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Title:
QUANTUM ENTANGLEMENT GENERATING DEVICE AND METHOD, AND QUANTUM ENTANGLEMENT GENERATION DETECTING DEVICE AND METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/025195
Kind Code:
A1
Abstract:
A quantum entanglement generating device (30) comprises a laser light source (1) which emits a light beam with a light frequency 2f0, a ring interferometer (20) whose ring optical path is constituted by a beam splitter (4) which the light beam with the light frequency 2f0 enters and mirrors (5, 7, 8), an optical parametric amplifier (6) which is inserted in the optical path of the ring interferometer and generates a light beam with a light frequency f0 when the light beam with the light frequency 2f0 enters, and a dispersion medium (9) which is inserted in the optical path of the ring interferometer and changes the relative optical path lengths of the light beam with the light frequency 2f0 and the light beam with the light frequency f0. By causing two light beams with the light frequency 2f0 which are generated by splitting by the beam splitter (4) and travel in opposite directions to each other in the ring interferometer (20) to enter the optical parametric amplifier (6), first and second squeezed light beams which travel in opposite directions to each other in the ring interferometer are generated, the relative phases of the first and second squeezed light beams are adjusted to predetermined values by the dispersion medium (9), the first and second squeezed light beams are combined by the beam splitter (4), and thereby quantum entanglement beams (10, 11) are generated.

Inventors:
HIRANO TAKUYA (JP)
ETO YUJIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/064436
Publication Date:
February 26, 2009
Filing Date:
August 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
GAKUSHUIN SCHOOL CORP (JP)
JAPAN SCIENCE & TECH AGENCY (JP)
HIRANO TAKUYA (JP)
ETO YUJIRO (JP)
International Classes:
G02F1/365; G02F1/377; G02F1/39; G06E1/00; H04L9/12
Foreign References:
JPH04172329A1992-06-19
Other References:
ZHANG TC ET AL: "Quantum teleportation of light beams", PHYSICAL REVIEW A1, vol. 67, no. 3, March 2003 (2003-03-01), pages 33802-1 - -16
ETO Y ET AL: "Observation of squeezed light at 1.535 (mu)m using a pulsed homodyne detector", OPTICS LETTERS, vol. 32, no. 12, 15 June 2007 (2007-06-15), pages 1698 - 1700, XP001505434
ZHANG Y ET AL: "Experimental generation of broadband quadrature entanglement using laser pulses", PHYSICAL REVIEW A, vol. 76, no. 1-A, July 2007 (2007-07-01), pages 12314-1 - 12314-9
MATSUOKA MASAHIRO: "Shokabo text series - butsurigaku ryoshi kogaku", KABUSHIKI KAISHA SHOKABU, no. 6, 20 June 2006 (2006-06-20), pages 166 - 169
Attorney, Agent or Firm:
HIRAYAMA, Kazuyuki (Shinjukugyoen Bldg.2-3-10, Shinjuku,Shinjuku-k, Tokyo 22, JP)
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Claims:
 光周波数2f 0 の光を発生するレーザー光源と、
 上記光周波数2f 0 の光が入射されるビームスプリッタ及び複数の鏡でリング状光路が構成されるリング型干渉計と、
 上記リング型干渉計の光路中に挿入され、上記光周波数2f 0 の光が入射すると光周波数f 0 の光を発生する光パラメトリック増幅器と、
 上記リング型干渉計の光路中に挿入され、上記光周波数2f 0 の光と上記光周波数f 0 との相対的な光路長を変化させる分散媒質と、
を備え、
 上記ビームスプリッタで分岐され上記リング型干渉計内を互いに反対方向へ進む2つの光周波数2f 0 の光を上記光パラメトリック増幅器に入射させることで、上記リング型干渉計内を互いに反対方向へ進む第1及び第2のスクイーズ光を発生させ、
 上記第1及び第2のスクイーズ光の相対的な位相を上記分散媒質により所定の値に調整し、上記第1及び第2のスクイーズ光を上記ビームスプリッタで合波することにより量子エンタングルビームを生成する、量子エンタングルメント生成装置。
 前記リング型干渉計は、三角形以上の多角形の各辺で光路が構成され、
 前記ビームスプリッタは、上記多角形の一頂点に配置され、
 前記複数の鏡は、上記多角形の残りの頂点に配置されている、請求項1に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記リング型干渉計は、前記ビームスプリッタと前記複数の鏡のうち第1及び第2の鏡とが反時計方向に順に配設される三角形状の光路を有しており、
 前記分散媒質は、前記ビームスプリッタと上記第1の鏡との間の光路に配置され、
 前記光パラメトリック増幅器は、上記第1の鏡と上記第2の鏡との間の光路に配置される、請求項1に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記リング型干渉計は、前記ビームスプリッタと前記複数の鏡のうち第1~第3の鏡とが反時計方向に順に配設される矩形形状の光路を有しており、
 前記光パラメトリック増幅器は上記第1の鏡と上記第2の鏡との間の光路に配置され、
 前記分散媒質は前記ビームスプリッタと上記第3の鏡との間の光路に配置される、請求項1に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記光パラメトリック増幅器と前記第1の鏡との光軸上及び前記光パラメトリック増幅器と前記第2の鏡との光軸上には、それぞれ集光手段が配設される、請求項3又は4に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記光パラメトリック増幅器は、電気光学結晶からなる光導波路構造を有している、請求項1に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記分散媒質は2枚のガラス板からなる、請求項1に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記レーザー光源が、光周波数f 0 の光を発生する光源と、該光源から入射される光周波数f 0 の光を光周波数2f 0 に変換する第2高調波発生器と、からなる、請求項1に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記第2高調波発生器が、電気光学結晶からなる光導波路構造を有している、請求項8に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 前記ビームスプリッタは、光周波数f 0 及び光周波数2f 0 の両方の光に対して透過率及び反射率が共に約50%である、請求項1に記載の量子エンタングルメントの生成装置。
 前記リング型干渉計が面上に形成されている、請求項1に記載の量子エンタングルメント生成装置。
 レーザー光源から光周波数2f 0 の光を発生し、
 上記レーザー光源からの光を、ビームスプリッタ及び鏡からなる光路と該光路内に配置される光パラメトリック増幅器及び分散媒質とからなるリング型干渉計へ入射し、
 上記入射する光を、上記ビームスプリッタで分岐して上記リング型干渉計内で互いに反対方向へ進む2つの光とし、
 上記分岐された一方の光を上記光パラメトリック増幅器から上記分散媒質へ進む光とし、光周波数f 0 の第1のスクイーズ光を発生し、
 上記分岐された他方の光を、上記分散媒質から上記光パラメトリック増幅器へ進む光とし、光周波数f 0 の第2のスクイーズ光を発生し、
 上記第1及び第2のスクイーズ光の相対的な位相を、上記分散媒質によって所定の値に調整し、
 上記第1及び第2のスクイーズ光を、上記ビームスプリッタで合波することにより量子エンタングルビームを生成する、量子エンタングルメント生成方法。
 前記第1及び第2のスクイーズ光の相対的な位相をπ/2とする、請求項12に記載の量子エンタングルメント生成方法。
 前記量子エンタングルビームを、前記ビームスプリッタを透過する第1の量子エンタングルビームとし、前記ビームスプリッタを反射する第2の量子エンタングルビームとする、請求項12に記載の量子エンタングルメント生成方法。
 光周波数f 0 のパルスレーザー光源と該光周波数f 0 の光が入射すると光周波数2f 0 の光を発生する第2高調波発生器とからなり、光周波数f 0 のパルスレーザー光と光周波数2f 0 のパルスレーザー光を同じ光軸上に出射する光源部と、
 上記光周波数2f 0 の光が入射されるビームスプリッタ及び複数の鏡でリング状光路が構成されるリング型干渉計と、
 上記リング型干渉計の光路中に挿入され、上記光周波数2f 0 の光が入射すると光周波数f 0 の光を発生する光パラメトリック増幅器と、
 上記リング型干渉計の光路中に挿入され、上記光周波数2f 0 の光と上記光周波数f 0 との相対的な光路長を変化させる分散媒質と、
 ホモダイン検出器と、
を備え、
 上記ビームスプリッタで分岐されて上記リング型干渉計内を互いに反対方向へ進む2つの光周波数2f 0 の光を、上記光パラメトリック増幅器に入射させることで、上記リング型干渉計内を互いに反対方向へ進む光周波数f 0 の第1及び第2の直線偏光したスクイーズ光を発生させ、
 上記第1及び第2のスクイーズ光の相対的な位相を、上記分散媒質により所定の値に調整し、
 上記第1及び第2のスクイーズ光を、上記ビームスプリッタで合波することにより量子エンタングルビームを生成させ、
 上記ホモダイン検出器に対して、上記光周波数f 0 の直線偏光した量子エンタングルビーム光が信号光として、上記光源部から出射される光周波数f 0 で該信号光とは直交する偏光を有しているパルスレーザー光が局部発振光として、それぞれ入射され、直交位相振幅が検出される、量子エンタングルメント生成検出装置。
 前記量子エンタングルビームは第1及び第2の量子エンタングルビームからなり、上記ホモダイン検出器は第1及び第2のホモダイン検出器からなり、上記第1及び第2の量子エンタングルビーム光が、それぞれ、上記第1及び第2のホモダイン検出器への信号光となる、請求項15に記載の量子エンタングルメントの生成検出装置。
 前記ビームスプリッタは、光周波数f 0 及び光周波数2f 0 の水平直線偏光の光に対して透過率及び反射率が共に約50%であり、光周波数f 0 の垂直直線偏光の光に対して反射率が約100%である、請求項15に記載の量子エンタングルメント生成検出装置。
 前記ホモダイン検出器は、前記信号光及び前記局部発振光が入射される電気光学結晶と、該電気光学結晶から入射する光を偏光させる1/2波長板と、該1/2波長板で偏光した光を重ね合わせると共に透過光と反射光とに分岐するビームスプリッタと、該分岐される2つの光をそれぞれ検出する検出器と、該検出器の差分を出力する手段と、からなる、請求項15に記載の量子エンタングルメント生成検出装置。
 前記ホモダイン検出器は、前記信号光及び前記局部発振光が入射される光周波数f 0 及び光周波数2f 0 を透過させるフィルタと、該フィルタからの光の位相を変化させる1/4波長板と、該1/4波長板からの光を重ね合わせると共に透過光と反射光とに分岐するビームスプリッタと、該分岐される2つの光をそれぞれ検出する検出器と、該検出器の差分を出力する手段と、からなる、請求項15に記載の量子エンタングルメント生成検出装置。
 さらに、前記局部発振光及び前記信号光と前記ホモダイン検出器との間に配設される分散媒質を備え、該ホモダイン検出器は、上記分散媒質を通過した光から光周波数f 0 及び光周波数2f 0 を透過させるフィルタと、該フィルタからの光を重ね合わせると共に透過光と反射光とに分岐するビームスプリッタと、該分岐される2つの光をそれぞれ検出する検出器と、該検出器の差分を出力する手段と、からなる、請求項15に記載の量子エンタングルメント生成検出装置。
 前記リング型干渉計が、面上に形成されている、請求項15に記載の量子エンタングルメント生成検出装置。
 光周波数f 0 のレーザー光源からの光と該レーザー光源から第2高調波発生器を介して発生させた光周波数2f 0 の光とを、同じ光軸上に発生し、
 上記レーザー光源からの光周波数2f 0 の光を、ビームスプリッタ及び複数の鏡からなるリング状光路と、該光路内に配置される光パラメトリック増幅器及び分散媒質と、からなるリング型干渉計へ入射し、
 上記入射する光を、上記ビームスプリッタで分岐して上記リング型干渉計内で互いに反対方向へ進む2つの光とし、
 上記分岐された一方の光を上記光パラメトリック増幅器から上記分散媒質へ進む光とし、光周波数f 0 の第1の直線偏光したスクイーズ光を発生し、
 上記分岐された他方の光を、上記分散媒質から上記光パラメトリック増幅器へ進む光とし、光周波数f 0 の第2の直線偏光したスクイーズ光を発生し、
 上記第1及び第2のスクイーズ光の相対的な位相を、上記分散媒質によって所定の値に調整し、
 上記第1及び第2のスクイーズ光を、上記ビームスプリッタで合波することにより量子エンタングルビームを生成し、
 上記光周波数f 0 の直線偏光した量子エンタングルビームをホモダイン検出器の信号光とし、
 上記光周波数f 0 のレーザー光源からの光を上記分岐された一方の光と同じ光路を介して上記リング型干渉計内を通過させると共に、上記信号光とは直交する偏光とし、上記ホモダイン検出器の局部発振光とし、
 上記ホモダイン検出器が、上記信号光の直交位相振幅を検出することを特徴とする、量子エンタングルメント生成及び検出方法。
 前記光パラメトリック増幅器の前後の光軸上に光周波数2f 0 の光を阻止するフィルタを挿入し、前記量子エンタングルビームの発生を停止する、請求項22に記載の量子エンタングルメント生成及び検出方法。
Description:
量子エンタングルメント生成装 及び方法並びに量子エンタングルメント生 検出装置及び方法

 本発明は、量子エンタングルメント生成 置と量子エンタングルメント生成検出装置 並びに量子エンタングルメントの生成方法 量子エンタングルメント生成検出方法に関 る。さらに詳細には、2次の非線型光学効果 を用いる連続変数の量子エンタングルメント 生成装置及び生成方法と、この量子エンタン グルメント生成装置で生成した量子エンタン グルビームの検出も同時に行うことができる 装置とその検出方法に関する。

 量子情報技術は、量子力学的効果を直接 に利用することにより、従来よりも優れた 報処理を実現する技術あるいは技術分野で る。量子エンタングルメントは、量子情報 術の最も重要な資源である。量子エンタン ルメントを利用することにより、絶対に安 な通信や、従来よりも桁違いに高速な計算 理を実現することができる。

 量子的にエンタングルした状態は、複数 離れた場所にある物理系が互いに相関を持 た状態であり、それら複数の物理系を分離 て扱うことができない状態である。2つの離 れた場所にある物理系が量子的にエンタング ルした状態を共有しているとき、2つの場所 行う測定の結果には、古典論では説明する とができない相関が生じる。

 量子エンタングルメントという言葉は、 般に、量子的にエンタングルした状態その の、あるいは、エンタングルした状態が示 量子論特有の物理現象、または、量子論が 分離の特性を内包しているという概念を表 のに用いられる。しかし、本明細書では、 子エンタングルメントを、量子的にエンタ グルした状態を示す言葉として用いる。

 量子情報処理には、主に2つのアプローチ があり、ひとつは離散的な物理量を用いるも の、もう一つは連続的な物理量を用いるもの である(例えば、非特許文献1参照)。光の場合 には、通常、電場の直交振幅を連続的な値を とる物理量として用いる。連続的な物理量に 対する量子エンタングルメントのことを、連 続変数量子エンタングルメントと呼ぶ。

 従来の連続変数エンタングルメントの生 方法を説明する。最も初期に用いられた方 は、非縮退のパラメトリック増幅器を用い 方法である(例えば、特許文献1参照)。特許 献1で紹介されている実験では、非線型媒質 としてチタン酸リン酸カリウム(KTP)を用い、 イプII(type II)の位相整合を行うことで、互 に直交した偏光状態のシグナル光とアイド 光を発生した。非縮退とは、偏光状態が異 るということである。パラメトリック増幅 タイプIIの位相整合で行ったときのシグナ 光とアイドラ光は、量子的な相関を有して り、連続変数量子エンタングルメントを生 することができる。

 しかしながら、従来のタイプIIの位相整 を用いる方法では、シグナル光とアイドラ に対する非線型媒質の屈折率が異なるため これらの2つの光に対して光共振器を同時に 鳴させることが技術的に困難であった。ま 、一般に、タイプIIの位相整合ではビーム ウォークオフが起こり、量子エンタングル ントの質が低下していた。

 次に実施された方法は、2つのスクイーズ 光を発生し、それらを透過率と反射率がとも に50%のビームスプリッタで重ね合わせること で、量子エンタングルメントを生成するとい うものである。このとき、2つのスクイーズ の相対的な位相差がπ/2となるように精密に 御する必要がある。

 例えば、非特許文献2では、リング共振器 内に置かれたタイプIの位相整合を行うパラ トリック増幅により、リングを右回りと左 りに進行するスクイーズ光を発生し、それ をリングの外に置いたビームスプリッタで ね合わせることで、量子エンタングルメン を発生した。この方法の問題点は、リング 振器を出た後にビームスプリッタで重なり うまでに、2つのスクイーズ光は別の経路を どるので、2つの経路間の相対的な光路長が 不安定になることである。

H. J. Kimble et al., U.S.Patent 5,339,182, Aug.  16, 1994 S. L. Braunstein and P. van Loock, Rev. Mod.  Phys. Vol.77, p.513, 2005 T. C. Zhang, et al., Phys. Rev. A, Vol.67, p. 033802, 2003 Yujiro Eto, et al., Optics Letters, Vol. 32, p p. 1698-1700, 2007 L. M. Duan, et al., Physical Review Letters, V ol. 84, p.2722, 2000

 従来の2つのスクイーズ光を用いる方法で は、光路長の差を常に監視し、帰還制御(フ ードバック制御)による安定化を行う必要が るが、相対的な光路長の安定化は有限の精 でしか実現できない上に、装置が複雑にな という課題があった。

 上記課題に鑑み、本発明の第1の目的は、2 のスクイーズ光を重ね合わせるエンタング メント生成において、2つのスクイーズ光の 対的な位相差を安定的に制御できる、量子 ンタングルメント生成装置を提供すること ある。本発明の第2の目的は、量子エンタン グルメントを生成する方法を提供することで ある。
 本発明の第3の目的は、この量子エンタング ルメント生成装置で生成した量子エンタング ルビームの検出も同時に行うことができる装 置を提供することにある。さらに、本発明の 第4の目的は量子エンタングルメントを生成 、さらに生成した量子エンタングルビーム 検出も同時に行うことができる方法を提供 ることにある。

 上記第1の目的を達成するため、本発明の量 子エンタングルメント生成装置は、光周波数 2f 0 の光を発生するレーザー光源と、光周波数2f 0 の光が入射されるビームスプリッタ及び複数 の鏡でリング状光路が構成されるリング型干 渉計と、リング型干渉計の光路中に挿入され 、光周波数2f 0 の光が入射すると光周波数f 0 の光を発生する光パラメトリック増幅器と、 リング型干渉計の光路中に挿入され、光周波 数2f 0 の光と光周波数f 0 との相対的な光路長を変化させる分散媒質と 、を備え、ビームスプリッタで分岐されリン グ型干渉計内を互いに反対方向へ進む2つの 周波数2f 0 の光を、光パラメトリック増幅器に入射させ ることで、リング型干渉計内を互いに反対方 向へ進む第1及び第2のスクイーズ光を発生さ 、第1及び第2のスクイーズ光の相対的な位 を分散媒質により所定の値に調整し、第1及 第2のスクイーズ光を、ビームスプリッタで 合波することにより量子エンタングルビーム を生成する。
 上記構成において、リング型干渉計は、好 しくは、三角形以上の多角形の各辺で光路 構成され、ビームスプリッタは多角形の一 点に配置され、複数の鏡は多角形の残りの 点に配置されている。
 リング型干渉計は、好ましくは、ビームス リッタと複数の鏡のうち第1及び第2の鏡と 反時計方向に順に配設される三角形状の光 を有しており、分散媒質はビームスプリッ と第1の鏡との間の光路に配置され、光パラ トリック増幅器は第1の鏡と第2の鏡との間 光路に配置される。
 リング型干渉計は、好ましくは、ビームス リッタと複数の鏡のうち第1~第3の鏡とが反 計方向に順に配設される矩形形状の光路を しており、光パラメトリック増幅器は第1の 鏡と第2の鏡との間の光路に配置され、分散 質はビームスプリッタと第3の鏡との間の光 に配置される。
 光パラメトリック増幅器と第1の鏡との光軸 上及び光パラメトリック増幅器と第2の鏡と 光軸上には、好ましくは、それぞれ集光手 が配設される。前記光パラメトリック増幅 は、好ましくは、電気光学結晶からなる光 波路構造を有している。
 分散媒質は、好ましくは、2枚のガラス板か らなる。
 レーザー光源は、好ましくは、光周波数f 0 の光を発生する光源と、光源から入射される 光周波数f 0 の光を光周波数2f 0 に変換する第2高調波発生器と、からなる。
 第2高調波発生器は、好ましくは、電気光学 結晶からなる光導波路構造を有している。
 ビームスプリッタは、好ましくは、光周波 f 0 及び光周波数2f 0 の両方の光に対して透過率及び反射率が共に 約50%である。
 前記リング型干渉計は、好ましくは面上に 成されている。

 上記第2の目的を達成するため、本発明の量 子エンタングルメント生成方法は、レーザー 光源から光周波数2f 0 の光を発生し、レーザー光源からの光を、ビ ームスプリッタ及び鏡からなる光路と光路内 に配置される光パラメトリック増幅器及び分 散媒質とからなるリング型干渉計へ入射し、 入射する光をビームスプリッタで分岐してリ ング型干渉計内で互いに反対方向へ進む2つ 光とし、分岐された一方の光を光パラメト ック増幅器から分散媒質へ進む光とし、光 波数f 0 の第1のスクイーズ光を発生し、分岐された 方の光を分散媒質から光パラメトリック増 器へ進む光とし、光周波数f 0 の第2のスクイーズ光を発生し、第1及び第2の スクイーズ光の相対的な位相を分散媒質によ って所定の値に調整し、第1及び第2のスクイ ズ光をビームスプリッタで合波することに り量子エンタングルビームを生成する。
 上記構成において、好ましくは、第1及び第 2のスクイーズ光の相対的な位相をπ/2とする 量子エンタングルビームを、好ましくは、 ームスプリッタを透過する第1の量子エンタ ングルビームとし、ビームスプリッタを反射 する第2の量子エンタングルビームとする。

 上記構成によれば、リング型干渉計で生 する2つのスクイーズ光の相対的な位相を安 定に保つことにより、安定に量子エンタング ルメントを生成することができる。

 上記第3の目的を達成するため、本発明の量 子エンタングルメントの生成検出装置は、光 周波数f 0 のパルスレーザー光源と光周波数f 0 の光が入射すると光周波数2f 0 の光を発生する第2高調波発生器とからなり 光周波数f 0 のパルスレーザー光と光周波数2f 0 のパルスレーザー光を同じ光軸上に出射する 光源部と、光周波数2f 0 の光が入射されるビームスプリッタ及び複数 の鏡でリング状光路が構成されるリング型干 渉計と、リング型干渉計の光路中に挿入され 、光周波数2f 0 の光が入射すると光周波数f 0 の光を発生する光パラメトリック増幅器と、 リング型干渉計の光路中に挿入され、光周波 数2f 0 の光と光周波数f 0 との相対的な光路長を変化させる分散媒質と 、ホモダイン検出器と、を備え、ビームスプ リッタで分岐されてリング型干渉計内を互い に反対方向へ進む2つの光周波数2f 0 の光を光パラメトリック増幅器に入射させる ことで、リング型干渉計内を互いに反対方向 へ進む光周波数f 0 の第1及び第2の直線偏光したスクイーズ光を 生させ、第1及び第2のスクイーズ光の相対 な位相を分散媒質により所定の値に調整し 第1及び第2のスクイーズ光を、ビームスプリ ッタで合波することにより量子エンタングル ビームを生成させ、ホモダイン検出器に対し て、光周波数f 0 の直線偏光した量子エンタングルビーム光が 信号光として、光源部から出射される光周波 数f 0 で信号光とは直交する偏光を有しているパル スレーザー光が局部発振光として、それぞれ 入射され、直交位相振幅が検出される。

 上記構成において、好ましくは、量子エン ングルビームは第1及び第2の量子エンタン ルビームからなり、ホモダイン検出器は第1 び第2のホモダイン検出器からなり、第1及 第2の量子エンタングルビーム光が、それぞ 、第1及び第2のホモダイン検出器への信号 となる。
 ビームスプリッタは、好ましくは、光周波 f 0 及び光周波数2f 0 の水平直線偏光の光に対して透過率及び反射 率が共に約50%であり、光周波数f 0 の垂直直線偏光の光に対して反射率が約100% ある。
 ホモダイン検出器は、好ましくは、信号光 び局部発振光が入射される電気光学結晶と 電気光学結晶から入射する光を偏光させる1 /2波長板と、1/2波長板で偏光した光を重ね合 せると共に透過光と反射光とに分岐するビ ムスプリッタと、分岐される2つの光をそれ ぞれ検出する検出器と、検出器の差分を出力 する手段と、からなる。
 ホモダイン検出器は、好ましくは、信号光 び局部発振光が入射される光周波数f 0 及び光周波数2f 0 を透過させるフィルタと、フィルタからの光 の位相を変化させる1/4波長板と、1/4波長板か らの光を重ね合わせると共に透過光と反射光 とに分岐するビームスプリッタと、分岐され る2つの光をそれぞれ検出する検出器と、検 器の差分を出力する手段と、からなる。
 さらに、好ましくは、局部発振光及び信号 とホモダイン検出器との間に配設される分 媒質を備え、ホモダイン検出器は、分散媒 を通過した光から光周波数f 0 及び光周波数2f 0 を透過させるフィルタと、フィルタからの光 を重ね合わせると共に透過光と反射光とに分 岐するビームスプリッタと、分岐される2つ 光をそれぞれ検出する検出器と、検出器の 分を出力する手段と、からなる。
 前記リング型干渉計は、好ましくは面上に 成されている。

 上記第4の目的を達成するため、本発明の量 子エンタングルメントの生成及び検出方法は 、光周波数f 0 のレーザー光源からの光とレーザー光源から 第2高調波発生器を介して発生させた光周波 2f 0 の光とを同じ光軸上に発生し、レーザー光源 からの光周波数2f 0 の光を、ビームスプリッタ及び複数の鏡から なるリング状光路と光路内に配置される光パ ラメトリック増幅器及び分散媒質とからなる リング型干渉計へ入射し、入射する光をビー ムスプリッタで分岐してリング型干渉計内で 互いに反対方向へ進む2つの光とし、分岐さ た一方の光を光パラメトリック増幅器から 散媒質へ進む光とし、光周波数f 0 の第1の直線偏光したスクイーズ光を発生し 分岐された他方の光を分散媒質から光パラ トリック増幅器へ進む光とし、光周波数f 0 の第2の直線偏光したスクイーズ光を発生し 第1及び第2のスクイーズ光の相対的な位相を 分散媒質によって所定の値に調整し、第1及 第2のスクイーズ光をビームスプリッタで合 することにより量子エンタングルビームを 成し、光周波数f 0 の直線偏光した量子エンタングルビームをホ モダイン検出器の信号光とし、光周波数f 0 のレーザー光源からの光を分岐された一方の 光と同じ光路を介してリング型干渉計内を通 過させると共に、信号光とは直交する偏光と し、ホモダイン検出器の局部発振光とし、ホ モダイン検出器により信号光の直交位相振幅 を検出する。

 上記構成において、好ましくは、光パラメ リック増幅器の前後の光軸上に光周波数2f 0 の光を阻止するフィルタを挿入し、量子エン タングルビームの発生を停止する。

 上記構成によれば、リング型干渉計で生 する2つのスクイーズ光の相対的な位相を安 定に保つことにより、安定に量子エンタング ルビームを生成することができる。さらに、 ホモダイン検出器の局部発振光が、リング型 干渉計に入射する光と同じ光軸から供給され るので、量子エンタングルビームのホモダイ ン検出も安定して行うことができる。

 本発明の量子エンタングルメント生成装置 び量子エンタングルメント生成方法によれ 、リング型干渉計内で互いに反対方向へ進 2つのスクイーズ光の相対的な位相を安定に 保つことにより、安定に量子エンタングルメ ントを生成することができる。
 本発明の量子エンタングルメント生成検出 置及び量子エンタングルメント生成及び検 方法によれば、リング型干渉計内で互いに 対方向へ進む2つのスクイーズ光の相対的な 位相を安定に保つことにより、安定に量子エ ンタングルメントを生成することができると 共に、生成した量子エンタングルメントビー ムのホモダイン検出も安定して行うことがで きる。さらに、エンタングルメントビームと ホモダイン検出のための局部発振光とを同軸 上に出力することにより、ホモダイン検出の 安定性を向上することができる。

本発明の第1実施形態に係る量子エンタ ングルメント生成装置の構成を示すブロック 図である。 本発明の第2実施形態に係る量子エンタ ングルメント生成装置の構成を示す図である 。 本発明の第3実施形態に係る量子エンタ ングルメント生成装置の構成を示すブロック 図である。 本発明の第1実施形態による量子エンタ ングルメントの生成検出装置を示すブロック 図である。 本発明の第2実施形態に係る量子エンタ ングルメントの生成検出装置を示すブロック 図である。 〈δ 2 (X a a1 )+X b b ))〉の値が最小になった位相(その位相をφ b b1 とする。)におけるX a a1 )とX b b1 )の散布図である。 φ b b2 b1 +π/2を満たす位相(その位相をφ b b1 とする。)におけるX a a2 )とX b b2 )の散布図である。 測定したX a a ),X b b )から計算した第1の量子エンタングルビーム 第2の量子エンタングルビームの和と差の分 散のφ b への依存性を示す図である。

符号の説明

1:レーザー光源
2,105:第2高調波発生器
3:第1の鏡
4:ビームスプリッタ
5:第2の鏡
6,122:光パラメトリック増幅器
7:第3の鏡
8:第4の鏡
9,124,128:分散媒質
10,130:第1の量子エンタングルビーム
11,131:第2の量子エンタングルビーム
15:光周波数f 0 のレーザー光源
20,25,70,170:リング型干渉計
30,35,40:量子エンタングルメント生成装置
50,150:量子エンタングルメントの生成検出装
60,160:光源部
80,180:第1のホモダイン検出器
90,190:第2のホモダイン検出器
100:パルスレーザー光源
101:光パルス(光周波数f 0 で水平偏光の光)
102,132,138,139:光周波数f 0 に対するゼロオーダーの1/2波長板
103,107,110,113:光周波数f 0 の光の水平偏光成分
104,108,111:光周波数f 0 の光の垂直偏光成分
106:光周波数2f 0 で水平偏光の光
109,117,219:光周波数f 0 に対する偏光ビームスプリッタ
112,118:2波長用波長板(光周波数f 0 では1/2波長板、光周波数2f 0 では1波長板となる)
114:鏡
115:光周波数f 0 の光
116:光周波数2f 0 の光
120,134,213:特殊ビームスプリッタ
121,123,203,204,210:鏡(2波長鏡)
125,216:第1のガラス板
126,217:第2のガラス板
133,135,214,215,220:光周波数f 0 に対する鏡
136:第1の電気光学結晶
137:第2の電気光学結晶
140,141:光周波数f 0 に対する偏光ビームスプリッタ
142:第1のフォトダイオード
143:第2のフォトダイオード
144:第3のフォトダイオード
145:第4のフォトダイオード
146:第1のRFコンバイナー
147:第2のRFコンバイナー
148:第1の増幅器
149:第2の増幅器
200,202,206,208,226,227,228,229:レンズ
205,207,223,224:赤色フィルタ
211,212:平行平面ガラス板
221,222:バンドパスフィルタ
225:1/4波長板

 以下、図面を参照して本発明の好適な実施 態を詳細に説明する。
(量子エンタングルメント生成装置の第1実施 態)
 図1は、本発明の第1実施形態に係る量子エ タングルメント生成装置30の構成を示す平面 視のブロック図である。光路は直線で示して いる。図示したXY座標によって、平面図にお る横方向をX方向とし、縦方向をY方向とし 説明する。図1に示すように、本発明の量子 ンタングルメント生成装置30は、レーザー 源1とリング型干渉計20とから構成されてい 。光周波数が2f 0 のレーザー光源1から出射した光は、第1の鏡3 を介してリング型干渉計20に入射される。

(量子エンタングルメント生成装置の第2実施 態)
 図2は、本発明の第2実施形態に係る量子エ タングルメント生成装置35の構成を示す平面 視のブロック図である。光路は直線で示して いる。図2に示す量子エンタングルメント生 装置35が図1に示す量子エンタングルメント 成装置30と異なるのは、レーザー光源1の構 である。レーザー光源1は、光周波数f 0 のレーザー光源15と第2高調波発生器2とから 成されており、光周波数2f 0 の光を発生する。レーザー光源1から発生し レーザー光は、図2において、-X方向(左向き) に直進して第1の鏡3に入力され、その反射光 -Y方向(下向き)に反射されてリング型干渉計 20へ入射する。

 リング型干渉計20は、ビームスプリッタ4 第2の鏡5と光パラメトリック増幅器6と第3の 鏡7と第4の鏡8と分散媒質9とから構成されて る。ビームスプリッタ4の-Y方向(下側)に第2 鏡5が配置されている。第2の鏡5のX方向(右側 )に第3の鏡7が配置されている。また、ビーム スプリッタ4のX方向(右側)に第4の鏡8が配置さ れている。

 リング型干渉計20は、ビームスプリッタ4 第2~4の鏡5,7,8とが四角形、具体的には矩形 各頂点に配置され、光路を形成している。 まり、リング型干渉計20は、ビームスプリッ タ4と、リング型干渉計20用の第1~第3の鏡5,7,8 反時計方向に順に配設されている。光パラ トリック増幅器6は第2の鏡5と第3の鏡7とか 形成される光路軸に沿って配置されている 分散媒質9は、ビームスプリッタ4と第4の鏡8 から形成される光路軸に沿って配置されて る。

 ビームスプリッタ4は、光周波数2f 0 と光周波数f 0 の両方の光に対して、透過率及び反射率が50% であることが望ましい。

 第1~4の鏡3,5,7,8は、何れも光周波数2f 0 と光周波数f 0 の両方の光を反
射する鏡であり、例えば、誘電体からなる。

 光パラメトリック増幅器6は光周波数2f 0 の光をf 0 に変換する。光パラメトリック増幅器6は、2 の非線型光学効果を有する結晶を用いるこ ができ、例えば、周期分極反転構造を有す LiNbO 3 からなる光導波路を用いることができる。

 分散媒質9は光学ガラスを用いることがで きる。光学ガラスの材料としては、BK7のよう なホウケイ酸ガラスを使用してもよい。分散 媒質9が光学ガラスからなる場合には、光学 ラスの光軸内の寸法が変化するように微動 ることにより、レーザー光がガラス内を透 する距離を変化させることで、レーザー光 相対的な位相を制御することができる。光 ガラスとしては、楔形状のウェッジガラス を用いてもよく、後述するように、2枚用い 分散媒質9としてもよい。別の分散媒質9と ては、空気などの気体を容器に充填し、光 入り口及び出口となる窓部を有する、所謂 スセルを用いることができる。分散媒質9が スセルからなる場合には、気体の圧力を変 させることで、気体を通過するレーザー光 相対的な位相を制御することができる。

 リング型干渉計20は、平面の上に形成さ ていることが好ましい。リング型干渉計20は 、ブレッドボード上に形成することができる 。ブレッドボードは、光学定盤とも呼ばれて いる。ブレッドボードは、剛性がある材料か らなる板または基板であってもよい。リング 型干渉計20を単一のブレッドボード上に形成 ることにより、温度変動や振動に対して光 長の安定化を図ることができると共に、装 の構成が簡単になる。第1の鏡3も単一のブ ッドボード上に形成してもよい。レーザー 源1からの光も、光ファイバで単一のブレッ ボードへ導光すれば、さらに、温度変動や 動に対して光路長の安定化を図ることがで る。

 次に、本発明の量子エンタングルメント生 装置30,35の動作を説明する。
 レーザー光源1から出射して第1の鏡3とビー スプリッタ4と第2の鏡5とを通過した光周波 2f 0 の光は、光パラメトリック増幅器6の励起光 力となり、光周波数f 0 の第1のスクイーズ光を発生する。この第1の クイーズ光は、リング型干渉計20の中を反 計回りに進み、第3の鏡7及び第4の鏡8で反射 れたのち、分散媒質9を通過し、ビームスプ リッタ4に至る。

 次に、ビームスプリッタ4でX方向(右側)に反 射されたレーザー光は、分散媒質9を通過し 第4の鏡8で-Y方向(下側)に反射され、第3の鏡7 で-X方向(左側)に反射されたのち、光パラメ リック増幅器6に入射し、光周波数f 0 の第2のスクイーズ光を発生する。したがっ 、この第2のスクイーズ光は、リング共振器 中を時計回りに進み、分散媒質9を通過して 第2の鏡5で反射された後、ビームスプリッタ4 に至る。

 このようにして、リング型干渉計20で発 し、互いに反対方向へ進む第1及び第2のスク イーズ光は、ビームスプリッタ4で空間的に ね合わせが生起される。このとき、第1のス イーズ光と第2のスクイーズ光との相対的な 位相がπ/2となるように分散媒質9を操作する とにより、量子的な相関をもつ第1の量子エ ンタングルビーム10と第2の量子エンタングル ビーム11を発生することができる。第1の量子 エンタングルビーム10は、ビームスプリッタ4 を通過した後、図1に示すように-X方向(左方 )に出射する。第2の量子エンタングルビーム 11は、ビームスプリッタ4によりY方向(上方向) へ反射し、第1の鏡3を通過して出射する。

 第1のスクイーズ光と第2のスクイーズ光と 、ビームスプリッタ4で重ね合わせた際の相 的な位相を、分散媒質9を用いて制御できる のは、次の理由による。リング型干渉計20を 時計回りに進む経路では、光周波数f 0 の光が分散媒質9を通過するのに対し、時計 りに進む経路では光周波数2f 0 の光が分散媒質を通過するからである。すな わち、時計回りと反時計回りの互いに反対方 向に進む場合には、分散媒質9を通るときの 周波数が異なるので、分散の大きさを変え ことで、第1のスクイーズ光と第2のスクイー ズ光の相対的な位相を変えることができる。

 さらに、第1のスクイーズ光と第2のスク ーズ光との相対的な位相を、分散媒質9によ 所望の値、例えば、π/2となるように設定す ることにより、第1及び第2の量子エンタング ビーム10,11を生成することができる。

 本発明の第1,第2の実施形態に係る量子エン ングルメント生成装置30,35によれば、第1及 第2の2つのスクイーズ光は、互いに異なる 路をたどるのではなく、同一のリング型干 計20内を互いに逆向きに回るだけであるので 、それらの間の相対的な位相は機械的に安定 である。さらに、リング型干渉計20内で光の 長が変換される。すなわち、光周波数2f 0 のレーザー光源1による励起光によって、光 ラメトリック増幅器6において光周波数f 0 のスクイーズ光を発生し、分散媒質9を制御 ることにより、第1及び第2のスクイーズ光間 の相対的な位相を変化させることができる。 したがって、本発明の量子エンタングルメン ト生成装置30,35によれば、第1及び第2のスク ーズ光を重ね合わせるエンタングルメント 成において、第1及び第2のスクイーズ光の相 対的な位相差を安定に制御することができる 。

(量子エンタングルメント生成装置の第3実施 態)
 次に、本発明の第3実施形態に係る量子エン タングルメント生成装置40の構成について説 する。
 図3は、本発明の第3実施形態に係る量子エ タングルメント生成装置40の構成を示す平面 視したブロック図である。光路は直線で示し ている。図3に示す量子エンタングルメント 成装置40が、図1に示す量子エンタングルメ ト生成装置30と異なるのは、リング型干渉計 25である。他の構成は、量子エンタングルメ ト生成装置30と同じであるので説明は省略 る。
 リング型干渉計25は、ビームスプリッタ4と 散媒質9と第2の鏡5と光パラメトリック増幅 6と第3の鏡7とから構成されている。ビーム プリッタ4の垂直下方(-Y方向)に第2の鏡5が配 置されている。ビームスプリッタ4のX方向(右 方向)に第3の鏡7が配置されている。

 リング型干渉計25は、ビームスプリッタ4 第2の鏡5と第3の鏡7とが三角形の各頂点に配 置されて光路を形成している。つまり、リン グ型干渉計25は、ビームスプリッタ4と、リン グ型干渉計25用の第1及び第2の鏡5,7が反時計 向に順に配設されている。光パラメトリッ 増幅器6は第2の鏡5と第3の鏡7とから形成され る光路軸に沿って配置されている。分散媒質 9は、ビームスプリッタ4と第2の鏡5とから形 される光路軸に沿って配置されている。

 リング型干渉計25は、リング型干渉計20と 同様に基板上に形成されていることが好まし い。リング型干渉計25を基板上に形成するこ により、温度変動や振動に対して光路長の 定化を図ることができると共に、装置の構 が簡単になる。第1の鏡3も同一の基板上に 成してもよい。レーザー光源1からの光を光 ァイバで基板へ導光すれば、さらに、温度 動や振動に対して光路長の安定化を図るこ ができる。

 次に、第3実施形態の量子エンタングルメン ト生成装置40による量子エンタングルメント 成について説明する。
 レーザー光源1から出射した光周波数2f 0 の光は、第1の鏡3で反射され、ビームスプリ タ4を透過した後、分散媒質9を通過して第2 鏡5で反射され、光パラメトリック増幅器6 励起光入力となる。光パラメトリック増幅 6は、光周波数f 0 の第1のスクイーズ光を発生する。光周波数f 0 の第1のスクイーズ光は、水平偏光した光で ってもよい。
 この第1のスクイーズ光は、リング型干渉計 25の中を反時計回りに進み、第3の鏡7で反射 れたのち、ビームスプリッタ4に至る。

 レーザー光源1から出射し、第1の鏡3で反射 れた光はビームスプリッタ4へ入射し、ビー ムスプリッタ4に入射した光周波数2f 0 の光はX方向へ反射され、第3の鏡7で紙面左斜 め下方に反射されて光パラメトリック増幅器 6に入射し、光周波数f 0 の第2のスクイーズ光を発生する。
 次に、光周波数f 0 の第2のスクイーズ光は第2の鏡5でY方向に反 されたのち、分散媒質9を通過し、ビームス リッタ4に至る。したがって、この第2のス イーズ光は、リング型干渉計25の中を時計回 りに進み、分散媒質9を通過してビームスプ ッタ4に至る。

 このようにして、リング型干渉計25で発 した第1及び第2のスクイーズ光は、ビームス プリッタ4で空間的に重ね合わせが生起され 。このとき、第1のスクイーズ光と第2のスク イーズ光との相対的な位相がπ/2となるよう 分散媒質9を操作することにより、量子的な 関をもつ第1の量子エンタングルビーム10及 第2の量子エンタングルビーム11を発生する とができる。第1の量子エンタングルビーム 10は、ビームスプリッタ4を通過した後、図3 示すように-X方向(左方向)に出射する。第2の 量子エンタングルビーム11は、ビームスプリ タ4によりY方向(上側)へ反射し、第1の鏡3を 過して出射する。

 第1のスクイーズ光及び第2のスクイーズ の相対的な位相をπ/2となるように分散媒質9 を設定することにより、第1及び第2の量子エ タングルビーム10,11を生成することができ 。

(量子エンタングルメント生成検出装置の第1 施形態)
 次に、本発明の第1の実施形態に係る量子エ ンタングルメントの生成検出装置50について 明する。
 図4は、第1実施形態に係る量子エンタング メントの生成検出装置50を示す平面視におけ るブロック図である。光路は直線で示してい る。量子エンタングルメントの生成検出装置 50は、量子エンタングルビームを生成する手 と、生成された量子エンタングルビームを 出する手段と、を備えた装置である。図4に 示すように、量子エンタングルメントの生成 検出装置50は、光源部60とリング型干渉計70と 第1のホモダイン検出器80と第2のホモダイン 出器90とから構成されている。

 ここで、量子エンタングルビームの生成 、光源部60とリング型干渉計70とにより行わ れる。生成された量子エンタングルビーム信 号は、第1及び第2のホモダイン検出器80,90に り検出される。この場合、光源部60からの光 が局部発振光となる。ホモダイン検出とは、 同じ光周波数を有する信号光及び局部発振光 の混合による検波であり、信号光の直交位相 振幅を測定するものである。

 光源部60は、パルスレーザー光源100と、 ルスレーザー光源100から出射されるパルス ーザー光の光路に沿って順に配置されてい 1/2波長板102と第2高調波発生器105と偏光ビー スプリッタ109と2波長用波長板112と鏡114と偏 光ビームスプリッタ117と2波長用波長板118と ら構成されている。2波長用波長板118を通過 たレーザー光がリング型干渉計70へ入射さ る。

 パルスレーザー光源100は、光周波数がf 0 で水平偏光の光パルス101を発生する。水平偏 光の光パルス光101は、光周波数f 0 に対してゼロオーダーの1/2波長板102に入射す る。1/2波長板102は、水平偏光の光パルス光101 の偏光面を回転し、斜め直線偏光の光に変換 する。つまり、光パルス光101の偏光面が、水 平偏光成分103と垂直偏光成分104に変換され、 水平偏光成分103及び垂直偏光成分104が第2高 波発生器105へ入射する。この場合、偏光面 回転角により局部発振光の強度を調節する とができる。

 第2高調波発生器105により、光周波数f 0 のパルス光の水平偏光成分103の一部は、光周 波数が2f 0 で水平偏光のパルスレーザー光106に変換され る。この水平偏光のパルスレーザー光106は、 偏光ビームスプリッタ109及び2波長用波長板11 2で変化を受けることなくそのまま透過する 第2高調波発生器105には、2次の非線型光学効 果を有する結晶、例えば、周期分極反転した LiNbO 3 からなる光導波路を用いることができる。

 光周波数2f 0 に変換されなかった水平偏光成分の光周波数 f 0 の光107は、垂直偏光を透過するように配置さ れた光周波数f 0 に対する偏光ビームスプリッタ109により反射 され、光周波数f 0 の光の水平偏光成分110となり外部へ出射し、 エンタングルビーム生成には使用しない。こ れは、第2高調波への変換効率が高い場合に 、変換されずに残った基本波の時間波形が れるためである(非特許文献3参照)。しかし がら、第2高調波発生器105の変換効率が高く い場合には、水平偏光成分110を必ずしも捨 る必要はなく、再利用することも可能であ 。

 一方、光周波数f 0 のパルス光の垂直偏光成分104は、第2高調波 生器105の非線形相互作用を受けることなく 過するので、出力される垂直偏光成分108は 元のパルスレーザー光源100から出力される ルスと同じパルス幅とスペクトルを有して る。この光周波数f 0 のパルス光の垂直偏光成分108は、偏光ビーム スプリッタ109を透過し、透過した垂直偏光の 光111は、光周波数f 0 では1/2波長、光周波数2f 0 では1波長となる2波長用波長板112によって水 偏光の光113となる。

 鏡114は、光周波数2f 0 に対する反射率が高いものを用いる。鏡114と しては、誘電体からなる鏡を使用することが できる。鏡114の光周波数f 0 に対する反射率は、後述するホモダイン検出 に必要な局部発振光の強度に応じて選ぶこと ができる。鏡114の光周波数f 0 に対する反射率が小さいときは、鏡114を光周 波数f 0 のみを選択的に減衰するフィルタとして用い ることができる。

 したがって、パルスレーザー光源100から出 した光は、同じ光軸上において、どちらも 平偏光である光周波数f 0 のパルス光115と光周波数2f 0 のパルス光116となる。ここで、光周波数f 0 のパルス光115及び光周波数2f 0 のパルス光116は同じ光軸にあるので、同軸上 のパルス光115及び光周波数2f 0 のパルス光116とも呼ぶ。

 偏光ビームスプリッタ117が、光周波数f 0 の水平偏光成分を透過するように配置されて いる。したがって、光周波数f 0 のパルス光はそのまま透過する。つぎに、2 長用波長板118により、光周波数f 0 のパルス光が垂直偏光へと変換される。

 リング型干渉計70は、後述する特殊な機 を有するビームスプリッタ120(以下、本発明 は特殊ビームスプリッタと呼ぶ。)と鏡121と 光パラメトリック増幅器122と鏡123と分散媒質 124とから構成されている。鏡121は特殊ビーム スプリッタ120の平面視-X方向(左側)に配置さ ており、鏡123は特殊ビームスプリッタ120の-Y 方向(下側)に配置されている。

 リング型干渉計70は、特殊ビームスプリ タ120と鏡121,123とが三角形の各頂点に配置さ ている。光パラメトリック増幅器122は、鏡1 21と鏡123とから形成される光路軸に沿って配 されている。分散媒質124は、特殊ビームス リッタ120と鏡123とから形成される光路軸に って配置されている。上述したリング型干 計20と同様に、リング型干渉計70は、ブレッ ドボードや基板上に形成されていることが好 ましい。リング型干渉計70をブレッドボード 基板上に形成することで、温度変動や振動 対して光路長の安定化を図ることができる 共に、装置の構成が簡単になる。

 特殊ビームスプリッタ120は、光周波数f 0 及び光周波数2f 0 の水平直線偏光の光に対しては透過率及び反 射率が共にほぼ50%であり、光周波数f 0 の垂直直線偏光の光に対してはほぼ100%の反 率を有している。したがって、光周波数2f 0 のパルス光116は水平偏光であるので、特殊ビ ームスプリッタ120により、ほぼ1対1の割合で 岐され、リング型干渉計70に入射した後、 述するように第1及び第2の量子エンタングル ビーム131,132を発生する。

 鏡121,123は、光周波数f 0 及び2f 0 に対して反射率がほぼ100%の鏡であり、例え 誘電体からなる。

 光パラメトリック増幅器122は、2次の非線型 光学効果を有する結晶を用いることができ、 例えば、周期分極反転したLiNbO 3 からなる光導波路を用いることができる。

 分散媒質124は、第1のガラス板125と第2のガ ス板126とから構成されている。第1及び第2の ガラス板125,126は、波長に対して微小な光路 差を与えることができる光学部品のウェッ ガラス板を使用することができる。ウェッ ガラス板125,126の一例は、片面が光軸に対し 直角な面であり、他面が光軸に対して傾斜 として形成されている。ウェッジガラスの 料としては、BK7のようなホウケイ酸ガラス 使用することができる。第1または第2のウ ッジガラス板125,126は、光軸に対して垂直方 へ移動することができる。第1または第2の ェッジガラス板125,126を光の進行方向に垂直 向に移動しても、2つのウェッジガラス板125 ,126を通過後の光ビーム位置の変動を抑える とができる。
 上記の構成において、ウェッジガラス板125, 126のウェッジの向きを互い逆にすることで、 すなわち、2つのウェッジガラス板125,126の厚 が薄い側が光軸に対して左右逆になるよう 配置することで、光ビーム位置の変動をさ に抑えることができる。

 さらに、ウェッジガラス板125,126の両面に、 光周波数f 0 及び光周波数2f 0 に対する無反射コーティングを施すことで、 ウェッジガラス板125,126に高い透過率をもた ることができる。ウェッジガラス板125,126を 軸に対して垂直方向へ移動すると、ガラス 中を透過する光路長が変化するので、分散 効果を得ることができる。すなわち、第1の ウェッジガラス板125と第2のウェッジガラス 126とを用い、光の周波数による屈折率の違 の効果により、光周波数がf 0 と2f 0 との光の間の相対的な光路長を変化させるこ とができる。例えば、ウェッジガラス板125,12 6の材料としてBK7を使用し、ウェッジガラス 傾斜角を1度とする。光周波数f 0 の光の波長が1535nmで、光周波数2f 0 の光の波長が767nmとした場合、ウェッジガラ 板125,126を光軸に対して垂直方向に0.86mm移動 すると、光周波数f 0 の光と光周波数2f 0 の光の相対的な位相がπ/2変化する。この時 光周波数f 0 と光周波数2f 0 との光ビームの相対的な位置変動は3nmよりも 小さい。また、好ましくは、光ビームを1枚 のウェッジガラス板125に対して垂直に入射 せ、2枚目のウェッジガラス板126から光ビー を垂直に出射するように第1及び第2のウェ ジガラス板125,126を配置し、さらに、2枚のウ ェッジガラス板125,126の間隔を可能な限り接 させることで,光周波数f 0 及び光周波数2f 0 の光ビームの位置のずれを小さくすることが できる。

 次に、第1実施形態に係る量子エンタングル メント生成検出装置50の動作について説明す 。
 特殊ビームスプリッタ120によりほぼ1対1の 合で分岐された光周波数2f 0 の2つの光において、その一方の光は、リン 型干渉計70内を反時計方向、つまり、鏡121と 光パラメトリック増幅器122と鏡123と分散媒質 124との順に通過する。他方の光は、リング型 干渉計70内を時計方向、つまり、分散媒質124 鏡123と光パラメトリック増幅器122と鏡121と 順に通過する。

 反時計方向に進む光周波数2f 0 の水平偏光の光は、光パラメトリック増幅器 122に入射し、光周波数2f 0 のパルス光はパラメトリック増幅の励起光と してはたらき、光周波数f 0 の水平偏光したスクイーズ光を発生する。こ の反時計回りに進むスクイーズ光は、鏡123で 反射され、分散媒質124を通過し、再び特殊ビ ームスプリッタ120に入射する。

 時計方向に進む光周波数2f 0 の水平偏光の光は、分散媒質124を通過して光 パラメトリック増幅器122に入射し、光周波数 2f 0 のパルス光はパラメトリック増幅の励起光と してはたらき、光周波数f 0 の水平偏光したスクイーズ光を発生する。こ の時計回りに進むスクイーズ光は、鏡121で反 射され、再び特殊ビームスプリッタ120に入射 する。

 特殊ビームスプリッタ120に入射され互い 反対方向に進むスクイーズ光、つまり、時 回りに進むスクイーズ光と反時計回りに進 スクイーズ光とは、どちらも水平偏光であ 、ほぼ1対1で重ね合わせることができる。2 のスクイーズ光間の相対的な位相は、分散 質124内の第1及び第2のウェッジガラス板124,1 25の相対位置により任意の値に設定すること できる。相対的な位相差をπ/2となるように 設定すると、量子的な相関をもつ第1及び第2 量子エンタングルビーム130,131を発生するこ とができる。

 特殊ビームスプリッタ120は、光周波数f 0 で水平直線偏光の光に対しては透過率及び反 射率が共にほぼ50%である。したがって、発生 した量子エンタングルビームは、特殊ビーム スプリッタ120により反射された成分が第1の 子エンタングルビーム130となり、特殊ビー スプリッタ120を透過した成分が第2の量子エ タングルビーム131となる。

 図示するように、第1の量子エンタングルビ ーム130は、1/2波長板132と鏡133と特殊ビームス プリッタ134とを介して、第1のホモダイン検 器80に入射する。1/2波長板132は、光周波数f 0 に対するゼロオーダーの波長板であって、光 周波数f 0 で水平直線偏光の光を垂直偏光に変換する。 鏡133は光周波数f 0 の光を反射し、例えば、誘電体からなる。特 殊ビームスプリッタ134は垂直偏光の光を反射 する。これにより、第1の量子エンタングル ーム130は、垂直偏光に変換された後に、第1 ホモダイン検出器80に入射する。

 第2の量子エンタングルビーム131は、2波長 波長板118により垂直偏光の光に変換され、 光ビームスプリッタ117と特殊ビームスプリ タ134と鏡135とで反射されて、第2のホモダイ 検出器90に入射する。鏡135は光周波数f 0 の光を反射し、例えば誘電体からなる。

 第1及び第2のホモダイン検出器80,90の局部発 振光となる光について説明する。光源部60か の光は、光周波数f 0 の垂直直線偏光の光と光周波数2f 0 とが同軸上に形成されて、特殊ビームスプリ ッタ120に入射される。光周波数2f 0 のパルス光は上記したように、リング型干渉 計70内で量子エンタングルビームを発生させ のに使用されている。一方、光周波数f 0 の垂直直線偏光の光は、第1及び第2のホモダ ン検出器80,90の局部発振光となるパルス光 なる。以下、詳細に説明する。

 光周波数f 0 の垂直直線偏光は、特殊ビームスプリッタ120 で反射され、図4の左水平方向に配置されて る鏡121で反射されて、光パラメトリック増 器122を通過して鏡123で反射され、分散媒質12 4を通過して、再び特殊ビームスプリッタ120 入射する。ここで、特殊ビームスプリッタ12 0は光周波数f 0 の垂直直線偏光は反射する。したがって、特 殊ビームスプリッタ120に入射した光周波数f 0 の垂直直線偏光した光は、反射されて光周波 数f 0 に対するゼロオーダーの1/2波長板132に向かう 。1/2波長板132に入射した光周波数f 0 の垂直直線偏光した光は、1/2波長板132により 光周波数f 0 の光の偏光面を90度回転し、光周波数f 0 の垂直直線偏光の光は水平偏光となり、光周 波数f 0 に対して反射率の高い鏡133で反射され、特殊 ビームスプリッタ134へ到達する。

 特殊ビームスプリッタ134は、光周波数f 0 の水平直線偏光の光に対しては透過率及び反 射率が共にほぼ50%である。したがって、特殊 ビームスプリッタ134に入射した光周波数f 0 の水平に偏光した光は、反射光及び透過光と なる。反射光が第1のホモダイン検出器80に入 射し、透過光が第2のホモダイン検出器90に入 射し、それぞれ、ホモダイン検出器80,90の局 発振光となる。

 次に、第1及び第2のホモダイン検出器80、90 ついて説明する。
 第1のホモダイン検出器80は、電気光学結晶1 36と1/2波長板138と偏光ビームスプリッタ140と2 つのフォトダイオード132,143とRFコンバイナー 146と増幅器148とからなる。第2のホモダイン 出器90も、第1のホモダイン検出器80と同様に 、電気光学結晶137と1/2波長板139と偏光ビーム スプリッタ141と、2つのフォトダイオード144,1 45とRFコンバイナー147と増幅器149からなる。

 第1のホモダイン検出器80へは、第1の量子エ ンタングルビーム130が上述したように、光周 波数f 0 の垂直偏光したパルス光が信号光照射として 入射し、光周波数f 0 の水平直線偏光したパルス光が局部発振光と して入射する。同様に、第2のホモダイン検 器90へは、第2の量子エンタングルビーム131 上述したように、光周波数f 0 の垂直偏光したパルス光が信号光照射として 入射し、光周波数f 0 の水平直線偏光したパルス光が局部発振光と して入射する。

 第1のホモダイン検出器80に入射する第1の 量子エンタングルビーム130は水平偏光であり 、一方、局部発振光となる垂直偏光したコヒ ーレントな光パルスも同じ光軸上を進む。つ まり、信号光となる第1の量子エンタングル ーム130と局部発振光となる垂直偏光したコ ーレントな光パルスは同軸上を進む。した って、第1の量子エンタングルビーム130と局 発振光は常に同じ経路をたどるので、これ の間の相対的な位相は非常に安定に保つこ が可能である。

 第2のホモダイン検出器90に入射する第2の 量子エンタングルビーム131の場合には、量子 エンタングルビーム131と局部発振光は、特殊 ビームスプリッタ120で分かれた後、特殊ビー ムスプリッタ134で再合流するため、一部異な る経路をたどることになる。このことにより 生じる相対的な位相の不安定さは、特殊ビー ムスプリッタ120、偏光ビームスプリッタ117、 誘電体ミラー133、特殊ビームスプリッタ134の 4つの光学部品を共通のブレッドボードや基 上に設置し、ビームの高さを低く保つこと 改善することができる。

 第1のホモダイン検出器80において、電気光 結晶136は、結晶に印加される電圧を変化さ ることで、水平偏光成分と垂直偏光成分と 間の相対的な位相を変化させることができ 。光周波数f 0 に対するゼロオーダーの1/2波長板138は、直線 偏光の偏光面を45度回転するように配置され いる。このため、第1の量子エンタングルビ ーム130と局部発振光は互いに偏光面は直交し つつ、45度偏光面が回転した偏光状態となる

 これにより、光周波数f 0 に対する偏光ビームスプリッタ140で、第1の 子エンタングルビーム130と局部発振光を、 ぼ1対1の割合で重ね合わせることができる。 偏光ビームスプリッタ140を反射した光及び透 過した光が、それぞれフォトダイオード142,14 3へ入射する。

 RFコンバイナー146は、2つのフォトダイオ ド142と143の光電流の差を出力し、増幅器148 増幅した後、その出力電圧を計測すること 、第1の量子エンタングルビーム130における 直交位相振幅の測定が可能となる。RFコンバ ナー146は2つのフォトダイオード142と143とか らなる検出器の差分を出力する手段である。 RFコンバイナー146の代わりに、2つのフォトダ イオード142,143のアノードとカソードを接続 ることで、差電流を取り出すこともできる

 第2のホモダイン検出器90も第1のホモダイン 検出器80と同様に、電気光学結晶137に印加さ る電圧を変化させることで、水平偏光成分 垂直偏光成分との間の相対的な位相を変化 せることができる。光周波数f 0 に対するゼロオーダーの1/2波長板139は、直線 偏光の偏光面を45度回転するように設置する その結果、第2の量子エンタングルビーム131 と局部発振光は互いに偏光面は直交しつつ、 45度偏光面が回転した偏光状態となる。

 これにより、光周波数f 0 に対する偏光ビームスプリッタ141で、第2の 子エンタングルビーム131と局部発振光を、 ぼ1対1の割合で重ね合わせることができる。 偏光ビームスプリッタ140を反射した光及び透 過した光が、それぞれフォトダイオード144,14 5へ入射する。

 RFコンバイナー147は、2つのフォトダイオ ド144及び145の光電流の差を出力し、増幅器1 49で増幅した後、その出力電圧を計測するこ で、第2の量子エンタングルビーム131におけ る直交位相振幅の測定が可能となる。RFコン イナー146は2つのフォトダイオード144と145と からなる検出器の差分を出力する手段である 。RFコンバイナー147の代わりに、2つのフォト ダイオード144,145のアノードとカソードを接 することで、差電流を取り出すこともでき 。

 このような構成によれば、2つのスクイーズ 光の相対的な位相を安定に保つことにより、 安定に量子エンタングルメントを生成できる 。さらに、量子エンタングルメントと同軸の 局部発振光を出力することができ、ホモダイ ン検出の安定性を向上することができる。
 本実施例では、偏光の自由度を利用するこ により、量子エンタングルビームとホモダ ン検出のための局部発信光を同軸に出力し エンタングルビームと局部発信光の相対的 位相を安定に保つことができる。

(量子エンタングルメント生成検出装置の第2 施形態)
 次に、本発明の第2の実施形態に係る量子エ ンタングルメントの生成検出装置150について 説明する。
 図5は、本発明の第2実施形態に係る量子エ タングルメントの生成検出装置150を示す平 視におけるブロック図である。光路は直線 示している。図5に示すように、量子エンタ グルメントの生成検出装置150は、量子エン ングルビームを生成する生成手段と、生成 れた量子エンタングルビームを検出する検 手段と、を備え、生成手段は光源部160とリ グ型干渉計170とから構成され、検出手段は 1のホモダイン検出器180と第2のホモダイン 出器190とから構成されている。

 光源部160が、第1実施形態の量子エンタング ルメントの生成検出装置50における光源部100 異なるのは、第2高調波発生器105である。第 2高調波発生器105は、第2高調波発生器となる 導波路201と、この光導波路201のパルスレー ー光源100側及び第2高調波の出射側に配置さ れる集光手段となるレンズ200,202と、を備え いる。つまり、光導波路201が、光軸上で2枚 レンズ200,202に挟まれている点が異なってい る。光導波路201は、例えば周期分極反転型で MgOを添加したLiNbO 3 からなる光導波路を用いることができる。レ ンズ200,202としては、凸レンズを用いること できる。光導波路201へのパルスレーザー光 100の集光を凸レンズ200により効率良く行う とができる。同様に、光導波路201から発生 せる第2高調波をレンズ202によって効率良く 射させることができる。他の構成は、量子 ンタングルメントの生成検出装置50におけ 光源部100と同じであるので、説明は省略す 。

 第2実施形態に係る量子エンタングルメン トの生成検出装置150におけるリング型干渉計 170の構成は、第1実施形態に係る生成検出装 50におけるリング型干渉計70に対して、特殊 ームスプリッタ120を備える点は同じ構成で るが、光路形状(第1の相違点)、光パラメト ック増幅器122の構造(第2の相違点)、分散媒 124の構造(第3の相違点)、赤色フィルタ205,206 を挿入可能にした構造(第4の相違点)が異なっ ている。以下、これらの相違点について図5 参照して詳細に説明する。

 第1の相違点である光路形状について説明す る。
 図5において、リング型干渉計170は、特殊ビ ームスプリッタ120と、鏡203,204,121と、光パラ トリック増幅器122と、鏡123,210と分散媒質124 とから構成されている。鏡203は特殊ビームス プリッタ120の平面視-X方向に配置され、鏡204 鏡203のY方向に配置され、鏡121は鏡204の-X方 に配置され、鏡123は光パラメトリック増幅 122の-Y方向に配置され、鏡210は鏡123のX方向 配置されると共に特殊ビームスプリッタ120 -Y方向に配置されている。
 ここで、鏡203,204,210は、鏡121,123と同様に、 周波数f 0 及び2f 0 に対して反射率がほぼ100%の鏡であり、例え 誘電体からなる。

 リング型干渉計170は、特殊ビームスプリ タ120と鏡203,204,121,123,210とが六角形の各頂点 に配置されている。第1実施形態におけるリ グ型干渉計70が三角形の光路を有しているの に対して、本第2実施形態におけるリング型 渉計170は六角形の光路を有している点(第1の 相違点)が異なっているが、リング型干渉計17 0としての動作は基本的に同じである。

 第2の相違点である光パラメトリック増幅器 122について説明する。
 光導波路207の光軸方向の前後にレンズ206,208 を配置した点が、第1実施形態によるリング 干渉計70とは異なっている。リング型干渉計 170内の光パラメトリック増幅器122は、鏡121と 鏡123とから形成される光路軸に沿って配置さ れており、2枚のレンズ206,208で挟まれた周期 極反転型のMgOが添加されたLiNbO 3 からなる光導波路207とから構成されている。 レンズ206,208としては、凸レンズを用いるこ ができる。リング型干渉計170内を周回し、 導波路207を通過する光周波数f 0 と光周波数2f 0 の光は、2枚のレンズ206,208によって効率良く 射と出射が行われる。

 第1実施形態によるリング型干渉計70と比 て、本実施形態のリング型干渉計170では鏡2 03,204,210が追加されている。光導波路207の両 それぞれに2枚以上の鏡を配置することによ 、光導波路207への両側からの光パルスの入 効率を最適化することができる。また、リ グ型干渉計170中で、右回りと左回りで光導 路207から特殊ビームスプリッタ120までの距 を等しくすることにより、右回りと左回り 生成されたスクイーズド光間の空間的なモ ドの一致を高めることができる。

 第3の相違点である分散媒質124について説明 する。
 リング型干渉計170に配置する分散媒質124と て、2枚の平行に配置された平面ガラス板( 下、平行平面ガラス板と呼ぶ)211,212を分散媒 質124として使用している点が、2枚のウェッ ガラス板124,125を使用した第1実施形態による リング型干渉計70と相違している。

 平行平面ガラス板211,212は、光軸に垂直な面 に対して対称に等しい傾き角を持つように配 置されている。この光軸に対する傾き角を、 平行平面ガラス板211,212の両者で等しく保ち がら変化させることが好ましい。この場合 平行平面ガラス板211,212の傾き角が変化して 、これらのガラス板211,212を通過後の光ビー ムの光軸は変化しない。光軸に垂直な面に対 してこれらのガラス板211,212の傾き角を変化 せると、平行平面ガラス板211,212の間を透過 る光路が変化するので、2枚のウェッジガラ ス板124,125と同様に分散の効果を得ることが きる。すなわち、第1及び第2の平行に配置さ れた平行平面ガラス板211,212を用い、光周波 による屈折率の違いの効果により、光周波 f 0 と2f 0 との光の間の相対的な光路長を変化させるこ とができる。

 ここで、平行平面ガラス板211,212の材料とし ては、BK7のようなホウケイ酸ガラスを使用す ることができる。さらに、これらのガラス板 211,212の両面には、光周波数f 0 及び光周波数2f 0 に対する無反射コーティングを施し、光周波 数f 0 及び光周波数2f 0 において高い透過率を持たせることが好まし い。

 例えば、平行平面ガラス板211,212の材料とし てBK7を用い、それらの厚さを5mmとする。光周 波数f 0 の波長が1535nmで光周波数2f 0 の波長が767nmの場合、平行平面ガラス板211,212 を対称に0°から4.8°回転させることで、光周 数f 0 の光と光周波数2f 0 の光の相対的な位相差をπ/2だけ変化させる とができる。

 第4の相違点である赤色フィルタ205,209につ て説明する。
 リング型干渉計170内の光軸上に抜き差しで るように2枚の赤色フィルタ205,209を配設し おり、図示の場合には、赤色フィルタ205は 121とレンズ206との間の光軸上に配置され、 色フィルタ209はレンズ209と鏡123との間の光 上に配置されている。赤色フィルタ205,209は 光周波数f 0 をほぼ100%透過し、光周波数2f 0 をほぼ100%吸収する特性を有している。赤色 ィルタ205,209を上記した配置、つまり、2つの レンズに挟まれた光導波路207の前後に配置す ることで、光導波路207には光周波数2f0の光が 入射しなくなる。従って、光パラメトリック 増幅器122を構成する光導波路207には、励起光 となる光周波数2f 0 のパルス光は赤色フィルタ205,209で除去され ので、光導波路207から光周波数f 0 の水平偏光したスクイーズ光が発生しなくな る。このため、リング型干渉計170から第1及 第2の量子エンタングルビーム130,131が発生し なくなる。

 赤色フィルタ205,209を光軸に挿入した場合、 ホモダイン検出器180,190には、スクイーズ光13 1,132が信号光として入射せず、光周波数f 0 の局部発振光だけが入射する。これにより、 ホモダイン検出器180,190は、信号光が入射し い状態、つまりショット雑音レベルの検出 として動作する。

 第2実施形態に係る量子エンタングルメン トの生成検出装置150において、光源部160及び リング型干渉計170は、赤色フィルタ205,209を 軸に挿入できる以外は、第1実施形態に係る 子エンタングルメントの生成検出装置50と 様に、第1の量子エンタングルビーム130及び 2の量子エンタングルビーム131を発生する。

 第1の量子エンタングルビーム130から第1の モダイン検出器180への伝播光路について説 する。
 図示するように、水平直線偏光の第1の量子 エンタングルビーム130は、1/2波長板132と特殊 ビームスプリッタ213と鏡214との順に通過し、 第1のホモダイン検出器180に入射する。1/2波 板132は、光周波数f 0 に対するゼロオーダーの波長板であって、光 周波数f 0 で水平直線偏光の光を垂直偏光に変換する。 特殊ビームスプリッタ213は垂直偏光の光を反 射させ、この光周波数f 0 の光が鏡214によって反射される。鏡214は、例 えば誘電体からなる。
 これにより、第1の量子エンタングルビーム 130は、垂直偏光に変換された後に、第1のホ ダイン検出器180に入射する。これは、第1実 形態に係る量子エンタングルメントの生成 出装置50と同じである。

 第2の量子エンタングルビーム131から第2の モダイン検出器190への伝播光路について説 する。
 第2の量子エンタングルビーム131は、2波長 波長板118により垂直偏光の光に変換され、 光ビームスプリッタ117,219を通過し、鏡220で 射されて、第2のホモダイン検出器190に入射 する。鏡220は、例えば誘電体からなり、光周 波数f 0 の光を反射する。
 これにより、第2の量子エンタングルビーム 131は、垂直偏光に変換された後に、第2のホ ダイン検出器190に入射する。これは、第1実 形態に係る量子エンタングルメントの生成 出装置50と同じである。

 次に、局部発振光の伝播光路を説明する。
 光源160からの光周波数f 0 の垂直偏光は、特殊ビームスプリッタ120で反 射され、リング型干渉計170を1周した後、再 特殊ビームスプリッタ120で反射される。反 された光周波数f 0 の垂直偏光の光パルスは、1/2波長板132で水平 偏光に変換され、特殊ビームスプリッタ213に より強度比がほぼ50対50の水平偏光の反射光 び水平偏光の透過光となる。特殊ビームス リッタ213によって反射された光周波数f 0 の水平偏光の光パルスは、鏡214により反射さ れ、第1のホモダイン検出器180に入射し、局 発振光となる。

 一方、特殊ビームスプリッタ213を透過し 水平偏光の光パルスは、分散媒質218と偏光 ームスプリッタ219を透過し、鏡220によって 射された後、第2のホモダイン検出器190に入 射し、局部発振光として使用される。

 第1実施形態に係る量子エンタングルメン トの生成検出装置50のホモダイン検出器80及 90では、水平偏光した第1の量子エンタング ビーム130と垂直偏光した局部発振光間の位 差を第1の電気光学結晶136によって調整し、 様に、水平偏光した第2の量子エンタングル ビーム131と垂直偏光した局部発振光間の位相 差を第2の電気光学結晶137によって調整して る。

 第2実施形態に係る量子エンタングルメント の生成検出装置150のホモダイン検出器180及び 190においては、第1実施形態に係る量子エン ングルメントの生成検出装置50のホモダイン 検出器80及び90とは異なる構成を採用してい 。
 第1のホモダイン検出器180は、バンドパスフ ィルタ221と赤色フィルタ223と、光軸上に抜き 差しできる1/4波長板225と、1/2波長板138と、偏 光ビームスプリッタ140と、偏光ビームスプリ ッタ140で反射された光を集光するレンズ226と 集光された反射光を検出するフォトダイオー ド142と、偏光ビームスプリッタ140を透過した 光を集光するレンズ227と集光された透過光を 検出するフォトダイオード143と、2つのフォ ダイオード142,143で検出された光電流の差を 力するRFコンバイナー146とから構成されて る。RFコンバイナー146からの出力は、ホモダ イン検出器80と同様にさらに図示しない増幅 148で増幅されても良い。

 第1のホモダイン検出器180においては、鏡 214と1/2波長板138との光軸上にバンドパスフィ ルタ221と赤色フィルタ223と、光軸上に抜き差 しできる1/4波長板225と、レンズ226,227が配置 れている以外の構成は、第1のホモダイン検 器80の構成と同じである。

 バンドパスフィルタ221は、光周波数f 0 での透過率が最も高い光透過特性を有してい る。このため、光周波数f 0 の局部発振光と干渉しない光振動数の成分は 、可能な限り除去される。

 赤色フィルタ223は、リング型干渉計170で用 た赤色フィルタ205,209と同様に光周波数f 0 での透過率がほぼ100%で、光周波数2f 0 での透過率がほぼ0%の光学特性を有している このため、赤色フィルタ223によって、周波 2f 0 の光パルスが、フォトダイオード142,143へ入 しなくなる。

 1/4波長板225は、光路に挿入した場合、光周 数f 0 の光パルスの水平偏光成分と垂直偏光成分の 位相差をπ/2ずらすことができる。1/4波長板22 5を配置して測定を行うことで、1/4波長板225 ない場合と比べて、垂直偏光の第1の量子エ タングルビーム130と水平偏光の局部発振光 の位相差をπ/2ずらすことができる。これに より、第1のホモダイン検出器80における電気 光学結晶137と同様に、垂直偏光した第1の量 エンタングルビーム130と水平偏光した局部 振光間の位相差を調整することができる。

 偏光ビームスプリッタ140とフォトダイオ ド142,143との間に配置されるレンズ226,227は 光のために設けているが、例えば凸レンズ 用い得る。

 第1のホモダイン検出器180においては、1/2 波長板138よりも右側に配置される偏光ビーム スプリッタ140とフォトダイオード142,143とRFコ ンバイナー146の機能は、第1のホモダイン検 器80と同じであるので説明は省略する。

 第1のホモダイン検出器180によれば、バン ドパスフィルタ221、赤色フィルタ223、集光用 のレンズ226,227を備えているので、第1のホモ イン検出器80よりも感度を増大させること できる。

 次に、第2のホモダイン検出器190について説 明する。
 第2のホモダイン検出器190は、バンドパスフ ィルタ222と、赤色フィルタ224と、1/2波長板139 と、偏光ビームスプリッタ141と、偏光ビーム スプリッタ141で反射された光を集光するレン ズ228と集光された反射光を検出するフォトダ イオード144と、偏光ビームスプリッタ141を透 過した光を集光するレンズ229と集光された透 過光を検出するフォトダイオード145と、2つ フォトダイオード144,145で検出された光電流 差を出力するRFコンバイナー147とから構成 れている。RFコンバイナー147からの出力は、 ホモダイン検出器90と同様にさらに図示しな 増幅器149で増幅されても良い。

 第2のホモダイン検出器190が第1のホモダ ン検出器180と異なるのは、光軸上に抜き差 できる1/4波長板225を備えていない点にある つまり、第1のホモダイン検出器180の1/4波長 225の替わりに分散媒質218を用いている。分 媒質218は、上記したように、特殊ビームス リッタ213を透過した水平偏光の光パルスを 射させる鏡215と偏光ビームスプリッタ219と 間の光軸上に配置されている。

 分散媒質218は、2枚のガラス板216,217から 成されている。2枚のガラス板216,217は、波長 に対して微小な光路長差を与えることができ る光学部品のウェッジガラス板を使用するこ とができる。上記したように、ウェッジガラ ス板216,217は、ガラス板216又はガラス板217を 軸に対して垂直方向に移動することができ 。ガラス板216又はガラス板217を光軸に対し 垂直方向に移動することにより、第2のホモ イン検出器190において、第2の量子エンタン グルビーム131と局部発振光との位相差を変化 させることができる。

 第2のホモダイン検出器190によれば、第1 ホモダイン検出器180と同様にバンドパスフ ルタ222、赤色フィルタ224、集光用のレンズ22 8,229を備えているので、第2のホモダイン検出 器90よりも感度を増大させることができる。

(エンタングルメントの判定基準)
 次に、第1及び第2の量子エンタングルビー 130,131のエンタングルメントの判定基準につ て説明する。
 第1及び第2の量子エンタングルビーム130,131 直交位相振幅を、それぞれX a a ),X b b )とする。
 ここでφ a b は、それぞれ、第1及び第2の量子エンタング ビーム130,131と対応する局部発振光の位相差 を表す。
 また、2つの真空状態の直交位相振幅をそれ ぞれX a,vac ,X b,vac とする。

 生成された状態がエンタングルしているた の十分条件は、下記(1)式の不等式で表され (非特許文献4参照)。
 ここで、φ a1 a2 b1 b2 ,は、φ a2 a1 =π/2,φ b2 b1 =π/2の関係を満たす必要がある。
 生成された第1及び第2の量子エンタングル ーム130,131の状態が上記(1)式の不等式を満足 ていれば、実際にエンタングルしているこ になる。

 ホモダイン検出器180において、第1の量子エ ンタングルビーム130と局部発信光は、同軸で あることから、φ a はある特定の値に固定されている。ここで、 1/4波長板225がない場合の位相差をφ a a1 と定義すると、1/4波長板225を挿入したときの 位相差はφ a a2 a1 +π/2となる。分散媒質218により、φ b は任意の値に変えることができる。

 測定手順としては、1/4波長板225が光路上に い状況で、φ b を不連続的に走査させながら、ホモダイン検 出器180でX a a1 )とホモダイン検出器190でX b b )を同時に測定する。
 次に、1/4波長板225を配置し、φ b を不連続的に走査させながら、X a a2 )及びX b b )を同時に測定する。次に、赤色フィルタ205,2 09をリング型干渉計170中に配置し、ホモダイ 検出器180,190に局部発信光のみを入射しX a,vac ,X b,vac を測定する。
 上記の得たX a a1 ),X b b ),X a a2 ),X b b ),X a,vac 及びX b,vac から、上記(1)式中の下記(2)式の値を得ること ができる。

(量子エンタングルメント生成検出装置の第2 施形態の測定例)
 量子エンタングルメント生成検出装置150の 成の主要部を説明する。
パルスレーザー光源100として、波長1535nm,パ ス幅3.7ns,繰り返し周波数2.7kHzの受動Qスイッ エルビウム(Er)添加ガラスレーザー(cobolt社 、tangoレーザー)を使用した。第2高調波発生 105として、周期分極反転型のMgOが添加され LiNbO 3 からなる光導波路201を用いた。同様に、リン グ型干渉計170内の光パラメトリック増幅器122 として、周期分極反転型のMgOが添加されたLiN bO 3 からなる光導波路207を用いた。従って、光周 波数f 0 は、波長1535nmであり、光周波数2f 0 は波長が約767nmである。

 量子エンタングルメント生成検出装置150に って、第1及び第2の量子エンタングルビー 130,131を発生させ、第1及び第2のホモダイン 出器180,190によって第1及び第2の量子エンタ グルビーム130,131の直交位相振幅を測定した 上記のエンタングルメントの判定基準で説 した手順によって第1及び第2の量子エンタ グルビーム130,131の直交位相振幅であるX a a ),X b b )、φ a b、 2つの真空状態の直交位相振幅であるX a,vac ,X b,vac 等の測定を行った。

 次に、上記測定で得た結果について説明す 。
 図6は、〈δ 2 (X a a1 )+X b b ))〉の値が最小になった位相(その位相をφ b b1 とする。)におけるX a a1 )とX b b1 )の散布図である。
 図6から明らかなように、X a a1 )とX b b1 )とは、和の相関を有していることが分かり 〈δ 2 (X a a1 )+X b b ))〉=0.31という値を得た。この値は、対応す 真空雑音に対して-2.0dBである。

 図7は、φ b b2 b1 +π/2を満たす位相(その位相をφ b b1 とする。)におけるX a a2 )とX b b2 )の散布図である。
 図7から明らかなように、X a a2 )とX b b2 )とは、差の相関を有していることが分かり 〈δ 2 (X a a2 )-X b b2 ))〉=0.33という値を得た。この値は、対応す 真空雑音に対して-1.9dBである。

 図8は、測定したX a a ),X b b )から計算した第1の量子エンタングルビーム1 30と第2の量子エンタングルビーム131の和と差 の分散のφ b への依存性を示す図である。図8の横軸はφ b (πラジアン)であり、縦軸は対応する真空雑 と比較した場合の分散の大きさ(dB)である。 において、丸印(●)及びバツ印(×)は、それ れ、〈δ 2 (X a a1 )+X b b ))〉、〈δ 2 (X a a2 )-X b b2 ))〉に対応している。すなわち、丸印のデー は、1/4波長板225が光路上にない状況で、φ b を不連続的に走査させながら、ホモダイン検 出器180でX a a1 )を、ホモダイン検出器190でX b b )を同時に測定し、測定されたX a a1 ),X b b )から計算された和の分散である。また、バ 印のデータは、1/4波長板225を配置し、φ b を不連続的に走査させながら、X a a2 )及びX b b )を同時に測定し、測定したX a a2 ),X b b )から計算した差の分散である。
 図8から明らかなように、〈δ 2 (X a a1 )+X b b ))〉は、φ b がπラジアン及び3πラジアンのときに最小と り、φ b が2πラジアンのときに最大となることが分か る。また、〈δ 2 (X a a2 )-X b b ))〉は、φ b がおおよそ1.6πラジアンのときに最小となり φ b がおおよそ2.7πラジアンのときに最大となる とが分かる。

 得られた〈δ 2 (X a a1 )+X b b ))〉及び〈δ 2 (X a a2 )-X b b2 ))〉の値から、上記(1)式を計算すると、下記( 3)式に示す不等式が得られる。
 つまり、上記(3)式の左辺の値が0.64であり、 1よりも小さいので、明白にエンタングルメ トに対する十分条件を満たす。つまり、第1 量子エンタングルビーム130と第2の量子エン タングルビーム131は、エンタングルしている ことが判明した。

 本発明の量子エンタングルメント生成装 と量子エンタングルメントの生成検出装置 より発生した量子エンタングルメントを利 することにより、絶対に安全な通信や、従 よりも桁違いに高速な計算処理を実現する とができる。