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Patent Searching and Data


Title:
PRODUCTION METHOD OF SEALING HONEYCOMB STRUCTURE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088079
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a production method of a sealing honeycomb structure comprising a sealing step for immersing a press-fit base (22) having a planar press-fit surface and a spacer (26) into a sealing material (25) in a storage tank (21) under such a state that the press-fit surface faces upward and the spacer (26) is mounted on the press-fit surface, taking out the press-fit base (22) mounting the spacer (26) thereon from the sealing material (25) stored in the storage tank (21), arranging a leveling member (28) in parallel with the press-fit surface and in contact with the upper surface of the spacer (26), forming a sealing material layer (27) by moving the leveling member (28) along the upper surface of the spacer (26) and leveling the sealing material (25) to have a uniform thickness, mounting a honeycomb structure on the press-fit base (22) while pressing one end face of the honeycomb structure against the press-fit surface from above the sealing material layer (27), and press fitting the sealing material (25) from the end of a cell and then taking out the honeycomb structure (12) from the press-fit base (22). The production method of a sealing honeycomb structure can produce a sealing honeycomb structure having a uniform depth at the sealing portion by using a simple method.

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Inventors:
TOKUNAGA TAKESHI (JP)
MIYASHITA KOICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050230
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
TOKUNAGA TAKESHI (JP)
MIYASHITA KOICHI (JP)
International Classes:
B28B11/02; B01D39/20; B01J35/04; B01J37/02; F01N3/02
Domestic Patent References:
WO2006062141A12006-06-15
Foreign References:
JP2006272183A2006-10-12
JPH06190218A1994-07-12
JPS62174102A1987-07-30
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building20-18, Asakusabashi 3-chome,Taito-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を備えるハニカム構造体の、前記セルの端部に目封止部が形成された、目封止ハニカム構造体を製造する目封止ハニカム構造体の製造方法であって、
 平面状の圧入面を有する圧入台と、前記圧入面上に載置したときに前記圧入面から上面までの高さが前記目封止ハニカム構造体の目封止部の深さに相当する高さであるスペーサとを、前記圧入面が上を向き前記スペーサが前記圧入面上に載置された状態で、貯留槽内に貯留されたスラリー状の目封止材料に浸漬し、
 前記圧入面上に位置する前記目封止材料を前記圧入面上に保持した状態で、前記スペーサが載置された前記圧入台を、前記貯留槽に貯留された目封止材料から外に出し、
 前記圧入面上の目封止材料を均すための均し部材を、前記スペーサの上面に接触させると共に前記圧入面に平行に配置し、前記均し部材を前記スペーサの上面に沿って移動させて前記目封止材料を均一な厚さに均して、前記圧入面上に均一な厚さの目封止材料層を形成し、
 前記ハニカム構造体を、一方の端面を前記目封止材料層の上から前記圧入面に押圧しながら、前記圧入台に載置して、前記目封止材料層を形成する前記目封止材料を前記セルの端部から圧入させた後、
 前記ハニカム構造体を前記圧入台から取り出す目封止工程を有する目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記目封止工程が、前記ハニカム構造体を前記圧入台に載置して前記目封止材料を前記セルの端部に圧入させた後に、前記ハニカム構造体を、前記端面が前記圧入面に接触した状態で前記圧入面に沿って横滑りさせながら、前記圧入台から取り出す工程である請求項1に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記スペーサが、平面状の底面と、前記底面に平行な上面とを有し、前記底面に平行な一の方向を長手方向とする部材である請求項1又は2に記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記スペーサを目封止材料内で前記圧入面上に載置された状態とするときに、2つの前記スペーサを、前記2つのスペーサ間に前記ハニカム構造体を載置することができる領域を形成するように、前記圧入面上に載置する請求項1~3のいずれかに記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
 前記均し部材が、前記スペーサの上面に沿って移動させるときに前記スペーサと接触させる均し部を有し、前記均し部が平面状又は直線状である請求項1~4のいずれかに記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。
Description:
目封止ハニカム構造体の製造方

 本発明は、目封止ハニカム構造体の製造 法に関し、さらに詳しくは、簡易な方法で 封止部の深さが均一な目封止ハニカム構造 を製造することができる目封止ハニカム構 体の製造方法に関する。

 化学、電力、鉄鋼等の様々な分野におい 、環境対策や特定物資の回収等のために使 される触媒装置用の担体、又はフィルタと て、耐熱性、耐食性に優れるセラミック製 目封止ハニカム構造体が採用されている。 に、近時では、目封止ハニカム構造体は、 ィーゼル機関から排出されるパティキュレ トマター(PM)を捕集するディーゼルパティキ ュレートフィルタ(DPF)としての需要が盛んで る。

 図9に示されるように、目封止ハニカム構造 体41は、流体の流路となる複数のセル44を区 形成する多孔質の隔壁42を備えるハニカム構 造体43のセル44の端部に、目封止部46が形成さ れたものである。図9は、目封止ハニカム構 体の構造を模式的に示す、中心軸を含む平 で切断した断面図である。目封止部46は、所 定のセル44の一方の開口端に配設されるとと に残余のセル44の他方の開口端に配設され いる。目封止ハニカム構造体41においては、 目封止ハニカム構造体41の流体の入口側の端 Bにおけるセル44の開口端と、流体の出口側 端面Cにおけるセル44の開口端とにおいて、 封止部46が互い違いに形成されている(例え 、特許文献1参照)。

特開2001-300922号公報

 例えば目封止ハニカム構造体41をDPFとし 使用し、被処理ガスG1を入口側の端面Bから ル44に導入すると、多孔質の隔壁42を透過し 隣接するセル44に流入して、処理済ガスG2と して、出口側の端面Cから排出される。そし 、被処理ガスG1が隔壁42を透過するときに、 処理ガスG1に含有されるダストやパティキ レートは、隔壁42において捕捉される。

 上記のような目封止ハニカム構造体41は 押出し成形によって、流体の流路となる複 のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有す 筒状の未焼成のハニカム構造体を得た後に 以下に示す目封止工程を経ることで作製す ことが出来る。目封止工程では、先ず、未 成のハニカム構造体の一方の端面にマスク 貼着する。マスクの貼着は、粘着フィルム 未焼成のハニカム構造体の一方の端面に貼 し、画像処理を利用したレーザー加工によ 、その粘着フィルムの目封止すべきセルに 応する部分のみを孔開けすることによって う。そして、マスクが貼着された未焼成の ニカム構造体の一方の端面を、容器に貯め スラリー状の目封止材料(セラミックスラリ )の中に浸漬し、目封止部を形成すべきセル に目封止材料を充填する。未焼成のハニカム 構造体の他方の端面についても、同様にして 、目封止部を形成すべきセルに目封止材料を 充填する。そして、目封止材料を充填した未 焼成のハニカム構造体を乾燥し、焼成すれば 、目封止ハニカム構造体41が得られる。

 しかしながら、このような目封止ハニカ 構造体を、上記目封止工程を経て作製した 合には、目封止部の深さが、不均一になり いという問題があった。目封止部の深さと 、目封止ハニカム構造体の軸方向における 封止部の長さのことを指す。このような問 が起こる理由の1つとして、容器内で目封止 材料であるセラミックスラリーを平準化し難 いことが挙げられる。そして、目封止部材の 深さにばらつきがあると、目封止部材の深い ところでは、例えばDPFとして使用した場合に 濾過面積が減るため、同じ量の被処理ガスを 通じると、それだけ圧損が上昇するという問 題が生じる。

 本発明は、上述した問題に鑑みてなされ ものであり、簡易な方法で目封止部の深さ 均一な目封止ハニカム構造体を製造するこ ができる目封止ハニカム構造体の製造方法 提供することを特徴とする。

 上述の目的を達成するため、本発明は、 下の目封止ハニカム構造体の製造方法を提 するものである。

[1] 流体の流路となる複数のセルを区画形 する多孔質の隔壁を備えるハニカム構造体 、前記セルの端部に目封止部が形成された 目封止ハニカム構造体を製造する目封止ハ カム構造体の製造方法であって、平面状の 入面を有する圧入台と、前記圧入面上に載 したときに前記圧入面から上面までの高さ 前記目封止ハニカム構造体の目封止部の深 に相当する高さであるスペーサとを、前記 入面が上を向き前記スペーサが前記圧入面 に載置された状態で、貯留槽内に貯留され スラリー状の目封止材料に浸漬し、前記圧 面上に位置する前記目封止材料を前記圧入 上に保持した状態で、前記スペーサが載置 れた前記圧入台を、前記貯留槽に貯留され 目封止材料から外に出し、前記圧入面上の 封止材料を均すための均し部材を、前記ス ーサの上面に接触させると共に前記圧入面 平行に配置し、前記均し部材を前記スペー の上面に沿って移動させて前記目封止材料 均一な厚さに均して、前記圧入面上に均一 厚さの目封止材料層を形成し、前記ハニカ 構造体を、一方の端面を前記目封止材料層 上から前記圧入面に押圧しながら、前記圧 台に載置して、前記目封止材料層を形成す 前記目封止材料を前記セルの端部から圧入 せた後、前記ハニカム構造体を前記圧入台 ら取り出す目封止工程を有する目封止ハニ ム構造体の製造方法。

[2] 前記目封止工程が、前記ハニカム構造 を前記圧入台に載置して前記目封止材料を 記セルの端部に圧入させた後に、前記ハニ ム構造体を、前記端面が前記圧入面に接触 た状態で前記圧入面に沿って横滑りさせな ら、前記圧入台から取り出す工程である[1] 記載の目封止ハニカム構造体の製造方法。

[3] 前記スペーサが、平面状の底面と、前 底面に平行な上面とを有し、前記底面に平 な一の方向を長手方向とする部材である[1] は[2]に記載の目封止ハニカム構造体の製造 法。

[4] 前記スペーサを目封止材料内で前記圧 面上に載置された状態とするときに、2つの 前記スペーサを、前記2つのスペーサ間に前 ハニカム構造体を載置することができる領 を形成するように、前記圧入面上に載置す [1]~[3]のいずれかに記載の目封止ハニカム構 体の製造方法。

[5] 前記均し部材が、前記スペーサの上面 沿って移動させるときに前記スペーサと接 させる均し部を有し、前記均し部が平面状 は直線状である[1]~[4]のいずれかに記載の目 封止ハニカム構造体の製造方法。

 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方 によれば、スペーサ及び均し部材により圧 面上に形成された均一な厚さの目封止材料 が、ハニカム構造体のセルに圧入されて目 止部が形成されるため、目封止部の深さを 一にすることが可能となる。

製造対象である目封止ハニカム構造体 模式的に示す斜視図である。 図1に示される目封止ハニカム構造体を 中心軸を含む平面で切断した断面の一部を示 す図(断面図)である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 法の一の実施形態において、目封止ハニカ 構造体を作製するために、先ず作製される ニカム構造体を示す斜視図である。 本発明に係る目封止ハニカム構造体の 造方法の一の実施形態における、マスクを けたハニカム構造体を示す断面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 法の一の実施形態の目封止工程において、 ペーサが圧入面上に載置された状態で、圧 台を、貯留槽内に貯留されたスラリー状の 封止材料に浸漬したところを模式的に示す 面図である。 図5におけるA-A’断面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の一の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の一の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の一の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 図5におけるB-B’断面図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の他の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の他の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 本発明の目封止ハニカム構造体の製造 方法の他の実施形態の目封止工程を模式的に 示す説明図である。 2つのスペーサを、2つのスペーサ間の 域にハニカム構造体を載置できるように、 入面上に載置した状態を模式的に示す平面 である。 目封止ハニカム構造体の構造を模式的 示す、軸方向を含む平面で切断した断面図 ある。

符号の説明

1:目封止ハニカム構造体、2:ハニカム構造 、3:目封止部、4:隔壁、5:セル、5a:所定のセ 、5b:残余のセル、6a:一方の開口端、6b:他方 開口端、7a:一方の端面、7b:他方の端面、12: ニカム構造体、12a:一方の端面、14:隔壁、15: ル、15a:所定のセル、15b:残余のセル、19:マ ク、21:貯留槽、22:圧入台、23:圧入面、24:支 棒、25:目封止材料、26:スペーサ、26a:上面、2 6b:底面、27:目封止部材、28:均し部材、28a:均 部、D:深さ、D1:高さ、G1:被処理ガス、G2:処理 済ガス。

 次に本発明の実施形態を図面を参照しな ら詳細に説明するが、本発明は以下の実施 態に限定されるものではなく、本発明の趣 を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識 基づいて、適宜設計の変更、改良等が加え れることが理解されるべきである。

 図1は、製造対象である目封止ハニカム構 造体を模式的に示す斜視図である。また、図 2は、図1に示される目封止ハニカム構造体を 心軸を含む平面で切断した断面の一例を示 図(断面図)である。図1に示される目封止ハ カム構造体1は、流体の流路となる複数のセ ル5を区画形成する多孔質の隔壁4を備えるハ カム構造体2のセル5の端部に、目封止部3が 成されたものであり、具体的には、セル5の うちの、所定のセル5aの一方の開口端6aと、 余のセル5bの他方の開口端6bに目封止部3が形 成されたものである。本実施形態の目封止ハ ニカム構造体の製造方法によって得られた目 封止ハニカム構造体1は、ハニカム構造体2の 面において、目封止部3の端面が平坦であり 、且つ、目封止部材3の深さDが所望の値に調 されているものである(図2参照)。

(1)ハニカム構造体作製工程:
 本発明の目封止ハニカム構造体の製造方法 一の実施形態では、目封止ハニカム構造体1 を作製するために、先ず、図3に示されるよ な未焼成のハニカム構造体を作製する。図3 示されるハニカム構造体12は、流体の流路 なる複数のセル15が多孔質の隔壁14によって 画形成されたハニカム構造を有する筒状の 造体である。このような未焼成のハニカム 造体12は、セラミックを含む成形原料を押 し成形し、乾燥させて得ることが出来る。

 セラミックを含む成形原料は、コージェ イト原料、ムライト、アルミナ、スピネル 炭化珪素、窒化珪素、リチウムアルミニウ シリケート、チタン酸アルミニウム等のセ ミックの粉末に、水等の分散媒、バインダ 造孔剤、分散媒等を加えて混練したものを 適に用いることができる。

 バインダとしては、ヒドロキシプロピル チルセルロース、メチルセルロース、ヒド キシエチルセルロース、カルボキシルメチ セルロース、ポリビニルアルコール等を使 することができる。これらは、一種単独で 用してもよいし、二種以上を組み合わせて 用してもよい。造孔材としては、焼成工程 より飛散消失する性質のものであればよく コークス等の無機物質や発泡樹脂等の高分 化合物、澱粉等の有機物質等を単独で用い か組み合わせて用いることができる。分散 としては、エチレングリコール、デキスト ン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を使用 ることができる。これらは、一種単独で使 してもよいし、二種以上を組み合わせて使 してもよい。

 押出し成形の方法は、特に制限はなく、 えば、真空押出し成形機を用いた押出し成 等の従来公知の方法を用いることが出来る また、乾燥方法は、特に制限はなく、例え 、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、 圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等の従来公知 乾燥法を用いることができる。中でも、成 体全体を迅速かつ均一に乾燥することがで る点で、熱風乾燥と、マイクロ波乾燥又は 電乾燥とを組み合わせた乾燥方法が好まし 。

(2)マスキング工程:
 本実施形態の目封止ハニカム構造体の製造 法では、乾燥した未焼成のハニカム構造体1 2に対し、図4に示されるように、目封止部を 成しないセルにマスクを施す、マスキング 程を有することが好ましい。具体的には、 焼成のハニカム構造体12の一方の端面12aに 所定のセル15a以外のセル(残余のセル)15bの開 口端を覆うマスク19を配設する。所定のセル1 5aは、一方の端面12aにおいて目封止部を形成 るセルであり、端面12aにおけるその配置は に限定されず、使用目的により任意に決定 ることができる。例えば、所定のセル15aを 端面12aにおいて、市松模様が形成されるよ に一つおきのセルとする(所定のセルと残余 のセルとが交互に並ぶようにする)ことがで る。

 マスク19は、所定のセル15aのみにセラミ クスラリーを導入するためのものであり、 来のマスク手段を好適に用いることが出来 。例えば、未焼成のハニカム構造体12の一方 の端面12aの全面に粘着フィルムを貼着し、画 像処理を利用したレーザー加工によって、所 定のセル15aを覆う粘着フィルム(マスク)所定 部位に孔を空けて、残余のセルのみにマス が形成されるようにする方法を挙げること 出来る。尚、セルにマスクを配設する(施す )というときは、セルの開口端部をマスクが い、目封止材料が圧入されない状態にする とをいい、セルの開口端部の一部にマスク 配設されていても、そのマスクに孔が開い いて目封止材料がそのセルに圧入される状 になっている場合は、そのセルにはマスク 配設されていないことになる。マスクに孔 開けたときの「孔の開口面積」は、それぞ のセルの開口面積に対して30~100%であること 、目封止用スラリーを良好に浸入させるこ が可能になるため好ましく、上記開口面積 40~100%であることが更に好ましく、50~100%で ることが特に好ましい。

 次に、同様の方法により、未焼成のハニ ム構造体12の他方の端面に、所定のセル15a 開口端を覆うマスクを配設する。具体的に 、未焼成のハニカム構造体12の他方の端面に 粘着フィルムを貼着し、画像処理を利用した レーザー加工等によって、残余のセル15bに対 応する所定の部位に孔を開ける。

 マスク用フィルムは、その種類に特に制 はないが、例えば、加熱することで溶融可 であるとともに、レーザー光の照射によっ 穿孔可能なフィルムが好ましい。また、未 成のハニカム構造体の端面上で固定される うに、粘着層を有するフィルムを用いるこ が好ましい。このようなフィルムの具体例 しては、ポリエステル、ポリオレフィン、 ロゲン化ポリオレフィン等のポリマー材料 らなる基材と、この基材に積層配置される アクリル系粘着材等からなる粘着層とを備 た粘着フィルムを挙げることができる。ま 、マスク用フィルムの厚さは、強度、孔の け易さ等の観点から10~100μm程度が好ましい

 マスク用フィルムにスラリー浸入孔を開 る方法は、特に限定されないが、例えば、 記レーザー照射(レーザーマーカー)により 孔を形成する方法の他に、一本の針で一つ つ穿孔を形成する方法、セルのピッチに対 した所定の形状を有する剣山状の針を使用 て多数のスラリー浸入孔をまとめて形成す 方法などを挙げることができる。なお、セ のピッチや開口形状が一定ではないハニカ 基材にも柔軟に対応することが可能である いう観点から、ハニカム基材の端面を画像 理し、スラリー浸入孔を開けるべきセルの 置を抽出し、レーザーマーカーによって上 抽出した位置に対応する部分にスラリー浸 孔を穿孔する方法(画像処理を利用したレー ー加工)が好ましい。

 本実施形態においては、一方の端面の残 のセル及び他方の端面の所定のセルにそれ れマスキングをして、その後に、一方の端 の所定のセルに目封止をし、一方の端面の スキングを剥がした後に他方の端面の残余 セルに目封止をするようにしているが、一 の端面の残余のセルにマスキングをして一 の端面の所定のセルに目封止をした後に、 方の端面のマスキングを剥がし、他方の端 の所定のセルにマスキングをして、他方の 面の残余のセルに目封止をするようにして よい。

(3)目封止工程:
 次に、ハニカム構造体のセルに目封止材料 圧入する目封止工程について説明する。図5 は、本発明の目封止ハニカム構造体の製造方 法の一の実施形態の目封止工程において、ス ペーサが圧入面上に載置された状態で、圧入 台を、貯留槽内に貯留されたスラリー状の目 封止材料に浸漬したところを模式的に示す平 面図である。図6Aは、図5におけるA-A’断面図 である。図6B~図6Dは、本発明の目封止ハニカ 構造体の製造方法の一の実施形態の目封止 程を模式的に示す、図5におけるA-A’断面に 相当する断面図である。図7Aは、図5における B-B’断面図である。図7B~図7Dは、本発明の目 止ハニカム構造体の製造方法の一の実施形 の目封止工程を模式的に示す、図5における B-B’断面に相当する断面図である。図6Bと図7 B、図6Cと図7C、そして図6Dと図7Dとが、それぞ れ同じ状態を示している。

 まず、平面状の圧入面23を有する圧入台22 と、圧入面23上に載置したときに圧入面23か 上面26aまでの高さが「目封止ハニカム構造 」の目封止部の深さに相当する高さである ペーサ26とを、圧入面23が上を向きスペーサ2 6が圧入面23上に載置された状態で、貯留槽21 に貯留されたスラリー状の目封止材料25に 漬する(図5、図6A及び図7A参照)。ここで、「 封止ハニカム構造体」は、本実施形態の目 止ハニカム構造体の製造方法により「製造 ようとする目封止ハニカム構造体」、すな ち「最終的に得られる目封止ハニカム構造 」を意味する。また、「圧入面23が上を向 」とは、圧入面23が目封止材料25の液面と同 方向(鉛直方向における上向き)を向くこと あり、スペーサ26が圧入面23から滑り落ちな 範囲で傾いた状態を含む。圧入台22とスペ サ26とを目封止材料25中に浸漬するときには 圧入台22にスペーサ26を載置した状態で浸漬 してもよいし、圧入台22を浸漬した後に、す ーサ26を浸漬して、目封止材料25内で圧入台 22上に載置してもよい。また、圧入台22とス ーサ26とを目封止材料25中に浸漬するときに 、目封止材料25を振動させることが好まし 。振動させることにより、目封止材料25のス ラリー粘度が低下し、圧入台22とスペーサ26 を浸漬し易くなる。

 圧入台22は、平面状の圧入面23を有する部 材であり、その形状は特に限定されない。例 えば、一方の面(圧入面23)が平面状の板状部 を用いることが好ましい。ここで、「平面 」というときは、平面度公差範囲500μmまで いう。平面度公差範囲は、エスオーエル社 の「FlatMaster FM40」にて斜入射方式によりレ ザー光を広げて測定した値である。また、 封止工程において、圧入台22を目封止材料25 から外に出し、再び目封止材料25内に浸漬す 操作をする場合には、圧入台22を目封止材 25に浸漬するときに下面(他方の面)側に空気 巻き込み難くするために、下面側を、下面 中央部分を突き出させたコーン状(例えば、 下面が円形の場合は円錐状)に形成すること 好ましい。尚、目封止材料に空気が巻き込 れると、次に目封止部を形成するときに、 気の存在により目封止部が均一に形成され いことがあるため好ましくない。

 圧入台22の大きさは、特に限定されず、 ニカム構造体12の底面全体を圧入面23に押圧 きる大きさであればよい。また、圧入台22 材質は、特に限定されず、ステンレススチ ル、アルミニウム、MCナイロン、ジュラコン 等の合成樹脂等を挙げることができる。

 圧入台22は、支持棒24によって外縁部分を 支持することが好ましい。例えば、圧入台22 四角形である場合には、四隅に一つずつ配 することが好ましい(図5参照)。そして、支 棒24は、昇降機(図示せず)に装着され、圧入 台22を昇降させ、所定の位置に停止させるこ ができるように構成されていることが好ま い。また、圧入面23を押圧しながらハニカ 構造体12を圧入台22に載置するため、圧入台2 2並びにこれを支える支持棒24及び昇降機(図 せず)は、そのときの押圧力に耐え得る強度 有することが好ましい。支持棒24は、この うな強度を有する部材であれば、その材質 形状は特に限定されない。また、支持棒24の 形状は、ハニカム構造体の載置、取り出しの 障害にならない形状であることが好ましい。

 スペーサ26は、圧入面23(圧入台22)上に載 したときに圧入面23からスペーサ26の上面26a での高さが、目封止ハニカム構造体の目封 部の深さ(図2の深さD参照)に相当する高さで ある。すなわち、スペーサ26の、圧入面23に する底面26bから上面26aまでの高さD1が、製造 しようとする目封止ハニカム構造体の目封止 部の深さ(図2の深さD参照)と同じになる。こ で、上面26aは、底面26bに平行な平面である とが好ましいが、底面26bに平行な稜線であ てもよい。上面26aが、底面26bに平行な稜線 場合、スペーサ26の、稜線の延びる方向に垂 直な断面が、三角形等の多角形であってもよ いし、半円形等の曲線を含むものであっても よい。例えば、スペーサ26の稜線の延びる方 に垂直な断面形状が、半円形の場合、その 円形を構成する直線部分が底面26bに該当し その円弧の頂上部分が上面26aに該当する。 ペーサ26は、底面26bに平行な一の方向を長 方向とする部材であることが好ましい。例 ば、側面の一つが底面26bである棒状の部材 あることが好ましく、図5、図6A~図6D及び図7A ~図7Dに示すように、長手方向に垂直な断面が 長方形の棒状(四角柱状)の部材等であること 好ましい。このように、一の方向に長いこ により、均し部材で目封止材料を均すとき 、容易に広範囲に亘って均すことが可能と る。

 スペーサ26の大きさは、高さD1が、製造し ようとする目封止ハニカム構造体の目封止部 の深さと同じであり、圧入面23上に、ハニカ 構造体と共に載置できる大きさであれば特 限定されない。高さD1は、製造しようとす 目封止ハニカム構造体の大きさによって適 た範囲が異なるが、例えば、底面の直径14.4c m、高さ15.2cmの円柱状の目封止ハニカム構造 を作製する場合は、D1は、1~15mmとすることが 好ましい。スペーサ26の材質は、特に限定さ ず、ステンレススチール、アルミニウム、M Cナイロン、ジュラコン等の合成樹脂等を挙 ることができる。また、スペーサ26の長手方 向長さは、均し部材28をスペーサ26の一方の 部から他方の端部まで移動させたときに、 ニカム構造体を載置する領域全体を均し部 28が通過することが可能な長さであることが 好ましい。例えば、図7C、図7D及び図8に示す うに、ハニカム構造体が円筒形の場合、ス ーサ26の長手方向長さは、ハニカム構造体 底面の直径より長いことが好ましい。

 スペーサ26を目封止材料25内で圧入面23上 載置された状態とするときには、図8に示す ように、スペーサ26,26を、2つのスペーサ26,26 にハニカム構造体12を載置することができ 領域Sを形成するように、圧入面23上に載置 ることが好ましい。図8は、2つのスペーサ26, 26を、2つのスペーサ26,26間の領域Sにハニカム 構造体12を載置できるように、圧入面23上に 置した状態を模式的に示す平面図である。 、図8においては、参考のため、領域Sに、ハ ニカム構造体12を載置した状態を示している 領域Sは、図8に示すように、2つのスペーサ2 6,26によって挟まれた領域である。均し部材28 をスペーサ26の上面26aに沿って移動させると 、2つのスペーサ26,26を所定の間隔を開けて 置し、均し部材28を、その2つのスペーサ26,2 6の両方の上面26a,26aに接触させて移動させる とにより、より均一な厚さの目封止材料層2 7を安定して形成することが可能となる。目 止材料層27の厚さを均一にするため、2つの ペーサ26,26の、底面26bから上面26aまでの高さ は、同じであることが好ましい。このとき、 均一な厚さの目封止材料層27は、2つのスペー サ26,26間の領域Sに形成されるため、この領域 Sにハニカム構造体12を載置することにより、 領域Sに形成された均一な厚さの目封止材料 27の目封止材料がハニカム構造体12に圧入さ 、均一な深さの目封止部が形成される。2つ のスペーサ26,26は、それぞれが平行になるよ に配置されることが好ましいが、平行でな てもよい。

 スペーサ26を2つ用いて、上記領域Sを形成 する場合、領域Sを挟む2つのスペーサ26,26は 独立した2つのスペーサであってもよいし、 えば、片方の端部間が連結されて一体化し 「U」字状、「V」字状、「Y」字状等に形成 れたものであってもよい。この場合、上記 域Sを挟む2つのスペーサ26,26に該当する部分 以外の部分(2つのスペーサ26,26のそれぞれの 部間を連結する部分)は、本実施形態に用い 上記スペーサとしての条件を満たさなくて よい。

 貯留槽21内に貯留するスラリー状の目封 材料(セラミックスラリー)25としては、特に 限はないが、例えば、コージェライト等の ラミックの粉末に、バインダや分散媒等を えて混練したものを好適に用いることが出 る。セラミックの粉末の種類については特 制限はなく、例えば、上述した未焼成のハ カム構造体12を押出し成形する成形原料に まれるセラミックの粉末と同様のものを用 てもよいし、異なるものを用いてもよい。

 目封止材料は、セルへの浸入性とセル内 部付近でのスラリー保持の観点から、チキ トロピー性を有することが好ましい。目封 材料のスラリー濃度は、30~60体積%が好まし 、40~50体積%が更に好ましい。また、目封止 料のスラリー粘度は、25℃において、1~1000dP a・sが好ましく、5~500dPa・sが更に好ましく、1 0~100dPa・sが特に好ましい。1dPa・sより低いと 流動性が高いため目封止材料がセル内に侵 し難くなることがあり、1000dPa・sより高い 、硬くなるため目封止材料をセルに圧入し くなることがある。粘度は、振動式粘度計 より測定した値である。振動式粘度計とし は、例えば、CBCマテリアルズ社製のFVM-80Aを いることができる。

 分散媒としては、例えば、アセトン、メ ノール、エタノール等の有機溶媒や水等を 適例として挙げることができる。バインダ しては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA )等の樹脂を用いることができ、加熱によっ ゲル化する特性を有する熱ゲル硬化性のバ ンダを用いることが好ましい。この熱ゲル 化性のバインダとしては、例えば、メチル ルロースを好適に用いることができる。

 貯留槽21としては、特に限定されるもの はなく、目封止を行うハニカム構造体の大 さに合わせて適宜その口径、深さを決定す ことができる。例えば、直径5~100cm、深さ5~20 cmの有底筒状の容器を用いることができる。 面の形状は、円形、楕円形、四角形等の多 形、その他不定形等いずれの形状でもよい また、貯留槽21の材質は、特に限定されな が、例えば、ステンレススチール、アルミ ウム、MCナイロン、ジュラコン等の合成樹脂 等を挙げることができる。

 圧入台22及びスペーサ26を目封止材料に浸 漬するときには、目封止材料を振動させて流 動性を高めた状態で浸漬することが好ましい 。目封止材料25は高濃度スラリーであること 好ましいため、その場合、通常、振動状態 は流動性が高くなるのに対し、静止状態で 固まった状態となり、圧入台22及びスペー 26を浸漬し難いことがあるからである。目封 止材料25を振動させるためには、貯留槽21を 音波発生装置、振動篩等を用いて振動させ ことが好ましい。振動条件はとくに限定さ ないが、鉛直方向上下に、振動数1~1,000,000Hz 振幅0.001~50mmで振動させることが好ましい。

 次に、圧入面23上に位置する目封止材料25 を圧入面23上に保持した状態で、スペーサ26 載置された圧入台22を、貯留槽21に貯留され 目封止材料25から外に出す。圧入台22を、貯 留槽21に貯留された目封止材料25に浸漬した 態においては、圧入面23上に、圧入面23から 封止材料25の液面までの厚さの目封止材料25 が存在している。そのため、目封止材料25に 漬された圧入台22を、例えば、鉛直方向に ける上方向に移動させて目封止材料25から外 に出すと、貯留槽21内において圧入面23上に 置していた目封止材料25の少なくとも一部が 圧入面23上に保持された状態で取り出される とになる。ここで、目封止材料25が圧入面23 上に保持された状態というときは、目封止材 料25が圧入面23上から落下せずに、圧入面23上 に載っている状態のことをいう。このように 、目封止材料25を圧入面23上に保持した状態 、圧入台22を目封止材料25の外に出すことに り、均し部材28を用いて圧入面23上の目封止 材料25を均して、均一な目封止材料層27を形 することが可能となる。従って、圧入面23上 には、少なくとも領域S内においてスペーサ26 の高さ以上の厚さで、目封止材料25が保持さ ていることが、より均一な厚さの目封止材 層27を形成できる点で好ましい。

 圧入台22の移動方向は、上述のような鉛 方向における上方向に限定されず、圧入面23 上に目封止材料25が保持された状態であれば 斜め上方向等であってもよい。また、圧入 22を目封止材料25から外に出すときには、圧 入面23が水平(圧入面23の法線が鉛直方向上側 向いた状態)を維持することが好ましいが、 圧入面23が、若干傾いた状態で、すなわち、 入面23上に目封止材料25を載せたときに滑り 落ちない範囲で傾いた状態で、外に出されて もよい。圧入台22を、貯留槽21に貯留された 封止材料25から外に出すときには、目封止材 料25を圧入面23上に保持するため、目封止材 は振動させないことが好ましい。また、圧 台22を上昇させたときに、圧入台22の底面部 が目封止材料25に接触している状態で止め 、次の操作を行うようにすれば、圧入台22と 目封止材料25との間に空気を巻き込まない点 好ましい。

 次に、圧入面23上の目封止材料25を均すた めの均し部材28を、スペーサ26の上面26aに接 させると共に圧入面23に平行に配置し、均し 部材28をスペーサ26の上面26aに沿って移動さ て目封止材料25を均一な厚さに均して、圧入 面23上に均一な厚さの目封止材料層27を形成 る(図6B及び図7B参照)。目封止材料層27の厚さ は、スペーサ26の高さD1と同じになる。

 このように、均し部材28を、圧入面23に平 行な状態で、スペーサ26の上面26aに接触させ 均し部材28を、圧入面23に平行なスペーサ26 上面26aに接触させた状態で上面26aに沿って 動させることにより、均し部材28を圧入面23 に平行な状態で安定して移動させることがで きる。均し部材28を、圧入面23に対して平行 状態を維持して、圧入面23上を移動させるこ とにより、圧入面23上の目封止材料25を厚さ 均一になるように均すことができ、均一な さの目封止材料層27を得ることができる。均 し部材28を、高さD1が「製造しようとする目 止ハニカム構造体」の目封止部の深さと同 であるスペーサ26の上面26aに沿って移動させ るため、目封止材料層27の厚さを「製造しよ とする目封止ハニカム構造体」の目封止部 深さと同じにすることができる。高さが同 2つのスペーサ26,26を圧入面23上に載置した 合には、均し部材28を、2つのスペーサ26,26の 上面26a,26aに接触させた状態で移動させるこ により、より容易に均し部材28を圧入面23に 行な状態で移動させ、目封止材料25を均す とが可能となる。

 均し部材28は、スペーサ26の上面26aに沿っ て移動させるときに、スペーサ26と接触させ 均し部28aを有し、均し部28aが平面状又は直 状であることが好ましい。この場合、「均 部材28を圧入面23に平行に配置する」という ときは、平面状又は直線状の均し部28aの「平 面」又は「直線」が圧入面23に平行になるよ に配置することをいう。このように、均し 材28の、スペーサ26に接触させる部分を平面 状又は直線状の均し部28aとすることにより、 均し部材28により均された目封止材料25の上 部分が、圧入面23に平行な平面となり、均一 な厚さの目封止材料層27を得ることができる

 均し部材28の形状は、平面状又は直線状 均し部28aを有することが好ましく、その他 部分の形状は、特に限定されるものではな 。例えば、図6B及び図7Bに示すような、長手 向に垂直な断面が長方形の四角柱状(板状) 部材であることが好ましい。また、長手方 に垂直な断面が三角形の三角柱状の部材で ってもよい。この場合、三角柱の稜線の一 を「直線状の均し部28a」として用いてもよ し、三角柱の一つの側面を「平面状の均し 28a」として用いてもよい。均し部材28は、こ のような柱状である場合、その断面形状は、 上記三角形や四角形に限定されず、その他の 多角形、円形、半円形等いずれの形状であっ てもよい。また、均し部材28は、長手方向の さが、ハニカム構造体12を載置する領域全 を均すことができる長さであることが好ま い。2つのスペーサ26,26を圧入面23上に載置す る場合には、均し部材28は、この2つのスペー サ26,26間の距離より長いものであることが好 しい。

 均し部材28の材質は、特に限定されず、 えば、ウレタンゴム、ステンレススチール を挙げることができる。

 次に、ハニカム構造体12を、一方の端面 目封止材料層27の上から圧入面23に押圧しな ら、圧入台22に載置して、目封止材料層27を 形成する目封止材料25をセルの端部から圧入 せる(図6C及び図7C参照)。ハニカム構造体12 一方の端面を目封止材料層27の上から圧入面 23に押圧するとは、ハニカム構造体12の端面 、目封止材料層27を介して圧入面23に押圧す ことであり、ハニカム構造体12の一方の端 を目封止材料層27の表面に接触させて、その まま目封止材料層27を下に向けて(圧入面23側 向けて)押圧し、目封止材料をセルの端部か ら圧入させながらハニカム構造体12の端面を 入面23に向かって移動させて圧入面23に到達 させることである。ハニカム構造体12の端面 目封止材料層27の上から圧入面23に押圧する ときは、押圧する端面を、目封止材料層27及 圧入面23に対して平行な状態を維持しなが 、圧入面23に押圧することが、均一な深さの 目封止を形成するために好ましい。

 このように、ハニカム構造体12の端面を 目封止材料層27の上から圧入面23に押圧する とにより、厚さが均一に形成された目封止 料層27の目封止材料がセルの端部から圧入 れ、均一な深さの目封止部がハニカム構造 12に形成される。目封止部の深さは、目封止 材料層27の厚さと同じになる。

 ハニカム構造体12の一方の端面を目封止 料層27の上から圧入面23に押圧するときの圧 は、セルの端部から目封止部材が圧入され ば特に限定されないが、15~310kPaが好ましく 30~250kPaが更に好ましい。15kPaより低いと、 封止材料がセル内に圧入され難くなること あり、310kPaより高いと、ハニカム構造体が 損したり、圧入台に不要な圧力がかかるこ がある。

 ハニカム構造体12を移動、押圧等させる 法は、特に限定されないが、例えば、ハニ ム構造体を把持するための把持部を有し、 持部を上下に移動可能であり下降時には押 することが可能であり、更に水平面内の移 も可能である移動・押圧用装置等を使用す ことができる。移動・押圧用装置としては 移動機能と押圧機能とを併せ持った一つの 置であってもよいし、移動装置と押圧装置 を組み合わせて用いたものであってもよい 具体的には、例えば、移動装置としてロボ ト(例えば、安川電機社製のロボット)を用い 、押圧装置としてシリンダー(例えば、SMC社 のシリンダー)を用い、これら2つの装置を合 わせて移動・押圧装置として使用することが 好ましい。

 ハニカム構造体12の端面にマスクを施し 場合には、マスクが配設されていないセル 開口端部のみから目封止材料が圧入される

 次に、ハニカム構造体12を圧入台22から取 り出す。ハニカム構造体12を圧入台22から取 出す方法としては、特に限定されるもので ないが、ハニカム構造体12を圧入台22に載置 て目封止材料25をセルの端部に圧入させた に、ハニカム構造体12を、その端面が圧入面 23に接触した状態で圧入面23に沿って横滑り せながら、圧入台22から取り出す方法が好ま しい(図6D及び図7D参照)。ハニカム構造体12を 圧入台22から上方向に移動(横滑りさせない 移動)させることにより取り出すと、目封止 部の端面が突出したり凹んだりすることがあ り、均一な深さの目封止部を形成することが できないことがあるが、上記のように、ハニ カム構造体12を横滑りさせながら圧入台22か 取り出すと、目封止部の端面が平らになり 均一な深さの目封止部を形成することが可 となる。

 目封止部を形成したハニカム構造体を取 出した後、圧入台22を、目封止材料25を振動 させながら、貯留槽21に貯留された目封止材 25内に浸漬する。そして、次のハニカム構 体を目封止するため、又は、一方の端面に 封止を施したハニカム構造体の他方の端面 更に目封止を施すため、スペーサ26を所定の 位置に配置する。このように、圧入台22から 封止を施したハニカム構造体を取り出した に、そのまま、圧入台22を目封止材料25に再 び浸漬して、次の目封止工程を開始すること ができ、連続的に目封止工程を行うことがで きるため、圧入台22及びスペーサ26を洗浄す 必要がなく、生産効率を向上させることが きる。

(4)目封止部乾燥工程:
 一方の端面12a側における目封止工程を終え ら、次に、目封止材料25を圧入して形成し 目封止部を乾燥させる。この乾燥によって 目封止材料25は、これ以降の乾燥及び焼成の 工程において、その形状が変形しない程度に 硬化する。目封止材料25(目封止部)を乾燥さ る手段としては、特に制限はないが、例え 、目封止材料を充填したハニカム構造体12を 、その一方の端面12a側を下に向けた状態でホ ットプレートの上に載置して乾燥させる方法 や、熱風を吹きつけて乾燥させる熱風乾燥、 あるいはマイクロ波乾燥等、を採用すること が出来る。目封止部の乾燥温度は、特に制限 はないが、10~300℃であることが好ましく、20~ 200℃であることが更に好ましく、50~150℃であ ることが特に好ましい。上記乾燥温度が10℃ 満であると、充分乾燥する為に時間が掛か 過ぎることがある。一方、300℃超であると ハニカム構造体が熱によって変質すること ある。

(5)ハニカム構造体の他方の端面の目封止工程 、目封止部乾燥工程:
 次に、一方の端面に配設していたマスキン を剥がして、ハニカム構造体12の他方の端 において、上記方法と同様にして、マスキ グされていない残余のセル15bの開口端に、 封止材料25を充填して目封止部を形成し、形 成した目封止部を乾燥する。

(6)焼成工程:
 次に、両端面に目封止部を有するハニカム 造体を焼成し、目封止ハニカム構造体を得 。焼成する手段については特に制限はなく 従来公知の焼成方法、条件に準じて行うこ が出来る。例えば、焼成(本焼成)する前に 焼して、仮焼体を作製し、その後本焼成す 方法が挙げられる。「仮焼」とは、ハニカ 基材中の有機物(有機バインダ、分散剤、造 材等)を燃焼させて除去する操作を意味する 。一般に、有機バインダの燃焼温度は100~300 程度、造孔材の燃焼温度は200~800℃程度であ ので、仮焼温度は200~1000℃程度とすればよ 。仮焼時間としては特に制限はないが、通 は、10~100時間程度である。本焼成の焼成条 (温度・時間)は、成形原料の種類により異な るため、その種類に応じて適当な条件を選択 すればよいが、コージェライト原料を焼成す る場合には、1410~1440℃で焼成することが好ま しい。また、3~10時間程度焼成することが好 しい。この本焼成によって、仮焼体中の成 原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を 保することができる。尚、マスク19は、焼成 する際に焼成と同時に消失させるか、又は、 焼成前に取り除いておく。

 以上のようにして得られた、図1に示すよ うな目封止ハニカム構造体1は、その隔壁4の 表面、その隔壁4の内部の気孔、又はその隔 壁4の内表面と内部の気孔との両方に、触媒 担持させることにより、触媒装置として利 出来る。又、目封止ハニカム構造体1をDPFと て用いる場合においても、隔壁4に捕捉され た堆積物(粒子状物質)の燃焼を促進させるよ な機能を有する触媒を担持させることが好 しい。触媒としては、例えば、貴金属系のP t、Pd、Rh等や、非金属系のペロブスカイト型 媒等を好適例として挙げることが出来る。 媒を担持させる手段は、従来公知の触媒担 方法を採用出来る。

 以下、本発明を実施例によって更に具体 に説明するが、本発明はこれらの実施例に って何ら限定されるものではない。

(実施例1)
(ハニカム構造体作製)
 セラミック原料としてアルミナ、カオリン びタルクを混合したコージェライト原料を い、バインダとしてメチルセルロースを用 、分散媒として水を用いた。セラミック原 100質量部に対して、バインダ5質量部、分散 媒20質量部を混合し、混練して坏土を得た。 られた坏土を押出成形し、底面の直径14.4cm 高さ15.2cmの円柱状のハニカム構造体を得た 得られたハニカム構造体のセル密度は300セ /cm 2 、隔壁厚さは0.3mmとし、セルの、中心軸に直 する断面形状は正方形とした。

(マスキング)
 得られた未焼成のハニカム構造体の一方の 面全体に粘着フィルムを貼着した。粘着フ ルムとしては、ポリエステル基材にアクリ 系粘着剤を塗布したテープ(粘着力:5.3N/cm、 さ:25μm、商品名「マスキングテープ」、3M 製)を使用した。そして、画像処理を利用し レーザー加工によって、市松模様状に孔が 成されるように(孔が形成されるセルと、孔 が形成されないセルとが交互に並ぶように) 所定のセルに対応する、粘着フィルムの所 の部位に孔を開け、残余のセルにマスキン を施した。そして、同様にして他方の端面 所定のセルにもマスキングを施した。

(目封止)
 目封止材料としては、コージェライト粉末1 00質量部に対して、メチルセルロース1.5質量 、でんぷん8質量部、水40質量部を加えて混 して得られたスラリーを用いた。得られた 封止材料の粘度は、50dPa・s(25℃)であった。 目封止工程では、図5A~図5Dに模式的に示す操 を行った。具体的には、底面の直径40cm、高 さ10cmの有底円筒状のステンレススチール製 貯留槽に、目封止材料を高さ5cmの位置まで たし、平面状の圧入面を有する長方形の圧 台(20cm×20cm、厚さ1cm)を、目封止材料に、圧 面と目封止材料の液面とが同じ方向(上方向) を向くようにして浸漬した(図5A参照)。圧入 を目封止材料に浸漬するときには、目封止 料を振動させた(周波数60Hz)。目封止材料の 動は、貯留槽に振動装置(ダルトン社製、商 名:振動ふるい)を取り付けて行った。また 圧入台は、その四隅を支持棒で支え、4本の 持棒を昇降装置で制御しながら圧入台を昇 させるようにした。

 次に、目封止材料の振動を停止した後に 圧入台を鉛直方向上側に移動させて、貯留 に貯留された目封止材料から外に出した。 のとき、圧入面上に位置する目封止材料が 入面上に保持された状態で、圧入台を移動 せた。

 次に、圧入面上の目封止材料を均すため 均し部材を、スペーサ(厚み3mm)の上面に接 させると共に圧入面に平行に配置し、均し 材をスペーサの上面に沿って移動させて目 止材料を均一な厚さに均して、圧入面上に 一な厚さの目封止材料層を形成した(図6B及 図7B参照)。均し部材としては、形状が長方 の板状(50cm×20cm、厚さ10cm)であり、材質がウ タンゴムのものを用いた。

 次に、ハニカム構造体を、一方の端面を 封止材料層の上から圧入面に押圧しながら 圧入台に載置して、目封止材料層を形成す 目封止材料をセルの端部から圧入させた(図 6C及び図7C参照)。ハニカム構造体の移動、押 は、ハニカム構造体を把持するための把持 を有し、把持部を上下に移動可能であり下 時には押圧することが可能であり、更に水 面内の移動も可能である移動・押圧用装置( 移動装置:安川電機社製、商品名;産業用ロボ ト、押圧装置:SMC社製、商品名;エアシリン )を用いて行った。ハニカム構造体を圧入台 載置するときの、押圧の圧力は、125kPaとし 。

 目封止材料を圧入させた後、ハニカム構 体を、その端面が圧入面に接触した状態で 入面に沿って横滑りさせながら、圧入台か 取り出した(図6D及び図7D参照)。

(目封止部の乾燥)
 端面に熱風を吹き付ける方法で目封止部を 燥させた。乾燥条件は、150℃、2分とした。

(ハニカム構造体の他方の端面の目封止、目 止乾燥工程)
 ハニカム構造体の一方の端面に施したマス ングを除去し、ハニカム構造体の他方の端 において、上記方法と同様にして、残余の ルの開口端に目封止材料を充填して目封止 を形成し、形成した目封止部を乾燥させた

(焼成)
 次に、目封止部を形成したハニカム構造体 焼成し、目封止ハニカム構造体を得た。焼 には、電気炉を用い、焼成条件は、1410~1440 、5時間とした。以下に示す方法により、目 封止部深さを測定し、目封止深さの均一性を 算出した。その結果、目封止部深さは、平均 値が3mmで、標本標準偏差が0.2mmであった。

(目封止部深さの均一性)
 ハイトゲージを用いた方法により、目封止 深さを測定し、その平均値及び標本標準偏 を算出することにより目封止部深さの均一 の評価を行った。平均値は、一方の端面に 成された目封止部の中から偏りなく17箇所 選択して、深さを測定し、その平均を算出 たものである。標本標準偏差は、上記平均 を算出した17箇所の目封止深さについての標 準偏差である。標本標準偏差が0.5mm以下の場 を合格とした。

(比較例1)
 目封止材の貯留槽に圧入台を設けず浸漬す 以外は、実施例1と同様にして目封止ハニカ ム構造体を製造した。得られた目封止ハニカ ム構造体について、上記方法により、目封止 部深さを測定し、目封止深さの均一性を算出 した。その結果、目封止部深さは、平均値が 3.9mmで、標本標準偏差が1.4mであった。

(比較例2)
 貯留槽及び圧入台を用いず、貯留槽の代わ に製品径同等サイズのオケ(桶)を用い、目 止材をオケの底面に塗布し、ハニカム構造 を、一方の端面をオケの底面に押圧しなが オケに載置して、オケの底面に塗布された 封止材料をセルの端部から圧入させ、ハニ ム構造体を垂直に取り出す以外は、実施例1 同様にして目封止ハニカム構造体を製造し 。得られた目封止ハニカム構造体について 上記方法により、目封止部深さを測定し、 封止深さの均一性を算出した。その結果、 封止部深さは、平均値が4.2mmで、標本標準 差が1.5mmであった。

(比較例3)
 貯留槽の代わりに用いるオケとして、比較 2において使用したオケを洗浄することなく 使用した以外は、比較例2と同様にして目封 ハニカム構造体を製造した。得られた目封 ハニカム構造体について、上記方法により 目封止部深さを測定し、目封止深さの均一 を算出した。その結果、目封止深さは、平 値が4.1mmで、標本標準偏差が2.8mmであった。

 本発明に係る目封止ハニカム構造体の製 方法は、触媒装置用の担体又はDPF等のフィ タとして用いられる目封止ハニカム構造体 作製する手段として好適に利用される。