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Patent Searching and Data


Title:
PACKED PRODUCT AND METHOD AND APPARATUS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/031436
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of aseptically filling an acidic drink and storing the same at an ordinary temperature at a low cost without using a highly heat-tolerant container or an expensive production system whereby an acidic drink, which has a certain level of acidity and contains an approved amount of spores remaining therein, can be appropriately stored while avoiding putrefaction. The inside of a container (2) is pasteurized with a bactericide (b) and hot water (c) so as to prevent the survival of bacterial vegetative cells, molds and yeasts while allowing the survival of bacterial spores. Next, a pasteurized content (a), which has such an acidity level as being capable of preventing the bacterial spores as described above from germination, is filled in this container at an ordinary or low temperature followed by sealing the container with a cap (3) to give a packed product (1).

Inventors:
HAYAKAWA ATSUSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065172
Publication Date:
March 12, 2009
Filing Date:
August 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAINIPPON PRINTING CO LTD (JP)
HAYAKAWA ATSUSHI (JP)
International Classes:
B65B55/10; B65B55/04; B65D81/24; B65D85/72; B67C7/00
Domestic Patent References:
WO2008012996A12008-01-31
Foreign References:
JPH05132041A1993-05-28
JPH07291236A1995-11-07
JP2001039414A2001-02-13
JPH09286416A1997-11-04
Attorney, Agent or Firm:
ISHIKAWA, Yasuo (17-11 Shiba 2-chome, Minato-k, Tokyo 14, JP)
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Claims:
 細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように容器内が殺菌剤と加熱水とで殺菌され、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した殺菌処理済み内容物が常温又は低温でこの容器内に充填され、容器が蓋で密封されたことを特徴とする包装体。
 請求項1に記載の包装体において、殺菌剤が過酸化水素であり、この過酸化水素のミスト又はガスが容器内に吹き込まれることにより容器内が殺菌されたことを特徴とする包装体。
 請求項2に記載の包装体において、容器内に供給する過酸化水素のミストが5~50μL/容器であることを特徴とする包装体。
 請求項2に記載の包装体において、容器内に供給する過酸化水素のガス濃度が1~5mg/Lであることを特徴とする包装体。
 請求項1に記載の包装体において、加熱水の温度が65℃~85℃であり、この加熱水の供給量が5~15L/minであることを特徴とする包装体。
 請求項1に記載の包装体において、内容物の酸性度がpH4.6未満であることを特徴とする包装体。
 請求項1に記載の包装体において、内容物が3℃~40℃の常温で充填されたことを特徴とする包装体。
 請求項1に記載の包装体において、内容物が液体飲料であることを特徴とする包装体。
 請求項1に記載の包装体において、容器がPET製又はポリエチレン製であることを特徴とする包装体。
 請求項1に記載の包装体において、容器がボトルであることを特徴とする包装体。
 細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように容器内を殺菌剤と加熱水とで殺菌処理し、次に上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した殺菌処理済み内容物を常温又は低温でこの容器内に充填し、しかる後に容器を蓋で密封することを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、殺菌剤である過酸化水素のミスト又はガスを容器内に吹き込むことにより容器内を殺菌することを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、容器内に供給する過酸化水素のミストの量を5~50μL/容器とすることを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、容器内に供給する過酸化水素のガス濃度が1~5mg/Lとすることを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、加熱水の温度を65℃~85℃とし、加熱水の供給量を5~15L/minとすることを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、内容物の酸性度をpH4.6未満とすることを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、内容物を3℃~40℃の常温で充填することを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、内容物を液体飲料とすることを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、容器をPET製又はポリエチレン製とすることを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、容器をボトルとすることを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項20に記載の包装体の製造方法において、ボトル内を殺菌処理する直前に、プリフォームからボトルをブロー成形することを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、容器外を殺菌剤で殺菌処理し、容器外に殺菌剤が付着した状態で容器内を加熱水で殺菌処理することを特徴とする包装体の製造方法。
 容器を所定の搬送路に沿って搬送する搬送手段を有し、この搬送路に沿って、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように容器内を殺菌剤で殺菌処理する第一の殺菌処理手段と、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように容器内を加熱水で殺菌処理する第二の殺菌処理手段と、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性を有した殺菌処理済み内容物を常温又は低温でこの容器内に充填する内容物充填手段と、容器を蓋で密封する密封手段とが順に配置され、上記第一の殺菌処理手段から上記密封手段に至る箇所が無菌チャンバーによって覆われたことを特徴とする包装体の製造装置。
 請求項23に記載の包装体の製造装置において、殺菌処理手段が殺菌剤である過酸化水素のミスト又はガスを容器内に吹き込むノズルであり、その先端が容器の口部に臨んでいることを特徴とする包装体の製造装置。
 請求項23に記載の包装体の製造装置において、容器がボトルであり、殺菌処理手段の直前に、プリフォームからボトルを成形するブロー成形手段が設けられたことを特徴とする包装体の製造装置。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように殺菌され、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した内容物を、その調合タンクから充填機のノズルへと流すプロダクトラインに対して、所定温度の加熱水又は開放蒸気若しくは加圧蒸気を所定時間通し、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように、上記プロダクトライン内を殺菌し、陽圧化し、しかる後に、無菌水又は上記内容物を上記プロダクトラインに通してプロダクトライン内を常温まで冷却し、この冷却したプロダクトラインを通して上記内容物を容器へと供給することを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項26に記載の包装体の製造方法において、上記加熱水の温度を80℃~140℃とし、これを1分間~30分間プロダクトラインに通すことを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項23に記載の包装体の製造装置において、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように殺菌され、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した内容物を、その調合タンクから充填機のノズルへと流すプロダクトラインに対して、所定温度の加熱水又は開放蒸気若しくは加圧蒸気を所定時間通し、細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように、上記プロダクトライン内を殺菌し、陽圧化する加熱殺菌手段と、加熱殺菌手段による殺菌後に、無菌水又は上記内容物を上記プロダクトラインに通してプロダクトライン内を常温まで冷却する冷却手段とが更に設けられたことを特徴とする包装体の製造装置。
 請求項28に記載の包装体の製造装置において、上記加熱水の温度を80℃~140℃とし、これを1分間~30分間プロダクトラインに通すことを特徴とする包装体の製造装置。
 請求項28に記載の包装体の製造装置において、上記内容物の酸性度をpH4.6未満とすることを特徴とする包装体の製造装置。
 請求項11に記載の包装体の製造方法において、容器内の殺菌から内容物の充填を経て蓋による密封までの工程を無菌チャンバー内で行い、この無菌チャンバー内を細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように殺菌剤と加熱水とで予め殺菌処理することを特徴とする包装体の製造方法。
 請求項23に記載の包装体の製造装置において、第一の殺菌処理手段、第二の殺菌処理手段、内容物充填手段及び密封手段が無菌チャンバーで覆われ、無菌チャンバー内には殺菌剤と加熱水を順に噴射するノズルが設けられ、このノズルから殺菌剤と加熱水が順に噴射されることによって、上記無菌チャンバー内が細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しないように予め殺菌処理されるようにしたことを特徴とする包装体の製造装置。
Description:
包装体とその製造方法及び装置

 本発明は、ボトル等の容器内に飲料等の 容物を商業無菌で充填した包装体とその製 方法及び装置に関する。

 (1)食品衛生法上、所定の炭酸ガス圧が加 る酸性飲料(pH<4)は殺菌を要しないが、植 又は動物の組成成分を含む場合は炭酸ガス の存否の如何を問わず殺菌を必要とするこ から、植物又は動物の組成成分を含むpH4.0 満の炭酸入り飲料(例えば、乳性炭酸飲料、 汁入炭酸飲料、果実着色炭酸飲料)である場 合は、65℃で10分間加熱する必要がある。

 この殺菌は、例えば酸性飲料を耐熱・耐 ボトルに充填しキャップで密封した後に65 ~75℃程度の加熱水のシャワーを耐熱・耐圧 トルの上から掛けることにより行われる。 れにより、中身とボトル及びキャップが殺 される。

 (2)また、食品衛生法上、飲料がpH4.0~4.6の 合(例えば、トマトジュース、野菜ジュース 等の野菜系飲料)は、85℃で30分間加熱する必 がある。

 この殺菌には、ホットパック法と呼ばれ 殺菌方法が一般に採用される。ホットパッ 法は、例えば飲料を90℃~140℃程度に加熱し 飲料自体を殺菌し、これを耐熱ボトル内に8 5℃~95℃で充填してボトル内面を殺菌し、キ ップで密封し、ボトルを転倒させてキャッ 内面を殺菌し、パストライザーで段階的に 却して包装体とするものである。このホッ パック法により、飲料のみならず耐熱ボト 及びキャップも殺菌される。

 ボトルが例えばPET(ポリエチレンテレフタ レート)製である場合は、85℃よりも高い温度 の加熱水で殺菌すると、ボトルが変形するお それがある。このボトルの変形を防止するた めに、65~85℃の熱水をボトル内に間欠的に噴 してボトル内面を洗浄し、しかる後に酸性 料を常温で充填し、密封するという方法も 案されている(例えば、特許文献6参照。)。

 (3)また、食品衛生法上、飲料がpH4.6以上 場合(例えば、ミルクティー等の紅茶飲料、 茶、麦茶、混合茶等の茶系飲料)は、発育し うる微生物を死滅させるのに十分な効力を有 する方法により殺菌することが求められる。

 このような飲料の無菌包装体の製造には セプティック法が採用される。このアセプ ィック法は、ボトルを無菌の環境下で走行 せつつ、ボトルを予備加熱し、ボトルを殺 剤である過酸化水素のミストにより殺菌し ボトルを洗浄し、殺菌した飲料を常温でボ ルに充填し、しかる後にボトルをキャップ 密封することにより無菌包装体を製造する のである(例えば、特許文献1参照。)。

 また、上記ホットパック法では、充填作 に先立ち、プロダクトラインである飲料の 合タンクから飲料をボトルに詰める充填機 至る経路が、上記飲料自体の殺菌に準ずる 菌方法によって殺菌処理される。

 このプロダクトラインの殺菌処理は、例 ば85℃の加熱水をプロダクトラインの配管 で約30分間循環させることにより行われる。

 加熱水の循環後、配管は冷却されること く、所定の温度まで加熱した飲料がプロダ トライン内に通されボトル等に充填され、 ロダクトライン内は加熱された飲料により 菌状態が維持される。

 上記アセプティック法においても、充填 業に先立ち、プロダクトラインである飲料 調合タンクから飲料をボトルに詰める充填 に至る経路が、上記飲料の殺菌に準ずる殺 方法によって殺菌処理される。

 このプロダクトラインの殺菌処理は、例 ば過酸化水素と蒸気を併用することにより われる場合もあるが(例えば、特許文献3参 。)、一般的には、配管内に120℃~130℃の蒸気 を例えば20分~30分間通すことにより行われる その後、無菌エアが配管内に送られて冷却 れ、常温(2℃~40℃程度であり、内容物によ て異なる。)まで温度が降下したところで充 が開始される。

 さらに、上記ホットパック法、アセプテ ック法のいずれにおいても、充填作業を開 する前に、無菌包装装置を取り巻く無菌チ ンバー内があらかじめ殺菌処理される(例え ば、特許文献2,4,5参照。)。

 上記ボトルの殺菌から、飲料等の充填を てキャップによる密封に至る経路は、無菌 ャンバーで覆われるが、無菌チャンバーの 部も上記飲料、ボトル等の殺菌に準ずる殺 方法によって充填作業に先立ち殺菌処理さ る。

 従来の無菌チャンバーの殺菌方法としては 過酢酸の噴霧、無菌水の導入、ホットエア 導入、過酸化水素の噴霧、ホットエアの導 を順に行う方法(例えば、特許文献2参照。) また、過酢酸系薬剤による殺菌、加熱水に る洗浄を順に行う方法(例えば、特許文献4 照。)、エアに過酸化水素、過酢酸等の滅菌 を混ぜたものを、充填作業の開始前から充 作業中に至るまで、無菌チャンバー内に吹 込む方法(例えば、特許文献5参照。)が提案 れている。

特開2001-39414号公報

特許第3315918号公報

特開昭57-93061号公報

特開2008-168930号公報

特開平9-328113号公報

特許第2844983号公報

 上記(1)及び(2)の殺菌方法によれば微生物 、カビ、酵母、細菌の栄養細胞は殺菌され が、細菌の芽胞は殺菌されず生存する。そ て、一部の好酸性菌を除くほとんどの細菌 芽胞は酸性度がある程度高い酸性飲料(例え ば、pH4.6未満の野菜ジュース、トマトジュー 、レモンティー、オレンジジュース、乳性 酸飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジュ ス、ぶどうジュース、果汁ジュース)の中で は、発芽することなく静菌状態を持続し、そ のため飲料が腐敗することなく保存される。

 しかし、このような飲料について上記(1) 加熱水のシャワーをボトルに吹き付ける殺 方法や、上記(2)のホットパック式の殺菌方 を採用すると、ボトルに耐熱性を与えなけ ばならない。すなわち、ボトルの口部が熱 より変形して漏れが生じることがないよう ボトルが例えばPET(ポリエチレンテレフタレ ート)製である場合は口部を結晶化して加熱 よる変形を防止しなければならない。また ボトル内に熱い飲料を充填し、蓋を巻締め た後放熱するとボトルが減圧により収縮す が、この収縮量を吸収するためにボトルの 面や底面に減圧吸収パネルを設けなければ らない。このような熱対策のための各種の 工は包装体の価格を高める原因となる。

 PET(ポリエチレンテレフタレート)製ボト に変形が生じないような温度の加熱水を用 ると、そのような不具合は解消されるよう あるが、その場合は加熱水の温度管理の如 によってボトル内の殺菌が不十分になるお れがある。例えば、耐熱性の高いカビ類は のような温度の加熱水では殺菌し難く、生 するおそれがある。また、ボトル内の殺菌 程、内容物の充填工程、キャッピング工程 は、無菌チャンバーで覆われた無菌環境下 行われるが、加熱水のみによるボトルの殺 処理では、生残した微生物がボトルに付着 て、あるいは空中を漂って無菌環境内に侵 して来た場合、生残した微生物が内容物と にボトル内に侵入し、包装体内を汚染する それがある。

 上記(3)のアセプティック法によれば、ボ ルに耐熱性を要求されずボトルを廉価にて 給することが可能となるが、このアセプテ ック法は、カビ、酵母、細菌の栄養細胞に らず、細菌の芽胞に至るまですべての微生 を死滅させる殺菌法であるから、殺菌工程 多く複雑であり、殺菌剤、加熱水、ホット ア等のユーティリティを多量に必要とする また、充填開始に先立ち充填装置及びこれ 取り巻くチャンバー内を細菌の芽胞に至る で滅菌処理しなければならないので、その めの殺菌剤、加熱水や複雑な工程及び装置 必要とし、また滅菌まで長時間を必要とす 。従って、アセプティック法は、上記の酸 度がある程度高く芽胞の残留が許容される 性飲料については過剰な設備、工程となり 適切である。

 また、上記(2)の殺菌方法によればプロダ トライン内の微生物中、カビ、酵母、細菌 栄養細胞は殺菌されるが、細菌の芽胞は殺 されず生残する。この細菌の芽胞は酸性度 ある程度高い酸性飲料(例えば、pH4.6未満の 菜ジュース、トマトジュース、レモンティ 、オレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能 飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶどうジ ース、果汁ジュース)の中では、発芽するこ となく静菌状態を持続し、そのため飲料が腐 敗することなく保存されるので、プロダクト ライン内での生残は許容される。

 しかし、この芽胞のみの生残が許容され 殺菌状態を維持しつつ充填を行うには、飲 等の内容物を加熱した状態でプロダクトラ ンに送り込まなければならない。そのため 加熱が望ましくない例えば乳製品等の内容 の充填には上記(2)の殺菌方法は採用するこ ができない。

 上記(3)のアセプティック法に準ずるプロ クトラインの殺菌方法によれば、配管内を1 30℃程度まで加熱した後に無菌エアによって 温まで冷却するので、配管滅菌に1~2時間と う長時間を必要とし、そのため無菌充填機 稼働時間が低下するという問題がある。

 また、従来における充填作業前の無菌チ ンバー内の殺菌処理は、上記(3)のアセプテ ック法に準じて行われている。上述したよ に、アセプティック法は、カビ、酵母、細 の栄養細胞に限らず、細菌の芽胞に至るま すべての微生物を死滅させる殺菌法である ら、殺菌剤、加熱水、ホットエア等のユー ィリティを多量に必要とし、また、滅菌ま 長時間を必要とする。従って、アセプティ ク法による無菌チャンバー内の殺菌処理は 上記の酸性度がある程度高く芽胞の残留が 容される酸性飲料については過剰な設備、 程となり不適切である。

 従って、本発明は、酸性度がある程度高 芽胞の残留が許容される酸性飲料を、腐敗 来たすことなく適正に保存することができ 高い耐熱性のある容器、高価な製造設備を 用することなく酸性飲料を低コストで無菌 に充填し保存することができる手段を提供 ることを目的とする。

 また、本発明は、無菌充填で使用するプ ダクトラインを、より短時間で簡易に殺菌 ることができる手段を提供することを目的 する。

 また、本発明は、無菌充填を行う無菌チ ンバー内の環境を、より短時間で簡易に殺 することができる手段を提供することを目 とする。

 上記課題を解決するため、本発明は次の うな構成を採用する。

 なお、本発明の理解を容易にするために 付図面の参照番号を括弧書きで付記するが それにより本発明が図示の形態に限定され ものではない。

 すなわち、請求項1に係る発明は、細菌の 芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カ ビ及び酵母の生存は許容しないように容器内 が殺菌剤(b)と加熱水(c)とで殺菌され、上記細 菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した 殺菌処理済み内容物(a)が常温又は低温でこの 容器(2)内に充填され、容器(2)が蓋(3)で密封さ れたことを特徴とする包装体(1,28)である。

 ここで、殺菌剤としては、例えば過酸化 素、過酢酸系殺菌剤を使用することが可能 ある。過酢酸系殺菌剤を使用する場合は、 酢酸系殺菌液で容器内をリンスするか又は 酢酸系殺菌液を容器内にスプレーすること よって容器内を殺菌することができる。

 請求項2に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、殺菌剤が過酸化 素であり、この過酸化水素のミスト又はガ (b)が容器(2)内に吹き込まれることにより容 (2)内が殺菌されたものとすることができる

 請求項3に記載されるように、請求項2に 載の包装体(1,28)において、容器(2)内に供給 る過酸化水素のミスト(b)が5~50μL/容器(ただ 、Lはリットルである。以下、同様。)である ものとすることができる。

 請求項4に記載されるように、請求項2に 載の包装体(1,28)において、ガス濃度が1~5mg/L 過酸化水素を容器(2)内に供給して殺菌した のとすることができる。

 請求項5に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、加熱水(c)の温度 65℃~85℃であり、この加熱水(c)の供給量が5~1 5L/minであるものとすることができる。

 請求項6に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、内容物(a)の酸性 がpH4.6未満であるものとすることができる。

 請求項7に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、内容物(a)が3℃~40 の常温で充填されたものとすることができ 。

 請求項8に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、内容物が液体飲 (a)であるものとすることができる。

 請求項9に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、容器(2)がPET製又 ポリエチレン製であるものとすることがで る。

 請求項10に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、容器がボトル(2) あるものとすることができる。

 請求項11に係る発明は、細菌の芽胞の生 は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵 の生存は許容しないように容器(2)内を殺菌 (b)と加熱水(c)とで殺菌処理し、次に上記細 の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した 菌処理済み内容物(a)を常温又は低温でこの 器(2)内に充填し、しかる後に容器(2)を蓋(3) 密封することを特徴とする包装体(1,28)の製 方法である。

 請求項12に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、殺菌 剤である過酸化水素のミスト又はガス(b)を容 器(2)内に吹き込むことにより容器(2)内を殺菌 することができる。

 請求項13に記載されるように、請求項11に 記載の包装体の製造方法(1,28)において、容器 (2)内に供給する過酸化水素のミスト(b)の量を 5~50μL/容器とすることができる。

 請求項14に記載されるように、請求項11に 記載の包装体の製造方法において、容器(2)内 に供給する過酸化水素のガス濃度が1~5mg/Lと ることができる。

 請求項15に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、加熱 水(c)の温度を65℃~85℃とし、加熱水(c)の供給 を5~15L/minとすることができる。

 請求項16に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、内容 物(a)の酸性度をpH4.6未満とすることができる

 請求項17に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、内容 物(a)を3℃~40℃の常温で充填するものとする とができる。

 請求項18に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、内容 物を液体飲料(a)とすることができる。

 請求項19に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、容器 (2)をPET製又はポリエチレン製とすることがで きる。

 請求項20に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、容器 をボトル(2)とすることができる。

 請求項21に記載されるように、請求項20に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、ボト ル(2)内を殺菌処理する直前に、プリフォーム (10)からボトル(2)をブロー成形することがで る。

 請求項22に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、容器 (2)外を殺菌剤(b)で殺菌処理し、容器(2)外に殺 菌剤(b)が付着した状態で容器(2)内を加熱水(c) で殺菌処理することも可能である。

 請求項23に係る発明は、容器(2)を所定の 送路に沿って搬送する搬送手段を有し、こ 搬送路に沿って、細菌の芽胞の生存は許容 るが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存 許容しないように容器(2)内を殺菌剤(b)で殺 処理する第一の殺菌処理手段(5)と、細菌の 胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カ 及び酵母の生存は許容しないように容器(2) を加熱水(c)で殺菌処理する第二の殺菌処理 段(6)と、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しう 酸性を有した殺菌処理済み内容物(a)を常温 は低温でこの容器(2)内に充填する内容物充 手段(7)と、容器(2)を蓋(3)で密封する密封手 (8)とが順に配置され、上記第一の殺菌処理 段(5)から上記密封手段(8)に至る箇所が無菌 ャンバー(23,24,26,27)によって覆われているこ を特徴とする包装体(1,28)の製造装置である

 この装置において、殺菌剤として例えば 酸化水素、過酢酸系殺菌剤を使用すること 可能である。過酢酸系殺菌剤を使用する場 は、過酢酸系殺菌液で容器内をリンスする 又は過酢酸系殺菌液を容器内にスプレーす ことによって容器内を殺菌することができ 。

 請求項24に記載されるように、請求項23に 記載の包装体(1,28)の製造装置において、殺菌 処理手段が殺菌剤である過酸化水素のミスト 又はガス(b)を容器(2)内に吹き込むノズル(5)で あり、その先端が容器(2)の口部(2a)に臨んで るものとすることができる。

 請求項25に記載されるように、請求項23に 記載の包装体(1,28)の製造装置において、容器 がボトル(2)であり、殺菌処理手段の直前に、 プリフォーム(10)からボトル(2)を成形するブ ー成形手段(9)が設けられたものとすること できる。

 請求項26に記載されるように、請求項11に 記載の包装体の製造方法において、細菌の芽 胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ 及び酵母の生存は許容しないように殺菌され 、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度 を有した内容物を、その調合タンクから充填 機のノズルへと流すプロダクトラインに対し て、所定温度の加熱水又は開放蒸気若しくは 加圧蒸気を所定時間通し、細菌の芽胞の生存 は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母 の生存は許容しないように、上記プロダクト ライン内を殺菌し、陽圧化し、しかる後に、 無菌水又は上記内容物を上記プロダクトライ ンに通してプロダクトライン内を常温まで冷 却し、この冷却したプロダクトラインを通し て上記内容物を容器へと供給することも可能 である。

 請求項27に記載されるように、請求項26に 記載の包装体の製造方法において、上記加熱 水の温度を80℃~140℃とし、これを1分間~30分 プロダクトラインに通すものとすることが きる。

 請求項28に記載されるように、請求項23に 記載の包装体の製造装置において、細菌の芽 胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ 及び酵母の生存は許容しないように殺菌され 、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度 を有した内容物を、その調合タンクから充填 機のノズルへと流すプロダクトラインに対し て、所定温度の加熱水又は開放蒸気若しくは 加圧蒸気を所定時間通し、細菌の芽胞の生存 は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母 の生存は許容しないように、上記プロダクト ライン内を殺菌し、陽圧化する加熱殺菌手段 と、加熱殺菌手段による殺菌後に、無菌水又 は上記内容物を上記プロダクトラインに通し てプロダクトライン内を常温まで冷却する冷 却手段とが更に設けられたものとすることが できる。

 請求項29に記載されるように、請求項28に 記載の包装体の製造装置において、上記加熱 水の温度を80℃~140℃とし、これを1分間~30分 プロダクトラインに通すことができる。

 請求項30に記載されるように、請求項28に 記載の包装体の製造装置において、上記内容 物の酸性度をpH4.6未満とすることができる。

 請求項31に記載されるように、請求項11に 記載の包装体の製造方法において、容器(2)内 の殺菌から内容物(a)の充填を経て蓋(3)による 密封までの工程を無菌チャンバー(23,24,26,27) で行い、この無菌チャンバー(23,24,26,27)内を 菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細 、カビ及び酵母の生存は許容しないように 菌剤と加熱水とで予め殺菌処理することも 能である。

 請求項32に記載されるように、請求項23に 記載の包装体の製造装置において、第一の殺 菌処理手段(5)、第二の殺菌処理手段(6)、内容 物充填手段(7)及び密封手段(8)が無菌チャンバ ー(23,24,26,27)で覆われ、無菌チャンバー(23,24,2 6,27)内には殺菌剤と加熱水を順に噴射するノ ル(78,79)が設けられ、このノズル(78,79)から 菌剤と加熱水が順に噴射されることによっ 、上記無菌チャンバー(23,24,26,27)内が細菌の 胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カ 及び酵母の生存は許容しないように予め殺 処理されるようにすることも可能である。

 請求項1に係る発明によれば、細菌の芽胞 の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及 び酵母の生存は許容しないように容器内が殺 菌剤(b)と加熱水(c)とで殺菌され、上記細菌の 芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した殺菌 処理済み内容物(a)が常温又は低温でこの容器 (2)内に充填され、容器(2)が蓋(3)で密封された 包装体(1,28)であることから、容器(2)内の細菌 の芽胞を除く微生物の大半が殺菌剤(b)により 殺菌され、殺菌剤(b)によっても殺菌されにく い子嚢菌類等の一部のカビ胞子は殺菌剤(b)と 加熱水(c)の相乗効果により殺菌されており、 容器(2)内には内容物(a)の酸性によって発芽が 抑止され静菌状態に保持される細菌の芽胞が 残留するのみであり、従って、内容物(a)は腐 敗することなく長期保存可能である。また、 細菌の芽胞は生残させるので殺菌剤の使用量 を低減する等殺菌処理を簡略化することがで き、包装体の製造コストをそれだけ低減する ことができる。また、容器(2)内が加熱水(c)に より殺菌されると同時に洗浄されるので、殺 菌剤(b)の残留が防止される。また、内容物(a) が常温で充填されるので、容器(2)の補強用リ ブ、減圧吸収パネル等を省くことができ、容 器(2)を作る樹脂等の材料の使用量を大幅に低 減することができる。また、容器(2)の口部(2a )の結晶化も不要になる。従って、低廉な包 体(1,28)とすることができる。

 請求項2に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、殺菌剤が過酸化 素であり、この過酸化水素のミスト又はガ (b)が容器(2)内に吹き込まれることにより容 (2)内が殺菌されたものとするか、又は請求 3に記載されるように、請求項2に記載の包装 体(1,28)において、容器(2)内に供給する過酸化 水素のミスト(b)が容器一個当たり5~50μLであ ものとするか、又は請求項4に記載されるよ に、請求項2に記載の包装体(1,28)において、 ガス濃度が1~5mg/Lの過酸化水素を容器(2)内に 給して殺菌したものとすると、容器(2)の内 をムラなく殺菌することができ、しかも細 の芽胞を殺菌する必要がないので過酸化水 の使用量を少なくすることができる。35%の 酸化水素をミスト又はガス状にして使用す 利点は、高温で気化した過酸化水素が露点 下の容器と接触すると約70%の高濃度となっ 凝縮・付着することである。また、この結 現象は、液体などをスプレーする場合と異 り、容器形状に左右されない。

 請求項5に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、加熱水(c)の温度 65℃~85℃であり、この加熱水(c)の供給量が5~1 5L/minであるものとすると、子嚢菌等殺菌剤(b) によっても殺菌されにくい他の微生物が殺菌 された包装体(1,28)とすることができ、また、 過酸化水素が残留しない包装体(1,28)とするこ とができる。

 請求項6に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、内容物(a)の酸性 がpH4.6未満であるものとすると、細菌の芽胞 の発芽が内容物により阻止され、内容物(a)の 腐敗が防止された包装体(1,28)とすることがで きる。

 請求項7に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、内容物(a)が3℃~40 の常温で充填されたものとすると、細菌の 胞を殺菌する必要がなく、内容物(a)を高温 で加熱した状態で充填したり、充填後長時 保持したり、外部から加熱して殺菌したり る必要がない包装体とすることができる。 って、内容物(a)が変質し難く、また、内容 (a)の加熱、冷却に伴う容器(2)の変形を考慮 た減圧吸収パネルの形成や、容器(2)の口部( 2a)の結晶化が不要な包装体とすることができ る。

 請求項8に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、内容物が液体飲 (a)であるものとすると、液体飲料(a)を常温 長期保存することができる。

 請求項9に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、容器(2)がPET製又 ポリエチレン製であるものとすると、常温 填が可能であるから容器(2)の耐熱性を高め 必要がなく、従って、樹脂の使用量を低減 、容器(2)の製造費用を低減することができ 。

 請求項10に記載されるように、請求項1に 載の包装体(1,28)において、容器がボトル(2) あるものとすると、容器を取り扱いやすく ることができる。

 請求項11に係る発明は、細菌の芽胞の生 は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵 の生存は許容しないように容器(2)内を殺菌 (b)と加熱水(c)とで殺菌処理し、次に上記細 の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した 菌処理済み内容物(a)を常温又は低温でこの 器(2)内に充填し、しかる後に容器(2)を蓋(3) 密封することを特徴とする包装体(1,28)の製 方法であるから、細菌の芽胞を殺菌する必 がなく、容器(2)内を簡易かつ迅速に殺菌す ことができる。また、容器(2)内の細菌の芽 を除く微生物の大半を殺菌剤(b)により殺菌 、子嚢菌等殺菌剤(b)によっても殺菌されに い他の微生物を加熱水(c)により殺菌するの 、容器(2)内には内容物(a)の酸性によって発 が抑止され静菌状態に保持される細菌の芽 のみが残留し、これにより内容物(a)の腐敗 防止し、内容物(a)を常温で長期間にわたり 常に保存することができる。また、容器(2) を加熱水(c)により殺菌すると同時に洗浄す ので、殺菌剤(b)の残留を防止することがで る。また、内容物(a)を常温で充填するので 容器(2)の補強用リブ、減圧吸収パネル等を くことができ、容器(2)を作る樹脂等の材料 使用量を低減することができる。また、容 (2)の口部(2a)の結晶化も不要になる。従って 低廉な包装体(1,28)とすることができる。

 請求項12に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、殺菌 剤である過酸化水素のミスト又はガス(b)を容 器(2)内に吹き込むことにより容器(2)内を殺菌 するか、又は請求項13に記載されるように、 求項11に記載の包装体の製造方法(1,28)にお て、容器(2)内に供給する過酸化水素のミス (b)の量を5~50μL/容器とするか、又は請求項14 記載されるように、請求項11に記載の包装 の製造方法において、容器(2)内に供給する 酸化水素のガス濃度が1~5mg/Lとすれば、容器( 2)の内面をムラなく殺菌することができ、し も細菌の芽胞の生存は許容されるので過酸 水素の使用量を少なくすることができる。

 請求項15に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、加熱 水(c)の温度を65℃~85℃とし、加熱水(c)の供給 を5~15L/minとすると、子嚢菌類等殺菌剤(b)に っても殺菌されにくい他の微生物が殺菌さ 、また、過酸化水素の残留が防止される。

 請求項16に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、内容 物(a)の酸性度をpH4.6未満とすることにより、 容物(a)の保存中において細菌の芽胞の発芽 阻止し、内容物(a)の腐敗を防止することが きる。

 請求項17に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、内容 物(a)を3℃~40℃の常温で充填するものとする 、細菌の芽胞を殺菌する必要がないので、 容物(a)を高温まで加熱した状態で充填した 、充填後長時間保持したり、包装体を外部 ら加熱して殺菌したりする必要がない。従 て、内容物(a)が変質し難く、また、内容物(a )の加熱、冷却に伴う容器(2)の変形を考慮し 減圧吸収パネルを設けたり、容器(2)の口部(2 a)を結晶化させたりする必要がない。

 請求項18に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、内容 物を液体飲料(a)とすることにより、液体飲料 (a)を長期保存することができる。

 請求項19に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、容器 (2)をPET製又はポリエチレン製とすることによ り、PET又はポリエチレンの使用量を低減し、 容器(2)の製造費用を低廉化することができる 。

 請求項20に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、容器 をボトル(2)とすることにより、容器(2)を取り 扱いやすくすることができる。

 請求項21に記載されるように、請求項20に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、ボト ル(2)内を殺菌処理する直前に、プリフォーム (10)からボトル(2)をブロー成形することによ 、包装体(1,28)を製造する場所まで容積の大 いボトル(2)の形態ではなく容積の格段に小 いプリフォーム(10)の形態で運搬することが きるので、それだけ運送費が減り包装体(1,2 8)の製造費が低減する。

 請求項22に記載されるように、請求項11に 記載の包装体(1,28)の製造方法において、容器 (2)外を殺菌剤(b)で殺菌処理し、容器(2)外に殺 菌剤(b)が付着した状態で容器(2)内を加熱水(c) で殺菌処理するものとすれば、容器(2)外を殺 菌処理したうえで無菌充填機内に容器(2)を導 入することができるので、包装体の製造時に おける無菌充填機内の菌による汚染を防止す ることができる。また、容器(2)外に殺菌剤(b) が付着したままで容器(2)内に加熱水(c)を導入 することから、容器外面の温度上昇に伴い、 容器(2)外の殺菌効果が向上する。

 請求項23に係る発明は、容器(2)を所定の 送路に沿って搬送する搬送手段を有し、こ 搬送路に沿って、細菌の芽胞の生存は許容 るが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生存 許容しないように容器(2)内を殺菌剤(b)で殺 処理する第一の殺菌処理手段(5)と、細菌の 胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カ 及び酵母の生存は許容しないように容器(2) を加熱水(c)で殺菌処理する第二の殺菌処理 段(6)と、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しう 酸性を有した殺菌処理済み内容物(a)を常温 は低温でこの容器(2)内に充填する内容物充 手段(7)と、容器(2)を蓋(3)で密封する密封手 (8)とが順に配置され、上記第一の殺菌処理 段(5)から上記密封手段(8)に至る箇所が無菌 ャンバー(23,24,26,27)によって覆われたことを 徴とする包装体(1,28)の製造装置であるから 細菌の芽胞を殺菌する必要がなく、包装体( 1,28)の製造装置及びこれを取り囲む無菌チャ バー(23,24,26,27)内や容器(2)内を簡易かつ迅速 に殺菌することができ、従って、包装体(1,28) の製造装置を小型化、簡素化することができ る。

 また、容器(2)内の細菌の芽胞を除く微生 の大半を第一の殺菌手段(5)で殺菌剤(b)によ 殺菌し、子嚢菌類等殺菌剤(b)によっても殺 されにくい他の微生物を第一と第二の殺菌 段(6)の相乗効果により殺菌するので、容器( 2)内には内容物(a)の酸性によって発芽が抑止 れ静菌状態に保持される細菌の芽胞のみが 留し、これにより内容物(a)の腐敗を防止し 内容物(a)を長期間にわたり正常に保存する とができる。

 また、容器(2)内を加熱水(c)により殺菌す と同時に洗浄するので、殺菌剤(b)の残留を 止することができる。

 また、内容物(a)を常温で充填するので、 器(2)の補強用リブ、減圧吸収パネル等を省 ことができ、容器(2)を作る樹脂等の材料の 用量を低減することができる。

 また、容器(2)の口部(2a)の結晶化も不要に なる。従って、低廉な包装体(1,28)を製造する ことができる。

 さらに、第一の殺菌処理手段(5)が無菌チ ンバー(23)によって覆われていることから、 無菌チャンバー(23)内は殺菌剤のミスト又は スが過飽和状態で充満しており、そのため 器(2)に付着して或いは走行する容器(2)の引 起こす気流等に乗って無菌チャンバー(23)内 侵入した微生物は殺菌剤のミスト又はガス 高濃度の過酸化水素水となって凝結するこ によって速やかにかつ確実に殺菌される。 たがって、無菌チャンバー(23,24,26,27)内の無 菌性が高度に維持され、無菌性に優れた包装 体の製造が可能となる。

 請求項24に記載されるように、請求項23に 記載の包装体(1,28)の製造装置において、殺菌 処理手段が殺菌剤である過酸化水素のミスト 又はガス(b)を容器(2)内に吹き込むノズル(5)で あり、その先端が容器(2)の口部(2a)に臨んで るものとすれば、過酸化水素のミスト又は ス(b)を走行中の容器内に効率よく供給する とができる。

 請求項25に記載されるように、請求項23に 記載の包装体(1,28)の製造装置において、容器 がボトル(2)であり、殺菌処理手段の直前に、 プリフォーム(10)からボトル(2)を成形するブ ー成形手段(9)が設けられたものとすれば、 装体(1,28)の製造装置の上流側にブロー成形 段(9)を設けることになるので、ボトル(2)に し格段に容積の小さいプリフォーム(10)を包 体(1,28)の製造装置まで運搬することができ それだけ運送費が減り包装体(1,28)の製造費 低減する。

 請求項26に記載されるように、請求項11に 記載の包装体の製造方法において、細菌の芽 胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ 及び酵母の生存は許容しないように殺菌され 、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度 を有した内容物を、その調合タンクから充填 機のノズルへと流すプロダクトラインに対し て、所定温度の加熱水又は開放蒸気若しくは 加圧蒸気を所定時間通し、細菌の芽胞の生存 は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母 の生存は許容しないように、上記プロダクト ライン内を殺菌し、陽圧化し、しかる後に、 無菌水又は上記内容物を上記プロダクトライ ンに通してプロダクトライン内を常温まで冷 却し、この冷却したプロダクトラインを通し て上記内容物を容器へと供給するようにした 場合は、酸性度がある程度高く芽胞の残留が 許容されるが、ホットパック法には不適合な 酸性飲料を容器等の包装材内に充填するため のプロダクトラインを、短時間で簡易に殺菌 することができる。したがって、内容物を容 器内に充填する包装ラインを速やかに稼動す ることができ、包装体の生産効率を高めるこ とができる。

 請求項27に記載されるように、請求項26に 記載の包装体の製造方法において、上記加熱 水の温度を80℃~140℃とし、これを1分間~30分 プロダクトラインに通すようにした場合は プロダクトラインを適正な熱効率で殺菌す ことができる。

 請求項28に記載されるように、請求項23に 記載の包装体の製造装置において、細菌の芽 胞の生存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ 及び酵母の生存は許容しないように殺菌され 、上記細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度 を有した内容物を、その調合タンクから充填 機のノズルへと流すプロダクトラインに対し て、所定温度の加熱水又は開放蒸気若しくは 加圧蒸気を所定時間通し、細菌の芽胞の生存 は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母 の生存は許容しないように、上記プロダクト ライン内を殺菌し、陽圧化する加熱殺菌手段 と、加熱殺菌手段による殺菌後に、無菌水又 は上記内容物を上記プロダクトラインに通し てプロダクトライン内を常温まで冷却する冷 却手段とが更に設けられたものとした場合は 、酸性度がある程度高く芽胞の残留が許容さ れる内容物を容器等の包装材内に充填するた めのプロダクトラインを、短時間で簡易に殺 菌することができる。したがって、内容物を 容器内に充填する包装ラインを速やかに稼動 することができ、包装体の生産効率を高める ことができる。

 請求項29に記載されるように、請求項28に 記載の包装体の製造装置において、上記加熱 水の温度を80℃~140℃とし、これを1分間~30分 プロダクトラインに通すようにした場合は プロダクトラインを適正な熱効率で殺菌す ことができる。

 請求項30に記載されるように、請求項28に 記載の包装体の製造装置において、上記内容 物の酸性度をpH4.6未満とした場合は、芽胞の 芽を抑止することで足りるので、プロダク ライン内に送る加熱水の温度、流量、供給 間等を適度に短縮することができ、したが て後の常温までの冷却を速やかに行って充 作業を速やかに開始することができる。

 請求項31に記載されるように、請求項11に 記載の包装体の製造方法において、容器(2)内 の殺菌から内容物(a)の充填を経て蓋(3)による 密封までの工程を無菌チャンバー(23,24,26,27) で行い、この無菌チャンバー(23,24,26,27)内を 菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養細 、カビ及び酵母の生存は許容しないように 菌剤と加熱水とで予め殺菌処理することと た場合や、請求項32に記載されるように、 求項23に記載の包装体の製造装置において、 第一の殺菌処理手段(5)、第二の殺菌処理手段 (6)、内容物充填手段(7)及び密封手段(8)が無菌 チャンバー(23,24,26,27)で覆われ、無菌チャン ー(23,24,26,27)内には殺菌剤と加熱水を順に噴 するノズル(78,79)が設けられ、このノズル(78 ,79)から殺菌剤と加熱水が順に噴射されるこ によって、上記無菌チャンバー(23,24,26,27)内 細菌の芽胞の生存は許容するが細菌の栄養 胞、カビ及び酵母の生存は許容しないよう 予め殺菌処理されるようにした場合は、殺 剤、加熱水、ホットエア等のユーティリテ の使用量を低減することができ、また、殺 処理を短時間で行うことができる。したが て、包装体の製造コストを低減することが き、また、速やかに包装体の製造に着手す ことができる。

本発明に係る包装体の一実施形態を表 正面図である。 本発明に係る包装体製造方法の一実施 態を表すフローチャートである。 図2に示す各ステップでの工程を示す説 明図である。 本発明に係る包装体製造装置の一実施 態を表す概略平面図である。 過酸化水素ガス生成装置の一例を表す 分切欠立面図である。 本発明に係る包装体製造装置の他の実 形態を表す概略平面図である。 過酸化水素ガス生成装置の他の一例を す部分切欠立面図である。 本発明に係る包装体の他の実施形態を す正面図である。 本発明に係る包装体製造装置における ロダクトラインの一例を示すブロック図で る。 図9に示すプロダクトラインを接続し 包装ラインの一例を示すブロック図である 本発明に係る包装体製造装置における 無菌チャンバー内殺菌装置を示す平面図であ る。 図11中、XII-XII線矢視断面図である。

符号の説明

 1,28…包装体、 2…ボトル、 2a…ボトル 口部、 3…キャップ、 5,6,7…ノズル、 8… ャッパー、 10…プリフォーム、 23,24,26,27 無菌チャンバー、 a…飲料、 b…過酸化水 のミスト又はガス、 c…加熱水、 76…導管  77…帰還用の導管、 78…殺菌剤用スプレ ノズル、 79…加熱水用スプレーノズル。

 以下、本発明の最良の形態について図面 基づいて説明する。

 <実施の形態1>
 図1に示すように、この包装体1は容器であ ボトル2と蓋であるキャップ3とを備える。ボ トル2の口部2aには雄ネジ2bが形成され、キャ プ3には雌ネジ3aが形成され、雌雄ネジ3a,2b 螺合によりボトル2の口部2aが密封される。

 ボトル2は、略試験管状のPET製プリフォー ム(図示せず)をブロー成形することにより形 される。ボトル2は、PET製に限らずポリプロ ピレン、ポリエチレン等他の樹脂を用いるこ とも可能である。プリフォームは、射出成形 等により成形され、略試験管状の本体とボト ル2におけると同様な口部2aとを備える。この 口部2aにはプリフォームの成形と同時に雄ネ 2bが形成される。キャップ3はポリプロピレ 等の樹脂を材料にして射出成形等により形 され、キャップ3の成形と同時に雌ネジ3aも 成される。

 ボトル2内は、内容物である液体飲料aの 填前に、細菌の芽胞の生存は許容するが細 の栄養細胞、カビ及び酵母の生存は許容し いように殺菌剤と加熱水とで殺菌される。

 殺菌剤としては例えば過酸化水素が用い れる。この過酸化水素のミスト又はガスが 成され、ミスト又はガスがボトル2内に口部 2aから導入される。このようにボトル2内が過 酸化水素のミスト又はガスで殺菌されるので 、ボトル2の内面がムラなく殺菌され、過酸 水素の使用量の低減化が可能となる。

 細菌の芽胞を殺菌する必要がないので、 酸化水素の使用量は少なくて済む。例えば 過酸化水素のミストの使用量は、5~50μL(マ クロリットル)/ボトルである。過酸化水素の ガスを使用する場合は、ガス濃度は1~5mg/Lで る。

 また、加熱水は65℃~75℃の温度で供給さ 、5~10L/minの流量でボトル2内に供給される。 の加熱水がボトル2内に導入されることより 、過酸化水素によって殺菌されにくいが熱に は比較的弱い子嚢菌類等のカビ胞子が殺菌さ れる。また、加熱水によりボトル2内が洗浄 れる結果、ボトル2内での過酸化水素の残留 防止される。

 ボトル2内には細菌の芽胞が生きたまま残 留するが、細菌の芽胞の発芽を抑止しうる酸 性度を有した殺菌処理済み飲料aがボトル2内 充填されることにより、飲料の変質、腐敗 防止される。この飲料の酸性度は、望まし はpH4.6未満、より望ましくはpH4未満である pH4.6~pH4の飲料には、例えばトマトジュース 野菜ジュースがあり、pH4.6以下の飲料には、 例えばレモンティー、オレンジジュース、乳 性炭酸飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジ ュース、ぶどうジュース、果汁ジュースがあ る。

 また、この飲料aは常温でボトル2内に充 される。飲料aは予め加熱等により殺菌処理 れ、3℃~40℃の常温まで冷まされた上でボト ル2内に充填される。上述したようにボトル2 では細菌の芽胞の生存が許容されるので、 来のように飲料aを高温まで加熱した状態で ボトル2に充填したり、ボトル2に充填後長時 保持したり、ボトル2に充填してキャップ3 閉じた包装体1を外部から加熱して殺菌した する必要がない。従って、内容物である飲 aが変質し難く、また、飲料aの加熱、冷却 伴うボトル2の変形を考慮した減圧吸収パネ の形成や、ボトル2の口部2aの結晶化が不要 なる。

 ボトル2の口部2aはキャップ3により閉じら れ、ボトル2内に外部の空気や微生物が侵入 ないように密封される。上述したように飲 aが常温で充填されるので、ボトル2の口部2a は熱による変形が生じない。これにより、 トル2の口部2aにはキャップ3のリブ3bが正常 密着し、ボトル2が長期にわたり密封される 。

 以上のように、ボトル2内では細菌の芽胞 のみが残留し、この細菌の芽胞は内容物であ る飲料aの酸性によって発芽が抑止され静菌 態に保持されることから、飲料aは腐敗が防 され長期間にわたり正常に、しかも常温下 保存が可能となる。従って、この包装体1は いわゆる商業無菌製品となる。

 次に、上記包装体の製造方法について説 する。

 図2に示すように、内容物である飲料aが 合され(ステップS1)、加熱殺菌処理が行われ (ステップS2)。ここで、加熱温度は、飲料の 酸性度がpH4.0の場合は90~98℃程度、pH4.0~4.6の 合は115~122℃程度とされる。これにより、充 前の飲料a中の包装体内で発育しうる微生物 が全て殺菌される。

 加熱殺菌処理された飲料aは、3℃~40℃程 の常温まで冷却される(ステップS3)。この冷 は、加熱された飲料aを加熱前の飲料aとの で熱交換することにより行うことができる

 一方、プリフォームが用意され(ステップ S6)、ブロー成形機によりプリフォームからボ トル2がブロー成形される(ステップS7)。ボト 2はPETのほか、ポリプロピレン、ポリエチレ ン等他の樹脂で作ることもできる。

 ボトル2の内面に対して過酸化水素と加熱 水による殺菌処理が行われ、ボトルの外面に 対して過酸化水素による殺菌処理が行われる (ステップS8、S9)。上記プリフォームの供給( テップS6)からボトル2の成形(ステップS7)を経 てこの殺菌処理(ステップS8)に至る工程は時 場所を異にして別々に行うことも可能であ が、望ましくは連続して行われる。連続し 行われることにより、包装体1を製造する場 まで容積の大きいボトル2の形態ではなく容 積の格段に小さいプリフォームの形態で運搬 することができ、それだけ運送費が減り包装 体1の製造費が低減する。

 過酸化水素は後述する過酸化水素ガス生 装置4によりミスト化され、図3(A)に示すよ に、このミストがノズル5からボトル2に向か って吐出される。ノズル5の開口はボトル2の 部2aの開口に間隔を置いて臨み、ノズル5か 吐出されるミストbがボトル2内に流入する ミストbはボトル2の内面全体に付着し、ボト ル2内の細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺 する。このボトル2内に供給する過酸化水素 ミストbの量は、5~50μL/ボトルであり、その 菌力は細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺 するが、細菌の芽胞は殺菌しない程度とさ る。これにより、過酸化水素の使用量の低 化が可能となる。

 また、図3(A)及び図4のごとく、ノズル5の 傍にはノズル5下のボトルを取り囲むように トンネル29が配置され、このトンネル29内に 濃度の過酸化水素ミスト又はガスが滞留す 。このため、過酸化水素のミスト又はガスb ボトル2の外面全体に付着し、ボトル2の外 に付着した細菌の栄養細胞、カビ及び酵母 殺菌する。このようにボトル2の外面も殺菌 れることから、ボトル2の外面に付着した細 菌の栄養細胞、カビ及び酵母のボトル2内へ 侵入と無菌充填機内への菌の持ち込みが防 され、ボトル2内に充填される飲料aの汚染が 防止される。

 殺菌剤である過酸化水素により内外面が 菌されたボトル2は、加熱水による殺菌に付 される(ステップS9)。具体的には、図3(B)に示 ように、65℃~75℃の温度の加熱水が、5~10L/mi nの流量でノズル6からボトル2内に供給される 。その際望ましくはボトル2は倒立状態とさ 、下向きになった口部2aからノズル6がボト 2の肩部まで挿入される。ボトル2内に流入し た加熱水cはボトル2内を巡って口部2aからボ ル2外に流出する。この加熱水cによって、過 酸化水素によって損傷を受けた子嚢菌類等の 一部のカビが殺菌される。また、この加熱水 cによってボトル2内に残留した余剰の過酸化 素が洗い流され、ボトル2外に排出される。

 ここで、加熱水cによってボトル2の内面 殺菌される際、ボトル2の外面には過酸化水 のミストbが付着しているが、加熱水cの熱 ボトル2の壁を外側へと伝わることにより過 化水素によるボトル2の外面の殺菌効果が高 められる。

 加熱水cにより殺菌にされたボトル2に、 記殺菌処理され常温まで冷やされた飲料aが 温で充填される(ステップS5)。充填時の飲料 aの温度は3℃~40℃程度である。上述したよう 、この包装体1の製造方法では細菌の芽胞を 殺菌する必要がないので、飲料aを高温まで 熱した状態で充填したり、充填後長時間保 したり、包装体1を外部から加熱して殺菌し りする必要がない。従って、飲料aが変質し 難く、また、飲料aの加熱、冷却に伴うボト 2の変形を考慮して減圧吸収パネルを設けた 、ボトル2の口部2aを結晶化させたりする必 がない。

 飲料aの充填は、具体的には図3(C)に示すよ に、ノズル7をボトル2の口部2aに臨ませ、ノ ル7から飲料aを吐出させることによって行 れる。上述したように、この飲料aの酸性度 、望ましくはpH4.6未満、より望ましくはpH4 満であり、トマトジュース、野菜ジュース レモンティー、オレンジジュース、乳性炭 飲料、機能性飲料、炭酸入りレモンジュー 、ぶどうジュース、果汁ジュース等を充填 ることが可能である。すなわち、この製造 法によると、pH4.6以上の麦茶やミルク入り飲 料を除いたほとんど全ての飲料の包装体を製 造することができる。言うまでもなくコーラ やサイダーなど動物又は植物の組成成分を含 まず、炭酸ガス圧1.0kg/cm 2 (20℃)以上の炭酸飲料の包装体も製造可能で る。

 飲料aの充填に際し、ボトル2の外面も予 殺菌処理されているので、飲料aと共に微生 がボトル2内に引き込まれることはない。飲 料aの菌による汚染がより適正に防止される

 飲料aが定量充填されたボトル2は、図3(D) 示すようにキャップ3で密封される(ステッ S10)。キャップ3は予め多数集められ(ステッ 11)、飲料aが充填されたボトル2に向かって列 になって向かい、途中で過酸化水素のミスト bがキャップ3の内外面に向かって吹き付けら て殺菌処理され(ステップ12)、しかる後ボト ル2の口部2aにあてがわれ螺合せしめられる。

 キャップ3の殺菌方法としては、例えば特 許第3778952号公報で開示される方法を採用す ことができる。

 なお、少なくとも上記常温充填(ステップ 5)からキャッピング(ステップ10)に至る過程は 無菌チャンバー等で囲まれた無菌の雰囲気内 すなわち無菌の環境下で行われる。この無菌 チャンバー内は、予め過酸化水素の噴霧、加 熱水の放水等により、細菌の芽胞の生存は許 容するが細菌の栄養細胞、カビ及び酵母の生 存は許容しないように殺菌処理される。そし て、殺菌処理後は無菌エアが常時無菌チャン バー外に向かって吹き出るように、無菌チャ ンバー内に陽圧の無菌エアが供給される。

 キャッピングされたボトル2は上記包装体 1である製品となって製造工程から排出され (ステップ13)。

 次に、上述した包装体1の製造方法を実施 するための製造装置の一例について説明する 。

 図4に示すように、この製造装置は、上記 PET製ボトル2を所定の搬送路に沿って搬送す 手段を有する。

 搬送手段は、複数の各種ホイール11,12,13,1 4,15,16,17,18,19,20を次々と隣接するごとく水平 配置し、各ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20の 周りに図示しないグリッパーを所定のピッチ で多数配置することにより構成される。もち ろん、これらのホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19, 20は適宜追加、削除が可能である。隣り合う イールは互いに反対方向に同じ周速度で回 し、各ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20の外 でグリッパーが各ホイール11,12,13,14,15,16,17,18 ,19,20と同じ周速度で旋回する。搬送手段の搬 送路は、各種ホイール11,12,13,14,15,16,17,18,19,20 接続することにより円弧の連続となって延 、この円弧の連続線上を多数のボトル2が所 定の間隔で走行する。すなわち、ボトル2は 流側のホイールのグリッパーにより把持さ てホイールと共に旋回し、下流側のホイー に到達するとそのホイールのグリッパーに み替えられ、以後下流側のホイールへと一 速度で順次送られる。

 グリッパーとその開閉機構は公知のもの 使用するので、その詳細な説明は省略する

 図4に示すように、上記搬送路に沿って、 ボトル2内を殺菌剤である過酸化水素により 菌する(図3(A)参照)第一の殺菌処理手段のノ ル5と、ボトル2内に加熱水cを注入して殺菌 る(図3(B)参照)第二の殺菌処理手段のノズル6 、内容物である飲料aを殺菌処理済みのボト ル2内に常温で充填する(図3(C)参照)充填手段 ノズル7と、ボトル2を蓋であるキャップ3で 封する(図3(D)参照)密封手段としてのキャッ ー8とが順に配置される。

 また、ボトル2の外面を過酸化水素のミス トbで殺菌する外面殺菌処理手段も上記搬送 に沿って設けられるが、この実施の形態1で 上記第一の殺菌処理手段のノズル5がこの外 面殺菌処理手段を兼ねている。

 第一の殺菌処理手段のノズル5等が設けら れる第一のホイール11の上流側には導入コン ア11aが接続され、この導入コンベア11a上に ブロー成形機9が配置される。ブロー成形機 9にはプリフォーム10が供給され、ブロー成形 機9でプリフォーム10から成形されたボトル2 導入コンベア11aにより一定ピッチで第一の イール11へと送られる。

 第一の殺菌処理手段のノズル5の設置数は 一本でも複数本でもよい。このノズル5の先 における開口がボトル2の口部2aの開口に所 の間隔を置いて正対する。ノズル5の開口か 吐出する過酸化水素のミストbが図3(A)に示 ようにボトル2の口部2aからボトル2内へと流 込む。

 また、第一のホイール11においてノズル5 をボトル2が通る箇所には、ボトル2を取り むようにトンネル29が設けられる。ノズル5 開口から吐出する過酸化水素のミストbの一 はトンネル29内に充満し、ボトル2の外面に 着してボトル2の外面を効率よく殺菌する。

 過酸化水素のミストbは、例えば図5に示 過酸化水素ガス生成装置4により生成される この生成装置4は、殺菌剤である過酸化水素 の水溶液を滴状にして供給する二流体スプレ ーである過酸化水素供給部21と、この過酸化 素供給部21から供給された過酸化水素の噴 をその沸点以上の非分解温度以下に加熱し 気化させる気化部22とを備える。過酸化水素 供給部21は、過酸化水素供給路21a及び圧縮空 供給路21bからそれぞれ過酸化水素の水溶液 圧縮空気を導入して過酸化水素の水溶液を 化部22内に噴霧するようになっている。気 部22は内外壁間にヒータ22aを挟み込んだパイ プであり、パイプ内に吹き込まれた過酸化水 素の噴霧を加熱し気化させる。気化した過酸 化水素のガスはノズル5からボトル2の口部2a 向って噴出する。気化した過酸化水素は、 ズル5を出てボトル2の近傍に至るまでの間に 沸点以下の温度まで降下することにより、一 部が凝縮し液化する。これにより、過酸化水 素の気液混合体である微細なミストbが生成 れる。この過酸化水素の微細なミストbがノ ル5から上記ボトル2の内部に吹き込まれ、 トル2の内面の全体に付着する。ボトル2の内 面に付着したミストbは結露し、高濃度の過 化水素となって、ボトル2の内面を速やかに 菌する。

 このミストbは上述したように、従来のア セプティック法におけるよりも供給量が少な い。このミストbにより、ボトル2内の細菌の 養細胞、カビ及び酵母は殺菌されるが、細 の芽胞は生きたまま残留する。

 上記第一の殺菌処理手段のノズル5を含む ように、第一のホイール11の回りは第一の無 チャンバー23に囲まれる。第一の無菌チャ バー23内はノズル5から吐出されるミストbで 満し、同じく第一の無菌チャンバー23内に 給される無菌エアと共に第一の無菌チャン ー23におけるボトル2の出入口から吹き出し 微生物を含んだ外気の侵入を阻止する。上 ノズル5はこの第一の無菌チャンバー23に連 部材23aで連結されることにより、この第一 無菌チャンバー23内の定位置に固定される。

 上記ノズル5から吐出されるミストbは、 一の無菌チャンバー23内において、図3(A)に すように、トンネル29内に高濃度の過酸化水 素ミストが滞留し、ボトル2外へも流れてボ ル2の外面上に付着し或いは第一の無菌チャ バー23内を漂う細菌の栄養細胞、カビ及び 母を殺菌する。

 第二のホイール12の外周に配置されるグ ッパーは、図示しないが水平枢軸を介して 二のホイール12側に支持され、第二のホイー ル12の旋回軸を中心にして円弧状に湾曲する ムに接触することにより、第一のホイール1 1との接点からボトル2を受け取って進行する 、カムの案内により上下反転する。これに り、図3(B)に示すようにボトル2も上下反転 、その口部2aが下向きとなる。

 第二の殺菌処理手段のノズル6は、図3(B) 示すように、加熱水cを下向きになったボト 2内に供給するため上向きに一本又は複数本 配置される。ノズル6は各グリッパーの真下 グリッパーと共に旋回運動するように設け れる。図示しないが、各ノズル2は各グリッ ーの真下においてカム機構によって上下動 ボトル2内に出入り可能である。また、第二 の殺菌処理手段は、無菌の加熱水cをマニホ ド、中空管等からノズル6に供給するように っている。図3(B)に示すように、ノズル6か 吹き出た加熱水cはボトル2内を巡った後、口 部2aから流れ出る。各ボトル2の加熱水による 殺菌は図4中ホイール12の回りの二点鎖線で示 す領域内において行われる。

 この加熱水cは、芽胞の生残は許容するが カビ、酵母を滅菌することができる殺菌条件 で過熱殺菌した後に65℃~75℃の温度まで冷却 れており、5~10L/minの流量でノズル6から各ボ トル2内に供給される。また、この加熱水は ィルタによる濾過滅菌法により除菌した後 熱交換器で昇温することにより作ることも きる。この加熱水cによって、過酸化水素に って損傷を受けた子嚢菌類等の一部のカビ 殺菌される。また、この加熱水cによって、 ボトル2内に残留した余剰の過酸化水素が洗 流され、ボトル2外に排出される。また、こ 加熱水cの熱によってボトル2の外面に付着 た過酸化水素によるボトル2の外面の殺菌効 が高められる。

 図4に示すように、第二の殺菌処理手段の ノズル6を含むように第二~第四のホイール12,1 3,14の回りが第二の無菌チャンバー24により覆 われる。この第二の無菌チャンバー24内にも 圧の無菌エアが供給される。

 加熱水cで殺菌処理されたボトル2は、第 のホイール12から第三~第五のホイール13,14,15 を経て第六のホイール16へと受け渡される。 の第六のホイール16の所定位置に充填機25が 設置される。ボトル2はこの第六のホイール16 のグリッパーに把持されて搬送されつつ充填 機25で内容物である飲料aが充填される。充填 機25は、図3(C)に示すように、ノズル7を有し このノズル7から飲料aを所定量だけボトル2 に充填するようになっている。ノズル7は一 又は複数本設けることができる。

 充填時の飲料aの温度は3℃~40℃程度の常 である。また、飲料aの酸性度は、望ましく pH4.6未満、より望ましくはpH4未満であり、 マトジュース、野菜ジュース、レモンティ 、オレンジジュース、乳性炭酸飲料、機能 飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶどうジ ース、果汁ジュース等が充填される。

 充填機25のノズル7を含むように第五のホ ール15から第七のホイール17にわたる箇所が 第三の無菌チャンバー26により囲まれる。こ 第三の無菌チャンバー26内にも陽圧の無菌 アが供給される。

 図4に示すように、第八のホイール18の所 位置に密封手段であるキャッパー8が設置さ れる。飲料aが充填されたボトル2がキャッパ 8に到達すると、図3(D)に示すように、ボト 2の口部2aにキャップ3が巻締められる。

 このキャッパー8を含むように第八~第十 ホイール18,19,20の回りが第四の無菌チャンバ ー27により覆われる。この第四の無菌チャン ー27内にも陽圧の無菌エアが供給される。

 キャッパー8によりキャップ3で閉じられ ボトル2は、リジェクト用の第十のホイール2 0を経由して搬出用のコンベア20aから第四の 菌チャンバー27外に包装体1として搬出され 荷される。一方、充填、キャッピング等に 障のあるボトル2はリジェクト用のコンベア2 0bから別経路で第四の無菌チャンバー27外に 出され、回収される。

 上記ノズル5から吐出されるミストbは、 一の無菌チャンバー23内で充満する。第一の 無菌チャンバー23内には、ボトル2に付着し、 或いはボトル2の走行に伴い発生する気流に って微生物が無菌チャンバー23,24,26,27内へと 侵入する恐れがあるが、こうした微生物に対 して無菌チャンバー23を漂う殺菌剤のミスト はガスが高濃度の過酸化水素水となって凝 する。このため、無菌チャンバー23内に侵 した微生物は速やかにかつ確実に殺菌され 。したがって、無菌チャンバー23,24,26,27内の 無菌性は長期間高度に維持されることとなり 、無菌性に優れた包装体の製造が可能となる 。

 その他、第一~第四の無菌チャンバー23,24, 26,27には、チャンバー内殺菌装置が付設され 。すべての無菌チャンバー23,24,26,27内は、 装体1の製造開始に先立ちこのチャンバー内 菌装置により殺菌される。この殺菌は過酸 水素等の殺菌剤のスプレー、加熱水の噴射 放水等により行われ、細菌の芽胞は残留す が細菌の栄養細胞、カビ及び酵母は殺菌さ る程度に行われる。

 <実施の形態2>
 図6に示すように、この実施の形態2では、 施の形態1の場合と異なり、導入コンベア11a ホイール12との間にホイール11b,11c,11dが配置 され、これらホイール11b,11c,11dが第一の無菌 ャンバー23内に収納されている。ボトル2は 導入コンベア11aからホイール11bを経てホイ ル11cに至り、ホイール11cの回りを走行しつ ノズル75から過酸化水素のガスbを吹き込ま 、ホイール11dを経てホイール12に至り、ホ ール12の回りを走行しつつ加熱水で殺菌され るようになっている。

 図7に示すように、ホイール11cは機台60上 起立する旋回軸61に水平に取り付けられ、 回軸61を軸にして回転可能である。ホイール 11cの盤面からは支柱61aが上方に伸び、支柱61a の上端に上記過酸化水素のガスbが流入する ニホルド62が固定される。マニホルド62の上 中央からは旋回軸61の軸心の延長線上で導 63が上方に伸び、この導管63が機台60に連結 れる支持部材64にベアリング65を介して保持 れる。これにより、マニホルド62はホイー 11cと一体で旋回軸61の回りを回転可能である 。

 また、ホイール11cの盤面からは他の支柱6 6が上方に伸び、この支柱66の上部にボトル2 ホルダー68が取り付けられる。支柱66及びホ ダー68は所定のピッチでホイール11bの回り 多数配置される。多数のホルダー68は支柱66 介してホイール11cに連結されるので、ホイ ル11cの回転と共に回転する。

 マニホルド62の回りからは各ホルダー68に 向って過酸化水素のガスbの供給管67がそれぞ れ伸び、各供給管67の先端に上記ノズル75が り付けられる。ノズル75は上記支柱に固定さ れ、その先端の開口がホルダー68に保持され ボトル2の口部2aに正対する。これにより、 イール11cが回転すると、ノズル75はホルダ 68に保持されたボトルと共に旋回軸61の回り 旋回し、過酸化水素のガスbをボトル2内に き込む。

 また、ホイール11bの周囲には、ホルダー6 8に保持されたボトル2の通り道を囲むように ンネル29が設けられる。上記ノズル75から吐 出されるガスbは、ボトル2の外側へも流れ、 ンネル29内において高濃度の過酸化水素ミ トとなって滞留し、ボトル2の外面上に付着 或いはトンネル29内を漂う細菌の栄養細胞 カビ及び酵母を殺菌する。

 上記マニホルド62の導管63の上端には、加 熱管70がシール部材71を介して接続される。 管63はマニホルド62と一体で加熱管70に対し 回転し、シール部材71が両管63,70の接続部か のガスbの漏れを防止する。加熱管70には図5 に示した過酸化水素ガス生成装置4が複数基 り付けられ、各過酸化水素ガス生成装置4か 過酸化水素のガスbが加熱管70内に供給され 。過酸化水素ガス生成装置4の稼動する台数 は、ボトル1の殺菌に必要とされるガスbの量 に応じて決定される。

 加熱管70の上流側にはブロア72、ULPA(Ultra  Low Penetration Air Filter)フィルタ73及び電熱器7 4で構成される熱風供給装置が設けられる。 ロア72から引き込まれた空気がULPAフィルタ73 で浄化され、電熱器74で所定温度まで加熱さ 、熱風hとなって加熱管70内に送られる。熱 hは過酸化水素の露点以上の例えば100℃以上 の温度に加熱された無菌エアとされる。この 熱風hは過酸化水素ガス生成装置4から送られ 過酸化水素のガスbをマニホルド62へと搬送 、各供給管67を通ってノズル75からボトル1 へと噴出させ、或いはボトル5外に流出させ 。

 ノズル75からボトル2内に過酸化水素のガ bが吹き込まれると、過酸化水素はミスト化 してボトル2の内面の全体に付着する。ミス はボトル2の内面に付着して凝結し、高濃度 過酸化水素となってボトル2の内面を速やか に殺菌する。また、同様にボトル2の外面に 付着して凝結し、高濃度の過酸化水素とな てボトル2の外面を速やかに殺菌する。

 この内外面を殺菌されたボトル2は、ホイ ール11dを経てホイール12へと送られ、実施の 態1の場合と同様にして、ノズル6から吹き る加熱水cにより殺菌処理される。

 この実施の形態2においても、上記ノズル 75から吐出されるミストbは、第一の無菌チャ ンバー23内に充満する。

 第一の無菌チャンバー23内には、ボトル2 付着し、或いはボトル2の走行に伴い発生す る気流に乗って微生物が無菌チャンバー23,24, 26,27内へと侵入する場合があるが、こうした 生物に対して無菌チャンバー23内を漂う殺 剤のミスト又はガスが高濃度の過酸化水素 となって凝結する。このため、無菌チャン ー23内に侵入した微生物は速やかにかつ確実 に殺菌される。したがって、無菌チャンバー 23,24,26,27内の無菌性は長期間高度に維持され こととなり、無菌性に優れた包装体の製造 可能となる。

 その他、この実施の形態3において、実施 の形態1におけるものと同一部分には同一の 号を付して示し、重複した説明を省略する

 <実施の形態3>
 図8に示すように、この実施の形態3におけ 包装体28の容器は、底部2cがペタロイド型、 るいはシャンパン底型である耐圧ボトル2と して形成される。このボトル2には、乳性炭 飲料、果汁入炭酸飲料、果実着色炭酸飲料 のボトル2内をガスで加圧する性質の飲料aが 充填される。

 図2に示すように、この飲料aは加熱殺菌( テップ2)され、冷却され(ステップ3)た後に 炭酸ガスを圧入される(ステップ4)。そして 低温でペタロイド型、あるいはシャンパン 型のボトル2内に充填され(ステップ5)、以後 施の形態1の場合と同様な工程を経て包装体 28とされる。

 その他、この実施の形態3において実施の 形態1の部分と同じ部分には同一の符号を付 て表すこととし重複した説明を省略する。

 PET製ボトルの外面、内面の殺菌効果(LRV(Lo g Reduction value)=log(付着菌数/ln(総数/陰性数)) ついて調べるため、試料A,B,C,D,を作成し、 1,2の結果を得た。

 ボトル外面の殺菌性について、表1のA,Bから 、過酸化水素ミストを外面に0.142μL/cm 2 付着させた後、ボトル内面に70℃の加熱水リ スを行うと、加熱水の熱がボトルの外面に わり殺菌効果が6.1LRVまで向上することが確 された。

 ボトル内面の殺菌性について、表2のC、Dか 、加熱水リンスのみでは子嚢胞子であるケ ミウムは殺菌効果4.8しか得られないが、過 化水素ミストを内面に12.1μL付着させること によって、殺菌効果6.1LRV以上が得られること が確認された。

 ボトル外面の殺菌効果は黒カビの一種で るAspergillus niger NBRC6341、ボトル内面の殺菌 効果は子嚢胞子の一種であるChaetomium globosum NBRC6347を指標菌とした。殺菌処理された外面 用BI、及び内面用菌付けボトルはポテトデキ トロース寒天培地、及びブドウ糖ペプトン 地で27℃のもと7日間培養することにより生 数を求めた。

 <実施の形態4>
 実施の形態1~3で使用されるプロダクトライ の殺菌方法及び装置について説明する。

 このプロダクトラインは、図10に例示す 無菌の包装ラインに接続される。

 この無菌の包装ラインは、細菌の芽胞の 存は許容するが細菌の栄養細胞、カビ及び 母の生存は許容しないように殺菌され、細 の芽胞の発芽を抑止しうる酸性度を有した 料である内容物を、図9に示すプロダクトラ インから供給されることによって、容器であ るPET(ポリエチレンテレフタレート)製ボトル に充填しようというものである。

 プロダクトラインは、図9に示すように、 飲料の調合工程(S14)、調合された飲料の貯留 程(S15)、調合された飲料の加熱・冷却工程(S 16)、加熱・冷却された飲料の無菌状態での貯 留工程(S17)、常温充填工程(S5)の各工程を順に 行うもので、飲料の調合工程(S14)を行うため 調合タンクから常温充填工程(S5)を行うため の充填機へと伸びる導管76を有する。

 この導管76上には、調合された飲料の貯 工程(S15)、調合された飲料の加熱・冷却工程 (S16)、加熱・冷却された飲料の無菌状態での 留工程(S17)の各工程に対応してバランスタ ク、加熱・冷却機、無菌タンクが順に設け れる。

 なお、調合タンク、バランスタンク、加 ・冷却機、無菌タンク及び充填機の図示は 略する。

 調合タンクは、ボトル等の容器に充填す 飲料を調合するためのタンクである。この 合タンクから次のバランスタンクに導管76 伸びている。

 バランスタンクは、調合タンクから来る 料を貯留するためのタンクであり、バッフ タンクとして機能するもので、必要に応じ 設けられる。

 殺菌・冷却機は、具体的には超高温瞬間 菌装置(UHT)であり、加熱と冷却を適宜切り えて超高温瞬間殺菌装置内を通る流体を加 又は冷却することが可能である。超高温瞬 殺菌装置は、飲料等の流体を高温であるが 時間で加熱することで、熱による飲料のダ ージを最小限に抑えながら殺菌する装置で る。したがって、飲料の風味、色等を保持 た殺菌が可能である。この殺菌・冷却機と ランスタンクとの間は、飲料を殺菌・冷却 からバランスタンクへと戻すための破線で す帰還用導管77で連結される。

 無菌タンクは、充填機の手前に設けられ バッファタンクであり、例えば充填機が一 的に停止したときに飲料を貯留するように っている。

 充填機は、図3に示すようなノズル7を有 、このノズル7から飲料を所定量だけボトル に充填するようになっている。この充填機 回りは図4又は図6に示したように無菌チャ バー26で囲まれ、ボトルに飲料を無菌状態で 充填することができるように、無菌チャンバ ー26内は無菌状態に保持される。

 このプロダクトラインによって飲料は次 ように処理された後に包装ラインへと供給 れる。

 飲料が調合タンクにおいて所望の割合で 合される(S14)。この調合された飲料はバラ スタンク内に一時貯留され(S15)、その後、加 熱・冷却機において加熱による殺菌と冷却水 による冷却の各処理を施される(S16)。

 この加熱・冷却機による加熱温度は、飲 の酸性度がpH4.0の場合は90~98℃程度、pH4.0~4.6 の場合は115~122℃程度とされる。これにより 充填前の飲料中における包装後に包装体内 発育しうる微生物が全て殺菌される。すな ち、細菌の芽胞の生残は許容するが細菌の 養細胞、カビ及び酵母の生存は許容しない うに殺菌される。生残した細菌の芽胞は、 記酸性度の飲料内ではその発芽を抑止され 。

 また、この加熱・冷却機による飲料の冷 温度は、2℃~40℃程度の常温である。加熱・ 冷却機によって、飲料は所望の温度まで冷却 される。

 常温まで冷却された飲料は、無菌タンク に一旦貯留され(S17)、その後、充填機へと られる(S5)。

 包装ラインは、図10に示すように、プリ ォームの供給(S6)、ボトルの成形(S7)、ボトル の過酸化水素による殺菌(S8)、ボトルの加熱 による殺菌(S9)、飲料の常温充填(S5)、キャッ ピング(S10)、キャップの供給(S11)、キャップ 殺菌(S12)、包装体の排出(S13)の各工程を含む 成となっている。

 なお、プリフォームの図示は省略するが ボトル、キャップ及び包装体は図1又は図8 例示する形態となって現れる。

 容器であるボトルは、この包装ラインに って次のように処理された後に包装体とさ る。

 まず、プリフォームが用意され(S6)、図示 しないブロー成形機によりプリフォームから ボトルがブロー成形される(S7)。ボトルはPET ほか、ポリプロピレン、ポリエチレン等他 樹脂で作ることもできる。

 ボトルの内外面に対して過酸化水素と加 水による殺菌処理が行われる(S8、S9)。上記 リフォームの供給(S6)からボトルの成形(S7) 経て殺菌処理(S8)に至る工程は時と場所を異 して別々に行うことも可能であるが、望ま くは連続して行われる。

 過酸化水素は公知の過酸化水素ガス生成 置によりガス化又はミスト化され、このミ ト又はガスがノズルからボトルに向かって 出される。過酸化水素はボトルの内面全体 付着し、ボトル内の細菌の栄養細胞、カビ び酵母を殺菌する。この過酸化水素の殺菌 は、細菌の栄養細胞、カビ及び酵母を殺菌 るが、細菌の芽胞は殺菌しない程度とされ 。これにより、過酸化水素の使用量の低減 が可能となる。

 また、過酸化水素のミスト又はガスはボ ルの外面に付着した細菌の栄養細胞、カビ び酵母も殺菌する。このようにボトルの外 も殺菌されることから、ボトルの外面に付 した細菌の栄養細胞、カビ及び酵母のボト 内への侵入が防止され、ボトル内に充填さ る飲料の汚染が防止される。

 過酸化水素により内外面が殺菌されたボ ルは、加熱水による殺菌に付される(S9)。具 体的には、65℃~75℃の加熱水が、図示しない ズルからボトル内に供給される。ボトル内 流入した加熱水はボトル内を巡ってボトル に流出する。この加熱水によって、過酸化 素により損傷を受けた子嚢菌類等の一部の 薬剤性のあるカビが殺菌される。また、こ 加熱水によってボトル内に残留した余剰の 酸化水素が洗い流され、ボトル外に排出さ る。

 加熱水により殺菌されたボトルに、上記 菌処理され常温まで冷却された飲料が常温 充填される(S5)。充填時の飲料の温度は2℃~4 0℃程度である。

 飲料の充填は、具体的には図3に示したよ うにノズルをボトルの口部に臨ませ、ノズル から飲料を吐出させることによって行われる 。上述したように、この飲料の酸性度は、望 ましくはpH4.6未満、より望ましくはpH4未満で り、トマトジュース、野菜ジュース、レモ ティー、オレンジジュース、乳性炭酸飲料 機能性飲料、炭酸入りレモンジュース、ぶ うジュース、果汁ジュース等である。

 飲料が定量充填されたボトルは、キャッ で密封される(S10)。キャップは予め多数集 られ(S11)、飲料が充填されたボトルに向かっ て列になって向かい、途中で過酸化水素のミ スト又はガスがキャップの内外面に向かって 吹き付けられて殺菌処理され(S12)、しかる後 トルの口部にあてがわれネジ等の利用によ て締め付けられる。

 キャップにより密封されたボトルは製品 ある包装体として包装ラインから排出され (S13)。

 上記プロダクトライン及び包装ライン中 少なくとも上記飲料の常温充填(S5)、ボトル の過酸化水素による殺菌(S8)、ボトルの加熱 による殺菌(S9)、キャッピング(S10)、キャッ の殺菌(S12)の各工程は、各々無菌チャンバー 23,24,26,27で囲まれた無菌の環境下で行われる

 上記プロダクトラインと無菌の包装ライ は、包装体の製造に先立ち、包装体内に微 物が混入して繁殖することがないように、 菌処理しておく必要がある。

 この殺菌処理は以下に述べるようにして われる。

 包装ラインについては、図4又は図6に示 た無菌チャンバー23,24,26,27内が殺菌処理され る。この殺菌処理は例えば無菌チャンバー23, 24,26,27内に過酸化水素を噴霧し、しかる後に 熱水を噴射すること等により、上記飲料及 ボトルの殺菌効果と同様な殺菌効果を得る とができる程度に行われる。これにより、 菌チャンバー23,24,26,27内は、細菌の芽胞は 残するが、細菌の栄養細胞、カビ及び酵母 滅菌処理される。

 そして、この殺菌処理後は、無菌エアが 菌チャンバー23,24,26,27内から無菌チャンバ 23,24,26,27外に向かって吹き出るように、陽圧 の無菌エアが無菌チャンバー23,24,26,27内に常 供給される。

 プロダクトラインについては、次のよう 殺菌処理がなされる。

 まず、所定温度の加熱水が所定時間プロ クトラインに通される。加熱水の温度は、 えば85℃であり、通す時間は例えば30分間で ある。

 この加熱水が図9中工程(S14)~工程(S5)に対 した調合タンク、バランスタンク、加熱・ 却機、無菌タンク、充填機の中を流れてそ らの内部と導管76,77とを加熱殺菌する。加熱 水は加熱殺菌手段としての加熱・冷却機によ って作られ、この加熱水が帰還用の導管77を ってバランスタンクと加熱・冷却機との間 循環し、また調合タンク、無菌タンク、充 機へと送られる。

 この加熱水による加熱処理により、プロ クトライン内では、上記飲料及びボトルの 菌効果と同様に、細菌の芽胞は生残するが 細菌の栄養細胞、カビ及び酵母は滅菌され 。

 加熱水による加熱処理後、上記無菌チャ バー23,24,26,27内に供給される陽圧の無菌エ と同様な無菌エアがプロダクトライン内に 時供給され、プロダクトライン内が陽圧に 持される。

 なお、上記加熱水に代えて開放蒸気若し は加圧蒸気を用いることも可能である。開 蒸気とは大気圧下で加圧されることなく供 される蒸気である。

 この後、常温の又は常温未満の無菌水が ロダクトラインに通されることによって、 ロダクトライン内が常温まで冷却される。 温は例えば2℃から40℃であるが、飲料の性 等に応じて設定される。

 この無菌水に代えて常温の又は常温未満 飲料を流すことによっても同様な冷却効果 得ることができる。その場合は、プロダク ラインの殺菌工程を充填工程へと速やかに り替えることができる。

 上記無菌水は、冷却手段としての上記加 ・冷却機を冷却用に切り替えることによっ 、上記加熱水を冷却することにより得るこ ができる。この冷却水を上記加熱水と同様 してプロダクトライン内で流すことによっ 、プロダクトライン内を常温まで冷却する とができる。

 かくて、酸性度がある程度高く芽胞の残 が許容されるが、ホットパック法には不適 な酸性飲料をボトル等の包装材内に充填す ためのプロダクトラインを、短時間で簡易 殺菌することができることとなり、したが て、速やかに包装ラインの稼動が開始され 包装体の生産効率が高められる。

 <実施の形態5>
 実施の形態1~4において、無菌充填が行われ 環境は、無菌環境保持手段によって、無菌 態に維持される。

 すなわち、図4又は図6に示すように、第 の殺菌処理手段、第二の殺菌処理手段、内 物充填手段、密封手段等は、無菌チャンバ 23,24,26,27によって覆われ、外界から遮断され る。そして、図11及び図12に示すように、無 チャンバー23,24,26,27には、殺菌剤用スプレー ノズル78と、加熱水用スプレーノズル79と、 菌エア供給装置80とが設けられる。

 殺菌剤用スプレーノズル78は、各無菌チ ンバー23,24,26,27内の全域に殺菌剤が付着する ように配置される。殺菌剤は過酸化水素が使 用され、殺菌剤用スプレーノズル78としては 酸化水素の噴霧に圧縮空気を利用する二流 ノズルが用いられる。

 殺菌剤用スプレーノズル78から噴射され 過酸化水素は各無菌チャンバー23,24,26,27内の 全域に付着する。

 なお、殺菌剤としては過酸化水素に代え 過酢酸を用いることも可能である。また、 酢酸をスプレーして殺菌処理した後に、過 化水素をスプレーして殺菌処理するように てもよい。

 加熱水用スプレーノズル79は、各無菌チ ンバー23,24,26,27内の全域に加熱水が吹き付け られるように配置される。加熱水は上記各種 実施の形態においてボトルの殺菌に使用され る加熱水の供給源から供給することができ、 80℃~100℃に加熱された加熱水が各無菌チャン バー23,24,26,27内に噴射される。加熱水用スプ ーノズルとしては、例えばスピンボールを いたスプレーノズルが使用される。

 加熱水用スプレーノズル79から噴射され 加熱水は各無菌チャンバー23,24,26,27内の全域 に付着する。

 無菌エア供給装置80は二基用意され、そ 各ダクトが無菌チャンバー26の天井に接続さ れる。各ダクトには、図12に示すように、水 部81と、この水平部81から無菌チャンバー26 天井に向かって垂下する垂直部82とが設け れる。水平部81内には、上流側から下流側に 向かってブロア83、ヒーター84、ULPAフィルタ( Ultra Low Penetration Air Filter)85が順に設けられ る。

 ブロア83の回転により、外気がダクト内 引き込まれ、この外気がヒーター84によって 約100℃に加熱されてホットエアとなり、ULPA ィルタ85によって除塵、除菌された後無菌エ アとなって無菌チャンバー26内に流入する。 の無菌エアは無菌チャンバー26内から他の 菌チャンバー23,24,27へと流れ、全無菌チャン バー23,24,26,27内に滞留してこれらの内部を陽 化し、無菌チャンバー23,27におけるボトル2 出入口等から流れ出る。これにより、無菌 ャンバー23,24,26,27内への、塵埃、菌類等を んだ外気の流入が防止される。

 上記ダクトの垂直部82には殺菌剤用スプ ーノズル86が取り付けられる。包装体1の製 に先立ち、この殺菌剤用スプレーノズル86か ら噴射される過酸化水素によってULPAフィル 85の表面とダクトの垂直部82内が殺菌処理さ る。

 次に、上記無菌環境保持手段の作用につ て説明する。

 無菌チャンバー23,24,26,27内は、無菌充填 開始に先立って殺菌処理される。

 各殺菌剤用スプレーノズル78,86から過酸 水素が噴射され、過酸化水素の噴霧が各無 チャンバー23,24,26,27内の全域に付着する。こ の過酸化水素の噴霧によって、各無菌チャン バー23,24,26,27内における細菌の栄養細胞、カ 、酵母が殺菌される。また、ダクトの垂直 82内、ULPAフィルタ85の表面も同様に殺菌さ る。

 過酸化水素の噴霧が終了した後、無菌エ 供給装置80のブロア83の作動によって、加熱 された無菌エアが無菌チャンバー23,24,26,27内 供給される。この加熱された無菌エアによ て各無菌チャンバー23,24,26,27内に付着した 酸化水素が乾燥され除去される。

 その後、加熱水用スプレーノズル79から 熱水が噴射され、無菌チャンバー23,24,26,27内 の全域に吹き付けられる。これにより、上記 過酸化水素によって損傷を受けた子嚢菌類の 一部のカビが殺菌される。

 無菌エア供給装置80のダクトには垂直部82 が設けられているので、スプレーされた加熱 水はこの垂直部82の存在によってULPAフィルタ 85への付着を阻止される。したがって、ULPAフ ィルタ85の加熱水による毀損が防止される。

 上記過酸化水素は所定の濃度のものが所 の流量で所定時間だけ供給され、上記加熱 も所定の温度のものが所定の流量で所定時 だけ供給される。

 かくて、無菌チャンバー23,24,26,27内は、 菌の芽胞の生残は許容するが細菌の栄養細 、カビ及び酵母の生残は許容しない程度の 菌状態とされる。これは既述した飲料等の 容物やボトル2の内部と同程度の無菌状態で る。

 そして、この無菌状態は、無菌エア供給 置80によって無菌エアが無菌チャンバー23,24 ,26,27内に常時供給されることによって維持さ れる。

 このように無菌チャンバー23,24,26,27内が 菌処理された後に、第一の殺菌処理手段、 二の殺菌処理手段、内容物充填手段、密封 段等が稼動し、無菌包装体1の製造が開始さ る。

 なお、本発明は上記実施の形態1~5に限定 れるものではなく、本発明の要旨の範囲内 おいて種々変更可能である。例えば、上記 施の形態1~5では、PET製ボトルを殺菌対象と たが、本発明はPET以外の材料、例えばポリ ロピレン、蒸着PET、ポリエチレン、ガラス 出来たボトルについても適用可能である。 た、ボトル以外の形態、例えばカップ状の 器についても適用可能である。

 また、上記実施の形態1~5では殺菌剤とし 過酸化水素を使用したが、過酸化水素に代 て過酢酸系殺菌剤を使用することも可能で り、また、その場合は加熱水に限らず常温 を使用することも可能である。