MURASHIGE TAKESHI (JP)
KANNO TOSHIHIRO (JP)
WO2018221374A1 | 2018-12-06 |
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\¥0 2020/175208 24 卩(:171? 2020 /006031 請求の範囲 [請求項 1 ] 厚み 1 5〇 以下の可撓性を有するガラスフィルムと、 樹脂フィ ルムとが積層された光学積層体であって、 前記ガラスフィルムは第一主面と第二主面を有し、 前記ガラスフィルムの第一主面上に、 接着剤層を介して前記樹脂フ ィルムが貼り合わせられており、 前記接着剤層における 1 0〇 以上の異物の数が 1 0個/ 2以 下である、 光学積層体。 [請求項 2] 前記接着剤層における 5 以上 1 0 0 未満の異物の数が 1 3 0 0個/ 2以下である、 請求項 1 に記載の光学積層体。 [請求項 3] 前記接着剤層における 1 0 0 以上の異物の中で、 接着剤層との 屈折率差が〇. 0 2を超える異物の数が、 5個/ 2以下である、 請 求項 1 または 2に記載の光学積層体。 [請求項 4] 厚み 1 5〇 以下の可撓性を有するガラスフィルムと、 樹脂フィ ルムとが積層された光学積層体であって、 前記ガラスフィルムは第一主面と第二主面を有し、 前記ガラスフィルムの第一主面上に、 接着剤層を介して前記樹脂フ ィルムが貼り合わせられており、 前記接着剤層の樹脂フィルム側の表面からの突出部の高さが 7 以上の異物の数が、 1 0個/ 2以下である、 光学積層体。 [請求項 5] 厚み 1 5〇 以下の可撓性を有するガラスフィルムと、 樹脂フィ ルムとが積層された光学積層体であって、 前記ガラスフィルムは第一主面と第二主面を有し、 前記ガラスフィルムの第一主面上に、 接着剤層を介して前記樹脂フ ィルムが貼り合わせられており、 前記接着剤層の樹脂フイルム側の表面からの突出部の傾斜角が 1 〇 以上の異物の数が、 1 0個/ 2以下である光学積層体。 [請求項 6] 厚み 1 5〇 以下の可撓性を有するガラスフィルムと、 樹脂フイ \¥0 2020/175208 25 卩(:171? 2020 /006031 ルムとが積層された光学積層体であって、 前記ガラスフィルムは第一主面と第二主面を有し、 前記ガラスフィルムの第一主面上に、 接着剤層を介して前記樹脂フ ィルムが貼り合わせられており、 前記接着剤層の樹脂フィルム側の表面からの突出部の高さが 7 以上または傾斜角が 1 0 ° 以上の異物の数が、 1 0個/ 2以下であ る光学積層体。 [請求項 7] 前記樹脂フィルムとして偏光子を含む、 請求項 1〜 6のいずれか 1 項に記載の光学積層体。 [請求項 8] 前記ガラスフィルムの第一主面上に、 前記接着剤層を介して透明樹 脂フィルムが貼り合わせられており、 前記透明樹脂フィルム上に偏光 子が貼り合わせられている、 請求項 6に記載の光学積層体。 |
発明の名称 : 光学積層体
技術分野
[0001 ] 本発明は、 可撓性のガラスフィルムと樹脂フィルムとが 積層された光学積 層体に関する。
背景技術
[0002] 表示装置、 照明装置、 太陽電池等の光デバイスは、 軽量、 薄型化が進んで いる。 これらの要求を満たすために、 ガラス材料からプラスチック材料への 置き換えも進んでいるが、 プラスチック材料は、 ガラスのような高い耐衝撃 性および光沢性 (グレァ感) を実現することは困難である。
[0003] そこで、 ガラスの利点を活かしつつ、 デバイスの軽量化および薄型化を図 るために、 可撓性を有する薄ガラスフィルムを用いるこ とが提案されている 。 特許文献 1では、 ガラスフィルムと偏光板とを接着剤層を介し て貼り合わ せた光学積層体が提案されている。 可撓性を有するガラスフィルムを用いた 光学積層体は、 口ールトウーロールプロセスにも適用可能で あるため、 デバ イスの薄型化および軽量化に加えて、 デバイスやその構成部材の生産性向上 や低コスト化も期待できる。
先行技術文献
特許文献
[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 1 7 - 2 4 1 7 7号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0005] ガラスフィルムを用いた光学積層体は、 ラボレベルでは実用化されている が、 口 _ ルトウ _ 口 _ ルプロセスによる童産品の実用化には至 っておらず、 量産上の課題は明らかとなっていない。 本発明者らが上記特許文献 1 に記載 の光学積層体を口ールトウーロールプロセス により作製し、 表示装置に適用 したところ、 光学的な欠点が多数存在することが判明した 。 \¥0 2020/175208 2 卩(:17 2020 /006031
[0006] 上記に鑑み、 本発明は光学的な欠点の少ない光学積層体の 提供を目的とす る。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明の光学積層体は、 厚み 1 5〇 以下の可撓性を有するガラスフィ ルムと、 ガラスフィルムの第一主面上に接着剤層を介 して貼り合わせられた 樹脂フィルムとを備える。 光学積層体は、 樹脂フィルムとして偏光子を含ん でいてもよい。
[0008] 光学積層体の一形態では、 接着剤層における 1 〇 0 以上の異物の数が
1 〇個/ 2 以下である。 接着剤層における 5 〇!以上 1 0 0 未満の異物 の数は 1 3 0 0個/ 2 以下が好ましい。
[0009] 接着剤層における異物は、 接着剤層との屈折率差が小さいことが好まし い 。 接着剤層における 1 0 0 以上の異物の中で、 接着剤層との屈折率差が 〇. 0 2を超える異物の数は、 5個/ 2 以下が好ましい。
[0010] 光学積層体の他の形態では、 樹脂フィルムの表面において、 接着剤層中の 異物に起因して形成された凸部の高さおよび /または傾斜角が小さいことが 好ましい。 樹脂フィルム表面の凸部の高さおよび/また 傾斜角を小さくす るためには、 接着剤層の樹脂フィルム側表面に突出してい る異物の突出高さ および突出部の傾斜角が小さいことが好まし い。
[001 1 ] 接着剤層の樹脂フィルム側の表面からの突出 部の高さが 7 以上の異物 の数は、 1 0個/ 2 以下が好ましい。 より好ましくは、 接着剤層の樹脂フィ ルム側の表面の突出部の高さが 5 以上の異物の数は 1 0個/ 2 以下であ る。
[0012] 接着剤層の樹脂フィルム側の表面からの突出 部の傾斜角が 1 0 ° 以上の異 物の数は、 1 〇個/ 2 以下が好ましい。 より好ましくは、 接着剤層の樹脂フ ィルム側の表面の突出部の傾斜角が 3 ° 以上の異物の数は 1 0個/ 2 以下で ある。
[0013] 接着剤層の樹脂フィルム側の表面からの突出 部の高さが 7 以上または 傾斜角が 1 0 ° 以上の異物の数は、 1 0個/ 2 以下が好ましい。 より好まし \¥0 2020/175208 3 卩(:171? 2020 /006031
くは、 接着剤層の樹脂フィルム側の表面からの突出 部の高さが 5 以上ま たは傾斜角が 3 ° 以上の異物の数は 1 0個/ 2 以下である。
発明の効果
[0014] 本発明の光学積層体は、 ガラスフィルムと樹脂フィルムとの間の異物 欠陥 が少ない。 そのため、 光学的な欠点が少なく、 光デバイス等の形成に使用し た際に、 高い歩留まりを実現できる。
図面の簡単な説明
[0015] [図 1]光学積層体の積層構成例を示す断面図で る。
[図 2]接着剤層中の異物に起因して樹脂フィル の表面に形成された凸部を示 す模式図である。
[図 3]突出部の傾斜角 0の算出方法の説明図である。
[図 4] は接着剤層に含まれる異物の光学顕微鏡写真 であり、 巳は接着剤層の 表面から突出した異物およびその近傍の三次 元表面形状である。
発明を実施するための形態
[0016] 本発明の光学積層体は、 ガラスフィルムの _ 方の面に、 樹脂フィルムを備 える。 ガラスフィルムと樹脂フィルムとは、 接着剤層を介して貼り合わせら れている。
[0017] 図 1は、 光学積層体の積層構成例を示す断面図であり 、 ガラスフィルム 1
0の一方の面 (第一主面) に、 接着剤層 5 0を介して透明樹脂フィルム 2 0 が貼り合わせられ、 透明樹脂フィルム 2 0に偏光子 3 0が貼り合わせられて いる。 透明樹脂フィルム 2 0および偏光子 3 0は、 いずれも樹脂フィルムに 該当する。 図 1 に示す光学積層体 1 〇 1は、 偏光子 3 0上に粘着剤層 8 0を 備え、 粘着剤層 8 0の表面にはセパレータ _ 9 1が仮着されている。 ガラス フィルム 1 0の他方の面 (第二主面) には表面保護フィルム 9 2が仮着され ている。
[0018] <ガラスフィルム>
ガラスフィルム 1 0は、 可撓性を有するシート状のガラス材料である 。 ガ ラスフィルム 1 0を構成するガラス材料としては、 ソーダ石灰ガラス、 ホウ \¥0 2020/175208 4 卩(:171? 2020 /006031
酸ガラス、 アルミノ珪酸ガラス、 石英ガラス等が挙げられる。 ガラス材料の アルカリ金属成分 (例えば、 N 3 2 0 , < 2 〇、 1- 丨 2 〇) の含有量は、 1 5重 量%以下が好ましく、 1 0重量%以下がより好ましい。
[0019] 可撓性を持たせるために、 ガラスフィルム 1 0の厚みは 1 5〇 以下が 好ましく、 1 2〇 以下がより好ましく、 1 0 0 以下がさらに好まし い。 強度を持たせるために、 ガラスフィルムの厚みは 1 〇 以上が好まし く、 2 5 以上がより好ましく、 4〇 以上がさらに好ましく、 5 0 ^
111以上が特に好ましい。 ガラスフィルムの波長 5 5 0 01における光透過率 は、 8 5 %以上が好ましく、 9 0 %以上がより好ましい。 ガラスフィルム 1 0の密度は、 一般的なガラス材料と同様、 2 .
[0020] ガラスフィルム 1 0の形成方法は特に限定されず、 任意の適切な方法が採 用され得る。 例えば、 シリカやアルミナ等の主原料と、 芒硝や酸化アンチモ ン等の消泡剤と、 力ーボン等の還元剤とを含む混合物を、 1 4 0 0〜 1 6 0 〇 ° 〇の温度で溶融し、 シート状に成形した後、 冷却することにより、 ガラス フィルムが作製される。 ガラスをシート状に成形する方法としては、 スロッ トダウンドロー法、 フュージョン法、 フロート法等が挙げられる。
[0021 ] ガラスフィルム 1 0は、 枚葉でもよく長尺状でもよい。 口ールトウーロー ルプロセスへの適用が可能であり、 デバイスやその構成部材 (例えば後述の 光学積層体) の生産性を向上する観点から、 ガラスフィルムは、 長尺状であ ることが好ましい。 ガラスフィルムは可撓性を有しているため、 長尺状のガ ラスフィルムは、 口ール状の卷回体として提供される。 長尺状のガラスフィ ルムの長さは、 1 0 0〇1以上が好ましく、 3 0 0 以上がより好ましく、 5 0 0 以上がさらに好ましい。 長尺状のガラスフィルムの幅は、 例えば 5 0 〜 3 0 0 0 111 111であり、 好ましくは である。
[0022] ガラスフィルム 1 0として、 市販の薄ガラスを用いてもよい。 市販の薄ガ ラスとしては、 コーニング社製 「7 0 5 9」 、 「1 7 3 7」 または 「巳八〇 !_巳 2 0 0 0」 、 旭硝子社製 「八1\1 1 0 0」 、 1\! 1 ~ 1テクノグラス社製 「 八 - 3 5」 、 日本電気硝子社製 「〇八一 1 0」 、 ショッ ト社製 「 0 2 6 3」 ま \¥0 2020/175208 5 卩(:171? 2020 /006031
たは 「八 4 5」 等が挙げられる。
[0023] <樹脂フィルム>
ガラスフィルム 1 0の一方の主面には、 接着剤層 5 0を介して樹脂フィル ムが設けられている。 図 1 に示す光学積層体 1 〇 1では、 樹脂フィルムとし て、 透明樹脂フィルム 2 0が設けられ、 その上に偏光子 3 0が設けられてい る。 ガラスフィルム 1 0と偏光子 3 0との間に透明樹脂フィルム 2 0を配置 することにより、 偏光子 3 0の耐久性が向上する傾向がある。 また、 ガラス フィルム 1 0と偏光子 3 0との間に透明樹脂フィルム 2 0を配置することに より、 ガラスフィルム 1 0の表面からの衝撃に対する耐久性が向上す 傾向 がある。
[0024] 透明樹脂フィルム 2 0の材料は特に限定されない。 偏光子への耐久性付与 や、 光学積層体の耐衝撃性向上等の観点から、 透明樹脂フィルムの材料とし ては、 透明性、 機械的強度、 熱安定性および水分遮断性等に優れる熱可塑 性 樹脂が好ましく用いられる。 このような樹脂材料の具体例としては、 トリア セチルセルロース等のセルロース樹脂、 ポリエステル樹脂、 ポリエーテルス ルホン樹脂、 ポリスルホン樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 ポリイミ ド樹脂、 ポリオレフィン樹脂、 (メタ) アクリル樹脂、 環状ポリオ レフィン樹脂 (ノルボルネン系樹脂) 、 ポリアリレート樹脂、 ポリスチレン 樹脂、 ポリビニルアルコール樹脂、 およびこれらの混合物が挙げられる。
[0025] 透明樹脂フィルム 2 0の厚みは、 5〜 1 〇〇 が好ましく、 1 0〜 6 0 がより好ましく、 2 0〜 5 0 がさらに好ましい。 透明樹脂フィルム 2 0は光学等方性フィルムであってもよく、 光学異方性フィルムであっても よい。
[0026] 透明樹脂フィルム 2 0の 2 3 °〇におけるヤング率は、 ·! . 5〜 1 0〇 3 が好ましく、 1 . 8〜 9◦ 3がより好ましい。 透明樹脂フィルムの厚みお よびヤング率が上記範囲内であれば、 光学積層体の耐衝撃性が向上する傾向 がある。 透明樹脂フィルム 2 0の 2 5 ° 〇における破壊靭性値は、 ·! . 5〜 1 2 がより好ましい。 破壊靭 \¥0 2020/175208 6 卩(:171? 2020 /006031
性値が上記範囲内である透明樹脂フィルム は、 十分な粘り強さを有するため 、 ガラスフィルムを補強して、 ガラスフィルムの割れやクラックの抑制に寄 与し得る。
[0027] 偏光子 3 0としては、 可視光領域のいずれかの波長で吸収二色性を 示すフ ィルムが用いられる。 偏光子 3 0の単体透過率は、 4 0 %以上が好ましく、 4 1 %以上がより好ましく、 4 2 %以上がさらに好ましく、 4 3 %以上が特 に好ましい。 偏光子 3 0の偏光度は、 9 9 . 8 %以上が好ましく、 9 9 . 9 %以上がより好ましく、 9 9 . 9 5 %以上がさらに好ましい。
[0028] 偏光子 3 0としては、 目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され 得る。
例えば、 ポリビニルアルコール系フィルム、 部分ホルマール化ポリビニルア ルコール系フィルム、 エチレン 酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム 等の親水性高分子フィルムに、 ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着さ せて一軸延伸したもの、 ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩 化ビニ ルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィル ム等が挙げられる。 また、 米国 特許 5 , 5 2 3 , 8 6 3号等に開示されている二色性物質と液晶性 合物と を含む液晶性組成物を一定方向に配向させた ゲスト ·ホストタイプの偏光子 や、 米国特許 6 , 0 4 9 , 4 2 8号等に開示されているリオトロピック液晶 を一定方向に配向させた巳型偏光子等も用い ることができる。
[0029] これらの偏光子の中でも、 高い偏光度を有することから、 ポリビニルアル コールや、 部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の ポリビニルアルコー ル系フィルムに、 ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着さ せて所定方向 に配向させたポリビニルアルコール ( 八) 系偏光子が好ましく用いられ る。 例えば、 八系フィルムに、 ヨウ素染色および延伸を施すことにより 、 系偏光子が得られる。
[0030] 偏光子 3 0の厚みは、 例えば、 1〜 8〇 程度である。 偏光子 3 0の厚 みは 3 以上または 5 以上であってもよい。 偏光子 3 0として、 厚み が 2 5 以下、 好ましくは 1 5 以下、 より好ましくは 1 0 以下の 薄型の偏光子を用いることもできる。 薄型偏光子を用いることにより、 薄型 \¥0 2020/175208 7 卩(:171? 2020 /006031
の光学積層体が得られる。
[0031 ] <接着剤層>
ガラスフィルム 1 0と透明樹脂フィルム 2 0とは接着剤層 5 0を介して貼 り合わせられる。 接着剤は、 熱エネルギーや光エネルギー等により硬化す る 硬化型の接着剤でもよく、 粘着剤 (感圧接着剤) でもよい。
[0032] 硬化型の接着剤を構成する材料としては、 熱硬化性樹脂、 活性エネルギー 線硬化性樹脂等が挙げられる。 このような樹脂の具体例としては、 エポキシ 系、 シリコーン、 アクリル、 ポリウレタン、 ポリアミ ド、 ポリエーテル、 ポ リビニルアルコール等が挙げられる。 粘着剤としては、 アクリル系ポリマー 、 シリコーン系ポリマー、 ポリエステル、 ポリウレタン、 ポリアミ ド、 ポリ エーテル、 フッ素系ポリマー、 ゴム系ポリマー等をベースポリマーとするも のを適宜に選択して用いることができる。 接着剤には、 重合開始剤、 架橋剤 、 紫外線吸収剤、 シランカップリング剤等が含まれていてもよ い。
[0033] 小さな厚みで高い接着性を実現するために、 接着剤層 5 0を構成する接着 剤は、 熱硬化型または活性エネルギー線硬化型の接 着剤であることが好まし く、 中でもエポキシ系樹脂を含むものが好ましい 。 エポキシ系樹脂を含む接 着剤を介してガラスフィルムと樹脂フィルム とを貼り合わせることにより、 ガラスフィルムが破損し難く、 耐衝撃性により優れる光学積層体が得られる
[0034] 接着剤層 5 0の厚みは、 1 〇 以下が好ましく、 〇. 0 5 ~ 8 がよ り好ましく、 〇. 1〜 7 がさらに好ましい。 ガラスフィルムと透明フィ ルムとの貼り合わせに用いられる接着剤層 5 0の厚みが上記範囲であれば、 ガラスフィルムの破損が抑制され、 耐衝撃性に優れる光学積層体が得られる
[0035] 接着剤の硬化方法は、 接着剤の種類に応じて適切に選択され得る。 接着剤 が光硬化性接着剤である場合には、 紫外線照射により硬化が行われる。 紫外 線の照射条件は、 接着剤の種類、 接着剤組成物の組成等に応じて適切に選択 され得る。 積算光量は、 例えば 1 0 0〜 2 0 0 0 01」 2 である。 接着剤 \¥0 2020/175208 8 卩(:171? 2020 /006031
が熱硬化型接着剤である場合には、 加熱により硬化が行われる。 加熱条件は 、 接着剤の種類、 接着剤組成物の組成等に応じて適切に選択さ れ得る。 加熱 条件は、 例えば、 温度が 5 0 ° 〇〜2 0 0 ° 〇、 加熱時間が 3 0秒〜 3 0分程度 である。
[0036] <接着剤層中の異物>
ガラスフィルムと樹脂フィルムとを接着剤層 を介して貼り合わせた光学積 層体においては、 接着剤層中に異物が存在する場合がある。 接着剤層中の異 物は、 光学的な欠点となり得る。 例えば、 接着剤層中に大きな異物が含まれ ていると、 透過光や反射光が異物により屈折 ·散乱 ·反射するため、 液晶表 示装置や有機日 1_表示装置等の画素不良の原因となり得る。 また、 照明やス マートウィンドウ等の用途においても、 目視により視認可能な異物は光学的 な欠点となる。 また、 図 2に示すように、 接着剤層 5 0中に存在する異物 X のサイズが大きい場合は、 異物 Xが接着剤層 5 0の表層から突出した状態と なるため、 樹脂フィルム 2 0の表面が変形して、 凸部 2 9が形成される。 こ のような凸部が形成されると、 光の屈折 ·散乱 ·反射により、 表示装置の視 認性の悪化や、 照明の明暗ムラが生じる場合がある。
[0037] 第一の観点において、 本発明の光学積層体は、 接着剤層 5 0に含まれる 1
0 0 以上の異物数が 1 0個/ 2 以下である。 異物の有無は、 光学積層体 の目視観察により確認する。 目視により確認された異物を光学顕微鏡によ り 観察し、 異物の最大径が 1 〇〇 以上であるものの数を、 1 〇〇 以上 の異物数とする。
[0038] 接着剤層 5 0に混入している 1 〇〇 以上の異物は、 光学的な欠点とし て視認されるため、 1 0 0 以上の異物の数はできる限り少ないことが好 ましい。 1 0〇 以上の異物数は、 7個/ 2 以下が好ましく、 5個/ 2 以下がより好ましく、 3個/ 0! 2 以下がさらに好ましく、 2個/ 0! 2 以下が特 に好ましい。 1 0 0 以上の異物数は理想的には 1個/ 2 未満である。 1 5〇 以上の異物数は、 理想的には 0個/ 2 である。
[0039] 前述のように、 接着剤層中に異物が含まれていると、 異物と接着剤との界 \¥0 2020/175208 9 卩(:171? 2020 /006031
面で、 光が屈折 ·散乱 ·反射するため、 光学的な欠点として視認される。 異 物と接着剤の屈折率差が小さい場合は、 界面での光の屈折 ·散乱 ·反射が小 さい。 そのため、 接着剤層中に異物が含まれていても、 異物と接着剤の屈折 率差が小さければ、 光学的な欠点として視認され難い。 接着剤層中に含まれ る異物と接着剤との屈折率差は〇. 〇 2以下が好ましい。
[0040] 接着剤層における 1 0 0 以上の異物の中で、 接着剤層との屈折率差が 〇. 0 2を超える異物の数は、 5個/ 2 以下が好ましく、 3個/ 2 以下が より好ましく、 2個/ 2 以下がさらに好ましい。 1 0 0 以上でかつ接着 剤との屈折率差が 0 . 0 2を超える異物数は理想的には 1個/ 2 未満である 。 屈折率は、 波長 5 9 0 n における測定値である。 接着剤層中の異物の屈 折率は、 顕微赤外分光法等により異物を構成する物質 を特定し、 既知の物質 の屈折率を当てはめることにより特定すれば よい。
[0041 ] 接着剤層 5 0中の 1 0 0 未満の異物数は特に限定されない。 ただし、
1 0 0 未満の異物数が多くなると、 1 0 0 以上の粗大な異物の数も 大きくなる傾向がある。 1 〇〇 以上の異物数を前述の範囲内とするため には、 5 以上の異物数は、 1 3 0 0個/ 2 以下が好ましく、 1 0 0 0個 /〇 ! 2 以下がより好ましく、 8 0 0個/ 2以下がさらに好ましく、 6 0 0個 / 2 以下が特に好ましい。 また、 1 0 0 以下の異物であっても、 存在密 度が高い場合は、 光学的な欠点となり得ることからも、 異物数は上記範囲内 であることが好ましい。
[0042] 5 以上 1 0 0 未満の異物の中でも、 5 0 を超え 1 0 0 未 満の異物は、 表示装置等の用途においては、 光学的な欠点として視認される 場合がある。 そのため、 接着剤層 5 0中の 5 0 を超え 1 〇〇 未満の 異物数は、 3 0 0個/ 2 以下が好ましく、 2 0 0個/ 2 以下がより好まし く、 1 5 0個/ 2以下がさらに好ましい。
[0043] 第二の観点において、 本発明の光学積層体は、 接着剤層 5 0に含まれる異 物に起因して、 樹脂フィルムの表面に形成された凸部の数が 少ないことが好 ましい。 図 2に示すように、 接着剤層 5 0中の異物 Xが接着剤層 5 0の表層 \¥02020/175208 10 卩(:171?2020/006031
から突出していると、 樹脂フィルム 2 0の表面が変形して、 凸部 2 9が形成 される。 樹脂フィルム 2 0の表面に形成された凸部はレンズのように 用し て光を屈折させるため、 視認不良の原因となりやすく、 凸部の高さが大きい ほど視認不良が生じやすい。
[0044] 接着剤層 5 0の表面から突出している異物の高さ 1 ~ 1が大きいほど、 樹脂フ ィルム 2 0の表面の凸部の高さも大きくなる傾向があ 、 特に、 接着剤層の 表面から突出している異物の突出高さ 1 ~ 1が 7 以上である場合に、 視認不 良が生じやすい。 そのため、 接着剤層の表面からの突出高さ 1 ~ 1が 7 以上 の異物父の数は、 1 〇個/ 2 以下が好ましい。 突出高さ 1 ~ 1が 7 以上の異 物の数は、 7個/ 2 以下がより好ましく、 5個/ 2 以下がさらに好ましく 、 3個/ 2 以下が特に好ましく、 2個/ 2 以下が最も好ましい。 突出高さ 1 ~ 1が 7 以上の異物の数は、 理想的には 1個/ 2 未満である。
[0045] 液晶表示装置や有機巳 1_表示装置等のディスプレイにおいては、 より小さ な凸部による光の屈折も光学的な欠点として 視認される傾向がある。 そのた め、 光学積層体がディスプレイ用途に用いられる 場合には、 接着剤層 5 0の 表面からの突出高さ 1 ~ 1が 5 以上の異物の数が、 1 0個/ 2 以下であるこ とが好ましく、 7個/ 2 以下がより好ましく、 5個/ 2 以下がさらに好ま しく、 3個/ 2 以下が特に好ましく、 2個/ 2 以下が最も好ましい。 突出 高さ 1 ~ 1が 5 以上の異物の数は、 理想的には 1個/ 2 未満である。
[0046] 接着剤層 5 0の表面からの異物の突出高さ 1 ~ 1は、 垂直走査型低コヒーレン ス干渉法 ( 1 3 0 2 5 1 7 8 ) により測定した接着剤層の三次元表面形状に 基づいて求められる (図 4巳参照) 。 接着剤層の三次元表面形状の測定にお いては、 水への浸潰あるいは加温等により、 接着剤層 5 0と樹脂フィルム 2 0の界面で剥離して樹脂フィルム 2 0を除去した試料を用いる。
[0047] 接着剤層 5 0から突出した異物の形状は、 突出部の傾斜角に基づいて評価 することもできる。 接着剤層 5 0の表面から突出した異物の傾斜角 0が大き いほど、 接着剤層上に設けられた樹脂フィルム 2 0の表面に形成される凸部 2 9の傾斜角も大きくなり、 光学的な欠点として視認されやすい。 特に、 突 \¥0 2020/175208 1 1 卩(:171? 2020 /006031
出異物の傾斜角 0が 1 0 ° 以上である場合に、 視認不良が生じやすい。 その ため、 接着剤層 5 0表面からの突出部の傾斜角 0が 1 0 ° 以上の異物の数は 、 1 0個/ 2 以下が好ましい。 傾斜角 0が 1 0 ° 以上の異物の数は、 7個/ がより好ましく、 5個/ 2 以下がさらに好ましく、 3個/ 2 以下が 特に好ましく、 2個/〇! 2 以下が最も好ましい。 突出部の傾斜角 0が 1 0 ° 以 上の異物の数は、 理想的には 1個/ 2 未満である。
[0048] 液晶表示装置や有機巳 1_表示装置等のディスプレイにおいては、 より傾斜 角の小さい凸部による光の屈折も視認される 傾向がある。 そのため、 光学積 層体がディスプレイ用途に用いられる場合に は、 接着剤層 5 0の表面からの 突出部の傾斜角が 3 ° 以上の異物の数が、 1 0個/ 2 以下であることが好ま しく、 7個/〇! 2 以下がより好ましく、 5個/〇! 2 以下がさらに好ましく、 3 個/ 2 以下が特に好ましく、 2個/〇! 2 以下が最も好ましい。 突出部の傾斜 角 0が 3 ° 以上の異物の数は、 理想的には 1個/ 2 未満である。
[0049] 異物の突出部の傾斜角 0は、 図 3に示すように、 突出部の断面形状を、 底 辺の長さが ø、 高さ 1 ~ 1の二等辺三角形に近似することにより 出される。 突 出部の傾斜角 0 (二等辺三角形の底角) は、 (2 1 ~ 1 / 0) で表 される。 底辺の長さ øは、 異物の大きさ (最大径) に等しく、 光学積層体の 光学顕微鏡観察により求められる。
[0050] 接着剤層 5 0中の異物に起因して樹脂フィルム 2 0の表面に凸部が形成さ れる場合、 凸部に起因する光学的な欠点の発生を抑制す る観点からは、 凸部 形成の原因となる異物 X の突出高さ 1 ~ 1が小さく、 かつ突出部の傾斜角 0が小 さいことが好ましい。 接着剤層 5 0中の異物父の突出部は、 高さ 1 ~ 1が 7 以下、 かつ傾斜角 0が 1 0 ° 以下であることが好ましい。 そのため、 接着剤 層 5 0の表面からの突出部の高さ 1 ~ 1が 7 以上または傾斜角 0が 1 0 ° 以 上のいずれか一方または両方を満たす異物の 数は、 1 0個/ 2 以下が好まし く、 7個/〇! 2 以下がより好ましく、 5個/〇! 2 以下がさらに好ましく、 3個 が特に好ましく、 2個/ 2 以下が最も好ましい。 突出部の高さ 1 ~ 1 が 7 以上または傾斜角 0が 1 0 ° 以上のいずれか一方または両方を満た \¥02020/175208 12 卩(:171?2020/006031
す異物の数は、 理想的には 1個/ 2 未満である。
[0051 ] 液晶表示装置や有機巳 !_表示装置等のディスプレイにおいては、 高さが小 さい凸部や、 傾斜角の小さい凸部による光の屈折も視認さ れる傾向がある。 そのため、 光学積層体がディスプレイ用途に用いられる 場合には、 粘着剤層 5 0の表面からの突出部の高さ 1 ~ 1が 5 以上または傾斜角 0が 3 ° 以上の いずれか一方または両方を満たす異物の数は 、 1 0個/ 2 以下が好ましく、
7個/〇 ! 2 以下がより好ましく、 5個/〇 ! 2 以下がさらに好ましく、 3個/ 以下が特に好ましく、 2個/ 2 以下が最も好ましい。 突出部の高さ 1 ~ 1が 5 以上または傾斜角 0が 3 ° 以上のいずれか一方または両方を満たす異物 の 数は、 理想的には 1個/ 2 未満である。
[0052] <接着剤層中の異物数の制御>
ガラスフィルム上に接着剤層を介して樹脂フ ィルムが貼り合わせられた光 学積層体において、 接着剤層中の異物の大半は、 ガラスフィルム表面の付着 異物に由来するものである。 ガラスフィルムの製造は、 表示装置等の光デバ イスの製造や、 光デバイス用部材の製造に比べて清浄度の低 い環境で行われ る場合が多い。 そのため、 製造直後のガラスフィルムには多数の異物が 付着 している。 接着剤層中の異物数を低減するためには、 クリーン環境でガラス フィルムの洗浄を行い、 洗浄後のガラスフィルムの表面に、 樹脂フィルムを 積層することが好ましい。
[0053] ガラスフィルムの洗浄方法は、 付着異物数を上記範囲に低減可能であれば 特に限定されず、 乾式法および湿式法のいずれでもよい。 乾式法としては、 エアの吹き付け、 II Vやオゾン等の照射による異物の分解、 粘着口ールや粘 着シートによる異物の除去、 ブラシ洗浄、 ブラスト洗浄等が挙げられる。 ウ エツ ト洗浄としては、 純水、 酸もしくはアルカリ、 または有機溶媒等の洗浄 液による洗浄、 洗浄液等の液体をガラスフィルムの表面に付 着させた状態、 またはガラスフィルムを液体に浸潰した状態 でのブラシもしくはスポンジに よる洗浄、 超音波洗浄、 二流体洗浄等が挙げられる。
[0054] ガラスは表面自由エネルギーが高く、 付着異物の密着性が高いため、 液体 \¥0 2020/175208 13 卩(:171? 2020 /006031
との接触のみでは異物が十分に除去できな い場合がある。 また、 ガラスフィ ルムの製造環境に起因する付着異物には、 多種多様な物質が含まれているた め、 有機溶媒等により異物を溶解させる方法でも 異物を十分に除去できない 場合がある。 表示装置用のガラス板の洗浄においては、 強アルカリによりガ ラスの表層を溶解することにより、 付着異物を除去する方法が知られている 。 この方法は、 異物の除去効果が大きいものの、 ガラスフィルムに適用した 場合は、 ガラスフィルムの厚みの減少による強度低下 の原因となり得る。
[0055] ガラスフィルムはプラスチックフィルムに比 べて硬度が高く、 傷が生じ難 いため、 ガラスフィルムの洗浄には物理的な衝撃力に より付着異物を除去す る方法を適用できる。 中でも、 付着異物を適度に除去可能であることから、 ドライ洗浄としてはブラシ洗浄またはブラス ト洗浄が好ましく、 ウェッ ト洗 浄としては二流体洗浄が好ましい。
[0056] ブラシ洗浄には、 回転ブラシを備える接触式ウェブクリーナー 等が用いら れる。 ガラスフィルムを口ールトウーロール搬送し ながら連続的に表面洗浄 を行う場合は、 洗浄品質を一定に保つ観点から、 吸引方式等によりブラシに 付着した異物を除去するための機構を備えて いることが好ましい。
[0057] ブラスト洗浄としてはドライアイスブラスト が好ましい。 ドライアイスブ ラストでは、 ガラスフィルムに高速でドライアイスペレッ トを吹き付ける。 ガラスフィルムと付着異物との間にドライア イスが入り込んで急激に気化す ると、 体積が急激に膨張し、 この体積変化によって、 付着した異物を剥離除 去できる。 また、 ドライアイスは気化するため、 ブラスト粒が異物として残 存することはない。
[0058] 二流体洗浄は、 気体と液体を混合した混合流体を、 二流体ノズルからガラ スフィルムの表面に供給する処理である。 混合流体中の液滴がガラスフィル ムの表面に衝突し、 その衝撃によってガラスフィルムの表面に付 着した異物 を除去できる。 二流体洗浄の液体および気体としては、 一般に、 水および空 気が用いられる。 気体 (キャリアガス) として、 窒素、 酸素、 二酸化炭素、 水素、 オゾン、 アルゴン等を用いてもよい。 二流体ノズルのキャリアガス圧 \¥0 2020/175208 14 卩(:171? 2020 /006031
は 0 . 1〜〇. 程度、 液圧は 0 . 0 5〜〇. 程度が好まし い。
[0059] 洗浄は、 ガラスフィルムを口ールトウーロールで搬送 しながら連続的に行 うことが好ましい。 洗浄は、 ガラスフィルムの片面のみに対して実施して も よく、 ガラスフィルムの両面を洗浄してもよい。 片面のみを洗浄する場合は 、 樹脂フィルムを積層する面 (第一主面) を洗浄すればよい。 ガラスフィル ムの両面を洗浄する場合、 _方の面の洗浄方法と他方の面の洗浄方法は 同 —でも異なっていてもよい。
[0060] 口ールトウーロールにより洗浄を行う場合、 洗浄はオフラインで行っても よく、 インラインで行ってもよい。 インライン洗浄では、 ガラスフィルムを 洗浄後、 口ール状に巻き取るまでの間に、 洗浄後のガラスフィルムの表面に 、 接着剤層を介して樹脂フィルムが積層される 。 オフライン洗浄では、 洗浄 後のガラスフィルムを一旦口ール状に巻き取 る。 洗浄後のガラスフィルムを 口ール状に巻き取る前に、 洗浄面への異物の再付着防止等を目的として 、 保 護フィルムを仮着してもよい。
[0061 ] <ガラスフィルムと樹脂フィルムの積層>
洗浄後のガラスフィルム 1 〇上に、 接着剤層 5 0を介して樹脂フィルムを 積層することにより、 光学積層体が得られる。 ガラスフィルム 1 0が長尺状 である場合、 口ールトウーロールによりガラスフィルム搬 送しながら、 積層 を行うことが好ましい。
[0062] ガラスフィルム 1 0の第一主面上に複数の樹脂フィルムが設け れる場合 、 光学積層体を形成する際の積層順序は特に限 定されない。 例えば、 ガラス フィルム 1 0上に、 透明樹脂フィルム 2 0および偏光子 3 0等を順に積層し てもよく、 予め複数の樹脂フィルムを積層した積層フィ ルム (例えば、 透明 樹脂フィルム 2 0と偏光子 3 0との積層体) とガラスフィルム 1 0とを積層 してもよい。 透明樹脂フィルム 2 0と偏光子 3 0とは、 接着剤層 (不図示) を介して積層することが好ましい。 透明樹脂フィルムと偏光子 3 0との間に 設けられる接着剤として、 接着剤層 5 0を構成する接着剤として先に例示し \¥0 2020/175208 15 卩(:171? 2020 /006031
た接着剤を用いてもよい。
[0063] <付加層>
光学積層体は、 ガラスフィルム 1 0、 接着剤層 5 0および樹脂フィルム 2 0 , 3 0以外の付加的な層を備えていてもよい。 例えば、 光学積層体 1 0 1 は、 デバイスを構成する他の部材と貼り合わせる ための粘着剤層 8 0を備え ていてもよい。 例えば、 粘着剤層 8 0を介して、 光学積層体 1 0 1 を有機巳 !_セルや液晶セル等の画像表示セルと貼り合 せることができる。 粘着剤層 8 0を構成する粘着剤は特に制限されず、 アクリル系ポリマー、 シリコーン 系ポリマー、 ポリエステル、 ポリウレタン、 ポリアミ ド、 ポリエーテル、 フ ッ素系ポリマー、 ゴム系ポリマー等をベースポリマーとするも のを適宜に選 択して用いることができる。 特に、 アクリル系粘着剤等の、 透明性に優れ、 適度な濡れ性と凝集性と接着性を示し、 耐候性や耐熱性等に優れる粘着剤が 好ましい。
[0064] 粘着剤層 8 0は 2層以上を積層したものでもよい。 粘着剤層 8 0の厚みは 、 例えば 1〜 3 0 0 程度であり、 5〜 5 0 が好ましく、 1 0〜 3 0 がより好ましい。
[0065] 粘着剤層 8 0の表面には、 セパレータ _ 9 1が仮着されていることが好ま しい。 セパレーター9 1は、 光学積層体を他の部材と貼り合わせるまでの 間 、 粘着剤層 8 0の表面を保護する。 セパレータ _ 9 1の構成材料としては、 アクリル、 ポリオレフィン、 環状ポリオレフィン、 ポリエステル等のプラス チックフィルムが好適に用いられる。
[0066] セパレータ _ 9 1の厚みは、 通常 5〜 2 0 0 〇1程度であり、 1 0〜 6 0 が好ましく、 1 5〜 4 0 がより好ましく、 2 0〜 3 0 がさらに 好ましい。 セパレータ _ 9 1の表面には、 離型処理が施されていることが好 ましい。 離型剤としては、 シリコーン系材料、 フッ素系材料、 長鎖アルキル 系材料、 脂肪酸アミ ド系材料等が挙げられる。 粘着剤層 8 0の形成用基材と して用いたフィルムを、 そのままセパレーターとしてもよい。
[0067] 図 1 に示すように、 ガラスフィルム 1 0の第二主面には、 表面保護フィル \¥0 2020/175208 16 卩(:171? 2020 /006031
ム 9 2が仮着されていてもよい。 表面保護フィルム 9 2は、 光学積層体が使 用に供されるまでの間、 ガラスフィルム等を保護する。 ガラスフィルム 1 0 の表面に表面保護フィルム 9 2が仮着されていることにより、 例えば、 先端 の尖った落下物に対してもキズ、 穴等の発生を防止することができる。
[0068] 表面保護フィルム 9 2の材料としては、 上述のセパレーター 9 1 と同様の プラスチック材料が好ましく用いられ、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリ エチレン等が挙げられる。 表面保護フィルム 9 2は、 ガラスフィルムの付設 面に粘着層を有していることが好ましい。 表面保護フィルム 9 2として、 フ ィルムを構成する樹脂層と粘着層とを共押出 により積層した自己粘着フィル ムを用いてもよい。 表面保護フィルム 9 2の厚みは、 例えば 2 0 〇1 ~ 1 0 0 0 程度であり、 3 0〜 5 0 0 〇1が好ましく、 4 0〜 2 0 0 〇1がよ り好ましく、 5 0〜 1 5 0 がさらに好ましい。
[0069] 図 1では、 ガラスフィルム 1 0の第一主面に、 樹脂フィルムとして透明樹 脂フィルム 2 0および偏光子 3 0が積層された光学積層体 1 0 1が示されて いるが、 樹脂フィルムは 1層のみでもよい。 例えば、 ガラスフィルムの第一 主面に、 接着剤層を介して偏光子が貼り合わせられて いてもよい。 また、 ガ ラスフィルムの第一主面に透明樹脂フィルム のみが積層されていてもよい。
[0070] 光学積層体は、 偏光子 3 0と粘着剤層 8 0との間に、 他の樹脂フィルム等 を備えていてもよい。 偏光子 3 0と粘着剤層 8 0との間に透明フィルムが設 けられることにより、 偏光子の耐久性をさらに向上できる。 偏光子 3 0と粘 着剤層 8 0との間に配置される透明フィルムの材料、 厚み、 光学特性等は、 偏光子 3 0とガラスフィルム 1 0との間に配置される透明樹脂フィルム 2 0 と同様であってもよい。 透明フィルムは、 光学等方性フィルムでもよく、 光 学異方性フィルムでもよい。 偏光子 3 0と粘着剤層 8 0との間に光学異方性 フィルムを用いることにより、 様々な機能を発現できる。
[0071 ] 例えば、 有機日 !_セルの表面に光学積層体が貼り合わせられ 場合は、 透 明フィルムと偏光子 3 0とが円偏光板を構成することにより、 有機巳 !_素子 のセルの金属電極等による外光の反射を遮蔽 して、 表示の視認性を向上でき \¥0 2020/175208 17 卩(:171? 2020 /006031
る。 透明フィルムとして、 斜め延伸フィルムを用いてもよい。
[0072] 液晶セルの表面に光学積層体が貼り合わせら れる場合は、 光学異方性フィ ルムにより各種の光学補償を行い得る。 光学補償に用いられる光学異方性フ ィルムの種類は、 液晶セルの方式等に応じて適宜に選択すれば よい。
[0073] 光学積層体は、 上記以外の各種の機能性付与層を有していて もよい。 機能 性付与層としては、 例えば、 反射防止層、 防汚層、 光拡散層、 易接着層、 帯 電防止層等が挙げられる。
[0074] ガラスフィルムには加飾印刷が施されていて もよい。 加飾印刷の印刷厚み は、 例えば 5〜 1 〇〇 程度である。 加飾印刷は、 ガラスフィルムのいず れの面に施されていてもよい。 また、 ガラスフィルム以外の光学積層体の構 成部材に加飾印刷が施されてもよい。 例えば、 偏光子 3 0や透明樹脂フィル ム 2 0に加飾印刷を施してもよい。 加飾印刷部が設けられた透明フィルム ( 加飾印刷フィルム) を、 光学積層体の構成部材と口ールトゥーロール 方式で 積層することにより、 加飾印刷部を有する光学積層体を得ることも できる。
[0075] ガラスフィルム 1 0の第一主面に樹脂フィルムが積層された光 積層体は 、 ガラスフィルムを備えるため、 硬度が高い。 また、 光学積層体は、 ガラス フィルム 1 0の第一主面に樹脂フィルムが積層されてい ため、 ガラスフィ ルム 1 0の破損が防止され、 耐衝撃性に優れる。 これは、 ガラスフィルムの 第二主面に与えられた衝撃を、 第一主面側に有効に逃がすことができるため と考えられる。 特に、 ガラスフィルム 1 0の第一主面上に、 透明樹脂フィル ム 2 0を介して偏光子 3 0が設けられている場合に、 耐衝撃性が顕著に向上 する。 ガラスフィルムが破損し難いため、 ガラスフィルムの厚みを小さくす ることが可能であり、 これに伴って光学積層体を軽量化できる。
[0076] さらに、 ガラス材料は、 水分やガスの遮蔽性が高く、 有機溶媒、 酸、 アル カリ等に対する耐久性が高く、 かつ耐熱性に優れるため、 ガラスフィルム 1 0が表面に配置されることにより、 樹脂フィルム 2 0のみを有する場合に比 ベて、 偏光子 3 0に対する保護性能が向上し、 偏光子の劣化を防止できる。
[0077] 本発明の光学積層体は、 枚葉でもよく長尺状でもよい。 口ールトゥーロー \¥0 2020/175208 18 卩(:171? 2020 /006031
ルプロセスへの適用が可能であり、 デバイスの生産性を向上する観点から、 光学積層体は長尺状であることが好ましい。 ガラスフィルムが可撓性を有し ているため、 光学積層体も可撓性を有している。 そのため、 長尺状の光学積 層体は、 口ール状の卷回体として提供される。 長尺状の光学積層体の長さは 、 1 0 0 01以上が好ましく、 3 0 0 01以上がより好ましく、 5 0 0 以上が さらに好ましい。 長尺状の光学積層体の幅は、 例えば 5 0〜 3 0 0 0 で あり、 好ましくは である。
[0078] 本発明の光学積層体は、 半導体素子等の基板材料や、 表示装置、 照明装置 、 スマートウィンドウ、 太陽電池等の光デバイス等に適用できる。 光デバイ スにおいて、 ガラスフィルムは、 素子等を形成するための基板材料として利 用してもよく、 デバイスの表面を保護するためのカバーガラ スとして利用す ることもできる。
[0079] ガラス材料は表面光沢を有するため、 ガラスフィルムが画像表示装置等の デバイスの表面に配置されることにより、 美しいグレア感が得られる。 また 、 ガラス材料は光学等方性であるため、 反射光の色付きが生じ難く、 高い視 認性を実現できる。 さらに、 ガラスフィルムは表面硬度が高く、 耐衝撃性に 優れる。 そのため、 光学積層体を、 ガラスフィルムが視認側表面となるよう に配置した画像表示装置では、 ガラスフィルムがフロントウインドウとして の機能を有するため、 別途ウインドウ層を設ける必要がない。 したがって、 画像表示装置の製造工程を簡略化できるとと もに、 構成部材数の低減により 、 デバイスの薄型化および軽量化が可能となる 。
[0080] また、 本発明においては、 ガラスフィルムと樹脂フィルムとの間に設け ら れる接着剤層中の異物数が少なく、 異物に起因する樹脂フィルム表面の変形 (凸部の形成) が抑制されているため、 光デバイスにおける光学的な欠点が 生じ難い。 そのため、 本発明の光学積層体を用いることにより、 視認性に優 れる光デバイスが得られる。 また、 接着剤層中の粗大な異物や、 異物に起因 する樹脂フィルム表面の凸部の数密度が小さ いため、 デバイスのサイズ (例 えばディスプレイの画面サイズ) に加工した際に、 異物に起因する欠点を含 \¥02020/175208 19 卩(:171?2020/006031
む製品を不良品として排除しても、 十分な歩留まりを確保できる。
実施例
[0081 ] 以下に、 具体例を挙げて本発明をより詳細に説明する が、 本発明は下記の 具体例に限定されるものではない。
[0082] [評価 1 :ガラスフィルムの洗浄による付着異物数の 減効果]
<比較例 1>
0〇 の試料を切り出して、 表面を光学顕微鏡により観察し、 観察範囲に おける 5 以上の付着異物の総数をカウントした。 また、 付着異物の中で 大きさが 1 0〇 以上のものの数をカウントした。 この作業を 1 0 0枚の 試料 (合計面積: 1 111 2 ) について行い、 異物数の合計を求めた。
[0083] <実施例 1〜 3および比較例 2 , 3>
ガラスフィルムの口ール状卷回体からガラス フィルムを巻き出し、 搬送速 度 分で一方向に搬送しながら、 ガラスフィルム表面の洗浄を行った。 洗浄後のガラスフィルムは一旦口ール状に巻 き取った後、 上記の比較例 1 と 同様に、 光学顕微鏡観察により、 1 2 あたりの異物数を求めた。
[0084] <実施例 1 : ブラシ洗浄>
回転ブラシとバキュームクリーナーを備える ウェブクリーナー (伸興製 「 丁11 [¾巳〇_ 3 3」 ) によりガラスフィルム表面の洗浄を行った。 運転条件 は以下の通りであった。
ブラシ:ナイロン製、 長さ 2 0〇1 111、 太さ 7 5 01
ブラシ回転数: 5 0 0 「 (ガラスフィルム搬送方向に対して逆回転
)
ブラシとガラスフィルムの距離: 1 111 111
ブロア運転条件
[0085] <実施例 2 : ドライアイスブラスト洗浄>
幅方向 (搬送方向と直交する方向) に複数のノズルを備えるドライアイス ブラスト装置 (エア · ウォーター製 「〇リ ) により、 ガラ \¥02020/175208 20 卩(:171? 2020 /006031
スフィルム表面の洗浄を行った。 運転条件は以下の通りであった。
ドライアイス粒径: 1 00 0
エア圧力: 〇. 4 IV!
ノズルとガラスフィルムの距離:
[0086] <実施例 3 :二流体洗浄>
幅方向に複数の二流体ノズル (スプレーイングシステムジャパン製) を備 える二流体洗浄装置により、 ガラスフィルム表面の洗浄を行った。 運転条件 は以下の通りであった。
液体:水
気体:圧縮空気
水圧: 〇. 2MP a
エア圧: 0 2\^\9〇,
ノズルとガラスフィルムの距離:
[0087] <比較例 2 :超音波洗浄>
超音波洗浄装置 (ブランソン製 「85 1 O J -MTH」 ) を用いて、 常温 の水中で 1 〇分間洗浄を行った。
[0088] <比較例 3 :粘着口 _ル>
粘着口ール (明和ゴムエ業製 「ベタロン」 ) をラミ圧〇. でガラ スフィルムの表面に押し当て、 ガラスフィルム表面の洗浄を行った。
[0089] <製品歩留まりの評価>
上記のガラスフィルムに樹脂フィルムを貼り 合わせた光学積層体を画面サ イズ 1 5インチ (332^101X 1 87 〇〇 のディスプレイに使用する場合 に、 面内に 1 0〇 以上の異物が存在せず、 正常品として利用できる割合 (=製品歩留まり) を、 1 2 あたりの異物数に基づいて算出した。 実施例 1 〜 3および比較例 1〜 3のガラスフィルムの異物数、 ならびに歩留まりの計 算結果を表 1 に示す。
[0090] \¥0 2020/175208 21 卩(:171? 2020 /006031
[表 1 ]
[0091 ] 表 1 に示すように、 未洗浄のガラスフィルム (比較例 1) には、 1 〇〇 以上の異物が多数付着しており、 1 5インチサイズにおいて、 1 0 0 〇1 以上の異物が 1個以上存在するため、 製品歩留まりの計算値は 0となる。 超 音波洗浄を行った比較例 2および粘着口ールにより付着異物の除去を った 比較例 3では、 比較例 1 に比べると付着異物数は減少していた。 しかし、 異 物の除去効果が十分ではなく、 1 5インチサイズの製品における歩留まりの 計算値は参考例と同様 0であった。 実施例 1〜 3では、 1 0 0 以上の付 着異物が適切に除去されているため、 1 0 0 以上の異物を含むものを不 良品とした場合でも、 高い歩留まりを確保できることが分かる。
[0092] [評価 2 :接着剤層表面の異物の形状]
未洗浄のガラスフィルム上に、 エポキシ系の接着剤を介して、 厚み 4 0 01のアクリル系透明フィルムを貼り合わせて 学積層体を得た。 得られた光 学積層体の目視観察にて異物の存在が確認さ れた観察箇所 1〜 5について、 以下の 3つの基準で評価した。
〇:ディスプレイ用途にて使用可能 (目視では欠点として認識できない
)
△ :欠点が目視にて確認できるが、 照明用としては使用可能
X :ディスプレイ用、 照明用のいずれにおいても使用不可
[0093] 光学積層体を水中に浸潰して加温し、 接着剤層とァクリル系透明フィルム との界面で剥離して、 評価用試料を作製した。 上記の観察箇所 1〜 5のそれ \¥02020/175208 22 卩(:17 2020 /006031
ぞれについて、 異物の大きさ 0、 および突出高さ 1 ~ 1を求め、 øおよび 1 ~ 1から 傾斜角 0を算出した。 突出部の高さ 1 ~ 1は、 コヒーレンス走査型干渉計 (å 9 〇 ズ: 1 0倍、 ズームレンズ 20倍、 測定範 の条件で測定した接着剤層表面の三次元表 面形状から算出した。 解析に際しては、 装置付属のプログラムにより、 下記 の条件で補正を行った。
Removed : None
Fi Iter: High Pass
Fi lter Type: Gauss Spline
Low wavelength: 300^m 8) : 2.5
[0094] 観察箇所 1〜 5の異物のサイズ、 突出部の高さ 1 ~ 1および角度 0、 ならびに 目視での評価結果を表 2に示す。 なお、 観察箇所 5では、 異物が接着剤層中 に舞設しており、 突出部が確認されなかった。
[0095] [表 2]
[0096] 観察箇所 1では、 異物のサイズ øは観察箇所 2〜 4よりも小さかったが、 目視評価では、 光学的な欠点として目立っていた。 一方、 観察箇所 5では、 異物の存在が確認されたが、 接着剤の表面から異物が突出していなかった た め、 光学積層体の目視観察においては光学的な欠 点としては認識されなかっ た。
[0097] 表 2に示す結果から、 ガラスフィルムの表面に設けられた接着剤層 中に存 在する異物のサイズが小さい場合でも、 接着剤層表面からの突出高さが大き \¥02020/175208 23 卩(:171? 2020 /006031
く突出部の傾斜角度が大きい場合は、 光学的な欠点として認識されやすいこ とが分かる。 逆に、 異物が存在する場合でも、 接着剤層表面からの突出が小 さい (突出がない) 場合は光学的な欠点として認識され難いこと が分かる。 符号の説明
[0098] 1 0 ガラスフイルム
20 樹脂フィルム
30 偏光子
50 接着剤層
80 粘着剤層
9 1 セパレーター
92 表面保護フィルム
1 01 光学積層体
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