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Title:
PLASMA DISPLAY MEMBER AND METHOD FOR MANUFACTURING PLASMA DISPLAY MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096440
Kind Code:
A1
Abstract:
A plasma display member comprises a plurality of substantially stripe-shaped address electrodes (7) formed on a substrate (5), a dielectric layer (6) covering the address electrodes, main barrier ribs (8) located on the dielectric layer and formed substantially in parallel with the address electrodes, and auxiliary barrier ribs (9) formed orthogonal to the main barrier ribs. In the plasma display member, the pitch (Pt1) between the outermost main barrier rib of the main barrier ribs located in the non-display region on both sides in the lateral direction of a display region and the main barrier rib adjacent to the outermost main barrier rib is integer times the pitch (Pt2) between the main barrier ribs located in the display region, where the integer is two or more. In addition, exposure processing is performed a plurality of times by using a photomask having a specific shape, thereby making it possible to obtain a plasma display having a high display quality and a high productivity.

Inventors:
OTSU TAKAFUMI (JP)
UCHIDA TETSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/051404
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 29, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TORAY INDUSTRIES (JP)
OTSU TAKAFUMI (JP)
UCHIDA TETSUO (JP)
International Classes:
H01J9/02; H01J17/16; H01J17/49
Domestic Patent References:
WO2004075234A12004-09-02
WO2008016003A12008-02-07
Foreign References:
JP2001118513A2001-04-27
US20050116643A12005-06-02
JP2004103562A2004-04-02
JP2005310788A2005-11-04
JP2006261106A2006-09-28
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Claims:
 基板上に複数の略ストライプ状のアドレス電極、該アドレス電極を覆う誘電体層、ならびに該誘電体層上に位置する該アドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔壁と直交する補助隔壁を有するプラズマディスプレイ用部材であって、表示領域の横方向両側の非表示領域に位置する主隔壁のうち最外部に位置する主隔壁とそれに隣り合う主隔壁のピッチが表示領域に位置する主隔壁のピッチの2以上の整数倍であることを特徴とするプラズマディスプレイ用部材。
 表示領域の横方向両側の非表示領域に位置する主隔壁のうち最外部に位置する主隔壁とそれに隣り合う主隔壁のピッチが表示領域に位置する主隔壁のピッチの2倍、3倍または4倍である請求項1に記載のプラズマディスプレイ用部材。
 基板上に複数の略ストライプ状のアドレス電極もしくはアドレス電極の前駆体、該アドレス電極もしくはアドレス電極の前駆体を覆う誘電体層もしくは誘電体層の前駆体、ならびに該誘電体層もしくは誘電体層の前駆体上に感光性ガラスペースト層が形成されたディスプレイ用部材材料に対し、該アドレス電極またはアドレス電極の前駆体に略平行およびこれに直交する格子状の透光パターンを有するフォトマスクを介して露光動作を複数回行い、現像し、焼成して、該アドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔壁と直交する補助隔壁からなる格子状隔壁を形成するディスプレイ用部材の製造方法であって、横方向最外部に位置する主隔壁形成用透光部とそれに隣り合う主隔壁形成用透光部のピッチが、横方向中央部に位置する主隔壁形成用透光部のピッチの2以上の整数倍であるフォトマスクを用い、少なくとも2回の露光動作の間にフォトマスクと基板とを補助隔壁の方向と平行に相対移動させ、移動距離が横方向最外部に位置する主隔壁用透光部とそれに隣り合う主隔壁用透光部のピッチの整数倍であることを特徴とするプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
 横方向最外部に位置する主隔壁用透光部とそれに隣り合う主隔壁用透光部のピッチが、横方向中央部に位置する主隔壁用透光部のピッチの2倍、3倍または4倍である請求項3に記載のプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
 基板上に複数の略ストライプ状のアドレス電極もしくはアドレス電極の前駆体、該アドレス電極もしくはアドレス電極の前駆体を覆う誘電体層もしくは誘電体層の前駆体、ならびに該誘電体層もしくは誘電体層の前駆体上に感光性ガラスペースト層が形成されたディスプレイ用部材材料に対し、該アドレス電極またはアドレス電極の前駆体に略平行およびこれに直交する格子状の透光パターンを有するフォトマスクを介して露光動作を複数回行い、現像し、焼成して、該アドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔壁と直交する補助隔壁からなる格子状隔壁を形成するディスプレイ用部材の製造方法であって、横方向最外部に位置する主隔壁形成用透光部とそれに隣り合う主隔壁形成用透光部のピッチが、横方向中央部に位置する主隔壁形成用透光部のピッチの2以上の整数倍であるフォトマスクを用い、少なくとも2回の露光動作の間にフォトマスクと基板とを主隔壁の方向と平行に相対移動させ、移動距離が縦方向最外部に位置する補助隔壁透光部とそれに隣り合う補助隔壁透光部のピッチの整数倍であることを特徴とするプラズマディスプレイ用部材の製造方法。
Description:
プラズマディスプレイ用部材及 プラズマディスプレイ用部材の製造方法

 本発明はプラズマディスプレイ用部材及 プラズマディスプレイ用部材の製造方法に する。

 薄型・大型テレビに使用できるディスプ イとして、プラズマディスプレイが注目さ ている。図5は、プラズマディスプレイの1 の画素の構成の例を模式的に示した斜視図 ある。図5に示す例では、表示面となる前面 18側のガラス基板12上には、対をなす複数の サステイン電極14とスキャン電極13が、銀や ロム、アルミニウム、ニッケル等の材料で 表示領域の短辺の方向を縦方向、長辺の方 を横方向としたときに、横方向を長手方向 するストライプ状に形成されている。また プラズマディスプレイの縦方向の画素と画 の間には、画像表示時のコントラストを維 するためにブラックストライプ15が形成され る場合がある。さらにサステイン電極14およ スキャン電極13を被覆してガラスを主成分 する誘電体層16が20~50μm厚みで形成され、誘 体層16を被覆して保護層17が形成されている 。

 一方、背面板25側のガラス基板19には、複 数のアドレス電極20が、縦方向を長手方向と るストライプ状に形成され、アドレス電極2 0を被覆してガラスを主成分とする誘電体層21 が形成されている。前記誘電体層21上に放電 ルを仕切るための主隔壁22と補助隔壁23が形 成され、隔壁と誘電体層21で形成された放電 間内に蛍光体層24が形成されてなる。フル ラー表示が可能なプラズマディスプレイに いては、蛍光体層は、赤(R)、緑(G)、青(B)の 色に発光するものにより構成される。前面 18側のサステイン電極14と背面板25側のアド ス電極20が互いに直交するように、前面板と 背面板が封着され、それらの基板の間隙内に ヘリウム、ネオン、キセノンなどから構成さ れる希ガスが封入されプラズマディスプレイ が形成される。スキャン電極13とアドレス電 20の交点を中心として画素セルが形成され ので、プラズマディスプレイは複数の画素 ルを有し、画像の表示が可能になる。

 プラズマディスプレイにおいて表示を行 際、選択された画素セルにおいて、発光し いない状態からスキャン電極13とアドレス 極20との間に放電開始電圧以上の電圧を印加 すると電離によって生じた陽イオンや電子は 、画素セルが容量性負荷であるために放電空 間内を反対極性の電極へと向けて移動して保 護層17の内壁に帯電し、内壁の電荷は保護層1 7の抵抗が高いために減衰せずに壁電荷とし 残留する。

 次に、スキャン電極13とサステイン電極14 の間に放電維持電圧を印加する。壁電荷のあ るところでは、放電開始電圧より低い電圧で も放電することができる。放電により放電空 間内のキセノンガスが励起され、147nmの紫外 が発生し、紫外線が蛍光体層24を励起する とにより、発光表示が可能になる。

 プラズマディスプレイパネル用背面板を 成するアドレス電極、誘電体層、隔壁、蛍 体層においては、基板上に感光性ペースト 塗布または積層し、所望のパターンを有す フォトマスクを介して露光、その後所望の 像液を用いて現像する方法が知られている

 例えば基板上にセラミック粉末と紫外線 化型樹脂からなる感光性ペースト層を形成 、所望のパターンを有するフォトマスクを して露光・現像・焼成することにより隔壁 形成する方法(特許文献1)が提案されている

 しかしながら、主隔壁および補助隔壁か なる格子状の隔壁を形成する際に、セラミ ク粉末と樹脂からなるペースト塗布層を格 状にパターン化し、焼成すると、横方向最 部の主隔壁と補助隔壁の交差部で盛り上が が生じ、盛り上がった部分以外では前面板 隔壁が密着せず、誤放電が生じるという問 があった。

 また、フォトマスク上に異物が付着した 合、あるいはキズがあった場合、露光・現 後に得られるパターンは、その殆どが断線 るいは短絡等の欠陥が発生し、歩留まりが 下するという問題があった。

 このような問題に対し、フォトマスクの開 部の長さが、パターン層の長さより短いフ トマスクを準備し、基板またはフォトマス を移動させながら露光する方法(特許文献2 3)が提案されている。しかしながらこの方法 においては、PDPの格子状隔壁などの複雑なパ ターンを形成する場合、基板またはフォトマ スクの移動方向端部で隔壁形状の不良が発生 し、部材の生産性を落としたり、パネルの表 示品位を低下させたりするという問題がある 。

特開平2-165538号公報

特開2004-240095号公報

国際公開番号WO2006/025266A1号公報

 本発明が解決しようとする課題は、表示 位が高く、かつ生産性の高いプラズマディ プレイを提供することにある。

 本発明の課題は、基板上に複数の略スト イプ状のアドレス電極、該アドレス電極を う誘電体層、ならびに該誘電体層上に位置 る該アドレス電極に略平行な主隔壁および 主隔壁と直交する補助隔壁を有するプラズ ディスプレイ用部材であって、表示領域の 方向両側の非表示領域に位置する主隔壁の ち最外部に位置する主隔壁とそれに隣り合 主隔壁のピッチが表示領域に位置する主隔 のピッチの2以上の整数倍であることを特徴 とするプラズマディスプレイ用部材によって 解決することができる。

 また、本発明の課題は、基板上に複数の ストライプ状のアドレス電極もしくはアド ス電極の前駆体、該アドレス電極もしくは ドレス電極の前駆体を覆う誘電体層もしく 誘電体層の前駆体、ならびに該誘電体層も くは誘電体層の前駆体上に感光性ガラスペ スト層が形成されたディスプレイ用部材材 に対し、該アドレス電極またはアドレス電 の前駆体に略平行およびこれに直交する格 状の透光パターンを有するフォトマスクを して露光動作を複数回行い、現像し、焼成 て、該アドレス電極に略平行な主隔壁およ 該主隔壁と直交する補助隔壁からなる格子 隔壁を形成するディスプレイ用部材の製造 法であって、横方向最外部に位置する主隔 形成用透光部とそれに隣り合う主隔壁形成 透光部のピッチが、横方向中央部に位置す 主隔壁形成用透光部のピッチの2以上の整数 倍であるフォトマスクを用い、少なくとも2 の露光動作の間にフォトマスクと基板とを 助隔壁の方向と平行に相対移動させ、移動 離が横方向最外部に位置する主隔壁用透光 とそれに隣り合う主隔壁用透光部のピッチ 整数倍であることを特徴とするプラズマデ スプレイ用部材の製造方法によって解決す ことができる。

 また、本発明の課題は、基板上に複数の ストライプ状のアドレス電極もしくはアド ス電極の前駆体、該アドレス電極もしくは ドレス電極の前駆体を覆う誘電体層もしく 誘電体層の前駆体、ならびに該誘電体層も くは誘電体層の前駆体上に感光性ガラスペ スト層が形成されたディスプレイ用部材材 に対し、該アドレス電極またはアドレス電 の前駆体に略平行およびこれに直交する格 状の透光パターンを有するフォトマスクを して露光動作を複数回行い、現像し、焼成 て、該アドレス電極に略平行な主隔壁およ 該主隔壁と直交する補助隔壁からなる格子 隔壁を形成するディスプレイ用部材の製造 法であって、横方向最外部に位置する主隔 形成用透光部とそれに隣り合う主隔壁形成 透光部のピッチが、横方向中央部に位置す 主隔壁形成用透光部のピッチの2以上の整数 倍であるフォトマスクを用い、少なくとも2 の露光動作の間にフォトマスクと基板とを 隔壁の方向と平行に相対移動させ、移動距 が縦方向最外部に位置する補助隔壁透光部 それに隣り合う補助隔壁透光部のピッチの 数倍であることを特徴とするプラズマディ プレイ用部材の製造方法によっても解決す ことができる。

 本発明により、表示品位が高く、かつ生 性の高いプラズマディスプレイを提供する ができる。

従来のプラズマディスプレイ用背面板 横方向断面模式図である 本発明のプラズマディスプレイ用背面 の横方向断面模式図である 本発明に用いるフォトマスクパターン 模式図である 本発明で得られる隔壁パターンの模式 である プラズマディスプレイパネルの模式図 ある

符号の説明

1:補助隔壁
2:表示領域の主隔壁
3:最外部の主隔壁
4:フォトマスクパターン
5:ガラス基板
6:誘電体層
7:アドレス電極
8:主隔壁
9:補助隔壁
10:表示領域
11:非表示領域
12:ガラス基板
13:スキャン電極
14:サステイン電極
15:ブラックストライプ
16:誘電体層
17:保護層
18:前面板
19:ガラス基板
20:アドレス電極
21:誘電体層
22:主隔壁
23:補助隔壁
24:蛍光体層
25:背面板
Pmt1:フォトマスクの横方向最外部に位置する 隔壁形成用透光部とそれに隣り合う主隔壁 成用透光部のピッチ
Pmt2:横方向中央部に位置する主隔壁形成用透 部のピッチ
Pmy:補助隔壁形成用透光部のピッチ
Wt1:横方向最外部に位置する主隔壁形成用透 部の開口幅
Wt2:横方向中央部に位置する主隔壁形成用透 部の開口幅
Pt1:表示領域の横方向両側の非表示領域に位 する主隔壁のうち最外部に位置する主隔壁 それに隣り合う主隔壁のピッチ
Pt2:表示領域に位置する主隔壁のピッチ
Py:補助隔壁のピッチ
Lt1:表示領域の横方向両側の非表示領域に位 する主隔壁のうち最外部に位置する主隔壁 底部幅
Lt2:表示領域に位置する主隔壁の底部幅

 本発明のプラズマディスプレイ用部材は 基板上に複数の略ストライプ状のアドレス 極、該アドレス電極を覆う誘電体層、なら に該誘電体層上に位置する該アドレス電極 略平行な主隔壁および該主隔壁と直交する 助隔壁を有するプラズマディスプレイ用部 であって、表示領域の横方向両側の非表示 域に位置する主隔壁のうち最外部に位置す 主隔壁とそれに隣り合う主隔壁のピッチが 示領域に位置する主隔壁のピッチの2以上の 整数倍であることを特徴とするプラズマディ スプレイ用部材である。

 ここで、横方向とは、上述のように表示 面の長辺の方向を言い、アドレス電極と直 する方向である。また、本願において縦方 とは、基板上で横方向と直交する方向、す わち表示画面の短辺の方向を言い、アドレ 電極と平行な方向である。

 表示領域の横方向両側の非表示領域に位 する主隔壁のうち最外部に位置する主隔壁 それに隣り合う主隔壁のピッチが表示領域 位置する主隔壁のピッチの2以上の整数倍で あることで、有機成分と無機成分からなる隔 壁ペーストの塗布膜を格子状にパターン加工 した後に焼成することによって主隔壁および 補助隔壁からなる格子状の隔壁を形成する際 に、横方向最外部の主隔壁の盛り上がりを抑 制する事ができる。

 なお、本発明において、2以上の整数倍と は、必ずしも厳密に整数倍とすることが必要 なわけではなく、概ね整数倍の0.90~1.10倍、好 ましくは0.95~1.05倍の範囲内であればよい。

 本発明のプラズマディスプレイ用部材は さらに表示領域の横方向両側の非表示領域 位置する主隔壁のうち最外部に位置する主 壁とそれに隣り合う主隔壁のピッチが表示 域に位置する主隔壁のピッチの2倍、3倍ま は4倍であることが好ましい。特に好ましい は2倍である。

 また、本発明のプラズマディスプレイ用 材の製造方法は、基板上に複数の略ストラ プ状のアドレス電極もしくはアドレス電極 前駆体、該アドレス電極もしくはアドレス 極の前駆体を覆う誘電体層もしくは誘電体 の前駆体、ならびに該誘電体層もしくは誘 体層の前駆体上に感光性ガラスペースト層 形成されたディスプレイ用部材材料に対し 該アドレス電極またはアドレス電極の前駆 に略平行およびこれに直交する格子状の透 パターンを有するフォトマスクを介して露 動作を複数回行い、現像し、焼成して、該 ドレス電極に略平行な主隔壁および該主隔 と直交する補助隔壁からなる格子状隔壁を 成するディスプレイ用部材の製造方法であ て、横方向最外部に位置する主隔壁形成用 光部とそれに隣り合う主隔壁形成用透光部 ピッチが、横方向中央部に位置する主隔壁 成用透光部のピッチの2以上の整数倍である フォトマスクを用い、少なくとも2回の露光 作の間にフォトマスクと基板とを補助隔壁 方向と平行に相対移動させ、移動距離が横 向最外部に位置する主隔壁用透光部とそれ 隣り合う主隔壁用透光部のピッチの整数倍 あることを特徴とするプラズマディスプレ 用部材の製造方法である。

 格子状の透光パターンを有するフォトマス を介して露光動作を複数回行い、少なくと 2回の露光動作の間にフォトマスクと基板と を補助隔壁の方向と平行に相対移動させるこ とによって、フォトマスク上に異物が付着し た場合やキズがあった場合であっても、断線 や短絡等といった欠陥の発生を抑制すること ができる。
また、少なくとも2回の露光動作の間にフォ マスクと基板とを相対移動させることから 露光の位置精度を確保するために2回の各露 動作の前に位置合わせのためのアライメン 動作を行うことが好ましい。ただし、1回目 の露光動作の前には基板とフォトマスクとの 位置合わせのためのアライメント動作を毎回 行うが、2回目の露光動作の前は1枚目でアラ メント動作を行い、2枚目以降はアライメン ト動作を行わずに初回アライメントの結果を 基にフォトマスクと基板とを一定距離相対移 動させて露光動作を行うことを1サイクルと 、これを繰り返してもよい。このようにす ことで露光動作の位置精度を確保し、かつ 時間で露光動作を終えることができるので 生産性を犠牲にすることもない。

 また、フォトマスクとして、横方向最外 に位置する主隔壁形成用透光部とそれに隣 合う主隔壁形成用透光部のピッチが、横方 中央部に位置する主隔壁形成用透光部のピ チの2以上の整数倍であるフォトマスクを用 い、少なくとも2回の露光動作の間に行うフ トマスクと基板の補助隔壁の方向への相対 動の移動距離を、横方向最外部に位置する 隔壁用透光部とそれに隣り合う主隔壁用透 部のピッチの整数倍とすることによって、 方向最外部の主隔壁の盛り上がりの少ない ラズマディスプレイ用部材を欠陥なく製造 ることができる。

 横方向最外部に位置する主隔壁形成用透 部とそれに隣り合う主隔壁形成用透光部の ッチは横方向中央部に位置する主隔壁形成 透光部のピッチの2倍、3倍または4倍である とが好ましい。特に好ましいのは2倍である 。また、少なくとも2回の露光動作の間に行 フォトマスクと基板の補助隔壁の方向への 対移動の移動距離は、横方向最外部に位置 る主隔壁用透光部とそれに隣り合う主隔壁 透光部のピッチの等倍であることが好まし 。

 本発明においては、格子状の透光パター を有するフォトマスクを介して露光動作を 数回行い、少なくとも2回の露光動作の間に フォトマスクと基板とを、前述のように補助 隔壁の方向と平行に相対移動させるだけでな く、主隔壁の方向と平行に相対移動させても 良い。その場合の本発明は、基板上に複数の 略ストライプ状のアドレス電極もしくはアド レス電極の前駆体、該アドレス電極もしくは アドレス電極の前駆体を覆う誘電体層もしく は誘電体層の前駆体、ならびに該誘電体層も しくは誘電体層の前駆体上に感光性ガラスペ ースト層が形成されたディスプレイ用部材材 料に対し、該アドレス電極またはアドレス電 極の前駆体に略平行およびこれに直交する格 子状の透光パターンを有するフォトマスクを 介して露光動作を複数回行い、現像し、焼成 して、該アドレス電極に略平行な主隔壁およ び該主隔壁と直交する補助隔壁からなる格子 状隔壁を形成するディスプレイ用部材の製造 方法であって、横方向最外部に位置する主隔 壁形成用透光部とそれに隣り合う主隔壁形成 用透光部のピッチが、横方向中央部に位置す る主隔壁形成用透光部のピッチの2以上の整 倍であるフォトマスクを用い、少なくとも2 の露光動作の間にフォトマスクと基板とを 隔壁の方向と平行に相対移動させ、移動距 が縦方向最外部に位置する補助隔壁透光部 それに隣り合う補助隔壁透光部のピッチの 数倍であることを特徴とするプラズマディ プレイ用部材の製造方法である。

 この製造方法において用いるフォトマス の縦方向最外部に位置する補助隔壁形成用 光部の開口線幅は縦方向中央部に位置する 助隔壁形成用透光部の開口線幅よりも大き ことが好ましい。

 格子状の透光パターンを有するフォトマス を介して露光動作を複数回行い、少なくと 2回の露光動作の間にフォトマスクと基板と を主隔壁の方向と平行に相対移動させること によって、フォトマスク上に異物が付着した 場合やキズがあった場合であっても、断線や 短絡等といった欠陥の発生を抑制することが できる。
また、少なくとも2回の露光動作の間にフォ マスクと基板とを相対移動させることから 露光の位置精度を確保するために2回の各露 動作の前に位置合わせのためのアライメン 動作を行うことが好ましい。ただし、1回目 の露光動作の前には基板とフォトマスクとの 位置合わせのためのアライメント動作を毎回 行うが、2回目の露光動作の前は1枚目でアラ メント動作を行い、2枚目以降はアライメン ト動作を行わずに初回アライメントの結果を 基にフォトマスクと基板とを一定距離相対移 動させて露光動作を行うことを1サイクルと 、これを繰り返してもよい。このようにす ことで露光動作の位置精度を確保し、かつ 時間で露光動作を終えることができるので 生産性を犠牲にすることもない。

 以下、本発明のプラズマディスプレイ用 材の構成と、本発明のプラズマディスプレ 用部材の構成および製造方法について説明 る。

 本発明のプラズマディスプレイ用部材に いる基板としては、ソーダガラスなどを用 ることができ、具体的にはプラズマディス レイ用の耐熱ガラスである旭硝子(株)製のPD 200や日本電気硝子(株)製のPP8などが挙げられ 。

 基板上には、銀やアルミニウム、クロム ニッケルなどの金属によりストライプ状の ドレス電極が形成される。形成する方法と ては、これらの金属の粉末と有機バインダ を主成分とする金属ペーストをスクリーン 刷でパターン印刷し、400~600℃に加熱・焼成 して金属パターンを形成する方法や、金属粉 末と感光性有機成分を含む感光性金属ペース トを塗布した後に、フォトマスクを用いてパ ターン露光後、不要な部分を現像工程で溶解 除去し、さらに400~600℃に加熱、焼成して金 パターンを形成する感光性ペースト法を用 ることができる。また、ガラス基板上にク ムやアルミニウム等の金属をスパッタリン した後にレジストを塗布し、レジストをパ ーン露光、現像した後にエッチングにより 要な部分の金属を取り除くエッチング法を いることもできる。電極厚みは1.0~10μmが好 しく、1.5~5μmがより好ましい。電極厚みが薄 すぎると抵抗値が大きくなり正確な駆動が困 難となる傾向にあり、厚すぎると材料が多く 必要とされ、コスト的に不利な傾向にある。 アドレス電極の幅は好ましくは35~240μm、より 好ましくは30~150μmである。アドレス電極の幅 が細すぎると抵抗値が高くなり正確な駆動が 困難となる傾向にあり、太すぎると隣り合う 電極間の距離が小さくなるため、ショート欠 陥が生じやすい傾向にある。さらに、アドレ ス電極は表示セル(画素の各RGBを形成する領 )に応じたピッチで形成される。通常のプラ マディスプレイでは100~500μm、高精細プラズ マディスプレイにおいては100~400μmのピッチ 形成するのが好ましい。

 前記アドレス電極を被覆して、誘電体層 形成される。誘電体層はガラス粉末と有機 インダーを主成分とするガラスペーストを アドレス電極を覆う形で塗布した後に、400~ 600℃で焼成することにより形成することがで きる。誘電体層に用いるガラスペーストには 、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛、酸化リ ンの少なくとも1種類以上を含有し、これら 合計で10~80質量%含有する低融点ガラス粉末 好ましく用いることができる。該配合物を10 質量%以上とすることで、600℃以下での焼成 容易になり、80質量%以下とすることで、結 化を防ぎ透過率の低下を防止する。

 上記低融点ガラス粉末と有機バインダー 混練してペーストを作成する。用いる有機 インダーとしては、エチルセルロース、メ ルセルロース等に代表されるセルロース系 合物、メチルメタクリレート、エチルメタ リレート、イソブチルメタクリレート、メ ルアクリレート、エチルアクリレート、イ ブチルアクリレート等のアクリル系化合物 を用いることができる。また、ガラスペー ト中に、溶媒、可塑剤等の添加剤を加えて 良い。溶媒としては、テルピネオール、ブ ロラクトン、トルエン、メチルセルソルブ の汎用溶媒を用いることができる。また、 塑剤としてはジブチルフタレート、ジエチ フタレート等を用いることができる。低融 ガラス粉末以外に軟化温度が高く焼成時に 化しないフィラー成分を添加することによ 、反射率が高く、輝度の高いPDPを得ること できる。フィラーとしては、酸化チタン、 化アルミニウム、酸化ジルコニウム等が好 しく、体積分布曲線における50%粒子径が0.05 ~3μmの酸化チタンを用いることが特に好まし 。フィラーの含有量はガラス粉末:フィラー の質量比で、1:1~10:1が好ましい。フィラーの 有量を重量比でガラス粉末含有量の10分の1 上とすることで、輝度向上の実効を得るこ ができる。また、ガラス粉末の含有量の同 以下とすることで、焼結性を保つことがで る。

 また、誘電体層に用いるガラスペースト 導電性微粒子を添加することにより駆動時 信頼性の高いプラズマディスプレイを作成 ることができる。導電性微粒子は、ニッケ 、クロムなどの金属粉末が好ましく、体積 布曲線における50%粒子径は1~10μmであること が好ましい。1μm以上とすることで十分な効 を発揮でき、10μm以下とすることで誘電体上 の凹凸を抑えることができ、誘電体層上での 後述の隔壁の形成を容易にすることができる 。これらの導電性微粒子が誘電体層に含まれ る含有量としては、0.1~10質量%が好ましい。0. 1質量%以上とすることで導電性を得ることが き、10質量%以下とすることで、横方向の隣 合うアドレス電極間でのショートを防ぐこ ができる。誘電体層の厚みは好ましくは3~30 μm、より好ましくは3~15μmである。誘電体層 厚みが薄すぎるとピンホールが多発する傾 にあり、厚すぎると放電電圧が高くなり、 費電力が大きくなる傾向にある。

 次に、本発明における主隔壁および補助 壁の形成方法について説明する。主隔壁お び補助隔壁は、基板上に絶縁性の無機成分 有機成分からなるペーストを用いて、スク ーン印刷法、サンドブラスト法、感光性ペ スト法(フォトリソグラフィー法)、金型転 法、リフトオフ法等公知の技術によりパタ ンを形成し、焼成することで形成される。

 以下に感光性ペースト法について、詳述 る。

 感光性ペースト法で用いる隔壁形成用感 性ペーストは、無機微粒子と感光性有機成 を主成分とし、必要に応じて光重合開始剤 光吸収剤、増感剤、有機溶媒、増感助剤、 合禁止剤を含有する。

 隔壁形成用感光性ペーストの無機微粒子 しては、ガラス、セラミック(アルミナ、コ ーディライトなど)などを用いることができ 。特に、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物、ま は、アルミニウム酸化物を必須成分とする ラスやセラミックスが好ましい。

 無機微粒子の粒子径は、作製しようとする ターンの形状を考慮して選ばれるが、体積 布曲線における50%粒子径が、1~10μmであるこ とが好ましく、より好ましくは、1~5μmである 。体積分布曲線における50%粒子径を10μm以下 することで、表面凸凹が生じるのを防ぐこ ができる。また、1μm以上とすることで、ペ ーストの粘度調整を容易にすることができる 。さらに、比表面積0.2~3m 2 /gのガラス微粒子を用いることが、パターン 成において特に好ましい。

 主隔壁および補助隔壁は、好ましくは熱軟 点の低いガラス基板上にパターン形成され ため、無機微粒子として、熱軟化温度が350~ 600℃の低融点ガラス微粒子を60質量%以上含む 無機微粒子を用いることが好ましい。また、 熱軟化温度が600℃より高い高融点ガラス微粒 子やセラミック微粒子からなるフィラー成分 を添加することによって、焼成時の収縮率を 抑制することができるが、その量は、無機微 粒子の合計量に対して40質量%以下が好ましい 。低融点ガラス微粒子としては、焼成時にガ ラス基板にそりを生じさせないためには線膨 脹係数が50×10 -7 ~90×10 -7 K -1 、さらには、60×10 -7 ~90×10 -7 K -1 の低融点ガラス微粒子を用いることが好まし い。

 低融点ガラス微粒子としては、ケイ素お び/またはホウ素の酸化物を含有したガラス が好ましく用いられる。

 酸化ケイ素は、3~60質量%の範囲で配合さ ていることが好ましい。3質量%以上とするこ とで、ガラス層の緻密性、強度や安定性が向 上し、また、熱膨脹係数を所望の範囲内とし 、ガラス基板との熱膨張係数の差によるそり 発生の問題を防ぐことができる。また、60質 %以下にすることによって、熱軟化点が低く なり、ガラス基板への焼き付けが可能になる などの利点がある。

 酸化ホウ素は、5~50質量%の範囲で配合す ことによって、電気絶縁性、強度、熱膨脹 数、絶縁層の緻密性などの電気、機械およ 熱的特性を向上することができる。50質量% 下とすることでガラスの安定性を保つこと できる。

 さらに、酸化ビスマス、酸化鉛、酸化亜鉛 うちの少なくとも1種類を合計で5~50質量%含 させることによって、ガラス基板上にパタ ン加工するのに適した温度特性を有するガ スペーストを得ることができる。特に、酸 ビスマスを5~50質量%含有するガラス微粒子 用いると、ペーストのポットライフが長い どの利点が得られる。ビスマス系ガラス微 子としては、次の組成をからなるガラス粉 を用いることが好ましい。
酸化ビスマス:10~40質量%
酸化ケイ素:3~50質量%
酸化ホウ素:10~40質量%
酸化バリウム:8~20質量%
酸化アルミニウム:10~30質量%
 また、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸 カリウムのうち、少なくとも1種類を3~20質 %含むガラス微粒子を用いてもよい。アルカ 金属酸化物の添加量は、20質量%以下、好ま くは、15質量%以下にすることによって、ペ ストの安定性を向上することができる。上 3種のアルカリ金属酸化物の内、酸化リチウ ムがペーストの安定性の点で、特に好ましい 。リチウム系ガラス微粒子としては、例えば 次に示す組成を含むガラス粉末を用いること が好ましい。
酸化リチウム:2~15質量%
酸化ケイ素:15~50質量%
酸化ホウ素:15~40質量%
酸化バリウム:2~15質量%
酸化アルミニウム:6~25質量%
 また、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛の うな金属酸化物と酸化リチウム,酸化ナトリ ウム、酸化カリウムのようなアルカリ金属酸 化物の両方を含有するガラス微粒子を用いれ ば、より低いアルカリ金属含有量で、熱軟化 温度や線膨脹係数を容易にコントロールする ことができる。

 また、ガラス微粒子中に、酸化アルミニ ム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化 グネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化 ルコニウムなど、特に、酸化アルミニウム 酸化バリウム、酸化亜鉛を添加することに り、加工性を改良することができるが、熱 化点、熱膨脹係数の点からは、その含有量 、40質量%以下が好ましく、より好ましくは2 5質量%以下である。

 感光性有機成分としては、感光性モノマ 、感光性オリゴマー、感光性ポリマーのう の少なくとも1種類を含有することが好まし い。

 感光性モノマーは、炭素-炭素不飽和結合 を含有する化合物で、その具体的な例として 、単官能および多官能性の(メタ)アクリレー 類、ビニル系化合物類、アリル系化合物類 どのアクリル系モノマーを用いることが好 しい。これらは1種または2種以上使用する とができる。

 感光性オリゴマー、感光性ポリマーとし は、炭素-炭素2重結合を有するモノマーの ちの少なくとも1種類を重合して得られるオ ゴマーやポリマーを用いることができる。 ましくは上記アクリル系モノマーのうち少 くとも1種類を重合して得られるオリゴマー やポリマーであって、前記モノマーの含有率 が、10質量%以上、さらに好ましくは35質量%以 上になるように、他の感光性のモノマーと共 重合することができる。ポリマーやオリゴマ ーに不飽和カルボン酸などの不飽和酸を共重 合することによって、感光後の現像性を向上 することができる。不飽和カルボン酸の具体 的な例として、アクリル酸、メタクリル酸、 イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマ ル酸、ビニル酢酸、または、これらの酸無水 物などが挙げられる。こうして得られた側鎖 にカルボキシル基などの酸性基を有するポリ マー、もしくは、オリゴマーの酸価(AV)は、50 ~180の範囲が好ましく、70~140の範囲がより好 しい。以上に示したポリマーもしくはオリ マーに対して、光反応性基を側鎖または分 末端に付加させることによって、感光性を つ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとし 用いることができる。好ましい光反応性基 、エチレン性不飽和基を有するものである エチレン性不飽和基としては、ビニル基、 リル基、アクリル基、メタクリル基などが げられる。

 光重合開始剤の具体的な例として、ベン フェノン、O-ベンゾイル安息香酸メチル、4, 4-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4- ス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4-ジ ロロベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4-メチ フェニルケトン、ジベンジルケトン、フル レノン、2,3-ジエトキシアセトフェノン、2,2- ジメトキシ-2-フェニル-2-フェニルアセトフェ ノンなどが挙げられる。これらを1種または2 以上使用することができる。光重合開始剤 、感光性成分に対し、好ましくは0.05~10質量 %の範囲で添加され、より好ましくは、0.1~5質 量%の範囲で添加される。重合開始剤の量が な過ぎると、光感度が低下する傾向にあり 光重合開始剤の量が多すぎると、露光部の 存率が小さくなり過ぎる傾向にある。

 光吸収剤を添加することも有効である。 外光や可視光の吸収効果が高い化合物を添 することによって、高アスペクト比、高精 、高解像度が得られる。光吸収剤としては 有機系染料からなるものが好ましく用いら る、具体的には、アゾ系染料、アミノケト 系染料、キサンテン系染料、キノリン系染 、アントラキノン系染料、ベンゾフェノン 染料、ジフェニルシアノアクリレート系染 、トリアジン系染料、p-アミノ安息香酸系 料などが使用できる。有機系染料は、焼成 の絶縁膜中に残存しないので、光吸収剤に る絶縁膜特性の低下を少なくできるので好 しい。これらの中でも、アゾ系およびベン フェノン系染料が好ましい。有機染料の添 量は、0.05~5質量%が好ましく、より好ましく 、0.05~1質量%である。添加量が前記範囲より 少ないと、光吸収剤の添加効果が減少する傾 向にあり、前記範囲より多いと、焼成後の絶 縁膜特性が低下する傾向にある。

 増感剤は、感度を向上させるために好ま く添加される。増感剤の具体例としては、2 ,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチ オキサントン、2,3-ビス(4-ジエチルアミノベ ザル)シクロペンタノン、2,6-ビス(4-ジメチル アミノベンザル)シクロヘキサノンなどが挙 られる。これらを1種または2種以上使用する ことができる。増感剤を感光性ペーストに添 加する場合、その添加量は、感光性成分に対 して通常0.05~10質量%、より好ましくは0.1~10質 %である。増感剤の量が前記範囲より少ない と感度を向上させる効果が発揮されない傾向 にあり、増感剤の量が前記範囲より多いと、 露光部の残存率が小さくなる傾向にある。

 有機溶媒としては、例えば、メチルセロ ルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソル 、プロピレングリコールモノメチルエーテ アセテート、メチルエチルケトン、ジオキ ン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロ ンタノン、イソブチルアルコール、イソプ ピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジ チルスルフォキシド、γ-ブチルラクトン、N -メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミ 、N,N-ジメチルアセトアミド、ブロモベンゼ ン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジ クロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安 息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有 る有機溶媒混合物が用いられる。

 隔壁形成用感光性ペーストは、通常、上 の無機微粒子や有機成分を所定の組成にな ように調合した後、3本ローラーや混練機で 均質に混合分散し作製する。次いで感光性ペ ーストの塗布、乾燥、露光、現像等を行う。

 隔壁形成用感光性ペーストを塗布する方 としては、スクリーン印刷法、バーコータ 、ロールコーター、ダイコーター、ブレー コーターなどを用いることができる。

 また、塗布後の乾燥は、通風オーブン、 ットプレート、IR(赤外線)炉などを用いるこ とができる。

 露光で使用される活性光源は、例えば、可 光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レ ーザ光などが挙げられる。これらの中で紫外 線が最も好ましく、その光源として、例えば 、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、 ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。 これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である 。露光条件は、塗布厚みによって異なるが、 1~100mW/cm 2 の出力の超高圧水銀灯を用いて0.1~10分間露光 を行う。

 ここで、フォトマスクと感光性ペースト 塗布膜表面との距離(以下ギャップ量という )は50~500μm、さらには70~400μmに調整すること 好ましい。ギャップ量を50μm以上、さらに好 ましくは70μm以上とすることにより、感光性 ースト塗布膜とフォトマスクの接触を防ぎ 双方の破壊や汚染を防ぐことができる。ま 500μm以下、さらに好ましくは400μm以下とす ことにより、シャープなパターニングが可 となる。

 現像は、露光部と非露光部の現像液に対 る溶解度差を利用して行う。現像は、浸漬 やスプレー法、ブラシ法等で行うことがで る。

 現像液は、感光性ペースト中の溶解させ い有機成分、すなわち、ネガ型感光性ペー トの場合は露光前の感光性有機成分が、ポ 型感光性ペーストの場合は露光後の有機成 が溶解可能である溶液を用いる。溶解させ い有機成分にカルボキシル基などの酸性基 もつ化合物が存在する場合、アルカリ水溶 で現像することができる。アルカリ水溶液 しては、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウ 、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化カルシウ 水溶液などの無機アルカリ水溶液を使用す こともできるが、有機アルカリ水溶液を用 た方が焼成時にアルカリ成分を除去しやす ので好ましい。有機アルカリとしては、一 的なアミン化合物を用いることができる。 体的には、テトラメチルアンモニウムヒド キサイド、トリメチルベンジルアンモニウ ヒドロキサイド、モノエタノールアミン、 エタノールアミンなどが挙げられる。アル リ水溶液の濃度は、通常、0.01~10質量%、よ 好ましくは0.1~5質量%である。アルカリ濃度 低過ぎれば可溶部が除去されにくい傾向に り、アルカリ濃度が高過ぎれば、パターン を剥離したり、非可溶部を腐食させたりす 傾向にある。また、現像時の現像温度は、20 ~50℃で行うことが工程管理上好ましい。

 次に、現像により得られた主隔壁及び補 隔壁のパターンは焼成炉にて焼成される。 成雰囲気や温度は、ペーストや基板の種類 よって異なるが、空気中、窒素、水素など 雰囲気中で焼成する。焼成炉としては、バ チ式の焼成炉やローラーハース式の連続型 成炉を用いることができる。焼成温度は、4 00~800℃で行うと良い。ガラス基板上に直接隔 壁を形成する場合は、450~620℃の温度で10~60分 間保持して焼成を行うと良い。

 次いで所定のアドレス電極と平行方向に 成された主隔壁間に、赤(R)、緑(G)、青(B)各 に発光する蛍光体層を形成する。蛍光体層 、蛍光体粉末、有機バインダーおよび有機 媒を主成分とする蛍光体ペーストを所定の 隔壁間に塗着させ、乾燥し、必要に応じて 成することにより形成することができる。

 蛍光体ペーストを所定の主隔壁間に塗着 せる方法としては、スクリーン印刷版を用 てパターン印刷するスクリーン印刷法、吐 ノズルの先端から蛍光体ペーストをパター 吐出するディスペンサー法、また、蛍光体 ーストに前述の感光性有機成分を用いた感 性ペースト法により各色の蛍光体ペースト 所定の場所に塗着させることができるが、 ストの理由からスクリーン印刷法、ディス ンサー法が本発明では好ましく適用される

 赤色蛍光体層の厚みをT r (μm)、緑色蛍光体層の厚みをT g (μm)、および青色蛍光体層の厚みをT b (μm)としたとき、式(2)および(3)を満たすこと 好ましい。
10≦T r ≦T b ≦50    (2)、
10≦T g ≦T b ≦50    (3)
つまり、発光輝度の低い青色について、厚み を緑色、赤色よりも厚くすることにより、よ り色バランスに優れた(色温度の高い)プラズ ディスプレイを作製できる。蛍光体層の厚 としては、10μm以上とすることで充分な輝 を得ることができる。また、50μm以下とする ことで、放電空間を広くとり高い輝度を得る ことができる。この場合の蛍光体層の厚みは 、隣り合う主隔壁および隣り合う補助隔壁の 中間点での焼成後の厚みとして測定する。つ まり、放電空間(主隔壁、補助隔壁によって まれた画素セル内)の底部に形成された蛍光 層の厚みとして測定する。

 塗着させた蛍光体層を必要に応じて、400~ 550℃で焼成することにより、背面板を作製す ることができる。

 この背面板を用いて、前面板と封着後、 背面の基板間隔に形成された空間に、ヘリ ム、ネオン、キセノンなどから構成される 電ガスを封入後、駆動回路を装着してプラ マディスプレイを作製できる。前面板は、 板上に所定のパターンで透明電極、バス電 、誘電体、保護層を形成した部材である。 面板上に形成されたRGB各色蛍光体層に一致 る部分にカラーフィルター層を形成しても い。また、コントラストを向上するために ブラックストライプを形成しても良い。

 次に、主隔壁のピッチについて説明する 主隔壁とこれに直交する補助隔壁からなる 子状の隔壁パターンである場合、表示領域 横方向両側の非表示領域に位置する主隔壁 うち最外部に位置する主隔壁では補助隔壁 表示領域側の片側のみ接続している形状に っており、焼成時に補助隔壁が収縮するこ により発生する応力が表示領域側への一方 にのみかかるために、図1に示すように最外 部の主隔壁3が倒れ込んでしまい、その他の 示領域の主隔壁2よりも盛り上がってしまう いう問題を生じる。このように局所的に隔 高さが高くなるとパネルを点灯した際に誤 電が発生するなどし、表示品位を低下させ しまうことがあり問題である。そこで、最 部主隔壁の倒れ込みを防止するために、図2 に示すように最外部主隔壁の幅Lt1を表示領域 の主隔壁幅よりも太くすることが行われるが 、最外部主隔壁のピッチPt1が表示領域内の主 隔壁ピッチPt2と同じであった場合、倒れ込み を防止するほどLt1を充分に太くすることがで きないことから、Pt1はPt2よりも大きく設計さ れる。Lt1はLt2の1.2~3倍が好ましい。1.2倍より 小さい場合、倒れ込みを抑制する効果が充 でなく、3倍より大きい場合は最外部主隔壁 自身の幅方向の収縮応力が大きくなり頂部が 反り上がったりすることがあるので好ましく ない。

 また、感光性ペースト法を用いて主隔壁 補助隔壁により、パターンが格子状である 壁を有する基板は、基板上に形成された隔 形成用感光性ペースト塗布膜に対し、所望 格子状パターンを有するフォトマスクを用 て露光を行い、現像・焼成を行うことによ 得ることができる。この際フォトマスクへ 物が付着したり、キズ、気泡などがあった した場合、パターンが形成不良となること ある。

 ここで、基板上に形成された隔壁形成用 光性ペースト塗布膜と、所望の格子状パタ ンを有するフォトマスクの位置を合わせ、 度露光し(露光動作1)、さらに、所望の量で 板またはフォトマスクを移動して露光(露光 動作2)する方法を適用することで、パターン 形成不良などの欠陥発生を抑制することが きる。この時の基板またはフォトマスクの 動方向は補助隔壁の方向と平行あるいは主 壁の方向と平行であり、移動方向が補助隔 の方向と平行である場合の移動量は、主隔 ピッチPt2の整数倍であることが好ましい。 数倍でない場合は露光動作1と露光動作2で 隔壁位置がずれてしまうので、欠陥発生を 制する効果が充分でない上に隔壁幅などの 状バラツキの制御が困難になる。表示領域 横方向両側の非表示領域に位置する主隔壁 うち最外部に位置する主隔壁とそれに隣り う主隔壁のピッチPt1が表示領域に位置する 隔壁のピッチPt2の2以上の整数倍である必要 あり、これにより最外部主隔壁の盛り上が を抑制する事ができる。さらに前記露光動 1と露光動作2との間の基板もしくはフォト スクの移動量をPt2と同一にすることにより パターン形成不良などの欠陥の発生を抑制 ることができる。ただし、Pt1がPt2の5以上の 数倍であると、最外部の主隔壁3とその隣り 合う主隔壁との間が開きすぎてしまうために 、前面板と張り合わせてパネル化したときに 、最外部の主隔壁にかかる応力が大きくなり 、隔壁が欠損したりすることがある。

 また、移動方向が主隔壁の方向と平行で る場合の移動量は、補助隔壁ピッチの整数 が好ましく、より好ましくは補助隔壁ピッ と同じ距離である。整数倍でない場合は、 隔壁の形状の制御が困難になる。

 以下に、本発明を実施例により具体的に 明する。ただし、本発明はこれに限定され ものではない。

 まず、評価方法について説明する。隔壁の 成不良については背面板で評価を実施、誤 電と最外部主隔壁欠損についてはプラズマ ィスプレイパネルで実施した。
<隔壁形成不良>
 作製した背面板を透過光にて目視確認し、 壁パターンの断線の有無を調べ、以下基準 判定した。

 ○:断線なし
 ×:断線あり
<誤放電>
 作製したPDPのスキャン電極に140V、サステイ ン電極に200V、アドレス電極に70Vの電圧を印 してR、G、Bを単色で順に点灯させた。誤放 のために点灯させていないはずの色(R点灯時 はGとB、G点灯時はBとR、B点灯時はRとG)で点灯 したセルの個数を数え、以下基準で判定した 。

 ○:誤点灯セル数が1パネルあたり5個以下
 △:誤点灯セル数が1パネルあたり6~10個
 ×:誤点灯セル数が1パネルあたり11個以上
<最外部主隔壁欠損>
 作製したPDPでの背面板の表示領域の横方向 側の非表示領域に位置する主隔壁のうち最 部に位置する主隔壁の欠損の有無をマイク スコープ(キーエンス社製)で観察し、以下 準で判定した。

 ○:欠損なし
 △:一部欠けているが隔壁の崩壊には至って いない
 ×:隔壁が崩壊している
 次に、形成方法を順に説明する。
(実施例1~4、比較例1、2)
 ガラス基板として、590×964×1.8mmの42インチ イズのPD-200(旭硝子(株)製)を使用した。この 板上に、書き込み電極として、平均粒径2.0 mの銀粉末を70重量部、Bi 2 O 3 /SiO 2 /Al 2 O 3 /B 2 O 3 =69/24/4/3(質量%)からなる平均粒径2.2μmのガラ 粉末2重量部、アクリル酸、メチルメタクリ ート、スチレンの共重合ポリマー8重量部、 トリメチロールプロパントリアクリレート7 量部、ベンゾフェノン3重量部、ブチルカル トールアクリレート7重量部、ベンジルアル コール3重量部からなる感光性銀ペーストを いて、フォトリソグラフィー法により、ピ チ240μm、線幅100μm、焼成後厚み3μmのストラ プ状電極を形成した。

 この基板に、Bi 2 O 3 /SiO 2 /Al 2 O 3 /ZnO/B 2 O 3 =78/14/3/3/2(質量%)からなる体積平均粒子径2μm 低融点ガラス微粒子を60重量部、平均粒子径 0.3μmの酸化チタン粉末を10重量部、エチルセ ロース15重量部、テルピネオール15重量部か らなる誘電体ペーストを塗布した後、580℃で 焼成して、厚み10μmの誘電体層を形成した。

 隔壁形成用の感光性ペーストは以下の成分 配合、分散して用いた。
ガラス粉末:Bi 2 O 3 /SiO 2 /Al 2 O 3 /ZnO/B 2 O 3 =82/6/3/6/3(質量%)からなる平均粒径2μmのガラス 粉末 67重量部
フィラー:平均粒径0.2μmの酸化チタン 3重量
ポリマー:”サイクロマー”P(ACA250、ダイセル 化学工業社製) 10重量部
有機溶剤(1):ベンジルアルコール 4重量部
有機溶剤(2):ブチルカルビトールアセテート  3重量部
モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサア リレート 8重量部
光重合開始剤:ベンゾフェノン 3重量部
酸化防止剤:1,6-ヘキサンジオール-ビス[(3,5-ジ -t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネ ト] 1重量部
有機染料:ベージックブルー26 0.01重量部
チキソトロピー付与剤:N,N’-12-ヒドロキシス アリン酸ブチレンジアミン:0.5重量部
界面活性剤:ポリオキシエチレンセチルエー ル:0.49重量部。

 隔壁形成用感光性ペーストをダイコータ により250μmの厚みに塗布した後、クリーン ーブンにて100℃、40分の乾燥を行い、塗布 を形成した。その上に、隔壁形成用感光性 ーストをダイコーターにより50μmの厚みに塗 布した後、クリーンオーブンにて100℃、30分 乾燥を行い、塗布膜を形成した。形成塗布 に対し、所望の格子状パターンを有するフ トマスクの位置を合わせ、一度露光し(露光 動作1)、さらに、表1に示す所望の移動距離S( m)で基板またはフォトマスクを補助隔壁と平 行な方向に移動し、再度位置合わせをして露 光(露光動作2)を行った。フォトマスクは図3 示したパターンを有したものを使用した。 お、それぞれの実施例、比較例で用いたフ トマスクの横方向最外部に位置する主隔壁 成用透光部とそれに隣り合う主隔壁形成用 光部のピッチPmt1(μm)、横方向中央部に位置 る主隔壁形成用透光部のピッチPmt2(μm)、補 隔壁形成用透光部のピッチPmy(μm)、横方向最 外部に位置する主隔壁形成用透光部Wt1(μm)、 方向中央部に位置する主隔壁形成用透光部 幅Wt2(μm)を表1に示す。

 また、フォトマスクとのギャップを150μmと 、露光動作1と露光動作2で積算露光量の和 400mJ/cm 2 となるように露光を実施した。

 上記のようにして形成した露光済み基板 0.5質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像し、 隔壁パターンを形成した。パターン形成終了 済み基板を560℃で15分間焼成を行った。得ら た基板の概略図を図4に示す。表示領域の横 方向両側の非表示領域に位置する主隔壁のう ち最外部に位置する主隔壁とそれに隣り合う 主隔壁のピッチPt1(μm)、表示領域に位置する 隔壁のピッチPt2(μm)、補助隔壁のピッチPy(μ m)、表示領域の横方向両側の非表示領域に位 する主隔壁のうち最外部に位置する主隔壁 底部幅Lt1(μm)、表示領域に位置する主隔壁 底部幅Lt2(μm)の測定結果を表1に示す。

 形成された隔壁間に各色蛍光体ペースト スクリーン印刷法により塗布、焼成(500℃、 30分)して隔壁の側面および底部に蛍光体層を 形成した。

 次に、前面板を以下の工程によって作製 た。まず、ガラス基板として590×964×2.8mmの4 2インチサイズのPD-200(旭硝子(株)製)を用い、 のガラス基板上にITOをスパッタ法で形成後 レジスト塗布し、露光、現像処理、エッチ グ処理によって厚み0.1μm、線幅200μmの透明 極を形成した。また、黒色銀粉末からなる 光性銀ペーストを用いてフォトリソグラフ ー法により、焼成後厚み5μmのスキャン電極 とサステイン電極を形成した。電極はそれぞ れピッチ500μm、線幅80μmのものを作製した。

 次に、酸化鉛を75質量%含有する低融点ガ スの粉末を70重量部、エチルセルロース20重 量部、テルピネオール10重量部を混練して得 れたガラスペーストをスクリーン印刷によ 、表示部分のバス電極が覆われるように50μ mの厚みで塗布した後に、570℃、15分間の焼成 を行って前面誘電体を形成した。

 誘電体を形成した基板上に、保護膜とし 、電子ビーム蒸着により厚み0.5μmの酸化マ ネシウム層を形成して前面板を作製した。

 作製した前面板と背面板とを封着ガラス 用いて封着して、Xe5%含有のNeガスを内部ガ 圧66500Paになるように封入し、駆動回路を実 装することによりプラズマディスプレイパネ ルを作製した。

 評価結果を表1に示す。

 実施例1~4では生産性良く、表示品位も高 プラズマディスプレイパネルを得ることが きたが、比較例1~3では生産性と表示品位と いずれかが劣っている結果となった。