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Title:
OXIME ESTERS AND PHOTOPOLYMERIZATION INITIATORS CONTAINING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/081483
Kind Code:
A1
Abstract:
Oxime esters represented by the general formula (I) which are useful as photopolymerization initiator; and photopoly- merization initiators containing the oxime esters as the active ingredient, which can be activated through efficient light absorption at a long wavelength of 405nm, 365nm, or the like and exhibit high sensitivity: (I) wherein R1 and R2 are each R11, OR11, COR11, SR11, CONR12R13, or CN; R11 to R13 are each hydrogen, C1-20 alkyl, C6-30 aryl, C7-30 arylalkyl, or a C2-20 heterocyclic group; R3 and R4 are each R11, OR11, SR11, COR11, CONR12R13, NR12COR11, OCOR11, COOR11, SCOR11, OCSR11, COSR11, CSOR11, CN, halogeno, or hydroxy; a and b are each 0 to 4; X is oxygen, sulfur, selenium, CR31R32, CO, NR33, or PR34; and R31 to R34 are as defined for R1.

Inventors:
SAWAMOTO DAISUKE (JP)
TOMINAGA NOBUHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074832
Publication Date:
July 02, 2009
Filing Date:
December 25, 2007
Export Citation:
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Assignee:
ADEKA CORP (JP)
SAWAMOTO DAISUKE (JP)
TOMINAGA NOBUHIDE (JP)
International Classes:
C07C255/64; C07C251/66; C07C323/47; C07C323/63; C07C391/02; C07D215/18; C07D307/91; C07D327/08; C07D333/76; C07D345/00; C07F9/50; C08F2/50; C08L101/00
Foreign References:
JP2004534797A2004-11-18
JP2007310027A2007-11-29
JP2007219362A2007-08-30
JP2001302871A2001-10-31
JP2004534797A2004-11-18
JP2005025169A2005-01-27
JP2005128483A2005-05-19
JP2005242279A2005-09-08
JP2005242280A2005-09-08
JP2006016545A2006-01-19
JP3754065B22006-03-08
Other References:
See also references of EP 2223910A4
Attorney, Agent or Firm:
HATORI, Osamu (8-6 Akasaka 1-chom, Minato-ku Tokyo 52, JP)
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Claims:
 下記一般式(I)で表されるオキシムエステル化合物。
(式中、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立に、R 11 、OR 11 、COR 11 、SR 11 、CONR 12 R 13 又はCNを表し、
 R 11 、R 12 及びR 13 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表し、これらのアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び複素環基の水素原子は、更にOR 21 、COR 21 、SR 21 、NR 22 R 23 、CONR 22 R 23 、-NR 22 -OR 23 、-NCOR 22 -OCOR 23 、-C(=N-OR 21 )-R 22 、-C(=N-OCOR 21 )-R 22 、CN、ハロゲン原子、-CR 21 =CR 22 R 23 、-CO-CR 21 =CR 22 R 23 、カルボキシル基又はエポキシ基で置換されていてもよく、R 21 、R 22 及びR 23 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又は炭素原子数2~20の複素環基を表し、
 上記R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 及びR 23 で表される置換基のアルキレン部分のメチレン基は、不飽和結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合又はウレタン結合により1~5回中断されていてもよく、上記置換基のアルキル部分は、分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、上記置換基のアルキル末端は不飽和結合であってもよく、また、R 12 とR 13 及びR 22 とR 23 は、それぞれ一緒になって環を形成していてもよい。
 R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に、R 11 、OR 11 、SR 11 、COR 11 、CONR 12 R 13 、NR 12 COR 11 、OCOR 11 、COOR 11 、SCOR 11 、OCSR 11 、COSR 11 、CSOR 11 、CN、ハロゲン原子又は水酸基を表し、a及びbは、それぞれ独立に、0~4である。
 Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR 31 R 32 、CO、NR 33 又はPR 34 を表し、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 は、それぞれ独立に、R 11 、OR 11 、COR 11 、SR 11 、CONR 12 R 13 又はCNを表し、
 XがCR 31 R 32 であるとき、R 3 及びR 4 が一緒になって環を形成しているか、あるいはR 3 が、-X-を介して隣接するベンゼン環の炭素原子の1つと結合して環構造を形成していてもよく、
 Xが酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はPR 34 であるとき、R 3 は、-X-を介して隣接するベンゼン環の炭素原子の1つと結合して環構造を形成していてもよく、あるいはR 3 とR 4 が一緒になって環を形成していてもよく、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベンゼン環と一緒になって環を形成していてもよい。)
 上記一般式(I)中のXが硫黄原子である請求の範囲第1項記載のオキシムエステル化合物。
 上記一般式(I)中のR 1 及びR 2 が、分岐側鎖があってもよく、環状アルキルであってもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数6~30のアリール基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数7~30のアリールアルキル基である請求の範囲第1又は2項記載のオキシムエステル化合物。
 請求の範囲第1~3項記載のオキシムエステル化合物を有効成分とする光重合開始剤。
 請求の範囲第4項記載の光重合開始剤及びエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物を含有してなる感光性組成物。
 さらに無機化合物を含有してなる請求の範囲第5項記載の感光性組成物。
 請求の範囲第4項記載の光重合開始剤及びエチレン性不飽和結合を有するアルカリ現像性化合物を含有してなるアルカリ現像性感光性樹脂組成物。
 請求の範囲第7項記載のアルカリ現像性感光性樹脂組成物に、さらに色材を含有させてなる着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物。
Description:
オキシムエステル化合物及び該 合物を含有する光重合開始剤

 本発明は、感光性組成物に用いられる光 合開始剤として有用な新規なオキシムエス ル化合物、該オキシムエステル化合物を有 成分とする光重合開始剤、及びエチレン性 飽和結合を有する重合性化合物に該光重合 始剤を含有させてなる感光性組成物に関す 。

 感光性組成物は、エチレン性不飽和結合 有する重合性化合物に光重合開始剤を加え ものであり、この感光性組成物に405nmや365nm の光を照射することによって重合硬化させる ことができるので、光硬化性インキ、感光性 印刷版、各種フォトレジスト等に用いられて いる。

 上記感光性組成物に用いる光重合開始剤 して、下記特許文献1~8には、カルバゾリル 造を有するO-アシルオキシム化合物が提案 れている。しかし、これらの公知のO-アシル オキシム化合物は、特に感度の点で十分満足 できるものではなかった。

特開2001-302871号公報

特表2004-534797号公報

特開2005-25169号公報

特開2005-128483号公報

特開2005-242279号公報

特開2005-242280号公報

特開2006-16545号公報

特許第3754065号公報

 解決しようとする問題点は、満足できる 度を有する光重合開始剤がこれまでなかっ ということである。

 従って、本発明の目的は、405nmや365nm等の 長波長の光を効率よく吸収し活性化される高 感度の光重合開始剤を提供することにある。

 本発明は、下記一般式(I)で表されるオキ ムエステル化合物、及び該オキシムエステ 化合物を有効成分とする光重合開始剤を提 することにより、上記目的を達成したもの ある。

(式中、R 1 及びR 2 は、それぞれ独立に、R 11 、OR 11 、COR 11 、SR 11 、CONR 12 R 13 又はCNを表し、
 R 11 、R 12 及びR 13 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数 1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール 、炭素原子数7~30のアリールアルキル基又は 炭素原子数2~20の複素環基を表し、これらの ルキル基、アリール基、アリールアルキル 及び複素環基の水素原子は、更にOR 21 、COR 21 、SR 21 、NR 22 R 23 、CONR 22 R 23 、-NR 22 -OR 23 、-NCOR 22 -OCOR 23 、-C(=N-OR 21 )-R 22 、-C(=N-OCOR 21 )-R 22 、CN、ハロゲン原子、-CR 21 =CR 22 R 23 、-CO-CR 21 =CR 22 R 23 、カルボキシル基、又はエポキシ基で置換さ れていてもよく、R 21 、R 22 及びR 23 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数 1~20のアルキル基、炭素原子数6~30のアリール 、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、又 は炭素原子数2~20の複素環基を表し、
 上記R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 及びR 23 で表される置換基のアルキレン部分のメチレ ン基は、不飽和結合、エーテル結合、チオエ ーテル結合、エステル結合、チオエステル結 合、アミド結合又はウレタン結合により1~5回 中断されていてもよく、上記置換基のアルキ ル部分は、分岐側鎖があってもよく、環状ア ルキルであってもよく、上記置換基のアルキ ル末端は不飽和結合であってもよく、また、 R 12 とR 13 及びR 22 とR 23 は、それぞれ一緒になって環を形成していて もよい。
 R 3 及びR 4 は、それぞれ独立に、R 11 、OR 11 、SR 11 、COR 11 、CONR 12 R 13 、NR 12 COR 11 、OCOR 11 、COOR 11 、SCOR 11 、OCSR 11 、COSR 11 、CSOR 11 、CN、ハロゲン原子又は水酸基を表し、a及び bは、それぞれ独立に、0~4である。
 Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、CR 31 R 32 、CO、NR 33 又はPR 34 を表し、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 は、それぞれ独立に、R 11 、OR 11 、COR 11 、SR 11 、CONR 12 R 13 又はCNを表し、
 XがCR 31 R 32 であるとき、R 3 及びR 4 が一緒になって環を形成しているか、あるい はR 3 が、-X-を介して隣接するベンゼン環の炭素原 子の1つと結合して環構造を形成していても く、
 Xが酸素原子、硫黄原子、セレン原子又はPR 34 であるとき、R 3 は、-X-を介して隣接するベンゼン環の炭素原 子の1つと結合して環構造を形成していても く、あるいはR 3 とR 4 が一緒になって環を形成していてもよく、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 は、それぞれ独立に、隣接するどちらかのベ ンゼン環と一緒になって環を形成していても よい。)

 また、本発明は、上記光重合開始剤及びエ レン性不飽和結合を有する重合性化合物を 有してなる感光性組成物を提供するもので る。
 また、本発明は、上記光重合開始剤及びエ レン性不飽和結合を有するアルカリ現像性 合物を含有してなるアルカリ現像性感光性 脂組成物を提供するものである。
 また、本発明は、上記アルカリ現像性感光 樹脂組成物に、さらに色材を含有させてな 着色アルカリ現像性感光性樹脂組成物を提 するものである。

 以下、本発明のオキシムエステル化合物 び該化合物を有効成分とする光重合開始剤 ついて詳細に説明する。

 上記一般式(I)中、R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 23 、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 で表されるアルキル基としては、例えば、メ チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ チル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ア ル、イソアミル、t-アミル、ヘキシル、ヘプ チル、オクチル、イソオクチル、2-エチルヘ シル、t-オクチル、ノニル、イソノニル、 シル、イソデシル、ウンデシル、ビニル、 リル、ブテニル、エチニル、プロピニル、 トキシエチル、エトキシエチル、プロピロ シエチル、メトキシエトキシエチル、エト シエトキシエチル、プロピロキシエトキシ チル、メトキシプロピル、2-(ベンゾオキサ ール-2’-イル)エテニル等が挙げられ、中で 炭素原子数1~8のアルキル基が好ましい。

 R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 23 、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 で表されるアリール基としては、例えば、フ ェニル、トリル、キシリル、エチルフェニル 、クロロフェニル、ナフチル、アンスリル、 フェナンスレニル等が挙げられ、中でも炭素 原子数6~12のアリール基が好ましい。
 R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 23 、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 で表されるアリールアルキル基としては、例 えば、ベンジル、クロロベンジル、α-メチル ベンジル、α、α-ジメチルベンジル、フェニ エチル、フェニルエテニル等の炭素原子数7 ~13のアリールアルキル基が好ましく挙げられ る。
 R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 23 、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 で表される複素環基としては、例えば、ピリ ジル、ピリミジル、フリル、チエニル、テト ラヒドロフラニル、ジオキソラニル等の5~7員 複素環が好ましく挙げられる。

 また、R 12 とR 13 が一緒になって形成しうる環、R 22 とR 23 が一緒になって形成しうる環、R 3 とR 4 が一緒になって形成しうる環、R 3 が-X-を介して隣接するベンゼン環の炭素原子 の1つと結合して形成しうる環構造、及びR 31 、R 32 、R 33 が隣接するベンゼン環と一緒になって形成し うる環としては、例えば、シクロペンタン環 、シクロヘキサン環、シクロペンテン環、ベ ンゼン環、ピペリジン環、モルホリン環、ラ クトン環、ラクタム環等の5~7員環が好ましく 挙げられる。
 また、R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 23 、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 を置換してもよいハロゲン原子としては、フ ッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。ま た、R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 、R 23 、R 31 、R 32 、R 33 及びR 34 を置換してもよい複素環基としては、例えば 、ピリジル、ピリミジル、フリル、ベンゾオ キサゾール-2-イル、テトラヒドロピラニル、 ピロリジル、イミダゾリジル、ピラゾリジル 、チアゾリジル、イソチアゾリジル、オキサ ゾリジル、イソオキサゾリジル、ピペリジル 、ピペラジル、モルホリニル等の5~7員複素環 基が挙げられる。

 また、R 3 及びR 4 で表されるハロゲン原子としては、フッ素、 塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。

 上記R 11 、R 12 、R 13 、R 21 、R 22 及びR 23 で表される置換基のアルキレン部分のメチレ ン基は、不飽和結合、エーテル結合、チオエ ーテル結合、エステル結合、チオエステル結 合、アミド結合又はウレタン結合により1~5回 中断されていてもよく、この時、中断する結 合基は1種でも2種以上でもよく、連続して中 しうる基の場合は2つ以上が連続して中断し てもよい。
 また、上記置換基のアルキル部分は分岐側 があってもよく、環状アルキルであっても く、上記置換基のアルキル末端は不飽和結 であってもよい。

 本発明のオキシムエステル化合物の中でも 上記一般式(I)において、Xが硫黄原子である ものが、溶解性が優れているため好ましい。 また、上記一般式(I)において、R 1 及びR 2 が、分岐側鎖があってもよく、環状アルキル であってもよく、ハロゲン原子、OR 21 及びCOR 21 から選択される1種以上で置換されていても い炭素原子数1~20のアルキル基;ハロゲン原子 、OR 21 及びCOR 21 から選択される1種以上で置換されていても い炭素原子数6~30のアリール基;又はハロゲン 原子、OR 21 及びCOR 21 から選択される1種以上で置換されていても い炭素原子数7~30のアリールアルキル基であ ものも、溶解性が優れているため好ましい

 これらの中でも、Xが硫黄原子であるもの、 あるいは、R 1 及びR 2 が、分岐側鎖があってもよく、環状アルキル であってもよく、ハロゲン原子で置換されて いてもよい炭素原子数1~20のアルキル基、ハ ゲン原子で置換されていてもよい炭素原子 6~30のアリール基、又はハロゲン原子で置換 れていてもよい炭素原子数7~30のアリールア ルキル基であるものが、合成が容易で感度も 高いので好ましい。特に好ましいものとして は、R 1 がメチル基又はウンデシル基であるもの、R 2 がメチル基又はフェニル基であるものが挙げ られる。

 従って、上記一般式(I)で表される本発明 オキシムエステル化合物の好ましい具体例 しては、以下の化合物No.1~No.25の化合物が挙 げられる。ただし、本発明は以下の化合物に より何ら制限を受けるものではない。

 上記一般式(I)で表される本発明のオキシム ステル化合物の合成方法は特に限定されな が、例えば、Xが硫黄原子であるものは、下 記〔化24〕の反応式に従って、以下の方法に り製造することができる。まず、p-クロロ トロベンゼン1とチオフェノール2とを水酸化 ナトリウムの存在下に反応させてスルフィド 化合物3を得、続いてスルフィド化合物3と酸 ロリド4とを塩化アルミニウムの存在下に反 応させてアシル化合物5を得る。次いで、ア ル化合物5と塩酸ヒドロキシルアミンとを反 させてオキシム化合物6を得る。さらに、オ キシム化合物6と酸無水物7あるいは酸クロリ 7’とを反応させて上記一般式(I)におけるX 硫黄原子である本発明のオキシムエステル 合物を得る。また、Xが酸素原子、セレン原 、炭素原子、N-R 5 及びP-R 12 であるものも、上記の方法に準じて製造する ことができる。

 本発明のオキシムエステル化合物は、エ レン性不飽和結合を有する重合性化合物の 重合開始剤として有用である。

 次に、本発明の感光性組成物について説明 る。
 本発明の感光性組成物は、上述の本発明の キシムエステル化合物を有効成分とする光 合開始剤及びエチレン性不飽和結合を有す 重合性化合物、並びに、必要に応じて、無 充填剤及び/又は色材、さらに溶媒等の任意 成分を含有するものである。

 上記エチレン性不飽和結合を有する重合性 合物としては、特に限定されず、従来、感 性組成物に用いられているものを用いるこ ができるが、例えば、エチレン、プロピレ 、ブチレン、イソブチレン、塩化ビニル、 化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラ ルオロエチレン等の不飽和脂肪族炭化水素; (メタ)アクリル酸、α―クロルアクリル酸、 タコン酸、マレイン酸、シトラコン酸、フ ル酸、ハイミック酸、クロトン酸、イソク トン酸、ビニル酢酸、アリル酢酸、桂皮酸 ソルビン酸、メサコン酸、トリメリット酸 ピロメリット酸、2、2’-3、3’-ベンゾフェ ンテトラカルボン酸、3、3’-4、4’-ベンゾ ェノンテトラカルボン酸、こはく酸モノ〔2- (メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸 ノ〔2-(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω- カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)ア リレート等の両末端にカルボキシ基と水酸 とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレ ト、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・ マレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ ート・マレート、ジシクロペンタジエン・ レートあるいは1個のカルボキシル基と2個 上の(メタ)アクリロイル基とを有する多官能 (メタ)アクリレート等の不飽和多塩基酸;(メ )アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)ア リル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリ ル酸グリシジル、下記化合物No.26~No.29、(メタ )アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル 、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク ル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ シル、(メタ)アクリル酸N-オクチル、(メタ)ア クリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イ ノニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ )アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸メ キシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルア ノメチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ エチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、( メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、( タ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アク ル酸ポリ(エトキシ)エチル、(メタ)アクリル 酸ブトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェノ シエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフ リル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アク ル酸アリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、エ チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ チレングリコールジ(メタ)アクリレート、 リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート 、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ ート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレ ト、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ ト、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリ レート、トリメチロールプロパントリ(メタ) クリレート、ジペンタエリスリトールペン (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト ルヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリス リトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタ リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、 ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート 、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)ア リレート、トリ((メタ)アクリロイルエチル) イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アク レートオリゴマー等の不飽和一塩基酸及び 価アルコール又は多価フェノールのエステ ;(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸 グネシウム等の不飽和多塩基酸の金属塩;マ イン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラ ン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタ 酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアル ルテトラヒドロ無水フタル酸、5-(2,5-ジオキ ソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘ セン-1,2-ジカルボン酸無水物、トリアルキル テトラヒドロ無水フタル酸-無水マレイン酸 加物、ドデセニル無水コハク酸、無水メチ ハイミック酸等の不飽和多塩基酸の酸無水 ;(メタ)アクリルアミド、メチレンビス-(メタ )アクリルアミド、ジエチレントリアミント ス(メタ)アクリルアミド、キシリレンビス( タ)アクリルアミド、α-クロロアクリルアミ 、N-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミ 等の不飽和一塩基酸及び多価アミンのアミ ;アクロレイン等の不飽和アルデヒド;(メタ) アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリ ル、シアン化ビニリデン、シアン化アリル等 の不飽和ニトリル;スチレン、4-メチルスチレ ン、4-エチルスチレン、4-メトキシスチレン 4-ヒドロキシスチレン、4-クロロスチレン、 ビニルベンゼン、ビニルトルエン、ビニル 息香酸、ビニルフェノール、ビニルスルホ 酸、4-ビニルベンゼンスルホン酸、ビニル ンジルメチルエーテル、ビニルベンジルグ シジルエーテル等の不飽和芳香族化合物;メ ルビニルケトン等の不飽和ケトン;ビニルア ミン、アリルアミン、N-ビニルピロリドン、 ニルピペリジン等の不飽和アミン化合物;ア リルアルコール、クロチルアルコール等のビ ニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビ ルエチルエーテル、N-ブチルビニルエーテル 、イソブチルビニルエーテル、アリルグリシ ジルエーテル等のビニルエーテル;マレイミ 、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシル レイミド等の不飽和イミド類;インデン、1- チルインデン等のインデン類;1,3-ブタジエ 、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共 ジエン類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ) クリレート、ポリ-n-ブチル(メタ)アクリレー ト、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端 にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロ ノマー類;ビニルクロリド、ビニリデンクロ リド、ジビニルスクシナート、ジアリルフタ ラート、トリアリルホスファート、トリアリ ルイソシアヌラート、ビニルチオエーテル、 ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾリン、 ビニルカルバゾール、ビニルピロリドン、ビ ニルピリジン、水酸基含有ビニルモノマー及 びポリイソシアネート化合物のビニルウレタ ン化合物、水酸基含有ビニルモノマー及びポ リエポキシ化合物のビニルエポキシ化合物等 が挙げられる。これらの中でも、両末端にカ ルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモ ノ(メタ)アクリレート、1個のカルボキシ基と 2個以上の(メタ)アクリロイル基とを有する多 官能(メタ)アクリレート、不飽和一塩基酸及 多価アルコール又は多価フェノールのエス ルに、本発明のオキシムエステル化合物を 効成分とする光重合開始剤は好適である。
 これらの重合性化合物は、単独で又は2種以 上を混合して使用することができ、また2種 上を混合して使用する場合には、それらを め共重合して共重合体として使用してもよ 。

 また、上記エチレン性不飽和結合を有する 合性化合物として、エチレン性不飽和結合 有するアルカリ現像性化合物を用いて、本 明の感光性組成物をアルカリ現像性感光性 脂組成物とすることもできる。該エチレン 不飽和結合を有するアルカリ現像性化合物 しては、アクリル酸エステルの共重合体や フェノール及び/又はクレゾールノボラック エポキシ樹脂、多官能エポキシ基を有するポ リフェニルメタン型エポキシ樹脂、下記一般 式(II)で表されるエポキシ化合物等のエポキ 化合物に不飽和一塩基酸を作用させ、更に 塩基酸無水物を作用させて得られた樹脂を いることができる。これらの中でも、下記 般式(II)で表されるエポキシ化合物等のエポ シ化合物に不飽和一塩基酸を作用させ、更 多塩基酸無水物を作用させて得られた樹脂 好ましい。
 また、上記エチレン性不飽和結合を有する ルカリ現像性化合物は、不飽和基を0.2~1.0当 量含有していることが好ましい。

(式中、X 1 は直接結合、メチレン基、炭素原子数1~4のア ルキリデン基、炭素原子数3~20の脂環式炭化 素基、O、S、SO 2 、SS、SO、CO、OCO又は下記〔化30〕若しくは〔 31〕で表される置換基を表し、該アルキリ ン基はハロゲン原子で置換されていてもよ 、R 41 、R 42 、R 43 及びR 44 はそれぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~5 のアルキル基、炭素原子数1~8のアルコキシ基 、炭素原子数2~5のアルケニル基又はハロゲン 原子を表し、アルキル基、アルコキシ基及び アルケニル基はハロゲン原子で置換されてい てもよく、mは0~10の整数である。)

(式中、Y 1 は水素原子、又は炭素原子数1~10のアルキル 若しくはアルコキシ基により置換されてい もよいフェニル基若しくは炭素原子数3~10の クロアルキル基を示し、Z 1 は炭素原子数1~10のアルキル基、炭素原子数1~ 10のアルコキシ基、炭素原子数2~10のアルケニ ル基又はハロゲン原子を示し、アルキル基、 アルコキシ基及びアルケニル基はハロゲン原 子で置換されていてもよく、dは0~5の数であ 。)

 上記エポキシ化合物に作用させる上記不飽 一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリ 酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、ヒ ロキシエチルメタクリレート・マレート、 ドロキシエチルアクリレート・マレート、 ドロキシプロピルメタクリレート・マレー 、ヒドロキシプロピルアクリレート・マレ ト、ジシクロペンタジエン・マレート等が げられる。
 また、上記不飽和一塩基酸を作用させた後 作用させる上記多塩基酸無水物としては、 フェニルテトラカルボン酸二無水物、テト ヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ビフ ル酸無水物、無水マレイン酸、トリメリッ 酸無水物、ピロメリット酸無水物、2,2’-3,3 ’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物 エチレングリコールビスアンヒドロトリメ テート、グリセロールトリスアンヒドロト メリテート、ヘキサヒドロ無水フタル酸、 チルテトラヒドロ無水フタル酸、ナジック 無水物、メチルナジック酸無水物、トリア キルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒ ロ無水フタル酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒド フリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカ ボン酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ 水フタル酸-無水マレイン酸付加物、ドデセ ニル無水コハク酸、無水メチルハイミック酸 等が挙げられる。

 上記エポキシ化合物、上記不飽和一塩基酸 び上記多塩基酸無水物の反応モル比は、以 の通りとすることが好ましい。すなわち、 記エポキシ化合物のエポキシ基1個に対し、 上記不飽和一塩基酸のカルボキシル基が0.1~1. 0個で付加させた構造を有するエポキシ付加 において、該エポキシ付加物の水酸基1個に し、上記多塩基酸無水物の酸無水物構造が0 .1~1.0個となる比率となるようにするのが好ま しい。
 上記エポキシ化合物、上記不飽和一塩基酸 び上記多塩基酸無水物の反応は、常法に従 て行なうことができる。

 酸価調整して本発明の(着色)アルカリ現 性感光性樹脂組成物の現像性を改良するた 、上記エチレン性不飽和結合を有するアル リ現像性化合物と共に、さらに単官能又は 官能エポキシ化合物を併用することができ 。上記エチレン性不飽和結合を有するアル リ現像性化合物は、固形分の酸価が5~120mgKOH/ gの範囲であることが好ましく、単官能又は 官能エポキシ化合物の使用量は、上記酸価 満たすように選択するのが好ましい。

 上記単官能エポキシ化合物としては、グ シジルメタクリレート、メチルグリシジル ーテル、エチルグリシジルエーテル、プロ ルグリシジルエーテル、イソプロピルグリ ジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル イソブチルグリシジルエーテル、t-ブチル リシジルエーテル、ペンチルグリシジルエ テル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプ ルグリシジルエーテル、オクチルグリシジ エーテル、ノニルグリシジルエーテル、デ ルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシ ルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル トリデシルグリシジルエーテル、テトラデ ルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリ ジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエ テル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル 、アリルグリシジルエーテル、プロパルギル グリシジルエーテル、p-メトキシエチルグリ ジルエーテル、フェニルグリシジルエーテ 、p-メトキシグリシジルエーテル、p-ブチル フェノールグリシジルエーテル、クレジルグ リシジルエーテル、2-メチルクレジルグリシ ルエーテル、4-ノニルフェニルグリシジル ーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p-ク ミルフェニルグリシジルエーテル、トリチル グリシジルエーテル、2,3-エポキシプロピル タクリレート、エポキシ化大豆油、エポキ 化アマニ油、グリシジルブチレート、ビニ シクロヘキサンモノオキシド、1,2-エポキシ- 4-ビニルシクロヘキサン、スチレンオキシド ピネンオキシド、メチルスチレンオキシド シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキ ド、下記化合物No.30、No.31等が挙げられる。

 上記多官能エポキシ化合物としては、ビス ェノール型エポキシ化合物及びグリシジル ーテル類からなる群から選択される一種以 を用いると、特性の一層良好な(着色)アル リ現像性感光性樹脂組成物を得ることがで るので好ましい。該ビスフェノール型エポ シ化合物としては、上記一般式(II)で表され エポキシ化合物を用いることができる他、 えば、水添ビスフェノール型エポキシ化合 等のビスフェノール型エポキシ化合物も用 ることができる。また、該グリシジルエー ル類としては、エチレングリコールジグリ ジルエーテル、プロピレングリコールジグ シジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリ シジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグ シジルエーテル、1,8-オクタンジオールジグ シジルエーテル、1,10-デカンジオールジグ シジルエーテル、2,2-ジメチル-1,3-プロパン オールジグリシジルエーテル、ジエチレン リコールジグリシジルエーテル、トリエチ ングリコールジグリシジルエーテル、テト エチレングリコールジグリシジルエーテル ヘキサエチレングリコールジグリシジルエ テル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジグ シジルエーテル、1,1,1-トリ(グリシジルオキ シメチル)プロパン、1,1,1-トリ(グリシジルオ シメチル)エタン、1,1,1-トリ(グリシジルオ シメチル)メタン、1,1,1,1-テトラ(グリシジル キシメチル)メタン等が挙げられる。
 その他、フェノールノボラック型エポキシ 合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化 物、クレゾールノボラック型エポキシ化合 、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化 合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エ ポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合 物;3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチ -3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカル キシレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメ ル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシ ート、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロ キサン等の脂環式エポキシ化合物;フタル酸 ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル 酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシ ジルエステル等のグリシジルエステル類;テ ラグリシジルジアミノジフェニルメタン、 リグリシジルP-アミノフェノール、N,N-ジグ シジルアニリン等のグリシジルアミン類;1,3- ジグリシジル-5,5-ジメチルヒダントイン、ト グリシジルイソシアヌレート等の複素環式 ポキシ化合物;ジシクロペンタジエンジオキ シド等のジオキシド化合物;ナフタレン型エ キシ化合物、トリフェニルメタン型エポキ 化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ 合物等を用いることもできる。

 本発明の感光性組成物において、光重合 始剤の添加量は特に限定されるものではな が、本発明のオキシムエステル化合物の添 量は、エチレン性不飽和結合を有する上記 合性化合物100質量部に対して、好ましくは1 ~70質量部、より好ましくは1~50質量部、最も ましくは5~30質量部である。

 特に本発明の感光性組成物を(着色)アル リ現像性感光性樹脂組成物とする場合、上 エチレン性不飽和結合を有するアルカリ現 性化合物の含有量は、本発明の(着色)アルカ リ現像型感光性樹脂組成物において1~20質量% 特に3~12質量%が好ましい。

 本発明の感光性組成物には、さらに溶媒を えることができる。該溶媒としては、通常 必要に応じて前記の各成分(本発明のオキシ ムエステル化合物及びエチレン性不飽和結合 を有する重合性化合物等)を溶解又は分散し る溶媒、例えば、メチルエチルケトン、メ ルアミルケトン、ジエチルケトン、アセト 、メチルイソプロピルケトン、メチルイソ チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン ;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒド フラン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエト シエタン、ジプロピレングリコールジメチ エーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、 酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロ ル、酢酸n-ブチル等のエステル系溶媒;エチ ングリコールモノメチルエーテル、エチレ グリコールモノエチルエーテル、プロピレ グリコールモノメチルエーテルアセテート のセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノー ル、イソ-又はn-プロパノール、イソ-又はn-ブ タノール、アミルアルコール等のアルコール 系溶媒;エチレングリコールモノメチルアセ ート、エチレングリコールモノエチルアセ ート、プロピレングリコールメチルアセテ ト等のエーテルエステル系溶媒;ベンゼン、 ルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、 ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂 肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D-リモネン 、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラ スピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油 (株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等の ラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム 、トリクロロエチレン、塩化メチレン、1,2- クロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水 系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香 炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニ リン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、 アセトニトリル、二硫化炭素、N,N-ジメチル ルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチル スルホキシド、水等が挙げられ、これらの溶 媒は1種で又は2種以上の混合溶媒として使用 ることができる。
 これらの中でもケトン類、セロソルブ系溶 等、特にプロピレングリコール-1-モノメチ エーテル-2-アセテート、シクロヘキサノン が、感光性組成物においてレジストと光重 開始剤の相溶性がよいので好ましい。

 本発明の感光性組成物には、さらに無機 合物を含有させることができる。該無機化 物としては、例えば、酸化ニッケル、酸化 、酸化イリジウム、酸化チタン、酸化亜鉛 酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化 リウム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物; 層状粘土鉱物、ミロリブルー、炭酸カルシウ ム、炭酸マグネシウム、コバルト系、マンガ ン系、ガラス粉末、マイカ、タルク、カオリ ン、フェロシアン化物、各種金属硫酸塩、硫 化物、セレン化物、アルミニウムシリケート 、カルシウムシリケート、水酸化アルミニウ ム、白金、金、銀、銅等が挙げられ、これら の中でも、酸化チタン、シリカ、層状粘土鉱 物、銀等が好ましい。本発明の感光性組成物 において、無機化合物の含有量は、エチレン 性不飽和結合を有する上記重合性化合物100質 量部に対して、好ましくは0.1~50質量部、より 好ましくは0.5~20質量部である。これらの無機 化合物は1種又は2種以上を使用することがで る。

 これらの無機化合物は、例えば、充填剤 反射防止剤、導電剤、安定剤、難燃剤、機 的強度向上剤、特殊波長吸収剤、撥インク 等として用いられる。

 また、本発明の感光性組成物(特にアルカ リ現像性感光性樹脂組成物)は、さらに色材 含有させて着色感光性組成物としてもよい 該色材としては、顔料、染料、天然色素等 挙げられる。これらの色材は、単独で又は2 以上を混合して用いることができる。

 上記顔料としては、例えば、ニトロソ化 物、ニトロ化合物、アゾ化合物、ジアゾ化 物、キサンテン化合物、キノリン化合物、 ントラキノン化合物、クマリン化合物、フ ロシアニン化合物、イソインドリノン化合 、イソインドリン化合物、キナクリドン化 物、アンタンスロン化合物、ペリノン化合 、ペリレン化合物、ジケトピロロピロール 合物、チオインジゴ化合物、ジオキサジン 合物、トリフェニルメタン化合物、キノフ ロン化合物、ナフタレンテトラカルボン酸; アゾ染料、シアニン染料の金属錯体化合物; ーキ顔料;ファーネス法、チャンネル法、サ マル法によって得られるカーボンブラック あるいはアセチレンブラック、ケッチェン ラック又はランプブラック等のカーボンブ ック;前記カーボンブラックを酸性又はアル カリ性表面処理したもの;黒鉛、黒鉛化カー ンブラック、活性炭、炭素繊維、カーボン ノチューブ、カーボンマイクロコイル、カ ボンナノホーン、カーボンエアロゲル、フ ーレン;アニリンブラック、ピグメントブラ ク7、チタンブラック;疎水性樹脂、酸化ク ム緑、ミロリブルー、コバルト緑、コバル 青、マンガン系、フェロシアン化物、リン 塩群青、紺青、ウルトラマリン、セルリア ブルー、ピリジアン、エメラルドグリーン 硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸 鉄(III))、カドミウム赤、合成鉄黒、アンバ 等の有機又は無機顔料を用いることができ 。これらの顔料は単独で、あるいは複数を 合して用いることができる。

 上記顔料としては、市販の顔料を用いる ともでき、例えば、ピグメントレッド1、2 3、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48、49、8 8、90、97、112、119、122、123、144、149、166、168 169、170、171、177、179、180、184、185、192、200 202、209、215、216、217、220、223、224、226、227 228、240、254;ピグメントオレンジ13、31、34、 36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、 62、64、65、71;ピグメントイエロ-1、3、12、13 14、16、17、20、24、55、60、73、81、83、86、93 95、97、98、100、109、110、113、114、117、120、12 5、126、127、129、137、138、139、147、148、150、15 1、152、153、154、166、168、175、180、185;ピグメ トグリ-ン7、10、36;ピグメントブル-15、15:1 15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、22、24、56、60、61 62、64;ピグメントバイオレット1、19、23、27 29、30、32、37、40、50等が挙げられる。

 上記染料としては、アゾ染料、アントラ ノン染料、インジゴイド染料、トリアリー メタン染料、キサンテン染料、アリザリン 料、アクリジン染料スチルベン染料、チア ール染料、ナフトール染料、キノリン染料 ニトロ染料、インダミン染料、オキサジン 料、フタロシアニン染料、シアニン染料等 染料等が挙げられ、これらは複数を混合し 用いてもよい。

 本発明の感光性組成物において、上記色 の添加量は、エチレン性不飽和結合を有す 上記重合性化合物100質量部に対して、好ま くは50~350質量部、より好ましくは100~250質量 部である。

 また、エチレン性不飽和結合を有する上記 合性化合物とともに、他の有機重合体を用 ることによって、硬化物の特性を改善する ともできる。該有機重合体としては、例え 、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー 、メチルメタクリレート-エチルアクリレー ト共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸、スチレ -(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリ 酸-メチルメタクリレート共重合体、エチレ -塩化ビニル共重合体、エチレン-ビニル共 合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイ ン6、ナイロン66、ナイロン12、ウレタン樹脂 、ポリカーボネートポリビニルブチラール、 セルロースエステル、ポリアクリルアミド、 飽和ポリエステル、フェノール樹脂、フェノ キシ樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミ ック酸樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられ、こ れらの中でも、ポリスチレン、(メタ)アクリ 酸-メチルメタクリレート共重合体、エポキ シ樹脂が好ましい。
 他の有機重合体を使用する場合、その使用 は、エチレン性不飽和結合を有する上記重 性化合物100質量部に対して、好ましくは10~5 00質量部である。

 本発明の感光性組成物には、さらに、不 和結合を有するモノマー、連鎖移動剤、界 活性剤等を併用することができる。

 上記不飽和結合を有するモノマーとして 、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリ 酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸イソ チル、アクリル酸N-オクチル、アクリル酸 ソオクチル、アクリル酸イソノニル、アク ル酸ステアリル、アクリル酸メトキシエチ 、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アク ル酸亜鉛、1,6-ヘキサンジオールジアクリレ ト、トリメチロールプロパントリアクリレ ト、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メ クリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリ 酸ブチル、メタクリル酸ターシャリーブチ 、メタクリル酸シクロヘキシル、トリメチ ールプロパントリメタクリレート、ジペン エリスリトールペンタアクリレート、ジペ タエリスリトールヘキサアクリレート、ペ タエリスリトールテトラアクリレート、ペ タエリスリトールトリアクリレート、ビス ェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アク レート、ビスフェノールFジグリシジルエー テル(メタ)アクリレート、ビスフェノールZジ グリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ト プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー 等が挙げられる。

 上記連鎖移動剤としては、チオグリコー 酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2-メ カプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオ ン酸、3-メルカプト酪酸、N-(2-メルカプトプ ピオニル)グリシン、2-メルカプトニコチン 、3-〔N-(2-メルカプトエチル)カルバモイル〕 プロピオン酸、3-〔N-(2-メルカプトエチル)ア ノ〕プロピオン酸、N-(3-メルカプトプロピ ニル)アラニン、2-メルカプトエタンスルホ 酸、3-メルカプトプロパンスルホン酸、4-メ カプトブタンスルホン酸、ドデシル(4-メチ チオ)フェニルエーテル、2-メルカプトエタ ール、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、 1-メルカプト-2-プロパノール、3-メルカプト-2 -ブタノール、メルカプトフェノール、2-メル カプトエチルアミン、2-メルカプトイミダゾ ル、2-メルカプト-3-ピリジノール、2-メルカ プトベンゾチアゾール、メルカプト酢酸、ト リメチロールプロパントリス(3-メルカプトプ ロピオネート)、ペンタエリスリトールテト キス(3-メルカプトプロピオネート)等のメル プト化合物、該メルカプト化合物を酸化し 得られるジスルフィド化合物、ヨード酢酸 ヨードプロピオン酸、2-ヨードエタノール 2-ヨードエタンスルホン酸、3-ヨードプロパ スルホン酸等のヨード化アルキル化合物が げられる。

 上記界面活性剤としては、パーフルオロ ルキルリン酸エステル、パーフルオロアル ルカルボン酸塩等のフッ素界面活性剤、高 脂肪酸アルカリ塩、アルキルスルホン酸塩 アルキル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤 高級アミンハロゲン酸塩、第四級アンモニ ム塩等のカチオン系界面活性剤、ポリエチ ングリコールアルキルエーテル、ポリエチ ングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン 肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等の イオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリ ーン系界面活性剤等の界面活性剤を用いる とができ、これらは組み合わせて用いても い。

 また、本発明の感光性組成物には、光重 開始剤として、本発明のオキシムエステル 合物の他に、必要に応じて他の光重合開始 あるいは増感剤を併用することも可能であ 、その他の光重合開始剤を併用することに って著しい相乗効果を奏する場合もある。

 本発明のオキシムエステル化合物と併用 きる光重合開始剤としては、従来既知の化 物を用いることが可能であり、例えば、ベ ゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1 -ヒドロキシ-1-ベンゾイルシクロヘキサン、 ンゾイン、ベンジルジメチルケタール、1-ベ ンジル-1-ジメチルアミノ-1-(4’-モルホリノベ ンゾイル)プロパン、2-モルホリル-2-(4’-メチ ルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキ ントン、1-クロル-4-プロポキシチオキサント ン、イソプロピルチオキサントン、ジエチル チオキサントン、エチルアントラキノン、4- ンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド ベンゾインブチルエーテル、2-ヒドロキシ-2 -ベンゾイルプロパン、2-ヒドロキシ-2-(4’-イ ソプロピル)ベンゾイルプロパン、4-ブチルベ ンゾイルトリクロロメタン、4-フェノキシベ ゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メ ル、1,7-ビス(9’-アクリジニル)ヘプタン、9- n-ブチル-3,6-ビス(2’-モルホリノイソブチロ ル)カルバゾール、2-メチル-4,6-ビス(トリク ロメチル)-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス (トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ナフチ -4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2 ,2-ビス(2-クロロフェニル)-4,5,4’,5’-テトラ ェニル-1-2’-ビイミダゾール、4、4-アゾビス イソブチロニトリル、トリフェニルホスフィ ン、カンファーキノン、N-1414、N-1717、N-1919、 PZ-408((株)ADEKA社製)、IRGACURE369、IRGACURE907、IRGAC UREOXE01、IRGACUREOXE02(チバ・スペシャルティ・ ミカルズ(株)社製)、過酸化ベンゾイル、下 一般式(III)~(V)で表される化合物等が挙げら 、これらの光重合開始剤は、1種で又は2種以 上を組み合わせて用いることができる。これ らの他の光重合開始剤を使用する場合、その 使用量は、好ましくは本発明のオキシムエス テル化合物の使用量の等量以下とする。

(式中、R 1 及びR 2 は、上記一般式(I)と同じであり、R 6 は、R 1 と同じであり、Y 2 は、ハロゲン原子又はアルキル基を表し、n 0~5である。)

(式中、R 1 及びR 2 は、上記一般式(I)と同じであり、R 6 、Y 2 及びnは上記一般式(III)と同じであり、R’ 1 、R’ 2 及びR’ 6 は、R 1 と同じであり、Y’ 2 はY 2 と同じであり、R 7 はジオール残基又はジチオール残基を表し、 Z 2 は酸素原子又は硫黄原子を表す。)

(式中、R 1 及びR 2 は、上記一般式(I)と同じであり、R 6 、Y 2 及びnは、上記一般式(III)と同じであり、Z 3 は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を表し 、Aは複素環基を表し、pは0~5の整数であり、q は0又は1である。)

 また、本発明の感光性組成物には、必要 応じて、p-アニソール、ハイドロキノン、 ロカテコール、第三ブチルカテコール、フ ノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促 進剤;充填剤;消泡剤;レベリング剤;表面調整 ;酸化防止剤;紫外線吸収剤;分散助剤;凝集防 剤;触媒;効果促進剤;増感剤;架橋剤;増粘剤 の慣用の添加物を加えることができる。

 本発明の感光性組成物において、エチレ 性不飽和結合を有する前記重合性化合物及 本発明のオキシムエステル化合物以外の任 成分(但し、前記の他の光重合開始剤、無機 充填剤、色材及び溶媒は除く)の使用量は、 の使用目的に応じて適宜選択され特に制限 れないが、好ましくは、エチレン性不飽和 合を有する前記重合性化合物100質量部に対 て合計で50質量部以下とする。

 本発明の感光性組成物は、スピンコータ 、ロールコーター、バーコーター、ダイコ ター、カーテンコーター、各種の印刷、浸 等の公知の手段で、ソーダガラス、石英ガ ス、半導体基板、金属、紙、プラスチック の支持基体上に適用することができる。ま 、一旦フィルム等の支持基体上に施した後 他の支持基体上に転写することもでき、そ 適用方法に制限はない。

 本発明の感光性組成物は、光硬化性塗料 るいはワニス、光硬化性接着剤、プリント 板、あるいはカラーテレビ、PCモニタ、携 情報端末、デジタルカメラ等のカラー表示 液晶表示素子におけるカラーフィルター、 ラズマ表示パネル用の電極材料、粉末コー ィング、印刷インク、印刷版、接着剤、歯 用組成物、ゲルコート、電子工学用のフォ レジスト、電気メッキレジスト、エッチン レジスト、液状及び乾燥膜の双方、はんだ ジスト、種々の表示用途用のカラーフィル ーを製造するためのあるいはプラズマ表示 ネル、電気発光表示装置及びLCDの製造工程 おいて構造を形成するためのレジスト、電 及び電子部品を封入するための組成物、磁 記録材料、微小機械部品、導波路、光スイ チ、めっき用マスク、エッチングマスク、 ラー試験系、ガラス繊維ケーブルコーティ グ、スクリーン印刷用ステンシル、ステレ リトグラフィによって三次元物体を製造す ための材料、ホログラフィ記録用材料、画 記録材料、微細電子回路、脱色材料、画像 録材料のための脱色材料、マイクロカプセ を使用する画像記録材料用の脱色材料、印 配線板用フォトレジスト材料、UV及び可視レ ーザー直接画像系用のフォトレジスト材料、 プリント回路基板の逐次積層における誘電体 層形成に使用するフォトレジスト材料あるい は保護膜等の各種の用途に使用することがで き、その用途に特に制限はない。

 また、本発明のオキシムエステル化合物 含有する感光性組成物を硬化させる際に用 られる活性光の光源としては、波長300~450nm 光を発光するものを用いることができ、例 ば、超高圧水銀、水銀蒸気アーク、カーボ アーク、キセノンアーク等を用いることが きる。

 以下、実施例等を挙げて本発明をさらに 細に説明するが、本発明はこれらの実施例 限定されるものではない。

〔実施例1-1〕化合物No.1の製造
<ステップ1>スルフィド化合物の製造
 窒素雰囲気下、p-クロロニトロベンゼン15.8g (100ミリモル)、チオフェノール12.1g(110ミリモ )及びジメチルアセトアミド69.4gを仕込み、 酸化ナトリウム12.5g(150ミリモル)を加えて50 で1時間撹拌した。室温まで冷却し、酢酸エ チル/水系で油水分離を行なった。溶媒を留 し、黄色結晶として目的物であるスルフィ 化合物23.1g(収率99%、HPLC純度99%)を得た。

<ステップ2>アシル体の製造
 窒素雰囲気下、塩化アルミニウム12.0g(90ミ モル)及び二塩化エタン27.0gを仕込み、氷冷 で酢酸クロリド3.56g(45ミリモル)、続いてス ップ1で得られたスルフィド化合物の5.78g(25 リモル)及び二塩化エタン27.0gを徐々に滴下 、5℃で30分間撹拌した。反応液を氷水にあ 、油水分離を行った。脱溶媒、酢酸エチル らの再結晶を経て、淡黄色結晶として目的 であるアシル体2.94g(収率43%、HPLC純度96%)を得 た。

<ステップ3>化合物No.1の製造
 窒素気流下、ステップ2で得られたアシル体 の2.73g(10ミリモル)、塩酸ヒドロキシルアミン 1.04g(15ミリモル)、及びジメチルアセトアミド 5.8gを仕込み、80℃で1時間撹拌した。室温に 却して油水分離を行った。溶媒を留去して 残さに酢酸ブチル10.0g、続いて無水酢酸1.23g( 12ミリモル)を加えて90℃で1時間撹拌し、室温 に冷却した。5%水酸化ナトリウム水溶液で中 し、油水分離、脱溶媒、酢酸エチルからの 結晶を経て、淡黄色結晶2.41g(収率73%、HPLC純 度99%)を得た。該淡黄色結晶について各種分 を行ったところ、該淡黄色結晶は目的物で る化合物No.1であることが確認された。分析 果を以下に示す。

(分析結果)
(1)融点:91.9℃
(2) 1 H-NMR測定:(ppm)
2.29(s:3H)、2.42(s:3H)、7.28(d:2H)、7.53(d:2H)、7.81(d:2 H)、8.10(d:2H)
(3)IR測定:(cm‐ 1 )
1775、1592、1576、1519、1477、1393、1368、1342、1316 、1203、1115、1085、1009、993、939、902、853、846 836、741、682、639
(4)UVスペクトル測定(クロロホルム)
λmax=346nm
(5)分解温度測定(窒素ガス雰囲気下、昇温速 10℃/分、5%質量減少温度)
270℃

〔実施例1-2〕化合物No.23の製造
 実施例1-1のステップ2において用いた酢酸ク ロリドをドデカノイルクロリドに代えた以外 は、すべて実施例1-1と同様の手順で、化合物 No.23の製造を行った。中間体であるアシル体 、収率30%、HPLC純度99%であった。得られた化 合物No.23は、収率66%、HPLC純度99%であった。得 られた化合物No.23についての分析結果を以下 示す。

(1)融点:73.9℃
(2) 1 H-NMR測定:(ppm)
0.88(t:3H)、1.20~1.49(m:16H)、1.58(tt:2H)、2.28(s:3H)、2 .86(t:2H)、7.25(d:2H)、7.54(d:2H)、7.77(d:2H)、8.10(d:2H )
(3)IR測定:(cm‐ 1 )
3095、2917、2851、1766、1598、1517、1471、1397、1365 、1348、1284、1204、1083、1000、946、895、853、837 745、720、686
(4)UVスペクトル測定(クロロホルム)
λmax=341nm
(5)分解温度測定(窒素ガス雰囲気下、昇温速 10℃/分、5%質量減少温度)
255℃

〔実施例1-3〕化合物No.24の製造
 実施例1-1のステップ2において用いた酢酸ク ロリドをドデカノイルクロリドに代え、実施 例1-1のステップ3において用いた無水酢酸を ンゾイルクロリド及びトリエチルアミンに えた以外は、すべて実施例1-1と同様の手順 、化合物No.24の製造を行った。中間体である アシル体は、収率30%、HPLC純度99%であった。 られた化合物No.24は、収率64%、HPLC純度99%で った。得られた化合物No.24についての分析結 果を以下に示す。

(1)融点:92.0℃
(2) 1 H-NMR測定:(ppm)
0.87(t:3H)、1.20~1.49(m:16H)、1.69(tt:2H)、2.99(t:2H)、7 .27(ddd:2H)、7.52(dd:2H)、7.57(ddd:2H)、7.64(tt:1H)、7.8 6(ddd:2H)、8.11(ddd:2H)、8.13(d:2H)
(3)IR測定:(cm‐ 1 )
2952、2918、2849、1749、1593、1575、1509、1470、1449 、1340、1243、1177、1110、1082、1065、1022、919、88 4、846、784、744、722、707、680
(4)UVスペクトル測定(クロロホルム)
λmax=341nm
(5)分解温度測定(窒素ガス雰囲気下、昇温速 10℃/分、5%質量減少温度)
245℃

〔実施例2〕感光性組成物No.1の調製
 アクリル系共重合体14.0gに対し、トリメチ ールプロパントリアクリレート5.90g、実施例 1-1で得られた化合物No.1の2.70g及びエチルセロ ソルブ79.0gを加えて良く撹拌し、感光性組成 No.1を得た。
 尚、上記アクリル系共重合体は、メタクリ 酸20質量部、ヒドロキシエチルメタクリレ ト15質量部、メチルメタクリレート10質量部 びブチルメタクリレート55質量部をエチル ロソルブ300質量部に溶解し、窒素雰囲気下 アゾビスイソブチルニトリル0.75質量部を加 て70℃で5時間反応させることにより得られ ものである。

〔実施例3-1~3-3〕感光性組成物No.2-1~No.2-3の調
 ジペンタエリスリトールペンタアクリレー 15.0g、1,4-ブタンジオールジグリシジルエー ル3.74gを混合し、実施例1-1~1-3で得られた化 物No.1、化合物No.23及び化合物No.24のいずれ 3.30g、並びにエチルセロソルブ78gを添加して 良く撹拌し、感光性組成物No.2-1~2-3をそれぞ 得た。

〔実施例4-1~4-3〕アルカリ現像性感光性樹脂 成物である感光性組成物No.3-1~No.3-3の調製
<ステップ1>アルカリ現像性樹脂組成物No. 1の調製
 1,1-ビス(4’-エポキシプロピルオキシフェニ ル)-1-(1’’-ビフェニル)-1-シクロヘキシルメ ン17.0g、アクリル酸4.43g、2,6-ジ-tert-ブチル-p -クレゾール0.06g、テトラブチルアンモニウム アセテート0.11g及びプロピレングリコール-1- ノメチルエーテル-2-アセテート14.3gを仕込 、120℃で16時間撹拌した。室温まで冷却し、 プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル -2-アセテート7.18g、無水コハク酸4.82g及びテ ラブチルアンモニウムアセテート0.25gを加え て、100℃で5時間撹拌した。更に、1,1-ビス(4 -エポキシプロピルオキシフェニル)-1-(1’’- ビフェニル)-1-シクロヘキシルメタン5.08g及び プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル -2-アセテート2.18gを加えて、120℃で12時間、80 ℃で2時間、40℃で2時間撹拌した後、プロピ ングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセ ート13.1gを加えて、プロピレングリコール-1- モノメチルエーテル-2-アセテート溶液として 目的物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.1 得た(Mw=4200、Mn=2100、酸価(固形分)55mgKOH/g)。

<ステップ2>感光性組成物No.3-1~No.3-3の調
 ステップ1で得られたアルカリ現像性樹脂組 成物No.1の2.68g、トリメチロールプロパントリ アクリレート0.73g、プロピレングリコール-1- ノメチルエーテル-2-アセテート7.91g及びシ ロヘキサノン5.18gを混合し、実施例1-1~1-3で られた化合物No.1、化合物No.23及び化合物No.24 のいずれか1.58gを添加して良く撹拌し、アル リ現像性感光性樹脂組成物である感光性組 物No.3-1~3-3をそれぞれ得た。

〔実施例5〕アルカリ現像性感光性樹脂組成 である感光性組成物No.4の調製
<ステップ1>アルカリ現像性樹脂組成物No. 2の調製
 ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂( エポキシ当量231)184g、アクリル酸58.0g、2,6-ジ- tert-ブチル-p-クレゾール0.26g、テトラブチル ンモニウムアセテート0.11g及びプロピレング リコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート 23.0gを仕込み、120℃で16時間撹拌した。室温 で冷却し、プロピレングリコール-1-モノメ ルエーテル-2-アセテート35.0g、ビフタル酸無 水物59.0g及びテトラ-n-ブチルアンモニウムブ ミド0.24gを加えて、120℃で4時間撹拌した。 にテトラヒドロ無水フタル酸20gを加え、120 で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で 6時間、40℃で11時間撹拌した後、プロピレン リコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテー 90.0gを加えて、プロピレングリコール-1-モ メチルエーテル-2-アセテート溶液として目 物であるアルカリ現像性樹脂組成物No.2を得 (Mw=5000、Mn=2100、酸価(固形分)92.7mgKOH/g)。

<ステップ2>感光性組成物No.4の調製
 ステップ1で得られたアルカリ現像性樹脂組 成物No.2の2.68g、トリメチロールプロパントリ アクリレート0.73g、プロピレングリコール-1- ノメチルエーテル-2-アセテート7.91g及びシ ロヘキサノン5.18gを混合し、実施例1-1で得ら れた化合物No.1の1.58gを添加して良く撹拌し、 アルカリ現像性感光性樹脂組成物である感光 性組成物No.4を得た。

〔実施例6〕着色アルカリ現像性感光性樹脂 成物である感光性組成物No.5の調製
 さらにピグメントブルー15の2.00gを加えた以 外は実施例4-1~4-3と同様にして、着色アルカ 現像性感光性樹脂組成物である感光性組成 No.5-1~5-3を得た。

〔実施例7〕着色アルカリ現像性感光性樹脂 成物である感光性組成物No.6の調製
 さらにカーボンブラックの3.00gを加えた以 は実施例5と同様にして、着色アルカリ現像 感光性樹脂組成物である感光性組成物No.6を 得た。

〔比較例1〕感光性組成物No.7の調製
 実施例1-1で得られた化合物No.1の3.30gに替え 、下記〔化37〕に示す比較化合物1の3.30gを いた以外は、実施例3-1と同様にして、比較 の感光性組成物No.7を得た。

〔比較例2〕感光性組成物No.8の調製
 実施例1-1で得られた化合物No.1の3.30gに替え 、下記〔化38〕に示す比較化合物2の1.58gを いた以外は、実施例3-1と同様にして、比較 の感光性組成物No.8を得た。

〔比較例3〕アルカリ現像性感光性樹脂組成 である感光性組成物No.9の調製
 実施例1-1で得られた化合物No.1の1.58gに替え 、比較化合物1の1.58gを用いた以外は、実施 4-1と同様にして、比較用のアルカリ現像性 光性樹脂組成物である感光性組成物No.9を得 た。

〔比較例4〕アルカリ現像性感光性樹脂組成 である感光性組成物No.10の調製
 実施例1-1で得られた化合物No.1の1.58gに替え 、比較化合物2の1.58gを用いた以外は、実施 4-1と同様にして、比較用のアルカリ現像性 光性樹脂組成物である感光性組成物No.10を た。

〔実施例8〕感光性組成物No.11の調製
 さらに酸化チタン4.52gを加えた以外は実施 2と同様にして、感光性組成物No.11を得た。

 得られた感光性組成物No.2-1~No.2-3及び比較用 の感光性組成物No.7、No.8について、硬度試験 以下のようにして行った。試験結果を表1に 示す。
 また、アルカリ現像性感光性樹脂組成物で る感光性組成物No.3-1~No.3-3及び比較用の感光 性組成物No.9、No.10について、感度の評価を以 下のようにして行った。評価結果を表2に示 。

<硬度試験>
 感光性組成物を厚さ50μmのポリエチレンテ フタレートフィルムに#3のバーコーターで塗 布した。これに、ベルトコンベア付の光照射 装置を使用して80W/cmの高圧水銀灯の光を照射 して硬化させた。ランプからベルトコンベア までの距離は10cm、ベルトコンベアのライン ピードは8cm/分とした。硬化後24時間室温に 置してから、鉛筆硬度試験機を用い、荷重1k gで鉛筆硬度を測定した。

<感度>
 アルカリ現像性感光性樹脂組成物をアルミ 板に#3のバーコーターで約1μmの厚さに塗布 た。60℃で15分間プリベークを行った後、日 本分光株式会社製の分光照射装置CT-25CPによ 光源として超高圧水銀ランプを用いて露光 、次いで2.5質量%炭酸ナトリウム溶液に25℃ 浸漬して現像し、良く水洗し、365nm及び405nm れぞれにおける分光感度を測定した。感度 、365nm及び405nmそれぞれの光において硬化に 必要な最小の硬化エネルギーを、アルミ基板 上に残った硬化膜段数と365nm及び405nmそれぞ の射出光量より求めた。

 表1から明らかなように、実施例3-1~3-3の感 性組成物No.2-1~No.2-3は硬度が高かったが、比 例1の感光性組成物No.7及び比較例2の感光性 成物No.8は十分な硬度を有していなかった。
 また、表2から明らかなように、アルカリ現 像性感光性樹脂組成物である実施例4-1~4-3の 光性組成物No.3-1~No.3-3は、長波長である365nm び405nmのいずれの光に対しても感度が優れて いた。これに対し、比較例3の感光性組成物No .9は、365nmの光に対しては感度が低いため露 量を多くせざるを得ず、405nmの光に対しては 硬化しなかった。また、比較例4の感光性組 物No.10は、365nmの光に対しては十分な感度を していたが、405nmの光に対しては感度が低 ため露光量を多くせざるを得なかった。

 本発明のオキシムエステル化合物は、感 性に優れ、特に長波長である365nm(i線)及び40 5nm(h線)の輝線に対する感度が優れているため 、光重合開始剤として有用なものである。