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Patent Searching and Data


Title:
PATTERNING METHOD AND METHOD FOR FABRICATING ELECTRONIC ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129738
Kind Code:
A1
Abstract:
A patterning method comprising a first step for forming a conductive film (D) by coating a first plate (10) with a liquid composition and for heating the first plate (10); a second step for forming a conductive pattern (D') on the first plate (10) by pressing a second plate (20) having an irregular pattern shape on the surface against the surface of the first plate (10) whereupon the conductive film (D) is formed and by transferring the unnecessary pattern of the conductive film (D) to the top surface of the protrusions (20a) of the second plate (20) to remove the unnecessary pattern; and a third step for transferring the conductive pattern (D') to the surface of a substrate (30) whereupon the pattern is to be transferred, by pressing the surface of the first plate (10), on which the conductive pattern (D') is formed, against the surface of the substrate (30). The liquid composition contains a solvent exhibiting vapor pressure of 133 Pa or below at the surface temperature of the heated first plate (10). A method for fabricating an electronic element is also provided. A minute and precise pattern is stably formed with good reproducibility by stabilizing the state of the liquid composition coating.

Inventors:
FUKUDA TOSHIO (JP)
NOMOTO AKIHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074694
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
December 21, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORP (JP)
FUKUDA TOSHIO (JP)
NOMOTO AKIHIRO (JP)
International Classes:
H01L21/288; H01L21/3205; H01L21/336; H01L29/786
Foreign References:
JP2006156426A2006-06-15
JP2006045294A2006-02-16
JP2005246790A2005-09-15
JP2001225593A2001-08-21
Attorney, Agent or Firm:
IWASAKI, Sachikuni et al. (Toranomon Kotohira Tower 2-8, Toranomon 1-chome, Minato-k, Tokyo 01, JP)
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Claims:
 第1版上に液組成物を塗布することで、液組成物塗膜を形成するとともに、当該第1版を加熱する第1工程と、
 表面側に凹凸パターンを有する第2版を、前記第1版の前記液組成物塗膜の形成面側に押圧し、当該第2版の凸部の頂面に、前記液組成物塗膜の不要なパターンを転写して除去することで、前記第1版上にパターンを形成する第2工程と、
 前記第1版の前記パターンの形成面側を、被転写基板の表面に押圧することで、当該被転写基板の表面に前記パターンを転写する第3工程とを有し、
 前記液組成物は、加熱された前記第1版の表面温度において133Pa以下の蒸気圧を示す溶媒を含有してなる
 ことを特徴とするパターン形成方法。
 請求項1記載のパターン形成方法において、
 前記液組成物は導電性材料を含有しており、
 前記第1工程では、前記第1版上に前記液組成物を塗布することで、導電性膜を形成する
 ことを特徴とするパターン形成方法。
 第1版上に液組成物を塗布することで、液組成物塗膜を形成するとともに、当該第1版を加熱する第1工程と、
 表面側に凹凸パターンを有する第2版を、前記第1版の前記液組成物塗膜の形成面側に押圧し、当該第2版の凸部の頂面に、前記液組成物塗膜の不要なパターンを転写して除去することで、前記第1版上にパターンを形成する第2工程と、
 前記第1版の前記パターンの形成面側を、被転写基板の表面に押圧することで、当該被転写基板の表面に前記パターンを転写する第3工程とを有し、
 前記液組成物は、加熱された前記第1版の表面温度において133Pa以下の蒸気圧を示す溶媒を含有してなる
 ことを特徴とする電子素子の製造方法。
 請求項3記載の電子素子の製造方法において、
 前記電子素子は、基板上に、ソース・ドレイン電極、ゲート絶縁膜およびゲート電極がこの順またはこれと逆の順に積層され、ソース・ドレイン電極の上層側または下層側に半導体層を備えた半導体装置であり、
 前記第1工程では、前記第1版上に導電性材料を含有する前記液組成物を塗布することで、導電性膜を形成するとともに、当該第1版を加熱し、
 前記第2工程では、表面側に凹凸パターンを有する第2版を、前記第1版の前記導電性膜の形成面側に押圧し、当該第2版の凸部の頂面に、前記導電性膜の不要なパターンを転写して除去することで、前記第1版上に導電性パターンを形成し、
 前記第3工程では、前記第1版の前記導電性パターンの形成面側を、前記被転写基板の表面に押圧し、当該被転写基板の表面に前記導電性パターンを転写することで、前記ソース・ドレイン電極または前記ゲート電極を形成する
 ことを特徴とする電子素子の製造方法。
Description:
パターン形成方法および電子素 の製造方法

 本発明は、パターン形成方法および電子 子の製造方法に関し、さらに詳しくは、導 性パターンの形成方法およびこれを用いた 子素子の製造方法に関する。

 微細で精密なパターンをガラス基板やプ スチック基板などに効率的に低コストで形 するために、様々な方法が検討されている 例えば、表面が剥離性を有するシリコーン ムにて被覆されたブランケットとよばれる 1版の表面に、印刷する樹脂を全面塗布した 後、表面側に凹凸パターンを有する第2版を 第1版の樹脂形成面側に押圧することで、第2 版の凸部の頂面に上記樹脂の不要なパターン を転写して除去し、第1版の表面に残存した 脂パターンを被転写基板上に転写する印刷 が開示されている(例えば、特開平11-58921号 報参照)。

 この印刷法を利用して微細で精密なパタ ンを形成する際、これに使用される液組成 は、第1版上への液組成物の塗布、第1版上 ら第2版上への液組成物塗膜の不要なパター の転写、第1版上から被転写基板上へのパタ ーンの転写の各工程において、適切な液組成 物の転移特性を保持する必要がある。

 まず、第1版上への液組成物の塗布工程で は、通常剥離性を有する材料にて第1版の表 を形成するため、この剥離性表面に薄膜で 滑かつ均一な液組成物塗膜を形成しなけれ ならないことから、液組成物の物性値を適 にコントロールする必要がある。

 また、次の第1版上から第2版上への液組 物塗膜の不要なパターンの転写工程におい は、第1版上に塗布された液組成物塗膜は、 触する第2版の凸部の頂面にそのパターン形 状通りに完全に転写されなければならない。 そのためには、第1版上に塗布された後、液 成物塗膜の粘度が適度に上昇し、第1版上の 組成物塗膜が適切な粘着性と凝集性を保持 る必要がある。

 さらに、被転写基板への転写工程におい は、第1版上に残存するパターニングされた 液組成物塗膜が、完全に被転写基板に転写さ れなければならない。このためには、パター ニング後の液組成物塗膜が、転写に適した適 切な塗膜状態(乾燥状態)である必要がある。

 これらの技術的課題に対して、印刷に使 するインキ組成物(液組成物)の粘度値、表 エネルギー値、溶剤の蒸気圧値を設定し対 したカラーフィルター作製用インキ組成物 例が開示されている(例えば、特開2005-128346 公報参照)。

 しかし、特開2005-128346号公報には、印刷 程中の温度については記載されておらず、 に室温でこの印刷法を行った場合には、第1 上の液組成物塗膜の乾燥状態が室温によっ ばらつくため、液組成物塗膜の粘着性にば つきが生じる。このため、第1版から第2版 の不要なパターンの転写工程および第1版か 被転写基板へのパターンの転写工程におい 、再現性よく確実にパターンを転写するこ が難しい。これにより、形成されるパター に欠陥が生じる等の問題がある。

 また、特開2005-128346号公報に記載された 組成物の物性では、液組成物を構成する溶 の蒸気圧の規定が十分ではなく、液組成物 膜からの溶媒の揮発が進み、適切な粘着性 よび凝集性を有した状態で維持されない場 があるため、パターンの転写が確実に行わ ない、という問題があった。

 上述したような課題を解決するために、 発明は、液組成物塗膜の状態を安定させて 微細で精密なパターンを再現性よく安定し 形成することが可能なパターン形成方法お び電子素子の製造方法を提供することを目 とする。

 上述したような目的を達成するために、 発明のパターン形成方法は、次のような工 を順次行うものである。まず、第1工程では 、第1版上に液組成物を塗布することで、液 成物塗膜を形成するとともに、熱処理を行 。次に、第2工程では、表面側に凹凸パター を有する第2版を、第1版の液組成物塗膜の 成面側に押圧し、第2版の凸部の頂面に、液 成物塗膜の不要なパターンを転写して除去 ることで、第1版上にパターンを形成する。 次いで、第3工程では、第1版のパターンの形 面側を、被転写基板の表面に押圧すること 、被転写基板の表面にパターンを転写する そして、液組成物は、熱処理中の第1版の表 面温度において133Pa以下の蒸気圧を示す溶媒 含有してなることを特徴としている。

 このようなパターン形成方法によれば、 1工程において、第1版上に液組成物を塗布 ることで、液組成物塗膜を形成するととも 、第1版を加熱することから、熱処理の温度 規定された状態の液組成物塗膜が安定して 成される。そして、液組成物が、加熱され 第1版の表面温度において133Pa以下の蒸気圧 示す溶媒を含有することで、熱処理を行っ も、この溶媒は上記液組成物塗膜中に残存 るため、液組成物塗膜が転写に適切な粘着 および凝集性を有した状態で維持される。 れにより、第1版から第2版への不要なパタ ンの転写工程および第1版から被転写基板へ パターンの転写工程において、確実にパタ ンを転写することが可能となる。

 また、本発明における電子素子の製造方 は、上述したパターン形成方法を電子素子 製造方法に適用したことを特徴としている とから、第1版から第2版への不要なパター の転写工程および第1版から被転写基板への ターンの転写工程において、確実にパター を転写することが可能となる。

 以上、説明したように、本発明のパター 形成方法およびこれを用いた電子素子の製 方法によれば、第1版から第2版への不要な ターンの転写工程および第1版から被転写基 へのパターンの転写工程において、確実に ターンを転写することができるため、微細 精密なパターンを再現性よく安定して形成 ることができる。したがって、印刷法によ 、電子素子の微細な電極パターンを形成す ことができ、電子素子の製造工程を簡略化 ることができる。

本発明の電子素子の製造方法に係る実 形態を説明するための製造工程断面図(その 1)である。 本発明の電子素子の製造方法に係る実 形態を説明するための製造工程断面図(その 2)である。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づ て詳細に説明する。

 本発明のパターン形成法に係わる実施の 態の一例を、ボトムゲート・ボトムコンタ ト型の薄膜トランジスタからなる電子素子 製造方法を例にとり、図1の製造工程断面図 によって説明する。本実施形態においては、 上記薄膜トランジスタのソース・ドレイン電 極の形成に本発明のパターン形成方法を適用 する。

 図1(a)に示すように、ブランケットとなる 第1版10は、ガラス基板11とガラス基板11上に けられた例えばポリジメチルシラン(PDMS)層12 とを備えた平版で構成されている。この第1 10は、例えばスピンコート法により、ガラス 基板11上にPDMSを塗布した後、加熱処理により PDMSを硬化することで、作製され、PDMS層12は 表面側が平坦に設けられている。

 ここで、後工程で、塗膜が形成された状 の第1版10を加熱することから、第1版10には PDMS層12に例えばオイルヒーター等の熱源が 蔵されている。なお、熱源は第1版10に内蔵 れていなくてもよく、例えば処理雰囲気を 熱することで、第1版10を加熱してもよい。 た、ここでは、上記第1版10が平版である例 ついて説明するが、ロール状であってもよ 。

 まず、図1(b)に示すように、例えばキャッ プコーティング法により、第1版10のPDMS層12上 に、例えば銀ナノ粒子からなる導電性粒子を 有機溶剤に分散させた液組成物を塗布するこ とで、導電性膜D(液組成物塗膜)を例えば1μm 膜厚で形成した後、第1版10を加熱する。ま 、この第1版10の加熱は、例えば20℃の室温か ら、上述した第1版10に内蔵された熱源によっ て、30℃~90℃、好ましくは30℃~60℃の範囲で われる。この第1版10の加熱により、第1版10 の導電性膜Dの乾燥状態は、加熱温度で規定 れた状態で維持され、室温と比較して、導 性膜Dの乾燥状態がばらつくことが抑制され る。

 そして、上記液組成物は、加熱された第1 版10の表面温度において133Pa以下の蒸気圧を す溶媒を含有している。これにより、第1版1 0を加熱しても、この溶媒は上記導電性膜D中 残存するため、導電性膜Dが転写に適切な粘 着性および凝集性を有した状態で維持される 。

 ここで、上記導電性膜Dの粘着性が強すぎ ると、後述するように、凹凸パターンを有す る第2版を押圧し、第2版の凸部の頂面に導電 膜Dの不要なパターンを転写する工程におい て、導電性膜Dの第1版10への密着性が高くな 、第2版の凸部の頂面に不要なパターンが転 され難くなる。また、導電性膜Dの粘着性が 弱すぎると、上記工程において、第2版の凸 の頂面に付着した不要なパターンに引きず れて、第1版10上に、寸法制御性よく導電性 ターンを残存させることができなくなる。 らに、導電性膜Dの凝集性が強すぎると、膜 度が高くなるため、上記工程において、第2 版の凸部の頂面に不要なパターンが転写され 難くなる。また、導電性膜Dの凝集性が弱す ると、上記工程において第1版10上の導電性 Dを取り除くべき箇所に残存が発生してしま 。

 なお、ここでは、上述した第1版10の加熱 導電性膜Dを形成した後に行うこととしたが 、予め第1版10を加熱した状態で液組成物を塗 布してもよい。

 ここで、第1版10が加熱される30℃~90℃の 囲で、133Pa以下の蒸気圧を示す溶媒としては 、例えば39℃で133Paの蒸気圧を示す安息香酸 チル、53℃で133Paの蒸気圧を示すテルピネオ ル、58℃で133Paの蒸気圧を示すベンジルアル コール、96℃で133Paの蒸気圧を示すトリプロ レングリコール等が挙げられる。上記溶媒 単独溶媒として用いてもよく、これらを組 合わせて用いてもよい。

 また、上記液組成物中に、加熱された第1 版10の表面温度において、133Pa以下の蒸気圧 示す溶媒は1つ以上含まれていればよく、上 以外の溶媒を含んでいてもよい。上記以外 溶媒としては、水の他、エステル系溶剤、 ルコ-ル系溶剤、ケトン系溶剤からなる極性 溶剤や非極性溶剤を印刷性に応じて使用する ことが可能である。例えば、上記エステル系 溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、プ ロピオン酸エチル等が挙げられる。上記アル コ-ル系溶剤としては、エタノ-ル、プロパノ- ル、イソプロパノ-ル等が挙げられる。上記 トン系溶剤としては、アセトン、メチルエ ルケトン、メチルイソブチルケトン等を列 することができる。また、非極性溶剤とし はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ 、デカン、ドデカン、イソペンタン、イソ キサン、イソオクタン、シクロヘキサン、 チルシクロヘキサン、シクロペンタン等の 化水素系溶剤が挙げられる。さらに、トル ン、キシレン、メシチレンなどの芳香族系 剤も好ましく使用することができる。

 ここで、上記液組成物中に、導電性粒子 3wt%~50wt%で含まれる場合において、導電性膜 Dが転写に適切な粘着性を呈するためには、 記133Pa以下の蒸気圧を示す溶媒の液組成物へ の添加量は、3wt%~60wt%が好ましく、5wt%~40wt%で ることがさらに好ましい。

 なお、ここでは、液組成物が銀ナノ粒子 らなる導電性粒子を含むこととしたが、銀 外にも、金、ニッケル、銅、白金からなる 電性粒子を用いることができる。一般的に これら導電性粒子の表面は高分子材料等で 覆表面処理がなされており、水または有機 剤に分散された状態のものが用いられる。 た、上記液組成物が、上記導電性粒子以外 導電性材料を含んでいてもよい。なお、液 成物に、上述した導電性材料および溶媒以 にも樹脂や界面活性剤を含有させることで 液組成物の物性を制御してもよい。

 ここで、上記液組成物の塗布法としては 上述したキャップコーティング法以外に、 ールコーティング法、スプレーコーティン 法、ディップコーティング法、カーテンフ ーコーティング法、ワイヤーバーコーティ グ法、グラビアコーティング法、エアナイ コーティング法、ドクターブレードコーテ ング法、スクリーンコーティング法、ダイ ーティング法等を挙げることができる。塗 法については、ロール状、平版状等の第1版 10の形状に合わせて選択することが望ましい 上述した中でも、特にキャップコーティン 法は、塗布特性に優れているため、好まし 。

 次いで、図1(c)に示すように、表面側に凹 凸パターンを有する例えばガラス版からなる 第2版20を、上記第1版10の導電性膜Dの形成面 に押圧する。上記凹凸パターンは、凸パタ ンが後述する導電性パターンの反転パター となるように形成される。この第2版20の凹 パターンを通常のフォトリソグラフィー技 を用いたエッチングにより形成することで 微細で精密な凹凸パターンを形成すること できる。

 ここで、第1版10の表面よりも第2版20の凸 20aの頂面の方が導電性膜Dとの密着性が高く なるように、第2版20の表面は第1版10の表面よ りも表面張力が低い材質で構成される。これ により、図1(d)に示すように、第2版20を第1版1 0の導電性膜Dの形成面側に押圧することで、 部20aの頂面に導電性膜D(前記図1(c)参照)の不 要なパターンが転写し、第1版10上に導電性パ ターンD’が形成される。この際、上述した うに、導電性膜Dが適切な粘着性を有するこ で、不要なパターンが確実に凸部20aの頂面 転写される。なお、凸部20aの頂面に転写さ た導電性膜Dの不要なパターンは回収して再 利用されることとする。

 続いて、図2(e)に示すように、第1版10の導 電性パターンD’の形成面側を、被転写基板30 の被転写面に押圧する。ここで、被転写基板 30は、シリコン基板からなる基板31上にポリ ニルフェノール(PVP)からなる絶縁膜32が設け れた構成となっている。このため、絶縁膜3 2の表面32aが被転写面となる。ここでは、シ コン基板からなる基板31に不純物イオンがハ イドープされることで、基板31がゲート電極 兼ねており、その上層に設けられた絶縁膜3 2はゲート絶縁膜として構成されることとす 。

 ここで、第1版10の表面よりも被転写面と る絶縁膜32の表面32aが導電性パターンD’と 密着性が高くなるように、絶縁膜32は、第1 10の表面よりも表面張力が低い材質で構成 れる。これにより、図2(f)に示すように、第1 版10の導電性パターンD’の形成面側を、被転 写基板30の被転写面に押圧することで、導電 パターンD’が絶縁膜32の表面32aに転写され 。この際、導電性パターンD’が転写に適切 な粘着性を有することで、導電性パターンD が絶縁膜32の表面32aに確実に転写される。

 この導電性パターンD’はソース・ドレイ ン電極33となる。その後、例えばオーブンに 、加熱し、上記導電性パターンD’を焼結す る。ここで、焼結後の導電性パターンD’の 厚は、500nm以下であることとする。

 この後の工程は、通常の薄膜トランジス の製造工程と同様に行う。すなわち、図2(g) に示すように、例えばスピンコート法により 、導電性パターンD’からなるソース・ドレ ン電極33を覆う状態で、絶縁膜32上に、例え トリイソプロピルシリルエチニルペンタセ からなる半導体層34を形成する。

 以上のようにして、基板(ゲート電極)31上 に、絶縁膜(ゲート絶縁膜)32、ソース・ドレ ン電極33および半導体層34がこの順に積層さ たボトムゲート・ボトムトランジスタ型の 膜トランジスタが製造される。

 このようなパターン形成方法およびこれ 用いた電子素子の製造方法によれば、第1版 10上に液組成物を塗布することで、導電性膜D を形成するとともに、第1版10を加熱すること から、加熱温度で規定された状態の導電性膜 Dが安定して形成される。そして、液組成物 、加熱された第1版10の表面温度において133Pa 以下の蒸気圧を示す溶媒を含有することで、 第1版10を加熱してもこの溶媒は上記導電性膜 D中に残存するため、導電性膜Dが転写に適切 粘着性および凝集性を有した状態で維持さ る。これにより、第1版10から第2版20への導 性膜Dの不要なパターンの転写工程および第 1版10から被転写基板30への導電性パターンD’ の転写工程において、確実にパターンを転写 することが可能となる。したがって、微細で 精密なパターンを再現性よく安定して形成す ることができる。これにより、印刷法を用い て、電子素子の微細な電極パターンを形成す ることができ、電子素子の製造工程を簡略化 することができる。

 なお、上述した実施形態では、ソース・ レイン電極を形成する例について説明した 、例えば、絶縁性の基板上にゲート電極を 成する場合にも適用可能であり、上述した トムゲート・ボトムコンタクト型のトラン スタ構造に限らず、他のトランジスタ構造 電極パターンを形成する場合にも適用可能 ある。さらには、薄膜トランジスタだけで く、プリント配線板、RF-IDタグ、様々なデ スプレイ基板等他の電子素子の電極パター の形成にも適用可能である。

 また、本発明は、導電性パターンの形成 法に限定されるものではなく、絶縁性パタ ンの形成方法および半導体パターンの形成 法にも適用可能である。絶縁性パターンの 成方法に本発明を適用する場合には、液組 物の溶質として、ポリエステル系樹脂、ア リル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系 脂等の有機材料を単独でまたは混合して用 ることが可能である。また、ラジカル型紫 線硬化型樹脂、カチオン型紫外線硬化型樹 、電子線硬化型樹脂なども適宜必要に応じ 使用することも可能である。溶媒としては 実施形態と同様のものを用いることができ 。

 また、半導体パターンの形成方法に本発 を適用する場合には、液組成物の溶質とし 、例えばトリイソプロピルシリルエチニル ンタセン等の可溶性有機半導体材料などが いられる。溶媒としては、実施形態と同様 ものを用いることができる。例えば、上記 施形態で、図2(g)を用いて説明した半導体層 34の形成工程において、本発明を適用し、有 半導体層をパターン形成してもよい。

 〔実施例〕
 さらに、本発明の具体的な実施例について 再び図1~図2を用いて説明する。

(実施例1~5)
 上記実施形態と同様に、ガラス基板11上に スピンコーターにてPDMS(ダウ・コーニング社 製商品名シルポット)を塗布し、加熱処理し PDMSを硬化させ、第1版10(ブランケット)を作 した。次に、オレイン酸にて表面処理が施 れた銀ナノ粒子(平均粒子径10nm)を表1に示す 成比の溶媒を用いて5wt%になるように分散し 、液組成物を調製した。実施例1~5のいずれの 溶媒においても加熱された第1版10の表面温度 において133pa以下の蒸気圧を示す溶剤が含ま ている。次いで、スピンコーターにより、 1版10上に該液組成物を塗布することで、導 性膜Dを形成した後、表1に記載の温度とな ように、第1版10を加熱した。

 一方、ガラス基板上にフォトレジスト(化 薬マクロケム社製商品名SU-8)を、スピンコー ーを用いて厚さ5μmに塗布し、露光現像する ことで、表面側にラインアンドスペース(L/S)= 5μm(アスペクト比1:1)の凹凸パターンを形成し 、ガラス版からなる第2版20を作製した。

 続いて、上記第2版20を第1版10の導電性膜D の形成面側に押圧し、第2版20の凸部20aに導電 性膜Dの不要なパターンを転写して除去する とで、第1版10上に導電性パターンD’を形成 た。

 一方、PVP樹脂溶液(溶媒PGMEA(プロピレング リコールモノメチルエーテルアセテート)、 度20wt%)に、メラミンホルムアルデヒド樹脂 らなる架橋剤を加えた溶液を、スピンコー ーを用いて基板31上に塗布することで、PVPか らなる絶縁膜32を形成した被転写基板30を用 する。次いで、第1版10の導電性パターンD’ 形成面側を、被転写基板30の被転写面32aに 圧することで、絶縁膜32の表面に、導電性パ ターンD’を転写した。その後、導電性パタ ンD’を180℃で1時間オーブンで固着させ、銀 ナノ粒子が焼結すると導電性を有する配線パ ターンが形成される。

 この結果、L/S=5μmの導電性パターンD’が 問題なく形成されることが確認された(上記 表1に○として記載)。

(比較例1~5)
 一方、上記実施例1~5に対する比較例1~5とし 、液組成物として導電性粒子を分散させる 媒に、表2に示す組成の溶媒を用いた以外は 、実施例1~5と同様に、L/S=5μmの配線パターン 形成した。なお、比較例1~5のいずれの溶媒 おいても加熱された第1版10の表面温度にお て133pa以下の蒸気圧を示す溶剤は含まれて ない。

 この結果、導電性膜Dからの溶媒の揮発が 激しく、第2版20にパターンが完全に転写され ず、L/S=5μmの配線パターンが形成できないこ が確認された(表2中に×として記載)。