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Title:
PROCESS FOR PRODUCING SUBSTRATE WITH CONCAVE AND CONVEX PATTERN, AND SUBSTRATE WITH CONCAVE AND CONVEX PATTERN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/048012
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a process for producing a substrate with a concave and convex pattern, comprising a concave and convex pattern structure in a substrate, which can realize good transfer and a good production efficiency. The production process comprises the step of superimposing a mold, which has an inverted concave and convex pattern structure of a concave and convex pattern structure in a substrate to be produced and is permeable to a solvent, onto the substrate while interposing a material solution of a material for constituting the concave and convex pattern structure dissolved in the solvent between the mold and the substrate, the step of evaporating the solvent from the mold on its side remote from the inverted concave and convex pattern structure, and the step of separating the mold and the substrate from each other.

Inventors:
SATO AKIRA (JP)
OKANO TAKAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067921
Publication Date:
April 16, 2009
Filing Date:
October 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KONICA MINOLTA HOLDINGS INC (JP)
SATO AKIRA (JP)
OKANO TAKAYUKI (JP)
International Classes:
B29C59/02; B29C33/38; B29L11/00; G02F1/1335; G02F1/1337
Foreign References:
JP2003100609A2003-04-04
JPS5340066A1978-04-12
JP2007173806A2007-07-05
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Claims:
基板に凹凸パターン構造を有する凹凸パターン基板の製造方法において、
前記凹凸パターン構造を成す材料を溶媒に溶かした材料溶液を、前記凹凸パターン構造の反転凹凸パターン構造を有し、前記溶媒を透過する型と前記基板との間に介在させ、前記型と前記基板とを重ね合わせる工程と、
前記型と前記基板とを重ね合わせた後、前記型の前記反転凹凸パターン構造を有する側の反対側から前記溶媒を蒸発させる工程と、
前記溶媒を蒸発させた後、前記型と前記基板とを分離する工程と、を有することを特徴とする凹凸パターン基板の製造方法。
前記重ね合わせる工程は、前記型に前記材料溶液を塗布し、塗布した前記材料溶液の上に前記基板を重ね合わせることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の凹凸パターン基板の製造方法。
前記重ね合わせる工程は、前記基板に前記材料溶液を塗布し、塗布した前記材料溶液の上に前記型を重ね合わせることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の凹凸パターン基板の製造方法。
前記型は前記溶媒を吸収し、前記溶媒は前記型の中を透過して前記型の前記反転凹凸パターン構造を有する側の反対側から蒸発することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項の何れか一項に記載の凹凸パターン基板の製造方法。
前記型は多孔性であり、前記溶媒は該孔を透過して前記型の前記反転凹凸パターン構造を有する側の反対側から蒸発することを特徴とする請求の範囲第1項乃至第3項の何れか一項に記載の凹凸パターン基板の製造方法。
前記型における前記溶媒の透過量は50g/m 2 ・day以上であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項の何れか一項に記載の凹凸パターン基板の製造方法。
請求の範囲第1項乃至第6項の何れか一項に記載の凹凸パターン基板の製造方法により製造されたことを特徴とする凹凸パターン基板。
Description:
凹凸パターン基板の製造方法及 凹凸パターン基板

 本発明は、凹凸パターン基板の製造方法 び凹凸パターン基板に関する。

 ディスプレイなどの分野では凹凸パター 構造が設けられた凹凸パターン基板が望ま ている。凹凸パターン基板は、例えば波長 りも短いピッチの凹凸パターン構造を備え ことで、構造性複屈折を利用した位相差フ ルム、偏光子や液晶の配向膜、反射防止構 などにも利用できる。

 このような凹凸パターン基板の製造方法 して、凹凸パターン構造を有する型に、樹 等を溶媒で溶解した成形可能な樹脂溶液を 布し、その後乾燥・固化して形成する樹脂 に型が有する凹凸パターン構造を転写する 法が知られている(ナノキャストともいう) この方法は、凹凸パターン構造を有する大 積の凹凸パターン基板を比較的容易に作製 ることが出来る。

 特許文献1では、凹凸パターン構造を有す る支持体(型)面にトリアセチルセルロースを 解したドープ(溶液)を流延し、溶媒が蒸発 て固化した後に得られたフィルム(基板)を支 持体(型)から剥離する手法が提案されている

 特許文献2では、凹凸パターン構造を有す る走行ベルトにポリマー溶液を塗布し、塗布 膜を乾燥・固化して凹凸パターン構造を形成 した後に、塗布膜を剥離する凹凸パターン基 板(光学フィルム)の製造方法が提案されてい 。凹凸パターン構造を有する走行ベルトか 塗布膜を剥離する場合、塗布膜に転写され 微細凹凸パターン形状が変形しないように シート(基板)を接着させながら剥離する手 が提案されている。

 また、特許文献3では、有機溶剤及びポリマ ーを含有す転写材料を、転写型と基板との間 に介在させた状態で、転写型と基板とを密着 させ、有機溶剤の一部を乾燥させ、転写材料 によって形成される転写膜を基板と共に転写 型から剥離する方法が提案されている。介在 している転写材料が含む有機溶剤をある程度 残存した状態で離型すると、特に高アスペク ト比の凹凸パターン構造の場合、型に転写材 料が残ることなく良好に離型できるとしてい る。

特開平10-119067号公報

特開2004-230614号公報

特開2007-83449号公報

 しかしながら、特許文献1に記載してある 製造方法で製造される凹凸パターン構造を有 するトリアセチルセルロースフィルムは、好 ましい厚みが20μmから200μmとしており、使用 る場合はポリビニルアルコールフィルム等 積層している。このため、一旦製造した凹 パターン構造を有するトリアセチルセルロ スフィルムをポリビニルアルコールフィル 等の別の基板に貼り合わせる必要がある。 のため製造工程が煩雑となる。

 特許文献2に記載してある別基板に接着さ せながらベルトから剥離する場合、基板に別 途接着層を設ける必要があり、製造工程が煩 雑になる。また、凹凸パターン基板を光学素 子に使用する場合、屈折率の関係より使用出 来る接着剤が限定されるため、材料選択の自 由度が狭くなってしまう。

 特許文献3に記載してある製造方法におい ては、転写型と基板との間の転写材料が含む 有機溶剤を十分に乾燥させない状態で離型す ると、残存している有機溶剤のため、離型後 転写により形成された凹凸形状が溶け出して しまい、離型当初の凹凸パターン構造が得ら れないという問題があった。

 本発明は、上記の課題を鑑みてなされた のであって、その目的とするところは、転 が良好で製造効率の良い凹凸パターン基板 製造方法及びこの製造方法で製造された凹 パターン基板を提供することである。

 上記の課題は、以下の構成により解決さ る。

 1. 基板に凹凸パターン構造を有する凹凸パ ターン基板の製造方法において、
前記凹凸パターン構造を成す材料を溶媒に溶 かした材料溶液を、前記凹凸パターン構造の 反転凹凸パターン構造を有し、前記溶媒を透 過する型と前記基板との間に介在させ、前記 型と前記基板とを重ね合わせる工程と、
前記型と前記基板とを重ね合わせた後、前記 型の前記反転凹凸パターン構造を有する側の 反対側から前記溶媒を蒸発させる工程と、
前記溶媒を蒸発させた後、前記型と前記基板 とを分離する工程と、を有することを特徴と する凹凸パターン基板の製造方法。

 2. 前記重ね合わせる工程は、前記型に前 記材料溶液を塗布し、塗布した前記材料溶液 の上に前記基板を重ね合わせることを特徴と する1に記載の凹凸パターン基板の製造方法

 3. 前記重ね合わせる工程は、前記基板に 前記材料溶液を塗布し、塗布した前記材料溶 液の上に前記型を重ね合わせることを特徴と する1に記載の凹凸パターン基板の製造方法

 4. 前記型は前記溶媒を吸収し、前記溶媒 は前記型の中を透過して前記型の前記反転凹 凸パターン構造を有する側の反対側から蒸発 することを特徴とする1乃至3の何れか一項に 載の凹凸パターン基板の製造方法。

 5. 前記型は多孔性であり、前記溶媒は該 孔を透過して前記型の前記反転凹凸パターン 構造を有する側の反対側から蒸発することを 特徴とする1乃至3の何れか一項に記載の凹凸 ターン基板の製造方法。

 6. 前記型における前記溶媒の透過量は50g/m 2 ・day以上であることを特徴とする1乃至5の何 か一項に記載の凹凸パターン基板の製造方 。

 7. 1乃至6の何れか一項に記載の凹凸パタ ン基板の製造方法により製造されたことを 徴とする凹凸パターン基板。

 本発明によれば、反転凹凸パターン構造 有する型と基板との間に材料溶液を介在さ て、型と基板とを重ね合わせた後、溶媒を 発させ、型と基板とを分離することで、凹 パターン構造を成す材料によって形成され 凹凸パターン構造を備えた基板を得ている この時、型は、反転凹凸パターン構造を有 る側から反対側に溶媒を透過することがで るため、凹凸パターン構造を形成する領域 体の型の反対側から溶媒を蒸発させること できる。よって、基板が溶媒を透過するこ ができる、できないに関わらず、より速く 料溶液の溶媒を蒸発させることができるた 、凹凸パターン構造を成す材料によって形 される凹凸パターン構造が変形しないで、 と基板を分離できるまでの乾燥時間をより くできる。

 従って、転写が良好で製造効率の良い凹 パターン基板の製造方法及びこの製造方法 製造された凹凸パターン基板を提供するこ ができる。

凹凸パターン基板の製造工程の一例を す図である。 凹凸パターン基板の製造工程の一例を す図である。 比較例として凹凸パターン基板の製造 程の一例を示す図である。

符号の説明

 10 型
 12 材料溶液
 12a 凹凸パターン構造層
 12b 薄膜
 13 基板
 31 ガラス基板
 A 凹凸パターン構造

 本発明を図示の実施の形態に基づいて説 するが、本発明は該実施の形態に限らない 本発明に係わる凹凸パターン基板は、樹脂 ィルムやガラス基板等の基板と凹凸パター 構造が形成された凹凸パターン構造層とか 構成されている。凹凸パターン構造層は、 凸パターン構造を成す材料を溶質として溶 した溶液(以下、材料溶液と称する。)を基 に塗布し、凹凸パターン構造を有する型を ね合わせて、材料溶液を乾燥・固化させた 、離型して得ている。このようにすること 、凹凸パターン構造層を一旦得た後、基板 貼り合わせる工程を設けることがないため 造工程は煩雑とならず、また、貼り合わせ ための接着剤も不要である。

 しかしながら、凹凸パターン構造層とな 材料溶液は、型と基板との間に介在してい 状態で乾燥・固化させる必要がある。型と 板との間隔は、例えば数μmから数十μm程度 あり、一方、型や基板の大きさは数mm角か 大きい場合は数m角となる。よって、型と基 との間隔のみで材料溶液の溶媒を蒸発させ には、多大の時間が必要となる。使用する 板によっては、材料溶液の溶媒を吸収した して、材料溶液と接している側と反対側に 媒を移動させて溶媒を蒸発させることがで るものもあるが、基板選択の自由度が狭く ってしまい、要望に十分に応えるのが困難 なってしまう。

 そこで、本発明者らは、凹凸パターン構 を有する型が、材料溶液の溶媒を透過でき 性質を備えているとした。このため、型の 凸パターン構造が形成されている領域全体 側の反対側から溶媒を蒸発させることがで る。このため、材料溶液の乾燥・固化が大 に容易となり、凹凸パターン基板の製造時 を大幅に短くすることができる。又、基板 選択の自由度を広くすることができる。

 特許文献3においては、高アスペクト比の 凹凸パターン構造を転写する際には、溶媒を 一部残存している方が容易に離型できるとし ているが、アスペクト比や離型処理を考慮す ることで、十分に溶媒を蒸発させ、離型後の 残存溶媒による凹凸パターン構造の変形を生 じることなく良好に離型できる。又、溶媒の 一部を残存しておく場合でもあっても、必要 とされる溶媒の残存状態に至るまでに溶媒を より速く蒸発させることができる。

 図1に凹凸パターン基板の製造工程を示し 、以下、これに沿って上述の凹凸パターン基 板に関して説明する。

 (凹凸パターン構造を備えた型の作製)
 後述する塗布した材料溶液に凹凸パターン 造を転写するための凹凸パターン構造Aを有 する型10を作製する(図1(a))。型10が有する凹 パターン構造Aは、本来、基板13に形成され 凹凸パターン構造の反転形状を有する凹凸 ターン構造であるが、本発明に関わる説明 は特に断らない限り「反転形状」を省略し 凸パターン構造と記する。

 型10の作製方法としては、例えば以下の 法があるが、これらに限定されない。基材 レジストを塗布し、このレジストに光描画( スク露光、縮小投影露光、干渉露光など)、 電子線描画、X線描画などの手法で潜像を形 し、現像する公知の方法で凹凸パターン構 に対応するレジストパターンを形成する。 に大面積の凹凸パターン構造を生産性よく 成する手法としては、2光束干渉露光などの 描画手法が優れている。形成されたレジス パターンをマスクとして、エッチングを行 ことにより基材に凹凸パターン構造を形成 ることができる。

 この基材が、溶媒を透過できる多孔性基板 例えば焼結セラミック基板とすれば、その ま型10として使用出来る。また、この基材 、溶媒を通さない例えばシリコン、石英ガ ス、金属等として凹凸パターン構造を形成 てこれを一次型にする。この一次型を用い 、溶媒を透過できる材料を用いて、例えば 下に示す(1)から(3)の方法を用いて二次型を 成し、この二次型を型10とすることもできる 。
(1)キャストインプリント法:溶媒に樹脂等を かした溶液を一次型に塗布し、その溶液を 燥させた後に一次型から剥離することで、 凸パターン構造を転写して二次型とする方
(2)熱インプリント法:加熱した状態で、基板 は基板に塗布した材料に対して、一次型を 定の圧力で押し付けて、冷却後に一次型か 剥離することで凹凸パターン構造を転写し 二次型とする方法
(3)光インプリント法:基板と一次型の間に光 化性樹脂を挟み込んだ状態で、光を照射し 光硬化性樹脂を硬化させた後に一次型から 離することで凹凸パターン構造を転写して 次型とする方法
 型10が溶媒を透過できるとは、型が多孔性 材料のように、溶媒又は蒸発した溶媒が型 中を透過できることを示し、型の材料溶液 接している側の反対側から溶媒を蒸発する 型が溶媒を吸収して、型の中を溶媒が透過 て反対側から蒸発する等が挙げられる。型 溶媒を吸収する場合、型の変形が問題とな ない程度であれば、体積変化(例えば膨潤)し てもよい。この様な溶媒を透過できる型の材 料を、使用する溶媒に合わせて適宜選択して 、上述した方法等により凹凸パターン構造を 備えた型10を作製することができる。

 型10を多孔性の材料で形成する場合、そ 孔の大きさは作成する凹凸パターンの大き 或いは使用する溶媒等により適宜選択され が、一例として直径2nm程度が挙げられる。 の大きさがこの程度の場合、比較的大きな 子となる溶媒でも孔を通過することが出来 、且つ作成する凹凸パターンに対して十分 小さく、パターンに与える影響を無視出来 。

 また型10の好ましい溶媒透過量としては、50 g/m 2 ・day以上が挙げられる。また、より好ましく は100g/m 2 ・day以上、さらに好ましくは200g/m 2 ・day以上の溶媒透過量を例示出来る。これら の溶媒透過量を確保することにより効率良く 凹凸パターン基板を作成することが可能とな る。

 また、型10の表面に離型処理剤を塗布し ものを用いてもよい。離型処理剤としては オプツール(商標、ダイキン工業(株)製)、Nove c(商標、3M社製)などに代表されるフッ素系の 型処理剤が好ましく用いられる。サブミク ンサイズの微細な凹凸パターン構造の型へ 離型処理としては、単分子型の離型処理剤 望ましい。

 (材料溶液)
 型10に塗布する材料溶液12を準備する。材料 溶液12の溶質は、材料溶液12を型10に塗布した 後、乾燥させて、その溶媒を蒸発除去するこ とで型10の凹凸パターン構造が転写された凹 パターン構造層12a(後述)を形成することが きる材料である。材料の例としては、ポリ ニルアルコール(PVA)、スピンオングラス(SOG) が挙げられるがこれらに限定されない。材 溶液12の溶媒は、上述の溶質を溶かすのは 論であるが、型10や基板13(後述)を容易に溶 せず、また、型10や基板13が吸収して問題と る状態に変形させてしまわない性質のもの よい。

 材料溶液12は、上述した溶質及び溶媒か なり、使用する型10や基板13の材料の組み合 せより適宜選択すればよい。材料溶液12の 媒、型10の材料の例としては、PVAに対しては 、溶媒が水、型の材料がトリアセチルセルロ ース(TAC)、SOGに対しては、溶媒がメチルイソ チルケトン(MIBK)、型の材料がポリメチルペ テン(PMP)等が挙げられる。上記のTAC及びPMP 、型が溶媒を吸収して、型の中を溶媒が透 して反対側から蒸発する型の材料である。

 (基板)
 凹凸パターン構造層12a(後述)が形成される 板13の材料は、例えばポリカーボネート(PC) トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメ タクリレート(PMMA)等の樹脂基板やガラス基板 等が挙げられる。材料溶液12の溶媒に容易に 解しない材料であれば、上記の材料に限定 れない。尚、基板13が材料溶液12の溶媒を透 過できる性質は、有していても有していなく てもどちらでもよいが、より乾燥時間を短く するという観点からは、溶媒を透過できる性 質を有している方がより好ましい。

 (材料溶液の塗布)
 基板13の上に材料溶液12を塗布する(図1(b))。 材料溶液12を型10に塗布する手法としては、 下、スピンコート、グラビアコーター、デ ップコーター、リバースコーター、ワイヤ バーコーター、押出しコーター、インクジ ット法等公知の方法で塗布することが出来 が、これらに限定されない。

 材料溶液12の粘度は型10の微細構造に液状 組成物である材料溶液12を十分に充填して転 性を良好とする観点から低粘度のほうが好 しい。一方で、低粘度としすぎると乾燥時 が長くなってしまい効率が低下してしまう よって、上記の観点や製造効率等を勘案し 適宜決めればよい。

 型10の上に塗布する材料溶液12の厚みは、 型10が有する凹凸パターン構造を後述の材料 液12を乾燥・固化してなる凹凸パターン構 層12aとして転写することができる厚みであ ばよい。

 (型と基板の重ね合わせ)
 基板13の上に材料溶液12を塗布した後、凹凸 パターン構造Aが形成された型10を重ね合わせ る(図1(b)、図中、矢印で示す。)。型10と基板1 3とを重ね合わせた状態を図1(c)に示す。

 (乾燥と分離)
 型10と基板13とを重ね合わせた状態で、型10 基板13に挟まれている材料溶液12を乾燥させ る。この時、材料溶液12の溶媒は、型10を透 して蒸発する。溶媒は、型10と基板13との隙 からも蒸発・乾燥するが、溶媒が蒸発する 積は、型10が占める面積が圧倒的に広い。 のため、型が溶媒を透過しない場合に比較 て、材料溶液12の溶媒をより速く蒸発させる ことができる。基板13が溶媒を透過すること 考えられるが、この場合と比較しても、基 13からの蒸発に加えて同程度の面積を有す 型10からの蒸発・乾燥が加わるため、材料溶 液の溶媒をより速く蒸発することができるの は勿論である。

 乾燥方法は、常温(20℃±15℃)下での大気 放置としてもよいし、オーブン等により加 乾燥としてもよい。この乾燥時に、基板13と 型10との間に圧力を加えてもよい。

 型10から基板13を分離しても凹凸パターン 構造層12aに転写されて形成された凹凸パター ン構造が保持できる残留溶媒量以下に達する まで乾燥させた後、型10から基板13を分離(離 )する(図1(d))。重ね合わせから分離までの乾 燥時間は、使用する材料溶液12、材料溶液12 塗布量(厚み)、型10及び基板13の溶媒透過性 雰囲気温度等を考慮し実験等より決めるこ ができる。蒸発させる温度は、溶媒の沸点 下とし、使用する溶媒の沸点が比較的低い えば50℃程度であれば、製造時の熱効率の観 点から作業環境温度より大きく異ならない、 常温(20℃±15℃)から40℃程度が望ましい。

 分離した基板13は、凹凸パターン構造層12 aが形成された状態となっており、またその 凸パターン構造層12aの型10との分離面には型 10の凹凸パターン構造Aが転写されている。

 基板13と型10の分離は、両者を引き剥がす ことでできるが、これに限定されることはな く、例えば型10をエッチングにより基板13か 除去してもよい。

 これまで説明した基板13に凹凸パターン 造層12aを形成する凹凸パターン基板の製造 程においては、図1に示すように、基板13に 料溶液12を塗布し、これに型10を重ね合わせ いる。これを図2に示すように、型10に材料 液12を塗布し(図2(b))、これに基板13を重ね合 わせても同様である(図2(b))。凹凸パターン基 板の製造工程において、使用する材料、型及 び材料溶液、製造装置等の都合により適宜、 図1又は図2に示す何れかの工程を選択すれば い。

(実施例1)
 図1に示す凹凸パターン基板の製造工程に沿 って説明する。まず、キャストインプリント 法を用いてトリアセチルセルロース(TAC)フィ ムの表面に凹凸パターン構造A(ピッチ720nm、 直径360nm、高さ200nmの円柱パターン)を形成し 型10(30mm×30mm)を用意した(図1(a))。

 ポリビニルアルコール(PVA)を水に溶かし 濃度5質量%の材料溶液12をガラスの基板13(30mm ×30mm)の上に10μl滴下し塗布した(図1(b))。その 後、基板13に塗布した材料溶液12の上に型10の 凹凸パターン構造Aを設けた面を重ね合わせ (図1(c))。重ね合わせた状態で溶媒を蒸発さ るため室温(25℃)下で20分間放置した後、型10 であるTACフィルムと基板13を分離した(図1(d))

 基板13の上に形成された凹凸パターン構造 12aであるPVA薄膜の表面を顕微鏡にて観察し ところ、凹凸パターン構造に欠け等が無く 好に転写されていることが確認できた。
(実施例2)
 実施例1と同様に、図1に示す凹凸パターン 板の製造工程に沿って説明する。熱インプ ント法を用いてポリメチルペンテン(PMP)フィ ルムの表面に凹凸パターン構造A(ピッチ350nm 幅210nm、高さ350nmのライン&スペース)を形 した型10(30mm×30mm)を用意した(図1(a))。

 スピンオングラス(SOG)材料をメチルイソ チルケトン(MIBK)に溶かした濃度21質量%の材 溶液12をガラスの基板13(30mm×30mm)の上に10μl 下し塗布した(図1(b))。その後、ガラスの基 13に塗布した材料溶液12の上に型10の凹凸パ ーン構造Aを設けた面を重ね合わせた(図1(c)) 重ね合わせた状態で溶媒を蒸発させるため 温(25℃)下で35分間放置した後、型10であるPM Pフィルムと基板13を分離した(図1(d))。

 基板13の上に形成された凹凸パターン構造 12aであるSOG薄膜の表面を顕微鏡にて観察し ところ、凹凸パターン構造に欠け等が無く 好に転写されていることが確認できた。
(実施例3)
 図2に示す凹凸パターン基板の製造工程に沿 って説明する。まず、キャストインプリント 法を用いてトリアセチルセルロース(TAC)フィ ムの表面に凹凸パターン構造A(ピッチ720nm、 直径360nm、高さ200nmの円柱パターン)を形成し 型10(30mm×30mm)を用意した(図2(a))。

 ポリビニルアルコール(PVA)を水に溶かし 濃度5質量%の材料溶液12を型10の上に10μl滴下 し塗布した(図2(b))。その後、型10に塗布した 料溶液12の上にガラスの基板13(30mm×30mm)を重 ね合わせた(図2(c))。重ね合わせた状態で溶媒 を蒸発させるため室温(25℃)下で20分間放置し た後、型10であるTACフィルムと基板13を分離 た(図2(d))。

 基板13の上に形成された凹凸パターン構造 12aであるPVA薄膜の表面を顕微鏡にて観察し ところ、凹凸パターン構造に欠け等が無く 好に転写されていることが確認できた。
(比較例1)
 図3に示す工程に沿って説明する。ガラス板 31の表面に、キャストインプリント法によっ TACの凹凸パターン構造A(ピッチ720nm、直径360 nmの円柱パターン)を形成した型30(30mm×30mm)を 意した(図3(a))。ガラス基板31は、型30が溶媒 を透過しないようにするために設けている。

 PVAを水に溶かした実施例1と同濃度の材料 溶液12をガラスの基板13(30mm×30mm)の上に10μl滴 下し塗布した(図3(b))。その後、基板13に塗布 た材料溶液12の上に型30の凹凸パターン構造 Aを設けた面を重ね合わせた(図3(c))。重ね合 せた状態で、実施例1と同じ室温(25℃)下で20 間放置した後に、型30と基板13を分離した。

 基板13の上に形成されたPVAによる薄膜12bの 面を顕微鏡にて観察したところ、凹凸パタ ン構造は確認できなかった。
(比較例2)
 比較例1と同様に、図3に示す工程に沿って 明する。ガラス板31の表面に、熱インプリン ト法によってPMPの凹凸パターン構造A(ピッチ3 50nm、幅210nm、高さ350nmのライン&スペース) 形成した型30(30mm×30mm)を用意した(図3(a))。 ラス基板31は、型30が溶媒を透過しないよう するために設けている。

 SOG材料をMIBKに溶かした実施例2と同濃度 材料溶液12をガラスの基板13(30mm×30mm)の上に1 0μl滴下し塗布した(図3(b))。その後、基板13に 塗布した材料溶液12の上に型30の凹凸パター 構造Aを設けた面を重ね合わせた(図3(c))。重 合わせた状態で、実施例2と同じ室温(25℃) で35分間放置した後に、型30と基板13を分離 た。

 基板13の上に形成されたSOGによる薄膜12b 表面を顕微鏡にて観察したところ、凹凸パ ーン構造は確認できなかった。