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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051260
Kind Code:
A1
Abstract:
A pneumatic tire has a tread (1), a pair of side walls (2), a pair of beads (3), a carcass (5) having at least one carcass ply that has a body section toroidally extending between bead cores (4) embedded in the beads (3) and also has turned back sections (5b) turned back outward around the bead cores (4) from the inner side in the tire's lateral direction, and side rubber (9) arranged on the outer sides in the tire's lateral direction of the carcass (5). Thin-walled recesses (10) are formed at positions that are, when the tire is in mounted position on an applicable rim (R), on the radially inner sides of the tire from the tire's maximum width positions (W) and at the same time on the radially outer sides of the tire from radially outer ends (5c) of the tuned back sections of the carcass. At each thin-walled recess (10), the minimum thickness t of the side rubber measured in the direction normal to the outermost carcass ply layer is in the range of 2.5 - 4.5 mm.

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Inventors:
KURITA KEIICHI (JP)
TODA SEIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068988
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
KURITA KEIICHI (JP)
TODA SEIICHI (JP)
International Classes:
B60C15/00; B60C15/06
Foreign References:
JP2000301916A2000-10-31
JPH0632122A1994-02-08
JP2000185530A2000-07-04
JPH10193924A1998-07-28
JP2004189192A2004-07-08
JP2007069668A2007-03-22
Other References:
See also references of EP 2213484A4
None
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMURA, Kenji et al. (3-2-1 Kasumigaseki, Chiyoda-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、各ビード部に埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部および、各ビードコアの周りで、タイヤ幅方向内側から外側に向けて折り返された折返し部を持つ少なくとも一枚のカーカスプライからなるカーカスと、このカーカスの、タイヤ幅方向外側に配置されるサイドゴムとを具えてなる空気入りタイヤにおいて、
 適用リムへの組付け姿勢のタイヤにおける、タイヤ最大幅位置からタイヤの半径方向内方かつ、カーカスの折返し部の半径方向外方端よりタイヤの半径方向外方に、最外層カーカスプライからたてた法線方向に測ってサイドゴムのゴム厚さの最小寸法が2.5~4.5mmの範囲である、肉抜き状の凹部を形成してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
 トレッド部と、一対のサイドウォール部と、一対のビード部と、一枚以上のカーカスプライからなるカーカスと、カーカスの、タイヤ幅方向外側に配置されるサイドゴムとを具えてなる空気入りタイヤにおいて、
 カーカスは、各ビード部に埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する本体部及び、各ビードコアの周りにタイヤ幅方向外側から内側に向けて巻き付けた巻き付け部を持ち、
 タイヤ幅方向断面内で、サイドウォール部およびビード部の少なくとも一方の外側面で、サイドゴムに、カーカスよりタイヤ幅方向外側に中心を有する一つ以上の円弧からなる、肉抜き状の凹部を形成してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
 凹部の半径方向外方端が、タイヤ幅方向断面内で、リムフランジの外縁を通るタイヤ中心軸線と平行な線分から、タイヤ最大幅位置までの半径方向距離に対して、その線分から30~65%の範囲で位置する請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
 凹部の半径方向内方端が、カーカスの折返し部の半径方向外方端より、タイヤ幅方向外側に3.0~10.0mmの範囲に位置する請求項1または3に記載の空気入りタイヤ。
 凹部が、単一円弧で区画されている請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 適用リムへの組付け前の、凹部の曲率半径が、10~200mmの範囲である請求項2~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 適用リムへの組付け前の、凹部の半径方向外方端が、タイヤ幅方向断面内で、タイヤ幅方向外側に凸となる曲線状をなすサイドウォール部の外側面との接点に位置する請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 適用リムへの組付け姿勢のタイヤにおいて、前記凹部の半径方向内方端が、適用リムのリムフランジの円弧中心からカーカスの本体部に下ろした垂線と、タイヤ外表面との交点から、タイヤ外表面に沿って半径方向外方に測って5~25mmの範囲に位置する請求項1~7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 ビードコアに対し、カーカスの外側で、カーカスに沿わせて配設した一層以上のコード補強層を具え、適用リムへの組付け前のタイヤ姿勢で、コード補強層の、タイヤ幅方向内側部分の半径方向外方端の位置を、凹部区画用円弧の中心より半径方向外方に配置させてなる請求項1~8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 適用リムへの組付け姿勢で、コード補強層の、タイヤ幅方向外側部分の半径方向外方端の位置を、適用リムのリムフランジの円弧中心からカーカスの本体部に下ろした垂線とタイヤ外側面との交点位置から、カーカスの半径方向外方端の位置に、その垂線と平行に引いた線分に対し、それと直交して半径方向内方に10mm以上隔てた位置までの間に配置してなる請求項9に記載の空気入りタイヤ。
 コード補強層がスチールコードのゴム被覆層からなり、そのコード補強層のコード角度が半径方向に対し0~45°である請求項9または10に記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、空気入りタイヤ、なかでも、 ラック・バス等の重荷重車両用の空気入り イヤに関するものであり、特には、タイヤ 軽量化、低転がり抵抗、ひいては経済性に れる技術および、タイヤの軽量化のために イドゴムに凹部を形成してなお、凹部形成 所の耐久性の低下を防止できる技術を提案 るものである。

 近年、空気入りタイヤでは、環境への配 および経済性の観点から低燃費のタイヤが められており、その対応策の一つとして転 り抵抗の低減があり、そのための一つの手 として、タイヤの重量を低減させることが る。

 タイヤの重量の低減を目的として、カー ス素材としてのプライコードの打ち込み本 を減らすと、タイヤの骨格剛性が低下して タイヤの各種の運動性能、操縦安定性能等 低下することが懸念される。また、タイヤ サイドウォール部およびビード部のゴムの 厚みを薄くすると、サイドウォール部およ ビード部の剛性の低下により、同様に操縦 定性能等の低下が懸念される。

 空気入りタイヤの、発熱耐久性の向上お び、タイヤの軽量化のため、例えば、特許 献1には、図8に示すような、タイヤ最大幅 置と、ビード部外側面がリムフランジから 反する位置との間で、外側ゴム層に凹部61を 形成し、その凹部61におけるタイヤ側部の総 みを、タイヤ最大幅位置におけるタイヤ側 の総厚み以上とするとともに、凹部61の最 深さを1.5mm以上とすることによって、ゴム重 量を削減してタイヤの軽量化を図るとともに 、蓄熱を抑えて外側ゴム層の熱劣化を防止す ることを企図した空気入りタイヤが記載され ている。

 しかるに、このような空気入りタイヤで 、特に、ビードコア64の周りで折り返され カーカス65の折返し部65bの末端付近は、剛性 段差によるカーカスのセパレーションを防ぐ ために、所定のゴム厚みの確保が不可避とな る。他、カーカス65の本体部65aと折返し部65b の間に、スティフナーゴム69に加え、それ の両端間を埋め込む間ゴム62を配設すること が必要となるため、サイドゴム60に形成する 部61の寸法および形状等が制限を受けるこ になって、タイヤを所期したほどには軽量 することができなかった。これがため、タ ヤの軽量化には限界があり、さらなる改良 望まれていた。

 また、この空気入りタイヤでは、負荷転動 に、凹部61の形成個所に、半径方向内方に く圧縮歪および半径方向外方に向く引張り が繰り返し加わり、その凹部形成個所でゴ が疲労し易いことから、更なる改良が望ま ていた。

特開2000-158919号公報

 そこで、本発明の目的は、タイヤの軽量 を、カーカスのプライコード耐引き抜き性 低下なしに実現することができ、転がり抵 の低減、ひいては、低燃費化に大きく貢献 ることができる空気入りタイヤおよび、タ ヤの外側面でサイドゴムに凹部を設けるこ によって、空気入りタイヤの軽量化を実現 てなお、その凹部の形成に起因するゴム疲 を有効に抑制して、凹部形成個所の耐久性 低下を効果的に防止できる空気入りタイヤ なかでも重荷重車両用空気入りタイヤを提 することにある。

 この発明にかかる空気入りタイヤは、ト ッド部と、一対のサイドウォール部と、一 のビード部と、各ビード部に埋設されたビ ドコア間にトロイド状に延在する本体部お び、各ビードコアの周りで、タイヤ幅方向 側から外側に向けて折り返された折返し部 持つ少なくとも一枚のカーカスプライから るカーカスと、このカーカスの、タイヤ幅 向外側に配置されるサイドゴムとを具えて るものであって、適用リムへの組付け姿勢 タイヤにおける、タイヤ最大幅位置からタ ヤの半径方向内方かつ、カーカスの折返し の半径方向外方端よりタイヤの半径方向外 に、最外層カーカスプライからたてた法線 向に測ってサイドゴムのゴム厚さの最小寸 が2.5~4.5mmの範囲である、肉抜き状の凹部を 成してなることを特徴とするものである。

 ここで、「適用リム」とは、JATMA(日本自動 タイヤ協会) YEAR BOOK、ETRTO(European Tyre and  Rim Technical Organisation) STANDARD MANUAL、TRA(THE T IRE and RIM ASSOCIATION INC.)YEAR BOOK等に、タイ サイズに応じて規定されたリムをいうもの する。
 ここで、「適用リムへの組付け姿勢」とは JATMA等に規定された適用リムに、タイヤを 付けて、JATMA等の規格にタイヤサイズに応じ て規定された、最高空気圧を充填した状態で の、タイヤ幅方向断面姿勢をいうものとする 。
 「タイヤ最大幅位置」とは、JATMA等に規定 れた適用リムに、タイヤを組付けて、JATMA等 の規格にタイヤサイズに応じて規定された、 最高空気圧を充填した状態での、タイヤ幅方 向断面姿勢の位置をいうものとする。

 また、この発明にかかる空気入りタイヤ 他の態様では、トレッド部と、一対のサイ ウォール部と、一対のビード部と、一枚以 のカーカスプライからなるカーカスと、カ カスの、タイヤ幅方向外側に配置されるサ ドゴムとを具えてなるものであって、カー スは、各ビード部に埋設されたビードコア にトロイド状に延在する本体部及び、各ビ ドコアの周りにタイヤ幅方向外側から内側 向けて巻き付けた巻き付け部を持ち、タイ 幅方向断面内で、サイドウォール部および ード部の少なくとも一方の外側面で、サイ ゴムに、カーカスよりタイヤ幅方向外側に 心を有する一つ以上の円弧からなる、肉抜 状の凹部を形成してなることを特徴とする のである。

 ここで、「サイドウォール部およびビード の少なくとも一方の外側面」とは、サイド ォール部およびビード部の両者にわたる外 面をも含む意である。
 また、「一つ以上の円弧からなる凹部」と 、複数の円弧の組み合わせによる凹部をも む意である。

 このようなタイヤにおいてより好ましくは 凹部の半径方向外方端を、タイヤ幅方向断 内で、リムフランジの外縁を通るタイヤ中 軸線と平行な線分から、タイヤ最大幅位置 での半径方向距離に対して、その線分から3 0~65%の範囲で位置させる。
 ここで、半径方向外方端を、サイドゴムの 曲点、変極点、折れ曲がり点等とすること できる。

 また好ましくは、凹部の半径方向内方端 、カーカスの折返し部の半径方向外方端よ 、タイヤ幅方向外側に3.0~10.0mmの範囲に位置 させる。

 そしてまた好ましくは、凹部を、単一円 で区画する。

 好ましくは、適用リムへの組付け前の、 部の曲率半径を、10~200mmの範囲とする。

 また好ましくは、適用リムへの組付け前の 凹部の半径方向外方端を、タイヤ幅方向断 内で、タイヤ幅方向外側に凸となる曲線状 なすサイドウォール部の外側面との接点に 置させる。
 この場合、「タイヤ幅方向外側に凸となる 線状をなすサイドウォール部の外側面との 点」とは、凹部を形成する曲線と凸部を形 する形成する曲線とがなだらかにつながる をいう。

 また好ましくは、適用リムへの組付け姿 のタイヤにおいて、前記凹部の半径方向内 端を、適用リムのリムフランジの円弧中心 らカーカスの本体部に下ろした垂線と、タ ヤ外表面との交点から、タイヤ外表面に沿 て半径方向外方に測って5~25mmの範囲に位置 せる。

 ところで、ビードコアに対し、カーカス 外側で、カーカスに沿わせて配設した一層 上のコード補強層を具え、適用リムへの組 け前のタイヤ姿勢で、コード補強層の、タ ヤ幅方向内側部分の半径方向外方端の位置 、凹部区画用円弧の中心より半径方向外方 配置させることが好ましい。

 ここで、「適用リムへの組付け前のタイ 姿勢」とは、モールド内の加硫成形後のタ ヤのタイヤ幅方向の断面姿勢をいうものと 、便宜的には、タイヤ単体を立てた時に、 面と180°反対側に位置する部分で特定され タイヤ幅方向の断面姿勢をいうものとする

 好ましくは、適用リムへの組付け姿勢で コード補強層の、タイヤ幅方向外側部分の 径方向外方端の位置を、適用リムのリムフ ンジの円弧中心からカーカスの本体部に下 した垂線とタイヤ外側面との交点位置から カーカスの半径方向外方端の位置に、その 線と平行に引いた線分に対し、それと直交 て半径方向内方に10mm以上隔てた位置までの 間に配置する。

 ここで、カーカスの半径方向外方端とは カーカスの折り返し部の半径方向外方端ま は、カーカスの巻き付け部のタイヤ半径方 の最外方端をいうものとする。

 そしてまた好ましくは、コード補強層が チールコードのゴム被覆層からなり、その ード補強層のコード角度が半径方向に対し0 ~45°とする。

 本発明の空気入りタイヤでは、適用リム の組付け姿勢のタイヤにおける、タイヤ最 幅位置からタイヤの半径方向内方かつ、カ カスの折返し部の半径方向外方端よりタイ の半径方向外方に、最外層カーカスプライ らたてた法線方向に測ってサイドゴムのゴ 厚さの最小寸法が2.5~4.5mmの範囲である、肉 き状の凹部を形成することで、サイドゴム ゴム使用量が減少し、全体的に薄くするこ ができる。その結果、タイヤ重量の軽量化 図ることができる。

 すなわち、それが2.5mm未満では、縁石と こすれ等の外傷に起因するサイドカット耐 性が不足するおそれがあり、一方、4.5mmを超 えると、カーカスとタイヤ表面までの距離が 大きくなり、カーカスが曲がるときにタイヤ 表面の歪が大きくなり、オゾンクラックに不 利になる傾向がある。

 また、本発明の空気入りタイヤでは、各 ードコアの周りにタイヤ幅方向外側から内 に向けて巻き付けた巻き付け部を持ち、サ ドウォール部およびビード部の少なくとも 方の外側面で、サイドゴムに、カーカスよ タイヤ幅方向外側に中心を有する一つ以上 円弧からなる凹部を形成することによって 図8に示すようにカーカスの折返し部をビー ドコアの周りで半径方向外方へ高く折り返す ことが不要となって、折返し部の末端付近に 所定のゴム厚みの確保および間ゴムが不要と なるので、ビードコアに近い、ゴムの総厚み の厚い部分に、所要に応じた寸法等の凹部を 形成して、ゴムの抉り量を増大することがで きる。その結果、サイドゴムのゴム使用量を 所期したとおりに低減させて、タイヤ重量の 効果的な軽量化を図ることができる。

 そしてまた、本発明の空気入りタイヤは カーカスの外側で、カーカスに沿わせて配 した一層以上のコード補強層を設けること より、タイヤ幅方向およびタイヤ周方向の 性を高めることで、操縦安定性を向上させ ことができる。

 適用リムへの組付け前のタイヤ姿勢で、コ ド補強層の、タイヤ幅方向内側部分の半径 向外方端の位置を、凹部区画用円弧の中心 り半径方向外方に配置させることによって 凹部形成個所に延在するカーカス部分の、 重時の作用時の倒れ込み変形を抑制して、 部の形成個所に生じる圧縮歪および引張り の量を低減することができる。
 その結果、タイヤの負荷転動中の、ゴム疲 が緩和され、ビード部の耐久性の低下が防 されることになる。

本発明の空気入りタイヤの一の実施形 を、適用リムに組付けて規定の空気圧を充 した状態の、タイヤの半部についての幅方 断面図である。 図1のビード部とサイドウォール部の一 部をより詳細に示す要部拡大断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の実施形 を、適用リムに組付け前の、タイヤの半部 ついての幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の実施形 を、適用リムに組付けて規定の空気圧を充 した状態の、タイヤの半部についての幅方 断面図である。 図4のビード部とサイドウォール部の一 部をより詳細に示す要部拡大断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の実施形 を、適用リムに組付けて規定の空気圧を充 した状態の、タイヤの半部についての幅方 断面図である。 図6のビード部と、サイドウォール部の 一部についての要部拡大断面図である。 従来の空気入りタイヤのビード部と、 イドウォール部の一部についての要部拡大 面図である。

符号の説明

 1,21,41  トレッド部
 2,22,42  サイドウォール部
 3,23,43  ビード部
 4,24,44,64  ビードコア
 5,25,45,65  カーカス
 5a,25a,45a,65a  本体部
 5b,25b,65b  折返し部
 45b  巻き付け部
 5c,25c,45c  半径方向外方端
 6,26,46  ベルト
 7,27,47  トレッドゴム
 8,28,48  コード補強層
 8a,28a,48a タイヤ幅方向外側の半径方向外方
 8b,28b,48b タイヤ幅方向内側の半径方向外方
 9,29,49,60  サイドゴム
 10,30,51,61  凹部
 10a,30a,51a  半径方向外方端
 10b,30b,51b  半径方向内方端
 49、69  スティフナーゴム
 62  間ゴム
 R 適用リム
 Rf リムフランジ

 以下に、図面を参照しながら本発明の空気 りタイヤを詳細に説明する。
 図1は、本発明の空気入りタイヤの一の実施 形態を、適用リムに組付けて規定の空気圧を 充填した状態のタイヤの半部について示す幅 方向断面図である。
 図2は、図1のビード部とサイドウォール部 一部をより詳細に示す要部拡大断面図であ 。

 図中1はトレッド部を、2はトレッド部1の れぞれの側部に連続して半径方向内方へ延 る一対のサイドウォール部を、そして3はサ イドウォール部2の半径方向内方に連続する ード部をそれぞれ示す。

 図示の空気入りタイヤでは、一枚のカーカ プライからなるカーカス5は、一対のビード 部3と、各ビード部3に埋設された六角形断面 ビードコア4間にトロイド状に延在する本体 部5aおよび、ビードコア4の周りで、タイヤ幅 方向の内側から外側に向けて折り返された折 返し部5bを有する。
 ここで、カーカスプライは、例えば、タイ 周方向と直交する方向に延びるスチールコ ド、有機繊維コード等にて形成することが きる。

 トレッド部1の、カーカス5のクラウン域 外周側には、ベルト6およびトレッドゴム7が 順次に配置され、このトレッドゴム7の表面 は、例えば、タイヤ周方向に延びる複数本 周溝等を形成することが一般的である。

 そして、好ましくは、ビード部3のビードコ ア4に対し、カーカス5の外側に、カーカス5の 本体部5aおよび折返し部5bに沿わせてコード 強層8を、配設する。
 コード補強層8は、図では一層としているが 、複数層とすることもできる。

 サイドウォール部2およびビード部3では コード補強層8およびカーカス5のタイヤ幅方 向外側が、それらの外側面に沿って、配置さ れたサイドゴム9によって覆われている。

 さらに、本発明の空気入りタイヤでは、 イヤ最大幅位置Wからタイヤの半径方向内方 かつ、カーカスの折返し部5bの半径方向外方 5cよりタイヤの半径方向外方に、最外層カ カスプライからたてた法線方向に測ってサ ドゴムのゴム厚さの最小寸法tを2.5~4.5mmの範 である、肉抜き状の凹部10を形成する。

 このようなタイヤにおいてより好ましくは 凹部10の半径方向外方端10aが、リムフラン の外縁を通るタイヤ中心軸線と平行な線分n ら、タイヤ最大幅位置までの半径方向距離H に対して、その線分から30~65%の範囲の距離h 1 で位置し、凹部の半径方向内方端10bが、カー カスの折返し部5bの半径方向外方端5cより、 イヤ幅方向外側に3.0~10.0mmの範囲の距離l 0 で位置する。

 また好ましくは、凹部の半径方向外方端1 0aが、リムフランジの外縁を通るタイヤ中心 線と平行な線分nから、タイヤ最大幅位置ま での半径方向距離Hに対して、その線分から30 ~65%の範囲で位置することで、タイヤの撓み 形時に、凹部10の半径方向外方端10aが、撓み 変形の大きくなる領域を避けることになり、 その半径方向外方端10aでの歪集中を防ぐこと ができる。

 すなわち、それが30%未満では、凹部10に み変形等が集中するおそれがあり、一方、65 %を超えると、半径方向外方端10aがサイドク ック発生の起点となる傾向がある。

 そして好ましくは、適用リムRへの組付け 姿勢のタイヤにおいて、凹部10の半径方向内 端10bが、カーカスの折返し部の半径方向外 端5cより、タイヤ半径方向外方に3.0~10.0mmの 囲に位置することで、タイヤの劣化に伴う ゾンクラックや、サイドゴム9のセパレーシ ョンを防ぐことができる。

 すなわち、それが3.0mm未満では、タイヤ 劣化に伴い発生するオゾンクラックが発生 たり、カーカスの折返し部5bの半径方向外方 端5c等からのセパレーションが発生するおそ があり、一方、10.0mmを超えると、凹部10の 径方向内方端10bから、カーカスの折返し部5b の半径方向外方端5c,25c近傍までの厚さの変形 が大きくなり、凹部10の半径方向内方端10bで 変形が大きくなり、カーカスプライに沿っ ゴムでセパレーションが発生する傾向があ 。

 図3は、本発明の空気入りタイヤの他の実施 形態を、適用リムに組付け前のタイヤの半部 について示す幅方向断面図である。
 図4は、本発明の空気入りタイヤの他の実施 形態を、適用リムに組付けて規定の空気圧を 充填した状態で、タイヤの半部について示す 幅方向断面図である。
 図5は、図4のビード部の一部をより詳細に す要部拡大断面図である。

 好ましくは、適用リムRへの組付け前のタ イヤ姿勢で、サイドウォール部22およびビー 部23の外側面には、サイドゴム29に、カーカ ス25よりタイヤ幅方向外側に中心を有し、曲 半径rを10~200mmの範囲とする、単一円弧から る凹部30を形成する。

 さらに、適用リムRへの組付け前のタイヤ姿 勢で、コード補強層28の、タイヤ幅方向内側 分の半径方向外方端28bの位置を、凹部区画 円弧の中心より半径方向外方に配置する。
 好ましくは、この半径方向外方端28bの位置 、凹部30の曲率中心から半径方向外方に0~30m mの範囲で位置する。

 このようなタイヤでは、ビード部23に延 するカーカス部分の、荷重時の倒れ込み変 を、コード補強層28の拡張力に基づき抑制し て、凹部30の形成個所に圧縮歪および引張り を低減することができる。その結果、タイ の負荷転動中の、ゴム疲労が緩和され、ビ ド部23の耐久性の低下を抑制することがで る。

 図6は、本発明の空気入りタイヤの他の実施 形態を、適用リムに組付けて規定の空気圧を 充填した状態の、タイヤの半部についての幅 方向断面図である。
 図7は、図6のビード部と、サイドウォール の一部についての要部拡大断面図である。

 図示の空気入りタイヤは、一対のビード 43と、各ビード部43に埋設された六角形断面 のビードコア44間にトロイド状に延在する、 枚のカーカスプライからなるカーカス45を え、このカーカス45は本体部45a及び各ビード コア44の周りにタイヤ幅方向内側から外側に けて巻き付けた巻き付け部45bを持つ。

 カーカス45の巻き付け部45bは、カーカス45 をビードコア44に強固に拘束するべく機能し 、プライコードの引き抜けを有効に防止す 一方、その巻き付け部45bへのセパレーショ の発生のおそれを取り除くべくも機能する

 このようなカーカス45の巻き付け部45bは カーカス45をビードコア44の周りに巻き付け に先だって、カーカスプライを形成するプ イコードとしての例えばスチールコードに し、巻き付け部45bの形成に寄与する端部分 、ビードコア44の外周面に沿うように、一 所以上の部位で塑性加工を施して、予め、 要の形態に塑性変形させて構成することが ましく、これによれば、ビードコア44に対す るカーカス45の所要の巻き付けを正確に行わ ることができる。

 また、ビード部43には、ビードコア44の半 径方向外方でカーカス45に沿って半径方向外 に向けて厚みを漸減する略三角形の断面形 のスティフナーゴム49を有する。

 サイドウォール部42およびビード部43では 、カーカス45およびスティフナーゴム49のタ ヤ幅方向外側が、それの外側面に沿って配 されたサイドゴム50によって覆われている。

 さらに、サイドウォール部42およびビー 部43の外側面には、タイヤ最大幅位置よりも 半径方向内方で、サイドゴム50に、カーカス4 5よりタイヤ幅方向外側に中心を有し、曲率 径rを10~200mmの範囲とする、単一円弧からな 凹部51が形成されている。

 以上のように構成してなるタイヤによれ 、カーカス45が、各ビード部43に埋設された ビードコア44間にトロイド状に延在する本体 45a及び、各ビードコア44の周りでタイヤ幅 向外側から内側に向けて巻き付けた巻き付 部45bを有しており、サイドウォール部42およ びビード部43の外側面では、サイドゴム50に カーカス45よりタイヤ幅方向外側に中心を有 する、所要の寸法および形状の凹部51を形成 ることができ、凹部51を、ビードコア44に近 く、ゴム厚さの特に厚い部分に設けることが できるので、凹部51によるゴムの抉り量を十 大きくし、サイドゴム50のゴム使用量を大 に低減させて、タイヤを効果的に軽量化す ことができる。

 また、タイヤの凹部30,51を単一円弧で区 することにより、タイヤのモールドでの製 を容易にすることができる。

 そして、適用リムRへの組付け前の、凹部 30,51の曲率半径rを10~200mmの範囲とすることに り、ビード部の軽量化と耐久性のバランス 確保することができる。

 すなわち、それが10mm未満では、凹部30,51 形成した領域で、タイヤが撓み、ビード部 曲げ変形が発生したときに圧縮歪が大きく ることにより、耐久性が悪化する傾向があ 。一方、200mmを超えると、凹部30,51によるゴ ム抉り量が少なくなり、軽量化の割合が小さ くなる傾向がある。

 適用リムRへの組付け前の、凹部30,51の半 方向外方端30a,51aが、タイヤ幅方向外側に凸 となる曲線状をなすサイドウォール部の外側 面との接点に位置することにより、半径方向 外方端30a,51aへのビード部の曲げ変形による 縮歪の集中を防ぐとともに、外観を損なわ い傾向がある。

 凹部の半径方向内方端10b,30b,51bは、適用 ムRへの組付け後のタイヤ姿勢で、適用リムR のリムフランジRfの円弧中心からカーカスの 体部5a,25a,45aに下ろした垂線Pと、タイヤ外 面との交点から、タイヤ外表面に沿って半 方向外方に測って5~25mmの範囲に位置するこ により、ビード部で、最も軽量化が行うこ ができる場所を特定することができる。

 すなわち、それが5mm未満では、負荷転動 に適用リムRのリムフランジRfに接する部分 面積が小さくなり、耐久性が低下する傾向 ある。一方、25mmを超えると、凹部10,30,51に るゴム抉り量が少なくなり、軽量化の割合 小さくなる傾向がある。

 また好ましくは、適用リムRへの組付け後 のタイヤ姿勢で、コード補強層28の、タイヤ 方向外側部分の半径方向外方端28aの位置を 図5に示すように、適用リムRのリムフラン Rfの円弧中心からカーカス25の本体部25aに下 した垂線Pとタイヤ外側面との交点位置から 、カーカス25の折返し部25bの半径方向外方端 位置に、その垂線Pと平行に引いた線分に対 し、それと直交して半径方向内方に10mm以上 てた位置までの間に配置する。

 コード補強層28の半径方向外方端28aの位 を、このような構成とすることにより、凹 30に対する圧縮歪および引張り歪をコード補 強層28により低減することができる。

 すなわち、半径方向外方端28aの位置が垂 Pより半径方向内方では、倒れ込み変形が起 こり易いゴムの厚みが薄く適用リムRに近い 分をコード補強層28が覆うことできず、変形 が一部に集中することになるため、タイヤ幅 方向内側部分の倒れ込み変形の抑制効果を発 揮できない傾向がある。一方、巻き付け端を 通る、垂線Pと平行な線分から半径方向内方 10mm未満では、コード補強層28が凹部30の形成 個所まで延在することになり、剛性段差によ る歪が集中するおそれがある。

 より好ましくは、コード補強層8,28,48がス チールコードのゴム被覆層からなり、カーカ ス5,25,45に沿わせて配設したコード補強層8,28, 48のコード角度を半径方向に対し0~45°とする

 このような構成とすることにより、カー ス5,25,45の、荷重時の倒れ込み変形をコード 補強層8,28,48により一層に効果的に抑制する とができる。

 すなわち、コード角度が45°を超えると、 コードが変形し易くなって耐張強度が低下し て倒れ込み変形の抑制が不足する傾向がある 。

 次に、タイヤのサイズが275/80R22.5の、図6,7 示すような構造を有する実施例タイヤ1およ 、図3~5に示すような構造を有する実施例タ ヤ2を試作し、サイドゴムに凹部を設けない 構造を有する比較例タイヤ1を試作して、軽 化の程度を、評価した。
 なお、比較例タイヤではサイドウォール部 よびビード部以外のタイヤ構造については 変を要しないため、本願に準ずるものとし 。

 実施例タイヤ1,2および、比較例タイヤ1の それぞれを、リムサイズ8.25×22.5、リム幅21.0c m(8.25インチ)のリムに装着し、内圧を900kPaと 、比較例1に対する軽量化の程度を表1に示す 。

 表1の結果から、実施例タイヤ1,2は、比較 例タイヤ1に対して、大幅な軽量化を図るこ ができた。

 次に、図3~5に示すような構造を有する、サ ズが275/80R22.5のタイヤを試作し、表2に示す うに、それぞれの諸元を変化させた実施例 イヤ3,4および、比較例タイヤ2,3のそれぞれ つき、ビード部の耐久性を評価した。
 なお、比較例タイヤは実施例タイヤの構造 準ずるものとした。

 実施例タイヤ3,4および、比較例タイヤ2,3の れぞれを、リムサイズ8.25×22.5のリムに装着 し、内圧を900kPaとし、ドラム試験機上に取り 付け、質量4225kg、試験速度60km/h、直径1.7mの ラム試験機上を繰り返し走行させ、凹部か の亀裂の発生および進展に至るまで走行で る耐久力を、表3に示す。
 なお、評価は、比較例タイヤ2の結果を100と して指数評価を行い、指数が100より大きいほ ど良好であるとした。

 表3の結果から、実施例タイヤ3,4は、比較 例タイヤ2,3に対して、ビード部の耐久力が高 いことがわかる。