Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
PUNCTURING APPLIANCE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136310
Kind Code:
A1
Abstract:
A puncturing appliance which can puncture a predetermined part of the skin easily and surely with a puncturing needle. The puncturing appliance comprises a member for holding a puncturing needle, a member for deforming the skin, a disengaging member, and an elastic member. The member for deforming the skin has a part engaging with the member for holding a puncturing needle, and a part abutting against the skin and forms a level difference in the skin by pressing the skin with the abutting face. The disengaging member disengages the member for holding a puncturing needle and the member for deforming the skin. The elastic member discharges the disengaged member holding a puncturing needle in the direction substantially parallel with the abutting surface, and the level difference portion of the skin formed by the skin deforming member is punctured by the puncturing needle.

Inventors:
SHIMAZAKI TAKAYASU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057752
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 22, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TERUMO CORP (JP)
SHIMAZAKI TAKAYASU (JP)
International Classes:
A61M37/00; A61B17/20; A61M5/28; A61M5/32
Foreign References:
US3324854A1967-06-13
JP2002528182A2002-09-03
US4548601A1985-10-22
Attorney, Agent or Firm:
TSUNODA, Yoshisue et al. (1-64-8 Sasazuka, Shibuya-k, Tokyo 73, JP)
Download PDF:
Claims:
皮膚に穿刺針を穿刺する穿刺器具であって、
前記穿刺針を保持する穿刺針保持部材と、
前記穿刺針保持部材が係合される係合部と前記皮膚に当接する当接面とを有し、前記当接面で皮膚を押圧することにより皮膚に段差部分を形成する皮膚変形部材と、
前記穿刺針保持部材と前記係合部との係合を外す係合解除部材と、
 前記係合解除部材によって前記係合部との係合が外れた前記穿刺針保持部材を前記当接面と略平行な方向に発射させる弾性部材と、を備え、
前記弾性部材により前記穿刺針保持部材が発射されると、前記皮膚変形部材によって形成された皮膚の前記段差部分が前記穿刺針によって穿刺されること
を特徴とする穿刺器具。
前記弾性部材は、前記係合解除部材に取り付けられ、
前記係合解除部材は、前記穿刺針保持部材を前記皮膚変形部材の前記当接面側に移動させることにより、前記穿刺針保持部材と前記係合部との係合を外すこと
を特徴とする請求項1記載の穿刺器具。
前記皮膚変形部材は、前記当接面を底面とした有底の筒体からなり、前記弾性部材によって発射された前記穿刺針保持部材が通過する発射用開口部と、当該発射用開口部の上方に設けられると共に前記針保持部材を前記係合部に係合させるための装着用開口部を有すること
を特徴とする請求項2記載の穿刺器具。
前記係合解除部材を前記皮膚変形部材の前記当接面と反対側に付勢する付勢部材をさらに備え、
前記係合解除部材が前記付勢部材に付勢されることにより、前記係合解除部材に取り付けられた前記弾性部材が前記装着用開口部に対向する位置まで移動可能であること
を特徴とする請求項3記載の穿刺器具。
前記係合部は、前記皮膚変形部材の内面に設けられると共に軸方向に延在された係合溝であり、
前記穿刺針保持部材は、前記係合溝に摺動可能に係合される係合突部を有すること
を特徴とする請求項3記載の穿刺器具。
 前記係合突部は、前記穿刺針の反対側に至るにつれて低くなるように傾斜された傾斜面を有すること
 を特徴とする請求項4記載の穿刺器具。
 前記穿刺針保持部材は、前記穿刺針に連通されて体内に注入する液体が収納される液室と、前記液室に収納された液体を前記穿刺針の先端から放出させるための押圧機構を有すること
 を特徴とする請求項1記載の穿刺器具。
 前記押圧機構は、前記穿刺針保持部材の内部において移動可能に収納されて前記液室の一面を形成するガスケットと、前記ガスケットを押圧する押し子からなること
 を特徴とする請求項7記載の穿刺器具。
 前記押圧機構は、前記液室に係合され、前記液室の容積を減少させるように変形する押圧部材からなること
を特徴とする請求項7記載の穿刺器具。
Description:
穿刺器具

 本発明は、穿刺針を皮膚の表面より穿刺 、その先端を皮膚の所定部位(例えば真皮) 到達させる穿刺器具に関する。

 真皮は、表皮や皮下組織と比較すると毛 血管の密度が高く、またリンパ末端が存在 るため、特に直接注入された薬剤は、血管 るいはリンパ管に移行し、体液中に吸収さ る吸収速度が速くなることが知られている 特に、真皮では、ホルモン、抗体医薬品、 イトカインなどの高分子物質を用いた薬剤 効率よく血液に吸収させることができる。 た、真皮は効率の良い免疫の場であること 知られており、ワクチンの投与量を節約し り、弱いワクチンの感作を増強したりする とができる。

 また、ある程度成長した人間の真皮は、 表面(角質層の表面)から略一定の深さに存 することが知られている。このことは、言 換えれば、成人の真皮に対して薬剤を注入 る場合には、体表面から略一定の深さに薬 を注入すればよいことを意味している。

一般に、真皮の幅は、体表面に対して垂直 方向を基準とすると、1mm~4mm(平均値は1mm~2mm) 度であり、また、図21の一般的な皮膚構造の 断面図に示すように、真皮Dは、角質層SCを含 んだ幅0.06mm~0.1mm程度の表皮Eと、皮下組織Sと 間に挟まれるようにして皮膚内に存在する

従って、表皮と皮下組織の間に存在する真 皮に、薬剤を確実に注入することは難しく、 薬剤が誤って皮下組織等に注入されてしまう と、その薬剤を効率よく血液に吸収させるこ とができないという問題が生じる。

近年、例えば、前述した高分子物質を用い た医薬品を持続的に若しくはワンショットで 真皮をターゲットとして投与することが試み られているが、このような場合、特に上述し た問題が顕著になる。

 ここで、真皮に薬剤を注入するために、 内に挿入される穿刺針の長さを規定した皮 注射装置が知られている(特許文献1)。また 皮膚内に存在する特定の層に薬剤を注入す ために、皮膚内に挿入される穿刺針の深さ( 挿入深さ)を所定の長さに規定し、体表面に して垂直方向から穿刺針を皮膚内に挿入す 薬液注入装置も知られている(特許文献2)。 らに、穿刺針を案内する部材によって皮膚 変形させて、変形させた皮膚に穿刺針を体 面に対して斜め方向から挿入する装置も知 れている(特許文献3)。

特許文献1:特開2001-137343号公報
特許文献2:特開2005-87519号公報
特許文献3:特開昭57-139358号公報

しかし、特許文献1及び特許文献2に記載さ た装置では、体表面に対して垂直方向から 刺針を皮膚内に挿入する構成が採用されて る。この場合、穿刺針を穿刺しようとする 、皮膚全体が弾性的に窪んで穿刺されず、 た穿刺されても針先が真皮まで達しないこ がある。

また、真皮に対して垂直に穿刺針が挿入さ れると、真皮内における穿刺針の深さ(挿入 さ)が短くなり、例えば外部から何らかの衝 等が加えられたような場合には、薬剤注入 の穿刺針が真皮から抜けてしまうという問 が生じてしまう。

更に、特許文献1及び特許文献2に記載され 装置を用いた場合には、真皮において、真 の表面(表皮と真皮の境目)に形成された穿 針の挿入口から、穿刺針の先端にある薬剤 出口までの距離が短くなり、薬剤放出口か 真皮に注入された薬剤が、挿入口から真皮 外(表皮)へ漏れてしまうという問題も生じて しまう。

また、特許文献3に記載された装置では、 射器とは別体に形成された部材によって注 器の穿刺針を案内する構成となっており、 方の手で穿刺針を案内する部材を皮膚に押 付け、他方の手で注射器を移動させて皮膚 穿刺針を穿刺する。しかし、毎回一定の力 穿刺針を案内する部材を押し付けることは 難であり、そのため、皮膚の所定の部位に 刺針を挿入することが難しいという問題が じてしまう。

 本発明の目的は、上述の問題点を考慮し 穿刺針を皮膚の所定の部位に簡単且つ確実 穿刺することができる穿刺器具を提供する とにある。

本発明に係る穿刺器具は、皮膚に穿刺針を 穿刺するものであって、前記穿刺針を保持す る穿刺針保持部材と、前記穿刺針保持部材が 係合される係合部と前記皮膚に当接する当接 面とを有し、前記当接面で皮膚を押圧するこ とにより皮膚に段差部分を形成する皮膚変形 部材と、前記穿刺針保持部材と前記係合部と の係合を外す係合解除部材と、前記係合解除 部材によって前記係合部との係合が外れた前 記穿刺針保持部材を前記当接面と略平行な方 向に発射させる弾性部材と、を備え、前記弾 性部材により前記穿刺針保持部材を発射し、 前記皮膚変形部材によって形成された皮膚の 前記段差部分に前記穿刺針を穿刺する構成と したことを特徴とする。

本発明に係る穿刺器具よれば、穿刺針を皮 膚の所定の部位に簡単且つ確実に穿刺し、針 先を皮膚の所定の深さに位置させることがで きる。

本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を 正面側から見た外観斜視図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態を 背面側から見た外観斜視図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態の 正面図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態の 右側面図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態の 縦断面図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態の 分解斜視図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態に 係る穿刺針保持部材の外観斜視図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態に 係る穿刺針保持部材を皮膚変形部材に係合さ せた状態の説明図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態に 係る穿刺針保持部材を皮膚変形部材に係合さ せた状態を説明する断面図である。 A,B 本発明の穿刺器具の第1の実施の形 態に係る穿刺針保持部材を皮膚変形部材に装 着する方法を説明するである。 A,B,C,D,E 本発明の穿刺器具の第1の実施 の形態に係る使用方法を説明する説明図であ る。 A,B 本発明の穿刺器具の第1の実施の形 態により皮膚の段差部分に対して穿刺針を穿 刺する状態を説明する断面図である。 本発明の穿刺器具の第1の実施の形態 より穿刺針を皮膚に穿刺した後、穿刺針保 部材にチューブを連結した状態の説明図で る。 A,B,C 本発明の穿刺器具の第2の実施の 態に係る穿刺針保持部材の説明図である。 本発明の穿刺器具の第2の実施の形態 係る穿刺針保持部材を皮膚変形部材に係合 せた状態の断面図である。 本発明の穿刺器具の第2の実施の形態 変形例を示すものであり、押し子を装着し 穿刺針保持部材を皮膚変形部材に係合させ 状態の断面図である。 本発明の穿刺器具の第3の実施の形態 係る穿刺針保持部材の斜視図である。 図17に示すA-A線部分の断面図である。 図17に示すB-B線部分の断面図である。 本発明の穿刺器具の第3の実施の形態 係る穿刺針保持部材の押圧部材を押圧した 態を示す説明図である。 一般的な皮膚構造を示す断面図である 。

 以下、本発明の穿刺器具を実施するため 最良の形態について、添付図面を参照しな ら説明する。

図1は、本発明の穿刺器具の第1の実施の形 を正面側から見た外観斜視図であり、図2は 背面側から見た外観斜視図、図3は正面図、 4は右側面図、図5は縦断面図、図6は分解斜 図である。

図1~図6に示すように、本発明の穿刺器具の 第1の実施の形態を示す穿刺器具1は、穿刺針 持部材3と、皮膚変形部材4と、係合解除部 5と、発射用コイルばね6等から構成されてい る。穿刺針保持部材3は、穿刺針2を保持する 皮膚変形部材4は、穿刺針保持部材3が係合 れると共に皮膚に当接する当接面43aを有す 。係合解除部材5は、穿刺針保持部材3と皮膚 変形部材4との係合を外す。発射用コイルば 6は、弾性部材の一具体例を示すものであり 係合解除部材5によって皮膚変形部材4との 合が外れた穿刺針保持部材3を当接面43aと略 行な方向に発射させる。

図7は、穿刺針保持部材3の斜視図である。 7に示すように、穿刺器具1の穿刺針保持部 3は、平面形状が略コ字状をなす偏平の筐体 らなっている。この穿刺針保持部材3は、穿 刺針2が固定される正面3aと、正面3aと反対側 背面3bと、穿刺針2の先端側から正面3aを見 左側の側面を形成する左側面3cと、右側の側 面を形成する右側面3dと、上面及び下面とを している。

穿刺針保持部材3の正面3aに固定された穿刺 針2は、中空針となっており、穿刺針保持部 3の正面3aから略垂直に突出されている。こ 穿刺針2の先端部には、刃先を鋭角にするた の刃面2aが形成されている。

穿刺針2の直径及び長さは、特に限定され ものではないが、直径としては0.1mm~3mm程度 好ましく、長さとしては2mm~20mm程度が好まし い。穿刺針2の材料としては、例えば、ステ レス鋼を挙げることができるが、これに限 されるものではなく、アルミニウム、アル ニウム合金、チタン、チタン合金その他の 属を用いることができる。

穿刺針保持部材3の背面3bには、接続部31が けられている。この接続部31は、背面3bから 略垂直に突出する円筒体からなり、その筒孔 が注射器の筒先やカテーテルのコネクタ等が 接続される接続孔31aとなっている。接続部31 接続孔31aは、穿刺針保持部材3の内部におい て穿刺針2の内腔部に連通されている。また 接続孔31aは、接続された注射器の筒先やカ ーテルのコネクタ等が簡単に外れないよう テーパ状に形成されている。

使用前において、穿刺針保持部材3の接続 31には、キャップ35が装着されている。この ャップ35は、接続孔31aを清潔な状態に保つ めのものであり、穿刺針保持部材3を皮膚変 部材4に係合させる際に取り外される。また 、穿刺針2は、後述するように、保護カバー21 により被覆されており、その保護カバー21と ャップ35により、穿刺針2が滅菌状態に保た る。なお、キャップ35は、穿刺針2を穿刺し 後、接続孔31aに対して注射器の筒先やカテ テルのコネクタ等を接続する際に取り外す うにしてもよい。

穿刺針保持部材3の左右の側面3c,3dには、皮 膚変形部材4の後述する係合溝48,49にそれぞれ 係合される係合突部32,33が設けられている。 れら係合突部32,33には、それぞれ穿刺針2の 対側に至るにつれて低くなるように傾斜さ た傾斜面32a,33aが形成されている。この傾斜 面32a,33aを形成することにより、係合突部32,33 を皮膚変形部材4の係合溝48,49に簡単に係合さ せることができる。

皮膚変形部材4は、図5及び図6に示すように 、両端が閉じられた有底の筒体からなり、筒 状をなす側板部41と、この側板部41の上端を じる天板部42と、下端を閉じる底板部43等か 構成されている。この皮膚変形部材4は、ポ リ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレ ン等の樹脂により可撓性を有するように成形 されている。

皮膚変形部材4の天板部42には、係合解除部 材5の後述するピストン体51が貫通される貫通 穴42aが設けられている。また、底板部43の外 は、皮膚に当接される当接面43aとなってい 。この底板部43の当接面43aに当接する皮膚 押圧して窪ませることにより、皮膚に段差 分が形成される。

皮膚変形部材4の側板部41には、係合解除部 材5のピストン体51の移動を案内するガイド溝 45と、内部に穿刺針保持部材3を挿入するため の装着用開口部46と、発射用コイルばね6の弾 性力によって発射された穿刺針保持部材3を 過させるための発射用開口部47が設けられて いる。

図2に示すように、側板部41のガイド溝45は 穿刺器具1の背面側に開口される長方形の貫 通穴として形成されている。このガイド溝45 対向する2つの長辺は、皮膚変形部材4の軸 向に延在されており、これら2つの長辺に沿 て係合解除部材5のピストン体51が移動され 。

図6に示すように、装着用開口部46及び発射 用開口部47は、ガイド溝45と反対側である穿 器具1の正面側に開口されている。発射用開 部47は、側板部41の下部と底板部43を水平方 に切り欠くことにより形成されており、装 用開口部46は、発射用開口部47の上側である 側板部41の中間部を水平方向に切り欠くこと より形成されている。

発射用開口部47には、その上辺に連続して 平方向の内側に展開される皮膚押え片47aが 成されている。この皮膚押え片47aは、皮膚 形部材4によって皮膚に段差部分を形成した とき、その段差部分の上側の皮膚(体表面)に 接される。

図8は、穿刺針保持部材3を皮膚変形部材4に 係合させた状態の説明図、図9は、穿刺針保 部材3を皮膚変形部材4に係合させた状態の断 面図である。

図8及び図9に示すように、皮膚変形部材4の 側板部41の内面には、係合部の一具体例を示 一対の係合溝48,49が設けられている。一対 係合溝48,49は、側板部41の内面において互い 対向する位置に配置されており、それぞれ 膚変形部材3の軸方向に延在されている。こ れら一対の係合溝48,49は、装着用開口部46に 応する位置から発射用開口部47に対応する位 置まで形成されている。

側板部41の一対の係合溝48,49には、穿刺針 持部材3の係合突部32,33がそれぞれ摺動可能 係合される。即ち、穿刺針保持部材3は、装 用開口部46から挿入されることにより、そ 係合突部32,33がそれぞれ一対の係合溝48,49に 合される。そして、穿刺針保持部材3が発射 用開口部47に対向する位置において、係合突 32,33は、一対の係合溝48,49との係合が外れる ようになっている。

係合解除部材5(図6参照)は、皮膚変形部材4 内部に移動可能に嵌合されると共に皮膚変 部材4の天板部42を貫通するピストン体51と このピストン体51に連結されると共に皮膚変 形部材4を入れ子式に挿入可能な外ケース52等 を備えて構成されている。

係合解除部材5のピストン体51は、プランジ ャー部54と、突出軸部55等を備えている。プ ンジャー部54は、皮膚変形部材4の内部に摺 可能に嵌合されると共に皮膚変形部材4に係 された穿刺針保持部材3を底板部43側に押し げる。突出軸部55は、プランジャー部54に連 続して突出されると共に皮膚変形部材4の天 部42に設けた貫通孔42aを貫通する。

ピストン体51のプランジャー部54は、皮膚 形部材4の内部に見合った大きさの略直方体 なしており、突出軸部55が連続される上面54 aと、この上面54aと反対側の面である下面54b 、皮膚変形部材4のガイド溝45に対向される 面54cと、正面及び左右の側面を有している

プランジャー部54の下面54bには、発射用コ ルばね6が固定されるばね固定片56が設けら ている。このばね固定片56は、略長方形の 状に形成されており、下面54bにおいて、背 側の一辺に連続して略垂直に突出している ばね固定片56の正面側の面には、発射用コイ ルばねの軸穴に挿入されるばねガイド突起56a が設けられている。

発射用コイルばね6は、圧縮コイルばねで り、一端が係合解除部材5のばね固定片56に 定され、他端が皮膚変形部材4に係合された 刺針保持部材3に当接される。穿刺針保持部 材3が皮膚変形部材4に係合された状態におい 、発射用コイルばね6は、穿刺針保持部材3 よって係合解除部材5のばね固定片56側に押 されて圧縮される。これにより、穿刺針保 部材3は、発射用コイルばね6のばね力によっ て穿刺針2が突出する方向(皮膚変形部材4の当 接面43aと略平行な方向)に押し付けられた状 となる。

本実施の形態では、弾性部材の一具体例と して圧縮コイルばねを用いる構成としたが、 これに限定されるものではない。本発明に係 る弾性部材としては、例えば、板ばね、ねじ りばね等その他のばねを用いることができる ことは勿論、ゴム等の弾性体を適用すること もできる。

プランジャー部54の正面には、皮膚変形部 4の皮膚押え片47aとの干渉を避けるための切 欠き54dが設けられている。また、プランジャ ー部54の背面には、図2等に示すように、皮膚 変形部材4のガイド溝45を貫通する係合片57が けられている。

プランジャー部54の係合片57は、上下方向( 膚変形部材4の軸方向)に延びる長辺を有し 長方形をなしており、短辺の長さがガイド 45の短辺の長さと略等しくなるように設定さ れている。即ち、係合片56の2つの長辺がガイ ド溝45の2つの長辺に摺動可能に当接すること により、ピストン体51が皮膚変形部材4の軸方 向に案内されるようになっている。

ピストン体51の突出軸部55は、プランジャ 部54の上面から略垂直に突出する円柱体から なっている。この突出軸部55の先端部には、 ケース52の後述する連結部59aに嵌合される 合突起55aが設けられている。

係合解除部材5の外ケース52は、一端が閉じ られた有底の筒体からなり、筒状をなす側板 部58と、この側板部58の上端を閉じる天板部59 等からなっている。外ケース52の側板部58は 皮膚変形部材4と同様な形状であって、内部 皮膚変形部材4を挿入可能な大きさに設定さ れている。この側板部58の下端には、ピスト 体51の係合片57との干渉を避けるための切欠 き58aが設けられている。

天板部59の内面には、連結部59aが設けられ いる(図5参照)。この連結部59aは、天板部59 内面に連続して略垂直に突出する円筒状の 体として形成されている。この連結部59aの 穴59bにピストン体51の嵌合突起55aが嵌合して 固定されることにより、ピストン体51と外ケ ス52が一体的に連結される。

ピストン体51及び外ケース52からなる係合 除部材5は、付勢用コイルばね7によって皮膚 変形部材4の底板部43と反対側に付勢されてい る。この付勢用コイルばね7は、圧縮コイル ねであり、ピストン体51の突出軸部55を貫通 せた状態で皮膚変形部材4の天板部42と外ケ ス52の天板部59との間に介在されている。し たがって、付勢用コイルばね7は、外ケース52 を押し下げることにより圧縮されるようにな っている。

付勢用コイルばね7によって付勢された外 ース52は、その下端が皮膚変形部材4の装着 開口部46の上辺に対向された状態となる。ま た、ピストン体51は、外ケース52を介して付 用コイルばね7に付勢される。その状態にお て、プランジャー部54の上面54aは、皮膚変 部材4の天板部42に当接され、ばねガイド突 56aが装着用開口部46に対向される。即ち、ば ね固定片56に固定された発射用コイルばね6が 装着用開口部46に対向される。

本実施の形態では、付勢部材の一具体例と して圧縮コイルばねを用いる構成としたが、 これに限定されるものではない。本発明に係 る付勢部材としては、例えば、板ばね、ねじ りばね等その他のばねを用いることができる ことは勿論、ゴム等の弾性体を適用すること ができる。

図10A及び図10Bは、穿刺針保持部材3の皮膚 形部材4への装着を説明する説明図である。

図10Aに示すように、穿刺器具1の使用前の 態は、穿刺針保持部材3と、穿刺針保持部材3 以外の部材が組み立てられた発射装置10とに 別された状態となっている。発射装置10は 穿刺針保持部材3を新たに装着することで繰 返し再使用することができる。

また、装着前の穿刺針保持部材3には、穿 針2を覆う保護カバー21が取り付けられてい 。この保護カバー21によって穿刺針2を覆う とにより、穿刺針2に指等が触れたり、誤っ 穿刺針2を指等に刺したりすることを防止で きると共に、穿刺針2を滅菌された状態に保 ことができる。更に、外部からの衝撃から 刺針2を守ることができ、穿刺針2が変形する ことを防止することができる。この保護カバ ー21は、穿刺針保持部材3を発射装置10に装着 た後に取り外される。

ここで、穿刺針保持部材3の発射装置10への 装着について説明する。穿刺針保持部材3を 射装置10に装着するには、まず、穿刺針保持 部材3の接続部31に取り付けられているキャッ プ35を取り外す(図7参照)。これにより、穿刺 保持部材3は、図10Aに示すような保護カバー 21が取り付けられている状態となる。

次に、保護カバー21を摘んで穿刺針保持部 3を把持する。そして、穿刺針保持部材3の 面3bを皮膚変形部材4の装着用開口部46に対向 させる。このとき、穿刺針保持部材3の接続 31が、係合解除部材5のピストン体51に取り付 けられた発射用コイルばね6に対向される。

続いて、穿刺針保持部材3を装着用開口部46 から皮膚変形部材4の内部に挿入する。穿刺 保持部材3の挿入を始めると、穿刺針保持部 3の上面がピストン体51の下面54bに当接して 動すると共に、左右の側面3c,3dが皮膚変形 材の内面を摺動する(図5、図8及び図9を参照) 。このとき、穿刺針保持部材3は、係合突部32 ,33によって皮膚変形部材4を押し広げるよう して挿入される。その際、係合突部32,33には 、それぞれ傾斜面32a,33aが形成されているの 、穿刺針保持部材3を容易に挿入することが きる。

また、このとき、穿刺針保持部材3の接続 31が、発射用コイルばね6の軸穴に挿入され 背面3bは発射用コイルばね6に当接される。 れにより、穿刺針保持部材3は、発射用コイ ばね6を圧縮しながら挿入される。そして、 係合突部32,33が、皮膚変形部材4の一対の係合 溝48,49に係合され、穿刺針保持部材3の装着が 完了する図8及び図9を参照)。その後、図10Bに 示すように、装着された穿刺針保持部材3か 保護カバー21を取り外し、穿刺器具1が組み てられる。

穿刺針保持部材3が装着された状態におい 、一対の係合突部32,33は、皮膚変形部材4の 対の係合溝48,49に摺動可能に係合されている 。そのため、穿刺針保持部材3は、穿刺針2が 出する方向(底板部43の当接面43aと平行な方 )への移動が係止されると共に、皮膚変形部 材4の軸方向(底板部43の当接面43aと直交する 向)へ移動可能な状態となっている。

また、穿刺針保持部材3が装着された状態 おいて、穿刺針保持部材3には、圧縮された 射用コイルばね6のばね力が付与されている 。即ち、穿刺針保持部材3は、穿刺針2が突出 る方向に押圧されている。そのため、穿刺 保持部材3は、装着用開口部47に対向した位 で保持された状態となる。

次に、皮膚の所定の部位、例えば、真皮に 穿刺針2を穿刺する場合の使用方法について 図11A~図11Eを参照して説明する。

図11A~図11Eは、第1の実施の形態を示す穿刺 具1の使用方法を説明するための説明図であ る。まず、図11Aに示すように、穿刺器具1を 表面Fの所定の位置に当接させる。即ち、皮 変形部材4の当接面43aを体表面Fに当接させ 。なお、皮膚変形部材4の当接面43aが当接さ る皮膚の体表面Fの下方には、角質層を含む 表皮E、真皮D、皮下組織Sが、層状に配列され ている(図21を参照)。

次に、図11Bに示すように、係合解除部材5 外ケース52を押し下げる。これにより、外ケ ース52が皮膚変形部材4に対して相対的に移動 され、皮膚変形部材4が外ケース52の内部に入 れ子式に挿入される。

このとき、係合解除部材5のピストン体51が 、外ケース52と一体に押し下げられ、皮膚変 部材4のガイド溝45に沿って移動する。これ より、穿刺針保持部材3がピストン体51のプ ンジャー部54によって押し下げられ、皮膚 形部材4の一対の係合溝48,49に沿って底板部43 側に移動する。その際、ピストン体51に取り けた発射用コイルばね6が穿刺針保持部材3 一緒に移動するため、穿刺針保持部材3には 常に発射用コイルばね6のばね力が付与され ている。

また、外ケース52が押し下げられると、外 ース52と皮膚変形部材4との間に介在された 勢用コイルばね7が圧縮される。そして、圧 縮された付勢用コイルばね7のばね力は、皮 変形部材4に付加される。これにより、皮膚 形部材4は、当接面43aに当接する体表面Fを 圧して皮膚を窪ませる。

図11Bに示す状態から更に外ケース52を押し げると、図11Cに示すように、穿刺針保持部 3が皮膚変形部材4の底板部43に当接される。 このとき、穿刺針保持部材3の一対の係合突 32,33が、皮膚変形部材4の一対の係合溝48,49か ら外れる。この状態を図12Aに示す。

図12A及び図12Bは、皮膚の段差部分に対して 穿刺針2を穿刺する状態を説明する断面図で る。図12Aに示すように、穿刺針保持部材3と 膚変形部材4との係合が外れた状態において 、当接面43aに押圧された皮膚と発射用開口部 47に位置する皮膚との間に段差部分Xが形成さ れる。この段差部分Xの深さは、発射用開口 47の形状及び付勢用コイルばね7のばね力に って調整することができる。本実施の形態 は、底板部43に当接した穿刺針保持部材3の 刺針2が、真皮Dの層に対向するように段差部 分Xの深さを設定し、その段差部分Xが形成さ るようなばね力を発揮する圧縮コイルばね 付勢用コイルばね7として用いている。

図11D及び図12Bに示すように、皮膚変形部材 4との係合が外れた穿刺針保持部材3は、穿刺 2が突出する方向へ移動可能となり、発射用 コイルばね6のばね力によって穿刺針2が突出 る方向へ発射される。これにより、穿刺針2 が皮内の真皮Dの層に対して平行に穿刺され 穿刺針2の針先が真皮Dに挿入される。

このとき、穿刺針保持部材3が、皮膚変形 材4の底板部43上を摺動して移動されるため 穿刺針保持部材3を安定して移動させること でき、穿刺針2を真皮Dに確実に穿刺するこ ができる。

その後、図11Eに示すように、穿刺針保持部 材3を発射した穿刺器具1(発射装置10)を皮膚か ら斜め後方に離すと、付勢用コイルばね7に する圧縮が解除される。そして、係合解除 材5の外ケース52は、その下端が皮膚変形部 4の装着用開口部46の上辺と対向する位置に いて付勢された状態となり、ピストン体51の プランジャー部54の上面54aが皮膚変形部材4の 天板部42に当接される。これにより、穿刺器 1(発射装置10)は、新たな穿刺針保持部材3を 着可能な状態となる。

図13は、穿刺針保持部材3にチューブを連結 した状態の説明図である。穿刺針2を真皮Dに 刺した後、穿刺針保持部材3にチューブの一 具体例を示すカテーテル22を接続する。この 、穿刺針2が真皮Dから抜けないように穿刺 保持部材3を押さえて、接続部31にカテーテ 22のコネクタ22aを接続する。これにより、例 えば、注射用治療薬、あるいはホルモン、抗 体医薬品、サイトカイン、ワクチンなどの高 分子物質を用いた薬液等を、穿刺針2を介し 真皮Dに確実に注入することができる。

本実施の形態では、係合解除部材5をピス ン体51及び外ケース52から構成したが、本発 に係る係合解除部材としては、ピストン体5 1のみで構成してもよい。その場合、ピスト 体51の突出軸部55にフランジを設け、そのフ ンジと皮膚変形部材4の天板部42との間に付 用コイルばね7を介在させる。

また、本実施の形態では、皮膚変形部材4 底板部43の反対側に係合解除部材5を付勢す 付勢用コイルばね7を設ける構成としたが、 発明の穿刺器具としては、付勢用コイルば 7を用いない構成とすることもできる。この 場合、穿刺針保持部材3を発射した後の穿刺 具1(発射装置10)の係合解除部材5を手動で元 位置に戻して新たな穿刺針保持部材3を装着 能な状態にする。

なお、付勢用コイルばね7を用いない構成 する場合は、一対の係合溝48,49にリブを設け ることによって、皮膚の段差部分Xの深さを 整するための所定の押圧力を担保すること できる。このリブは、一対の係合溝48,49の底 板部43側の端部に配置し、断面形状を略三角 に形成する。これにより、穿刺針保持部材3 の一対の係合突部32,33がリブを乗り越えると に、皮膚変形部材4が皮膚側に押圧され、皮 膚に段差部分Xが形成される。

次に、本発明の穿刺器具の第2の実施の形 について説明する。

図14A~図14Cは、本発明の穿刺器具の第2の実 の形態に係る穿刺針保持部材13の説明図で る。本発明の穿刺器具の第2の実施の形態は 上述した穿刺器具1と同様の構成を有してお り、異なるところは、穿刺針保持部材13であ 。そのため、ここでは、穿刺針保持部材13 ついて説明し、穿刺器具1と共通する部分の 明を省略する。

図14A,図14Bは、穿刺針保持部材13の外観を示 す。図14Aに示すように、穿刺針保持部材13は 平面形状が略コ字状をなす偏平の筐体から っている。この穿刺針保持部材13は、第1の 施の形態の穿刺針保持部材3と同様に、穿刺 針2が固定される正面13aと、背面13bと、左側 13cと、右側面13dと、上面及び下面とを有し いる。

穿刺針保持部材13の背面13bには、接続部61 設けられている。この接続部61は、背面13bか ら略垂直に突出する円筒体からなり、その筒 孔61aに後述する押し子14の押圧部14aが挿入さ る。また、穿刺針保持部材13の左右の側面13 c,13dには、係合突部62,63が設けられている。 れら係合突部62,63には、第1の実施の形態の 刺針保持部材3と同様に、それぞれ穿刺針2の 反対側に至るにつれて低くなるように傾斜さ れた傾斜面62a,63aが形成されている。

図14Cは、穿刺針保持部材13の断面を示す。 14Cに示すように、穿刺針保持部材13の内部 は、接続部61の筒孔61a及び穿刺針2の内腔に 通された内部空間が形成されている。この 部空間には、弾性材料で構成されたガスケ ト65が移動可能に収納されている。ガスケッ ト65の構成材料としては、特に限定されない 、例えば、天然ゴム、シリコンゴムのよう 各種ゴム材料や、ポリウレタン系、スチレ 系等の各種熱可塑性エストラマー、あるい それらの混合物等の弾性材料が挙げられる

穿刺針保持部材13の内部において、ガスケ ト65と穿刺針2との間には、液室66が形成さ ている。つまり、ガスケット65は、液室66の 面を形成している。液室66には、予め液体 液密に収納されている。液室66に収納される 液体としては、治療用または診断用の注射剤 、例えば、ホルモン、抗体医薬品、サイトカ イン、ワクチンなどの高分子物質を用いた薬 液が挙げられる。

液室66への液体の充填は、いわゆる真空打 方式によって行うことができる。具体的に 、まず、穿刺針2の針先を保護カバー21に設 られたゴム部材等によって封止し、穿刺針 持部材13の内部に液体を挿入する。次に、 刺針保持部材13を真空の環境に置いて、ガス ケット65を筒孔61aに装着する。その後、穿刺 保持部材13を通常の気圧(大気圧)の環境に置 く。これにより、ガスケット65が穿刺針保持 材13の内部に入り込み、液体が封入された 態となる。

押し子14は、円柱状に形成されており、接 部61の筒孔61aに挿入される押圧部14aを有し いる。押し子14を前方(穿刺針2側)に押圧する と、筒孔61aに挿入された押圧部14aが、ガスケ ット65を押圧する。これにより、ガスケット6 5が穿刺針2に近づく方向に移動され、液室に 納された液体が穿刺針2の針先から放出され る。

図15は、穿刺針保持部材13を皮膚変形部材4 係合させた状態の断面図である。穿刺針保 部材13は、装着用開口部46(図1参照)から挿入 される。このとき、ピストン体51の固定片56 設けられたガイド突起56bが、穿刺針保持部 13の筒孔61aに挿入される。これにより、穿刺 針保持部材13の水平方向のガタツキを防止す ことができる。なお、ガイド突起56bは、穿 針保持部材13の内部に収納されたガスケッ 65に当接しない長さに設定されている。

また、穿刺針保持部材13の接続部61が発射 コイルばね6の軸穴に挿入され、その発射用 イルばね6が穿刺針保持部材13の背面13bによ て圧縮される。そして、穿刺針保持部材13 係合突部62,63が皮膚変形部材4の一対の係合 48,49に係合される。なお、穿刺針保持部材13 皮膚変形部材4に係合させるまで、穿刺針保 持部材13の穿刺針2には、保護カバー21(図10Aを 参照)が取り付けられている。穿刺針保持部 13の係合突部62,63は、穿刺針保持部材13が発 用開口部47(図1を参照)に対向する位置に移動 したときに、一対の係合溝48,49から外れるよ になっている。

図16は、第2の実施形態の変形例を示す断面 図であり、押し子14が装着された穿刺針保持 材13を皮膚変形部材4に係合させた状態の断 図である。押し子14が装着された穿刺針保 部材13は、装着用開口部46(図1参照)から挿入 れる。このとき、穿刺針保持部材13の筒孔61 aに挿入された押し子14が、ピストン体51の固 片56に設けられた押し子嵌合部56cに嵌合さ 、これにより、穿刺針保持部材13の水平方向 のガタツキを防止することができる。

また、穿刺針保持部材13が装着用開口部46 ら挿入されると、押し子嵌合部56cを巻回す ように配置された発射用コイルばね6Aが穿刺 針保持部材13の背面13bによって圧縮される。 して、穿刺針保持部材13の係合突部62,63が皮 膚変形部材4の一対の係合溝48,49に係合される 。上述したように、穿刺針保持部材13の係合 部62,63は、穿刺針保持部材13が発射用開口部 47(図1を参照)に対向する位置に移動したとき 、一対の係合溝48,49から外れるようになっ いる。

このように、第2の実施の形態の穿刺器具 は、穿刺針保持部材13に液室66を設けた。そ て、押し子14によってガスケット65を押圧す ることにより、液室66に予め収納された液体 穿刺針2の針先から放出する構成とした。そ のため、皮膚の所定の部位、例えば、真皮の 層に対して穿刺針2を略平行に穿刺した後、 し子14を装着してガスケット65を押圧するだ で、ワクチンなどの薬液を皮膚の真皮の層 注入することができる。

また、第2の実施の形態の変形例では、押 子14が装着された状態の穿刺針保持部材13を 膚変形部材4に係合させるように構成した。 そのため、穿刺針2を皮膚の所定の部位に穿 した後に、穿刺針保持部材13に押し子14を装 させる作業を行う必要がない。したがって ワクチンなどの高分子物質を用いた薬液を 膚の所定の部位に注入する際の作業性を向 させることができる。

次に、本発明の穿刺器具の第3の実施の形 について説明する。

図17は、本発明の穿刺器具の第3の実施の形 態に係る穿刺針保持部材18の斜視図である。 発明の穿刺器具の第3の実施の形態は、前述 した第1及び第2の実施の形態の穿刺器具と同 の構成を有しており、異なるところは、穿 針保持部材18である。そのため、ここでは 穿刺針保持部材18について説明し、穿刺器具 1と共通する部分の説明を省略する。

穿刺針保持部材18は、平面形状が略コ字状 なす偏平の筐体からなっている。この穿刺 保持部材18は、穿刺針2が固定される正面18a 、背面18bと、左側面18cと、右側面18dと、上 18e及び下面とを有している。

穿刺針保持部材18の背面18bには、接続部71 設けられている。この接続部71は、背面18bか ら略垂直に突出する円筒体からなっている。 接続部71の筒孔71aには、皮膚変形部材4の固定 片56に設けられたガイド突起56b(図15を参照)が 挿入される。また、穿刺針保持部材18の左右 側面18c,18dには、係合突部72,73が設けられて る。これら係合突部72,73には、第1及び第2の 実施の形態に係る穿刺針保持部材3,13と同様 、それぞれ穿刺針2の反対側に至るにつれて くなるように傾斜された傾斜面72a,73aが形成 されている。

穿刺針保持部材18の上面18eには、長方形の 合凹部18fが設けられており、この嵌合凹部1 8fに押圧部材75が嵌合されている。押圧部材75 は、嵌合凹部18fに対応した長方形からなり、 弾性材料または可塑性材料によって撓み変形 可能に形成されている。この押圧部材75の上 には、長手方向に適当な間隔をあけて幅方 に延在された複数の滑り止め用突条部75aが けられている。この滑り止め用突条部75aを けることにより、押圧部材75を指で押圧す 際に、その指が滑ることを防止することが きる。

押圧部材75の構成材料としては、特に限定 れないが、例えば、天然ゴム、シリコンゴ のような各種ゴム材料や、ポリウレタン系 スチレン系等の各種熱可塑性エストラマー あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙 られる。また、押圧部材75の構成材料とし は、金属などの塑性変形する材料、あるい これと弾性材料と組み合わせた複合材料を いてもよい。

図18は、図17に示すA-A線部分の断面図であ 。図18に示すように、穿刺針保持部材18の内 には、穿刺針2の内腔に連通された液室76が けられている。この液室76は、嵌合凹部18f 連通しており、押圧部材75によって密閉され ている。液室76には、予め液体が液密に収納 れている。液室76に収納される液体として 、治療用や診断用の注射薬、例えば、ホル ン、抗体医薬品、サイトカイン、ワクチン どの高分子物質を用いた薬液が挙げられる なお、液室76への液体の充填は、いわゆる真 空打栓方式によって行うことができる。

図19は、図17に示すB-B線部分の断面図であ 。図19に示すように、押圧部材75の下部には 液室76に係合される押圧部75bが設けられて る。また、押圧部材75の下部は、幅方向に延 びる短辺から押圧部75bに至るにつれて低くな るように傾斜された傾斜面75c,75dが形成され いる。そのため、押圧部材75を嵌合凹部18fに 嵌合させた状態において、傾斜面75c,75dと嵌 凹部18fとの間には隙間が形成されている。

押圧部材75の押圧部75bは、液室76に対応し 形状からなり、後方(穿刺針保持部材18の背 18b側)に至るにつれてその厚みが厚くなるよ に傾斜されている(図18を参照)。また、押圧 部75bの側面は、液室76の内面とそれぞれ接触 れており、液室76に収納された液体が漏出 ないようになっている。

図20は、穿刺針保持部材18の押圧部材75を押 圧した状態を示す説明図である。図20に示す うに、押圧部材75の上面を指で押圧すると 押圧部材75は、傾斜面75c,75dが穿刺針保持部 18に設けた嵌合凹部18fの底面に接触するよう に撓み変形する。これにより、押圧部材75の 圧部75bが、液室76内に挿入される。このと 、押圧部75bの側面が液室76の内面に接触しな がら挿入されるため、押圧部75bの側面と液室 76の内面との間から液室76内の液体が漏出す ことはない。

押圧部75bが液室76内に挿入されると、液室7 6のスペースが小さくなる、つまり、液室76の 容積を減少させるため、液室76内の液体が、 室76に連通された穿刺針2の針先から放出さ る。つまり、押圧部材75が液室の容積を減 させるように変形することにより、液室76内 の液体が、液室76に連通された穿刺針2の針先 から放出される。

このように、第3の実施の形態の穿刺器具 は、穿刺針保持部材18に液室76と、この液室7 6内に挿入される押圧部75bを有する押圧部材75 を設けた。そして、押圧部材75を押圧して弾 変形または塑性変形させることにより、押 部75bを液室76内に挿入させ、液室76内に収納 された液体を穿刺針2の針先から放出するよ にした。そのため、皮膚の所定の部位、例 ば、真皮の層に対して穿刺針2を略平行に穿 した後、押圧部材75を押圧するだけで、ワ チンなどの薬液を皮膚の真皮の層に注入す ことができる。

また、第3の実施の形態の穿刺器具では、 1の実施の形態の穿刺器具1のように、穿刺針 2を皮膚の所定の部位に穿刺した後に、カテ テルなどのチューブを穿刺針保持部材18に接 続する必要がない。したがって、ワクチンな どの薬液を皮膚の所定の部位に注入する際の 作業性を向上させることができる。

しかも、第3の実施の形態の穿刺器具では 第2の実施の形態の穿刺器具のように、押し 14を用いて薬液を排出させる必要がない。 のため、穿刺針保持部材18の部品点数を削減 することができ、組立作業を簡単化すること ができる。

以上説明したように、本発明の穿刺器具に よれば、皮膚変形部材により皮膚に段差部分 を形成し、その段差部分に略垂直に穿刺針を 穿刺するため、皮膚の所定の部位、例えば、 真皮の層に対して略平行に穿刺針を穿刺する ことができる。その結果、穿刺針を真皮D内 確実に且つ深く挿入することができ、外部 ら衝撃等が加えられた場合であっても、穿 針が真皮Dから簡単に抜けてしまうことを防 することができる。

また、本発明の穿刺器具によれば、穿刺針 を真皮D内に深く挿入することが可能なため 穿刺針の針先から表皮E及び体表面Fまでの距 離を長くすることができる。これにより、穿 刺針を介して真皮Dに注入された薬剤が、逆 して表皮Eに浸透したり、体表面Fの外部へ漏 れてしまったりすることを防止することがで き、真皮Dに確実に薬剤を注入することがで る。

更に、本発明の穿刺器具によれば、係合解 除部材(外ケース)を押し下げるという1つの動 作によって、皮膚に段差部分を形成する工程 と、その段差部分に穿刺針を穿刺する工程を 連続して行うことができる。その結果、皮膚 の所定の部位、例えば、皮内の真皮に極めて 簡単に穿刺針を穿刺することができる。

また、本発明の穿刺器具は、皮膚変形部材 に装着用開口部と発射用開口部を設け、穿刺 針保持部材を除く組立体としての穿刺器具を 繰り返し使用可能な構成にしたため、穿刺後 に廃棄する部材を削減することができ、ラン ニングコストの低減を図ることができる。

しかも、本発明の穿刺器具は、付勢部材に よって係合解除部材を付勢するように構成し たため、穿刺針保持部材を発射した後の穿刺 器具を、自動的に次の穿刺針保持部材を装着 可能な状態にすることができ、作業性を向上 させることができる。

また、本実施形態の穿刺器具は、穿刺針保 持部材を装着するための装着用開口部と穿刺 針保持部材を発射するための発射用開口部が 異なる位置に設けられている。そして、係合 解除部材を当接面側に押圧することによって 穿刺針保持部材が装着用開口部から発射用開 口部へ移動するように構成されている。した がって、穿刺針保持部材が係合溝に沿って発 射用開口部側へ移動しているとき、穿刺針保 持部材の発射方向には、皮膚変形部材の側板 部が存在している。そのため、穿刺針保持部 材は、外部に向かって飛び出し得ない位置を 移動する。即ち、このような構成を有するこ とにより、穿刺操作の途中で何らかの原因( 撃等)により穿刺針保持部材が係合溝から外 たとしても、その穿刺針保持部材が皮膚変 部材の外部に発射されることは無く、針刺 事故を防止することができる。

なお、上記実施形態は、いずれも穿刺針の 針先を真皮に到達させて、薬液等の液体を注 入する例で説明したが、本発明の穿刺器具は 、穿刺針の針先を真皮の他に皮内や皮下組織 、更には筋肉に到達させて、薬液等の液体を 注入する場合にも用いることができるもので ある。

 また、本発明の穿刺器具は、上述の各実 形態に限定されるものではなく、その他材 、構成等において本発明の構成を逸脱しな 範囲において種々の変形、変更が可能であ ことはいうまでもない。

引用符号の説明

1・・穿刺器具、 2・・穿刺針、 3,13,18・ 穿刺針保持部材、 4・・皮膚変形部材、 5 ・係合解除部材、 6・・発射用コイルばね( 性部材)、  7・・付勢用コイルばね(付勢部 材) 31,61,71・・接続部、 31a・・接続孔、 32, 33,62,63,72,73・・係合突部、 32a,33a,62a,63a,72a,73a ・・傾斜面、 41・・側板部、 42・・天板部  42a・・貫通穴、 43・・底板部、 43a・・ 接面、 45・・ガイド溝、46・・装着用開口 、 47・・発射用開口部、 48,49・・係合溝( 合部)、 51・・ピストン体、 52・・外ケー 、54・・プランジャー部、55・・突出軸部、 55a・・嵌合突起、 56・・ばね固定片、 56a ・ばねガイド突起、 57・・係合片、 58・・ 側板部、 58a・・切欠き、 59・・天板部、 5 9a・・連結部、 65・・ガスケット、 66,76・ 液室、 75・・押圧部材、 75a・・滑り止め 突条部、 75b・・押圧部、 75c,75d・・傾斜面