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Patent Searching and Data


Title:
PROCESS FOR PRODUCING CONDUCTOR BUILT-IN CERAMIC
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057596
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a process for producing a conductor built-in ceramic which can eliminate the need to conduct metallic lead wire processing, can prevent the entry of a foreign matter, dust and the like from gaps between bases formed in degreasing and firing and can reduce a dielectric breakdown failure, and a conductor built-in ceramic produced by the production process. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A process for producing a conductor built-in ceramic, comprising the step of producing a molded product (11) for an energization part using a mixture, for an energization part, containing an electroconductive ceramic powder and a binder, the step of holding the molded product (11) for an energization part within a mold (13) and filling a mixture (15), for a base, containing an insulating ceramic powder and a binder into the mold (13) to produce an element molded product (17) comprising a molded product (11), for an energization part, covered with the mixture (15) for a base, and the step of firing the element molded product (17). According to the production process, the formation of gaps between the energization part and the base can be suppressed, and external inclusion of a foreign material, dust and the like in the element molded product (17) in degreasing or firing can also be suppressed.

Inventors:
TSUTSUI YOSHIYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069558
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOCERA CORP (JP)
TSUTSUI YOSHIYA (JP)
International Classes:
C04B35/622; B28B1/24; B28B11/02; F23Q7/00; H05B3/18
Foreign References:
JP2006040882A2006-02-09
JPH05337629A1993-12-21
JP2004035923A2004-02-05
JP2000063903A2000-02-29
JPH10249843A1998-09-22
JPH10259059A1998-09-29
JPH11255566A1999-09-21
JP2002016128A2002-01-18
JP2002093550A2002-03-29
JP2002047067A2002-02-12
JPS59231322A1984-12-26
Other References:
See also references of EP 2228354A4
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Claims:
 導電性セラミックス粉末およびバインダーを含む通電部用混合物を用いて通電部用成形体を作製する工程と、
 該通電部用成形体を金型内に保持し、絶縁性セラミックス粉末およびバインダーを含む基体用混合物を前記金型内に充填することにより、前記通電部用成形体が前記基体用混合物で覆われた素子成形体を作製する工程と、
 該素子成形体を焼成する工程と、
を備えたことを特徴とする導体内蔵セラミックスの製造方法。
 前記素子成形体を作製する工程において、前記通電部用成形体の一部を支持するための支持部材により前記通電部用成形体を前記金型内に保持した状態で、前記金型に設けられた充填口から前記基体用混合物を前記金型内に充填することを特徴とする請求項1に記載の導体内蔵セラミックスの製造方法。
 前記素子成形体を作製する工程において、前記通電部用成形体を複数の前記支持部材を用いて前記金型内に保持した状態で、前記複数の支持部材のうち前記充填口に近い方の支持部材から順に前記通電部用成形体から離隔させながら、前記充填口から前記基体用混合物を前記金型内に充填することを特徴とする請求項2に記載の導体内蔵セラミックスの製造方法。
 前記素子成形体を作製する工程において、前記金型が、一方側および他方側に互いに対向配置された少なくとも2つの金型部材を有し、
 これらの金型部材のうち一方側に配置された第1の金型部材の内面に前記通電部用成形体が配置され、他方側に配置された第2の金型部材の内面と前記通電部用成形体の他方側の表面との間にキャビティが設けられた状態で、このキャビティに前記基体用混合物を充填した後、
 前記第1の金型部材を第3の金型部材と交換して、この第3の金型部材の内面と前記通電部用成形体の一方側の表面との間にキャビティが設けられた状態で、このキャビティに前記基体用混合物を充填することによって、前記通電部用成形体が前記基体用混合物で覆われた前記素子成形体を作製することを特徴とする請求項1に記載の導体内蔵セラミックスの製造方法。
 導電性セラミックス粉末およびバインダーを含む通電部用混合物を用いて通電部用成形体を作製する工程と、
 絶縁性セラミックス粉末およびバインダーを含む基体用混合物を用いて複数の基体用成形体を作製する工程と、
 前記通電部用成形体を前記基体用成形体間に配置して前記通電部用成形体を前記基体用成形体で覆うとともに、前記基体用成形体間を接着することにより素子成形体を作製する工程と、
 前記素子成形体を焼成する工程と
を備えたことを特徴とする導体内蔵セラミックスの製造方法。
 前記通電部用混合物に含まれる前記バインダーのガラス転移点をTg(A)とし、前記基体用混合物に含まれる前記バインダーのガラス転移点をTg(B)とするとき、これらの関係がTg(B)<Tg(A)を満足することを特徴とする請求項1または5に記載の導体内蔵セラミックスの製造方法。
 前記通電部用混合物の粘度が100mPa・sになる温度をTv(A)とし、前記基体用混合物の粘度が100mPa・sになる温度をTv(B)とするとき、これらの関係がTv(B)<Tv(A)を満足することを特徴とする請求項1または5に記載の導体内蔵セラミックスの製造方法。
 前記焼成工程の前に、前記バインダーが可溶な溶媒に前記素子成形体を浸漬することにより該素子成形体中における前記溶媒可溶のバインダーを抽出する工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1または5に記載の導体内蔵セラミックスの製造方法。
Description:
導体内蔵セラミックスの製造方

 本発明は、導体内蔵セラミックスの製造 法に関する。

 従来、導体内蔵セラミックスの製造方法と て種々の方法が提案されている。例えば特 文献1~3には、セラミックスとバインダーか なる混合物を造粒して得られる顆粒をホッ プレスして予備成形体を作製し、予備成形 間に金属部材を設置して一軸加圧成形を行 、ホットプレスで焼成することによって金 部材を内蔵したセラミックスを得る方法が 示されている。また特許文献4,5には、基体 なる第1のセラミックス成形体上に電極とな るセラミックス材料のペーストを塗布し、さ らに基体となる第2のセラミックス成形体を せて焼成することにより、電極内蔵セラミ クスを得る方法が開示されている。さらに 許文献6には、予備成形体間に金属リード線 挟み込み、ホットプレス焼成を行なうこと より、通電部内蔵のセラミックスを製造す 方法が開示されている。

特開平10-249843号公報

特開平10-259059号公報

特開平11-255566号公報

特開2002-16128号公報

特開2002-93550号公報

特開2002-47067号公報

特開昭59-231322号公報

 しかしながら、特許文献1~3に記載の製造 法は、一軸の加圧成形方法を使用して成形 るため、複雑な形状を作製することが難し 、かつ導体部分になる金属部材は加圧成形 の変形をなくするために強度を持つものが 要になるという課題がある。また、特許文 4,5に記載の製造方法は、ペーストを使用し 通電部を印刷するため、にじみやムラが発 しやすく、また基体をのせて焼成するため 基体間に異物・埃等を噛み込みやすくなる いう課題がある。さらに、特許文献6に記載 の製造方法は、通電部に金属リード線を用い ているためにW,W-Re合金等の線材を曲げたり、 切断したりする金属リード線の作製工程が必 要になるという課題がある。

 上記課題に鑑み、本発明の目的は、煩雑 金属リード線の加工が不要であるとともに 脱脂時や焼成時に基体間に異物や埃等が進 するのを防止してクラック,断線,絶縁破壊 の発生を抑制できる導体内蔵セラミックス 製造方法を提供することである。

 本発明の導体内蔵セラミックスの製造方 は、導電性セラミックス粉末およびバイン ーを含む通電部用混合物を用いて通電部用 形体を作製する工程と、該通電部用成形体 金型内に保持し、絶縁性セラミックス粉末 よびバインダーを含む基体用混合物を前記 型内に充填することにより、前記通電部用 形体が前記基体用混合物で覆われた素子成 体を作製する工程と、該素子成形体を焼成 る工程と、を備えたことを特徴とする。

 また、前記素子成形体を作製する工程に いて、前記通電部用成形体の一部を支持す ための支持部材により前記通電部用成形体 前記金型内に保持した状態で、前記金型に けられた充填口から前記基体用混合物を前 金型内に充填してもよい。

 さらに、前記素子成形体を作製する工程 おいて、前記通電部用成形体を複数の前記 持部材を用いて前記金型内に保持した状態 、前記複数の支持部材のうち前記充填口に い方の支持部材から順に前記通電部用成形 から離隔させながら、前記充填口から前記 体用混合物を前記金型内に充填してもよい

 また、前記素子成形体を作製する工程に いて、前記金型が、一方側および他方側に いに対向配置された少なくとも2つの金型部 材を有し、これらの金型部材のうち一方側に 配置された第1の金型部材の内面に前記通電 用成形体が配置され、他方側に配置された 2の金型部材の内面と前記通電部用成形体の 方側の表面との間にキャビティが設けられ 状態で、このキャビティに前記基体用混合 を充填した後、前記第1の金型部材を第3の 型部材と交換して、この第3の金型部材の内 と前記通電部用成形体の一方側の表面との にキャビティが設けられた状態で、このキ ビティに前記基体用混合物を充填すること よって、前記通電部用成形体が前記基体用 合物で覆われた前記素子成形体を作製して よい。

 本発明の他の導体内蔵セラミックスの製 方法は、導電性セラミックス粉末およびバ ンダーを含む通電部用混合物を用いて通電 用成形体を作製する工程と、絶縁性セラミ クス粉末およびバインダーを含む基体用混 物を用いて複数の基体用成形体を作製する 程と、前記通電部用成形体を前記基体用成 体間に配置して前記通電部用成形体を前記 体用成形体で覆うとともに、前記基体用成 体間を接着することにより素子成形体を作 する工程と、前記素子成形体を焼成する工 とを備えたことを特徴とする。

 また、上記構成において、前記通電部用 合物に含まれる前記バインダーのガラス転 点をTg(A)とし、前記基体用混合物に含まれ 前記バインダーのガラス転移点をTg(B)とする とき、これらの関係はTg(B)<Tg(A)を満足する とが好ましい。

 また、上記構成において、前記通電部用 合物の粘度が100mPa・sになる温度をTv(A)とし 前記基体用混合物の粘度が100mPa・sになる温 度をTv(B)とするとき、これらの関係はTv(B)<T v(A)を満足することが好ましい。

 また、上記構成において、前記焼成工程 前に、前記バインダーが可溶な溶媒に前記 子成形体を浸漬することにより素子成形体 における前記溶媒可溶のバインダーを抽出 る工程をさらに備えていることが好ましい

 本発明によれば、通電部用成形体を金型 に保持し、絶縁性セラミックス粉末および インダーを含む基体用混合物を前記金型内 充填することにより、通電部用成形体が基 用混合物で覆われた素子成形体を作製する で、通電部と基体との間に空隙が生じるの 抑制できるとともに、脱脂時や焼成時に素 成形体内に外部からの異物や埃等が混入す のを抑制できる。これにより焼成後に変形 生じるのを抑制することができ、また、ク ック,断線,絶縁破壊等の発生を抑制できる

 以下、本発明の一実施形態にかかる導体 蔵セラミックスの製造方法について、図面 参照して詳細に説明する。

 <第1の実施形態>
 図1(a)~(f)は、それぞれ本実施形態にかかる 造方法を示す横断面図である。本実施形態 かかる製造方法は、導電性セラミックス粉 およびバインダーを含む通電部用混合物(コ パウンド)を用いて射出成形で通電部用成形 体11を作製する工程(図1(a))と、通電部用成形 11を射出成形用金型13内に保持し(図1(b))、絶 縁性セラミックス粉末およびバインダーを含 む基体用混合物15(スラリーまたはコンパウン ド)を金型13内に充填する(図1(c)~(e))ことによ 、通電部用成形体11が基体用混合物15で覆わ た素子成形体17を作製する工程(図1(f))と、 子成形体17を焼成する工程とを備えている。

 具体的には、図1(c)~(e)に示すように、素 成形体17を作製する工程において、通電部用 成形体11の一部を支持する支持部材19により 電部用成形体11を金型13内に保持した状態で 金型13に設けられた充填口13aから基体用混 物15を金型13内に充填する。

 なおここで「コンパウンド」とは、樹脂 どのバインダー中にセラミックスを分散さ たものであり、溶剤分を含まず、室温では 体状のものをいう。また「スラリー」とは 溶剤,分散剤,バインダー,セラミックスなど 混合したものであり、室温では液体状のも をいう。

 本実施形態では、通電部用成形体11を複 の棒状のピン(支持部材)19を用いて金型13内 保持している。この状態で、複数のピン19の うち充填口13aに近い方のピン19から順に通電 用成形体11から離隔させながら、充填口13a ら基体用混合物15を金型13内に充填する。こ により、通電部用成形体11と基体用混合物15 間に空隙が生じるのを抑制できるとともに、 脱脂時や焼成時に素子成形体17内に外部から 異物や埃等が混入するのを抑制できる。そ 結果、焼成後に変形が生じるのを抑制する とができ、また、クラック,断線等の発生を 抑制できる。ピン19を通電部用成形体11から 隔させるには、例えば金型13の内部にピン19 格納する空間を設けておき、この格納空間 ピン19を順次収納していけばよい。また、 実施形態にかかる製造方法によれば、素子 形体17が複雑な形状であっても自由に成形す ることができる。

 通電部用成形体11を構成するセラミックス 料としては特に限定されるものではないが 例えばタングステンカーバイト(WC)などを使 することができる。このタングステンカー イドを主成分とし、必要に応じて窒化珪素( Si 3 N 4 ),窒化ホウ素(BN),タングステン(W),タンタル(Ta) ,モリブデン(Mo),レニウム(Re)等を添加するこ によって導体の抵抗値を最適化することが きる。

 素子成形体17を形成するセラミックス材料 しては特に限定されるものではないが、例 ば窒化珪素(Si 3 N 4 ),窒化アルミニウム(AlN)などを使用すること できる。これらを主成分とし、必要に応じ Y 2 O 3 ,Yb 2 O 3 ,Er 2 O 3 ,Al 3 O 3 ,BN,SiO 2 等を添加することによって電気絶縁性および 導体内蔵セラミックスの強度を向上させるこ とができる。

 本実施形態におけるバインダーとしては 例えば熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑 樹脂の具体例としては、例えばポリプロピ ン,ポリエチレン,ポリスチレン,スチレン酢 共重合体,ナイロン,パラフィンワックス,ポ ブチルメタクリレート,ポリメチルメタクリ レート(PMMA)等が挙げられる。これらのうちか ら1種ないし2種以上のものを選択することが きる。

 また、通電部用混合物に含まれるバイン ーのガラス転移点をTg(A)(以下、単位は℃)と し、基体用混合物に含まれるバインダーのガ ラス転移点をTg(B)(以下、単位は℃)とすると 、これらの関係はTg(B)<Tg(A)を満足すること が好ましい。この関係を満足することで、素 子成形体作製工程において通電部用成形体11 基体用混合物15で覆う際に、通電部用成形 11が変形したり溶解したりするのを抑制する ことができる。これにより、所望の形状によ り近い形状の素子成形体17を得ることができ ので、所望の発熱特性を備えた導体内蔵セ ミックスを得ることができる。

 また、通電部用混合物の粘度が100mPa・sに なる温度をTv(A)(以下、単位は℃)とし、基体 混合物の粘度が100mPa・sになる温度をTv(B)(以 、単位は℃)とするとき、これらの関係はTv( B)<Tv(A)を満足することが好ましい。この関 を満足することで、素子成形体作製工程に いて通電部用成形体11を基体用混合物15で覆 う際に、上記と同様に通電部用成形体11が変 したり溶解したりするのを抑制することが きる。これにより、所望の形状により近い 状の素子成形体17を得ることができる。

 また、本実施形態にかかる製造方法は、 成工程の前に脱脂工程をさらに備えている とが好ましい。具体的には、上記工程で作 された素子成形体17に離型剤を塗布した後 例えば窒素雰囲気下で400℃,8時間の加熱脱脂 工程を実施する。その後、例えば非酸化雰囲 気で焼成することによって焼結体(本発明の 体内蔵セラミックス)を得ることができる。 られた焼結体については、必要に応じて所 の形状に外周加工を施してもよい。

 また、脱脂工程は、バインダーが可溶な 媒に素子成形体17を浸漬することにより素 成形体17中における溶媒可溶のバインダーを 抽出する方法を用いてもよい。この脱脂工程 の場合、まず素子成形体17を溶媒に浸漬し、 子成形体17中の溶媒可溶のバインダーを抽 して脱脂を行なう。次いで、脱脂後の素子 形体17に離型剤を塗布し、例えば非酸化雰囲 気で焼成することによって焼結体を得ること ができる。

 溶媒に浸漬する脱脂工程に用いる溶媒とし は、例えばアセトン,メチルエチルケトン, チルイソブチルケトン等のケトン類,シクロ キサン,へキサン,シクロへプタン,へプタン, オクタン,ノナン,デカン等の炭化水素系溶媒, ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族系溶 ,α-ピネン,リモネン,テルピネオール等のテ ペン系,トルエン,キシレンの芳香族系溶媒 どから適宜選択することができる。この脱 工程に用いるバインダーとしては、上記溶 に可溶なものを選択すればよい。
<第2の実施形態>
 次に、本発明の第2の実施形態にかかる製造 方法について説明する。この製造方法は、図 2に示すように、素子成形体作製工程におい 、通電部用成形体11を基体用混合物15で被覆 る際に、通電部用成形体11の一部を基体用 合物15により被覆した後、残りの部分を基体 用混合物15により被覆する。これにより、素 成形体33を作製することができる。具体例 以下に示す。

 図2(a)~(d)は、それぞれ本発明の第2の実施 態にかかる製造方法を示す横断面図である 図2(a)~(d)に示すように、本実施形態にかか 製造方法は、前記第1の実施形態とは素子成 体33を作製する工程が異なっている。

 本実施形態における素子成形体作製工程 は、射出成形用金型23として、一方側およ 他方側に互いに対向配置された複数の金型 材25,27,31を用いる。まず、これらの金型部材 25,27,31のうち一方側に配置された第1の金型部 材25の内面25aに、一方側の面11aが接するよう 通電部用成形体11が配置される。このとき 他方側に配置された第2の金型部材27の内面27 aと通電部用成形体11の他方側の表面11bとの間 にキャビティ29が設けられている。この状態 、充填口23aを通じてキャビティ29に基体用 合物15を充填して射出成形する(図2(b))。

 次いで、第1の金型部材25を第3の金型部材 31と交換する。この第3の金型部材31の内面31a 通電部用成形体11の一方側の表面11aとの間 はキャビティ29が設けられている。この状態 で、充填口23bを通じてキャビティ29に基体用 合物15を充填して射出成形する(図2(c))。こ により、通電部用成形体11が基体用混合物15 覆われた素子成形体33が得られる。

 このような製造方法によれば、素子成形体3 3が細いあるいは小さい等の折損が生じやす 構造の場合であっても、第1の実施形態と比 して安定して素子成形体33を作製すること できる。また、この方法によれば、第1の実 形態と同様に、通電部用成形体11と基体用 合物15との間に空隙が生じるのを抑制できる とともに、脱脂時や焼成時に素子成形体33内 外部からの異物や埃等が混入するのを抑制 きる。これにより、焼成後に変形が生じる を抑制することができ、また、クラック,断 線等の発生を抑制できる。
<第3の実施形態>
 図3(a),(b)は本発明の第3の実施形態にかかる 造方法を示す横断面図である。図3(a),(b)に すように、本実施形態にかかる製造方法は 導電性セラミックス粉末およびバインダー 含む通電部用混合物(コンパウンド)を用いて 射出成形で通電部用成形体11を作製する工程( 図3(a))と、絶縁性セラミックス粉末およびバ ンダーを含む基体用混合物(コンパウンド) 用いて射出成形で2つの基体用成形体35,37を 製する工程(図3(a))と、通電部用成形体11を基 体用成形体35,37間に配置し、基体用成形体35,3 7間を接着することにより、通電部用成形体11 が基体用成形体35,37で覆われた素子成形体39 作製する工程(図3(b))と、素子成形体39を焼成 する工程とを備えている。

 このように本実施形態にかかる製造方法 は、基体用成形体35,37間を接着面41において 接着することにより、脱脂時や焼成時に基体 間の界面に隙間が生じるのを抑制できる。こ れにより、脱脂時や焼成時に基体間から埃や 異物が進入するのを抑制できるので、クラッ ク,断線,絶縁破壊等の発生が抑制された、安 した製品を得ることができる。

 本実施形態において基体用成形体35,37間 接着する方法としては、例えば接着剤を用 る方法が挙げられる。この接着剤としては 例えばアクリル系,エポキシ系,ポリウレタン 系,ポリオレフィン系等の接着剤が挙げられ 。これらの接着剤は1液硬化タイプ,2液硬化 イプ,3液硬化タイプなどの接着剤を用いるこ とができる。また、基体用成形体35,37間を接 する方法としては、例えば超音波ウエルダ ,高周波ウエルダー,レーザ溶着等の手法を いてもよい。これらの方法を用いる際に、 に温度をかけて接着する場合においては、 電部用成形体11が基体用成形体35,37よりも先 軟化するのを防止するために、Tg(B)<Tg(A) 関係を満足することが好ましい。この関係 満足することで、通電部用成形体11が変形し たり溶解したりするのを抑制することができ る。これにより、所望の形状により近い形状 の素子成形体39を得ることができるので、所 の発熱特性を備えた導体内蔵セラミックス 得ることができる。

 本発明の導体内蔵セラミックスは、例え 半導体製造用ヒータ等のセラミックヒータ どの種々のセラミック製品に適用すること できる。

 (実施例1)
 WC粉末とSi 3 N 4 粉末とポリプロピレンとを表1に示す割合で むコンパウンド(Tg=140℃,Tv=190℃)を用いて射 成形により通電部用成形体を成形した。こ 通電部用成形体を金型内に保持した状態で アクリル樹脂(Tg=50℃),エチルアルコール,Si 3 N 4 粉末を表1に示す割合で含むスラリーで射出 形により通電部用成形体を被覆(埋包)するこ とによって素子成形体を作製した。次いで、 この素子成形体を加熱脱脂した後、焼成する ことによって焼結体(導体内蔵セラミックス) 得た。この導体内蔵セラミックスの抵抗値 よび抗折強度を下記方法により評価した。 お、加熱脱脂条件は250℃×1時間とし、焼成 件は1800℃×3時間とした。

 (実施例2)
 通電部用成形体の材料としてWC粉末とSi 3 N 4 粉末とポリエチレンとを表1に示す割合で含 コンパウンド(Tg=90℃,Tv=150℃)を用い、通電部 用成形体を被覆する材料としてアクリル樹脂 (Tg=50℃),イソプロピルアルコール,Si 3 N 4 粉末を表1に示す割合で含むスラリーを用い 他は、実施例1と同様にして焼結体を得た。 の焼結体の抵抗値および抗折強度を実施例1 と同様にして評価した。

 (実施例3)
 通電部用成形体の材料としてWC粉末とBN粉末 とパラフィンワックスとを表1に示す割合で むコンパウンド(Tg=70℃,Tv=120℃)を用い、通電 部用成形体を被覆する材料としてイソパラフ ィンワックスとSi 3 N 4 粉末を表1に示す割合で含むコンパウンド(Tg=4 0℃,Tv=70℃)を用いた他は、実施例1と同様にし て焼結体を得た。この焼結体の抵抗値および 抗折強度を実施例1と同様にして評価した。

 (実施例4)
 通電部用成形体の材料としてWC粉末とSi 3 N 4 粉末とポリスチレン(Tg=90℃)とパラフィンワ クス(Tg=70℃)とを表1に示す割合で含むコンパ ウンド(Tv=180℃)を用い、通電部用成形体を被 する材料としてポリスチレン(Tg=90℃),イソ ラフィンワックス(Tg=40℃),Si 3 N 4 粉末を表1に示す割合で含むコンパウンド(Tv=1 50℃)を用いた他は、実施例1と同様にして素 成形体を作製した。次いで、この素子成形 を、α-ピネンを用いて溶媒脱脂を行なった 、焼成することによって、焼結体(導体内蔵 ラミックス)を得た。この導体内蔵セラミッ クスの抵抗値および抗折強度を実施例1と同 にして評価した。

 (実施例5)
 WC粉末とSi 3 N 4 粉末とイソパラフィンワックスとを表1に示 割合で含むコンパウンド(Tg=70℃,Tv=120℃)を用 いて射出成形により通電部用成形体を作製し た。また、パラフィンワックスとSi 3 N 4 粉末とを表1に示す割合で含むコンパウンド(T g=40℃,Tv=70℃)を用いて射出成形により基体用 形体を複数作製した。次いで、基体用成形 間に通電部用成形体を挟み込み、基体用成 体同士の界面をレーザ溶着することによっ 素子成形体を作製した。この素子成形体を 熱脱脂し、焼成することによって焼結体(導 体内蔵セラミックス)を得た。この導体内蔵 ラミックスの抵抗値および抗折強度を実施 1と同様にして評価した。

 (比較例1)
 WC粉末とSi 3 N 4 粉末とパラフィンワックスとを表2に示す割 で含むコンパウンド(Tg=60℃,Tv=110℃)を用いて 射出成形により通電部用成形体を作製した。 この通電部用成形体を金型内に保持した状態 で、パラフィンワックスとWC粉末とを表2に示 す割合で含むコンパウンド(Tg=70℃,Tv=120℃)で 出成形により通電部用成形体を被覆するこ によって素子成形体を作製した。次いで、 の素子成形体を加熱脱脂した後、焼成する とによって焼結体(導体内蔵セラミックス) 得た。この導体内蔵セラミックスの抵抗値 よび抗折強度を実施例1と同様にして評価し 。なお、加熱脱脂条件は250℃×1時間とし、 成条件は1800℃×3時間とした。

 (比較例2)
 WC粉末とSi 3 N 4 粉末とイソパラフィンワックスとを表2に示 割合で含むコンパウンド(Tg=70℃,Tv=120℃)を用 いて射出成形により通電部用成形体を作製し た。また、パラフィンワックスとSi 3 N 4 粉末とを表2に示す割合で含むコンパウンド(T g=40℃,Tv=70℃)を用いて射出成形により基体用 形体を複数作製した。次いで、基体用成形 間に通電部用成形体を挟み込むことにより 子成形体を作製した。この素子成形体を加 脱脂し、焼成することによって、焼結体(導 体内蔵セラミックス)を得た。この導体内蔵 ラミックスの抵抗値および抗折強度を実施 1と同様にして評価した。なお、加熱脱脂条 は250℃×1時間とし、焼成条件は1800℃×3時間 とした。

 セラミックヒータの通電部の抵抗値はプ スおよびマイナスの端子電極間をテスター 測定した。抗折強度については、東洋精機 作所製ストログラフを用いて片持ち強度を 定した。結果を表3に示す。

 表3に示すように、実施例1から実施例5に す導電性セラミックスについては、抵抗値 設計通りの値を示しており、抗折強度に問 もないことが確認され、導体内蔵セラミッ スとしての機能を果たすことが確認された

 比較例1は、基体にWC粉末を使用しており 焼成が十分できないだけでなく、焼結後は 体が通電部となってしまうため、導体内蔵 ラミックスとしての機能を果たさなかった

 比較例2は、基体間を接着せずに、素子成 形体に離型剤を塗布した後、脱脂・焼成を実 施しため、離型剤成分が基体間に進入し、異 物として導電体内もしくは周囲に存在してい た。このため、導電体がショートしてしまい 、導体内蔵セラミックスとしての機能を果た さなかった。

(a)~(f)は、それぞれ本発明の第1の実施 態にかかる製造方法を示す概略断面図であ 。 (a)~(d)は、それぞれ本発明の第2の実施 態にかかる製造方法を示す概略断面図であ 。 (a),(b)は、それぞれ本発明の第3の実施 態にかかる製造方法を示す概略断面図であ 。

符号の説明

11・・・・・・・・・通電部用成形体
13・・・・・・・・・金型
13a・・・・・・・・充填口
15・・・・・・・・・基体用混合物
17・・・・・・・・・素子成形体
19・・・・・・・・・ピン(支持部材)
23・・・・・・・・・金型
23a,23b・・・・充填口
25・・・・・・・・・第1の金型部材
27・・・・・・・・・第2の金型部材
29・・・・・・・・・キャビティ
31・・・・・・・・・第3の金型部材
33・・・・・・・・・素子成形体
35,37・・・・・・基体用成形体
39・・・・・・・・・素子成形体
41・・・・・・・・・接着面