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Title:
NORMAL INFORMATION GENERATING DEVICE AND NORMAL INFORMATION GENERATING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019886
Kind Code:
A1
Abstract:
A normal information generating device and so forth capable of high-accurately generating normal information for a shade and shadow area are provided. A normal information generating device (100) for generating the normal information on the surface of a subject comprises: an image information acquiring section (110) for acquiring information on the image of a subject including intensity information which is information on the intensity of light from the subject and polarization information which is information on the polarization of light from the subject; a shade and shadow area extracting section (120) for extracting a shade area produced on the surface of the subject by exposure to light and a shadow area produced on other physical bodies due to the block of light by the subject from the subject image on the basis of the intensity information and polarization information acquired by the image information acquiring section (110); and a normal information generating section (104) for generating normal information which identifies a normal on the surface of the corresponding subject for the shade area extracted by the shade and shadow area extracting section (120) by using the polarization information acquired by the image information acquiring section.

Inventors:
SATO SATOSHI
KANAMORI KATSUHIRO
SAITO NATSUKI
NAKATA MIKIYA
Application Number:
PCT/JP2008/002162
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
August 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
SATO SATOSHI
KANAMORI KATSUHIRO
SAITO NATSUKI
NAKATA MIKIYA
International Classes:
G01B11/26; G03B7/28; G03B11/00; G06T1/00; H04N5/225; H04N5/232
Domestic Patent References:
WO2006077710A12006-07-27
WO2007029446A12007-03-15
WO2007139070A12007-12-06
WO2008099589A12008-08-21
Foreign References:
JPS54130976A1979-10-11
JPH11211433A1999-08-06
US5028138A1991-07-02
JPH11211433A1999-08-06
Other References:
ONDREJ DRBOHLAV; SARA RADIM: "Using polarization to determine intrinsic surface properties", PROC. SPIE, vol. 3826, 1999, pages 253 - 263
MEGUMI SAITO ET AL.: "Highlight no henkoh kaiseki ni motozuku tohmei buttai no hyomen keijyo sokutei (Measurement of Surface Orientations of Transparent Objects Using Polarization in Highlight", JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION, vol. J82-D-II, no. 9, 1999, pages 1383 - 1390
L. B. WOLFF; T. E. BOULT: "Constraining object features using a polarization reflectance model", IEEE TRANSACTIONS ON PATTERN ANALYSIS AND MACHINE INTELLIGENCE, vol. 13, no. 7, 1991, pages 635 - 657
See also references of EP 2071280A4
Attorney, Agent or Firm:
NII, Hiromori (6FTanaka Ito Pia Shin-Osaka Bldg.,3-10, Nishi Nakajima 5-chome,Yodogawa-ku, Osaka-cit, Osaka 11, JP)
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Claims:
 被写体の表面における法線情報を生成する法線情報生成装置であって、
 前記被写体からの光の輝度に関する情報である輝度情報及び前記被写体からの光の偏光に関する情報である偏光情報を含む被写体画像に関する情報を取得する画像情報取得部と、
 前記画像情報取得部で取得された輝度情報及び偏光情報に基づいて、光の当たり方によって被写体の表面に生じる陰領域、及び、被写体によって光が遮断されたことによって他の物体上に生じる影領域を、前記被写体画像から抽出する陰影領域抽出部と、
 前記陰影領域抽出部で抽出された陰領域について、前記画像情報取得部で取得された偏光情報を用いて、対応する前記被写体の表面での法線を特定する法線情報を生成する法線情報生成部と
 を備えることを特徴とする法線情報生成装置。
 前記画像情報取得部は、
 偏光主軸角度が異なる複数の偏光子を透過してくる光を受光することで、前記輝度情報をもつ被写体の偏光画像を取得する偏光画像撮像部と、
 取得された前記偏光画像から、当該偏光画像を構成する単位画像のそれぞれについて、前記複数の偏光子の偏光主軸角度と前記複数の偏光子を透過した光の輝度との対応関係を用いて、前記偏光情報を生成する偏光情報生成部とを有し、
 前記陰影領域抽出部は、前記単位画像ごとに、前記偏光画像の輝度情報に基づいて、当該単位画像の輝度と予め定められたしきい値とを比較し、前記輝度が前記しきい値よりも小さい場合に、当該単位画像が、陰領域及び影領域を含む低輝度領域に属すると判断し、前記低輝度領域に属する単位画像について、前記偏光情報生成部で生成された偏光情報に基づいて、当該単位画像が陰領域及び影領域のいずれであるかを判断することによって、前記陰領域及び前記影領域を抽出する
 ことを特徴とする請求項1記載の法線情報生成装置。
 前記偏光画像撮像部は、前記偏光画像を取得するための複数の撮像単位から構成され、
 前記複数の撮像単位のそれぞれは、
 異なる偏光主軸角度をもつ複数の偏光子と、
 前記複数の偏光子のそれぞれを通過した光を受光する複数の画素を有し、
 前記偏光情報生成部は、前記撮像単位で得られた画像を前記単位画像として偏光情報を生成する
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記法線情報生成部は、前記陰領域については、前記対応関係において輝度が最小となる前記偏光主軸角度を、当該領域に対応する前記被写体の入射面の法線情報として生成する
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記法線情報生成部は、陰領域及び影領域のうち、陰領域だけについて前記法線情報を生成する
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記陰影領域抽出部は、前記低輝度領域に属する単位画像について、前記偏光情報が鏡面反射の偏光特性を示すか否かを判断し、前記偏光情報が鏡面反射の偏光特性を示す場合に、当該単位画像を陰領域と抽出する
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記偏光情報生成部は、前記偏光情報として、光がどれだけ偏光しているかを表す指標である偏光度を生成し、
 前記陰影領域抽出部はさらに、前記低輝度領域に属する単位画像における偏光度と予め定められたしきい値とを比較し、前記偏光度が前記しきい値よりも小さい場合に、当該単位画像を影領域として抽出し、前記偏光度が前記しきい値以上である場合に、当該単位画像を陰領域として抽出する
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記偏光情報生成部は、前記偏光情報として、前記変更画像撮像部で得られた輝度と、前記偏光主軸角度と前記輝度との対応関係を近似した正弦関数から定まる輝度との差である偏光推定誤差を生成し、
 前記陰影領域抽出部はさらに、低輝度領域に属する単位画像における偏光推定誤差と予め定められたしきい値とを比較し、前記偏光推定誤差が前記しきい値よりも大きい場合に、当該単位画像を影領域として抽出し、前記偏光推定誤差が前記しきい値以下である場合に、当該単位画像を陰領域として抽出をする
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記偏光画像撮像部は、前記被写体に対してフラッシュによる投光をした場合における第1偏光画像と、フラッシュによる投光をしない場合における第2偏光画像とを取得し、
 前記陰影領域抽出部は、低輝度領域に属する単位画像について、前記第1偏光画像および前記第2偏光画像における輝度の差分を算出し、算出した差分と予め定められたしきい値とを比較し、前記差分が前記しきい値よりも大きい場合に、当該単位画像を陰領域または影領域として抽出する
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記陰影領域抽出部は、前記低輝度領域に属する単位画像について、前記偏光情報が鏡面反射の偏光特性を示すか否かを判断し、前記偏光情報が鏡面反射の偏光特性を示す場合に、当該単位画像を「陰領域または低反射率領域」として抽出する
 ことを特徴とする請求項2記載の法線情報生成装置。
 前記法線情報生成部は、前記「陰領域または低反射率領域」については、前記対応関係において輝度が最小となる前記偏光主軸角度を、当該領域に対応する前記被写体の入射面の法線情報として生成する
 ことを特徴とする請求項10記載の法線情報生成装置。
 前記法線情報生成部は、「陰領域または低反射率領域」及び影領域のうち、「陰領域または低反射率領域」だけについて前記法線情報を生成する
 ことを特徴とする請求項10記載の法線情報生成装置。
 前記偏光情報生成部は、前記偏光情報として、光がどれだけ偏光しているかを表す指標である偏光度を生成し、
 前記陰影領域抽出部はさらに、低輝度領域に属する単位画像における偏光度と予め定められたしきい値とを比較し、前記偏光度が前記しきい値よりも小さい場合に、当該単位画像を影領域として抽出し、前記偏光度が前記しきい値以上である場合に、当該単位画像を「陰領域または低反射率領域」として抽出する
 ことを特徴とする請求項10記載の法線情報生成装置。
 前記偏光情報生成部は、前記偏光情報として、前記変更画像撮像部で得られた輝度と、前記偏光主軸角度と前記輝度との対応関係を近似した正弦関数から定まる輝度との差である偏光推定誤差を生成し、
 前記陰影領域抽出部はさらに、低輝度領域に属する単位画像における偏光推定誤差と予め定められたしきい値とを比較し、前記偏光推定誤差が前記しきい値よりも大きい場合に、当該単位画像を影領域として抽出し、前記偏光推定誤差が前記しきい値以下である場合に、当該単位画像を「陰領域または低反射率領域」として抽出する
 ことを特徴とする請求項10記載の法線情報生成装置。
 前記法線情報生成装置はさらに、前記偏光画像撮像部による撮像の対象となる撮像シーンが、前記法線情報生成部が正確な法線情報を生成できる撮像条件として予め定められた撮像条件を満たしているか否かを判定する撮像条件判定部を備え、
 前記陰影領域抽出部は、前記撮像条件判定部によって撮像条件が満たされていないと判定された場合には、低輝度領域としての領域抽出を中止する
 ことを特徴とする請求項1記載の法線情報生成装置。
 予め定められた前記撮像条件は、「被写体が存在する撮影シーンには、近傍に広い面を有する物体が存在し、ある広い面から被写体に関して反対方向には光源が存在する」という条件である
 ことを特徴とする請求項15記載の法線情報生成装置。
 前記撮像条件判定部は、前記偏光画像撮像部の撮像方向を検出する角度センサを有し、前記角度センサによって前記偏光画像撮像部が水平面よりも上方を向いていることが検出された場合に、前記撮像シーンが前記撮像条件を満たしていないと判定する
 ことを特徴とする請求項15記載の法線情報生成装置。
 前記撮像条件判定部は、音波を発生し、前記音波の反射波を受信することで、周囲の対象物までの距離を測定するソナーを有し、前記ソナーによって当該法線情報生成装置の近傍に物体があるか否かを判断し、物体がないと判断した場合に、前記撮像シーンが前記撮像条件を満たしていないと判定する
 ことを特徴とする請求項15記載の法線情報生成装置。
 前記法線情報生成装置はさらに、前記陰影領域抽出部による領域抽出の結果を評価することで、領域抽出の信頼性があるか否かを判定し、信頼性がないと判定した場合に、前記陰影領域抽出部による領域抽出の結果および前記法線情報生成部により生成された法線情報を破棄する信頼性判定部を備える
 ことを特徴とする請求項1記載の法線情報生成装置。
 信頼性判定部は、前記陰影領域抽出部による領域抽出の結果、低輝度領域において陰領域が存在するか否かを判断し、低輝度領域において陰領域が存在しない場合に、前記領域抽出の信頼性がないと判定する
 ことを特徴とする請求項19記載の法線情報生成装置。
 被写体の表面における法線情報を生成する法線情報生成方法であって、
 前記被写体からの光の輝度に関する情報である輝度情報及び前記被写体からの光の偏光に関する情報である偏光情報を含む被写体画像に関する情報を取得する画像情報取得ステップと、
 前記画像情報取得ステップで取得された輝度情報及び偏光情報に基づいて、光の当たり方によって被写体の表面に生じる陰領域、及び、被写体によって光が遮断されたことによって他の物体上に生じる影領域を、前記被写体画像から抽出する陰影領域抽出ステップと、
 前記陰影領域抽出ステップで抽出された陰領域について、前記画像情報取得ステップで取得された偏光情報を用いて、対応する前記被写体の表面での法線を特定する法線情報を生成する法線情報生成ステップと
 を含むことを特徴とする法線情報生成方法。
 被写体の表面における法線情報を生成する法線情報生成装置のためのプログラムであって、
 請求項21記載の法線情報生成方法に含まれるステップをコンピュータに実行させる
 ことを特徴とするプログラム。
Description:
法線情報生成装置および法線情 生成方法

 本発明は、被写体の表面における法線情 を生成する装置に関し、特に、偏光画像か 法線情報を生成する装置に関する。

 将来のカメラ付き携帯電話やデジタルカ ラ、デジタルムービーカメラなどはHDTV並み に高精細化すると言われており、付加価値を 求めて小型化も進行中である。しかし、光学 系や撮像素子が小型化すると、感度やレンズ 回折限界などの基本的な画像撮像の限界の問 題が発生し、将来的には高精細化も限界に到 達すると考えられる。その場合、不足する取 得された被写体の画像情報に加えてコンピュ ータグラフィックスで画像生成に利用される 各種物理特性に関係する情報量の付与を行な うことで画質を向上することが有効になる。 そのためには、従来の2次元画像処理の枠を え、被写体の3次元形状情報や、被写体を照 する光源など、画像生成過程における物理 報を取得しなくてはならない。形状情報の 力には、レーザ光やLED光源を投光するアク ィブセンサや、2眼ステレオなどの距離計測 システムが必要で、大掛かりなシステムにな る上に、たとえばカメラと被写体との距離が せいぜい数m程度までしかとれない、対象被 体が固形物で明るい拡散物体に限られるな の制約がある。これでは運動会などの遠距 の屋外シーン撮影や髪の毛や衣服が重要な 物撮影には利用できない。

 屋外シーンや一般被写体に使える技術と て、完全にパッシブ(受動的)な被写体形状 ンシング方式として偏光を利用する技術が る。例えば、特許文献1では、被写体照明に 特別な仮定をせず(ランダム偏光:非偏光照 )、カメラのレンズ前に装着した偏光板を回 させながら鏡面反射成分を観測する方法で 写体の局所的な法線情報を生成する方法が 示されている。被写体の表面法線は2つの自 由度を有するが、これらは光の入射と反射の 光線を包含する入射面と、入射面内での入射 角という2つの角度を求めることにより決定 ている。鏡面反射の入射面の情報は、偏光 を回転させて変化する輝度の最小値となる 度から求めている。

 また、非特許文献1では、被写体照明には特 別な仮定をせず(ランダム偏光:非偏光照明)、 カメラのレンズ前に装着した偏光板を回転さ せながら拡散反射成分を観測する方法で、被 写体の法線情報のうち、光の入射と反射の光 線を包含する出射面の角度1自由度を求めて る。拡散反射の出射面の情報は、偏光板を 転させて変化する輝度の最大値となる角度 ら求めている。この手法によれば、カメラ 光源の位置を変化させてステレオ処理する とで、被写体法線を表現する2自由度を求め ことも可能であると考えられる。

米国特許第5,028,138号明細書 Ondfej Drbohlav and Sara Radim、“Using polariz ation to determine intrinsic surface properties”、Pr oc. SPIE Vol.3826、pp.253-263、1999

 しかしながら、上記特許文献1の技術では 、鏡面反射のみを対象にしており、陰影領域 については法線情報を生成できないという問 題がある。また、非特許文献1の技術では、 散反射のみを対象にしており、影や鏡面反 のような反射特性の異なる領域では正確に 線情報を求めることができないという問題 ある。

 つまり、上記従来の技術では、いずれも 偏光を用いて法線情報を生成するものの、 影領域については、もはや法線情報を生成 ることはできないという問題がある。陰影 域について法線情報を生成しない場合には 法線情報の推定精度は向上するが、法線情 を推定できる領域が限られてしまう。ある は、上記従来の技術によって陰影領域につ て法線情報を生成した場合には、その精度 極端に悪くなってしまう。

 そこで、本発明では、陰影領域について 精度に法線情報を生成することができる法 情報生成装置等を提供することを目的とす 。

 上記目的を達成するために、本発明に係 法線情報生成装置は、被写体の表面におけ 法線情報を生成する法線情報生成装置であ て、前記被写体からの光の輝度に関する情 である輝度情報及び前記被写体からの光の 光に関する情報である偏光情報を含む被写 画像に関する情報を取得する画像情報取得 と、前記画像情報取得部で取得された輝度 報及び偏光情報に基づいて、光の当たり方 よって被写体の表面に生じる陰領域、及び 被写体によって光が遮断されたことによっ 他の物体上に生じる影領域を、前記被写体 像から抽出する陰影領域抽出部と、前記陰 領域抽出部で抽出された陰領域について、 記画像情報取得部で取得された偏光情報を いて、対応する前記被写体の表面での法線 特定する法線情報を生成する法線情報生成 とを備えることを特徴とする。これにより 陰領域について、偏光情報を用いて、対応 る前記被写体の表面での法線情報が生成さ る。

 つまり、本発明では、陰(attached shadow)領 と影(cast shadow)領域の偏光特性の違いに着 して法線情報を生成している。このとき、 光特性の違いから陰影(shadow)領域を陰領域と 影領域に分割し、陰領域に関しては、鏡面反 射を仮定することで、陰領域における正確な 法線情報を生成する。

 また、偏光情報に誤差が多く、法線情報 生成しても精度が極端に悪くなる影領域に しては、法線情報の生成処理を行なわない とで、結果として、できるかぎり広い領域 高精度な法線情報を生成する。

 ここで、「陰影」とは、立体に光が当た たときに生じる「かげ(shadow)」であり、「 (attached shadow)」と「影(cast shadow)」とを含む 。「陰」とは、光の当たり方によって立体自 身に生じる「かげ」であり、「影」とは、立 体により光が遮断されたことにより他の平面 や他の立体の上にできる「かげ」である。

 なお、本発明は、法線情報生成装置とし 実現できるだけでなく、法線情報生成方法 して実現したり、その方法に含まれるステ プをコンピュータに実行させるプログラム して実現したり、そのプログラムが記録さ たDVD等のコンピュータ読み取り可能な記録 体として実現することもできる。

 本発明によれば、被写体の偏光情報を利 することで、陰領域及び影領域の抽出が行 れ、陰領域について法線情報が生成される よって、陰影領域について高精度に法線情 が生成される。

 よって、本発明により、被写体の3次元形 状情報が生成され、画像の高精細化が可能と なり、特に、光学系や撮像素子の小型化によ って画像の解像度が問題となるカメラ付き携 帯電話、デジタルカメラ、デジタルムービー カメラなどの携帯型撮像装置が普及してきた 今日における実用的意義は極めて高い。

図1は、本発明の第1の本実施の形態に ける法線情報生成装置の構成を示す機能ブ ック図である。 図2は、本発明の第1、第2および第4の本 実施の形態における法線情報生成装置が搭載 されたカメラの構成図である。 図3は、図2に示されたカメラが備える ターン偏光子と撮像素子との関係を示す模 図である。 図4は、本発明の第1の本実施の形態に ける法線情報生成装置による処理の流れを すフローチャートである。 図5は、図2に示されたカメラが備える ターン偏光子の配列状態を説明するための 式図である。 図6は、正弦関数輝度変化と観測輝度点 を説明するための模式図である。 図7(a)は、球体であるプラスチック製ボ ールの被写体を示す図、(b)~(d)は、それぞれ その被写体を撮影した場合の偏光度ρ、偏光 位相φ、偏光推定誤差Eを画像として表示した 図である。 図8(a)~(d)は、それぞれ、図7(a)~図7(d)の 淡を明瞭化した模式図である。 図9は、被写体の屈折率n=1.1、1.3、1.5、2 .0の場合における鏡面反射成分の入射角に対 る偏光度を示すグラフである。 図10は、被写体の屈折率n=1.1、1.3、1.5 2.0の場合における拡散反射成分の出射角に する偏光度を示すグラフである。 図11は、陰領域と影領域による陰影領 の分類を説明するための模式図である。 図12は、陰領域における多重反射光の 射を説明するための模式図である。 図13は、影領域における多重反射光の 射を説明するための模式図である。 図14は、本発明の第1の本実施の形態に おける領域分割部の詳細な構成を示す機能ブ ロック図である。 図15は、本発明の第1の本実施の形態に おける領域分割部による処理の流れを示すフ ローチャートである。 図16(a)(b)(c)は、本発明の第1の本実施の 形態における領域分割部による光学的領域分 割結果を示す図である。 図17は、本発明の第1の本実施の形態に おける拡散反射鏡面反射分類処理の流れを示 すフローチャートである。 図18は、本発明の第1の本実施の形態に おける領域分割部による領域分割の具体例を 示す図である。 図19は、領域分割部による領域分割時 判断基準の具体例を示す図である。 図20は、本発明の第1の本実施の形態に おける法線情報生成部の詳細な構成を示す機 能ブロック図である。 図21は、本発明の第1の本実施の形態に おける法線情報生成部による処理の流れを示 すフローチャートである。 図22は、本発明の第1の本実施の形態の 変形例に係る領域分割部の構成を示す機能ブ ロック図である。 図23は、図22に示された領域分割部に る拡散反射鏡面反射分類処理の流れを示す ローチャートである。 図24は、本発明の第1の本実施の形態の 変形例に係る領域分割部の構成を示す機能ブ ロック図である。 図25は、図24に示された領域分割部に る処理の流れを示すフローチャートである 図26は、本発明の第1の本実施の形態の 変形例に係る領域分割部の構成を示す機能ブ ロック図である。 図27は、図26に示された領域分割部に る処理の流れを示すフローチャートである 図28は、フラッシュを利用した第1の本 実施の形態の変形例における法線情報生成装 置の構成を示す機能ブロック図である。 図29は、図28に示される法線情報生成 置による陰影検出処理の流れを示すフロー ャートである。 図30は、本発明の第2の本実施の形態に おける法線情報生成装置の構成を示す機能ブ ロック図である。 図31は、本発明の第2の本実施の形態に おける法線情報生成装置による処理の流れを 示すフローチャートである。 図32は、本発明の第2の本実施の形態に おける領域分割部の詳細な構成を示す機能ブ ロック図である。 図33は、本発明の第2の本実施の形態に おける領域分割部による処理の流れを示すフ ローチャートである。 図34は、本発明の第2の本実施の形態に おける法線情報生成部による処理の流れを示 すフローチャートである。 図35は、本発明の第3の本実施の形態に おける法線情報生成装置の構成を示す機能ブ ロック図である。 図36は、本発明の第3の本実施の形態に おける撮像条件判定部の詳細な構成を示す機 能ブロック図である。 図37は、本発明の第3の本実施の形態に おける法線情報生成装置が搭載されたカメラ の構成例である。 図38は、本発明の第3の本実施の形態に おける法線情報生成装置による処理の流れを 示すフローチャートである。 図39は、本発明の第3の本実施の形態に おける法線情報生成部による処理の流れを示 すフローチャートである。 図40は、ソナーを利用した本発明の第3 の本実施の形態の変形例における法線情報生 成装置が搭載されたカメラの構成例である。 図41は、本発明の第3の本実施の形態に おける撮像条件判定部の詳細な構成を示す機 能ブロック図である。 図42は、図40に示された法線情報生成 置による処理の流れを示すフローチャート ある。 図43は、本発明の第4の本実施の形態に おける法線情報生成装置の構成を示す機能ブ ロック図である。 図44は、本発明の第4の本実施の形態に おける法線情報生成装置による処理の流れを 示すフローチャートである。 図45は、本発明の第4の本実施の形態に おける撮像条件判定部の詳細な構成を示す機 能ブロック図である。 図46(a)(b)は、発明に係る法線情報生成 置を内蔵する応用製品の例を示す図である 図47は、本発明の変形例に係る法線情 生成装置による陰影検出処理の流れを示す ローチャートである。 図48(a)は、被写体である油絵の画像、( b)は、(a)に示された画像に対応する偏光度ρ( 光情報)を示す図である。 図49は、同法線情報生成装置によって 出された影領域を示す図である。

符号の説明

  100、100a、100b、100c、100d  法線情報生成装 置
  101  偏光画像撮像部
  102  偏光情報生成部
  103、103a、103b、103c、1031  領域分割部
  104、1041  法線情報生成部
  105  発光部
  106、106a  撮像条件判定部
  107  信頼性判定部
  110  画像情報取得部
  120  陰影領域抽出部
  200、200a、200b  カメラ
  201  パターン偏光子
  202  撮像素子
  203  メモリ
  204  CPU
  205  角度センサ
  206  撮像単位
  207  発光装置
  208  表示部
  209  スピーカ
  210  ソナー
  301  陰影領域検出部
  302  DB(データベース)
  303  偏光度比較部
  304  偏光推定誤差比較部
  305  領域判断部
  306  蓄積部
  307  領域参照部
  308  拡散反射仮定法線情報生成部
  309  鏡面反射仮定法線情報生成部
  310  輝度比較部
  311  低輝度画素検出部
  312  光軸方向検出部
  313  光軸方向比較部
  314  陰領域存在判断部
  315  撮像環境検出部
  316  撮像環境認識部

 以下、本発明の実施の形態について、図 を参照しながら説明する。

 (第1の実施の形態)
 まず、本発明の第1の実施の形態における法 線情報生成装置の概要について説明する。

 図1は、本実施の形態における法線情報生 成装置100の構成を示す機能ブロック図である 。この法線情報生成装置100は、被写体の表面 における法線情報を生成する装置であり、画 像情報取得部110、陰影領域抽出部120および法 線情報生成部104を備える。

 画像情報取得部110は、被写体からの光の 度に関する情報である輝度情報及び被写体 らの光の偏光に関する情報である偏光情報 含む被写体画像に関する情報を取得する処 部であり、偏光画像撮像部101及び偏光情報 成部102を有する。なお、この画像情報取得 110は、被写体画像を構成する単位画像ごと 、輝度情報及び偏光情報を取得する。

 画像情報取得部110における偏光画像撮像 101は、偏光主軸角度が異なる複数の偏光子 透過してくる光を受光することで、被写体 偏光画像を取得する処理部である。

 画像情報取得部110における偏光情報生成 102は、偏光画像撮像部101によって取得され 偏光画像から、当該偏光画像を構成する画 領域のそれぞれについて、複数の偏光子の 光主軸角度と複数の偏光子を透過した光の 度との対応関係を用いて、受光した偏光に する情報である偏光情報を生成する処理部 ある。

 陰影領域抽出部120は、画像情報取得部110 取得された輝度情報及び偏光情報に基づい 、単位画像の単位で、光の当たり方によっ 被写体の表面に生じる「かげ」の領域であ 陰領域、及び、被写体によって光が遮断さ たことによって他の物体上に生じる「かげ の領域である影領域を、被写体画像から抽 する処理部であり、本実施の形態では、領 抽出の一例である領域分割をする領域分割 103を有する。

 陰影領域抽出部120における領域分割部103 、偏光画像の輝度情報と偏光情報生成部102 生成された偏光情報とにおける類似性(共通 性)を利用して、偏光画像を、光学的に共通 る画像領域の集まりからなる複数の領域に 割する処理部である。このとき、領域分割 103は、画像領域の輝度と予め定められたし い値とを比較し、輝度がしきい値よりも小 い場合に、当該画像領域を、陰影領域(陰領 及び影領域)を含む低輝度領域(本実施の形 では、陰影領域)として、領域分割をする。

 なお、この領域分割部103は、画像(ここで は、偏光画像)に対して領域分割をするが、 発明における陰影領域抽出部の動作として 、領域分割に限られず、領域抽出(つまり、 像の一部の領域を特定する処理)でよい。つ まり、本明細書では、発明の理解を容易にす るために、領域抽出の一例として、画像の全 領域を、陰領域及び影領域を含む複数の種類 の領域のいずれかに分割する領域分割につい て説明するが、本発明に係る法線情報生成装 置としては、このような領域分割に限られず 、画像の一部の領域を特定する領域抽出でよ い。よって、本明細書における「領域分割( 域の分割)」は、「領域抽出(領域の抽出)」 読み替えてもよい。また、本明細書におけ 「領域検出(領域の検出)」は、「領域抽出( 域の抽出)」と同義である。

 法線情報生成部104は、領域分割部103で分 された領域ごとに、偏光情報生成部102で生 された偏光情報を用いて、対応する被写体 表面での法線を特定する法線情報を生成す 処理部である。

 図2は、本実施の形態における法線情報生 成装置100が搭載されたカメラ200のハードウェ ア構成例を示している。図3は、図2に示され パターン偏光子201と撮像素子202との関係を した模式図である。このカメラ200は、法線 報を生成する機能を備える撮像装置であり パターン偏光子201、撮像素子202、メモリ203 CPU204および発光装置207を備える。

 パターン偏光子201は、図3に示されるよう に、偏光主軸角度ψi=0°、45°、90°、135°の4種 類の偏光子を1組として2次元状に配置された 光子の集まりである。

 撮像素子202は、図3に示されるように、パ ターン偏光子201を構成する個々の偏光子を透 過した光を受光する2次元状に配置された画 (受光素子)の集まりであり、撮像素子202の撮 像面に平行に設置されることが望ましい。な お、パターン偏光子201における4個(4種類)の 光子と、撮像素子202における対応する4個の 素(受光素子)とから、撮像単位206が構成さ る。この撮像単位206によって得られる画像 、偏光情報生成部102、領域分割部103および 線情報生成部104における各処理の単位(「単 画像」)である。つまり、法線情報生成装置 100は、撮像単位206によって得られる単位画像 (以下、「画素」ともいう。)ごとに、偏光情 の生成、領域分割および法線情報の生成を なう。

 メモリ203は、CPU204の作業領域としてのRAM よびプログラム等が格納されたROMを含む。

 CPU204は、メモリ203に格納されたプログラ を実行し、メモリ203にアクセスしたり、撮 素子202および発光装置207を制御するプロセ サである。

 発光装置207は、被写体に投光するフラッ ュである。

 なお、図1に示された偏光画像撮像部101は 、図2に示されたパターン偏光子201および撮 素子202によって実現される。図1に示された 光情報生成部102、領域分割部103および法線 報生成部104は、図2に示されたCPU204がメモリ 203に格納されたプログラムを実行することに よって実現される。また、メモリ203は、偏光 画像撮像部101で取得された偏光画像、偏光情 報生成部102で生成された偏光情報、法線情報 生成部104で生成された法線情報、および、一 時的に発生する各種パラメータ等を格納する 作業領域としても使用される。

 図4は、本実施の形態における法線情報生 成装置100による処理の流れを示すフローチャ ートである。まず、偏光画像撮像部101は、パ ターン偏光子201を通して被写体を撮像素子で 受光することで、偏光情報を含んだ画像であ る偏光画像を撮像する(S101)。偏光情報生成部 102は、偏光画像撮像部101が撮像した偏光画像 の輝度変化を利用して、偏光情報を生成する (S102)。領域分割部103は、偏光情報生成部102が 生成した偏光情報や偏光画像撮像部101が取得 した輝度情報を利用し、画像を拡散反射領域 、鏡面反射領域および低輝度領域(本実施の 態では、陰領域および影領域)に領域分割す (S103)。法線情報生成部104は、領域分割部103 行なった領域分割の結果に基づき、偏光情 生成部102が生成した偏光情報から法線情報 生成する(S104)。このとき、影領域に関して 偏光情報に誤差が多いため、法線情報を生 しない。

 次に、本実施の形態における法線情報生 装置100の各構成要素の詳細な機能を説明す 。

 まず、偏光画像撮像部101の詳細な機能に いて説明する。偏光画像撮像部101は、被写 からの光をパターン偏光子201を通して撮像 子202で受光することで、偏光情報を含んだ 光画像を取得する。図5は、図3に示された 像単位206を入射光方向から眺めた模式図で る。本図において、各偏光子(各画素)内の直 線は、各画素上に設置された微小偏光板の偏 光主軸方向を示している。すなわち、この撮 像単位206は、偏光軸の回転角(ψi=0°、45°、90 、135°)の4種類の偏光方向を有する画素を持 。パターン偏光子は、TM波が透過、TE波が反 射(透過せず)という偏光特性を示す。

 このような特性は、例えば、『川島、佐 、川上、長嶋、太田、青木、“パターン化 光子を用いた偏光イメージングデバイスと 用技術の開発”、電子情報通信学会2006年総 合全国大会、No.D-11-52、P52、2006』:非特許文献 2に記載されたフォトニック結晶を用いて作 することができる。フォトニック結晶の場 、表面に形成された溝に平行な振動面を持 光がTE波、垂直な振動面を持つ光がTM波とな 。

 この偏光情報の撮影に際しては、輝度の イナミックレンジとビット数は、なるべく きいこと(例えば16ビット)が望ましい。

 次に、偏光情報生成部102の詳細な機能に いて説明する。偏光情報生成部102は、偏光 像撮像部101が取得した偏光画像を利用して 偏光情報を生成する処理部である。

 偏光子を透過した輝度は、偏光子の偏光 軸角によって変化することが知られている 図6は、異なる偏光主軸角度ψi=0°、45°、90° 、135°の4種類の偏光子を透過した輝度401~404 1本の正弦関数カーブを形成する様子を示す つまり、この正弦関数カーブは、図5の点501 における偏光特性を示している。なお、偏光 主軸角度の0°と180°(π)は同一である。また、 この正弦関数カーブを求める際、撮影ガンマ =1となるカメラを用いるか、リニアリティ補 により撮影ガンマ=1となるように補正する とが望ましい。この4点は、1本の正弦関数カ ーブ上にちょうど乗るように描かれているが 、実際には、多数の観測点から180度周期の正 弦関数が最適値として1本決定されるのが好 しい。

 この偏光情報生成部102は、偏光情報とし 、このカーブの振幅と位相情報を生成する 具体的には、パターン偏光子201の主軸角ψ 対する反射光輝度Iを以下のように近似する

 ここで、図6に示されるように、式1にお るA、B、Cは定数であり、それぞれ、偏光子 よる輝度の変動カーブの振幅、位相、平均 を表現している。ところで、式1は、以下の うに展開できる。

 ただし、

 つまり、4画素のサンプル(ψi、Ii)におい 、以下の式5を最小にするA、B、Cを求めれば 弦関数(式1)の近似ができる。ただし、Iiは 偏光板回転角ψi時の観測輝度を示している また、Nはサンプル数であり、ここでは、4で ある。

 以上の処理により、正弦関数近似のA、B Cの3パラメータが確定する。

 こうして求めたパラメータを利用して、 光情報生成部102は、偏光情報として、以下 いずれかまたは複数を生成する。

 ・偏光度ρ

 ・偏光位相φ(0°≦φ≦180°)

 ・偏光推定誤差E

 ここで、偏光度とは、光がどれだけ偏光 ているかを表す指標であり、偏光位相とは 偏光主軸角度に依存して変化する輝度が最 となる角度であり、偏光推定誤差とは、4画 素のサンプルについて観測された輝度と近似 によって得られた上述の正弦関数から定まる 輝度との差の合計である。

 図7は、球体であるプラスチック製ボール の被写体を撮影した場合の偏光度ρ、偏光位 φおよび偏光推定誤差Eを画像として表示し 図である。この図において、図7(a)は被写体 であるプラスチック製ボールの画像、図7(b) 図7(a)の被写体に対する偏光度ρ、図7(c)は図7 (a)の被写体に対する偏光位相φ(0°が黒、180° 白)、図7(d)は図7(a)の被写体に対する偏光推 誤差Eを示している。また、図8は、図7の各 を模式的に示した図(濃淡を明瞭化した図) ある。いずれも輝度の白いほうが値が大き ことを意味しており、ボールの遮蔽エッジ 近で偏光度が大きいこと、被写体の影に覆 れていない領域では偏光位相が180°周期で球 体の周囲を反時計回りに単調増加しているこ とがわかる。この偏光位相は、回転させて変 化する輝度の最大値となる角度であり、被写 体が拡散反射であった場合の出射面の情報で ある。

 次に、領域分割部103の詳細な機能につい 説明する。領域分割部103は、偏光情報生成 102が生成した偏光情報と偏光画像撮像部101 取得した輝度情報を利用し、画像を拡散反 領域、鏡面反射領域、陰領域および影領域 領域分割する。

 ここで、拡散反射と鏡面反射について説 する。被写体表面の反射特性は、「てかり である鏡面反射成分と、マットな反射成分 ある拡散反射成分との和として表現される とが知られている。拡散反射成分は、被写 を照射する光源がいずれの方向に存在して 観測されるが、鏡面反射成分は、被写体の 線方向と視線方向に対し、ほぼ正反射方向 光源が存在する場合にのみ観測される方向 存性の強い成分である。これは、偏光特性 関しても成り立つ。

 被写体が「てかり」である鏡面反射を生 る物体である場合、すべての方向から光が 射された場合、被写体は正反射成分である 面反射による影響を強く受けることが知ら ている(例えば、透明物体に関しては、斉藤 めぐみ、佐藤洋一、池内克史、柏木寛、“ハ イライトの偏光解析にもとづく透明物体の表 面形状測定”、電子情報通信学会論文誌 D-II 、Vol. J82-D-II、No.9、pp.1383-1390、1999:非特許文 3)。

 図9および図10は、それぞれ、被写体の屈 率n=1.1、1.3、1.5、2.0の場合における鏡面反 成分および拡散反射成分の偏光度を示した ラフである(例えば、「L. B. Wolff and T. E.  Boult、 “Constraining object features using a polar ization reflectance model”、 IEEE Transactions on P attern Analysis and Machine Intelligence、 Vol.13、No .7、pp.635-657、1991」:非特許文献4参照)。ここ 、図9の横軸は入射角、縦軸は偏光度を示し いる。また、図10の横軸は出射角、縦軸は 光度を示している。これらの図より、すべ の方向から光が入射された場合、拡散反射 分に比べ、鏡面反射成分の偏光度が高くな ことがわかる。このことから、偏光特性と ても、鏡面反射成分が支配的になると推測 れる。このことは、出射角が90°に近い、遮 エッジなどを除外した場合に成り立つ。

 また、偏光位相φから、被写体の法線情 のうち、光の入射と反射の光線を包含する 射面(入射角)の角度1自由度を求める方法が られている。しかし、被写体において鏡面 射が支配的か拡散反射が支配的かによって 法線情報の求め方が全く異なることも知ら ている(例えば、非特許文献1参照)。拡散反 成分が支配的な場合、拡散反射の出射面の 報は、偏光板を回転させて変化する輝度の 大値となる角度として求めることができる 一方、鏡面反射成分が支配的な場合、拡散 射の入射面の情報は、偏光板を回転させて 化する輝度の最小値となる角度として求め ことができる。ここで、偏光輝度の変動カ ブが180°周期の正弦関数となることに着目す ると、拡散反射が支配的か鏡面反射が支配的 かを考慮せずに法線情報を生成した場合、推 定された法線の1自由度は90°の誤差を持って まうことがわかる。そのため、拡散反射と 面反射とを分類することは、偏光情報から 法線情報を生成する処理において重要であ 。

 次に、陰領域と影領域について説明する 図11は、陰領域と影領域(陰影領域の分類)を 説明するための模式図である。ここでは、あ る面1002に置かれた球状物体である被写体1001 、光源1003に照らされている様子が示されて いる。この図において、領域1004と領域1005は どちらも、陰影領域を示している。領域1004 は、被写体1001の法線が光源1003を向いていな ために生じる「陰領域」であり、領域1005は 、面1002において、遮蔽物である被写体1001に って光が遮蔽されることによって生じる「 領域」である。

 次に、陰領域と影領域の偏光特性の違い ついて説明する。まず、地上で撮影される とんどの撮影シーンで成り立つ以下の条件1 が満たされた撮影シーンにおいて撮影が行な われると想定する。

 条件1:「被写体が存在する撮影シーンには 近傍に広い面を有する物体が存在し、ある い面から被写体に関して反対方向には光源 存在する」
 これは、例えば以下のような撮影シーンで 成り立つ。
1.屋内シーンにおいて、被写体であるボール 机の上に置かれている。また、このボール 天井に設置された蛍光灯で照らされている
2.屋内シーンにおいて、被写体である人物が 床面に置かれた椅子に座っている。また、 の人物は、窓から差し込んでくる太陽光で らされている。
3.屋外シーンにおいて、被写体である自動車 、道路上を走行している。この被写体は、 陽光で照らされている。

 また、壁や建物も広い面を有するため、 上で撮影されるほとんどの撮影シーンでは この条件が成り立つ。

 この条件1が成り立つ場合に、まず陰領域 について説明する。図11に示されるように、 領域は、被写体の法線が光源と反対方向を いているために生じる陰影(かげ)領域であ 。ここで、条件1より、光源と反対方向には い面が存在していることと、陰影領域には 際には多数の回り込み光(多重反射光)が存 していることを考慮すると、陰領域には、 まざまな方向から多重反射光が入射してい と考えられる。つまり、カメラ200と陰領域 生じている画素の法線に対して、正反射と る多重反射光が存在すると考えられる。図12 は、この様子を示した模式図である。この図 において、カメラ1006は、本実施の形態にお る法線情報生成装置100が搭載されたカメラ 面1007は上記広い面を示している。

 ところで、前述のように、鏡面反射成分 偏光度は拡散反射成分に比べて高い。その め、鏡面反射成分の反射特性を示す陰領域 、相対的に偏光度が高くなる。

 次に、影領域について説明する。図11に されるように、影領域は、何らかの遮蔽物 よって光が遮蔽されることによって生じる 影(かげ)領域である。ここで、条件1を考慮 ると、影領域は、広い面と近い法線方向を った面に生じやすくなる。そのため、多重 射光は、陰領域に比べ、限られた方向から か入射しない。このことから、正反射方向 光源が存在する可能性は低いと考えられる 図13は、この様子を示した模式図である。

 さらに、図10に示されるように、拡散反 成分の偏光度は相対的に低い。このことか 、影領域の偏光成分は比較的小さくなるこ がわかる。陰影領域では、輝度そのものが さくなるため、小さな偏光成分を推定する とは非常に困難である。そのため、影領域 偏光推定誤差は非常に大きくなる。

 以上のことをまとめると、陰影領域の偏光 性は、以下のように分類される。
(1)陰領域
・偏光度が高く、偏光推定誤差が小さい。
・多くの場合、鏡面反射特性を示す。
(2)影領域
・偏光度が低く、偏光推定誤差が大きい。
・多くの場合、拡散反射特性を示す。

 この分類基準を利用することで、陰影領 を陰領域と影領域とに分類することができ 。たとえば、偏光情報が鏡面反射の偏光特 (偏光度が高い、あるいは、偏光推定誤差が 小さい)を示す低輝度領域を陰領域と分類す ことができる。このような性質を利用して 域分割をする領域分割部103について、以下 詳細に説明する。

 図14は、図1に示された法線情報生成装置1 00における領域分割部103の詳細な構成を示す 能ブロック図である。この領域分割部103は 偏光情報生成部102が生成した偏光情報と偏 画像撮像部101が取得した輝度情報を利用し 画像を拡散反射領域、鏡面反射領域、陰領 および影領域に領域分割する処理部であり 陰影領域検出部301、DB302、偏光度比較部303 偏光推定誤差比較部304、領域判断部305およ 蓄積部306を備える。

 陰影領域検出部301は、偏光画像撮像部101 取得した画像における画素が陰影領域であ かどうかを推定する処理部である。

 DB302は、偏光度比較部303により参照され 閾値TH_PDSおよび偏光推定誤差比較部304によ 参照される閾値Th_Errを予め格納しているメ リ等である。

 偏光度比較部303は、DB302から閾値TH_PDSを み出し、陰影領域検出部301で陰影領域でな と推定された画素について、対象となる画 の偏光度と閾値TH_PDSとを比較する処理部で る。

 偏光推定誤差比較部304は、DB302から閾値Th _Errを読み出し、陰影領域検出部301で陰影領 であると推定された画素について、対象と る画素の偏光推定誤差Eと閾値Th_Errとを比較 る処理部である。

 領域判断部305は、偏光度比較部303および 光推定誤差比較部304での比較結果に応じて 対象の画素が拡散反射領域、鏡面反射領域 影領域および陰領域のいずれであるかを判 し、その結果を蓄積部306へ蓄積する。

 蓄積部306は、領域判断部305による領域分 の結果を格納するメモリ等である。

 図15は、この領域分割部103による処理の れを示すフローチャートである。まず、陰 領域検出部301は、偏光画像撮像部101が取得 た画像における画素が低輝度領域(本実施の 態では、陰影領域)であるかどうかを推定す る(S201)。これは、例えば、陰影領域は輝度値 が低いことを利用し、輝度値や偏光子による 輝度の変動カーブの振幅が閾値以下の画素を 陰影領域と推定すればよい。このように陰影 領域を推定するための閾値は実験的に決定す ればよく、例えば、16ビットモノクロ画像の 度値に対しては、256を設定すればよい。こ ような閾値はDB302に保持しておけばよい。 16(a)は、図7(a)の画像(その模式図である図8(a) )に対して、陰影検出処理を実施した結果で る。図の黒色領域が影として検出された結 を示している。

 画素が陰影領域ではなかった場合(S201でNo )、偏光度比較部303は、その画素において拡 反射成分が支配的であるか、鏡面反射成分 支配的であるかを判断する(S202)。図17は、こ の偏光度比較部303による拡散反射鏡面反射分 類処理(S202)の詳細な流れを示すフローチャー トである。ここでは、偏光度比較部303は、前 述の「鏡面反射は偏光度が高い」ことを利用 して、画素が拡散反射と鏡面反射のどちらが 支配的かを判断する。まず、偏光度比較部303 は、画素の偏光度が閾値TH_PDSより小さいか、 大きいかを調べる(S211)。画素の偏光度が閾値 TH_PDSより小さかった場合(S211でYes)、領域判断 部305は、その画素では拡散反射が支配的であ る(その画素は拡散反射領域である)と判断す (S212)。一方、偏光度が閾値TH_PDSより大きか た場合(S211No)、領域判断部305は、その画素 は鏡面反射が支配的である(その画素は鏡面 射領域である)と判断する(S213)。領域判断部 305は、領域分割の結果を蓄積部306に蓄積する 。

 なお、閾値Th_PDSは、被写体の屈折率や被 体の法線方向、光源方向、視線方向などか 設定するようにしても構わない。図9および 図10に示されるように、被写体の鏡面反射成 偏光度や拡散反射成分偏光度は屈折率と入 角、出射角が求まれば一意に決定できる。 のため、図9および図10で求まる鏡面反射成 偏光度や拡散反射成分偏光度をTh_PDSとして 用すればよい。また、被写体の屈折率や被 体の法線方向、光源方向、視線方向などの 報が得られない場合、拡散反射成分偏光度 とりうる最大値をもとに、閾値Th_PDSとして 定しても構わない。例えば、屈折率2.0以上 被写体は存在しないと仮定すると、図10よ 、拡散反射成分偏光度の最大値は0.6程度と えられるので、閾値Th_PDSとして、0.7程度を 定すればよい。このような閾値はDB302に保持 しておけばよい。

 拡散反射鏡面反射分類処理(S202)が終了後 領域判断部305は、すべての画素の光学的分 が完了したかどうかをチェックする(S203)。 し、まだ分類を行なっていない画素が存在 る場合(S203でNo)、陰影領域検出部301は、別 画素が陰影領域かどうかを検出する(S201)。 た、すべての画素の光学的分類が完了した 合(S203でYes)、領域分割部103は、処理を終了 る。

 一方、画素が陰影領域であった場合(S201 Yes)、偏光推定誤差比較部304は、上記式8で定 義される偏光推定誤差Eの大きさを評価する(S 204)。すなわち、偏光推定誤差比較部304は、 光推定誤差Eの大きさと閾値Th_Errとを比較す 。その結果、偏光推定誤差Eの大きさが閾値 Th_Errより大きかった場合(S204でYes)、領域判断 部305は、その画素が影領域であると判断し(S2 05)、一方、偏光推定誤差Eの大きさが閾値Th_Er rより小さかった場合(S204でNo)、領域判断部305 は、その画素が陰領域であると判断する(S206) 。領域判断部305は、領域分割の結果を蓄積部 306へ蓄積する。

 このときの閾値Th_Errは撮影画像の輝度値 式2の振幅成分A、バイアス成分Cを基準に決 すればよい。例えば、振幅成分Aを基準に閾 値Th_Errを決定する場合、以下のように決定す ればよい。

 この式は、偏光推定誤差Eが振幅成分Aに してどの程度、異なっているかを示してい 。ここで、Th_Eは適当な正の定数であり、実 的に決定すればよく、例えば、0.3を設定す ばよい。また、Nは前述のサンプル数である 。このような閾値はDB302に保持しておけばよ 。

 図16(b)および図16(c)は、それぞれ、このよ うにして求めた影領域および陰領域を示して いる。この図において、黒色領域が選択され た領域である。こうして求めた影領域と陰領 域に対し、画像処理で広く使われている領域 の収縮膨張処理を行なうことにより、影領域 と陰領域とを分離できる。

 図18は、領域分割部103による領域分割例 示す図である。ここでは、偏光画像を構成 る各画素について、画素位置、振幅A、偏光 ρ、偏光位相φ、偏光推定誤差Eの具体値と 領域分割結果が示されている。ここでの、 域分割における判断基準は、図19に示される 通りである。つまり、拡散反射領域または鏡 面反射領域か陰影領域かは、振幅Aが256以上 あるか否かによって判断され(図15のS201)、拡 散反射領域か鏡面反射領域かは、偏光度ρが0 .7より小さいか否かによって判断され(図17のS 211)、影領域であるか陰領域であるかは、偏 推定誤差Eが上記式9で示される閾値Th_Errより 大きいか否かによって判断される(図15のS204) このような判断基準で判断された結果、図1 8に示されるように、画素(141、117)は、拡散反 射領域に属すると判断され、画素(151、138)は 鏡面反射領域に属すると判断され、画素(111 、144)は、陰領域に属すると判断され、画素(9 8、151)は、影領域に属すると判断され、画素( 165、144)は、拡散反射領域に属すると判断さ る。

 次に、法線情報生成部104の詳細な機能を 明する。図20は、図1に示された法線情報生 装置100における法線情報生成部104の詳細な 成を示す機能ブロック図である。この法線 報生成部104は、領域分割部103が行なった領 分割結果に基づき、偏光情報から法線情報 生成する処理部であり、蓄積部306、領域参 部307、拡散反射仮定法線情報生成部308およ 鏡面反射仮定法線情報生成部309を備える。 お、この図において、図14と共通の構成要 には図14と同一の符号を付しており、その詳 細な説明は省略する。

 領域参照部307は、蓄積部306に蓄積された 域分割の結果を参照することで、対象とな 画素においては、拡散反射成分が支配的か( 拡散反射領域であるか)、あるいは、鏡面反 成分が支配的か(鏡面反射領域であるか)、ま たは、その画素が陰領域であるか否かを判断 する処理部である。

 拡散反射仮定法線情報生成部308は、拡散 射領域の画素に対して、拡散反射仮定で法 情報を生成する処理部である。具体的には 上述した近似によって得られた正弦関数に いて輝度が最大となる偏光主軸角度を、当 画素に対応する被写体の出射面の法線情報 して生成する。

 鏡面反射仮定法線情報生成部309は、鏡面 射領域および陰領域の画素に対して、鏡面 射仮定で法線情報を生成する処理部である 具体的には、上述した近似によって得られ 正弦関数において輝度が最小となる偏光主 角度を、当該画素に対応する被写体の入射 の法線情報として生成する。

 図21は、この法線情報生成部104による処 の流れを示すフローチャートである。まず 領域参照部307は、領域分割部103が検出した 学的領域分割の結果を基に、画素において 散反射成分が支配的かどうかを判断する(S301 )。この処理は、領域判断部305の結果が蓄積 れている蓄積部306から領域分割結果を読み せばよい。もし、拡散反射成分が支配的で ると判断された場合(S301でYes)、拡散反射仮 法線情報生成部308は、その画素について拡 反射仮定で法線情報を生成する(S302)。具体 には、出射面における法線の1自由度を、偏 板を回転させて変化する輝度の最大値とな 角度として求める。つまり、上述した近似 よって得られた正弦関数において輝度が最 となる偏光主軸角度を、当該画素に対応す 被写体の出射面の法線情報として生成する

 また、画素が拡散反射成分が支配的では い場合(S301でNo)、領域参照部307は、鏡面反 成分が支配的(画素が鏡面反射領域である)、 または、画素が陰領域であるか否かを判断す る(S303)。その結果、鏡面反射成分が支配的、 または、画素が陰領域であると判断された場 合には(S303でYes)、鏡面反射仮定法線情報生成 部309は、その画素について鏡面反射仮定で法 線情報を生成する(S304)。具体的には、入射面 における法線の1自由度を、偏光板を回転さ て変化する輝度の最小値となる角度として める。つまり、上述した近似によって得ら た正弦関数において輝度が最小となる偏光 軸角度を、当該画素に対応する被写体の入 面の法線情報として生成する。

 一方、画素が影領域であると判断された 合、つまり、拡散反射成分も鏡面反射成分 支配的ではなく、陰領域でもない場合(S303 No)、この法線情報生成部104は、画素の偏光 報は誤差が支配的であり、正確な法線情報 生成できないと判断し、法線情報生成処理 行なわない(S305)。

 なお、図15に示される処理では、画素に いて拡散反射成分が支配的であるか鏡面反 成分が支配的であるかを判断するために偏 度が利用されたが(S202)、輝度値を利用する うにしても構わない。図22は、輝度値を利用 して拡散反射か鏡面反射かを判断する変形例 に係る領域分割部103aの詳細な構成を示す機 ブロック図である。この領域分割部103aは、 影領域検出部301、DB302、偏光推定誤差比較 304、領域判断部305、蓄積部306および輝度比 部310を備える。なお、図22において、図14と 通の構成要素には図14と同一の符号を付し おり、その詳細な説明は省略する。

 輝度比較部310は、DB302から閾値TH_IDSを読 出し、対象の画素の輝度値と閾値TH_IDSとを 較する処理部である。

 図23は、この領域分割部103aによる処理の れを示すフローチャートである。なお、図2 3において、図17と共通のステップには図17と 一の符号を付しており、その詳細な説明を 略する。輝度比較部310は、画素の輝度値が 値TH_IDSより小さいか、大きいかを調べる(S21 4)。画素の輝度値が閾値TH_IDSより小さかった 合(S214でYes)、領域判断部305は、その画素は 散反射が支配的であると判断する(S212)。一 、輝度値が閾値TH_IDSより大きかった場合(S21 4でNo)、領域判断部305は、その画素は鏡面反 が支配的であると判断する(S213)。このよう して、輝度値を利用して、その画素におい 拡散反射成分が支配的であるか鏡面反射成 が支配的であるかが判断される。

 また、図15に示される処理では、偏光推 誤差を利用して、画素が陰領域か影領域か 判断されたが(S204)、偏光推定誤差ではなく 偏光度を利用するようにしても構わない。 24は、偏光度を利用して陰領域か影領域かを 判断する変形例に係る領域分割部103bの詳細 構成を示す機能ブロック図である。この領 分割部103bは、陰影領域検出部301、DB302、偏 推定誤差比較部304、領域判断部305および蓄 部306を備える。なお、図24において、図14と 通の構成要素には図14と同一の符号を付し おり、その詳細な説明を省略する。

 図25は、この領域分割部103bによる処理の れを示すフローチャートである。なお、図2 5において、図15と共通のステップには図15と 一の符号を付しており、その詳細な説明を 略する。

 陰影領域検出部301によって画素が陰影領 であると判断された場合(S201でYes)、偏光度 較部303は、その画素が陰領域か影領域かを 断するために、式6で定義される偏光度ρと 値Th_Pとを比較する(S207)。その結果、偏光度 ρが閾値Th_Pより小さかった場合(S207でYes)、領 域判断部305は、その画素は影領域であると判 断し(S205)、一方、偏光度ρが閾値Th_Pより大き かった場合(S207でNo)、領域判断部305は、その 素は陰領域であると判断する(S206)。このよ にして、偏光度と利用して、画素が陰領域 影領域かが判断される。

 なお、閾値Th_Pは、被写体の屈折率や被写 体の法線方向、光源方向、視線方向などから 設定するようにしても構わない。図9および 10に示されるように、被写体の鏡面反射成分 偏光度や拡散反射成分偏光度は屈折率と入射 角、出射角が求まれば一意に決定できる。そ のため、図9および図10で求まる鏡面反射成分 偏光度や拡散反射成分偏光度をTh_Pとして利 すればよい。また、被写体の屈折率や被写 の法線方向、光源方向、視線方向などの情 が得られない場合、拡散反射成分偏光度が りうる最大値をもとに閾値Th_Pとして決定し も構わない。例えば、屈折率2.0以上の被写 は存在しないと仮定すると、図10より拡散 射成分偏光度の最大値は0.6程度と考えられ ので、閾値Th_Pとして、0.7程度を設定すれば い。

 また、図15に示される処理において、そ 画素が陰領域か影領域かを判断するに際し (S204)、偏光推定誤差および偏光度のいずれ を利用するのではなく、両方を利用するよ にしても構わない。図26は、偏光推定誤差お よび偏光度の両方を利用して画素が陰領域か 影領域かを判断する変形例に係る領域分割部 103cの詳細な構成を示す機能ブロック図であ 。この領域分割部103cは、陰影領域検出部301 DB302、偏光度比較部303、偏光推定誤差比較 304、領域判断部305および蓄積部306を備える なお、図26において、図14と共通の構成要素 は図14と同一の符号を付しており、その詳 な説明を省略する。この領域分割部103cは、 14に示された領域分割部103と同一の構成要 を備えるが、領域判断部305での領域分割に ける判断基準が領域分割部103と異なる。

 図27は、この領域分割部103cによる処理の れを示すフローチャートである。なお、図2 7において、図15と共通のステップには図15と 一の符号を付しており、その詳細な説明を 略する。陰影領域検出部301によって対象と る画素が陰影領域と判断された場合(S201でYe s)、その画素が陰領域か影領域かを判断する めに、偏光推定誤差比較部304および偏光度 較部303は、それぞれ、式8で定義される偏光 推定誤差Eと式6で定義される偏光度ρとを評 する。つまり、偏光推定誤差比較部304は、 光推定誤差Eと閾値Th_Errとを比較し、偏光度 較部303は、偏光度ρと閾値Th_Pとを比較する

 その結果、偏光推定誤差Eが閾値Th_Errより 大きい、または、偏光度ρの大きさが閾値Th_P より小さい場合(S208でYes)、領域判断部305は、 その画素は影領域であると判断し(S205)、一方 、偏光推定誤差Eの大きさが閾値Th_Errより小 く、かつ、偏光度ρの大きさが閾値Th_Pより きい場合(S208でNo)、領域判断部305は、その画 素は陰領域であると判断する(S206)。このよう にして、画素が陰領域か影領域かを判断する のに、偏光推定誤差および偏光度の両方が利 用される。

 なお、偏光推定誤差Eの閾値Th_Errは、図15 処理のように偏光推定誤差のみで判断する 合に比べて大きな値を、偏光度ρの閾値Th_P 、図25の処理のように、偏光度のみで判断 る場合に比べて小さな値をとるようにして 構わない。また、領域判断部305による判断(S 208)では、偏光推定誤差Eの大きさが閾値Th_Err り大きく、かつ、偏光度ρの大きさが閾値Th _Pより小さかった場合にのみ、その画素が影 域であると判断するようにしても構わない

 また、図15の処理では、画素が陰領域か 領域かを判断するために偏光推定誤差が利 されたが(S204)、陰領域の偏光特性が鏡面反 特性となることを利用しても構わない。こ は、例えば、式7で定義される偏光位相φを 用すればよい。前述のように、偏光位相φは 、被写体の法線の1成分を示しているが、偏 位相φと被写体の法線の1成分の関係は、被 体が鏡面反射成分が支配的か、拡散反射成 が支配的かによって位相が90度異なる。例え ば、図7(c)(その模式図である図8(c))において 陰領域の偏光位相が、その近傍の偏光位相 報と大きく異なっていることがわかる。こ は、陰領域が鏡面反射成分の偏光特性を示 ているのに対し、その近傍領域は拡散反射 分の偏光特性を示しているためである。そ で、被写体の偏光位相の連続性を評価する とにより、鏡面反射成分の偏光特性を示す 素を検出し、陰領域を検出する。

 また、図14等に示される陰影領域検出部30 1は、カメラ200に搭載された発光装置207(フラ シュなど)を利用するようにしても構わない 。これは、暗幕のように、十分に小さい反射 率をもつ被写体が存在する場合、前述の輝度 値による判断のみでは陰影領域と暗幕の区別 がつかないためである。このようなフラッシ ュを利用する本実施の形態の変形例に係る法 線情報生成装置について図を用いて詳述する 。

 図28は、このような変形例に係る法線情 生成装置100aの構成を示す機能ブロック図で る。この法線情報生成装置100aは、図1に示 れた法線情報生成装置100に発光部105が付加 れた構成を備える。なお、図28において、図 1と共通の構成要素には図1と同一の符号を付 ており、その詳細な説明を省略する。

 発光部105は、法線情報生成装置100aによる 撮像動作に連動して被写体に投光するフラッ シュである。このとき、この発光部105はフラ ッシュの点灯制御を行なう。偏光画像撮像部 101は、発光部105と連動し、フラッシュを発光 させた状態と発光させない状態の2枚の画像 撮影する。このとき、被写体とカメラ200の 置関係は変化がないように撮影を行なう。 のような撮影は、例えば、カメラ200の連写 能などを利用して撮影すればよい。

 図29は、この変形例に係る法線情報生成 置100aによる陰影検出処理の流れを示すフロ チャートである。つまり、図15における陰 領域検出処理(S201)の別の手法を示すフロー ャートである。まず、陰影領域検出部301は フラッシュを発光させない状態での画素の 度値を調べる(S401)。もし、画素の輝度値が 値よりも高い場合(S401でNo)、陰影領域検出部 301は、画素は低輝度領域(ここでは、陰影領 )ではないと判断し(S402)、処理を終了する。

 一方、もし、画素の輝度値が閾値以下で る場合(S401でYes)、画素が陰影領域である可 性が高いため、陰影領域検出部301は、フラ シュを発光させた状態で撮影したフラッシ 撮影画像と、フラッシュを発光させずに撮 した通常撮影画像の差分画像を作成する(S40 3)。フラッシュの点灯位置が撮像素子位置に 分近く、ほぼ等しいとすると、点灯したフ ッシュによって生じる影は撮影画像には存 しない。これは、視線方向と光源方向が等 いためである。そのため、フラッシュを発 させない状態では陰影であった領域は、フ ッシュを発光させることにより、直接光が 在する。そのため、陰影領域の輝度値は大 く増える。

 一方、画素が陰影領域ではなく、反射率 小さな暗幕であった場合、フラッシュを発 させても反射率が小さいために、ほとんど 度値は変化しない。すなわち、もし、フラ シュによる差分画像の輝度値が閾値以上だ た場合(S404でYes)、陰影領域検出部301は、そ 画素は陰影領域と判断し(S405)、処理を終了 る。一方、フラッシュによる差分画像の輝 値が閾値より小さかった場合(S404でNo)、陰 領域検出部301は、その画素は陰影領域では く、低反射率領域(あるいは、低反射率画素) であると判断し(S406)、処理を終了する。

 このように、たとえ暗幕のような小さな 射率を持った被写体が存在したとしても、 確に陰影領域を検出し、陰影領域を陰領域 影領域とに分類することができ、陰領域に しては、鏡面反射を仮定することで、正確 法線情報が生成される。また、偏光情報に 差が多く、法線情報生成を行なっても精度 極端に悪くなる影領域に関しては、法線情 生成処理を行なわないことで、できるかぎ 広い領域で高精度な法線情報生成を行なう とができる。

 以上のように、本実施の形態における法 情報生成装置によれば、陰影領域を陰領域 影領域とに分類し、陰領域に関しては、鏡 反射を仮定することで、正確な法線情報が 成される。また、偏光情報に誤差が多く、 線情報生成を行なっても精度が極端に悪く る影領域に関しては、法線情報生成処理を なわないことで、できるかぎり広い領域で 精度な法線情報生成を行なうことができる

 なお、本実施の形態では、パターン偏光 201にフォトニック結晶が用いられたが、フ ルム型の偏光素子、あるいはワイヤーグリ ド型やその他の原理による偏光素子であっ もよい。また、パターン偏光子を利用せず 、カメラ200のレンズ前に装着した偏光板を 転させながら撮影することで、時系列的に 光主軸の異なる輝度を取得するようにして 構わない。この方法は、例えば、特開平11-2 11433号公報:特許文献2に開示されている。

 (第2の実施の形態)
 次に、本発明の第2の実施の形態における法 線情報生成装置について説明する。

 図30は、本実施の形態における法線情報 成装置100bの構成を示す機能ブロック図であ 。この法線情報生成装置100bは、被写体の表 面における法線情報を生成する装置であり、 低輝度領域を「陰領域または低反射率領域」 と影領域とに分類する点に特徴を有し、第1 実施の形態における法線情報生成装置100が える領域分割部1031および法線情報生成部1041 に代えて、少しだけ機能が異なる領域分割部 1031および法線情報生成部1041を備える。なお 第1の実施の形態における法線情報生成装置 100と同一の構成要素には同一の符号を付し、 その説明を省略する。

 領域分割部1031は、偏光画像の輝度情報と 偏光情報生成部102で生成された偏光情報とに おける類似性(共通性)を利用して、偏光画像 、光学的に共通する画像領域の集まりから る複数の領域に分割する処理部である。こ とき、領域分割部1031は、画像領域の輝度と 予め定められたしきい値とを比較し、輝度が しきい値よりも小さい場合に、当該画像領域 を、陰影領域を含む低輝度領域(本実施の形 では、「陰領域または低反射率領域」と影 域とを含む領域)として、領域分割をする。 実施の形態では、領域分割部1031は、低輝度 領域を「陰領域または低反射率領域」と影領 域とに分類することで、画像を拡散反射領域 、鏡面反射領域、「陰領域または低反射率領 域」および影領域に領域分割する。

 法線情報生成部1041は、領域分割部1031で 割された領域ごとに、偏光情報から法線情 を生成する処理部である。この法線情報生 部1041は、第1の実施の形態と異なり、陰領域 を「陰領域または低反射率領域」として法線 情報を生成する。

 図31は、本実施の形態における法線情報 成装置100bによる処理の流れを示すフローチ ートである。なお、図31において、第1の実 の形態における図4と共通のステップには図 4と同一の符号を付しており、その詳細な説 を省略する。

 領域分割部1031は、偏光情報生成部102が生 成した偏光情報や偏光画像撮像部101が取得し た輝度情報を利用し、画像を拡散反射領域、 鏡面反射領域および低輝度領域(本実施の形 では、「陰領域または低反射率領域」およ 影領域)に分類する(S1031)。

 法線情報生成部1041は、後述するように、 領域分割部1031が行なった領域分割結果に基 き、偏光情報から法線情報を生成する(S104) このとき、影領域に関しては偏光情報に誤 が多いため、法線情報生成処理を行なわな 。

 まず、反射率の小さな被写体の偏光特性の いについて説明する。表面が滑らかな反射 の小さな被写体では、内部反射がほぼ0にな るため、拡散反射成分が非常に小さくなる。 一方、正反射の条件では、光を反射して鏡面 反射が大きくなる。つまり、低反射率領域で は、拡散反射成分は小さく、相対的に鏡面反 射成分が支配的になると考えられる。これは 、反射率の小さな物体は、以下のように陰領 域と同様の偏光特性を有することを示してい る。
(1)「陰領域または低反射率領域」
・偏光度が高く、偏光推定誤差が小さい。
・多くの場合、鏡面反射特性を示す。
(2)影領域
・偏光度が低く、偏光推定誤差が大きい。
・多くの場合、拡散反射特性を示す。

 この分類基準を利用することで、低輝度 域を「陰領域または低反射率領域」と影領 とに分類する。以下、図を用いてこの処理 詳述する。

 図32は、図30に示された法線情報生成装置 100bにおける領域分割部1031の詳細な構成を示 機能ブロック図である。この領域分割部1031 は、DB302、偏光度比較部303、偏光推定誤差比 部304、領域判断部305、蓄積部306および低輝 画素検出部311を備える。なお、図32におい 、第1の実施の形態における図14と共通の構 要素には図14と同一の符号を付しており、そ の詳細な説明を省略する。

 低輝度画素検出部311は、偏光画像撮像部1 01が取得した画像のある画素が低輝度領域(「 陰領域または低反射率領域」および影領域を 含む領域)であるかどうかを推定する処理部 ある。

 図33は、この領域分割部1031による処理の れを示すフローチャートである。まず、低 度画素検出部311は、偏光画像撮像部101が取 した画像のある画素の輝度値を評価する(S50 1)。これは、前述のステップS201と同様に、輝 度値が閾値以下かそうでないかを評価する。 このような低輝度領域を推定するための閾値 は実験的に決定すればよく、例えば、16ビッ モノクロ画像に対しては、256を設定すれば い。このような閾値はDB302に保持しておけ よい。輝度値が閾値より大きかった場合(S501 でNo)、領域分割部1031は、その画素において 散反射成分が支配的であるか、鏡面反射成 が支配的であるかを、前述のステップS202と 様の方法(偏光度比較部303による比較)で判 する(S502)。拡散反射鏡面反射分類処理(S502) 終了後、領域判断部305は、すべての画素の 学的分類が完了したかどうかをチェックす (S503)。もし、まだ分類を行なっていない画 が存在する場合(S503でNo)、低輝度画素検出部 311は、別の画素の輝度値を評価する(S501)。ま た、すべての画素の光学的分類が完了した場 合(S503でYes)、領域分割部1031は、処理を終了 る。

 一方、画素の輝度値が閾値以下であった 合(S501でYes)、その画素が「陰領域または低 射率領域」か影領域かが判断される(S504)。 れは、前述のように、偏光推定誤差比較部3 04が、式8で定義される偏光推定誤差Eの大き を評価する(偏光推定誤差Eと閾値Th_Errとを比 較する)ことにより、実現される。その結果 偏光推定誤差Eの大きさが閾値Th_Errより大き った場合(S504でYes)、領域判断部305は、画素 影領域であると判断し(S505)、一方、偏光推 誤差Eの大きさが閾値Th_Errより小さかった場 合(S504でNo)、領域判断部305は、画素が「陰領 または低反射率領域」であると判断する(S50 6)。このときの閾値Th_Errは前述の方法で決定 ればよい。領域分割を行なった結果は、蓄 部306へ蓄積される。

 法線情報生成部1041は、領域分割部1031が なった領域分割結果に基づき、偏光情報か 法線情報を生成する。この法線情報生成部10 41は、構成要素としては、第1の実施の形態に おける法線情報生成部104と同様の構成、つま り、図20に示されるように、蓄積部306、領域 照部307、拡散反射仮定法線情報生成部308お び鏡面反射仮定法線情報生成部309を備える ただし、この法線情報生成部1041は、第1の 施の形態と異なり、陰領域を「陰領域また 低反射率領域」として法線情報を生成する

 図34は、この法線情報生成部1041による処 の流れを示すフローチャートである。なお 図34において、図21と共通のステップには図 21と同一の符号を付しており、その詳細な説 を省略する。

 法線情報生成部1041の領域参照部307は、領 域分割部1031が検出した光学的領域分割の結 を基に、画素において拡散反射成分が支配 かどうかを判断する(S301)。この処理は、領 判断部305の結果が蓄積されている蓄積部306 ら領域分割結果を読み出せばよい。もし、 散反射成分が支配的であると判断された場 (S301でYes)、拡散反射仮定法線情報生成部308 、その画素の法線情報を拡散反射仮定で生 する(S302)。具体的には、出射面における法 の1自由度を、偏光板を回転させて変化する 度の最大値となる角度として求める。また 画素は拡散反射成分が支配的ではなく(S301 No)、鏡面反射成分が支配的、または「陰領 または低反射率領域」であった場合(S306でYes )、鏡面反射仮定法線情報生成部309は、その 素の法線情報を鏡面反射仮定で生成する(S304 )。具体的には、入射面における法線の1自由 を、偏光板を回転させて変化する輝度の最 値となる角度として求める。一方、画素が 領域であった場合、(S303でNo)、画素の偏光 報は誤差が支配的であり、正確な法線情報 生成できないと判断し、法線情報生成部1041 、法線情報生成処理を行なわない(S305)。

 以上のように、本実施の形態における法 情報生成装置によれば、低輝度領域を「陰 域または低反射率領域」と影領域とに分類 、「陰領域または低反射率領域」に関して 、鏡面反射を仮定することで、正確な法線 報が生成される。また、偏光情報に誤差が く、法線情報生成を行なっても精度が極端 悪くなる影領域に関しては、法線情報生成 理を行なわないことで、できるかぎり広い 域で高精度な法線情報生成を行なうことが きる。

 なお、ステップS504において、その画素が 「陰領域または低反射率領域」か影領域かを 判断するために、偏光推定誤差ではなく、第 1の実施の形態と同様に、偏光度、偏光推定 差と偏光度の両方、偏光位相を利用するよ にしても構わない。

 (第3の実施の形態)
 次に、本発明の第3の実施の形態における法 線情報生成装置について説明する。

 図35は、本実施の形態における法線情報 成装置100cの構成を示す機能ブロック図であ 。この法線情報生成装置100cは、被写体の表 面における法線情報を生成する装置であり、 正確に法線情報を生成できる場合にだけ法線 情報を生成する点に特徴を有し、図1に示さ る法線情報生成装置100の構成に加えて、撮 条件判定部106を備える。なお、図35において 、図1と共通の構成要素には図1と同一の符号 付しており、その詳細な説明を省略する。

 撮像条件判定部106は、偏光画像撮像部101 よる撮像の対象となる撮像シーンが、法線 報生成部104が正確な法線情報を生成できる 像条件として予め定められた撮像条件を満 しているか否かを判定する処理部である。

 図36は、この撮像条件判定部106の詳細な 成を示す機能ブロック図である。この撮像 件判定部106は、DB302、光軸方向検出部312およ び光軸方向比較部313を備える。

 光軸方向検出部312は、法線情報生成装置1 00cの光軸方向を検出する角度センサ等である 。

 光軸方向比較部313は、法線情報生成装置1 00cが水平面(地平面)よりも上方を向いている どうかを判断する処理部である。

 ここで、本実施の形態においても、第1の 実施の形態で説明したように、撮影シーンは 、条件1が満たされていることを必要とする

 条件1:「被写体が存在する撮影シーンには 近傍に広い面を有する物体が存在し、ある い面から被写体に関して反対方向には光源 存在する」
 ただし、法線情報生成装置100cが置かれてい る状況においては、上記条件1が満たされて るとは限らない。そこで、本実施の形態で 、撮像条件判定部106は、上記条件1が満たさ ているかどうかを判定する。ここで、光源 上方にあることが多いことに着目すると、 件1は、以下の条件2では満たされない。

 条件2:「撮像者が上方を撮影する」
 この条件2は、例えば、以下のような撮影シ ーンでは成り立つ。
1.屋外シーンにおいて、空や月、星などを撮 する。
2.屋内シーンにおいて、蛍光灯が光っている 井方向を撮影する。

 上記撮影シーン1の場合、例えば三日月を 撮影することを考える。三日月の陰影領域は 陰領域であると考えられる。しかし、この陰 影領域は、地球照と呼ばれる地球からの多重 反射である照り返しにより輝度を持つ。その ため、陰領域ではあるが、多重反射光の入射 方向は地球のみの非常に限られた範囲になり 、正反射成分である鏡面反射成分はほとんど 存在しないと考えられる。そのため、法線情 報生成装置100cは正確に機能しない。そこで 撮像条件判定部106は、法線情報生成装置100c 正確に機能する(正確に法線情報を生成でき る)かどうかを判断し、機能すると考えられ 場合には、陰領域、影領域分割処理を行な 、機能しないと考えられる場合には、陰影 域の分割処理を中止し、陰影領域からの法 情報生成処理を中止する。

 図37は、本実施の形態における法線情報 成装置100cが搭載されたカメラ200aのハードウ ェア構成例を示している。このカメラ200aは 法線情報を生成する機能を備える撮像装置 あり、パターン偏光子201、撮像素子202、メ リ203、CPU204、角度センサ205、表示部208およ スピーカ209を備える。なお、図37において、 図2と共通の構成要素には図2と同一の符号を しており、その詳細な説明を省略する。

 角度センサ205は、カメラ200aの光軸方向を 検出し、その情報を出力する。

 表示部208は、撮像条件判定部106によって 像シーンが上記条件1を満たさないと判断さ れた場合に、その旨のメッセージを表示する ディスプレイである。

 スピーカ209は、撮像条件判定部106によっ 撮像シーンが上記条件1を満たさないと判断 された場合に、その旨のメッセージを音声で 出力する。

 なお、図36に示された光軸方向検出部312 、図37に示された角度センサ205によって実現 される。図36に示された光軸方向比較部313は 図37に示されたCPU204がメモリ203に格納され プログラムを実行することによって実現さ る。

 図38は、本実施の形態における法線情報 成装置100cによる処理の流れを示すフローチ ートである。なお、図38において、図4と共 のステップには図4と同一の符号を付してお り、その詳細な説明を省略する。

 本実施の形態では、光軸方向検出部312(角 度センサ205)は、法線情報生成装置100c(カメラ 200a)の光軸方向を示す光軸方向情報を取得す (S106)。こうして求めた光軸方向情報を利用 て、撮影シーンが、法線情報の生成が実現 能な環境であるかどうかが判断される(S107) これは、光軸方向比較部313が、法線情報生 装置100c(カメラ200a)の光軸方向が上方を向い ているかどうかを判断することによって行わ れる。光軸方向比較部313は、例えば、光軸が 水平方向から45度以上上方を向いている場合 は、光軸方向が上方を向いていると判断す 。この閾値45度は、実験的に決定すればよ 、このような閾値は、DB302に保持しておけば よい。ここで、光軸方向が上方を向いている と判断された場合、撮像条件判定部106は撮像 シーンが条件1を満たさないと判断し(S107でNo) 、領域分割部103は、偏光情報生成部102が生成 した偏光情報や偏光画像撮像部101が取得した 輝度情報を利用し、画像を拡散反射領域、鏡 面反射領域、陰影領域に分類する(S108)。この ケースでは、条件1が満たされていないため 陰影領域を陰領域と影領域とに分類するこ は行なわれない。続いて、法線情報生成部10 4は、領域分割部103が行なった領域分割結果 基づき、偏光情報から法線情報を生成する(S 109)。図39は、この処理(S109)の詳細な流れを示 すフローチャートである。なお、図39におい 、図21と共通のステップには図21と同一の符 号を付しており、その詳細な説明を省略する 。

 法線情報生成部104は、領域分割部103が検 した光学的領域分割の結果を基に、画素に いて拡散反射成分が支配的かどうかを判断 る(S301)。もし、拡散反射成分が支配的であ と判断された場合(S301でYes)、法線情報生成 104は、その画素の法線情報を拡散反射仮定 生成する(S302)。具体的には、出射面におけ 法線の1自由度を、偏光板を回転させて変化 する輝度の最大値となる角度として求める。 また、画素は拡散反射成分が支配的ではなく (S301でNo)、鏡面反射成分が支配的であった場 (S307でYes)、法線情報生成部104は、その画素 法線情報を鏡面反射仮定で法線情報を生成 る(S304)。具体的には、入射面における法線 1自由度を、偏光板を回転させて変化する輝 度の最小値となる角度として求める。一方、 画素が陰影領域であった場合、つまり、拡散 反射成分も鏡面反射成分も支配的ではない場 合(S307でNo)、法線情報生成部104は、画素の偏 情報は誤差が支配的であり、正確な法線情 は生成できないと判断し、法線情報生成処 を行なわない(S305)。

 一方、光軸方向が上方を向いていないと 断された場合(S107でYes)、撮像条件判定部106 、撮像シーンが条件1を満たすと判断し、領 域分割部103が光学的領域分割処理を行ない(S1 03)、続いて、法線情報生成部104が法線情報を 生成する(S104)。

 なお、撮像条件判定部106によって撮像シ ンが条件1を満たさないと判断された場合、 表示部208が「陰影領域の法線情報生成処理が 実現できません」などとディスプレイに表示 したり、スピーカ209が音声信号を発生させる ことで同様のメッセージを撮像者に伝えるの が望ましい。

 もっとも、撮像条件判定部106によって撮 シーンが条件1を満たさないと判断された場 合、光学的領域分割処理や法線情報生成処理 を行なわないのではなく、陰影領域に関して は拡散反射仮定で法線情報を生成し、表示部 208が「法線情報生成処理が不安定です」など とディスプレイに表示したり、スピーカ209が 音声信号で発生させることで同様のメッセー ジを撮像者に伝えるようにしても構わない。

 また、撮像条件判定部106によって撮像シ ンが条件1を満たさないと判断された場合、 法線情報生成部104は、陰影領域に関しては、 近傍の法線情報を利用して、補間処理などで 、法線情報を合成しても構わない。補間処理 については、従来の手法を利用すればよい。

 また、撮像条件判定部106は、光軸方向検 部312を利用するものに限るわけではなく、 えば、法線情報生成装置100cが置かれている 環境を認識する機能を有する処理部を利用す るようにしても構わない。これは、例えば、 ソナーなどを利用することで実現する。この ような環境認識機能を有する本実施の形態の 変形例に係る法線情報生成装置について説明 する。

 図40は、そのような変形例に係る法線情 生成装置が搭載されたカメラ200bのハードウ ア構成例を示している。このカメラ200bは、 図37に示された本実施の形態におけるカメラ2 00aの構成のうち、角度センサ205をソナー210に 置き換えた構成を備える。なお、図40におい 、図37と共通の構成要素には図37と同一の符 号を付しており、その詳細な説明を省略する 。

 図41は、この変形例に係る法線情報装置 備える撮像条件判定部106aの詳細な構成を示 機能ブロック図である。なお、この変形例 係る法線情報生成装置は、図35に示された 実施の形態における法線情報生成装置100cの 成のうち、撮像条件判定部106を撮像条件判 部106aに置き換えた構成を備える。この撮像 条件判定部106aは、音波を発生し、音波の反 波を受信することで、周囲の対象物までの 離を測定するソナーを有し、ソナーによっ 当該法線情報生成装置の近傍に物体がある 否かを判断し、物体がないと判断した場合 、撮像シーンが撮像条件を満たしていない 判定する点に特徴を有し、DB302、撮像環境検 出部315および撮像環境認識部316を備える。な お、図41において、図36と共通の構成要素に 図36と同一の符号を付しており、その詳細な 説明を省略する。

 撮像環境検出部315は、周囲の対象物まで 距離を測定し、その距離情報を撮像環境情 として生成する処理部であり、図40に示さ たソナー210に相当する。

 撮像環境認識部316は、撮像環境検出部315 らの撮像環境情報を利用して、撮影シーン 光学的領域分割が実現可能な環境であるか うかを判断する処理部である。

 図42は、この変形例に係る法線情報生成 置による処理の流れを示すフローチャート ある。なお、図42において、図38と共通のス ップには図38と同一の符号を付しており、 の詳細な説明を省略する。

 本変形例に係る法線情報生成装置では、 像環境検出部315は、撮像環境情報をソナー2 10で取得する(S111)。このソナー210は、アクテ ブソナーであり、超音波や音波を発生させ その反射波を受信することで、周囲の対象 までの距離を測定する装置である。そのた 、ソナー210を利用することで、カメラ200bの 周囲に物体があるかないか、また、物体があ る場合、その物体までの距離情報を撮像環境 情報として取得できる。なお、ソナー210は、 魚群探知機などに広く使用されており、公知 であるため、詳細な説明は省略する。

 こうして求めた撮像環境情報を利用して 撮影シーンが、光学的領域分割が実現可能 環境であるかどうかが判断される(S107)。こ は、撮像環境認識部316が、カメラ200bの近傍 に物体があるかどうかを判断することによっ て行われる。具体的には、撮像環境検出部315 は、カメラ200bの周囲(全方位)の物体までの距 離情報を取得し、その距離が一定値TH_Sより い立体角の大きさを評価すればよい。この うな立体角の大きさが閾値TH_SRより小さい場 合、撮像条件判定部106は撮像シーンが条件1 満たさないと判断し(S107でNo)、領域分割部103 は、偏光情報生成部102が生成した偏光情報や 偏光画像撮像部101が取得した輝度情報を利用 し、画像を拡散反射領域、鏡面反射領域、陰 影領域に分類する(S108)。条件1が満たされて ないため、陰影領域を陰領域と影領域とに 類することは行なわない。さらに法線情報 成部104は、領域分割部103が行なった領域分 結果に基づき、偏光情報から法線情報を生 する(S109)。一方、このような立体角の大き が閾値TH_SRより大きい場合、撮像条件判定部 106は撮像シーンが条件1を満たすと判断し(S108 でYes)、領域分割部103によって光学的領域分 処理を行ない、さらに法線情報生成部104に って法線情報を生成する。

 なお、このような閾値TH_S、TH_SRは実験的 決定すればよく、また、DB302に保持してお ばよい。

 以上のように、本実施の形態における法 情報生成装置によれば、陰影領域を陰領域 影領域とに分類し、陰領域に関しては、鏡 反射を仮定することで、正確な法線情報が 成される。また、偏光情報に誤差が多く、 線情報生成を行なっても精度が極端に悪く る影領域に関しては、法線情報生成処理を なわないことで、できるかぎり広い領域で 精度な法線情報生成を行なうことができる さらに、もし、陰影領域の分類が困難な場 には、精度の悪い結果を求めるのではなく 処理ができないことを撮像者に知らせるこ で、信頼度の高い法線情報生成処理を行な ことができる。

 (第4の実施の形態)
 次に、本発明の第4の実施の形態における法 線情報生成装置について説明する。

 図43は、本実施の形態における法線情報 成装置100dの構成を示す機能ブロック図であ 。この法線情報生成装置100dは、被写体の表 面における法線情報を生成する装置であり、 信頼性の低い法線情報を生成しない点に特徴 を有し、図1に示される法線情報生成装置100 構成に加えて、信頼性判定部107を備える。 お、図43において、図1と共通の構成要素に 図1と同一の符号を付しており、その詳細な 明を省略する。また、本実施の形態におけ 法線情報生成装置100dが搭載されたカメラは 、図2に示される第1に実施の形態におけるカ ラ200と同じハードウェア構成を有している

 信頼性判定部107は、領域分割部103による 学的領域分割結果を利用して、光学的領域 割結果の信頼性を評価し、信頼性がない場 には光学的領域分割結果および法線情報を 棄する。その結果、信頼性がない領域の法 情報が破棄される。

 図44は、本実施の形態における法線情報 成装置100dによる処理の流れを示すフローチ ートである。なお、図44において、図4およ 図38と共通のステップには図4および図38と 一の符号を付しており、その詳細な説明を 略する。信頼性判定部107は、領域分割部103 光学的領域分割結果を利用して、上述した 件1が満たされているかどうか、つまり、光 的領域分割結果の信頼性を評価する(S107)。 頼性がない場合には(S107でNo)、信頼性判定 107は、光学的領域分割結果および法線情報 成部104が生成した法線情報を廃棄する(S110)

 ここで、条件1が満たされているかどうか を判断するためには、陰影領域内に正反射多 重反射光の影響により鏡面反射成分が支配的 となる陰領域が存在するかどうかを判断すれ ばよい。そのために、ここでは、撮像された 偏光画像の偏光度と輝度値を利用して信頼性 を評価する方法を説明する。これは、陰影領 域において、鏡面反射偏光特性を示す画素が 存在しない場合、つまり、撮像された画像上 に陰領域が存在しない場合、条件1を満たし いないと判断すればよい。

 図45は、信頼性判定部107の詳細な構成を す機能ブロック図である。信頼性判定部107 、DB302、蓄積部306および陰領域存在判断部314 を備える。

 蓄積部306は、領域分割部103によって行な れた領域分割結果を蓄積している。

 陰領域存在判断部314は、蓄積部306に蓄積 れた領域分割結果を参照し、十分な(予め定 められたしきい値以上の)大きさの陰領域が 割されているかどうかを判断する処理部で る。

 図44に示される信頼性判定部107による処 (S107、S110)の詳細は以下の通りである。

 陰領域存在判断部314は、蓄積部306に蓄積 れた領域分割結果を参照し、十分な大きさ 陰領域が分割されているかどうかを判断す (S107)。その結果、撮像画像中に十分な大き 、例えば、VGA画像において100画素以上の陰 域が存在しなかった場合(S107でNo)、信頼性 定部107は、撮像シーンが条件1を満たさない 判断し、陰影領域に関する光学的領域分割 果および法線情報を廃棄する(S110)。このと 、表示部208が「陰影領域の法線情報生成処 が実現できません」などとディスプレイに 示したり、スピーカ209が音声信号を発生さ ることで撮像者に伝えることが望ましい。 方、もし、撮像画像中に陰領域が存在した 合(S107でYes)、信頼性判定部107は、撮像シー が条件1を満たすと判断し、生成した法線情 報を出力する。ここで、陰領域の大きさの閾 値は実験的に決定すればよく、このような閾 値はDB302に保持しておけばよい。

 以上のように、本発明の法線情報生成装 によれば、陰影領域を陰領域と影領域とに 類し、陰領域に関しては、鏡面反射を仮定 ることで、正確な法線情報が生成される。 た、偏光情報に誤差が多く、法線情報生成 行なっても精度が極端に悪くなる影領域に しては、法線情報生成処理を行なわないこ で、できるかぎり広い領域で高精度な法線 報生成を行なうことができる。さらに、も 、陰影領域の分類が困難な場合には、精度 悪い結果を求めるのではなく、処理ができ いことを撮像者に知らせることで、信頼度 高い法線情報生成処理を行なうことができ 。

 以上、本発明に係る法線情報生成装置に いて、第1~第4の実施の形態およびその変形 を用いて説明したが、本発明は、これらの 施の形態および変形例に限定されるもので ない。

 各実施の形態および変形例における任意 構成要素を組み合わせて実現される別の形 や、各実施の形態および変形例に対して当 者が思いつく変形を施して得られる形態も 発明に含まれる。また、図46に示されるよ に、本発明に係る法線情報生成装置を内蔵 るデジタルスチルカメラやデジタルムービ カメラ等の応用製品も本発明に含まれる。

 また、信頼性判定部107によって撮像シー が条件1を満たさないと判断された場合、法 線情報生成処理を行なわないのではなく、処 理は行なうが、表示部208が「法線情報生成処 理が不安定です」などとディスプレイに表示 したり、スピーカ209が音声信号を発生させる ことで撮像者に伝えるようにしても構わない 。

 また、信頼性判定部107によって撮像シー が条件1を満たさないと判断された場合、陰 影領域だけではなく、すべての法線情報を廃 棄するようにしても構わない。

 また、図14等に示される陰影領域検出部30 1は、影領域を検出するために、まず輝度値 用いて陰影領域を判断したが(図15のS201等)、 本発明は、このような手順に限定されず、偏 光情報生成部102によって生成された偏光情報 だけで影領域を検出してもよい。このような 処理は、油絵など、影領域は存在するが、陰 領域が存在しないことが分かっている被写体 に対して有効である。これは、黒い絵の具の ように、十分に小さい反射率をもつ被写体が 存在する場合、前述の輝度値による判断のみ では陰影領域と黒い絵の具の区別がつかない ためである。このような、本実施の形態の変 形例に係る法線情報生成装置について図を用 いて詳述する。

 このような変形例に係る法線情報生成装 の構成を示す機能ブロック図は図1と同様で あるため、ブロック構成の説明は省略する。

 図47は、このような変形例に係る法線情 生成装置による陰影検出処理の流れを示す ローチャートである。つまり、図15に示され た陰影領域検出処理(S201、S202、S204~S206)の別 手法を示すフローチャートである。図47に示 されるように、偏光度比較部303は、画素の偏 光度が閾値TH_PSより小さいか、大きいかを調 る(S407)。画素の偏光度が閾値TH_PDSより大き った場合(S407でNo)、陰影領域検出部301は、 の画素は影領域ではないと判断し(S402)、そ 画素において拡散反射が支配的であるか鏡 反射が支配的であるかを判定し(S202)、処理 終了する。一方、偏光度が閾値TH_PSより小さ かった場合(S407でYes)、陰影領域検出部301は、 その画素が影領域であると判断し(S405)、処理 を終了する。

 図48は、油絵の被写体を撮影した場合の 光度ρを画像として表示した図である。この 図において、図48(a)は被写体である油絵の画 を示し、図48(b)は、図48(a)に示された画像に 対応する偏光度ρ(つまり、偏光情報生成部102 によって生成された偏光情報)を示している また、図49は、このような変形例に係る法線 情報生成装置によって、図48(a)に示される画 に対して、図48(b)に示される偏光度ρを用い て抽出された影領域を示している。この図に おける黒色領域が、抽出された影領域である 。なお、こうして抽出された影領域を最終的 な影領域として出力してもよいし、あるいは 、このように抽出された影領域に対して、画 像処理で広く使われている領域の収縮膨張処 理を行なうことにより、新たに再定義した領 域を最終的な影領域として出力してもよい。

 このような変形例に係る法線情報生成装 による画像処理のメリットは次の通りであ 。図48及び図49において、領域Aは影領域を 領域Bは黒い絵の具の領域を示している。図4 8(a)に示される画像では、これら領域Aと領域B の輝度情報がほぼ等しいことから分かるよう に、領域Aと領域Bとの分離が困難である。し しながら、図48(b)の偏光度情報を利用する とで、図49に示されるように、領域Aは影領 であり、領域Bは影領域ではないと、正しく 域抽出ができている。

 本発明に係る法線情報生成装置は、被写 の表面における法線情報を生成する法線情 生成装置として、例えば、被写体の3次元形 状情報を生成する装置や、その情報を利用し て画像を高精細化する装置として、具体的に は、デジタルスチルカメラ、デジタルムービ ーカメラ、監視カメラなどに有用である。