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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCING CLEANING SHEET
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145148
Kind Code:
A1
Abstract:
A net-form sheet (4) and fibrous webs (1a) and (1b) which comprise fibers containing PET and have been superposed on one or each side of the sheet (4) are subjected to hydraulic entangling to intertwine the constituent fibers of the fibrous webs with one another and entangle the constituent fibers of the fibrous webs with the net-form sheet, whereby a laminate (6) is obtained.  Subsequently, hot air having a temperature which exceeds the glass transition temperature (Tg (°C)) of the PET and is lower than [Tg (°C) + 70°C] is blown against the laminate (6) by the air-through method.  It is preferable that the constituent fibers of the fibrous webs (1a) and (1b) be entangled with the net-form sheet (4) to obtain a laminate (6) and this laminate (6) be dried with hot air, before hot air is blown against the laminate (6) by the air-through method.

Inventors:
TAKABAYASHI KEIMA (JP)
WADA MINORU (JP)
ISHIKAWA KENJI (JP)
OOTSUKA KAZUTOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059536
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORP (JP)
TAKABAYASHI KEIMA (JP)
WADA MINORU (JP)
ISHIKAWA KENJI (JP)
OOTSUKA KAZUTOSHI (JP)
International Classes:
A47L13/16; D04H1/435; D04H1/492; D04H1/498
Foreign References:
JP2001336052A2001-12-07
JP2007312931A2007-12-06
JP2005015938A2005-01-20
JPH0525763A1993-02-02
JPH05192285A1993-08-03
US6936333B22005-08-30
US7131171B22006-11-07
US5525397A1996-06-11
Other References:
See also references of EP 2286705A4
Attorney, Agent or Firm:
HATORI Osamu et al. (JP)
Osamu Hatori (JP)
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Claims:
 網状シートの片面又は両面に、ポリエチレンテレフタレートを含有する繊維を含む繊維ウエブを重ねた状態下に、これらに水流交絡加工を施して、該繊維ウエブの構成繊維どうしを絡合させるとともに、該繊維ウエブの構成繊維と該網状シートとを絡合させて積層体を得、次いで、
 前記ポリエチレンテレフタレートのガラス転移点(Tg(℃))超の温度で、かつTg(℃)+70℃未満の温度の熱風を、前記積層体にエアスルー方式で吹き付ける清掃用シートの製造方法。
 前記網状シートの両面に前記繊維ウエブが重ねられる場合には、該繊維ウエブの少なくとも一方が、前記網状シートの片面に前記繊維ウエブが重ねられる場合には、該繊維ウエブが、ポリエチレンテレフタレートを含有する繊維を40重量%以上含んでいる請求項1記載の清掃用シートの製造方法。
 前記繊維ウエブの構成繊維と前記網状シートとを絡合させて前記積層体を得、該積層体を熱風乾燥した後、該積層体にエアスルー方式で熱風を吹き付ける請求項1又は2記載の清掃用シートの製造方法。
 前記積層体を熱風乾燥した後に該積層体を一旦ロール状に巻回し、該積層体にエアスルー方式で熱風を吹き付けるときに該積層体をロールから繰り出す請求項3記載の清掃用シートの製造方法。
Description:
清掃用シートの製造方法

 本発明は、綿ほこり、髪の毛、糸くず等 捕集・除去のために好適に用いられる清掃 シートに関する。

 本出願人は先に、繊維の絡合で形成され 不織布を網状シートで補強し、該網状シー の熱収縮処理により凹凸形状を形成させて 嵩高シートを製造する技術を提案した(特許 文献1及び特許文献2参照)。これらの嵩高シー トとは別に、本出願人は、繊維ウエブを水流 交絡させて形成された繊維集合体を具備し、 該繊維集合体から構成される多数の凹凸部を 有する嵩高シートを提案した(特許文献3参照) 。この嵩高シートにおける凹凸部は、繊維集 合体に対して施した水流交絡でその構成繊維 が再配列し、かつ該繊維集合体がその厚さ方 向に屈曲様になることで形成されているもの である。

 特許文献1及び2に記載の方法で得られた ートは適度な凹凸を有し、柔軟で肌触りが いという特長を有する。しかし、凸部が繊 の熱収縮によって形成されたものなので、 凸部の繊維密度が高くなりがちである。そ 結果、該凸部の構成繊維による綿ほこり等 絡み取り性の向上には改善の余地があった

 また、特許文献3に記載の方法で得られた シートは、構成繊維間で捕集し、これを保持 することができるとともに、構成繊維間では 捕集できないパン粉等の比較的大きな汚れを 凹凸によって捕集し、これを保持できるとい う利点がある。しかし、生産性を高めるため に高速生産を行うと、それに起因して搬送中 のシートに高いテンションが加わり、凹凸の 嵩高さが減じられてしまうことがある。

 これらの嵩高シートの製造技術とは別に 本出願人は、ロール状に捲回された嵩が減 られた長尺シートの嵩を回復させるための 法として、エアスルー方式による熱風処理 技術を提案した(特許文献4参照)。しかし、 れらの文献には、この熱風処理の技術を、 記の特許文献1ないし3に開示されている構 のシートに適用し得ることについては何ら 及されていない。

特開平5-25763号公報

特開平5-192285号公報

US6,936,333B2

US7,131,171B2

 本発明の目的は、前述した従来技術が有 る欠点を解消し得る清掃用シートの製造方 を提供することにある。

 本発明は、網状シートの片面又は両面に、 リエチレンテレフタレートを含有する繊維 含む繊維ウエブを重ねた状態下に、これら 水流交絡加工を施して、該繊維ウエブの構 繊維どうしを絡合させるとともに、該繊維 エブの構成繊維と該網状シートとを絡合さ て積層体を得、次いで、
 前記ポリエチレンテレフタレートのガラス 移点(Tg(℃))超の温度で、かつTg(℃)+70℃未満 の温度の熱風を、前記積層体にエアスルー方 式で吹き付ける清掃用シートの製造方法を提 供するものである。

 本発明によれば、高速生産を行った場合 も嵩高さが損なわれにくく、綿ほこり等の 集性に優れた清掃用シートを製造すること できる。

本実施形態の製造方法で得られる清掃 シートの一例を示す模式図である。 図1のA-A線断面を示す拡大断面図である 。 本発明の製造方法で好適に用いられる 造装置の概略図である。 本発明の製造方法で好適に用いられる 造装置の概略図である。

 以下本発明を、その好ましい実施形態に づき図面を参照しながら説明する。先ず、 発明の製造方法によって製造される清掃用 ートの好ましい一実施形態を説明する。図1 及び図2に示すように、清掃用シート10は、繊 維ウエブの水流交絡で形成された繊維集合体 1と該繊維集合体1の内部に配された網状シー 4とから構成されている。繊維集合体1と網 シート4とは、後ほど詳述するように、水流 絡によって該繊維集合体1の構成繊維と該網 状シート4とが絡合し、両者が一体化してい 。

 図1及び図2に示すように、清掃用シート10 は、第1の面10a及び第2の面10bを有しており、 方の面側から他方の面側に突出して形成さ た多数の凸状部2,2・・を有している。該凸 部2,2・・間には、それぞれ凹状部3,3・・が 成されており、シート全体が凹凸形状とな ている。

 凸状部2,2・・は、図1に示すように、それ ぞれ略同じ大きさで、やや細長い幅狭な山型 形状をしており、規則的に設けられている。 凸状部2,2間の間隔は、シートの幅方向(図1中X 方向、本実施形態ではCD方向)に好ましくは1~1 0mm、更に好ましくは1~7mmであり、シートの長 方向(図1中Y方向、本実施形態ではMD方向)に ましくは4~20mm、更に好ましくは4~15mmである 凸状部2は、シートの幅方向及び/又は長手 向に関し、一部がつながって連続体となっ いても良い。凸状部2を、このような間隔で けることにより、シート10の肌触り感を良 にすることができる。また、フローリング 溝や凹凸面に対する汚れの清掃性に優れ、 ン粉等の比較的大きな汚れの捕集性及び保 性に優れたものとなる。

 清掃用シート10は、その両面が同様な性 を有することが好ましく、第2の面10bにおけ 凸状部2の形状及び間隔は第1の面10aのそれ 略同様であることが好ましい。特に、第2の 10bの凸状部2の総面積は、第1の面10aの凸状 2の総面積の好ましくは20~100%、更に好ましく は35~100%である。清掃用シート10の第1の面に する凸状部2は、該シート10の第2の面に存す 凹状部3と表裏の関係にあることが好ましい 。また凸状部2の形状は、凹状部3の形状を反 したものであることも好ましい。

 凸状部2及び凹状部3は、繊維集合体1から 成されており、繊維集合体1の構成繊維の絡 合のみによって形成されている。このため、 熱可塑性樹脂からなる繊維をエンボス加工な どで部分的に加熱加圧加工することにより融 着形成された凸状部と異なり、凸状部2及び 状部3は肌触りが良く、髪の毛や細かなほこ 等の汚れの捕集性及び保持性に優れる。

 清掃用シート10における凸状部2及び凹状 3は、繊維集合体1に対して施した水流交絡 よる構成繊維の再配列・再絡合により形成 れているので、凸状部2及び凹状部3はそれ自 身でその形態を保持している。したがって、 凸状部2及び凹状部3は荷重に対してへたり難 ものとなる。凸状部2及び凹状部3が形成さ ることに起因して、清掃用シート10の見掛け 厚みは、該凸状部2及び該凹状部3が賦与され 前の繊維集合体1の厚みよりも大きくなる。 形態保持性の高い凸状部2及び凹状部3を有す 清掃用シート10は、溝や凹凸面の清掃性や ン粉等の捕集、保持性に優れる。

 凸状部2の形態保持性は、シートの見掛け厚 み(初期厚み、15gf/25cm 2 〔=59Pa〕荷重下での厚み)と清掃時の荷重下で の見掛け厚み(荷重厚み、96gf/25cm 2 〔=376Pa〕荷重下での厚み)との差(厚み変化量) として評価したとき、荷重時においても凸状 部2及び凹状部3の形状が保たれ、かつこの厚 変化量が1mm以下、特に0.8mm以下となる程度 あることが好ましい。

 本発明において「繊維の再配列・再絡合 より形成されている」とは、水流交絡によ 一度弱く絡合された繊維集合体が多数の凹 部を有するか又は多数の開孔を有するパタ ニング部材上で再度水流交絡されることに り、繊維が凹凸部に沿って配列し直し、再 絡合されることをいう。

 図2に示すように、凸状部2及び凹状部3は 繊維集合体1が厚さ方向に屈曲様になること で形成されている。そして、屈曲様の繊維集 合体1に形成された多数の屈曲部が凸状部2及 凹状部3にそれぞれ相当する。前述の通り凸 状部2及び凹状部3は繊維の再配列によって形 されているが、その場合、高圧水の圧力に って、凸状部2の構成繊維が凹状部3の方へ れ込むことに起因する繊維の分配は極めて い程度に抑えられている。尚、繊維の分配 更に進むと、凸状部2のあったところに孔が いてしまう。前記構成の清掃用シート10は 低坪量であるにも拘わらず、大きな凹凸形 を有するものとなる。繊維集合体1の屈曲は 流れ方向(MD)及び幅方向(CD)いずれの方向に っていてもよい。繊維の分配が起こらない うに繊維集合体1を屈曲様とさせるには、例 ば水流交絡の際に加えられるエネルギーを 述する値とすればよい。清掃用シート10の 曲の程度は、屈曲率が2~15%、特に3~15%といっ 高いものとなる。屈曲率は、US6,936,333B2の第 12欄51行~第13欄6行に記載の方法で測定される この文献を、本明細書の一部として本明細 に組み入れる。

 凸状部2は、清掃用シート10の一面におい 、10cm×10cmの範囲を考えた場合、該面のいず れの位置においても、該範囲中に平均して50~ 850個、特に100~600個形成されていることが好 しい。凸状部2の個数を前記範囲内とするこ により、凸状部2と凹状部3とがバランスよ 配されるので、細かい汚れの捕集性及び保 性に一層優れるとともに、パン粉等の比較 大きな汚れの捕集性及び保持性にも一層優 る。

 清掃用シート10は、その見掛け比容積が23~10 0cm 3 /gであることが好ましく、25~90cm 3 /g、特に30~80cm 3 /gであることが更に好ましい。見掛け比容積 23cm 3 /g以上であることで、溝や凹凸面に十分に追 して汚れを捕集することが可能になる。ま 、見掛け比容積を100cm 3 /g以下とすることで、繊維間距離が適度にな 、汚れを確実に保持することができる。見 けの比容積の値は、後述する見掛け厚みの を、繊維集合体の坪量(網状シートと絡合一 体化されたシートの場合、該網状シートを除 いた坪量)で除した値と定義される。

 また清掃用シート10は、清掃時の荷重下で 見掛け比容積が、18cm 2 /g以上、特に20cm 2 /g以上であることが好ましい。上限値は100cm 2 /gである。

 清掃用シート10は、図2に示すように、その 掛け厚み(第1の面10aの最上部と第2の面10bの 下部との間の厚み)Tが、繊維集合体1自身の みtよりも厚くなっており、極めて嵩高な状 態となっている。清掃用シート10の見掛け厚 Tの値そのものは、1~5mm、特に1.4~4mmであるこ とが、シート内に十分な空隙が形成されて嵩 高となり、例えば清掃用シートとして好適に 使用され得る点から好ましい。また繊維集合 体1自身の厚みtの値そのものは、該繊維集合 1の坪量や加工条件により決定されるが、好 ましくは0.5~4mm、更に好ましくは1~3mmである。 また、図2に示すように凸状部の高さhは好ま くは0.2mm~4mmであり、更に好ましくは0.5mm~4mm ある。繊維集合体1自身の厚みtは、15gf/25cm 2 (=59Pa)荷重下において、清掃用シート10の断面 を光学顕微鏡で観察して測定される。

 清掃用シート10は、その流れ方向(MD)にお る伸度が、幅30mmの試料に5Nの荷重を負荷し 条件下にて5%以下、特に4%以下であることが 、清掃用シート10の製造工程中又は使用中に 清掃用シート10が引き伸ばされることに起 する凸状部2及び凹状部3の変形の防止、ひい ては清掃用シート10の嵩高さの低下防止の点 ら好ましい。

 流れ方向の伸度の測定方法は次の通りで る。清掃用シート10から、流れ方向と直交 る方向に幅30mmのサンプルを切りだした後、 のサンプルを引張試験機によって100mmのチ ック間距離で把持し、流れ方向に300mm/minの 度で引っ張る。そして、引張荷重が5Nのとき のサンプルの伸び量を初期サンプル長(100mm) 除し、100を乗じた値を伸度とする。

 次に、清掃用シート10を構成する繊維集 体1及び網状シート4について説明する。繊維 集合体1は、繊維ウエブの水流交絡によりそ 構成繊維どうしが絡合して形成された不織 状のものである。繊維集合体1は、構成繊維 絡合のみによって形成されているので、構 繊維の融着や接着のみによって形成されて るウエブと比べてその構成繊維の自由度が きい。このため、その構成繊維による髪の や細かなほこり等の汚れの捕集性及び保持 に優れるとともに、肌触りが良い。

 繊維集合体1を構成する繊維として、本実 施形態においては、ポリエチレンテレフタレ ート(PET)を含有する繊維を用いている。PETを 有する繊維を用いることで、後述する製造 法における熱風処理によって清掃用シート1 0の嵩が非常に高くなるという利点がある。PE Tを含有する繊維には、PETのみからなる単一 繊維、PETと他の熱可塑性樹脂とのブレンド らなる単一の繊維、PETを含有する複合繊維 が挙げられる。この複合繊維としては、例 ばPETを芯成分とする芯鞘型複合繊維や、PET 一方の成分とするサイド・バイ・サイド型 合繊維が用いられる。熱風処理によって清 用シート10を効果的に嵩高くするためには、 PETのみからなる単一の繊維を用いることが好 ましい。

 PETとしては、重量平均分子量が5千~10万、 特に8千~5万のものを用いることが、熱風処理 による清掃用シート10の嵩高さ発現の観点か 好ましい。

 繊維集合体1は、PETを含有する繊維のみか ら構成されていてもよく、あるいは該繊維に 加えて他の繊維を含んで構成されていてもよ い。他の繊維としては、例えば、US5,525,397Aの 第4欄3~10行に記載の繊維が使用できる。この 献を、本明細書の一部として本明細書に組 入れる。繊維集合体1が他の繊維を含む場合 、PETを含有する繊維の量は、繊維集合体1の 量に対して40重量%以上、特に50重量%以上で ることが好ましく、他の繊維の量は、繊維 合体1の重量に対して60重量%未満、特に50重 %未満であることが好ましい。熱風処理によ て清掃用シート10を効果的に嵩高くするた には、繊維集合体1は、PETを含有する繊維の から構成されていることが好ましい。

 PETを含有する繊維の太さは、熱風処理に る清掃用シート10の嵩高さに関して特に臨 的なものではない。髪の毛や汚れの捕集性 び保持性の観点から、PETを含有する繊維の さは0.05~100dtex、特に0.5~20dtexであることが好 しい。

 繊維集合体1の坪量及び構成繊維の繊維長は 、加工性、コスト等を総合的に勘案して決定 される。繊維集合体1の坪量は30~100g/m 2 、特に40~70g/m 2 であることが好ましい。構成繊維の繊維長は 20~100mm、特に30~65mmであることが、清掃用シー ト10に孔あきが発生することの防止、十分な 高さの発現、及び嵩高さの維持の点から好 しい。

 清掃用シート10には、前述の通り繊維集合 1内に網状シート4が配されている。網状シー ト4は図1に示すように、全体として格子状に 成された樹脂製のネットである。網状シー 4は、その通気度が0.1~1000cm 3 /(cm 2 ・sec)あることが好ましい。この範囲の通気 であれば網状シート4としてネット以外に、 織布、紙、フィルム等を用いることもでき 。繊維集合体1はその構成繊維間で絡合して いるのみならず、繊維集合体1の構成繊維と 状シート4とが絡合しているので、引張強度 向上している。網状シート4の線径は好まし くは50~600μm、更に好ましくは100~400μmである また、線間距離は好ましくは2~30mm、更に好 しくは4~20mmである。網状シート4の構成材料 しては、例えば、US5,525,397Aの第3欄39~46行に 載の材料が使用できる。この文献を、本明 書の一部として本明細書に組み入れる。網 シート4の構成材料は熱収縮性であってもよ い。熱収縮性の材料を用いると、清掃用シー トの製造時に加熱処理を施すことにより、前 記見掛け厚みTが大きく、凸状部の形状がシ ープな清掃用シートとすることができる。 かし、網状シート4は、熱収縮されていない 、又は熱収縮される場合には140℃で3分間加 熱した後の熱収縮率が3%以下のものであるこ が好ましい。

 清掃用シート10は、その坪量が30~110g/m 2 、特に38~80g/m 2 、とりわけ45~80g/m 2 であることが、シートに適度な厚手感が賦与 されるとともに、加工適性の向上が図られる 点から好ましい。また、破断強度が幅30mmの きに5N以上、特に7N以上であることが、使用 耐え得る強度を有するシートとなる点から ましい。破断強度は、清掃用シート10のい れかの方向において前記値以上であれば十 であるが、最も強度の出しにくい幅方向(CD) おいて前記値以上であることが好ましい。 断強度の上限値は、実使用の点からみて20N 度である。

 破断強度は、次のようにして測定される シートの繊維配向方向と直交する方向に幅3 0mmのサンプルを切りだした後、このサンプル を引張試験機によって100mmのチャック間距離 把持し、繊維配向方向と直交する方向に300m m/minの速度で引張、シートが切れ始めるとき 荷重値(この測定によって得られる連続曲線 の最初のピーク値)を破断強度とする。

 次に、上述した清掃用シートの好ましい 造方法を、図3及び図4を参照して説明する 本実施形態の清掃用シート10の製造方法にお いては、網状シート4の両面に上層繊維ウエ 1a及び下層繊維ウエブ1bをそれぞれ重合する 合工程と、水流交絡によって前記繊維ウエ 1a及び1bの構成繊維間を絡合させて繊維集合 体を形成するとともに該構成繊維と網状シー ト4とを絡合させて、両者が一体化された積 体6を形成する交絡工程と、該積層体6を多数 の凹凸部を有するパターニング部材上に搬送 し、該凹部内に前記繊維集合体の一部を突出 させて、該凹部に対応する多数の凸状部を形 成する凹凸賦与工程とが、この順で進行する 。そして、その後に熱風吹き付け工程が行わ れる。

 図3には、清掃用シート10の製造方法に好 しく用いられる製造装置20が示されている 製造装置20は、重合部20A、交絡部20B及び凹凸 賦与部20Cに大別される。前記重合部20Aは、繊 維ウエブla及びlbをそれぞれ製造するカード 21A及び21Bと、繊維ウエブla及びlbの繰り出し ール22,22と、網状シートの繰り出しロール24 とを備えている。前記交絡部20Bは、無端ベル トからなるウエブ支持用ベルト25と、第1のウ ォータージェットノズル26とを備えている。

 前記凹凸賦与部20Cは、無端ベルトからなる ターニング部材27と第2のウォータージェッ ノズル28とを備えている。パターニング部 27は、図3中矢印で示す方向に回動している パターニング部材27は通液性のものであり、 その表面に多数の凹凸を有しているものであ る。その詳細については、US6,936,333B2の第8欄2 3~第9欄19行並びに図4(a)及び(b)に記載されてい る。この文献を、本明細書の一部として本明 細書に組み入れる。前記凹凸賦与部20Cの後に は搬送用ベルト29が備えられている。パター ング部材27は、ある程度の厚みがあること 好ましく、具体的にはその厚みが5~25mm、特 5~15mmであることが、十分に高い嵩高さを賦 し得る点、及び凹凸賦与の際のエネルギー 率の点から好ましい。同様の理由により、 ターニング部材27は、その通気度が800~3000cm 3 /(cm 2 ・sec)、特に800~2000cm 3 /(cm 2 ・sec)であることが好ましい。

 このような構成の清掃用シート10の製造 置20において、先ず、重合部20Aにおけるカー ド機21A,21Bの各々から連続的に繊維ウエブla及 びlbがその繰り出しロール22,22を介してそれ れ繰り出される。繊維ウエブla及びlbの少な とも一方は、ポリエチレンテレフタレート 含有する繊維を40重量%以上含んでいること 好ましい。カード機21A,21Bの間には網状シー ト4のロール23が配設され、ロール23の繰り出 ロール24から網状シート4が繰り出される。 して、網状シート4の両面に前記繰り出しロ ール22、22にて、繊維ウエブla及びlbがそれぞ 重ね合わされて重合体5が形成される。繊維 ウエブ1a,1bのうちの少なくとも一方は、PETを 有する繊維を40重量%以上含んでいることが ましい。更に好ましくは繊維ウエブ1a,1bの 方が、PETを含有する繊維を40重量%以上含ん おり、一層好ましく繊維ウエブ1a,1bの双方が 、PETを含有する繊維を100%からなる。

 交絡部20Bにおいて、ウエブ支持用ベルト2 5上に移載され搬送される重合体5は、第1のウ ォータージェットノズル26より噴出される高 のジェット水流により交絡処理される。こ により、重合体5中の前記繊維ウエブla,lbの 成繊維間が絡合されて繊維集合体が形成さ るとともに、該構成織維と網状シート4とが 絡合されて、三者が一体化された積層体6が られる。この場合、積層体6における繊維集 体を構成する繊維は低絡合状態であること 好ましい。その絡合状態は交絡係数で表し 0.05~2N・m/g、特に0.2~1.2N・m/gであることが好 しい。積層体における繊維集合体を構成す 繊維の絡合状態をこの範囲でコントロール ることにより、後述する凹凸賦与部20Cにお る凹凸賦与時に穴空きなどを生ずることな 、明瞭な凹凸形状が賦与された清掃用シー を得ることができる。

 交絡係数は構成繊維間の絡合状態を表す 度であり、一体化された積層体6の繊維集合 体1における、その繊維配向に対する垂直方 の応力-ひずみ曲線の初期勾配で表され、そ 値が小さいほど繊維間の絡合が弱いといえ 。このとき、繊維配向とは引張強度試験時 最大点荷重値が最大となる方向であり、応 は引張荷重をつかみ幅(引張強度試験時の試 験片幅)及び繊維集合体1の坪量で割った値で り、ひずみは伸び量を示す。具体的な測定 法は、US6,936,333B2の第12欄32~50行に記載され いる。この文献を、本明細書の一部として 明細書に組み入れる。

 積層体6は、凹凸賦与部20Cにおいてパター ニング部材27上に移載され搬送される。積層 6は、搬送されながら、第2のウォータージ ットノズル28より噴出する高圧のジェット水 流により部分的に加圧される。この際、積層 体6のうち、パターニング部材27の凹部上に位 置する部分が加圧されて、該加圧部分は該凹 部内に突出される。その結果、該加圧部分は 凹部に対応する凹状部3とされる。一方、積 体6のうち、パターニング部材27の凸部上に 置する部分は突出されず、凸状部2となされ 。このようにして、積層体6に多数の凸状部 2,2・・が形成されるとともに、凸状部2,2間に それぞれ凹状部3が形成され、積層体6全体と て凹凸形状が賦与される。凸状部2の形状等 は、パターニング部材27の種類や、交絡部20B び凹凸賦与部20Cおける高圧ジェット水流に って繊維集合体に加わる絡合エネルギーに じて決定される。この絡合エネルギーはウ ータージェットノズルのノズル形状、ノズ ピッチ、水圧、ノズル段(本)数及びライン ピード等の条件によってコントロールされ 。

 本製造方法においては、繊維ウエブを水 交絡させて繊維集合体1を形成するときに加 えるエネルギーをEm、パターニング部材27上 繊維集合体1の一部を突出させるときに加え エネルギーをEfとしたとき、200(kJ/kg)<Em+Ef& lt;1250(kJ/kg)、特に400(kJ/kg)<Em+Ef<1000(kJ/kg)及 び/又はEm/10<Ef<2Em/3、特にEm/4<Ef<3Em/5 満たすように各エネルギーを加えることが 十分な嵩高性の賦与、凹凸賦与時の繊維の 落や孔あき発生の防止、十分なシート強度 発現の点から好ましい。Em及びEfはそれぞれ 式から算出される。

 凹凸形状を賦与された積層体6は、次いで 図4に示す熱風処理装置30に搬送される。この 場合、積層体6を一旦ロール状に巻き取った に、ロールから積層体6を繰り出して熱風処 装置30に搬送してもよく、あるいは図3に示 装置20によって得られた積層体6を巻き取る となく直接に熱風処理装置30に搬送しても い。一旦ロール状に捲回された積層体6をロ ルから繰り出して熱風処理に付すと、嵩回 の効果が一層顕著になるので好ましい。な 、凹凸形状を賦与された積層体6は、一旦ロ ール状に巻き取るか、巻き取らないにかかわ らず、熱風等による乾燥処理を行う。乾燥処 理は、水流交絡加工によって製造されるシー トに、通常用いられる装置及び条件で行われ る。(図示は省略する)。乾燥処理の温度は、 層体6の構成繊維の最低融点成分の融点未満 で実施することが好ましい。

 図4に示す装置30は、ワイヤメッシュのコ ベアベルト32、加熱ゾーンH及び冷却ゾーンC を備えている。コンベアベルト32は無端のも であり、一対の支持軸33,33に支持されて所 方向に周回するようになっている。コンベ ベルト32の周回方向に関して相対的に上流側 には加熱ゾーンHが設置されており、相対的 下流側には冷却ゾーンCが設置されている。 ンベアベルト32は、金属やポリエチレンテ フタレート等の樹脂から形成されている。 熱ゾーンH及び冷却ゾーンCにおける放熱の効 率の点からは、コンベアベルト32はポリエチ ンテレフタレート等の樹脂から形成されて ることが好ましい。

 コンベアベルト32の上側には、コンベア ルト32に対向して第1ブロア34が設置されてい る。第1ブロア34からは所定温度に加熱された 熱風が、コンベアベルト32に向けて吹き出す うになっている。コンベアベルト32を挟ん 第1ブロア34と対向する位置には、第1ブロア3 4から吹き出された熱風を吸引する第1サクシ ンボックス35が設置されている。そして、 1ブロア34と第1サクションボックス35とによ て加熱ゾーンHが構成されている。第1サクシ ョンボックス35によって吸引された熱風は、 クト(図示せず)を通じて第1ブロア34に送り まれる。つまり熱風は第1ブロア34と第1サク ョンボックス35との間を循環するようにな ている。

 コンベアベルト32の周回方向に関して、 1ブロア34のすぐ下流側には、コンベアベル 32に対向して第2ブロア36が設置されている。 第2ブロア36からは、所定温度の冷風がコンベ アベルト32に向けて吹き出すようになってい 。コンベアベルト32を挟んで第2ブロア36と 向する位置には、第2ブロア36から吹き出さ た冷風を吸引する第2サクションボックス37 設置されている。そして、第2ブロア36と第2 クションボックス37とによって冷却ゾーンC 構成されている。第2サクションボックス37 よって吸引された冷風は、ダクト(図示せず )を通じて装置外へ排出される。つまり、加 ゾーンHにおける熱風と異なり、冷風は第2ブ ロア36と第2サクションボックス37との間を循 させない。この理由は、循環による冷風の 熱を防止して、積層体6の冷却効率を高める ためである。

 第1ブロア34と第2ブロア36との間及び第1サ クションボックス35と第2サクションボックス 37との間には、それぞれ仕切板38,38が設置さ ている。この仕切板38によって熱風と冷風と が混ざり合うことが防止されている。

 図4に示す実施形態においては、図3に示 装置20によって製造されたロール状の積層体 6が、装置30における第1ブロア34よりも上流の 位置に配置され、ロールから積層体6が繰り される。ロール状に捲回された状態にある 層体6は、捲回圧によってその嵩が減じられ いる。この状態の積層体6を、装置30に通す とによってその嵩を回復させる。

 先ず、積層体6をコンベアベルト32と共に 送する。搬送された積層体6は、加熱ゾーン Hに送られる。加熱ゾーンHにおいては、第1ブ ロア34からコンベアベルト32に向けて所定温 に加熱された熱風が吹き出ている。加熱ゾ ンHにおいて積層体6にはエアスルー方式で熱 風が吹き付けられる。つまり、積層体6には 風が吹き付けられ、吹き付けられた熱風は 積層体6を貫通する。意外にも、この熱風の き付け操作によって、嵩が減じられた状態 ある積層体6の嵩が増加して、捲回前の嵩と 同程度にまで回復することが、本発明者らの 検討によって判明した。特に、積層体6が網 シート4を有していることによって、嵩の増 の程度が著しく大きくなることも判明した

 積層体6に吹き付ける熱風は、積層体に含 まれるPETを含有する繊維におけるPETのガラス 転移点(Tg(℃))超の温度で、かつTg(℃)+70℃未 の温度とする。熱風の温度がTg(℃)以下であ と、熱風を吹き付けることによる効果が十 に発現されず、積層体6の嵩が回復しない。 一方、Tg(℃)+70℃以上の熱風を吹き付けると 維が溶融してしまい、やはり積層体6の嵩が 復しない。積層体6の嵩を一層効果的に回復 させる観点から、熱風の温度は80℃以上で、 つ140℃以下、特に85℃以上で、かつ135℃以 であることが好ましい。また、吹き付ける 風の温度は、網状シート4を構成する樹脂の 点未満であることが好ましい。

 前記のTgは、示差走査熱量計(DSC)を用いて 測定される。DSCを用いた測定条件は、雰囲気 を窒素、昇温速度10℃/minとする。1回目の昇 で得られた吸熱曲線において、吸熱ピーク 観察される温度よりも低温側で段差が観察 れる温度を、Tgと定義する。

 熱風の吹き付け時間は嵩回復に臨界的な 素ではなく、短時間で十分である。具体的 は好ましくは0.05~3秒、更に好ましくは0.05~1 、一層好ましくは0.05~0.5秒程度という極め 短時間の熱風の吹き付けによって積層体6の が回復する。このことは生産効率の向上及 装置30の小型化に寄与する。吹き付け時間 短時間で済む理由としては、エアスルー方 の寄与が大であると考えられる。積層体6へ 熱の付与には、エアスルー方式による熱風 吹き付けの他に、恒温乾燥機やドライヤー 用いた熱の付与が考えられるが、これらの き付け方法では短時間での嵩回復は達成で ない。

 熱風の風速は、その温度や積層体6の坪量 及び搬送速度にもよるが、0.5~10m/sec、特に1~5m /secであることが、熱風のコスト及び装置の 型化の点から好ましい。

 以上の操作によって、積層体6の嵩は熱風 の吹き付け前の嵩の約1.2~3倍にまで回復し(つ まり、熱風の吹き付け後の嵩が、吹き付け前 の嵩の1/1.2~1/3となる。)、目的とする清掃用 ートが得られる。また、積層体6の厚さは、 ール状に捲回する前の厚さの約50~100%にまで 回復する。

 熱風の吹き付けによって嵩が回復した清 用シート10をロール状に捲回すると、せっ く回復した清掃用シート10の嵩が再び減じて しまう場合のあることが本発明者らの検討に よって判明した。そして、これを防止するた めには、熱風の吹き付けによる清掃用シート 10の嵩の回復後直ちに該清掃用シート10に冷 をエアスルー方式で吹き付けることが効果 であることが判明した。冷風の吹き付けに って、嵩高い状態の清掃用シート10が冷却さ れてその嵩高さが維持され、その後にロール 状に捲回されても嵩が減じることが防止され る。そこで、図4に示す装置30においては、清 掃用シート10の搬送方向に関し加熱ゾーンHの すぐ下流側に、該加熱ゾーンHに隣接して冷 ゾーンCが設置されている。「熱風の吹き付 による清掃用シート10の嵩の回復後直ちに 不織布に冷風を吹き付ける」とは、清掃用 ート10に熱風を吹き付ける工程とその後に冷 風を吹き付ける工程との間に、何らの操作も 行わないことを意味し、熱風の吹き付けと冷 風の吹き付けとの間に時間差がないことを意 味するものではない。

 冷却ゾーンCにおいては、第2ブロア36から コンベアベルト32に向けて所定温度の冷風が き出ている。冷却ゾーンCにおいて清掃用シ ート10にはエアスルー方式で冷風が吹き付け れる。つまり、冷却ゾーンCにおいては、清 掃用シート10に冷風が吹き付けられ、吹き付 られた冷風は該清掃用シート10を貫通する

 冷風の温度は、不織布を構成する繊維の 類にもよるが50℃以下、特に30℃以下であれ ば十分な冷却効果が得られる。冷風の温度の 下限値に特に制限はないが、エネルギーコス トや装置1の簡素化の点からは、20~25℃程度の 室温であることが適切である。

 熱風が吹き付けられて高温となっている 掃用シート10を十分に冷却させる観点から 冷風の風速は1~10m/sec、特に1~5m/sec、とりわけ 1~3m/secであることが好ましい。この範囲の風 であれば、十分な冷却効果が発現する。ま 風速が高くなることに起因して清掃用シー 10の安定な搬送が妨げられるおそれが低減 る。

 熱風の吹き付け時間と同様に、冷風の吹 付け時間も短時間で十分であることが本発 者らの検討によって判明した。具体的には0 .01秒以上、特に0.02~1秒、とりわけ0.05~0.5秒程 という極めて短時間の冷風の吹き付けによ て、清掃用シート10が十分に冷却される。 き付け時間が短時間で済む理由としては、 アスルー方式の寄与が大であると考えられ 。

 清掃用シート10に熱収縮性繊維が含まれ いる場合、加熱ゾーンHにおける熱風の吹き けによって、シート10が収縮する場合があ 。特にシート10の幅方向、つまりシート10の 送方向と直交する方向の収縮が起こりやす 。これを防止するため、熱風を吹き付ける における積層体6の幅(つまり加熱ゾーンHに る前の積層体6の幅)に対する、冷風を吹き けた後における清掃用シート10の幅(つまり 冷却ゾーンCを出た後の清掃用シート10の幅) 95%以上、特に97%以上となるように、シート おける幅方向の収縮を抑えることが好まし 。収縮を抑える方法としては、例えば、積 体6の搬送方向両側部を所定の把持手段によ って把持して積層体6の幅が変化しないよう した状態下に積層体6を加熱ゾーンH及び冷却 ゾーンCに導入する方法が挙げられる。特に 便な方法は、加熱ゾーンH及び冷却ゾーンCに おいてそれぞれ熱風及び冷風を積層体6に吹 付けるときに、熱風及び冷風の風速を調整 て積層体6をコンベアベルト32上に押さえつ 、積層体6の幅が変化しないようにした状態 に搬送する方法が挙げられる。熱風及び冷 の風速は前述した通りであり、その範囲内 積層体6の坪量や搬送速度に応じて風速を決 定する。

 以上の操作によって、清掃用シート10は 高いものとなる。嵩高な清掃用シート10は、 引き続き次工程である各種加工工程に付され る。加工工程としては、清掃用シート10を毎 に切断する工程や、毎葉に切断された清掃 シート10を複数枚重ねて包装袋に収容する 程などがある。得られた清掃用シート10は、 乾式の清掃用シートとして用いられるか、又 は各種の洗浄剤が含浸された湿式の清掃用シ ートとして用いられる。

 以上、本発明をその好ましい実施形態に づき説明したが、本発明は前記実施形態に 限されない。例えば前記の製造方法におい は、網状シート4の各面に繊維ウエブ1a,1bを したが、これに代えて網状シート4の一方の 面にのみ繊維ウエブを配してもよい。この場 合、該繊維ウエブは、ポリエチレンテレフタ レートを含有する繊維を40重量%以上含んでい ることが好ましい。

 また前記実施形態においては、装置30を いた熱風処理の後に冷風による処理を行っ が、この冷風による処理は必ずしも必須の のではない。

 以下、実施例により本発明を更に詳細に 明する。しかしながら本発明の範囲は、か る実施例に制限されない。特に断らない限 、「%」及び「部」はそれぞれ「重量%」及 「重量部」を意味する。

  〔実施例1〕
 PET繊維(1.45dtex、38mm、Tg78℃、重量平均分子 2万)を原料とし、常法のカード法を用い坪量 24g/m 2 の繊維ウエブを得た。網状シートとしてポリ プロピレン製の格子状ネット(繊維間距離8mm 線径300μm)を用い、その上下に該繊維ウエブ 重合した後、図3に示す水圧1~5MPaの条件で複 数のノズルから噴出したジェット水流で絡合 一体化し、交絡係数0.5N・m/gの繊維集合体を する積層体を得た。加えたエネルギーEmは295 kJ/kgであった。次に、パターニング部材上で 水圧1~5MPaの条件で複数のノズルから噴出し ジェット水流を当てて凸部形状を賦与し、 風乾燥を行い図1及び図2に示す凹凸形状を する積層体を得た。加えたエネルギーEfは175 kJ/kgであった。パターニング部材としては、U S6,936,333B2の図4(a)及び(b)に示す形態のものを いた。この文献を、本明細書の一部として 明細書に組み入れる。

 このようにして得られた積層体を一旦ロ ル状に捲回した。その後、積層体をロール ら繰り出して、4に示す装置30に搬送した。 り出し速度は、高速生産に適応した速度で る150m/minとした。この積層体に対して、表1 示す温度の熱風を3m/secの速度で、エアスル 方式で吹き付けた。熱風吹き付け後は自然 却を行った。このようにして清掃用シート 得た。

  〔実施例2及び3並びに比較例1〕
 熱風処理の条件として表1に示す条件を採用 する以外は、実施例1と同様にして清掃用シ トを得た。

  〔比較例2〕
 繊維ウエブとして坪量27g/m 2 のものを用いた。また、熱風処理を行わなか った。これら以外は、実施例1と同様にして 掃用シートを得た。

 〔評価〕
 実施例及び比較例で得られた清掃用シート ついて、以下の方法で髪の毛の捕集率及び さを測定した。またシートの厚み方向断面 おける凹凸形状の明瞭さ、シートの加工適 及び製品適性を以下の基準で評価した。そ らの結果を表1に示す。

 〔髪の毛の捕集率〕
 清掃用シートを、花王株式会社製の清掃具 あるクイックルワイパー(登録商標)のヘッ 部に装着した。このとき、清掃用シートの 造過程においてジェット水流が吹き付けら た面(以下、この面を裏面という)を清掃面と して用いた場合と、ジェット水流が吹き付け られた面と反対側の面(以下、この面を表面 いう)を清掃面として用いた場合とで捕集率 測定した。通常のフローリング面として、3 0cm×60cmのフローリング(松下電工製 ウッディ タイルMT613T)を用い、この上に約10cmの髪の毛 10本散布し、その上に清掃用シートを乗せ 一定のストローク(60cm)で5往復清掃して清掃 シートに捕集された髪の毛の本数を測定し 。この操作を連続3回実施して、30本中何本 髪の毛が捕集されたかを測定した。捕集さ た髪の毛の数を30で除し、これに100を乗じ 、その値を髪の毛の捕集率(%)とした。これ 加え、摩擦が低い平滑面として30cm×60cmの化 板を用い、この上に約10cmの髪の毛を10本散 し、その上に清掃用シートを乗せて一定の トローク(60cm)で2往復清掃して清掃用シート に捕集された髪の毛の本数を測定した。その 後は通常面と同様にして捕集率を算出した。

  〔シートの厚み〕
 荷重300Pa及び700Paでの厚みをそれぞれ測定し た。

  〔シートの厚み方向断面における凹凸形 の明瞭さ〕
 シートの厚み方向の断面を顕微鏡観察し、 凸形状の明瞭さを以下の基準で目視評価し 。
○:凹凸形状が明瞭である。
△:凹凸形状が一部明瞭である。
×:凹凸形状が不明瞭であるか、又は凹凸形状 が認められない。

  〔シートの加工適性〕
 高速加工に適応したか否かを以下の基準で 価した。
◎:シートの幅方向の収縮、及びシート表面 ら繊維の脱落がともに観察されない。
○:シートの幅方向の収縮、及びシート表面 らの繊維の脱落がともに僅かである。
△:切断に影響の出るほどシートが収縮する 、又はシート表面からの繊維脱落が明らか 観察される。
×:シートの幅方向の収縮が著しく、またシー ト表面から繊維が視認できるほど脱落する。

  〔シートの製品特性〕
○:安定した形状で、かつ良好な風合いであ 。
△:形状が一定せず、かつシート表面から繊 が脱落しやすい状態になっている。
×:シート表面からの繊維脱落が観察され、ま た風合いが極端に違う部分がある。

 表1に示す結果から明らかなように、各実 施例の清掃用シートは、比較例の清掃用シー トに比べ、嵩高でかつ髪の毛の捕集性に優れ ていることが判る。