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Title:
PATH SWITCH CONTROL METHOD FOR WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM, CONTROL DEVICE USED IN THE SYSTEM, AND WIRELESS BASE STATION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/008037
Kind Code:
A1
Abstract:
Path switch control can be conducted earlier and degradation of the efficiency of wireless communication is prevented. A wireless communication system (40) comprises a wireless terminal (30), wireless base stations (2-1, 2-2) for wireless communication with the wireless terminal (30), and a control device (1) for switching the path used for the communication with the wireless terminal (30) from a first path via a first wireless base station (2-1) to a second path via a second wireless base station (2-2). The control section (1) monitors the amount of remaining data addressed to the wireless terminal (30) and held in the first wireless base station (2-1), and controls the switch timing of switch to the second path depending on the result of the monitoring.

Inventors:
OHNO MASASHI (JP)
OSHIMA MASAMI (JP)
YASUOKA HIROTOMO (JP)
IZAWA YASUNARI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/063561
Publication Date:
January 15, 2009
Filing Date:
July 06, 2007
Export Citation:
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Assignee:
FUJITSU LTD (JP)
OHNO MASASHI (JP)
OSHIMA MASAMI (JP)
YASUOKA HIROTOMO (JP)
IZAWA YASUNARI (JP)
International Classes:
H04Q7/22; H04Q7/36; H04Q7/38
Domestic Patent References:
WO2007074511A12007-07-05
WO2007069319A12007-06-21
Foreign References:
JPH1051836A1998-02-20
JP2006245913A2006-09-14
JP2007089141A2007-04-05
Other References:
See also references of EP 2166774A4
None
Attorney, Agent or Firm:
SANADA, Tamotsu (10-31 Kichijoji-honcho 1-chom, Musashino-shi Tokyo 04, JP)
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Claims:
 無線端末と、当該無線端末と無線により通信する複数の無線基地局と、前記無線端末との通信に用いるパスを第1の無線基地局を介した第1のパスから第2の無線基地局を介した第2のパスに変更する制御装置とをそなえた無線通信システムにおいて、
 前記制御装置は、
 前記第1の無線基地局での前記無線端末宛のデータの残存量を監視し、
 その監視結果に応じて前記第2のパスへの変更タイミングを制御することを特徴とする、無線通信システムのパス切替制御方法。
 前記制御は、前記監視結果が所定の条件を満たす場合に実行され、該所定の条件を満たさない場合は、所定時間の経過により前記第2のパスへの変更を行なうことを特徴とする請求項1記載の無線通信システムのパス切替制御方法。
 前記制御装置は、
 前記データの残存量が第1の閾値以下であると判定すると、前記第1のパスから前記第2のパスへと変更する所定のタイミングの到来前であっても、前記第2のパスへの変更を実行することを特徴とする、請求項1又は2に記載の無線通信システムのパス切替制御方法。
 前記制御装置は、
 前記データの残存量の減少率が第2の閾値以下であると判定すると、前記第1のパスから前記第2のパスへと変更する所定のタイミングの到来前であっても、前記第2のパスへの変更を実行することを特徴とする、請求項1又は2に記載の無線通信システムのパス切替制御方法。
 前記制御装置は、
 前記第1の無線基地局から前記データの残存量についての報告を周期的に受けることにより、前記監視を行なうことを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の無線通信システムのパス切替制御方法。
 前記制御装置は、
 複数の前記無線端末毎に、前記データの残存量を監視することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の無線通信システムのパス切替制御方法。
 前記制御装置は、
 前記第2のパスへの変更を実行する際に、前記第1の無線基地局に対して前記無線端末へのデータ送信停止指示を与え、
 前記第1の無線基地局は、
 前記データ送信停止指示を受けると、前記無線端末へのデータ送信を停止することを特徴とする、請求項3又は4に記載の無線通信システムのパス切替制御方法。
 前記制御装置は、
 前記第2のパスへの変更が完了すると、前記第2の無線基地局に対して前記無線端末へのデータ送信開始指示を与え、
 前記第2の無線基地局は、
 前記データ送信開始指示を受けると、前記無線端末へのデータ送信を開始することを特徴とする、請求項3又は4に記載の無線通信システムのパス切替制御方法。
 無線端末と、当該無線端末と無線により通信する複数の無線基地局と、前記無線端末との通信に用いるパスを第1の無線基地局を介した第1のパスから第2の無線基地局を介した第2のパスに変更する制御装置とをそなえた無線通信システムにおける前記制御装置であって、
 前記第1の無線基地局での前記無線端末宛のデータの残存量を監視する監視部と、
 前記監視部での監視結果に応じて前記第2のパスへの変更タイミングを制御する制御部とをそなえたことを特徴とする、無線通信システムにおける制御装置。
 前記制御部が、
 前記監視部での監視結果が所定の条件を満たす場合に前記制御を実行する一方、該所定の条件を満たさない場合は、所定時間の経過により前記第2のパスへの変更を行なうことを特徴とする、請求項9記載の無線通信システムにおける制御装置。
 前記制御部が、
 前記データの残存量が第1の閾値以下であると判定すると、前記第1のパスから前記第2のパスへと変更する所定のタイミングの到来前であっても、前記第2のパスへの変更を実行することを特徴とする、請求項9又は10に記載の無線通信システムにおける制御装置。
 前記制御部が、
 前記データの残存量の減少率が第2の閾値以下であると判定すると、前記第1のパスから前記第2のパスへと変更する所定のタイミングの到来前であっても、前記第2のパスへの変更を実行することを特徴とする、請求項9又は10に記載の無線通信システムにおける制御装置。
 前記監視部が、
 複数の前記無線端末毎に、前記データの残存量を監視することを特徴とする、請求項9~12のいずれか1項に記載の無線通信システムにおける制御装置。
 無線端末と、当該無線端末と無線により通信する複数の無線基地局と、前記無線端末との通信に用いるパスを第1の無線基地局を介した第1のパスから第2の無線基地局を介した第2のパスに変更する制御装置とをそなえた無線通信システムにおける前記無線基地局であって、
 当該無線基地局内の前記無線端末宛のデータの残存量を検出する検出部と、
 前記検出部で検出された前記データの残存量を前記せいぎょ装置に通知する通知部とをそなえたことを特徴とする、無線通信システムにおける無線基地局。
Description:
無線通信システムのパス切替制 方法並びに同システムにおける制御装置及 無線基地局

 本発明は、無線通信システムのパス切替 御方法並びに同システムにおける制御装置 び無線基地局に関する。本発明は、例えば 無線区間の品質に応じて無線端末と通信す 無線基地局を切り替えるような無線通信シ テムに用いると好適である。

 無線通信エリア(セル)を提供する無線基 局(BTS:Base Transceiver Station)と、無線端末(MS:Mo bile Station)と、BTSを制御する基地局制御装置( RNC:Radio Network Controller)とをそなえた無線通 システムでは、MSは、BTSと電波で交信できる 範囲内に位置すれば前記BTSを介して他のMSと 信を行なうことができる。

 このような無線通信システムでは、一般 に、MSは、交信中のBTS及びMSの周辺に存在す る他のBTSとの通信品質を測定し、この通信品 質に関する情報をBTS経由でRNCに定期又は不定 期に報告する。RNCは、MSからの前記報告(通信 品質情報)に基づき、例えば、MSの移動などに より、MSと交信中のBTSとの通信品質が所定の 値以下に低下したことを検出すると、MSと 信中のBTSを他のBTSに切り替える、セル(パス) 切替制御機能を具備している。

 ところで、無線通信技術の1つであるHSDPA( High Speed Downlink Packet Access)では、下り(ここ では、BTSからMSへの通信方向)ピーク速度の高 速化、伝送遅延短縮を目的として、複数のMS 対して一つの共有リソースを動的に時分割 びコード多重して割り当てている。また、 送効率を向上させるため、AMC(Adaptive Modulati on and Coding)や、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reques t)などの技術を適用している。

 また、HSDPAでは、BTSで終端するトランスポ トチャネルとしてHS-DSCH(High Speed Downlink Shar ed Channel)を使用している。なお、このチャネ ルはPS(Packet Switch)ドメインでのみ適用される 。
 HSDPA通信時は、1つのチャネルを複数ユーザ 共用するため、また、MS側の輻輳及びバッ ァ・オーバフローなどを避けるために、Iur/I ub間でフロー制御が行なわれる。ここで、Iur は、RNC間で用いられるインタフェースであ 、また、Iubとは、RNCとBTSとの間で用いられ インタフェースである。なお、このフロー 御は、ユーザプレーン(U-plane)上のコントロ ルフレームであるHS-DSCH FP(High Speed Downlink Shared Channel Frame Protocol)を利用して行なわ る。

 上記HSDPAが適用される無線通信システム 全体動作の一例について、図6~図10を用いて 明する。図6は上記HSDPAが適用される無線通 システムのRNCとBTSとの間の通信動作を説明 るシーケンス図である。また、図7はキャパ シティリクエスト信号のフレームフォーマッ トを示す図であり、図8はキャパシティリク スト信号の設定値を示す図である。さらに 図9はキャパシティアロケーション信号のフ ームフォーマットを示す図であり、図10は ャパシティアロケーション信号の設定値を す図である。なお、キャパシティリクエス 信号は、RNCからBTS宛に送信するデータの伝 速度を要求するための制御信号である。ま 、キャパシティアロケーション信号は、前 キャパシティリクエスト信号に対する応答 号であり、BTSがRNC宛に前記伝送速度を通知 るための制御信号である。

 図7及び図8に示すように、キャパシティ クエスト信号のフレームフォーマットは、 該フレームのCRCを示すフレームCRC(Frame CRC) ィールドと、当該フレームがデータフレー かコントロールフレームかを示すFTフィール ドと、当該フレームのフレーム種別を示すフ レームタイプ(Frame Type)フィールド(例えば、 0x0A」)と、予備として使用されるスペアビ ト(Spare bit)と、ユーザデータの優先度を示 CmCH-PIフィールドと、ユーザデータの送信待 データバッファ量を示すユーザバッファサ ズ(User Buffer Size)フィールドと、予備のス アエクステンション(Spare Extension)フィール とをそなえて構成される。

 また、図9及び図10に示すように、キャパ ティアロケーション信号のフレームフォー ットは、当該フレームのCRCを示すフレームC RC(Frame CRC)フィールドと、当該フレームがデ タフレームかコントロールフレームかを示 FTフィールドと、当該フレームのフレーム 別を示すフレームタイプ(Frame Type)フィール (例えば、「0x0B」)と、予備として使用され スペアビット(Spare bit)と、ユーザデータの 先度を示すCmCH-PIフィールドと、送信可能な 最大のMAC-d PDU長を示す最大MAC-d PDU長(Max MAC- d PDU Length)フィールドと、RNCが送信するMAC-d PDU数の許容数を示すHS-DSCHクレジット(HS-DSCH  Credits)フィールドと、上記HS-DSCHクレジットの 有効区間(期間)を示すHS-DSCHインターバル(HS-DS CH Interval)フィールドと、上記HS-DSCHクレジッ の連続有効区間を示すHS-DSCHリピティション ピリオド(HS-DSCH Repetition Period)フィールドと 予備のスペアエクステンション(Spare Extensio n)フィールドとをそなえて構成される。

 HSDPAを適用した無線通信システムでは、 記のキャパシティリクエスト信号及びキャ シティアロケーション信号を用いて、図6に すようなフロー制御が行なわれる。図6はHSD PAが適用される無線通信システムのRNC100とBTS2 00との間の通信動作を説明するシーケンス図 ある。なお、RNC100とBTS200との間での前記フ ー制御を実現するために、HS-DSCH FPを規定 ることが標準化されている。

 このフロー制御では、まず、送信側とし のRNC100が、BTS200へのユーザデータ伝送速度( 以下、単に伝送速度ということがある)が0kbps であり、且つ、送信すべきユーザデータが一 定時間発生しているかどうかを判定すると、 受信側としてのBTS200宛に、キャパシティリク エスト信号(FT=1,CmCH-PI=N(Nの範囲は0~15),ユーザ ッファサイズ=U>0)を送信する(図6の(1)参照 )。

 BTS200は、RNC100から上記キャパシティリク スト信号を受信すると、RNC100での伝送速度 指定するためのキャパシティアロケーショ 信号(FT=1,CmCH-PI=N,PDU長(>0),クレジット(>0) ,インターバル(>0))をRNC100宛に送信する(図6 (2)参照)。ここでは、例えば、伝送速度を「 伝送速度:大」としている。

 次いで、上記キャパシティアロケーショ 信号を受信したRNC100は、BTS200により指定さ た伝送速度(「伝送速度:大」)にてユーザデ タ(HS-DSCHデータフレーム)をBTS200宛に送信す (図6の(3)参照)。なお、上記キャパシティリ エスト信号及びキャパシティアロケーショ 信号の送信契機に関する規定はなく、ユー により任意に設定することができる。例え 、同一チャネルで通信する他ユーザの増減 に起因して伝送速度を変更することが可能 なった場合、BTS200は、送信側からの契機(キ ャパシティリクエスト信号)を受信しなくて 、キャパシティアロケーション信号により 送速度を自律的に指定して、伝送速度の変 を行なうこともできる(例えば、図6の(4)及び (5)参照)。これと同様に、RNC100は、BTS200側か の伝送速度指定(キャパシティアロケーショ 信号)に従うことなく、自律的に伝送速度を 決定するようにもできる。

 このように、上記のようなフロー制御では 例えば、RNC100とBTS200との間の伝送路のボト ネック箇所に応じて、効率的に伝送速度を 御できるようになっている。
 次に、図11及び図12を用いて、上記無線通信 システムにおけるセル切替制御について説明 する。図11は無線通信システムにおけるセル 替制御を説明する模式図であり、図12はセ 切替制御に関するシーケンス図である。

 図11の(1)に示すように、例えば、MS300が、 BTS200-1のセル(図11の(1)の黒塗り部分)において 、BTS200-1と無線通信を行なっているとする。 のとき、MS300は、BTS200-1との通信品質及びMS3 00の周辺に存在する他のBTS200-2との通信品質 定期あるいは不定期に測定して、これらの 信品質測定結果をBTS200-1(200-2)経由でRNC100に 告している。なお、この測定処理は、図11の 点線矢印で示すコントロールプレーン(C-plane) を用いて行なわれ、ユーザデータの通信は、 図11の実線矢印で示すユーザプレーン(U-plane) 用いて行なわれる。

 RNC100は、MS300からの上記報告(通信品質測定 果)に基づいて、現在のセルよりも通信品質 がよくなる他のセルがないかどうかを判定す る。
 このとき、RNC100が、例えば、MS300のデータ 信に関して、BTS200-1のセルよりもBTS200-2のセ を用いた方が通信品質がよりよくなると判 した場合、図11の(1)に示す通信状態から図11 の(2)に示す通信状態へと、MS300が交信するセ をBTS200-2のセル(図11の(2)の黒塗り部分)に切 替えるセル(パス)チェンジ(セル切替制御)を 実施する。

 ここで、上記セル切替制御について、図12 シーケンス図を用いて更に説明する。この 12に示す例も、図11に示した例と同様、RNC100 、BTS200-1のセルから他のBTS200-2のセルへとセ ル切替制御を実施する場合を表している。
 まず、MS300が、交信中のBTS200-1のセルでの通 信品質及び他のBTS200-2のセルでの通信品質を 定し、その測定結果を、無線通信品質(イベ ントID:1D)としてRNC100宛に送信する。

 RNC100は、MS300から受信した無線通信品質 基づいて、セル切替制御を実施するかどう を判定する。図12に示す例では、MS300のデー 通信に関して、BTS200-1のセルよりもBTS200-2の セルを用いた方が、通信品質がよりよくなる と判定し、MS300と通信を行なうセルをBTS200-1( ルチェンジ元)のセルからBTS200-2(セルチェン ジ先)のセルへと切り替えるべく、セル切替 御の実施を決定する(「セルチェンジ起動」 照)。

 次に、セル切替制御の実施を決定したRNC1 00は、セルチェンジ先BTS200-2のRL(Radio Link)設 準備のために、RL再設定準備メッセージ(RL R ECONF.PREPARE)をBTS200-2に送信し、これを受信し BTS200-2は、その応答であるRL再設定準備完了 ッセージ(RL RECONF.READY)をRNC100に返信する。 た、RNC100は、確立要求メッセージ(ESTABLISH R EQUEST)をBTS200-2に送信し、これを受信したBTS200 -2は、その応答である確立確認メッセージ(EST ABLISH CONFIRM)をRNC100に返信する(符号(a)で示す 理参照)。

 また、RNC100は、BTS200-1のRL設定準備のために 、RL再設定準備メッセージ(RL RECONF.PREPARE)をBT S200-1に送信し、これを受信したBTS200-1は、そ 応答であるRL再設定準備完了メッセージ(RL  RECONF.READY)をRNC100に返信する(符号(b)で示す処 参照)。
 ここで、RNC100は、タイマを開始(「タイマ設 定」参照)し、アクティベーションタイムを め込んだ、RL再設定了承メッセージ(RL RECONF. COMMIT)及び物理チャネル再設定メッセージ(PHY. CH.RECONF)を、それぞれ、BTS200-1,BTS200-2及びMS300 送信する(符号(c)で示す処理参照)。ここで アクティベーションタイムは、後記非特許 献1に記載されるように、実際にセル切替を 行するまでのタイマ値として使用されるも であり、前記タイマが、このアクティベー ョンタイムにより設定されるタイマ値(以下 、単にタイマ値ということがある)を満了す と、RNC100によりセル切替制御が実施される うになっている。

 一方、BTS200-1は、RNC100からの下りデータ(ユ ザデータ)送信を停止させるためのフロー制 御信号である、キャパシティアロケーション 信号(伝送速度:0(クレジット=0,インターバル=0 ))をRNC100宛に送信する(符号(d)で示す処理参照 )。
 BTS200-1から上記キャパシティアロケーショ 信号を受信したRNC100は、BTS200-1へのユーザデ ータの送信を停止し、上記アクティベーショ ンタイム満了までセル切替制御の実施を待機 する一方、BTS200-1は、自局200-1内に残存するMS 300宛のユーザデータを上記タイマ値が満了す るまで送信し続ける。

 RNC100は、上記タイマ値の満了後、装置内パ (RNC100内の、BTS200-2への終端装置からHSDPA通 に関する終端装置まで)の設定を実行する(符 号(e)で示す処理参照)。
 一方、BTS200-2は、上記タイマ値の満了後、RN C100からの下りデータ(ユーザデータ)通信を再 開させるためのフロー制御信号である、キャ パシティアロケーション信号(伝送速度:X(MAC-d  PDU長,クレジット,インターバル>0))をRNC100 に送信する(符号(f)で示す処理参照)。

 すると、RNC100は、上記処理(符号(e)及び(f) で示す処理参照)の完了を検知し、MS300からRL 設定完了報告を示す物理チャネル再設定完 メッセージ(PHY.CH.RECONF.COMPLETE)を受信して、B TS200-2への下りデータ送信を再開する一方、 放要求メッセージ(RELEASE REQUEST)及び解放確 メッセージ(RELEASE CONFIRM)をBTS200-1と送受して 、BTS200-1との回線を切断する(符号(g)で示す処 理参照)。

 つまり、RNC100は、MS300とBTS200との間の無線 信品質(1D)の報告に基づいて、セル切替制御 実施を決定すると、アクティベーションタ ム(タイマ値)を設定し、そのタイマ値が経 するのを待ってから、BTS200-1(セルチェンジ )からBTS200-2(セルチェンジ先)へとセル切替制 御を実施する。
 なお、上記のセル切替制御は、後記非特許 献2及び3に開示されており、また、HSDPAを含 む無線通信システムにおけるセル切替制御方 法に関する技術として、下記特許文献1~4に記 載された技術がある。

 下記特許文献1には、古いノードにデータが 残存しているかどうかを判定し、この判定結 果に基づいて、RNCから古いノード宛のデータ 送信を停止することが開示されている。また 、下記特許文献2には、アクティベーション 間のネゴシエーションを行なうことが開示 れている。また、下記特許文献3及び4には、 ハンドオーバ時のサービングRNC(S-RNC),ドリフ RNC(D-RNC),ノードB及びユーザ用装置(UE)間のフ ロー制御信号処理について開示されている。

特表2005-510950号公報

国際公開第WO2004/057887号パンフレット

特表2005-525057号公報

特表2005-521360号公報 3rd Generation Partnership Project; Technical Spe cification Group GSM/EDGE Radio Access Network; Mobile  radio interface layer 3 specification; Radio Resourc e Control (RRC) protocol; lu Mode (Release 7) (3GPP TS44.118 V7.1.0 (2005-07)) 3rd Generation Partnership Project; Technical Spe cification Group Radio Access Network; High Speed Dow nlink Packet Access; Iub/Iur protocol aspects (Release  5) (3GPP TR25.877 V5.1.0 (2002-06)) 3rd Generation Partnership Project; Technical Spe cification Group Radio Access Network; High Speed Dow nlink Packet Access (HSDPA); Overall description; Stag e 2 (Release 7) (3GPP TS25.308 V7.1.0 (2006-12))

 ところで、上記のセル切替制御方法では、 ル切替制御は、上記タイマ値が満了するま 行なわれない。
 しかしながら、上記タイマ値が満了するま に、セルチェンジ元のBTS200-1が、MS300宛のユ ーザデータを送信完了することがある。この ような場合、BTS200-1内には、既に、MS300に送 すべきユーザデータが無いにもかかわらず 上記タイマ値が満了するまでセル切替制御 行なわれず、その結果、BTS200-1からMS300宛に 信すべきユーザデータが無い時間(無通信時 間)が発生するので、無線通信システムの通 効率が低下するという課題がある。

 また、通信環境の変化(悪化)などにより 上記タイマ値が満了するまでに、セルチェ ジ元のBTS200-1が、MS300宛のユーザデータを正 に送信完了できなくなる場合がある。この うな場合、BTS200-1がMS300宛にユーザデータを 正常に送信できないにもかかわらず、やはり 上記タイマ値の満了するまでセル切替制御は 行なわれない。その結果、ユーザデータの送 信遅延が発生するという課題がある。

 本発明は、以上のような課題に鑑み創案さ たもので、その目的の一つは、セル(パス) 替制御を早期に実施できるようにすること ある。その際好ましくは、前述のタイマに 存しないようにする。また、無線通信の通 効率低下を抑制することも目的の一つであ 。
 なお、前記目的に限らず、後述する発明を 施するための最良の形態に示す各構成によ 導かれる作用効果であって、従来の技術に っては得られない作用効果を奏することも 発明の他の目的の一つとして位置付けるこ ができる。

 上記の目的を達成するために、本発明では 下記の無線通信システムのセル切替制御方 並びに同システムにおける制御装置及び無 基地局を用いる。即ち、
 (1)本発明の無線通信システムのパス切替制 方法は、無線端末と、当該無線端末と無線 より通信する複数の無線基地局と、前記無 端末との通信に用いるパスを第1の無線基地 局を介した第1のパスから第2の無線基地局を した第2のパスに変更する制御装置とをそな えた無線通信システムにおいて、前記制御装 置は、前記第1の無線基地局での前記無線端 宛のデータの残存量を監視し、その監視結 に応じて前記第2のパスへの変更タイミング 制御する。

 (2)ここで、前記制御は、前記監視結果が所 の条件を満たす場合に実行され、前記所定 条件を満たさない場合は、所定時間の経過 より前記第2のへの変更を行なうようにして もよい。
 (3)また、前記制御装置は、前記データの残 量が第1の閾値以下であると判定すると、前 記第1のパスから前記第2のパスへと変更する 定のタイミングの到来前であっても、前記 2のパスへの変更を実行するようにしてもよ い。

 (4)さらに、前記制御装置は、前記データの 存量の減少率が第2の閾値以下であると判定 すると、前記第1のパスから前記第2のパスへ 変更する所定のタイミングの到来前であっ も、前記第2のパスへの変更を実行するよう にしてもよい。
 (5)ここで、前記制御装置は、前記第1の無線 基地局から前記データの残存量についての報 告を周期的に受けることにより、前記監視を 行なうようにしてもよい。

 (6)前記制御装置は、複数の前記無線端末毎 、前記データの残存量を監視するようにし もよい。
 (7)また、前記制御装置は、前記第2のパスへ の変更を実行する際に、前記第1の無線基地 に対して前記無線端末へのデータ送信停止 示を与え、前記第1の無線基地局は、前記デ タ送信停止指示を受けると、前記無線端末 のデータ送信を停止するようにしてもよい

 (8)さらに、前記制御装置は、前記第2のパス への変更が完了すると、前記第2の無線基地 に対して前記無線端末へのデータ送信開始 示を与え、前記第2の無線基地局は、前記デ タ送信開始指示を受けると、前記無線端末 のデータ送信を開始するようにしてもよい
 (9)また、本発明の無線通信システムにおけ 制御装置は、無線端末と、当該無線端末と 線により通信する複数の無線基地局と、前 無線端末との通信に用いるパスを第1の無線 基地局を介した第1のパスから第2の無線基地 を介した第2のパスに変更する制御装置とを そなえた無線通信システムにおける前記制御 装置であって、前記第1の無線基地局での前 無線端末宛のデータの残存量を監視する監 部と、前記監視部での監視結果に応じて前 第2のパスへの変更タイミングを制御する制 部とをそなえる。

 (10)また、前記制御部は、前記監視部での監 視結果が所定の条件を満たす場合に前記制御 を実行する一方、該所定の条件を満たさない 場合は、所定時間の経過により前記第2のパ への変更を行なうようにしてもよい。
 (11)ここで、前記制御部は、前記データの残 存量が第1の閾値以下であると判定すると、 記第1のパスから前記第2のパスへと変更する 所定のタイミングの到来前であっても、前記 第2のパスへの変更を実行するようにしても い。

 (12)また、前記制御部は、前記データの残存 量の減少率が第2の閾値以下であると判定す と、前記第1のパスから前記第2のパスへと変 更する所定のタイミングの到来前であっても 、前記第2のパスへの変更を実行するように てもよい。
 (13)さらに、前記監視部は、複数の前記無線 端末毎に、前記データの残存量を監視するよ うにしてもよい。

 (14)また、本発明の無線通信システムにお ける無線基地局は、無線端末と、当該無線端 末と無線により通信する複数の無線基地局と 、前記無線端末との通信に用いるパスを第1 無線基地局を介した第1のパスから第2の無線 基地局を介した第2のパスに変更する制御装 とをそなえた無線通信システムにおける前 無線基地局であって、当該無線基地局内の 記無線端末宛のデータの残存量を検出する 出部と、前記検出部で検出された前記デー の残存量を前記制御装置に通知する通知部 をそなえる。

 上記本発明によれば、すくなくとも次のい れかの効果ないし利点が得られる。
 (1)本発明の無線通信システムのパス切替制 方法によれば、制御装置が、無線基地局で 無線端末宛のデータの残存量を監視し、そ 監視結果に応じてパスの変更タイミングを 御するので、パス切替制御を早期に実施す ことができる。その結果、無線通信の通信 率低下を抑制することが可能となる。

 (2)また、前記データの残存量が第1の閾値以 下であると判定すると、前記パスの変更を実 行するようにすれば、より確実に早期のパス 制御を実施することができるので、無線通信 の無通信時間の発生を防止することが可能と なる。
 (3)さらに、前記データの残存量の減少率が 2の閾値以下であると判定すると、前記パス の変更を実行するようにすれば、より確実に 早期のパス制御を実施することができるので 、無線通信の送信遅延の発生を抑制すること ができる。

 (4)また、前記制御装置が、無線基地局から 記データの残存量についての報告を周期的 受けるようにすれば、前記データの残存量 減少率を容易に算出することが可能となる で、処理を単純化することができる。
 (5)さらに、前記制御装置は、複数の前記無 端末毎に、前記データの残存量を監視する うにすれば、より効果的にパスの変更を実 することができる。その結果、無線通信の 信効率をさらに向上させることが可能とな 。

 (6)また、前記制御装置が、パスの変更を実 する際に、無線基地局に対して無線端末へ データ送信停止指示を与え、前記無線基地 が、このデータ送信停止指示を受けると、 記無線端末へのデータ送信を停止するよう すれば、データの欠落を抑制しつつより確 にパスの変更を実施することができる。
 (7)さらに、前記制御装置が、パスの変更が 了すると、無線基地局に対して無線端末へ データ送信開始指示を与え、前記無線基地 が、このデータ送信開始指示を受けると、 記無線端末へのデータ送信を開始するよう すれば、無線通信の通信効率をさらに向上 せることが可能となる。

 (8)また、無線基地局において、検出部が 当該無線基地局内の無線端末宛のデータの 存量を検出し、通知部が、前記検出部で検 された前記データの残存量を前記制御装置 通知するので、前記制御装置は、確実に前 データの残存量を監視することができる。 の結果、上述のパス変更タイミング制御を 実に実施することができる。

本発明の一実施形態に係る無線通信シ テムにおける制御装置及び無線基地局の要 の構成を示す図である。 残存PDU情報テーブルの構成例である。 図1に示す無線通信システムの動作の一 例を説明するフローチャートである。 図1に示す無線通信システムの動作の一 例を説明するシーケンス図である。 図1に示す無線通信システムの動作の一 例を説明するシーケンス図である。 HSDPAが適用される無線通信システムのRN CとBTSとの間の通信動作を説明するシーケン 図である。 キャパシティリクエスト信号のフレー フォーマットを示す図である。 キャパシティリクエスト信号の設定値 示す図である。 キャパシティアロケーション信号のフ ームフォーマットを示す図である。 キャパシティアロケーション信号の設 定値を示す図である。 無線通信システムにおけるセル切替制 御を説明する模式図である。 図11に示すセル切替制御に関するシー ンス図である。

符号の説明

1 制御装置(RNC)
2-1,2-2 無線基地局(BTS)
3 RNC側信号受信部
4 RNC側RRC信号解析部
5 RNC側NBAP信号解析部
6 RNC側HS-DSCH FP信号解析部
7 残存PDU情報テーブル
8 RNC側RRC信号編集部
9 RNC側NBAP信号編集部
10 RNC側HS-DSCH FP信号編集部
11 BTS-IF
12 RNC側信号送信部
13 BTS側信号受信部
14 BTS側RRC信号解析部
15 BTS側NBAP信号解析部
16 BTS側HS-DSCH FP信号解析部
17 BTS側RRC信号編集部
18 BTS側NBAP信号編集部
19 BTS側HS-DSCH FP信号編集部
20 周期処理部
21 BTS側信号送信部
30 無線端末(MS)
40 無線通信システム

 以下、図面を参照して本発明の実施の形態 説明する。ただし、本発明は、以下に説明 る実施形態及び変形例に限定されず、本発 の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実 できることはいうまでもない。
 〔A〕一実施形態の説明
 (無線通信システム40の構成例について)
 図1は本発明の一実施形態に係る無線通信シ ステムにおける制御装置(基地局制御装置)及 無線基地局の要部の構成を示す図である。 の図1に示す無線通信システム40は、基地局 御装置(RNC)1と、複数の無線基地局(BTS)2-n(nは 2以上の整数であり、図1は、n=2の例である)と 、少なくとも1つの無線端末(MS)30(図1の例では 1台)とをそなえており、RNC1,BTS2及びMS30間の通 信を可能としている。なお、以下、上記BTS2-n を区別しない場合は、単にBTS2と表記するこ がある。

 (RNC1の構成例について)
 RNC1は、BTS2の上位装置として各種制御を実 する制御装置であり、MS30との通信に用いる スをBTS2-1を介した第1のパスからBTS2-2を介し た第2のパスに所定のタイミングで変更する 能を具備する。このために、RNC側信号受信 3と、RNC側RRC信号解析部4と、RNC側NBAP信号解 部5と、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6と、残存PDU 報テーブル7と、RNC側RRC信号編集部8と、RNC NBAP信号編集部9と、RNC側HS-DSCH FP信号編集部1 0と、BTS-IF11と、RNC側信号送信部12とをそなえ 構成される。

 ここで、RNC側信号受信部3は、MS30から無 信号を受信したBTS2から転送されるMS30からの 信号を受信して各処理部に与える処理を行な うものである。本RNC側信号受信部3は、例え 、MSとの通信で用いられる各プロトコルの信 号解析部(RNC側RRC信号解析部4,RNC側NBAP信号解 部5及びRNC側HS-DSCH FP信号解析部6)とのインタ フェースを有しており、BTS2から受信した信 のプロトコル種別を判別して、各プロトコ に対応する各信号解析部へ受信信号をそれ れ送出する。

 RNC側RRC信号解析部4は、MS30からBTS2を介し 送信された無線リソース制御(RRC:Radio Resourc e Control)信号を解析するものである。本RNC側R RC信号解析部4は、MS30からのRRC信号の解析結 に応じて、換言すればMS30主導で、BTS2とMS30 のいずれの制御を実施するかを決定する機 を具備している。

 ここで、RNC側RRC信号解析部4が、上記RRC信 号に基づき、BTS2の制御を実施すると決定し 場合は、RNC側NBAP信号編集部9又はRNC側HS-DSCH  FP信号編集部10に対して、その旨の制御メッ ージを編集するよう通知する一方、MS30の制 を実施すると決定した場合は、RNC側RRC信号 集部8に、その旨の制御メッセージを編集す るよう通知する。

 例えば、RNC側RRC信号解析部4が、上記RRC信 号により無線通信品質を受信した場合、この 無線通信品質に基づいて、MS30と交信するBTS2 セルを切り替える制御(即ち、BTS2の制御)を 施するかどうかを判定する。つまり、前記 線通信品質に基づいて、RNC1は、MS30とBTS2と 間の通信品質を向上させるべく、セル(パス )切替制御(セルチェンジ)の実施を決定する機 能を具備している。

 このとき、セルチェンジ元のBTS2-1とセル ェンジ先のBTS2-2では、MS30の通信リンクの再 設定をする必要があるので、RNC側RRC信号解析 部4は、BTS2-1,2-2宛にその旨の制御メッセージ 通知すべく、MS30との通信リンク再設定を指 示するためのRL再設定準備メッセージ(RL RECON F.PREPARE)及び確立要求メッセージ(ESTABLISH REQUE ST)を編集するよう、RNC側NBAP信号編集部9に通 する。

 次いで、MS30とBTS2-1,2-2との前記通信リン 再設定が完了すると、トランスポートチャ ルの切替をMS30へ指示するための物理チャネ 再設定メッセージ(PHY.CH.RECONF)を編集するよ 、RNC側RRC信号編集部8に通知する。そして、 RNC1が、MS30からの前記トランスポートチャネ 切替処理が完了したこと示す物理チャネル 設定完了メッセージ(PHY.CH.RECONF.COMPLETE)を受 ると、RNC側RRC信号解析部4は、MS30とセルチ ンジ元BTS2-1との通信リンクを解放するため 解放要求メッセージ(RELEASE REQUEST)を編集す ようRNC側NBAP信号編集部9へ通知して、セルチ ェンジ元BTS2-1との通信を解放(終了)するよう なっている。

 RNC側NBAP信号解析部5は、BTS2から送信され 基地局制御プロトコルであるNBAP(Node B Appli cation Protocol)信号を解析するものである。本R NC側NBAP信号解析部5は、BTS2から受信したNBAP信 号の解析結果に応じて、BTS2とMS30とのいずれ 制御を実施するかを決定する機能を具備し いる。つまり、BTS2主導でも、BTS2とMS30との ずれの制御を実施するかを決定する機能を 備している。

 ここで、RNC側NBAP信号解析部5が、BTS2の制 を実施すると決定した場合は、RNC側NBAP信号 編集部9又はRNC側HS-DSCH FP信号編集部10に、そ 旨の制御メッセージを編集するよう通知す 一方、MS30の制御を実施すると決定した場合 は、RNC側RRC信号編集部8に、その旨の制御メ セージを編集するよう通知する。

 例えば、RNC側NBAP信号解析部5は、上記NBAP信 によりBTS2が測定した無線通信品質を受信す ることもでき、この場合、BTS2で測定した無 通信品質に基づいて、MS30と交信するBTS2のセ ルを切り替えるかどうかを判定することもで きるようになっている。
 さらに、RNC側NBAP信号解析部5は、RNC1がセル 替制御を実施すると決定した場合、RNC1とセ ルチェンジ元BTS2-1とセルチェンジ先BTS2-2との パスを切り替えるため、BTS-IF11へパス切替を 示する機能も具備している。

 即ち、RNC側RRC信号解析部4及びRNC側NBAP信号 析部5は、MS30、又は、BTS2からの通信品質情 に基づき、MS30に関して他のBTS2へのパス切替 制御の実行を決定する機能を具備している。
 BTS-IF11は、RNC1と各BTS2との通信を終端するイ ンタフェースである。

 RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、BTS2から送信さ れたHS-DSCH FP信号(例えば、キャパシティアロ ケーション信号)を解析し、このHS-DSCH FP信号 に基づいた処理を実施するための制御メッセ ージを編集するようRNC側HS-DSCH FP信号編集部1 0に通知するものである。
 本実施形態では、BTS2が、上記HS-DSCH FP信号 より、RNC1とBTS2との間の伝送速度を指定で るほか、BTS2内に残存するMS30へのユーザデー タ量〔残存PDU(Protocol Data Unit)数〕をRNC1宛に 知するためのフロー制御補助情報とを通知 きるようになっている。なお、この残存PDU は、例えば、HS-DSCH FP信号のスペアエクス ンションフィールドに格納される。

 また、BTS2側で、HS-DSCH FP信号のスペアビ トに所定のフラグ値(例えば0か1)を設定する ことにより、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、上 記HS-DSCH FP信号が、フロー制御補助情報であ かどうかを判定することができるようにな ている。例えば、フラグが「1(ON)」ならば HS-DSCH FP信号はフロー制御補助情報であり、 フラグが「0(OFF)」ならば、HS-DSCH FP信号はフ ー制御情報である。

 本RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、HS-DSCH FP信 を解析して、上記フラグ値が「0」であるこ を検出すると、RNC1とBTS2との間の伝送速度 御(フロー制御)を行なうようにRNC側HS-DSCH FP 号編集部10を制御する。
 一方、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6が、前記フ グ値が「1」であることを検出した場合は、 HS-DSCH FP信号のスペアエクステンションフィ ルドに格納される残存PDU数を抽出し、前記 存PDU数〔M(Mは自然数)〕及び前記HS-DSCH FP信 の受信タイミングなどに関する情報を、RNC1 とBTS2との通信呼〔インスタンスID(N)〕(Nは自 数)毎に、残存PDU情報テーブル7に保存(記録) する。なお、本例では、RNC1が、BTS2-1から残 PDU数についての報告(フラグが「1」に設定さ れたHS-DSCH FP信号)を周期的に受けるようにな っているので、前記残存PDU数の単位時間あた りの変化量(例えば、残存PDU数の減少率)を容 に算出して監視することが可能である。

 そして、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、残存P DU情報テーブル7に記録された残存PDU数に基づ いて、BTS2内の残存PDU数の減少率(L)を算出す 機能も具備している。
 また、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、残存PDU 報テーブル7に記録された残存PDU数に基づい て、BTS2内の残存PDU数が第1の閾値以下である どうか、及び、前記残存PDU数の減少率が第2 の閾値以下であるかどうかを判定する。そし て、前記いずれかの条件を満たすと判定(い れか一方の判定だけ行なうこととすること できる)すると、RNC1は、BTS2-2を介したパスへ の変更を実行する際に、BTS2-1に対してMS30へ ータ送信開始指示〔解放要求メッセージ(RELE ASE REQUEST)〕を与え、このデータ送信開始指 を受けたBTS2-1は、MS30へのデータ送信を停止 る。

 一方、RNC1は、前記パス切替制御が完了する と、BTS2-2に対してMS30へのデータ送信開始指 (キャパシティリクエスト信号)を与え、この データ送信開始指示を受けたBTS2-2は、MS30へ データ送信を開始する。
 なお、上記第1の閾値は、ユーザにより自由 に設定することもできるが、例えば、「第1 閾値=0」と設定すれば、BTS2内にMS30に送信す きデータがなくなると直ちにセル(パス)切 を実施することができる。もちろん、第1の 値値は、非ゼロの所定値とすることもでき 。また、第2の閾値についてもユーザにより 自由に設定することが可能であるが、例えば 、「第2の閾値=α×伝送速度(0<α<1)」と設 すれば、キャパシティアロケーション信号 より指定された伝送速度の達成度合いに応 てセル(パス)切替を適切に実施することが 能である。

 即ち、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、BTS2-1 のMS30宛のデータの残存量(残存PDU数)を監視 る監視部として機能するとともに、この監 結果に応じてBTS2-2を介したパスへの変更タ ミングを制御することができる。例えば、 記条件を満たさない場合は、アクティベー ョンタイムに基づくタイミングでパスの変 を行ない、上記条件を満たす場合は、アク ィベーションタイムに基づくタイミングよ も早める方向に制御(アクティベーションタ イムに基づく所定のタイミングより早いタイ ミングでパスの変更を行なうように制御)す 制御部として機能するものである。なお、 記第1及び第2の閾値は、上述した例のほか、 無線通信システム40の運用情報(例えば、実装 している無線帯域や、セル切替制御を実行す る直前の伝送速度など)から算出することも きる。

 残存PDU情報テーブル7は、各MS30毎の残存PDU を記録するためのものであり、RNC1に設けら る共用あるいは専用のメモリにより構成さ る。なお、インスタンスIDは、上記MS30を特 するための情報である。
 具体的には、図2に示すように、インスタン スID(N)と残存PDU数(M)とが1対1に対応付けられ 格納されている。図2は残存PDU情報テーブル7 の構成例である。つまり、上記RNC側HS-DSCH FP 号解析部6は、残存PDU情報テーブル7を用い ことで、MS30毎の上記残存PDU数を監視(管理) ている。

 ここで、RNC側RRC信号編集部8は、RRC信号の編 集を行なうものである。例えば、RNC側RRC信号 編集部8は、RNC側RRC信号解析部4,RNC側NBAP信号 析部5及びRNC側HS-DSCH FP信号解析部6から制御 ッセージについての編集指示を受けると、 の通知内容に基づいてRRC信号の編集を行な 。
 RNC側NBAP信号編集部9は、NBAP信号の編集を行 うものである。例えば、RNC側NBAP信号編集部 9は、RNC側RRC信号解析部4,RNC側NBAP信号解析部5 びRNC側HS-DSCH FP信号解析部6から制御メッセ ジについての編集指示を受けると、その通 内容に基づいてNBAP信号の編集を行なう。

 RNC側HS-DSCH FP信号編集部10は、HS-DSCH FP信 (ここでは、キャパシティリクエスト信号) 編集を行なうものである。例えば、RNC側HS-DS CH FP信号編集部10は、RNC側RRC信号解析部4,RNC NBAP信号解析部5及びRNC側HS-DSCH FP信号解析部6 から制御メッセージについての編集指示を受 けると、その通知内容に基づいてHS-DSCH FP信 の編集を行なう。

 本RNC側HS-DSCH FP信号編集部10は、例えば、セ ル切替処理を実施後、セルチェンジ元BTS2-1に 対してMS30への下りデータ(ユーザデータ)送信 を停止すべく、ユーザバッファサイズを「0 に設定したキャパシティリクエスト信号を ルチェンジ元BTS2-1宛に送信するように、RNC 信号送信部12を制御する。
 また、RNC側信号送信部12は、BTS2宛の送信信 に所定の無線送信処理を施して、無線信号 送信するものである。本RNC側信号送信部12 、例えば、RNC側RRC信号編集部8,RNC側NBAP信号 集部9及びRNC側HS-DSCH FP信号編集部10から送信 要求を受けると、所定の信号をBTS2に送信す 機能を具備する。

 本発明の一実施形態に係るRNC1は、上述の ごとく構成されることにより、通常の基地局 制御動作に加えて、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6 が、BTS2から受信したHS-DSCH FP信号(キャパシ ィアロケーション信号)に基づいて、BTS2とMS3 0との通信呼毎に、BTS2内の残存PDU数が第1の閾 値以下であるかどうか、及び、前記残存PDU数 の減少率が第2の閾値以下であるかどうかを 定する。

 そして、上記の条件のいずれかを満たすと 定した場合、即ち、「残存PDU数≦第1の閾値 」あるいは「残存PDU数の減少率≦第2の閾値 を満たすと判定した場合、RNC1は、アクティ ーションタイムにより設定されたタイマ値 経過を待たずともセル切替制御を実施する
 なお、上記セルチェンジ元BTS2-1からの送信 止後(セル切替制御完了後)、セルチェンジ BTS2-1に下りユーザデータが残存している場 は、RNC1とセルチェンジ先BTS2-2との間で、RLC 送手順などを用いて再送処理を行なうこと できるし、セルチェンジ元BTS2-1から残存す ユーザデータをセルチェンジ先BTS2-2に転送 、セルチェンジ先BTS2-2から残存ユーザデー の送信を行なってもよい。

 (BTS2の構成例について)
 一方、BTS2は、MS30との無線通信を行なうほ 、RNC1により制御されるものであり、このた に、図1に示すように、BTS側信号受信部13と BTS側RRC信号解析部14と、BTS側NBAP信号解析部1 5と、BTS側HS-DSCH FP信号解析部16と、BTS側RRC信 編集部17と、BTS側NBAP信号編集部18と、BTS側HS -DSCH FP信号編集部19と、周期処理部20と、BTS 信号送信部21とをそなえて構成される。

 ここで、BTS側信号受信部13は、RNC1からの 号を受信して所定の受信処理を行なうもの ある。本BTS側信号受信部13は、例えば、各 ロトコルの信号解析部(BTS側RRC信号解析部14,B TS側NBAP信号解析部15及びBTS側HS-DSCH FP信号解 部16)とのインタフェースを有しており、RNC1 ら受信した信号のプロトコル種別を判別し 、各プロトコルに対応する各信号解析部へ 信信号をそれぞれ送出する機能を具備する

 BTS側RRC信号解析部14は、BTS側信号受信部13か ら通知されたRRC信号を解析するものであり、 RNC1とMS30との間でRRC信号の中継を行なうべく その旨の制御メッセージを編集するようBTS RRC信号編集部17に通知する機能を具備する
 本BTS側RRC信号解析部14は、例えば、セル切 制御中にRNC1から受信したRRC信号が、MS30のト ランスポートチャネルの切替を指示する信号 である、「物理チャネル再設定メッセージ(Ph ysical Channel Reconfiguration)」である場合、RNC1 らMS30へ送信している下りユーザデータを停 させるべく、BTS側HS-DSCH FP信号編集部19に対 してその旨の制御メッセージを編集するよう 通知し、その後、一定周期でBTS2内の残存PDU 関する情報(例えば、残存PDU数)をRNC1に通知 るため周期処理部20に「周期処理開始」を通 知する機能も具備している。

 BTS側HS-DSCH FP信号解析部16は、BTS側信号受 信部13から通知されたHS-DSCH FP信号の解析を なうものであり、下りユーザデータ送信要 (キャパシティリクエスト信号(ユーザバッフ ァサイズ>0))を受信すると、MS30との通信状 に応じた伝送可能レート(伝送速度)をRNC1に 知するための制御信号を編集すべく、その の制御メッセージをBTS側HS-DSCH FP信号編集 19に通知する一方、周期処理部20に「周期処 停止」を通知する機能を具備している。

 ここで、周期処理部20は、BTS側RRC信号解 部14及びBTS側HS-DSCH FP信号解析部16からの制 信号に基づいて、周期処理の開始及び停止 行なうものである。ここでの、周期処理と 、所定の周期でBTS2内に存在する、MS30へ送信 すべきユーザデータ(残存PDU数)を算出して、R NC1宛に通知する処理のことをいう。

 この周期処理は、例えば、周期処理部20 、HS-DSCH FP信号編集部19に残存PDU数をRNC1へ通 知すべく、その旨の制御メッセージを編集す るよう通知することで行なわれる。また、周 期処理部20が、BTS側RRC信号解析部14からの「 期処理開始」メッセージを受信すると起動 れる一方、BTS側HS-DSCH FP信号解析部16からの 周期処理停止」メッセージを受けると停止 れる。なお、この周期処理における所定の 期は、無線通信システム40の運用情報(例え 、実装している無線帯域や、セル切替制御 実行する直前の伝送速度など)から算出する ことができるが、別途ユーザにより個別に設 定することも可能である。

 即ち、上記周期処理部20は、BTS2内のMS30宛の 残存PDU数を検出する検出部としての機能を具 備している。
 BTS側NBAP信号解析部15は、BTS側信号受信部13 ら通知されたNBAP信号を解析するものであり この解析結果に応じてBTS2での処理を実施す るものである。また、このBTS2内処理の実施 果をRNC1へ通知するために、その旨の制御メ セージを編集するよう、BTS側NBAP信号編集部 18に通知する。

 BTS側RRC信号編集部17は、RRC信号の編集を行 うものである。例えば、BTS側RRC信号解析部14 ,BTS側NBAP信号解析部15及びBTS側HS-DSCH FP信号解 析部16からの通知を受けると、その通知内容 応じて制御メッセージなどの信号編集を行 い、BTS側信号送信部21に編集した信号の送 要求を行なう。
 BTS側NBAP信号編集部18は、NBAP信号の編集を行 なうものである。例えば、BTS側NBAP信号解析 15からの通知を受けると、その通知内容に応 じて制御メッセージなどの信号編集を行ない 、BTS側信号送信部21に編集した信号の送信要 を行なう。

 BTS側HS-DSCH FP信号編集部19は、HS-DSCH FP信 の編集を行なうものである。例えば、BTS側R RC信号解析部14,BTS側HS-DSCH FP信号解析部16及び 周期処理部20からの通知を受けると、その通 内容に応じて制御メッセージなどの信号編 を行ない、BTS側信号送信部21に編集した信 の送信要求を行なう。

 具体的には、本BTS側HS-DSCH FP信号編集部19 は、例えば、BTS2がRNC1から下りユーザデータ 送信停止命令を受けた場合は、キャパシテ アロケーション信号(クレジット=0,インター バル=0)をRNC1宛に送信するよう、BTS側信号送 部21に前記キャパシティアロケーション信号 (クレジット=0,インターバル=0)の送信要求を なう。一方、BTS側HS-DSCH FP信号解析部16から 送速度要求を受けた場合は、キャパシティ ロケーション信号の各パラメータに適切な を設定し、BTS側信号送信部21に信号送信要 を行なう。

 また、周期処理部20から残存PDU数の送信要 を通知された場合は、フロー制御補助情報 して、残存PDU数をキャパシティアロケーシ ン信号のスペアエクステンションフィール に格納するとともに、本キャパシティアロ ーション信号がフロー制御補助情報である とを示すフラグ値もスペアビットに設定さ る。
 BTS側信号送信部21は、RNC1宛に信号(データ) 送信するものである。本BTS側信号送信部21は 、例えば、BTS側RRC信号編集部17,BTS側NBAP信号 集部18及びBTS側HS-DSCH FP信号編集部19から送 要求を受けると、所定の信号をRNC1に送信す 機能を具備する。

 即ち、上記BTS側HS-DSCH FP信号編集部19及び BTS側信号送信部21は、周期処理部20で検出さ た残存PDU数をRNC1に通知する通知部として機 するものである。なお、送信先としてセル ェンジ先BTS2-2を選択可能として、BTS側信号 信部21が、残存ユーザデータをセルチェン 先BTS2-2に転送できるようにすることもでき 。この際、上位装置(例えばRNC1)を介して転 してもよいし、直接転送してもよい。

 本発明の一実施形態に係るBTS2は、上述のご とく構成されることにより、通常の無線基地 局動作に加えて、周期処理部20が、BTS2内の残 存PDU数を算出し、所定の周期でRNC1宛に通知 る。
 このように、上述したRNC1とBTS2とをそなえ 本発明の一実施形態に係る無線通信システ 40は、BTS2が、BTS2内の残存PDU数をRNC1に通知し 、RNC1が、BTS2とMS30との通信呼に関して、BTS2 らMS30へ送信されるデータの残存量(残存PDU数 )が第1の閾値以下である場合、あるいは、前 残存PDU数の減少率が第2の閾値以下となった 場合に、セル切替制御を実施するので、より 柔軟かつ迅速にセル切替制御を実施すること が可能になり、無線端末と無線基地局との間 のデータ通信効率を向上させることができる 。

 (無線通信システム40の全体動作例について)
 次に、上記無線通信システム40の全体動作 について図3~図5を用いて説明する。図3は無 通信システム40の動作の一例を説明するフ ーチャートである。また、図4及び図5は無線 通信システム40の動作の一例を説明するシー ンス図である。

 図3に示すように、無線通信システム40に いて、RNC1が、RNC側RRC信号解析部4あるいはRN C側NBAP信号解析部5により、MS30又はBTS2からの 信品質情報(無線通信品質)に基づき、セル 替制御の実施を決定すると(ステップS1)、RNC1 は、それまで行なっていたデータ送信処理を 一時的に停止し、セル切替制御のための準備 動作(例えば、セルチェンジ元BTS2-1及びセル ェンジ先BTS2-2のRL設定など)を行ない、RNC1に なえられた切替タイマT(このタイマは、所 時間の経過によりタイムアウトする)を開始 せる(ステップS2)。

 次いで、RNC1は、アクティベーションタイ ムTaと前記切替タイマTとを比較し(ステップS3 )、切替タイマTがアクティベーションタイムT a以上であると判定した場合(ステップS3のYes ート)、RNC側NBAP信号編集部9及びRNC側信号送 部12により、セルチェンジ元BTS(旧BTS)2-1にお るMS30へのデータ送信を停止させ(ステップS7 )、セル切替制御を実施する(ステップS8)。そ て、RNC1は、RNC側NBAP信号編集部9及びRNC側信 送信部12により、セルチェンジ先BTS(新BTS)2-2 によるデータ送信を開始させる(ステップS9)

 一方、RNC1は、切替タイマTがアクティベ ションタイムTa以上でないと判定した場合( テップS3のNoルート)、RNC側HS-DSCH FP信号解析 6及び残存パケット情報テーブル7により、BT S2-1の周期処理部20から受信した残存PDU数(M)と 所定の第1の閾値とを比較し(ステップS4)、残 PDU数(M)が第1の閾値以下であると判定された 場合(ステップS4のYesルート)、上記と同様に ステップS7~ステップS9の処理を実施する。

 他方、RNC1が、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6及 び残存パケット情報テーブル7により、ステ プS4において、残存PDU数(M)が第1の閾値以下 ないと判定された場合(ステップS4のNoルート )、BTS2-1の周期処理部20から受信した残存PDU数 (M)に基づいて算出された、前記残存PDU数の減 少率と所定の第2の閾値とを比較する(ステッ S5)。そして、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6及び 存パケット情報テーブル7により、残存PDU数 の減少率(L)が第2の閾値以下であると判定さ た場合(ステップS5のYesルート)、上記と同様 、ステップS7~ステップS9の処理を実施する

 ステップS5において、RNC側HS-DSCH FP信号解 析部6及び残存パケット情報テーブル7により 残存PDU数の減少率(L)が第2の閾値以下でない と判定された場合(ステップS5のNoルート)、即 ち、ステップS3~ステップS5のいずれの条件に 当てはまらない場合は、RNC側NBAP信号編集部 9及びRNC側信号送信部12により、旧BTS2-1におけ るMS30へのデータ送信を継続させ(ステップS6) 上記ステップS3~ステップS5の処理を繰り返 。

 このように、本発明の一実施形態に係るR NC1は、BTS2でのMS30宛のデータの残存量を監視 、その監視結果に応じてパスの変更タイミ グを所定のタイミング(アクティベーション タイムTaの満了時)よりも早いタイミングで、 パス切替制御を早期に実施することができる 。その結果、無線通信の通信効率低下を抑制 することが可能となる。

 図4はRNC1が、残存PDU数に基づいてセル切替 御を実施する場合のフロー制御に着目した ーケンス図である。
 図4に示すように、まず、MS30が、無線通信 質(Measurement Report (1D))をRNC1に通知する。RNC1 は、この無線通信品質に基づき、RNC1主導で ル切替制御の実施を決定し(「セルチェンジ 動」)、所定のセル切替手順(図4中の符号(A) 示す処理参照)を実施する。また、RNC1からMS 30に対して、物理チャネル再設定メッセージ( PHY.CH.RECONF.)を送信する。

 BTS2-1では、BTS側信号受信部13により、MS30 ら受信した信号をBTS側RRC信号解析部14に通 する。BTS側RRC信号解析部14は、その解析結果 に基づき、MS30がRNC1から物理チャネル再設定 ッセージ(PHY.CH.RECONF.)を受信したことを検知 し、BTS側HS-DSCH FP信号編集部19に対して、RNC1 らBTS2-1へと送信されるユーザデータを停止 せるべく、キャパシティアロケーション信 (伝送速度:0)を送信する。さらに、周期処理 部20が、BTS2-1内の残存PDU数を所定の周期で算 して、BTS側HS-DSCH FP信号編集部19及びBTS側信 号送信部21を介して、フロー制御補助情報と てのキャパシティアロケーション信号(残存 PDU数(M))をRNC宛に送信する。

 一方、RNC1では、RNC側信号受信部3により ャパシティアロケーション信号(伝送速度:0) 受信すると、RNC側信号受信部3,RNC側HS-DSCH FP 信号解析部6及びRNC側HS-DSCH FP信号編集部10に り、RNC1からBTS2-1に送信している下りユーザ データを停止する。さらに、RNC1は、キャパ ティアロケーション信号(残存PDU数(M))を受信 すると、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6により、残 存PDU数(M)を抽出し、インスタンスID毎に残存P DU情報テーブル7に記録する。

 そして、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、イ スタンスID毎の残存PDU数の減少率(L)を算出 、残存PDU数(M)が所定の第1の閾値(例えば、0) 下であるか、及び、前記残存PDU数の減少率( L)が所定の第2の閾値(例えば、キャパシティ ロケーション信号で指定された伝送速度の0. 1倍)以下であるかを判定する(図4中の符号(B) 示す処理参照)。

 図4に示す例では、RNC側HS-DSCH FP信号解析 6が、アクティベーションタイム満了前に、 「残存PDU数(M)≦第1の閾値」であると判定し BTS2-1からMS30へ送信しているユーザデータを 止させるために、RNC側HS-DSCH FP信号編集部10 及びRNC側信号送信部12を介してキャパシティ ロケーション信号(ユーザバッファサイズ=0) をBTS2-1に送信する(図4中の符号(C)に示す処理 照)。さらに、RNC1は、BTS-IF11により、BTS2-1と BTS2-2とのパス切り替えを実施する。

 BTS2-1では、BTS側信号受信部13にてキャパシ ィアロケーション信号(ユーザバッファサイ =0)を受信すると、BTS側HS-DSCH FP信号解析部16 により、BTS2-1からMS30へのデータ送信を停止 るとともに、周期処理部20の周期処理を停止 させる。
 次いで、RNC1は、セルチェンジ先のBTS2-2との 通信を始めるべく、RNC側HS-DSCH FP信号編集部1 0及びRNC側信号送信部12により、キャパシティ リクエスト信号(伝送速度:X>0)を送信する( 4中の符号(D)に示す処理参照)。

 BTS2-2では、BTS側信号受信部13にてキャパシ ィリクエスト信号(伝送速度:X>0)を受信す と、例えば、BTS側HS-DSCH FP信号解析部16及びB TS側HS-DSCH FP信号編集部19により、キャパシテ ィアロケーション信号(伝送速度:X>0)をRNC1 に送信する。
 加えて、MS30では、上記セル切替処理に伴う トランスポートチャネルの変更を実施して、 BTS2-2とのセル切替処理後の新規通信を開始す る。また、MS30は、この変更処理が完了した とを通知するための物理チャネル再設定完 メッセージ(PHY.CH.RECONF.COMPLETE)をRNC1宛に送信 る。

 MS30から前記物理チャネル再設定完了メッ セージ(PHY.CH.RECONF.COMPLETE)を受信したRNC1は、 ルチェンジ元のBTS2-1とMS30との無線リンクを 放するために、BTS2-1との間で、解放要求メ セージ(RELEASE.REQUEST)及び解放確認メッセー (RELEASE.CONFIRM)の送受を行ない、一連のセル切 替制御を完了する。

 以上のように、図4に示したフロー制御に より、RNC1は、BTS2でのMS30宛の残存PDU数(M)を監 視し、BTS2-1からMS30へ送信される残存PDU数(M) 第1の閾値と判定すると、アクティベーショ タイムの満了を待たずに、セル切替制御を 施することができる。この結果、早期のパ 切替制御を実施することができ、MS30とBTS2-1 との間での無通信時間の発生を防止すること ができる。

 一方、図5はRNC1が、残存PDU数の減少率に基 いてセル切替制御を実施する場合のフロー 御に着目したシーケンス図である。
 図5に示す例は、図4中の符号(B)で示される 理に代えて、図5中の符号(E)で示される処理 実施される点で異なり、その他のフロー制 については図4に示した例と同様である。

 つまり、RNC側HS-DSCH FP信号解析部6は、イ スタンスID毎の残存PDU数の減少率(L)を算出 、残存PDU数(M)が所定の第1の閾値(例えば、0) 下であるか、及び、前記残存PDU数の減少率( L)が所定の第2の閾値(例えば、キャパシティ ロケーション信号で指定された伝送速度の0. 1倍)以下であるかを判定する(図4中の符号(E) 示す処理参照)。

 そして、図5に示す例では、RNC側HS-DSCH FP信 解析部6が、アクティベーションタイム満了 前に、「残存PDU数の減少率(L)≦第2の閾値」 あると判定し、セル切替制御を実施する。
 このように、図5に示したフロー制御により 、RNC1は、BTS2でのMS30宛の残存PDU数の減少率(L) を監視し、BTS2-1からMS30へ送信されるデータ 残存量の減少率(L)≦第2の閾値と判定すると アクティベーションタイムの満了を待たず 、セル切替制御を実施することができる。 の結果、早期のパス切替制御を実施するこ ができ、MS30とBTS2-1との間での送信遅延の発 生を抑制することができる。

 〔B〕その他
 以上、本発明の実施形態及び各変形例につ て詳細に説明したが、本発明は上記の各実 形態及び各変形例に限定されるものではな 、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において 意に変形して実施することができる。
 例えば、上記実施形態では、RNC1が、残存PDU 数(M)が第1の閾値以下であるかどうか、及び 残存PDU数の減少率(L)が第2の閾値以下である どうかを判定しているが、いずれか一方の 定処理のみを行なうようにしてもよい。

 また、例えば、MS30とBTS2との間の通信品質 定をBTS2側で行なうようにしてもよく、その 合は、BTS2からRNC1宛に無線通信品質を報告 ればよい。
 また、BTS2-1,2-2とRNC(基地局制御装置)1は必ず しも装置として別でなくともよい。即ち、RNC (基地局制御装置)1の主要な機能、構成(制御 置(図1の参照符号1内に記載した各構成の全 又は一部))をBTS2-1,2-2内に設けてもよい。

 以上詳述したように、本発明によれば、 地局制御装置が、アクティベーションタイ 満了前に、セルチェンジ元の無線基地局内 残存するPDU数に関する情報に基づき、柔軟 つ迅速にセル切替制御を実施することがで るので、無線通信システム全体の通信効率 向上させることができる。したがって、無 通信技術分野、特に、セル切替制御機能を 備する移動無線通信技術分野に極めて有用 考えられる。