閉力だけである。したが て、サポート用軸受55は、型締力に比べて格 段に小さい型開閉力に耐えうるものであれば 良い。

 本発明の型締装置は、図4のような実施形 態に構成されても良い。その実施形態は、型 締シリンダ51を、型締側油室51aの反対側に反 締側油室51bを有する複動シリンダとして構 するものである。この場合、上記の押し込 手段53は、その反型締側油室51bに作動油を 給して押し込み力を発生する油圧装置に代 えされる。しかして、型開閉時に反型締側 室51bに圧油が供給されると、型締ラム50が既 述した押し込み力で後方に押圧される。した がって、型締ラム50と鍔状部材62の離隔動作 、圧縮ばねのばね力による受動的な力でな 油圧圧力による能動的な力によって行われ その制御が確実になる。また、押し込み力 ストロークに関わりなく一定になる。また 型開閉時にのみ押し込み力を負荷するよう して、型締力と相殺される分を少なくする ともできる。

 また、別の実施形態では、異常時に、ボ ルねじ60の後退を許容する安全装置を追加 ても良い。ここに、異常時とは、型閉じ動 が不測の原因で阻止されたときを指し、例 ば、型閉じ完了位置の誤設定によって金型 士が衝突して、ボールねじ60とナット61の間 衝撃力が発生する場合である。そのような 合に備えて、安全装置は、例えば図5に示さ れるように構成される。ここで、図5の中心 より上側の図面が型開閉中の状態を、その 側の図面が型締め中の状態を示している。

 その安全装置は、ボールねじ60のサポー 用軸受55を固定する軸受保持部材58と、上記 成ではその軸受保持部材58の移動を規制し いた規制部材54の間において、それら部材の いずれに対しても摺動する緩衝ピストン59を けた構成である。特に、緩衝ピストン59の 周と規制部材54の内周には、お互いが組み合 わされたときに隙間が生じる段付き部分が形 成されて、その段付き部分同士の隙間に油圧 作動油が供給される押出油室59aが画成される 。そして、油室59aの型開閉方向の投影面積が 予めつぎのように形成される。すなわち、緩 衝ピストン59が、所定の作動油圧力の下、通 は前方に押し出される一方、異常時には後 することが許容されるように、上記投影面 と油圧圧力が設定されるのである。また、 衝ピストン59の内周と軸受保持部材58の外周 には、お互いが組み合わされたときに軸受保 持部材58の後退限度位置を規制する段付き当 部分59bが形成される。

 そのような構成によって、通常の型開閉 には、前進限度位置に位置する緩衝ピスト 59に対して軸受保持部材58が後退限度位置に 位置するために、サポート用軸受55が規制部 54に対してその後退限度位置に保持される 方、異常時には、軸受保持部材58が緩衝ピス トン59とともに規制部材54に対して後退する めに、サポート用軸受55が異常時に規制部材 54に対して後退することが許容される。なお その後の型締め時に生じる、型締め力によ 規制部材54の軸受保持部材58に対する後退は 、緩衝ピストン59を含まない構成における後 と同様に許容される。緩衝ピストン59が前 限度位置に、そして軸受保持部材58が後退限 度位置にそれぞれ停止したまま、規制部材54 後退のみが発生するからである。このよう 構成によって、異常時にボールねじ60のね 部で衝撃が生じる瞬間にねじ全体の後退を 容して、その衝撃を緩衝する安全機能を追 することができる。

 また、さらに別の実施形態では、送りね 機構が従来公知の台形ねじあるいは角ねじ 含むねじ機構で構成されても良い。この場 、ボールねじが台形ねじ(図示省略)に、ボ ルナットがそれに螺合するナット(図示省略) に代替えされる。そして、当然ながら、ねじ とナットは、かじらないように異種材料で構 成され、それらの間に潤滑油が充填される。 このようなねじ機構を採用することによって 、ねじ面が台形平面となるので負荷を受ける 面積が増えて耐荷重性が向上する。また、動 的な型開閉時にねじとナットの間の潤滑効果 が維持される一方、静的な型締め時にそれら の間の摩擦が増加する作用効果も奏される。 それで、上記ねじ機構は、鍔状部材の有効直 径を小さくすることも可能にする。

 以上の型締装置の構成は、高精度と高速 を要求する精密プレス機械においても採用 うるものである。型開閉の高精度な真直性 高応答な型締め動作への切り換えを実現で るからである。そして、型締ラムを含む油 装置を、例えば、電磁力による駆動装置、 るいは圧電素子による駆動装置とするとと に上記所定隙間Lを小さくして、より高応答 な型締めへの切り換えを行う装置にすること もできる。




 
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