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Title:
RESIN COMPOSITION AND IMAGE DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011353
Kind Code:
A9
Abstract:
This invention provides an image display device having suppressed uneven display attributable to internal stress caused by cure shrinkage of a cured resin between a protective part and an image display part, and an external stress applied to the image display part by the warpage of the protective part, and having suppressed separation of the cured resin. The image display device comprises an image display part and a light transparent protective part disposed on the image display part. A cured resin layer is interposed between the image display part and the protective part, and the cured resin layer has a transmittance in a visible light region of not less than 90%, an elongation of not less than 700% at 25°C and not less than 400% at 80°C, and an adhesion to the protective part of not less than 0.4 N/cm at 25°C and not less than 0.3 N/cm at 80°C.

Inventors:
TOYODA TOMOYUKI (JP)
SHINYA YOSHIHISA (JP)
KAMATA YUSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062791
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
July 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CHEM & INF DEVICE CORP (JP)
TOYODA TOMOYUKI (JP)
SHINYA YOSHIHISA (JP)
KAMATA YUSUKE (JP)
International Classes:
G02F1/1333; G09F9/00
Attorney, Agent or Firm:
TAJIME & TAJIME (New-Well-Ikuta Bldg. 26-28, Mita 1-chome, Tama-ku, Kawasaki-sh, Kanagawa 34, JP)
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Claims:
 画像表示部と、該画像表示部上に配置された透光性の保護部とを有する画像表示装置であって、
 画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物層が介在し、
 樹脂硬化物層は、可視光領域の透過率が90%以上、伸び率が25℃で700%以上且つ80℃で400%以上、及び保護部に対する密着力が25℃で0.4N/cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上である画像表示装置。
 樹脂硬化物層の伸び率が、25℃で800%以上且つ80℃で500%以上、及び保護部に対する密着力が25℃で0.5N/cm以上且つ80℃で0.4N/cm以上である請求項1記載の画像表示装置。
 保護部が、アクリル樹脂板からなる請求項1又は2記載の画像表示装置。
 樹脂硬化物層の25℃における貯蔵弾性率が、1×10 3 ~1×10 6 Paである請求項1~3のいずれかに記載の画像表示装置。
 樹脂硬化物層の厚みが50~250μmである請求項1~4のいずれかに記載の画像表示装置。
 画像表示部が、液晶表示パネルである請求項1~5のいずれかに記載の画像表示装置。
 画像表示装置の画像表示部と、透光性の保護部との間に介在させる樹脂硬化物層を形成するための樹脂組成物であって、それを硬化させた樹脂硬化物の可視光領域の透過率が厚さ100μmの場合に90%以上、伸び率が25℃で700%以上且つ80℃で400%以上、及びアクリル樹脂板に対する密着力が25℃で0.4N/cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上である樹脂組成物。
 樹脂硬化物層の伸び率が、25℃で800%以上且つ80℃で500%以上、及びアクリル樹脂板に対する密着力が25℃で0.5N/cm以上且つ80℃で0.4N/cm以上である請求項7記載の樹脂組成物。
 硬化収縮率が、4.0%以下である請求項7又は8記載の樹脂組成物。
 硬化収縮率が、3.0%以下である請求項7又は8記載の樹脂組成物。
 硬化収縮率が、2.5%以下である請求項7又は8記載の樹脂組成物。
 樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率が、1×10 3 ~1×10 6 Paである請求項7~11のいずれかに記載の樹脂組成物。
 ポリウレタンアクリレート、ポリイソプレン系アクリレート又はそのエステル化物、テルペン系水素添加樹脂及びブタジエン重合体から選ばれる1種以上のポリマーと、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート及び2-ヒドロキシブチルメタクリレートから選ばれる1種以上のアクリレート系モノマーと、光重合開始剤とを含有する請求項7~12のいずれかに記載の樹脂組成物。
 ポリマーが、ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付加物と2-ヒドロキシエチルメタクリレートとのエステル化物、テルペン系水素添加樹脂及びブタジエン重合体であり、モノマーが、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート及び2-ヒドロキシブチルメタクリレートであり、光重合開始剤が、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン及びジフェニル-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイドである請求項13記載の樹脂組成物。
 樹脂組成物2mgをガラス板上又はアクリル板上に滴下し、それをUV照射により硬化させた樹脂硬化物の平均表面粗度が6.0nm以下である請求項7~14のいずれかに記載の樹脂組成物。
 樹脂組成物2mgをガラス板上又はアクリル板上に滴下し、それをUV照射により硬化させた樹脂硬化物の平均表面粗度が5.0nm以下である請求項7~15のいずれかに記載の樹脂組成物。
 画像表示装置の画像表示部と、透光性の保護部との間に介在する樹脂硬化物層であって、その可視光領域の透過率が90%以上、伸び率が25℃で700%以上且つ80℃で400%以上、及びアクリル樹脂板に対する密着力が25℃で0.4N/cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上である樹脂硬化物層。
Description:
樹脂組成物及び画像表示装置

 本発明は、例えば携帯電話等に用いられ 液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置に関し 特に、画像表示部上に透明な保護部を設け 画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物を 在させた画像表示装置に関する。

 従来、この種の表示装置としては、例え 図4に示すような液晶表示装置101が知られて いる。この液晶表示装置101は、画像表示部で ある液晶表示パネル102上に、例えば、ガラス やプラスチックスからなる透明な保護部103が 設けられている。

 この場合、液晶表示パネル102表面及び偏 板(図示せず)を保護するため、保護部103と 間にスペーサ104を介在させることによって 晶表示パネル102と保護部103との間に空隙105 設けられている。

 しかし、液晶表示パネル102と保護部103と 間の空隙105の存在により、光の散乱が起き それに起因してコントラストや輝度が低下 、また、空隙105の存在は表示装置の薄型化 妨げとなる。

 このような問題に鑑み、液晶表示パネル 保護部との間の空隙に可視光透過率の高い 脂を充填することが提案されている(特許文 献1)。

特開2005-55641号公報

 しかしながら、充填した樹脂の硬化収縮 際に樹脂硬化物に生ずる内部応力によって あるいは、環境温度の変動により保護部に りが生じた場合に樹脂硬化物を介して液晶 ネルに加わる外部応力によって、液晶表示 ネルの液晶を挟持する光学ガラス板に変形 生じ、液晶セルギャップの面内均一性が失 れ、また、液晶材料の配向が乱れ、その結 、表示ムラ等の表示不良が生ずる可能性が 大する。特に、保護部103としてガラス板よ も薄く形成できる樹脂板を使用した場合に 、環境温度変化による反りの影響が大きく り、セルギャップの面内均一性がより損な れ、表示ムラが強まることが懸念される。 れだけでなく、保護部103のプラスチック板 過度に反った場合、プラスチック板と液晶 示パネルとの間の樹脂硬化物がプラスチッ 板の反りに追随できずに、プラスチック板 ら剥離してしまうことも懸念される。

 本発明は、従来の技術の課題を解決しよ とするものであり、保護部と画像表示部と 間の樹脂組成物の硬化収縮により生ずる内 応力や、保護部の反りによって画像表示部 加わる外部応力によって生ずる表示ムラと 脂硬化物の剥離とが抑制された画像表示装 、並びにそのような樹脂硬化物を与える樹 組成物を提供することである。

 本発明者らは、画像表示部と保護部との の空隙に充填され硬化した樹脂硬化物につ て、その伸び率と保護部に対する密着力と 調整することにより上述の目的を達成でき ことを見出し、本発明の画像表示装置を完 させた。また、樹脂硬化物の硬化前の樹脂 成物については、それが硬化する際に蓄積 れる内部応力が、硬化後の伸び率と保護部 対する密着力とを規定することにより調整 きることに鑑み、画像表示部と保護部との に充填するための本発明の樹脂組成物を完 させた。

 即ち、本発明は、画像表示部と、該画像表 部上に配置された透光性の保護部とを有す 画像表示装置であって、
 画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物層 介在し、
 樹脂硬化物層は、可視光領域の透過率が90% 上、伸び率が25℃で700%以上且つ80℃で400%以 、及び保護部に対する密着力が25℃で0.4N/cm 上且つ80℃で0.3N/cm以上である画像表示装置 提供する。

 また、本発明は、画像表示装置の画像表 部と、透光性の保護部との間に介在させる 脂硬化物層を形成するための樹脂組成物で って、それを硬化させた樹脂硬化物の可視 領域の透過率が厚さ100μmの場合に90%以上、 び率が25℃で700%以上且つ80℃で400%以上、及 アクリル樹脂板に対する密着力が25℃で0.4N/ cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上である樹脂組成物 提供する。

 さらに、本発明は、画像表示装置の画像 示部と、透光性の保護部との間に介在する 脂硬化物層であって、その可視光領域の透 率が90%以上、伸び率が25℃で700%以上且つ80 で400%以上、及びアクリル樹脂板に対する密 力が25℃で0.4N/cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上で る樹脂硬化物層を提供する。

 本発明の画像表示装置によれば、画像表 部と保護部との間に存在する樹脂硬化物と て特定の数値以上の伸び率と保護部に対す 密着力とを有するものを使用するので、樹 硬化物の硬化収縮により生ずる内部応力を 減し、樹脂硬化物を保護部の反りに追随さ ることができるので、表示不良や樹脂硬化 の保護部からの剥離を大きく抑制すること できる。

 また、本発明の樹脂組成物によれば、そ 硬化物の伸び率と保護部に対する密着力と 特定の数値以上に規定し、更に好ましい態 として硬化収縮率を測定の数値以下に規定 ているので、画像表示部と保護部との間に 填して硬化させた場合に、その硬化収縮に り生ずる内部応力が軽減され、また、その 化物を保護部の反りに追随させることがで 、表示不良や樹脂硬化物の保護部からの剥 を大きく抑制することができる。また、本 明の樹脂組成物の屈折率を、従来の液晶表 パネルと保護部との間に設けられていた空 に比して画像表示部の構成パネルや保護部 構成パネルの屈折率に近く数値に調整する とができる。これは、成分の選択や量の調 により行うことができる。そのような場合 保護部と樹脂硬化物との界面や樹脂硬化物 画像表示部との界面での光の反射を抑制す ことができる。その結果、本発明の画像表 装置によれば、表示不良のない高輝度及び コントラスト表示が可能になる。

 特に、画像表示部が液晶表示パネルであ 場合には、液晶材料の配向乱れ等の表示不 を確実に防止して高品位の表示を行うこと できる。

 さらに、本発明の画像表示装置によれば 画像表示部と保護部との間に樹脂硬化物が 在するので、衝撃に強くなる。

 加えて、本発明の画像表示装置によれば 画像表示部と保護部との間に空隙を設けて た従来例に比して薄型の画像表示装置とな 。

図1は本発明に係る表示装置の実施形態 の要部を示す断面図である。 図2は本発明に係る表示装置の実施形態 の要部を示す断面図である。 図3は本発明に係る表示装置の実施形態 の要部を示す断面図である。 図4は従来技術に係る表示装置の要部を 示す断面図である。

符号の説明

1、1B 画像表示装置
2 画像表示部
3 保護部
4 スペーサ
5 樹脂硬化物又は樹脂硬化物層
6、7 偏光板

 以下、本発明の好ましい実施の形態を図 を参照して詳細に説明する。なお、各図中 同一符号は同一又は同等の構成要素を表し いる。

 図1及び図2は、本発明に係る画像表示装 の一実施形態の要部を示す断面図である。

 図1に示すように、本実施形態の画像表示 装置1は、図示しない駆動回路に接続され所 の画像表示を行う画像表示部2と、この画像 示部2に所定の距離をおいて近接対向配置さ れた透光性の保護部3とを有している。

 画像表示装置1において画像表示部2とし は、特に限定されず、例えば、画像表示装 1が液晶表示装置である場合には液晶表示パ ルであり、プラズマ表示装置であれば、プ ズマパネルであり、有機EL表示装置であれ 、有機ELシートである。また、画像表示部2 表面素材としては、光学ガラスやプラスチ ク(アクリル樹脂等)を好適に用いることがで きる。

 ここで、液晶表示装置としては、特に限 されるものではなく、種々のものに適用す ことができる。このような液晶表示装置と ては、例えば、携帯電話、携帯ゲーム機器 の電子機器があげられる。

 なお、画像表示部2が液晶表示パネルであ る場合には、図2に示すように、その表側面 偏光板6、7が設けられている。

 保護部3は、画像表示部2と同程度の大き の板状、シート状又はフィルム状の部材か なるもので、その部材として、例えば、光 ガラスやプラスチック(ポリメチルメタクリ ート(PMMA)などのアクリル樹脂、ポリカーボ ート等)を好適に用いることができる。保護 部3の表面もしくは裏面には、反射防止膜、 光膜、視野角制御膜等の光学層を形成して よい。特に、本発明では、保護部3として、 クリル樹脂板、中でもPMMA板を使用した場合 に発明の効果が顕著となる。

 保護部3は、画像表示部2の周縁部に設け れたスペーサ4を介して画像表示部2上に設け られている。このスペーサ4の厚さは0.05~1.5mm 度であり、これにより画像表示部2と保護部 3との表面間距離が1mm程度に保持されるよう なっている。

 画像表示装置1には、画像表示部2と保護 3との間に、樹脂硬化物層5が設けられている 。

 この樹脂硬化物層5は、可視光領域の透過 率が90%以上、伸び率が25℃で700%以上且つ80℃ 400%以上、好ましくは25℃で800%以上且つ80℃ 500%以上、及び保護部3に対する密着力が25℃ で0.4N/cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上、好ましく 25℃で0.5N/cm以上且つ80℃で0.4N/cm以上である

 可視光領域の透過率を90%以上とした理由 、90%未満とすると変色の発生や透明性の低 が実用上無視できないからである。ここで 透過率は、画像表示装置1においては、樹脂 硬化物層5の厚みに関わりなく90%以上である とが要請されている。即ち、樹脂硬化物層5 同じ素材から形成されていても、例えば100 m厚では90%以上であるが、1mm厚では70%となる 合、1mmの厚みの樹脂硬化物層5は本発明の画 像表示装置1には適用できないことになるが その場合であっても100μm厚では適用可能と る。

 また、伸び率及び密着性を規定する温度と て25℃と80℃とを選択した理由は、画像表示 装置の通常の使用環境が25℃であり、製造工 において樹脂組成物に紫外線照射すると約8 0℃程度まで温度が上昇するからであり、ま 、80℃前後から保護部を構成するアクリル樹 脂、例えばPMMAの反りが急激に大きくなるか である。ここで、伸び率は、樹脂組成物を 定の厚さになるように剥離フィルム上に滴 し、ついて紫外線照射して硬化させ、所定 大きさ(例えば、0.6mm厚、10mm幅、25mm長)にカ トして試料を作成し、それを引っ張り試験 (テンシロン、オリエンテック社)で測定した 値である。その条件は、雰囲気温度25℃又は8 0℃、加重5Kgf、引っ張り速度5mm/分、伸び率(%) =L/L 0 ×100で算出する。ここで、L 0 は基準長さ、Lは破断するまでの変位長さで る。

 更に、伸び率を25℃で700%以上とした理由 、700%未満とすると反りに追随できないから であり、80℃で400%以上とした理由も、400%未 とする反りに追随できないからである。

 また、保護部3に対する密着力を25℃で0.4N /cm以上とした理由は、0.4N/cm未満とすると樹 硬化時のUV照射による発熱に起因するPMMAの りに追随できず剥離するからであり、80℃で 0.3N/cm以上とした理由は、0.3N/cm未満とすると バイル機器の耐湿環境温度での反りに追随 きず、剥離するからである。なお、密着力 JIS K6854-1に準拠して測定したものである。

 また、樹脂硬化物層5として、25℃における 蔵弾性率に着目することが好ましい。これ 、貯蔵弾性率が樹脂硬化物の硬化時の残留 力に起因するからである。具体的には25℃ おける貯蔵弾性率が高すぎると残留応力が きくなり液晶に表示ムラが発生するので、 ましくは1×10 6 Pa以下、より好ましくは1×10 3 ~1×10 6 Paである。特に、1×10 3 ~1×10 5 Paである。

 なお、樹脂硬化物層5の屈折率については 、画像表示部2や保護部3の素材との関係で決 することになるが、樹脂硬化物層5側の画像 表示部2の表面がガラス板で保護部3の表面が リメチルメタクリレートなどのアクリル樹 板である場合には、好ましくは1.51~1.52であ 。

 なお、本発明を構成する樹脂硬化物層5は 、以上説明したような特性を示す樹脂組成物 から形成する。このような樹脂組成物につい ては後述する。

 本発明の画像表示装置においては、図1及 び図2に示した実施形態の画像表示装置1のよ にスペーサ4を設けることなく、図3に示す 像表示装置1Bのように、画像表示部2上に、 述した樹脂硬化物層5を与える樹脂組成物を 膜し、更に保護部3を積層し、樹脂組成物を 硬化させることにより、スペーサを省略する ことが好ましい。その場合、画像表示部2と 護部3との距離(即ち、樹脂硬化物層5の厚さ) 樹脂組成物の粘度、密度、保護部3の重さ等 に応じて定まるが、通常50~250μmとすることが でき、これにより、画像表示装置の薄型化を 図ることができる。

 本発明の画像表示装置1を作製する場合に は、例えば、画像表示部2上の周縁部に、ス ーサ4と図示しない突堤部を設け、これらの 側の領域に樹脂組成物を所定量滴下する。

 そして、画像表示部2のスペーサ4上に保 部3を配置し、画像表示部2と保護部3との間 樹脂組成物を隙間なく充填する。

 その後、保護部3を介して樹脂組成物に対 して硬化させる熱あるいはエネルギー線(好 しくは紫外線)を照射することにより、樹脂 成物を硬化させる。これにより、目的とす 画像表示装置1を得る。

 また、図3に示すようにスペーサ4を省略 た画像表示装置1Bを作製する場合には、画像 表示部2上に上述した樹脂組成物を塗布し、 の上に保護部3を重ね、保護部3側から加熱あ るいはエネルギー線(例えば紫外線)を照射す ばよい。

 こうして得られる本発明の画像表示装置1 、1Bによれば、画像表示部2及び保護部3に対 樹脂硬化収縮時の応力、環境温度による保 部3の反りによる外部応力の影響を最小限に えることができるので、画像表示部2及び保 護部3において歪みがほとんど発生せず、そ 結果、製造の際に画像表示部2に変形が発生 ないので、表示不良のない高輝度及び高コ トラスト表示が可能になる。

 さらに、本実施の形態によれば、画像表 部2と保護部3との間に樹脂硬化物5が充填さ ているので、衝撃に強く、より薄型の画像 示装置1を提供することができる。

 特に、画像表示部2が液晶表示パネルであ る揚合には、液晶材料の配向乱れ等の表示不 良を確実に防止して高品位の表示を行う液晶 表示装置を提供することができる。

 なお、本発明は、上述した液晶表示装置 好適に適用することができるが、これに限 ず、例えば、有機EL装置、プラズマディス レイ装置等の種々のパネルディスプレイに 用することができる。

 次に、本発明の画像表示装置1を構成する 樹脂硬化物層5は、既に説明した特性を与え ことのできる樹脂組成物から形成される。 の硬化は、熱硬化型でもエネルギー線(可視 、紫外線等の光、電子線等)硬化型でもよい が、生産性向上の観点からは、光硬化型であ ることが好ましい。

 即ち、本発明の樹脂組成物は、画像表示 置の画像表示部と、透光性の保護部との間 介在させる樹脂硬化物層を形成するための 脂組成物であって、それを硬化させた樹脂 化物の可視光領域の透過率が厚さ100μmの場 に90%以上、伸び率が25℃で700%以上且つ80℃ 400%以上、及びアクリル樹脂板に対する密着 が25℃で0.4N/cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上であ 樹脂組成物である。

 本発明の樹脂組成物は、可視光領域の透 率に関し、それを硬化させた樹脂硬化物の さが100μmの場合に90%以上必要である。90%未 とすると変色の発生や透明性の低下が実用 無視できないからである。また、それを硬 させた樹脂硬化物の伸び率及びアクリル樹 板に対する密着力については、本発明の画 表示装置1の樹脂硬化物層5について記述し 内容を適用することができる。

 また、本発明の樹脂組成物は、硬化収縮 が好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下 、特に好ましくは3%以下、さらに好ましくは2 .5%以下となるように調製したものである。そ のため、樹脂組成物が硬化する際に樹脂硬化 物に蓄積される内部応力を低減させることが でき、樹脂硬化物層5と画像表示部2又は保護 3との界面に歪みができることを防止できる 。ここで、硬化収縮率はJIS K6901(5.12項)の体 収縮率に準ずるものである。

 本発明の樹脂組成物の貯蔵弾性率及び/又 は屈折率については、本発明の画像表示装置 1の樹脂硬化物層5について記述した内容を好 しく適用することができる。

 更に、本発明の樹脂組成物は、その硬化物 凝集力が小さすぎると反りに追随できず凝 破壊が生じるので、好ましくは25℃で30N/cm 2 以上且つ80℃で5N/cm 2 以上、より好ましくは25℃で40~80N/cm 2 且つ80℃で10~15N/cm 2 の凝集力を有する。ここで、凝集力は次のよ うに測定した値である。即ち、短冊状の2mm厚 のPMMA板と1mm厚のガラス基板とを用意する。 ぎに、ガラス基板の中央部に直径6mmの樹脂 成物を滴下し、0.1mmスペーサーを介してその 上からPMMA基板を直交するように載置し、紫 線を照射して硬化させて試験片を作成する この試験片のPMMA基板を固定し、他方、ガラ 基板におけるPMMA基板と接触していない両端 部を押圧治具(クロスヘッド)により押圧し、P MMA基板とガラス基板とが分離するまでに要す る応力を測定する。押圧速度は5mm/minであり 得られた応力を単位面積で除して凝集力と る。

 以上説明したような本発明の樹脂組成物 しては、基本的には、ポリマーとモノマー 光重合開始剤とからなる組成物である。光 合開始剤について、保護部3には、画像表示 部2に対する紫外線保護の観点から紫外線領 の光をカットする機能が付与されているこ が多いため、光重合開始剤としては、α―ヒ ドロキシケトン類などの通常の紫外線感応性 の光重合開始剤に加えて、可視光領域でも硬 化能を示す光重合開始剤(例えば、ジフェニ -(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィン キサイド(商品名SpeedCureTPO、日本シイベルヘ ナー(株)製等)を併用することが好ましい。

 本発明の樹脂組成物としては、例えば、 リウレタンアクリレート、ポリイソプレン アクリレート又はそのエステル化物、テル ン系水素添加樹脂及びブタジエン重合体か 選ばれる1種以上のポリマーと、イソボルニ ルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシ エチルメタクリレート及び2-ヒドロキシブチ メタクリレートから選ばれる1種以上のアク リレート系モノマーと、光重合開始剤とを含 有する樹脂組成物を好適に挙げることができ る。

 より具体的な本発明の樹脂組成物として 、ポリマーが、ポリイソプレン重合物の無 マレイン酸付加物と2-ヒドロキシエチルメ クリレートとのエステル化物、テルペン系 素添加樹脂及びブタジエン重合体であり、 ノマーが、ジシクロペンテニルオキシエチ メタクリレート及び2-ヒドロキシブチルメタ クリレートであり、光重合開始剤が、1-ヒド キシシクロヘキシル-フェニルケトン及びジ フェニル-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォス フィンオキサイドである樹脂組成物を挙げる ことができる。

 更に具体的な本発明の樹脂組成物として 、ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸 加物と2-ヒドロキシエチルメタクリレート のエステル化物50~100質量部、テルペン系水 添加樹脂10~70質量部及びブタジエン重合体30~ 220質量部、ジシクロペンテニルオキシエチル メタクリレート20~50質量部及び2-ヒドロキシ チルメタクリレート5~15質量部、1-ヒドロキ シクロヘキシル-フェニルケトン1~10質量部及 びジフェニル-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フ ォスフィンオキサイド1~10質量部である樹脂 成物を挙げることができる。

 なお、本発明の樹脂組成物が硬化する際 樹脂硬化物に蓄積される内部応力の程度は 樹脂組成物を平板上に滴下し、それを硬化 せて得られる樹脂硬化物の平均表面粗度に って評価することができる。例えば、樹脂 成物2mgをガラス板上又はアクリル樹脂板上 滴下し、それをUV照射により90%以上の硬化 で硬化させて得られる樹脂硬化物の平均表 粗度が6.0nm以下であれば、画像表示部2と保 部3との間に樹脂組成物を介在させ、それを 化させた場合にそれらの界面に生じる歪み 実用上無視できるが、本発明の樹脂組成物 よれば、この平均表面粗度を6.0nm以下、好 しくは5.0nm以下、より好ましくは1~3nmにする とができる。ここで、ガラス板としては、 晶セルの液晶を挟持するガラス板や液晶セ の保護板として使用されているものを好ま く使用できる。また、アクリル樹脂板とし は、液晶セルの保護板として使用されてい ものを好ましく使用できる。これらのガラ 板やアクリル樹脂板の平均表面粗度は、通 、1.0nm以下である。

 なお、樹脂硬化層5自体が新規なものであ る点から、画像表示装置の画像表示部と、透 光性の保護部との間に介在する樹脂硬化物層 であって、その可視光領域の透過率が90%以上 、伸び率が25℃で700%以上且つ80℃で400%以上、 及びアクリル樹脂板に対する密着力が25℃で0 .4N/cm以上且つ80℃で0.3N/cm以上である樹脂硬化 物層も本発明に包含される。この発明の構成 要素は既に説明したとおりである。

 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明 具体的に説明するが、本発明は以下の実施 に限定されるものではない。

 <実施例1>
 ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付 物と2-ヒドロキシエチルメタクリレートと エステル化物(商品名UC-203、(株)クラレ)55質 部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタ リレート(商品名FA512M、日立化成工業(株))40 量部、2-ヒドロキシブチルメタクリレート( 品名ライトエステルHOB、共栄社化学(株))10質 量部、軟化点85℃±5℃のテルペン系水素添加 脂(商品名クリアロンP-85、ヤスハラケミカ (株))60質量部、ブタジエン重合体(商品名Polyo il 110、日本ゼオン(株))80質量部、光重合開始 剤(商品名イルガキュア184D、チバ・スペシャ ティ・ケミカルズ社)6質量部、光重合開始 (商品名SpeedCure TPO、日本シイベルヘグナー( ))1.5質量部を混練機にて混練して実施例1の 脂組成物を調製した。

 <実施例2>
 軟化点85℃±5℃のテルペン系水素添加樹脂( 品名クリアロンP-85、ヤスハラケミカル(株)) 60質量部に代えて、軟化点115℃±5℃のテルペ 系水素添加樹脂(商品名クリアロンP-115、ヤ ハラケミカル(株))40質量部を使用すること 外は、実施例1と同様にして実施例2の樹脂組 成物を調製した。

 <比較例1>
 ポリイソプレン重合物の無水マレイン酸付 物と2-ヒドロキシエチルメタクリレートと エステル化物(商品名UC-203、(株)クラレ)70質 部、ジシクロペンテニルオキシエチルメタ リレート(商品名FA512M、日立化成工業(株))30 量部、2-ヒドロキシブチルメタクリレート( 品名ライトエステルHOB、共栄社化学(株))10質 量部、軟化点85℃±5℃のテルペン系水素添加 脂(商品名クリアロンP-85、ヤスハラケミカ (株))30質量部、ブタジエン重合体(商品名Polyo il 110、日本ゼオン(株))140質量部、光重合開 剤(商品名イルガキュア184D、チバ・スペシャ リティ・ケミカルズ社)2質量部、光重合開始 (商品名SpeedCure TPO、日本シイベルヘグナー( 株))7質量部を混練機にて混練して比較例1の 脂組成物を調製した。

 <実施例3>
 軟化点85℃±5℃のテルペン系水素添加樹脂( 品名クリアロンP-85、ヤスハラケミカル(株)) 60質量部を15質量部に代えること以外は、実 例1と同様にして実施例3の樹脂組成物を調製 した。

 実施例1~3、比較例1で調製した樹脂組成物 を、厚さ100μmの白色のアクリル樹脂板上に、 所定の膜厚となるように滴下してUVコンベア て搬送し、所定の厚さの樹脂硬化物を得、 れを試料とした。

(評価1)
 各試料の光透過率、伸び率、保護板に対す 密着力、貯蔵弾性率、硬化収縮率、凝集力 び平均表面粗度を、以下のようにして求め 。

 〔光透過率〕 
 各試料(樹脂硬化物の厚さ100μm)について、 外可視分光光度計(日本分光(株)製V-560)によ て可視光領域の透過率を測定したところ、 て90%以上であった。

 〔伸び率〕
 伸び率は、樹脂組成物を所定の厚さになる うに剥離フィルム上に滴下し、ついて紫外 照射して硬化させ、所定の大きさ(例えば、 0.6mm、10mm幅、25mm長)にカットして試料を作成 、それを引っ張り試験機(テンシロン、(株) リエンテック)で測定した値である。その条 件は、雰囲気温度25℃又は80℃、加重5Kgf、引 張り速度5mm/分、伸び率(%)=L/L0×100で算出す 。ここで、L0は基準長さ、Lは破断するまで 変位長さである。

 〔保護板に対する密着力(JIS K6854-1)〕
 PETフィルムに樹脂組成物を50μm厚となるよ に塗布し、それをPMMA板に貼り合わせ、紫外 を照射して硬化させ試験片(幅2.5cm)とする。 次に、PMMA板からPETフィルムと共に樹脂組成 の硬化物を90度方向に、雰囲気温度25℃又は8 0℃で引っ張り試験機(テンシロン、(株)オリ ンテック)を用いて50mm/分の速度で引き剥が 。その引き剥がすために要した力を2.5cmで除 した値を密着力とする。

 〔貯蔵弾性率〕
 各試料について、粘弾性測定装置(セイコー インスツル(株)製DMS6100)を用い、測定周波数1H zで貯蔵弾性率(Pa)(25℃)を測定した。得られた 結果を表1に示す。

 〔硬化収縮率〕
 さらに、硬化収縮率(%)については、硬化前 樹脂液と硬化後の固体の比重を電子比重計( MIRAGE社製SD-120L)を用いて測定し、両者の比重 から次式により算出した。得られた結果を 1に示す。

 〔凝集力〕
 短冊状の2mm厚のPMMA板と1mm厚のガラス基板と を用意する。つぎに、ガラス基板の中央部に 直径6mmの樹脂組成物を滴下し、0.1mmスペーサ を介してその上からPMMA基板を直交するよう に載置して試験片を作成する。この試験片の PMMA基板を固定し、他方、ガラス基板におけ PMMA基板と接触していない両端部を押圧治具( クロスヘッド)により押圧し、PMMA基板とガラ 基板とが分離するまでに要する応力を雰囲 温度25℃又は80℃で測定する。押圧速度は5mm /minであり、得られた応力を単位面積で除し 凝集力とする。

 〔平均表面粗度の測定〕
 各樹脂組成物について、それぞれ2mgを液晶 ル用ガラス板に滴下し、UV硬化の際に生ず 内部応力により発生するガラス板表面の所 領域(2.93mm×2.20mm)の歪み(Ra:平均表面粗度)を Zygo社製3次元非接触表面粗度測定計にて測定 した。得られた結果を表1に示す。
 
 
 
 
 
 
 
 

 表1から明らかなように、実施例1~3は、伸 び率が25℃で700%以上、80℃で400%以上で、保護 部に対する密着力が25℃で0.4N/cm以上、80℃で0 .3N/cmであるので、歪みがほとんどなく、良好 な結果が得られた。なお、実施例3の場合、 施例1及び2の場合に比べ、硬化収縮率が若干 高いので、僅かに表示ムラが観察さえたが実 用上問題のないレベルであった。

 これに対し、比較例1の場合には伸び率と 保護部に対する密着力がいずれも不充分であ った。

(評価2)
 次に、上述の実施例及び比較例の樹脂組成 を使用してパネル試料を作成し、耐衝撃性 評価を行った。即ち、大きさ50mm×50mm、厚さ 0.5mmのガラス板(画像表示部)と、大きさ50mm×50 mm、厚さ0.5mmのポリメチルメタクリレート板( 護部)との間に、実施例1又は2の樹脂組成物 厚さ0.1mmに硬化させたものを実施例のパネ 試料とした。この場合、スペーサは用いて らず、パネル試料の総厚さは、1.1mmであった 。なお、このパネル試料の作製方法としては 、ガラス板上に実施例1又は2の樹脂組成物を 布し、その上にポリメチルメタクリレート を重ね、そのポリメチルメタクリレート板 からUV照射することにより樹脂組成物を硬 させた。

 一方、図4に示す従来技術の構成のパネル 試料を作成した。この場合、液晶表示パネル (画像表示部)102及び保護部103として、上述の 施例のパネル試料と同一の部材を用い、画 表示部と保護部との間に厚さ1.0mmのスペー を介在させて、エアギャップが1.0mmで総厚さ 2.0mmの比較例のパネル試料とした。

 実施例及び比較例のパネル試料について 所定の治具を用いて縁部分を固定し、直径5 mmの押圧部を用い、保護部表面に対して垂直 向から押し付け速度1mm/秒で押圧部を保護部 表面に押し付けてパネル破壊試験を行った。

 その結果、実施例のパネルによれば、比 例のパネルに比べて薄型のパネルであるに 関わらず、押し付け強度が150%向上したこと が確認できた。

 本発明は、液晶表示装置などの画像表示 置等に有用である。