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Title:
ORGANIC NANOTUBE MANUFACTURING METHOD AND ORGANIC NANOTUBE MANUFACTURING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093604
Kind Code:
A1
Abstract:
This object aims to provide an organic nanotube manufacturing method and an organic nanotube manufacturing device that pressurize an organic nanotube material dispersion solution comprised of an organic nanotube material and an organic solvent and make the pressurized organic nanotube material dispersion solution pass through a fine orifice, thereby making it possible to continuously manufacture an organic nanotube. An organic nanotube manufacturing device is provided with a tank that receives an organic nanotube material dispersion solution comprised of an organic nanotube material and an organic solvent, a pump that highly pressurizes the organic nanotube material dispersion solution and pressure-feeds the same from the tank, a cylindrical casing that makes the organic nanotube material dispersion solution pressure-fed by the pump continuously flow, an orifice set in the cylindrical casing, an organic nanotube precipitation tube connected with an outlet of the cylindrical casing, and a drying means set subsequent to the organic nanotube precipitation tube.

Inventors:
ASAKAWA MASUMI (JP)
KOGISO MASAKI (JP)
SHIMIZU TOSHIMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050863
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
January 21, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NAT INST OF ADVANCED IND SCIEN (JP)
ASAKAWA MASUMI (JP)
KOGISO MASAKI (JP)
SHIMIZU TOSHIMI (JP)
International Classes:
B82B3/00; B01F5/06; C07H15/12
Domestic Patent References:
WO2007145158A12007-12-21
Foreign References:
JPH0687120A1994-03-29
JP2004077731A2004-03-11
JP2002034510A2002-02-05
Other References:
MASUMI ASAKAWA ET AL.: "Yasukute Anzen · Ko Kino na Yuki Nano Tube", EXPECTED MATERIALS FOR THE FUTURE, vol. 7, no. 10, 10 October 2007 (2007-10-10), pages 38 - 43
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Claims:
 有機ナノチューブ原料および有機溶媒からなる有機ナノチューブ原料分散溶液を加圧してオリフィスを通過させ、該オリフィスを通過する際に剪断力が作用して有機溶媒に有機ナノチューブ原料が完全溶解した超過飽和溶液を生成し、超過飽和溶液を冷却することにより有機ナノチューブを析出させて有機ナノチューブ分散溶液を形成することを特徴とする有機ナノチューブの製造方法。
 有機ナノチューブ分散溶液をスプレードライヤー装置の噴霧ノズルから噴霧して溶媒蒸気と有機ナノチューブに分離することにより、有機ナノチューブを乾燥粉末として回収することを特徴とする有機ナノチューブの製造方法。
 有機ナノチューブ原料および有機溶媒からなる有機ナノチューブ原料分散溶液を収容するタンクおよび該タンクから有機ナノチューブ原料分散溶液を加圧して高圧・圧送するポンプを設け、該ポンプから圧送された有機ナノチューブ原料分散溶液を連続して流すための筒状ケーシングと該筒状ケーシング内に装着されたオリフィスとを設け、筒状ケーシングの出口に有機ナノチューブ析出管を連結して設け、該有機ナノチューブ析出管を冷却して有機ナノチューブを析出させる冷却手段を設けたこと特徴とする有機ナノチューブの製造装置。
 前記有機ナノチューブ析出管をスプレードライヤー装置の噴霧ノズルに連結し、スプレードライヤー装置は、噴霧ノズルから噴霧される有機ナノチューブ分散溶液を噴霧乾燥するための乾燥チャンバーを備え、噴霧ノズルの周囲に乾燥空気を供給する乾燥空気供給手段、および、噴霧ノズルに圧力空気を供給するための圧力空気供給手段を設けることを特徴とする請求項3記載の有機ナノチューブの製造装置。
 前記スプレードライヤー装置の乾燥チャンバーに搬送管を介して接続されたサイクロンを設け、該サイクロンの下部に生成物容器を設け、サイクロン上部に接続して設けられた排気管を前記有機ナノチューブ析出管の周囲に設けられた熱交換器を経由して排気ファンに接続し、該排気ファンを溶媒回収容器に接続することを特徴とする請求項4記載の有機ナノチューブの製造装置。
 前記スプレードライヤー装置の乾燥チャンバーに搬送管を介して接続されたメッシュを設け、該メッシュの周囲に設けられた排気管を前記有機ナノチューブ析出管の周囲に設けられた熱交換器を経由して排気ファンに接続し、該排気ファンを溶媒回収容器に接続することを特徴とする請求項4記載の有機ナノチューブの製造装置。
Description:
有機ナノチューブ製造方法およ 製造装置

 本発明は、高機能性材料、例えば、医薬 化成品分野における包接・分離用材料又は 剤徐放材料として有用な有機ナノチューブ 簡便かつ大量に製造する方法および装置に する。

 0.5~500nmの細孔を有するナノチューブ状材料 なかで、人工的に初めて合成された無機系 ノチューブであるカーボンナノチューブは そのサイズ、形状、化学構造、等に由来す 特性への期待から、ナノスケールの電子デ イス、高強度材料、電子放出、及びガス貯 等への用途開発とともに、実用化への要望 ら精力的に量産化に関する研究が進められ いる(特許文献1)。
 また、1nm以下の細孔を有する有機環状化合 としてシクロデキストリンが知られており 種々の低分子有機化合物をその環状中空部 内包できることから、健康食品分野、化粧 分野、抗菌消臭・家庭品分野、工業・農業 環境分野への貢献を目的に、様々なシクロ キストリン包接品が研究開発され、事業化 れている(特許文献2等)。シクロデキストリ は、量産可能であり、その構造がブドウ糖6 ~8単位を環状に連ねたものであり、生体への 全性が確保されていることから、広範な用 開発がなされている。

 一方、本発明者らは、既に水溶液中で自 集合して得られる有機ナノチューブを開発 ている(特許文献3、非特許文献1~3等)。本発 者らが開発したこの有機ナノチューブは中 シリンダー部の内孔サイズが5~500nmであり、 シクロデキストリンよりも一桁以上大きいた め、シクロデキストリンでは包接することが できない5~500nmの径を有するタンパク質、ウ ルス、薬剤、金属微粒子などの機能性物質 その中空シリンダー内部に捕捉できる可能 があり、その用途開発が期待されている。

 しかし、今までこの有機ナノチューブは水 液中で合成されてきたため、その製造には を大量に必要とする上に、加熱撹拌操作と 時間の放置を必要としていたため、量産化 困難であった。また、この有機ナノチュー は、水溶液中で合成されるため、その構造 に強固に水を保持しており(以下、この方法 で合成した有機ナノチューブを「含水有機ナ ノチューブ」という。)、通常の方法ではそ 水を除くことが困難であり、含水有機ナノ ューブ内へ機能性物質の包接を効率良く行 ことができないという問題があった。

特表2003-535794号公報

特開2005-306763号公報

特許第3664401号公報 Langmuir, 2005, 21,743 Chem.Comm., 2004, 500 Chem.Mater., 2004, 16, 2826

 本発明者らは、上記問題を解決するため研 を進めた結果、N-グリコシド型糖脂質又は プチド脂質を水ではなく有機溶媒中で自己 合させることによって、無水有機ナノチュ ブを簡便かつ大量に製造できることを見出 、すでに有機ナノチューブおよびその製造 法について特許出願している(PCT/JP2007/061703 PCT/JP2007/061706)。
 また、これまで、有機ナノチューブの製造 置について試行錯誤を繰り返し検討してき ところ、原料を有機溶媒に溶解させる手段 しては、ポンプで圧送した懸濁溶液を微細 オリフィスを通すことにより、高圧剪断力 加えられ、溶質を短時間に完全溶解する装 が適していることが判明した。更に、この 置を利用することで、有機ナノチューブの 造に必要な溶媒量を、前記特許(PCT/JP2007/0617 03、PCT/JP2007/061706)記載の大気中での製造方法 比べて1/5~1/10と大幅に減らすことが出来る
 また、得られたエマルジョンをろ過乾燥し くてはならないが、このエマルジョンは有 ナノチューブの超濃厚分散液であることか 、ろ過乾燥に時間がかかること、また、エ ルジョン中でナノチューブ以外の構造に変 してしまう危険性があることから、連続的 効率良く乾燥できる手段が必要である。ろ 乾燥手段について検討を重ねた結果、スプ ードライヤーという装置が適していること 判明した。このスプレードライヤーとは、 ズルから溶液を噴霧し連続して乾燥する装 である。

 本発明は、有機ナノチューブ原料および有 溶媒からなる有機ナノチューブ原料分散溶 を加圧して微細なオリフィスを通過させる とにより、連続して有機ナノチューブを製 できる方法および装置を提供することを目 とする。
 また、本発明は、乾燥手段としてスプレー ライヤーを利用することにより、連続して 機ナノチューブを製造できるとともに乾燥 率のよい装置を提供することを目的とする

 上記目的を達成するため、本発明の有機ナ チューブの製造方法は、有機ナノチューブ 料および有機溶媒からなる有機ナノチュー 原料分散溶液を加圧してオリフィスを通過 せ、該オリフィスを通過する際に剪断力が 用して有機溶媒に有機ナノチューブ原料が 全溶解した超過飽和溶液を生成し、超過飽 溶液を冷却することにより有機ナノチュー 分散溶液を形成することを特徴としている
 また、本発明の有機ナノチューブの製造方 は、有機ナノチューブ分散溶液をスプレー ライヤー装置の噴霧ノズルから噴霧して溶 蒸気と有機ナノチューブに分離することに り、有機ナノチューブを乾燥粉末として回 することを特徴としている。
 また、本発明の有機ナノチューブの製造装 は、有機ナノチューブ原料および有機溶媒 らなる有機ナノチューブ原料分散溶液を収 するタンクおよび該タンクから有機ナノチ ーブ原料分散溶液を加圧して高圧・圧送す ポンプを設け、該ポンプから圧送された有 ナノチューブ原料分散溶液を連続して流す めの筒状ケーシングと該筒状ケーシング内 装着されたオリフィスとを設け、筒状ケー ングの出口に有機ナノチューブ析出管を連 して設け、該有機ナノチューブ析出管を冷 して有機ナノチューブを析出させる冷却手 を設けることを特徴としている。
 また、本発明の有機ナノチューブの製造装 は、前記有機ナノチューブ析出管をスプレ ドライヤー装置の噴霧ノズルに連結し、ス レードライヤー装置は、噴霧ノズルから噴 される有機ナノチューブ分散溶液を噴霧乾 するための乾燥チャンバーを備え、噴霧ノ ルの周囲に乾燥空気を供給する乾燥空気供 手段、および、噴霧ノズルに圧力空気を供 するための圧力空気供給手段を設けること 特徴としている。
 また、本発明の有機ナノチューブの製造装 は、前記スプレードライヤー装置の乾燥チ ンバーに搬送管を介して接続されたサイク ンを設け、該サイクロンの下部に生成物容 を設け、サイクロン上部に接続して設けら た排気管を前記有機ナノチューブ析出管の 囲に設けられた熱交換器を経由して排気フ ンに接続し、該排気ファンを溶媒回収容器 接続することを特徴としている。
 また、本発明の有機ナノチューブの製造装 は、前記スプレードライヤー装置の乾燥チ ンバーに搬送管を介して接続されたメッシ を設け、該メッシュの周囲に設けられた排 管を前記有機ナノチューブ析出管の周囲に けられた熱交換器を経由して排気ファンに 続し、該排気ファンを溶媒回収容器に接続 ることを特徴としている。

 本発明の有機ナノチューブ製造方法は、以 のような優れた効果を奏する。
(1)有機ナノチューブ原料分散溶液を加圧して オリフィスを通過させる手段を採用すること により、連続して有機ナノチューブを合成し 製造することができる。また、必要な溶媒量 も大気中での製造方法に比べて1/5~1/10と大幅 減らすことが出来る。
(2)スプレードライヤー装置を使用することに より、有機ナノチューブの狭い内空間に強力 に保持された溶媒を容易に除去することが出 来る。また、短時間で乾燥が可能であるため 、熱による構造変化も防ぐことが出来る。
 また、本発明の有機ナノチューブ製造装置 、以下のような優れた効果を奏する。
(1)有機ナノチューブ原料分散溶液を加圧して 高圧・圧送するポンプを設け、該ポンプから 圧送された有機ナノチューブ原料分散溶液を 連続して流すための筒状ケーシングと該筒状 ケーシング内に装着されたオリフィスとを設 け、筒状ケーシングの出口に設けた有機ナノ チューブ析出管とスプレードライヤー装置を 連結することにより、連続して有機ナノチュ ーブを製造できるとともに乾燥効率のよい装 置を提供することができる。
(2)有機ナノチューブ原料分散溶液を加圧して 高圧・圧送するポンプを設け、該ポンプから 圧送された有機ナノチューブ原料分散溶液を 連続して流すための筒状ケーシングと該筒状 ケーシング内に装着されたオリフィスとを設 け、筒状ケーシングの出口に設けた有機ナノ チューブ析出管をスプレードライヤー装置に 連結し、スプレードライヤー装置の乾燥チャ ンバーにサイクロンを接続し、該サイクロン の下部に生成物容器を設け、サイクロン上部 に接続して設けられた排気管を前記有機ナノ チューブ析出管の周囲に設けられた熱交換器 を経由して排気ファンに接続し、該排気ファ ンを溶媒回収容器に接続することにより、溶 液の加圧および冷却、溶媒の回収という煩雑 、高エネルギー消費操作を簡便でエネルギー コスト削減に繋がる装置で実現することがで きる。なお、サイクロンに代えてメッシュを 用いても同様に実現することができる。

本発明の有機ナノチューブ製造方法お び装置の実施の形態を説明するための全体 である。

符号の説明

 1  タンク
 2  ポンプ
 3  筒状ケーシング
 4  有機ナノチューブ
 5  オリフィス
 6  有機ナノチューブ析出管
 7  切替弁
 8  戻り管
 10 スプレードライヤー装置
 11 噴霧ノズル
 12 乾燥チャンバー
 13 下部チャンバー
 14 乾燥空気供給手段
 15 加熱ヒータ
 16 圧力空気供給手段
 17 搬送管
 18 サイクロン
 19 生成物容器
 20 排気管20
 21 熱交換器21
 22 排気ファン22

 有機ナノチューブ原料をメタノールに分散 、筒状ケーシング内のオリフィスを通過さ ると、溶液の温度上昇を伴い高圧剪断力が えられるため、有機ナノチューブ原料が瞬 に溶解し超過飽和溶液ができる。オリフィ を通過させる際にかかる圧力はできるだけ い方が良く、一般的な装置では最高245MPaで る。オリフィスを通過後、熱交換機により きるだけ急速に冷却することで、超過飽和 液中で有機ナノチューブ原料が自己集合し 機ナノチューブ分散溶液を製造できる。
 次に、有機ナノチューブ分散溶液をスプレ ドライヤー装置に通す。有機ナノチューブ 料のゲル-液晶転移温度以下に加熱された乾 燥空気と共に有機ナノチューブ分散液を噴霧 ノズルから噴霧することで、有機ナノチュー ブの構造を壊すことなく溶媒を蒸発させるこ とができる。その後、連続してサイクロンに 導入することで、溶媒蒸気と有機ナノチュー ブを分離し、乾燥粉末状の有機ナノチューブ を製造することが出来る。なお、有機ナノチ ューブ分散溶液は他の方法によって製造され た有機ナノチューブ分散溶液であってもよい 。
 以下、図面を参照して、本発明の有機ナノ ューブ製造の実施の形態について詳細に説 するが、本発明は、これに限定されて解釈 れるものではなく、本発明の範囲を逸脱し い限りにおいて、当業者の知識に基づいて 種々の変更、修正、改良を加えうるもので る。

 図1は、本発明の有機ナノチューブ製造方法 および装置の実施の形態を説明するための全 体図である。
 有機ナノチューブ製造装置には、タンク1が 設けられ、該タンク1内に有機ナノチューブ 原料および有機溶媒が所定量収容されてい 。
 有機ナノチューブの原料としては、N-グリ シド型糖脂質又はペプチド脂質が用いられ 。
 N-グリコシド型糖脂質は、下記一般式(1)
G-NHCO-R 1               (1)
(式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合する ミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し R 1 は炭素数が10~39の不飽和炭化水素基を表す。) で表わされるものである。
 また、ペプチド脂質は、長鎖炭化水素基を するペプチド脂質、すなわち下記の一般式( 2)
R 2 CO(NH-CHR 3 -CO) m OH     (2)
又は下記の一般式(3)
H(NH-CHR 3 Y-CO) m NHR 2      (3)
(式中、R 2 は炭素数6~18の炭化水素基、R 3 はアミノ酸側鎖、mは1~10を表す。)で表わされ るものである。

 溶媒としては、有機溶媒を用いる点に特徴 ある。この有機溶媒は沸点以下に加温する そのためN-グリコシド型糖脂質又はペプチ 脂質の溶解量を多くすることができる。こ 溶液中のN-グリコシド型糖脂質又はペプチド 脂質の濃度は高いほど好ましく、飽和である ことが最も好ましい。
 この有機溶媒としては、沸点が120℃以下で るアルコール類又は沸点が120℃以下である 状エーテル類を用いることができる。この 機溶媒は単独でもよいし、2種以上の混合溶 媒であってもよい。また、この有機溶媒に少 量の水を混合してもよい。

 タンク1内において、有機ナノチューブ原料 は有機溶媒に一部溶解され、また一部分散さ れ、分散溶液として調製されている。
 タンク1にポンプ2の吸入側が接続して設け れ、該ポンプ2の吐出側に接続するようにし 、ポンプ2から吐出された有機ナノチューブ 原料分散溶液を連続して流すための筒状ケー シング3が設けられている。該筒状ケーシン 3内には有機ナノチューブ原料分散溶液の流 を絞るための微細なオリフィス5が設けられ ている。このオリフィス5は、図では1段のみ けられているが、2段以上、複数段設けても よい。ポンプ2から吐出された有機ナノチュ ブ原料分散溶液は微細なオリフィス5を通過 る際、狭まった壁面との間で高圧剪断力が えられ、溶質を個々の分子が孤立した状態 分散する(完全溶解)。オリフィス5を通過す 際の圧力は約100MPa~300MPaである。

 筒状ケーシング3の出口側には有機ナノチ ューブ析出管6が接続され、該有機ナノチュ ブ析出管6は乾燥手段としてのスプレードラ ヤー装置10の噴霧ノズル11に連結されている 。また、有機ナノチューブ析出管6の途中に 有機ナノチューブ析出管6と前記タンク1を連 結する戻り管8が接続されており、該接続部 は切替弁7が設けられている。このため、万 、何らかの原因で有機ナノチューブが析出 れないときには、切替弁7を操作して有機ナ ノチューブ分散溶液をタンク1に戻すことが きる。

 ポンプ2から吐出された有機ナノチューブ 原料分散溶液が、オリフィス5を通過する際 、溶液の温度上昇を伴い高圧剪断力が加え れるため、通常の容器中で有機溶媒に有機 ノチューブ原料を完全溶解するためには所 の時間と溶媒量を要するところ、瞬時に1/5~1 /10容量の溶媒に有機ナノチューブ原料が完全 溶解され、前記有機ナノチューブ析出管6に いては超過飽和溶液となる。この有機ナノ ューブ析出管6における超過飽和溶液が後記 る熱交換器21によって冷却される過程にお て、有機ナノチューブ原料が自己集合する とにより有機ナノチューブ4を析出する。

 スプレードライヤー装置10は、前記した噴 ノズル11から有機ナノチューブ4を含む分散 を噴霧乾燥するための乾燥チャンバー12を備 え、該乾燥チャンバー12頂部には噴霧ノズル1 1の周囲に乾燥空気を供給する乾燥空気供給 段14が接続され、該乾燥空気供給手段14の途 に加熱ヒータ15が設けられている。
 また、噴霧ノズル11に圧力空気を供給する めの圧力空気供給手段16が噴霧ノズル11に接 されている。

 スプレードライヤー装置10の乾燥チャンバ 12の下部には下部チャンバー13が設けられ、 下部チャンバー13は搬送管17によりサイクロ ン18に接続されている。
 噴霧ノズル11から噴霧される有機ナノチュ ブ4を含む分散液は、乾燥チャンバー12にお て瞬時に液滴が蒸発され、乾燥状態の有機 ノチューブが形成される。蒸発した気体と 燥状態の有機ナノチューブは共に下部チャ バー13から搬送管17を通りサイクロン18に入 。

 サイクロン18の下部には生成物容器19が設 けられ、また、サイクロン18の上部には排気 20が接続されている。排気管20は、前記した 有機ナノチューブ析出管6を冷却するための 交換器21を経由して終端部に設けられた排気 ファン22に接続している。熱交換器21での温 は、-20℃~20℃くらいである。

 有機溶媒の蒸気と有機ナノチューブの混 物はサイクロン18で遠心分離され、有機ナ チューブは生成物容器19に集積され、溶媒蒸 気は熱交換器21で熱交換を行った後、排気フ ン22から図示しない溶媒回収器に送られる 溶媒回収器で液状になった溶媒は前記した ンク1に充填され、再び有機ナノチューブ製 に利用される。この時、サイクロン18で集 きれなかった極微細粉末を回収するため、 気ファン22の手前にフィルターを設置しても よい。

 また、有機溶媒の蒸気と有機ナノチュー の混合物を分離する装置としては、サイク ンには限らず、メッシュ状の例えばバグフ ルターなどを用いることもできる。この場 、フィルターの周囲を一回り大きな筒状の 器で囲い、有機溶媒の蒸気を熱交換機21へ ることができるようにする。

 (製造例1)
 有機ナノチューブ原料である一般式(2)のペ チド脂質(式中、R 2 は13の炭化水素基、R 3 は水素、mは2)25gをメタノール1Lに分散し、圧 245MPa、流速300ml/分でオリフィスを通過させ 後、5度の冷水を流した熱交換機で急速に冷 却させることで、有機ナノチューブのメタノ ール分散液を製造した。

 (製造例2)
 有機ナノチューブ原料である一般式(2)のペ チド脂質(式中、R 2 は13の炭化水素基、R 3 は水素、mは2)50gをメタノール1Lに分散し、こ 分散液を50度に加温した後、圧力245MPa、流 300ml/分でオリフィスを通過させた後、5度の 水を流した熱交換機で急速に冷却させるこ で、有機ナノチューブのメタノール分散液 製造した。

 (製造例3)
 有機ナノチューブ原料である一般式(2)のペ チド脂質(式中、R 2 は13の炭化水素基、R 3 は水素、mは2)20gをメタノール1Lに分散し、こ 分散液を50度に加温した後、圧力245MPa、流 100ml/分でオリフィスを通過させた直後に、20 度の水を流した熱交換機で急速に冷却させる ことで、有機ナノチューブのメタノール分散 液を製造した。

 (製造例4)
 製造例3で製造した有機ナノチューブ分散液 170mlを、加熱ヒータで60度に熱した圧力空気 より噴霧ノズルから吐出させ、その後サイ ロンで回収することにより、1.9gの乾燥粉末 有機ナノチューブを得た。

 (製造例5)
 製造例3で製造した有機ナノチューブ分散液 200mlを、加熱ヒータで60度に熱した圧力空気 より噴霧ノズルから吐出させ、その後バグ ィルターで回収することにより、2.6gの乾燥 末の有機ナノチューブを得た。