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Title:
GLASS FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175207
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a glass film in which an optical defect is not easily caused and which has excellent handling property. This glass film has a thickness of no greater than 150 μm and has flexibility. The glass film has, on one surface thereof, at least 130/m2of attached foreign substances which are 5 μm or larger and at most 10/m2 of attached foreign substances which are 100 μm or larger. On one surface of the glass film, the number of attached foreign substances, which are equal to or larger than 5 μm and smaller than 100 μm, is favorably 130-1200/m2. The length of the glass film is favorably at least 100 m.

Inventors:
INAGAKI JUNICHI (JP)
KANNO TOSHIHIRO (JP)
MURASHIGE TAKESHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/006016
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 17, 2020
Export Citation:
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Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
International Classes:
C03C23/00
Foreign References:
CN102606899A2012-07-25
JP2016222396A2016-12-28
JP2009155158A2009-07-16
JP2011255343A2011-12-22
JP2015089546A2015-05-11
JP2003234320A2003-08-22
JP2015518813A2015-07-06
JP2008062349A2008-03-21
JP2011016708A2011-01-27
US5523863A1996-06-04
US6049428A2000-04-11
Attorney, Agent or Firm:
SHINTAKU, Masato (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175207 20 卩(:17 2020 /006016

請求の範囲

[請求項 1 ] 厚み 1 5 0 以下であり、 可撓性を有するガラスフィルムであつ て、

第一主面と第二主面を有し、

第一主面において、 5 以上の付着異物の数が 1 3 0個/〇1 2以 上であり、 1 0〇 以上の付着異物の数が 1 0個/ 2以下である 、 ガラスフイルム。

[請求項 2] 第一主面において、 5 以上 1 0 0 未満の付着異物の数が 1

3 0 ~ 1 2 0 0個/ 2である、 請求項 1 に記載のガラスフィルム。

[請求項 3] 第一主面において、 5 以上 5〇 以下の付着異物の数が 1 0

0個/ 2以上である、 請求項 1 または 2に記載のガラスフィルム。

[請求項 4] 第一主面において、 5 0 を超え 1 0 0 未満の付着異物の数 が 3 0 0個/ 2以下である、 請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載の ガラスフイルム。

[請求項 5] 長さが 1 0 0 以上である、 請求項 1〜 4のいずれか 1項に記載の ガラスフイルム。

Description:
\¥0 2020/175207 1 卩(:17 2020 /006016 明 細 書

発明の名称 : ガラスフイルム

技術分野

[0001 ] 本発明は、 可撓性のガラスフィルムに関する。

背景技術

[0002] 表示装置、 照明装置、 太陽電池等の光デバイスは、 軽量、 薄型化が進んで いる。 これらの要求を満たすために、 ガラス材料からプラスチック材料への 置き換えも進んでいるが、 プラスチック材料は、 ガラスのような高い耐衝撃 性および光沢性 (グレァ感) を実現することは困難である。

[0003] そこで、 ガラスの利点を活かしつつ、 デバイスの軽量化および薄型化を図 るために、 可撓性を有する薄ガラスフィルムを用いるこ とが提案されている (例えば特許文献 1参照) 。 可撓性を有するガラスフィルムは、 口ールトゥ —口ールプロセスにも適用可能であるため、 デバイスの薄型化および軽量化 に加えて、 デバイスやその構成部材の生産性向上や低コ スト化も期待できる 先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 1 1 - 1 6 7 0 8号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005] ガラスフィルムの製造プロセスは、 板ガラスの製造プロセスと同様、 溶融 、 成形および冷却を要し、 設備が大きいため、 清浄度を高めることが困難で ある。 また、 ガラスは絶縁性であり帯電しやすい。 そのため、 ガラスフィル ムには、 製造プロセスに起因する多数の異物が付着し ている。

[0006] ガラスフィルムに異物が付着した状態で、 ガラスフィルムの表面に接着剤 や樹脂層等を設けると、 界面に嚙み込んだ異物が光学的な欠点となり 得る。 また、 口ールトゥーロールプロセスでは、 搬送口ールとの接触時や他の部材 \¥02020/175207 2 卩(:171?2020/006016

との貼り合わせ時に、 異物が付着している部分に局所的に力が加わ り、 ガラ スフィルムが割れる場合がある。

[0007] 上記の特許文献 1の実施例では、 枚葉のガラスフィルムの表面を溶媒で洗 浄したことが記載されている。 しかし、 ガラスはプラスチック材料に比べて 表面自由エネルギーが高いため、 溶媒による洗浄のみでは十分に異物を除去 できない場合がある。

[0008] ディスプレイ等に用いられる板ガラスの洗浄 方法として、 強アルカリによ り板ガラスの表層を溶解して、 付着異物ごと除去する方法が知られている。 この方法は、 付着異物の除去能力に優れている。 しかし、 ガラスフィルムに この方法を適用すると、 ガラスフィルムの口ール搬送が困難となった り、 ガ ラスフィルムを口ール状に巻き取った際にブ ロッキングが生じる等の問題が あることが判明した。

[0009] 本発明は、 光デバイスの作製に使用した際にも光学的な 欠点が生じ難く、 かつハンドリング性に優れるガラスフィルム の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0010] 上記に鑑み本発明者らが検討の結果、 付着異物数が所定範囲内である場合 に、 上記課題を解決できることを見出し、 本発明に至った。

[001 1 ] 本発明は、 厚み 1 5 0 以下であり、 可撓性を有するガラスフィルムに 関する。 ガラスフィルムは第一主面と第二主面を有す る。 ガラスフィルムは 長さが 1 0 0 以上の長尺状であってもよい。

[0012] ガラスフィルムの第一主面において、 5 以上の付着異物の数は 1 3 0 個/ 2 以上であり、 1 0 0 以上の付着異物の数は 1 0個/ 2 以下であ る。 ガラスフィルムの第一主面において、 5 〇1以上 1 0 0 〇1未満の付着 異物の数は 1 3 0 ~ 1 2 0 0個/ 2 が好ましい。

[0013] ガラスフィルムの第一主面において、 5 以上 5 0 以下の付着異物 の数は 1 〇〇個/ 2 以上が好ましく、 5 0 を超え 1 〇〇 未満の付着 異物の数は 3 0 0個/ 2 以下が好ましい。

発明の効果 \¥02020/175207 3 卩(:171?2020/006016

[0014] 少なくとも一方の面の付着異物数が所定範囲 内であることにより、 付着異 物に起因する光学的な欠点の発生や、 ガラスフィルムの割れを抑制できると ともに、 ガラスフィルムに滑り性を付与して良好なハ ンドリング性を確保で きる。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1 ]光学積層体の積層構成例を示す断面図であ 。

発明を実施するための形態

[0016] ガラスフィルムは、 可撓性を有するシート状のガラス材料である 。 ガラス フィルムを構成するガラス材料としては、 ソーダ石灰ガラス、 ホウ酸ガラス 、 アルミノ珪酸ガラス、 石英ガラス等が挙げられる。 ガラス材料のアルカリ 金属成分 (例えば、 〇、 !_ I 2 0) の含有量は、 1 5重量%以下 が好ましく、 1 〇重量%以下がより好ましい。

[0017] 可撓性を持たせるために、 ガラスフィルムの厚みは 1 5〇 以下が好ま しく、 1 2〇 以下がより好ましく、 1 0 0 以下がさらに好ましい。 強度を持たせるために、 ガラスフィルムの厚みは 1 〇 以上が好ましく、

2 5 以上がより好ましく、 4〇 以上がさらに好ましく、 5 0 以 上が特に好ましい。 ガラスフィルムの波長 5 5 0门 における光透過率は、

8 5 %以上が好ましく、 9 0 %以上がより好ましい。 ガラスフィルムの密度 は、 一般的なガラス材料と同様、 2 .

[0018] ガラスフィルムの形成方法は特に限定されず 、 任意の適切な方法が採用さ れ得る。 例えば、 シリカやアルミナ等の主原料と、 芒硝や酸化アンチモン等 の消泡剤と、 力ーボン等の還元剤とを含む混合物を、 1 4 0 0〜 1 6 0 0 ° 〇 の温度で溶融し、 シート状に成形した後、 冷却することにより、 ガラスフィ ルムが作製される。 ガラスをシート状に成形する方法としては、 スロッ トダ ウンドロー法、 フユージョン法、 フロート法等が挙げられる。

[0019] ガラスフィルムは、 枚葉でもよく長尺状でもよい。 口ールトウーロールプ ロセスへの適用が可能であり、 デバイスやその構成部材 (例えば後述の光学 積層体) の生産性を向上する観点から、 ガラスフィルムは、 長尺状であるこ \¥02020/175207 4 卩(:171?2020/006016

とが好ましい。 ガラスフィルムは可撓性を有しているため、 長尺状のガラス フィルムは、 口ール状の卷回体として提供される。 長尺状のガラスフィルム の長さは、 1 0 0 01以上が好ましく、 3 0 0 01以上がより好ましく、 5 0 0 以上がさらに好ましい。 長尺状のガラスフィルムの幅は、 例えば 5 0〜 3 0 0 0 111 111であり、 好ましくは である。

[0020] ガラスフィルムとして、 市販の薄ガラスを用いてもよい。 市販の薄ガラス としては、 コーニング社製 「7 0 5 9」 、 「1 7 3 7」 または 「巳八〇 !_巳

2 0 0 0」 、 旭硝子社製 「八1\1 1 0 0」 、 1\! 1 ~ 1テクノグラス社製 「 八一3 5」 、 日本電気硝子社製 「〇八一 1 0」 、 ショッ ト社製 「0 2 6 3」 または 「八 4 5」 等が挙げられる。

[0021 ] 本発明のガラスフィルムは、 少なくとも一方の主面の付着異物数が所定範 囲内である。 ガラスフィルムの表面に付着した 5 以上の異物数は、 1 3 0個/ 2 以上であり、 ガラスフィルムの表面に付着した 1 〇〇 以上の異 物数は、 1 〇個/ 2 以下である。 ガラスフィルム表面の光学顕微鏡観察によ り付着異物数をカウントし、 異物の最大径を異物の大きさとする。

[0022] 1 0 0 以上の異物は、 ガラスフィルムを他の部材と貼り合わせた際 に

、 光学的な欠点として視認される。 また、 1 0 0 以上の異物がガラスフ ィルムの表面に付着していると、 口ールトウーロールプロセスによるガラス フィルムの搬送時や、 他の部材との積層時に、 異物が付着している部分に局 所的に力が加わり、 ガラスフィルムに割れやクラックを生じさせ 、 破損の原 因となり得る。 そのため、 1 0 0 以上の異物の数はできる限り少ないこ とが好ましい。 1 0〇 以上の付着異物数は、 7個/ 2 以下が好ましく、

5個/〇 ! 2 以下がより好ましく、 3個/〇 ! 2 以下がさらに好ましく、 2個/ 以下が特に好ましい。 1 〇〇 以上の付着異物数は小さいほど好ましく、 理想的には 1個/ 未満である。 1 5 0 以上の付着異物数は、 2個/

2 以下が好ましく、 1個/ 2 未満が好ましく、 理想的には 0個/ 2 である。

[0023] 光学欠点や搬送時の割れ防止等の観点からは 、 1 〇〇 未満の付着異物 の数も小さい方が好ましい。 一方、 ガラスフィルムの表面は樹脂フィルムに \¥02020/175207 5 卩(:171?2020/006016

比べて平滑性が高いため、 ガラスフィルムの表面に異物が付着していな い場 合は、 ガラスフィルムを重ねた場合や、 口ール状に巻き取った際に、 ガラス フィルムのブロッキングが生じやすい。 口ール状卷回体でブロッキングが生 じると、 巻回体からガラスフィルムを巻き出す際に、 局所的に応力が付与さ れて、 ガラスフィルムが破断する場合がある。 また、 ガラスフィルムの表面 に異物が付着していない場合は、 滑り性が低いため、 口ールトゥーロールに よるガラスフィルムの搬送が困難となる場合 がある。

[0024] 本発明においては、 ガラスフィルムの表面に 1 3 0個/ 以上の付着異物 が存在する。 付着異物によりガラスフィルムの表面に微細 な凹凸が形成され るため、 ガラスフィルムに滑り性が付与され、 ブロッキング、 搬送不良、 巻 き取り不良等を防止できる。 滑り性付与の観点から、 ガラスフィルム表面の 5 以上の付着異物数は、 1 5 0個/ 2 以上が好ましく、 2 0 0個/ 2 以上がより好ましく、 2 3 0個/ 2 以上がさらに好ましい。

[0025] 5 以上の付着異物数の上限は特に限定されない 。 ただし、 付着異物数 の総数が多くなると、 1 0 0 以上の粗大な異物の数も大きくなる傾向が ある。 1 0 0 以上の付着異物数を前述の範囲内とするため には、 5 01 以上の付着異物数は、 1 2 0 0個/ 2 以下が好ましく、 1 0 0 0個/ 2 以 下がより好ましく、 8 0 0個/ 2 以下がさらに好ましく、 6 0 0個/ 2 以 下が特に好ましい。 また、 1 0 0 以下の付着異物であっても、 存在密度 が高い場合は、 光学的な欠点やガラスフィルムの破断の原因 となり得ること からも、 付着異物数は上記範囲内であることが好まし い。

[0026] 上記のように、 本発明のガラスフィルムは、 1 0 0 以上の粗大な付着 異物数が少ないために、 光学欠点の発生やハンドリング時のガラスフ ィルム の破断を抑制し、 5 以上の付着異物数が所定範囲であるため、 滑り性が 付与され、 ガラスフィルムのハンドリング性を確保でき る。 1 0 0 以上 の付着異物数を低減し、 かつ 5 以上の付着異物数を所定範囲とする観点 から、 5 以上 1 0 0 未満の付着異物数は、 1 3 0〜 1 2 0 0個/ 2 が好ましく、 1 5 0〜 1 0 0 0個/ 2 がより好ましく、 2 0 0〜 8 0 0個/ \¥02020/175207 6 卩(:171?2020/006016

0 1 2 がさらに好ましく、 2 3 0〜 6 0 0個/ 0 1 2 が特に好ましい。

[0027] 5 以上 1 0 0 未満の付着異物の中でも、 微細凹凸の形成によりガ ラスフィルムに滑り性を付与しつつ、 搬送時等における付着異物に起因する ガラスフィルムの割れを防止する観点におい ては、 5〜 5〇 の付着異物 の寄与が特に大きい。 ガラスフィルム表面の 5〜 5〇 の付着異物数は、

1 0 0個/ 2以上が好ましく、 1 5 0個/ 2以上がより好ましく、 2 0 0 個/ 2 以上がさらに好ましい。 5 0 を超え 1 〇〇 未満の付着異物数 は、 3 0 0個/ 2以下が好ましく、 2 0 0個/ 2以下がより好ましく、 1 5 0個/ 2 以下がさらに好ましい。 5 0 を超え 1 〇〇 未満の付着異 物数は、 3 0個/ 2以上、 4 0個/ 2以上、 または 5 0個/ 2以上であり 得る。

[0028] <付着異物数の制御>

ガラスフィルムの製造は、 表示装置等の光デバイスの製造や、 光デバイス 用部材の製造に比べて清浄度の低い環境で行 われる場合が多い。 そのため、 製造直後のガラスフィルムには多数の異物が 付着している。 1 〇〇 以上 の付着異物数を、 1 0個/ 2 以下とするためには、 クリーン環境でガラスフ ィルムの洗浄を行うことが好ましい。

[0029] ガラスフィルムの洗浄方法は、 付着異物数を上記範囲に低減可能であれば 特に限定されず、 乾式法および湿式法のいずれでもよい。 乾式法としては、 エアの吹き付け、 II Vやオゾン等の照射による異物の分解、 粘着口ールや粘 着シートによる異物の除去、 ブラシ洗浄、 ブラスト洗浄等が挙げられる。 ウ エツ ト洗浄としては、 純水、 酸もしくはアルカリ、 または有機溶媒等の洗浄 液による洗浄、 洗浄液等の液体をガラスフィルムの表面に付 着させた状態、 またはガラスフィルムを液体に浸潰した状態 でのブラシもしくはスポンジに よる洗浄、 超音波洗浄、 二流体洗浄等が挙げられる。

[0030] ガラスは表面自由エネルギーが高く、 付着異物の密着性が高いため、 液体 との接触のみでは異物が十分に除去できない 場合がある。 また、 ガラスフィ ルムの製造環境に起因する付着異物には、 多種多様な物質が含まれているた \¥02020/175207 7 卩(:171?2020/006016

め、 有機溶媒等により異物を溶解させる方法でも 異物を十分に除去できない 場合がある。 表示装置用のガラス板の洗浄においては、 強アルカリによりガ ラスの表層を溶解することにより、 付着異物を除去する方法が知られている 。 この方法は、 異物の除去効果が大きいものの、 微小な異物に対する除去率 も高いため、 付着異物数が過度に減少して、 ガラスフィルムの滑り性の低下 を招く場合がある。

[0031 ] ガラスフィルムはプラスチックフィルムに比 べて硬度が高く、 傷が生じ難 いため、 ガラスフィルムの洗浄には物理的な衝撃力に より付着異物を除去す る方法を適用できる。 中でも、 付着異物を適度に除去可能であることから、 ドライ洗浄としてはブラシ洗浄またはブラス ト洗浄が好ましく、 ウェッ ト洗 浄としては二流体洗浄が好ましい。

[0032] ブラシ洗浄には、 回転ブラシを備える接触式ウェブクリーナー 等が用いら れる。 ガラスフィルムを口ールトウーロール搬送し ながら連続的に表面洗浄 を行う場合は、 洗浄品質を一定に保つ観点から、 吸引方式等によりブラシに 付着した異物を除去するための機構を備えて いることが好ましい。

[0033] ブラスト洗浄としてはドライアイスブラスト が好ましい。 ドライアイスブ ラストでは、 ガラスフィルムに高速でドライアイスペレッ トを吹き付ける。 ガラスフィルムと付着異物との間にドライア イスが入り込んで急激に気化す ると、 体積が急激に膨張し、 この体積変化によって、 付着した異物を剥離除 去できる。 また、 ドライアイスは気化するため、 ブラスト粒が異物として残 存することはない。

[0034] 二流体洗浄は、 気体と液体を混合した混合流体を、 二流体ノズルからガラ スフィルムの表面に供給する処理である。 混合流体中の液滴がガラスフィル ムの表面に衝突し、 その衝撃によってガラスフィルムの表面に付 着した異物 を除去できる。 二流体洗浄の液体および気体としては、 一般に、 水および空 気が用いられる。 気体 (キャリアガス) として、 窒素、 酸素、 二酸化炭素、 水素、 オゾン、 アルゴン等を用いてもよい。 二流体ノズルのキャリアガス圧 は 0 . 1〜〇. 程度、 液圧は 0 . 0 5〜〇. 程度が好まし \¥02020/175207 8 卩(:171?2020/006016

い。

[0035] 洗浄は、 ガラスフィルムを口ールトウーロールで搬送 しながら連続的に行 うことが好ましい。 洗浄は、 ガラスフィルムの片面のみに対して実施して も よく、 ガラスフィルムの両面を洗浄してもよい。 ガラスフィルムの両面を洗 浄する場合、 _方の面の洗浄方法と他方の面の洗浄方法は 同一でも異なっ ていてもよい。

[0036] 口ールトウーロールにより洗浄を行う場合、 洗浄はオフラインで行っても よく、 インラインで行ってもよい。 インライン洗浄では、 ガラスフィルムを 洗浄後、 口ール状に巻き取るまでの間に、 洗浄後のガラスフィルムの表面に 樹脂層等が形成される。 オフライン洗浄では、 洗浄後のガラスフィルムを一 旦口ール状に巻き取る。 洗浄後のガラスフィルムを口ール状に巻き取 る前に 、 洗浄面への異物の再付着防止等を目的として 、 保護フィルムを仮着しても よい。 前述のように、 ガラスフィルム表面の付着異物数を制御する ことによ り、 ガラスフィルムのブロッキングが抑制される ため、 保護フィルム等を仮 着することなくガラスフィルムを単体 (単層) で口ール状に巻き取ることも できる。

[0037] ガラスフィルムは硬度が高く耐衝撃性に優れ る反面、 端部 (端面) に微小 なクラックが発生しやすい。 ガラスフィルムに曲げ応力が掛ると、 クラック に応力が集中するため、 クラックが伸展し、 ガラスフィルムが破損する場合 がある。 口ールトウーロールによる光学積層体の作製 においては、 ガラスフ ィルムまたはガラスフィルムを含む積層体が 搬送口ール上を通過する際に、 搬送口ールの外周に沿って曲げられるため、 ガラスフィルムに曲げ応力が掛 かる。 また、 ガラスフィルムまたは積層体の口ール状卷回 体では、 ガラスフ ィルムに曲げ応力が掛かった状態が保持され る。 そのため、 口ールトウーロ —ルによる搬送時、 および口ール状卷回体の保管時に、 ガラスフィルムの曲 げ応力に起因して、 幅方向に沿ってクラックが伸展しやすく、 ガラスフィル ムの破損が生じる場合がある。

[0038] 1 0 0 以上の長尺のガラスフィルムを得るためには 、 付着異物数の制御 \¥02020/175207 9 卩(:171?2020/006016

に加えて、 曲げに起因する破損を防止することが好まし い。 曲げに起因する ガラスフィルムの破損を防止するためには、 長手方向の全体にわたって連続 的に、 端面のクラックが少なく、 ガラスフィルムを口ール状に卷回した際の 端面品質が良好であることが好ましい。 ガラスフィルムの端面における長さ 3 以上のクラック数は、 長手方向 1 あたり 5個以下が好ましく、 1個 以下がより好ましく、 〇. 5個以下がさらに好ましい。 なお、 クラックの長 さは、 ガラスフィルムの端面からクラックの先端ま での幅方向の距離である

[0039] ガラスフィルムの幅方向端部のクラック数が 小さい場合でも、 クラック長 さが大きい場合は、 クラックの伸展による破損が生じやすい。 そのため、 ガ ラスフィルムの端面にクラックが生じている 場合であっても、 長手方向の 1 0〇!以上にわたって、 長さ 3 0 0 〇!を超えるクラックが存在しないことが 好ましく、 長手方向の 1 0 0〇!以上にわたって長さ 3 0 0 を超えるクラ ックが存在しないことが好ましい。 ガラスフィルムの端面を長手方向 1 にわたって観察した際のクラック長さの最大 値は、 3 0 0 以下が好まし く、 1 〇〇 以下がより好ましく、 5 0 以下がさらに好ましい。

[0040] クラックが少なく端面品質の良好なガラスフ ィルムを得るためには、 クラ ックの発生防止もしくはクラック発生部分の 除去を行うことが好ましい。 ク ラックの発生防止またはクラックの除去手法 としては、 レーザ、 スクライブ カッ ト、 ウォータジェッ ト若しくはダイシングによる連続一時切断、 ポリシ ング等に代表される研磨加工が挙げられる。 ガラスと光学積層体との組合せ 等に応じて、 上記手法から 2以上を適宜選択して組み合わせて、 クラックの 発生防止および/または除去を行ってもよい

[0041 ] クラックの伸展に起因するガラスフィルムの 破損を防止するために、 クラ ックの伸展防止策を講じてもよい。 例えば、 ガラスフィルムの端部に長さの 大きいクラックが存在している場合でも、 クラック伸展防止策を講じること により、 クラックに起因するガラスフィルムの破損を 防止できる。 上記のク ラックの発生防止および/または除去と、 クラックの伸展防止とを併用して \¥02020/175207 10 卩(:171?2020/006016

もよい。

[0042] ガラスフィルムの端面に生じたクラックの伸 展を防止するためには、 ガラ スフィルムの表面にクラック伸展防止手段を 設けることが好ましい。 例えば 、 ガラスフィルムの表面に接着剤を介して樹脂 フィルムを貼り合わせること により、 曲げに起因する幅方向へのクラックの伸展を 抑制できる。 ガラスフ ィルムの端部から幅方向にクラックが伸展し た場合でも、 クラック伸展の先 端に樹脂フィルムが接着剤を介して接着され ていれば、 接着剤の弾性により クラックの伸展が食い止められる。

[0043] 本発明のガラスフィルムは、 半導体素子等の基板材料や、 表示装置、 照明 装置、 太陽電池等の光デバイスに適用できる。 光デバイスにおいて、 ガラス フィルムは、 素子等を形成するための基板材料として利用 してもよく、 デバ イスの表面を保護するためのカバーガラスと して利用することもできる。

[0044] ガラスフィルムをデバイスのカバーガラスと する場合、 ガラスフィルムは 単層で用いてもよく、 他の樹脂層やフィルム等との積層体として用 いてもよ い。 ガラスフィルムと積層する樹脂層としては、 粘着剤、 接着剤等が挙げら れる。 ガラスフィルムと積層するフィルムとしては 、 偏光子や各種の透明樹 脂フィルム等が挙げられる。

[0045] 図 1は、 ガラスフィルムを用いた光学積層体の積層構 成例を示す断面図で あり、 ガラスフィルム 1 0の一方の面に、 透明樹脂フィルム 2 0、 偏光子 3 〇および粘着剤層 8 0を備える。

[0046] 偏光子 3 0としては、 可視光領域のいずれかの波長で吸収二色性を 示すフ ィルムが用いられる。 偏光子 3 0の単体透過率は、 4 0 %以上が好ましく、 4 1 %以上がより好ましく、 4 2 %以上がさらに好ましく、 4 3 %以上が特 に好ましい。 偏光子 3 0の偏光度は、 9 9 . 8 %以上が好ましく、 9 9 . 9 %以上がより好ましく、 9 9 . 9 5 %以上がさらに好ましい。

[0047] 偏光子 3 0としては、 目的に応じて任意の適切な偏光子が採用され 得る。

例えば、 ポリビニルアルコール系フィルム、 部分ホルマール化ポリビニルア ルコール系フィルム、 エチレン 酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム \¥02020/175207 11 卩(:171?2020/006016

等の親水性高分子フィルムに、 ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着さ せて一軸延伸したもの、 ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩 化ビニ ルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィル ム等が挙げられる。 また、 米国 特許 5 , 5 2 3 , 8 6 3号等に開示されている二色性物質と液晶性 合物と を含む液晶性組成物を一定方向に配向させた ゲスト ·ホストタイプの偏光子 や、 米国特許 6 , 0 4 9 , 4 2 8号等に開示されているリオトロピック液晶 を一定方向に配向させた巳型偏光子等も用い ることができる。

[0048] これらの偏光子の中でも、 高い偏光度を有することから、 ポリビニルアル コールや、 部分ホルマール化ポリビニルアルコール等の ポリビニルアルコー ル系フィルムに、 ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着さ せて所定方向 に配向させたポリビニルアルコール ( 八) 系偏光子が好ましく用いられ る。 例えば、 八系フィルムに、 ヨウ素染色および延伸を施すことにより 、 系偏光子が得られる。

[0049] 偏光子 3 0の厚みは、 例えば、 1〜 8〇 程度である。 偏光子 3 0の厚 みは 3 以上または 5 以上であってもよい。 偏光子 3 0として、 厚み が 2 5 以下、 好ましくは 1 5 以下、 より好ましくは 1 0 以下の 薄型の偏光子を用いることもできる。 薄型偏光子を用いることにより、 薄型 の光学積層体が得られる。

[0050] 図 1 に示す光学積層体 1 0 1は、 ガラスフィルム 1 0と偏光子 3 0との間 に透明樹脂フィルム 2 0を備える。 偏光子 3 0の表面に透明樹脂フィルム 2 〇が積層されることにより、 偏光子の耐久性が向上する傾向がある。 また、 ガラスフィルムと偏光子との間に透明樹脂フ ィルムが設けられることにより 、 ガラスフィルムの表面からの衝撃に対する耐 久性が向上する傾向がある。

[0051 ] 透明樹脂フィルム 2 0の材料は特に限定されない。 偏光子への耐久性付与 や、 光学積層体の耐衝撃性向上等の観点から、 透明樹脂フィルムの材料とし ては、 透明性、 機械的強度、 熱安定性および水分遮断性等に優れる熱可塑 性 樹脂が好ましく用いられる。 このような樹脂材料の具体例としては、 トリア セチルセルロース等のセルロース樹脂、 ポリエステル樹脂、 ポリエーテルス \¥02020/175207 12 卩(:171?2020/006016

ルホン樹脂、 ポリスルホン樹脂、 ポリカーボネート樹脂、 ポリアミ ド樹脂、 ポリイミ ド樹脂、 ポリオレフィン樹脂、 (メタ) アクリル樹脂、 環状ポリオ レフィン樹脂 (ノルボルネン系樹脂) 、 ポリアリレート樹脂、 ポリスチレン 樹脂、 ポリビニルアルコール樹脂、 およびこれらの混合物が挙げられる。

[0052] 透明樹脂フィルム 2 0の厚みは、 5〜 1 〇〇 が好ましく、 1 0〜 6 0 がより好ましく、 2 0〜 5 0 がさらに好ましい。 透明樹脂フィルム 2 0は光学等方性フィルムであってもよく、 光学異方性フィルムであっても よい。

[0053] 粘着剤層 8 0は、 光学積層体 1 0 1 を、 デバイスを構成する他の部材と貼 り合わせるために用いられる。 例えば、 粘着剤層 8 0を介して、 光学積層体 1 0 1 を有機巳 !_セルや液晶セル等の画像表示セルと貼り合 せることがで きる。 粘着剤層 8 0を構成する粘着剤は特に制限されず、 アクリル系ポリマ 一、 シリコーン系ポリマー、 ポリエステル、 ポリウレタン、 ポリアミ ド、 ポ リエーテル、 フッ素系ポリマー、 ゴム系ポリマー等をベースポリマーとする ものを適宜に選択して用いることができる。 特に、 アクリル系粘着剤等の、 透明性に優れ、 適度な濡れ性と凝集性と接着性を示し、 耐候性や耐熱性等に 優れる粘着剤が好ましい。

[0054] 粘着剤層 8 0は 2層以上を積層したものでもよい。 粘着剤層 8 0の厚みは 、 例えば 1〜 3 0 0 程度であり、 5〜 5 0 が好ましく、 1 0〜 3 0 がより好ましい。

[0055] 粘着剤層 8 0の表面には、 セパレータ _ 9 1が仮着されていることが好ま しい。 セパレーター9 1は、 光学積層体を他の部材と貼り合わせるまでの 間 、 粘着剤層 8 0の表面を保護する。 セパレータ _ 9 1の構成材料としては、 アクリル、 ポリオレフィン、 環状ポリオレフィン、 ポリエステル等のプラス チックフィルムが好適に用いられる。

[0056] セパレータ _ 9 1の厚みは、 通常 5〜 2 0 0 〇1程度であり、 1 0〜 6 0 が好ましく、 1 5〜 4 0 がより好ましく、 2 0〜 3 0 がさらに 好ましい。 セパレータ _ 9 1の表面には、 離型処理が施されていることが好 \¥0 2020/175207 13 卩(:171? 2020 /006016

ましい。 離型剤としては、 シリコーン系材料、 フッ素系材料、 長鎖アルキル 系材料、 脂肪酸アミ ド系材料等が挙げられる。 粘着剤層 8 0の形成用基材と して用いたフィルムを、 そのままセパレーターとしてもよい。

[0057] 図 1 に示すように、 ガラスフィルム 1 0の表面には、 表面保護フィルム 9

2が仮着されていてもよい。 表面保護フィルム 9 2は、 光学積層体が使用に 供されるまでの間、 ガラスフィルム等を保護する。 ガラスフィルム 1 0の表 面に表面保護フィルム 9 2が仮着されていることにより、 例えば、 先端の尖 った落下物に対してもキズ、 穴等の発生を防止することができる。

[0058] 表面保護フィルム 9 2の材料としては、 上述のセパレーター9 1 と同様の プラスチック材料が好ましく用いられ、 ポリエチレンテレフタレート、 ポリ エチレン等が挙げられる。 表面保護フィルム 9 2は、 ガラスフィルムの付設 面に粘着層を有していることが好ましい。 表面保護フィルム 9 2として、 フ ィルムを構成する樹脂層と粘着層とを共押出 により積層した自己粘着フィル ムを用いてもよい。 表面保護フィルム 9 2の厚みは、 例えば 2 0〜 1 0 0 0 程度であり、 3 0〜 5 0 0 が好ましく、 4 0〜 2 0 0 がより好 ましく、 5 0〜 1 5 0 がさらに好ましい。

[0059] 光学積層体は、 偏光子 3 0と粘着剤層 8 0との間に透明フィルム (不図示 ) を備えていてもよい。 偏光子 3 0と粘着剤層 8 0との間に透明フィルムが 設けられることにより、 偏光子の耐久性をさらに向上できる。 偏光子 3 0と 粘着剤層 8 0との間に配置される透明フィルムの材料、 厚み、 光学特性等は 、 偏光子 3 0とガラスフィルム 1 0との間に配置される透明樹脂フィルム 2 0と同様であってもよい。 透明フィルムは、 光学等方性フィルムでもよく、 光学異方性フィルムでもよい。 偏光子 3 0と粘着剤層 8 0との間に光学異方 性フィルムを用いることにより、 様々な機能を発現できる。

[0060] 例えば、 有機日 !_セルの表面に光学積層体が貼り合わせられ 場合は、 透 明フィルムと偏光子 3 0とが円偏光板を構成することにより、 有機巳 !_素子 のセルの金属電極等による外光の反射を遮蔽 して、 表示の視認性を向上でき る。 透明フィルムとして、 斜め延伸フィルムを用いてもよい。 \¥02020/175207 14 卩(:171?2020/006016

[0061 ] 液晶セルの表面に光学積層体が貼り合わせら れる場合は、 光学異方性フィ ルムにより各種の光学補償を行い得る。 光学補償に用いられる光学異方性フ ィルムの種類は、 液晶セルの方式等に応じて適宜に選択すれば よい。

[0062] ガラスフィルム、 透明樹脂フィルム、 偏光子等は、 それぞれの層間に接着 剤層 (不図示) を介して積層することが好ましい。 接着剤を構成する材料と しては、 熱硬化性樹脂、 活性エネルギー線硬化性樹脂等が挙げられる 。 この ような樹脂の具体例としては、 エポキシ系樹脂、 シリコーン系樹脂、 アクリ ル系樹脂、 ポリウレタン、 ポリアミ ド、 ポリエーテル、 ポリビニルアルコー ル等が挙げられる。 接着剤には、 重合開始剤、 架橋剤、 紫外線吸収剤、 シラ ンカツプリング剤等が含まれていてもよい。

[0063] 接着剤層の厚みは、 1 0 以下が好ましく、 〇. 0 5〜 8 がより好 ましく、 〇. 1〜 7 がさらに好ましい。 ガラスフィルムと透明樹脂フィ ルムとの間、 ガラスフィルムと偏光子との間、 または偏光子と透明樹脂フィ ルムとの間貼り合わせに用いられる接着剤層 の厚みが上記範囲であれば、 ガ ラスフィルムの破損が抑制され、 耐衝撃性に優れる光学積層体が得られる。 透明樹脂フィルム同士の貼り合わせに接着剤 を用いてもよい。

[0064] 光学積層体は、 上記以外の各種の機能性付与層を有していて もよい。 機能 性付与層としては、 例えば、 反射防止層、 防汚層、 光拡散層、 易接着層、 帯 電防止層等が挙げられる。

[0065] ガラスフィルムには加飾印刷が施されていて もよい。 加飾印刷の印刷厚み は、 例えば 5〜 1 〇〇 程度である。 ガラスフィルムの表面に設けられた 加飾印刷部の印刷段差周辺の空隙を埋めるた めに、 ガラスフィルムと光学フ ィルムとの間には、 接着剤層や粘着剤層 (不図示) が設けられていてもよい

[0066] 加飾印刷は、 ガラスフィルムのいずれの面に施されていて もよい。 また、 ガラスフィルム以外の光学積層体の構成部材 に加飾印刷が施されてもよい。 例えば、 偏光子 3 0や透明樹脂フィルム 2 0に加飾印刷を施してもよい。 加 飾印刷部が設けられた透明フィルム (加飾印刷フィルム) を、 光学積層体の \¥02020/175207 15 卩(:171?2020/006016

構成部材と口ールトウーロール方式で積層 することにより、 加飾印刷部を有 する光学積層体を得ることもできる。

[0067] ガラスフィルム 1 0上に、 透明樹脂フィルム 2 0および偏光子 3 0等を積 層することにより光学積層体が得られる。 ガラスフィルム 1 0が長尺状であ る場合、 口ールトウーロールによりガラスフィルム搬 送しながら、 積層を行 うことが好ましい。 前述のように、 本発明のガラスフィルムは、 1 〇〇 以上の粗大な付着異物の数が少ない。 そのため、 口ールトウーロールによる 搬送時や、 フィルム等との積層時に、 異物付着箇所への局所的に力が加わる ことに起因するガラスフィルムの割れを防止 できる。

[0068] 光学積層体を形成する際の積層順序は特に限 定されない。 例えば、 ガラス フィルム 1 0上に、 透明樹脂フィルム 2 0および偏光子 3 0等を順に積層し てもよく、 予め複数のフィルムを積層した積層体とガラ スフィルムとを積層 してもよい。 積層に際しては、 必要に応じて接着剤が用いられ、 積層後に接 着剤の硬化が行われてもよい。

[0069] 接着剤の硬化方法は、 接着剤の種類に応じて適切に選択され得る。 接着剤 が光硬化性接着剤である場合には、 紫外線照射により硬化が行われる。 紫外 線の照射条件は、 接着剤の種類、 接着剤組成物の組成等に応じて適切に選択 され得る。 積算光量は、 例えば 1 0 0〜 2 0 0 0 01」 2 である。 接着剤 が熱硬化型接着剤である場合には、 加熱により硬化が行われる。 加熱条件は 、 接着剤の種類、 接着剤組成物の組成等に応じて適切に選択さ れ得る。 加熱 条件は、 例えば、 温度が 5 0 ° 〇〜2 0 0 ° 〇、 加熱時間が 3 0秒〜 3 0分程度 である。

[0070] ガラスフィルム 1 0の第一主面に透明樹脂フィルム 2 0や偏光子 3 0等が 積層された光学積層体は、 ガラスフィルムを備えるため、 硬度が高い。 また 、 光学積層体は、 ガラスフィルム 1 0の第一主面に透明樹脂フィルム 2 0や 偏光子 3 0等の樹脂フィルムが積層されているため、 ガラスフィルム 1 0の 破損が防止され、 耐衝撃性に優れる。 これは、 ガラスフィルムの第二主面に 与えられた衝撃を、 第一主面側に有効に逃がすことができるため と考えられ \¥02020/175207 16 卩(:171?2020/006016

る。 特に、 ガラスフィルム 1 0の第一主面上に、 透明樹脂フィルム 2 0を介 して偏光子 3 0が設けられている場合に、 耐衝撃性が顕著に向上する。 ガラ スフィルムが破損し難いため、 ガラスフィルムの厚みを小さくすることが可 能であり、 これに伴って光学積層体を軽量化できる。

[0071 ] さらに、 ガラス材料は、 水分やガスの遮蔽性が高く、 有機溶媒、 酸、 アル カリ等に対する耐久性が高く、 かつ耐熱性に優れるため、 ガラスフィルム 1 0が表面に配置されることにより、 樹脂フィルム 2 0のみを有する場合に比 ベて、 偏光子 3 0に対する保護性能が向上し、 偏光子の劣化を防止できる。

[0072] ガラス材料は表面光沢を有するため、 ガラスフィルムが画像表示装置等の デバイスの表面に配置されることにより、 美しいグレア感が得られる。 また 、 ガラス材料は光学等方性であるため、 反射光の色付きが生じ難く、 高い視 認性を実現できる。 さらに、 ガラスフィルムは表面硬度が高く、 耐衝撃性に 優れる。 そのため、 光学積層体を、 ガラスフィルムが視認側表面となるよう に配置した画像表示装置では、 ガラスフィルムがフロントウインドウとして の機能を有するため、 別途ウインドウ層を設ける必要がない。 したがって、 画像表示装置の製造工程を簡略化できるとと もに、 構成部材数の低減により 、 デバイスの薄型化および軽量化が可能となる 。

実施例

[0073] ガラスフィルムの洗浄に関する実施例につい て以下に説明するが、 本発明 は、 これらの実施例に限定されるものではない。

[0074] [参考例]

0〇 の試料を切り出して、 表面を光学顕微鏡により観察し、 観察範囲に おける 5 以上の付着異物の総数をカウントした。 また、 付着異物の中で 大きさが 1 0〇 以上のものの数をカウントした。 この作業を 1 0 0枚の 試料 (合計面積: 1 111 2 ) について行い、 異物数の合計を求めた。

[0075] [実施例および比較例]

ガラスフィルムの口ール状卷回体からガラス フィルムを巻き出し、 搬送速 \¥02020/175207 17 卩(:171?2020/006016

度 分で一方向に搬送しながら、 ガラスフィルム表面の洗浄を行った。 洗浄後のガラスフィルムは一旦口ール状に巻 き取った後、 上記の参考例と同 様に、 光学顕微鏡観察により、 1 2 あたりの異物数を求めた。

[0076] <実施例 1 : ブラシ洗浄>

回転ブラシとバキュームクリーナーを備える ウェブクリーナー (伸興製 「 丁11 [¾巳〇_ 3 3」 ) によりガラスフィルム表面の洗浄を行った。 運転条件 は以下の通りであった。

ブラシ:ナイロン製、 長さ 2 0〇1 111、 太さ 7 5 01

ブラシ回転数: 5 0 0 「 (ガラスフィルム搬送方向に対して逆回転

ブラシとガラスフィルムの距離: 1 111 111

ブロア運転条件: _ 3 1< 3

[0077] <実施例 2 : ドライアイスブラスト洗浄>

幅方向 (搬送方向と直交する方向) に複数のノズルを備えるドライアイス ブラスト装置 (エア · ウォーター製 「〇リ 1 〇 1< 3 n〇 」 ) により、 ガラ スフィルム表面の洗浄を行った。 運転条件は以下の通りであった。

ドライアイス粒径:

エア圧力: 〇. 4 IV!

ノズルとガラスフィルムの距離:

[0078] <実施例 3 :二流体洗浄>

幅方向に複数の二流体ノズル (スプレーイングシステムジャパン製) を備 える二流体洗浄装置により、 ガラスフィルム表面の洗浄を行った。 運転条件 は以下の通りであった。

液体:水

気体:圧縮空気

水圧: 〇. 2 M P a

エア圧: 0 2 \^\ 9 〇,

ノズルとガラスフィルムの距離: \¥02020/175207 18 卩(:171?2020/006016

[0079] <比較例 1 :超音波洗浄>

超音波洗浄装置 (ブランソン製 「85 1 O J -MTH」 ) を用いて、 常温 の水中で 1 〇分間洗浄を行った。

[0080] <比較例 2 :粘着口 _ル>

粘着口ール (明和ゴムエ業製 「ベタロン」 ) をラミ圧〇. でガラ スフィルムの表面に押し当て、 ガラスフィルム表面の洗浄を行った。

[0081] <比較例 3 : アルカリ洗浄>

ガラスフィルムの表面に 5重量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレ し 、 5分後に水洗および乾燥を行った。

[0082] [評価]

<製品歩留まり>

ガラスフィルムを画面サイズ 1 5インチ (3320101X 1 870101) のデ ィスプレイに使用する場合に、 面内に 1 00 以上の異物が存在せず、 正 常品として利用できる割合 (=製品歩留まり) を、 1 2 あたりの異物数に基 づいて算出した。

<ブロッキング>

洗浄後のガラスフィルムの口ール状卷回体か ら、 ガラスフィルムを 1 〇〇 巻き出し、 ブロッキングによる破断が生じなかったもの を〇、 1 00〇1卷 き出すまでにブロッキングによる破断が生じ たものを Xとした。

[0083] 上記の参考例、 実施例 1〜 3および比較例 1〜 3のガラスフィルムの異物 数、 ならびに歩留まりおよびブロッキング試験の 結果を表 1 に示す。

[0084] \¥0 2020/175207 19 卩(:171? 2020 /006016

[表 1 ]

[0085] 表 1 に示すように、 未洗浄のガラスフィルムには、 1 0 0 以上の異物 が多数付着しており、 1 5インチサイズにおいて、 1 0 0 以上の異物が 1個以上存在するため、 製品歩留まりの計算値は 0となる。 超音波洗浄を行 った比較例 1および粘着口ールにより付着異物の除去を った比較例 2では 、 参考例に比べると付着異物数は減少していた 。 しかし、 異物の除去効果が 十分ではなく、 1 5インチサイズの製品における歩留まりの計 値は参考例 と同様 0であった。

[0086] 強アルカリによりガラスフィルムの表層を溶 解した比較例 3では、 異物数 が大幅に減少しており、 1 〇1 2 の範囲で 1 0 0 以上の異物は観察されなか った。 しかし、 表層の溶解に伴って、 サイズの小さい付着異物も大幅に減少 したため、 口ール状卷回体に巻き取った際にガラスフィ ルムのブロッキング が生じ、 巻回体からガラスフィルムを巻き出す際に破 断が生じた。

[0087] 実施例 1〜 3では、 1 0 0 以上の付着異物が適切に除去され、 かつ付 着異物が適正に残存しているため、 口ール状卷回体に巻き取った際にもガラ スフィルムのブロッキングが生じず、 ハンドリング性が良好であった。 以上 の結果から、 ガラスフィルムの付着異物数が所定範囲であ ることにより、 光 学的な欠点が生じ難く製品の歩留まりを向上 可能であり、 かつガラスフィル ムがハンドリング性に優れることが分かる。




 
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