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Title:
POLARIZING FILM AND LIQUID CRYSTAL DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051002
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a polarizing film which is composed of a film made from a lyotropic liquid crystalline mixture containing a yellow dye having a maximum absorption at a wavelength within the range of 380-480 nm and a blue dye having a maximum absorption at a wavelength within the range of 580-680 nm. The yellow dye is composed of a 1,8-naphthoilene-1',2'-benzimidazole derivative. This polarizing film has high absorption dichroism over a wide visible range.

Inventors:
FUKUDOME YUKI (JP)
INOUE TETSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067615
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
September 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
FUKUDOME YUKI (JP)
INOUE TETSUO (JP)
International Classes:
G02B5/30; C09B3/14; C09B57/12; C09K19/60; G02F1/1335
Foreign References:
JP2002528758A2002-09-03
JP2005531636A2005-10-20
JPH08511109A1996-11-19
JP2005522726A2005-07-28
JP2006526013A2006-11-16
JP2007126628A2007-05-24
JP2007156322A2007-06-21
Attorney, Agent or Firm:
OHNAKA, Minoru et al. (3-6 Minamisemba 2-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 81, JP)
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Claims:
 波長380nm~480nmの範囲のいずれかの波長で最大吸収を示す黄色色素と、波長580nm~680nmの範囲のいずれかの波長で最大吸収を示す青色色素と、を含むリオトロピック液晶性混合物を含み、前記黄色色素が、1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイミダゾール誘導体であることを特徴とする偏光膜。
 前記黄色色素が、前記リオトロピック液晶性混合物100質量部中、1質量部~50質量部含まれている請求項1に記載の偏光膜。
 前記1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイミダゾール誘導体が、下記一般式(I)で表される化合物である請求項1または2に記載の偏光膜。
 式(I)中、kは、0~4の整数を表し、l及びmは、それぞれ0~3の整数を表し、nは、1~4の整数を表す。ただし、k、l、m及びnは、1≦k+l+m+n≦10を満たす。式(I)中、X、Y及びZは、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアミン基を表し、Mは、対イオンを表す。
 前記青色色素が、アゾ誘導体、又はペリレン誘導体を含む請求項1~3のいずれかに記載の偏光膜。
 前記青色色素が、下記一般式(III)で表されるペリレン誘導体を含む請求項1~3のいずれかに記載の偏光膜。
 式(III)中、Q 4 は、式(a)又は(b)を表し、L 1 、L 2 、L 3 及びL 4 は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、o、p、q及びrは、それぞれ0~2の整数、sは、0~4の整数を表し、Mは、対イオンを表す。ただし、o、p、q、r及びsは、0≦o+p+q+r+s≦8を満たす。式(a)中、Q 5 は、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のフェニルアルキル基、又は置換若しくは無置換のナフチル基を表す。式(b)中、L 5 は、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、tは、0~4の整数を表す。
 前記偏光膜が、前記リオトロピック液晶性混合物と溶媒とを含む溶液を、基材上に塗工し乾燥することにより得られた塗膜で形成されている請求項1~5のいずれかに記載の偏光膜。
 請求項1~6の何れかに記載の偏光膜を備える液晶表示装置。
Description:
偏光膜、及び液晶表示装置

 本発明は、黄色色素及び青色色素を含む オトロピック液晶性混合物を製膜した偏光 、及び該偏光膜を備える液晶表示装置に関 る。

 偏光膜は、例えば、液晶表示装置に用いら る重要な構成部材の1つである。
 従来、ヨウ素を吸着させたポリビニルアル ールフィルムを延伸した二色性PVA延伸フィ ムが偏光膜として用いられている。この偏 膜は、その製造時に延伸処理を行う必要が り、更に、吸収軸が特定方向(延伸方向)の に生じる。また、該偏光膜は、延伸フィル からなるので、薄膜状に形成することにつ て限界がある。
 また、特許文献1には、複数の色素(例えば 青色色素、赤色色素、及び黄色色素)を混合 た混合色素を含む溶液を適当な基材に塗工 ることによって形成された塗膜からなる偏 膜が開示されている。この偏光膜は、薄膜 に形成でき、さらに、可視光の範囲内で吸 二色性を有する。

日本国特許出願公開平9-230142号公報

 しかしながら、上記複数の色素を含む偏 膜は、可視光領域における吸収二色性が小 くなるという問題がある。この吸収二色性 低下は、特に、可視光領域の短波長側で顕 である。

 本発明の目的は、可視光の広い領域にお て、高い吸収二色性を有する偏光膜を提供 ることである。

 本発明者等は、複数の色素を含む偏光膜 おいて、可視光領域の短波長側で吸収二色 が小さくなる点について鋭意研究した。そ 結果、吸収二色性の低下は、黄色色素と青 色素が互いの配向を阻害していることが原 であることを突き止めた。これを改善する めに、本発明者らは、黄色色素として1,8-ナ フトイレン-1’,2’-ベンゾイミダゾール誘導 を用い、これを青色色素に混合することを 出した。

 本発明の偏光膜は、波長380nm~480nmの範囲 いずれかの波長で最大吸収を示す黄色色素 、波長580nm~680nmの範囲のいずれかの波長で最 大吸収を示す青色色素と、を含むリオトロピ ック液晶性混合物を含み、前記黄色色素が、 1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイミダゾール 誘導体である。

 上記偏光膜は、可視光の広い領域において い吸収二色性を有する。また、上記偏光膜 、上記リオトロピック液晶性混合物を含む 液を塗工することにより形成することもで る。このため、上記偏光膜は、薄膜状に形 することができる。かかる点は、本発明者 が初めて見出した事項であり、予期せぬ優 た効果である。
 本発明の偏光膜が可視光の広い領域におい 高い吸収二色性を有する理由は、次の(1)及 (2)のように推察される。(1)前記1,8-ナフトイ レン-1’,2’-ベンゾイミダゾール誘導体は、 れ自身が高度に配向するので、短波長領域 おける吸収二色性が大きくなる。(2)青色色 は、前記1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイ ダゾール誘導体の存在によって高度に配向 るので、長波長領域における吸収二色性も きくなる。よって、本発明によれば、可視 の広い領域において高い吸収二色性を有す 偏光膜を提供できる。かかる偏光膜は、偏 特性に優れ、特に液晶表示装置に好適に使 できる。

 本発明の別の局面によれば、上記偏光膜 備える液晶表示装置を提供する。

(本発明の偏光膜の概要)
 本発明の偏光膜は、波長380nm~480nmの範囲の ずれかの波長で最大吸収を示す1,8-ナフトイ ン-1’,2’-ベンゾイミダゾール誘導体(黄色 素)と、波長580nm~680nmの範囲のいずれかの波 で最大吸収を示す青色色素と、を含むリオ ロピック液晶性混合物を含む形成材料を膜 に形成した、フィルムである。
 かかる偏光膜は、可視光の広い領域におい 、高い吸収二色性を有する。

 本発明において、「吸収二色性」とは、1つ の振動方向の光を選択的に吸収する(その吸 する光の振動方向に直交する振動方向の光 殆ど吸収しない)性質をいう。偏光膜の吸収 色性は、直交透過率で評価できる。直交透 率が低い偏光膜は、吸収二色性が高い偏光 である。
 なお、直交透過率(%)は、k 1 とk 2 の積により求められる。前記k 1 は、偏光膜に直線偏光を入射した際の最大透 過率方向の透過率を表し、前記k 2 は、偏光膜に直線偏光を入射した際の前記最 大透過率方向に直交する方向の透過率を表す 。前記k 1 及びk 2 は、下記実施例に記載の方法で測定できる。

 本発明において、「リオトロピック液晶 」とは、温度や溶液濃度を変化させること より、等方相-液晶相の相転移を起こす性質 をいう。前記液晶相は、特に制限はなく、ネ マチック液晶相、スメクチック液晶相、コレ ステリック液晶相などが挙げられる。これら の液晶相は、偏光顕微鏡で観察される液晶相 の光学模様によって、確認、識別することが できる。

 本発明において、「偏光膜」とは、偏光 たは自然光から特定の直線偏光を透過させ 機能を有する光学部材をいう。

 本発明の偏光膜は、例えば、上記リオト ピック液晶性混合物を適当な溶媒に溶解又 分散させて得られる溶液を、適当な基材に 工した後、その塗膜を乾燥することによっ 形成できる。このように溶液塗工法によれ 、薄膜状の偏光膜が形成され得る。具体的 は、本発明の偏光膜の厚みは、例えば、厚 0.1μm~5μmであり、好ましくは0.3μm~3μmである 。

 本発明の偏光膜は、可視光領域(波長380nm~780 nm)のいずれかで吸収二色性を有する。該偏光 膜は、好ましくは、波長540nmにおいて吸収二 性を有する。本発明の偏光膜の二色比は、 長540nmにおいて、好ましくは20以上である。 該偏光膜の二色比は、下記実施例に記載の方 法で測定できる。また、該偏光膜の平均透過 率は、好ましくは30%以上であり、より好まし くは40%以上である。
 本発明の偏光膜の、波長420nm(短波長側)にお ける直交透過率(Tc[420])は、好ましくは30%以下 であり、より好ましくは10%~30%であり、特に ましくは15%~25%である。また、本発明の偏光 の、波長600nm(長波長側)における直交透過率 (Tc[600])は、好ましくは20%以下であり、より好 ましくは5%~20%であり、特に好ましくは5%~15%で ある。
 本発明によれば、短波長領域の吸収二色性 び長波長領域の吸収二色性がそれぞれ高い 光膜を提供できる。本発明によれば、波長4 20nmにおける直交透過率(Tc[420])と波長600nmにお ける直交透過率(Tc[600])の差の絶対値(|Tc[420]-Tc [600]|)が、例えば15%以下である偏光膜を提供 きる。

(リオトロピック液晶性混合物)
 本発明のリオトロピック液晶性混合物は、 長380nm~480nmの範囲のいずれかの波長で最大 収を示す1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイ ダゾール誘導体(黄色色素)と、波長580nm~680nm 範囲のいずれかの波長で最大吸収を示す青 色素と、を含む。本発明のリオトロピック 晶性混合物は、上記黄色色素と青色色素と 含んでいればよく、これ以外に、他の化合 を含んでいてもよい。
 上記リオトロピック液晶性混合物は、溶液 態において、各色素が液晶相を発現する。 記リオトロピック液晶性混合物を含む溶液 、安定な液晶相を発現し得る、このため、 記溶液を基材に塗工することにより、各色 が高度に配向する。従って、溶液塗工によ て、可視光の広い領域において高い吸収二 性を有する偏光膜を得ることができる。

(黄色色素)
 本発明で用いられる黄色色素は、波長380nm~4 80nmの範囲のいずれかの波長で最大吸収を示 、1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイミダゾ ル誘導体である。
 本発明において、黄色色素の「黄色」とは 黄緑色や橙色を包含する広義の黄色を意味 る。

 上記黄色色素は、それ自身が高度に配向す ことによって、短波長領域の吸収二色性を きくする作用と、該黄色色素と共に混合さ る青色色素の配向を高める作用(つまり、青 色色素の配向を助ける作用)と、を有する。 色色素が高度に配向することにより、長波 領域の吸収二色性が大きくなる。従って、 記黄色色素を含む偏光膜は、短波長領域の 収二色性及び長波長領域の吸収二色性がそ ぞれ高い。
 従来技術では、短波長領域及び長波長領域 吸収二色性がそれぞれ高い偏光膜を形成す ために、黄色色素及び青色色素以外に補色 素を配合し且つこれら色素を配向させなけ ばならなかった。本発明によれば、上記黄 色素及び青色色素を少なくとも配合するこ により、可視光の広い領域において高い吸 二色性を有する偏光膜を得ることができる

 上記黄色色素の含有量は、上記リオトロピ ク液晶性混合物100質量部中、好ましくは1質 量部~90質量部であり、より好ましくは1質量 ~50質量部であり、特に好ましくは5質量部~50 量部である。
 上記1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイミダ ール誘導体は、好ましくは、下記一般式(I) 表される化合物である。

 上記式(I)中、kは、0~4の整数を表し、l及びm 、それぞれ0~3の整数を表し、nは、1~4の整数 を表し(k、l、m、及びnは、1≦k+l+m+n≦10を満た す)、X、Y及びZは、それぞれ独立して、水素 子、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアル ル基、置換若しくは無置換の炭素数1~5のア コキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基 又はアミノ基を表し、Mは、対イオンを表す なお、本発明において、「置換若しくは無 換」とは、置換基を有する若しくは置換基 有しないという意味である。置換基を有す 場合、その置換基としては、ヒドロキシル 、-SO 3 M、-COOM、フェニル基、フッ素などのハロゲノ 基、アミノ基、ニトロ基、炭素数1~4のアルキ ル基などが挙げられる
 前記Mは、好ましくは、水素原子、アルカリ 金属原子、アルカリ土類金属原子、金属イオ ン、又は置換若しくは無置換のアンモニウム イオンである。前記金属イオンとしては、例 えば、Ni 2+ 、Fe 3+ 、Cu 2+ 、Ag + 、Zn 2+ 、Al 3+ 、Pd 2+ 、Cd 2+ 、Sn 2+ 、Co 2+ 、Mn 2+ 、Ce 3+ 等が挙げられる。なお、例えば、本発明の偏 光膜が溶液塗工によって形成される場合、上 記Mとして水への溶解性を向上させる基を有 る上記式(I)の化合物を用い、成膜後、耐水 を高めるために、その式(I)のMを、水に不溶 又は難溶性の基に置換してもよい。

 上記式(I)で表される化合物(黄色色素)は それ自身単独でリオトロピック液晶性を示 ため、上記式(I)の化合物は、他の黄色色素 比して高度に配向する。従って、上記式(I) 化合物を含む偏光膜は、短波長領域におい 、高い吸収二色性を有する。さらに、上記 (I)で表される化合物は、これと混合される 色色素の配向も高める作用に優れる。従っ 、上記式(I)の化合物を含む偏光膜は、長波 領域において、より高い吸収二色性を有す 。

 上記1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイミ ゾール誘導体は、無水ナフタル酸又はその 導体と、オルト-フェニレンジアミン又はそ の誘導体と、の縮合反応によって得ることが できる。また、上記1,8-ナフトイレン-1’,2’- ベンゾイミダゾール誘導体は、1,8-ナフトイ ン-1’,2’-ベンゾイミダゾールを、発煙硫酸 などでスルホン化することによって得ること ができる。

(青色色素)
 本発明に用いられる青色色素は、波長580nm~6 80nmの範囲のいずれかの波長で最大吸収を示 。前記青色色素は、上記黄色色素と協働し 可視光の広い領域で高い吸収二色性を有す 偏光膜を形成するために必要な色素である
 本発明において、青色色素の「青色」とは 青紫色や青緑色を包含する広義の青色を意 する。

 上記青色色素の含有量は、上記リオトロ ック液晶性混合物100質量部中、好ましくは1 0質量部~99質量部であり、より好ましくは50質 量部~95質量部である。

 上記青色色素は、特に制限はなく、任意の 素が用いられ得る。青色色素としては、例 ば、C.I.Direct Blue 1、C.I.Direct Blue 67、C.I.Dir ect Blue 83、C.I.Direct Blue 90などが挙げられる 。
 上記青色色素は、好ましくはアゾ誘導体、 はペリレン誘導体である。アゾ誘導体又は リレン誘導体を用いることにより、長波長 域における吸収二色性が高い偏光膜を得る とができる。

 上記アゾ誘導体は、好ましくは複数(例え ば、2~4)のアゾ基(-N=N-)を有するアゾ化合物で る。より好ましくは、上記アゾ誘導体は、 記一般式(II)で表される化合物である。

 上記式(II)中、Q 1 は、置換若しくは無置換のフェニル基、又は 置換若しくは無置換のナフチル基を表し、Q 2 及びQ 3 は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換 のフェニレン基、又は置換若しくは無置換の ナフチレン基を表し、Rは、水素原子、置換 しくは無置換の炭素数1~3のアルキル基、ア チル基、置換若しくは無置換のベンゾイル 又は置換若しくは無置換のフェニル基を表 、k及びlは、0~4の整数を表し(k及びlは、0≦k+ l≦4を満たす)、mは、0~2の整数を表し、nは、0 ~2の整数を表し、Mは、対イオンを表す。

 上記ペリレン誘導体は、好ましくは、下 一般式(III)で表される化合物である。

 上記式(III)中、Q 4 は、式(a)又は(b)を表し、L 1 、L 2 、L 3 及びL 4 は、それぞれ独立して、置換若しくは無置換 の炭素数1~5のアルキル基、置換若しくは無置 換の炭素数1~5のアルコキシ基、ハロゲン原子 、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、o p、q及びrは、それぞれ0~2の整数を表し、sは 0~4の整数を表し(o、p、q、r及びsは、0≦o+p+q+ r+s≦8を満たす)、Mは、対イオンを表す。式(a) 中、Q 5 は、置換若しくは無置換のフェニル基、置換 若しくは無置換のフェニルアルキル基、又は 置換若しくは無置換のナフチル基を表す。式 (b)中、L 5 は、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアルキ ル基、置換若しくは無置換の炭素数1~5のアル コキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、 又はアミノ基を表し、tは、0~4の整数を表す
 なお、上記式(II)及び式(III)のMは、上記式(I) のMと同様である。

 上記一般式(II)及び(III)で表される化合物( 青色色素)は、それ自身単独でリオトロピッ 液晶性を示すため、他の青色色素に比して 度に配向する。よって、長波長領域の吸収 色性が高い偏光膜を得ることができる。上 一般式(II)及び(III)で表される化合物は、い れか1種単独で、または2種を混合して使用で きる。

(他の化合物)
 上述のように、本発明で用いられるリオト ピック液晶性混合物には、上記黄色色素及 青色色素以外に、他の化合物が含まれてい もよい。前記他の化合物としては、例えば 赤色色素、添加剤などが挙げられる。
 上記赤色色素は、特に制限はなく、例えば C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 28、C.I.Direct Re d 79、C.I.Direct Red 81、C.I.Direct Red 83、C.I.Dire ct Red 89、C.I.Acid Red 37などが挙げられる。
 上記赤色色素が混合される場合、該赤色色 の含有量は、上記リオトロピック液晶性混 物100質量部に対し、好ましくは0質量部を超 え50質量部以下である。

 上記添加剤としては、例えば、界面活性剤 酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、熱安定 、光安定剤、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収 、難燃剤、着色剤などが挙げられる。添加 の中で、界面活性剤は、リオトロピック液 性混合物を含む溶液の、基材表面へのぬれ や塗工性を向上させるために添加される。 記界面活性剤は、好ましくは、非イオン界 活性剤が用いられる。
 上記添加剤が混合される場合、該添加剤の 有量は、上記リオトロピック液晶性混合物1 00質量部に対し、好ましくは0質量部を超え10 量部以下である。

(偏光膜の製法)
 上記リオトロピック液晶性混合物は、溶液 態において、良好な液晶相を発現する。こ ため、上記リオトロピック液晶性混合物の 液を適当な基材に塗工することにより、薄 状の偏光膜を簡易に形成できる。
 例えば、本発明の偏光膜は、下記工程A~Cを む製造方法によって製造することができる
 工程Aは、上記リオトロピック液晶性混合物 と、溶媒と、を含む溶液を準備する工程であ る。
 工程Bは、上記工程Aで得られる溶液を、適 な基材上に塗工し、該基材の配向規制力及 /又は該塗工時のせん断応力の存在下で、上 黄色色素及び該青色色素を配向させた塗膜 形成する工程である。
 工程Cは、上記工程Bで得られた塗膜を乾燥 ることによって、偏光膜を得る工程である

<工程A>
 工程Aにおいて、リオトロピック液晶性混合 物と溶媒とを含む溶液が調製される。
 リオトロピック液晶性混合物は、上記のと り、波長380nm~480nmのいずれかの波長で最大 収を示す黄色色素(1,8-ナフトイレン-1’,2’- ンゾイミダゾール誘導体)と、波長580nm~680nm いずれかの波長で最大吸収を示す青色色素 、を少なくとも含み、必要に応じて他の化 物を含む。
 溶媒は、特に限定されず、従来公知の溶媒 用いることができる。好ましくは、溶媒は 水系溶媒が用いられる。水系溶媒は、水、 水性溶媒、水と親水性溶媒の混合溶媒を含 。親水性溶媒は、水と均一に溶解させるこ ができる溶媒である。親水性溶媒としては メタノール、エタノール、エチレングリコ ルなどのアルコール類;メチルセロソルブ、 エチルセロソルブなどのセロソルブ類;アセ ン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢 エチルなどのエステル類;などが挙げられる 。好ましくは、上記溶媒は、水、又は水と親 水性溶媒の混合溶媒である。
 上記黄色色素、青色色素及び必要に応じて 合される他の化合物を、溶媒に混合する順 は、特に限定されない。例えば、黄色色素 青色色素及び他の化合物を同時に溶媒に混 してもよく、青色色素を溶媒に混合した後 黄色色素、他の化合物の順序で溶媒に混合 てもよい。また、青色色素と黄色色素を、 れぞれ別々に溶媒に混合して溶液を形成し その後、両溶液を混合してもよい。

 上記溶液に於けるリオトロピック液晶性混 物の濃度は、液晶相を示す濃度に調製する とが好ましい。具体的には、溶液中に於け 上記リオトロピック液晶性混合物の濃度は 好ましくは1質量%~30質量%であり、より好ま くは2質量%~20質量%である。かかる濃度範囲 一部で、溶液は良好な液晶相を示し得る。
 また、上記溶液のpHは、好ましくはpH4~10程 、より好ましくはpH6~8程度に調製される。
 上記溶液の粘度は、0.1mPa・s~30mPa・sに調製 ることが好ましく、更に、0.5mPa・s~3mPa・sが り好ましい。ただし、前記粘度は、レオメ ター(Haake社製、製品名:レオストレス600。測 定条件:ダブルコーンセンサー shear rate 1000( 1/s))で測定した値である。

<工程B>
 工程Bにおいて、適当な基材上に上記溶液を 塗工することにより、上記黄色色素及び青色 色素を配向させた塗膜が形成される。
 上記基材は、上記溶液を均一に展開するた に用いられる。この目的に適していれば基 の種類は特に限定されず、例えば、合成樹 フィルム(一般にシートと言われるものを含 む)、ガラス板などを用いることができる。 ましい実施形態においては、基材は、単独 ポリマーフィルムであり、好ましい他の実 形態においては、ポリマーフィルムを含む 層体である。このポリマーフィルムを含む 層体は、好ましくはポリマーフィルムに配 層を含む。

 上記ポリマーフィルムとしては、特に限定 れないが、透明性に優れたフィルム(例えば 、ヘイズ値5%以下)が好ましく、更に、等方性 のフィルムがより好ましい。
 上記ポリマーフィルムの材料としては、例 ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ レンナフタレート等のポリエステル系;ジア セチルセルロース、トリアセチルセルロース 等のセルロース系;ポリカーボネート系;ポリ チルメタクリレート等のアクリル系;ポリス チレン、アクリロニトリル・スチレン共重合 体等のスチレン系;ポリエチレン、ポリプロ レン、環状又はノルボルネン構造を有する リオレフィン、エチレン・プロピレン共重 体等のオレフィン系;塩化ビニル系;ナイロン 、芳香族ポリアミド等のアミド系;ポリイミ などのイミド系;ポリエーテルスルホン系;ポ リエーテルエーテルケトン系;ポリフェニレ スルフィド系;ビニルアルコール系;塩化ビニ リデン系;ビニルブチラール系;アクリレート ;ポリオキシメチレン系;エポキシ系などが げられる。また、上記基材は、前記ポリマ の2種以上の混合物を含むポリマーフィルム どでもよい。また、上記基材は、2以上のポ リマーフィルムの積層体を用いることもでき る。これらポリマーフィルムは、好ましくは 延伸フィルムが用いられる。

 上記基材の厚みは、強度等に応じて適宜 設計しうる。薄型軽量化の観点から、上記 材の厚みは、好ましくは300μm以下、より好 しくは5~200μm、特に好ましくは10~100μmであ 。

 上記基材が配向層を含む場合、その配向層 、好ましくは配向処理を基材に施すことに って形成される。上記配向処理としては、 ビング処理などの機械的配向処理、光配向 理などの化学的配向処理等が挙げられる。 記基材の配向面に溶液を塗工することによ 、基材の配向規制に従って溶液中の各色素 配向させることができる。
 機械的配向処理は、基材の一面(または基材 の一面に形成された適宜な塗工膜の一面)に 布などで一方向にラビングすることにより 施できる。これにより、基材の一面に配向 を形成できる。また、延伸処理を施した延 フィルムを用いることもできる。前記ラビ グ処理などを行う基材又は塗工膜は、特に 定されず、上記ポリマーフィルムとして例 したポリマーなどを用いることができる。 向層は、色素の配向効率の点から、好まし はイミド系ポリマーで形成される。

 化学的配向処理は、基材の一面に、配向 を含む光配向膜を形成し、該光配向膜に光 照射することにより実施できる。これによ 、基材の一面に配向層を形成できる。配向 としては、例えば、光化学反応(光異性化反 応、光開閉環反応、光二量化反応、光分解反 応、光フリース転移反応など)を生じる光反 性官能基を有するポリマーなどが挙げられ 。上記光配向膜は、配向剤を適用な溶媒に 解させて溶液状にし、これを基材に塗工す ことによって形成できる。

 上記リオトロピック液晶性混合物を含む 液は、固形分濃度が比較的低いため、流動 に優れる。更に、前記溶液は、塗工機(例え ばコータ等)の最適塗工粘度範囲に調製する とも簡易に行え得る。従って、この溶液を いれば、薄膜状で且つ均一な塗膜を基材上 形成することができる。

 上記リオトロピック液晶性混合物を含む 液を基材の一面に塗工する方法は、例えば 適切なコータを用いた塗工方法が採用され る。該コータとしては、例えば、リバース ールコータ、正回転ロールコータ、グラビ コータ、ナイフコータ、ロッドコータ、ス ットダイコータ、スロットオリフィスコー 、カーテンコータ、ファウンテンコータ、 アドクタコータ、キスコータ、ディップコ タ、ビードコータ、ブレードコータ、キャ トコータ、スプレイコータ、スピンコータ 押出コータ、ホットメルトコータなどが挙 られる。上記コータは、好ましくは、リバ スロールコータ、正回転ロールコータ、グ ビアコータ、ロッドコータ、スロットダイ ータ、スロットオリフィスコータ、カーテ コータ、及びファウンテンコータなどが挙 られる。これらコータを用いた塗工方法で れば、溶液中に含まれる各色素にせん断力 加わる。その結果、該色素が高度に配向さ た塗膜を形成できる。このように、溶液の 工時にせん断力が加わる塗工方法を採用す ば、配向層を有しない基材を用いても各色 を配向させることができる。もっとも、上 のようにせん断力が加わる塗工方法で溶液 塗工する場合でも、配向層を有する基材を いることが好ましい。

 上記溶液の塗工速度は、特に限定されな が、好ましくは100mm/秒以上であり、より好 しくは500mm/秒~8000mm/秒であり、特に好まし は800mm/秒~6000mm/秒であり、最も好ましくは100 0mm/秒~4000mm/秒である。かかる塗工速度でリオ トロピック液晶性混合物を含む溶液を塗工す れば、該溶液中の各色素が配向するのに適し たせん断力が加わる。よって、可視光の広い 領域において高い吸収二色性を有し、且つ、 厚みバラツキの小さい偏光膜を形成できる。

 また、リオトロピック液晶性混合物を含 溶液を塗工する前に、上記基材の溶液塗工 に、親水化処理を施しても良い。親水化処 とは、水の接触角を低下させる処理である 該親水化処理を施すことにより、溶液塗工 に対する、溶液のぬれ性及び塗工性を向上 せることができる。

 上記親水化処理は、任意の適切な方法が採 され得る。上記親水化処理は、例えば、乾 処理又は湿式処理でもよい。乾式処理とし は、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処 及びグロー放電処理などの放電処理;火炎処 理;オゾン処理;UVオゾン処理;紫外線処理及び 子線処理などの電離活性線処理などが挙げ れる。湿式処理としては、例えば、水、ア トンなどの溶媒を用いた超音波処理;アルカ リ処理;アンカーコート処理などが挙げられ 。これらの処理は、単独で行ってもよいし 2つ以上を組み合せて行ってもよい。
 好ましくは、上記親水化処理は、コロナ放 処理、プラズマ処理、アルカリ処理、又は ンカーコート処理である。かかる親水化処 であれば、可視光の広い領域において高い 収二色性を有し、且つ、厚みバラツキの小 い偏光膜を形成できる。

<工程C>
 工程Cにおいて、上記基材上に塗工された塗 膜を乾燥する。
 塗膜の乾燥に際しては、例えば、熱風又は 風が循環する空気循環式恒温オーブン;マイ クロ波もしくは遠赤外線などを利用したヒー ター;温度調節用に加熱されたロール;加熱さ たヒートパイプロール;加熱された金属ベル トなどの乾燥手段を用いることができる。塗 膜の乾燥は、自然乾燥でもよい。
 乾燥温度は、溶液の等方相転移温度以下で り、低温から高温へ徐々に昇温させること 好ましい。上記乾燥温度は、好ましくは10 ~80℃であり、さらに好ましくは20℃~60℃であ る。かかる温度範囲であれば厚みバラツキの 小さい偏光膜を形成できる。
 乾燥時間は、乾燥温度や溶媒の種類によっ 、適宜、選択され得る。厚みバラツキの小 い偏光膜を形成するためには、乾燥時間は 例えば1分~30分であり、好ましくは1分~10分 ある。

 上記塗膜は、乾燥する過程で濃度が高くな ことによって、塗膜内で配向した各色素が 定される。乾燥後の塗膜の残存溶媒量は、 ましくは1質量%以下であり、より好ましく 0.5質量%以下である。
 乾燥させた塗膜が、本発明の偏光膜である
 上記乾燥後の塗膜(偏光膜)は、上記基材上 積層されている。本発明の偏光膜は、基材 に積層した状態で用いてもよいし、基材か 剥離して用いてもよい。

<工程D>
 さらに、上記乾燥後の塗膜の表面(基材の積 層面とは反対面)に、下記工程Dを行い、塗膜 耐水性を付与してもよい。
 工程Dは、上記工程Cで乾燥させた塗膜の表 に、アルミニウム塩、バリウム塩、鉛塩、 ロム塩、ストロンチウム塩、及び分子内に2 以上のアミノ基を有する化合物塩からなる から選択される少なくとも1種の化合物塩を 含む溶液を接触させる工程である。

 具体的には、上記工程Cで得られた乾燥後 の塗膜の表面に、化合物塩を含む溶液を接触 させる。該溶液を塗膜の表面に接触させるこ とにより、塗膜の表面上に化合物塩の層を形 成できる。前記化合物塩の層を形成すること により、塗膜の表面を、水に対して不溶化又 は難溶化させることができる。

 上記化合物塩としては、例えば、塩化ア ミニウム、塩化バリウム、塩化鉛、塩化ク ム、塩化ストロンチウム、4,4’-テトラメチ ルジアミノジフェニルメタン塩酸塩、2,2’- ピリジル塩酸塩、4,4’-ジピリジル塩酸塩、 ラミン塩酸塩、テトラアミノピリミジン塩 塩などが挙げられる。

 上記化合物塩を含む溶液に於いて、その化 物塩の濃度は、好ましくは3質量%~40質量%で り、より好ましくは5質量%~30質量%である。
 塗膜の表面に、上記化合物塩を含む溶液を 触させる方法としては、任意の方法が採用 れ得る。該方法としては、例えば、該塗膜 表面に上記化合物塩を含む溶液を塗工する 法、該塗膜を上記化合物塩を含む溶液に浸 する方法などが挙げられる。これらの方法 採用する場合、塗膜の表面は、水又は任意 溶剤で洗浄し乾燥しておくことが好ましい
 上記工程Dを行うことによって、耐水性に優 れた偏光膜を得ることができる。

(本発明の偏光膜の用途)
 本発明の偏光膜は、通常、上記基材に積層 れた状態で使用される。また、本発明の偏 膜は、上記基材から剥離して使用すること できる。
 本発明の偏光膜は、単独で用いてもよいし 或いは、必要に応じて他の光学フィルムを 層してもよい。前記他の光学フィルムとし は、保護フィルム、位相差フィルムなどが げられる。本発明の偏光膜の両側に保護フ ルムを積層することにより、偏光板を構成 きる。なお、上記基材に積層された状態の 光膜は、この基材を保護フィルムとして利 できる。従って、前記基材が積層されてい い側の偏光膜の面のみに、保護フィルムを 層することにより、偏光板を構成できる。
 また、位相差フィルムを積層する場合には 前記基材が積層されていない側の偏光膜の に位相差フィルムを積層してもよい。さら 、上記偏光板の一方の面に位相差フィルム 積層してもよい。
 なお、本発明の偏光膜に上記他の光学フィ ムを積層する場合、実用的には、各層間に 意の適切な接着層が設けられる。

 本発明の偏光膜の用途は、特に限定されな が、好ましくは、画像表示装置の構成部材 ある。
 前記画像表示装置としては、例えば、液晶 示装置、有機ELディスプレイ、及びプラズ ディスプレイ等が挙げられ、好ましくは液 表示装置である。前記画像表示装置の好ま い用途は、テレビ(特に、画面サイズ40イン 以上の大型テレビ)である。画像表示装置が 晶表示装置の場合、その好ましい用途は、 レビ、パソコンモニター、ノートパソコン コピー機などのOA機器;携帯電話、時計、デ タルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲー 機などの携帯機器;ビデオカメラ、電子レン などの家庭用電気機器;バックモニター、カ ーナビゲーションシステム用モニター、カー オーディオなどの車載用機器;商業店舗用イ フォメーション用モニターなどの展示機器; 視用モニターなどの警備機器;介護用モニタ ー、医療用モニターなどの介護・医療機器等 である。

 本発明について、実施例および比較例を用 て更に説明する。なお、本発明は、下記実 例のみに限定されるものではない。なお、 施例で用いた各分析方法は、以下の通りで る。
(1)液晶相の確認:
 2枚のスライドガラスで、コーティング液を 挟み込み、偏光顕微鏡(オリンパス(株)製、商 品名「BX50」)を用いて、温度を変化させなが 、液晶相を観察した。
(2)厚みの測定:
 厚みの測定は、フィルム上に形成された偏 膜の一部を剥離し、三次元非接触表面形状 測システム((株)菱化システム製、製品名「M icromap MM5200」)を用い、フィルム面と偏光膜 段差を測定した。
(3)直交透過率の測定方法:
 グラントムソン偏光子を備える分光光度計( 日本分光(株)製、製品名「U-4100」)を用いて、 測定波長(波長420nm、波長600nm)の直線偏光を偏 光膜に入射させ、各透過率(k 1 及びk 2 )を測定した。直交透過率(%)は、式;直交透過 =k 1 ×k 2 により算出した。ただし、前記k 1 は、最大透過率方向の直線偏光の透過率を表 し、k 2 は、最大透過率方向に直交する方向の直線偏 光の透過率を表す。
(4)二色比(DR)の測定方法:
 グラントムソン偏光子を備える分光光度計( 日本分光(株)製、製品名「U-4100」)を用いて、 波長540nmの直線偏光を偏光膜に入射させ、各 過率(k 1 及びk 2 )を測定した。二色比(DR)は、式;DR=log(1/k 2 )/log(1/k 1 )により算出した。二色比の測定方法の前記k 1 及びk 2 は、上記直交透過率の測定方法のk 1 及びk 2 と同義である。
(5)最大吸収波長の測定方法:
 グラントムソン偏光子を備える分光光度計( 日本分光(株)製、製品名「U-4100」)を用いて、 波長380nm~780nmの各透過率(k 1 及びk 2 )を測定した。なお、このk 1 及びk 2 は、上記(3)と同様である。
 最大吸収波長は、波長380nm~780nmのk 1 及びk 2 を式;(k 1 +k 2 )/2に代入して求められる値のうち、最も小さ くなる値における測定波長である。

[実施例]
 黄色色素として、下記式(IV)で表される1,8- フトイレン-1’,2’-ベンゾイミダゾール誘導 体(オプティバ社製、商品名「Y105」)を用いた 。この1,8-ナフトイレン-1’,2’-ベンゾイミダ ゾール誘導体は、波長390nmにおいて最大吸収 示した。
 青色色素として、下記式(V)で表されるペリ ン誘導体(オプティバ社製、商品名「Blue Opt iva LCP dye」)を用いた。このペリレン誘導体 、波長640nmにおいて最大吸収を示した。

 上記黄色色素1.2質量部と上記青色色素10 量部を混合した混合物を準備した(混合物100 量部中、黄色色素が約10.7質量部、青色色素 が約89.3質量部である)。この混合物を水に溶 させて固形分濃度10質量%の溶液を調製した この溶液を偏光顕微鏡で観察したところ、 マチック液晶相を示していた。

 上記各色素を含む溶液を、コロナ放電処 を施したポリマーフィルム(日本ゼオン(株) 、商品名「ゼオノア」)のコロナ放電処理面 に、バーコータ(BUSCHMAN社製、商品名「mayer ro t HS1.5」)を用いて、せん断応力の存在下で均 一に塗工し、上記各色素を配向させた。その 後、23℃の恒温室内で自然乾燥させることに り、乾燥塗膜(偏光膜)を作製した。得られ 偏光膜は、厚み0.4μmであった。該偏光膜の 学特性を表1に表す。

[比較例1]
 黄色色素を用いなかったこと以外は、上記 施例と同様にして偏光膜を作製した。
 具体的には、上記式(V)で表されるペリレン 導体(青色色素)のみを水に溶解して、固形 濃度10質量%の溶液を調製した。この溶液を 光顕微鏡で観察したところ、ネマチック液 相を示していた。
 この溶液を、上記実施例と同様にして、ポ マーフィルムのコロナ放電処理面に塗工し 乾燥させた。得られた偏光膜は、厚み0.4μm あった。該偏光膜の光学特性を表1に表す。

[比較例2]
 上記実施例の黄色色素に代えて、下記式(VI) で表される黄色色素(東京化成工業社製、商 名「ブリリアントイエロー」)8質量部を用い たこと以外は、上記実施例と同様にして、偏 光膜を作製した。

 具体的には、上記式(VI)で表される黄色色素 8質量部と上記式(V)で表されるペリレン誘導 (青色色素)10質量部を混合し、この混合物を に溶解させて固形分濃度10質量%の溶液を調 した。この溶液を偏光顕微鏡で観察したと ろ、ネマチック液晶相を示していた。
 この溶液を、上記実施例と同様にして、ポ マーフィルムのコロナ放電処理面に塗工し 乾燥させた。得られた偏光膜は、厚み0.4μm あった。該偏光膜の光学特性を表1に表す。

 表1のように、実施例の偏光膜は、波長420 nm及び波長600nmにおける直交透過率が、比較 1及び比較例2に比して低く、短波長側及び長 波長側において高い吸収二色性を有していた 。また、実施例の偏光膜は、二色比も比較例 1及び比較例2に比して優れていた。