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Title:
PROCESS FOR PRODUCING AROMATIC AMINE HAVING ARALKYLOXY OR HETEROARALKYLOXY GROUP
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087736
Kind Code:
A1
Abstract:
A process for producing an aromatic amine compound having an aralkyloxy or heteroaralkyloxy group, in which under mild conditions, through convenient procedure, an aromatic nitro compound having an aralkyloxy or heteroaralkyloxy group is reacted with hydrogen to thereby carry out selective reduction of nitro group only while avoiding any dearalkylation or deheteroaralkylation and while stably retaining other substituents on the aryl or heteroaryl group without causing them to participate in reaction. There is provided a process characterized by reacting, in the presence of a metal catalyst, any of aromatic nitro compounds of the general formula (1): (in the formula, Ar is an optionally substituted aryl or heteroaryl group, and Z is an optionally substituted bivalent aromatic group) with hydrogen to thereby obtain any of aromatic amine compounds of the general formula (2): (in the formula, Ar and Z are as defined above).

Inventors:
NISHINO SHIGEYOSHI
SHIMA HIDETAKA
ODA HIROYUKI
Application Number:
PCT/JP2007/050782
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 19, 2007
Export Citation:
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Assignee:
UBE INDUSTRIES (JP)
NISHINO SHIGEYOSHI
SHIMA HIDETAKA
ODA HIROYUKI
International Classes:
C07C213/02; C07C217/86; C07C219/34; C07D213/73; C07B61/00
Domestic Patent References:
WO2004105765A12004-12-09
Foreign References:
JP2003286263A2003-10-10
JP2001503772A2001-03-21
JPS5143731A1976-04-14
JP2006519232A2006-08-24
JP2007051128A2007-03-01
Other References:
See also references of EP 2123627A4
J. ORG. CHEM., vol. 66, no. 8, 2001, pages 2881
J. MED. CHEM., vol. 45, no. 17, 2002, pages 3772
TETRAHEDRON, vol. 51, no. 19, 1995, pages 5617
Attorney, Agent or Firm:
TSUKUNI, Hajime (22-12 Toranomon 1-chom, Minato-ku Tokyo 01, JP)
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Claims:
金属触媒の存在下、一般式(1)
(式中、Arは、置換基を有していても良いアリール基又はヘテロアリール基、Zは、置換基を有していても良い二価の芳香族基を示す。)
で示される芳香族ニトロ化合物と水素とを反応させることを特徴とする、一般式(2)
(式中、Ar及びZは、前記と同義である。)
で示される芳香族アミン化合物の製法。
 金属触媒が、担体に担持されている、請求項1記載の芳香族アミン化合物の製法。
 金属触媒が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、及びレニウムから選択される金属、これらの金属の酸化物、又は硫黄で処理されたこれらの金属を含む触媒である、請求項1又は2に記載の芳香族アミン化合物の製法。
 金属触媒が、白金を含む金属触媒である、請求項3記載の芳香族アミン化合物の製法。
 金属触媒が、白金/炭素、白金-硫黄/炭素、パラジウム-白金/炭素、酸化白金、白金/アルミナ、及びロジウム/炭素から選択される、請求項3記載の芳香族アミン化合物の製法。
 金属触媒が、白金-硫黄/炭素である、請求項5記載の芳香族アミン化合物の製法。
 金属触媒が、白金を硫黄で処理することにより得られる白金-硫黄/炭素である、請求項6記載の芳香族アミン化合物の製法。
 Zが、ベンゼン又はピリジンから誘導される二価の芳香族基である、請求項1~7のいずれか1項記載の芳香族アミン化合物の製法。
 Zが、フェニレン基である、請求項1~8のいずれか1項記載の芳香族アミン化合物の製法。
 一般式(1)の化合物が、4-ベンジルオキシ-5-メトキシ-2-ニトロ安息香酸アルキルエステルである、請求項1~9のいずれか1項記載の芳香族アミン化合物の製法。
Description:
アラルキルオキシ又はヘテロア ルキルオキシ基を有する芳香族アミンの製

 本発明は、アラルキルオキシ又はヘテロ ラルキルオキシ基を有する芳香族ニトロ化 物と水素とを反応させ、脱アラルキルオキ 又は脱ヘテロアラルキルオキシ化させるこ なく、また芳香族基上の他の置換基を反応 関与させず安定に保持しながら、ニトロ基 還元して、アラルキルオキシ又はヘテロア ルキルオキシ基を有する芳香族アミン化合 を製造する方法に関する。アラルキルオキ 又はヘテロアラルキルオキシ基を有する芳 族アミン化合物は、例えば医薬・農薬等の 料や合成中間体として有用な化合物である

 従来、アラルキルオキシ又はヘテロアラル ルオキシ基を有するニトロベンゼンなどの 香族ニトロ化合物と水素とを反応させ、脱 ラルキルオキシ又は脱ヘテロアラルキルオ シ化させることなくニトロ基を還元して、 ラルキルオキシ又はヘテロアラルキルオキ 基を有するアニリンなどの芳香族アミン化 物を製造する方法としては、例えば、以下 方法が開示されている。
(1)塩化スズの存在下、4-ベンジルオキシ-5-メ キシ-2-ニトロ安息香酸をメタノール中で反 させて、4-ベンジルオキシ-5-メトキシ-2-ア ノ安息香酸を得る方法(例えば、非特許文献1 参照);
(2)4-ベンジルオキシ-5-メトキシ-2-ニトロ安息 酸ベンジルエステルを塩化スズと酢酸エチ 中で反応させる方法(例えば、非特許文献2 照); 
(3)鉄及び塩酸の存在下、4-ベンジルオキシ-5- トキシ-2-ニトロ安息香酸をエタノール/酢酸 /水の混合溶媒中で反応させて、4-ベンジルオ キシ-5-メトキシ-2-アミノ安息香酸を得る方法 (例えば、非特許文献3参照)。

 しかしながら、これらの方法はいずれも 均一系の反応であるため、金属類や反応に り生じる副生成物を反応液から取り除くた に煩雑な操作を行わなければならず、連続 応ができないといった欠点を有し、アラル ルオキシ又はヘテロアラルキルオキシ基を する芳香族アミン化合物の製法としては工 的に不利であった。このため、生成物、副 成物、触媒等の回収が容易であり、連続使 が可能であるため工業的に実用的な製法の 発が望まれていた。

J.Org.Chem.,66(8),2881(2001) J.Med.Chem.,45(17),3772(2002) Tetrahedron,51(19),5617(1995)

 本発明の課題は、即ち、上記問題点を解 し、温和な条件下、簡便な方法によって、 ラルキルオキシ又はヘテロアラルキルオキ 基を有する芳香族ニトロ化合物と水素とを 応させ、脱アラルキル化又は脱ヘテロアラ キル化をさせることなく、また芳香族基上 他の置換基を反応に関与させず安定に保持 ながら、ニトロ基を還元して、アラルキル キシ又はヘテロアラルキルオキシ基を有す 芳香族アミン化合物を提供することにある

 本発明は、金属触媒の存在下、一般式(1)
(式中、Arは、置換基を有していても良いアリ ール基又はヘテロアリール基、Zは、置換基 有していても良い二価の芳香族基を示す。)
で示される芳香族ニトロ化合物と水素とを反 応させることを特徴とする、一般式(2)

(式中、Ar及びZは、前記と同義である。)
で示される芳香族アミン化合物の製法に関す る。

 本発明の方法により、温和な条件下、簡 な方法によって、アラルキルオキシ又はヘ ロアラルキルオキシ基を有する芳香族ニト 化合物と水素とを反応させ、脱アラルキル 又は脱ヘテロアラルキル化をさせることな 、また芳香族基上の他の置換基を反応に関 させず安定に保持しながら、ニトロ基のみ 選択的に還元することにより、アラルキル キシ又はヘテロアラルキルオキシ基を有す 芳香族アミン化合物を提供することができ 。

 本発明の方法においては、アルキル基と 、炭素数1~12、好ましくは1~8の直鎖もしくは 分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を意味する。ア ルコキシル基とは、上記アルキル基と酸素原 子とが結合して形成する基を意味する。チオ アルコキシル基とは、上記アルキル基と硫黄 原子とが結合して形成する基を意味する。シ クロアルキル基とは、炭素数3~12、好ましく 3~8の飽和炭素環基を意味する。アルケニル とは、少なくとも1の炭素炭素二重結合を有 る、炭素数2~12、好ましくは2~8の直鎖もしく は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基を意味する。 シクロアルケニル基とは、少なくとも1の炭 炭素二重結合を有する、上記シクロアルキ 基を意味する。アルコキシカルボニル基と 、上記アルコキシル基とカルボニル基とが 合して形成する基を意味する。アリール基 は、単環又は多環の芳香族炭化水素環から 導される基を意味し、ヘテロアリール基と 、炭素原子のほか、硫黄原子、窒素原子及 酸素原子から選択される1以上のヘテロ原子 環員として含む単環又は多環の芳香族環か 誘導される基を意味する。アラルキル基と 、上記アリール基で置換された上記アルキ 基を意味する。複素環基とは、炭素原子の か、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子から 択される1以上のヘテロ原子を環員として含 む単環又は多環の飽和又は不飽和環から誘導 される基を意味する。アシル基とは、上記ア ルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基 、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ アリール基、アラルキル基、又は複素環基に カルボニル基が結合して形成する基を意味す る。

 本発明の方法について、以下に詳細に説明 る。
 本発明の反応で使用する芳香族ニトロ化合 は、前記の一般式(1)で示される。その一般 (1)において、Arは、置換基を有していても いアリール基又はヘテロアリール基である アリール基としては、例えば、フェニル基 p-トリル基、ナフチル基、アントリル基等; テロアリール基としては、例えば、フリル 、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル 、ピリジル基、キノリニル基、カルバゾリ 基等が挙げられる。なお、これらの基は、 種異性体を含む。
 前記のアリール基又はヘテロアリール基は 置換基を有していても良い。その置換基と ては、炭素原子を介してできる置換基、酸 原子を介してできる置換基、窒素原子を介 てできる置換基、硫黄原子を介してできる 換基、ハロゲン原子等が挙げられる。

 前記炭素原子を介してできる置換基とし は、例えば、メチル基、エチル基、プロピ 基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等 アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチ ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基 、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基; ニル基、アリル基、プロペニル基等のアル ニル基;シクロプロペニル基、シクロブテニ 基、シクロペンテニル基等のシクロアルケ ル基;キノリル基、ピリジル基、ピロリジル 基、ピロリル基、フリル基、チエニル基等の 複素環基;フェニル基、トリル基、フルオロ ェニル基、キシリル基、ビフェニリル基、 フチル基、アントリル基、フェナントリル 等のアリール基;アセチル基、プロピオニル 、アクリロイル基、ピバロイル基、シクロ キシルカルボニル基、ベンゾイル基、ナフ イル基、トルオイル基等のアシル基(アセタ ール化されていても良い);カルボキシル基;メ トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基 等のアルコキシカルボニル基;フェノキシカ ボニル基等のアリールオキシカルボニル基; リフルオロメチル基等のハロゲン化アルキ 基;シアノ基が挙げられる。なお、これらの 基は、各種異性体を含む。

 前記酸素原子を介してできる置換基とし は、例えば、ヒドロキシル基;メトキシル基 、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシ ル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシ ル基、ヘプチルオキシル基等のアルコキシル 基;フェノキシル基、トルイルオキシル基、 フチルオキシル基等のアリールオキシル基; ンジルオキシル基等のアラルキルオキシル が挙げられる。なお、これらの基は、各種 性体を含む。

 前記窒素原子を介してできる置換基とし は、例えば、メチルアミノ基、エチルアミ 基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、 クロへキシルアミノ基、フェニルアミノ基 ナフチルアミノ基等の第一級アミンから誘 されるアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチ ルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチル アミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプ ロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、ジ フェニルアミノ基、N-メチル-N-メタンスルホ ルアミノ基等の第二級アミンから誘導され アミノ基;モルホリノ基、ピペリジノ基、ピ ペラジニル基、ピラゾリジニル基、ピロリジ ノ基、インドリル基等の複素環式アミノ基; ミノ基が挙げられる。なお、これらの基は 各種異性体を含む。

 前記硫黄原子を介してできる置換基とし は、例えば、メルカプト基;チオメトキシル 基、チオエトキシル基、チオプロポキシル基 等のチオアルコキシル基;チオフェノキシル 、チオトルイルオキシル基、チオナフチル キシル基等のチオアリールオキシル基等が げられる。なお、これらの基は、各種異性 を含む。

 前記ハロゲン原子としては、フッ素原子 塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げら る。

 一般式(1)において、Zは、置換基を有して いても良い二価の芳香族基を示す。二価の芳 香族基とは、単環又は多環の芳香族炭化水素 環又は単環又は多環の芳香族複素環から誘導 される二価の基を意味する。単環又は多環の 芳香族炭化水素環から誘導される二価の基と しては、具体的にはベンゼン;ナフタレン;ア トラセンなどから誘導される二価の基を挙 ることができる。特に、ベンゼンから誘導 れる二価の基(フェニレン)を好ましく挙げ ことができる。

 単環又は多環の芳香族複素環から誘導さ る二価の基とは、炭素原子のほか、硫黄原 、窒素原子及び酸素原子から選択される1以 上のヘテロ原子を環員として含む単環又は多 環の芳香族環から誘導される二価の基を意味 する。具体的にはピリジン、ピリミジン、ピ ロール、フラン、チオフェン、キノリン、オ キサゾール、ピラゾールなどの芳香族複素環 から誘導される二価の基を挙げることができ 、好ましくはピリジンから誘導される二価の 基を挙げることができる。

 Zとしては、より好ましくは6員の芳香族 化水素環又は芳香族複素環から誘導される 価の基、特に好ましくはベンゼン又はピリ ンから誘導される二価の基を挙げることが きる。

 一般式(1)において、Zは、置換基を有して いることができる。Zが有していることがで る置換基としては、例えばアルキル基、ア コキシル基、カルボキシル基、アルコキシ ルボニル基、シクロアルキル基、チオアル キシル基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキ ル基、ハロゲン原子、アリール基、アラル ル基を挙げることができる。

 Zの置換基としてのアルキル基としては、 例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、 ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチ ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が 挙げられる。またZの置換基としてのアルコ シル基としては、具体的にはメトキシル、 トキシル、プロピルオキシル等を挙げるこ ができる。Zの置換基としてのアルコキシカ ボニルとしては、具体的にはメトキシカル ニル、エトキシカルボニル、プロピルオキ カルボニル等を挙げることができる。Zの置 換基としてのシクロアルキル基としては、具 体的にはシクロプロピル基、シクロブチル基 、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ クロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げ られる。Zの置換基としてのチオアルコキシ 基としては、具体的にはチオメトキシル基 チオエトキシル基、チオプロポキシル基等 挙げられる。なお、これらの基は、各種異 体を含む。

 Zの置換基としてのアリール基としては、 具体的にはフェニル基、p-トリル基、ナフチ 基、アントリル基等が挙げられる。Zの置換 基としてのアラルキル基としては、具体的に はベンジル基、フェネチル基、フェニルプロ ピル基等が挙げられる。なお、これらの基は 、各種異性体を含む。

 Zの置換基としてのハロゲン原子としては 、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子 、ヨウ素原子が挙げられる。

 Zの置換基としては、メトキシル等のアル コキシル基、メトキシカルボニル等のアルコ キシカルボニル基、及び塩素原子等のハロゲ ン原子を好ましく挙げることができる。

 一般式(1)においては、二価の芳香族基Zは、 上述したようにAr-CH 2 -O-基及びニトロ基のほか、上述の置換基を有 することができる。これらの各基は、芳香族 基Z上の任意の位置に存在することができる 例えばニトロ基に対してo-、m-又はp-位のい れにAr-CH 2 -O-基が存在する場合でも、本発明の反応は速 やかに進行する。

 また、本発明の方法では、Zが表す二価の 芳香族基上のニトロ基が水素により選択的に 還元されるため、上記のような反応性の高い 置換基が二価の芳香族基上に存在していても 、それらが反応に関与することなく安定に保 持されたまま、本発明の方法は、速やかに進 行する。

 本発明の反応において使用する金属触媒と ては、Ar-CH 2 -O-基の脱離により脱アラルキル化又は脱ヘテ ロアラルキル化させることなく、式(1)の化合 物のニトロ基を水素と反応させてアミノ基に 還元することができる水素化触媒であれば、 特に限定されない。例えば、鉄、コバルト、 ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ ム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、レ ニウムなどの金属、これらの金属の酸化物、 又は硫黄で処理されたこれらの金属を含む触 媒を挙げることができる。なかでもパラジウ ム、白金、ロジウム、又はニッケルを含む金 属触媒を好ましく挙げることができ、白金を 含む金属触媒を特に好ましく挙げることがで きる。これらの水素化触媒は、アルミナ、シ リカ、活性炭などの担体に担持された状態で 好ましく用いることができる。本発明の反応 において用いることができる金属触媒として 具体的には、パラジウム/炭素、パラジウム/ 酸バリウム、水酸化パラジウム/炭素、白金 /炭素、白金-硫黄/炭素、パラジウム-白金/炭 、酸化白金、ラネーニッケル、白金/アルミ ナ、ロジウム/炭素等が挙げられるが、好ま くは白金/炭素、白金-硫黄/炭素、パラジウ -白金/炭素、酸化白金、白金/アルミナ、ロ ウム/炭素、更に好ましくは白金-硫黄/炭素 使用される。なかでも、白金を硫黄で処理 ることによりその活性を調整した白金-硫黄/ 炭素(例えば、白金サルファイデッドカーボ )を特に好ましく用いることができる。なお これらの金属触媒は、単独又は二種以上を 合して使用しても良く、含水品でも無水品 も構わない。

 前記金属触媒の使用量は、金属原子換算 、式(1)の芳香族ニトロ化合物1gに対して、 ましくは0.1~1000mg、更に好ましくは0.5~500mgで る。

 本発明の反応で使用する水素の量は、式( 1)の芳香族ニトロ化合物1モルに対して、好ま しくは2~50モル、更に好ましくは2~10モルであ 。

 本発明の反応は溶媒の存在又は非存在下 行うことができるが、使用する溶媒として 、反応を阻害するものでなければ特に限定 れず、例えば、水;メタノール、エタノール 、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコ ル、t-ブチルアルコール等のアルコール類; 酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチ 等のカルボン酸エステル類;ベンゼン、トル エン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化 水素類;ジエチルエーテル、ジメトキシエタ 、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジイ プロピルエーテル等のエーテル類が挙げら る。好ましくはエステル類、エーテル類、 に好ましくは酢酸ブチルなどのカルボン酸 ステル、及びジメトキシエタンなどのエー ル類が使用される。なお、これらの溶媒は 単独又は二種以上を混合して使用しても良 。

 前記溶媒の使用量は、反応液の均一性や 拌性等によって適宜調節するが、式(1)の芳 族ニトロ化合物1gに対して、好ましくは0~100 g、更に好ましくは0~30gである。

 本発明の反応は、例えば、水素ガスの存 下(不活性ガスで希釈されていても良い)に 、式(1)の芳香族ニトロ化合物、金属触媒及 溶媒を混合して攪拌させる等の方法によっ 行われる。その際の反応温度は、好ましく 0~300℃、更に好ましくは20~200℃であり、反応 圧力は、好ましくは0.1~10MPa、更に好ましくは 0.1~2MPaである。

 本発明の反応によって、式(2)の芳香族ア ン化合物が得られるが、これは、反応終了 、例えば、中和、抽出、濾過、濃縮、蒸留 再結晶、晶析、カラムクロマトグラフィー の一般的な方法によって単離・精製される

 なお、本発明の方法によって得られる式( 2)の芳香族アミン化合物の代表的化合物であ 4-ベンジルオキシ-5-メトキシ-2-アミノ安息 酸化合物は、4-ベンジルオキシ-5-メトキシ-2- ニトロ安息香酸アルキルエステルなどの4-ベ ジルオキシ-5-メトキシ-2-ニトロ安息香酸化 物から製造することができる。この4-ベン ルオキシ-5-メトキシ-2-アミノ安息香酸化合 は、例えば、カルボン酸アンモニウムの存 下、オルトギ酸エステルと反応させること より、医薬・農薬の中間体化合物として有 な6-メトキシ-7-ベンジルオキシ-キナゾリン-4 -オン化合物に誘導できる(参考例1に記載)。

 次に、実施例を挙げて本発明を具体的に 明するが、本発明の範囲はこれらに限定さ るものではない。

実施例1(2-ベンジルオキシアニリンの合成)
 攪拌装置、温度計、還流冷却器及び水素を 填した風船を備えた内容積100mlのガラス製 器に、2-ベンジルオキシニトロベンゼン3.0g(1 3.09mmol)、3質量%白金サルファイデッドカーボ 粉末(50%含水品)(エヌ・イー・ケムキャット 製)0.15g及び酢酸ブチル30mlを加え、水素雰囲 気にて、攪拌しながら60℃で3時間反応させた 。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧 下で濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムク ロマトグラフィーで精製(展開溶媒;ヘキサン: 酢酸エチル=4:1(容量比))し、茶色液体として 2-ベンジルオキシアニリン2.46gを得た(単離収 率;94.6%)。
 2-ベンジルオキシアニリンの物性値は以下 通りであった。

1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));3.85(2H,brS)、5.11(2H,S)、6.70~6.90(3H,m)、7.32 ~7.48(4H,m)
CI-MS(m/e);200(M+)

実施例2(3-ベンジルオキシアニリンの合成)
 実施例1において、2-ベンジルオキシニトロ ンゼンを、3-ベンジルオキシニトロベンゼ に変えたこと以外は、実施例1と同様に反応 行った。その結果、ベージュ色固体として 3-ベンジルオキシアニリン1.80gを得た(単離 率;69.2%)。
 3-ベンジルオキシアニリンの物性値は以下 通りであった。

1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));3.66(2H,brs)、5.04(2H,s)、6.31~6.44(3H,m)、7.05 ~7.11(1H,m)、7.30~7.46(5H,m)
CI-MS(m/e);200(M+)

実施例3(4-ベンジルオキシアニリンの合成)
 実施例1において、2-ベンジルオキシニトロ ンゼンを、4-ベンジルオキシニトロベンゼ に変えたこと以外は、実施例1と同様に反応 行った。その結果、茶色固体として、4-ベ ジルオキシアニリン2.29gを得た(単離収率;88.0 %)。
 4-ベンジルオキシアニリンの物性値は以下 通りであった。

1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));3.44(2H,brs)、5.01(2H,s)、6.63~6.68(2H,m)、6.81 ~6.86(2H,m)、7.30~6.68(5H,m)
CI-MS(m/e);200(M+)

実施例4(4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロ アニリンの合成)
 攪拌装置、温度計、還流冷却器及び水素を 填した風船を備えた内容積100mlのガラス製 器に、4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロ ニトロベンゼン3.0g(10.65mmol)、3質量%白金サル ファイデッドカーボン粉末(50%含水品)(エヌ・ イー・ケムキャット社製)0.15g及び酢酸ブチル 30mlを加え、水素雰囲気にて、攪拌しながら60 ℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液 濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。濃縮物 シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精 (展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=4:1(容量比)) 、茶色固体として、4-(3-フルオロベンジル キシ)-3-クロロアニリン2.36gを得た(単離収率; 88.0%)。
 4-(3-フルオロベンジルオキシ)-3-クロロアニ ンの物性値は以下の通りであった。

1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));3.51(2H,brs)、5.04(2H,s)、6.49~6.53(1H,m)、6.77 ~6.80(2H,m)、6.97~7.04(1H,m)、7.19~7.23(2H,m)、7.31~7.38( 1H,m)
 CI-MS(m/e);252(M+)

実施例5(3-アミノ-2-ベンジルオキシピリジン 合成)
 攪拌装置、温度計及び還流管を備えた内容 100mlのガラス製容器に、3-ニトロ-2-ベンジル オキシピリジン2.0g(8.68mmol)、3質量%白金サル ァイデッドカーボン粉末(50%含水品)(エヌ・ ー・ケムキャット社製)0.10g及び酢酸ブチル20 mlを加え、水素雰囲気にて、攪拌しながら60 で3時間反応させた。反応終了後、反応液を 過し、濾液を減圧下で濃縮した。濃縮物を リカゲルカラムクロマトグラフィーで精製( 展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=1:1(容量比))し 、茶色固体として、3-アミノ-2-ベンジルオキ ピリジン0.80gを得た(単離収率;46.2%)。
 3-アミノ-2-ベンジルオキシピリジンの物性 は以下の通りであった。

1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));4.28(2H,brs)、5.16(2H,s)、6.01~6.06(1H,m)、6.49 ~6.52(1H,m)、6.70~6.73(1H,m)、7.24~7.36(5H,m)
CI-MS(m/e);201(M+)

実施例6(2-アミノ-4-ベンジルオキシ-5-メトキ 安息香酸メチルの合成)
 攪拌装置、温度計、還流冷却器及び水素を 填した風船を備えた内容積20mlのガラス製容 器に、4-ベンジルオキシ-5-メトキシ-2-ニトロ 息香酸メチル4.0g(12.6mmol)、3質量%白金サルフ ァイデッドカーボン粉末(60%含水品)(エヌ・イ ー・ケムキャット社製)0.2g及びジメトキシエ ン20mlを加え、水素雰囲気にて、攪拌しなが ら室温で7時間反応させた。反応終了後、反 液を10日放置した後、濾過し、反応液を減圧 下で濃縮して、薄茶色固体として、2-アミノ- 4-ベンジルオキシ-5-メトキシ安息香酸メチル3 .17gを得た(単離収率;87%)。
 2-アミノ-4-ベンジルオキシ-5-メトキシ安息 酸メチルの物性値は以下の通りであった。

1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));3.81(3H,s)、3.83(3H,s)、5.09(2H,s)、5.37(2H,brs )、6.15(1H,s)、7.31~7.41(6H,m)
CI-MS(m/e);287(M+)

実施例7(2-アミノ-4-ベンジルオキシ-5-メトキ 安息香酸メチルの合成)
 実施例6において、3質量%白金サルファイデ ドカーボン粉末を、5質量%白金/アルミナに えたこと以外は、実施例6と同様に反応を行 った。その結果、2-アミノ-4-ベンジルオキシ- 5-メトキシ安息香酸メチルが2.17g生成してい (反応収率;54.6%)。

実施例8(2-アミノ-4-ベンジルオキシ-5-メトキ 安息香酸メチルの合成)
 実施例6において、3質量%白金サルファイデ ドカーボン粉末を、5質量%ロジウム/炭素に えたこと以外は、実施例6と同様に反応を行 った。その結果、2-アミノ-4-ベンジルオキシ- 5-メトキシ安息香酸メチルが3.15g生成してい (反応収率;79.2%)。

参考例1(6-メトキシ-7-ベンジルオキシキナゾ ン-4-オンの合成)
 攪拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた 容積20mlのガラス製容器に、2-アミノ-4-ベン ルオキシ-5-メトキシ安息香酸メチル2.0g(6.96m mol)、酢酸アンモニウム2.15g(27.8mmol)、オルト 酸メチル2.95g(27.8mmol)及びメタノール8mlを加 、攪拌しながら60~70℃で反応させた。反応終 了後、反応液を濾過した後、濾物を乾燥させ 、薄黄色固体として、6-メトキシ-7-ベンジル キシキナゾリン-4-オン1.74gを得た(単離収率; 88%)。
 6-メトキシ-7-ベンジルオキシキナゾリン-4- ンの物性値は以下の通りであった。

1 H-NMR(CDCl 3 ,δ(ppm));3.87(3H,s)、5.26(2H,s)、7.23(1H,s)、7.33~7.50(6 H,m)、7.97(1H,s)、12.04(1H,brs)
CI-MS(m/e);283(M+1)

 本発明は、温和な条件下、簡便な方法に って、アラルキルオキシ又はヘテロアラル ルオキシ基を有する芳香族ニトロ化合物と 素とを反応させ、脱アラルキル化又は脱ヘ ロアラルキル化をさせることなく、また芳 族基上の他の置換基を反応に関与させずに 定に保持しながら、ニトロ基のみを選択的 還元することにより、アラルキルオキシ又 ヘテロアラルキルオキシ基を有する芳香族 ミンを製造する方法に関する。アラルキル キシ又はヘテロアラルキルオキシ基を有す 芳香族アミンは、例えば、医薬・農薬等の 料や合成中間体として有用な化合物である