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Title:
MONOBENZOCHRYSENE DERIVATIVE, ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE MATERIAL CONTAINING THE SAME, AND ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE USING THE ORGANIC ELECTROLUMINESCENT DEVICE MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/066600
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a monobenzochrysene derivative represented by the following general formula (1). (1) (In the formula, R1-R14 independently represent a hydrogen atom or a substituent, and at least one of R1-R14 is a substituted or unsubstituted aryl group not containing an anthracene skeleton or a benzo[g]chrysene skeleton and having 6-50 nuclear carbon atoms or a substituted or unsubstituted heteroaryl group not containing an anthracene skeleton or a benzo[g]chrysene skeleton and having 5-50 nuclear carbon atoms, excluding the case where R8 and R9 are unsubstituted phenyl groups and R1-R7 and R10-R14 are hydrogen atoms and the case where R9 is an unsubstituted phenyl group and R1-R8 and R10-R14 are hydrogen atoms.)

Inventors:
KAWAMURA MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070646
Publication Date:
May 28, 2009
Filing Date:
November 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
IDEMITSU KOSAN CO (JP)
KAWAMURA MASAHIRO (JP)
International Classes:
C07C15/20; C07C13/567; C09K11/06; H01L51/50
Foreign References:
JP2007112729A2007-05-10
JPH07142169A1995-06-02
JP2002231450A2002-08-16
JP2007269736A2007-10-18
Other References:
KRISHNA G. DONGOL, CHEMICAL COMMUNICATIONS, 2002, pages 3060 - 3061, XP008133986
SYNTHESIS, 2001, pages 841 - 844
J. ORG. CHEM., vol. 70, 2005, pages 3511 - 3517
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 96, no. 14, 10 July 1974 (1974-07-10), pages 4617 - 4622
JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 64, January 1942 (1942-01-01), pages 69 - 72
See also references of EP 2213639A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kihei et al. (26 Kanda Suda-cho 1-chome,Chiyoda-k, Tokyo 41, JP)
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Claims:
 下記式(1)で表されるモノベンゾクリセン誘導体。
(式中、R 1 ~R 14 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、
 R 1 ~R 14 の少なくとも1つが、アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない置換もしくは無置換の核炭素数6~50のアリール基、又はアントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない置換もしくは無置換の核炭素数5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、R 8 及びR 9 が無置換のフェニル基であってR 1 ~R 7 及びR 10 ~R 14 が水素原子である場合、及びR 9 が無置換のフェニル基であってR 1 ~R 8 及びR 10 ~R 14 が水素原子である場合を除く。)
 R 1 ~R 14 の少なくとも1つが、アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない置換もしくは無置換の核炭素数6~50のアリール基である請求項1に記載のモノベンゾクリセン誘導体。
 前記核炭素数6~50のアリール基が、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、ベンズアントラニル基、クリセニル基、又はこれらの基が複数結合して形成される置換基である請求項1又は2に記載のモノベンゾクリセン誘導体。
 R 1 ~R 14 の少なくとも1つが、アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない無置換の核炭素数5~50のヘテロアリール基である請求項1~3のいずれかに記載のモノベンゾクリセン誘導体。
 下記式(2)で表される請求項1に記載のモノベンゾクリセン誘導体。
(式中、R a 、R b はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
 pは1~13の整数、rは1~4の整数を表す。
 pが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 rが2以上の場合、複数のR b はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、Ar 1 はアントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない。)
 下記式(3)で表される請求項1に記載のモノベンゾクリセン誘導体。
(式中、R a 、R c はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
 pは1~13の整数、sは1~6の整数を表す。
 pが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 sが2以上の場合、複数のR c はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 2 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、Ar 2 はアントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない。)
 下記式(4)で表される請求項1に記載のモノベンゾクリセン誘導体。
(式中、R a は水素原子または置換基を表す。
 qは1~12の整数を表す。
 qが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 3 及びAr 4 は、それぞれ独立に置換もしくは無置換の核炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の核炭素数5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、Ar 3 及びAr 4 は、アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない。)
 下記式(5)で表される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
(式中、R a は水素原子又は置換基を表す。
 tは1~14の整数を表す。
 tが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
 請求項1~7いずれかに記載のモノベンゾクリセン誘導体を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
 発光材料である請求項8又は9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
 陽極及び陰極と、
 前記陽極及び陰極の間に挟持されている、発光層を含む1以上の有機薄膜層を有し、
 前記有機薄膜層の少なくとも1層が、請求項8又は9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記発光層が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を含有する請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料がホスト材料である請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記発光層がさらに蛍光性ドーパント及びりん光性ドーパントの少なくとも一方を含有する請求項11~13のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記りん光性ドーパントが、Ir,Pt,Os,Au,Cu,Re及びRuからなる群から選択される少なくとも1つの金属及び配位子からなる金属錯体である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
 前記りん光性ドーパントが、520nm~700nmに最大ピーク波長を有する発光スペクトルを示す請求項14又は15に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
Description:
モノベンゾクリセン誘導体、及 それを含む有機エレクトロルミネッセンス 子用材料、並びにそれを用いた有機エレク ロルミネッセンス素子

 本発明は、有機エレクトロルミネッセン 素子用材料として有用な、新規な縮合芳香 誘導体(モノベンゾクリセン誘導体)及びそ を用いた有機エレクトロルミネッセンス素 に関するものである。

 有機エレクトロルミネッセンス素子(以下エ レクトロルミネッセンスをELと略記すること ある)は、電界を印加することにより、陽極 より注入された正孔と陰極より注入された電 子の再結合エネルギーにより発光材料が蛍光 性物質が発光する原理を利用した自発光素子 である。
 有機EL素子の進歩は目覚しく、また、有機EL 素子は、低印加電圧駆動、高輝度、発光波長 の多様性、高速応答性、薄型で軽量な発光デ バイスが作製可能等の特徴を有するため、広 汎な用途への適用が期待されている。

 有機EL素子で使用される発光材料は、素子 発する光の色や発光寿命に大きな影響を与 るため、従来から積極的に研究されている
 発光材料としては、例えば、トリス(8-キノ ノラト)アルミニウム錯体等のキレート錯体 、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエ ン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、 オキサジアゾール誘導体等の発光材料が知ら れている。これらの発光材料により、青色か ら赤色までの可視領域の発光が得られる。

 また、りん光性化合物を発光材料として用 、三重項状態のエネルギーを発光に用いる とが検討されている。例えば、イリジウム 体を発光材料として用いた有機EL素子が、 い発光効率を示すことが知られている。
 また、共役系高分子としてポリフェニレン ニレン(PPV)を用いた有機EL素子が知られてい る。この素子ではPPVを塗工して単層に成膜し て発光を確認している。
 また、特許文献1には有機層として9,10-ジ-(2- ナフチル)アントラセン誘導体を含む層が使 されている。

米国特許第5935721号明細書

 本発明は、有機EL素子用材料として好適 有機材料を提供することを目的とする。

 本発明者は、有機EL素子用材料としてモノ ンゾクリセン誘導体に着目し、鋭意研究を った。その結果、所定の構造を有するモノ ンゾクリセン誘導体が、有機EL素子の長寿命 化、高効率及び低電圧化に有効であることを 見出し、本発明を完成させた。
 本発明によれば、以下のモノベンゾクリセ 誘導体等が提供される。
1.下記式(1)で表されるモノベンゾクリセン誘 体。
(式中、R 1 ~R 14 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し 、
 R 1 ~R 14 の少なくとも1つが、アントラセン骨格及び ンゾ[g]クリセン骨格を含まない置換もしく 無置換の核炭素数6~50のアリール基、又はア トラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を まない置換もしくは無置換の核炭素数5~50の ヘテロアリール基を表す。
 但し、R 8 及びR 9 が無置換のフェニル基であってR 1 ~R 7 及びR 10 ~R 14 が水素原子である場合、及びR 9 が無置換のフェニル基であってR 1 ~R 8 及びR 10 ~R 14 が水素原子である場合を除く。)
2.R 1 ~R 14 の少なくとも1つが、アントラセン骨格及び ンゾ[g]クリセン骨格を含まない置換もしく 無置換の核炭素数6~50のアリール基である1に 記載のモノベンゾクリセン誘導体。
3.前記核炭素数6~50のアリール基が、フェニル 基、ナフチル基、フェナントリル基、トリフ ェニレニル基、ピレニル基、ベンズアントラ ニル基、クリセニル基、又はこれらの基が複 数結合して形成される置換基である1又は2に 載のモノベンゾクリセン誘導体。
4.R 1 ~R 14 の少なくとも1つが、アントラセン骨格及び ンゾ[g]クリセン骨格を含まない無置換の核 素数5~50のヘテロアリール基である1~3のいず かに記載のモノベンゾクリセン誘導体。
5.下記式(2)で表される1に記載のモノベンゾク リセン誘導体。
(式中、R a 、R b はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す 。
 pは1~13の整数、rは1~4の整数を表す。
 pが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 rが2以上の場合、複数のR b はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50のア ール基、又は置換もしくは無置換の核炭素 5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、Ar 1 はアントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨 格を含まない。)
6.下記式(3)で表される1に記載のモノベンゾク リセン誘導体。
(式中、R a 、R c はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す 。
 pは1~13の整数、sは1~6の整数を表す。
 pが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 sが2以上の場合、複数のR c はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 2 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50のア ール基、又は置換もしくは無置換の核炭素 5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、Ar 2 はアントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨 格を含まない。)
7.下記式(4)で表される1に記載のモノベンゾク リセン誘導体。
(式中、R a は水素原子または置換基を表す。
 qは1~12の整数を表す。
 qが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 3 及びAr 4 は、それぞれ独立に置換もしくは無置換の核 炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは 置換の核炭素数5~50のヘテロアリール基を表 。
 但し、Ar 3 及びAr 4 は、アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン 骨格を含まない。)
8.下記式(5)で表される有機エレクトロルミネ センス素子用材料。
(式中、R a は水素原子又は置換基を表す。
 tは1~14の整数を表す。
 tが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
9.1~7いずれかに記載のモノベンゾクリセン誘 体を含む有機エレクトロルミネッセンス素 用材料。
10.発光材料である8又は9に記載の有機エレク ロルミネッセンス素子用材料。
11.陽極及び陰極と、
 前記陽極及び陰極の間に挟持されている、 光層を含む1以上の有機薄膜層を有し、
 前記有機薄膜層の少なくとも1層が、8又は9 記載の有機エレクトロルミネッセンス素子 材料を含有する有機エレクトロルミネッセ ス素子。
12.前記発光層が、前記有機エレクトロルミネ ッセンス素子用材料を含有する11に記載の有 エレクトロルミネッセンス素子。
13.前記有機エレクトロルミネッセンス素子用 材料がホスト材料である12に記載の有機エレ トロルミネッセンス素子。
14.前記発光層がさらに蛍光性ドーパント及び りん光性ドーパントの少なくとも一方を含有 する11~13のいずれかに記載の有機エレクトロ ミネッセンス素子。
15.前記りん光性ドーパントが、Ir,Pt,Os,Au,Cu,Re びRuからなる群から選択される少なくとも1 の金属及び配位子からなる金属錯体である1 4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素 。
16.前記りん光性ドーパントが、520nm~700nmに最 ピーク波長を有する発光スペクトルを示す1 4又は15に記載の有機エレクトロルミネッセン ス素子。

 本発明によれば、有機EL素子用材料として 適なモノベンゾクリセン誘導体を提供する とができる。
 本発明のモノベンゾクリセン誘導体を使用 た有機EL素子は、長寿命及び高効率であり 低電圧駆動が可能である。

本発明の一実施形態である有機EL素子 概略断面図である。

 以下、本発明のモノベンゾクリセン誘導体 具体的に説明する。
 本発明のモノベンゾクリセン誘導体は、下 式(1)で表される化合物である。
(式中、R 1 ~R 14 はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し 、
 R 1 ~R 14 の少なくとも1つが、アントラセン骨格及び ンゾ[g]クリセン骨格を含まない置換もしく 無置換の核炭素数6~50のアリール基、又はア トラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を まない置換もしくは無置換の核炭素数5~50の ヘテロアリール基を表す。
 但し、R 8 及びR 9 が無置換のフェニル基であってR 1 ~R 7 及びR 10 ~R 14 が水素原子である場合、及びR 9 が無置換のフェニル基であってR 1 ~R 8 及びR 10 ~R 14 が水素原子である場合を除く。)

 式(1)で表される化合物において、R 1 ~R 14 が表す置換基の例としては、アルキル基(好 しくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~12 、特に好ましくは炭素数1~8であり、例えばメ チル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、n- クチル、n-デシル、n-ヘキサデシル、シクロ ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル が挙げられる。)、アルケニル基(好ましく 炭素数2~20、より好ましくは炭素数2~12、特に 好ましくは炭素数2~8であり、例えばビニル、 アリル、2-ブテニル、3-ペンテニル等が挙げ れる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~2 0、より好ましくは炭素数2~12、特に好ましく 炭素数2~8であり、例えばプロパルニル、3- ンチニル等が挙げられる。)、置換又は無置 のアリール基(好ましくは炭素数6~20、より ましくは炭素数6~14、例えば、フェニル、ナ チル、フェナントリル、フルオレニル、ビ ェニル、ナフチルフェニル等が挙げられる )、置換又は無置換のアミノ基(好ましくは 素数0~20、より好ましくは炭素数0~12、特に好 ましくは炭素数0~6であり、例えばアミノ、メ チルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミ ノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等 が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは 素数1~20、より好ましくは炭素数1~12、特に ましくは炭素数1~8であり、例えばメトキシ エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、ア ールオキシ基(好ましくは炭素数6~20、より ましくは炭素数6~16、特に好ましくは炭素数6 ~12であり、例えばフェニルオキシ、2-ナフチ オキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ま くは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~16、 特に好ましくは炭素数1~12であり、例えばア チル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基( 好ましくは炭素数2~20、より好ましくは炭素 2~16、特に好ましくは炭素数2~12であり、例え ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル 等が挙げられる。)、アリールオキシカルボ ル基(好ましくは炭素数7~20、より好ましくは 炭素数7~16、特に好ましくは炭素数7~10であり 例えばフェニルオキシカルボニル等が挙げ れる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素 2~20、より好ましくは炭素数2~16、特に好まし くは炭素数2~10であり、例えばアセトキシ、 ンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシル ミノ基(好ましくは炭素数2~20、より好まし は炭素数2~16、特に好ましくは炭素数2~10であ り、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミ ノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニ アミノ基(好ましくは炭素数2~20、より好まし くは炭素数2~16、特に好ましくは炭素数2~12で り、例えばメトキシカルボニルアミノ等が げられる。)、アリールオキシカルボニルア ミノ基(好ましくは炭素数7~20、より好ましく 炭素数7~16、特に好ましくは炭素数7~12であ 、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ が挙げられる。)、置換又は無置換のスルホ ルアミノ基(好ましくは炭素数1~20、より好 しくは炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12 であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベ ンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。) 置換又は無置換のスルファモイル基(好まし は炭素数0~20、より好ましくは炭素数0~16、 に好ましくは炭素数0~12であり、例えばスル ァモイル、メチルスルファモイル、ジメチ スルファモイル、フェニルスルファモイル が挙げられる。)、置換又は無置換のカルバ モイル基(好ましくは炭素数1~20、より好まし は炭素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12で り、例えばカルバモイル、メチルカルバモ ル、ジエチルカルバモイル、フェニルカル モイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基( 好ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素 1~16、特に好ましくは炭素数1~12であり、例え ばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。 )、アリールチオ基(好ましくは炭素数6~20、よ り好ましくは炭素数6~16、特に好ましくは炭 数6~12であり、例えばフェニルチオ等が挙げ れる。)、置換又は無置換のスルホニル基( ましくは炭素数1~20、より好ましくは炭素数1 ~16、特に好ましくは炭素数1~12であり、例え メシル、トシル等が挙げられる。)、置換又 無置換のスルフィニル基(好ましくは炭素数 1~20、より好ましくは炭素数1~16、特に好まし は炭素数1~12であり、例えばメタンスルフィ ニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる 。)、置換又は無置換のウレイド基(好ましく 炭素数1~20、より好ましくは炭素数1~16、特 好ましくは炭素数1~12であり、例えばウレイ 、メチルウレイド、フェニルウレイド等が げられる。)、置換又は無置換のリン酸アミ ド基(好ましくは炭素数1~20、より好ましくは 素数1~16、特に好ましくは炭素数1~12であり 例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリ 酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基 メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素 原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、 アノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニト 基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒ ラジノ基、イミノ基、置換又は無置換のヘ ロ環基(好ましくは炭素数1~30、より好ましく は炭素数1~12であり、ヘテロ原子としては、 えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含む のであり具体的には例えばイミダゾリル、 リジル、キノリル、フリル、チエニル、ピ リジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、 ルバゾリル等が挙げられる。)、シリル基(好 ましくは炭素数3~40、より好ましくは炭素数3~ 30、特に好ましくは炭素数3~24であり、例えば トリメチルシリル、トリフェニルシリル等が 挙げられる。)等が挙げられる。これらの置 基はさらに置換されてもよい。また置換基 二つ以上ある場合は、同一でも異なってい もよい。また、可能な場合には互いに連結 て環を形成していてもよい。

 式(1)で表される化合物において、R 1 ~R 14 の少なくとも1つは、アントラセン骨格及び ンゾ[g]クリセン骨格を含まない置換もしく 無置換の核炭素数6~50(好ましくは6~20、より ましくは6~14)のアリール基、又はアントラセ ン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨格を含まない 置換もしくは無置換の核炭素数5~50(好ましく 5~20)のヘテロアリール基を表す。ここで、 置換もしくは無置換の」と記載されている 記基が置換されている場合にそれらの基が する置換基は、前記式(1)におけるR 1 ~R 14 が表す置換基の例と同様の基が挙げられる。 以下、式(2)~(5)の化合物においても同様であ 。

 アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨 を含まない置換もしくは無置換の核炭素数6 ~50のアリール基の例としては、フェニル基、 1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントリル基 、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナ ントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナ トリル基、4-フェナントリル基、9-フェナン リル基、1-ナフタセニル基、2-ナフタセニル 基、9-ナフタセニル基、1-ピレニル基、2-ピレ ニル基、4-ピレニル基、2-ビフェニルイル基 3-ビフェニルイル基、4-ビフェニルイル基、p -テルフェニル-4-イル基、p-テルフェニル-3-イ ル基、p-テルフェニル-2-イル基、m-テルフェ ル-4-イル基、m-テルフェニル-3-イル基、m-テ フェニル-2-イル基、o-トリル基、m-トリル基 、p-トリル基、p-t-ブチルフェニル基、p-(2-フ ニルプロピル)フェニル基、3-メチル-2-ナフ ル基、4-メチル-1-ナフチル基、4-メチル-1-ア ントリル基、4’-メチルビフェニルイル基、4 ”-t-ブチル-p-テルフェニル4-イル基、トリフ ニレニル基、ベンズアントラニル基及びク セニル基が挙げられ、好ましくはフェニル 、ナフチル基、フェナントリル基、トリフ ニレニル基、ピレニル基、ベンズアントラ ル基、クリセニル基、フェニル-1-ナフチル 、フェニル-2-ナフチル基、ナフチル-1-ナフ ル基、ナフチル-2-ナフチル基又はこれらの が複数結合して形成される置換基である。
 但し、例示した上記基が置換されている場 に、その置換基にはアントラセン骨格及び ンゾ[g]クリセン骨格を含まない。

 アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨 を含まない置換もしくは無置換の核炭素数5 ~50のヘテロアリール基の例としては、イミダ ゾリル基、ピリジル基、キノリル基、ピペリ ジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル 基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリ ル基、カルバゾリル基、及びフラン環、チオ フェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェ ン環、ジベンゾフラン環及びジベンゾチオフ ェン環から誘導される1価の基が挙げられ、 ましくはベンゾチオフェン環、ジベンゾフ ン環及びジベンゾチオフェン環から誘導さ る1価の基である。
 但し、例示した上記基が置換されている場 に、その置換基にはアントラセン骨格及び ンゾ[g]クリセン骨格を含まない。

 本発明のモノベンゾクリセン誘導体は、好 しくは下記式(2)~(5)で表される化合物である 。
(式中、R a 、R b はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す 。
 pは1~13の整数、rは1~4の整数を表す。
 pが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 rが2以上の場合、複数のR b はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 1 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50のア ール基、又は置換もしくは無置換の核炭素 5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、Ar 1 はアントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨 格を含まない。)

(式中、R a 、R c はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す 。
 pは1~13の整数、sは1~6の整数を表す。
 pが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 sが2以上の場合、複数のR c はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 2 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~50のア ール基、又は置換もしくは無置換の核炭素 5~50のヘテロアリール基を表す。
 但し、Ar 2 はアントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン骨 格を含まない。)

(式中、R a は水素原子または置換基を表す。
 qは1~12の整数を表す。
 qが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
 Ar 3 及びAr 4 は、それぞれ独立に置換もしくは無置換の核 炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは 置換の核炭素数5~50のヘテロアリール基を表 。
 但し、Ar 3 及びAr 4 は、アントラセン骨格及びベンゾ[g]クリセン 骨格を含まない。)

(式中、R a は水素原子又は置換基を表す。
 tは1~14の整数を表す。
 tが2以上の場合、複数のR a はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)

 尚、上記式(2)において、ベンゾクリセン骨 とベンゼン骨格を結ぶ単結合の結合位置は ベンゾクリセン骨格が有する14の結合位置 いずれでもよい。
 R a の結合位置は、ベンゾクリセン骨格が有する 14の結合位置のいずれでもよく、R b の結合位置は、ベンゼン骨格が有する6の結 位置のいずれでもよい。
 Ar 1 の結合位置は、ベンゼン骨格が有する6の結 位置のいずれでもよい。
 このことは、式(3)~(5)についても同様である 。

 式(2)~(5)で表される化合物において、R a 、R b 及びR c が表す置換基、及びAr 2 、Ar 3 及びAr 4 が表す置換もしくは無置換の核炭素数6~50の リール基、又は置換もしくは無置換の核炭 数5~50のヘテロアリール基は、上記式(1)と同 である。

 本発明のモノベンゾクリセン誘導体の具体 を以下に示す。

 本発明のモノベンゾクリセン誘導体は、例 ば、下記文献を参考にしてベンゾ[g]クリセ を合成し、さらにハロゲン化してハロゲン ベンゾ[g]クリセンを調製し、さらにボロン 化合物と反応させることにより調製するこ ができる。
「Synthesis 2001, No.6, 841-844」
「J. Org. Chem. 2005, 70, 3511-3517」
「Journal of the American Chemical Society, 96:14, J uly 10, 1974, 4617-4622」
「Journal of the American Chemical Society, Jan, 194 2, Vol.64, 69-72」

 尚、ベンゾ[g]クリセンとは、下記化合物で る。

 本発明のモノベンゾクリセン誘導体は、 機EL素子用材料、特に、その発光材料とし 好適に使用できる。

 本発明の有機EL素子は、陽極及び陰極と 陽極及び陰極の間に挟持されている、発光 を含む1以上の有機薄膜層とを有し、有機薄 層の少なくとも一層が、上述した本発明の 合物を含有する。

 本発明の有機EL素子の代表的な構成として
  (1)陽極/発光層/陰極
  (2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
  (3)陽極/発光層/電子注入層/陰極
  (4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰
  (5)陽極/有機半導体層/発光層/陰極
  (6)陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/ 極
  (7)陽極/有機半導体層/発光層/付着改善層/ 極
  (8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電 注入層/陰極
  (9)陽極/絶縁層/発光層/絶縁層/陰極
  (10)陽極/無機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁 層/陰極
  (11)陽極/有機半導体層/絶縁層/発光層/絶縁 層/陰極
  (12)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発 光層/絶縁層/陰極
  (13)陽極/絶縁層/正孔注入層/正孔輸送層/発 光層/電子注入層/陰極
等を挙げることができるが、これらに限定さ れない。これらの中で通常(8)の構成が好まし く用いられる。

 図1に(8)の構成を示す。この有機EL素子は 陽極10及び陰極20と、その間に挟持されてい る、正孔注入層30、正孔輸送層32、発光層34、 電子注入層36からなる。正孔注入層30、正孔 送層32、発光層34、電子注入層36が、複数の 機薄膜層に相当する。これら有機薄膜層30,32 ,34,36の少なくとも一層が、本発明の化合物を 含有する。

 本発明の有機EL素子において、本発明の化 物は、上記のどの有機薄膜層に用いられて よいが、発光層に使用することが好ましい 本発明の化合物は、各有機薄膜層において 単独で使用してもよく、他の化合物と混合 て使用してもよい。本発明の素子では、発 層が、ホスト材料として本発明の化合物を 有し、蛍光性ドーパント及びりん光性ドー ントの少なくとも1つを含有することが好ま い。
 本発明において、発光層は実質的に本発明 化合物及び上記ドーパントからなることが ましい。
 尚、有機薄膜層に占める本発明の化合物の 有量は、好ましくは30~100モル%である。

 以下有機EL素子の各部材について説明する
 有機EL素子は、通常基板上に作製し、基板 有機EL素子を支持する。平滑な基板を用いる のが好ましい。この基板を通して光を取り出 すときは、基板は透光性であり、波長400~700nm の可視領域の光の透過率が50%以上であるもの が望ましい。
 このような透光性基板としては、例えば、 ラス板、合成樹脂板等が好適に用いられる ガラス板としては、ソーダ石灰ガラス、バ ウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラ 、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラ 、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等の板 挙げられる。また、合成樹脂板としては、 リカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリ チレンテレフタレート樹脂、ポリエーテル ルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂等の板が げられる。

 陽極は、正孔を正孔注入層、正孔輸送層又 発光層に注入し、4.5eV以上の仕事関数を有 ることが効果的である。陽極材料の具体例 しては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジ ウムと酸化亜鉛の混合物、ITOと酸化セリウム の混合物(ITCO)、酸化インジウムと酸化亜鉛の 混合物と酸化セリウムの混合物(IZCO)、酸化イ ンジウムと酸化セリウムの混合物(ICO)、酸化 鉛と酸化アルミニウムの混合物(AZO)、酸化 (NESA)、金、銀、白金、銅等が挙げられる。
 陽極はこれらの電極物質から蒸着法やスパ タリング法等で形成できる。
 発光層からの発光を陽極から取り出す場合 陽極の発光に対する透過率を10%より大きく ることが好ましい。また陽極のシート抵抗 、数百ω/□以下が好ましい。陽極の膜厚は 料にもよるが、通常10nm~1μm、好ましくは10~2 00nmである。

 発光層は、以下の機能を有する。
(i)注入機能;電界印加時に陽極又は正孔注入 より正孔を注入することができ、陰極又は 子注入層より電子を注入することができる 能
(ii)輸送機能;注入した電荷(電子と正孔)を電 の力で移動させる機能
(iii)発光機能;電子と正孔を再結合させ、これ を発光につなげる機能

 発光層を形成する方法としては、例えば蒸 法、スピンコート法、LB法等の公知の方法 適用することができる。発光層は、特に分 堆積膜であることが好ましい。分子堆積膜 は、気相状態の材料化合物を沈着して形成 た膜や、溶液状態又は液相状態の材料化合 を固体化して形成した膜のことであり、通 この分子堆積膜は、LB法により形成された薄 膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相 や、それに起因する機能的な相違により区 することができる。
 また樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤 溶かして溶液とした後、これをスピンコー 法等により薄膜化することによっても、発 層を形成することができる。

 上述したように、発光層は、好ましくは 発明の化合物をホスト材料として含有する 発光層は、本発明の化合物のほかに、下記 スト材料をさらに含有することができる。

 発光層に使用できるホスト材料の具体例と ては、下記(i)~(ix)で表される化合物が挙げ れる。
 下記式(i)で表される非対称アントラセン。
(式中、Ar 001 は置換もしくは無置換の核炭素数10~50(好まし くは10~30、より好ましくは10~20)の縮合芳香族 である。
 Ar 002 は置換もしくは無置換の核炭素数6~50(好まし は6~20、より好ましくは6~14)の芳香族基であ 。
 X 001 ~X 003 は、それぞれ独立に置換もしくは無置換の核 炭素数6~50(好ましくは6~20、より好ましくは6~1 4)の芳香族基、置換もしくは無置換の核原子 5~50(好ましくは5~20)の芳香族複素環基、置換 もしくは無置換の炭素数1~50(好ましくは1~20、 より好ましくは1~12、特に好ましくは1~8)のア キル基、置換もしくは無置換の炭素数1~50( ましくは1~20、より好ましくは1~12、特に好ま しくは1~8)のアルコキシ基、置換もしくは無 換の炭素数6~50(好ましくは6~20、より好まし は6~14)のアラルキル基、置換もしくは無置換 の核原子数5~50(好ましくは5~20)のアリールオ シ基、置換もしくは無置換の核原子数5~50(好 ましくは5~20)のアリールチオ基、置換もしく 無置換の炭素数1~50(好ましくは1~20、より好 しくは1~12、特に好ましくは1~8)のアルコキ カルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン 子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基で る。
 a、b及びcは、それぞれ0~4の整数である。
 nは1~3の整数である。また、nが2以上の場合 複数の繰り返し単位([ ])内の基は、同じで 異なっていてもよい。)
 「置換もしくは無置換の」と記載されてい 上記基が置換されている場合にそれらの基 有する置換基は、前記式(1)におけるR 1 ~R 14 が表す置換基の例と同様の基が挙げられる。 以下の化合物においても同様である。

 下記式(ii)で表される非対称モノアントラセ ン誘導体。
(式中、Ar 003 及びAr 004 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数6~50(好ましくは6~20、より好ましくは 6~14)の芳香族環基であり、
 m及びnは、それぞれ1~4の整数である。
 ただし、m=n=1でかつAr 003 とAr 004 のベンゼン環への結合位置が左右対称型の場 合には、Ar 003 とAr 004 は同一ではなく、m又はnが2~4の整数の場合に mとnは異なる整数である。
 R 001 ~R 010 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしく は無置換の核炭素数6~50(好ましくは6~20、より 好ましくは6~14)の芳香族環基、置換もしくは 置換の核原子数5~50(好ましくは5~20)の芳香族 複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1~50( ましくは1~20、より好ましくは1~12、特に好 しくは1~8)のアルキル基、置換もしくは無置 のシクロアルキル基、置換もしくは無置換 炭素数1~50(好ましくは1~20、より好ましくは1 ~12、特に好ましくは1~8)のアルコキシ基、置 もしくは無置換の炭素数6~50(好ましくは6~20 より好ましくは6~14)のアラルキル基、置換も しくは無置換の核原子数5~50(好ましくは5~20) アリールオキシ基、置換もしくは無置換の 原子数5~50(好ましくは5~20)のアリールチオ基 置換もしくは無置換の炭素数1~50(好ましく 1~20、より好ましくは1~12、特に好ましくは1~8 )のアルコキシカルボニル基、置換もしくは 置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲ 原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基 ある。)

 下記式(iii)で表される非対称ピレン誘導体
[式中、Ar 005 及びAr 006 は、それぞれ置換もしくは無置換の核炭素数 6~50(好ましくは6~20、より好ましくは6~14)の芳 族基である。
 L 001 及びL 002 は、それぞれ置換もしくは無置換のフェニレ ン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン 基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基 又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレ ン基である。
 mは0~2の整数、nは1~4の整数、sは0~2の整数、t は0~4の整数である。
 また、L 001 又はAr 005 は、ピレンの1~5位のいずれかに結合し、L 002 又はAr 006 は、ピレンの6~10位のいずれかに結合する。 だし、n+tが偶数の時、Ar 005 ,Ar 006 ,L 001 ,L 002 は下記(1)又は(2)を満たす。
(1) Ar 005 ≠Ar 006 及び/又はL 001 ≠L 002 (ここで≠は、異なる構造の基であることを す。)
(2) Ar 005 =Ar 006 かつL 001 =L 002 の時
 (2-1) m≠s及び/又はn≠t、又は
 (2-2) m=sかつn=tの時、
   (2-2-1) L 001 及びL 002 、又はピレンが、それぞれAr 005 及びAr 006 上の異なる結合位置に結合しているか、(2-2-2 ) L 001 及びL 002 、又はピレンが、Ar 005 及びAr 006 上の同じ結合位置で結合している場合、L 001 及びL 002 又はAr 005 及びAr 006 のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2 位と7位である場合はない。]

 下記式(iv)で表される非対称アントラセン誘 導体。
(式中、A 001 及びA 002 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の 核炭素数10~20の縮合芳香族環基である。
 Ar 007 及びAr 008 は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換も しくは無置換の核炭素数6~50(好ましくは6~20、 より好ましくは6~14)の芳香族環基である。
 R 011 ~R 020 は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしく は無置換の核炭素数6~50(好ましくは6~20、より 好ましくは6~14)の芳香族環基、置換もしくは 置換の核原子数5~50(好ましくは5~20)の芳香族 複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1~50( ましくは1~20、より好ましくは1~12、特に好 しくは1~8)のアルキル基、置換もしくは無置 のシクロアルキル基、置換もしくは無置換 炭素数1~50(好ましくは1~20、より好ましくは1 ~12、特に好ましくは1~8)のアルコキシ基、置 もしくは無置換の炭素数6~50(好ましくは6~20 より好ましくは6~14)のアラルキル基、置換も しくは無置換の核原子数5~50(好ましくは5~20) アリールオキシ基、置換もしくは無置換の 原子数5~50(好ましくは5~20)のアリールチオ基 置換もしくは無置換の炭素数1~50(好ましく 1~20、より好ましくは1~12、特に好ましくは1~8 )のアルコキシカルボニル基、置換もしくは 置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲ 原子、シアノ基、ニトロ基又はヒドロキシ である。
 Ar 007 、Ar 008 、R 019 及びR 020 は、それぞれ複数であってもよく、隣接する もの同士で飽和もしくは不飽和の環状構造を 形成していてもよい。
 ただし、式(iv)において、中心のアントラセ ンの9位及び10位に、該アントラセン上に示す X-Y軸に対して対称型となる基が結合する場合 はない。)

 下記式(v)で表されるアントラセン誘導体。
(式中、R 021 ~R 030 は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シ ロアルキル基,置換してもよいアリール基, ルコキシル基,アリーロキシ基,アルキルアミ ノ基,アルケニル基,アリールアミノ基又は置 してもよい複素環式基を示し、
 a及びbは、それぞれ1~5の整数を示し、それ が2以上の場合、R 021 同士又はR 022 同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっ ていてもよく、また、R 021 同士又はR 022 同士が結合して環を形成していてもよいし、 R 023 とR 024 ,R 025 とR 026 ,R 027 とR 028 ,R 029 とR 030 がたがいに結合して環を形成していてもよい 。
 L 003 は単結合、-O-,-S-,-N(R)-(Rはアルキル基又は置 してもよいアリール基である)、アルキレン 又はアリーレン基を示す。)

 下記式(vi)で表されるアントラセン誘導体。
(式中、R 031 ~R 040 は、それぞれ独立に水素原子,アルキル基,シ ロアルキル基,アリール基,アルコキシル基, リーロキシ基,アルキルアミノ基,アリール ミノ基又は置換してもよい複数環式基を示 、
 c,d,e及びfは、それぞれ1~5の整数を示し、そ らが2以上の場合、R 031 同士,R 032 同士,R 036 同士又はR 037 同士は、それぞれにおいて、同一でも異なっ ていてもよく、またR 031 同士,R 032 同士,R 036 同士又はR 037 同士が結合して環を形成していてもよいし、 R 033 とR 034 ,R 038 とR 039 がたがいに結合して環を形成していてもよい 。
 L 004 は単結合、-O-,-S-,-N(R)-(Rはアルキル基又は置 してもよいアリール基である)、アルキレン 又はアリーレン基を示す。)

 下記式(vii)で表されるスピロフルオレン誘 体。
(式中、A 005 ~A 008 は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の ビフェニリル基又は置換もしくは無置換のナ フチル基である。)

 下記式(viii)で表される縮合環含有化合物。
(式中、A 011 ~A 013 はそれぞれ独立に、置換もしくは無置換の核 炭素数6~50(好ましくは6~20、より好ましくは6~1 4)のアリーレン基である。
 A 014 ~A 016 はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換もし くは無置換の核炭素数6~50(好ましくは6~20、よ り好ましくは6~14)のアリール基である。
 R 041 ~R 043 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の アルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、 炭素数1~6のアルコキシル基、炭素数5~18のア ールオキシ基、炭素数7~18のアラルキルオキ 基、炭素数5~16のアリールアミノ基、ニトロ 基、シアノ基、炭素数1~6のエステル基又はハ ロゲン原子を示し、A 011 ~A 016 のうち少なくとも1つは3環以上の縮合芳香族 を有する基である。)

 下記式(ix)で表されるフルオレン化合物。
(式中、R 051 及びR 052 は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキ ル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、 置換あるいは無置換のアリール基,置換ある は無置換の複素環基、置換アミノ基、シア 基またはハロゲン原子を表わす。
 nは、1乃至10の整数を表す。nが2以上の場合 異なるフルオレン基に結合するR 051 同士、R 052 同士は、同じであっても異なっていてもよく 、同じフルオレン基に結合するR 051 及びR 052 は、同じであっても異なっていてもよい。
 R 053 及びR 054 は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキ ル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、 置換あるいは無置換のアリール基または置換 あるいは無置換の複素環基を表わす。nが2以 の場合、異なるフルオレン基に結合するR 053 同士、R 054 同士は、同じであっても異なっていてもよく 、同じフルオレン基に結合するR 053 及びR 054 は、同じであっても異なっていてもよい。
 Ar 011 及びAr 012 は、ベンゼン環の合計が3個以上の置換ある は無置換の縮合多環芳香族基またはベンゼ 環と複素環の合計が3個以上の置換あるいは 置換の炭素でフルオレン基に結合する縮合 環複素環基を表わし、Ar 011 及びAr 012 は、同じであっても異なっていてもよい。)

 本発明の有機EL素子においては、発光層 、本発明の化合物をホストとして含み、さ に、りん光性ドーパント及び蛍光性ドーパ トの少なくとも一方を含有していることが ましい。また、本発明の化合物を含む発光 に、これらのドーパントを含む発光層を積 してもよい。

 りん光性ドーパントは三重項励起子から発 することのできる化合物である。三重項励 子から発光する限り特に限定されないが、I r、Au、Cu、Ru、Pd、Pt、Os及びReからなる群から 選択される少なくとも一つの金属を含む金属 錯体であることが好ましく、ポルフィリン金 属錯体又はオルトメタル化金属錯体が好まし い。りん光性化合物は単独で使用してもよい し、2種以上を併用してもよい。
 また、上記りん光性ドーパントは、好まし は520nm~700nmに最大ピーク波長を有する発光 ペクトルを示す。

 ポルフィリン金属錯体としては、ポルフィ ン白金錯体が好ましい。
 オルトメタル化金属錯体を形成する配位子 しては種々のものがあるが、好ましい配位 としては、フェニルピリジン骨格、ビピリ ル骨格又はフェナントロリン骨格を有する 合物、又は2-フェニルピリジン誘導体、7,8- ンゾキノリン誘導体、2-(2-チエニル)ピリジ 誘導体、2-(1-ナフチル)ピリジン誘導体、2- ェニルキノリン誘導体等が挙げられる。こ らの配位子は必要に応じて置換基を有して よい。特に、フッ素化物、トリフルオロメ ル基を導入したものが、青色系ドーパント しては好ましい。さらに補助配位子として セチルアセトナート、ピクリン酸等の上記 位子以外の配位子を有していてもよい。

 りん光性ドーパントの具体例を以下に示す

 りん光性ドーパントの発光層における含 量としては、特に制限はなく、目的に応じ 適宜選択することができるが、例えば、0.1~ 70質量%であり、1~30(好ましくは1~12)質量%が好 しい。りん光性化合物の含有量が0.1質量%未 満では発光が微弱でありその含有効果が十分 に発揮されないおそれがあり、70質量%を超え る場合は、濃度消光と言われる現象が顕著に なり素子性能が低下するおそれがある。

 蛍光性ドーパントとしては、アミン系化 物、芳香族化合物、トリス(8-キノリノラー )アルミニウム錯体等のキレート錯体、クマ リン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導 体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサ ジアゾール誘導体等から、要求される発光色 に合わせて化合物を選択することが好ましく 、スチリルアミン化合物、スチリルジアミン 化合物、アリールアミン化合物、アリールジ アミン化合物がさらに好ましい。また、アミ ン化合物ではない縮合多環芳香族化合物も好 ましい。これらの蛍光性ドーパントは単独で もまた複数組み合わせて使用してもよい。

 蛍光性ドーパントの発光層における含有 としては、特に制限はなく、目的に応じて 宜選択することができるが、例えば、発光 全体の質量に対して、0.01~100質量%であり、 ましくは0.1~30質量%である。

 スチリルアミン化合物及びスチリルジアミ 化合物としては、下記式(A)で表されるもの 好ましい。

(式中、Ar 101 はp価の基であり、フェニル基、ナフチル基 ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベ ル基、ジスチリルアリール基の対応するp価 基であり、Ar 102 及びAr 103 はそれぞれ炭素数が6~20(好ましくは6~14)の芳 族炭化水素基であり、Ar 101 、Ar 102 及びAr 103 は置換されていてもよい。Ar 101 ~Ar 103 のいずれか一つはスチリル基で置換されてい る。さらに好ましくはAr 102 又はAr 103 の少なくとも一方はスチリル基で置換されて いる。pは1~4の整数であり、好ましくは1~2の 数である。)
 ここで、炭素数が6~20(好ましくは6~14)の芳香 族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチ ル基、アントラニル基、フェナンスリル基、 ターフェニル基等が挙げられる。

 アリールアミン化合物及びアリールジアミ 化合物としては、下記式(B)で表されるもの 好ましい。

(式中、Ar 111 はq価の置換もしくは無置換の核炭素数5~40(好 ましくは6~20、より好ましくは6~14)の芳香族基 であり、Ar 112 ,Ar 113 はそれぞれ置換もしくは無置換の核炭素数5~4 0(好ましくは6~20、より好ましくは6~14)のアリ ル基である。qは1~4の整数であり、好ましく は1~2の整数である。)
 ここで、核炭素数が5~40のアリール基として は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アン トラニル基、フェナンスリル基、ピレニル基 、コロニル基、ビフェニル基、ターフェニル 基、ピローリル基、フラニル基、チオフェニ ル基、ベンゾチオフェニル基、オキサジアゾ リル基、ジフェニルアントラニル基、インド リル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ベン ゾキノリル基、フルオランテニル基、アセナ フトフルオランテニル基、スチルベン基、ペ リレニル基、クリセニル基、ピセニル基、ト リフェニレニル基、ルビセニル基、ベンゾア ントラセニル基、フェニルアントラニル基、 ビスアントラセニル基等が挙げられ、ナフチ ル基、アントラニル基、クリセニル基、ピレ ニル基が好ましい。
 Ar 111 は上記のq価の基が好ましく、さらにAr 111 が2価のときは下記式(C),(D)で示される基が好 しく、式(D)で示される基がより好ましい。

(式(C)において、rは1~3の整数である。)

 尚、前記アリール基に置換する好ましい 換基としては、炭素数1~6のアルキル基(エチ ル基、メチル基、i-プロピル基、n-プロピル 、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘ シル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ 基等)、炭素数1~6のアルコキシ基(エトキシ 、メトキシ基、i-プロポキシ基、n-プロポキ 基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペントキ シ基、ヘキシルオキシ基、シクロペントキシ 基、シクロヘキシルオキシ基等)、核炭素数5~ 40(好ましくは6~20、より好ましくは6~14)のアリ ール基、核炭素数5~40(好ましくは6~20、より好 ましくは6~14)のアリール基で置換されたアミ 基、核炭素数5~40(好ましくは6~20、より好ま くは6~14)のアリール基を有するエステル基 炭素数1~6のアルキル基を有するエステル基 シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙 られる。

 発光層は、必要に応じて正孔輸送材、電子 送材、ポリマーバインダーを含有してもよ 。
 発光層の膜厚は、好ましくは5~50nm、より好 しくは7~50nm、最も好ましくは10~50nmである。 5nm未満では発光層形成が困難となり、色度の 調整が困難となるおそれがあり、50nmを超え と駆動電圧が上昇するおそれがある。

 正孔注入層及び正孔輸送層は、発光層への 孔注入を助け、発光領域まで輸送する層で って、正孔移動度が大きく、イオン化エネ ギーが通常5.5eV以下と小さい。このような 孔注入層及び正孔輸送層の材料としては、 り低い電界強度で正孔を発光層に輸送する 料が好ましく、さらに正孔の移動度が、例 ば10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に、10 -4 cm 2 /V・秒以上であれば好ましい。
 正孔注入層及び正孔輸送層の材料としては 特に制限はなく、従来、光導伝材料におい 正孔の電荷輸送材料として慣用されている のや、有機EL素子の正孔注入層及び正孔輸 層に使用されている公知のものの中から任 のものを選択して用いることができる。

 正孔注入層及び正孔輸送層に、例えば、下 式で表される芳香族アミン誘導体が使用で る。
 Ar 211 ~Ar 213 、Ar 221 ~Ar 223 及びAr 203 ~Ar 208 はそれぞれ置換もしくは無置換の核炭素数6~5 0(好ましくは6~20、より好ましくは6~14)の芳香 炭化水素基、又は置換もしくは無置換の核 子数5~50(好ましくは5~20)の芳香族複素環基で ある。a~c及びp~rはそれぞれ0~3の整数である。 Ar 203 とAr 204 、Ar 205 とAr 206 、Ar 207 とAr 208 はそれぞれ互いに連結して飽和もしくは不飽 和の環を形成してもよい。

 置換又は無置換の核炭素数6~50の芳香族炭 化水素基の例としては、フェニル基、1-ナフ ル基、2-ナフチル基、1-アントリル基、2-ア トリル基、9-アントリル基、1-フェナントリ ル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリ 基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル 、1-ナフタセニル基、2-ナフタセニル基、9- フタセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基 、4-ピレニル基、2-ビフェニルイル基、3-ビフ ェニルイル基、4-ビフェニルイル基、p-テル ェニル-4-イル基、p-テルフェニル-3-イル基、 p-テルフェニル-2-イル基、m-テルフェニル-4- ル基、m-テルフェニル-3-イル基、m-テルフェ ル-2-イル基、o-トリル基、m-トリル基、p-ト ル基、p-t-ブチルフェニル基、p-(2-フェニル ロピル)フェニル基、3-メチル-2-ナフチル基 4-メチル-1-ナフチル基、4-メチル-1-アントリ ル基、4’-メチルビフェニルイル基、4”-t-ブ チル-p-テルフェニル4-イル基が挙げられる。

 置換又は無置換の核原子数5~50の芳香族複 素環基の例としては、1-ピロリル基、2-ピロ ル基、3-ピロリル基、ピラジニル基、2-ピリ ニル基、3-ピリジニル基、4-ピリジニル基、 1-インドリル基、2-インドリル基、3-インドリ ル基、4-インドリル基、5-インドリル基、6-イ ンドリル基、7-インドリル基、1-イソインド ル基、2-イソインドリル基、3-イソインドリ 基、4-イソインドリル基、5-イソインドリル 基、6-イソインドリル基、7-イソインドリル 、2-フリル基、3-フリル基、2-ベンゾフラニ 基、3-ベンゾフラニル基、4-ベンゾフラニル 、5-ベンゾフラニル基、6-ベンゾフラニル基 、7-ベンゾフラニル基、1-イソベンゾフラニ 基、3-イソベンゾフラニル基、4-イソベンゾ ラニル基、5-イソベンゾフラニル基、6-イソ ベンゾフラニル基、7-イソベンゾフラニル基 キノリル基、3-キノリル基、4-キノリル基、 5-キノリル基、6-キノリル基、7-キノリル基、 8-キノリル基、1-イソキノリル基、3-イソキノ リル基、4-イソキノリル基、5-イソキノリル 、6-イソキノリル基、7-イソキノリル基、8- ソキノリル基、2-キノキサリニル基、5-キノ サリニル基、6-キノキサリニル基、1-カルバ ゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリ 基、4-カルバゾリル基、9-カルバゾリル基、1 -フェナントリジニル基、2-フェナントリジニ ル基、3-フェナントリジニル基、4-フェナン リジニル基、6-フェナントリジニル基、7-フ ナントリジニル基、8-フェナントリジニル 、9-フェナントリジニル基、10-フェナントリ ジニル基、1-アクリジニル基、2-アクリジニ 基、3-アクリジニル基、4-アクリジニル基、9 -アクリジニル基、1,7-フェナントロリン-2-イ 基、1,7-フェナントロリン-3-イル基、1,7-フ ナントロリン-4-イル基、1,7-フェナントロリ -5-イル基、1,7-フェナントロリン-6-イル基、 1,7-フェナントロリン-8-イル基、1,7-フェナン ロリン-9-イル基、1,7-フェナントロリン-10- ル基、1,8-フェナントロリン-2-イル基、1,8-フ ェナントロリン-3-イル基、1,8-フェナントロ ン-4-イル基、1,8-フェナントロリン-5-イル基 1,8-フェナントロリン-6-イル基、1,8-フェナ トロリン-7-イル基、1,8-フェナントロリン-9- ル基、1,8-フェナントロリン-10-イル基、1,9- ェナントロリン-2-イル基、1,9-フェナントロ リン-3-イル基、1,9-フェナントロリン-4-イル 、1,9-フェナントロリン-5-イル基、1,9-フェナ ントロリン-6-イル基、1,9-フェナントロリン-7 -イル基、1,9-フェナントロリン-8-イル基、1,9- フェナントロリン-10-イル基、1,10-フェナント ロリン-2-イル基、1,10-フェナントロリン-3-イ 基、1,10-フェナントロリン-4-イル基、1,10-フ ェナントロリン-5-イル基、2,9-フェナントロ ン-1-イル基、2,9-フェナントロリン-3-イル基 2,9-フェナントロリン-4-イル基、2,9-フェナ トロリン-5-イル基、2,9-フェナントロリン-6- ル基、2,9-フェナントロリン-7-イル基、2,9- ェナントロリン-8-イル基、2,9-フェナントロ ン-10-イル基、2,8-フェナントロリン-1-イル 、2,8-フェナントロリン-3-イル基、2,8-フェナ ントロリン-4-イル基、2,8-フェナントロリン-5 -イル基、2,8-フェナントロリン-6-イル基、2,8- フェナントロリン-7-イル基、2,8-フェナント リン-9-イル基、2,8-フェナントロリン-10-イル 基、2,7-フェナントロリン-1-イル基、2,7-フェ ントロリン-3-イル基、2,7-フェナントロリン -4-イル基、2,7-フェナントロリン-5-イル基、2, 7-フェナントロリン-6-イル基、2,7-フェナント ロリン-8-イル基、2,7-フェナントロリン-9-イ 基、2,7-フェナントロリン-10-イル基、1-フェ ジニル基、2-フェナジニル基、1-フェノチア ジニル基、2-フェノチアジニル基、3-フェノ アジニル基、4-フェノチアジニル基、10-フェ ノチアジニル基、1-フェノキサジニル基、2- ェノキサジニル基、3-フェノキサジニル基、 4-フェノキサジニル基、10-フェノキサジニル 、2-オキサゾリル基、4-オキサゾリル基、5- キサゾリル基、2-オキサジアゾリル基、5-オ キサジアゾリル基、3-フラザニル基、2-チエ ル基、3-チエニル基、2-メチルピロール-1-イ 基、2-メチルピロール-3-イル基、2-メチルピ ロール-4-イル基、2-メチルピロール-5-イル基 3-メチルピロール-1-イル基、3-メチルピロー ル-2-イル基、3-メチルピロール-4-イル基、3- チルピロール-5-イル基、2-t-ブチルピロール- 4-イル基、3-(2-フェニルプロピル)ピロール-1- ル基、2-メチル-1-インドリル基、4-メチル-1- インドリル基、2-メチル-3-インドリル基、4- チル-3-インドリル基、2-t-ブチル1-インドリ 基、4-t-ブチル1-インドリル基、2-t-ブチル3- ンドリル基、4-t-ブチル3-インドリル基が挙 られる。

 さらに、正孔注入層及び正孔輸送層に、下 式で表される化合物が使用できる。
 (式中、Ar 231 ~Ar 234 はそれぞれ置換もしくは無置換の核炭素数6~5 0(好ましくは6~20、より好ましくは6~14)の芳香 炭化水素基、又は置換もしくは無置換の核 子数5~50(好ましくは5~20)の芳香族複素環基で ある。Lは連結基であり、単結合、もしくは 換もしくは無置換の核炭素数6~50(好ましくは 6~20、より好ましくは6~14)の芳香族炭化水素基 、又は置換もしくは無置換の核原子数5~50(好 しくは5~20)の芳香族複素環基である。xは0~5 整数である。Ar 232 とAr 233 は互いに連結して飽和もしくは不飽和の環を 形成してもよい。)
 ここで置換もしくは無置換の核炭素数6~50の 芳香族炭化水素基、及び置換もしくは無置換 の核原子数5~50の芳香族複素環基の具体例と ては、前記芳香族アミン誘導体と同様のも があげられる。

 さらに、正孔注入層及び正孔輸送層の材 の具体例としては、例えば、トリアゾール 導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾ ル誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、 ラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フ ニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘 体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾ ル誘導体、スチリルアントラセン誘導体、 ルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ス ルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン 共重合体、導電性高分子オリゴマー(特にチ オフェンオリゴマー)等を挙げることができ 。

 正孔注入層及び正孔輸送層の材料として 上記のものを使用することができるが、ポ フィリン化合物、芳香族第三級アミン化合 及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第 級アミン化合物を用いることが好ましい。

 また、2個の縮合芳香族環を分子内に有す る化合物、例えば4,4’-ビス(N-(1-ナフチル)-N- ェニルアミノ)ビフェニル(以下NPDと略記す )や、トリフェニルアミンユニットが3つスタ ーバースト型に連結された4,4’,4’’-トリス (N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ)トリ ェニルアミン(以下MTDATAと略記する)等を用 ることが好ましい。

 この他に下記式で表される含窒素複素環誘 体も用いることができる。
 (式中、R 201 ~R 206 はそれぞれ置換もしくは無置換のアルキル基 、置換もしくは無置換のアリール基、置換も しくは無置換のアラルキル基、置換もしくは 無置換の複素環基のいずれかを示す。R 201 とR 202 、R 203 とR 204 、R 205 とR 206 、R 201 とR 206 、R 202 とR 203 、又はR 204 とR 205 は縮合環を形成してもよい。)

 さらに、下記式の化合物も用いることがで る。
 (式中、R 211 ~R 216 は置換基であり、好ましくはそれぞれシアノ 基、ニトロ基、スルホニル基、カルボニル基 、トリフルオロメチル基、ハロゲン等の電子 吸引基である。)

 また、p型Si、p型SiC等の無機化合物も正孔注 入層及び正孔輸送層の材料として使用するこ とができる。
 正孔注入層及び正孔輸送層は上述した化合 を、真空蒸着法、スピンコート法、キャス 法、LB法等の公知の方法により薄膜化する とにより形成することができる。正孔注入 及び正孔輸送層の膜厚は特に制限はないが 通常は5nm~5μmである。正孔注入層及び正孔輸 送層は上述した材料の一種又は二種以上から なる一層で構成されてもよいし、異なる化合 物からなる複数の正孔注入層及び正孔輸送層 を積層したものであってもよい。

 有機半導体層は発光層への正孔注入又は電 注入を助ける層であって、10 -10 S/cm以上の導電率を有するものが好適である このような有機半導体層の材料としては、 チオフェンオリゴマーや含アリールアミン リゴマー等の導電性オリゴマー、含アリー アミンデンドリマー等の導電性デンドリマ 等を用いることができる。

 電子注入層及び電子輸送層は、発光層への 子の注入を助け、発光領域まで輸送する層 あって、電子移動度が大きい。また付着改 層は、特に陰極との付着が良い材料からな 電子注入層の一種である。
 電子輸送層は5nm~5μmの膜厚で適宜選ばれる 、特に膜厚が厚いとき、電圧上昇を避ける めに、10 4 ~10 6 V/cmの電界印加時に電子移動度が10 -5 cm 2 /Vs以上であることが好ましい。

 電子注入層及び電子輸送層に用いられる 料としては、8-ヒドロキシキノリン又はそ 誘導体の金属錯体やオキサジアゾール誘導 が好適である。8-ヒドロキシキノリン又はそ の誘導体の金属錯体の具体例としては、オキ シン(一般に8-キノリノール又は8-ヒドロキシ ノリン)のキレートを含む金属キレートオキ シノイド化合物、例えばトリス(8-キノリノラ ト)アルミニウムを挙げることができる。

 オキサジアゾール誘導体としては、以下 式で表される電子伝達化合物が挙げられる

(式中、Ar 301 、Ar 302 、Ar 303 、Ar 305 、Ar 306 、及びAr 309 はそれぞれ置換又は無置換のアリール基を示 す。またAr 304 、Ar 307 、Ar 308 はそれぞれ置換又は無置換のアリーレン基を 示す。)

 ここでアリール基としてはフェニル基、 フェニル基、アントラニル基、ペリレニル 、ピレニル基等が挙げられる。また、アリ レン基としてはフェニレン基、ナフチレン 、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペ レニレン基、ピレニレ基等が挙げられる。 た、置換基としては炭素数1~10のアルキル基 、炭素数1~10のアルコキシ基又はシアノ基等 挙げられる。この電子伝達化合物は薄膜形 性のものが好ましい。

 上記電子伝達性化合物の具体例としては下 のものを挙げることができる。
(Meはメチル基、t-Buはt-ブチル基を示す。)

 さらに、電子注入層及び電子輸送層に用い れる材料として、下記式(E)~(J)で表されるも のも用いることができる。

(式(E)及び(F)中、A 311 ~A 313 は、それぞれ窒素原子又は炭素原子である。
 Ar 311 は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60(好ま くは6~20、より好ましくは6~14)のアリール基 又は置換もしくは無置換の核炭素数3~60(好 しくは3~20、より好ましくは3~14)のヘテロア ール基であり、Ar 311’ は、置換もしくは無置換の核炭素数6~60(好ま くは6~20、より好ましくは6~14)のアリーレン 又は置換もしくは無置換の核炭素数3~60(好 しくは3~20、より好ましくは3~14)のヘテロア ーレン基であり、Ar 312 は、水素原子、置換もしくは無置換の核炭素 数6~60(好ましくは6~20、より好ましくは6~14)の リール基、置換もしくは無置換の核炭素数3 ~60(好ましくは3~20、より好ましくは3~14)のヘ ロアリール基、置換もしくは無置換の炭素 1~20(好ましくは1~12、より好ましくは1~8)のア キル基、又は置換もしくは無置換の炭素数1 ~20(好ましくは1~12、より好ましくは1~8)のアル コキシ基である。ただし、Ar 311 及びAr 312 のいずれか一方は、置換もしくは無置換の核 炭素数10~60(好ましくは10~30、より好ましくは1 0~20)の縮合環基、又は置換もしくは無置換の 炭素数3~60(好ましくは3~20、より好ましくは3 ~14)のモノヘテロ縮合環基である。
 L 311 、L 312 及びL 313 は、それぞれ、単結合、置換もしくは無置換 の核炭素数6~60(好ましくは6~20、より好ましく は6~14)のアリーレン基、置換もしくは無置換 核炭素数3~60(好ましくは3~20、より好ましく 3~14)のヘテロアリーレン基、又は置換もし は無置換のフルオレニレン基である。
 R及びR 311 は、それぞれ水素原子、置換もしくは無置換 の核炭素数6~60(好ましくは6~20、より好ましく は6~14)のアリール基、置換もしくは無置換の 炭素数3~60(好ましくは3~20、より好ましくは3 ~14)のヘテロアリール基、置換もしくは無置 の炭素数1~20(好ましくは1~12、より好ましく 1~8)のアルキル基、又は置換もしくは無置換 炭素数1~20(好ましくは1~12、より好ましくは1 ~8)のアルコキシ基であり、nは0~5の整数であ 、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異な ていてもよく、また、隣接するR基同士で結 して、炭素環式脂肪族環又は炭素環式芳香 環を形成していてもよい。)で表される含窒 素複素環誘導体。

     HAr-L 314 -Ar 321 -Ar 322   (G)
(式中、HArは、置換基を有していてもよい炭 数3~40(好ましくは3~30、より好ましくは3~24)の 含窒素複素環であり、L 314 は、単結合、置換基を有していてもよい炭素 数6~60(好ましくは6~20、より好ましくは6~14)の リーレン基、置換基を有していてもよい炭 数3~60(好ましくは3~20、より好ましくは3~14) ヘテロアリーレン基又は置換基を有してい もよいフルオレニレン基であり、Ar 321 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60(好 しくは6~20、より好ましくは6~14)の2価の芳香 族炭化水素基であり、Ar 322 は、置換基を有していてもよい炭素数6~60(好 しくは6~20、より好ましくは6~14)のアリール 又は置換基を有していてもよい炭素数3~60( ましくは3~20、より好ましくは3~14)のヘテロ リール基である。)で表される含窒素複素環 導体。

(式中、X 301 及びY 301 は、それぞれ炭素数1~6の飽和若しくは不飽和 の炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオ キシ基、アルキニルオキシ基、ヒドロキシ基 、置換若しくは無置換のアリール基、置換若 しくは無置換のヘテロ環又はXとYが結合して 和又は不飽和の環を形成した構造であり、R 301 ~R 304 は、それぞれ、水素、ハロゲン原子、アルキ ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パ ーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコ キシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、 アリールカルボニル基、アルコキシカルボニ ル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基 、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカ ルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオ キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基 、スルフィニル基、スルフォニル基、スルフ ァニル基、シリル基、カルバモイル基、アリ ール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキ ニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基 、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネ ート基、イソシアネート基、チオシアネート 基、イソチオシアネート基又はシアノ基であ る。これらの基は置換されていてもよい。ま た、隣接した基が置換若しくは無置換の縮合 環を形成してもよい。)で表されるシラシク ペンタジエン誘導体。

(式中、R 321 ~R 328 及びZ 322 は、それぞれ、水素原子、飽和もしくは不飽 和の炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ 環基、置換アミノ基、置換ボリル基、アルコ キシ基又はアリールオキシ基を示し、X 302 、Y 302 及びZ 321 は、それぞれ、飽和もしくは不飽和の炭化水 素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ環基、置換 アミノ基、アルコキシ基又はアリールオキシ 基を示し、Z 321 とZ 322 は相互に結合して縮合環を形成してもよく、 nは1~3の整数を示し、n又は(3-n)が2以上の場合 R 321 ~R 328 、X 302 、Y 302 、Z 322 及びZ 321 は同一でも異なってもよい。但し、nが1、X 302 、Y 302 及びR 322 がメチル基でR 328 が水素原子又は置換ボリル基の化合物、及び nが3でZ 321 がメチル基の化合物を含まない。)で表され ボラン誘導体。

[式中、Q 301 及びQ 302 は、それぞれ、下記式(K)で示される配位子を 表し、L 315 は、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のア ルキル基、置換もしくは無置換のシクロアル キル基、置換もしくは無置換のアリール基、 置換もしくは無置換の複素環基、-OR(Rは、水 原子、置換もしくは無置換のアルキル基、 換もしくは無置換のシクロアルキル基、置 もしくは無置換のアリール基、置換もしく 無置換の複素環基である。)又は-O-Ga-Q 303 (Q 304 )(Q 303 及びQ 304 は、Q 301 及びQ 302 と同じ)で示される配位子を表す。]で表され ガリウム錯体。

[式中、環A 301 及びA 302 は、それぞれ置換基を有してよい互いに縮合 した6員アリール環構造である。]

 この金属錯体は、n型半導体としての性質が 強く、電子注入能力が大きい。さらには、錯 体形成時の生成エネルギーも低いために、形 成した金属錯体の金属と配位子との結合性も 強固になり、発光材料としての蛍光量子効率 も大きい。
 式(K)の配位子を形成する環A 301 及びA 302 の置換基の具体的な例を挙げると、塩素、臭 素、ヨウ素、フッ素のハロゲン原子、メチル 基、エチル基、プロピル基、ブチル基、s-ブ ル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル 、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基 トリクロロメチル基等の置換もしくは無置 のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、 フェニル基、アントラニル基、フェナント ル基、フルオレニル基、ピレニル基、3-メチ ルフェニル基、3-メトキシフェニル基、3-フ オロフェニル基、3-トリクロロメチルフェニ ル基、3-トリフルオロメチルフェニル基、3- トロフェニル基等の置換もしくは無置換の リール基、メトキシ基、n-ブトキシ基、t-ブ キシ基、トリクロロメトキシ基、トリフル ロエトキシ基、ペンタフルオロプロポキシ 、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1 ,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロポキシ基、6-(パ フルオロエチル)ヘキシルオキシ基等の置換 しくは無置換のアルコキシ基、フェノキシ 、p-ニトロフェノキシ基、p-t-ブチルフェノ シ基、3-フルオロフェノキシ基、ペンタフ オロフェノキシ基、3-トリフルオロメチルフ ェノキシ基等の置換もしくは無置換のアリー ルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、 t-ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチル オ基、トリフルオロメチルチオ基等の置換 しくは無置換のアルキルチオ基、フェニル オ基、p-ニトロフェニルチオ基、p-t-ブチル ェニルチオ基、3-フルオロフェニルチオ基 ペンタフルオロフェニルチオ基、3-トリフル オロメチルフェニルチオ基等の置換もしくは 無置換のアリールチオ基、シアノ基、ニトロ 基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルア ミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基 、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、 ジフェニルアミノ基等のモノ又はジ置換アミ ノ基、ビス(アセトキシメチル)アミノ基、ビ (アセトキシエチル)アミノ基、ビス(アセト シプロピル)アミノ基、ビス(アセトキシブ ル)アミノ基等のアシルアミノ基、水酸基、 ロキシ基、アシル基、カルバモイル基、メ ルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル 、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバ イル基、プロイピルカルバモイル基、ブチ カルバモイル基、フェニルカルバモイル基 の置換もしくは無置換のカルバモイル基、 ルボン酸基、スルフォン酸基、イミド基、 クロペンタン基、シクロヘキシル基等のシ ロアルキル基、ピリジニル基、ピラジニル 、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリ ジニル基、インドリニル基、キノリニル基 アクリジニル基、ピロリジニル基、ジオキ ニル基、ピペリジニル基、モルフォリニル 、ピペラジニル基、カルバゾリル基、フラ ル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、 キサジアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基 チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾ アゾリル基、トリアゾリル基、イミダゾリ 基、ベンゾイミダゾリル基等の複素環基等 ある。また、以上の置換基同士が結合して らなる6員アリール環もしくは複素環を形成 してもよい。

 有機EL素子の好ましい形態では、電子を 送する領域又は陰極と有機層の界面領域に 還元性ドーパントを含有する。ここで、還 性ドーパントとは、電子輸送性化合物を還 ができる物質と定義される。従って、一定 還元性を有するものであれば、様々なもの 用いられ、例えば、アルカリ金属、アルカ 土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸 物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカ 土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハ ゲン化物、希土類金属の酸化物又は希土類 属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭酸塩 アルカリ土類金属の炭酸塩、希土類金属の 酸塩、アルカリ金属の有機錯体、アルカリ 類金属の有機錯体、希土類金属の有機錯体 らなる群から選択される少なくとも一つの 質を好適に使用することができる。

 また、具体的に、好ましい還元性ドーパ トとしては、Na(仕事関数:2.36eV)、K(仕事関数 :2.28eV)、Rb(仕事関数:2.16eV)及びCs(仕事関数:1.95 eV)からなる群から選択される少なくとも一つ のアルカリ金属や、Ca(仕事関数:2.9eV)、Sr(仕 関数:2.0~2.5eV)、及びBa(仕事関数:2.52eV)からな 群から選択される少なくとも一つのアルカ 土類金属が挙げられる。仕事関数が2.9eV以 のものが特に好ましい。これらのうち、よ 好ましい還元性ドーパントは、K、Rb及びCsか らなる群から選択される少なくとも一つのア ルカリ金属であり、さらに好ましくは、Rb又 Csであり、最も好ましくは、Csである。これ らのアルカリ金属は、特に還元能力が高く、 電子注入域への比較的少量の添加により、有 機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化 図られる。また、仕事関数が2.9eV以下の還 性ドーパントとして、これら2種以上のアル リ金属の組合わせも好ましく、特に、Csを んだ組み合わせ、例えば、CsとNa、CsとK、Cs RbあるいはCsとNaとKとの組み合わせであるこ が好ましい。Csを組み合わせて含むことに り、還元能力を効率的に発揮することがで 、電子注入域への添加により、有機EL素子に おける発光輝度の向上や長寿命化が図られる 。

 陰極と有機層の間に絶縁体や半導体で構 される電子注入層をさらに設けてもよい。 のような層により、電流のリークを有効に 止して、電子注入性を向上させることがで る。電子注入層が絶縁性薄膜であれば、よ 均質な薄膜が形成されるために、ダークス ット等の画素欠陥を減少させることができ 。

 絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニ 、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカ 金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属 ハロゲン化物からなる群から選択される少 くとも一つの金属化合物を使用するのが好 しい。電子注入層がこれらのアルカリ金属 ルコゲニド等で構成されていれば、電子注 性をさらに向上させることができ好ましい 具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲ ドとしては、例えば、Li 2 O、K 2 O、Na 2 S、Na 2 Se及びNa 2 Oが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カ コゲニドとしては、例えば、CaO、BaO、SrO、Be O、BaS、及びCaSeが挙げられる。また、好まし アルカリ金属のハロゲン化物としては、例 ば、LiF、NaF、KF、CsF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙 げられる。また、好ましいアルカリ土類金属 のハロゲン化物としては、例えば、CaF 2 、BaF 2 、SrF 2 、MgF 2 及びBeF 2 といったフッ化物や、フッ化物以外のハロゲ ン化物が挙げられる。

 また、電子注入層を構成する半導体とし は、Ba、Ca、Sr、Yb、Al、Ga、In、Li、Na、Cd、Mg 、Si、Ta、Sb及びZnの少なくとも一つの元素を む酸化物、窒化物又は酸化窒化物等の一種 独又は二種以上の組み合わせが挙げられる また、電子注入層を構成する無機化合物は 微結晶又は非晶質の絶縁性薄膜であること 好ましい。

 陰極としては、仕事関数の小さい(例えば、 4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及び れらの混合物を電極物質とするものが用い れる。このような電極物質の具体例として 、ナトリウム、ナトリウム-カリウム合金、 グネシウム、リチウム、セシウム、マグネ ウム・銀合金、アルミニウム/酸化アルミニ ウム、Al/Li 2 O、Al/LiO、Al/LiF、アルミニウム・リチウム合 、インジウム、希土類金属等が挙げられる

 陰極はこれらの電極物質から蒸着やスパッ リング等により作製できる。
 発光層からの発光を陰極から取り出す場合 陰極の発光に対する透過率は10%より大きく ることが好ましい。また、陰極としてのシ ト抵抗は数百ω/□以下が好ましく、さらに 膜厚は通常10nm~1μm、好ましくは50~200nmであ 。

 一般に、有機EL素子は、超薄膜に電界を印 するために、リークやショートによる画素 陥が生じやすい。これを防止するために、 対の電極間に絶縁性の薄膜層を挿入しても い。
 絶縁層に用いる材料としては、例えば、酸 アルミニウム、弗化リチウム、酸化リチウ 、弗化セシウム、酸化セシウム、酸化マグ シウム、弗化マグネシウム、酸化カルシウ 、弗化カルシウム、窒化アルミニウム、酸 チタン、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、窒 珪素、窒化ホウ素、酸化モリブデン、酸化 テニウム、酸化バナジウム等が挙げられる これらの混合物や積層物を用いてもよい。

 有機EL素子を作製する方法については、 えば上記の材料及び方法により、陽極から 必要な層を順次形成し、最後に陰極を形成 ればよい。また、陰極から陽極へ、逆の順 で有機EL素子を作製することもできる。

 以下、透光性基板上に、陽極/正孔注入層/ 光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成 の有機EL素子の作製例について説明する。
 まず、透光性基板上に、陽極材料からなる 膜を蒸着法あるいはスパッタリング法によ 形成し、陽極とする。次に、この陽極上に 孔注入層を設ける。正孔注入層の形成は、 空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、L B法等の方法により行うことができるが、均 な膜が得られやすく、かつピンホールが発 しにくい等の点から真空蒸着法により形成 ることが好ましい。真空蒸着法により正孔 入層を形成する場合、その蒸着条件は使用 る化合物(正孔注入層の材料)、目的とする正 孔注入層の構造等により異なるが、一般に蒸 着源温度50~450℃、真空度10 -7 ~10 -3 Torr、蒸着速度0.01~50nm/秒、基板温度-50~300℃で 適宜選択することが好ましい。

 次に、正孔注入層上に発光層を設ける。 光層の形成も、真空蒸着法、スパッタリン 、スピンコート法、キャスト法等の方法に り、発光材料を薄膜化することにより形成 きるが、均質な膜が得られやすく、かつピ ホールが発生しにくい等の点から真空蒸着 により形成することが好ましい。真空蒸着 により発光層を形成する場合、その蒸着条 は使用する化合物により異なるが、一般的 正孔注入層の形成と同様な条件範囲の中か 選択することができる。

 次に、発光層上に電子注入層を設ける。こ 場合にも正孔注入層、発光層と同様、均質 膜を得る必要から真空蒸着法により形成す ことが好ましい。蒸着条件は正孔注入層、 光層と同様の条件範囲から選択することが きる。
 そして、最後に陰極を積層して有機EL素子 得ることができる。陰極は蒸着法、スパッ リングにより形成できる。下地の有機物層 製膜時の損傷から守るためには真空蒸着法 好ましい。
 以上の有機EL素子の作製は、一回の真空引 で、一貫して陽極から陰極まで作製するこ が好ましい。

 有機EL素子の各層の形成方法は特に限定さ ない。本発明の化合物を含有する有機薄膜 は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法)あるい は本発明の化合物を溶媒に解かした溶液のデ ィッピング法、スピンコーティング法、キャ スティング法、バーコート法、ロールコート 法等の塗布法による公知の方法で形成するこ とができる。
[実施例]

合成例1
[ベンゾ[g]クリセンの合成]
 ベンゾ[g]クリセンを以下の合成スキームに って合成した。

 アルゴン雰囲気下、9-ブロモフェナント ン25.7g、2-ホルミルフェニルボロン酸16.5g及 テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ ウム(0)2.31gをフラスコに仕込んだ。このフラ コにジメチルエーテル(DME)340mL及び2M炭酸ナ リウム水溶液170mLを加え、8時間加熱還流攪 した。室温まで冷却後、水層を除去し、分 した有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後 硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグ シウムを濾別後、有機層を濃縮した。得ら た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ で精製し、9-(2-ホルミルフェニル)フェナン レン25.0g(収率89%)を得た。

 アルゴン雰囲気下、得られた9-(2-ホルミ フェニル)フェナントレン25.0g、メトキシメ ルトリフェニルホスフォニウムクロリド33.4g 、及びテトラヒドロフラン(THF)300mLをフラス に仕込んだ。室温にて攪拌中に、フラスコ t-ブトキシカリウム11.9gを加えた。室温にて らに2時間攪拌した後、水200mLを加えた。反 溶液をジエチルエーテルで抽出し、水層を 去して、分離した有機層を水、飽和食塩水 洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ 。硫酸マグネシウムを濾別後、有機層を濃 した。得られた残渣をシリカゲルカラムク マトグラフィで精製し、9-(2-ホルミルフェ ル)フェナントレン24.0g(収率87%)を得た。

 得られた9-(2-ホルミルフェニル)フェナン レン24.0g及びジクロロメタン100mLをフラスコ に仕込んだ。室温にて攪拌中にフラスコにメ タンスルホン酸をパスツールピペットで6滴 えた。室温にてさらに8時間攪拌し、反応終 後10%炭酸カリウム水溶液100mLを加えた。水 を除去し、分離した有機層を水、飽和食塩 で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥さ た。硫酸マグネシウムを濾別後、有機層を 縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム ロマトグラフィで精製し、ベンゾ[g]クリセ 5.21g(収率25%)を得た。

合成例2
[10-ブロモベンゾ[g]クリセンの合成]
 合成例1で調製したベンゾ[g]クリセン5.21g及 N,N-ジメチルホルムアミド50mLをフラスコに 込み、N-ブロモスクシンイミド4.00gが溶解し N,N-ジメチルホルムアミド10mL溶液を加えた 80℃で8時間加熱攪拌し、室温まで冷却した 、反応溶液を水200mL中に注いだ。析出した固 体を濾取し、水、メタノールで洗浄した。得 られた個体をシリカゲルカラムクロマトグラ フィで精製し、10-ブロモベンゾ[g]クリセン5.8 7g(収率88%)を得た。

実施例1
 化合物1を以下の合成スキームに従って合成 した。

 アルゴン雰囲気下、フラスコに合成例2で 調製した10-ブロモベンゾ[g]クリセン3.57g、フ ニルボロン酸1.46g、テトラキス(トリフェニ ホスフィン)パラジウム(0)0.231g、トルエン40m L、2M炭酸ナトリウム水溶液20mLを仕込み、8時 還流攪拌をした。室温まで冷却後、反応溶 をトルエンで抽出した。水層を除去し、分 した有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し 後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸 グネシウムを濾別後、有機層を濃縮した。 られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ フィで精製し、白色結晶2.83gを得た。得ら た結晶は、マススペクトル分析の結果、上 化合物1であることを確認した。化合物1は、 分子量354.14に対し、m/e=354であった。

実施例2
 化合物2を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに4-(1-ナフチ )フェニルボロン酸を用いた他は実施例1と同 様にして結晶を合成した。得られた結晶は、 マススペクトル分析の結果、化合物2である とを確認した。化合物2は、分子量480.19に対 、m/e=480であった。

実施例3
 化合物3を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した4-(2-ナフチル)フェニルボロン酸を いた他は実施例1と同様にして結晶を合成し た。得られた結晶は、マススペクトル分析の 結果、化合物3であることを確認した。化合 3は、分子量480.19に対し、m/e=480であった。

実施例4
 化合物4を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した3-(1-ナフチル)フェニルボロン酸を いた他は実施例1と同様にして結晶を合成し た。得られて結晶は、マススペクトル分析の 結果、化合物4であることを確認した。化合 4は、分子量480.19に対し、m/e=480であった。

実施例5
 化合物5を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した3-(2-ナフチル)フェニルボロン酸を いた他は実施例1と同様にして結晶を合成し た。得られた結晶は、マススペクトル分析の 結果、化合物5であることを確認した。化合 5は、分子量480.19に対し、m/e=480であった。

実施例6
 化合物6を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに4-ビフェニ ボロン酸を用いた他は実施例1と同様にして 晶を合成した。得られた結晶は、マススペ トル分析の結果、化合物6であることを確認 した。化合物6は、分子量430.17に対し、m/e=430 あった。

実施例7
 化合物7を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに3-ビフェニ ボロン酸を用いた他は実施例1と同様にして 晶を合成した。得られた結晶は、マススペ トル分析の結果、化合物7であることを確認 した。化合物7は、分子量430.17に対し、m/e=430 あった。

実施例8
 化合物8を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに2-ビフェニ ボロン酸を用いた他は実施例1と同様にして 晶を合成した。得られた結晶は、マススペ トル分析の結果、化合物8であることを確認 した。化合物8は、分子量430.17に対し、m/e=430 あった。

実施例9
 化合物9を以下の合成スキームに従って合成 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した4-(9-フェナントリル)フェニルボロ 酸を用いた他は実施例1と同様にして結晶を 合成した。得られた結晶は、マススペクトル 分析の結果、化合物9であることを確認した 化合物9は、分子量530.20に対し、m/e=530であっ た。

実施例10
 化合物10を以下の合成スキームに従って合 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した3-(9-フェナントリル)フェニルボロ 酸を用いた他は実施例1と同様にして結晶を 合成した。得られた結晶は、マススペクトル 分析の結果、化合物10であることを確認した 化合物10は、分子量530.20に対し、m/e=530であ た。

実施例11
 化合物11を以下の合成スキームに従って合 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した2-(9,9-ジメチルフルオレニル)フェ ルボロン酸を用いた他は実施例1と同様にし 結晶を合成した。得られた結晶は、マスス クトル分析の結果、化合物11であることを 認した。化合物11は、分子量470.20に対し、m/e =470であった。

実施例12
 化合物12を以下の合成スキームに従って合 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した6-フェニルナフタレン-2-ボロン酸 用いた他は実施例1と同様にして結晶を合成 た。得られた結晶は、マススペクトル分析 結果、化合物12であることを確認した。

実施例13
 化合物13を以下の合成スキームに従って合 した。

 フェニルボロン酸の代わりに公知の方法 合成した6-(2-ナフチル)ナフタレン-2-ボロン を用いた他は実施例1と同様にして結晶を合 成した。得られた結晶は、マススペクトル分 析の結果、化合物13であることを確認した。

合成例3
[10-(2-ナフチル)ベンゾ[g]クリセンの合成]
 合成例1において、フェニルボロン酸の代わ りに2-ナフタレンボロン酸を用いて同様の方 で10-(2-ナフチル)ベンゾ[g]クリセンを合成し た。

合成例4
[3-ブロモ-10-(2-ナフチル)ベンゾ[g]クリセンの 成]
 3-ブロモ-10-(2-ナフチル)ベンゾ[g]クリセンを 以下の合成スキームに従って合成した。

 10-(2-ナフチル)ベンゾ[g]クリセン4.05g及び 酸400mLをフラスコに仕込み、臭素1.92gを加え 、100℃で8時間加熱攪拌をした。室温まで冷 後、反応溶液を氷水1Lに注いだ。析出した固 体をろ取し、水、メタノールで順次洗浄後、 乾燥させた。得られた固体をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィで精製し、3-ブロモ-10-(2- ナフチル)ベンゾ[g]クリセン4.35g(収率90%)を得 。

実施例14
 化合物14を以下の合成スキームに従って合 した。

 10-ブロモベンゾ[g]クリセンの代わりに3- ロモ-10-(2-ナフチル)ベンゾ[g]クリセンを、フ ェニルボロン酸の代わりに1-ナフタレンボロ 酸を用いた他は実施例1と同様にして結晶を 合成した。得られた結晶は、マススペクトル 分析の結果、化合物14であることを確認した

実施例15
[有機EL素子の作製]
 25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラ ス基板(ジオマティック社製)を、イソプロピ アルコール中で5分間、超音波洗浄した後、 UVオゾン洗浄を30分間行なった。洗浄後の透 電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置 基板ホルダーに装着し、まず透明電極ライ が形成されている側の面上に、透明電極を うようにして厚さ50nmの4,4’-ビス[N-(1-ナフチ ル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルからなる膜( 以下「NPD膜」と略記する。)を抵抗加熱蒸着 より成膜した。このNPD膜は正孔注入・輸送 として機能する。

 続けて、NPD膜上に、実施例1で調製した化 合物1を抵抗加熱蒸着により厚さ40nmで成膜し 。同時に燐光発光性ドーパントとして、下 PQIr(acac)を、化合物1に対し質量比で5%になる ように蒸着した。PQIr(acac)膜は、燐光発光層 して機能する。

 この燐光発光層上に、下記化合物Iを、抵抗 加熱蒸着により厚さ10nmになるように成膜し 。この化合物Iからなる膜は正孔障壁層とし 機能する。
 化合物Iからなる膜上に膜厚30nmのトリス(8- ノリノール)アルミニウム(Alq3)錯体からなる を成膜した。これは、電子輸送層として機 する。次に、還元性ドーパントであるLi(Li :サエスゲッター社製)及びAlqを二元蒸着し、 電子注入層としてAlq:Li膜(膜厚0.5nm)を形成し 。続けて、Alq:Li膜上に金属Alを蒸着させて金 属陰極(膜厚150nm)を形成し、有機EL発光素子を 作製した。

 作製した有機EL素子について、10mA/cm 2 の電流密度における外部量子効率(%)、及び初 期輝度1000nit、室温、DC定電流駆動での発光の 半減寿命を測定した。結果を表1に示す。

実施例16
 化合物1の代わりに化合物2を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例17
 化合物1の代わりに化合物3を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例18
 化合物1の代わりに化合物4を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例19
 化合物1の代わりに化合物5を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例20
 化合物1の代わりに化合物6を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例21
 化合物1の代わりに化合物7を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例22
 化合物1の代わりに化合物8を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例23
 化合物1の代わりに化合物9を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 た。結果を表1に示す。

実施例24
 化合物1の代わりに化合物10を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 した。結果を表1に示す。

実施例25
 化合物1の代わりに化合物11を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 した。結果を表1に示す。

実施例26
 化合物1の代わりに化合物12を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 した。結果を表1に示す。

実施例27
 化合物1の代わりに化合物13を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 した。結果を表1に示す。

実施例28
 化合物1の代わりに化合物14を用いた他は実 例15と同様にして有機EL素子を作製し、評価 した。結果を表1に示す。

比較例1
 化合物1の代わりに下記化合物Aを用いた他 実施例15と同様にして有機EL素子を作製し、 価した。結果を表1に示す。

 本発明の縮合芳香環誘導体は有機EL素子用 料、特に、発光材料として好適である。
 本発明の有機EL素子は、平面発光体やディ プレイのバックライト等の光源、携帯電話 PDA、カーナビゲーション、車のインパネ等 表示部、照明等に好適に使用できる。
 この明細書に記載の文献の内容を全てここ 援用する。