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Patent Searching and Data


Title:
PARTIAL MATTE HARDCOAT TRANSFER SHEET AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/133697
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for manufacturing a partial matte hardcoat transfer sheet in which the hardcoat layer is easily thickened and the partial matte layer is easily removed following transfer, and in which deterioriation in positioning accuracy between the partial matte layer and an optical marker is reduced. Using a curable resin as a vehicle and a colored matte ink of a color obtained by mixing a matte material, a partial matte layer (3) and an optical marker (2) are simultaneously formed on a base sheet (1) by means of a printing method employing the same plate. Next, a hardcoat layer (4) is formed over the entire surface of the base sheet by means of a liquid coating method.

Inventors:
KASAHARA TAKUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/001928
Publication Date:
November 05, 2009
Filing Date:
April 28, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NISSHA PRINTING (JP)
KASAHARA TAKUYA (JP)
International Classes:
B44C1/165; B29C45/14
Foreign References:
JP2000108594A2000-04-18
JP2005225096A2005-08-25
JP2004330431A2004-11-25
Attorney, Agent or Firm:
FUJIWARA, MICHIHIKO (JP)
Michihiko Fujiwara (JP)
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Claims:
 基体シートの上に、
 硬化性樹脂をビヒクルとしマット材を混合した色を有する着色マットインキを用い、部分マット層と光学マーカを同時に同一の版を用いて印刷法により形成する工程と、
次いで、前記部分マット層と前記光学マーカを含む基体シートの一の面の全面に、液体コーティング法によりハードコート層を形成する工程からなる、
成形同時転写用の部分マットハードコート転写シートの製造方法。
 前記着色マットインキは有色のマット材を含有していることを特徴とする請求項1に記載した部分マットハードコート転写シートの製造方法。
 前記着色マットインキは顔料及び/または染料からなる着色材を含有していることを特徴とする請求項1に記載した部分マットハードコート転写シートの製造方法。
 前記ハードコート層は、熱硬化性かつ活性エネルギー線硬化性の樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載した部分マットハードコート転写シートの製造方法。
 前記ハードコート層の上に、印刷法によって全面または部分に図柄層を形成する工程を含む請求項1に記載した成形同時転写用の部分マットハードコート転写シートの製造方法。
 前記ハードコート層を加熱して前記ハードコードコート層を半硬化状態とする工程と、
 前記半硬化状態としたハードコート層の上に、印刷法によって全面または部分に図柄層を形成する工程を含む請求項4に記載した成形同時転写用の部分マットハードコート転写シートの製造方法。
 基体シートの上に、
 前記基体シートの表面に接して部分マット層を形成し、前記基体シートの表面に接して光学マーカを形成し、前記部分マット層と前記光学マーカは、硬化性樹脂をビヒクルとしマット材を混合した色を有する着色マットインキを用い、印刷法により形成されたものであり、
 前記部分マット層と前記光学マーカを含む基体シートの面の全域に、厚さ2μm以上40μm以下のハードコート層を形成した成形同時転写用の部分マットハードコート転写シート。
 前記ハードコート層の上に、
さらに、全面または部分に図柄層を形成した請求項7に記載した成形同時転写用の部分マットハードコート転写シート。
 前記ハードコート層は半硬化状態のハードコート層であることを特徴とする請求項7に記載した部分マットハードコート転写シート。
 前記ハードコート層は半硬化状態のハードコート層であることを特徴とする請求項8に記載した部分マットハードコート転写シート。
Description:
部分マットハードコート転写シ ト及びその製造方法

 本発明は、成形同時転写法により製造す 成形品を加飾するために用いる転写シート 関するものであり、特に成形品の一部分に 消し感を付与する部分マットハードコート 写シートに関するものである。

 成形品の表面強度が高く、かつ、表面の 部に艶消し感を付与する装飾成形品を得る めに用いる転写シートとして、部分マット ードコート転写シートが知られている。部 マットハードコート転写シートは、基体シ トの上に部分的なマット層を形成し、その にハードコート層を形成したシートであり 成形品への転写にあたり樹脂成形品の表面 転移するハードコート層に、当該マット層 微細な凹凸形状を写し取るものである。

 従来、部分的なマット層として、マット を含む水溶性樹脂を用いた部分マットハー コート転写シートが知られている(例えば、 特許文献1参照)。

 一方、デザイン性の観点から部分マット ードコート転写シートの各層のパターン形 と装飾成形品の形状とが完全に同調するこ が要求される。そこで、部分マットハード ート転写シートは、従来、ハードコート層 上であってマージン部分に、光学マーカを 刷により形成している。そして、金型を有 る成形装置で当該光学マーカを読み取り、 型内で作成される樹脂成形品の形状と部分 ットハードコート転写シート上の部分マッ 層位置を同調させている。

 図7は従来の部分マットハードコート転写 シートの層構成と光学マーカを示す断面図で ある。基体シート1の上に部分マット層3が形 されている。部分マット層3を含み、基体シ ート1の上の全面にハードコート層4が形成さ ている。そして、ハードコート層4の上に光 学マーカ2が形成されている。また、ハード ート層4の上に図柄層9と接着層5が形成され いる。

特開2001-260596号公報

 上述したマット材を含む水溶性樹脂を用 た部分マットハードコート転写シートは、 分マット層、ハードコート層、さらに必要 応じて図柄層まで一連の印刷装置で印刷す インライン印刷が可能であり、製造工程が 略化されるなどの利点を有する。

 しかし、当該ハードコート層は印刷によ 形成するものであるために、ハードコート の厚さが制限される。このため、当該転写 ート転写後の加飾成形品は表面のハードコ ト層が一定厚さに限られ、これを厚くして ードコート層の強度を高めることができな 。また、インライン印刷装置中に乾燥装置 含むために、乾燥装置通過時間を長くして 厚く形成するハードコート層の乾燥をより 層進行させることもできない。さらに、転 後に、水洗して部分マット層を除去する必 があり、成形同時転写品の製造が煩雑であ た。

 そこで、本発明の課題は、ハードコート を厚くするとともに、転写後に部分マット の除去が容易な部分マットハードコート転 シートを得ることを課題とする。

 これら課題の解決には、部分マット層の 質を変更し、また、部分マット層を印刷法 より形成する工程の後に、部分マット層付 体シートを印刷機から取り出す工程と、ハ ドコート層を塗布する工程、当該ハードコ ト層を加熱乾燥する工程が含まれる。特に 熱乾燥する工程により、基体シートは収縮 る部分が生じる。同時に基体シートの他の 分は膨張する。つまり、単一の基体シート 中に、収縮部分と膨張部分が不規則に生じ 。そして、これらの工程により、部分マッ 層と、部分マット層形成の後に印刷により 成する光学マーカの位置精度保持が困難に るという新たな問題点が生じる。

 よって、本発明の課題は、上記課題に加 て、新たなに生じる部分マット層と光学マ カの位置精度悪化を抑制することにある。

 上記の課題を解決するために、本発明の一 態様にかかる成形同時転写用の部分マット ードコート転写シートの製造方法は、
 基体シートの上に、
 硬化性樹脂をビヒクルとしマット材を混合 た色を有する着色マットインキを用い、部 マット層と光学マーカを同時に同一の版を いて印刷法により形成する工程と、
次いで、前記部分マット層と前記光学マーカ を含む基体シートの一の面の全面に、液体コ ーティング法によりハードコート層を形成す る工程からなる。

 本発明にあって、着色マットインキの色 有彩色と無彩色の両方を含む。

 本発明の好ましい実施態様にあって、前 成形同時転写用の部分マットハードコート 写シートの製造方法における前記着色マッ インキは、有色のマット材を含有していて よい。本好ましい実施態様によれば、本発 にかかる成形同時転写用の部分マットハー コート転写シートの製造方法は、多様な着 インキを用いることができる。

 本発明の他の好ましい実施態様にあって 前記成形同時転写用の部分マットハードコ ト転写シートの製造方法における前記着色 ットインキは、顔料及び/または染料からな る着色材を含有していてもよい。本好ましい 実施態様によれば、本発明にかかる成形同時 転写用の部分マットハードコート転写シート の製造方法は、より一層多様な着色インキを 用いることができる。

 本発明のその他の好ましい実施態様にあ て、前記成形同時転写用の部分マットハー コート転写シートの製造方法における前記 ードコート層は、熱硬化性かつ活性エネル ー線硬化性の樹脂からなるものであっても い。本好ましい実施態様によれば、本発明 かかる成形同時転写用の部分マットハード ート転写シートの製造方法は、より一層多 なハードコート層を用いることができる。

 本発明のさらに他の好ましい実施態様に って、前記成形同時転写用の部分マットハ ドコート転写シートの製造方法は、前記ハ ドコート層の上に、印刷法によって全面ま は部分に図柄層を形成する工程を含むもの あってもよい。本好ましい実施態様によれ 、本発明にかかる成形同時転写用の部分マ トハードコート転写シートの製造方法は、 柄層を含んだより一層多様な成形同時転写 の部分マットハードコート転写シートの製 方法となる。

 本発明のさらに他の好ましい実施態様に って、前記成形同時転写用の部分マットハ ドコート転写シートの製造方法は、前記ハ ドコート層として熱硬化性かつ活性エネル ー線硬化性の樹脂を用い、前記ハードコー 層を加熱して前記ハードコードコート層を 硬化状態とする工程と、前記半硬化状態と たハードコート層の上に、印刷法によって 面または部分に図柄層を形成する工程を含 ものであってもよい。本好ましい実施態様 よれば、本発明にかかる成形同時転写用の 分マットハードコート転写シートの製造方 は、図柄層を含んだより一層多様な成形同 転写用の部分マットハードコート転写シー の製造方法となる。

 本発明の他の態様にかかる成形同時転写用 部分マットハードコート転写シートは、
 基体シートの上に、
 前記基体シートの表面に接して部分マット を形成し、前記基体シートの表面に接して 学マーカを形成し、前記部分マット層と前 光学マーカは、熱硬化樹脂をビヒクルとし ット材を混合した色を有する着色マットイ キを用い、印刷法により形成されたもので り、
 前記部分マット層と前記光学マーカを含む 体シートの面の全域に、厚さ2μm以上40μm以 のハードコート層を形成したものである。

 本発明の他の好ましい実施態様において 前記成形同時転写用の部分マットハードコ ト転写シートは、前記ハードコート層の上 、さらに、全面または部分に図柄層を形成 たものであってもよい。本好ましい実施態 によれば、ハードコート層に形成する艶消 領域のみならず、図柄層も位置が同調する 分マットハードコート転写シートとなる。

 本発明のその他の好ましい実施態様は、 記ハードコート層として熱硬化性かつ活性 ネルギー線硬化性の樹脂を用い、前記ハー コート層を加熱して前記ハードコードコー 層を半硬化状態としたものであってもよい 本好ましい実施態様によれば、本発明にか る成形同時転写用の部分マットハードコー 転写シートは、より一層多様な成形同時転 用の部分マットハードコート転写シートと る。

 本発明の更に他の好ましい実施態様にお て、前記ハードコート層として熱硬化性か 活性エネルギー線硬化性の樹脂を用い、前 ハードコート層を加熱して前記ハードコー コート層を半硬化状態として、さらに当該 ードコート層の上に、さらに、全面または 分に図柄層を形成したものであってもよい 本好ましい実施態様によれば、ハードコー 層に形成する艶消し領域のみならず、図柄 も位置が同調する部分マットハードコート 写シートとなる。

 以上説明した本発明、本発明の好ましい 施態様、これらに含まれる構成要素は可能 限り組み合わせて実施することができる。

 本発明の一の態様にかかる成形同時転写 の部分マットハードコート転写シートの製 方法は、他の工程とともに、硬化性樹脂を ヒクルとする着色マットインキを用い、部 マット層と光学マーカを同時に同一の版を いて印刷法により形成する工程と、液体コ ティング法によりハードコート層を形成す 工程を含むものである。このため、ハード ート層を厚くすることができる。また、転 後の成形品から基体シートを剥離すると同 に部分マット層が基体シートに付着して剥 される。さらに、部分マット層と光学マー の位置関係が実用上十分な精度で保持され 部分マット層等の転写層が成形品の形状に 調した装飾成形品を製造することができる のである。

 本発明の他の態様にかかる成形同時転写 の部分マットハードコート転写シートは、 の構成要素とともに、硬化性樹脂をビヒク とする着色マットインキを用い、部分マッ 層と光学マーカを印刷法により形成し、そ 上に一定厚さのハードコート層を形成した のである。このため、転写後の成形品から 体シートを剥離すると同時に部分マット層 基体シートに付着して剥離される。また、 分マット層と光学マーカの位置関係が実用 十分な精度で保持され、部分マット層等の 写層が成形品の形状に同調した装飾成形品 作成することができる。

図1は部分マットハードコート転写シー トの製造工程を説明する図である。 図2は部分マットハードコート転写シー トの製造工程における任意付加工程を説明す る図である。 図3は部分マットハードコート転写シー ト100の平面図である。 図4は部分マットハードコート転写シー トを使用する成形同時転写装置のシート送り 機構を示す正面図である。 部分マットハードコート転写シート100 使用する成形同時成形品の製造工程を説明 る図である。 図6は着色マットインキを使って形成し た部分マット層の模式推定断面図である。 従来の部分マットハードコート転写シ トを説明する断面図である。

 以下、図面を参照して本発明の実施例に かる成形同時転写用の部分マットハードコ ト転写シートの製造方法と成形同時転写用 部分マットハードコート転写シートをさら 説明する。本発明の実施例に記載した部材 部分の寸法、材質、形状、その相対位置な は、とくに特定的な記載のない限りは、こ 発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨の のではなく、単なる説明例にすぎない。

 図1は部分マットハードコート転写シート の製造工程を説明する図である。部分マット ハードコート転写シートの製造方法は、図1(a )、(b)、(c)の順序で進行する。図中、1は基体 ート、2は光学マーカ、3は部分マット層、4 ハードコート層である。なお図2以降の各図 において同じ構成部分については同じ符号を 付している。

 図2は部分マットハードコート転写シート の製造における任意付加工程を説明する図で あり、図柄層の形成を説明するものである。

 図1と図2には、部分マットハードコート 写シート製造過程の中間製品であるシート 完成品シートをそれぞれ断面図で示してい 。

 図1(a)に示すように、部分マットハードコ ート転写シートの製造は、基体シート1の準 から開始する。通常、基体シート1は帯状の ートである。基体シートの一方の面は剥離 を有する。当該剥離性を有する面は部分マ ト層やハードコート層を形成する面である

 基体シート1の材質としては、ポリプロピ レン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミ ド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系 樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シー ト、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔、グ ラシン紙、コート紙、セロハンなどのセルロ ース系シート、あるいは以上の各シートの複 合体などを使用することができる。基体シー ト1の剥離性を向上させるために、基体シー 1の表面に離型層を設けてもよい。離型層の 質としては、メラミン系樹脂、シリコーン 樹脂、フッ素系樹脂、セルロース誘導体、 素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、パラフ ン系樹脂およびこれらの複合物などを用い ことができる。離型層の形成方法としては ロールコート法、スプレーコート法などの ート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷 などの印刷法があげられる。

 次に、図1(b)に示すように、基体シート1 一方の表面上に部分マット層3と光学マーカ2 を形成する。部分マット層3と光学マーカ2は 基体シート1の表面に接して形成する。基体 シートの表面に離型層を形成した場合には、 部分マット層3と光学マーカ2は離型層に接し 形成される。

 部分マット層3と光学マーカ2を構成する 料は着色マットインキを用いる。着色マッ インキは硬化性樹脂をビヒクルとし、マッ 材を混合したインキである。硬化性樹脂は 熱や活性エネルギー線の照射によって硬化 る樹脂を意味する。硬化性樹脂は熱硬化性 脂と活性エネルギー線硬化性樹脂を含む。 硬化性樹脂は、エポキシ系樹脂、メラミン 樹脂、またはこれらの共重合樹脂や混合物 ある。活性エネルギー線硬化性樹脂は、後 するハードコート層の材料である活性エネ ギー線硬化性樹脂と同一樹脂である。

 マット材は、酸化珪素、酸化チタン、カ ボンブラック、沈降性バリウム、炭酸カル ウム、酸化カルシウム、タルク等を成分と る無機顔料や、フタロシアン、ジオキサジ 、アントラキノン系などの有機顔料である マット材の平均粒子径は1μm~5μmである。ハ ドコート層の凹凸となって現れる表現を意 するマット感に応じて、着色マットインキ 混合するマット材の量や粒径を調整する。 して、部分マット層3を形成したときにその 表面のグロス値175未満とする。グロス値が175 以上だと目視で艶に見えてマット感を呈さな い。

 着色インキに含まれる着色剤としては、 料又は染料が挙げられる。顔料としては、 ンジコ、アリザリン、カーサミン、アント アニン、フラボノイド、シコニン等の植物 素、アゾ、キサンテン、トリフェニルメタ 等の食用色素、黄土、緑土等の天然無機顔 、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミニ ムレーキ、マダーレーキ、コチニールレー 等が好ましく挙げられる。着色剤としての 料は平均粒子径が10nm~500nm程度である。

 着色マットインキは
(1)無色のマット材、ビヒクルと顔料及び/ま は染料の混合物、
(2)有色のマット材とビヒクルの混合物、
(3)有色のマット材、ビヒクルと顔料及び/ま は染料の混合物、
の場合がある。有色のマット材は、例えば、 カーボンブラックや着色された樹脂ビーズを 例示できる。

 着色マットインキは光学マーカの形成に 使うインキである。光学マーカは、光電菅 光源の種類によらず確実に検出される観点 ら黒色が好ましい。したがって、着色マッ インキの色は黒色が好ましい。

 部分マット層3は転写後に、基体シート1 ともに成形品から剥離することで、部分マ ト層3のマット形状、すなわち微細な凹凸形 、をハードコート層4の一部に写し取らせる ものである。本発明にかかる部分マットハー ドコート転写シートは、転写後に、ハードコ ート層と部分マット層との間で容易に剥離さ れ、部分マット層は基体シート1とともに成 品から分離される。この理由は、部分マッ 層の形成に硬化性樹脂をビヒクルとする着 インキを用いるからである。第2の理由は、 分マット層3を印刷で形成した後に、その上 にハードコート層を液体コーティング法で形 成するから、必然的に製造過程の部分マット 層付き基体シートは印刷機から取り外され、 十分加熱乾燥され、部分マット層の硬化が進 むからである。

 光学マーカ2は、部分マット層3と分離し 、基体シートのマージン部分であって基体 ートの表面に形成される。

 光学マーカ2と部分マット層3は、同一の 刷ラインで、相互に連続して印刷する。よ 好ましくは、光学マーカ2と部分マット層3は 同一の版を用いて、同時に印刷する。光学マ ーカ2と部分マット層3は同一の着色インキを いるので、同一の版を用いる同時印刷が容 に行える。

 基体シート上に、光学マーカ2と部分マッ ト層3を、同一印刷ラインを用いて、相前後 て(より好ましくは同時に)印刷するので、光 学マーカ2と部分マット層3の見当(すなわち、 相互距離と相互の位置関係)は精度高く形成 れる。

 図1(b)に示した部分マット層3付基体シー は、通常、ロール状に巻き取られて印刷機 ら取り外される。そして、ロールを巻き戻 、順次加熱炉などの加熱装置に送られて、 燥され、再度ロール状に巻き取られる。当 加熱処理工程で、基体シート1が収縮、膨張 ても、光学マーカ2と部分マット層3の配置 置は、実用上十分な位置関係精度が保持さ る。その結果、成形同時転写において、部 マットハードコート転写シート100と金型の 置決めを行う際、部分マット層3は光学マー 2を介して成形金型に対し、所定の位置に配 置できるようになる。このため、本発明にか かる部分マットハードコート転写シート100を 用いて樹脂成形品を作成すると、部分マット 層3が形成されていた箇所と成形品の形状が 全に同調した加飾成形品を作成することが きる。

 光学マーカ2と部分マット層3の形成を行 印刷方法は、グラビア印刷法、スクリーン 刷法、オフセット印刷法などである。

 部分マット層3の厚さは、通常0.5μm~30μm、 より好ましくは0.5μm~5μmである。この範囲に れば、二次元や三次元形状に成形同時転写 る際に基体シート1が伸ばされても、部分マ ット層3が剪断されることを防止でき、また 基体シート1の伸びに追随できず部分マット 3自体にクラックを生じることを防止できる からである。

 図6は着色マットインキを使って形成した 部分マット層の模式推定断面図である。部分 マット層3はマット材粒子32の表面を取り囲む 薄層のビヒクル33によって、基体シート1の表 面に固定されるものと考えられる。上述した 部分マット層3の厚さdは基体シートに接する から最長距離にある部分までの長さで表し 。なお、図6ではマット材粒子が単一層で基 体シートの表面に並んでいる場合を図示した が、マット材粒子は二層、三層に並んでいて もよい。

 続いて、図1(c)に示すように、基体シート 1、または部分マット層3および光学マーカ2の 上に全面的にハードコート層4を形成する。 ードコート層4は一定以上の硬度を有し、転 後に基体シート1を剥離した際に、基体シー ト1から剥離して転写層の最上層となる層で る。

 ハードコート層4は、紫外線硬化性樹脂な どの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの 放射線硬化性樹脂などに代表される紫外線や 電子線等で硬化する活性エネルギー線硬化性 樹脂からなる。ハードコート層4は熱硬化性 つ活性エネルギー線硬化性の樹脂であって よい。活性エネルギー線硬化性樹脂は、例 ば、ウレタンアクリレート系樹脂やシアノ クリレート系樹脂である。熱硬化性かつ活 エネルギー線硬化性の樹脂は、例えば、ウ タンアクリレート系樹脂やシアノアクリレ ト系樹脂にイソシアネートなどの添加剤を えた樹脂である。熱硬化性かつ活性エネル ー線硬化性の樹脂は加熱することにより、 脂中のモノマーやオリゴマーの一部が架橋 れ半硬化状態に成る。なお、半硬化状態の ードコート層は、さらに紫外線などの活性 ネルギー線を照射すれば硬化状態となる。

 本発明において、ハードコート層4は、そ の下面に形成済みの光学マーカ2を透過する とが必須である。上記した活性エネルギー 硬化性樹脂と熱硬化性かつ活性エネルギー 硬化性の樹脂は、透明または半透明であり 光学マーカ2を透過する。

 ハードコート層4は液体コーティング法で 形成する。液体コーティング法として、グラ ビアコート法、ロールコート法、コンマコー ト法、リップコート法などを例示できる。ハ ードコート層4の厚さは、通常2μm以上40μm以 であり、より好ましくは2μm以上10μm以下で る。上記の厚さ範囲にすれば、本発明の製 方法で作成した部分マットハードコート転 シート100を用いて得られる樹脂成形品の表 は厚いハードコート層が転移するから、表 硬度に優れたものとすることができる。

 ハードコート層4として熱硬化性かつ活性 エネルギー線硬化性の樹脂を選択する場合に は、ハードコート層を形成した後に、加熱し て半硬化状態とする。本発明によれば、加熱 に起因する基体シートの収縮、膨張が生じて も、部分マット層と光学マーカの位置精度が 保持されるので、その後に続く製造工程など に拘泥することなく、半硬化状態にするため の最適な加熱条件を設定することができる。 つまり、高温でかつ長時間の加熱を行っても よい。このため、本発明は、ハードコート層 4として熱硬化性かつ活性エネルギー線硬化 樹脂を用いる部分マットハードコート転写 ートの製造方法と当該転写シートとして、 り一層、適するものである。

 つづいて、本発明にかかる部分マットハ ドコート転写シートの任意的な追加構成で る図柄層9の形成について説明する。

 図2を参照して、図柄層9はハードコート 4の上に全面または一部の面に形成する。図 層9は、光学マーカ2よりも基体シート1の中 側に形成される。図柄層9の材質は、ポリビ ニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリ ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニル アセタール系樹脂、ポリエステルウレタン系 樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッ ド樹脂などの樹脂をバインダーとし、適切な 色の顔料または染料を着色剤として含有する 着色インキを用いるとよい。また、金属発色 させる場合には、アルミニウム、チタン、ブ ロンズ等の金属粒子やマイカに酸化チタンを コーティングしたパール顔料を用いることも できる。

 図柄層9の形成方法としては、オフセット 印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法 などの通常の印刷法などを用いるとよい。

 図柄層9は、金属薄膜からなるもの、ある いは印刷膜と金属薄膜との組み合わせからな るものでもよい。金属薄膜は、真空蒸着法、 スパッターリング法、イオンプレーティング 法、鍍金法などで形成する。表現したい金属 光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、 金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウ ム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、 これらの合金または化合物を使用する。

 図柄層9の上に必要に応じて接着層5を形 してもよい。接着層5は、被加飾面に上記の 層を接着するものである。接着層5としては 、被加飾の素材に適した感熱性あるいは感圧 性の樹脂を適宜使用する。接着層5の形成方 としては、グラビアコート法、ロールコー 法、コンマコート法などのコート法、グラ ア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法 ある。

 また、必要に応じて図柄層9とハードコー ト層4との間や、図柄層9と接着層5との間に各 層の層間密着性を向上させるアンカー層を形 成してもよい。

 図3は部分マットハードコート転写シート 100の平面図である。部分マットハードコート 転写シート100は帯状のシートであり、その長 手方向に個別転写領域51が繰り返して形成さ ている。個別転写領域51は単一の成形品に 写される領域の単位である。

 光学マーカ2には、帯状シートの長手方向 に直線状に形成される幅方向光学マーカ20と 状シートの長手方向に一定間隔で形成され 長手方向光学マーカ21が含まれる。幅方向 学マーカ20と長手方向光学マーカ21はマージ 領域、すなわち個別転写領域51の外側に形 される。

 図4を参照して部分マットハードコート転 写シート100の位置決め方法の一例を説明する 。部分マットハードコート転写シート100は巻 き出しロール71から巻き出され、金型の開口 61を通過して、巻き取りロール72に巻き取ら れる。幅方向位置決めセンサ10と長手方向位 決めセンサ11は光電菅である。幅方向位置 めセンサ10を金型の開口面61の上方および/ま たは下方に配置して、巻き出しロール71側お び/または巻き取りロール72側における部分 ットハードコート転写シート100の幅方向光 マーカ20を検出する。幅方向位置決めセン 10の検出信号に応じて部分マットハードコー ト転写シート100を正しい位置に調整する。

 また、長手方向位置決めセンサ11を金型 開口面61の巻き出しロール71側に配置して、 分マットハードコート転写シート100の長手 向光学マーカ21の位置を検出する。長手方 位置決めセンサ11の検出信号に応じて、部分 マットハードコート転写シート100の巻き出し 量を調整する。

 部分マットハードコート転写シート100を 用する成形同時成形品の製造工程を説明す 。当該製造工程は、図5(a)から(b)(c)(d)(e)の順 に進行する。

 図5(a)に示すように、A金型6とB金型7を開 て、その間に部分マットハードコート転写 ート100を送り込む。このとき光学マーカ2と 方向と長手方向位置決めセンサの働きなど より、望ましい相対位置で、部分マットハ ドコート転写シート100が停止する。

 図5(b)を参照して、A金型6とB金型7を型締 し、キャビティ内に溶融樹脂81を射出する。 溶融樹脂81の射出に起因する圧熱により、接 層5とハードコート層4が溶融樹脂81側に転写 される。

 その後、冷却あるいは自然放冷すれば溶 樹脂81が固化して固化樹脂8となり、図5(c)に 示す中間成形品115が作られる。

 次に、図5(d)を参照する。中間成形品115から 基体シート1を取り除く。このとき、部分マ ト層3も基体シート1に付着した状態で取り除 かれる。次いで、活性エネルギー線を照射し てハードコート層4を架橋硬化させる。活性 ネルギー線としては、紫外線などを用い、40 0~4000mJ/cm 2 程度の条件で照射するとよい。

 このようにして、図5(e)に示すハードコー ト樹脂成形品110が得られる。表面に転写され 硬化したハードコート層41の一部領域は艶消 領域31である。

 本発明にかかる部分マットハードコート 写シートは、枚葉の転写シートであっても い。

(実施例-1)
 PETフィルムの上にメラミン樹脂を1μm全面に 塗布し、その上にグラビア印刷法を用いて、 平均粒径3μmのシリカと着色剤として平均粒 径100nmのカーボンブラックを含有するメラミ ン樹脂で部分マット層と光学マーカを4μmの さで形成した後に、200℃で2分間熱処理を行 た。その後、充分硬化した部分マット層と 学マーカの上にグラビアコート法を用いて 硬化性かつ紫外線硬化性の樹脂を10μm塗布 、150℃で1分間加熱して半硬化させた。その 、熱硬化性かつ紫外線硬化性の樹脂の上に 状のパターンを黒色顔料で形成し、最後に 着層を形成し部分マットハードコート転写 ートを得た。

 この部分マットハードコート転写シート 用い成形同時転写法を利用して成形品の表 に転写し、基体シートを剥離した後、当該 間成形品に紫外線を照射し、三次元形状を する部分マット加飾成形品を得た。得られ 成形品はスチールウール擦傷性よく、成形 の形状と艶消しパターンが同調したもので った。

(比較例-1)
 PETフィルムの上にメラミン樹脂を1μm全面に 塗布し、その上に印刷法を用いて、平均粒径 3μmのシリカのみを含有するメラミン樹脂で 分マット層のみを4μmの厚さで形成した後に 200℃で2分間熱処理を行った。その後、充分 硬化した部分マット層の上にグラビアコート 法を用いて熱硬化性かつ紫外線硬化性の樹脂 を10μm塗布し、150℃で1分間加熱して半硬化さ せた。その後、熱硬化性かつ紫外線硬化性の 樹脂の上に帯状の図柄層と光学マーカを黒色 顔料で形成し、最後に接着層を形成し部分マ ットハードコート転写シートを得た。

 この部分マットハードコート転写シート 用い成形同時転写法を利用して成形品の表 に転写し、基体シートを剥離した後、当該 間成形品に紫外線を照射し、三次元形状を する部分マット加飾成形品を得た。得られ 成形品はスチールウール擦傷性よく、成形 の形状と艶消しパターンがずれたものであ た。

(比較例-2)
 PETフィルムの上にメラミン樹脂を1μm全面に 塗布し、その上に印刷法を用いて、平均粒径 3μmのシリカと着色剤として平均粒子径100nmの カーボンブラックを含有するメラミン樹脂で 部分マット層と光学マーカを4μmの厚さで形 し、その上にインライン方式で紫外線硬化 樹脂を1μm塗布し、80℃で10秒間熱乾燥した。 その後、硬化した紫外線硬化性樹脂の上に帯 状の図柄層を黒色顔料で形成し、最後に接着 層を形成し部分マットハードコート転写シー トを得た。

 この部分マットハードコート転写シート 用い成形同時転写法を利用して成形品の表 に転写した後、基体シートを剥離した後、 該中間成形品に紫外線を照射し、三次元形 を有する部分マット加飾成形品を得た。得 れた成形品はスチールウール擦傷性が悪く 成形品の形状とマットパターンが同調した のであった。

 本発明にかかる部分マットハードコート 写シートは、携帯電話などの通信機器、自 車外装パーツ、自動車内部の情報機器、家 製品などの分野において好適に用いること できる。

 1 基体シート
 2 光学マーカ
 3 部分マット層
 4 ハードコート層
 5 接着層
 6 A金型
 7 B金型
 8 固化樹脂
 9 図柄層
10 幅方向位置決めセンサ
11 長手方向位置決めセンサ
20 幅方向光学マーカ
21 長手方向光学マーカ
31 艶消し領域
32 マット材粒子
33 ビヒクル
41 硬化したハードコート層
51 個別転写領域
61 金型の開口面
81 溶融樹脂
100 部分マットハードコート転写シート
110 ハードコート樹脂成形品
115 中間成形品