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Patent Searching and Data


Title:
PLY, CLINCH AND TREAD FORMED USING SPECIFIED RUBBER COMPOSITION, AND PNEUMATIC TIRE UTILIZING THEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142890
Kind Code:
A1
Abstract:
While reducing the amount of use of raw materials from oil resources, there are provided rubber compositions for a ply realizing favorable processability at production and reduced hysteresis loss, a clinch simultaneously realizing retention of physical properties, such as rigidity, hardness and mechanical strength, and enhancement of processability and a tread realizing high rigidity, low hysteresis loss and excellence in processability at production. Further, there is provided a pneumatic tire having them. There are disclosed a ply, clinch apex and tread formed using a rubber composition comprising 100 parts by mass of rubber component containing natural rubber and/or a modified natural rubber and 25 to 80 parts by mass of silica of 150 m2/g or less BET specific surface area. Further, there is disclosed a pneumatic tire having them.

Inventors:
MIKI TAKASHI (JP)
IKEDA KEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053361
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
February 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
MIKI TAKASHI (JP)
IKEDA KEIJI (JP)
International Classes:
C08L7/00; B60C1/00; B60C11/00; B60C15/06; C08K3/04; C08K3/36; C08L15/00
Foreign References:
JP2006249147A2006-09-21
JP2006199858A2006-08-03
JP2000007839A2000-01-11
JPH08230411A1996-09-10
JP2006249147A2006-09-21
JP2006143821A2006-06-08
Other References:
See also references of EP 2154192A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKAMI, Hisao et al. (Nakanoshima Central Tower 22nd Floor, 2-7, Nakanoshima 2-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 05, JP)
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Claims:
 天然ゴムおよび変性天然ゴムのいずれか一方または両方からなるゴム成分100質量部、および、BET比表面積が150m 2 /g以下のシリカ25~80質量部を含有するゴム組成物で形成されたプライ、クリンチまたはトレッド。
 さらに、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以下のカーボンブラックを含有する、請求の範囲1に記載のプライ、クリンチまたはトレッド。
 天然ゴムおよび変性天然ゴムのいずれか一方または両方からなるゴム成分100質量部、BET比表面積が150m 2 /g以下のシリカ30~70質量部、およびカーボンブラック5質量部以下を含有するゴム組成物で形成されたプライ。
 前記変性天然ゴムがエポキシ化天然ゴムである、請求の範囲3に記載のプライ。
 請求の範囲3に記載のプライを備える空気入りタイヤ。
 天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムのいずれか一方または両方からなる天然ゴム成分を20~100質量%の範囲内で含有するゴム成分100質量部、および、BET比表面積が150m 2 /g以下のシリカ40~80質量部を含有するゴム組成物で形成されたクリンチ。
 さらに、前記ゴム成分100質量部に対して5質量部以下のカーボンブラックを含有する、請求の範囲6に記載のクリンチ。
 前記ゴム成分が天然ゴム成分からなる、請求の範囲6に記載のクリンチ。
 請求の範囲6に記載されたクリンチを備える空気入りタイヤ。
 天然ゴムおよび変性天然ゴムのいずれか一方または両方からなるゴム成分100質量部、BET比表面積が150m 2 /g以下のシリカ25~60質量部、および、カーボンブラック5質量部以下を含有すゴム組成物で形成されたトレッド。
 前記変性天然ゴムがエポキシ化天然ゴムである、請求の範囲10に記載のトレッド。
 請求の範囲10に記載のトレッドがトレッド部の少なくとも一部を形成してなる、空気入りタイヤ。
 前記トレッド部がキャップトレッド部とベーストレッド部とを有し、
 前記ベーストレッド部が前記トレッドからなる、請求の範囲12に記載の空気入りタイヤ。
Description:
特定のゴム組成物で形成された ライ、クリンチおよびトレッド、並びに、 れらを用いた空気入りタイヤ

 本発明は、空気入りタイヤの部品材料に するものである。詳しくは、本発明は、特 のゴム組成物から形成されたプライ、クリ チおよびトレッド、並びに、これらを備え 空気入りタイヤに関するものである。

 近年、環境問題が重視されるようになり、C O 2 排出の規制が強化されている。また石油資源 は有限であり、将来的には、カーボンブラッ クなどの石油資源由来の原料の供給が困難に なる可能性があるとともに、供給量が年々減 少していることによる石油価格の高騰が予測 される。よって、石油資源由来の原料を石油 外資源由来の原料に置換していくことが求め られている。

 一般的に市販されているタイヤは、全重 の半分以上が石油資源である原料から構成 れている。たとえば、一般的な乗用車用タ ヤは、合成ゴム約20質量%、カーボンブラッ 約20質量%、軟化剤、合成繊維などを含んで るため、タイヤ全体の約50質量%以上が石油 源の原料から構成されている。そこで、石 資源由来の原料を用いる場合と同様ないし れ以上の要求特性を満足する、天然資源由 の原料を用いたタイヤ用ゴムの開発が望ま ている。

 しかし、たとえば、タイヤのプライには ヒステリシスロスの低減やプライコードと ゴム組成物との良好な接着性が要求される 、天然資源由来の原料を用いる場合におい も、タイヤ用のゴム組成物には適用部材に じた基本性能が要求される。

 上記のカーボンブラックを主な補強剤と て使用することに代えてシリカを主な補強 として使用することも検討されているが、 リカの配合はゴム組成物製造時のムーニー 度の上昇による加工性の悪化を招く場合が る。ムーニー粘度低減の目的で界面活性剤 の加工助剤が併用される場合もあるが、こ ような加工助剤もまた石油資源由来である いう問題がある。

 また、空気入りタイヤのリムとのチェー ィング部分にはクリンチゴムが設けられて る。クリンチゴムは、走行時にリムからタ ヤに駆動力を伝達する機能、およびタイヤ 荷重を保持する機能を有する。よって、ク ンチゴムは高硬度でかつ耐熱老化特性に優 ることが必要である。また、走行時におけ タイヤの繰返し変形に伴うリムとのこすれ よって生じる摩滅を軽減するため、クリン ゴムには所定の耐摩耗性も要求される。ま 、クリンチゴムの剛性、硬度および機械強 等の物理的特性は、走行時の操縦安定性能 大きな影響を及ぼすため、これらの性能を 切な範囲内に設定することも要求される。

 クリンチゴムへの加工性を向上させたゴム 成物としては、たとえば、所定のシス1,4-結 合含量およびムーニー粘度ML 1+4 (100℃)を有する合成ポリイソプレンゴムと天 ゴムとを含むゴム組成物や、天然ゴムラテ クスを脱蛋白処理して得られ、総窒素含有 が0.12~0.30重量%であるように調整された天然 ゴムおよびこれを用いたゴム組成物が提案さ れている。しかし上記の技術では、石油資源 由来の原料の使用量を低減し、かつクリンチ ゴムに所望される物理的特性と製造時の加工 性とを両立させることは困難である。

 また、たとえばタイヤのトレッド部を形 するトレッドゴムにはタイヤの転がり抵抗 低減させつつグリップ性能を維持すること 要求される等、天然資源由来の原料を用い 場合においても、タイヤ用ゴムには適用部 に応じた基本性能が要求される。

 石油資源由来の原料の使用量を低減する ともに、走行時の発熱によるゴムのヒステ シスロス、具体的には損失正接(tanδ)、の増 大に起因するタイヤの転がり抵抗の増大を抑 制して低燃費化を図る目的で、充填剤の配合 をカーボンブラックの多量添加からシリカの 配合に置換えることも提案されている。シリ カの配合によっても、耐久性が比較的良好な ゴムを与えるゴム組成物を得ることができる が、シリカを配合すると、ゴム組成物の調製 時に粘度上昇による加工性の低下という問題 が生じ易くなる傾向がある。加工性の向上の ために界面活性剤系のシリカ用加工助剤等を 使用する方法もあるが、このような加工助剤 は石油資源由来であるという問題がある。

 シリカを配合したゴム組成物として、特開2 006-249147号公報(特許文献1)には、天然ゴムか なるゴム成分100質量部に対して、BET比表面 が150m 2 /g未満のシリカを30質量部以上、ならびにカ ボンブラックを5質量部以下含有するインナ ライナー用ゴム組成物が提案されている。 かしこの技術はインナーライナーの転がり 抗性能を向上させることを目的とするもの あり、特許文献1にはゴム組成物から形成さ れたプライや、クリンチエーペックス、トレ ッドゴムおよびこれに要求される性能につい ては何ら考慮されていない。

 また、特開2006-143821号公報(特許文献2)には カーカス、ビード部補強層、サイド部補強 、およびベルトの少なくともいずれかにお て、スチールコードを被覆するコーティン ゴムが、ジエン系ゴムの100質量部と、窒素 着比表面積が70m 2 /g以上150m 2 /g以下であるシリカの30~80質量部と、シラン ップリング剤の1~15質量部と、有機酸コバル と、を含有するコーティングゴム組成物で る空気入りタイヤが提案されている。しか この技術はスチールコードの被覆に関する 術であり、スチール以外の材質からなるコ ドの被覆に適したゴム組成物およびこれに 求される性能については何ら考慮されてい い。

特開2006-249147号公報

特開2006-143821号公報

 本発明は、石油資源由来の原料の使用量 低減しつつ、調製時の加工性が良好でかつ ステリシスロスが低減されたプライ、剛性 硬度、機械強度のような物理的特性の維持 加工性向上との両立が可能なクリンチ、高 性でヒステリシスロスが小さく、調製時の 工性にも優れるトレッドおよびこれらを備 た空気入りタイヤを提供することを目的と る。

 また、本発明は上記の課題を解決し、石 資源由来の原料の使用量が低減されている ともに、調製時の加工性が良好でかつヒス リシスロスが低減されたプライ、およびこ を用いた空気入りタイヤを提供することを 的とする。

 また、本発明は上記の課題を解決し、石 資源由来の原料の使用量を低減しつつ、剛 、硬度、機械強度のような物理的特性の維 と加工性向上との両立が可能なクリンチお びこれを用いた空気入りタイヤを提供する とを目的とする。

 また、本発明は上記の課題を解決し、石 資源由来の原料の使用量を低減しつつ、高 性でヒステリシスロスが小さく、調製時の 工性にも優れるトレッド、およびこれを用 た、耐久性および転がり抵抗特性に優れる 気入りタイヤを提供することを目的とする

 本発明は、天然ゴムおよび変性天然ゴムの ずれか一方または両方からなるゴム成分100 量部、および、BET比表面積が150m 2 /g以下のシリカ25~80質量部を含有するゴム組 物で形成されたプライ、クリンチエーペッ スまたはトレッド、および、これらを備え 空気入りタイヤを提供する。

 また、本発明は、ゴム成分100質量部に対し BET比表面積が150m 2 /g以下であるシリカ30~70質量部と、カーボン ラック5質量部以下とが配合され、ゴム成分 、天然ゴムおよび変性天然ゴムのいずれか 方または両方からなるゴム組成物で形成さ たプライを提供する。

 本発明はまた、上述のプライを用いてなる ライを備える空気入りタイヤを提供する。
 また、本発明は、ゴム成分と、該ゴム成分1 00質量部に対して40~80質量部の範囲内で配合 れたシリカとを含有し、シリカのBET比表面 が150m 2 /g以下であり、ゴム成分は、天然ゴムおよび 性天然ゴムのいずれか一方または両方から る天然ゴム成分を20~100質量%の範囲内で含有 するゴム組成物で形成されたクリンチを提供 する。

 本発明のクリンチにおいては、カーボン ラックが上記ゴム成分100質量部に対して5質 量以下でさらに配合されることができる。

 本発明のクリンチにおいては、ゴム成分が 記天然ゴム成分からなることが好ましい。
 本発明はまた、上述のいずれかのクリンチ らなるクリンチエーペックスを備える空気 りタイヤを提供する。

 本発明は、ゴム成分100質量部と、BET比表面 が150m 2 /g以下のシリカ25~60質量部と、カーボンブラ ク5質量部以下とを含有し、ゴム成分が天然 ムおよび変性天然ゴムの少なくともいずれ からなるゴム組成物で形成されたトレッド 提供する。

 本発明のトレッドにおいては、変性天然 ムがエポキシ化天然ゴムであることが好ま い。

 本発明はまた、上述のいずれかのトレッ がトレッド部の少なくとも一部を形成して る空気入りタイヤを提供する。

 本発明の空気入りタイヤにおいては、ト ッド部がキャップトレッド部とベーストレ ド部とを有し、該ベーストレッド部が本発 のトレッドからなることができる。

 本発明によれば、石油資源由来の原料の 用量が低減されているとともに、調製時の 工性が良好でかつヒステリシスロスが低減 れたプライ、およびこれを用いたプライを える空気入りタイヤを提供することが可能 なる。

 本発明によれば、石油資源由来の原料の 用量を低減しつつ、剛性、硬度、機械強度 ような物理的特性の維持と加工性向上との 立が可能なクリンチおよびこれを用いた空 入りタイヤが提供される。

 本発明によれば、石油資源由来の原料の 用量を低減し、高剛性でヒステリシスロス 小さく、調製時の加工性にも優れるトレッ 、およびこれを用いた、耐久性および転が 抵抗特性に優れる空気入りタイヤを提供す ことが可能となる。

本発明に係る空気入りタイヤの半分を 示した断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの半分を 示した断面図である。

符号の説明

 1 タイヤ、2 トレッド部、2a キャップト レッド部、2b ベーストレッド部、3 サイド ォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6  ーカス、6a カーカスプライ、7 ベルト層、7 a ベルトプライ、8 ビードエイペックスゴム 、9 インナーライナゴム、3G サイドウォー ゴム、4G クリンチゴム。

 本発明のプライにおいては、カーボンブ ックの配合量を比較的少量とするとともに BET比表面積が小さいシリカを所定量併用す ことによって、調製時の加工性が良好であ とともにヒステリシスロスが低減されてい 。プライのヒステリシスロスの低減は、空 入りタイヤの転がり抵抗の低減に寄与する

 また、本発明においては、天然ゴムおよ 変性天然ゴムの少なくとも一方または両方 らなるゴム成分を用い、かつカーボンブラ クの使用量を少量とすることによって、石 資源由来の原料の使用量を低減できる。

 本発明のクリンチは、ゴム成分と、該ゴム 分100質量部に対して40~80質量部の範囲内で 合されたシリカとを含有する。また、本発 において配合されるシリカのBET比表面積は15 0m 2 /g以下とされる。また、本発明において用い れるゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ 天然ゴムの少なくと一方または両方からな 天然ゴム成分(以下、単に天然ゴム成分とも いう)を20~100質量%の範囲内で含有する。

 本発明のトレッドは、ゴム成分100質量部と BET比表面積が150m 2 /g以下のシリカ25~60質量部と、カーボンブラ ク5質量部以下とを含有し、ゴム成分が天然 ムおよび変性天然ゴムのいずれか一方また 両方からなるトレッドである。

 <ゴム成分>
 本発明において用いられるゴム成分は、天 ゴム(NR)および変性天然ゴムの少なくとも一 方または両方からなる天然ゴム成分を含有す る。ゴム成分は、天然ゴム成分からなること が特に好ましい。

 天然ゴムとしては、ゴム工業において従 用いられているものを1種または2種以上組 せて使用することができ、たとえば、RSS#3、 TSRなどのグレードの天然ゴムを例示できる。

 変性天然ゴムとしては、エポキシ化天然 ム(ENR)、水素化天然ゴムなどの1種または2種 以上の組合せを例示できる。本発明において は、石油資源由来の原料の使用量の低減効果 とゴム物性の確保とを容易に両立できる点で 、上記変性天然ゴムがエポキシ化天然ゴム(EN R)であることが好ましい。

 エポキシ化天然ゴムは、天然ゴムの不飽 二重結合がエポキシ化された変性天然ゴム 一種であり、極性基であるエポキシ基によ 分子凝集力が増大する。そのため、天然ゴ よりもガラス転移温度(Tg)が高く、かつ機械 強度や耐摩耗性に優れる。特に、ゴム組成物 中にシリカを配合する場合には、シリカ表面 のシラノール基とエポキシ化天然ゴムのエポ キシ基との反応に起因して、カーボンブラッ クをゴム組成物中に配合する場合と同程度の 機械的強度や耐摩耗性を得ることができる。

 エポキシ化天然ゴム(ENR)としては、市販 ものを用いてもよいし、天然ゴム(NR)をエポ シ化したものを用いてもよい。天然ゴム(NR) をエポキシ化する方法としては、特に限定さ れるものではなく、たとえばクロルヒドリン 法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒ ドロペルオキシド法、過酸法などを挙げるこ とができる。過酸法としては、たとえば天然 ゴムのエマルジョンに過酢酸や過蟻酸などの 有機過酸をエポキシ化剤として反応させる方 法を挙げることができる。

 また、エポキシ化率とは、エポキシ化前 天然ゴム中の炭素間二重結合の全数のうち ポキシ化された数の割合を意味し、たとえ 滴定分析や核磁気共鳴(NMR)分析等により求 られる。

 本発明のプライにおいて、エポキシ化天 ゴムのエポキシ化率は、5%以上、さらに10% 上であることが好ましい。該エポキシ化率 5%未満である場合、ゴム成分のガラス転移温 度が低く、プライの剛性および硬度が低いた めに機械強度が低くなる傾向があるからであ る。一方、エポキシ化天然ゴムのエポキシ化 率は、65%以下、さらに60%以下であることが好 ましい。該エポキシ化率が65%を超える場合、 プライが硬くなることによって機械強度が低 下する傾向があるからである。エポキシ化天 然ゴムとして、より典型的には、エポキシ化 率25%のエポキシ化天然ゴムや、エポキシ化率 50%のエポキシ化天然ゴムなどを例示できる。

 本発明のプライにおいて、ゴム成分中の 然ゴムの含有率は、50質量%以上、さらに60 量%以上であることが好ましい。天然ゴムの 含有率が50質量%未満の場合、ゴム硬度が大 くなって機械強度が低くなる傾向があるか である。一方、ゴム成分中の天然ゴムの含 率は、90質量%以下、さらに80質量%以下であ ことが好ましい。天然ゴムの該含有率が90 量%を超えると、ゴム硬度が小さくなって機 強度が低くなる傾向があるからである。

 本発明のプライにおいて、ゴム成分中の ポキシ化天然ゴムの含有率は、10質量%以上 さらに20質量%以上であることが好ましい。 ポキシ化天然ゴムの該含有率が10質量%未満 場合、プライのゴム硬度および剛性が低く り機械強度が低くなる傾向があるからであ 。一方、ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム 含有率は、50質量%以下、さらに40質量%以下 あることが好ましい。エポキシ化天然ゴム 含有率が50質量%を超える場合、プライのゴ 硬度および剛性が高くなりプライの機械強 がかえって低くなる傾向があるからである

 本発明のクリンチにおいて、エポキシ化 然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、5モル%以上が 好ましく、10モル%以上がより好ましい。エポ キシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が5モル% 満の場合、エポキシ化天然ゴム(ENR)のガラス 転移温度が低いために、クリンチのゴム硬度 が低く、該クリンチをクリンチゴムとして用 いた空気入りタイヤの耐久性および耐疲労性 が低下する傾向がある。また、エポキシ化天 然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、60モル%以下が ましく、50モル%以下がより好ましい。エポ シ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が60モル% 超える場合、クリンチが硬くなり過ぎるこ によって機械強度が低下する傾向がある。 ポキシ化天然ゴム(ENR)として、より典型的に は、エポキシ化率25モル%のエポキシ化天然ゴ ムや、エポキシ化率50モル%のエポキシ化天然 ゴムなどを例示できる。

 本発明のクリンチにおいて、本発明にお て、ゴム成分中の天然ゴム成分の含有量は2 0質量%以上とされる。該含有量が20質量%未満 あると、石油資源由来の原料の使用量の低 効果が十分得られない。天然ゴム成分の該 有量は、さらに40質量%以上、さらに50質量% 上であることがより好ましい。石油資源由 の原料の使用量の低減効果が良好である点 、天然ゴム成分の該含有量は100質量%である ことが好ましいが、たとえば該含有量を80質 %以下、さらに70質量%以下とし、ゴム成分中 の残部として天然ゴム成分以外のゴムを配合 してもよい。

 本発明のゴム成分は、前述のように定義 れる天然ゴム成分以外にも、石油外資源由 のゴムとして、たとえば水素化天然ゴムな の変性天然ゴムなどを含有することができ 。

 また、本発明のクリンチにおいて、ゴム 分は、本発明の効果を損なわない範囲で石 資源由来のゴムを含有してもよい。石油資 由来のゴムとしては、たとえば、スチレン タジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ス レンイソプレン共重合体ゴム、イソプレン ム(IR)、ブチルゴム(IIR)、クロロプレンゴム( CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、 ロゲン化ブチルゴム(X-IIR)、イソブチレンと p-メチルスチレンとの共重合体のハロゲン化 などを例示できる。中でも、クリンチの硬 を高くでき、空気入りタイヤに対して特に 好な耐久性および耐疲労性を付与できる点 、SBR、BR、IRが好ましい。

 本発明のクリンチにおいて、ゴム成分中 天然ゴム(NR)の含有率は、30質量%以上である ことが好ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が30 質量%未満の場合、クリンチの機械強度が低 なる傾向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は 40質量%以上、さらに50質量%以上であること より好ましい。また、ゴム成分中の天然ゴ (NR)の含有率は、80質量%以下であることが好 ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が80質量%を える場合、クリンチの耐磨耗性が低くなる 向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は、70質 %以下、さらに60質量%以下であることがより ましい。

 ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の 有率は、20質量%以上であることが好ましい エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率が20質量% 未満の場合、耐磨耗性の改善効果が低くなる 傾向がある。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含 率は、25質量%以上、さらに30質量%以上であ ことがより好ましい。また、ゴム成分中の ポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率は、70質量% 下であることが好ましい。エポキシ化天然 ム(ENR)の含有率が70質量%を超える場合、ゴム 硬度が大きくなり過ぎるためにクリンチの機 械強度が低くなる傾向がある。エポキシ化天 然ゴム(ENR)の該含有率は、65質量%以下、さら 60質量%以下であることがより好ましい。

 本発明のトレッドにおいて、エポキシ化 然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、5モル%以上が 好ましく、10モル%以上がより好ましい。エポ キシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が5モル% 満の場合、エポキシ化天然ゴム(ENR)のガラス 転移温度が低いために、トレッドのゴム硬度 が低く、該トレッドをトレッドゴムとして用 いた空気入りタイヤの耐久性および耐疲労性 が低下する傾向がある。また、エポキシ化天 然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、60モル%以下が ましく、50モル%以下がより好ましい。エポ シ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が60モル% 超える場合、トレッドが硬くなり過ぎるこ によって機械強度が低下する傾向がある。 ポキシ化天然ゴム(ENR)として、より典型的に は、エポキシ化率25モル%のエポキシ化天然ゴ ムや、エポキシ化率50モル%のエポキシ化天然 ゴムなどを例示できる。

 本発明のトレッドにおいて、ゴム成分中 天然ゴム(NR)の含有率は、30質量%以上である ことが好ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が30 質量%未満の場合、トレッドの機械強度が低 なる傾向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は 40質量%以上、さらに50質量%以上であること より好ましい。また、ゴム成分中の天然ゴ (NR)の含有率は、80質量%以下であることが好 ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が80質量%を える場合、トレッドの耐摩耗性が低くなる 向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は、70質 %以下、さらに60質量%以下であることがより ましい。

 本発明のトレッドにおいて、変性天然ゴ がエポキシ化天然ゴムである場合、ゴム成 中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率は、20 質量%以上であることが好ましい。エポキシ 天然ゴム(ENR)の該含有率が20質量%未満の場合 、耐摩耗性の改善効果が低くなる傾向がある 。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率は、25 量%以上、さらに30質量%以上であることがよ 好ましい。また、ゴム成分中のエポキシ化 然ゴム(ENR)の含有率は、70質量%以下である とが好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)の含 有率が70質量%を超える場合、ゴム硬度が大き くなり過ぎるためにトレッドの機械強度が低 くなる傾向がある。エポキシ化天然ゴム(ENR) 該含有率は、65質量%以下、さらに60質量%以 であることがより好ましい。

 なお、天然ゴム(NR)の一部または全部が脱 蛋白天然ゴム(DPNR)であっても良く、変性天然 ゴムの一部または全部が該脱蛋白天然ゴム(DP NR)の変性ゴムであっても良い。

 <シリカ>
 本発明のプライにおいては、BET比表面積が1 50m 2 /g以下であるシリカが配合される。シリカのB ET比表面積が150m 2 /gを超える場合、プライ用のゴム組成物調製 に粘度が上昇して加工性が悪化する。シリ のBET比表面積は、さらに130m 2 /g以下であることがより好ましい。一方、シ カのBET比表面積が70m 2 /g未満である場合、プライの硬度が低くなっ 機械強度が低下する傾向があるため、該BET 表面積は、70m 2 /g以上であることが好ましく、さらに90m 2 /g以上であることがより好ましい。

 なお、本発明のプライにおいて、BET比表面 が異なる2種以上のシリカが併用される場合 には、BET比表面積のシリカ全体での数平均値 が150m 2 /g以下とされる。

 ゴム成分100質量部に対する上記シリカの 合量は、30~70質量部の範囲内とされる。シ カの該配合量が30質量部未満であると、プラ イの補強効果を十分得られず、70質量部を超 ると、プライ用のゴム組成物の加工性が低 するとともにヒステリシスロスが増大する シリカの該配合量は、さらに40質量部以上 あることが好ましく、また、さらに60質量部 以下であることがより好ましい。

 本発明のクリンチまたはトレッドにおいて 、BET比表面積が150m 2 /g以下であるシリカが配合される。シリカを 合すると、ゴムの機械強度を向上させる補 剤としての効果や、ヒステリシスロスを低 する効果が得られる。また、シリカは石油 資源由来であるため、たとえばカーボンブ ックなどの石油資源由来の補強剤を主な補 剤として配合する場合と比べて、ゴム組成 中の石油資源由来の原料の使用量を低減で る。しかし、シリカを配合する場合には、 とえばカーボンブラックなどを主な補強剤 して配合する場合と比べてゴム組成物の製 時における未加硫ゴム組成物のムーニー粘 が上昇し易く、良好な加工性を確保するこ が難しい場合が多い。

 本発明のクリンチまたはトレッドにおいて 、シリカのBET比表面積を150m 2 /g以下とすることによって、石油資源由来の 料の使用量を低減し、しかもクリンチの剛 、硬度および機械強度のような物理的特性 良好に維持しつつ、未加硫ゴム組成物のム ニー粘度を低減して加工性を向上させるこ ができる。シリカのBET比表面積は、140m 2 /g以下、さらに130m 2 /g以下とされることがより好ましい。

 本発明のクリンチまたはトレッドにおいて 加工性の向上という点では、シリカのBET比 面積は低い方が好ましいが、たとえばBET比 面積が50m 2 /g未満である場合、クリンチの硬度が低くな て機械強度が低下する傾向がある。よって リカのBET比表面積は50m 2 /g以上であることが好ましく、80m 2 /g以上、さらに100m 2 /g以上であることがより好ましい。

 なお、本発明のクリンチまたはトレッド おいては、上記のような特定のシリカを用 ることによって加工性を向上させることが きるため、たとえばシリカを配合する場合 通常用いられる石油資源由来の加工助剤の 要性を低減できるという効果も得られる。

 本発明のクリンチにおいては、シリカの 合量は、ゴム成分100質量部に対して40~80質 部の範囲内とされる。ゴム成分100質量部に するシリカの配合量が40質量部未満である場 合、シリカの配合による補強効果およびヒス テリシス低減効果を十分確保できず、80質量 を超える場合、良好な加工性が得られない シリカの該配合量は、45質量部以上、さら 50質量部以上であることがより好ましく、75 量部以下、さらに70質量部以下であること より好ましい。

 本発明のトレッドにおいて、シリカの配 量は、ゴム成分100質量部に対して25~60質量 の範囲内とされる。ゴム成分100質量部に対 るシリカの配合量が25質量部未満である場合 、シリカの配合による補強効果およびヒステ リシスロスの低減効果を十分確保できず、60 量部を超える場合、良好な加工性が得られ い。シリカの該配合量は、30質量部以上が り好ましく、35質量部以上がさらに好ましい 。またシリカの該配合量は、50質量部以下が り好ましく、45質量部以下がさらに好まし 。

 なお、本発明において、シリカは1種でも 2種以上の組合せからなっても良く、2種以上 シリカが組み合される場合の上記BET比表面 はシリカ全体での数平均として求められる

 また、本発明に用いられるシリカは、湿式 により調製されたものであってもよく、乾 法により調製されたものであってもよい。 た、好ましい市販品としては、たとえば、 グッサ製の「ウルトラジルVN2」(BET比表面積 125m 2 /g)などを例示できる。

 <シランカップリング剤>
 本発明においては、シリカとともに、シラ カップリング剤を配合することが好ましい これにより本発明のプライ、クリンチ、ト ッドに対してより優れた補強効果が付与さ る。

 シランカップリング剤としては、従来公 のシランカップリング剤を用いることがで 、たとえば、ビス(3-トリエトキシシリルプ ピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキ シシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4- リエトキシシリルブチル)テトラスルフィド ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラ スルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチ ル)テトラスルフィド、ビス(4-トリメトキシ リルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリ トキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビ ス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフ ド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)トリ ルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロ ル)トリスルフィド、ビス(2-トリメトキシシ リルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメ キシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3- リエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、 ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフ ド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジス フィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピ )ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリル エチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシ リルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシ リルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイル テトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプ ピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラ ルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N- メチルチオカルバモイルテトラスルフィド 2-トリメトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチ オカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメ キシシリルプロピルベンゾチアゾリルテト スルフィド、3-トリエトキシシリルプロピ ベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリ メトキシシリルプロピルメタクリレートモノ スルフィドなどのスルフィド系;3-メルカプト プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプト ロピルトリエトキシシラン、2-メルカプト チルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチ ルトリエトキシシランなどのメルカプト系; ニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト シシランなどのビニル系;3-アミノプロピル リエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメ トキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロ ピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチル) アミノプロピルトリメトキシシランなどのア ミノ系;γ-グリシドキシプロピルトリエトキ シラン、γ-グリシドキシプロピルトリメト シシラン、γ-グリシドキシプロピルメチル エトキシシラン、γ-グリシドキシプロピル チルジメトキシシランなどのグリシドキシ ;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニ トロプロピルトリエトキシシランなどのニト ロ系;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、 3-クロロプロピルトリエトキシシラン、2-ク ロエチルトリメトキシシラン、2-クロロエチ ルトリエトキシシランなどのクロロ系;など 挙げることができる。これらのシランカッ リング剤は、単独で用いてもよく、2種以上 組み合わせて用いてもよい。

 上記のなかでも、加工性が良好であると う理由から、デグッサ社製Si69(ビス(3-トリ トキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、 Si266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジ ルフィド)などが好ましく用いられる。

 本発明のプライにおいて、シリカの配合 を100質量%としたときのシランカップリング 剤の配合量は、1~20質量%の範囲内とすること 好ましい。シランカップリング剤の該配合 が1質量%未満である場合、補強効果が低く る傾向があり、20質量%を超える場合、量を やしても補強効果の顕著な改善は期待でき い一方コストが上昇するため経済的でなく る傾向がある。分散性およびカップリング 果の点から、シランカップリング剤の該配 量は、5質量%以上であることがより好ましく 、また、12質量%以下であることがより好まし い。

 本発明のクリンチにおいて、シリカの配 量を100質量%としたときのシランカップリン グ剤の配合量は、2質量%以上であることが好 しく、3質量%以上がより好ましい。シラン ップリング剤の該配合量が2質量%未満である 場合、機械強度が低下する傾向にある。また 、シランカップリング剤の該配合量は、20質 %以下であることが好ましく、18質量%以下が より好ましい。該配合量が20質量%を超えると 、加工性の改善効果は小さい一方、コストが 上昇してしまい経済的ではない。また、シラ ンカップリング剤の該配合量が20質量%を超え ると、機械強度が低下する傾向にある。

 本発明のトレッドにおいて、シリカの配 量を100質量%としたときのシランカップリン グ剤の配合量は、2質量%以上であることが好 しく、3質量%以上がより好ましい。シラン ップリング剤の該配合量が2質量%未満である 場合、機械強度が低下する傾向にある。また 、シランカップリング剤の該配合量は、20質 %以下であることが好ましく、18質量%以下が より好ましい。該配合量が20質量%を超えると 、配合量を増やしても加工性の顕著な改善は 望めない一方、コストが上昇してしまい経済 的ではない。また、シランカップリング剤の 該配合量が20質量%を超えると、機械強度が低 下する傾向にある。

 <カーボンブラック>
 本発明のプライにおいては、ゴム成分100質 部に対するカーボンブラックの配合量は5質 量部以下とされる。カーボンブラックの該配 合量が5質量部を超えると、石油資源由来の 料の使用量の低減効果およびヒステリシス スの低減効果を十分得られない。カーボン ラックの該配合量は、さらに4質量部以下で ることがより好ましい。なお、カーボンブ ックの該配合量が1質量部未満である場合、 プライの機械強度を確保するためにたとえば シリカをより多く配合することが必要となり 、調製時の加工性やプライコードとの接着性 が低下する傾向があるため、該配合量は1質 部以上であることが好ましく、さらに2質量 以上であることがより好ましい。

 本発明のプライに用いるカーボンブラッ の好ましい市販品としては、たとえば、キ ボネットジャパン製の「ショウブラックN330 」「ショウブラックN351」「ショウブラックN5 50」等を例示できる。

 本発明のクリンチにおいては、本発明の 果を損なわない範囲で、補強剤としてカー ンブラックをさらに含有してもよい。カー ンブラックを配合することによって、クリ チに良好な機械強度が付与されるが、カー ンブラックは一般に石油資源由来であるた 、石油資源由来の原料の使用量を低減する めには、カーボンブラックの配合量は、ゴ 成分100質量部に対して5質量部以下、さらに 4質量部以下、さらに3質量部以下であること 好ましい。一方、カーボンブラックを配合 る場合、カーボンブラックの配合による機 強度の向上効果を良好に得る点では、カー ンブラックの配合量が、ゴム成分100質量部 対して1質量部以上、さらに1.5質量部以上、 さらに2質量部以上であることが好ましい。

 本発明のクリンチに用いるカーボンブラ クの好ましい市販品としては、たとえば、 和キャボネット製の「ショウブラックN220」 などを例示できる。

 本発明のトレッドにおいては、補強剤と てカーボンブラックを5質量部以下で含有す る。カーボンブラックを配合することによっ て、トレッドに良好な機械強度が付与される が、カーボンブラックは一般に石油資源由来 である。ゴム成分100質量部に対するカーボン ブラックの配合量が5質量部を超えると、石 資源由来の原料の使用量の低減効果が十分 られない他、転がり抵抗を低減して低燃費 の空気入りタイヤを得るために必要なトレ ドのヒステリシスロスの低減、具体的にはta nδの低減、を十分な程度に実現することが困 難である。カーボンブラックの該配合量は、 さらに4質量部以下、さらに3質量部以下であ ことが好ましい。一方、良好な機械強度と 製時の良好な加工性とを両立させる点では カーボンブラックの配合量が、ゴム成分100 量部に対して1質量部以上、さらに1.5質量部 以上、さらに2質量部以上であることが好ま い。

 本発明のトレッドにおいては、カーボン ラックのDBP吸油量は70~120ml/100gの範囲内であ ることが好ましい。カーボンブラックのDBP吸 油量が70ml/100g未満である場合、補強効果が小 さくなる傾向があり、120ml/100gを超える場合 トレッド用のゴム組成物の加工性が低下す 傾向がある。カーボンブラックのDBP吸油量 、さらに75ml/100g以上、さらに80ml/100g以上で ることがより好ましく、また、さらに115ml/10 0g以下、さらに100ml/100g以下であることがより 好ましい。

 本発明のトレッドに用いるカーボンブラ クの好ましい市販品としては、たとえば、 和キャボネット製の「ショウブラックN220」 などを例示できる。

 <その他の配合剤>
 本発明のプライ、クランチ、トレッドには 上記した成分以外にも、従来ゴム工業で使 される他の配合剤、たとえば加硫剤、ステ リン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイ 、硬化性レジン、ワックス、老化防止剤な を配合してもよい。

 加硫剤としては、有機過酸化物もしくは 黄系加硫剤を使用することが可能であり、 機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイ パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルクミ パーオキサイド、メチルエチルケトンパー キサイド、クメンハイドロパーオキサイド 2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ ン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキ シ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパ オキシ)ヘキシン-3あるいは1,3-ビス(t-ブチル ーオキシプロピル)ベンゼン、ジ-t-ブチルパ ーオキシ-ジイソプロピルベンゼン、t-ブチル パーオキシベンゼン、2,4-ジクロロベンゾイ パーオキサイド、1,1-ジ-t-ブチルパーオキシ- 3,3,5-トリメチルシロキサン、n-ブチル-4,4-ジ-t -ブチルパーオキシバレレートなどを使用す ことができる。これらの中で、ジクミルパ オキサイド、t-ブチルパーオキシベンゼンお よびジ-t-ブチルパーオキシ-ジイソプロピル ンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤と ては、たとえば、硫黄、モルホリンジスル ィドなどを使用することができる。これら 中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は 単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせ 用いてもよい。また、硫黄はオイル処理さ たものであってもよい。

 加硫促進剤としては、スルフェンアミド 、チアゾール系、チウラム系、チオウレア 、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、 ルデヒド-アミン系またはアルデヒド-アン ニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサ テート系加硫促進剤のうち少なくとも一つ 含有するものを使用することが可能である スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N -シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェ アミド)、TBBS(N-tert-ブチル-2-ベンゾチアジル ルフェンアミド)、N,N-ジシクロヘキシル-2- ンゾチアジルスルフェンアミド、N-オキシジ エチレン-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド 、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールス フェンアミドなどのスルフェンアミド系化 物などを使用することができる。チアゾー 系としては、たとえばMBT(2-メルカプトベン チアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスル ィド)、2-メルカプトベンゾチアゾールのナ リウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシル ミン塩、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプト ベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホ ノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール 化合物などを使用することができる。チウ ム系としては、たとえばTMTD(テトラメチル ウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラ ジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムジス フィド、ジペンタメチレンチウラムモノス フィド、ジペンタメチレンチウラムテトラ ルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキ スルフィド、テトラブチルチウラムジスル ィド、ペンタメチレンチウラムテトラスル ィドなどのチウラム系化合物を使用するこ ができる。チオウレア系としては、たとえ チアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブ ルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオル トリルチオ尿素などのチオ尿素化合物など 使用することができる。グアニジン系とし は、たとえばジフェニルグアニジン、ジオ トトリルグアニジン、トリフェニルグアニ ン、オルトトリルビグアニド、ジフェニル アニジンフタレートなどのグアニジン系化 物を使用することができる。ジチオカルバ ン酸系としては、たとえばエチルフェニル チオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジ オカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカル ミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバ ン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜 、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジア ルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジ オカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチ カルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘ サデシル(またはオクタデシル)イソプロピ ジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチ カルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバ ン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカ バミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカル ミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カド ウムなどのジチオカルバミン酸系化合物な を使用することができる。アルデヒド-アミ 系またはアルデヒド-アンモニア系としては 、たとえばアセトアルデヒド-アニリン反応 、ブチルアルデヒド-アニリン縮合物、ヘキ メチレンテトラミン、アセトアルデヒド-ア ンモニア反応物などのアルデヒド-アミン系 たはアルデヒド-アンモニア系化合物などを 用することができる。イミダゾリン系とし は、たとえば2-メルカプトイミダゾリンな のイミダゾリン系化合物などを使用するこ ができる。キサンテート系としては、たと ばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサ テート系化合物などを使用することができ 。これらの加硫促進剤は、単独で用いても く、2種以上を組み合わせて用いてもよい。

 加硫促進助剤としては、たとえば酸化亜鉛 を例示できる。
 老化防止剤としては、アミン系、フェノー 系、イミダゾール系の老化防止剤や、カル ミン酸金属塩などを適宜選択して使用する とができる。

 オイルとしては、プロセスオイル、植物 脂、またはこれらの混合物、などを例示で る。プロセスオイルとしては、パラフィン プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイ 、芳香族系プロセスオイルなどを例示でき 。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、 まに油、なたね油、大豆油、パーム油、や 油、落花生油、ロジン、パインオイル、パ ンタール、トール油、コーン油、こめ油、 に花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油 パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミア ッツ油、サフラワー油、桐油、などを例示 きる。

 <空気入りタイヤ>
 本発明はまた、前述したようなプライを備 る空気入りタイヤを提供する。

 図1は、本発明に係る空気入りタイヤの半 分を示す断面図である。空気入りタイヤ1は トレッド部2と、該トレッド部2の両端からタ イヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォ ール部3と、各サイドウォール部3の内方端に 置するビード部4とを備える構造を有するの が一般的である。そして、それらのビード部 4間にはカーカス6が架け渡されるとともに、 のカーカス6の外側かつトレッド部2の内側 はタガ効果を有してトレッド部2を補強する ルト層7が配される。

 上記カーカス6は、カーカスコードをタイ ヤ赤道COに対して、たとえば70~90°の角度で配 列する1枚以上のカーカスプライから形成さ 、このカーカスプライは、上記トレッド部2 らサイドウォール部3を経てビード部4のビ ドコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外 に折返されて係止される。

 上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ 赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配 列した2枚以上のベルトプライからなり、各 ルトコードがプライ間で交差するよう向き 違えて重置している。

 またビード部4には、上記ビードコア5か 半径方向外方に延びるビードエイペックス ム8が配されるとともに、カーカス6の内側に は、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム 9が隣設され、カーカス6の外側は、クリンチ ム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護され る。

 本発明の空気入りタイヤが備えるプライ 、典型的には、上述のカーカスプライ、ベ トプライの少なくともいずれかであること できる。プライは、従来公知の方法により 本発明のプライ用のゴム組成物で、たとえ ポリエステル、ナイロンまたはその他のポ アミド、レーヨンなどの材質からなる有機 維コードであるプライコードをコーティン することにより形成できる。

 本発明のプライを用いることにより、石 資源由来の原料の使用量が低減されるとと に、ヒステリシスロスが低減されかつ耐久 に富むプライを形成することができる。よ て、該プライがたとえばカーカスプライや ルトプライとして形成された空気入りタイ は、石油資源由来の原料の使用量が低減さ ることによって環境に配慮されたエコタイ であると同時に、転がり抵抗が低減されか 良好な耐久性を有する。

 本発明の空気入りタイヤは、上記本発明 プライを用いて、従来公知の方法により製 され得る。すなわち、本発明のプライ用の ム組成物を得るための配合成分を混練して た未加硫状態のゴム組成物でプライコード コーティングしてプライを得る。これを、 気入りタイヤに所定の形状で適用し、タイ の他の部材とともに、タイヤ成形機上にて 常の方法で成形することにより、未加硫タ ヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機 で加熱加圧することにより、本発明の空気 りタイヤを得ることができる。

 本発明が提供する空気入りタイヤは、地 環境に優しい「エコタイヤ」として、たと ば乗用車用、トラック用、バス用、重車両 など、種々の用途に対して好適に適用され る。

 本発明はまた、前述したようなクリンチ 備える空気入りタイヤをも提供する。以下 図1を参照して本発明の空気入りタイヤを説 明する。図1は、本発明の空気入りタイヤの 例を示す概略断面図である。空気入りタイ 1は、トレッド部2と、該トレッド部2の両端 らタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイ ウォール部3と、各サイドウォール部3の内方 端に位置するビード部4とを備える。またビ ド部4,4間にはカーカス6が架け渡されるとと に、このカーカス6の外側かつトレッド部2 にはタガ効果を有してトレッド部2を補強す ベルト層7が配される。

 上記カーカス6は、カーカスコードをタイ ヤ赤道COに対して、たとえば70~90°の角度で配 列する1枚以上のカーカスプライ6aから形成さ れ、このカーカスプライ6aは、上記トレッド 2からサイドウォール部3を経てビード部4の ードコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から 外側に折返されて係止される。

 上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ 赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配 列した2枚以上のベルトプライ7aからなり、各 ベルトコードがプライ間で交差するよう向き を違えて重置している。なお、必要に応じて ベルト層7の両端部のリフティングを防止す ためのバンド層(図示しない)を、ベルト層7 少なくとも外側に設けても良く、このとき ンド層は、低モジュラスの有機繊維コード 、タイヤ赤道COとほぼ平行に螺旋巻きした連 続プライで形成する。

 またビード部4には、上記ビードコア5か 半径方向外方に延びるビードエイペックス ム8が配されるとともに、カーカス6の内側に は、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム 9が隣設され、カーカス6の外側は、クリンチ ム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護され る。本発明のクリンチは、上記クリンチゴム 4Gとして使用されるものである。

 なお図1では乗用車用の空気入りタイヤに ついて例示しているが、本発明はこれに限定 されず、乗用車用、トラック用、バス用、重 車両用等、各種車両の用途に対して用いられ る空気入りタイヤを提供する。

 本発明の空気入りタイヤは、上記本発明 クリンチを用いて、従来公知の方法により 造される。すなわち、上記した必須成分、 よび必要に応じて配合されるその他の配合 を含有するクリンチ用のゴム組成物を混練 し、未加硫の段階でタイヤのクリンチの形 に合わせて押出し加工し、タイヤの他の部 とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法 成形することにより、未加硫タイヤを形成 る。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加 することにより、本発明のタイヤを得るこ ができる。

 かかる本発明の空気入りタイヤは、クリ チゴムにおける石油資源由来の成分の含有 率がより低減され、省資源および環境保護 の配慮が十分なされているとともに、良好 物理的特性の維持と加工性の向上とが両立 れたゴム組成物が使用されているため、地 環境に優しい「エコタイヤ」であるととも 、良好な耐久性および操縦安定性能を有す 。

 本発明はまた、前述したようなトレッド トレッド部の少なくとも一部を形成してな 、空気入りタイヤを提供する。特に、トレ ド部はキャップトレッド部とベーストレッ 部とを有し、該ベーストレッド部は上述の ずれかのトレッドからなることが好ましい 本発明の空気入りタイヤは、上記のトレッ 部、特にベーストレッド部を備えていれば い。

 図2は、本発明に係る空気入りタイヤの左 半分を例示した断面図である。空気入りタイ ヤ1は、トレッド部2と、該トレッド部2の両端 からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイ ドウォール部3と、各サイドウォール部3の内 端に位置するビード部4とを備える構造を有 するのが一般的である。そして、それらのビ ード部4間にはカーカス6が架け渡されるとと に、このカーカス6の外側かつトレッド部2 内側にはタガ効果を有してトレッド部2を補 するベルト層7が配される。

 上記カーカス6は、カーカスコードをタイ ヤ赤道COに対して、たとえば70~90°の角度で配 列する1枚以上のカーカスプライから形成さ 、このカーカスプライは、上記トレッド部2 らサイドウォール部3を経てビード部4のビ ドコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外 に折返されて係止される。

 上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ 赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配 列した2枚以上のベルトプライからなり、各 ルトコードがプライ間で交差するよう向き 違えて重置している。

 またビード部4には、上記ビードコア5か 半径方向外方に延びるビードエイペックス ム8が配されるとともに、カーカス6の内側に は、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム 9が隣設され、カーカス6の外側は、クリンチ ム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護され る。

 本発明の空気入りタイヤは、図2に示すよ うに、キャップトレッド部2aとベーストレッ 部2bとを備えることができる。この場合、 ーストレッド部が本発明のトレッドからな ことが好ましい。

 本発明のトレッドを用いることにより、 油資源由来の原料の使用量を低減しつつ、 好な耐久性の確保と転がり抵抗の低減とが 能なトレッド部を形成することができる。 た、本発明のトレッドを用いてベーストレ ド部を形成する場合、キャップトレッド部 摩耗しても良好な転がり抵抗特性が付与さ ることができる。

 本発明の空気入りタイヤは、上記本発明 トレッドを用いて、従来公知の方法により 造される。すなわち、本発明のトレッド用 ゴム組成物を混練りし、未加硫の段階でタ ヤのトレッド部、特にベーストレッド部の 状に合わせて押出し加工し、タイヤの他の 材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方 で成形することにより、未加硫タイヤを形 する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱 圧することにより、本発明の空気入りタイ を得ることができる。

 本発明の空気入りタイヤは、本発明所定 トレッドを用いて得られるトレッド部、特 ベーストレッド部を備えるため、良好な耐 性と転がり抵抗特性とを有するものである ともに、石油資源由来の原料の使用量が低 され、将来の石油の供給量の減少に備える とができる。

 以下、実施例および比較例を挙げて本発 をより詳細に説明するが、本発明はこれら 限定されるものではない。

 <実施例1、2および比較例1~3>
 表1に示す配合処方のそれぞれに従い、神戸 製鋼製1.7Lバンバリーを用いて、硫黄および 硫促進剤を除く配合成分を150℃で5分間混練 て混練り物を得た。これに硫黄および加硫 進剤を表1に示す配合処方で加えて、オープ ンロールを用い、90℃で5分間さらに練り込ん で未加硫ゴム組成物を調製した。

 上記で得た未加硫ゴム組成物を押出して 定の厚みの未加硫ゴムシートを作製した。 た、該未加硫ゴムシートを150℃で30分間加 して、所定の厚みの加硫ゴムシートを作製 た。

 (ムーニー粘度指数)
 上記の未加硫ゴム組成物につき、JIS K6300に 準じて、130℃におけるムーニー粘度を測定し 、下記の式、
ムーニー粘度指数=(比較例1のムーニー粘度)í (各実施例または各比較例のムーニー粘度)×10 0
により、比較例1のムーニー粘度を100として ーニー粘度指数を求めた。指数が大きい程 ーニー粘度が低く、加工性に優れることを す。

 (未加硫ゴムシートの外観)
 上記の方法で厚さ1.0mmの未加硫ゴムシート 作製し、目視にて該未加硫ゴムシートの生 の状態を確認した。耳切れが発生していな とともに地肌に問題がなく、未加硫ゴムシ トへの加工が良好に行なわれていたものをA そうでないものをBとして表記した。

 (E*指数,tanδ指数)
 上記の方法で作製した加硫ゴムシートから ンプルを切り出し、粘弾性スペクトロメー VES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、 期歪み10%、動歪み2%の条件下で、E*(複素弾 率)およびtanδ(損失正接)をそれぞれ測定した 。下記の式、
E*指数=(各実施例または各比較例のE*)í(比較 1のE*)×100
tanδ指数=(比較例1のtanδ)í(各実施例または各 較例のtanδ)×100により、比較例1のE*を100と てE*指数を、比較例1のtanδを100としてtanδ指 を、それぞれ求めた。E*指数が大きい程機 強度に優れることを示し、tanδ指数が大きい 程ヒステリシスロスが小さく転がり抵抗を良 好にできることを示す。

注1:天然ゴムは、「RSS♯3」である。
注2:エポキシ化天然ゴムは、クンプーランガ リー社製の「エポキシ化天然ゴム」(エポキ シ化率:25モル%)である。
注3:カーボンブラックは、昭和キャボネット( 株)製の「ショウブラックN330」である。
注4:シリカAは、デグッサ製の「ウルトラジル VN3」(BET比表面積:210m 2 /g)である。
注5:シリカBは、デグッサ製の「ウルトラジル VN2」(BET比表面積:125m 2 /g)である。
注6:シランカップリング剤は、デグッサ製の Si69」である。
注7:ステアリン酸は、日本油脂(株)製のステ リン酸である。
注8:酸化亜鉛は、三井金属鉱業(株)製の「亜 華1号」である。
注9:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」 ある。
注10:加硫促進剤は、大内新興化学工業(株)製 「ノクセラーNS」である。

 表1に示すように、配合したシリカのBET比 表面積が大きい比較例1では未加硫ゴムシー の外観が良好でなく、シリカのBET比表面積 小さいものの配合量が少ない比較例2におい はE*指数が良好でなく、シリカのBET比表面 は小さいものの配合量が多い比較例3ではム ニー粘度指数およびtanδ指数が良好でなか た。一方、カーボンブラックとシリカとを 定量併用し、シリカのBET比表面積が小さく れた実施例1,2では、ムーニー粘度指数、未 硫ゴムシートの外観、E*指数、tanδ指数がい れも良好であった。

 <実施例3~5および比較例4、5>
 表1に示す配合処方に従い、神戸製鋼所(株) 1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄およ び加硫促進剤を除く配合成分を充填率が58%に なるように充填し、回転数80rpmで140℃に到達 るまで3分間混練りした。ついで、得られた 混練り物に硫黄および加硫促進剤を表2に示 配合量で加えた後、オープンロールを用い 、80℃で5分間混練りし、各実施例および各 較例に係る配合の未加硫ゴム組成物を得た

 (ムーニー粘度指数)
 JIS K6300に準じて、130℃で未加硫ゴム組成物 のムーニー粘度を測定し、比較例1のムーニ 粘度を100として、下記の計算式、
ムーニー粘度指数=(比較例1のムーニー粘度)í (各実施例および各比較例のムーニー粘度)×10 0
により指数表示した。指数が大きいほど粘度 が低く、加工が容易であることを示す。

 (未加硫ゴムシートの加工性)
 未加硫ゴム組成物を用い、ロールにて厚み1 .0mmの未加硫ゴムシートを押出し、目視にて 加硫ゴムシートの生地の状態を確認し、下 の基準で評価した。
A:耳切れが発生せず、地肌に問題がなく、加 性が良好である。
B:耳切れおよび地肌の問題の少なくともいず かが発生し、加工性が悪い。

 (E*(複素弾性率)指数)
 未加硫ゴム組成物を用い、ロールでのカレ ダーにより、厚み2mmの未加硫ゴムシートを 出し、150℃で30分間加硫して、試験用ゴム ートを作製した。試験用ゴムシートから、 ち抜き機を用いて、幅4mm×長さ40mmの測定試 を作製した。該測定試料につき、粘弾性ス クトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて 温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%、の条件下 でE*を測定し、比較例1のE*を100として、下記 計算式、
E*指数=(各実施例または各比較例のE*)í(比較 1のE*)×100
により指数表示した。指数が大きいほどE*(複 素弾性率)が高く機械強度に優れることを示 。

 (tanδ指数)
 上記のE*(複素弾性率)の測定と同じ方法およ び条件で、各実施例および各比較例に係る試 験用ゴムシートのtanδを測定し、下記の計算 、
tanδ指数=(比較例1のtanδ)í(各実施例または各 較例のtanδ)×100
により指数表示した。指数が大きいほどtanδ 低く転がり抵抗が良好である。

注1:天然ゴム(NR)は、TSR20である。
注2:カーボンブラックは、昭和キャボネット の「ショウブラックN220」である。
注3:シリカAは、デグッサ製のウルトラジルVN3 (BET:210m 2 /g)である。
注4:シリカBは、デグッサ製のウルトラジルVN2 (BET:125m 2 /g)である。
注5:シランカップリング剤は、デグッサ社製 「Si69」である。
注6:老化防止剤は、大内新興化学工業(株)製 「ノクラック6C」(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’- フェニル-p-フェニレンジアミン)である。
注7:ステアリン酸は、日本油脂(株)製の「ス アリン酸」である。
注8:酸化亜鉛は、三井金属鉱業(株)製の「亜 華1号」である。
注9:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」 ある。
注10:加硫促進剤は、大内新興化学工業(株)製 「ノクセラーNS」である。

 表2に示す結果から、BET比表面積が大きい シリカを用いた比較例4およびシリカの含有 が多い比較例5においては未加硫ゴム組成物 ムーニー粘度の上昇によって良好な加工性 得られないのに対して、シリカのBET比表面 および配合量が本発明の範囲とされた実施 3~5においては、未加硫ゴム組成物のムーニ 粘度が低く抑えられ良好な加工性が得られ 。また実施例3~5においては、加硫後の試験 ゴムシートのE*およびtanδが良好な値を示し た。以上の結果から、本発明によれば、良好 な機械強度および転がり抵抗特性を維持しつ つ加工性を向上させることが可能なクリンチ が得られることが分かる。

 <実施例6、7および比較例6、7>
 表3に示す配合処方に従い、神戸製鋼所(株) 1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄およ び加硫促進剤を除く配合成分を充填率が58%に なるように充填し、回転数80rpmで140℃に到達 るまで3分間混練りした。ついで、得られた 混練り物に硫黄および加硫促進剤を表3に示 配合量で加えた後、オープンロールを用い 、80℃で5分間混練りし、各実施例および各 較例に係る配合の未加硫ゴム組成物を得た

 (ムーニー粘度指数)
 JIS K6300に準じて、130℃で未加硫ゴム組成物 のムーニー粘度を測定し、比較例1のムーニ 粘度を100として、下記の計算式、
ムーニー粘度指数=(比較例1のムーニー粘度)í (各実施例および各比較例のムーニー粘度)×10 0
により指数表示した。指数が大きいほど粘度 が低く、加工が容易であることを示す。

 (未加硫ゴムシートの加工性)
 未加硫ゴム組成物を用い、ロールにて厚み1 .0mmの未加硫ゴムシートを押出し、目視にて 加硫ゴムシートの生地の状態を確認し、下 の基準で評価した。
A:耳切れが発生せず、地肌に問題がなく、加 性が良好である。
B:耳切れおよび地肌の問題の少なくともいず かが発生し、加工性が悪い。

 (E*(複素弾性率)指数)
 未加硫ゴム組成物を用い、ロールでのカレ ダーにより、厚み2mmの未加硫ゴムシートを 出し、150℃で30分間加硫して、試験用ゴム ートを作製した。試験用ゴムシートから、 ち抜き機を用いて、幅4mm×長さ40mmの測定試 を作製した。該測定試料につき、粘弾性ス クトロメータVES((株)岩本製作所製)を用いて 温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%、の条件下 でE*を測定し、比較例1のE*を100として、下記 計算式、
E*指数=(各実施例または各比較例のE*)í(比較 1のE*)×100
により指数表示した。指数が大きいほどE*(複 素弾性率)が高く機械強度に優れることを示 。

 (tanδ指数)
 上記のE*(複素弾性率)の測定と同じ方法およ び条件で、各実施例および各比較例に係る試 験用ゴムシートのtanδを測定し、下記の計算 、
tanδ指数=(比較例1のtanδ)í(各実施例または各 較例のtanδ)×100
により指数表示した。指数が大きいほどtanδ 低く、ヒステリシスロスが小さいため転が 抵抗特性が良好となる。

注1:天然ゴム(NR)は、TSR20である。
注2:カーボンブラックは、昭和キャボネット の「ショウブラックN220」である。
注3:シリカAは、デグッサ製のウルトラジルVN3 (BET:210m 2 /g)である。
注4:シリカBは、デグッサ製のウルトラジルVN2 (BET:125m 2 /g)である。
注5:シランカップリング剤は、デグッサ社製 「Si266」である。
注6:老化防止剤は、大内新興化学工業(株)製 「ノクラック6C」(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’- フェニル-p-フェニレンジアミン)である。
注7:ステアリン酸は、日本油脂(株)製の「ス アリン酸」である。
注8:酸化亜鉛は、三井金属鉱業(株)製の「亜 華1号」である。
注9:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」 ある。
注10:加硫促進剤は、大内新興化学工業(株)製 「ノクセラーNS」である。

 表3に示す結果から、BET比表面積が大きい シリカを用いた比較例6においては未加硫ゴ 組成物のムーニー粘度の上昇によって良好 加工性が得られず、シリカの含有量が少な 比較例2においては加硫後の試験用ゴムシー のE*が著しく低かった。

 これに対し、シリカのBET比表面積および 合量が本発明の範囲とされた実施例1,2にお ては、未加硫ゴム組成物のムーニー粘度が く抑えられ良好な加工性が得られた。また 施例6、7においては、加硫後の試験用ゴム ートのE*が低下することなくtanδが低い値を した。以上の結果から、本発明によれば、 剛性でヒステリシスロスが小さく、かつ調 時の加工性が良好なトレッド用のゴム組成 が得られることが分かる。

 今回開示された実施の形態および実施例 すべての点で例示であって制限的なもので ないと考えられるべきである。本発明の範 は上記した説明ではなくて請求の範囲によ て示され、請求の範囲と均等の意味および 囲内でのすべての変更が含まれることが意 される。

 本発明のプライ、クリンチ、トレッドは 乗用車用、トラック用、バス用、重車両用 の各種用途の空気入りタイヤに好適に適用 れる。また、本発明の空気入りタイヤは、 球環境に優しい「エコタイヤ」として、た えば乗用車用、トラック用、バス用、重車 用など、種々の用途に対して好適に適用さ 得る。




 
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