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Patent Searching and Data


Title:
SUPERCONDUCTING MAGNET DEVICE FOR SINGLE CRYSTAL PULLER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/145149
Kind Code:
A1
Abstract:
A superconducting magnet device for a single crystal puller, which is disposed outside a pulling furnace containing a crucible for melting a single crystal material therein and applies a magnetic field to the melted single crystal material, comprises a cryostat containing a superconducting coil therein, and a refrigerator port installed on the outer peripheral surface of the cryostat and provided with a cryogenic refrigerator for cooling the superconducting coil.  The cryogenic refrigerator is provided in a region of the outer surface region of the cryostat, in which the intensity of the magnetic field generated by the superconducting coil is weak.

Inventors:
TAKAMI SHOHEI
SHIMONOSONO TSUTOMU
OTA TOMOKO
MINEMOTO YUUJI
NAGAMOTO YOSHIFUMI
USHIJIMA MAKOTO
Application Number:
PCT/JP2009/059539
Publication Date:
December 03, 2009
Filing Date:
May 25, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOSHIBA KK (JP)
TAKAMI SHOHEI
SHIMONOSONO TSUTOMU
OTA TOMOKO
MINEMOTO YUUJI
NAGAMOTO YOSHIFUMI
USHIJIMA MAKOTO
International Classes:
C30B15/00; H01F6/04; H01L39/04
Foreign References:
JPH11176630A1999-07-02
JPH11199367A1999-07-27
JP2005123313A2005-05-12
JPH10120485A1998-05-12
JP2004091240A2004-03-25
JP2000095597A2000-04-04
JP2004051475A2004-02-19
JPH107486A1998-01-13
JPH11199366A1999-07-27
JP2004051475A2004-02-19
JP2000114028A2000-04-21
JPH11199366A1999-07-27
Other References:
See also references of EP 2287366A4
Attorney, Agent or Firm:
HATANO, Hisashi et al. (JP)
Hisashi Hatano (JP)
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Claims:
単結晶材料を溶融させる坩堝が内蔵された引上げ炉の外側に配置され、溶融した前記単結晶材料に磁場を印加する単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置であって、
 超電導コイルを内包するクライオスタットと、
 前記クライオスタットの外側面に設置された冷凍機ポートと、
 前記冷凍機ポートに設けられた超電導コイルを冷却する極低温冷凍機とを有し、
前記クライオスタット外側面の領域における前記超伝導コイルにより発生する磁場の強度の弱い領域に前記極低温冷凍機が設けられていることを特徴とする単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記冷凍機ポート及び前記極低温冷凍機は、クライオスタット外側面の上端面と下端面の範囲内に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記極低温冷凍機は駆動モータを含み、前記駆動モータは、前記クライオスタット内の前記超電導コイルが発生する磁場によって変調をきたさない磁場領域に設置されることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記冷凍機ポートは、クライオスタットの外側面における複数の箇所に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記冷凍機ポートは、クライオスタットの外側面に連続して設置されたことを特徴とする請求項4に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記クライオスタットは、円筒形状の円筒型クライオスタットであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記クライオスタットは、直方体形状のスプリット型クライオスタットであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記クライオスタット内の超電導コイルは、伝熱板を介して極低温冷凍機により極低温に冷却されることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記クライオスタット内の超電導コイルは、前記クライオスタット内の冷媒容器に充填された液体ヘリウムに浸漬されて前記極低温冷凍機により極低温に冷却されることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記超電導コイルは、一対の鞍形超電導コイルであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
前記超電導コイルは、一対若しくは複数対の円形超電導コイルであることを特徴とする請求項1に記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネット装置。
Description:
単結晶引上げ装置用超電導マグ ット装置

 本発明は、単結晶(例えば半導体単結晶) 製造する単結晶引上げ装置に用いられる単 晶引上げ装置用超電導マグネット装置に関 る。

 単結晶引上げ装置には、単結晶材料(特に 半導体単結晶材料)を溶融させる坩堝が引上 炉に内蔵され、この引上げ炉の外側に超電 マグネット装置が配置され、この超電導マ ネット装置により、坩堝内で溶融した単結 材料に磁場を印加して、溶融した単結晶材 の対流を防止する、MCZ(磁界印加型チョクラ スキー)法を用いた単結晶引上げ装置が知ら れている。

 このMCZ法を用いたシリコン単結晶の製造 は、磁場印加用の超電導マグネット装置は 引上げ装置との機械的干渉を避けるために 形状や大きさに制限を受ける場合が多い。 に、超電導マグネット装置の上端面は、引 げ装置本体(例えば引上げ機)との取合いが 較的厳しく、またこの上端面上で作業する 業者の作業性・安全性を考慮すると、冷凍 や電流導入端子のような突起物の配置には 意が必要となる。

 図13に示す特許文献1(特開2004-51475号公報) 記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネッ 装置100では、円筒型クライオスタット101上 存在する極低温冷凍機102や電流導入端子103 が冷凍機ポート104にまとめて配置されて、 上げ装置本体との干渉が回避されている。

 また、図14に示す特許文献2(特開2000-114028 公報)に記載の単結晶引上げ装置用超電導マ グネット装置110では、極低温冷凍機102や電流 導入端子103が円筒型クライオスタット101の下 端面112に取り付けられることで、クライオス タット101の上端面111が完全にフラットに設け られている。特許文献3(特開平11-199366号公報) にも、特許文献2に記載と同種の単結晶引上 装置用超電導マグネット装置が開示されて る。

 上述の特許文献2に記載の単結晶引上げ装 置用超電導マグネット装置110は、特許文献1 記載の単結晶引上げ装置用超電導マグネッ 装置100に比べ、クライオスタット101の上端 111における引上げ装置本体との干渉、並び 作業者による作業性及び作業安全性の面に いて優れている。

 しかしながら、極低温冷凍機102は定期的 メンテナンスを必要とし、設置面から垂直 向に800mm以上のメンテナンススペースを、 凍機引抜のために確保する必要がある。こ ため、極低温冷凍機102をクライオスタット10 1の下端面112から挿入する特許文献2に記載の 電導マグネット装置110では、この下端面112 メンテナンススペース確保ための脚部113が 置されており、この結果、超電導マグネッ 装置110の全高さ寸法が高くなってしまう。 般に、円筒型の単結晶引上げ装置用超電導 グネット装置では、単結晶引上げ装置に据 後、上下方向に昇降させることで、印加す 磁場の調整が行なわれるため、装置の全高 寸法が高いと磁場の調整代が小さくなって まう。

発明の開示
 本発明の目的は、上述の事情を考慮してな れたものであり、引上げ装置との干渉を抑 でき、装置上における作業性及び作業安全 を向上できると共に、印加する磁場の調整 を良好に確保できる単結晶引上げ装置用超 導マグネット装置を提供することにある。

 上述の目的を達成するために提供される 発明は、単結晶材料を溶融させる坩堝が内 された引上げ炉の外側に配置され、溶融し 前記単結晶材料に磁場を印加する単結晶引 げ装置用超電導マグネット装置であって、 電導コイルを内包するクライオスタットと 前記クライオスタットの外側面に設置され 冷凍機ポートと、前記冷凍機ポートに設け れた超電導コイルを冷却する極低温冷凍機 を有し、前記クライオスタット外側面の領 における前記超伝導コイルにより発生する 場の強度の弱い領域に前記極低温冷凍機が けられていることを特徴とする。

 上記発明の好適な実施例においては、前 冷凍機ポート及び前記極低温冷凍機は、ク イオスタット外側面の上端面と下端面の範 内に設置されることが望ましい。

 また、前記極低温冷凍機は駆動モータを み、前記駆動モータは、前記クライオスタ ト内の前記超電導コイルが発生する磁場に って変調をきたさない磁場領域に設置され ことが望ましい。

 前記冷凍機ポートは、クライオスタット 外側面における複数の箇所に設置しても良 。この際、前記冷凍機ポートは、クライオ タットの外側面に連続して設置することも 来る。

 前記クライオスタットは、円筒形状の円 型クライオスタットまたは、直方体形状の プリット型クライオスタットであることが ましい。

 前記クライオスタット内の超電導コイル 、伝熱板を介して極低温冷凍機により極低 に冷却するか、前記クライオスタット内の 媒容器に充填された液体ヘリウムに浸漬さ て前記極低温冷凍機により極低温に冷却し も良い。

 前記クライオスタット内の超電導コイル 、前記クライオスタット内の冷媒容器に充 された液体ヘリウムに浸漬されて前記極低 冷凍機により極低温に冷却されることが望 しい。

 前記超電導コイルは、一対の鞍形超電導 イルまたは、一対若しくは複数対の円形超 導コイルとしても良い。

 上述の特徴を有する本発明によれば、極 温冷凍機を備えた冷凍機ポートがクライオ タットの外側面に設置されたので、クライ スタットの上端面がフラットになり、この め引上げ装置との干渉を抑制でき、更に装 上における作業性及び作業安全性を向上さ ることができる。また、クライオスタット 下端面に脚部等の突起物が存在せず、従っ 装置の全高さ寸法を低く設定できるので、 置を昇降させることで印加する磁場を調整 る磁場の調整代を良好に確保できる。

 本発明の性質及び更なる特徴は以下に添 図面を参照して説明する記載から更に明確 成るであろう。

本発明に係る単結晶引上げ装置用超電 マグネット装置の第1の実施の形態を、単結 晶引上げ装置の一部と共に示す側断面図。 図1の超電導マグネット装置を示す斜視 図。 図2の超電導マグネット装置において、 超電導コイルを実線で示す平面図。 図3の超電導マグネット装置を示す側面 図。 図3及び図4に示す極低温冷凍機を示す 面図。 図5の第2シリンダ及び第2ディスプレー を示す断面図。 図2の超電導マグネット装置において、 超電導コイルの他の例を実線で示す平面図。 図7の超電導マグネット装置を示す側面 図。 図2の超電導マグネット装置において、 超電導コイルの更に他の例を実線で示す平面 図。 図9の超電導マグネット装置を示す側 図。 本発明に係る単結晶引上げ装置用超電 導マグネット装置の第2の実施の形態を示す 視図。 本発明に係る単結晶引上げ装置用超電 導マグネット装置の第4の実施の形態を示す 視図。 従来の単結晶引上げ装置用超電導マグ ネット装置を示す斜視図。 従来の他の単結晶引上げ装置用超電導 マグネット装置を示す斜視図。

 以下、本発明を実施するための最良の形 を、図面に基づき説明する。尚、いかに記 において、上下、左右等の方向、位置を示 記載は、添付図面の記載に基づくか、実際 取り付け状態に基づき記載である。

 [第1実施の形態(図1~図10)]
 図1に示す超電導マグネット装置10を備えた 結晶引上げ装置11は、半導体の単結晶材料1 溶融させる坩堝12が内蔵された引上げ炉13の 外側に超電導マグネット装置10が配置されて 坩堝12内で溶融した単結晶材料1に一方向の 磁場(図1に磁力線2で表示)を印加して、溶融 した単結晶材料1の坩堝12内での対流を防止す るものであり、いわゆるMCZ法(磁界印加型チ クラルスキー法)が適用されたものである。

 つまり、この単結晶引上げ装置11は、上 が開口した引上げ炉13に坩堝12が内蔵され、 の引上げ炉13と坩堝12との間に、坩堝12内の 結晶材料1を加熱溶融するためのヒータ14が 置されている。引上げ炉13の外側に、一対 超電導コイル15(図3)を備えた超電導マグネッ ト装置10が配置される。また、引上げ炉13の 方には、図示しないが、坩堝12の中心線Oに って単結晶体3(後述)を引き上げるための引 げ機が設けられている。

 単結晶体3の製造に際しては、まず、坩堝 12内に単結晶材料1を投入し、ヒータ14により 熱して溶融させる。この溶融した単結晶材 1中に、図示しない種結晶を、例えば坩堝12 中央部上方から下降して挿入し、この種結 を前記引上げ機により所定速度で引上げ方 αの方向に引き上げていく。これにより、 体・液体境界層に結晶が成長し、単結晶体3 生成される。

 この際、ヒータ14の加熱によって誘起さ る、溶融した単結晶材料1の坩堝12内での対 を防止するために、超電導マグネット装置10 の超電導コイル15へ通電がなされる。坩堝12 の溶融した単結晶材料1は、超電導コイル15 発生する横磁場(図1に磁力線2で表示)によっ 動作抑止力を受け、坩堝12内で対流するこ なく、種結晶の引上げに伴ってゆっくりと き上げられ、固体の単結晶体3として製造さ る。

 超電導マグネット装置10は、図2~図4に示 ように、超電導コイル15及び輻射シールド16 内包するクライオスタット17と、このクラ オスタット17の外側周面18に設置され、極低 冷凍機20、電流導入端子23及びバルブ(不図 )等を備える単一の冷凍機ポート19と、を有 て構成される。

 クライオスタット17は、円筒形状の円筒 クライオスタットであり、断熱のために内 が真空に保持される。輻射シールド16は、ク ライオスタット17内で超電導コイル15を覆い クライオスタット17外側からの超電導コイル 15への熱輻射を遮る。超電導コイル15は、ク イオスタット17のボア部24を介して対向して 置された鞍形状の一対のコイルであり、ク イオスタット17のボア部24内に同一方向の横 磁場(図3に磁力線2で表示)を生成する。この ライオスタット17のボア部24内に、前記引上 炉13及び坩堝12が配置される。

 ここで、クライオスタット17に内包され 超電導コイルは、超電導コイル15の如く鞍形 状のコイルに限らず、図7及び図8に示すよう 、クライオスタット17のボア部24を介して対 向配置された一対の円形状の超電導コイル27 あってもよい。更に、クライオスタット17 の超電導コイルは、図9及び図10に示すよう 、クライオスタット17のボア部24を介してそ ぞれ対向配置された複数対(例えば2対)の超 導コイル28A、28Bであってもよい。これら一 の超電導コイル27、複数対の超電導コイル28 A、28Bによっても、クライオスタット17のボア 部24内に同一方向の横磁場(図7、図9に磁力線2 で表示)が生成される。

 極低温冷凍機20は、図4に示すように、第1 冷却ステージ21が、伝熱板25介して輻射シー ド16に接続され、この輻射シールド16を例え 40Kの極低温に冷却し、第2冷却ステージ22が 伝熱板26を介して超電導コイル15、27、28境 X、28Bに接続され、これらの超電導コイル15 27、28A、28Bを例えば4Kの極低温に冷却する。 の極低温冷凍機20は、冷凍機ポート19に1個 たは複数個設置される(図2においては複数個 (2個))。また、電流導入端子23は、超電導コイ ル15、27、28A、28Bへ電流を供給する、いわゆ 電流リードである。

 この極低温冷凍機20は、図4及び図5に示す ように、第1冷却ステージ21の下方に第2冷却 テージ22が配置され、最上部に駆動モータ33 設置された一般的なタイプの冷凍機である このタイプの極低温冷凍機20では、図5及び 6に示すように、下端に第1冷却ステージ21が 設けられた第1シリンダ34内に第1ディスプレ サ(第1蓄冷器)35が、下端に第2冷却ステージ22 が設置された第2シリンダ36内に第2ディスプ ーサ(第2蓄冷器)37が、シリンダの長手方向( の場合はそれぞれ鉛直方向)に往復移動可能 収容される。そして、これらの第1ディスプ レーサ35及び第2ディスプレーサ37の往復移動 より、第1シリンダ34の下端と第1ディスプレ ーサ35との間、第2シリンダ36の下端と第2ディ スプレーサ37との間にそれぞれ導入された作 流体(例えばHeガス等)が断熱膨張して所定の 冷凍能力を得る。

 図4に示すように、前記冷凍機ポート19は クライオスタット17の上端面17Aと下端面17B の範囲内において、クライオスタット17の外 側周面18に設置される。更に、この冷凍機ポ ト19に搭載される極低温冷凍機20、電流導入 端子23及びバルブ等は、上述のクライオスタ ト17の上端面17Aと下端面17Bとの範囲内に設 される。つまり、極低温冷凍機20、電流導入 端子23及びバルブ等は、冷凍機ポート19の上 面19A側または下端面19B側から冷凍機ポート19 に差し込まれて配置されるが、このとき上端 面19Aまたは下端面19Bからの露出部分が、クラ イオスタット17の上端面17Aと下端面17Bとの範 内に設置される。これにより、冷凍機ポー 19と、極低温冷凍機20、電流導入端子23及び ルブ等の露出部分とが、クライオスタット1 7の上端面17A及び下端面17Bから突出すること 防止される。

 更に、冷凍機ポート19は、図3に示すよう 、超電導コイル15、27、28A、28Bが発生する磁 場によって極低温冷凍機20の駆動モータ33(図5 )が変調をきたすことのない磁場領域に設置 れる。つまり、図3、図7、図9には、磁界の さが40~50mT(ミリテスラ)の境界を符号Xで示す 冷凍機ポート19、特に冷凍機ポート19に搭載 される極低温冷凍機20は、磁界の強さが40~50mT 以下の磁場領域W(境界Xよりも外側の領域)に 置されることで、極低温冷凍機20の駆動モー タ33に変調(停止を含む)が生ずることが回避 れる。

 このように、クライオスタット17の外側 の領域における超伝導コイル15により発生す る磁場の強度の弱い領域に、極低温冷凍機20 設けられている。すなわち、クライオスタ ト17内の超電導コイル15が発生する磁場の強 度は、極低温冷凍機20が設けられたクライオ タット17の外側面の領域が、クライオスタ ト17の外側面の他の領域の磁場の強度よりも 弱い。

 ここで、図3、図7及び図9に示す磁界の強 が40~50mTの境界Xは、図4、図8、図10に示す超 導マグネット装置10における軸方向(鉛直方 )中央位置の中央平面29Aでの磁界の強さであ る。また、超電導マグネット装置10における 央平面29Aと、クライオスタット17の上端面17 A、下端面17Bとの間の平面29B、29Cにおいて、 記境界Xと同等な磁界の強さの境界を、図3、 図7、図9に符号Yで示す。更に、クライオスタ ット17の上端面17A、下端面17Bのそれぞれを含 平面29D、29Eにおいて、上記境界Xと同等な磁 界の強さの境界を、図3、図7、図9に符号Zで す。

 このように、超電導マグネット装置10で 、同等な磁界の強さ(例えば40~50mT)は、鉛直 向の各平面において相似な形状であり、超 導マグネット装置10の軸方向(鉛直方向)にお て中央平面29Aから離れるに従って小さくな 。極低温冷凍機20は、磁界の強さが40~50mTの ちで最も大きい境界Xの外側(磁場領域W)に設 置されており、40~50mT以上の強さの磁界に晒 らされることがない。

 従って、本実施の形態によれば、次の効 (1)~(3)を奏する。

 (1)極低温冷凍機20、電流導入端子23及びバ ルブ等を備えた冷凍機ポート19が、クライオ タット17の上端面17Aと下端面17Bとの範囲内 おいて、クライオスタット17の外側周面18に 置され、しかも、極低温冷凍機20、電流導 端子23及びバルブ等が、クライオスタット17 上端面17Aと下端面17Bとの範囲内において冷 機ポート19に搭載されている。このため、 凍機ポート19と、極低温冷凍機20、電流導入 子23及びバルブ等の露出部分とが、クライ スタット17の上端面17Aから突出することが防 止されるので、クライオスタット17の上端面1 7Aをフラットに構成できる。従って、単結晶 上げ装置11の特に引上げ機と超電導マグネ ト装置10とが干渉することを抑制でき、更に 、クライオスタット17の上端面17A上で作業す 作業員の作業性及び作業安全性を向上させ ことができる。

 (2)極低温冷凍機20、電流導入端子23及びバ ルブなどの露出部分がクライオスタット17の 端面17Bよりも下方へ突出せず、しかもこの 端面17Bに脚部等の突出物も存在しないので 超電導マグネット装置10の全高さ寸法を低 設定できる。この結果、超電導マグネット 置10を昇降させることで、この超電導マグネ ット装置10が印加する磁場を調整する磁場の 整代を良好に確保できる。

 (3)極低温冷凍機20は、第1ディスプレーサ3 5、第2ディスプレーサ37が第1シリンダ34、第2 リンダ36内でそれぞれ鉛直方向に往復移動 るタイプであり、重力の作用で、第1ディス レーサ35、第2ディスプレーサ37がそれぞれ 1シリンダ34、第2シリンダ36内に鉛直配置さ るので、これらが擦れ合って摩擦熱が発生 ることがない。更に、この極低温冷凍機20で は、第1ディスプレーサ35、第2ディスプレー 37の上部にそれぞれ設置されたシール部38、3 9が第1シリンダ34、第2シリンダ36のそれぞれ 内周面に片当りすることがないので、シー 性が良好に維持される。これらの結果、こ 極低温冷凍機20では、冷凍能力を好適に確保 できると共に、前記摩擦等による駆動モータ 33の負荷蓄積や、第1ディスプレーサ35、第2デ ィスプレーサ37、シール部38、39の損傷を防止 できるため、極低温冷凍機20の運転寿命及び 頼性を向上させることができる。

 また、第1ディスプレーサ35、第2ディスプ レーサ37は、運転状態において軸方向(鉛直方 向)における上端が高温端となり、下端が低 端となる温度勾配を有する。また、第1シリ ダ31、第2シリンダ36内に導入された作動流 (Heガス等)は、温度による密度差によって、 方が高温、下方が低温の如く、鉛直方向に 度勾配を有する。縦置きタイプの極低温冷 機20では、上述の第1ディスプレーサ35及び 2ディスプレーサ37の温度勾配の方向と、作 流体の温度勾配の方向とが一致するので、 交換効率が良好に維持されて、極低温冷凍 20の冷凍能力を好適に確保できる。

 更に、極低温冷凍機20は、第1ディスプレ サ35、第2ディスプレーサ37が第1シリンダ34 第2シリンダ36内でそれぞれ鉛直方向に往復 動するタイプであるため、第1ディスプレー 35、第2ディスプレーサ37を交換するメンテ ンス時には、重力の作用で、これらの第1デ スプレーサ35、第2ディスプレーサ37を第1シ ンダ34、第2シリンダ36内にそれぞれ同心円 に高精度に挿入することができる。このた 、このメンテナンス作業の作業性を向上で ると共に、第1ディスプレーサ35、第2ディス レーサ37、第1シリンダ34、第2シリンダ35の 突による損傷を防止できる。

 [第2の実施の形態(図11)]
 図11は、本発明に係る単結晶引上げ装置用 電導マグネット装置の第2の実施の形態を示 斜視図である。この第2の実施の形態におい て、前記第1の実施の形態と同様な部分につ ては、同一の符号を付すことにより説明を 略化し、または省略する。

 本実施の形態の単結晶引上げ装置用超電 マグネット装置30が前記第1の実施の形態の 電導マグネット装置10と異なる点は、複数 冷凍機ポート31がクライオスタット17の外側 面18に分散して配置され、各冷凍機ポート31 に1個または複数個(本実施の形態では1個)の 低温冷凍機20が搭載された点である。

 従って、本実施の形態においても、前記 1実施の形態の効果(1)~(3)と同様な効果を奏 る他、次の効果(4)を奏する。

 (4)極低温冷凍機20を搭載する冷凍機ポー 31がクライオスタット17の外側周面18の複数 所に分散配置されたことで、極低温冷凍機20 の1台当たりの最長伝熱距離を例えば半分に 減できる。この結果、極低温冷凍機20と超電 導コイル15、27、28A、28Bとの最大温度差も例 ば約半分に低減できるので、クライオスタ ト17内の超電導コイル15、27、28A、28Bをより 層均一に冷却することができる。

 [第3の実施の形態]
 この第3の実施の形態は、図示は省略するが 、図2に示される冷凍機ポートを図11に示され るように複数個設けた形態である。

 本実施の形態における単結晶引上げ装置 超電導マグネット装置が前記第1及び第2の 施の形態の超電導マグネット装置10及び30と なる点は、極低温冷凍機20を複数搭載する 凍機ポートが、クライオスタット17の外側周 面18に連続して円環形状に設置された点であ 。即ち、この第3の実施の形態は、図2に示 れる冷凍機ポート20を図11に示されるように ライオスタット17の外周面に複数個設けた 態である。

 従って、本実施の形態においても、前記 1及び第2の実施の形態の効果(1)~(4)と同様な 果を奏する他、次の効果(5)を奏する。

 (5)冷凍機ポートがクライオスタット17の 側周面18に連続して円環形状に設置されたこ とから、極低温冷凍機20の個数が多い場合に 、冷凍機ポートを多数設置する必要がない このため、超電導マグネット装置の製作を 易化できると共に、材料費も削減できるの 、超電導マグネット装置の製作コストを低 できる。

 [第4の実施の形態(図12)]
 図12は、本発明に係る単結晶引上げ装置用 電導マグネット装置の第4の実施の形態を示 斜視図である。この第4の実施の形態におい て、前記第1の実施の形態と同様な部分につ ては、同一の符号を付すことにより説明を 略化し、または省略する。

 本実施の形態の単結晶引上げ装置用超電 マグネット装置40が前記第1の実施の形態の 電導マグネット装置10と異なる点は、極低 冷凍機20、電流導入端子23及びバルブ等を搭 した冷凍機ポート19が、直方体形状のスプ ット型のクライオスタット41の外側面42に設 された点である。

 つまり、スプリット型のクライオスタッ 41は、複数個が対向して配置され、それぞ の間隔が調整可能にサポート部材43により連 結されている。各クライオスタット41内に超 導コイル27及び輻射シールド16が内包される 。これらの超電導コイル27および輻射シール 16が極低温冷凍機20により極低温に冷却され る。また、これらのクライオスタット41間に 超電導コイル27によって一方向の横磁場が 成される。この横磁場が、クライオスタッ 41間に配置された単結晶引上げ装置11の引上 炉13及び坩堝12に印加される。

 そして、各クライオスタット41の外側面42 に冷凍機ポート19が、クライオスタット41の 端面41Aと下端面41Bとの範囲内となるように 置される。更に、極低温冷凍機20、電流導入 端子23及びバルブ等は、それらの露出部分が クライオスタット41の上端面41Aと下端面41B の範囲内となるように冷凍機ポート19に設置 される。更に、冷凍機ポート19は、クライオ タット41内の超電導コイル27が発生する磁場 によって、極低温冷凍機20の駆動モータが変 をきたすことがない磁場領域に設置される

 従って、本実施の形態においても、前記 1の実施の形態の効果(1)~(3)と同様な効果を する。

 以上、本発明を上記実施の形態に基づい 説明したが、本発明はこれに限定されるも ではない。例えば、上述の各実施の形態に いては、クライオスタット17、41内の超電導 コイル15、27、28は、伝熱板26を介して極低温 凍機20により極低温に冷却される伝導冷却 式の場合を述べたが、クライオスタット17、 41内の冷媒容器に充填された液体ヘリウムに 漬されて、極低温冷凍機20により極低温に 却される浸漬冷却方式であってもよい。