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Patent Searching and Data


Title:
PULL-IN MECHANISM FOR MOVEMENT BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081708
Kind Code:
A1
Abstract:
A pull-in mechanism (1) for a movement body (7) has a pull-in unit (2) having a housing (20) provided on the body side, a slider (3) slidably placed in the housing and slid by urging force of urging means (S), and holding means (4) for holding the slider against the urging force of the urging means; a rocking arm (17) rotated in synchronism with rotation of the movement body (7); and direction conversion means-cum-connection means (5) for interconnecting the rocking arm and the slider when the movement body (7) reaches a first position and releasing the holding effected by the holding means (4). When the movement body (7) is rotated up to the first position, the holding means (4) is released through the direction conversion means-cum-connection means (5), and the movement body (7) is rotated up to a second position while the slider (3) is slid by the urging means (S).

Inventors:
ADACHI TAKEFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074252
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 17, 2007
Export Citation:
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Assignee:
NIFCO INC (JP)
ADACHI TAKEFUMI (JP)
International Classes:
E05F1/10; B62D25/12; E05B81/20; E05B83/18; E05D15/40; E05D15/58; E05F3/00; E05F11/16; E05F15/12
Foreign References:
JPH07329830A1995-12-19
JPH05116533A1993-05-14
JPS56108356A1981-08-27
JPS58150574U1983-10-08
Attorney, Agent or Firm:
OGAWA, Toshiharu (SIA Kanda Square 17, Kanda-konyacho, Chiyoda-k, Tokyo 35, JP)
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Claims:
 本体にヒンジ装置を介して回動可能に取り付けられる移動体を、前記本体の第1位置から第2位置へは付勢手段の付勢力を利用して回動する移動体の引込機構において、
 前記本体側に設けられるハウジングと、前記ハウジングに摺動可能に配置されるとともに前記付勢手段の付勢力により摺動されるスライダーと、前記スライダーを前記付勢手段の付勢力に抗して係止する係止手段とを有した引込ユニットと、
 前記移動体の回動と同期して回動される揺動アームと、
 前記移動体が第1位置に達したときに前記揺動アームと前記スライダーとを連結するとともに、前記係止手段の係止を解除する方向変換兼連結手段とを備え、
 前記移動体を、第1位置まで回動すると、前記方向変換兼連結手段を介して前記係止手段の係止を解除し、前記付勢手段による前記スライダーの摺動を伴って第2位置まで回動することを特徴とする移動体の引込機構。
 前記揺動アームは、前記ヒンジ装置を構成しているヒンジアーム又は該ヒンジアームの回動軸に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の移動体の引込機構。
 前記ハウジングに配置されて前記移動体の回動速度を前記スライダーを介して制動する制動手段を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体の引込機構。
 前記移動体が前記本体の開口部を開閉する車両用リッドであり、前記本体側との間に設けられて前記開口部を全閉する少し手前から全閉位置まで引き込むイージークローザ機構を有しているとともに、前記第2位置が前記イージークローザ機構により前記リッドを全閉方向へ引き込みを開始する位置に設定されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1に記載の移動体の引込機構。
Description:
移動体の引込機構

 本発明は、各種の移動体を本体の第1位置 から第2位置に付勢手段の付勢力を利用して 動する移動体の引込機構に関する。

 図8は特許文献1に開示の車両用リッド(ト ンクリッド)を示している。同図のリッド20 、車体10aに対し左右のヒンジ装置21,21を介 て回動可能に取り付けられ、該ヒンジ装置 介して車体後部に設けられたトランクルー 10の開口部11を開閉する構成である。また、 の構造において、ヒンジ装置21は前側が車 側ブラケットに対し不図示の枢軸を介し枢 され、後側がリッドに固着されている。リ ド20は、ヒンジ装置21に隣接して設けられた 動開閉装置30により自動的に開閉されると もに、不図示の自動手動切換機構によって 動で開くこともできる。符号22はリッド20を ンジ装置21を介して開方向へ付勢している ーションバー、符号45は駆動モータである。

 また、車両用リッドでは、特許文献2に開示 されているように、ラッチ機構がリッド揺動 端側に設けられており、全閉する少し手前で 車体側のストライカと噛み合わせた後、全閉 位置まで自動的に引き込んでロックする、い わゆるイージークローザ機構が装備されてい ることが多い。

実開平5-78877号公報

特開2004-100225号公報

 特許文献1の構造では、リッドが自動開閉 装置により開閉されるとともに、手動自動切 換機構によって手動でも開き操作可能となっ ているため使い勝手がよい反面、自動開閉装 置及び駆動モータ並びに自動手動切換機構を 装備するため高価になり重量増などの問題も ある。これに対し、特許文献2に例示される ージークローザ機構は、リッドを全閉する 合、例えば、車体側シール部材の反力に打 勝つよう強く押さなければならないという わしさを解消するため多くの車に採用され いる。

 すなわち、通常の車では、リッドを手動 開閉操作することを前提とし、特許文献2に 例示されるような全閉する少し手前から全閉 位置まで自動的に引き込むイージークローザ 機構を採用するとともに、付勢手段で開方向 へ付勢力して開操作を助けたり、制動手段に より荷重で閉方向へ急速に回動しないよう制 動するようにしている。

 このため、リッドの閉じ操作では、リッ を手で掴んで回動操作する関係で、リッド 開から閉方向へ回動したときに車体側開口 部との間に指等を挟む虞がある。これは、 えば、リッドがイージークローザ機構を装 していても全閉の少し手前、つまり車体側 口縁部との隙間に指が入り込まないような 階から引き込みが開始されること、リッド 制動手段により制動されながら閉方向に操 される場合でも制動力が全閉に近づくに従 て弱くなるからである。

 そこで、本発明の目的は、比較的簡単な 込機構により移動体を途中から引き込むよ にして開閉操作性を向上したり、イージー ローザ機構で引き込まれるまでの橋渡しを て上述したような指等の挟み込みの虞を解 できるようにする。

 上記した目的を達成するため、本発明の 1態様では、本体にヒンジ装置を介して回動 可能に取り付けられる移動体(たとえば、車 用リッド)を、前記本体の第1位置から第2位 へは付勢手段の付勢力を利用して回動する 動体の引込機構において、前記本体側に設 られるハウジングと、前記ハウジングに摺 可能に配置されるとともに前記付勢手段の 勢力により摺動されるスライダーと、前記 ライダーを前記付勢手段の付勢力に抗して 止する係止手段とを有した引込ユニットと 前記移動体の回動と同期して回動される揺 アームと、前記移動体が第1位置に達したと に前記揺動アームと前記スライダーとを連 するとともに、前記係止手段の係止を解除 る方向変換兼連結手段とを備え、前記移動 を、第1位置まで回動すると、前記方向変換 兼連結手段を介して前記係止手段の係止を解 除し、前記付勢手段による前記スライダーの 摺動を伴って第2位置まで回動することを特 としている。

 以上の移動体の引込機構において、第1位置 は全開位置、全閉位置、途中位置の何れかで あり、第2位置は全閉位置、全開位置、前記 途中位置と異なる途中位置の何れかである また、より好ましくは次のように具体化さ ることである。
(1)前記揺動アームは、前記ヒンジ装置を構成 しているヒンジアーム又は該ヒンジアームの 回動軸に固定されていることである(本発明 第2態様)。
(2)前記ハウジングに配置されて前記移動体の 回動速度を前記スライダーを介して制動する 制動手段を有していることである(本発明の 3態様)。
(3)前記移動体が前記本体の開口部を開閉する 車両用リッドであり、前記本体側との間に設 けられて前記開口部を全閉する少し手前から 全閉位置まで引き込むイージークローザ機構 を有しているとともに、前記第2位置が前記 ージークローザ機構により前記リッドを全 方向へ引き込みを開始する位置に設定され いることである(本発明の第3態様)。

 本発明の第1態様によれば、引込機構が引 込ユニットと揺動アーム並びに方向変換兼連 結手段にて構成されて、移動体が第1位置ま 回動されると、揺動アームと作動連結する 向変換兼連結手段を介してスライダーに対 る係止手段の係止を解除し、付勢手段の付 力により摺動されるスライダーを介して第2 置まで回動する。このため、引込機構とし は、移動体が回動式リッドの場合に好適と り、しかも簡易でありモータ等の動力源も 用なためコスト高及び重量的な制約もなく 用性に富んでいるものを提供できる。

 本発明の第2態様では、揺動アームとして 、形態例のようなリンクの回動軸(支持ピン )に固定したり、図8の棒状ヒンジの前側を車 体側ブラケットに枢支している不図示の枢軸 に固定することでリッド側出力部を容易に確 保でき、しかもアーム全寸を変えるだけで引 込ユニットの設置箇所にも自由度を付与でき る。

 本発明の第3態様では、移動体をスライダ ー及び付勢手段の付勢力により引き込むが、 その際、制動手段で制動された低速で移動体 を引き込むため高級感を付与できる。この場 合、形態例のごとく制動手段としてピストン ダンパーを使用するとともに、付勢手段とし てコイルばねの内径側に配置することで引込 ユニットのコンパクト化を図ることができる 。

 本発明の第4態様では、形態例のごとく移 動体が本発明の引込機構により開途中から引 き込んだ後、連続してイージークローザ機構 により全閉位置まだ引き込まれるので課題に 挙げたような指等の挟み込みの虞を確実に解 消できる。この結果、本発明は使い勝手と共 に安全性も向上できる。

本発明の引込機構を適用した車両用リ ドを示す模式構成図であり、 (a)は図1の引込機構を示す上面図、(b)は 側面図、(c)は(a)の右側から見た正面図であり 、 上記引込機構の主な部材を示す概略構 図であり、 図1のリッドが約65度開いた状態を示し (a)はヒンジ装置と引込機構との関係を示し (b)は断面図であり、 図1のリッドが約30度開いた状態を示し (a)はヒンジ装置と引込機構との関係を示し (b)は断面図であり、 図1のリッドが引き込みを開始した直前 の状態を示し、(a)はヒンジ装置と引込機構と の関係を示し、(b)は断面図であり、 図1のリッドが引き込みを完了した状態 を示し、(a)はヒンジ装置と引込機構との関係 を示し、(b)は断面図であり、 特許文献1に開示の車両用リッドを示す 説明図である。

 本発明の形態例を図面を参照しながら説 する。図1は本発明の用途例を示し、図2(a)~( c)と図3は引込機構の構造例を示し、図4(a)~図7 (b)は要部作動例を示している。以下の説明で は、用途例、機構特徴、作動の順に詳述する 。なお、図4(a)~図7(b)において、各(b)の符号44 回動レバーの後両側に突出された凸部であ 、作図上は図面に表れないが、スライダー の逃げ孔33との関係を分かり易くするため 示した。勿論、凸部44は手前のシャフト46と 様なシャフト等で構成することも可能であ 、その場合は図示したように表れる。また 各(a)の引込ユニット2ではヒンジ装置8と凸 31b,32b(スライダー)及び凸部54(ストライカー) の概略的な位置関係を示したものである。 のため、ストッパー37等の細部を省略して る。

(用途例)ここでは引込機構の適応例とヒン 装置並びにイージークローザ機構について べる。図1の引込機構1は、スライダー3及び 勢手段としての付勢ばねS並びに係止手段4 からなる引込ユニット2と、後述するヒンジ 置8側の揺動アーム17と、引込ユニット2に組 み込まれて揺動アーム17と引込ユニット2のス ライダー3とを作動連結する方向変換兼連結 段5とを備え、車体6にヒンジ装置8を介して 動可能に取り付けられたトランクリッド等 車両用リッド7を開から閉方向に回動操作す 途中(第1位置)から全閉の少し手前(第2位置) で引き込む設定となっている。すなわち、 両用リッド7は、前縁がトランクルーム等の 車体側開口部6aの前側対応部に対し左右のヒ ジ装置8,8を介して支持されており、開口部6 aを最大まで露出する全開位置から前記第1位 まで手動で回動すると、第1位置から前記第 2位置までが引込機構1により付勢ばねSの付勢 力を利用して回動され、引き続いてリッド揺 動端側と開口部6aの後側対応部との間に設け れているイージークローザ機構9により全閉 位置まで自動的に引き込まれるよう構成され ている。

 ここで、図1中、符号a~eはリッド7の開き 置を示している。a位置はリッド7の全開位置 (110度回動)、b位置はリッド7の途中位置(65度 動)、c位置はリッド7の途中位置(30度回動)、d 位置はリッド7を30度より更に若干閉方向へ回 動した途中位置、e位置はリッド7がイージー ローザ機構9により全閉方向へ引き込み開始 される待機位置(1度回動)である。そして、こ の例では、前記第1位置がd位置に対応し、前 第2位置がイージークローザ機構9の待機位 であるe位置に対応している。

 また、両側のヒンジ装置8は、図1と図4(a) 示されるように、4リンク構造と称されてい るタイプであり、固定ブラケット10と、可動 ラケット11と、固定ブラケット10と可動ブラ ケット11との間に介在されている前リンク12 び後リンク13とで構成されている。このうち 、固定ブラケット10は車体6側にボルト等で略 水平状態に装着される。可動ブラケット11は ッド7の基端内面側で前後方向に装着される 。固定ブラケット10と可動ブラケット11とは 車体後方側に配置される後リンク13により両 端側の支持ピン14a,14bを介して回動可能に連 されるとともに、車体前方側に配置される リンク12により両端側の支持ピン15,16を介し 回動可能に連結されている。そして、この ンジ装置8では、以上の基本構造は従来と同 じであるが、前リンク12の下端と固定ブラケ ト10の前端とを連結している支持ピン15が変 更されている。

 すなわち、支持ピン15は、揺動アーム17を リッド7と同期して回動可能にする構成であ 、図2(c)に模式的に示したように、径大頭部1 5aに突出されている軸部分として、例えば、 リンク12の下端に設けられた係合孔に挿通 止される頭部側の係合軸部15bと、固定ブラ ット10の前端に設けられた嵌合孔に筒部材M 介して挿通される嵌合軸部15cと、揺動アー 17の上端に設けられた係合孔17aに挿入係止さ れる係合軸部15dとを有している。筒部材Mは 前フランジ部付きであり、嵌合軸部15cに回 自在に嵌合されているとともに、嵌合軸部15 cに周設されている溝部に係合されているCリ グ等の止め具Cにより横ずれが防止される。 筒部材Mの前フランジ部は、係合軸部15bに固 される前リング12と、嵌合軸部15cに嵌合され る固定ブラケット10との間に隙間を保つ。換 すると、支持ピン15は、係合軸部15bが前リ ク12の下端側係合孔に対し挿入係止されて前 リンク12と一体に回動され、嵌合軸部15cが筒 材Mを介して固定ブラケット10の前端側嵌合 に回動可能に挿通され、係合軸部15dが揺動 ーム17の上端側係合孔17aに対し挿入係止さ て揺動アーム17を一体に回動可能にする。

 イージークローザ機構9は、リッド7と開 部6aの対応部との間に設けられており、リッ ド7が全閉位置に達する少し手前(図1のe位置) ら全閉位置まで自動的に引き込むものであ 。この例では、特許文献2のものと同じため 細部を省略したが、リッド7の揺動端内側に けられたラッチ機構18と、車体側開口部6aの 側対応部に設けられてラッチ機構18に係脱 れるストライカ及び該ストライカを駆動す アクチュエータなどを有したクローザ装置19 とで構成されている。勿論、イージークロー ザ機構9としては、クローザ装置19をリッド7 に設け、ラッチ機構18を開口部6aの後側対応 に設けてもよい。

(機構特徴)ここでは、引込機構1を構成して いる引込ユニット2及び方向変換兼連結手段5 ついて説明する。まず、引込ユニット2は、 ハウジング20と、ハウジング20に摺動可能に 置されるとともに付勢ばねSの付勢力により 動されるスライダー3と、スライダー3を付 ばねSの付勢力に抗して係止する係止手段4と 、制動用ピストンダンパー60とを少なくとも え、引込力として付勢ばねSの付勢力で摺動 されるスライダー3を利用する。また、方向 換兼連結手段5は、係止手段4を構成している 回動レバー40と、ストライカー50と、カム56及 びトーションばねS1とを備え、前記リッド7が 第1位置に達したときに揺動アーム17とスライ ダー3とを連結するとともに、係止手段4の係 を解除する。

 引込ユニット2の細部は以下の通りである 。ハウジング20は、図3と図4(a)(b)に示される うに前後に細長い矩形立体であり、本体が 断面U形をなし、下面には中間で前後水平に びてスライダー3やストライカー50の摺動を 内する断面凹形のガイド部22が設けられ、 、両側面21には下前後水平に延びてスライダ ー3やストライカー50の摺動を案内する下ガイ ド溝23と、前上側に位置してカム56の揺動を 内する前ガイド溝25と、後上側に位置して回 動レバー40の摺動を案内したり係止手段4を構 成している後ガイド溝26と、前後略中間に位 して下ガイド溝23を挟んだ上下部に開口し 対の係合孔20aとが設けられている。ここで 前ガイド溝25は、前後水平に延びる直線溝部 25aと、直線溝部25aの前側から下向きに延びる 円弧溝部25bとからなる。後ガイド溝26は、前 水平に延びる直線溝部26aと、直線溝部26aの 側から直角に下向きに延びる係止溝部26bと らなる。なお、作図上、一部簡略化したが 直線溝部26aの前方(係止溝部26bの上側)は傾 面として形成され、係止溝部26bの後側端面 円弧状、つまり回動レバー40がシャフト46を 点として回動したときに凸部44が描く円弧 に形成されている。係合孔20aには、ストッ ー37の上下片部37aが差し込まれる。つまり、 ストッパー37は、両側面21に対向している各 合孔20aに上下片部37aを差し込むことにより ウジング20内に上下片部37aに相当するばね部 材用の係止箇所を形成する。

 また、前記本体は、前端開口が前面部材2 7により閉じられ、後端開口が後面部材28によ り閉じられ、上開口が上面部材29により前部 を除いて閉じられることで、ハウジング20 しては上側の前部分を除いてほぼ塞がれた 定剛性の容器状となる。また、後面部材28に は、後述するピストンダンパー60のロッド62 固定する固定具38と、スライダー3の後方摺 位置を調整する調整具39とが取り付けられて いる。固定具38は、後面部材28に装着された 態で、ロッド62の先端を装着するための筒部 38aをハウジング内の前方へ突出している。こ の場合、作図上は簡略化したが、実際は固定 具38が後面部材28の内面に位置決め配置され 外側からねじ等で固定される。調整具39は、 例えば、ボルトにて構成されており、後面部 材28の対応部に装着されたナット部を介して ウジング20内にねじ込む突出量でスライダ 3の後方摺動位置を調整するものである。上 部材29は、両側に対向して開口されている 29a及び前部分を大きく欠如した開口部29bを している。窓29aは、後ガイド溝26を逃げる箇 所であり、また上面部材29がハウジング20に して組み込まれる際に撓み変形し易くする 能も受け持つ。開口部29bは、カム56の揺動及 び揺動アーム17の進入を妨げないようにする 所である。なお、この例では、ハウジング2 0と前面部材27及び後面部材28が金属板等のプ ス品、上面部材29が樹脂成形品である。但 、材質的には任意である。また、上面部材29 は、剛性を付与するため必要に応じて金属板 等で形成したり、上面部材29と共に補強板な が付設される。

 スライダー3は、前後に長い筒部30と、筒 30の下面にあって前後端から下向きに突出 れている略板形の前脚部31及び後脚部32とを 体に形成している。筒部30は、前端開口か 前後略中間部まで空洞に形成されており、 側面にあって、前端側から少し後方箇所に 向して設けられた縦形の逃げ孔33と、前端側 に近い箇所に設けられた幅方向に貫通した軸 孔34とを有している。前後脚部31と32は、中央 部に設けられて前後に貫通している円形孔31a ,32aと、両側面に設けられている凸部31b,32bと 下面に設けられている凸部31c,32cとを有して いる。

 以上のスライダー3には、保護筒材47が前 部31の円形孔31aと後脚部32の円形孔32aとに保 持された状態で取り付けられる。つまり、保 護筒材47は、取付板部47aの下半体に突設され 前後に貫通している筒部を有し、該筒部が 付板部47aを後脚部32の外端面に装着した状 で前円形孔31aと後円形孔32aに保持されてい 。その状態から、スライダー3は、ハウジン 20内に入れられて、凸部31b,32bが前記した各 ガイド溝23に嵌合され、凸部31c,32cが前記し ガイド部22に嵌合されることで、ハウジン 20に前後摺動可能に組み込まれる。また、そ の前後には、ピストンダンパー60と付勢ばねS とがハウジング20に組み込まれる。付勢ばねS 及びピストンダンパー60は汎用品である。

 そのうち、付勢ばねSは、コイル形のばね 材が用いられており、保護筒材47をスライダ 3に取り付ける際、保護筒材47の筒部外周に き付けるように付設しておく。そして、付 ばねSは、図7(a)(b)のごとく後端が後脚部32の 内端面に係止され、前端がハウジング20に装 されたストッパー37の上下片部37aに係止さ ることにより、スライダー3が前方へ摺動さ るときに付勢力を蓄える。これに対し、ピ トンダンパー60は、シリンダー61及び該シリ ンダー61に緩やかに出没されるロッド62を有 、シリンダー61が固定具38を介して固定され ロッド62に対し緩やかに駆動可能な構成で ればよい(特開2005-188693号等を参照)。

 上記した係止手段4は、スライダー3に揺 可能に組み付けられる回動レバー40、つまり 回動レバー40の凸部44とハウジング20側の後ガ イド溝26とで構成される。このうち、回動レ ー40は、図3のごとく概略T形をなし、水平片 部41と、該水平片部41の下略中間に下向きに 出された垂直片部42と、水平片部41の前側で 向きに突出されたフック部43とを一体に形 している。水平片部41は、後側がスライダー 側筒部30内に余裕を持って挿入される大きさ らなり、両側に位置して垂直片部42より若 後側で片幅方向に貫通している軸孔45と、後 方の片両側面に突出している凸部44とを有し いる。垂直片部42は中央部に設けられて前 に貫通した貫通孔42aを有している。該貫通 42aは、前脚部31の円形孔31aとほぼ同じ大きさ の孔径で、ピストンダンパー60のシリンダー6 1を摺動自在に挿通する孔である。フック部43 は垂直片部42との間に所定隙間を保っている

 以上の回動レバー40は、スライダー側筒 30に対し、水平片部41の後側部分を筒部前開 に挿入した状態で、両側の凸部44を対応す 筒部側逃げ孔33に遊嵌した後、シャフト46を 部の一方軸孔34、回動レバー側の軸孔45、筒 部の他方軸孔34に挿通することで、該シャフ 46を支点として上下方向へ回動ないしは揺 可能に組み込まれる。そして、回動レバー40 は、図4(a)(b)の状態において、凸部44が逃げ孔 33内の下位置から後ガイド溝26の係止溝部26b 係合し、それによりスライダー3が付勢ばねS に付勢力を蓄えた最前方位置に係止される。 この係止は、図6(a)(b)と図7(a)(b)のごとく回動 バー40がストライカー50などを介してシャフ ト46を支点に時計回りへ回動されると、凸部4 4が逃げ孔33内の上位置に移動され、該移動に より後ガイド溝26の係止溝部26bから外れて係 解除される。スライダー3は、その係止解除 により回動レバー40と共に付勢ばねSの付勢力 により後方向へ摺動される。

 方向変換兼連結手段5は、回動レバー40と ストライカー50と、カム56及びトーションば ねS1とからなり、リッド7が第1位置に達した きに揺動アーム17とストライカー50とをカム5 6などを介して作動連結したり、ストライカ 50とスライダー3とを回動レバー40のフック部 43などを介して作動連結したり、更に前述の 止手段4の係止を解除つまり係止溝部26bに対 する回動レバー40の凸部44の係合又は係止を 除可能にするものである。

 ここで、ストライカー50は、ハウジング20 内に配置される略容器状をなし、下面側に設 けられてハウジング側のガイド部22と嵌合す 凸部50aと、後側に設けられて回動レバー側 フック部43が係脱する凹状の連結穴51と、連 結穴51の前側に設けられてカム56の下部側が 動可能に配置される前側空間部52と、両側面 に設けられて幅方向に貫通されている軸孔53 び軸孔53の前後に設けられた凸部54等を有し ている。これに対し、カム56は、上側部分に けられて上端から下向きに延びている直線 カム溝57と、下側部分に設けられて板幅方 に貫通している軸孔58と、上端より少し下位 置で前側に設けられて板幅方向に貫通してい る装着孔59等を有している。

 以上のカム56は、下側部分をストライカ 側空間部52内に挿入した状態で、シャフト49 ストライカー50の一方軸孔53、カム56の軸孔5 8、ストライカー50の他方軸孔53に挿入し抜け め処理することにより、ストライカー50に しシャフト49を支点として前後方向に回動可 能に組み付けられる。その状態から、ストラ イカー50は、ハウジング20内に入れられて、 面の凸部50aが前記したハウジング下側のガ ド部22に嵌合され、かつ、両側の凸部54,54が ジング両側の下ガイド溝23に嵌合されるこ で、ハウジング20に前後摺動可能に組み込ま れる。更に、カム56は、ストライカー50と共 ハウジング20内に配置された状態から、シャ フト48がハウジング20の一方側前ガイド溝25に 挿入(嵌合)し、カム56の装着孔59に挿入(係合) 、ハウジング20の他方側前ガイド溝25に挿入 (嵌合)することで回動可能に組み付けられる なお、以上の操作では、トーションばねS1 図4(b)に示したように、基端部をシャフト49 に係止し、作動端部をシャフト48に掛け止め される。このため、カム56は、トーションば S1の付勢力により図4(b)の状態に保持されて り、シャフト49を支点として逆時計回りへ 動(前記付勢力に抗して回動)されるとともに 、回動軌跡がシャフト48の両端と嵌合してい 前ガイド溝25により規制される。

(作動)以上のようにして引込ユニット2は、 方向変換兼連結手段5を共通のハウジング20内 に組み込んだ状態で、図1に例示される使用 所に取り付けられる。その場合には、位置 めの基準として、方向変換兼連結手段5を構 しているカム56が上記した揺動アーム17と作 動連結可能となるよう位置調整されることに なる。揺動アーム17は、支持ピン15と一体に 動されるとともに、断面コ形の開口部17bを 端側に形成している。該開口部17bには、図2( a)のごとくシャフト36が開口内を横切るよう けられている。

 次に上記した引込機構1の作動例を図4(a)~ 7(b)を参照しながら概説する。図4(a)(b)はリ ド7が全開位置(図1のa位置)から開き角度約65 (図1のb位置)まで閉方向へ回動された状態で ある。この状態では、揺動アーム17がヒンジ 置8の前リンク12及び支持ピン15を介して前 ンク12と同期して時計回りへ回動され、下端 側のシャフト36がカム56のカム溝57の入り口側 へ入り込む。

 図5(a)(b)はリッド7が更に開き角度約30度( 1のc位置)まで閉方向へ回動された状態であ 。この過程において、カム56は、揺動アーム 17の回動により(シャフト36をカム溝57の奥に 動しながら)シャフト49を支点として垂直(起 )方向へ回動された(この回動時にはシャフ 48が円弧溝部25bから直線溝部25aに移行される )後、更に図6(a)(b)のごとくストライカー50と に後方へ摺動される。この場合、ストライ ー50は、前端面が図5(a)(b)のごとくピストン ンパー60のシリンダー61(の後端面)に当たり 更に図6(a)(b)のごとく該シリンダー61を後方 押しながら回動レバー40の垂直片部42に当た 。

 すると、回動レバー40は、ストライカー50 から受ける応力でシャフト46を支点として時 回りへ回動され、その結果、フック部43が トライカー50の連結穴51に係合してスライダ 3とストライカー50とを作動連結し、かつ、 部44が係止溝部26bの上側へ移動して係止解 される(図6(a)(b))。

 このため、以後は、図7(a)(b)のごとくスラ イダー3が上記したハウジング側の下ガイド 22と凸部31c,32c、及びハウジング側の下ガイ 溝23と凸部31b,32bとのガイド作用を伴ってス ライカー50と共に付勢ばねSの付勢力で後方 摺動され、この摺動に連動して、カム56が略 垂直(起立)状態を保ってストライカー50と共 上記した前ガイド溝25の直線溝部25aと凸部54 のガイド作用を伴って同方向へ摺動される とになる。これにより、揺動アーム17は、 トライカー50及びカム56が後方向へ摺動され とともに、シャフト36とカム溝57との作動連 結を介して時計回りへ回動される。これは、 ストライカー50側の直線運動をカム56(カム溝5 7)とシャフト36とを介して回転運動に変換す ものである。その結果、リッド7は、図1のd 置から揺動アーム17の回動と同期してe位置 で自動的に引き込まれる。

 以上の自動引込過程において、リッド7は 、スライダー3がストライカー50と共に付勢ば ねSの付勢力により摺動されるときはピスト ダンパー60の制動を受けて緩やかに摺動され る。また、リッド7は、図1のe位置まで引き込 まれると、以後はイージークローザ機構9に り全閉位置まで自動的に引き込まれること なる。

 リッド7を再び開ける場合は、従来と同様 にリッド7のロックを解除した後、リッド7を 方向へ押し上げる。すると、リッド7は、ヒ ンジ装置8を介して前記とは逆に図1のe位置か らa位置方向へ回動される。この場合、引込 ニット2との関係では、リッド7が図1のd位置 まり図6(a)(b)の状態になるまでスライダー3 介して付勢ばねSに付勢力を蓄えること、リ ド7が図1のc位置つまり図5(a)(b)の状態になる とスライダー3が回動レバー40の凸部44と係止 部26bとの係止作用により付勢ばねSの付勢力 に抗して位置規制され、かつ引込ユニット2 方向変換兼連結手段5とが非連結になること リッド7が図1のb位置つまり図4(a)(b)の状態に なるとストライカー50が最前方まで摺動され カム56が前方へ最大まで傾斜した状態とな 、それ以降はシャフト36がカム溝57から外れ ことになる。

 なお、本発明の引込機構は、請求項1~4で特 した要件以外はこれを参照して適宜に変更 能なものである。また、本発明の引込機構 用途的な制約は特にない。
 
 なお、2006年12月28日に出願された日本特許 願第2006-355178号の明細書、特許請求の範囲、 図面及び要約書の全内容をここに引用し、本 発明の明細書の開示として、取り入れるもの である。